JP3395888B2 - ヘルメットのシールド取付構造 - Google Patents

ヘルメットのシールド取付構造

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JP3395888B2
JP3395888B2 JP30918898A JP30918898A JP3395888B2 JP 3395888 B2 JP3395888 B2 JP 3395888B2 JP 30918898 A JP30918898 A JP 30918898A JP 30918898 A JP30918898 A JP 30918898A JP 3395888 B2 JP3395888 B2 JP 3395888B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明はヘルメットのシール
ド取付構造に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、この種のヘルメ
ットとして、特開平6−73605号公報には、ヘルメ
ット本体の両側部に結着されるベースと、ヘルメット本
体の前部開口部を覆うシールドの両端を前記ベースに回
動自在に取り付けるシールドホルダーと、該シールドホ
ルダーに係合するカバーを含んで構成され、前記シール
ドホルダーに形成された円弧状ガイド溝に、前記ベース
に突設されたガイド突起を係合せしめて前記シールドの
開閉動にクリック感を付与するようにしたヘルメットの
シールド開閉機構が知られている。
【0003】このヘルメットのシールド開閉機構では、
前記シールドホルダーの抜け止めのための係止爪が前記
ガイド突起の上端に一体に形成されており(公報第00
15段)、前記シールドホルダーには、円弧状のガイド
溝と、前記ベースのボスに嵌め込まれるべき孔が穿設さ
れており、ガイド溝にはシールドの開閉動によってベー
スのガイド突起が段階的に嵌合すべき4つの円弧状凹部
と切欠部が形成されている(公報第0017段)。ま
た、シールドホルダーのガイド溝の端部には、シールド
の全閉時にベースに突設された前記ストッパ突起が嵌合
すべき切欠円状のストッパ溝が形成されている。
【0004】さらに、前記カバーは、前記シールドホル
ダーと略同形状に成形されており、その裏面側には、シ
ールドホルダーの外周縁に嵌合すべき3つの係止片が一
体に形成されており、その上側及び後側には、シールド
ホルダーに形成された前記係止段部、係合溝に係合すべ
きリブがそれぞれ形成されている(公報第0020
段)。そして、前記カバーは、その係合片をシールドホ
ルダーの外周縁に嵌め込み、これを後方から前方へスラ
イドさせることによって、リブがシールドホルダーの係
止段部、係止溝にそれぞれ係合すると同時に、シールド
ホルダーのロック爪が係止突起に係合する(公報第00
26段)。
【0005】しかし、上記シールド開閉機構では、半円
筒状のガイド突起(公報第0015段)が、円弧状のガ
イド溝の円弧状凹部に順次嵌合し、シールドはその開度
が全閉から全開まで4段階に切り替えられると共に、そ
の開閉動にクリック感が付与される(公報第0029
段)ものであるため、シールドの開度を無段階で調整を
することができないと共に、開閉時に円弧状凹部にガイ
ド突起が嵌合するから、ガイド突起によりガイド溝に変
形応力が働くため、シールドの側部に所定の剛性が必要
となる。また、シールドの全閉時には、ガイド溝の端部
に設けたストッパ溝に、ベースのストッパ突起が嵌合す
る構成であるから、この嵌合の際に、シールドのストッ
パ溝が変形し、シールド端部の剛性を損ねる虞がある。
【0006】また、前記ベースはねじによりヘルメット
本体の外面に取付けられる(図1)が、ベースの孔をヘ
ルメット本体の孔に合わせて位置決めするものであるか
ら,他に基準となるものがなく、位置合わせが煩雑であ
り、また、ベースがヘルメット本体の外面に単独で表れ
る。
【0007】さらに、カバーの取付けにおいては、該カ
バーを後方から前方へスライドさせることによって、リ
ブがシールドホルダーの係止段部、係止溝にそれぞれ係
合すると同時に、シールドホルダーのロック爪が係止突
起に係合し、このようにしてカバーが後方に移動しない
ように固定することはできるが、カバーをホルダーカバ
ー側に密着するように固定することはできない。また、
前記カバーは、その係合片をシールドホルダーの外周縁
