JP3402148B2 - スラント型内燃機関における吸気先行冷却式冷却水ジャケットの空気抜き装置 - Google Patents
スラント型内燃機関における吸気先行冷却式冷却水ジャケットの空気抜き装置Info
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- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02F—CYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
- F02F1/00—Cylinders; Cylinder heads
- F02F1/24—Cylinder heads
- F02F1/26—Cylinder heads having cooling means
- F02F1/36—Cylinder heads having cooling means for liquid cooling
- F02F1/40—Cylinder heads having cooling means for liquid cooling cylinder heads with means for directing, guiding, or distributing liquid stream
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- Combustion & Propulsion (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダの軸線を
クランク軸の方向から見て水平面に対して傾斜して成る
スラント型の内燃機関において、そのシリンダヘッドに
吸気先行冷却式の冷却水ジャケットを形成した場合、こ
の冷却水ジャケットからの空気抜き装置に関するもので
ある。 【０００２】 【従来の技術】最近の車両用内燃機関においては、シリ
ンダヘッドに対する冷却性の向上を図るために、シリン
ダヘッドにおける冷却水ジャケットを、吸気ポート側を
気筒列の方向に延びる第１冷却水ジャケットと、吸気ポ
ート以外の部分を気筒列の方向に延びる第２冷却水ジャ
ケットとに区画し、ラジエータからの冷却水を、先づ、
第１冷却水ジャケットの一端部に導入したのち、この第
１冷却水ジャケットの他端部から冷却水ポンプにてシリ
ンダブロックにおける冷却水ジャケットに送り込み、次
いで、このシリンダブロックにおける冷却水ジャケット
からシリンダヘッドにおける第２冷却水ジャケットに導
入したのちラジエータに送出すると言う吸気先行冷却式
冷却水ジャケットに構成することが行われている（例え
ば、実開平２−６４７３４号公報等参照）。 【０００３】しかし、この吸気先行冷却式冷却水ジャケ
ットを、シリンダ軸線を、シリンダヘッドにおける吸気
ポート側の長手側面を上向きにした姿勢で、クランク軸
の方向から見て水平面に対して適宜角度だけ傾斜して成
るスラント型の内燃機関に適用した場合、そのシリンダ
ヘッドにおける第２冷却水ジャケットは、第１冷却水ジ
ャケットよりも低い部位に位置することにより、各冷却
水ジャケットに対する冷却水の注入に際して、この第２
冷却水ジャケット内に空気が溜まることになるから、冷
却性能が大幅に低下することになる。 【０００４】そこで、先行技術としての特開平６−１４
７００３号公報には、スラント型内燃機関にに、吸気先
行冷却式冷却水ジャケットを適用した場合に、シリンダ
ヘッドにとける冷却水ジャケットを第１冷却水ジャケッ
トと第２冷却水ジャケットとに区画する仕切りの部分
に、空気抜き孔を穿設することにより、各冷却水ジャケ
ット内への冷却水の注水に際して、第２冷却水ジャケッ
ト内の空気を第１冷却水ジャケットに逃がすことを提案
している。 【０００５】 【発明が解決しようとする課題】しかし、第１冷却水ジ
ャケットと第２冷却水ジャケットとの間の仕切りの部分
