JP3398345B2 - 薬液噴射装置 - Google Patents

薬液噴射装置

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JP3398345B2 JP27545499A JP27545499A JP3398345B2 JP 3398345 B2 JP3398345 B2 JP 3398345B2 JP 27545499 A JP27545499 A JP 27545499A JP 27545499 A JP27545499 A JP 27545499A JP 3398345 B2 JP3398345 B2 JP 3398345B2
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    • C23FNON-MECHANICAL REMOVAL OF METALLIC MATERIAL FROM SURFACE; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL; MULTI-STEP PROCESSES FOR SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL INVOLVING AT LEAST ONE PROCESS PROVIDED FOR IN CLASS C23 AND AT LEAST ONE PROCESS COVERED BY SUBCLASS C21D OR C22F OR CLASS C25
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    • C23F1/08Apparatus, e.g. for photomechanical printing surfaces

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薬液噴射装置に関
する。例えば、プリント配線基板の製造工程で用いら
れ、搬送される薄板材たるプリント配線基板材に対し、
現像液,腐食液,剥離液等の薬液を噴射して化学処理・
薬液処理を行う、薬液噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】まず、薄板材の代表例たるプリント配線
基板の技術的背景について述べる。最近、電子機器の小
型化,軽量化,高密度化の進展は著しく、その重要部品
たるプリント配線基板も、最近一段と小型化,軽量化,
ファイン化,極薄化,フレキシブル化,多層化等が進み
つつある。例えば、プリント配線基板の一環として把握
される、半導体チップ・パッケージ絡みのCSP,PB
GAも出現する等、超小型化,超ファインク化,超極薄
化,超フレキシブル化が進みつつある。そして特に、こ
のようなプリント配線基板にあっては、その外表面に形
成される回路の高密度化,微細化,高精度化の進展が著
しい状況にある。例えば、プリント配線基板の回路につ
いては、回路幅が、70μmから50μm更には30μ
mから20μmへと微細化される傾向にあると共に、こ
のような回路幅の公差が、プラスマイナス5%以内程度
で要求されることもある等、高精度化が進み、更に、形
成される回路形状も断面略正方形や長方形に極力近いも
の、つまり垂直な凸状に極力近いものが望まれる等、高
密度化の進展が著しい。
【0003】ところで、このようなプリント配線基板
は、絶縁基材に銅箔が張り付けられたプリント配線基板
材の切断、→スルホール用の穴あけ加工,研磨,めっ
き、→エッチングレジストの塗布・乾燥又は張り付け、
→回路用ネガフィルムを当てての露光、→現像、→エッ
チング、→回路部分等のエッチングレジストの剥離、等
々の多くの工程を、順次連続的に辿って行くことによ
り、製造される。そして、このようなプリント配線基板
材の現像,エッチング,剥離等の各工程では、それぞれ
現像装置,エッチング装置,剥離装置等の処理室内にお
いて、プリント配線基板材を搬送しつつ、現像液,腐食
液,剥離液等の薬液を、従来はスプレーノズルにてスプ
レーし、もって現像,エッチング,剥離等の化学処理・
薬液処理が行われていた。
【0004】前述したように、回路の高密度化,微細
化,高精度化が進むプリント配線基板においては、この
ような現像,エッチング,剥離等の化学処理・薬液処理
が、全体的に均一に行われること、例えばエッチング処
理が全体的に精度高く均一に行われることが極めて重要
であり、その成否を左右する。これに対し従来例では、
上述したように、コンベヤにて水平姿勢で搬送されるプ
リント配線基板材に対し、その上下全面に対向配設され
た多数のスプレーノズルから、現像液,腐食液,剥離液
等の薬液が噴射され、もって、現像,エッチング,剥離
等の化学処理・薬液処理が行われていたので、次の問題
が指摘されていた。
【0005】第1に、噴射された薬液は、スプレーノズ
ルの中心部ほど密な状態、外周部ほど粗の状態となりつ
つ、円錐状に拡散,噴霧されるので、均一に噴射されず
内外で密度の濃淡が生じ、内外で噴射圧や噴射量に差が
生じバラツキが発生してしまう。更に、各スプレーノズ
ルから噴射される薬液が届かない空白域が発生しやす
く、この面からもバラツキが発生するようになる。そこ
で、薬液の噴射対象たるプリント配線基板材の現像,エ
ッチング,剥離等の化学処理・薬液処理にも、バラツキ
現象が生じ、形成される回路の回路幅が不均一となり、
回路の高密度化,微細化,高精度化が進むプリント配線
基板にとって、致命的な問題となっていた。第2に、ス
プレーノズルから薬液が円錐状に広がりつつ拡散,噴霧
されるので、噴射される薬液が、プリント配線基板材に
対し略直角とはならず、大きな噴射角度がついてしま
う。このように、現像,エッチング,剥離等の処理に際
し、薬液がサイドから噴射されることに起因して、形成
される回路形状が、断面略正方形や長方形の垂直な凸状
の理想形とは異なり、断面略富士山状の略台形状(上部
ほど要求される回路幅より狭く細くなったもの)、とな
ることが多かった。そこで使用に際し、回路を流れる電
流値が変化し、発熱の虞れもあり、回路の高密度化,微
細化,高密度化が進むプリント配線基板にとって、致命
的な問題となっていた。
【0006】第3に、スプレーノズルでは、ポンプから
圧送されてきた薬液を、円形の小孔から円錐状に広げつ
つ拡散,噴霧する。そこで現像,エッチング,剥離等の
化学処理・薬液処理について、噴射される薬液の噴射圧
が低く、プリント配線基板材へのインパクトが不足し、
もって処理能力が低く処理時間がかかる、という問題も
指摘されていた。第4に、薬液は円錐状に広がりつつ拡
散,噴霧されるので、噴射対象たるプリント配線基板材
に直接当たらず、搬送用のコンベヤの各ローラーやホイ
ールに当たって飛散する箇所が、多く発生する。そし
て、このように飛散した薬液は、相互に衝突してプリン
ト配線基板材に落下し、その外表面に液溜まりとなって
滞留し、更新の妨げとなる。そこで、前述した第1に準
じ、化学処理・薬液処理が不均一となるバラツキ現象が
発生すると共に、上述した第3に準じ、薬液のインパク
トが不足し処理能力が低く処理時間がかかる、という問
題も指摘されていた。プリント配線基板の技術的背景に
ついては、以上のとおり。
【0007】さて、このようなスプレーノズルを用いた
従来例の諸問題を解決すべく、発明者は鋭意研究努力
し、図8,図9,図10等に示した薬液噴射装置を開発
し、平成10年特許願第137613号として特許出願
した。図8は、この最近開発されたこの種従来例の説明
に供し、全体の側面図である。図9は、同この種従来例
の説明に供し、(1)図は要部の側断面図、(2)図は
要部の正面図、(3)図は要部の底面図である。図10
も、同この種従来例の説明に供し、(1)図は平面(底
面)概略図、(2)図は要部の側面図である。図11は
プリント配線基板(材)の平面説明図である。
【0008】この図8,図9,図10等に示した薬液噴
射装置1にあっては、前述した従来例の多数のスプレー
ノズルに代えスリット状噴射口2を採用してなり、もっ
てプリント配線基板材Aに対し、このスリット状噴射口
2から薬液Bを略幕状に噴射するようにしてなる。そこ
で、前述したスプレーノズルを用いた従来例に比し、第
1に、噴射される薬液Bのバラツキがなくなり、化学処
理・薬液処理が均一化されて処理精度が向上し、第2
に、薬液Bが大きな噴射角度がつかずに噴射され、第3
に、所期のスプレー圧によるインパクトの強い薬液Bの
噴射が実現され、処理能力や処理時間面にも優れ、第4
に、薬液Bがプリント配線基板材Aに対し直接ダイレク
トに噴射されるので、この面からも処理精度が向上する
と共に、処理能力や処理時間面に優れてなる。もって、
前述したスプレーノズルを用いた従来例において指摘さ
れていた諸問題が、ほぼ解消されるようになる。
【0009】すなわち、この薬液噴射装置1は、搬送さ
れるプリント配線基板材Aに対し薬液Bを噴射すべく、
スリット状噴射口2を備えてなる。そして、このスリッ
ト状噴射口2は、直線状をなし、搬送されるプリント配
線基板材Aに対し、前後の搬送方向Cではなく左右の幅
方向Dをカバーすべく対向配設されており、ポンプや配
管3を介して圧送された薬液Bを、プリント配線基板材
Aの外表面の全幅に向け、拡散,噴霧することなくその
ままストレートに、縦のフラットな幕状に噴射する。こ
のように、この薬液噴射装置1はスリット状噴射口2を
備えてなり、搬送されるプリント配線基板材Aに対し、
幅方向Dをカバーすべく対向配設されており、ポンプや
配管3を介して圧送されてきた薬液Bを、プリント配線
基板材Aの全幅に向け、均一かつストレートに強いイン
