JP3402492B2 - 往復動型圧縮機 - Google Patents
往復動型圧縮機Info
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- F04B25/04—Multi-stage pumps having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
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- General Engineering & Computer Science (AREA)
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- Compressor (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は往復動型圧縮機に係り、
詳しくはシリンダボアを形成するシリンダブロックの改
良に関する。
詳しくはシリンダボアを形成するシリンダブロックの改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】車両空調用として多用されている往復動
型圧縮機のうち、例えば特開昭62−51776号公報
等記載の斜板式圧縮機(以下、単に圧縮機という。)
は、図1に例示するように、両シリンダブロック10、
12に軸心と平行に複数個のシリンダボア8が形成され
ており、両シリンダブロック10、12によって支承さ
れた駆動軸14上に斜板16が取付けられている。斜板
16にはシュー13、13を介してピストン15が係留
され、ピストン15は斜板16の傾角に応じてシリンダ
ボア8内を往復動可能に収納されている。また、両シリ
ンダブロック10、12の外方にはそれぞれ弁板を介し
てフロント及びリアハウジング22、24が両シリンダ
ブロック10、12を貫通する通しボルト26によって
接合されている。フロント及びリアハウジング22、2
4には、弁板の吸入ポートを介してシリンダボア8に連
通する吸入室1、2と、弁板の吐出ポートを介してシリ
ンダボア8に連通する吐出室3、4とが形成されてい
る。
型圧縮機のうち、例えば特開昭62−51776号公報
等記載の斜板式圧縮機(以下、単に圧縮機という。)
は、図1に例示するように、両シリンダブロック10、
12に軸心と平行に複数個のシリンダボア8が形成され
ており、両シリンダブロック10、12によって支承さ
れた駆動軸14上に斜板16が取付けられている。斜板
16にはシュー13、13を介してピストン15が係留
され、ピストン15は斜板16の傾角に応じてシリンダ
ボア8内を往復動可能に収納されている。また、両シリ
ンダブロック10、12の外方にはそれぞれ弁板を介し
てフロント及びリアハウジング22、24が両シリンダ
ブロック10、12を貫通する通しボルト26によって
接合されている。フロント及びリアハウジング22、2
4には、弁板の吸入ポートを介してシリンダボア8に連
通する吸入室1、2と、弁板の吐出ポートを介してシリ
ンダボア8に連通する吐出室3、4とが形成されてい
る。
【0003】この圧縮機では、駆動軸14の回転によ
り、斜板16が回転し、同時にその傾角に応じて揺動す
る。この揺動運動により、ピストン15はシリンダボア
8内を往復運動する。これにより、吸入室1、2内の冷
媒ガスはシリンダボア8内に吸入され、ここで圧縮され
た後、吐出室3、4に吐出される。
り、斜板16が回転し、同時にその傾角に応じて揺動す
る。この揺動運動により、ピストン15はシリンダボア
8内を往復運動する。これにより、吸入室1、2内の冷
媒ガスはシリンダボア8内に吸入され、ここで圧縮され
た後、吐出室3、4に吐出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般にシリン
ダブロック10、12はADC12等のアルミニウム合
