JP3404202B2 - 始動時空気量補正制御方法 - Google Patents

始動時空気量補正制御方法

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、主として自動車用
エンジンにおける始動性を高めるための始動時空気量補
正制御方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、始動性を向上させるために、始動
時には、スロットルバルブを迂回するバイパス通路に設
けられた流量制御弁を、種々の補正量例えば始動時補正
量やアイドルアップのための負荷補正量等に基づいて設
定した制御値により開閉制御して、吸気系への吸入空気
量を一律に増量補正制御する制御方法が知られている
(例えば特開昭62−147037号公報)。一般に、
始動時補正量は、その初期値を始動時の冷却水温により
設定している。また、エアコンディショナ(以下、エア
コンと略称する)等の負荷が作動した場合には、その負
荷によるエンジン回転の降下を防止するために、負荷補
正量を設定してエンジン回転数を高くするいわゆるアイ
ドルアップを実施している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、始動時
に負荷がかかっている場合と、負荷がかかっていない場
合とで、始動時補正量が流量制御弁の制御値に影響する
割合が異なるものとなる。すなわち、始動時補正量がア
イドルアップが実施されていない場合に対応した値に設
定してあると、始動時の吹き上がりをよくするためにそ
の量は大きく設定されるものとなる。このような始動時
補正量に対し、負荷が作動すると、始動時補正量に加え
て負荷補正量による補正がなされ、したがってアイドル
アップ実施時では必要以上に制御値が大きくなり、エン
ジン回転が余分に吹き上がる運転状態が生じる。これと
は逆に、アイドルアップ実施状態で適合された始動時補
正量では、アイドルアップ実施状態のエンジン回転に適
合されるためその量は前述の場合に比べて少ない。この
ため、アイドルアップが実施されていない場合の始動時
に、エンジン回転の吹き上がりが悪くなる場合があり、
十分な始動性を得られない場合がある。 【0004】本発明は、このような不具合を解消するこ
とを目的としている。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような手段を講じたものであ
る。すなわち、本発明に係る始動時空気量補正制御方法
は、スロットルバルブを迂回するバイパス通路に流量制
御弁を設け、この流量制御弁の開度を、初期値が負荷増
量を行わない状態で設定されるとともに所定時間の経過
後に減量される始動時補正量に少なくとも基づいて演算
した制御値により制御し、始動時のエンジン回転数を制
御すべく吸気系への吸入空気量を増量制御する始動時空
気量補正制御方法であって、始動時の電気負荷の作動状
態を検出し、電気負荷が作動していることを検出した場
合のみ、負荷補正量を増量するとともに始動時補正量の
初期値を減少して設定し、その初期値を所定時間保持
し、その後その初期値を所定の減衰量で減量した始動時
補正量により吸入空気量を増量制御することを特徴とす
る。 【0006】このような構成のものであれば、電気負荷
の作動状態により始動時補正量の初期値が変化する。す
なわち、電気負荷が作動している場合は初期値を減少
し、作動していない場合は初期値を減少せずにその値と
する。そして、これらの初期値に基づく始動時補正量に
より制御値を演算して流量制御弁の開度を制御し、吸入
空気量を増量補正するので、始動時の電気負荷の作動状
態により増量補正される吸入空気量が異なる。この場
合、電気負荷が作動している場合、初期値が減少してあ
るので、電気負荷が作動していない場合より増量補正さ
れる空気量が少なくなるので、アイドルアップを実施し
てもエンジン回転が吹き上がり過ぎることがない。ま
た、電気負荷が作動していない場合においても、初期値
はその時の値であるので、アイドルアップを実施してい
るにもかかわらずエンジン回転の吹き上がりが不足する
といった運転状態になるのを防止することができる。 【0007】したがって、電気負荷の作動状態の如何に
かかわらず、始動性を向上させることができる。また、
アイドルアップ実施時のエンジン回転の吹き上がりが適
正な状態にできるため、始動直後のエンジン回転数を迅
速に最適な回転数に適合させることができる。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を、図面
を参照して説明する。 【0009】図1に概略的に示したエンジンは自動車用
のもので、その吸気系1には図示しないアクセルペダル
に応動して開閉するスロットルバルブ2を配設するとと
もに、このスロットルバルブ2を迂回するバイス通路3
を設け、このバイパス通路3にアイドル回転数制御用の
流量制御弁4を介設している。この流量制御弁4は、大
流量VSVと略称される電子開閉式のものであって、制
御値である、その端子4aに印加する駆動電圧の演算デ
ューティ比DISCを制御することによって単位時間当
たりの開度を変化させることができ、それによって前記
バイパス通路3の空気流量を調整し得るようになってい
る。つまり、バイパス通路3とこの流量制御弁4との一
