JP3411148B2 - 双方向周波数変換器 - Google Patents

双方向周波数変換器

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JP3411148B2 JP08572696A JP8572696A JP3411148B2 JP 3411148 B2 JP3411148 B2 JP 3411148B2 JP 08572696 A JP08572696 A JP 08572696A JP 8572696 A JP8572696 A JP 8572696A JP 3411148 B2 JP3411148 B2 JP 3411148B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、周波数多重伝送シ
ステムにおいて使用される双方向の周波数変換器に関す
る。特に、本発明は、第1に、CATV伝送システムの
ヘッドエンドにおいて、ある系統の伝送路から入力され
る低群上り信号を同一又は他の系統の伝送路に高群下り
信号として送出する変換器に関する。第2に、ある系統
の伝送路の端末と他の系統の伝送路の端末とを接続し、
ある系統の伝送路から高群下り信号を入力して低群上り
信号として他の系統の伝送路に出力する変換器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の周波数多重伝送システムにおける
周波数変換器として、アップコンバータとダウンコンバ
ータとが知られている。そのうち、アップコンバータ
は、図6に示す構成をしている。即ち、テレビジョン信
号における58.75MHzの映像中間周波信号と54.25 の音声
中間周波信号( 以下、これらの信号を合わせて 6MHz 帯
域の信号を「中間周波信号」という)S20は、周波数
変換器50に入力する。その周波数変換器50には、位
相ロックドループ回路(PLL)52により位相制御さ
れる電圧制御発振器(VCO)51の出力する554MHzの
搬送波f20が入力しており、58.75MHzの中間周波信号
S20(以下、各チャネルを示す周波数は、映像搬送波
の周波数で表示する)は、495.25MHz と612.75MHz の両
側帯波信号S21に変換される。そして、帯域通過フィ
ルタ53により、612.75MHz の上側帯波信号が第2中間
周波信号S22として抽出される。
【0003】その第2中間周波信号S22は増幅器54
で増幅され、帯域通過フィルタ55を介して、周波数変
換器56に入力する。その周波数変換器56には、PL
L58により位相制御されるVCO57の出力する搬送
波f21を入力している。搬送波f21は伝送路上の広
帯域のある1つのチャネルに対応した周波数であり、そ
の周波数の可変範囲は、704 〜1064MHz である。612.75
MHz の中間周波信号S22は周波数変換器56により周
波数変換されて、(f21-612.75)MHzの下側帯波だけ帯域
通過フィルタ(図示略)で抽出され、高周波信号S23
として伝送路に送出される。
【0004】多重伝送路システムの送信端局では、この
ようなアップコンバータが各チャネル毎に多数設けられ
ており、各チャネルの信号が伝送路に周波数多重化され
て送出される。一方、伝送路上の広帯域における所定帯
域の高周波信号を所定帯域の中間周波信号に変換するダ
ウンコンバータも、アップコンバータと信号の伝送され
る方向が逆だけで、同様な構成である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の構成の
アップコンバータもダウンコンバータも、一方向に信号
を伝送するだけで、双方向に伝送することはできない。
又、入力側は所定の中間周波信号を周波数変換するため
に、入力側の搬送波f20は固定されたものである。こ
のため、変換する帯域間の周波数関係が一定に固定さ
れ、任意帯域の周波数信号を他の任意帯域に周波数信号
に双方向に変換することはできなかった。
【0006】本発明は、上記課題を解決するために成さ
れたものであり、その目的は、任意の帯域間で、周波数
変換を双方向に可能とすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】請求項1
の発明は、周波数多重伝送システムにおいて、第1端子
から第1所定帯域の信号を入力して、第2所定帯域の信
号へと変換して第2端子から出力し、第2端子から第3
所定帯域の信号を入力して、第4所定帯域の信号へと変
換して第1端子から出力するように双方向に変換する