に嵌め込むようにして取り付けられ、前記係合片がシー
ルドホルダーの内面側に係合するから、上記のようにシ
ールドの端部の外面にシールドホルダーを固定し、この
シールドホルダーとベースとの間に隙間があるものでな
いと取付けることができない。
【0008】そこで、本発明はシールド開閉時の変形が
少なく、シールドの剛性を保持できるヘルメットのシー
ルド取付構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ヘル
メット本体の前面開口部を開閉するシールドと、前記ヘ
ルメット本体の両側部に設けるシールドベースと、この
シールドベースに設けられ前記シールドの側部を回動可
能に取付ける取付軸部と、前記シールドの側部に係合す
るシールドカバーとを備えたヘルメットにおいて、前記
シールドの側部に前記取付軸部を中心とした円弧状のガ
イド縁を有する回動規制孔を形成すると共に、前記ガイ
ド縁に係合する弾性腕を前記シールドベースに設け、前
記弾性腕は基端側を前記シールドベースに固定すると共
に、前記ガイド縁の長さ方向にほぼ沿って突設され先端
側を自由端とし、この弾性腕の先端側に、前記ガイド縁
に摺動する摺動部と、前記ガイド縁の外面側に係止する
係止部とを設け、前記シールドカバーの内面に係止爪を
突設すると共に、前記シールドの側部に前記係止爪が係
止する係止孔を穿設し、前記係止孔は一側に前記係止爪
を挿通する挿通部と、この挿通部に連設され前記係止爪
が係止して該係止爪を抜け止め状態とする係止縁とを有
し、前記シールドベースには、前記係止孔に対応して、
円弧状の凹部を形成し、前記シールドとシールドカバー
内面のいずれか一方に突起を設けると共に、前記係止爪
前記係止縁に係止する位置で前記突起が係入する係入
受部を前記シールドとシールドカバー内面のいずれか他
方に設けたものである。
【0010】この請求項1の構成によれば、係止部がガ
イド縁の外面側に係止して抜け止めがなされ、摺動部が
ガイド縁に摺動することにより、開度の調整ができる。
また、摺動部がガイド縁に摺動するが、その摺動部は自
由端である弾性腕の先端側に設けられていると共に、該
弾性腕がガイド溝のほぼ長さ方向に突設されているか
ら、該弾性腕の撓み性によりガイド縁の変形が少なく、
シールド端部の剛性を保持できる。また、シールドの端
部にシールドカバーを取り付ける際には、係止孔の挿通
部に係止爪を挿通し、シールドカバーを一側にスライド
して係止爪を係止縁に係止し、さらに、突起に筒部を係
入する。この筒部への突起の係入により、シールドカバ
ーの他側へのスライドが規制され、確実な固定状態が得
られる。このようにシールド端部にシールドカバーが一
体的に設けられるから、シールド端部の剛性を保持でき
。しかも、シールドベースに凹部を形成したから、シ
ールドの開閉時に係止爪がシールドベースに干渉するこ
とがなく、取付構造全体の薄型化を図ることがでる。
【0011】また、請求項2の発明は、前記シールドの
左右方向一側に嵌合爪部を設けると共に、シールドの全
閉位置で前記嵌合爪部が係脱可能な嵌合受部をシールド
ベースの外面に設けたものである。
【0012】この請求項2の構成によれば、シールドを
全閉すると、嵌合爪部が嵌合受部に係止して固定される
から、シールド端部にストッパ孔などの固定機構を設け
る必要がない。また、嵌合受部をシールドベースに設け
たから、ヘルメット本体に対するシールドベースの取付
け位置を調整することにより、シールドの全閉位置を調
整できる。
【0013】また、請求項3の発明は、前記弾性腕に近
接して前記シールドベースに規制突起を設け、この規制
突起に対応して前記回動規制孔の取付軸部側に規制縁を
形成すると共に、この規制縁に前記規制突起が係合する
ことにより前記シールドの前側への移動を規制し、前記
規制縁には、前記シールドの半開位置に対応して、前記
取付軸部側に凹んだ凹溝部を設けたものである。
【0014】この請求項3の構成によれば、シールドの
半開状態以外では、規制突起が規制縁に係止可能で、一
方、シールドの半開状態では、シールドを前方移動する
こと ができる。
【0015】また、請求項4の発明は、前記係入受部
前記シールドカバーの下部側に設け、前記シールドカバ
ーの下部に指掛け部を設けたものである。
【0016】この請求項4の構成によれば、指掛け部に
よりシールドカバーの下部を持ち上げて突起から筒部を
外すことができる。
【0017】また、請求項5の発明は、前記シールドカ
