JP2001303262A - 高耐食性有機被覆表面処理鋼板 - Google Patents

高耐食性有機被覆表面処理鋼板

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JP2001303262A
JP2001303262A JP2000119859A JP2000119859A JP2001303262A JP 2001303262 A JP2001303262 A JP 2001303262A JP 2000119859 A JP2000119859 A JP 2000119859A JP 2000119859 A JP2000119859 A JP 2000119859A JP 2001303262 A JP2001303262 A JP 2001303262A
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Teruaki Isaki
輝明 伊崎
Hiroshi Omi
洋 近江
Masaaki Yamamoto
雅章 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クロムを含まないが耐食性に優れ、また潤滑
性にも優れた表面処理鋼板を得る。 【解決手段】 めっき鋼板粗度の凸部上皮膜厚み(A)
がめっき鋼板粗度の凹部上皮膜厚み(B)の30%以上
となるようにめっき鋼板粗度を制御し、その鋼板上にC
rを含まない有機皮膜を被覆した表面処理鋼板。 【効果】 表層凹凸を制御しためっき表層に、チオカル
ボニル基含有化合物と有機および/または無機リン酸イ
オン、またはこれに更に水分散性シリカを含有した有機
皮膜を被覆することで、従来のクロメート系より優れた
耐食性皮膜が得られる。或は、更に潤滑剤を添加するこ
とで良好なプレス加工性も確保され、耐食性とプレス加
工性を兼備した表面処理鋼板が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、従来のクロメート
と異なり、クロムを含まないが耐食性に優れ、また潤滑
性にも優れる皮膜を処理した表面処理鋼板に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、各種めっき鋼板の耐食性を向上さ
せる最も簡便かつ確実な手法として、クロメート処理が
行われている。また、最近では更なる耐食性向上を狙っ
て、有機樹脂とクロムを複合させたいわゆる樹脂クロメ
ート皮膜の開発も行われている。例えば、特公平3−6
8115号公報、特公平3−66391号公報、特公平
3−66392号公報などに、耐食性と塗装性を確保
し、かつ処理外観にも優れるクロメート処理皮膜が開示
されている。また、本発明者らも特開平7−18006
5号公報で同様な処理皮膜を開示した。更には特開平9
−157863号公報では、耐食性、塗装性、およびク
ロム溶出を抑制した樹脂クロメート皮膜を開示してい
る。
【0003】しかし、昨今の環境汚染負荷物質軽減に対
する要求は極めて強く、クロムを含有するクロメート皮
膜そのものを排除していく動きがある。クロムを使用し
ない処理皮膜の研究事例としては特開平3−13137
0号公報、特開平8−239776号公報、特開昭61
−223062号公報などで種々の処理皮膜が開示され
ている。本発明者らも特開平11−104892号公報
でクロムを含まない皮膜をアルミ系めっきや錫系めっき
に適用した例を開示した。その後の本発明者らの研究
で、鋼板の凹凸、いわゆる粗度が耐食性にバラツキを発
生させることが分かってきた。即ち、粗度が大きい鋼板
では皮膜の厚い部分と薄い部分の差が大きくなりすぎる
ために厚い部分に対する薄い部分の錆発生が早く起こる
ことによる耐食性バラツキを発生させるのである。
【0004】一方、鋼板は様々な形状にプレス加工され
るために有機皮膜塗布によって潤滑性を付与することは
有効であり、皮膜中にシリカやWAXを添加すれば加工
性良好な皮膜が得られる。ところで有機皮膜はいわゆる
絶縁皮膜であることから溶接性を低下させてしまう。溶
接性が必要な場合は有機皮膜はできるだけ薄く均一な方
が良いが、鋼板表面の粗度が高いと予想以上に皮膜厚の
バラツキが起こり、その結果溶接電流や溶接打点数のバ
ラツキにも繋がってしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、鋼板
粗度を制御し有機皮膜厚みと鋼板粗度の関係を制御する
ことで耐食性や溶接性のバラツキを抑制し、皮膜中にチ
オ化合物やリン酸化合物、更にはポリエチレンWAXな
どを添加することでクロメート皮膜に相当する耐食性と
良好な加工性を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために鋭意検討した結果、図1に示すような、めっき鋼