方向周波数変換器である。
【0008】第1搬送波発振器と第2搬送波発振器は、
それぞれ、設定値に応じて異なる周波数の第1搬送波を
発生する。又、第1増幅回路と第2増幅回路とは並列接
続されており、第1増幅回路は、第5所定帯域の第1中
間周波信号のみを抽出して第1端子から第2端子の向き
に増幅し、第2増幅回路は、第1中間周波信号の帯域と
異なる第6所定帯域の第2中間周波信号のみを抽出して
第2端子から第1端子の向きに増幅する。
【0009】又、第1周波数変換器は、第1端子からの
第1所定帯域の入力信号と第2増幅回路からの第6所定
帯域の第2中間周波信号と第1搬送波発振器からの第1
搬送波とを入力して、第1端子からの入力信号を第1中
間周波信号に変換して第1増幅回路に出力し、第2中間
周波信号を第4所定帯域の信号に変換して第1端子から
出力させる。
【0010】さらに、第2周波数変換器は、第2端子か
らの第3所定帯域の入力信号と第1増幅回路からの第5
所定帯域の第1中間周波信号と第2搬送波発振器からの
第2搬送波とを入力して、第2端子からの入力信号を第
2中間周波信号に変換して第2増幅回路に出力し、第1
中間周波信号を第2所定帯域の信号として第2端子から
出力させる。
【0011】このように、第1端子からの第1所定帯域
の入力信号は第1搬送波で第1中間周波信号に変換さ
れ、第2搬送波により更に周波数変換されて第2端子か
ら第2所定帯域の信号として出力される。第1中間周波
信号の周波数帯域は、第5所定帯域に固定されているの
で、第1端子からの変換対象となる入力信号の周波数に
対応して第1搬送波の周波数を決定し、第2端子からの
変換対象とする出力信号の周波数に対応して第2搬送波
の周波数を決定すれば良い。
【0012】上記のように第1搬送波の周波数と第2搬
送波の周波数が決定されると、逆に、第2中間周波信号
の周波数帯域は第6所定帯域に固定されているので、第
2端子からの変換可能な入力信号の周波数と第1端子か
ら変換された出力信号の周波数が決定されることにな
る。
【0013】このように、同一構造の双方向周波数変換
器において、設定値を変化させて、第1搬送波の周波数
と第2搬送波の周波数とを任意に設定することで、ある
周波数帯域から他の周波数帯域への変換を双方向に行う
ことができる。
【0014】例えば、第1端子及び第2端子を、周波数
多重伝送における低群周波信号を入力し、高群周波数信
号を出力するものとし、CATV伝送路におけるヘッド
エンドに設けることで、本装置をある系統の伝送路から
入力される低群上り信号を同一又は他の系統の伝送路に
高群下り信号として送出する装置として使用することが
できる。この時、変換する周波数帯域間の関係は第1搬
送波の周波数と第2搬送波の周波数とで決定される。
【0015】又、第1端子及び第2端子を、周波数多重
伝送における高群周波信号を入力し、低群周波数信号を
出力するものとし、本装置をCATV伝送路のある系統
の終端と他の系統の終端との間に設けることで、ある系
統の伝送路から高群下り信号を入力して低群上り信号と
して他の系統の伝送路に出力する系統間接続器として使
用できる。この場合も、変換する周波数帯域間の周波数
関係を第1搬送波と第2搬送波の周波数の設定だけで行
うことができ、システム構築が容易となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施例に
基づいて説明する。図1は、本発明の具体的な実施例に
かかる双方向周波数変換器の構成を示したブロック図で
ある。本装置の第1端子11には、伝送路上の広帯域に
おける任意のチャネルの高周波信号S1が入力される。
第1搬送波発振器30は、VCO13とPLL14と設
定器15とで構成されている。PLL14はVCO13
の出力する搬送波の位相がPLL14に内蔵された基準
発振器の発振信号と位相同期させるための回路で、VC
O13はPLL14から出力される位相差信号に基づい
て発振周波数を可変する回路である。PLL14とVC
O13とによって、設定器15に設定された値に基づい
て、基準発振器の発振周波数の整数倍の搬送波を安定し
て出力することができる。
【0017】第1搬送波発振器30のVCO13は、設
定器15に設定される異なる値に応じて、チャネルの帯
域幅である6MHz間隔で異なる周波数の第1搬送波f1を
発振することができる。例えば、第1搬送波f1は、周
波数を…,773MHz,779MHz,785MHz,…のように変化させる
ことができる。
【0018】周波数変換器(第1周波数変換器)12