に、空気抜き孔を穿設すると言う構成であると、内燃機
関の運転中において、前記空気抜き孔を介して、前記第
１冷却水ジャケット内の冷たい冷却水が第２冷却水ジャ
ケットに漏れたり、第２冷却水ジャケット内の温かい冷
却水が第１冷却水ジャケットに漏れたりするから、その
分だけ冷却性能が低下すると言う問題があった。 【０００６】しかも、前記シリンダヘッドにおける第１
冷却水ジャケットに、当該第１冷却水ジャケット内の空
気を抜くための手段を設けることが必要であると言う問
題もあった。本発明は、これらの問題を解消をすること
を技術的課題とするものである。 【０００７】 【課題を解決するための手段】この技術的課題を達成す
るため本発明は、「シリンダブロック上面のシリンダヘ
ッドにおける冷却水ジャケットを、吸気ポート側を気筒
列の方向に延びる第１冷却水ジャケットと、吸気ポート
以外の部分を気筒列の方向に延びる第２冷却水ジャケッ
トとに区画する一方、クランク軸の方向から見たシリン
ダ軸線を、前記シリンダヘッドにおける吸気ポート側の
長手側面が上向きになるように、水平面に対して傾斜し
て成るスラント型内燃機関において、前記シリンダヘッ
ドにおける吸気ポート側の部分には、空気抜きパイプ
を、当該空気抜きパイプの一端が前記第１冷却水ジャケ
ットと第２冷却水ジャケットとの間の仕切り部を貫通し
て第２冷却水ジャケットに開口し、他端がシリンダヘッ
ドの長手側面に開口するように設けて、この空気抜きパ
イプに、当該空気抜きパイプ内と前記第１冷却水ジャケ
ットとを連通する連通孔を穿設する一方、前記空気抜き
パイプの他端に、空気抜きパイプの他端及び前記連通孔
を共に閉じるように構成したプラグを着脱自在に装着す
る。」と言う構成にした。 【０００８】 【発明の作用・効果】この構成において、空気抜きパイ
プの他端におけるプラグを取り外すことにより、第２冷
却水ジャケットは、空気抜きパイプを介して大気に連通
する一方、第１冷却水ジャケットは、連通孔及び空気抜
きパイプを介して大気に連通することになるから、各冷
却水ジャケットへの冷却水の注水に際して、各冷却水ジ
ャケットにおける空気を略完全に抜くことができるので
ある。 【０００９】そして、前記空気抜きパイプの他端にプラ
グを装着することにより、空気抜きパイプ及び連通孔が
共に閉じて、第１冷却水ジャケット及び第２冷却水ジャ
ケットの大気への連通、及び第１冷却水ジャケットと第
２冷却水ジャケットとの間の連通が遮断されることにな
るから、両冷却水ジャケット内の冷却水が外に漏れるこ
とを完全に阻止できると共に、内燃機関の運転中におい
て、前記第１冷却水ジャケット内の冷たい冷却水が第２
冷却水ジャケットに漏れたり、第２冷却水ジャケット内
の温かい冷却水が第１冷却水ジャケットに漏れたりする
ことを確実に低減できるのである。 【００１０】従って、本発明によると、内燃機関に対す
る冷却性能を低下することなく、冷却水の注水に際し
て、シリンダヘッドにおける両冷却水ジャケットの空気
抜きを確実に行うことができる効果を有する。 【００１１】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
１〜図４の図面について説明する。この図において符号
１は、第１気筒Ａ１、第２気筒Ａ２及び第３気筒Ａ３を
備えた内燃機関を示し、この内燃機関１は、クランク軸
２の方向から見た場合におけるシリンダ軸線３を、水平
面４に対して適宜角度θだけ傾斜したスラント型であ
り、且つ、この内燃機関１は、冷却水ジャケット５ａを
備えたシリンダブロック５と、このシリンダブロック５
の上面に複数本のヘッドボルト６にて締結されたシリン
ダヘッド７とによって構成され、更に、この内燃機関１
は、車両における車体フレーム（図示せず）に対して、
当該内燃機関１におけるクランク軸２方向の一端部の出
力側が低く、この一端部と反対側の他端部の前側が高く
なるように傾斜して搭載されている。 【００１２】前記シリンダヘッド７には、前記各気筒Ａ