バーの周縁に前記シールドの外面に当設する当設突起を
設けたものである。
【0018】この請求項5の構成によれば、当接突起が
シールドの外面に部分的に当接することにより、シール
ドカバーのがたつきを防止できる。
【0019】
【発明の実施形態】以下、本発明の実施例を添付の図面
を参照して説明すると、図1ないし図22は本発明の一
実施例を示し、同図に示すように、本発明のヘルメット
本体1は、外殻をなす合成樹脂製のシェル2の前面に、
下部が開放した前面開口部3を設けジェット型であっ
て、前記シェル2の内面にビーズ発泡ポリ塩化ビニリデ
ン製の衝撃吸収ライナー4を設けている。前記シェル2
は、ポリプロピレンやABS樹脂などの弾性変形可能な
合成樹脂によって一体成型されている。前記開口部3
は、開閉自在なシールド5により覆われ、このシールド
5は、前記シェル2の左右両側面に設けた取付軸部6に
より回転自在に取付けられている。また、前記シェル2
の内面左右両側部には、顎ベルト7が一対のリベット
8,8により固定されている。また、前記前側開口部3
の縁には、弾性縁部材であるモール9が装着されてい
る。さらに、前記シールド5の端部にはシールドカバー
10が設けられ、このシールドカバー10は前記シールド5
の端部に係合し、該端部に対応した略三角形状をなす。
【0020】前記取付軸部6は、シールドベース11の後
部上方に一体に突設され、前記取付軸部6は筒状をなし
ている。この取付軸部6の先端には、一対の嵌合受部6
Aが形成され、この嵌合受部6Aは切欠き溝状をなす。
また、前記シェル2の外面には前記シールドベース11を
取り付ける取付用凹部12が形成され、この取付用凹部12
にはシェル2の内外を貫通する雌螺子部13,14が設けら
れている。また、前記取付軸部6の内径は、前記雌螺子
部13より大きく形成されている。
【0021】前記シールド5の端部には、前記取付軸部
6を挿通する取付孔15が穿設され、この取付孔15の外面
側には周段部15Aが周設され、この周段部15Aにビス16
の頭部が係入する。また、このビス16はワッシャ17に挿
通され、このワッシャ17には前記嵌合受部6A,6Aに
嵌合する回止め爪部17A,17Aが設けられている。
【0022】そして、前記取付軸部6に前記取付孔15を
嵌め、ワッシャ17を介してビス16を雌螺子部13に螺着す
ることにより、前記シールド5の端部を取付軸部6に回
動可能に取り付けることができる。
【0023】また、前記シールドベース11には、前記シ
ールド5に係止する弾性腕21を設けると共に、この弾性
腕21が係合する長孔状の回動規制孔22を前記シールド5
の端部に設け、この回動規制孔22には、前記取付軸部6
を中心とした円弧状のガイド縁23が形成され、このガイ
ド縁23の両側には円弧状に凹んだ係止縁部24,24が設け
られている。尚、ガイド縁23は、両側の係止縁部24,24
以外、取付軸部6を中心とした連続した円弧で構成され
ている。前記弾性腕21は、基端側を前記シールドベース
11に固定したレバー部21Aを有し、このレバー部21A
は、前記ガイド溝23の長さ方向にほぼ沿って突設され、
周囲に切欠き部25を設けて先端側が自由端になってい
る。尚、レバー部21Aの向きは、ガイド溝23の接線方向
に対して、略0度以上から45度以下であれば、ガイド
溝23の長さ方向にほぼ沿った向きとなる。前記レバー部
21Aの先端側に、前記ガイド縁23に所定の圧接力で摺動
する摺動部26を設けると共に、この摺動部26の外側に前
記ガイド縁23の外面側に係止するフック状の係止部27を
一体に設けている。また、前記弾性腕21に近接して前記
シールドベース11には、規制突起28が設けられ、この規
制突起28に対応して前記回動規制孔22に規制縁29が形成
され、この規制縁29は前記取付軸部6を中心とした円弧
状であって、その中央には取付軸部6側に凹んだ凹溝部
29Aが形成されている。そして、前記規制縁29に規制突
起28が係合することにより、シールド5の前側への移動
が規制される。
【0024】前記シールド5の端部には、前記取付軸部
6をほぼ中心とした円弧状の係止孔31が穿設され、この
係止孔31に係止する係止爪32が前記シールドカバー10の
内面に突設されている。前記係止孔31の一側には、前記
係止爪32を挿通する挿通部33が形成されると共に、この
挿通部33に連設して該挿通部33より幅狭な係止部34が形