金からなり、過酷な運転状況によれば、ピストン15と
シリンダボア8との摺動性が未だ満足できるものでない
ことが明らかとなった。本発明は、過酷な運転状況下に
おいても、ピストンとシリンダボアとの間に優れた摺動
性を確保することを解決すべき課題とするものである。
ダブロック10、12はADC12等のアルミニウム合
金からなり、過酷な運転状況によれば、ピストン15と
シリンダボア8との摺動性が未だ満足できるものでない
ことが明らかとなった。本発明は、過酷な運転状況下に
おいても、ピストンとシリンダボアとの間に優れた摺動
性を確保することを解決すべき課題とするものである。
【0005】
(1)請求項1の往復動型圧縮機は、上記課題を解決す
るため、複数個のシリンダボアをもつシリンダブロック
と、駆動軸の回転により該シリンダボア内で往復動する
ピストンとを備えた往復動型圧縮機において、上記シリ
ンダブロックは、Cu:1.5〜5.0重量%と、S
i:13〜16重量%と、Mg:0.5重量%以下と、
Zn:1.0重量%以下と、Fe:1.0重量%以下
と、残部をAlとしたアルミニウム合金であり、該シリ
ンダボアの内面には初晶珪素の脱落痕が存在するという
新規な構成を採用している。
るため、複数個のシリンダボアをもつシリンダブロック
と、駆動軸の回転により該シリンダボア内で往復動する
ピストンとを備えた往復動型圧縮機において、上記シリ
ンダブロックは、Cu:1.5〜5.0重量%と、S
i:13〜16重量%と、Mg:0.5重量%以下と、
Zn:1.0重量%以下と、Fe:1.0重量%以下
と、残部をAlとしたアルミニウム合金であり、該シリ
ンダボアの内面には初晶珪素の脱落痕が存在するという
新規な構成を採用している。
【0006】Cuが1.5重量%未満であれば、初晶珪
素を除くマトリックスが軟質になりすぎ、強度を確保し
にくい。逆に、Cuが5.0重量%を超えれば、マトリ
ックスが硬質になりすぎ、本発明の作用が得られない。
Siが13重量%未満であれば、ADC12に近似して
初晶珪素が少なく、強度を確保しにくいとともに、本発
明の作用が得られにくい。逆に、Siが16重量%を超
えれば、鋳造性に劣る。
素を除くマトリックスが軟質になりすぎ、強度を確保し
にくい。逆に、Cuが5.0重量%を超えれば、マトリ
ックスが硬質になりすぎ、本発明の作用が得られない。
Siが13重量%未満であれば、ADC12に近似して
初晶珪素が少なく、強度を確保しにくいとともに、本発
明の作用が得られにくい。逆に、Siが16重量%を超
えれば、鋳造性に劣る。
【0007】Mg、Zn、Feは不純物として存在しう
る。 (2)請求項1の往復動型圧縮機では、シリンダボアの
内面は初晶珪素露出度が10〜60%であることが好ま
しい。ここで、 初晶珪素露出度(%)=(実際に表面に存在する初晶珪
素の面積)×100÷(組織として表面に存在すべき初
晶珪素の面積) である。
る。 (2)請求項1の往復動型圧縮機では、シリンダボアの
内面は初晶珪素露出度が10〜60%であることが好ま
しい。ここで、 初晶珪素露出度(%)=(実際に表面に存在する初晶珪
素の面積)×100÷(組織として表面に存在すべき初
晶珪素の面積) である。
【0008】初晶珪素露出度が10%未満とするのは初
晶珪素の脱落痕を生じさせる手段としてダイアモンド研
摩を行ったとしても困難であり、かつ初晶珪素露出度が
10%未満では残存する初晶珪素による耐摩耗性が得ら
れにくいからである。逆に、初晶珪素露出度が60%を
超えると、脱落痕が少ないため、本発明の作用が得られ
にくい。
晶珪素の脱落痕を生じさせる手段としてダイアモンド研
摩を行ったとしても困難であり、かつ初晶珪素露出度が
10%未満では残存する初晶珪素による耐摩耗性が得ら
れにくいからである。逆に、初晶珪素露出度が60%を
超えると、脱落痕が少ないため、本発明の作用が得られ
にくい。
【0009】Cuが1.5〜3.5重量%であれば、マ