パクトで、縦の幕状にてダイレクトに噴射する。なお、
図中4は、プリント配線基板材Aを搬送するコンベヤ、
5はそのホイールである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、図8,図
9,図10等に示した薬液噴射装置1は、幅方向Dに配
設されたスリット状噴射口2を採用したことにより、前
述したスプレーノズルを用いた従来例に存した諸問題
が、ほぼ解消されるに至り、非常に優れた作用効果を発
揮する。そして、その研究開発を進める過程で、スリッ
ト状噴射口2から噴射される薬液Bについて、次の問題
が、大きなテーマとなって浮上するに至った。
【0011】1)第1に、この薬液噴射装置1では、左
右の幅方向Dに直線状をなすスリット状噴射口2(特に
図9の(3)図や図10の(1)図を参照)から、薬液
Bが、縦のフラットでダイレクトな幕状となって噴射さ
れるので、噴射対象たるプリント配線基板材Aについ
て、腰折れE(図10の(2)図を参照)が発生しやす
い、という問題が指摘されていた。すなわち、噴射され
たフラットな幕状の薬液Bが、強いインパクトで集中し
た直線的な鋭い刃先状となって、プリント配線基板材A
に噴射されるので、このような薬液Bの噴射圧と重量に
基づき、極薄でフレキシブルなプリント配線基板材Aが
噴射箇所において折り曲げられ、腰折れEが発生するこ
とがあった。
【0012】2)第2に、このようにプリント配線基板
材Aについて腰折れEが発生すると、この腰折れE箇所
に、薬液Bが濃い液溜まりFとなって滞留し、薬液Bの
更新が妨げられるようになる。そこで、このような液溜
まりFに起因して、プリント配線基板材Aの現像,エッ
チング,剥離等の化学処理・薬液処理に過不足箇所が発
生し、化学処理・薬液処理が不均一となり、ムラ・バラ
ツキ現象が発生しやすくなる、という指摘があった。そ
して、化学処理・薬液処理のバラツキ現象が生じると、
形成される回路の回路幅が不均一となり、回路の高密度
化,微細化,高精度化が進むプリント配線基板Hにとっ
て、大きな問題が生じることになる。
【0013】3)第3に、このように腰折れEが発生し
液溜まりFが生じると、更に、コンベヤ4によるプリン
ト配線基板材Aの搬送に支障が生じる、という問題も指
摘されていた。すなわち、極薄でフレキシブルなプリン
ト配線基板材Aは、このような腰折れEや液溜まりFが
各所に偏在し片寄って発生すると、コンベヤによる搬送
途中に蛇行,反り,跳ね上がり等が発生したり、搬送が
中断される等、搬送がスムーズに行われなくなることが
多々あった。最悪のケースとしては、搬送に支障が生じ
た先行のプリント配線基板材Aに対し、後続のプリント
配線基板材Aが、折り重なってしまうこともあった。
【0014】4)第4に、このような腰折れE,液溜ま
りF,搬送障害等を回避するためには、スリット状噴射
口2から噴射される薬液Bについて、噴射圧や噴射量を
規制する必要が生じていた。すなわち、極薄でフレキシ
ブルなプリント配線基板材Aに対するインパクトを下
げ、もって腰折れEを防止し、液溜まりFや搬送障害の
発生を回避するためには、スリット状噴射口2から噴射
される薬液Bの噴射圧を下げ噴射量を少なくすること
が、必要となっていた。
【0015】5)第5に、しかしながらこのように薬液
Bの噴射圧や噴射量を規制すると、プリント配線基板材
Aの現像,エッチング,剥離等の化学処理・薬液処理の
スピード,速度効率が低下し、もって、スリット状噴射
口2つまり薬液噴射装置1を、現像装置,エッチング装
置,剥離装置等の処理室内に、多数配設することを要す
るようになる。そして、このように多数個の薬液噴射装
置1を多数配設することによって、処理室が大型化する
と共に、設置コストがかさむ、という問題が生じてい
た。
【0016】6)第6に、更にスリット状噴射口2から
縦の幕状となって噴射される薬液Bが、全体的に均一な
噴射圧と噴射量となることが、前述したスプレーノズル
を用いた従来例に代えスリット状噴射口2を用いた薬液
噴射装置1を採用したメリットを生かす上で、重要なテ
ーマとなっていた。つまり、薬液Bが全体的に均一な噴
射圧と噴射量でスリット状噴射口2から噴射され、もっ
て全体的に精度高く均一な幕状となることも、大きなテ
ーマとなっていた。
【0017】本発明は、このような実情に鑑み、上記し
たテーマを達成し課題を解決すべく、発明者の鋭意研究
努力の結果なされたものであって、請求項1,2,3で
は、左右の幅方向に配設されるスリット状噴射口につい
て、例えば曲線波状や折れ線波状に、一定ピッチで前後
に折曲形成された構成を採用したことにより、第1に、
プリント配線基板材等の薄板材の腰折れが防止され、第
2に、液溜まりも回避され、第3に、スムーズな搬送が
確保され、第4に、薬液の噴射圧や噴射量の規制が大幅
に緩和され、第5に、化学処理・薬液処理のスピード,
速度効率が向上し、配設個数が削減されるようになる、
薬液噴射装置を提案することを目的とする。請求項4で
は、更に、各スリット状噴射口の折曲ピッチを左右にず
らしたことにより、第6に、噴射された薬液の濃淡箇所
発生が回避される、薬液噴射装置を提案することを目的
とする。
【0018】更に、請求項5では、薬液の噴射角度を変
更設定可能としたことにより、第7に、噴射された薬液
のプリント配線基板材等の薄板材に対する、偏在,片寄
り,滞留,液溜まり,流れの混在等も回避される、薬液
噴射装置を提案することを目的とする。又、請求項6の
ように、所定の管体とスリット部材とスリット状噴射口
とを備えてなると共に、請求項7では、管体の開口部に
ブリッジ部を掛け渡し、請求項8では、管体の開口部と
スリット状噴射口間にフィルターを介装し、請求項9で
は、押しねじと引張りねじよりなる微調整機構にて、ス
リット状噴射口の幅を微調整可能としたことにより、第
8に、薬液がスリット状噴射口から精度高く均一に噴射
されるようになる、薬液噴射装置を提案することを目的
とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
る本発明の技術的手段は、次のとおりである。まず、請
求項1については次のとおり。すなわち、この請求項1
の薬液噴射装置は、搬送される薄板材に対し薬液を噴射
して化学処理を行い、スリット状噴射口を備えてなる。
該スリット状噴射口は、搬送される該薄板材に対し、前
後の搬送方向ではなく左右の幅方向をカバーすべく対向
配設され、該薬液を、該薄板材の外表面に向け縦の幕状
に噴射する。これと共に該スリット状噴射口は、直線状
をなさず、一定ピッチで前後に折曲形成されており、該
薬液を前後に曲げられた幕状に噴射すること、を特徴と
する。
【0020】次に、請求項2については次のとおり。す
なわち、この請求項2の薬液噴射装置は、請求項1に記
載した薬液噴射装置において、該スリット状噴射口は、
曲線波状をなし、該薬液を前後に曲線状をなす幕状に噴
射すること、を特徴とする。請求項3については次のと
おり。すなわち、この請求項3の薬液噴射装置は、請求
項1に記載した薬液噴射装置において、該スリット状噴
射口は、三角波,台形波,矩形波,のこぎり波等の折れ
線波状をなし、該薬液を前後に折れ線状をなす幕状に噴
射すること、を特徴とする。請求項4については次のと
おり。すなわち、この請求項4の薬液噴射装置は、請求
項1に記載した薬液噴射装置において、該薬液噴射装置
は、該薄板材の前後の該搬送方向に間隔を存しつつ複数
個配設されると共に、少なくとも隣接する相互間におい
て、該スリット状噴射口の折曲ピッチが左右の該幅方向
にずらされていること、を特徴とする。
【0021】次に、請求項5については次のとおり。す
なわち、この請求項5の薬液噴射装置は、請求項1に記
載した薬液噴射装置において、該薬液噴射装置は、付設
された軸を中心に全体的に、該薄板材の該搬送方向に沿
い前後に揺動可能であると共に、適宜揺動角度で固定可
能となっている。そして、該スリット状噴射口から噴射
される該薬液について、該薄板材に対する噴射角度を変
更設定可能となっていること、を特徴とする。請求項6
については次のとおり。すなわち、この請求項6の薬液
噴射装置は、請求項1に記載した薬液噴射装置であっ
て、該薬液噴射装置は、該薬液を圧送する配管に接続さ
れると共に左右の該幅方向に沿って配設された管体と、
該管体に密に組み付けられた前後1対のスリット部材
と、該両スリット部材間に極薄の折曲された前後間隙と
して形成されると共に該管体に形成された開口部に連通
する該スリット状噴射口と、を有してなること、を特徴
とする。
【0022】次に、請求項7については次のとおり。す
なわち、この請求項7の薬液噴射装置は、請求項6に記
載した薬液噴射装置において、該管体の開口部は、左右
の該幅方向に沿って形成された1本の長穴よりなると共
に、該開口部の伸縮防止用のブリッジ部が、途中に適宜
間隔にて複数個掛け渡されていること、を特徴とする。
請求項8については次のとおり。すなわち、この請求項
8の薬液噴射装置は、請求項6に記載した薬液噴射装置
において、該管体の開口部と該スリット状噴射口との間
に、フィルターが介装されていること、を特徴とする。
【0023】請求項9については次のとおり。すなわ
ち、この請求項9の薬液噴射装置は、請求項6に記載し
た薬液噴射装置において、該管体には、該両スリット部
材を収納する前後1対の板壁が左右の該幅方向に沿って
付設され、該両板壁には、それぞれ左右の該幅方向に間
隔を存しつつ複数個の貫通孔が形成されている。一方側
の該板壁の貫通孔には、それぞれ該スリット部材に対し
押圧力を加えることが可能な押しねじが挿着され、他方
側の該板壁の貫通孔には、それぞれ該スリット部材に対
し引張力を加えることが可能な引張りねじが挿着されて