は、高周波信号S1と第1搬送波f1を入力して、所定
帯域、例えば、806MHzの第1中間周波信号M1に変換す
る。第1中間周波信号M1の周波数M1が固定されている
ので、第1端子11への入力信号のうち周波数変換した
い第1所定帯域の搬送波周波数S1に対して、f1=M1-S1を
満たす周波数f1の第1搬送波f1を選択することで、搬
送波周波数S1の高周波信号S1だけを周波数M1の第1中
間周波信号M1に周波数変換することができる。
【0019】例えば、図2に示すように、733MHzの第1
搬送波f1を用いることにより、33MHz の高周波信号S
1は、806MHzの第1中間周波信号M1に変換される。但
し、図2では、上側帯波だけ示されている。
【0020】帯域通過フィルタ(以下、「BPF」とい
う)16、増幅器18、BPF20は、第1増幅回路3
1を構成し、周波数M1(806MHz)の第5所定帯域(上側波
帯)の第1中間周波信号M1だけを選別して増幅する回
路であり、これにより、搬送波周波数S1の高周波信号S
1に対応する第1中間周波信号M1だけを抽出すること
ができる。
【0021】周波数変換器(第2周波数変換器)22
は、第1中間周波信号M1と第2搬送波f2とを入力し
て、伝送路上の第2所定帯域の高周波信号S2に変換す
る。その周波数変換器22には、第2搬送波発振器33
の出力する第2搬送波f2が入力している。第2搬送波
発振器33は、VCO23とPLL24と設定器25と
で構成されている。PLL24はVCO23の出力する
搬送波の位相がPLL24に内蔵された基準発振器の発
振信号と位相同期させるための回路で、VCO23はP
LL24から出力される位相差信号に基づいて発振周波
数を可変する回路である。PLL24とVCO23とに
よって、設定器25に設定された値に基づいて、基準発
振器の発振周波数の整数倍の搬送波を安定して出力する
ことができる。
【0022】この第2搬送波発振器33は、設定器25
に設定される多数の異なる値に応じて、6MHz間隔の周波
数の第2搬送波f2の出力が可能である。例えば、第2
搬送波f2は、周波数を…,573MHz,579MHz,585MHz,…の
ように変化させることができる。第2搬送波f2の周波
数f2を、第2端子26から出力する高周波信号S2の搬
送周波数S2に対して、f2=M1-S2に設定することで、伝送
路上の広帯域における所望の第2所定帯域の高周波信号
S2に変換することができる。この高周波信号S2は第
2端子から伝送路に送出される。例えば、図2に示すよ
うに、第2搬送波f2の周波数f2が573MHzの時、806MHz
の第1中間周波信号M1は233MHzの高周波信号S2に変
換される。
【0023】又、帯域通過フィルタ(以下、「BPF」
という)17、増幅器19、BPF21は、第2増幅回
路32を構成し、周波数M2(540MHz)の第6所定帯域の第
2中間周波信号M2だけを選別して増幅する回路であ
る。この第2増幅回路32は第1増幅回路31と並列に
接続されており、信号の伝送方向は第1増幅回路31と
は逆で、第2端子から第1端子への方向である。
【0024】第2端子26から入力する周波数S3=f2-M2
の第3所定帯域の高周波信号S3が第2搬送波f2で第
6所定帯域の第2中間周波信号M2に変換され、第2増
幅回路32で増幅された後、周波数変換器12により周
波数S4=f1-M2の第4所定帯域の高周波信号S4に変換さ
れて、第1端子11より伝送路に送出される。第1搬送
波f1の周波数を773MHz、第2搬送波f2の周波数を57
3MHzに設定した場合には、図3に示すように、第2端子
26から入力される33MHz の高周波信号S3は540MHzの
第2中間周波信号M2に変換され、さらに、233MHzの高
周波信号S4に変換された後、第1端子11から出力さ
れることになる。
【0025】このように、上記構成の双方向周波数変換
器は、第1搬送波f1の周波数を773MHz、第2搬送波f
2の周波数を573MHzに設定した場合、第1端子11、第
2端子26から入力する33MHz の高周波信号S1、S3
は、周波数変換により、233MHzの高周波信号S2、S4
として、第2端子26、第1端子11から、それぞれ、
送出されることになる。
【0026】又、第1搬送波f1の周波数f1を779MHz、
第2搬送波f2の周波数f2を573MHz、第1中間周波数M
1の周波数M1を812MHz、第2中間周波数M2の周波数M2
を546MHzに設定することで、第1端子11から入力する