トリックスが比較的軟質に形成されるため、シリンダブ
ロックの受圧部において区々に突出した初晶珪素が受圧
部と衝接するスラスト軸受の外輪によって押し込まれや
すく、初晶珪素の高さがほぼ均一にされやすい。この結
果、この圧縮機では、スラスト軸受の外輪から作用する
締め代及びスラスト荷重を多数の初晶珪素で好適に支持
するとともに、過酷な運転状況下の連れ回りや偏心揺動
を多数の初晶珪素で好適に受承し、受圧部の耐摩耗性が
向上する。
トリックスが比較的軟質に形成されるため、シリンダブ
ロックの受圧部において区々に突出した初晶珪素が受圧
部と衝接するスラスト軸受の外輪によって押し込まれや
すく、初晶珪素の高さがほぼ均一にされやすい。この結
果、この圧縮機では、スラスト軸受の外輪から作用する
締め代及びスラスト荷重を多数の初晶珪素で好適に支持
するとともに、過酷な運転状況下の連れ回りや偏心揺動
を多数の初晶珪素で好適に受承し、受圧部の耐摩耗性が
向上する。
【0010】
【作用】本発明の往復動型圧縮機では、シリンダブロッ
クが上記アルミニウム合金からなり、研摩等前のシリン
ダボアの内面には初晶珪素が大量に析出する。シリンダ
ボアの内面におけるこの初晶珪素の多数の微小な脱落痕
はオイルスポットとして機能する。
クが上記アルミニウム合金からなり、研摩等前のシリン
ダボアの内面には初晶珪素が大量に析出する。シリンダ
ボアの内面におけるこの初晶珪素の多数の微小な脱落痕
はオイルスポットとして機能する。
【0011】
【実施例】以下、本発明を斜板式圧縮機(以下、単に圧
縮機という。)に具体化した実施例を説明する。この圧
縮機は、図1に示す従来のものからシリンダブロックの
材質を異ならせた点以外は従来のものと同一であるた
め、同一符号を使用し、図1を参照しつつ説明する。
縮機という。)に具体化した実施例を説明する。この圧
縮機は、図1に示す従来のものからシリンダブロックの
材質を異ならせた点以外は従来のものと同一であるた
め、同一符号を使用し、図1を参照しつつ説明する。
【0012】この圧縮機のシリンダブロック10、12
は、Cu:2.5重量%(以下、%と略す。)と、S
i:15.0%と、Mg:0.2%と、Zn:0.5%
と、Fe:0.9%と、残部Alとしたアルミニウム合
金を表1に示す鋳造条件にてダイカスト鋳造によって一
体形成されている。
は、Cu:2.5重量%(以下、%と略す。)と、S
i:15.0%と、Mg:0.2%と、Zn:0.5%
と、Fe:0.9%と、残部Alとしたアルミニウム合
金を表1に示す鋳造条件にてダイカスト鋳造によって一
体形成されている。
【0013】
【表1】
表1の鋳造温度及び金型温度から、本発明に係るアルミ
ニウム合金はさほどのSi含有量を有していないので、
鋳造も容易であることがわかる。
ニウム合金はさほどのSi含有量を有していないので、
鋳造も容易であることがわかる。
【0014】このようなダイカスト鋳造によって形成し
た本発明に係るアルミニウム合金の一般的諸性質は表2
に示すようになる。
た本発明に係るアルミニウム合金の一般的諸性質は表2
に示すようになる。
【0015】
【表2】
表2の引張強さ、伸び、衝撃値、Hv硬さから、本発明
に係るアルミニウム合金は、初晶珪素を除くマトリック
スが比較的軟質に形成されていることがわかる。これ
は、本発明に係るアルミニウム合金が比較的Cu含有量
が少ないためである。
に係るアルミニウム合金は、初晶珪素を除くマトリック
スが比較的軟質に形成されていることがわかる。これ
は、本発明に係るアルミニウム合金が比較的Cu含有量
が少ないためである。
【0016】このアルミニウム合金からなるシリンダブ
ロック10、12では、研摩前のシリンダボア8の内面
に初晶珪素が大量に析出する。そして、シリンダボア8
の内面をダイアモンド研摩し、初晶珪素露出度を15%
とする。この後、圧縮機を組付ける。 (評価)比較例として、ADC12のアルミニウム合金
からなるシリンダブロック10、12を採用し、シリン