いる。そして、該押しねじと引張りねじにて微調整機構
が形成され、もって、該スリット状噴射口の極薄の前後
間隔の幅が左右の該幅方向の各所で微調整可能、そして
該スリット状噴射口にて噴射される該薬液の前後の幕厚
が微調整可能となっていること、を特徴とする。請求項
10については次のとおり。すなわち、この請求項10
の薬液噴射装置は、請求項1,2,3,5,6,7,
8,又は9に記載した薬液噴射装置であって、該薬液噴
射装置は、プリント配線基板の製造工程で用いられ、該
薄板材は、外表面に回路が形成されるプリント配線基板
材よりなり、該薬液としては、現像液,腐食液,剥離液
等が用いられること、を特徴とする。
【0024】本発明は、このようになっているので、次
のようになる。この薬液噴射装置は、例えばプリント配
線基板の製造工程で用いられ、搬送されるプリント配線
基板材等の薄板材に対し、現像液,腐食液,剥離液等の
薬液を噴射する。そして、この薬液噴射装置はスリット
状噴射口を備えてなり、プリント配線基板材等に対し、
左右の幅方向をカバーすべく対向配設されており、薬液
を、プリント配線基板材等の全幅に向け縦の幕状に噴射
する。
【0025】そして、請求項1,2,3のスリット状噴
射口は、曲線波状や折れ線波状に前後に折曲形成されて
おり、薬液を、曲線状や折れ線状に前後に曲げられた幕
状に噴射する。このように、スリット状噴射口の総延長
距離が長くなっているので、薬液も、プリント配線基板
材等の帯状に広がりを持ったエリアに対し、分散・循環
した総延長距離の長い状態で噴射され、プリント配線基
板材等に対しダイレクトに噴射されるものの、噴射圧,
重量,集中,インパクト等が緩和された状態で、噴射さ
れる。又、請求項4では、搬送方向に複数個配設された
各スリット状噴射口の折曲ピッチを、左右にずらしてな
る。プリント配線基板材等に対し、スリット状噴射口の
左右方向折曲箇所から噴射された薬液は、薄く噴射さ
れ、スリット状噴射口の前後方向折曲箇所から噴射され
た薬液は、濃く噴射される傾向がある。これに対し、ピ
ッチをずらしたことにより、各スリット状噴射口の折曲
箇所がずれ、薬液は、濃淡が生じることなく全体的に均
一に、プリント配線基板材等に噴射された状態となる。
【0026】又、請求項5では、全体的に前後の搬送方
向に揺動,固定可能で、薬液の噴射角度を変更設定可能
としてなる。そこで薬液は、プリント配線基板材等に対
し、真上や真下から噴射されるだけでなく、前後に傾斜
して噴射されることも可能となっている。もって、薬液
の噴射圧や噴射量との絡で、プリント配線基板材等に噴
射された薬液の偏在,片寄り,滞留,液溜まり,流れの
混在等の発生の度合をみて、噴射角度を直角とするか傾
斜させるかを、適宜変更設定できるようになる。
【0027】又、請求項6では、左右の幅方向に配設さ
れた管体に前後1対のスリット部材を組み付け、両スリ
ット部材間にスリット状噴射口を形成し、管体の開口部
と連通せしめてなる。そこで薬液は、管体内部へと導か
れた後、開口部からスリット部材間のスリット状噴射口
へと供給され、プリント配線基板材等へと噴射される。
そして、このような薬液噴射装置について、請求項7で
は、管体の長穴よりなる開口部に、ブリッジ部が適宜間
隔にて掛け渡されているので、薬液の液圧にて管体の開
口部が伸縮することが防止され、スリット状噴射口への
悪影響も回避される。請求項8では、管体の開口部とス
リット状噴射口間に、フィルターが介装されているの
で、供給される薬液中のごみが除去され、スリット状噴
射口の目詰まりが防止される。請求項9では、微調整機
構の押しねじや引張りねじにて、両スリット部材の必要
な箇所に押圧力や引張力を加えることにより、スリット
部材間のスリット状噴射口のスリット幅を、各所で自在
に微調整し全体的に均一化可能であり、噴射される薬液
の幕厚を、微調整し均一化可能となっている。
【0028】
【発明の実施の形態】以下本発明に係る薬液噴射装置
を、図面に示す発明の実施の形態に基づいて、詳細に説
明する。図1,図2,図3,図4,図5,図6,図7
は、本発明の実施の形態の説明に供する。そして図1
は、底面(平面)概略図であり、(1)図はその1例
を、(2)図は他の例を、(3)図は更に他の例を示
す。図2は、スリット状噴射口の各種例を示す全体の底
面(平面)概略図であり、(1)図は第1例を、(2)
図は第2例を、(3)図は第3例を、(4)図は第4例
を、(5)図は第5例を、(6)図は第6例を、(7)
図は第7例を示す。なお(8)図は、この種従来例のス
リット状噴射口を示す、底面(平面)概略図である。図
3は、全体の側断面図である。図4は、要部の側断面図
であり、(1)図は、管体,スリット部材,フィルター
等を示し、(2)図は、管体,スリット部材,微調整機
構等を示す。図5の(1)図は、全体の正面図、(2)
図は、全体の側断面図であり、(3)図は、スリット部
材の正面図、(4)図は、スリット部材の平面図であ
る。図6の(1)図は、管体の開口部の1例の底面図、
(2)図は、管体の開口部の他の例の底面図である。な
お、図1,図2に示した液体噴射装置は、図3中の上側
に示されたものについては底面概略図となり、図3中の
下側に示されたものについては平面概略図となる。又、
図4,図5,図6に示した液体噴射装置は、図3中で
は、下側ではなく上側に示されたものに関する。図7
は、薬液中に薬液噴射装置が配設された例を示す、側面
説明図である。
【0029】この薬液噴射装置は、薄板材の製造工程,
加工工程,その他の各種処理工程で用いられるが、ここ
では、薄板材の代表例たるプリント配線基板Hの製造工
程で用いられる場合について詳述する。まず、前提とな
るプリント配線基板Hについて、図11を参照しつつ説
明しておく。
【0030】プリント配線基板Hは、各種OA機器用の
基板,携帯電話用の基板,コンピュータ用の基板,計算
機用の基板,その他の電子機器用の基板等々、各種の用
途に用いられ、その製造工程も多種多様である。プリン
ト配線基板Hの種類としては、一応、片面基板,両面基
板,多層基板(含、最近のビルドアップ工法のもの),
フレキシブル基板等々が考えられるが、その一環として
最近は、半導体チップ・パッケージ絡みのCSP,PB
GAも出現している。そしてプリント配線基板Hは、近
年ますます小型化,軽量化,ファイン化,極薄化,フレ
キシブル化,多層化等々が著しく、特に、外表面に形成
される回路Gの高密度化,微細化,高精度化等が進みつ
つある。そして、このようなプリント配線基板Hは、例
えば次のように製造される。すなわちプリント配線基板
Hは、材料の薄板材たるプリント配線基板材Aについて
順次、積層,研磨,切断、→スルホール用の穴あけ加
工,研磨,めっき,研磨、→エッチングレジストの塗布
・乾燥・又は張り付け、→露光、→現像、→エッチン
グ、→回路G部分のエッチングレジストの剥離、等々の
多くの工程を、順次連続的に辿って行くことにより、製
造される。
【0031】このようなプリント配線基板Hの製造方法
について、更に詳述する。まず、ポリイミド等の絶縁基
材の両面に銅箔が熱プレス等により張り合わされ積層さ
れた後、洗浄および研磨が行われる。それから、銅箔表
面を粗化するソフトエッチングが行われると共に、この
ような前処理工程を経て得られた、例えば両面銅箔張り
積層板たるプリント配線基板材Aが、ワークサイズの短
尺に切断され、次に、スルホール用の穴あけ加工が施さ
れた後、洗浄および両面研磨が行われてから、パネルめ
っきが実施される。これにより、表面の回路Gと裏面の
回路Gを導通すべく、スルホールの内壁にめっきが施さ
れる。(なおこれによらず、プリント配線基板材Aとし
て、絶縁基材の片面のみに銅箔がはり付けられた片面銅
箔張り積層板が用いられる場合もあり、この場合には、
次に述べる感光性レジストの塗布,露光,現像等も片面
のみに実施されるが、本発明は勿論、このような片面基
板用のプリント配線基板材Aそしてプリント配線基板H
にも適用される。本明細書においては以下同様。) スルホールは、1枚のプリント配線基板材A(プリント
配線基板H)について、極小径のものが数百,数千個に
も及ぶ程度、多数形成される。
【0032】さてしかる後、プリント配線基板材Aにつ
いて、再び洗浄,研磨,洗浄,乾燥等が行われてから、
エッチングレジストつまり耐アルカリ性や耐酸性の保護
膜たる感光性レジストを、塗布して乾燥させることによ
り、塗膜化する処理が行われる。それから、両面つまり
上面や下面の外表面の回路G形成面に、回路Gのネガフ
ィルムである回路G写真をあてて露光した後、感光性レ
ジストは、露光され硬化した回路G部分を残し、他の不
要部分が、薬液Bたる現像液の噴射により溶解除去され
る(後述の図3も参照)。しかる後、このようなプリン
ト配線基板材Aについて、洗浄,乾燥が行われてから、
このように感光性レジストが硬化して被覆,保護された
回路G部分の銅箔を残し、上述により感光性レジストが
溶解除去された不要部分の銅箔が、薬液Bたる腐食液の
噴射により溶解除去・エッチングされる(後述の図3も
参照)。それから、残っていた上述の硬化した回路G部
分の感光性レジストが、薬液Bたる剥離液の噴射により
溶解除去された後(後述の図3も参照)、洗浄,乾燥さ
れ、もって、所定の回路Gが形成されたプリント配線基
板Hが得られる。
【0033】プリント配線基板Hは、例えば縦横が、5
50mm×550mm,500mm×500mm,50
0mm×300mm程度の寸法よりなり、その肉厚は、
絶縁基材の部分が例えば0.06mm程度で、銅箔製の
回路G部分が例えば0.018mm程度まで極薄化され
ている。このようなプリント配線基板Hが4層等の多層
に積層された多層基板の場合でも、全体の肉厚は、1.
