JP3405860B2 - エッチング製品の製造方法および製造装置 - Google Patents

エッチング製品の製造方法および製造装置

Info

Publication number
JP3405860B2
JP3405860B2 JP21244295A JP21244295A JP3405860B2 JP 3405860 B2 JP3405860 B2 JP 3405860B2 JP 21244295 A JP21244295 A JP 21244295A JP 21244295 A JP21244295 A JP 21244295A JP 3405860 B2 JP3405860 B2 JP 3405860B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin plate
resist
etching
main surface
edge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21244295A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0941160A (ja
Inventor
稔公 武内
大作 有山
良一 安藤
貢一 尾本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Screen Holdings Co Ltd
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Screen Holdings Co Ltd
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Screen Holdings Co Ltd, Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd filed Critical Screen Holdings Co Ltd
Priority to JP21244295A priority Critical patent/JP3405860B2/ja
Publication of JPH0941160A publication Critical patent/JPH0941160A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3405860B2 publication Critical patent/JP3405860B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)
  • Lead Frames For Integrated Circuits (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属薄板を搬送さ
せつつ該金属薄板の主面にフォトエッチング処理を施
し、所定の形状に形成されたエッチング製品の製造方法
および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のエッチング製品として
は、カラー受像管用のシャドウマスクやアパーチャグリ
ル,半導体素子用のリードフレームなどがある。これら
エッチング製品は、以下に説明する種々の工程を有する
フォトエッチング処理を経て製造される。なお、生産性
の向上のために、シャドウマスク等の製造に当たって
は、一般に、長尺の金属薄板をその長手方向に搬送させ
つつ、その主面にフォトエッチング処理が施されてい
る。
【0003】まず、シャドウマスク等の原材料である長
尺の金属薄板をその長手方向に搬送させつつ、その表裏
の主面にレジストが主面全域に亘り塗布される。この場
合、表裏の主面にレジストを塗布するのは、シャドウマ
スクでは表裏の主面にてエッチングを行ない、意図的に
表側と裏側とで孔面積が異なった透孔を空けるためであ
る。その後は、塗布済みのレジストを乾燥させて両主面
にレジスト膜が形成される(コーティング工程)。次に
レジスト膜に所定のパターンを焼き付け、当該金属薄板
の表裏の主面に現像液を供給して現像し、レジスト膜を
溶解除去する(焼き付け・現像工程)。このレジスト膜
が溶解除去される領域は、ポジ型とネガ型のレジストに
より異なるが、焼き付け済みの所定のパターンに関連し
た形状の領域(被エッチング領域)となる。そして、こ
のレジスト膜の溶融除去領域、即ち被エッチング領域に
亘り金属薄板の主面が露出する。その後は、金属薄板の
主面にエッチング液を供給して被エッチング領域におけ
る主面をエッチングする(エッチング工程)。
【0004】上述の各工程において、金属薄板の両主面
が傷ついたり両主面に異物が付着したりすると膜形成の
不良やエッチング不良を招く。よって、主面への異物付
着を防止するために、金属薄板は、その両端面から僅か
に入り込んだ端縁部領域のみで複数の搬送ローラに支持
され、この搬送ローラの回転により長手方向に搬送され
る。
【0005】この場合、長手方向に搬送させつつある金
属薄板の両主面へのレジスト塗布は、その効率や品質等
を考慮して、レジスト貯留槽に金属薄板を搬入させて引
き上げることで行なわれる。つまり、レジスト貯留槽内
にも上記の搬送ローラを配設し、この槽内の搬送ローラ
と槽外部の搬送ローラとの間に金属薄板を掛け渡して、
金属薄板の搬入・引き上げがなされている。なお、レジ
スト貯留槽からの引き上げの際には、レジスト膜の膜厚
の均一化を図るために、スクィージローラにより金属薄
板の主面の余剰レジストが掻き取られている。また、塗
布されたレジストは、その後の乾燥装置により乾燥に処
され、レジスト膜が形成される。
【0006】ところで、上述の搬送ローラのローラ面に
レジストが付着したままだと、レジストの硬化や異物の
レジストによる固化が起きる。このような事態に到る
と、搬送ローラを汚染するばかりか、ローラ面の盛り上
がりによる金属薄板の蛇行等の搬送不良が発生する。従
って、これら不具合を防止するために、種々の技術が提
案されている。例えば、特開昭54−69378号や実
開平4−20050号では、金属薄板のレジスト貯留槽
からの引き上げ箇所等に吸引ノズルを設置し、この吸引
ノズルで搬送ローラのローラ面におけるレジストを、該
ローラ面が接触する金属薄板の端縁部領域のレジストと
共に吸引・除去する技術が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにして吸引ノズルで吸引・除去することで、以下に
