JP3411418B2 - 合成樹脂製灯具レンズ成形品及びその製造方法 - Google Patents

合成樹脂製灯具レンズ成形品及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂製灯具レンズ
成形品において、表面にハードコート層を有し、裏面凹
凸部に文字、マークその他の模様を形成してなる合成樹
脂製灯具レンズ成形品の製造方法に関するものである。
かかる灯具レンズは、ヘッドランプレンズ、コーナーリ
ングランプ、フロントコンビネーションランプ、リヤタ
ーンシグナルランプ、ストップランプ、バックアップラ
ンプ、ライセンスプレートランプ、フォグランプ等の自
動車用灯具レンズ及び室内用照明機器レンズに適する。
【0002】
【従来の技術】自動車用ランプレンズ等の灯具レンズに
従来から使われてきた無機ガラスは、重量が重い、割れ
易い、形状や色が制限される、生産性が低いなどの欠点
がある。また、特に自動車用ランプレンズ類は、近年、
軽量化、形状設計の容易化、コンパクト化による耐熱性
の向上、ケース本体への取付法の合理化等への要求が高
いことから、高耐熱性、高強度であり、かつ成形性の優
れた高透明性の合成樹脂(アクリル樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂等)を用いて灯具レンズを製造する技術が開発
されつつある。
【0003】しかしながら、合成樹脂成形品は、表面に
擦り傷が付き易く、透明性や耐久性が低下し易いという
欠点がある。合成樹脂成形品の耐擦傷性を改善する方法
としては、成形品の表面を、エポキシ樹脂系、アクリル
樹脂系、アミノ樹脂系、ポリシロキサン系等のハードコ
ート剤で塗装しその表面硬度を向上させる方法が提案さ
れている。通常、これらハードコート剤組成物は、適当
な溶剤に溶解されて、成形品にスプレー塗装や浸漬塗装
などの手段によって、数μmから数十μmの膜厚のハー
ドコート膜として塗装される。次いで、このハードコー
ト膜は、加熱または紫外線照射等の手段により硬化され
て、表面硬度を有する硬化皮膜となる。
【0004】この塗装による合成樹脂成形品への表面硬
度付与は、確かに成形品の表面硬度を向上させるけれど
も、工業生産という観点からは、なお以下のような問題
があり、必ずしも好ましいものではない。 (1)射出成形により得られる成形品には、分子配向や
残留応力があるので、成形品に塗装する際に、塗料溶剤
の影響により成形品へのクラックやクレージングを発生
させ、製品不良となる。 (2)熱処理による皮膜の硬化を行うと、同じく成形品
の分子配向や残留応力の影響により、成形品が変形する
など寸法変化を起こす。 (3)プラスチック材料は帯電性が大きいため、塗装工
程ではゴミ、埃等の静電付着による汚染を完全に避ける
ことはできず、成形品へのハードコート剤の塗装が不完
全となり外観不良を引き起こす。そのために、成形品表
面に付着したゴミ、埃等を取り除くための成形品洗浄工
程が必要になり生産性が著しく悪くなる。 (4)形状の複雑な成形品に、スプレー塗装や浸漬塗装
を行った場合には、塗料液のダレや塗料液の溜まりが発
生し外観不良をおこしやすく、成形品形状に制約があ
る。 (5)成形品の片面にのみ、浸漬塗装する場合は、非塗
装部分に塗料が付着しないように、非塗装部が複雑な形
状をしている場合は、マスキング処理が困難になる等の
問題がある。
【0005】また、合成樹脂成形品の耐擦傷性を改善す
る方法の他の一として、あらかじめハードコート膜を片
面に施した熱可塑性樹脂フィルムもしくはシートを所望
の形状に打ち抜き、これを金型キャビティに装着した
後、射出成形し積層一体化することにより灯具レンズを
形成する方法等が提案されている(特開昭60−201
935)。しかし、この方法は、打ち抜き工程や打ち抜
き片を金型内に装着する工程等を必要とし、また、用い
る熱可塑性樹脂フィルムもしくはシートにある程度の厚
み(0.1mm以上、通常0.5mm程度)をもたせる
必要があるため、深い絞り形状等の三次元的な形状への
対応が出来ない等の形状面での制約があるという欠点が
ある。
【0006】一方、合成樹脂成形品のレンズカット、そ