0mmから0.8mm更には0.4mm程度と、極薄化
しつつある。又、回路G幅も、70μmから50μm更
には30μmから20μmへと微細化傾向にあり、例え
ば回路幅が20μmで回路G間スペースが30μm程度
のニーズも出現している。回路Gが形成された外表面
(つまり上面や下面)の周縁端部は、10mm程度の幅
でつかみ代たる、みみ部となっている。
【0034】なお、このような工程を辿って製造された
プリント配線基板Hについては、その製造工程の一環を
なす後処理工程として、形成された回路Gの保護被膜が
形成される。すなわち、回路Gが形成されたプリント配
線基板Hの外表面の回路G形成面の全体に、まず、ソル
ダーレジストたる感光性レジストを塗布して乾燥させる
ことにより、塗膜化する処理が行われる。それから、ネ
ガフィルムをあてて露光,現像が実施され、もって、ス
ルホール部分等の部品装着部分、つまり事後ハンダが行
われる部分の感光性レジストのみを、溶解除去して露出
させる(これらの工程については、前述した各工程にほ
ぼ準じる)。このようにして、プリント配線基板Hに感
光性レジストによる保護被膜が形成され、その回路Gが
被膜保護される。もって事後、部品装着部分に対し実施
されるハンダの付着等から、プリント配線基板Hの回路
Gが保護される。プリント配線基板Hは、このような工
程を辿って製造される。
【0035】さて、このようにプリント配線基板Hの製
造工程、例えば現像工程,エッチング工程,剥離工程等
では、現像装置,エッチング装置,剥離装置等の各処理
室内において、それぞれ、プリント配線基板材Aを搬送
しつつ、現像液,腐食液(エッチング液),剥離液等の
薬液Bが噴射されて、現像,エッチング,剥離等の化学
処理・薬液処理が行われる。すなわち、まず各工程の処
理室内では、それぞれ図3に示したように、コンベヤ4
にてプリント配線基板材Aが横の水平姿勢で搬送され
る。コンベヤ4では、軸が左右の幅方向Dに平行で前後
の搬送方向Cに多数、水平に配設されており、各軸にそ
れぞれ多数のホイール5が付設されている。このように
図3の例では(前述した図8のこの種従来例も同様)、
各軸について、所定間隔をおいてホイール5が付設され
たタイプのものが用いられているが、これによらず各軸
について、ストレートなローラーが付設されたタイプの
ものも使用可能である。
【0036】又、図3の例では(前述した図8のこの種
従来例も同様)、このような軸そしてホイール5が搬送
されるプリント配線基板材Aを、挟むように上下に対向
設されており、下側のホイール5は、回転駆動されて搬
送用として機能し、上側のホイール5は、フリーな状態
で押え用・蛇行防止用として機能する。そして上下の各
ホイール5は、それぞれ前後間が、途中にホイール5の
1個分のスペースにて形成された前後の広い間隙空間K
の箇所を除き、密に接近して並べられている(図示例で
は、軸方向の間隔間で部分的にオーバーラップする程度
に、接近して並べられている)。このようなコンベヤ4
により、プリント配線基板材Aは搬送される。
【0037】以下、薬液噴射装置6について説明する。
まず図3に示したように、この薬液噴射装置6は、プリ
ント配線基板Hの製造工程で用いられており、薄板材
は、外表面に回路Gが形成されるプリント配線基板材A
よりなり、薬液Bとしては、現像液,腐食液,剥離液等
が用いられる。そして、この薬液噴射装置6は、搬送さ
れる薄板材たるプリント配線基板材Aに対し薬液Bを噴
射するスリット状噴射口7を備えてなり、プリント配線
基板材Aの全幅について薬液Bを噴射する。つまり、こ
の薬液噴射装置6のスリット状噴射口7は、横の水平姿
勢で搬送されるプリント配線基板材Aに対し、前後の搬
送方向Cではなく左右の幅方向Dをカバーすべく対向配
設されており、ポンプ(図示せず)や配管3等を介して
圧送されてきた薬液Bを、プリント配線基板材Aの外表
面の全幅に向け、拡散,噴霧することなくストレート
に、縦の幕状に噴射する。
【0038】このような薬液噴射装置6について、更に
詳述する。図3に示したように、薬液B例えば現像液又
は腐食液又は剥離液は、処理室下部の液槽(図示せず)
に貯溜されている。そして液槽内の薬液Bは、ポンプそ
して配管3を介して圧送された後、各薬液噴射装置6へ
と分岐され、各薬液噴射装置6のスリット状噴射口7か
ら、コンベヤ4にて搬送されるプリント配線基板材Aに
向けて、図示例では上下から噴射される(前述した図8
のこの種従来例も参照)。それから薬液Bは、プリント
配線基板材Aの回路G形成面を流れた後、再び下部の液
槽に流下,回収され、事後再び循環使用される。
【0039】そして、図3,図4に示したように、薬液
噴射装置6は、スリット状噴射口7を備えてなり、スリ
ット状噴射口7は、細い前後幅たるスリット幅の直線的
な隙間・溝状をなし、前後の搬送方向Cではなく、左右
の幅方向Dに沿って配設されている。図1の(1)図,
(2)図に示したスリット状噴射口7は、水平面におい
て、搬送方向Cと直角をなす幅方向Dに沿って配設され
ており、コンベヤ4の幅と略一致する左右幅よりなる。
これに対し、図1の(3)図に示したスリット状噴射口
7は、水平面において、左右の幅方向Dに対し前後方向
に若干傾斜して、配設されている。スリット状噴射口7
は、これらのいずれかのタイプのものが、適宜選択使用
される。さて、図3,図4に示したように、配管3から
薬液噴射装置6に圧入,供給,充まんされた薬液Bは、
スリット状噴射口7から、プリント配線基板材Aに向け
て噴射される。そして薬液Bは、プリント配線基板材A
の左右の幅方向Dの全幅について、縦の幕状に噴射され
ると共に、噴霧状に拡散されることなく、そのままスト
レートに噴射される。
【0040】ところで第1に、各図示例の薬液噴射装置
6そしてスリット状噴射口7は、それぞれ長尺の1本に
て、左右の幅方向D全体をカバーすべく配設されたタイ
プよりなっているが、このような図示例によらず、左右
の幅方向Dにおいて例えば3本の短尺に分割されたタイ
プのものも可能である。なお、後者のタイプの場合は、
分割された各薬液噴射装置6の管体10の液口13に、
分岐された配管3が連結接続される。
【0041】ところで第2に、図3に示したように、こ
の薬液噴射装置6のスリット状噴射口7は、プリント配
線基板材Aを搬送するコンベヤ4の所定のホイール5
(又はローラー)間に形成された間隙空間Kに、対向し
て配設されている。そこで薬液Bは、障害となるホイー
ル5等に接触することなく、直接ダイレクトにプリント
配線基板材Aの外表面に噴射される。すなわち、コンベ
ヤ4の前後の密に並べられたホイール5について、1個
のホイール5分に略相当するスペースの間隙空間Kが形
成されている。そして薬液噴射装置6は、このような間
隙空間Kの上側や下側に配設されており、そのスリット
状噴射口7が、この間隙空間Kに対向位置している。
【0042】ところで第3に、図3に示した図示例で
は、プリント配線基板材Aがコンベヤ4にて横の水平姿
勢で搬送され、薬液噴射装置6そしてスリット状噴射口
7が、その左右の幅方向をカバーすべく対向配設されて
いたが、本発明は、このような図示例に限定されるもの
ではない。例えば、プリント配線基板材Aが、コンベヤ
4にて水平ではなく左右に傾斜した傾斜姿勢又は縦の縦
姿勢で搬送され、薬液噴射装置6そしてスリット状噴射
口7も、その幅方向Dをカバーすべく、傾斜して対向配
設されたり縦に対向配設されることも考えられる。
【0043】ところで第4に、図3に示した図示例で
は、横の水平姿勢で搬送されるプリント配線基板材Aに
対し、その上下に、薬液噴射装置6そしてスリット状噴
射口7が、対向配設されていたが、本発明は、このよう
な図示例に限定されるものではない。すなわち、プリン
ト配線基板材Aの表裏両面に回路Gが形成される両面基
板の場合は、図示例のタイプが多いが、プリント配線基
板材Aの表裏の片面にのみ回路Gが形成される片面基板
の場合は、図示例によらず、搬送されるプリント配線基
板材Aの上方のみに(又は下方のみに)、薬液噴射装置
6そしてスリット状噴射口7が、対向配設されることに
なる。
【0044】ところで第5に、配設される薬液噴射装置
6そしてスリット状噴射口7の配設個数については、図
1,図3,更には後述する図7等は、いずれも要部を示
したに過ぎない。つまり、薬液噴射装置6そしてスリッ
ト状噴射口7は、プリント配線基板材Aの上方や下方に
ついて、それぞれ、単数個のみ配設されることは稀であ
り、多くの場合、複数個そして多数個が、搬送方向Cに
所定間隔を置きつつ配設される。
【0045】以下、本発明の薬液噴射装置6について、
その特徴とする点について述べる。まず、図1,図2等
に示したように、この薬液噴射装置6のスリット状噴射
口7は、水平面において、直線状をなさず(図2の
(8)図のこの種従来例のスリット状噴射口2と比較対
照)、一定ピッチで前後方向に向け折曲形成されてお
り、薬液Bを前後に折り曲げられた幕状に噴射する。図
1,図2の(1)図,(2)図,(3)図等に示した例
のスリット状噴射口7、つまり第1例,第2例,第3例
のスリット状噴射口7は、例えば正弦波・サインカーブ
状の曲線波状をなし、薬液Bを前後に曲線状をなす幕状
に噴射する。図示のように、そのピッチや波の高さ等
は、各種設定可能である。これに対し、図2の(4)
図,(5)図,(6)図,(7)図等に示した例のスリ
ット状噴射口7、つまり第4例,第5例,第6例,第7
例のスリット状噴射口7は、例えばパルス波状つまり三
角波,台形波,矩形波,のこぎり波等の折れ線波状をな
し、薬液Bを前後に折れ線状をなす幕状に噴射する。勿
論、そのピッチや波の高さ等は、各種設定可能である。
このように、このスリット状噴射口7は、折曲形成され
ている。
【0046】次に、この薬液噴射装置6は、プリント配
線基板材Aの前後の搬送方向Cに、前述したように、所
定間隔を置きつつ複数個・多数個配設されることが多
い。そして、このように複数個・多数個配設された薬液
噴射装置6について、各スリット状噴射口7間の関係
は、次の通り。まず、図1の(1)図に示した例では、
各スリット状噴射口7の折曲ピッチが、揃えられてい
る。これに対し、図1の(2)図に示した例では、各ス
リット状噴射口7の折曲ピッチが、左右の幅方向Dにず
らされている(図中の想像線表示を参照)。後者につい
てピッチずれの程度は、1/2ピッチ,1/4ピッチ,
1/8ピッチ,その他が考えられる。更に後者の場合、
少なくとも前後に隣接するスリット状噴射口7間につい
て、ピッチがずれていればよく、必ずしもすべてのスリ