記すような新たな問題点が指摘されるに到った。
【0008】端縁部領域のレジストが吸引・除去された
金属薄板は、その後の焼き付け・現像工程,エッチング
工程に処される。そして、この端縁部領域にはレジスト
が除去されていることから、焼き付け・現像工程を経て
もこの端縁部領域は、金属薄板の主面が露出したままで
ある。この端縁部領域における露出主面および薄板のエ
ッジ部は、エッチング工程で主面に供給されたエッチン
グ液によりエッチングされる。従って、エッチングを受
けた端縁部領域では、エッチングにより当該領域の主面
或いはエッジ部から剥された微小金属片の脱落が起き
る。
【0009】エッチングを受けた端縁部領域は搬送ロー
ラのローラ面に接触していることから、脱落した或いは
脱落寸前の金属片がエッチング工程以降の搬送ローラに
付着して、当該ローラのローラ面には盛り上がりが起き
易くなる。また、金属片が脱落した端縁部領域のエッジ
部は凹凸状態になり、蛇行防止用の端部ローラへの当た
りが不規則になる。よって、金属薄板の蛇行等の搬送不
良を引き起こす虞がある。
【0010】また、一般に金属薄板にエッチング液を供
給するエッチングブースは、エッチング工程を複数の工
程に分けて行うため金属薄板の搬送方向に長くなる。こ
のため、金属薄板がエッチングブースに搬入されてから
搬出されるまでの間に端縁部領域から金属片が脱落する
場合がある。この脱落した金属片は、エッチングブース
内の搬送ローラに付着したり、エッチング液の圧力によ
り吹き飛ばされたりする。これらの金属片がエッチング
ブース内で金属薄板の被エッチング領域に形成されたレ
ジスト膜に金属片が接触してレジスト膜を破壊する。こ
のようにレジスト膜が破壊された状態で金属薄板の主面
のエッチングが進行するので、エッチングされるべきで
ない金属薄板の主面がエッチングされてしまい、金属薄
板を所望の形状に形成できないという問題が発生する。
【0011】また、金属薄板に供給されるエッチング液
は、エッチング品質の維持のために、疲労していないエ
ッチング液を適宜に加えながら循環して使用される。し
かし、本来ならばエッチングを必要としない金属薄板の
端縁部領域においてエッチングが進行する。よって、エ
ッチング液が疲労する速度が速まって未疲労のエッチン
グ液の加入頻度が高まり、エッチング液の使用量が増え
て生産コストの増大を招いてしまう。
【0012】本発明は、上記問題点を解決するためにな
され、フォトエッチング処理を施して主面がエッチング
されるエッチング製品の製造の際に、その原材料たる金
属薄板の搬送の信頼性の向上と、エッチング品質の向上
とを図ると共に、エッチング液の使用量を削減すること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】か
かる目的を達成するため、第1の発明のエッチング製品
の製造方法は、長尺の金属薄板の両端縁部を支持しつつ
その長手方向に搬送させるとともに、金属薄板の主面に
フォトエッチング処理を施しエッチング製品を製造する
エッチング製品の製造方法において、前記金属薄板の搬
送方向に沿った両端縁部である薄板端縁部領域を除い
て、搬送される金属薄板の主面にレジスト膜を形成する
レジスト膜形成工程と、前記レジスト膜に所定のパター
ンを焼き付け、該パターンに関連した被エッチング領域
に亘りレジスト膜を除去して前記主面を露出させる焼き
付け・現像工程と、該焼き付け・現像工程を経た前記金
属薄板の薄板端縁部領域に耐エッチング性を有する被膜
を形成する被膜形成工程と、前記主面にエッチング液を
供給して、前記被エッチング領域に亘る露出した主面を
エッチングするエッチング工程とを含み、前記レジスト
膜形成工程は、前記金属薄板の主面の全面に亘りレジス
トを塗布するレジスト塗布工程と、前記薄板端縁部領域
に塗布されたレジストを除去する除去工程とを含む。
【0014】また、上記の目的を達成するため、第2の
発明のエッチング製品の製造装置は、長尺の金属薄板の
両端縁部を支持しつつその長手方向に搬送させるととも
に、金属薄板の主面にフォトエッチング処理を施しエッ
チング製品を製造するエッチング製品の製造装置におい
て、前記金属薄板の搬送方向に沿った両端縁部である薄
板端縁部領域を除いて、搬送される金属薄板の主面にレ
ジスト膜を形成するレジスト膜形成手段と、前記レジス
ト膜に所定のパターンを焼き付け、該パターンに関連し
た被エッチング領域に亘りレジスト膜を除去して前記主
面を露出させる焼き付け・現像手段と、該焼き付け・現
像された前記金属薄板の薄板端縁部領域に耐エッチング
性を有する被膜を形成する被膜形成手段と、前記主面に
エッチング液を供給して、前記被エッチング領域に亘る
露出した主面をエッチングするエッチング手段とを有
し、前記レジスト膜形成手段は、前記金属薄板の主面の
全面に亘りレジストを塗布する手段と、前記薄板端縁部
領域に塗布されたレジストを除去する手段と、を有す
る。
【0015】上記構成を有する第1および第2の発明で
は、搬送される金属薄板の主面にはレジスト膜が形成さ
れるが、搬送方向に沿った両端縁部である薄板端縁部領
域にはレジスト膜は形成されない。このようなレジスト
膜形成に際して、前記金属薄板の主面の全面に亘りレジ
ストを塗布し、前記薄板端縁部領域については、塗布さ
れたレジストを除去する。そして、この形成されたレジ
スト膜には所定のパターンを焼き付け、被エッチング領
域に亘っては、レジスト膜を除去して金属薄板の主面を
露出させる。この被エッチング領域は、ポジ型とネガ型
のレジストにより異なるが、焼き付け済みの所定のパタ
ーンに関連した形状の領域となる。具体的には所定のパ
ターンそのものが被エッチング領域である場合と、所定
のパターン以外の領域が被エッチング領域である場合が
ある。
【0016】その後、レジスト膜が形成されなかった薄
板端縁部領域には、耐エッチング性の被膜を形成し、薄
板端縁部領域における金属薄板の両端縁部は、耐エッチ
ング性被膜で覆われ露出しない。そして、その後に金属
薄板の主面にエッチング液を供給すると、金属薄板の主
面は、被エッチング領域に亘ってはエッチングされる
が、耐エッチング性被膜で覆われた薄板端縁部領域に亘
ってはエッチングされない。このため、薄板端縁部領域
において金属片の脱落を起こすことがないので、搬送ロ
ーラのローラ面の盛り上がりや金属片の飛散は発生せ
ず、エッチング液の過剰疲労も起きない。また、レジス
ト膜を金属片で不用意に破損することもない。この結