１，Ａ２，Ａ３の各々に対する吸気ポート８が、当該シ
リンダヘッド７における両長手側面７ａ，７ｂのうち上
側となる長手側面７ａに開口するように形成されている
と共に、前記各気筒Ａ１，Ａ２，Ａ３の各々に対する排
気ポート９が、当該シリンダヘッド７におるけ両長手側
面７ａ，７ｂのうち下側となる長手側面７ｂに開口する
ように形成されており、また、このシリンダヘッド７に
おいて上側になる長手側面７ａには、各気筒Ａ１，Ａ
２，Ａ３における吸気ポート８への吸気管路１０が接続
されている。 【００１３】前記シリンダヘッド７の内部における冷却
水ジャケットは、各気筒Ａ１，Ａ２，Ａ３の相互間を繋
ぐように一体的に設けた仕切り部１１によって、前記吸
気ポート８側の部分を気筒列の方向に延びる第１冷却水
ジャケット１２と、前記吸気ポート８以外の部分を気筒
列の方向に延びる第２冷却水ジャケット１３とに区画さ
れており、前記第２冷却水ジャケット１３と、前記シリ
ンダブロック５における冷却水ジャケット５ａとは、各
気筒Ａ１，Ａ２，Ａ３の外側に設けた通孔１４を介して
連通している。 【００１４】前記シリンダヘッド７における長手方向の
両端のうち出力側の一端には、前記第１冷却水ジャケッ
ト１２の一端に連通するサーモスタット弁室１５が形成
されていると共に、前記第２冷却水ジャケット１３から
ラジエータ１６への冷却水出口管１７が設けられてい
る。前記サーモスタット弁室１５には、ラジエータ１６
からの冷却水入口管１８が接続されていると共に、その
内部には、冷却水の温度が低い状態では第２冷却水ジャ
ケット１３から第１冷却水ジャケット１２へのバイパス
通路１９を開いているが、冷却水の温度が所定の温度ま
で上昇すると、前記バイパス通路１８を閉じる一方、ラ
ジエータ１６からの冷却水の全てを第１冷却水ジャケッ
ト１２に流入するように作動するサーモスタット弁２０
が設けられている。 【００１５】また、前記第１冷却水ジャケット１２に流
入した冷却水は、当該第１冷却水ジャケット１２の他端
における出口２１から冷却水ポンプ２２にて前記シリン
ダブロック５における冷却水ジャケット５ａに供給され
るように構成されている。そして、前記シリンダヘッド
７において上側になる長手側面７ａのうち各気筒Ａ１，
Ａ２，Ａ３の箇所の各々に、空気抜きパイプ２２を、当
該空気抜きパイプ２２の一端が前記第１冷却水ジャケッ
ト１２と第２冷却水ジャケット１３との間の仕切り部１
１を貫通して第２冷却水ジャケット１３に開口し、他端
がシリンダヘッド５の長手側面７ａに開口するように設
けて、この各空気抜きパイプ２２のうち前記第１冷却水
ジャケット１２内の部分に、第１冷却水ジャケット１２
内に対する連通孔２３を穿設する更に、この各空気抜き
パイプ２２におけるシリンダヘッド５の長手側面７ａへ
の開口部には、当該開口部を塞ぐためのプラグ２４を、
着脱自在に螺着する一方、このプラグ２４に、前記空気
抜きパイプ２２内に挿入するようにした棒状の弁体２５
を一体的に設けて、前記プラグ２４を空気抜きパイプ２
２に対して螺着したとき、前記弁体２５にて前記空気抜
きパイプ２２における連通孔２３を閉じるように構成す
る。 【００１６】この構成において、冷却水が所定の温度ま
で上昇していない暖機運転では、サーモスタット弁２０
は、ラジエータ１６からの通路を閉じる一方、バイパス
通路１９を開いているから、シリンダブロック５におけ
る冷却水ジャケット５ａ内の冷却水は、通孔１４を介し
てシリンダヘッド７における第２冷却水ジャケット１３
に流出したのち、バイパス通路１９から第１冷却水ジャ
ケット１２内に流れ、この第１冷却水ジャケット１２か
ら冷却水ポンプ２２にて前記シリンダブロック５におけ
る冷却水ジャケット５ａに送り込まれると言う循環を行
う。 【００１７】そして、冷却水の温度が所定の温度まで上
昇すると、前記サーモスタット弁２０が、ラジエータ１
６からの通路を開く一方、バイパス通路１９を閉じるこ
とにより、ラジエータ１６からの冷たい冷却水は、先
づ、シリンダヘッド７における第１冷却水ジャケット１
２内に流入して、シリンダヘッド７のうち吸気ポート８
側の部分を冷却したのち、冷却水ポンプ２２にて前記シ
リンダブロック５における冷却水ジャケット５ａに送り
込まれ、次いで、シリンダブロック５における冷却水ジ
ャケット５ａから通孔１４を介してシリンダヘッド７に
おける第２冷却水ジャケット１３に流入したのち、ラジ
エータ１６に至ると言う循環を行うのである。 【００１８】この運転状態において、前記各空気抜きパ
イプ２２における長手側面７ａの開口部及び当該各空気
抜きパイプ２２における連通孔２３は、プラグ２４及び
これに設けた弁体２５にて閉じているから、両冷却水ジ
ャケット１２，１３内の冷却水が外に漏れることを完全
に阻止できると共に、前記第１冷却水ジャケット１２内
の冷たい冷却水が第２冷却水ジャケット１３に漏れた
り、第２冷却水ジャケット１３内の温かい冷却水が第１
冷却水ジャケット１２に漏れたりすることを確実に低減
できるのである。 【００１９】また、内燃機関１に対する冷却水の注水に
際して、前記プラグ２４を、図４に示すように、空気抜
きパイプ２２から取り外すことにより、第２冷却水ジャ
ケット１３は、空気抜きパイプ２２を介して大気に連通
する一方、第１冷却水ジャケット１２は、連通孔２３及
び空気抜きパイプ２２を介して大気に連通することにな
るから、各冷却水ジャケット１２，１３への冷却水の注
入に際して、各冷却水ジャケット１２，１３における空
気を略完全に抜くことができるのである。 【００２０】なお、前記した実施の形態では、空気抜き
パイプ２２を各気筒Ａ１，Ａ２，Ａ３の箇所に設けた場
合を示したが、スラント型の内燃機関１を車両に搭載す
るに際して、前記したように、クランク軸２方向の一端
部の出力側が低く、この一端部と反対側の他端部の前側
が高くなるように傾斜して搭載した場合には、その最も
高い部分の一箇所のみに前記空気抜きパイプ２２を設け
るように構成すれば良いのである。
クランク軸の方向から見て水平面に対して傾斜して成る
スラント型の内燃機関において、そのシリンダヘッドに
吸気先行冷却式の冷却水ジャケットを形成した場合、こ
の冷却水ジャケットからの空気抜き装置に関するもので
ある。 【０００２】 【従来の技術】最近の車両用内燃機関においては、シリ
ンダヘッドに対する冷却性の向上を図るために、シリン
ダヘッドにおける冷却水ジャケットを、吸気ポート側を
気筒列の方向に延びる第１冷却水ジャケットと、吸気ポ
ート以外の部分を気筒列の方向に延びる第２冷却水ジャ
ケットとに区画し、ラジエータからの冷却水を、先づ、
第１冷却水ジャケットの一端部に導入したのち、この第
１冷却水ジャケットの他端部から冷却水ポンプにてシリ
ンダブロックにおける冷却水ジャケットに送り込み、次
いで、このシリンダブロックにおける冷却水ジャケット
からシリンダヘッドにおける第２冷却水ジャケットに導
入したのちラジエータに送出すると言う吸気先行冷却式
冷却水ジャケットに構成することが行われている（例え
ば、実開平２−６４７３４号公報等参照）。 【０００３】しかし、この吸気先行冷却式冷却水ジャケ
ットを、シリンダ軸線を、シリンダヘッドにおける吸気
ポート側の長手側面を上向きにした姿勢で、クランク軸
の方向から見て水平面に対して適宜角度だけ傾斜して成
るスラント型の内燃機関に適用した場合、そのシリンダ
ヘッドにおける第２冷却水ジャケットは、第１冷却水ジ
ャケットよりも低い部位に位置することにより、各冷却
水ジャケットに対する冷却水の注入に際して、この第２
冷却水ジャケット内に空気が溜まることになるから、冷
却性能が大幅に低下することになる。 【０００４】そこで、先行技術としての特開平６−１４
７００３号公報には、スラント型内燃機関にに、吸気先
行冷却式冷却水ジャケットを適用した場合に、シリンダ
ヘッドにとける冷却水ジャケットを第１冷却水ジャケッ
トと第２冷却水ジャケットとに区画する仕切りの部分
に、空気抜き孔を穿設することにより、各冷却水ジャケ
ット内への冷却水の注水に際して、第２冷却水ジャケッ
ト内の空気を第１冷却水ジャケットに逃がすことを提案
している。 【０００５】 【発明が解決しようとする課題】しかし、第１冷却水ジ
ャケットと第２冷却水ジャケットとの間の仕切りの部分
に、空気抜き孔を穿設すると言う構成であると、内燃機
関の運転中において、前記空気抜き孔を介して、前記第
１冷却水ジャケット内の冷たい冷却水が第２冷却水ジャ
ケットに漏れたり、第２冷却水ジャケット内の温かい冷
却水が第１冷却水ジャケットに漏れたりするから、その
分だけ冷却性能が低下すると言う問題があった。 【０００６】しかも、前記シリンダヘッドにおける第１
冷却水ジャケットに、当該第１冷却水ジャケット内の空
気を抜くための手段を設けることが必要であると言う問
題もあった。本発明は、これらの問題を解消をすること
を技術的課題とするものである。 【０００７】 【課題を解決するための手段】この技術的課題を達成す
るため本発明は、「シリンダブロック上面のシリンダヘ
ッドにおける冷却水ジャケットを、吸気ポート側を気筒
列の方向に延びる第１冷却水ジャケットと、吸気ポート
以外の部分を気筒列の方向に延びる第２冷却水ジャケッ
トとに区画する一方、クランク軸の方向から見たシリン
ダ軸線を、前記シリンダヘッドにおける吸気ポート側の
長手側面が上向きになるように、水平面に対して傾斜し
て成るスラント型内燃機関において、前記シリンダヘッ
ドにおける吸気ポート側の部分には、空気抜きパイプ
を、当該空気抜きパイプの一端が前記第１冷却水ジャケ
ットと第２冷却水ジャケットとの間の仕切り部を貫通し
て第２冷却水ジャケットに開口し、他端がシリンダヘッ
ドの長手側面に開口するように設けて、この空気抜きパ
イプに、当該空気抜きパイプ内と前記第１冷却水ジャケ
ットとを連通する連通孔を穿設する一方、前記空気抜き
パイプの他端に、空気抜きパイプの他端及び前記連通孔
を共に閉じるように構成したプラグを着脱自在に装着す
る。」と言う構成にした。 【０００８】 【発明の作用・効果】この構成において、空気抜きパイ
プの他端におけるプラグを取り外すことにより、第２冷
却水ジャケットは、空気抜きパイプを介して大気に連通
する一方、第１冷却水ジャケットは、連通孔及び空気抜
きパイプを介して大気に連通することになるから、各冷
却水ジャケットへの冷却水の注水に際して、各冷却水ジ
ャケットにおける空気を略完全に抜くことができるので
ある。 【０００９】そして、前記空気抜きパイプの他端にプラ
グを装着することにより、空気抜きパイプ及び連通孔が
共に閉じて、第１冷却水ジャケット及び第２冷却水ジャ
ケットの大気への連通、及び第１冷却水ジャケットと第
２冷却水ジャケットとの間の連通が遮断されることにな
るから、両冷却水ジャケット内の冷却水が外に漏れるこ
とを完全に阻止できると共に、内燃機関の運転中におい
て、前記第１冷却水ジャケット内の冷たい冷却水が第２
冷却水ジャケットに漏れたり、第２冷却水ジャケット内
の温かい冷却水が第１冷却水ジャケットに漏れたりする
ことを確実に低減できるのである。 【００１０】従って、本発明によると、内燃機関に対す
る冷却性能を低下することなく、冷却水の注水に際し
て、シリンダヘッドにおける両冷却水ジャケットの空気
抜きを確実に行うことができる効果を有する。 【００１１】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
１〜図４の図面について説明する。この図において符号
１は、第１気筒Ａ１、第２気筒Ａ２及び第３気筒Ａ３を
備えた内燃機関を示し、この内燃機関１は、クランク軸
２の方向から見た場合におけるシリンダ軸線３を、水平
面４に対して適宜角度θだけ傾斜したスラント型であ
り、且つ、この内燃機関１は、冷却水ジャケット５ａを
備えたシリンダブロック５と、このシリンダブロック５
の上面に複数本のヘッドボルト６にて締結されたシリン
ダヘッド７とによって構成され、更に、この内燃機関１
は、車両における車体フレーム（図示せず）に対して、
当該内燃機関１におけるクランク軸２方向の一端部の出
力側が低く、この一端部と反対側の他端部の前側が高く
なるように傾斜して搭載されている。 【００１２】前記シリンダヘッド７には、前記各気筒Ａ
１，Ａ２，Ａ３の各々に対する吸気ポート８が、当該シ
リンダヘッド７における両長手側面７ａ，７ｂのうち上
側となる長手側面７ａに開口するように形成されている
と共に、前記各気筒Ａ１，Ａ２，Ａ３の各々に対する排
気ポート９が、当該シリンダヘッド７におるけ両長手側
面７ａ，７ｂのうち下側となる長手側面７ｂに開口する
ように形成されており、また、このシリンダヘッド７に
おいて上側になる長手側面７ａには、各気筒Ａ１，Ａ
２，Ａ３における吸気ポート８への吸気管路１０が接続
されている。 【００１３】前記シリンダヘッド７の内部における冷却
水ジャケットは、各気筒Ａ１，Ａ２，Ａ３の相互間を繋
ぐように一体的に設けた仕切り部１１によって、前記吸
気ポート８側の部分を気筒列の方向に延びる第１冷却水
ジャケット１２と、前記吸気ポート８以外の部分を気筒
列の方向に延びる第２冷却水ジャケット１３とに区画さ
れており、前記第２冷却水ジャケット１３と、前記シリ
ンダブロック５における冷却水ジャケット５ａとは、各
気筒Ａ１，Ａ２，Ａ３の外側に設けた通孔１４を介して
連通している。 【００１４】前記シリンダヘッド７における長手方向の
両端のうち出力側の一端には、前記第１冷却水ジャケッ
ト１２の一端に連通するサーモスタット弁室１５が形成
されていると共に、前記第２冷却水ジャケット１３から
ラジエータ１６への冷却水出口管１７が設けられてい
る。前記サーモスタット弁室１５には、ラジエータ１６
からの冷却水入口管１８が接続されていると共に、その
内部には、冷却水の温度が低い状態では第２冷却水ジャ
ケット１３から第１冷却水ジャケット１２へのバイパス
通路１９を開いているが、冷却水の温度が所定の温度ま
で上昇すると、前記バイパス通路１８を閉じる一方、ラ
ジエータ１６からの冷却水の全てを第１冷却水ジャケッ
ト１２に流入するように作動するサーモスタット弁２０
が設けられている。 【００１５】また、前記第１冷却水ジャケット１２に流
入した冷却水は、当該第１冷却水ジャケット１２の他端
における出口２１から冷却水ポンプ２２にて前記シリン
ダブロック５における冷却水ジャケット５ａに供給され
るように構成されている。そして、前記シリンダヘッド
７において上側になる長手側面７ａのうち各気筒Ａ１，
Ａ２，Ａ３の箇所の各々に、空気抜きパイプ２２を、当
該空気抜きパイプ２２の一端が前記第１冷却水ジャケッ
ト１２と第２冷却水ジャケット１３との間の仕切り部１
１を貫通して第２冷却水ジャケット１３に開口し、他端
がシリンダヘッド５の長手側面７ａに開口するように設
けて、この各空気抜きパイプ２２のうち前記第１冷却水
ジャケット１２内の部分に、第１冷却水ジャケット１２
内に対する連通孔２３を穿設する更に、この各空気抜き
パイプ２２におけるシリンダヘッド５の長手側面７ａへ
の開口部には、当該開口部を塞ぐためのプラグ２４を、
着脱自在に螺着する一方、このプラグ２４に、前記空気
抜きパイプ２２内に挿入するようにした棒状の弁体２５
を一体的に設けて、前記プラグ２４を空気抜きパイプ２
２に対して螺着したとき、前記弁体２５にて前記空気抜
きパイプ２２における連通孔２３を閉じるように構成す
る。 【００１６】この構成において、冷却水が所定の温度ま
で上昇していない暖機運転では、サーモスタット弁２０
は、ラジエータ１６からの通路を閉じる一方、バイパス
通路１９を開いているから、シリンダブロック５におけ
る冷却水ジャケット５ａ内の冷却水は、通孔１４を介し
てシリンダヘッド７における第２冷却水ジャケット１３
に流出したのち、バイパス通路１９から第１冷却水ジャ
ケット１２内に流れ、この第１冷却水ジャケット１２か
ら冷却水ポンプ２２にて前記シリンダブロック５におけ
る冷却水ジャケット５ａに送り込まれると言う循環を行
う。 【００１７】そして、冷却水の温度が所定の温度まで上
昇すると、前記サーモスタット弁２０が、ラジエータ１
６からの通路を開く一方、バイパス通路１９を閉じるこ
とにより、ラジエータ１６からの冷たい冷却水は、先
づ、シリンダヘッド７における第１冷却水ジャケット１
２内に流入して、シリンダヘッド７のうち吸気ポート８
側の部分を冷却したのち、冷却水ポンプ２２にて前記シ
リンダブロック５における冷却水ジャケット５ａに送り
込まれ、次いで、シリンダブロック５における冷却水ジ
ャケット５ａから通孔１４を介してシリンダヘッド７に
おける第２冷却水ジャケット１３に流入したのち、ラジ
エータ１６に至ると言う循環を行うのである。 【００１８】この運転状態において、前記各空気抜きパ
イプ２２における長手側面７ａの開口部及び当該各空気
抜きパイプ２２における連通孔２３は、プラグ２４及び
これに設けた弁体２５にて閉じているから、両冷却水ジ
ャケット１２，１３内の冷却水が外に漏れることを完全
に阻止できると共に、前記第１冷却水ジャケット１２内
の冷たい冷却水が第２冷却水ジャケット１３に漏れた
り、第２冷却水ジャケット１３内の温かい冷却水が第１
冷却水ジャケット１２に漏れたりすることを確実に低減
できるのである。 【００１９】また、内燃機関１に対する冷却水の注水に
際して、前記プラグ２４を、図４に示すように、空気抜
きパイプ２２から取り外すことにより、第２冷却水ジャ
ケット１３は、空気抜きパイプ２２を介して大気に連通
する一方、第１冷却水ジャケット１２は、連通孔２３及
び空気抜きパイプ２２を介して大気に連通することにな
るから、各冷却水ジャケット１２，１３への冷却水の注
入に際して、各冷却水ジャケット１２，１３における空
気を略完全に抜くことができるのである。 【００２０】なお、前記した実施の形態では、空気抜き
パイプ２２を各気筒Ａ１，Ａ２，Ａ３の箇所に設けた場
合を示したが、スラント型の内燃機関１を車両に搭載す
るに際して、前記したように、クランク軸２方向の一端
部の出力側が低く、この一端部と反対側の他端部の前側
が高くなるように傾斜して搭載した場合には、その最も
高い部分の一箇所のみに前記空気抜きパイプ２２を設け
るように構成すれば良いのである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態を示す縦断正面図である。
【図２】図１のII−II視平断面図である。
【図３】図２のIII −III 視拡大断面図である。
【図４】図３においてプラグを外した状態を示す図であ
る。 【符号の説明】 １ 内燃機関 Ａ１，Ａ２，Ａ３ 気筒 ２ クランク軸 ３ シリンダ軸線 ４ 水平面 ５ シリンダブロック ５ａ シリンダブロックの冷却水
ジャケット ７ シリンダヘッド ７ａ，７ｂ シリンダヘッドの長手側面 ８ 吸気ポート ９ 排気ポート １１ 仕切り部 １２ 第１冷却水ジャケット １３ 第２冷却水ジャケット ２２ 空気抜きパイプ ２３ 連通孔 ２４ プラグ ２５ 弁体
る。 【符号の説明】 １ 内燃機関 Ａ１，Ａ２，Ａ３ 気筒 ２ クランク軸 ３ シリンダ軸線 ４ 水平面 ５ シリンダブロック ５ａ シリンダブロックの冷却水
ジャケット ７ シリンダヘッド ７ａ，７ｂ シリンダヘッドの長手側面 ８ 吸気ポート ９ 排気ポート １１ 仕切り部 １２ 第１冷却水ジャケット １３ 第２冷却水ジャケット ２２ 空気抜きパイプ ２３ 連通孔 ２４ プラグ ２５ 弁体
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(56)参考文献 特開 平６−147003（ＪＰ，Ａ)
特開 平９−88584（ＪＰ，Ａ)
特開 平４−134121（ＪＰ，Ａ)
特開 平６−74041（ＪＰ，Ａ)
特開 平９−195769（ＪＰ，Ａ)
実開 平６−40314（ＪＰ，Ｕ)
実開 昭57−80640（ＪＰ，Ｕ)
実開 平３−102008（ＪＰ，Ｕ)