の他の凹凸面に、文字、マークその他の模様を形成する
方法としては、まず所定の凹凸面を有する成形品を製造
し、次いでこの凹凸面に、印刷、ホットスタンプ法その
他の方法で、模様を形成する方法が採られていた。他の
方法として、金型に模様付きの紙、ポリオレフィン、ア
クリル樹脂、ポリエステル樹脂製等のシートを装着し、
合成樹脂を射出一体化してなる成形品の製法は知られて
いるが、レンズカット等のシャープな凹凸を有する面を
この方法で製造することは知られていない。
【0007】前者の凹凸面を持った成形品を用いる方法
は、シャープな凹凸面に明瞭な輪郭を持った模様を形成
することは困難であった。また、後者の金型に模様付き
シートを装着する方法の場合、凹凸の具合が比較的緩や
かな場合は良好な成形品を製造することが可能であった
が、一部分にでもレンズカット等のシャープな凹凸があ
ると、模様付きシートが射出された溶融樹脂によって該
凹凸部で破断して、模様付きの成形品を製造することは
できなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、合成樹
脂製灯具レンズ成形品において、表面にハードコート層
を有し、裏面凹凸部に文字、マークその他の模様を形成
してなる合成樹脂製灯具レンズ成形品及びその成形方法
に関して鋭意研究を重ねた結果、形状の自由度が高く、
しかも工程数が少なく、簡易且つ経済的な方法で簡単に
製造しうることに成功し、本発明を完成させた。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、固
定側金型および可動側金型のいずれか一方に真空吸引機
構を備え、他方に表面凹凸部を備える金型を用いた射出
成形法による合成樹脂製灯具レンズ成形品の製造方法に
おいて、(a)ハードコート層および基材層を有する転
写フィルムを、真空吸引操作により上記一方の金型に密
着し、(b)予め文字、マークその他の模様が形成され
た層を有する模様形成シートを、上記他方の金型に装着
し、次いで(c)金型を閉じて、金型空間内に溶融した
合成樹脂を射出充填することを特徴とする、表面にハー
ドコート層を有し、裏面凹凸部に模様を形成してなる合
成樹脂製灯具レンズ成形品の製造方法にある。
【0010】本発明は、上記のように(a)転写フィル
ムの密着、(b)模様形成シートの装着および(c)射
出成形の3工程からなるものであるが、以下、これらの
工程を、図面に従って、より具体的に説明する。すなわ
ち、図1は、本発明において使用する転写フィルム及び
模様形成シートとこれらを装着すべき金型との位置関係
の一例を示す概念的断面図であり、図2および図3は、
それぞれ、本発明により製造された灯具レンズの一例を
示す斜視図および断面図である。本発明では、可動側金
型(1)と固定側金型(7)とを有し、それらのいずれ
か一方(図1では、可動側金型)が真空吸引機構(2)
を備え、他方(図1では、固定側金型)が表面凹凸部を
備える射出成形金型を用いる。
【0011】しかして、転写フィルムの密着の工程にお
いては、ハードコート層(4)および基材層(3)を有
する転写フィルム(5)が使用される。また、密着のた
めに転写フィルムを金型内に設置するときには、ハード
コート層(4)が、後の射出成形の際に、成形品に転写
されるよう、該フィルム(5)の向きを選択することが
必要である。すなわち、その基材層(3)の側の面が、
真空吸引用機構(2)を備えた金型と対向するように設
置する。次いで、真空吸引操作を行う。すなわち、射出
成形金型を閉じ、転写フィルムを挟んだ状態で、真空吸
引用孔(2)を介して真空ポンプ(図示せず)により高
速で真空吸引して、転写フィルムと可動側金型との間の
空気抜きを行う。この操作によって、転写フィルムを可
動側金型(1)に密着させる。この真空吸引操作に適切
な真空ポンプの能力は、金型構造や使用する転写フィル
ムの基材層の厚さ、剛性および温度によって異なるが、
型締め後、真空度が10Torr以下の高真空に至り、
転写フィルムが金型に密着するに要する時間が1秒以内
となる条件を選定するのが好ましい。
【0012】本発明で用いられる転写フィルムを構成す