果、第1および第2の発明によれば、金属薄板の搬送の
信頼性やエッチング品質を向上させることができるばか
りか、エッチング液の使用量を削減することができる。
【0017】上記の第1の発明の構成において、前記レ
ジスト膜形成工程が、さらに、前記薄板端縁部領域を除
いて前記主面に付着しているレジストを乾燥するレジス
ト乾燥工程を含み、前記被膜形成工程が前記レジスト膜
が除去された薄板端縁部領域に耐エッチング性を有する
薬液を塗布する薬液塗布工程と、該塗布された薬液を乾
燥させる薬液乾燥工程とを含む。
【0018】この構成では、レジスト乾燥工程によりレ
ジストを乾燥させて金属薄板の主面にレジスト膜を形成
する。これにより、搬送される金属薄板の主面には、搬
送方向に沿った薄板端縁部領域を除いてレジスト膜が形
成される。そして、薄板端縁部領域においては、薬液塗
布工程による耐エッチング性の薬液塗布と薬液乾燥工程
による薬液の乾燥が行なわれ、レジスト膜が形成されて
いない薄板端縁部領域に耐エッチング性の薬液被膜を形
成する。従って、薄板端縁部領域を除いてレジスト膜を
形成する際には、レジスト塗布,薄板端縁部領域につい
てのレジスト除去におよびレジストの乾燥を行なうに過
ぎず、薄板端縁部領域への耐エッチング性の被膜形成
は、耐エッチング性の薬液塗布および乾燥で行なわれ
る。このため、この構成によれば、薄板端縁部領域を除
いて容易にレジスト膜を形成することができると共に、
薄板端縁部領域への耐エッチング性の薬液被膜を容易に
形成することができる。
【0019】また、上記の構成において、更に、前記レ
ジスト塗布工程で塗布されるレジストを前記薬液塗布工
程で薄板端縁部領域に塗布される薬液として用いる。
【0020】この構成によれば、金属薄板の主面と薄板
端縁部領域とを同一のレジストで被膜するので、薬液管
理を簡略化することができる。また、同一のレジスト膜
とすることで、端縁部領域と主面とのレジスト膜を高い
密着性で形成でき両レジスト膜の間に不用意に主面を露
出させない。よって、金属片の脱落をより確実に回避で
き、金属薄板の搬送の信頼性やエッチング品質をより向
上させることができるばかりか、エッチング液の使用量
を確実に削減することができる。
【0021】上記の第2の発明の構成において、前記被
膜形成手段が耐エッチング性を有する薬液を含浸すると
ともに前記搬送される金属薄板の薄板端縁部領域に当接
する端縁部当接部材を有する。
【0022】この構成では、端縁部当接部材の含浸する
耐エッチング性の薬液をレジスト膜が形成されていない
薄板端縁部領域に塗布して、薄板端縁部領域を耐エッチ
ング性の薬液で覆い、この薄板端縁部領域に耐エッチン
グ性の薬液被膜を均一に形成する。よって、この構成に
よれば、薄板端縁部領域に耐エッチング性の薬液被膜を
容易に形成することができると共に、薬液塗布の均一化
を通して耐エッチング性の薬液被膜をも均一化させて搬
送ローラとの当たりを好適にし、搬送の信頼性をより向
上することができる。
【0023】また、第3の発明は、 長尺の金属薄板の両
端縁部を支持しつつその長手方向に搬送させるととも
に、金属薄板の主面にフォトエッチング処理を施しエッ
チング製品を製造するエッチング製品の製造装置におい
て、前記金属薄板の搬送方向に沿った両端縁部である薄
板端縁部領域を除いて、搬送される金属薄板の主面にレ
ジスト膜を形成するレジスト膜形成手段と、前記レジス
ト膜に所定のパターンを焼き付け、該パターンに関連し
た被エッチング領域に亘りレジスト膜を除去して前記主
面を露出させる焼き付け・現像手段と、該焼き付け・現
像された前記金属薄板の薄板端縁部領域に耐エッチング
性を有する被膜を形成する被膜形成手段と、前記主面に
エッチング液を供給して、前記被エッチング領域に亘る
露出した主面をエッチングするエッチング手段と、を備
え、前記被覆形成手段は、耐エッチング性を有する薬液
を貯留する貯留手段と、前記薬液を含浸するとともに前
記搬送される金属薄板の一方の主面側の薄板端縁部領域
に当接する第1の端縁部当接部材と、前記薬液を含浸す
るとともに前記搬送される金属薄板の他方の主面側の薄
板端縁部領域に当接する第2の端縁部当接部材と、前記
第1の端縁部当接部材と第2の端縁当接部材とが前記金
属薄板の搬送方向に沿って離間するように第1の端縁部
当接部材および第2の端縁当接部材を支持する支持手段
と、前記第1の端縁部当接部材又は第2の端縁部当接部
材の少なくとも一方を前記金属薄板側に押圧する押圧手
段と、前記薬液を前記貯留手段から前記第1の端縁部当
接部材および第2の端縁部当接部材に供給する薬液供給
手段と、を有する。
【0024】この構成では、貯留手段の貯留する耐エッ
チング性の薬液は、薬液供給手段により第1,第2の端
縁部当接部材に供給され、これら端縁部当接部材に含浸
される。そして、この第1の端縁部当接部材と第2の端
縁部当接部材とを薄板端縁部領域にそれぞれの主面側で
当接させる。よって、この構成によれば、両主面側の薄
板端縁部領域を同時に耐エッチング性の薬液で覆って、
両主面側の薄板端縁部領域に耐エッチング性の薬液被膜
を容易に形成することができる。その一方、第1,第2
の端縁部当接部材を支持手段により支持して搬送方向に
沿って離間して備え、その少なくとも一方を押圧手段に
より薄板端縁部領域側に押圧して、搬送過程の金属薄板
には搬送方向と直交する逆向きの力をかける。よって、
金属薄板に薄板端縁部領域においてテンションをかけ
て、金属薄板の搬送時に金属薄板の搬送速度が断続的に
低下するいわゆるビビリを抑制する。このため、この構
成によれば、金属薄板の搬送時のビビリを抑制して搬送
の信頼性をより向上させることができる。更に、耐エッ
チング性の薬液塗布とテンション付与を共通の部材で行
なうので、構成の簡略化を図ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態をシャ
ドウマスクの製造の実施例に基づき説明する。図1は実
施例のシャドウマスクの製造ラインの概要図である。
【0026】この図1に示すように、シャドウマスク
は、ロール状に巻取った長尺の金属薄板(例えば、厚み
が0.08mm〜0.15mmの範囲の低炭素アルミキ
ルド鋼やインバー材等)を原材料として製造される。ま
ず、長尺の金属薄板は、整面コーティングラインに搬送
され、その後は、焼付ライン,現像ライン,エッチング
ラインの順に送られ、最終的には所定サイズに切断され
てシャドウマスクとされる。