成されており、この係止部34に前記係止爪32が係止する
係止縁34Aが設けられている。
【0025】また、閉成位置のシールド5の前記係止孔
31に対応して、前記シールドベース11には、円弧状の凹
35が形成され、この凹35により前記係止爪32の移動
が規制される。さらに、閉成位置のシールド5の前記係
止孔31の中央に対応して、前記シールドベース11には、
円形のビス用凹部36が形成され、このビス用凹部36の底
部に前記雌螺子部14に連通する透孔37が穿設され、この
透孔37は前記雌螺子部14より大きく形成されている。そ
して、前記透孔37に挿通したビス36が雌螺子部14に螺着
される。
【0026】前記シールドカバー10の内面一側には、係
入受部たる筒部41が設けられ、この筒部41に挿入する突
起42が前記シールド5の外面に突設されている。また、
前記シールドカバー10の内面には、前記取付軸部6に対
応して、皿型凹部43が形成され、この皿型凹部43内に前
記ビス16の頭部が収納される。尚、この皿型凹部43はシ
ールドカバー10の外面側においても皿型をなす。前記シ
ールドカバー10の周囲には、内外方向で内面側に突設し
た周縁部44が設けられ、この周縁部44の端面には、該シ
ールドカバー10の3箇所の角部位置に対応して、球面状
をなす小凸部45,45,45が設けられている。さらに、前
記皿型凹部43を挟んで凸部46,46が設けられ、それら小
凸部45,45,45及び凸部46,46がシールド5の外面に部
分的に当接することにより、がたつきが防止され、前記
小凸部45,45,45及び凸部46,46は、シールドカバー10
のがたつきを防止する当接突起である。
【0027】また、前記係止爪32は、前記係止孔31の一
側である下部側に設けられており、前記シールドカバー
10の下部には指掛け部47が設けられ、この指掛け部47
は,前記周縁部44の一部が外面側に起き上がって形成さ
れている。また、前記シールド5の端部外面には、前記
シールドカバー10の周縁部44が係合する段部51が形成さ
れ、この段部51は、連続する突条52の内側に形成されて
いる。
【0028】また、前記シールドベース11の前側縁に
は、薄肉周縁部11Aが形成され、この薄肉周縁部11Aを
挿入する挿入受部9Aが、前記モール9の内面側と前記
シェル2の外面との間に形成されている。
【0029】さらに、前記シールド5の左右方向一側に
は、その内面に嵌合爪部61を突設し、この嵌合爪部61が
係脱可能な嵌合受部62を前記シールドベース11の外面前
側に設けている。また、嵌合爪部61の後部には傾斜部61
Aが形成されている。
【0030】次に前記シールドの取付構造につき、その
取り扱い方法を説明すると、シェル2にシールドベース
11を取付ける際には、図18に示すように、薄肉周縁部
11Aを挿入受部9Aに挿入することにより、位置合わせ
が容易となり、また、モール9とシールドベース11とが
連続し、見切りが良くなる。そして、ビス38を透孔37に
挿通し、雌螺子部14に螺着する。続いて、図19に示す
ように、弾性腕21の係止部27を、ガイド縁23の中央側に
係止すると共に、取付軸部6に取付孔15を嵌め、ワッシ
ャ17に挿通したビス16を取付軸部6から雌螺子部13に螺
着する。そして、図20に示すように、シールド5が全
閉の位置では、ビス38が回動規制孔22の凹溝部29Aの位
置にあり、回動規制孔22を通してビス38の操作ができる
から、両ビス16,17を緩め、全閉位置でシールド5がモ
ール9に密着するように、シールドベース11の位置を微
調整することができる。一方、全閉位置以外では、ビス
38の一部が規制縁29に隠れるから、ビス38の操作をする
ことはできない。次に、シールドカバー10を取り付ける
には、皿型凹部43をビス16に被せるようにして、シール
ド5の端部にシールドカバー10を当て、挿通部33に係止
爪32を挿し入れ、皿型凹部43側を中心としてシールドカ
バー10を下方にスライドされ、筒部41に突起42を嵌め入
れる。これにより、係止爪32が係止孔31の係止縁34Aに
係止し、シールドカバー10がシールド5の外面に固定さ
れる。このように筒部41と突起42との係合状態では、シ
ールドカバー10のスライドが規制され、係止爪32が係止
縁34Aに係止して確実な固定状態が得られる。また、こ
の状態で、シールド5の周縁部44は段部51に係合する。
【0031】そして、シールド5が全閉位置では、弾性