ット状噴射口7間のピッチがずれている必要はない。こ
のように、各スリット状噴射口7のピッチをずらすこと
が考えられる。
【0047】次に、図3,図4,図5,図6等を参照し
つつ、この薬液噴射装置6の構造について詳述する。こ
の薬液噴射装置6は、次の管体10,スリット部材1
1,スリット状噴射口7を有してなる。すなわち、側部
にて薬液Bを圧送してきた配管3に接続されると共に、
左右の幅方向Dに沿って配設された管体10と、この管
体10に密に組み付けられた前後1対のスリット部材1
1と、両スリット部材11間に折曲された極薄の前後間
隙として形成されると共に、管体10に形成された開口
部12に連通するスリット状噴射口7と、を有してな
る。
【0048】これらについて、更に詳述する。まず、こ
の薬液噴射装置6の管体10について述べる。管体10
は、搬送されるプリント配線基板材Aの搬送方向Cとは
直角の左右の幅方向Dに沿って配設され、長目の筒状を
なし、図示例では角筒状をなす。そして、この管体10
は、その側部に形成された液口13に、配管3の端が接
続されており、図6の(1)図に示した例では、左右両
方の側部・端部にそれぞれ液口13が形成され、それぞ
れ配管3の端が接続されており、もって、左右両方の側
部・端部の液口13から管体10の内部に、圧送された
薬液Bが供給される。これに対し、図6の(2)図に示
した例では、左右いずれか一方の側部・端部のみに液口
13が形成され、配管3の端に接続されると共に、他方
の側部・端部は閉鎖されており、もって、この左右いず
れか一方の側部・端部の液口13から管体10の内部
に、圧送された薬液Bが供給される。
【0049】又、この管体10には、搬送されるプリン
ト配線基板材A側の面に、開口部12が形成されてい
る。この開口部12は、管体10の底面(図3の上側の
もの,図4,図5,図6の例)や、上面(図3の下側の
もの)に形成されている。そして開口部12は、このよ
うな管体10の底面や上面の中央について、プリント配
線基板材Aの左右の幅方向Dに沿い、つまり管体10の
長手方向に沿い全長にわたって、1本の長穴状に形成さ
れている。
【0050】更に、この管体10の長穴状をなす開口部
12に、図6中に示したように、開口部12の伸縮防止
用のブリッジ部14が、途中に適宜間隔にて、複数個掛
け渡されている。図示例では、このような複数個のブリ
ッジ部14が、幅方向Dに沿い一定の等間隔で掛け渡さ
れている。又、このような各ブリッジ部14は、開口部
12周囲の管体10と一体形成されている。なお、この
ブリッジ部14の構成は、図示例のものに限定されるも
のではなく、その他各種構成のものが可能である。例え
ば、開口部12の上部や下部の管体10の両壁面間を、
ボルトやナットを使用して掛け渡すようにしてもよく、
又、開口部12の上部や下部に、細板材を止着するよう
にしてもよい。
【0051】更に管体10には、図3,図4,図5の
(1)図,(2)図,図6等に示したように、両スリッ
ト部材11を収納する前後1対の板壁15が、プリント
配線基板材Aの左右の幅方向D、つまり管体10の長手
方向に沿って付設されている。図示例では、角筒状をな
す管体10は、その長手方向に沿った両壁面が、そのま
ま垂下される(図3の上側のもの,図4,図5,図6の
例)か、そのまま立設される(図3の下側のもの)こと
により、前後1対の板壁15となっている。更に図示例
では、このような板壁15が前後にも付設され、もって
管体10の外縁について、このような板壁15が周設さ
れている。このように管体10に付設された両板壁15
間に、両スリット部材11が収納されている。図5の
(2)図中、16は、このように収納された両スリット
部材11を、管体10の底面(図3の上側のもの,図
4,図5,図6の例)や管体10の上面(図3の下側の
もの)に対して、取付ける取付けねじである。この取付
けねじ16としては、例えばボルトが用いられるが、こ
の図5の(2)図以外の各図では、取付けねじ16の図
示は省略されている。管体10は、このようになってい
る。
【0052】次に、この薬液噴射装置6のスリット部材
11について述べる。図3,図4,図5の(3)図,
(4)図等に示したように、スリット部材11は、長尺
の略角材状をなし、前後1対の2本が用いられている。
図示例では、前後1対のスリット部材11の左右の両端
部が、図5の(4)図に示したように、接着M等により
一体的に固定されており、(このように接着Mされた両
端部の途中に、スリット状噴射口7が形成される)、も
って両スリット部材11は、両端部間が相互に接着M,
固定,連結されたものとして、使用されている。なお図
示例によらず、前後のスリット部材11を最初から1本
の部材として形成し、左右の両端部を残し中央部を、レ
ーザー等により穿設,スリット加工することにより、ス
リット状噴射口7とするようにしてもよい。この場合、
前後1対のスリット部材11とは、1本の部材の前後部
分を意味することになる。又、このような前後1対のス
リット部材11は、上述により管体10の板壁15間に
収納され、取付けねじ16(図5の(2)図を参照)を
用い、管体10下(図3の上側のもの,図4,図5,図
6の例)や管体10上(図3の下側のもの)に、密に組
み付けられている。そして、このような前後1対のスリ
ット部材11の対向面(つまり前後面)は、それぞれ全
面が、対応した曲線波状や折れ線波状に折曲形成されて
いる(特に図5の(4)図を参照)。スリット部材11
は、このようになっている。
【0053】次に、この薬液噴射装置6のスリット状噴
射口7について述べる。図3,図4,図5の(2)図,
(4)図等に示したように、スリット状噴射口7は、上
述したように管体10に組み付けられた前後の両スリッ
ト部材11間に、例えば0.15mm程度のスリット幅
の極薄の前後間隙として形成されている。すなわちスリ
ット状噴射口7は、前後の両スリット部材11の対応し
た曲線波状や折れ線波状に折曲形成された対向面間に、
曲線波状や折れ線波状に折曲形成された縦の極薄のスリ
ットとして、左右の幅方向Dに沿って形成されている。
そして、このようなスリット状噴射口7の上端(図3の
上側のもの,図4,図5の例)や下端(図3の下側のも
の)が、前述した管体10側に形成された開口部12に
対向位置し、もって連通せしめられている。なお、スリ
ット状噴射口7を形成する両スリット部材11について
は、このように開口部12に連通するスリット状噴射口
7の上端の両側等(図3の上側のもの,図4,図5の
例)や下端の両側等(図3の下側のもの)に、段部状の
凹部17が形成されている。そして、この両スリット部
材11の凹部17の合計した前後幅が、前述した開口部
12の前後幅と、同一寸法に設定されている。スリット
状噴射口7は、このようになっている。
【0054】次に、この薬液噴射装置6では、図4の
(1)図に示したように、管体10の開口部12とスリ
ット状噴射口7との間に、フィルター18が介装されて
いる。図示例では、上述により連通される管体10の開
口部12と、両スリット部材11の凹部17にて形成さ
れた空間との間に、フィルター18が張設されている。
つまり、開口部12とスリット状噴射口7との間には、
凹部17空間を介し、例えばネット状をなすフィルター
18が介装されている。フィルター18の両端は、上下
のパッキンを介し、管体10と両スリット部材11との
間に、挟み込まれている。なお、このフィルター18の
図示は、図4の(1)図以外の各図においては、省略さ
れている。フィルター18は、このように介装されてい
る。
【0055】次に、微調整機構19について述べる。図
4の(2)図に示したように、まず、両スリット部材1
1を収納する両板壁15には、それぞれ左右の幅方向D
に等間隔を存しつつ、複数個の貫通孔20が形成されて
いる。そして、一方側(図面上では右側)の板壁15の
貫通孔20は、ねじ穴として形成され、このねじ穴より
なる貫通孔20には、それぞれスリット部材11(図面
上では右側のスリット部材11)に対し押圧力を加える
ことが可能な、押しねじ8が挿着されている(図5の
(1)図も参照)。又、他方側(図面上では左側)の板
壁15の貫通孔20は、単なる貫通穴よりなり、この貫
通穴よりなる貫通孔20には、それぞれスリット部材1
1(図面上では左側のスリット部材11)に対し引張力
を加えることが可能な、引張りねじ9が挿着されている
(図5の(1)図も参照)。なお、引張りねじ9の先端
部は、貫通孔20を介し、対向するスリット部材11に
設けられたねじ穴21に、ねじ込まれている。
【0056】このような押しねじ8と引張りねじ9に
て、微調整機構19が形成されている。そして、このよ
うな微調整機構19により、スリット状噴射口7の極薄
の前後間隔の幅つまりスリット幅が、左右の幅方向Dの
各所で微調整可能、そしてスリット状噴射口7にて噴射
される薬液Bの前後の幕厚が広く又は狭く微調整可能と
なっており、もって噴射される薬液Bの噴射圧や噴射量
が自在に可変となっている。つまり、スリット状噴射口
7のスリット幅が、全体的に広すぎた場合又は部分的に
広すぎる箇所が存した場合は、すべての又はその箇所の
押しねじ8を貫通孔20にねじ込むことにより、対向す
るスリット部材11(図面上では右側のスリット部材1
1)を、貫通孔20を通過した押しねじ8の先端で押し
込む。これにより、スリット状噴射口7のスリット幅
が、全体的又はその箇所について、適切な狭い寸法に微
調整される。これに対し、スリット状噴射口7のスリッ
ト幅が、全体的に狭すぎた場合又は部分的に狭すぎる箇
所が存した場合は、すべての又はその箇所の引張りねじ
9を、貫通孔20を介しスリット部材11側のねじ穴2
1にねじ込むことにより、そのスリット部材11(図面
上では左側のスリット部材11)を、外側に引張る。こ
れにより、スリット状噴射口7のスリット幅が、全体的
又はその箇所について、適切な広い寸法に微調整され
る。なお、この微調整機構19の図示は、図4の(2)
図,図5の(1)図,(2)図等以外の各図において
は、省略されている。微調整機構19は、このようにな
っている。
【0057】次に、この薬液噴射装置6の揺動,固定に
ついて述べておく。薬液噴射装置6において、両スリッ
ト部材11が組み付けられた管体10は、付設された軸
を中心に前後の搬送方向Cに沿って揺動可能であると共
に、適宜揺動角度にて固定可能である。もって、スリッ
ト状噴射口7によるプリント配線基板材Aに対する薬液
Bの噴射角度を、変更設定可能となっている。このよう