【0027】これら各ラインには、金属薄板Hを搬送す
るための搬送ローラ22が複数配置されており、それぞ
れの搬送ローラ22は、図2に示すように、その両端部
に大径の搬送部ローラ24を有する。そして、搬送ロー
ラ22は、この搬送部ローラ24のローラ面に金属薄板
Hの端縁部を接触させて回転することで、金属薄板Hを
搬送する。また、搬送ローラ22は、搬送部ローラ24
の外側にこれより大径の端部ローラ25を有し、この端
部ローラ25で金属薄板Hの蛇行の防止を図る。なお、
両端の端部ローラ25の間の間隔は、金属薄板Hの幅よ
り若干広くされているので、金属薄板Hは、通常、端部
ローラ25と金属薄板Hの端部との間に僅かな隙間を残
して搬送される。
【0028】整面コーティングラインでは、長尺の金属
薄板は、第1洗浄槽10,第2洗浄槽12,防錆液槽1
4,第3洗浄槽16,レジスト槽18および乾燥器20
の順に搬送され、それぞれの槽にて洗浄,防錆塗布およ
びその洗浄,レジスト塗布,レジスト乾燥が行なわれ
る。これにより、主面の表面状態の調整並びにレジスト
塗布・乾燥が行なわれる。
【0029】上記したそれぞれの槽には、当該槽にて行
なう処理に適した液体、例えばレジスト槽18であれ
ば、図3に示すように、レジストが所定の水位で貯留さ
れている。そして、槽内には、レジストに埋没した槽内
ローラ18aが回転自在に配置されている。金属薄板H
は、レジスト貯留槽外の上流側ローラ18bから槽内ロ
ーラ18a,下流側ローラ18cとに掛け渡されて搬送
され、レジスト槽18内を通過する。従って、金属薄板
Hがレジスト槽18内を通過しその液面から引き上げら
れると、金属薄板Hの表裏の主面には、レジストが塗布
された状態になる。
【0030】また、レジスト槽18には、その液面の近
傍にスクィージローラ19が配置されている。このスク
ィージローラ19は、一様断面を有する各ローラを所定
間隔だけ離して構成されているので、このスクィージロ
ーラ19を金属薄板Hが通過することで、金属薄板Hの
表裏の主面には一様厚さでレジストが塗布されることに
なる。更に、このスクィージローラ19の上方には、図
3に示すように、吸引ノズル26が対向して配置されて
いる。この吸引ノズル26は、図4に示すように、金属
薄板Hの端縁部領域にその吸引口26aを向けて配置さ
れている。よって、図示しない吸引ポンプにより吸引が
行なわれると、吸引ノズル26は、図中に斜線で示す金
属薄板Hの端縁部領域hのレジストを吸引口26aから
吸引し、レジストをこの端縁部領域hから除去する。こ
のため、レジスト槽18下流の乾燥器20には、搬送方
向に沿った端縁部領域hを除いてその表裏の主面にレジ
ストが塗布された金属薄板Hが搬送される。なお、図4
には、金属薄板Hの一方の主面側の吸引ノズル26のみ
を示し、これと対向する吸引ノズル26については図示
が省略されている。
【0031】乾燥器20は、図5に示すように、その内
部に面状ヒータを対向させた面状ヒータ対20aと乾燥
器内ローラ20bを備える。この面状ヒータ対20aと
乾燥器内ローラ20bとは、金属薄板Hの乾燥器内搬送
経路がそれぞれの面状ヒータ対20aを順次通過するよ
う配置されている。よって、乾燥器20は、乾燥器内ロ
ーラ20bに掛け渡された金属薄板Hが面状ヒータ対2
0aを通過する間に、金属薄板Hの主面におけるレジス
トを乾燥させる。これにより、金属薄板Hの表裏の主面
には搬送方向に沿った端縁部領域hを除いてレジスト膜
が形成される。本実施例では、レジストは、カゼインと
重クロム酸塩(例えば、牛乳カゼインと重クロム酸アン
モニウム)とを所定比率で含有する水溶液である。よっ
て、金属薄板Hの表裏の主面には、カゼインと重クロム
酸塩からなるレジスト膜が形成される。そして、このよ
うにしてレジスト膜が形成された金属薄板Hは、乾燥器
20の下流にて巻取られ焼付ラインに送られる。
【0032】焼付ラインには、金属薄板Hの搬送方向に
複数の、本実施例においては8台の焼付装置30が設置
されている。これら複数の焼付装置30に金属薄板Hを
繰り出した後、金属薄板Hを一旦静止させて、図示しな
い所定のパターンが形成されたパターン板を金属薄板H
の表裏にそれぞれ密着させる。次に複数の焼付装置30
のパターン板の上方および下方にそれぞれ設けられた紫
外線ランプ31を点灯させて、それぞれのパターン板を
介在させてレジスト膜に紫外線を照射する。このように
パターン板を介して紫外線が照射されたレジスト膜に
は、紫外線が照射された露光部と照射されなかった未露
光部が形成される。その後、焼付処理を終えた金属薄板
Hは、再度巻取られ現像ラインに送られる。
【0033】現像ラインでは、長尺の金属薄板Hは、現
像液槽32,硬膜液槽34,洗浄槽36および乾燥器3
8の順に搬送され、それぞれの槽にて現像,硬膜化,洗
浄,乾燥が行なわれる。この現像ラインにおけるそれぞ
れの槽であっても、当該槽にて行なう処理に適した液
体、例えば現像液槽32であれば現像液が所定水位で貯
留されており、槽内には槽内ローラが回転自在に配置さ
れている(図3参照)。しかし、膜厚の均一化等が不要
なため、レジスト槽18とは異なり、スクィージローラ
19や吸引ノズル26は設けられていない。
【0034】そして、レジスト膜への所定のパターンの
焼き付けを経た金属薄板Hは、現像液槽32の上流側ロ
ーラから槽内ローラ,下流側ローラとに掛け渡されて搬
送され、現像液槽32内を通過する。従って、金属薄板
Hが現像液槽32内を通過する間に、レジスト膜の未露
光部が現像液により溶融除去され、当該領域、即ち被エ
ッチング領域に亘っては金属薄板Hの主面が露出する。
しかし、レジスト膜の露光部は、レジスト膜が残ったま
まである。また、吸引ノズル26により既にレジストが
除去された端縁部領域hにあっては、当初からレジスト
が存在しないので、現像液槽32を通過しても当該領域
の主面は露出したままである。
【0035】現像液槽32を通過した後は、金属薄板H
が硬膜液槽34を通過する間に当該槽における硬膜液に
より、レジスト膜自体が硬膜化され、洗浄槽36を通過
する間に、硬膜液は勿論のこと、現像液も洗浄される。
そして、この下流の乾燥器38は既述した乾燥器20と
同様の構成を備え、面状ヒータ対を金属薄板Hが順次通
過する間に洗浄水が除去される。その後は、金属薄板H
は乾燥器38の下流にて巻取られエッチングラインに送
られる。
【0036】エッチングラインでは、前処理槽40,エ
ッチングブース42,洗浄槽44,剥膜処理槽46,純
