JP3405924B2 - 負荷伝達装置 - Google Patents

負荷伝達装置

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JP3405924B2
JP3405924B2 JP20543998A JP20543998A JP3405924B2 JP 3405924 B2 JP3405924 B2 JP 3405924B2 JP 20543998 A JP20543998 A JP 20543998A JP 20543998 A JP20543998 A JP 20543998A JP 3405924 B2 JP3405924 B2 JP 3405924B2
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幸司 城田
達也 鷺山
宏治 佐藤
秀憲 永井
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Ono Sokki Co Ltd
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Ono Sokki Co Ltd
Toyo Electric Manufacturing Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はダイナモメータ等
の負荷発生部に発生した負荷を回転駆動軸等の負荷伝達
部材を介して被伝達対象に伝達させるための負荷伝達装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両用エンジンの試験装置と
して、同エンジンを車両に搭載することなくテストベン
チ上でその特性を計測するようにしたものが知られてい
る。こうした試験装置では、エンジンとダイナモメータ
等の負荷発生部とを回転駆動軸によって連結し、負荷発
生部に発生する車両側負荷に相当するトルクを回転駆動
軸を介してエンジンに伝達するようにしている。
【0003】ところで、エンジンの各気筒における燃焼
爆発は間欠的に行われ、また負荷発生部に発生するトル
クも常に変動している。従って、負荷発生部から回転駆
動軸を介してエンジンに至るトルク伝達系において励起
されるトルクは変動し、その周波数成分も常に変化して
いる。このため、上記トルク伝達系の共振周波数と同伝
達系に励起されているトルクの周波数が一致することが
あると、共振現象によって伝達精度が悪化し、更に負荷
発生部や回転駆動軸等に過大なトルクが作用して装置の
破損等を招くおそれもある。
【0004】そこで、従来の負荷伝達装置においては、
例えば、回転駆動軸を多層構造としたり或いはゴムカッ
プリングを用いたりして、そのバネ定数やダンピング定
数を適宜変更することにより、トルク伝達系に励起され
るトルクの周波数領域にその共振周波数が存在しないよ
うに同共振周波数を設定するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、共振周
波数を調整するために上記のような構造を採用した回転
駆動軸においては、その構造の複雑化を招くばかりでな
く、ガタを多く含むようになる。その結果、従来の負荷
伝達装置では、こうした構造の複雑化に伴う伝達特性の
不安定化が避けられず、そのトルクの伝達精度も自ずと
低いものとなっていた。また、こうした伝達精度の低下
は、トルクを伝達する伝達装置に限らず、例えば往復駆
動力を伝達する伝達装置等、負荷伝達部材を介して所定
の負荷を被伝達対象に伝達するようにした負荷伝達装置
においても概ね共通して発生するものである。
【0006】この発明はこうした実情に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、負荷伝達部材における構造の
複雑化を招くことなく共振現象の発生を抑制することに
より良好な伝達精度を確保することのできる負荷伝達装
置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1に記載した負荷伝達装置では、負荷発生部
と被伝達体とを連結し前記負荷発生部に発生する負荷
ルクを前記被伝達体に伝達する負荷伝達部材と、前記負
荷発生部から前記負荷伝達部材を介して被伝達体に伝達
される実負荷トルクを検出する実負荷検出手段と、前記
被伝達体に伝達すべき目標負荷トルクと前記検出される
実負荷トルクとの偏差に基づいて前記負荷発生部に発生