組により、通常ならばアイドリング時のフィードバック
制御における各補正項目に対して設けられるバイパス系
路を一本化している。そして、前記演算デューティ比D
ISCは、それらのことを含んで、例えば、所定時間の
経過後に減量される始動時補正量DSTA、水温補正量
DAAV、回転フィードバック補正量DFB、負荷補正
量DSET等の各補正項目が合算されて極端に大きくあ
るいは小さくならないように、その可変範囲は制限され
ている。 【0010】吸気系1にはさらに、燃料噴射弁5が設け
てあり、この燃料噴射弁5や前記流量制御弁4を、電子
制御装置6により制御するようにしている。また排気系
20には、排気ガス中の酸素濃度を検出するためのO
センサ21が取り付けられ、その下流には三元触媒22
に装備してある。0センサ21は、酸素濃度に対応し
て出力信号hを出力するもので、始動時や加速時等を除
く通常の運転状態ではこの出力信号hに基づいて空燃比
を理論空燃比近傍に維持するフィードバック制御が行え
るように、電子制御装置6は構成されている。 【0011】電子制御装置6は、中央演算処理装置7
と、記憶装置8と、入力インターフェース9と、出力イ
ンターフェース11とを具備してなるマイクロコンピュ
ータシステムを主体に構成されている。しかしてその入
力インターフェース9には、サージタンク12内の圧力
を検出する吸気圧センサ13から出力される吸気圧信号
a、エンジン回転数NEを検出するための回転数センサ
14から出力される回転数信号b、車速を検出するため
の車速センサ15から出力される車速信号c、スロット
ルバルブ2の開閉状態を検出するためのスロットルセン
サ16から出力される開度信号d、エンジンの温度とし
てのエンジンの冷却水温を検知するための水温センサ1
7から出力される水温信号e等が入力される。これに加
えて、エアコンディショナすなわちエアコンやブロワ等
の電気負荷の作動を判定するために、それらのスイッチ
信号kが入力インターフェース9に入力されるよう構成
してある。また、出力インターフェース11からは、燃
料噴射弁5に対して、演算された燃料噴射時間に対応す
る駆動信号fが、また流量制御弁4に対しては、後述す
る演算デューティ比DISCに基づく制御信号gが、そ
れぞれ出力される。なお、図示しないが、電子制御装置
6には、入力されるアナログ信号をディジタルデータに
変換するためのA/Dコンバータが内蔵されており、水
温信号e等を一定の間隔でディジタルデータに変換し
て、中央演算処理装置7に出力するものである。 【0012】電子制御装置6には、吸気圧センサ13と
回転数センサ14からのそれぞれの信号を主な情報とし
て燃料噴射弁開成時間を決定し、その決定により燃料噴
射弁5を制御して負荷に応じた燃料を該燃料噴射弁5か
ら吸気系1に噴射させるためのプログラムが内蔵されて
いる。また、流量制御弁4の開度を、初期値が負荷増量
を行わない状態で設定されるとともに所定時間の経過後
に減量される始動時補正量DSTAに少なくとも基づい
て演算した制御値たる演算デューティ比DISCにより
制御し、始動時のエンジン回転数NEを制御すべく吸気
系1への吸入空気量を増量制御するもので、始動時の電
気負荷の作動状態を検出し、電気負荷が作動しているこ
とを検出した場合のみ、負荷補正量DSETを増量する
とともに始動時補正量DSTAの初期値を減少して設定
、その初期値を所定時間保持し、その後その初期値を
所定の減衰量で減量した始動時補正量DSTAにより吸
入空気量を増量制御するプログラムも内蔵されている。 【0013】この始動時空気量補正制御プログラムの概
略構成を、図2に示す。 【0014】まず、ステップS1では、水温信号eによ
りエンジンの冷却水温THWを検出し、検出した冷却水
温THWに対応する始動時補正量DSTAの水温対応初
期値DSTAINT1をマップを検索して読み出す。ス
テップS2では、エアコンが作動しているつまりオンし
ているか否かを判定し、オンしている場合はステップS
3に進み、オフの場合はステップS5に移行する。ステ
ップS3では、初期値補正値DSTAINTUPを所定
値KDTSAUPに設定する。この所定値KDSTAU
Pは、水温対応初期値DSTAINT1をアイドルアッ
プを実施しない運転状態で適合しているので、アイドル
アップを実施している運転状態での適合値の差分に相当
する値に設定すればよい。ステップS4では、初期値D
STAINTの演算を下式により実行する。 DSTAINT=DSTAINT1−DSTAINTU
P ステップS5では、初期値補正値DSTAINTUPを
0に設定する。そして、設定された始動時補正量DST
A等により、演算デューティ比DISCが下式により演
算される。 DISC=DSTA+DFB+DAAV+DSET この式において、フィードバック制御が実行されていな
い場合、暖気運転中でない場合、電気負荷が作動してい
ない場合にはそれぞれ、回転フィードバック補正量DF
B、水温補正量DAAV、負荷補正量DSETは0であ
り、始動後の運転状態では始動時補正量DSTAは0に
設定される。なお、始動時補正量DSTAは、図3に示
すように、イグニッションスイッチがオンになると同時
に初期値DSTAINTに設定され、クランキングの時
間に略等しい時間その初期値DSTAINTに保持さ
れ、その後は所定の減衰量にしたがって減量されて、始