な薬液噴射装置6の揺動,固定方式としては、例えば、
管体10の液口13と配管3の端間や、液口13近くの
配管3に、回動,固定自在なユニオン継手を、揺動用の
軸として介装,付設しておく方式が考えられる。
【0058】これと共に、図3中に示したように、管体
10には、分度器目盛22付の板体23が付設され、か
つ、板体23に突設されたピン24に、分度器針25が
枢着されている。すなわち、管体10には板体23が搬
送方向Cに沿って突設され、この板体23には、分度器
目盛22が表示されている。又、この板体23の分度器
目盛22側には、ピン24が突設されており、このピン
24に分度器針25の基端部が、回動自在に取付けられ
ている。そして、この分度器針25の先端が、分度器目
盛22に対応位置している。なお、この板体23,分度
器目盛22,ピン24,分度器針25等の図示は、図3
以外の各図においては省略されている。薬液噴射装置6
の揺動,固定は、このような分度器目盛22と分度器針
25の関係を参照しつつ、行われる。
【0059】そして図示例では、薬液噴射装置6のスリ
ット状噴射口7は、プリント配線基板材Aに対する噴射
角度が、直角となるように設定されている。つまり、横
の水平姿勢で搬送されるプリント配線基板材Aに対し、
縦の垂直方向から幕状をなす薬液Bが噴射されるよう
に、薬液噴射装置6そしてスリット状噴射口7が角度設
定されている。これに対し、このような図示例によら
ず、薬液噴射装置6のスリット状噴射口7を、プリント
配線基板材Aに対する噴射角度が、直角から前後に若干
傾斜するように、前述により揺動,固定することも可能
である。つまり、略幕状をなす薬液Bが、直角より若干
前後方向の斜めに傾斜した噴射角度で、プリント配線基
板材Aに噴射されるように、薬液噴射装置6そしてスリ
ット状噴射口7を揺動,固定することも考えられる。こ
のように傾斜した噴射角度は、僅かな若干の角度に設定
され、例えば5度程度の噴射角度に設定されるが、その
下限は1〜2度程度でもよく、上限としては10度程度
も可能である。又、搬送方向C下流側に傾斜せしめ、ス
リット状噴射口7の発射角度で、上流側が鈍角で下流側
が鋭角、プリント配線基板材Aへの入射角度で、上流側
が鋭角で下流側が鈍角に設定するか、又はこれとは逆
に、搬送方向C上流側に傾斜させてもよく、この場合
は、スリット状噴射口7の発射角度で、上流側が鋭角で
下流側が鈍角、プリント配線基板材Aへの入射角度で、
上流側が鈍角で下流側が鋭角に設定される。薬液噴射装
置6の揺動,固定は、このように行われる。
【0060】本発明は、以上説明したように構成されて
いる。そこで以下のようになる。図1や図3に示したよ
うに、この薬液噴射装置6は、例えばプリント配線基板
Hの製造工程で用いられ、コンベヤ4にて搬送される薄
板材たるプリント配線基板材Aに対し、現像液,腐食
液,剥離液等の薬液Bを噴射する。そして、この薬液噴
射装置6はスリット状噴射口7を備えてなり、スリット
状噴射口7は、搬送されるプリント配線基板材Aに対
し、左右の幅方向Dをカバーすべく対向配設されてい
る。そして、ポンプや配管3を介して圧送されてきた薬
液Bを、プリント配線基板材Aの全幅に向け、均一かつ
ストレートに縦の幕状にてダイレクトに噴射する。さて
そこで、この薬液噴射装置6にあっては、次の第1,第
2,第3,第4,第5,第6,第7,第8のようにな
る。
【0061】1)第1に、この薬液噴射装置6のスリッ
ト状噴射口7は、図1や図2に示したように、例えば曲
線波状や折れ線波状に一定ピッチで前後に折曲形成され
ており、総延長距離が長く、薬液Bを、例えば曲線状や
折れ線状に前後に曲げられた縦の幕状に噴射する(図2
の(8)図,図10の(1)図等のこの種従来例のスリ
ット状噴射口2の総延長距離等と、比較対照)。そこで
水平面で見た場合、薬液Bも、プリント配線基板材Aに
対し、左右の幅方向Dに直線状ではなく帯状に、前後の
搬送方向Cに広がりを持ったエリアにおいて、蛇行する
ように多面的に分散・循環した総延長距離の長い状態
で、噴射され接触する。このように薬液Bは、プリント
配線基板材Aに対し、ダイレクトな縦の幕状に噴射され
るものの、噴射圧,重量,集中,インパクト等が緩和さ
れた状態で、噴射される。もって、噴射対象のプリント
配線基板材Aは、極薄でフレキシブルではあるが、噴射
箇所に折れ曲がり・腰折れEが発生することは防止され
る(図10の(2)図のこの種従来例を参照)。
【0062】2)第2に、そこでプリント配線基板材A
について、液溜まりFが発生することは回避される(図
10の(2)図のこの種従来例を参照)。すなわち、こ
の薬液噴射装置6を用いると、プリント配線基板材Aに
ついて上述したように、折れ曲がり・腰折れEの発生が
防止されるので、腰折れE箇所に薬液Bが濃い液溜まり
Fとなって滞留することは、回避される。プリント配線
基板材Aの外表面に噴射された薬液Bは、プリント配線
基板材Aの外表面に滞留することなく、順調に更新され
る。
【0063】3)第3に、このように腰折れEや液溜ま
りFの発生が防止,回避されるので、プリント配線基板
材Aは、コンベヤ4にて所期のごとく順調に搬送され
る。すなわち、極薄でフレキシブルなプリント配線基板
材Aではあるが、図3等に示したように、反り,跳ね上
がり,蛇行,搬送中断等が生じることもなく、スムーズ
に搬送される。
【0064】4)第4に、この薬液噴射装置6を用いる
と、前述した第1の点でも述べたように、薬液Bはプリ
ント配線基板材Aに対し、拡散,噴霧されることなくダ
イレクトな縦の幕状に噴射されるものの、噴射対象のプ
リント配線基板材Aに対し、噴射圧,重量,集中,イン
パクト等が緩和された状態で噴射される。そこで、極薄
でフレキシブルなプリント配線基板材Aを噴射対象とす
るものの、スリット状噴射口7から噴射される薬液Bに
ついて、その噴射圧を上げ噴射量を増大させることがで
き、噴射圧や噴射量の規制が大きく緩和される。
【0065】5)第5に、この薬液噴射装置6にあって
は、上述した第4で述べたように、スリット状噴射口7
から噴射される薬液Bの噴射圧を上げ、噴射量を増大さ
せることができる。そこで、プリント配線基板材Aにつ
いて、現像,エッチング,剥離等の化学処理・薬液処理
のスピード,速度効率を向上させることができる。もっ
て例えば、図1の各図に示したように、処理室における
薬液噴射装置6そしてスリット状噴射口7の配設間隔を
広げ、配設個数を大幅に削減できるようになる(図10
の(1)図のこの種従来例の薬液噴射装置1やスリット
状噴射口2の配設間隔,配設個数と比較対照)。
【0066】6)第6に、たとえば図1の(2)図に示
したように、薬液噴射装置6が、処理室内において前後
の搬送方向Cに複数個配設されると共に、各々のスリッ
ト状噴射口7の折曲ピッチを、隣接する相互間で左右の
幅方向Dにずらした場合は、更に次のようになる。噴射
対象たるプリント配線基板材Aに対し、水平面におい
て、スリット状噴射口7の比較的左右方向をなす折曲箇
所から噴射された薬液Bは、薄く噴射,接触され、スリ
ット状噴射口7の比較的前後方向をなす折曲箇所から噴
射された薬液Bは、濃く噴射,接触される傾向がある。
これに対し、上述によりピッチをずらしたことにより、
各スリット状噴射口7の折曲箇所がずれるので、噴射対
象のプリント配線基板材Aに噴射された薬液Bは、各ス
リット状噴射口7に対応した濃淡が重なることなくず
れ、もって薬液Bは、濃淡箇所が生じることなく全体的
に均一に噴射された状態となる。そこで、プリント配線
基板材Aについて、現像,エッチング,剥離等の化学処
理・薬液処理が均一化されるようになる。
【0067】7)第7に、図3に示したようにこの薬液
噴射装置6は、全体的に、前後の搬送方向Cに揺動,固
定可能であり、スリット状噴射口7から噴射される薬液
Bの噴射角度を、適宜、変更設定可能としてなる。そこ
で薬液Bは、噴射対象のプリント配線基板材Aに対し、
直角の噴射角度で真上や真下から噴射されるだけではな
く、直角から前後に若干傾斜した噴射角度で、噴射され
ることも可能となっている。薬液Bの噴射圧や噴射量と
の絡で、プリント配線基板材Aに噴射された薬液Bは、
偏在,片寄り,滞留,液溜まりF,流れの混在、等々が
発生することが多々ある。そこで、これらの発生が顕著
な場合は、噴射角度をより傾斜させることにより、プリ
ント配線基板材A上で薬液Bの上流側や下流側に向けた
流れを形成させ、もって、これらの発生を解消させるよ
うにする。これに対し、これらの発生が少ない場合は、
噴射角度をより少なくしたり直角に設定したりする。こ
のように、この薬液噴射装置6では、薬液Bの噴射角度
を、直角とするか前後に若干傾斜させるかを、適宜変更
設定できるようになっている。
【0068】8)第8に、この薬液噴射装置6は、図
3,図4,図5の(1)図,(2)図等に示したよう
に、所定の管体10,スリット部材11,スリット状噴
射口7を備えた構造よりなる。すなわち、搬送されるプ
リント配線基板材Aの左右の幅方向Dに配設された管体
10に、前後1対のスリット部材11を組み付け、両ス
リット部材11間に、スリット状噴射口7を極薄の前後
間隔として形成し、管体10の開口部12と連通せしめ
てなる、構造よりなる。そこで、ポンプや配管3を介し
て圧送されてきた薬液Bは、管体10の内部へと導かれ
た後、管体10の開口部12から両スリット部材11間
のスリット状噴射口7へと供給され、プリント配線基板
材Aへ向けて噴射される。
【0069】そして、このような構造の薬液噴射装置6
にあっては、次のような各種の工夫が施されている。ま
ず、図6に示したように、管体10の開口部12が、左
右の幅方向Dに沿った1本の長穴よりなると共に、この
開口部12に、ブリッジ部14が適宜間隔にて掛け渡さ
れている。もって、供給される薬液Bの液圧にて、開口
部12が伸縮することが防止される。従って、管体10
の開口部12付近に取付けねじ16(図5の(2)図を
参照)にて組み付けられたスリット部材11が、このよ
うな伸縮により変位することが防止されるので、結局、
スリット状噴射口7のスリット幅が、変化することも回
避される。
【0070】又、図4の(1)図に示したように、管体
10の開口部12とスリット状噴射口7間には、フィル
ター18が介装されている。もって、管体10の内部か
らスリット状噴射口7へと供給される薬液B中に混入し
ていたごみが除去され、例えば0.015mm程度のス
リット幅よりなり0.01mm台の精度が要求されるス
リット状噴射口7について、その目詰まりが防止され
る。