させる負荷トルクをフィードバック制御するものであっ
て、前記負荷発生部から前記負荷伝達部材を介して前記
被伝達体に至る負荷伝達系とともに構成される閉ループ
制御系のトルク伝達に関する周波数伝達特性が前記負荷
伝達系に励起される負荷トルク変動の周波数領域におい
て平坦なゲイン特性を有するように予め設定されたフィ
ードバックゲインに基づいて前記フィードバック制御を
実行する制御手段とを備えるようにしている。
【0008】こうした構成によれば、上記負荷伝達系に
励起される負荷振動の周波数が同負荷伝達系の共振周波
数と一致する状況下においても、負荷伝達系の周波数伝
達特性に基づいて負荷発生部に発生する負荷が制御され
るため、共振現象の発生が抑制されるようになる。ま
た、このように共振現象の発生が抑制されることから、
負荷伝達系の共振周波数を調整するために負荷伝達部材
の構造に関して特別な配慮が必要となることもない。
【0009】特に、負荷発生部から負荷伝達部材を介し
て被伝達体に伝達される実負荷を検出する実負荷検出手
段を備え、制御手段により、負荷発生部から負荷伝達部
材を介して被伝達体に至る負荷伝達系とともに構成され
る閉ループ制御系のトルク伝達に関する周波数伝達特性
が負荷伝達系に励起される負荷トルク変動の周波数領域
において平坦なゲイン特性を有するように予め設定され
たフィードバックゲインに基づいてフィードバック制御
を実行するようにしている。このため、被伝達体に伝達
される負荷トルクの特定の周波数成分に関するフィード
バックが増減されて負荷伝達系における周波数特性の擬
似的な変更が可能になる。そして、負荷伝達系における
共振点及び反共振点がいずれも存在しなくなるため、安
定したフィードバック制御を実行することができるよう
になる。
【0010】また、このように負荷発生部に発生する負
荷をフィードバック制御する際の具体的な構成として
は、請求項に記載した発明のように、 ・制御手段はH∞制御理論に基づいて負荷発生部に発生
させる負荷トルクをフィードバック制御するものであ
る、といった構成を採用することができる。
【0011】こうした構成によれば、H∞制御理論にお
ける周波数重み関数を適宜調節することにより、閉ルー
プ制御系が所定の周波数伝達特性を有するようにフィー
ドバックゲインを調節することができる。そして、この
ようにして調節された制御ゲインに基づいて負荷発生部
に発生する負荷トルクをフィードバック制御する、即ち
H∞制御理論に基づく状態フィードバック制御を実行す
ることにより、仮に負荷伝達系に関する周波数伝達特性
の特定が不正確な場合であっても、所定のロバスト安定
性を確保することができるようになる。
【0012】
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明をガソリンエンジン
の試験システムに適用されるトルク伝達装置として具体
化した実施形態について図1〜6を参照して説明する。
【0014】図1は、本実施形態における試験システム
を示す概略構成図である。この試験システムは、ベンチ
(図示略)に固定された車両用ガソリンエンジン(以
下、単に「エンジン」という)10に対してダイナモメ
ータ20に発生するトルクを伝達することにより、同エ
ンジン10を擬似的に車両に搭載した状態にして各種試
験を行うものである。
【0015】エンジン10及びダイナモメータ20は、
その入力軸21とクランクシャフト11とが同軸上に位
置するように隣接してベンチ上にそれぞれ固定されてい
る。これら入力軸21及びクランクシャフト11の端部
はそれぞれカップリング31,32を介してそれぞれ回
転駆動軸30の端部に連結されている。
【0016】クランクシャフト11にはダイナモメータ
20からエンジン10に実際に伝達されているトルク
(以下、「実トルクTa」という)を検出し、同実トル
クTaに応じた信号を出力するトルクセンサ40が取り
付けられている。
【0017】回転駆動軸30はガラス繊維によって強化
された樹脂繊維や炭素繊維を円筒状に編み込むことによ
り形成されており、この回転駆動軸30を介してダイナ
モメータ20に発生するトルクがエンジン10へと伝達
される。
【0018】試験システムは、ダイナモメータ20に発
生させるトルクを制御するためのトルク制御装置50を
備えている。このトルク制御装置50は、目標トルク設
定部52、比較部54、指示トルク演算部56、ダイナ
モメータ駆動部58等によって構成されている。