腕21の係止部27が係止縁部24に係止すると共に、シール
ド5の右側内面の嵌合爪部61が嵌合受部62に嵌合して位
置固定される。シールド5を開閉するには、シールド5
の右側縁内面を軽く押すと、図17(B)に示すよう
に、前記嵌合が解除され、シールド5を開くことができ
る。そしてまた、シールド5の開閉動作時には、摺動部
26が規制縁29に所定の押圧力で摺動し、無段階で開度を
調整できる。しかも、弾性腕21はほぼ規制縁29の長さ方
向のレバー部21Aの先端に設けられているから、ばね性
を有し、摺動時に規制縁29に無理な力が加わることな
く、所定の力でシールド5が開閉される。尚、全開時に
は、摺動部26が下側の係止部27に係止する。また、全開
時では、係止爪32の移動は、凹部35の上側段部35Aに規
制されるため、シールドカバー10が外れることはない。
【0032】一方、シールドカバー10を取り外す際に
は、指掛け部47により、シールドカバー10の下部側を持
ち上げると、突起42から筒部41が外れ、そのまま上方に
スライドさせると、係止爪32が係止孔31の挿通部33に移
動し、シールドカバー10を取り外すことができる。シー
ルドカバー10を取り外すと、ビス38を操作することがで
き、上述したように、シールドベース11の位置を調整で
きる。また、このシールドベース11の位置を調整して、
嵌合受部62の位置調整を行うできる。そして、シールド
5を半開位置とし、すなわち規制突起28を凹溝部29Aの
位置とし、ビス16を取り外し、さらに、取付軸部6から
取付孔15を外し、シールド5を前側に引くと、係止部27
がガイド縁23から外れ、シールド5を取り外すことがで
きる。
【0033】このように本実施例では、請求項1に対応
して、ヘルメット本体1の前面開口部3を開閉するシー
ルド5と、ヘルメット本体1の両側部に設けるシールド
ベース11と、このシールドベース11に設けられシールド
5の側部を回動可能に取付ける取付軸部6と、シールド
5の側部に係合するシールドカバー10とを備えたヘルメ
ットにおいて、シールド5の側部に取付軸部6を中心と
した円弧状ガイド縁23を有する回動規制孔22を形成す
ると共に、このガイド縁23に係合する弾性腕21をシール
ドベース11に設け、弾性腕21は基端側をシールドベース
11に固定すると共に、ガイド縁23の長さ方向にほぼ沿っ
て突設され先端側を自由端とし、この弾性腕21の先端側
に、ガイド縁23に摺動する摺動部26と、ガイド縁23の外
面側に係止する係止部27とを設けシールドカバー11の
内面に係止爪32を突設すると共に、シールド5の側部に
係止爪32が係止する係止孔31を穿設し、係止孔31は一側
に係止爪32を挿通する挿通部33と、この挿通部33に連設
され係止爪32が係止する係止縁34Aとを有し、シールド
ベース11には、係止孔31に対応して、円弧状の凹部35を
形成し、シールド5に突起41を設けると共に、係止爪32
が係止縁34Aに係止する位置で突起42が係入する筒部41
をシールドカバー11の内面に設けたものであるから、係
止部27がガイド縁23の外面側に係止して抜け止めがなさ
れ、摺動部26がガイド縁23に摺動することにより、開度
の調整ができる。また、摺動部26がガイド縁23に摺動す
るが、その摺動部23は、自由端である弾性腕21の先端側
に設けられていると共に、該弾性腕21がガイド溝23のほ
ぼ長さ方向に沿って突設されているから、該弾性腕21の
撓み性によりガイド縁23の変形が少なく、シールド5端
部の剛性を保持できる。また、シールド5の端部にシー
ルドカバー11を取り付ける際には、係止孔31の挿通部33
に係止爪32を挿通し、シールドカバー11を一側にスライ
ドして係止爪32を係止縁34Aに係止し、さらに、突起42
に筒部41を係入し、この筒部41への突起42の係入によ
り、シールドカバー11の他側である上方へのスライドが
規制され、確実な固定状態が得られる。このようにシー
ルド5端部にシールドカバー11が一体的に設けられるか
ら、シールド5端部の剛性を保持できる。しかも、シー
ルドベース11に凹部35を形成したから、シールド5の開
閉時に係止爪32がシールドベース11に干渉することがな
く、取付構造全体の薄型化を図ることがでる。
【0034】また、このように本実施例では、請求項2
に対応して、シールド5の左右方向一側に嵌合爪部61を
設けると共に、シールド5の全閉位置で嵌合爪部61が係
脱可能な嵌合受部62をシールドベース11の外面に設けた