動後の状態においては0に設定される。 【0015】このような構成において、イグニッション
スイッチがオンされる際に、エアコン及びブロアがオン
であり、かつエバポレータが所定温度でアイドルアップ
条件が満たされている場合は、図3に示すように、始動
時補正量DSTA及び負荷補正量DSETにより始動開
始と同時に吸入空気量が増量補正される。この場合、制
御は、ステップS1→S2→S3→S4と進み、冷却水
温THWに応じた水温対応初期値DSTAINT1から
初期値補正値KDSTAUPを減算して初期値DSTA
INTを決定する。この場合、初期値DSTAINT
は、マップに記憶してある水温対応初期値DSTAIN
T1に対して初期値補正値KDSTAUPだけ少ない量
になり、その分演算デューティ比DISCは小さくな
る。したがって、流量制御弁4の開度が小さくなり、バ
イパス通路3を経て吸気系1に流入する空気量はアイド
ルアップ実施時の適量となり、図3に一点鎖線で示すよ
うな過分に吹き上がることなく、適切なエンジン回転数
NEまで十分に回転させることができる。 【0016】一方、エアコンがオフの状態で始動が開始
されると、制御は、ステップS1→S2→S5→S4と
進み、初期値DSTAINTはそのときの水温対応初期
値DSTAINT1に決定される。つまり、この場合は
冷却水温THWに応じてマップに記憶された水温対応初
期値DSTAINT1が初期値DSTAINTであり、
エアコンがオンしている場合の初期値DSTAINTよ
り大きな値に決定されるものである。この場合、エアコ
ンがオンしていないために、負荷補正量DSETは0で
あり、その分だけ演算デューティ比DISCは小さくな
るが、始動時補正量DSTAがエアコンオン時と比較し
て初期値補正値KDSTAINTUP分だけ大きくなっ
ているので、最終的な演算デューティ比DISCは実質
的に必要かつ十分な値になる。したがって、バイパス通
路3を流れる空気量はエアコンがオンしている場合と同
様に、その運転状態において十分な量となり、エンジン
回転は、図3に二点鎖線で示すような十分な吹き上がり
がないものにはならず、したがって適正なエンジン回転
数NEまで吹き上がって、吹き上がり不足の不安定な状
態で始動が完了することを防止することができる。 【0017】このように、始動時において、エアコンの
オンオフの状態にかかわらず、常に適切なエンジン回転
まで吹き上がるので、始動性を向上させることができ
る。また、過不足なくエンジン回転が吹き上がるため、
始動直後の目標回転数に迅速に収束させることができ、
安定した始動感のある運転状態を維持することができ
る。 【0018】なお、本発明は以上説明した実施例に限定
されるものではない。すなわち、上記実施例において
は、電気負荷としてエアコンを例に挙げて説明したが、
ヘッドライト、ハザードライト、オルタネータ等を電気
負荷とするものであってよく、さらにはこれらを組み合
わせたものでもよいことはいうまでもない。 【0019】その他、各部の構成は図示例に限定される
ものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変
形が可能である。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施例を示す概略構成説明図。 【図2】同実施例の制御手順を示すフローチャート。 【図3】同実施例の作用説明図。 【符号の説明】 2…スロットルバルブ 3…バイパス通路 4…流量制御弁 6…電子制御装置 7…中央演算処理装置 8…記憶装置 9…入力インターフェース 11…出力インターフェース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−214995(JP,A) 特開 平6−146932(JP,A) 特開 平3−194146(JP,A) 特開 平7−103024(JP,A) 特開 昭62−147037(JP,A) 実開 昭61−176045(JP,U) 実開 平5−940(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 17/00 - 17/04 F02D 29/00 - 29/06 F02D 41/00 - 45/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】スロットルバルブを迂回するバイパス通路
    に流量制御弁を設け、この流量制御弁の開度を、初期値
    が負荷増量を行わない状態で設定されるとともに所定時
    間の経過後に減量される始動時補正量に少なくとも基づ
    いて演算した制御値により制御し、始動時のエンジン回
    転数を制御すべく吸気系への吸入空気量を増量制御する
    始動時空気量補正制御方法であって、 始動時の電気負荷の作動状態を検出し、 電気負荷が作動していることを検出した場合のみ、負荷
    補正量を増量するとともに始動時補正量の初期値を減少
    して設定し その初期値を所定時間保持し、 その後その初期値を所定の減衰量で減量した 始動時補正
    量により吸入空気量を増量制御することを特徴とする始
    動時空気量補正制御方法。
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