【0019】目標トルク設定部52は、試験条件に応じ
てエンジン10に伝達すべきトルク(以下、「目標トル
クTt」という)を設定し、同目標トルクTtの大きさ
に応じた信号を比較部54に出力する。
【0020】比較部54は、目標トルクTtとトルクセ
ンサ40により検出される実トルクTaとの偏差を算出
し、同偏差の大きさに応じた信号を指示トルク演算部5
6に出力する。
【0021】指示トルク演算部56は、この偏差と所定
の制御ゲインとに基づいてダイナモメータ20に発生さ
せるトルク(以下、「指示トルクTc」という)を演算
する。
【0022】以下、指示トルク演算部56における指示
トルクTcの演算手順について説明する。図2はこの指
示トルク演算部56の概略構成を示すブロック図であ
る。同図に示されるように、指示トルク演算部56は以
下の状態方程式(1),(2)に基づいて指示トルクT
cを算出する構成を備えている。
【0023】
【数1】 ここで、「u」は目標トルクTtとトルクセンサ40に
より検出される実トルクTaとの偏差(=Tt−Ta)
であり、「x」はダイナモメータ20、回転駆動軸3
0、エンジン10、及びカップリング31,32により
構成されるトルク伝達系100についての状態量であ
る。
【0024】また、上式(1),(2)において、
「A,B,C,D」は係数行列であり、指示トルク演算
部56における制御ゲイン(マトリックスゲイン)A
k,Bk,Ck,Dkに対応するものである。本実施形
態では、これら制御ゲインAk〜DkをH∞制御理論に
基づいて予め決定しておくことにより、トルク伝達系1
00と指示トルク演算部56とによって構成される閉ル
ープ制御系の周波数伝達関数が所望の特性となるように
設計している。
【0025】次に、これら制御ゲインAk〜Dkの決定
手順について説明する。尚、こうしたH∞制御理論に基
づく制御ゲインの決定は、例えば汎用の制御シミュレー
ションソフト等を用いて行うことができる。
【0026】図3は、制御ゲインAk〜Dkを決定する
際の主要な手順を示すフローチャートである。まず、ス
テップ100ではトルク伝達系100を捩り振動系にお
ける動特性モデルとしてモデル化する。図4はこうした
動特性モデルの一例を示している。同図において、「J
e」はエンジン10の等価慣性、「Jd」はダイナモメ
ータ20の等価慣性、「K」、「C」は回転駆動軸30
及び各カップリング31,32のそれぞれ、等価バネ定
数、等価ダンピング定数である。こうしたトルク伝達系
100の動特性を表現するための各モデル定数Je,J
d,K,Cは、実験や設計値等に基づく数値解析によっ
て同定することができる。
【0027】ステップ110では、こうして得られたト
ルク伝達系100の動特性モデルに関して図5に示すよ
うなボード線図を作成する(同図では位相曲線を省略
し、ゲイン曲線のみを示している)。図4に示すよう
に、トルク伝達系100を1次の捩り振動系としてモデ
ル化した場合には、図5に実線で示すように、1つの共
振点を有するゲイン特性となる。
【0028】次にステップ120において、周波数重み
関数W1(s),W2(s)を設定する。この周波数重
み関数W1(s),W2(s)は感度関数S(s)、相
補感度関数T(s)にそれぞれ乗ぜられることにより、
これら各関数S(s),T(s)を重み付けするための
ものである。図5に示す2つの二点鎖線は各周波数重み
関数W1(s),W2(s)の一設定例をそれぞれ示し
ている。これら周波数重み関数W1(s),W2(s)
は同図に示す重み係数Gw1,Gw2及びカットオフ周波数
fw1,fw2を適宜設定することにより定義されている。
【0029】また、感度関数S(s)及び相補感度関数
T(s)は次式(3),(4)によって定義される関数
である。
【0030】
【数2】 ここで、「G(s)」は上記トルク伝達系100の動特
性モデルについての伝達関数であり、「K(s)」は指
示トルク演算部56についての伝達関数である。
【0031】そして、ステップ130では、γ−イタレ
ーション(γ−反復法)を実行する。即ち、H∞ノルム
に関する以下の不等式(5)を満たすγ値の最小値を反
復計算によって求める。
【0032】
【数3】 このステップ130においてγ値の最小値が得られた場
合、ステップ140において、そのときの上記状態方程
式(1),(2)における各係数行列A〜Dを制御ゲイ
ンAk〜Dkとして抽出する。
【0033】次に、ステップ150では、このようにし
て制御ゲインAk〜Dkが決定された指示トルク演算部
56と上記動特性モデルとによって閉ループ制御系を構
成し、その閉ループ制御系に関してボード線図を作成す
る。図6はこうして作成されたボード線図の一例を示す
ものであり、一点鎖線、実線はそれぞれ上記閉ループ制
御系のゲイン曲線を示し、二点鎖線は上記動特性モデル
のゲイン曲線(図5に実線で示すものと同様)を示して
いる。
【0034】ステップ160では、このようにして得ら
れた閉ループ制御系のゲイン曲線が所望の特性となって
いるか否かを判断する。本実施形態では、しゃくり等の
車両に発生する振動の周波数(0〜10Hz)やエンジ
ン10の各気筒での爆発によって生じるトルク変動の周
波数(25〜350Hz)を考慮し、以下の条件(イ)
をステップ160における判断基準としている。
【0035】(イ)0〜350Hzまでの周波数領域に
おいてそのゲイン特性が平坦であり共振点及び反共振点
が存在しないこと そして、ステップ160において、この条件(イ)が満
たされていないと判断された場合には、ステップ120
において、重み係数Gw1,Gw2及びカットオフ周波数f
w1,fw2を変更することにより、各周波数重み関数W1
(s),W2(s)を再設定した後、ステップ160ま
での処理を再度実行する。このようにステップ120〜
160までの一連の処理を繰り返し実行することによ
り、閉ループ制御系のゲイン曲線を、例えば図6に二点
鎖線にて示す状態から一点鎖線に示す状態を経て実線に
示す状態、即ち上記条件(イ)を満たす状態にまで変化
させることができる。
【0036】そして、ステップ160において、条件
(イ)が満たされていると判断された場合には一連の処
理は終了され、現在の状態方程式(1),(2)におけ
る係数行列A〜Dが制御ゲインAk〜Dkとして最終的
に決定されることとなる。尚、指示トルク演算部56は
このようにして決定された制御ゲインAk〜Dkの値を
記憶するためのメモリ(図示略)を備えており、このメ
モリに記憶された制御ゲインAk〜Dkの値は必要に応
じて書き換えることができる。
【0037】指示トルク演算部56は、制御ゲインAk
〜Dkに基づいて指示トルクTcを演算し、同指示トル
クTcの大きさに応じた信号をダイナモメータ駆動部5
8に出力する。
【0038】ダイナモメータ駆動部58は、この指示ト
ルクTcの大きさに応じた駆動電流Iをダイナモメータ
20に流すことにより、発生トルクが指示トルクTcと
一致するようにダイナモメータ20を駆動する。その結
果、エンジン10には目標トルクTtと等しいトルクが
付加されるようになる。このように、トルク制御装置5
0は、目標トルクTtと実トルクTaとが一致するよう
に、ダイナモメータ20に発生するトルクをフィードバ
ック制御する。
【0039】以上説明したように、本実施形態では、ト
ルク伝達系100の動特性モデルを予め決定し、この動
特性モデルと指示トルク演算部56とによって構成され
る閉ループ制御系の周波数伝達特性に関して上記条件
(イ)が満たされるように、指示トルク演算部56の制
御ゲインAk〜Dkを決定するようにしている。
【0040】従って、目標トルクTtの変動やエンジン
10のトルク変動に起因してトルク伝達系100に励起
されるトルク変動の周波数が同トルク伝達系100の共
振周波数と一致するようなことがあっても、指示トルク
演算部56にて演算される指示トルクTcがトルク伝達
系100の周波数伝達特性に基づいて制御されており、
その共振点における制御ゲインが抑えられているため、
共振現象の発生が抑制されるようになる。
【0041】また、このようにして共振現象の発生が抑
制されることから、トルク伝達系100の共振周波数を
調整するために、回転駆動軸30やカップリング31,
32等の構造に関して特別な配慮が必要となることもな
い。
【0042】(1)その結果、本実施形態によれば、回
転駆動軸30等における構造の複雑化を招くことなく共
振現象の発生を抑制することができ、良好な伝達精度を
確保してダイナモメータ20からエンジン10へと確実
に所定の目標トルクTtを付加することができるように
なる。
【0043】また、従来のトルク伝達装置にあっては、
共振現象を抑制することが可能なように回転駆動軸を適
宜設計したとしても、その後の試験条件の変更によって
トルク伝達系に励起されるトルクの発生パターンが変更
されると、多くの場合、その変更に応じて回転駆動軸を
設計し直すことが必要となる。
【0044】(2)この点、本実施形態では、上記のよ
うな場合であっても、その変更に応じて指示トルク演算
部56のメモリに記憶されている制御ゲインAk〜Dk
を再設定することにより、ハード的な変更を行うことな
くトルク伝達系100の周波数伝達特性を擬似的に変更
することができ、所望の周波数特性を有したトルク伝達
装置を構築することができる。その結果、試験システム
の仕様変更に柔軟に対応することができるようになり、
トルク伝達装置における汎用性を向上させることができ
る。
【0045】特に、本実施形態では、H∞制御理論に基
づき各周波数重み関数W1(s),W2(s)を適宜設
定することよって指示トルク演算部56の制御ゲインA
k〜Dkを決定し、その制御ゲインAk〜Dkに基づい
てダイナモメータ20に発生させるトルク(指示トルク
Tc)を状態フィードバックするようにしている。
【0046】(3)従って、トルク伝達系100の動特
性モデルに関する各モデル定数Je,Jd,K,Cの同
定が不正確な場合であっても、所定のロバスト安定性を
確保することができるようになり、確実に共振現象の発
生を抑制して更に良好な伝達精度を確保することができ
るようになる。
【0047】更に、本実施形態ではトルク伝達系100
に励起されるトルク変動の周波数領域(0〜350H
z)において平坦なゲイン特性を有するように制御ゲイ
ンAk〜Dkを決定し、同制御ゲインAk〜Dkに基づ
いてダイナモメータ20のトルクをフィードバック制御
するようにしている。
【0048】(4)従って、上記周波数領域内にはトル
ク伝達系100に関する共振点及び反共振点がいずれも
存在しなくなるため、フィードバック制御における安定
性を向上させることができる。
【0049】更に、本実施形態では、トルク伝達系10
0の動特性に関して寄与率の大きい回転駆動軸30をガ
ラス繊維や炭素繊維を含む材料によって形成するようし
ている。
【0050】(5)従って、例えば金属材料のみからな
る回転駆動軸を採用するようにした構成と比較して、同
回転駆動軸30の慣性及び変形の際におけるヒステリシ
ス性を小さくすることができ、トルク伝達装置における
速応性を向上させてダイナモメータ20及びエンジン1
0間におけるトルク伝達誤差を更に減少させることがで
きる。
【0051】以上説明した本発明の実施形態は以下のよ
うに構成を変更して実施することもできる。 ・上記実施形態では、トルク伝達系100を1次の捩り
振動系としてモデル化するようにしたが、更に詳細なモ
デル化を行うために、2次以上の捩り振動系としてモデ
ル化することもできる。このようにトルク伝達系100
に関する動特性モデルを変更した場合でも上記実施形態
の同様の手順に従って制御ゲインAk〜Dkを決定する
ことにより指示トルクTcを算出することができる。
【0052】
【0053】・上記実施形態において制御ゲインAk〜
Dkの設定条件として示した条件(イ)はあくまでも一
例であり、この設定条件は例えばエンジン10の仕様
(気筒数や最高回転数等)に応じて適宜変更することが
できる。
【0054】・上記実施形態ではH∞制御理論に基づく
制御手法によりダイナモメータ20に発生させるトルク
を制御するようにしたが、こうした制御手法は任意であ
り、例えばPID制御に基づいて同ダイナモメータ20
のトルクを制御する構成を採用することもできる。
【0055】・上記実施形態では、車両用ガソリンエン
ジン10の各種試験を行う試験システムに適用されるト
ルク伝達装置について例示したが、例えば、定置動力用
エンジンや船舶用エンジン、また、ガソリンエンジンの
他、ディーゼルエンジンや電動機の試験を行う試験シス
テムに適用されるトルク伝達装置についても同様に構成
することができる。
【0056】
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1又は2に
記載した発明によれば、負荷伝達系に作用する負荷の周
波数が同負荷伝達系の共振周波数と一致する状況下にお
いても、負荷伝達系の周波数伝達特性に基づいて負荷発
生部に発生する負荷トルクが制御されるため、共振現象
の発生が抑制されるようになる。また、このように共振
現象の発生が抑制されることから、負荷伝達系の共振周
波数を調整するために負荷伝達部材の構造に関して特別
な配慮が必要となることもない。その結果、負荷伝達部
材における構造の複雑化を招くことなく共振現象の発生
を抑制することができ、良好な伝達精度を確保すること
ができるようになる。
【0058】特に、被伝達体に伝達される負荷の特定の
周波数成分に関するフィードバックゲインが増減されて
負荷伝達系における周波数伝達特性の擬似的な変更が可
能になる。その結果、例えば負荷伝達部材の構造変更と
いった、ハード的な変更を伴うことなく、所望の周波数
特性を有した負荷伝達装置を構築することができるよう
になり、その汎用性を向上させることができる。また、
負荷伝達系における共振点及び反共振点がいずれも存在
しなくなるため、フィードバック制御における安定性を
向上させることができる。
【0059】また、請求項に記載した発明によれば、
更に、負荷伝達系の周波数伝達特性の特定が不正確な場
合であっても、所定のロバスト安定性が確保されるた
め、共振現象の発生を確実に抑制することができ、更に
良好な伝達精度を確保することができるようになる。
【0060】
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンの試験システム及びトルク伝達装置を
示す概略構成図。
【図2】指示トルク演算部の構成を示すブロック図。
【図3】制御ゲインの決定手順を示すフローチャート。
【図4】トルク伝達系の動特性モデルを示す概念図。
【図5】動特性モデルの周波数伝達特性を示すボード線
図。
【図6】閉ループ制御系の周波数伝達特性を示すボード
線図。
【符号の説明】
10…エンジン、11…クランクシャフト、20…ダイ
ナモメータ、21…入力軸、30…回転駆動軸、31,
32…カップリング、40…トルクセンサ、50…トル
ク制御装置、52…目標トルク設定部、54…比較部、
56…指示トルク演算部、58…ダイナモメータ駆動
部、100…トルク伝達系。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鷺山 達也 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車 株式会社 内 (72)発明者 佐藤 宏治 神奈川県横浜市緑区白山1丁目16番1号 株式会社 小野測器 テクニカルセン ター 内 (72)発明者 永井 秀憲 神奈川県横浜市金沢区福浦3丁目8番地 東洋電機製造 株式会社 横浜製作所 内 (56)参考文献 特開 平8−219953(JP,A) 特開 平4−275086(JP,A) 特開 昭61−28832(JP,A) 実開 昭59−144449(JP,U) 明電時報,株式会社オーム社,1998年 6月29日,通巻260号,第11−17頁 平成6年電気学会産業応用部門全国大 会発表論文集,電気学会産業応用部門全 国大会委員会,1994年 8月10日,第 1144−1149頁 野波健蔵,MATLABによる制御系 設計,東京電気大学,1998年 5月20 日,第1版,第110−133頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 15/00 F02D 45/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負荷発生部と被伝達体とを連結し前記負
    荷発生部に発生する負荷トルクを前記被伝達体に伝達す
    る負荷伝達部材と、前記負荷発生部から前記負荷伝達部材を介して被伝達体
    に伝達される実負荷トルクを検出する実負荷検出手段
    と、 前記被伝達体に伝達すべき目標負荷トルクと前記検出さ
    れる実負荷トルクとの偏差に基づいて前記負荷発生部に
    発生させる負荷トルクをフィードバック制御するもので
    あって、前記負荷発生部から前記負荷伝達部材を介して
    前記被伝達体に至る負荷伝達系とともに構成される閉ル
    ープ制御系のトルク伝達に関する周波数伝達特性が前記
    負荷伝達系に励起される負荷トルク変動の周波数領域に
    おいて平坦なゲイン特性を有するように予め設定された
    フィードバックゲインに基づいて前記フィードバック制
    御を実行する 制御手段とを備えたことを特徴とする負荷
    伝達装置。
  2. 【請求項2】 請求項に記載した負荷伝達装置におい
    て、前記制御手段はH∞制御理論に基づいて前記負荷発生部
    に発生させる負荷トルクをフィードバック制御するもの
    である ことを特徴とする負荷伝達装置。
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