33MHz の信号S1を239MHzの信号S2に変換し、第2端
子26から入力する27MHz の信号S3を233MHzの信号S
4に変換することができる。
【0027】S2-S1=S4-S3=f1-f2 であるから、周波数変
換幅は、第1搬送波f1と第2搬送波f2との周波数差
で決定され、さらに、中間周波信号M1,M2の帯域に
より、変換可能な入力信号の周波数と出力信号の周波数
とが決定される。
【0028】又、第1中間周波信号M1の周波数M1を54
0MHz、第2中間周波信号M2の周波数M2を806MHzに設定
し、上述のように、第1搬送波f1の周波数を773MHz、
第2搬送波f2の周波数を573MHzに設定した場合には、
図4、図5に示すように、第1端子11及び第2端子2
6からの入力信号の周波数を233MHz、それらの端子から
の出力信号の周波数を33MHz とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的な実施例にかかる双方向周波数
変換器の構成を示したブロック図。
【図2】同実施例の双方向周波数変換器を双方向アップ
コンバータとして用いた場合の一方向の周波数変換の様
子を示した説明図。
【図3】同実施例の双方向周波数変換器を双方向アップ
コンバータとして用いた場合の他方向の周波数変換の様
子を示した説明図。
【図4】同実施例の双方向周波数変換器を双方向ダウン
コンバータとして用いた場合の一方向の周波数変換の様
子を示した説明図。
【図5】同実施例の双方向周波数変換器を双方向ダウン
コンバータとして用いた場合の他方向の周波数変換の様
子を示した説明図。
【図6】従来のアップコンバータの構成を示したブロッ
ク図。
【図7】そのアップコンバータによる周波数変換の様子
を示した周波数配置図。
【符号の説明】
12…周波数変換器(第1周波数変換器) 30…第1搬送波発振器 31…第1増幅回路 32…第2増幅回路 22…周波数変換器(第2周波数変換器) 33…第2搬送波発振器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04J 1/00 - 1/20 H04L 5/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周波数多重伝送システムにおいて、第1端
    子から第1所定帯域の信号を入力して、第2所定帯域の
    信号へと変換して第2端子から出力し、第2端子から第
    3所定帯域の信号を入力して、第4所定帯域の信号へと
    変換して第1端子から出力するように双方向に変換する
    双方向周波数変換器において、 設定値に応じて異なる周波数の第1搬送波を発生する第
    1搬送波発振器と、 設定値に応じて異なる周波数の第2搬送波を発生する第
    2搬送波発振器と、 第5所定帯域の第1中間周波信号のみを抽出して前記第
    1端子から前記第2端子の向きに増幅する第1増幅回路
    と、 前記第1増幅回路に並列接続され、前記第1中間周波信
    号の帯域と異なる第6所定帯域の第2中間周波信号のみ
    を抽出して前記第2端子から前記第1端子の向きに増幅
    する第2増幅回路と、 前記第1端子から前記第1所定帯域の信号と第1搬送波
    発振器から第1搬送波を入力して前記第1中間周波信号
    に変換して前記第1増幅回路に出力すると共に、前記第
    2増幅回路から前記第2中間周波信号と前記第1搬送波
    を入力して前記第4所定帯域の信号に変換する第1周波
    数変換器と、 前記第2端子から前記第3所定帯域の信号と第2搬送波
    発振器から第2搬送波を入力して前記第2中間周波信号
    に変換して前記第2増幅回路に出力すると共に、前記第
    1増幅回路から前記第1中間周波信号と前記第2搬送波
    を入力して前記第2所定帯域の信号に変換する第2周波
    数変換器と、 を有することを特徴とする双方向周波数変換器。
  2. 【請求項2】前記第1端子及び前記第2端子は、周波数
    多重伝送における低群周波信号を入力し、高群周波数信
    号を出力するものである請求項1に記載の双方向周波数
    変換器。
  3. 【請求項3】前記第1端子及び前記第2端子は、周波数
    多重伝送における高群周波信号を入力し、低群周波数信
    号を出力するものである請求項1に記載の双方向周波数
    変換器。
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