水洗浄槽48,乾燥器50および切断器52の順に搬送
される。前処理槽40では、エッチング前のレジスト膜
の調整処理が行なわれる。エッチングブース42では、
エッチング液が金属薄板Hの表裏の主面に供給され、当
該主面がエッチングされる。本実施例では、上記したレ
ジスト(カゼイン,重クロム酸塩の含有水溶液)に対す
るエッチング性を考慮して、塩化第2鉄溶液がエッチン
グ液として供給される。なお、エッチングの様子につい
ては後述する。洗浄槽44では、当該槽を通過する間に
エッチング液が洗浄され、続く剥膜処理槽46にて、レ
ジスト膜が主面から剥離される。続いては、純水洗浄槽
48にて純水洗浄された後に乾燥器50で乾燥に処さ
れ、切断器52にて金属薄板Hが所定サイズごとに切断
されて、エッチング製品たるシャドウマスクが完成す
る。
【0037】上記したエッチングラインには、前処理槽
40の上流に上下に配置された搬送ローラ54,56の
間に、図6に示すような端縁部領域処理装置60が設置
されている。この端縁部領域処理装置60は、図6に示
すように、下側の搬送ローラ54の側から、端縁部領域
塗布ユニット62と端縁部領域乾燥ユニット64とを、
金属薄板Hの両端面側にそれぞれ備える(図には、一方
のみ示す)。図6では、金属薄板Hは下から上に向けて
搬送されるので、端縁部領域hは、端縁部領域塗布ユニ
ット62,端縁部領域乾燥ユニット64の順に処理され
る。
【0038】端縁部領域塗布ユニット62は、この図6
とそのA方向矢視図である図7に示すように、上部に設
置された薬液貯留タンク66と、端縁部領域hに図6の
紙面の手前側で対向する第1当接塗布体68と、端縁部
領域hに図6の紙面の向こう側で対向する第2当接塗布
体70と、薬液貯留タンク66から左右の第1当接塗布
体68,第2当接塗布体70に到る薬液供給管72とを
備える。第2当接塗布体70は、第1当接塗布体68よ
り上方に配置されている。薬液供給管72には、各当接
塗布体の手前に絞り74が組み込まれている。従って、
薬液貯留タンク66の設置高さや絞り74の絞り量を調
整を経て、各当接塗布体への薬液供給量が調整されてい
る。
【0039】薬液貯留タンク66は、レジスト膜の形成
に用いたレジストと同一(同質)の薬液として、カゼイ
ン,重クロム酸塩の含有水溶液を貯留する。よって、第
1当接塗布体68,第2当接塗布体70には、このカゼ
イン,重クロム酸塩の含有水溶液が供給される。
【0040】第1当接塗布体68と第2当接塗布体70
とは、その先端に、綿等の天然繊維やポリフェニレンサ
ルファイド等の合成繊維を圧縮して所定形状、例えは円
錐台形状に賦形してなる当接塗布部76を備える。よっ
て、各当接塗布体は、供給されたカゼイン,重クロム酸
塩の含有水溶液をこの当接塗布部76に含浸させる。
【0041】第1当接塗布体68と第2当接塗布体70
とは、それぞれの支持機構78,80で支持されてお
り、各支持機構は、3段に積み重なったスライドテーブ
ルに固定されている。つまり、搬送ローラ54と平行に
金属薄板Hの幅方向に亘って設けられたシャフト82に
は、当該シャフトに沿ってスライド可能な最下段スライ
ドテーブル84が組み込まれ、当該テーブル上面には、
シャフト82に沿ってスライド可能な中段スライドテー
ブル86が固定されている。また、中段スライドテーブ
ル86上面には、シャフト82と直交する方向、即ち金
属薄板Hと直交する方向に沿ってスライド可能な上段ス
ライドテーブル88,90が固定されている。そして、
上段スライドテーブル88には第1当接塗布体68の支
持機構78が、上段スライドテーブル90には第2当接
塗布体70の支持機構80がそれぞれ固定されている。
【0042】最下段スライドテーブル84は、そのスラ
イド範囲が広くされており、金属薄板Hの幅に応じてそ
のスライド位置が決定され、ハンドル84aにてスライ
ドされる。中段スライドテーブル86は、そのスライド
範囲は比較的狭く、金属薄板Hの端縁部領域hの幅に応
じてそのスライド位置が決定され、ハンドル86aにて
スライドされる。上段スライドテーブル88,90は、
そのスライド範囲は比較的狭く、金属薄板Hの厚みや端
縁部領域hへの当接の様子に応じてそのスライド位置が
決定され、ハンドル88a,90aにてスライドされ
る。
【0043】従って、上記した各スライドテーブルのス
ライド位置を調整することで、図7に示すように、第1
当接塗布体68および第2当接塗布体70の各当接塗布
部76は、対向する端縁部領域hにそれぞれの側から当
接する。しかも、上段スライドテーブル88,90によ
って、第1当接塗布体68,第2当接塗布体70の当接
塗布部76は、端縁部領域hに押し付けられるようにし
て当接する。
【0044】既述したように第2当接塗布体70は第1
当接塗布体68より上方に位置し、それぞれの当接塗布
体は端縁部領域hに押し付けられているので、図8に示
すように、上方に搬送される金属薄板Hは、第1当接塗
布体68からは左向きに、第2当接塗布体70からは右
向きにそれぞれ力を受ける。つまり、金属薄板Hには、
搬送方向と交差する逆向きの力が、その作用点を変えて
かかることになる。よって、金属薄板Hは、この逆向き
の力によるテンションを受けながら搬送される。そし
て、金属薄板Hがその端縁部領域hを第1当接塗布体6
8,第2当接塗布体70の当接塗布部76に当接させて
上向きに搬送されると、表裏の端縁部領域hには、各当
接塗布部76に含浸されているカゼイン,重クロム酸塩
の含有水溶液が塗布され、この表裏の端縁部領域hもレ
ジスト液で覆われる。
【0045】第1当接塗布体68,第2当接塗布体70
の上方に位置する端縁部領域乾燥ユニット64は、図6
とそのB方向矢視図である図9に示すように、上部に設
置された熱風を発生する熱風ブロア92と、二股状に開
いたノズル94と、熱風ブロア92から左右のノズル9
4に到る熱風通風管96とを備える。ノズル94は、図
9に示すように、金属薄板Hの端縁部領域hを挟み込む
ようにして配置されており、対向するノズル口95から
端縁部領域hに向けて熱風を吹き付ける。従って、当接
塗布部76に当接して搬送される間に端縁部領域hに塗
布されたカゼイン,重クロム酸塩の含有水溶液は、ノズ
ル94からの熱風により乾燥に処され、表裏の端縁部領
域hにはカゼイン,重クロム酸塩の膜、即ちレジスト膜
が形成される。このため、端縁部領域処理装置60を通
過した以降は、端縁部領域hは、エッチング液たる塩化
第2鉄溶液に対して耐エッチング性があるレジスト膜で
覆われて露出しない。