ものであるから、シールド5を全閉すると、嵌合爪部61
が嵌合受部62に係止して固定され、シールド5の端部に
ストッパ孔などの固定機構を設ける必要がなくなる。ま
た、嵌合受部62をシールドベース11に設けたから、ヘル
メット本体1に対するシールドベース11の取付け位置を
調整することにより、シールド5の全閉位置を調整でき
る。
【0035】また、このように本実施例では、請求項3
に対応して、弾性腕21に近接してシールドベース11に規
制突起28を設け、この規制突起28に対応して回動規制孔
22の取付軸部6側に規制縁29を形成すると共に、この規
制縁29に規制突起28が係合することによりシールド5の
前側への移動を規制し、規制縁29には、シールド5の半
開位置に対応して、取付軸部6側に凹んだ凹溝部29Aを
設けたから、シールド5の半開状態以外では、規制突起
28が規制縁29に係止可能で、一方、シールド5の半開状
態では、シールド5を前方移動することができる。
【0036】また、このように本実施例では、請求項
に対応して、係入受部たる筒部41をシールドカバー11の
下部側に設け、シールドカバー11の下部に指掛け部47を
設けたものであるから、指掛け部47によりシールドカバ
ー11の下部を持ち上げて突起42から筒部41を外すことが
できる。
【0037】また、このように本実施例では、請求項
に対応して、シールドカバー11の周縁にシールド5の外
面に当する当突起たる小凸部45及び凸部46を設けた
ものであるから、小凸部45及び凸部46がシールド5の外
面に部分的に当接することにより、シールドカバー11の
がたつきを防止できる。
【0038】実施形態上の効果として、前面開口部3の
縁部にはモール9が設けられ、シールドベース11の前側
縁に薄肉周縁部11Aを突設し、モール9とヘルメット本
体1の外面との間に薄肉周縁部11Aを挿入する挿入受部
9Aを設けたものであるから、薄肉周縁部11Aを挿入受
部9Aに挿入することにより、組立て時にシールドベー
ス11の位置合わせが容易となり、また、モール9とシー
ルドベース11の間に境がなくなり、モール9とシールド
ベース11が連続し、見切りがよくなると共に、外観意匠
性が向上する。また、シールド5の端部外面には、シー
ルドカバー11の周縁部44が係合する段部51が形成されて
いるから、シールドカバー11の周縁がシールド5の段部
51に係合し、シールド5にシールドカバー11が一体的に
設けられ、空気抵抗を削減することができる。
【0039】また、実施例上の効果として、取付軸部6
の先端に嵌合受部6Aを設け、ワッシャ17の回止め爪部
17Aが前記嵌合受部6Aに係止するから、ワッシャ17が
遊転することがなく、確実なビス16止めがなされる。ま
た、シールドベース11に規制突起28を設け、この規制突
起28に対応して回動規制孔22に規制縁29を形成し、この
規制縁29には、シールド5の半開位置に対応して、凹溝
部29Aを設けたから、半開状態以外では、規制突起28が
規制縁29に係止可能で、一方、シールド5の半開状態で
は、シールド5を前方移動してシールドカバー11から容
易に取り外すことができる。また、係止縁34Aに係止し
た係止爪31は、係止部34により上方へ抜け止め状態とな
る。すなわち、係止部34の幅より係止爪32の先端が幅広
に形成されている。さらに、嵌合爪部61の後側は傾斜部
61Aになっているから、嵌合をスムーズに行うことがで
きる。また、凹部35の上側には上側段部35Aが形成され
ているから、シールド5の全開位置では、係止爪33の移
動が防止され、シールドカバー10が外れることがない。
【0040】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨の範囲内において、種々の変形
実施が可能である。例えば、本発明は、ジェット型のヘ
ルメットに限らず、フルフェース型、スクーターなどの
半キャップ型など各種のヘルメットに適用可能である。
また、実施例では弾性腕を上向きとしたが、下向きとし
てもよい。さらに、実施例では、シールドに突起を設
け、シールドカバーの内面に筒部を設けたが、シールド
に筒部を設け、シールドカバーに突起を設けるようにし
ても良い。
【0041】
【発明の効果】請求項1の発明は、ヘルメット本体の前
面開口部を開閉するシールドと、前記ヘルメット本体の
両側部に設けるシールドベースと、このシールドベース