【0071】更に、図4の(2)図,図5の(1)図,
(2)図等に示したように、管体10に付設され両スリ
ット部材11を収納する前後の板壁15に、左右の幅方
向Dに間隔を存しつつ複数個の貫通孔20が形成され、
一方側の板壁15の各貫通孔20に、微調整機構19の
押しねじ8が挿着され、他方側の板壁15の各貫通孔2
0に、微調整機構19の引張りねじ9が挿着されてい
る。そこで、この押しねじ8や引張りねじ9にて、スリ
ット部材11の左右の幅方向Dの必要箇所について、押
圧力や引張力を加え微細にわたり押したり引いたりする
ことにより、スリット部材11間の間隙として形成され
たスリット状噴射口7の前後間隔幅つまりスリット幅
を、左右の幅方向Dの各所で自在に微調整可能となって
いる。そして、このような微調整により、例えば0.1
5mm程度のスリット幅よりなり0.01mm台の精度
が要求されるスリット状噴射口7を、全体的に容易に広
く又は狭く均一化可能であり、もって、スリット状噴射
口7から噴射される薬液Bの幕厚を微調整し、広く又は
狭く均一化可能となる。
【0072】この薬液噴射装置6にあっては、このよう
に、ブリッジ部14による伸縮防止、フィルター18に
よる目詰まり防止、微調整機構19によるスリット幅調
整、等の工夫が採用されている。そして、これら各種の
工夫により、この薬液噴射装置6では、例えば0.15
mm程度のスリット幅よりなり0.01mm台の精度が
要求されるスリット状噴射口7から、薬液Bが、確実に
全体的に均一な液圧と液量となり、均一な幕状となって
噴射される。
【0073】ここで、図7に示した薬液噴射装置6につ
いて述べておく。以上説明した図3等に示した例におい
て、薬液噴射装置6のスリット状噴射口7は、雰囲気中
・空中に配設されていたが、本発明はこれに限定される
ことなく、例えば図7に示したように液中例えば薬液B
中に配設された例にも、適用される。
【0074】この図7に示した薬液噴射装置6につい
て、更に詳述しておく。この例では、コンベヤ4と薬液
噴射装置6とが、処理室の薬液Bにて満たされた薬液槽
26の薬液B中に、配設されている。そこで、ホイール
5やローラー等のコンベヤ4にて挟まれて薬液槽26の
貯溜された薬液B中を搬送されるプリント配線基板材A
等の薄板材に対し、薬液噴射装置6のスリット状噴射口
7から、薬液槽26の貯溜された薬液B中において、新
鮮な薬液Bが噴射される。このように、雰囲気中ではな
く貯溜された薬液B中において、更に新鮮な薬液Bが噴
射される。この処理室では、このようにして、例えばプ
リント配線基板材Aについて、現像液,腐食液,剥離液
等の薬液Bにより、現像,エッチング,剥離等の化学処
理・薬液処理が行われ、もってプリント配線基板材Aの
外表面に所期の回路Gが形成される。
【0075】ところで、コンベヤ4や薬液噴射装置6
は、図7の例では、薬液槽26の薬液B中に全体的に配
設されているが、これによらない例も考えられる。つま
りコンベヤ4は、薬液槽26の薬液B中で、プリント配
線基板材A等の薄板材を搬送すれば、必要十分であり、
スリット状噴射口7等の薬液噴射装置6も、薬液槽26
の薬液B中で、プリント配線基板材A等の薄板材に対し
新鮮な薬液Bを噴射できれば、必要十分である。つま
り、コンベヤ4や薬液噴射装置6の一部が、薬液槽26
の薬液B中ではなく、雰囲気中・空中に配されていても
よい。なお、この図7に示した例の薬液噴射装置6につ
いて、その他の構成,機能等は、図1,図2,図3,図
4,図5,図6等の例について、前述したところに準じ
るので、同符号を付しその説明は省略する。図7に示し
た薬液噴射装置6は、このようになっている。
【0076】
【発明の効果】本発明の請求項1,2,3の薬液噴射装
置は、以上説明したように、左右の幅方向に配設される
スリット状噴射口について、例えば曲線波状や折れ線波
状に、一定ピッチで前後に折曲形成された構成を採用し
たことにより、次の効果を発揮する。
【0077】1)第1に、プリント配線基板材等の薄板
材の腰折れが、防止される。すなわち、この薬液噴射装
置のスリット状噴射口は、総延長距離が長く、薬液も、
総延長距離の長い曲線状や折れ線状に曲げられた幕状と
なって噴射されるので、薬液の噴射圧,重量,集中,イ
ンパクトが緩和される。もって、極薄化が進みフレキシ
ブルなプリント配線基板材等の薄板材ではあるが、噴射
箇所に折れ曲がり・腰折れが発生することは防止され
る。すなわち、前述したこの種従来例のように、薬液が
フラットな縦の幕状となって噴射され、強いインパクト
で集中した直線的な鋭い刃先状となって接触してしま
い、極薄でフレキシブルなプリント配線基板材等の薄板
材に、折れ曲がり・腰折れを生じさせるようなことは、
確実に防止される。
【0078】2)第2に、プリント配線基板材等の薄板
材について、液溜まりが発生することが、回避される。
すなわち、この薬液噴射装置にあっては、上述した第1
のように腰折れが防止されるので、前述したこの種従来
例のように、プリント配線基板材等の薄板材の腰折れ箇
所への薬液の液溜まりも回避され、薬液は順調に更新さ
れるようになる。そこで、プリント配線基板材等の薄板
材について、現像,エッチング,剥離等の化学処理・薬
液処理が、全体的に過不足なく均一に行われ、ムラ・バ
ラツキの発生は回避される。もって、形成される回路の
回路幅が均一化される等、回路の高密度化,微細化,高
精度化が進むプリント配線基板にとって、その意義は特
に大なるものがある。
【0079】3)第3に、プリント配線基板材等の薄板
材について、スムーズな搬送が確保される。すなわち、
この薬液噴射装置にあっては、上述した第1,第2のよ
うに腰折れや液溜まりが解消される。そこで、前述した
この種従来例のように、これらに起因して、極薄でフレ
キシブルなプリント配線基板材等の薄板材が、コンベヤ
による搬送途中で蛇行,反り,跳ね上がったり、搬送が
中断したり、先行のものに後続のものが折り重なったり
する事態発生は、確実に回避される。プリント配線基板
材等の薄板材は、所期の通りスムーズに搬送されるよう
になる。
【0080】4)第4に、薬液の噴射圧や噴射量の規制
が、大幅に緩和される。すなわち、この薬液噴射装置で
は、薬液が、曲線状や折れ線状に曲げられた幕状となっ
て噴射されるので、噴射圧,重量,集中,インパクト等
が緩和された状態で、噴射対象に接触する。そこで、極
薄でフレキシブルなプリント配線基板材等の薄板材を噴
射対象とするものの、前述したこの種従来例に比し、薬
液の噴射圧を上げ、噴射量を増大させることができるよ
うになる。
【0081】5)第5に、そこで化学処理・薬液処理の
スピード,速度効率が向上し、薬液噴射装置の配設個数
を、削減することができる。すなわち、この薬液噴射装
置にあっては、上述した第4のように、噴射される薬液
の規制が大幅に緩和され、噴射圧を上げ噴射量を増大さ
せることができる。そこで、プリント配線基板材等の薄
板材について、前述したこの種従来例に比べ、現像,エ
ッチング,剥離等の化学処理・薬液処理のスピード,速
度効率を向上させることができ、現像装置,エッチング
装置,剥離装置等の処理室内における薬液噴射装置の配
設個数を、大幅に削減できるようになる。もって、処理
室の小型化が可能となると共に、設備コストも削減され
る。
【0082】次に、本発明の請求項4の薬液噴射装置
は、搬送方向に複数個配設されると共に、各々のスリッ
ト状噴射口の折曲ピッチを、左右にずらした構成を採用
したことにより、更に次の効果を発揮する。
【0083】6)第6に、プリント配線基板材等の薄板
材に噴射された薬液について、濃淡箇所の発生が回避さ
れる。すなわち、このスリット状噴射口を用いると、左
右方向をなす折曲箇所から噴射された薬液は、プリント
配線基板材等の薄板材に対し薄く噴射され、前後方向を
なす折曲箇所から噴射された薬液は、プリント配線基板
材等の薄板材に対し濃く噴射される傾向がある。そこ
で、各スリット状噴射口の折曲ピッチが、もしも左右に
ずれずに揃っていると、上述した傾向が重なって強ま
り、プリント配線基板材等の薄板材に噴射された薬液に
ついて、濃淡箇所が生じてしまう慮もある。これに対
し、各スリット状噴射口の折曲ピッチをずらしたことに
より、このような濃淡箇所の発生が確実に回避され、プ
リント配線基板材等の薄板材に噴射された薬液は、濃淡
なく全体的に均一な状態となる。もって、この面からも
均一な化学処理・薬液処理が実現される。
【0084】次に、本発明の請求項5の薬液噴射装置
は、前後の搬送方向に揺動,固定可能とし、スリット状
噴射口から噴射される薬液の噴射角度を、変更設定可能
とした構成を採用したことにより、次の効果を発揮す
る。
【0085】7)第7に、スリット状噴射口から噴射さ
れる薬液のプリント配線基板材等の薄板材に対する噴射
角度が、適宜変更可能となる。すなわち、この薬液噴射
装置において、薬液は、噴射対象のプリント配線基板材
等に対し、直角の噴射角度で真上や真下から噴射される
だけでなく、適宜必要に応じ、直角から例えば5度程度
前後に若干傾斜した噴射角度で噴射することも可能であ
る。そして、傾斜した噴射角度で薬液を噴射した場合
は、プリント配線基板材等にに噴射された薬液が、搬送
方向に沿い下流側や上流側に向けて規則的に流れた後、
流下,回収されるようになる。そこで、プリント配線基
板材等の中央部やその他の部分に、噴射された薬液が偏
在し片寄って滞留した液溜まりとなり、薬液の更新が妨
げられる事態の発生が、回避される。又、プリント配線
基板材等の上流側と下流側の両方向に向け、薬液の流れ
が混在形成されることもなくなり、この面からも、薬液
による化学処理・薬液処理が確実に実施されるようにな
る。
【0086】なお、このような薬液の偏在,片寄り,滞
留,液溜まり,流れの混在等の発生は、薬液の噴射圧や
噴射量と相関関係にあり、これらの発生が著しい場合
は、より大きな噴射角度に設定されるのに対し、これら
の発生が少ない場合ほど、小さな噴射角度そして直角に
設定される。さて、この薬液噴射装置が、例えば薄板材
たるプリント配線基板の製造工程で用いられた場合は、
上述した面からも、現像液,腐食液,剥離液等による現
像,エッチング,剥離等の化学処理・薬液処理が確実に
実施されるようになり、回路の高密度化,微細化,高精
度化の進展が著しいプリント配線基板にとって、その意
義は大なるものがある。
【0087】更に、本発明の請求項6のように、所定の
管体,スリット部材,スリット状噴射口を備えた薬液噴
射装置について、請求項7では、管体の長穴状の開口部