ダボア8に焼結ライナを嵌挿し、他の構成要素を実施例
のものと同一とした圧縮機を用意する。そして、実施例
の圧縮機と比較例の圧縮機とを用い、ピストン15とシ
リンダボア8との間で焼付を生じるまで回転数を上昇さ
せる実機連続運転試験を行なう。各圧縮機において、ピ
ストン15はアルミニウム合金からなる本体にPTFE
をコーティングしたものである。
ロック10、12では、研摩前のシリンダボア8の内面
に初晶珪素が大量に析出する。そして、シリンダボア8
の内面をダイアモンド研摩し、初晶珪素露出度を15%
とする。この後、圧縮機を組付ける。 (評価)比較例として、ADC12のアルミニウム合金
からなるシリンダブロック10、12を採用し、シリン
ダボア8に焼結ライナを嵌挿し、他の構成要素を実施例
のものと同一とした圧縮機を用意する。そして、実施例
の圧縮機と比較例の圧縮機とを用い、ピストン15とシ
リンダボア8との間で焼付を生じるまで回転数を上昇さ
せる実機連続運転試験を行なう。各圧縮機において、ピ
ストン15はアルミニウム合金からなる本体にPTFE
をコーティングしたものである。
【0017】試験の結果、実施例の圧縮機では、比較例
の圧縮機と比較して、焼付を生じる回数数が20%程度
上昇していた。また、実施例の圧縮機では、ある程度初
晶珪素が残存しており、十分な耐摩耗性を発揮してい
た。また、実施例の圧縮機におけるシリンダボア8の内
面の金属組織を図2及び図3に示し、比較例の圧縮機に
おけるシリンダボア8の内面の金属組織を図4に示す。
図2は200倍の顕微鏡写真、図3は400倍の顕微鏡
写真、図4は200倍の顕微鏡写真である。
の圧縮機と比較して、焼付を生じる回数数が20%程度
上昇していた。また、実施例の圧縮機では、ある程度初
晶珪素が残存しており、十分な耐摩耗性を発揮してい
た。また、実施例の圧縮機におけるシリンダボア8の内
面の金属組織を図2及び図3に示し、比較例の圧縮機に
おけるシリンダボア8の内面の金属組織を図4に示す。
図2は200倍の顕微鏡写真、図3は400倍の顕微鏡
写真、図4は200倍の顕微鏡写真である。
【0018】図2、3より、実施例の圧縮機では、シリ
ンダボア8の内面にはダイアモンド研摩により脱落した
初晶珪素の多数の微小な脱落痕が形成されていることが
わかる。したがって、実施例の圧縮機では、脱落痕がオ
イルスポットとして機能し、過酷な運転状況下において
も、ピストン15とシリンダボア8との間に優れた摺動
性を確保できることがわかる。
ンダボア8の内面にはダイアモンド研摩により脱落した
初晶珪素の多数の微小な脱落痕が形成されていることが
わかる。したがって、実施例の圧縮機では、脱落痕がオ
イルスポットとして機能し、過酷な運転状況下において
も、ピストン15とシリンダボア8との間に優れた摺動
性を確保できることがわかる。
【0019】また、実施例の圧縮機では受圧部10a、
12aに20μm程度の摩耗量が生じたに過ぎないのに
対し、比較例の圧縮機では受圧部10a、12aに15
0〜180μmの摩耗量が生じた。これは、実施例の圧
縮機では、シリンダブロック10、12において初晶珪
素を除くマトリックスが比較的軟質に形成されるため、
受圧部10a、12aにおいて区々に突出した初晶珪素
が受圧部10a、12aと衝接するスラスト軸受20、
20の外輪20bによって押し込まれやすく、初晶珪素
の高さがほぼ均一にされやすいため、外輪20b、20
bから作用する締め代及びスラスト荷重を多数の初晶珪
素で好適に支持するとともに、過酷な運転状況下の連れ
回りや偏心揺動を多数の初晶珪素で好適に受承するから
である。
12aに20μm程度の摩耗量が生じたに過ぎないのに
対し、比較例の圧縮機では受圧部10a、12aに15
0〜180μmの摩耗量が生じた。これは、実施例の圧
縮機では、シリンダブロック10、12において初晶珪
素を除くマトリックスが比較的軟質に形成されるため、
受圧部10a、12aにおいて区々に突出した初晶珪素