板粗度凹凸部での有機皮膜厚みをA、Bとしたときの、
有機皮膜被覆状態:A/B比と耐食性のバラツキ状況を
図2に示す。この図2に示すように、めっき鋼板粗度の
凸部上皮膜厚み:Aとめっき鋼板粗度の凹部上皮膜厚
み:Bとの比:A/Bを変化させた鋼板に有機皮膜を塗
布(平均厚みは同じ)したサンプルを用い、塩水噴霧試
験を500時間実施した後の点状錆の出方を観察した。
鋼板の粗度はめっき直前の冷延機のロールの表面粗度を
変更することによって調整した。
【0007】その結果、A/Bが0.3を境に腐食バラ
ツキが異なることが観察された。即ち、0.3より小さ
いと点状錆が出易くバラツキも大きいが、それ以上では
錆発生が急激に抑制されることが分かった。Aの測定値
は皮膜を塗装した鋼板の断面において、凸部に相当する
と考えられる場所のうち任意の5ヶ所の測定値の平均値
を採用した。Bの測定値も同様とした。測定方法は、以
下の通りである。まず皮膜を塗装した鋼板の上に全皮膜
を蒸着した後樹脂に埋込んで研磨し、研磨した断面を電
子顕微鏡で10000倍で観察して写真撮影した。得ら
れた写真の凹凸を測定しA/Bを求めた。
【0008】めっき鋼板上にはめっき金属の酸化膜が生
成していることがほとんどである。とりわけ高温浴で製
造する溶融めっき、中でもアルミめっきのように強固な
アルミナ酸化膜が生成している場合に対してエッチング
能力を有し、処理皮膜が均一に処理されると共に密着性
良好な皮膜とするためには有機リン酸が有効であること
を見出し、有機リン酸を含有した水系樹脂中に更にチオ
カルボニル基を含有した化合物と、或いは更に水分散性
シリカを含有させることでクロメート皮膜同等以上の耐
食性を有し、プレス加工性が要求される場合は更にポリ
エチレンやシリコン等の潤滑剤を合せて添加することで
目的を達成できることを見出した。
【0009】即ち、本発明の要旨は、 (1)めっき鋼板粗度の凸部上皮膜厚み(A)がめっき
鋼板粗度の凹部上皮膜厚み(B)の30%以上となるよ
うにめっき鋼板粗度を制御し、その鋼板上にCrを含有
しない有機皮膜を被覆した高耐食性有機被覆表面処理鋼
板。 (2)前記(1)に記載の有機皮膜が、水系樹脂を主成
分とする組成物1リットル中に、0.2〜50gのチオ
カルボニル基含有化合物およびリン酸イオン換算で0.
1〜15gの有機リン酸および/またはその化合物、或
いは更に無機リン酸および/またはその化合物を含有す
る組成液を、樹脂乾燥平均膜厚で0.1〜5μm塗布し
たことを特徴とする高耐食性有機被覆表面処理鋼板。
【0010】(3)前記(1)に記載の有機皮膜が、水
系樹脂を主成分とする組成物1リットル中に、0.2〜
50gのチオカルボニル基含有化合物およびリン酸イオ
ン換算で0.1〜15gの有機リン酸および/またはそ
の化合物、或いは更に無機リン酸および/またはその化
合物と更に10〜500gの水分散性シリカを含有する
組成液を、樹脂乾燥平均膜厚で0.1〜5μm塗布した
ことを特徴とする高耐食性有機被覆表面処理鋼板。 (4)前記(2)または(3)に記載の組成液に、更に
潤滑剤を含有した組成液を、樹脂乾燥平均膜厚で0.1
〜5μm塗布したことを特徴とする高耐食性有機被覆表
面処理鋼板である。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明について詳細に説明
する。腐食は何らかの要因で局部的に弱い点が存在し、
そこを腐食因子が攻撃する、或は腐食電流が集中するこ
とにより発生する。その抑制に絶縁皮膜である有機被覆
を施すことは、腐食因子の鋼板への到達を抑制したり、
腐食電流の発生を抑制するのに有効である。経時によっ
て徐々に腐食因子は有機皮膜を浸透し鋼板表面に到達し
ていくが、鋼板面の凹凸が大きいと有機皮膜の厚みに差
があるため腐食発生に大きなバラツキが発生してしま
う。耐食性のみを確保するのであれば有機皮膜厚を増し
ていけば良いが、前述したように溶接性の大幅低下を招
いたり、コスト的にも不利である。よって、均一な厚み
の有機被覆を施すことが鋼板の諸特性をバランスさせる
ことに繋がる。本発明者らの耐食性試験では図1に示し
たような凹凸差の影響が確認された。平均有機皮膜厚は
要求される特性に応じて決定すれば良い。
【0012】次に、更に耐食性を確保するためには、
腐食液の浸透を防止すること、処理皮膜の金属素地へ
の密着性が良好であること、防錆力を有するイオンや
化合物の作用で金属表面の不働態化を図ること、処理
皮膜の耐水性、耐酸性、耐アルカリ性を有すること等を
満たす必要がある。これらのいずれかが不十分な場合に
は、高耐食性を発揮することができない。従来のクロメ
ート皮膜は、主にの不働態化に優れていた。ここで、
不働態化とは、金属または合金が、化学的あるいは電気
化学的に活性状態になる環境中にあるにも係わらず、不
活性を保持する状態になることを言う。
【0013】硫化物は、クロム酸と同様、金属表面に吸
着しやすく、また酸化能力にも優れているために、金属
表面を不働態化させることができる。従って、硫化物の
一つであるチオカルボニル基含有化合物はめっき鋼板の
錆発生を抑制する効果がある。更に、チオカルボニル基
含有化合物は、水性樹脂を含む溶液中にリン酸イオンと
共に添加されると、その防錆効果が著しく向上し、従来
のクロメート皮膜より優れた防錆皮膜が得られる。これ
は、チオカルボニル基含有化合物とリン酸イオンとの相
乗作用により防錆効果が発揮されるからであると推定さ
れる。
【0014】ここで言うリン酸イオンは有機、無機いず
れであっても効果は発揮されるが、有機リン酸系化合物
添加がより有効である。その作用は、有機リン酸の方
が、無機リン酸に比べて活性であり、その結果、金属表
面への吸着力が増し、皮膜密着性がより向上するからで
ある。また、上記処理液中に水分散性シリカを添加する
と更に防錆作用が促進されることがわかった。以下に、
更に詳細に説明する。チオカルボニル基含有化合物につ
いて述べる。本発明においてチオカルボニル基含有化合
物とは、
【0015】
【化1】
【0016】を有する化合物を言うが、更に、水溶液中
や酸またはアルカリの存在下の条件においてチオカルボ
ニル基含有化合物を放出することのできる化合物をも含
むことができる。チオカルボニル基含有化合物の代表例
としては、
【0017】
【化2】
【0018】で表されるチオ尿素およびその誘導体等、
例えばメチルチオ尿素,ジメチルチオ尿素,エチルチオ
尿素,ジエチルチオ尿素,ジフェニルチオ尿素,チオペ
ンタール,チオカルバジド,チオカルバゾン類,チオシ
アヌル酸類,チオヒダントイン,2−チオウラミル,3
−チオウラゾール等:
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】で表されるチオ炭酸類:その他式(I)構
造を有する化合物、例えばチオクマゾン,チオクモチア
ゾン,チオニンブルーJ,チオピロン,チオピリン,チ
オベンゾフェノン等が例示できる。上記の中で直接水に
溶解しないものは、アルカリ溶液中で一旦溶解させた
後、水性樹脂溶液中に配合する。次に、リン酸について
説明する。有機リン酸は次式()〜()で示される
ものである。
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】R3 は上記した基(A)、炭素数1〜5の
低級アルキル基を表し、nは1〜3の整数を表す。X1
およびY1 は各々同一もしくは異なってもよく、水素原
子、炭素数1〜5の低級アルキル基を表し、Z1 〜Z2
は各々同一もしくは異なってもよく、水素原子、アルカ
リ金属原子、アンモニアを表す。
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】
【化11】
【0030】X,X2 〜X3 およびY,Y2 〜Y3 は各
々同一もしくは異なってもよく、水素原子、炭素数1〜
5の低級アルキル基を表し、Z3 〜Z6 は各々同一もし
くは異なってもよく、水素原子、アルカリ金属原子、ア
ンモニアを表す。また、これらの水溶性塩から選ばれる
1種または2種以上の化合物でも良い。上記より選定し
た有機リン酸またはその塩化合物を単独もしくは2種以
上を複合して添加しても良い。これら有機リン酸の作用
効果は、金属表面のエッチング作用による表面清浄化と
それに伴う皮膜の均一な形成および皮膜中含有による防
錆効果である。
【0031】次に、水性樹脂および水を主成分とする全
組成物1リットル中に10〜500gの水分散性シリカ
を添加することにより耐食性が一層向上する。しかも耐
食性に加えて乾燥性、耐擦傷性、塗膜密着性をも改良す
ることができる。本発明において水分散性シリカとは、
微細な粒径を有するため水中に分散させた場合に安定に
水分散状態を保持でき半永久的に沈降が認められないよ
うな特性を有するシリカを総称して言うものである。上
記水分散性シリカとしては、ナトリウム等の不純物が少
なく、弱アルカリ系のものであれば、特に限定されな
い。
【0032】次に、水系樹脂について述べる。本発明に
おいての水系樹脂とは、水溶性樹脂の他、本来水不溶性
でありながらエマルジョンやサスペンジョンのように不
溶性樹脂が水中に微分散された状態のものを言う。この
ような水性樹脂として使用できる樹脂としては、例えば
ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル
系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹
脂、その他の加熱硬化型の樹脂等を例示でき、架橋可能
な樹脂であることがより好ましい。特に好ましい樹脂は
ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、および両
者の混合樹脂系である。上記水系樹脂は2種以上を混合
して使用しても良い。
【0033】最後に潤滑剤について説明する。潤滑剤を
上記で述べてきた処理液中に添加しても悪影響はない。
潤滑剤は皮膜が硬化する時に最表層に押し出される挙動
をとる。潤滑剤は皮膜物質と反応しないため、樹脂皮膜
が下層から硬化し始める時、最終的に表層に押し出され
ることになる。潤滑剤が表層に富化することにより、プ
レス加工性が向上する。本発明で言う潤滑剤は特に限定
するものではない。例えば、エステル系,ポリエチレン
ワックス系,ステアリン酸系,シリコン系,パラフィン
ワックス系,特殊オレフィン系等である。
【0034】次に、前述した各成分の量限定理由につい
て述べる。チオカルボニル基含有化合物では、水系樹脂
を主成分とする組成液1リットル中に0.2〜50g/
l、好ましくは0.5〜20g/lが添加される。0.
2g/l未満では耐食性は不十分となり、一方50g/
lを越えると、耐食性が飽和して不経済となるだけでな
く、使用する水系樹脂によっては樹脂がゲル化して望ま
しくない。リン酸イオンの場合は、その含有量が0.1
g/l未満の場合にはエッチング力が不十分で均一塗布
が難しく、防錆効果が十分に発揮されず、一方、15g
/lを越えるとエッチング過多となりかえって防錆性が
低下したり、樹脂がゲル化したりして、液安定性がなく
なってしまう。リン酸イオンは有機系、無機系何れでも
良いが、少量で効果が得られるのは有機リン酸である。
もちろん、有機、無機を適当量づつ混合しても差し支え
ない。
【0035】水分散性シリカの含有量は、処理液1リッ
トル中に、10〜500gであることが望ましく、含有
量が10g未満では耐食性の向上効果が不十分であり、
一方、500gを越えると耐食性が飽和し不経済であ
る。また、更に他の成分が配合されていてもよい。例え
ば、顔料、界面活性剤等を上げることができる。また、
水系樹脂とシリカ粒子、顔料との親和性を向上させ、更
に水系樹脂とアルミ系めっき面との密着性等を向上させ
るためにシランカップリング剤を配合しても良い。
【0036】上記顔料としては、例えば酸化チタン(T
iO2 )、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ジルコニウム(Z
rO)、炭酸カルシウム(CaCO3 )、硫酸バリウム
(BaSO4 )、アルミナ(Al2 3 )、カオリンク
レー、カーボンブラック、酸化鉄(Fe2 3 、Fe3
4 )等の無機顔料や、有機顔料等の各種着色顔料を用
いることができる。上記シランカップリング剤として
は、例えばγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルトリエトキシシラン、N−[2−(ビニルベンジ
ルアミノ)エチル]−3−アミノプロピルトリメトキシ
シラン等を挙げることができる。
【0037】上記処理膜厚は、乾燥膜厚が0.1μm未
満であると、防錆力が不足する傾向がある。一方、乾燥
膜厚が厚すぎると、塗装下地処理としては不経済であ
り、塗装にも不都合であるので、5μm以下が良い。
尚、この場合の膜厚は鋼板の任意の場所の平均厚みであ
る。本発明の処理液をめっき鋼板表面に塗布する方法
は、特に限定されず、一般に使用されるロールコート,
エアースプレー,エアーレススプレー,浸漬等である。
ここで言うめっき鋼板とは、特に限定するものではない
が、例えばZn,Al,Mg,Si,Cr,Sn,N
i,Cu,Mn,Ti,Fe,Coなどの1種または2
種以上からなる金属をめっきしたものである。
【0038】次に、実施例および比較例を挙げて、本発
明を具体的に説明する。尚、本発明はこれらの実施例に
よって限定されるものではない。なお、以下の実施例に
おいて耐食性評価は次の方法により行った。 (評価方法) (イ)耐食性 (1)供試材の作製 本発明の処理液を各種めっき鋼板に、バーコート法で塗
布し、乾燥板温度150℃となる条件で焼き付けた。
【0039】(2)塩水噴霧試験 平板材を用い、JIS Z2371条件により、塩水噴
霧試験20日後の錆発生率を測定した。 評価基準 ◎:錆発生なし ○:白錆発生率≦5% △:5%<白錆発生率≦20% ×:20%<白錆発生率
【0040】(ロ)潤滑性 (1)供試材の作製 耐食性評価材に同じ (2)バウデン摩擦係数測定 10mmφの鋼球を、押し付け荷重500gで、供試材
の表面を摺動させ、動かす時にかかった力を測定、その
力を荷重500gで割って、摩擦係数を求めた。 評価基準 ◎:摩擦係数≦0.08 ○:0.08<摩擦係数≦0.12 △:0.12<摩擦係数≦0.20 ×:0.20<摩擦係数 表1の結果から、本発明の皮膜を処理することにより、
耐食性に優れる表面処理鋼板が得られることが分かる。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】以上のように、鋼板粗度を制御しためっ
き表層に、チオカルボニル基含有化合物と有機および/
または無機リン酸イオン、またはこれに更に水分散性シ
リカを含有した有機皮膜を被覆することで、従来のクロ
メート系より優れた耐食性皮膜が得られる。或は、更に
潤滑剤を添加することで良好なプレス加工性も確保さ
れ、耐食性とプレス加工性を兼備した表面処理鋼板が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】めっき鋼板粗度凹凸部での有機皮膜厚みA、B
を示す図、
【図2】有機皮膜被覆状態:A/Bと耐食性の関係を示
す図である。
【符号の説明】
1 めっき鋼板 2 有機皮膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 7/12 C09D 7/12 Z 201/00 201/00 C23C 22/00 C23C 22/00 Z 22/78 22/78 28/00 28/00 A (72)発明者 山本 雅章 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 Fターム(参考) 4D075 CA33 DA06 DB03 EA06 EA37 EC03 EC07 4F100 AA02B AA20B AB03A AK01B CA19B EH71A JA20B JB05B JK14A YY00A YY00B 4J038 BA212 CB001 CB012 CG001 DA031 DB001 DD001 DD121 DE001 DG001 DL032 GA13 JA38 JA55 JC01 JC05 JC06 JC24 KA07 MA08 MA10 NA03 NA11 PC02 4K026 AA02 AA07 AA09 AA12 AA13 AA22 BA01 BA03 BB01 BB04 BB08 CA23 CA37 CA39 CA41 DA15 DA16 EA02 4K044 AA02 AB02 BA10 BA17 BA21 BB03 BB16 BC01 BC02 CA11 CA16 CA18 CA53

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 めっき鋼板粗度の凸部上皮膜厚み(A)
    がめっき鋼板粗度の凹部上皮膜厚み(B)の30%以上
    となるようにめっき鋼板粗度を制御し、その鋼板上にC
    rを含有しない有機皮膜を被覆した高耐食性有機被覆表
    面処理鋼板。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の有機皮膜が、水系樹脂
    を主成分とする組成物1リットル中に、0.2〜50g
    のチオカルボニル基含有化合物およびリン酸イオン換算
    で0.1〜15gの有機リン酸および/またはその化合
    物、或いは更に無機リン酸および/またはその化合物を
    含有する組成液を、樹脂乾燥平均膜厚で0.1〜5μm
    塗布したことを特徴とする高耐食性有機被覆表面処理鋼
    板。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の有機皮膜が、水系樹脂
    を主成分とする組成物1リットル中に、0.2〜50g
    のチオカルボニル基含有化合物およびリン酸イオン換算
    で0.1〜15gの有機リン酸および/またはその化合
    物、或いは更に無機リン酸および/またはその化合物と
    更に10〜500gの水分散性シリカを含有する組成液
    を、樹脂乾燥平均膜厚で0.1〜5μm塗布したことを
    特徴とする高耐食性有機被覆表面処理鋼板。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の組成液に、更に
    潤滑剤を含有した組成液を、樹脂乾燥平均膜厚で0.1
    〜5μm塗布したことを特徴とする高耐食性有機被覆表
    面処理鋼板。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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US7105472B2 (en) 2002-04-04 2006-09-12 Walter Zepf Coating solution for metals and metal alloys
WO2024048665A1 (ja) * 2022-08-31 2024-03-07 日本製鉄株式会社 めっき縞鋼板

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