に設けられ前記シールドの側部を回動可能に取付ける取
付軸部と、前記シールドの側部に係合するシールドカバ
ーとを備えたヘルメットにおいて、前記シールドの側部
に前記取付軸部を中心とした円弧状ガイド縁を有する
回動規制孔を形成すると共に、前記ガイド縁に係合する
弾性腕を前記シールドベースに設け、前記弾性腕は基端
側を前記シールドベースに固定すると共に、前記ガイド
縁の長さ方向にほぼ沿って突設され先端側を自由端と
し、この弾性腕の先端側に、前記ガイド縁に摺動する摺
動部と、前記ガイド縁の外面側に係止する係止部とを設
前記シールドカバーの内面に係止爪を突設すると共
に、前記シールドの側部に前記係止爪が係止する係止孔
を穿設し、前記係止孔は一側に前記係止爪を挿通する挿
通部と、この挿通部に連設され前記係止爪が係止して該
係止爪を抜け止め状態とする係止縁とを有し、前記シー
ルドベースには、前記係止孔に対応して、円弧状の凹部
を形成し、前記シールドとシールドカバー内面のいずれ
か一方に突起を設けると共に、前記係止爪が前記係止縁
に係止する位置で前記突起が係入する係入受部を前記シ
ールドとシールドカバー内面のいずれか他方に設けたも
のであり、シールド開閉時の変形が少なく、シールドの
剛性を保持できるヘルメットのシールド取付構造を提供
することができる。
【0042】また、請求項2の発明は、前記シールドの
左右方向一側に嵌合爪部を設けると共に、シールドの全
閉位置で前記嵌合爪部が係脱可能な嵌合受部をシールド
ベースの外面に設けたものであり、シールド開閉時の変
形が少なく、シールドの剛性を保持できるヘルメットの
シールド取付構造を提供することができる。
【0043】また、請求項3の発明は、前記弾性腕に近
接して前記シールドベースに規制突起を設け、この規制
突起に対応して前記回動規制孔の取付軸部側に規制縁を
形成すると共に、この規制縁に前記規制突起が係合する
ことにより前記シールドの前側への移動を規制し、前記
規制縁には、前記シールドの半開位置に対応して、前記
取付軸部側に凹んだ凹溝部を設けたものであり、シール
ド開閉時の変形が少なく、シールドの剛性を保持できる
ヘルメットのシールド取付構造を提供することができ
る。
【0044】また、請求項の発明は、前記係入受部
前記シールドカバーの下部側に設け、前記シールドカバ
ーの下部に指掛け部を設けたものであり、シールド開閉
時の変形が少なく、シールドの剛性を保持できるヘルメ
ットのシールド取付構造を提供することができる。
【0045】また、請求項の発明は、前記シールドカ
バーの周縁に前記シールドの外面に当設する当設突起を
設けたものであり、シールド開閉時の変形が少なく、シ
ールドの剛性を保持できるヘルメットのシールド取付構
造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すヘルメット本体の側面
図である。
【図2】本発明の一実施例を示すヘルメット本体のシー
ルド取付構造の断面図である。
【図3】本発明の一実施例を示すヘルメット本体の斜視
図である。
【図4】本発明の一実施例を示すヘルメット本体の正面
図である。
【図5】本発明の一実施例を示すヘルメット本体をシー
ルドベースの側面図である。
【図6】本発明の一実施例を示すシールドベースとシー
ルドの側面図であり、シールドの全閉状態を示す。
【図7】本発明の一実施例を示すシールドベースとシー
ルドの側面図であり、シールドの半開状態を示す。
【図8】本発明の一実施例を示す弾性腕回りの側面図で
ある。
【図9】本発明の一実施例を示すシールドベースの断面
図である。
【図10】本発明の一実施例を示すシールドカバーの外
面側の側面図である。
【図11】本発明の一実施例を示すシールドカバーの内
面側の側面図である。
【図12】本発明の一実施例を示すシールドカバーの内
面側の要部の側面図である。
【図13】本発明の一実施例を示す図12のH−H線断
面図である。
【図14】本発明の一実施例を示すシールドカバーの周
縁部の断面図である。
【図15】本発明の一実施例を示すシールドカバーの断
面図である。
【図16】本発明の一実施例を示すシールドカバーの端
部を内面側から見た側面図である。
【図17】本発明の一実施例を示す嵌合爪部と嵌合受部
の断面図であり、図17(A)は嵌合状態、図17
(B)は外れた状態を示す。
【図18】本発明の一実施例を示すヘルメット本体への
シールドベースの取付けを説明する斜視図である。