【0046】よって、上記した端縁部領域塗布ユニット
62,前処理槽40を経てエッチングブース42に搬送
された金属薄板Hは、このエッチングブース42におけ
るエッチングエリアにて供給されるエッチング液(塩化
第2鉄溶液)によりエッチングされる。このエッチング
の際には、エッチング液は、端縁部領域hを含む金属薄
板Hの総ての主面に亘って行き渡る。よって、現像液槽
32にてレジスト膜が溶融除去され主面が露出した被エ
ッチング領域に亘っては、当該領域の主面がエッチング
される。しかし、レジスト槽18,乾燥器20を経て主
面に形成されたレジスト膜のうち上記被エッチング領域
を除く領域(所定のパターン以外の領域)と、端縁部領
域hとには、耐エッチング性のレジスト膜が残ったまま
であるため、これら領域に亘ってはエッチングされな
い。そして、エッチング済みの金属薄板Hは、洗浄槽4
4でのエッチング液洗浄,剥膜処理槽46でのレジスト
膜剥離,純水洗浄槽48での純水洗浄,乾燥器50での
乾燥および切断器52での切断を経て、エッチング製品
たるシャドウマスクとされる。
【0047】以上説明したように本実施例のシャドウマ
スクの製造ラインでは、エッチングブース42でエッチ
ングを行なう際に、端縁部領域hにおける金属薄板Hの
エッチングを起こさせない。よって、端縁部領域hにお
ける金属片の脱落は起きないので、搬送ローラのローラ
面の盛り上がりや金属片の飛散は発生せず、エッチング
液の過剰疲労も起きない。この結果、実施例のシャドウ
マスクの製造ラインによれば、金属薄板Hの搬送の信頼
性やエッチング品質を向上させることができるばかり
か、エッチング液の使用量を削減することができる。
【0048】また、本実施例のシャドウマスクの製造ラ
インでは、以下のような効果を奏する。
【0049】(1)端縁部領域hへのレジスト膜の形成
を薬液塗布,乾燥で行なうので、簡単に端縁部領域hに
耐エッチング性のレジスト膜を形成することができる。
【0050】(2)端縁部領域hへは、金属薄板H主面
に塗布するレジスト液と同じレジスト液(カゼイン,重
クロム酸塩の含有水溶液)を塗布した。よって、使用す
る薬液についての管理を簡略化することができる。ま
た、端縁部領域hにおけるレジスト膜は、主面に形成済
みのレジスト膜に高い密着性で形成されるので、両レジ
スト膜の間に不用意に主面が露出することもない。よっ
て、金属片の脱落がより一層起きにくい。
【0051】(3)端縁部領域hにレジスト液を塗布す
る左右の第1当接塗布体68,第2当接塗布体70によ
り、搬送過程の金属薄板Hには搬送方向と直交する逆向
きの力を掛けてテンションを与える。よって、金属薄板
Hの搬送時のビビリを抑制して搬送の信頼性を向上させ
ることができる。更に、レジスト液の塗布とテンション
付与を共通の部材で行なうので、構成の簡略化を図るこ
とができる。
【0052】(4)端縁部領域hへは、第1当接塗布体
68,第2当接塗布体70の各当接塗布部76に含浸さ
せたレジスト液を塗布する。よって、端縁部領域hへの
レジスト塗布の均一化を通してレジスト膜を均一なもの
とし、端部ローラ25(図2参照)との当たりを好適に
して、搬送の信頼性をより向上することができる。
【0053】(5)端縁部領域hへのレジスト液の塗布
を、薬液貯留タンク66の設置高さや絞り74の絞り量
の調整を経て調整した供給量で行なう。よって、端縁部
領域hへレジスト塗布をより均一に行なうことができ
る。また、供給量の調整が薬液貯留タンク66の設置高
さや絞り74の絞り量の調整で済むので、レジスト液の
供給量調整、延いてはレジスト塗布量の均一化が容易で
ある。
【0054】(6)端縁部領域hへのレジスト液の塗布
後に端縁部領域乾燥ユニット64により熱風乾燥を行な
う。よって、端縁部領域hへは確実にレジスト膜を形成
できる。
【0055】(7)最下段スライドテーブル84,中段
スライドテーブル86および上段スライドテーブル8
8,90により、金属薄板Hの幅や端縁部領域hの幅,
金属薄板Hの厚みに応じて第1当接塗布体68,第2当
接塗布体70の位置を調整できる。よって、端縁部領域
hへのレジスト膜形成の汎用性を向上させることができ
る。
【0056】(8)端縁部領域hへのレジスト膜形成の
ための端縁部領域処理装置60は、エッチングされる前
の工程に設置されればよい。よって、既存のシャドウマ
スクの製造ラインの設備に端縁部領域処理装置60を追
加設置するだけで、端縁部領域hへのレジスト膜形成が
可能である。このため、既存設備の有効利用を図ること
ができる。
【0057】以上本発明の一実施例について説明した
が、本発明はこの様な実施例になんら限定されるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々な
る態様で実施し得ることは勿論である。
【0058】例えば、本実施例では、端縁部領域hに塗
布する薬液をカゼイン,重クロム酸塩の含有水溶液と
し、主面におけるレジスト液と同じにしたがこれに限る
わけではない。つまり、用いるエッチング液に対する耐
エッチング性を有するものであれば、その種類は特別な
限定を受けない。エッチング液が塩化第2鉄溶液である
場合の他の例としては、水溶性のエマルジョン系アクリ
ル樹脂をメタノール等のアルコール系の有機溶剤に溶解
した薬液を用いることもできる。この種の薬液であれ
ば、カゼインにたいしていわゆる馴染みがよいので、既
に金属薄板Hの主面に形成されているレジスト膜と密着
し好ましいばかりか、速乾性に優れるため乾燥が不要と
なり工程を簡略化することができる。
【0059】また、薬液貯留タンク66,第1当接塗布
体68,第2当接塗布体70および薬液供給管72の各
部材から構成された端縁部領域処理装置60に替えて、
図10に示すような端縁部領域処理容器とすることもで
きる。この端縁部領域処理容器100は、透明の容器本
体102にカゼイン,重クロム酸塩の含有水溶液を収納
し、先端には、当接塗布部76と同様の当接塗布部10
4をキャップ106にて固定して備える。カゼイン,重
クロム酸塩の含有水溶液の補給は、補給キャップ108
を外して行なわれる。そして、当接塗布部104が斜め
に金属薄板Hの端縁部領域hに当接するよう配置され
る。この端縁部領域処理容器100であれば、構造が簡
単なため低コスト化を図ることができる。
【0060】また、端縁部領域処理装置60や端縁部領
域処理容器100は、前処理槽40の上流の搬送ローラ
54,56の間に設置する場合に限られるわけではな