る基材層としては、金型に密着させることができ、射出
成形の際に十分な耐熱性を有し、またハードコート層の
塗布および剥離が容易な合成樹脂製フィルムであれば、
特に制限はない。かかる合成樹脂としては、具体的に
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、
ポリイミド、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケ
トン、酢酸セルロース、ポリアミド、ポリエチレンテレ
フタレート−イソフタレート共重合体等の低結晶性ポリ
エステル等が好ましい。基材層の厚みは、通常5〜30
0μmであり、好ましくは、12〜100μmである。
【0013】また、転写フィルムを構成するハードコー
ト層は、通常、上記基材層の上に、エポキシ樹脂系、ア
クリル樹脂系、アミノ樹脂系、ポリシロキサン系等の従
来公知のハードコート剤を、必要に応じ適当な溶剤に溶
解し、スプレー塗装や浸漬塗装などの手段によって、塗
布し、次いで熱または、紫外線、電離放射線等の手段に
より硬化することにより形成する、好ましくは透明な層
である。ハードコート層の厚みは、通常2〜20μmで
あり、好ましくは、4〜10μmである。また、表面硬
度は鉛筆硬度で表示しH〜2H程度が選ばれる。ハード
コート剤としては、熱硬化性のものは、硬化過程の加熱
により基材層が収縮して歪みを生じ易く、紫外線や電離
放射線硬化性の樹脂は、硬化時間が短く、生産性に優
れ、硬化時に殆ど熱発生が無いので、後者特に電離放射
線硬化性の樹脂が好ましい。
【0014】なお、本発明で用いられる転写フィルムに
は、上記ハードコート層だけでなく、更に意匠性を高め
るための表面加飾層や、成型品との接着性を高めるため
の接着層を、成形品に転写可能な層として、ハードコー
ト層の上にまたはハードコート層と基材層の間に、積層
形成せしめることもできる。接着層の材料としては、ア
クリル−ウレタン系樹脂等が用いられる。
【0015】模様形成シートの装着工程においては、予
め文字、マークその他の模様が形成された層を有する模
様形成シート(6)が使用される。このシートは、可動
側金型および固定側金型のうち、表面凹凸部を備える金
型(7)に装着され、しかも射出成形によって、成形品
の凹凸部を構成することになる。その際、予め形成され
た模様も、場合によっては形状が変えられるが、該成形
品の凹凸部の一部を構成する。従って、模様を所定の位
置に乱れなくかつ良好な輪郭を持って形成させるために
は、図1に示すように、折り曲げ加工した模様形成シー
ト(6)を、該折り曲げ部が表面凹凸部の周縁を挟持す
るように、装着するのが好ましい。
【0016】本発明で用いられる模様形成シートの材料
としては、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリ
レート(PMMA)、アクリロニトリル−スチレン共重
合体(AS樹脂)、ポリスチレン、アセチルセルロース
類等の熱可塑性樹脂が使用できるが、耐衝撃性に優れた
芳香族ポリカーボネート(以下、PCということがあ
る)を使用するのが望ましい。PCとしては、2、2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2、2−
ビス(3、5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−
プロパンで例示される二価のフェノール系化合物の一種
以上と、ホスゲンで例示されるカーボネート前駆体とか
ら、公知の方法によって得られる重合体が例示できる。
さらに、模様形成シートが、射出成形によって溶融樹脂
と一体化されることを考慮に入れると、該シートの材料
は、通常射出充填される合成樹脂と同一種のものを選ぶ
のが、熱融着性や光学的均一性の面から好ましい。25
℃におけるメチレンクロライド溶液粘度より換算した粘
度平均分子量で20000〜35000の芳香族ポリカ
ーボネート樹脂が好ましい。また、できれば射出充填さ
れる合成樹脂よりも分子量の大きいものを用いる方が、
シートまたはその上に形成された模様の型くずれを防止
するのによい。シート厚みとしては、0.1mm〜1.