に、複数個のブリッジ部を掛け渡した構成を採用したこ
とにより、請求項8では、管体の開口部とスリット状噴
射口間に、フィルターを介装した構成を採用したことに
より、請求項9では、微調整機構にてスリット状噴射口
の幅そして薬液の幕厚を、左右の各所で微調整可能とし
た構成を採用したことにより、次の効果を発揮する。
【0088】8)第8に、薬液がスリット状噴射口から
精度高く均一に噴射されるようになる。すなわち請求項
7では、ブリッジ部を掛け渡してなることにより、薬液
の液圧にて管体の開口部が伸縮することが防止され、も
って、スリット状噴射口のスリット幅の変化が防止され
る。請求項8では、管体の開口部とスリット状噴射口間
にフィルターを介装したことにより、薬液中に混入して
いたごみが除去され、もって、スリット状噴射口の目詰
まりが防止される。請求項9では、微調整機構にてスリ
ット部材を微細にわたり押したり引いたりすることによ
り、幅方向の各所で、スリット状噴射口の前後間隔そし
て噴射される薬液の幕厚が、微調整可能となっている。
スリット状噴射口は、例えば0.15mm程度のスリッ
ト幅よりなり0.01mm台の精度が要求されるが、こ
れにより、精度高いスリット状噴射口が得られる。
【0089】これらにより、スリット状噴射口から噴射
される薬液も、確実に全体的に均一な噴射圧と噴射量に
て、例えば0.01mm台の精度で、全体的に精度高く
均一な一定幅の幕状となって、噴射される。そこで、こ
の薬液噴射装置が、例えば薄板材たるプリント配線基板
の製造工程で用いられた場合は、現像液,腐食液,剥離
液等の薬液が均一に噴射され、もって現像,エッチン
グ,剥離等の化学処理・薬液処理が、確実に精度高く均
一に実施されるようになる。プリント配線基板は、回路
の高密度化,微細化,高精度化の進展が著しく、このよ
うに確実で精度高く均一な化学処理・薬液処理が実現さ
れる意義は、特に大きい。このように、この種従来例に
存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効
果は、顕著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薬液噴射装置について、発明の実
施の形態の説明に供する底面(平面)概略図であり、
(1)図はその1例を、(2)図は他の例を、(3)図
は更に他の例を示す。
【図2】同発明の実施の形態の説明に供し、スリット状
噴射口の各種例を示す底面(平面)概略図であり、
(1)図は第1例を、(2)図は第2例を、(3)図は
第3例を、(4)図は第4例を、(5)図は第5例を、
(6)図は第6例を、(7)図は第7例を示す。なお、
(8)図は、この種従来例のスリット状噴射口を示す、
底面(平面)概略図である。
【図3】同発明の実施の形態の説明に供し、全体の側断
面図である。
【図4】同発明の実施の形態の説明に供する、要部の側
断面図であり、(1)図は、管体,スリット部材,フィ
ルター等を示し、(2)図は、管体,スリット部材,微
調整機構等を示す。
【図5】同発明の実施の形態の説明に供し、(1)図
は、全体の正面図、(2)図は、全体の側断面図であ
り、(3)図は、スリット部材の正面図、(4)図は、
スリット部材の平面図である。
【図6】同発明の実施の形態の説明に供し、(1)図
は、管体の開口部の1例の底面図、(2)図は、管体の
開口部の他の例の底面図である。
【図7】同発明の実施の形態の説明に供し、薬液中に薬
液噴射装置が配設された例の側面説明図である。
【図8】最近開発されたこの種従来例の説明に供し、全
体の側面図である。
【図9】同この種従来例の説明に供し、(1)図は要部
の側断面図、(2)図は要部の正面図、(3)図は要部
の底面図である。
【図10】同この種従来例の説明に供し、(1)図は平
面(底面)概略図、(2)図は要部の側面図である。
【図11】プリント配線基板(材)の平面説明図であ
る。
【符号の説明】
1 薬液噴射装置(この種従来例のもの) 2 スリット状噴射口(この種従来例のもの) 3 配管 4 コンベヤ 5 ホイール 6 薬液噴射装置(本発明のもの) 7 スリット状噴射口(本発明のもの) 8 押しねじ 9 引張りねじ 10 管体 11 スリット部材 12 開口部 13 液口 14 ブリッジ部 15 板壁 16 取付けねじ 17 凹部 18 フィルター 19 微調整機構 20 貫通孔 21 ねじ穴 22 分度器目盛 23 板体 24 ピン 25 分度器針 26 薬液槽 A プリント配線基板材(薄板材) B 薬液 C 搬送方向 D 幅方向 E 腰折れ F 液溜まり G 回路 H プリント配線基板(薄板材) K 間隙空間 M 接着
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H05K 3/06 H01L 21/30 569A (56)参考文献 特開 平7−98859(JP,A) 特開 平9−141178(JP,A) 特開 平6−188542(JP,A) 特開 平3−131362(JP,A) 実開 平3−59067(JP,U) 実開 平1−69677(JP,U) 実開 平4−56371(JP,U) 実公 平7−20914(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05B 12/00 - 13/06 B05C 5/00 C23F 1/08 G03F 7/30 H01L 21/027 H05K 3/06

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送される薄板材に対し薬液を噴射して
    化学処理を行う薬液噴射装置であって、スリット状噴射
    口を備えてなり、 該スリット状噴射口は、搬送される該薄板材に対し、前
    後の搬送方向ではなく左右の幅方向をカバーすべく対向
    配設され、該薬液を、該薄板材の外表面に向け縦の幕状
    に噴射すると共に、 該スリット状噴射口は、直線状をなさず、一定ピッチで
    前後に折曲形成されており、該薬液を前後に曲げられた
    幕状に噴射すること、を特徴とする薬液噴射装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した薬液噴射装置におい
    て、該スリット状噴射口は、曲線波状をなし、該薬液を
    前後に曲線状をなす幕状に噴射すること、を特徴とする
    薬液噴射装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載した薬液噴射装置におい
    て、該スリット状噴射口は、三角波,台形波,矩形波,
    のこぎり波等の折れ線波状をなし、該薬液を前後に折れ
    線状をなす幕状に噴射すること、を特徴とする薬液噴射
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載した薬液噴射装置におい
    て、該薬液噴射装置は、該薄板材の前後の該搬送方向に
    間隔を存しつつ複数個配設されると共に、少なくとも隣
    接する相互間において、該スリット状噴射口の折曲ピッ
    チが左右の該幅方向にずらされていること、を特徴とす
    る薬液噴射装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載した薬液噴射装置におい
    て、該薬液噴射装置は、付設された軸を中心に全体的
    に、該薄板材の該搬送方向に沿い前後に揺動可能である
    と共に、適宜揺動角度で固定可能となっており、 該スリット状噴射口から噴射される該薬液について、該
    薄板材に対する噴射角度を変更設定可能となっているこ
    と、を特徴とする薬液噴射装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載した薬液噴射装置であっ
    て、該薬液噴射装置は、該薬液を圧送する配管に接続さ
    れると共に左右の該幅方向に沿って配設された管体と、
    該管体に密に組み付けられた前後1対のスリット部材
    と、該両スリット部材間に極薄の折曲された前後間隙と
    して形成されると共に該管体に形成された開口部に連通
    する該スリット状噴射口と、を有してなること、を特徴
    とする薬液噴射装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載した薬液噴射装置におい
    て、該管体の開口部は、左右の該幅方向に沿って形成さ
    れた1本の長穴よりなると共に、該開口部の伸縮防止用
    のブリッジ部が、途中に適宜間隔にて複数個掛け渡され
    ていること、を特徴とする薬液噴射装置。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載した薬液噴射装置におい
    て、該管体の開口部と該スリット状噴射口との間に、フ
    ィルターが介装されていること、を特徴とする薬液噴射
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載した薬液噴射装置におい
    て、該管体には、該両スリット部材を収納する前後1対
    の板壁が左右の該幅方向に沿って付設され、該両板壁に
    は、それぞれ左右の該幅方向に間隔を存しつつ複数個の
    貫通孔が形成されており、 一方側の該板壁の貫通孔には、それぞれ該スリット部材
    に対し押圧力を加えることが可能な押しねじが挿着さ
    れ、他方側の該板壁の貫通孔には、それぞれ該スリット
    部材に対し引張力を加えることが可能な引張りねじが挿
    着されており、 該押しねじと引張りねじにて微調整機構が形成され、も
    って、該スリット状噴射口の極薄の前後間隔の幅が左右
    の該幅方向の各所で微調整可能、そして該スリット状噴
    射口にて噴射される該薬液の前後の幕厚が微調整可能と
    なっていること、を特徴とする薬液噴射装置。
  10. 【請求項10】 請求項1,2,3,5,6,7,8,
    又は9に記載した薬液噴射装置であって、該薬液噴射装
    置は、プリント配線基板の製造工程で用いられ、該薄板
    材は、外表面に回路が形成されるプリント配線基板材よ
    りなり、該薬液としては、現像液,腐食液,剥離液等が
    用いられること、を特徴とする薬液噴射装置。
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