が受圧部10a、12aと衝接するスラスト軸受20、
20の外輪20bによって押し込まれやすく、初晶珪素
の高さがほぼ均一にされやすいため、外輪20b、20
bから作用する締め代及びスラスト荷重を多数の初晶珪
素で好適に支持するとともに、過酷な運転状況下の連れ
回りや偏心揺動を多数の初晶珪素で好適に受承するから
である。
【0020】なお、実施例の圧縮機では、比較例の圧縮
機のようにシリンダボア8にライナを嵌挿する必要がな
く、軽量化に寄与できるとともに、部品点数の低減を実
現できる。また、実施例の圧縮機では、シリンダブロッ
ク10、12の熱膨脹係数がピストンの熱膨脹係数と近
似し、実動時におけるピストンのサイドクリアランスを
安定させることもできた。
機のようにシリンダボア8にライナを嵌挿する必要がな
く、軽量化に寄与できるとともに、部品点数の低減を実
現できる。また、実施例の圧縮機では、シリンダブロッ
ク10、12の熱膨脹係数がピストンの熱膨脹係数と近
似し、実動時におけるピストンのサイドクリアランスを
安定させることもできた。
【0021】さらに、実施例の圧縮機では、シリンダブ
ロック10、12の鋳造歪みが小さく、残留応力解放後
の寸法変化が小さいという効果も奏することができた。 (試験1)Cu:1〜5.5%とし、他は実施例と同一
の条件でシリンダブロック10、12を製造する。そし
て、シリンダボア8の内面をダイアモンド研摩し、初晶
珪素露出度を60%とする。この後、圧縮機を組付け
る。
ロック10、12の鋳造歪みが小さく、残留応力解放後
の寸法変化が小さいという効果も奏することができた。 (試験1)Cu:1〜5.5%とし、他は実施例と同一
の条件でシリンダブロック10、12を製造する。そし
て、シリンダボア8の内面をダイアモンド研摩し、初晶
珪素露出度を60%とする。この後、圧縮機を組付け
る。
【0022】各圧縮機を実機耐久試験に供し、ピストン
15又はシリンダボア8の摩耗量を測定した。結果を図
5に示す。図5より、Cuが1.5%未満であれば、シ
リンダボア8が強度を確保しにくいため、シリンダボア
8側で摩耗が生じやすく、逆に、Cuが5.0%を超え
れば、シリンダボア8が硬質になりすぎ、ピストン15
側で摩耗が生じやすいことがわかる。 (試験2)Cu:1.5%又は5%とし、他は実施例と
同一の条件でシリンダブロック10、12を製造する。
そして、シリンダボア8の内面をダイアモンド研摩し、
初晶珪素露出度を10%未満〜70%とする。この後、
圧縮機を組付ける。
15又はシリンダボア8の摩耗量を測定した。結果を図
5に示す。図5より、Cuが1.5%未満であれば、シ
リンダボア8が強度を確保しにくいため、シリンダボア
8側で摩耗が生じやすく、逆に、Cuが5.0%を超え
れば、シリンダボア8が硬質になりすぎ、ピストン15
側で摩耗が生じやすいことがわかる。 (試験2)Cu:1.5%又は5%とし、他は実施例と
同一の条件でシリンダブロック10、12を製造する。
そして、シリンダボア8の内面をダイアモンド研摩し、
初晶珪素露出度を10%未満〜70%とする。この後、
圧縮機を組付ける。
【0023】各圧縮機を実機耐久試験に供し、ピストン
15又はシリンダボア8の摩耗量を測定した。結果を図
6に示す。図6より、Cu:1.5%又は5%ともに、
初晶珪素露出度が10%未満では、残存する初晶珪素に
よる耐摩耗性が得られにくいため、シリンダボア8に摩
耗が生じやすく、逆に、初晶珪素露出度が60%を超え
ると、脱落痕が少ないため、シリンダボア8に摩耗が生
じやすいことがわかる。
15又はシリンダボア8の摩耗量を測定した。結果を図
6に示す。図6より、Cu:1.5%又は5%ともに、
初晶珪素露出度が10%未満では、残存する初晶珪素に
よる耐摩耗性が得られにくいため、シリンダボア8に摩
耗が生じやすく、逆に、初晶珪素露出度が60%を超え
ると、脱落痕が少ないため、シリンダボア8に摩耗が生
じやすいことがわかる。
【0024】したがった、試験1、2によれば、請求の
範囲記載の構成を採用すれば、大量生産時の誤差を考慮
しても、本発明の効果を奏することができる。
範囲記載の構成を採用すれば、大量生産時の誤差を考慮
しても、本発明の効果を奏することができる。
【0025】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の往復動型
圧縮機では、特許請求の範囲記載の構成を採用している
ため、過酷な運転状況下においても、ピストンとシリン
ダボアとの間に優れた摺動性を確保することができる。
したがって、この圧縮機では、優れた耐久性を発揮する
ことができる。
圧縮機では、特許請求の範囲記載の構成を採用している
ため、過酷な運転状況下においても、ピストンとシリン
ダボアとの間に優れた摺動性を確保することができる。
したがって、この圧縮機では、優れた耐久性を発揮する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な斜板式圧縮機の縦断面図である。
【図2】実施例の圧縮機におけるシリンダボアの内面の
金属組織を示す200倍の顕微鏡写真である。
金属組織を示す200倍の顕微鏡写真である。
【図3】実施例の圧縮機におけるシリンダボアの内面の
金属組織を示す400倍の顕微鏡写真である。
金属組織を示す400倍の顕微鏡写真である。
【図4】比較例の圧縮機におけるシリンダボアの内面の
金属組織を示す顕微鏡写真である。
金属組織を示す顕微鏡写真である。
【図5】試験1において、Cu量とピストン又はボアの
摩耗量との関係を示すグラフである。
摩耗量との関係を示すグラフである。
【図6】試験2において、Si露出度とボアの摩耗量と
の関係を示すグラフである。
の関係を示すグラフである。
8…シリンダボア 10、12…シリンダブロック
14…駆動軸 15…ピストン
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 西本 昌顕
愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式
会社豊田自動織機製作所内
(56)参考文献 特開 平7−19163(JP,A)
特開 昭60−208444(JP,A)
特開 平6−158210(JP,A)
特開 平5−279777(JP,A)
特開 昭61−26741(JP,A)
特開 平5−340364(JP,A)
特開 昭60−211037(JP,A)
特開 平6−172947(JP,A)
特開 平4−272149(JP,A)
特開 昭62−126283(JP,A)
特開 昭60−205070(JP,A)
実公 平4−41261(JP,Y2)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
F04B 27/08
C22C 21/02
Claims (2)
- 【請求項1】複数個のシリンダボアをもつシリンダブロ
ックと、駆動軸の回転により該シリンダボア内で往復動
するピストンとを備えた往復動型圧縮機において、 上記シリンダブロックは、Cu:1.5〜5.0重量%
と、Si:13〜16重量%と、Mg:0.5重量%以
下と、Zn:1.0重量%以下と、Fe:1.0重量%
以下と、残部をAlとしたアルミニウム合金であり、該
シリンダボアの内面には初晶珪素の脱落痕が存在するこ
とを特徴とする往復動型圧縮機。 - 【請求項2】シリンダボアの内面は、初晶珪素露出度が
10〜60%であることを特徴とする請求項1記載の往
復動型圧縮機。
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- 1994-06-21 CN CN94106733A patent/CN1047657C/zh not_active Expired - Fee Related
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