0mmのシートを選択することで、製品表面外観、成形
性が向上する。0.1mm未満のシートを使用した場
合、射出樹脂の流動圧力によって、最終重点部のシート
表面にしわの発生が起こり易く、1.0mmを超えると
シートの適宜形状への加工が困難となる場合がある。シ
ートは、必ずしも透明である必要はなく、半透明なもの
であってもよい。また、このシートは、必要に応じ紫外
線吸収剤、着色剤などを含有していてもよい。
【0017】模様形成シートに、予め、文字、マークそ
の他の模様を形成する方法としては、塗装、ホットスタ
ンピング、印刷、蒸着加工等があげられ、特に限定はさ
れないものである。また、模様形成に使用するインキま
たは塗料のバインダー成分としては、凹凸面に賦形され
た時の伸びに対応できるものであれば特に限定されな
い。具体的には、従来のポリカーボネート樹脂用として
公知の熱可塑性樹脂系のもの、例えばポリ塩化ビニル
系、アクリル系、ポリエステル系等が挙げられる。
【0018】本発明に用いられる模様形成シートは、上
記の予め模様を形成した層の他に、接着層または保護層
を積層した構造のものであってもよい。例えば、模様を
形成した面およびこれとは反対の面のいずれかまたは両
方の上に、接着層や保護層を積層形成することができ
る。もっとも、接着層のある場合は、模様がポリカーボ
ネートと接着層との中間になるように積層するのが通常
である。また、模様形成シート(6)の表面凹凸部を有
する金型への装着に際しては、通常模様を形成した面
は、図1に示した該金型側、その反対の射出樹脂側のい
ずれと対向させてもよい。しかし、模様形成面を射出樹
脂側(内面)と対向させて装着する場合には、射出樹脂
の流動によるシェアーが大幅に負荷される部分は、予め
形成された模様が流れることがあるので、保護層を該模
様形成面の上に形成して、いわゆる、中間層に模様入り
のラミネートポリカーボネートシートとして、使用する
のが望ましい。
【0019】本発明に用いる金型の表面凹凸部の凹凸度
としては、装着された模様形成シートが、その凹凸に沿
って賦形されたときに、破断しない範囲内であることが
必要である。従来の紙等の場合、素材の凹凸面に沿った
賦形を延伸度として見た場合には数%程度であることが
必須であり、一部に10%程度の部分があったり、延伸
度は小さくともシャープなエッジを持った場合にはその
部分で破断するものであった。本発明の場合には、従来
に比べて大幅に大きい120%程度の延伸度でも使用可
能で、かつ刃物のような場合はともかく、通常のレンズ
カット等のエッジを有するものにおいても破断すること
がないものであるので、実用されている殆ど全ての凹凸
面に良好な文字、マークその他の模様を形成することが
可能である。
【0020】次いで、射出成形の工程においては、金型
を閉じ、射出ノズル(8)より溶融した合成樹脂を金型
空間内に射出充填する。ここで、射出充填する合成樹脂
としては、成形用熱可塑性樹脂であって、灯具レンズ用
として好適な透明性を有するものが用いられる。具体的
には、ポリカーボネート樹脂,ポリカーボネート樹脂−
ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物、ポリメチルメ
タアクリレート(PMMA)、アクリロニトリル−スチ
レン共重合体(AS樹脂)、ポリスチレン等の透明なプ
ラスチック類が例示される。特に、自動車用ヘッドラン
プの用途においては、その透明性、耐熱性及び耐衝撃性
の要求から、粘度平均分子量15000〜25000の
芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましい。
【0021】なお、これら射出成形用の樹脂は、周知の
各種の添加剤、例えばパラフィンワックス、脂肪酸エス
テル等の滑剤、ヒンダードフェノール、リン酸エステル
や亜リン酸エステル等の酸化防止剤、アクリルゴム等の