実開 昭56−25036（ＪＰ，Ｕ)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
F02F 1/00 - 1/42
F01P 3/02
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】シリンダブロック上面のシリンダヘッドに
おける冷却水ジャケットを、吸気ポート側を気筒列の方
向に延びる第１冷却水ジャケットと、吸気ポート以外の
部分を気筒列の方向に延びる第２冷却水ジャケットとに
区画する一方、クランク軸の方向から見たシリンダ軸線
を、前記シリンダヘッドにおける吸気ポート側の長手側
面が上向きになるように、水平面に対して傾斜して成る
スラント型内燃機関において、 前記シリンダヘッドにおける吸気ポート側の部分には、
空気抜きパイプを、当該空気抜きパイプの一端が前記第
１冷却水ジャケットと第２冷却水ジャケットとの間の仕
切り部を貫通して第２冷却水ジャケットに開口し、他端
がシリンダヘッドの長手側面に開口するように設けて、
この空気抜きパイプに、当該空気抜きパイプ内と前記第
１冷却水ジャケットとを連通する連通孔を穿設する一
方、前記空気抜きパイプの他端に、空気抜きパイプの他
端及び前記連通孔を共に閉じるように構成したプラグを
着脱自在に装着したことを特徴とするスラント型内燃機
関における吸気先行冷却式冷却水ジャケットの空気抜き
装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24388197A JP3402148B2 (ja) | 1997-09-09 | 1997-09-09 | スラント型内燃機関における吸気先行冷却式冷却水ジャケットの空気抜き装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24388197A JP3402148B2 (ja) | 1997-09-09 | 1997-09-09 | スラント型内燃機関における吸気先行冷却式冷却水ジャケットの空気抜き装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1182161A JPH1182161A (ja) | 1999-03-26 |
| JP3402148B2 true JP3402148B2 (ja) | 2003-04-28 |
Family
ID=17110380
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24388197A Expired - Fee Related JP3402148B2 (ja) | 1997-09-09 | 1997-09-09 | スラント型内燃機関における吸気先行冷却式冷却水ジャケットの空気抜き装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3402148B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4013707B2 (ja) * | 2002-09-03 | 2007-11-28 | 三菱自動車工業株式会社 | エンジンの冷却装置 |
| FR3072420B1 (fr) * | 2017-10-12 | 2019-09-27 | Psa Automobiles Sa | Dispositif avec tube de degazage et culasse d'un moteur thermique |
-
1997
- 1997-09-09 JP JP24388197A patent/JP3402148B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH1182161A (ja) | 1999-03-26 |
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