い。例えば、現像ラインにおける洗浄槽36と乾燥器3
8との間に設置することもできる。この場合には、乾燥
器38による乾燥を受けることから、端縁部領域乾燥ユ
ニット64を省略することができる。或いは、現像ライ
ンにおける乾燥器38の下流などに設置することもでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をシャドウマスクの製造に適用した実施
例としてのシャドウマスクの製造ラインの概要図。
【図2】金属薄板Hを搬送する搬送ローラ22の構成を
示す概略斜視図。
【図3】レジスト液体を貯留するレジスト槽18の構成
を説明するための概略断面図。
【図4】レジスト槽18に設けられた吸引ノズル26に
よりレジスト液が吸引される範囲を説明するための説明
図。
【図5】乾燥器20の概略断面図。
【図6】端縁部領域処理装置60の全体構成を説明する
ための説明図。
【図7】図6のA方向矢視図。
【図8】第1当接塗布体68,第2当接塗布体70によ
る薬液塗布の様子と金属薄板Hの搬送の様子を説明する
説明図。
【図9】図6のB方向矢視図。
【図10】端縁部領域処理装置60に替わる端縁部領域
処理容器100の概略断面図。
【符号の説明】
18…レジスト槽 20…乾燥器 22…搬送ローラ 24…搬送部ローラ 25…端部ローラ 26…吸引ノズル 30…焼き付け装置 32…現像液槽 34…硬膜液槽 38…乾燥器 40…前処理槽 42…エッチングブース 44…洗浄槽 46…剥膜処理槽 50…乾燥器 54,56…搬送ローラ 60…端縁部領域処理装置 62…端縁部領域塗布ユニット 64…端縁部領域乾燥ユニット 66…薬液貯留タンク 68…第1当接塗布体 70…第2当接塗布体 76…当接塗布部 92…熱風ブロア 94…ノズル 95…ノズル口 96…熱風通風管 100…端縁部領域処理容器 H…金属薄板 h…端縁部領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01J 9/14 H01J 9/14 H // H01L 23/50 H01L 23/50 A (72)発明者 安藤 良一 滋賀県彦根市高宮町480番地の1 大日 本スクリーン製造株式会社 彦根地区事 業所内 (72)発明者 尾本 貢一 滋賀県彦根市高宮町480番地の1 大日 本スクリーン製造株式会社 彦根地区事 業所内 (56)参考文献 特開 平5−263270(JP,A) 特開 昭54−69378(JP,A) 実開 平4−20050(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23F 1/00 102 C23F 1/00 C23F 1/08 102 G03F 7/40 521 H01J 9/14 H01L 23/50

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺の金属薄板の両端縁部を支持しつつ
    その長手方向に搬送させるとともに、金属薄板の主面に
    フォトエッチング処理を施しエッチング製品を製造する
    エッチング製品の製造方法において、 前記金属薄板の搬送方向に沿った両端縁部である薄板端
    縁部領域を除いて、搬送される金属薄板の主面にレジス
    ト膜を形成するレジスト膜形成工程と、 前記レジスト膜に所定のパターンを焼き付け、該パター
    ンに関連した被エッチング領域に亘りレジスト膜を除去
    して前記主面を露出させる焼き付け・現像工程と、 該焼き付け・現像工程を経た前記金属薄板の薄板端縁部
    領域に耐エッチング性を有する被膜を形成する被膜形成
    工程と、 前記主面にエッチング液を供給して、前記被エッチング
    領域に亘る露出した主面をエッチングするエッチング工
    とを含み、 前記レジスト膜形成工程は、前記金属薄板の主面の全面
    に亘りレジストを塗布するレジスト塗布工程と、前記薄
    板端縁部領域に塗布されたレジストを除去する除去工程
    と、 を含むことを特徴とするエッチング製品の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のエッチング製品の製造
    方法において、 前記レジスト膜形成工程が、さらに、前記薄板端縁部領
    域を除いて前記主面に付着しているレジストを乾燥する
    レジスト乾燥工程を含み、 前記被膜形成工程が前記レジスト膜が除去された薄板端
    縁部領域に耐エッチング性を有する薬液を塗布する薬液
    塗布工程と、該塗布された薬液を乾燥させる薬液乾燥工
    程とを含むことを特徴とするエッチング製品の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のエッチング製品の製造
    方法において、 前記レジスト塗布工程で塗布されるレジストを前記薬液
    塗布工程で薄板端縁部領域に塗布される薬液として用い
    ることを特徴とするエッチング製品の製造方法。
  4. 【請求項4】 長尺の金属薄板の両端縁部を支持しつつ
    その長手方向に搬送させるとともに、金属薄板の主面に
    フォトエッチング処理を施しエッチング製品を製造する
    エッチング製品の製造装置において、 前記金属薄板の搬送方向に沿った両端縁部である薄板端
    縁部領域を除いて、搬送される金属薄板の主面にレジス
    ト膜を形成するレジスト膜形成手段と、 前記レジスト膜に所定のパターンを焼き付け、該パター
    ンに関連した被エッチング領域に亘りレジスト膜を除去
    して前記主面を露出させる焼き付け・現像手段と、 該焼き付け・現像された前記金属薄板の薄板端縁部領域
    に耐エッチング性を有する被膜を形成する被膜形成手段
    と、 前記主面にエッチング液を供給して、前記被エッチング
    領域に亘る露出した主面をエッチングするエッチング手
    とを有し、 前記レジスト膜形成手段は、前記金属薄板の主面の全面
    に亘りレジストを塗布する手段と、前記薄板端縁部領域
    に塗布されたレジストを除去する手段と、 を有すること
    を特徴とするエッチング製品の製造装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のエッチング製品の製造
    装置において、 前記被膜形成手段が耐エッチング性を有する薬液を含浸
    するとともに前記搬送される金属薄板の薄板端縁部領域