【図19】本発明の一実施例を示すシールドベースへの
シールドの取付けを説明する斜視図である。
【図20】本発明の一実施例を示すシールドカバーの取
付けを説明する斜視図である。
【図21】本発明の一実施例を示すシールドカバーの指
掛け部の使用を説明する斜視図である。
【図22】本発明の一実施例を示すシールドの取り外し
を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1 ヘルメット本体 3 前面開口部 5 シールド 6 取付軸部 9 モール 9A 挿入受部 10 シールドカバー 11 シールドベース 11A 薄肉周縁部 21 弾性腕 22 回動規制孔 23 ガイド縁 26 摺動部 27 係止部28 規制突起 29 規制縁 29A 凹溝部 31 係止孔 32 係止爪 33 挿入部 34A 係止縁35 凹部 41 筒部(係入受部) 42 突起 44 周縁部 47 指掛け部 45 小凸部(当接突起) 46 凸部(当接突起) 51 段部 61 嵌合爪部 62 嵌合受部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−73605(JP,A) 特開 平5−209303(JP,A) 特開 平8−199418(JP,A) 実開 平3−63535(JP,U) 実開 平1−122032(JP,U)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘルメット本体の前面開口部を開閉する
    シールドと、前記ヘルメット本体の両側部に設けるシー
    ルドベースと、このシールドベースに設けられ前記シー
    ルドの側部を回動可能に取付ける取付軸部と、前記シー
    ルドの側部に係合するシールドカバーとを備えたヘルメ
    ットのシールド取付構造において、前記シールドの側部
    に前記取付軸部を中心とした円弧状ガイド縁を有する
    回動規制孔を形成すると共に、前記ガイド縁に係合する
    弾性腕を前記シールドベースに設け、前記弾性腕は基端
    側を前記シールドベースに固定すると共に、前記ガイド
    縁の長さ方向にほぼ沿って突設され先端側を自由端と
    し、この弾性腕の先端側に、前記ガイド縁に摺動する摺
    動部と、前記ガイド縁の外面側に係止する係止部とを設
    前記シールドカバーの内面に係止爪を突設すると共
    に、前記シールドの側部に前記係止爪が係止する係止孔
    を穿設し、前記係止孔は一側に前記係止爪を挿通する挿
    通部と、この挿通部に連設され前記係止爪が係止して該
    係止爪を抜け止め状態とする係止縁とを有し、前記シー
    ルドベースには、前記係止孔に対応して、円弧状の凹部
    を形成し、前記シールドとシールドカバー内面のいずれ
    か一方に突起を設けると共に、前記係止爪が前記係止縁
    に係止する位置で前記突起が係入する係入受部を前記シ
    ールドとシールドカバー内面のいずれか他方に設けたこ
    とを特徴とするヘルメットのシールド取付構造。
  2. 【請求項2】 前記シールドの左右方向一側に嵌合爪部
    を設けると共に、シールドの全閉位置で前記嵌合爪部が
    係脱可能な嵌合受部をシールドベースの外面に設けたこ
    とを特徴とする請求項1記載のヘルメットのシールド取
    付構造。
  3. 【請求項3】 前記弾性腕に近接して前記シールドベー
    スに規制突起を設け、この規制突起に対応して前記回動
    規制孔の取付軸部側に規制縁を形成すると共に、この規
    制縁に前記規制突起が係合することにより前記シールド
    の前側への移動を規制し、前記規制縁には、前記シール
    ドの半開位置に対応して、前記取付軸部側に凹んだ凹溝
    部を設けたことを特徴とする請求項1記載のヘルメット
    のシールド取付構造。
  4. 【請求項4】 前記係入受部を前記シールドカバーの下
    部側に設け、前記シールドカバーの下部に指掛け部を設
    けたことを特徴とする請求項1記載のヘルメットのシー
    ルド取付構造。
  5. 【請求項5】 前記シールドカバーの周縁に前記シール
    ドの外面に当する当突起を設けたことを特徴とする
    請求項1記載のヘルメットのシールド取付構造。
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