耐衝撃性改良剤、耐候剤、難燃剤、発泡剤、帯電防止
剤、顔料、染料等を含有していてもよい。
【0022】本発明では、かかる溶融樹脂を、通常の射
出成形と同様の圧力及び温度条件にて射出成形すると、
同時に、成形品の表面には、ハードコート層を転写さ
せ、裏面凹凸部には、模様形成シートを積層一体化させ
ることができる。これにより、表面に絞り形状を有する
成形品の曲面上にも、図3に示す表面ハードコート層
(10)を、シワや位置ズレを発生することなく形成す
ることができ、かつ、成形品の裏面の凹凸部には、所定
の文字、マークその他の模様が形成された裏面模様層
(11)が同時に形成される。そして、耐擦傷性等の表
面特性に優れ、意匠性の与えられた灯具レンズを容易且
つ大量に製造することが可能となる。
【0023】
【実施例】以下に、実施例により具体的に説明するが、
本発明はその要旨を逸脱しない限り、これによって何等
限定されるものではない。
【0024】<実施例>厚みが50μmのポリエチレン
テレフタレート(23℃におけるジクロルベンゼン・フ
ェノール混合溶媒溶液の固有粘度0.65)基材フィル
ムの表面に、アクリル樹脂系ハードコート剤を塗布し
て、厚み10μmの塗膜層を形成した後、180ke
V、5Mradの電離放射線を基材側より照射し、塗膜
層の樹脂を架橋硬化せしめて、鉛筆硬度Hのハードコー
ト層とした。次いで、その上に、更にアクリル−ウレタ
ン系樹脂を塗布して、厚み8μmの接着層を形成し、転
写フィルムを得た。このようにして得られた転写フィル
ム(5)を、その基材層(3)の側の面が、図1に示す
灯具レンズ用射出成形金型のうち、真空吸引用孔(2)
を備えた可動側金型(1)と対向するように設置して、
金型を閉じ、高速真空吸引操作を行い、約0.7秒で転
写フィルムを金型表面に密着させた。
【0025】一方、厚み0.5mmの透明な芳香族ポリ
カーボネート(粘度平均分子量28000)シート表面
に、予めマーク及び文字をスクリーン印刷(帝国インキ
製造(株)製、EGインキ使用)した模様シートを、金
型装着用に適した形状に打ち抜き、折り曲げ加工した。
このように加工した模様形成シート(6)を、上記転写
フィルムを密着させた射出成形金型のうち、表面凹凸部
を備えた固定側金型(7)に、模様形成シートの印刷面
が固定側金型と対向し、かつ折り曲げ部が表面凹凸部の
周縁を挟持するように、装着した。
【0026】次いで、上記射出成形金型を再び閉じ、射
出ノズル(8)から金型空間内に、溶融したPC樹脂
(ユーピロンS−3000、三菱瓦斯化学(株)製。粘
度平均分子量22000)を、金型温度80℃、射出圧
力1800kg/cm2 、成形温度290℃にて射出充
填し、冷却後型開き離型し、灯具レンズ成形品を取出し
た。
【0027】表面を覆うポリエチレンテレフタレートフ
ィルムを取り除き、この成形品を目視により観察したと
ころ、表面側の曲面部に転写された表面ハードコート層
(10)には、損傷、外観異常等は認められず、また、
裏面側の凹凸部には、裏面模様層(11)が、成形時に
装着した模様形成シートが射出樹脂と完全に一体化され
て、しかも予め印刷したマーク及び文字も所定位置に乱
れなくかつ良好な輪郭をもって、形成されていることが
認められた。
【0028】<比較例>上記実施例において、上記の真
空吸引操作及び模様形成シート装着を行わない外は、該
実施例とまったく同じ方法により射出成型を行った。ま
た、このようにして得られた成型品の裏面凹凸部に、マ
ーク及び文字の印刷(タンポ印刷)を行った。目視観察
の結果、表面側の曲面立ち上がり部に、ハードコート層
膜の多数の割れが認められた。また、裏面側凹凸部のう
ち、凹部の先端までパッドをとどかせることが困難であ
り、この部分では印刷不良となり、マークや文字が不鮮
明であった。
【0029】
【発明の効果】以上、発明の詳細な説明、実施例等から
明白な如く、本発明によれば、表面にハードコート層を
有した耐擦傷性に優れ、裏面凹凸部には意匠性を付与で
きる灯具レンズを、効率的且つ経済的に製造することが
できる。また、芳香族ポリカーボネート製の模様形成シ
ートが一体化された成型品である場合には、レンズ材と
して耐衝撃性等の低い例えばPMMA樹脂を使用して
も、耐衝撃性等の機械的物性においてより優れたものと
なり、性能、生産性を兼ね備えた工業的な意義の極めて
大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において使用する転写フィルム及び模様
形成シートとこれらを装着すべき金型との位置関係の一
例を示す概念的断面図。
【図2】本発明により製造された灯具レンズの一例を示
す斜視図。
【図3】図2のA−A’断面図。
【符号の説明】
1 可動側金型 2 真空吸引用孔 3 基材層 4 ハードコート層 5 転写フィルム 6 模様形成シート 7 固定側金型 8 射出ノズル 9 灯具レンズ 10 表面ハードコート層 11 裏面模様層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B29K 69:00 B29K 69:00 105:20 105:20 B29L 9:00 B29L 9:00 11:00 11:00 (72)発明者 今泉 洋行 神奈川県平塚市東八幡五丁目6番2号 三菱エンジニアリングプラスチックス株 式会社 技術センター内 (72)発明者 鎌野 英彦 神奈川県平塚市東八幡五丁目6番2号 三菱エンジニアリングプラスチックス株 式会社 技術センター内 (56)参考文献 特開 平6−99457(JP,A) 特開 平3−114718(JP,A) 特開 昭60−201935(JP,A) 実開 昭59−53301(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/00 - 45/84

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定側金型および可動側金型のいずれか一
    方に真空吸引機構を備え、他方に表面凹凸部を備える金
    型を用いた射出成形法による合成樹脂製灯具レンズ成形
    品の製造方法において、(a)ハードコート層および基
    材層を有する転写フィルムを、その基材層の側の面が、
    上記一方の金型と対向するように設置し、真空吸引操作
    により上記一方の金型に密着し、(b)予め文字、マー
    クその他の模様が形成された層を有する模様形成シート
    を、上記他方の金型に装着し、次いで(c)金型を閉じ
    て、金型空間内に溶融した合成樹脂を射出充填すること
    を特徴とする、表面にハードコート層を有し、裏面凹凸
    部に模様を形成してなる合成樹脂製灯具レンズ成形品の
    製造方法。
  2. 【請求項2】ハードコート層が、透明な電離放射線硬化
    性樹脂を硬化せしめてなる層であることを特徴とする、
    請求項1に記載の合成樹脂製灯具レンズ成形品の製造方
    法。
  3. 【請求項3】合成樹脂が、粘度平均分子量15000〜
    25000の芳香族ポリカーボネート樹脂であることを
    特徴とする請求項1に記載の合成樹脂製灯具レンズ成形
    品の製造方法。
  4. 【請求項4】模様形成シートが、透明な芳香族ポリカー
    ボネート樹脂製であることを特徴とする請求項1に記載
    の合成樹脂製灯具レンズ成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造
    方法によって得られた合成樹脂製灯具レンズ成形品。
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