    に当接する端縁部当接部材を有することを特徴とするエ
    ッチング製品の製造装置。
  6. 【請求項6】 長尺の金属薄板の両端縁部を支持しつつ
    その長手方向に搬送させるとともに、金属薄板の主面に
    フォトエッチング処理を施しエッチング製品を製造する
    エッチング製品の製造装置において、 前記金属薄板の搬送方向に沿った両端縁部である薄板端
    縁部領域を除いて、搬送される金属薄板の主面にレジス
    ト膜を形成するレジスト膜形成手段と、 前記レジスト膜に所定のパターンを焼き付け、該パター
    ンに関連した被エッチング領域に亘りレジスト膜を除去
    して前記主面を露出させる焼き付け・現像手段と、 該焼き付け・現像された前記金属薄板の薄板端縁部領域
    に耐エッチング性を有する被膜を形成する被膜形成手段
    と、 前記主面にエッチング液を供給して、前記被エッチング
    領域に亘る露出した主面をエッチングするエッチング手
    段と、を備え、 前記被覆形成手段は、 耐エッチング性を有する薬液を貯留する貯留手段と、 前記薬液を含浸するとともに前記搬送される金属薄板の
    一方の主面側の薄板端縁部領域に当接する第1の端縁部
    当接部材と、 前記薬液を含浸するとともに前記搬送される金属薄板の
    他方の主面側の薄板端縁部領域に当接する第2の端縁部
    当接部材と、 前記第1の端縁部当接部材と第2の端縁当接部材とが前
    記金属薄板の搬送方向に沿って離間するように第1の端
    縁部当接部材および第2の端縁当接部材を支持する支持
    手段と、 前記第1の端縁部当接部材又は第2の端縁部当接部材の
    少なくとも一方を前記金属薄板側に押圧する押圧手段
    と、 前記薬液を前記貯留手段から前記第1の端縁部当接部材
    および第2の端縁部当接部材に供給する薬液供給手段
    と、を有することを特徴とするエッチング製品の製造装
    置。
JP21244295A 1995-07-28 1995-07-28 エッチング製品の製造方法および製造装置 Expired - Fee Related JP3405860B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21244295A JP3405860B2 (ja) 1995-07-28 1995-07-28 エッチング製品の製造方法および製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21244295A JP3405860B2 (ja) 1995-07-28 1995-07-28 エッチング製品の製造方法および製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0941160A JPH0941160A (ja) 1997-02-10
JP3405860B2 true JP3405860B2 (ja) 2003-05-12

Family

ID=16622687

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21244295A Expired - Fee Related JP3405860B2 (ja) 1995-07-28 1995-07-28 エッチング製品の製造方法および製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3405860B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0941160A (ja) 1997-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR970007496A (ko) 레지스트 처리 장치 및 레지스트 처리 방법
US4607590A (en) Apparatus for directing fluid stream against substrate sheet
US11422467B2 (en) Apparatus and method for developing printing precursors
JPH06289566A (ja) 感光材料処理装置
JP3405860B2 (ja) エッチング製品の製造方法および製造装置
US4294533A (en) Apparatus for pre-conditioning film
JPS62278557A (ja) 残膜が改良される感光性平版印刷版の現像方法および装置
CA1045373A (en) Apparatus for treating sheet material
EP0004375B1 (en) Process for pre-conditioning a film and apparatus for carrying out the process
JP3206416B2 (ja) シャドウマスクの製造方法
JPS62257171A (ja) 現像性が改良される感光性平版印刷版の現像方法と装置
JPH0251500B2 (ja)
JP2522822B2 (ja) 感光性平版印刷版現像処理方法および装置
JP2001083674A (ja) 自動現像装置
JP2533149B2 (ja) ウェットエッチング方法
JP3113419B2 (ja) 保護ガム液塗布処理装置
JP2554714B2 (ja) 感光性平版印刷版現像処理方法および装置
JPS6347868Y2 (ja)
JPS63282740A (ja) 印刷用感光材料の現像方法
JPH0813164A (ja) 金属板のパターンエッチング方法
JP2598059B2 (ja) 露光式石版の製造方法
JPH0889921A (ja) 長尺素材乾燥装置
JPH03177838A (ja) 感光材料スクイズ装置
JPS6371855A (ja) 感光性平版印刷版の現像方法および装置
JPH0614184B2 (ja) 現像の均一性が改良される感光性平版印刷版の現像処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080307

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090307

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees