JP3398562B2 - ミシン - Google Patents

ミシン

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JP3398562B2
JP3398562B2 JP07014197A JP7014197A JP3398562B2 JP 3398562 B2 JP3398562 B2 JP 3398562B2 JP 07014197 A JP07014197 A JP 07014197A JP 7014197 A JP7014197 A JP 7014197A JP 3398562 B2 JP3398562 B2 JP 3398562B2
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弘和 廣瀬
義和 黒野
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    • D05B69/24Applications of devices for indicating or ascertaining sewing-tool position
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    • D05B69/00Driving-gear; Control devices
    • D05B69/36Devices for stopping drive when abnormal conditions occur, e.g. thread breakage
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    • D05SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
    • D05BSEWING
    • D05B19/00Programme-controlled sewing machines
    • D05B19/02Sewing machines having electronic memory or microprocessor control unit
    • D05B19/12Sewing machines having electronic memory or microprocessor control unit characterised by control of operation of machine

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  • Textile Engineering (AREA)
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  • Sewing Machines And Sewing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、縫針と釜との共働
により加工布に縫目を形成するミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、縫針を上下動させる主軸モータ
と、釜を回転させる釜駆動モータとを、別個に備えたミ
シンが考えられている。この種のミシンでは、釜の駆動
系のメンテナンスを容易にするため、釜を内蔵したベッ
ド部を、頭部から離れた退避位置まで変位可能に設ける
ことが提案されている。
【0003】また、刺繍ミシンの分野では、頭部を多数
備えると共に各頭部に共通の大型のワーク保持枠を備
え、多数の加工布に同一の刺繍模様を同時に縫製するミ
シンが考えられている。この種の刺繍ミシンでは、ワー
ク保持枠に大きな1枚の加工布を保持すると共に1つの
頭部だけを駆動して、大きな刺繍模様を縫製することも
可能である。刺繍ミシンをこのように駆動する場合も、
使用しないベッド部を退避位置に変位させ、縫製の邪魔
にならないようにすることが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ベッド部を
このように変位可能に設けた場合、誤ってベッド部をき
ちんと使用位置にまで変位させないまま、縫針および釜
を駆動してしまう可能性があり、この場合、縫針と釜と
の出会いのタイミングがずれて縫針と釜とが干渉した
り、縫目がうまく形成されないといった問題が発生す
る。また、縫製中になんらかの原因でベッド部が使用位
置からずれてしまう恐れもあり、この場合も同様の問題
が発生する。
【0005】また、ベッド部が使用位置にない状態で縫
針および釜を駆動した場合に、仮に縫針と釜との干渉と
いった不具合が起きないとしても、ベッド部が使用位置
にないのは、通常、そのベッド部を使用しない場合であ
り、使用しない縫針や釜を駆動していたのでは、余計な
電力を消費し、また、各種可動機構には余計な負荷がか
かり、可動機構に糸や布などを巻き込めば故障の原因に
なるなどの問題もあった。
【0006】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、その第1の目的は、ベッド部が使用位
置にない場合に、縫針と釜との干渉や縫製不良が発生す
るのを良好に防止することのできるミシンを提供するこ
とにある。また、第2の目的は、使用しない縫針や釜を
無駄に駆動することのないミシンを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段、および発明の効果】上記
目的を達するためになされた請求項1記載の発明は、下
端に縫針が固定された針棒を有し、該針棒および縫針を
上下動させる頭部と、上記縫針と共働して縫目を形成す
る釜と、該釜を内蔵すると共に、上記頭部に対して、使
用位置と退避位置とに変位可能に設けられたベッド部
と、を備えたミシンであって、上記ベッド部が上記使用
位置にあるか否かを判断する判断手段と、該判断手段
が、上記ベッド部が上記使用位置にないと判断したと
き、上記縫針を停止させる縫針停止手段と、を備えたこ
とを特徴とする。
【0008】このように構成された本発明では、判断手
段は、ベッド部が使用位置にあるか否かを判断し、使用
位置にないと判断されたとき、縫針停止手段は縫針を停
止させる。このため、ベッド部が使用位置にない場合、
縫針は停止状態に保持され、釜と干渉したり縫製不良を
発生したりすることがない。
【0009】従って、本発明では、ベッド部を使用位置
に配設することなく駆動を指示したり、縫製中になんら
かの原因でベッド部が使用位置からずれたりした場合に
も、縫針と釜とが干渉することや縫製不良が発生するこ
とを良好に防止することができる。また、ベッド部が使
用位置から大きくずれた状態で縫針を上下動させると、
縫針が針板と干渉して折損する可能性があるが、本発明
では、ベッド部が使用位置にない場合、縫針を停止させ
ているので、縫針と針板との干渉も良好に防止すること
ができる。さらに、仮に縫針と釜との干渉といった不具
合が起きないとしても、ベッド部が使用位置にない場合
には、縫針が駆動されないので、駆動系の負荷が軽減さ
れることになり、その分、余計な電力が消費されなくな
り、糸や布などの巻き込みが発生する確率も低くなる。
【0010】請求項2記載の発明は、下端に縫針が固定
された針棒を有し、該針棒および縫針を上下動させる頭
部と、上記縫針と共働して縫目を形成する釜と、該釜を
内蔵すると共に、上記頭部に対して、使用位置と退避位
置とに変位可能に設けられたベッド部と、を備えたミシ
ンであって、上記ベッド部が上記使用位置にあるか否か
を判断する判断手段と、該判断手段が、上記ベッド部が
上記使用位置にないと判断したとき、上記釜を停止させ
る釜停止手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】すなわち、請求項1の発明では縫針停止手
段が縫針を停止させたのに対し、本発明では、その代わ
り釜停止手段が釜を停止させる。このため、ベッド部が
使用位置にない場合釜は停止され、縫針と釜とが干渉し
たり縫製不良が発生したりすることがない。
【0012】従って、本発明では、請求項1記載の発明
と同様に、ベッド部を使用位置に配設することなく駆動
を指示したり、縫製中になんらかの原因でベッド部が使
用位置からずれたりした場合にも、縫針と釜とが干渉す
ることや縫製不良が発生することを良好に防止すること
ができる。特に、本発明では釜を停止させているので、
下糸保持不良や下糸噛みによる縫製不良の発生を良好に
防止することができる。さらに、仮に縫針と釜との干渉
といった不具合が起きないとしても、ベッド部が使用位
置にない場合には、釜が駆動されないので、駆動系の負
荷が軽減されることになり、その分、余計な電力が消費
されなくなり、糸や布などの巻き込みが発生する確率も
低くなる。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の構成に加え、上記判断手段が、上記ベッド部が上
記使用位置にないと判断したとき、上記頭部または上記
ベッド部の他のアクチュエータを停止するアクチュエー
タ停止手段を更に備えたことを特徴とする。
【0014】このため、本発明では、ベッド部が使用位
置にない場合、他のアクチュエータも、アクチュエータ
停止手段によって停止される。従って、請求項1または
2記載の発明の効果に加えて、他のアクチュエータによ
る不都合な動作を良好に防止することができるといった
効果が生じる。例えば、他のアクチュエータがワイパ
(いわゆる上糸払い)である場合、使用位置にないベッ
ド部のワイパが上糸保持不良を生ずるのを良好に防止す
ることができる。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれかに記載の構成に加え、上記ベッド部が、ミシンフ
レームへの付け根を中心に下方に回動することにより、
上記退避位置に変位することを特徴とする。このように
ベッド部を下方に回動させる場合、釜の駆動系等、ベッ
ド部のメンテナンスが非常に容易となる。また、ベッド
部をミシンフレームへの付け根を中心に回動させる構成
は、ベッド部の付け根にヒンジ等を設けることによって
容易に実現することができる。従って、本発明では、請
求項1〜3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、ミ
シンの構成を一層簡略化すると共に、その保守管理を一
層容易にすることができるといった効果が生じる。
【0016】ところで、以上説明したミシンにおいて
は、上記縫針停止手段および釜停止手段の双方を兼ね備
えているとより望ましいと考えられ、その具体的な構造
も種々考え得るが、一例を挙げれば、例えば請求項5記
載のように構成することが考えられる。
【0017】すなわち、請求項5記載のミシンは、主軸
モータから伝達される動力によって上下に駆動され、下
端には縫針が固定された針棒と、前記主軸モータから前
記針棒へ動力が伝達される連動状態、または該針棒へ動
力が伝達されない非連動状態のいずれかへ切り替え可能
な動力伝達機構と、釜駆動モータから伝達される動力に
よって回転駆動され、前記縫針と共働して縫目を形成す
る釜とを備えたミシンであって、前記動力伝達機構を前
記非連動状態に切り替えるとともに、前記釜駆動モータ
を停止状態とする制御を行うことにより、一対の前記針
棒および前記釜の双方を停止状態にする縫製動作停止手
段を備えたことを特徴とする。
【0018】このように構成されたミシンによれば、縫
製動作停止手段が、主軸モータから針棒へ動力を伝達す
る動力伝達機構を非連動状態に切り替えるとともに、釜
駆動モータを停止状態とする制御を行う。そのため、主
軸モータを回転させたまま縫針を停止させることがで
き、主軸モータによって駆動されている他の可動機構に
影響を与えることなく、特定の縫針だけを停止すること
ができる。一方、釜駆動モータは特定の釜専用のモータ
であり、停止させても他の可動機構に影響を与えないた
め、釜駆動モータが直接停止させられ、その結果、釜の
駆動系では余計な電力消費が皆無となる。
【0019】したがって、例えばベッド部の変位に応じ
て縫製動作停止手段が機能するように構成することによ
り、請求項1記載の縫針停止手段および請求項2記載の
釜停止手段を兼ね備えたミシンを構成することができ
る。また特に、請求項6記載のように、所定の操作に応
じてオン状態またはオフ状態のいずれかに切り替わるス
イッチ手段を備え、該スイッチ手段がオン/オフいずれ
か一方の状態となった際に、前記縫製動作停止手段が、
一対の前記針棒および前記釜の双方を停止状態にする制
御を行う構成にすれば、例えばベッド部の変位に応じて
スイッチ手段のオン/オフが切り替わるように構成する
ことにより、請求項1記載の縫針停止手段および請求項
2記載の釜停止手段を兼ね備えたミシンを構成すること
ができる。
【0020】なお、ベッド部の変位に応じてスイッチ手
段のオン/オフが切り替わるように構成すると、ベッド
部の変位に連動して自動的に縫針および釜が停止するの
できわめて便利であるが、利用者がマニュアル操作でス
イッチ手段を切り替えたり、通信路を介して接続された
コンピュータからのスイッチ切り替え信号を受信してス
イッチ手段が切り替わるように構成しても、ベッド部が
使用位置にない場合等に利用者が簡単な操作を加えるだ
けで縫針と釜との干渉や縫製不良が発生するのを防止す
ることができ、また、ベッド部が使用位置にある場合で
あっても、スイッチ手段を操作して、使用しない縫針や
釜を無駄に駆動しないようにすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
と共に説明する。図1は、本発明が適用された刺繍ミシ
ンの構成を表す斜視図である。なお、本刺繍ミシンは、
3つの頭部1,2,3を備えた3頭立ての刺繍ミシンで
ある。
【0022】すなわち、図1に示すように、本刺繍ミシ
ンは左右方向に延びるベースフレーム4を有し、その上
面後部には、左右方向に延びる支持フレーム6が立設さ
れ、この支持フレーム6には、3つの頭部1,2,3が
所定間隔で設けられている。また、ベースフレーム4の
上面には、これらの頭部1,2,3と対向する位置に、
ベッド部7,8,9が設けられている。
【0023】頭部1,2,3の各々の前端部には、左右
方向に1列に配設された12本の縫針11を上下動可能
に支持する針棒ケース12が、左右方向に移動可能に支
承されている。また、ベースフレーム4の上面前方に
は、ベッド部7〜9の上面と同じ高さになるように作業
用テーブル13が配設されている。この作業用テーブル
13と、その両側に配設された補助テーブル14,15
との上方には、矩形のワーク保持枠16が設けられてい
る。このワーク保持枠16は、加工布99(図2)を保
持可能に構成されると共に、X軸方向(左右方向)およ
びY軸方向(前後方向)に移動可能に設けられている。
更に、一方の補助テーブル15の後方には、縫製に関す
るメッセージを表示するディスプレイ18aを備え、種
々の指令を実行するための操作パネル18が設けられて
いる。
【0024】次に、縫針11が下端に取り付けられた針
棒19を上下動させる駆動機構20の構成について、図
2,3を用いて説明する。頭部1〜3の先端部には、ヘ
ッドフレーム50(図3)が取り付けられ、このヘッド
フレーム50の前端部には、上下方向向きに配設された
基針棒21の上端部および下端部がそれぞれ固着されて
いる。
【0025】この基針棒21には、針棒19に固着され
た連結ピン19aを介して針棒19を上下動させる上下
動部材22が、上下動可能に設けられている。上下動部
材22の下端には、その上下動部材22と一体に上下動
する駆動部材23が設けられ、上下動部材22は、この
駆動部材23に対して基針棒21を中心に回動自在に設
けられている。駆動部材23の後方には、ヘッドフレー
ム50内に水平に支持された枢支軸24を中心に揺動可
能な揺動レバー25が設けられ、その揺動レバー25の
一端がリンク26を介して駆動部材23に接続されてい
る。
【0026】一方、各頭部1〜3のヘッドフレーム50
を左右方向に貫通して配設された主軸27には、偏心カ
ム28が固着され、この偏心カム28に外嵌された偏心
レバー29の下端が、揺動レバー25と接続されてお
り、上記揺動レバー25は枢支軸24を支点として揺動
可能となっている。このため、主軸27の回転に応じて
偏心レバー29が上下動し、この上下動が、揺動レバー
25,リンク26,および駆動部材23を介して上下動
部材22に伝達される。
【0027】また、上下動部材22には、連結ピン19
aに上下から係合する一対の係合突起部22a,22b
が設けられ、この係合突起部22a,22bが連結ピン
19aに係合しているときは、上下動部材22の上下動
が針棒19および縫針11に伝達される。更に、上下動
部材22の上方には、バネ受け部材35が基針棒21に
上下動可能に外嵌され、このバネ受け部材35と上下動
部材22との間に設けられた巻きバネ36によって、上
下動部材22は図2,3に実線で示す連結位置に回転付
勢されている。すなわち、係合突起部22a,22bが
針棒19方向に向き、連結ピン19aと係合するよう
に、基針棒21回りに付勢されている。
【0028】図2に示すように、針棒19は、針棒ケー
ス12の支持フレーム12a,12bにより上下動可能
に支持され、この針棒19には、下方の支持フレーム1
2bと連結ピン19aとの間に、圧縮バネ37が外嵌さ
れている。この圧縮バネ37の弾発力により、針棒19
は常に上方に付勢されている。
【0029】また、針棒19および縫針11下方のベッ
ド部7〜9上には、加工布99を押さえる押え足38が
設けられ、更にその後方には、ワイパ39およびそれを
駆動するワイパソレノイド40が設けられている。ワイ
パ39は、一般には上糸払いとも称され、鈎状に形成さ
れた先端39aにより糸切り後の上糸を引き込んで保持
するものである。また、ワイパソレノイド40は、通電
に応じて腕40aを揺動させるロータリソレノイドであ
って、その腕40aの先端がワイパ39の後端に揺動自
在に接続されている。このため、ワイパソレノイド40
を駆動することにより、ワイパ39の先端39aを縫針
11下方に出没させることができる。
【0030】ヘッドフレーム50の左側壁には、直動型
の針棒ジャンプ用ソレノイド41が設けられ、その針棒
ジャンプ用ソレノイド41と上下動部材22との間に、
平面視略L字状の揺動レバー43が設けられている。こ
の揺動レバー43は、中央に挿通されたビス44によっ
て水平方向に揺動自在に支承され、一端が針棒ジャンプ
用ソレノイド41のプランジャ41aに接続されてい
る。上下動部材22の下側の係合突起部22b左側面に
は、係合部22dが突設されており、揺動レバー43の
他端からは、その係合部22dに係合可能な作動ロッド
45が下方に突設されている。この作動ロッド45は、
針棒19の上下動幅に応じた長さを有するパイプ状に形
成されており、針棒19がどの位置にあっても係合部2
2dと係合可能に構成されている。
【0031】このため、針棒ジャンプ用ソレノイド41
に通電してプランジャ41aを突出させると、図3に二
点鎖線で例示するように揺動レバー43が揺動して、作
動ロッド45が係合部22dを前方に押し出す。これに
よって、上下動部材22が基針棒21を中心に揺動し、
係合突起部22a,22bと連結ピン19aとの係合が
解除される。すると、主軸27からの駆動力が針棒19
へは伝達されなくなる。また、針棒ジャンプ用ソレノイ
ド41への通電を停止すると、揺動レバー43とヘッド
フレーム50との間に設けた引っ張りバネ46(図3)
の作用により揺動レバー43が揺動し、作動ロッド45
が後退する。すると、上下動部材22は巻きバネ36の
作用によって図3に実線で例示する位置に揺動し、係合
突起部22a,22bが連結ピン19aに係合し、針棒
19の上下駆動が可能となる。
【0032】ヘッドフレーム50の上部には、ヒンジ4
7aを介して揺動板47が揺動自在に設けられている。
この揺動板47は、刺繍ミシンの前後方向と略垂直で左
右方向に長尺な平板状に構成され、ヒンジ47aの反対
側端部には、針棒停止ソレノイド48のプランジャ48
aが接続されている。なお、この針棒停止ソレノイド4
8もヘッドフレーム50に固着されている。また、係合
突起部22a,22bには針棒ケース12の位置に応じ
て1本の針棒19のみが係合し、上下動可能となるが、
揺動板47前面のその針棒19との対向位置には、ゴム
片49が固着されている。
【0033】このため、針棒停止ソレノイド48に通電
してプランジャ48aを突出させると、図3に二点鎖線
で例示するように揺動板47が前方に揺動して、ゴム片
49がその針棒19に圧接する。このため、針棒19に
制動力を加えることができる。また、針棒停止ソレノイ
ド48への通電を停止すると、揺動板47が後退してゴ
ム片49が針棒19から離れ、針棒19は上下動可能と
なる。
【0034】次に、ベッド部7〜9の構成について、図
4〜図7を用いて説明する。ここで、各ベッド部7〜9
は同様の構成なので、左端のベッド部7について説明す
る。前後方向に延びる断面略U字状のベッドケース51
は、その後端部においてベースフレーム4に取り付けら
れ、その上面前端は針板52で覆われている。このベッ
ドケース51の前端部には、釜モジュール55が着脱可
能に固定されている。
【0035】この釜モジュール55は、ステッピングモ
ータからなる釜駆動モータ58と、上下動する針棒19
の直下に設けられた糸輪捕捉用の全回転釜59とを備え
ており、釜駆動モータ58の駆動軸58aと全回転釜5
9に固着された釜軸60とは、カップリング61を介し
て接続されている。このカップリング61は、釜軸60
の後端部に取り付けられた第1連結部材62と、駆動軸
58aに取り付けられた第2連結部材63とを相互接続
した周知のものである。また、第2連結部材63にはデ
ィスクエンコーダ64が取り付けられ、このディスクエ
ンコーダ64に形成された複数のスリットを光学的に検
出するフォトセンサからなる第2エンコーダセンサ65
が、ベッドケース51の側壁に設けられている。更に、
釜軸60には、ベアリング71が圧入されたベアリング
ケース70が外嵌されている。
【0036】また、全回転釜59の上方には、図5に示
すように、上糸および下糸を切断する糸切り機構75が
設けられている。次に、この糸切り機構75の構成につ
いて説明する。全回転釜59の後方から突設された支軸
76aには、可動刃76が取り付けられ、その可動刃7
6は、図5に実線で示す待機位置と、二点鎖線で示す最
大回動位置との間を揺動可能に支承されている。そし
て、この可動刃76と共働して上糸および下糸を切断す
る固定刃77は、針板52の下側に、刃部を前向きにし
て取り付けられている。
【0037】また、可動刃76には、ベッドケース51
内を通って後方に延びる作動レバー78が、揺動自在に
取り付けられている。このため、作動レバー78を前方
に移動させると可動刃76が上記最大回動位置まで揺動
し、続いて、作動レバー78を後方に移動させると可動
刃76が上記待機位置まで揺動する。このとき、針板5
2の針穴52aから挿入された上糸と、全回転釜59か
ら供給された下糸とが、可動刃76の係合部76bに係
合し、続いて可動刃76と固定刃77の共働により同時
に切断される。
【0038】次に、この可動刃76の駆動系について説
明する。図6(A),(B)に示すように、ベッドケー
ス51後端近傍のベースフレーム4にはブラケット81
が固定され、ベッドケース51は、このブラケット81
に枢支軸82を介して上下に揺動自在に接続されてい
る。
【0039】枢支軸82の前方には、ベッド部7〜9の
各ベッドケース51上方を左右方向に渡って、糸切り作
動軸83が設けられている。この糸切り作動軸83は、
糸切りモータ84(図8)に図示しないリンク機構を介
して接続され、その糸切りモータ84の回転に応じて軸
方向(左右方向)に移動する。糸切り作動軸83の各ベ
ッドケース51上の位置には、下方にピン85aが突設
された連結体85が固着され、そのピン85aは、平面
視略L字状の揺動レバー86の一端に接続されている。
揺動レバー86は、ベッドケース51から垂直に突設さ
れた支軸86aを中心に揺動自在に設けられ、その他端
には作動レバー78の後端が揺動自在に接続されてい
る。また、揺動レバー86は、上記一端に設けられた小
判穴86bにピン85aが嵌合することにより、連結体
85と接続される。
【0040】このため、ベッドケース51を使用位置に
配設すると、ピン85aが小判穴86bに嵌合する。こ
のとき、糸切りモータ84によって糸切り作動軸83を
左右方向に移動させると、揺動レバー86を介してその
駆動力が伝達され、作動レバー78が前後方向に移動す
る。これによって、前述のように可動刃76が揺動し、
上糸および下糸を切断することができる。また、ベッド
ケース51を退避位置に移動させると、ピン85aが小
判穴86bから外れ、糸切り作動軸83の駆動力が揺動
レバー86に伝達されない。従って、糸切りモータ84
を駆動しても、そのベッドケース51の可動刃76は揺
動しない。なお、図6(B)では、説明の便宜上、揺動
レバー86等の部材を少し上方にずらして描いた。
【0041】更に、ベッドケース51の後端には、略扇
型の遮光板89が突設され、ブラケット81には、その
遮光板89の通過を光学的に検出するフォトセンサから
なる退避センサ90が設けられている。図7(A)に例
示するように、ベッドケース51が完全に使用位置に配
設されているときは、退避センサ90の検出部90aに
おける光路は遮られない。ところが、図7(B)に例示
するように、ベッドケース51が使用位置から少しでも
傾いて配設された場合、および、図7(C)に例示する
ように、ベッドケースが完全に退避位置に配設された場
合は、検出部90aにおける光路が遮光板89によって
遮られる。このため、退避センサ90の検出信号に基づ
き、ベッドケース51が使用位置に配設されているか否
かを検知することができる。
【0042】次に、ベースフレーム4内には、図8に示
すように、ワーク保持枠16をX軸方向またはY軸方向
へ移動させるX軸モータ91およびY軸モータ93と、
主軸27を駆動する主軸モータ95と、針棒ケース12
を左右方向に移動させる針棒変更モータ97とが内蔵さ
れている。そして、これらの各モータ91〜97は、同
じくベースフレーム4に内蔵されたミシン制御回路10
0に接続されている。続いて、本刺繍ミシンの制御系の
概要について説明する。
【0043】ミシン制御回路100は、釜駆動制御以外
の刺繍ミシン全体の制御を司るもので、CPU100
a,ROM100b,およびRAM100cを主要部と
する周知のマイクロコンピュータによって構成されてい
る。ミシン制御回路100には、上記各モータ91〜9
7が、駆動回路101〜107を介してそれぞれ接続さ
れている他、次の機器が接続されている。
【0044】すなわち、頭部1に関連して、前述のワイ
パソレノイド40,針棒ジャンプ用ソレノイド41,お
よび針棒停止ソレノイド48と、押え足38を上下動さ
せるための押え足駆動ソレノイド111とが、それぞれ
駆動回路112,113,115,117を介して接続
され、また、その頭部1における糸切れを検出する糸切
れセンサ118が接続され、さらに、縫針11およびこ
れに対応する全回転釜59の運転/停止をマニュアル操
作で切り替えるための運転スイッチ119が接続されて
いる。また、これらの機器は、頭部2,3に関しても同
様に接続されている。更に、主軸モータ95に関連し
て、その主軸モータ95の1回転で1000個のスリッ
ト信号を出力する第1エンコーダセンサ122と、この
第1エンコーダセンサ122の1回転で1個の主軸原点
信号を出力する主軸原点センサ123と、針棒19の停
止位置(上死点から主軸27が約100°回転した位
置)を検出する停止位置センサ124とが、接続されて
いる。 更に、ミシン制御回路100には、全回転釜5
9の駆動制御や糸切断制御を司る釜軸制御回路150、
および前述の操作パネル18が接続されている。
【0045】釜軸制御回路150も、CPU150a,
ROM150b,RAM150cを主要部とするマイク
ロコンピュータによって構成され、ベッド部7に関連し
ては、釜駆動モータ58が駆動回路154を介して接続
されると共に、ディスクエンコーダ64の1回転で50
個のスリット信号を出力する前述の第2エンコーダセン
サ65と、ディスクエンコーダ64の1回転で1個の釜
軸同期信号を出力する釜軸原点センサ155と、前述の
退避センサ90とが接続されている。また、これらの機
器は、ベッド部8,9に関しても同様に接続されてい
る。更に、釜軸制御回路150には、前述の糸切りモー
タ84が駆動回路156を介して接続され、第1エンコ
ーダセンサ122,主軸原点センサ123,および停止
位置センサ124も接続されている。
【0046】次に、釜軸制御回路150で実行される処
理について、図9,10のフローチャートを用いて説明
する。この説明に先だって、ミシン制御回路100から
釜軸制御回路150に出力される信号について説明して
おく。縫製開始時には、主軸27は前述の停止位置で停
止しており、針棒19は上下動部材22との係合を解除
されて上死点に配置されている。N針分の針落データを
有する刺繍データに従って縫製を実行する場合、ミシン
制御回路100は、「H」レベルの主軸駆動信号を出力
すると共に、主軸モータ95の駆動を開始する。針棒1
9は、この直後に上下動部材22と係合して上下動す
る。N針分の縫製が終了すると、ミシン制御回路100
は主軸駆動信号を「L」レベルに切り換え、主軸27を
上記停止位置に停止させると共に糸切り信号を出力す
る。
【0047】釜軸制御回路150は、電源が投入される
と図9の釜軸駆動処理を開始する。処理を開始すると、
先ずS1(Sはステップを表す:以下同様)にて各種デ
ータの初期化処理を実行する。ここでは、制御に使用さ
れるタイマ,カウンタ等のリセットが行われる。
【0048】続くS3では、主軸・釜軸初期設定処理を
実行する。ここでは、釜駆動モータ58を駆動して、釜
軸60を釜軸原点センサ155から釜軸同期信号が出力
される原点位置に配設する。また、釜駆動モータ58の
駆動に当たっては、主軸27が上記停止位置に配設され
ているか否かを停止位置センサ124を介して判断し、
配設されるまで処理を待機する。ミシン制御回路100
では、主軸27が停止位置に配設されていないとき、デ
ィスプレイ18aにエラーメッセージを表示する。する
と、操作者が主軸27を手動で回転させ、上記停止位置
に配設する。
【0049】主軸27が停止位置に配設され、釜軸60
を上記原点位置に配設し終ると(S3)、続くS5にて
ミシン制御回路100が出力する主軸駆動信号が「H」
レベルであるか否かを判断する。「L」レベルのとき
(NO)はそのまま待機し、「H」レベルのとき(YE
S)はS7へ移行する。S7では、ミシン制御回路10
0が糸切り信号を出力したか否かを判断し、出力してい
ない場合(NO)はS9へ移行する。S9では、第1エ
ンコーダセンサ122および主軸原点センサ123を介
して主軸27の回転角を読み込み、続くS11では、釜
軸60の駆動タイミングであるか否かをその回転角から
判断する。そして、駆動タイミングでない場合(NO)
はそのまま、駆動タイミングである場合(YES)はS
13にて釜駆動モータ58を1ステップ分回転駆動した
後、前述のS5へ移行する。
【0050】このS5〜S13の処理を繰り返すことに
より、縫針11と全回転釜59との共働による縫目を加
工布99に形成することができる。そして、N針分の縫
製が終了してミシン制御回路100が糸切り信号を出力
すると、S7にて肯定判断してS17へ移行する。する
と、S17にて、釜軸制御回路150は、釜軸60を所
定量回転させて上糸の残量を確保すると共に、糸切りモ
ータ84を駆動して上糸および下糸を切断する糸切り・
終了処理を実行して一旦処理を終了する。
【0051】釜軸制御回路150は、上記釜軸駆動処理
中に、図10の退避処理をタイマ割込により実行する。
処理を開始すると、先ずS21にて変数nに1を代入
し、続くS23では、頭部n(すなわち、処理開始時に
は頭部1)に対して設けられた退避センサ90の検出信
号を読み込む。続くS25では、その退避センサ90の
検出信号に基づき、ベッドケース51が使用位置にある
か否かを判断する。
【0052】ベッドケース51が使用位置にない場合
(S25:NO)、S27へ移行し、ミシン制御回路1
00にその頭部nに対する異常処理の実行を指示する。
この異常処理は、後に詳述するように針棒19の停止等
を行う処理である。続くS29では、その頭部nに対す
る(頭部1であればベッド部7に対する)前述の釜軸駆
動処理(図9)を中断すると共に、駆動回路154へ停
止指令を出力する。すると、全回転釜59は、仮に縫針
11が下降してもその縫針11と干渉しない位置に停止
される。
【0053】また、ベッドケースが使用位置にある場合
は(S25:YES)、S31へ移行してその頭部nに
対する異常処理を解除し、ミシン制御回路100には通
常の制御の実行を許可する。続くS33では、その頭部
nに対する前述の釜軸駆動処理を再開し、全回転釜59
の停止指令を解除する。
【0054】S29またはS33の次はS35へ移行
し、nの値を1加算してS37へ移行する。S37で
は、n=4か否かを判断し、n≠4の場合(NO)はS
23へ移行する。こうして、頭部1,2,3のそれぞれ
に対してS23〜S35の処理を実行すると、n=4と
なり、S37にて肯定判断して一旦処理を終了する。
【0055】以上の処理により、ベッドケース51が使
用位置にある頭部n(S25:YES)に対しては通常
の縫製処理を許可し(S31,33)、使用位置にない
頭部n(S25:NO)に対しては動作を停止すること
ができる(S27,29)。次に、S27における指示
に応じてミシン制御回路100が実行する異常処理を、
図11のフローチャートを用いて説明する。処理を開始
すると、先ずS41にて針棒ジャンプ用ソレノイド41
をONの状態に固定する。すると、前述のように上下動
部材22と連結ピン19aとの係合が解除され、針棒1
9には駆動力が伝達されなくなる。続くS43では、前
述の第1エンコーダセンサ122および主軸原点センサ
123を介して、主軸27の回転角を読み込む。更に、
続くS45では、その読み込んだ回転角に基づき、S4
1の処理に応じて上記係合が解除されるタイミングが、
針棒19の下降期間であるか否かを判断する。
【0056】すなわち、針棒ジャンプ用ソレノイド41
がONにされてから実際に連結ピン19aの係合が解除
されるまでには所定の遅れ時間が存在する。この遅れ時
間は、主に針棒ジャンプ用ソレノイド41の動作時間に
起因する。そこで、S45の処理では、上記遅れ時間経
過後のタイミングが、針棒19の下降期間であるか否か
を判断するのである。下降期間である(YES)と判断
したときはS47へ移行し、針棒停止ソレノイド48を
駆動する。すると、前述のようにゴム片49が針棒19
に圧接され、針棒19に制動力が加わる。
【0057】S47の終了後およびS45にて否定判断
したときは、S49へ移行し、駆動回路105へ主軸駆
動停止指令を出力する。すると、主軸モータ95が即時
に停止される。続くS53では、ワイパソレノイド40
をOFFの状態に固定する。すると、ワイパ39は停止
状態に保持される。そして、このS53が終ると一旦処
理を終了する。
【0058】このように、本刺繍ミシンでは、ベッドケ
ース51が使用位置にない場合(S25:NO)、針棒
19への駆動力の伝達を禁止して針棒19および縫針1
1を停止させると共に(S41)、全回転釜59を縫針
11と干渉しない位置に停止させている(S29)。し
かも、針棒19が下降中である場合は(S45:YE
S)、針棒19に制動力を加えて即座に停止させている
(S47)。このため、ベッドケース51が使用位置に
なく、縫針11と全回転釜59との出会いのタイミング
がずれたとしても、両者の干渉をきわめて良好に防止す
ることができる。
【0059】従って、いずれかのベッド部7〜9を使用
位置に配設することなく駆動を指示したり、縫製中にな
んらかの原因でいずれかのベッド部7〜9が使用位置か
らずれたりした場合にも、そのベッド部7〜9における
縫針11と全回転釜59とが干渉することや縫製不良が
発生することを良好に防止することができる。また、前
述のように縫針11を停止させることにより、その縫針
11が針板52と干渉することも良好に防止することが
できる。更に、前述のように全回転釜59を停止させる
ことにより、下糸保持不良や下糸噛みによる縫製不良の
発生を良好に防止することができる。
【0060】また、本刺繍ミシンでは、ベッドケース5
1が使用位置にない場合(S25:NO)、ワイパ39
を停止状態に保持すると共に(S53)、機械的な構成
(連結体85,揺動レバー86)により糸切り機構75
の動作も禁止している。このため、使用位置にないベッ
ド部7〜9のワイパ39が異物を引き込んだり、そのベ
ッド部7〜9の糸切り機構75が加工布99を傷つけた
り、上糸保持不良を生じたりするのを良好に防止するこ
とができる。
【0061】更に、本刺繍ミシンでは、ベッド部7〜9
が、枢支軸82を中心に下方に揺動することにより、退
避位置に変位するよう構成されている。このため、全回
転釜59の駆動系や糸切り機構75の駆動系のメンテナ
ンスが非常に容易となり、そのベッド部7〜9の取付構
造もブラケット81を用いた簡単なものとなる。従っ
て、ミシンの構成を一層簡略化すると共に、その保守管
理を一層容易にすることができる。
【0062】さて、以上の説明した処理では、退避セン
サ90の検出信号に基づいて、縫針11および全回転釜
59の運転/停止を自動的に切り替えていたが、縫針1
1および全回転釜59の運転/停止は、運転スイッチ1
19をマニュアル操作することによっても切り替えるこ
とができる。
【0063】すなわち、運転スイッチ119が操作され
ると、ミシン制御回路100が、図12のフローチャー
トに示す運転状態切替処理を実行する。この運転状態切
替処理では、まず、運転スイッチ119がオン/オフい
ずれに切り替えられたかをチェックする(S61)。こ
こで、運転スイッチ119が、通電/非通電のいずれか
の状態に保持されるスイッチであれば、その通電状態で
オン/オフを判定すれば良く、操作時にのみ通電してパ
ルス信号を発するスイッチであれば、オン/オフ状態を
メモリ等に記憶して、パルス信号によってメモリの記憶
内容をオン/オフいずれかへ交互に書き換えるようにし
ておき、メモリの記憶内容からオン/オフを判定すれば
良い。
【0064】そして、運転スイッチ119がオンに切り
替えられた場合(S61:YES)、針棒の駆動を開始
するとともに(S63)、釜の駆動も開始する(S6
5)。一方、運転スイッチ119がオフに切り替えられ
た場合(S61:NO)、針棒の駆動を停止するととも
に(S67)、釜の駆動も停止する(S69)。ちなみ
に、S65の処理は、上述の釜軸駆動処理(図9参照)
と同様の処理であり、S67の処理は、上述の異常処理
(図11参照)と同様の処理であり、S69の処理は、
図10のS29の処理と同様の処理である。
【0065】このように、本刺繍ミシンは、マニュアル
操作で運転スイッチ119を操作しても、縫針11およ
び全回転釜59の運転/停止を切り替えることができる
ので、ベッド部が使用位置にある状態のままでも、利用
者が簡単な操作を加えるだけで、縫針11および全回転
釜59を停止させて、使用しない縫針11や全回転釜5
9を無駄に駆動しないようにすることができる。なお、
上記実施の形態において、退避センサ90および釜軸制
御回路150によるS23,25の処理が判断手段に、
針棒ジャンプ用ソレノイド41,針棒停止ソレノイド4
8,駆動回路105,およびミシン制御回路100によ
るS41,47,49の処理が縫針停止手段に、駆動回
路154,および釜軸制御回路150によるS29の処
理が釜停止手段に、連結体85,揺動レバー86,およ
びミシン制御回路100によるS53の処理がアクチュ
エータ停止手段に、それぞれ相当する。また、S41,
47,49の処理およびS29の処理、あるいは、S6
7,69の処理は、縫製動作停止手段に相当し、退避セ
ンサ90または運転スイッチ119は、スイッチ手段に
相当する。
【0066】また、本発明は、上記実施の形態になんら
限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範
囲で種々の形態で実施することができる。例えば、上記
実施の形態では、縫針11および全回転釜59を互いに
干渉しない位置で両方とも停止しているが、いずれか一
方を単純に停止するだけであってもよい。また、ベッド
部7〜9が停止位置にないとき、対応する頭部1〜3の
糸切れセンサ118の検出信号を無視するようにフラグ
の設定等を行ったり、押え足駆動ソレノイド111を駆
動して押え足38を上昇位置に固定したりしてもよい。
この場合も、これらのアクチュエータによる不都合な動
作を良好に防止することができる。また、いずれかのベ
ッド部(例えばベッド部8)が退避している場合、その
ことを退避センサ90を介して検出し、他のベッド部
(例えばベッド部7,9)に対する縫製可能範囲を自動
的に広げる処理を実行することもできる。
【0067】更に、ベッド部7〜9は、ベースフレーム
4から取り外したり、水平なままで上下に移動させたり
することにより、退避位置に変位可能としてもよい。ま
た更に、本発明は、刺繍ミシン以外のミシンや単頭型の
ミシン、主軸モータと釜軸とをベルト等で接続したミシ
ン等、種々のミシンに対しても適用することができる。
但し、多頭型のミシンで釜,縫針の両者を停止する場
合、ベッド部を変位させるだけで駆動する頭部の選択が
でき、ミシンの操作性が一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用された刺繍ミシンの構成を表す
斜視図である。
【図2】 そのミシンの針棒駆動機構の構成を表す斜視
図である。
【図3】 その針棒駆動機構の構成および動作を表す平
面図である。
【図4】 上記ミシンの釜モジュールの構成を表す平面
図である。
【図5】 上記ミシンの糸切り機構の構成を表す平面図
である。
【図6】 その糸切り機構の駆動系の構成を表す平面図
および側面図である。
【図7】 上記ミシンの退避センサの構成および動作を
表す側面図である。
【図8】 上記ミシンの制御系の構成を表すブロック図
である。
【図9】 その制御系の釜軸駆動処理を表すフローチャ
ートである。
【図10】 その制御系の退避処理を表すフローチャー
トである。
【図11】 その制御系の異常処理を表すフローチャー
トである。
【図12】 運転状態切替処理を表すフローチャートで
ある。
【符号の説明】
1,2,3・・・頭部、7,8,9・・・ベッド部、1
1・・・縫針、19・・・針棒、22・・・上下動部
材、39・・・ワイパ、40・・・ワイパソレノイド、
41・・・針棒ジャンプ用ソレノイド、48・・・針棒
停止ソレノイド、58・・・釜駆動モータ、59・・・
全回転釜、75・・・糸切り機構、76・・・可動刃、
81・・・ブラケット、84・・・糸切りモータ、85
・・・連結体、86・・・揺動レバー、89・・・遮光
板、90・・・退避センサ、95・・・主軸モータ、1
00・・・ミシン制御回路、105,112,113,
115,154,156・・・駆動回路、119・・・
運転スイッチ、150・・・釜軸制御回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 廣瀬 弘和 愛知県名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザー工業株式会社内 (72)発明者 黒野 義和 愛知県名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザー工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭53−61465(JP,A) 特開 昭61−217196(JP,A) 特開 昭64−5595(JP,A) 特開 平6−304362(JP,A) 実開 平4−102987(JP,U) 実開 昭56−45470(JP,U)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下端に縫針が固定された針棒を有し、該
    針棒および縫針を上下動させる頭部と、 上記縫針と共働して縫目を形成する釜と、 該釜を内蔵すると共に、上記頭部に対して、使用位置と
    退避位置とに変位可能に設けられたベッド部と、 を備えたミシンであって、 上記ベッド部が上記使用位置にあるか否かを判断する判
    断手段と、 該判断手段が、上記ベッド部が上記使用位置にないと判
    断したとき、上記縫針を停止させる縫針停止手段と、 を備えたことを特徴とするミシン。
  2. 【請求項2】 下端に縫針が固定された針棒を有し、該
    針棒および縫針を上下動させる頭部と、 上記縫針と共働して縫目を形成する釜と、 該釜を内蔵すると共に、上記頭部に対して、使用位置と
    退避位置とに変位可能に設けられたベッド部と、 を備えたミシンであって、 上記ベッド部が上記使用位置にあるか否かを判断する判
    断手段と、 該判断手段が、上記ベッド部が上記使用位置にないと判
    断したとき、上記釜を停止させる釜停止手段と、 を備えたことを特徴とするミシン。
  3. 【請求項3】 上記判断手段が、上記ベッド部が上記使
    用位置にないと判断したとき、上記頭部または上記ベッ
    ド部の他のアクチュエータを停止するアクチュエータ停
    止手段を更に備えたことを特徴とする請求項1または2
    記載のミシン。
  4. 【請求項4】 上記ベッド部が、ミシンフレームへの付
    け根を中心に下方に回動することにより、上記退避位置
    に変位することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載のミシン。
  5. 【請求項5】 主軸モータから伝達される動力によって
    上下に駆動され、下端には縫針が固定された針棒と、 前記主軸モータから前記針棒へ動力が伝達される連動状
    態、または該針棒へ動力が伝達されない非連動状態のい
    ずれかへ切り替え可能な動力伝達機構と、 釜駆動モータから伝達される動力によって回転駆動さ
    れ、前記縫針と共働して縫目を形成する釜とを備えたミ
    シンであって、 前記動力伝達機構を前記非連動状態に切り替えるととも
    に、前記釜駆動モータを停止状態とする制御を行うこと
    により、一対の前記針棒および前記釜の双方を停止状態
    にする縫製動作停止手段を備えたことを特徴とするミシ
    ン。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のミシンにおいて、 所定の操作に応じてオン状態またはオフ状態のいずれか
    に切り替わるスイッチ手段を備え、 該スイッチ手段がオン/オフいずれか一方の状態となっ
    た際に、前記縫製動作停止手段が、一対の前記針棒およ
    び前記釜の双方を停止状態にすることを特徴とするミシ
    ン。
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