JP3394823B2 - 振幅位相変調器 - Google Patents

振幅位相変調器

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JP3394823B2 JP21618394A JP21618394A JP3394823B2 JP 3394823 B2 JP3394823 B2 JP 3394823B2 JP 21618394 A JP21618394 A JP 21618394A JP 21618394 A JP21618394 A JP 21618394A JP 3394823 B2 JP3394823 B2 JP 3394823B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、振幅位相変調器に係
り、特にディジタル信号を送信する送信機に適した振幅
位相変調器に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯型の電話などが普及しつつあるが、
このような無線機器においては小型化、低消費電力化を
図ることは非常に重要なファクターになる。このような
状況に伴って変・復調回路にも小型化、低消費電力化が
望まれている。
【0003】図14は従来のアナログ直交変調器の構成
を示すブロック図である。
【0004】同図に示す直交変調器は2系列のディジタ
ルで与えられる変調信号をアナログ変調信号に変換する
D/Aコンバータ1、2と各D/Aコンバータの出力に
含まれるサンプリングノイズを除去するローパスフィル
タ3、4と、ローカル信号を発生するシンセサイザ5
と、シンセサイザ5が出力するローカル信号の周波数を
π/2移相するπ/2移相器6と、ローパスフィルタ3
の出力でπ/2移相器6の出力を振幅変調するミキサ7
と、ローパスフィルタ4の出力でシンセサイザ5の出力
を振幅変調するミキサ8と、各ミキサの出力を合成し、
振幅位相変調波を出力する合成器9とで基本的に構成さ
れる。なお、ミキサ7、8は振幅変調器を用いることが
できる。
【0005】この種の直交変調器はD/Aコンバータ
1、2以後はアナログ信号処理なので、種々の誤差と歪
みを発生する。通常、歪みを少なくするには信号に対し
て十分大きいバイアス電流が必要であり、消費電流が大
きくなる問題があった。この問題はミキサを振幅変調器
として用いた場合も共通である。また、直交変調器では
精度の高い変調をするためには、誤差補正のため補正回
路や補正信号発生回路等の補正手段が必要になるなど、
回路規模が大きくなるという問題があった。
【0006】一方、高精度のディジタル直交変調器とし
ては、1991年電子情報通信学会秋季大会講演論文集
B−239に見られるように、ディジタル的に信号を構
成する方法も提案されているが、この方式は、精度をよ
くするためには多ビットのディジタル信号を高速に処理
しなくてはならず、回路規模も大きくなり、かつ消費電
力も大きく、携帯用無線端末等には不向きである。
【0007】そこで、本発明者は、デルタシグマ変調を
応用し、低消費電力でかつ調整箇所が少ない振幅位相変
調器を提唱した(特願平5−20072号)。
【0008】図15はその振幅位相変調器の構成を示す
ブロック図である。
【0009】同図に示すように、変調信号I及びQは、
ベクトルデルタシグマ変調器10によってa,b,c,
dの4つの記号で表される信号列に変換され、選択信号
として選択器11に入力される。
【0010】選択器11には所望の出力周波数の4倍の
周波数の基準信号も入力されており、選択器11の分周
回路によってそれぞれ位相が90°づつ異なる4つの信
号を発生させる。
【0011】例えば、選択信号aが選択器11に入力さ
れると、選択器11はcosωtを出力する。同様に、
選択器11に選択信号b,c,dが入力されると、選択
器11はsinωt,−cosωt,−sinωtを出
力する。
【0012】ベクトルデルタシグマ変調器10は、変調
信号I,Qの周波数に比べて十分高い周波数のクロック
で作動しており、選択器11の出力であるcosωt,
sinωt,−cosωt,−sinωtの各信号は、
それぞれ方形パルス状の包絡線を持つ。
【0013】この変調器は、方形パルスの密度によって
振幅を制御するパルス密度変調方式と同様に、cosω
t,sinωt,−cosωt,−sinωtの各位相
のパルスの混合割合によって所望周波数における振幅と
位相を変調するものである。図16は図15に示したベ
クトルデルタシグマ変調器10の構成を示すブロック図
である。
【0014】同図に示す符号化器12は、2つのスカラ
ー入力x,yによって現される座標が図17に示す座標
平面上の第1象限に入る場合はa,第2象現の場合は
b,第3象限の場合はc,第4象限の場合はdを出力す
る。
【0015】符号化器12の出力は、ベクトルデルタシ
グマ変調10の出力信号(選択信号)として出力される
一方、ベクトル再生器13に入力される。ベクトル再生
器13は、選択信号に応じた座標を出力する。ベクトル
再生器13の入出力関係は図18のように表すことがで
きる。ベクトル再生器13の出力信号(座標信号)は、
変調信号I,Qとともに、線形変換器14に入力され
る。
【0016】ここで、線形変換器14の入出力関係は
【数1】 のように行列式で表すことができる。
【0017】ところで、振幅位相変調では、ディジタル
信号を伝送する場合が多い。特に、QPSK変調方式の
ように限られた種類の入力信号を扱う場合には、予め計
算機などでデルタシグマ変調をシミレーションした結果
をメモリに保存し、変調入力に応じて呼び出すことが考
えられる。
【0018】すなわち、QPSK変調では、図19に示
すように、図15ないし図16に示したベクトルデルタ
シグマ変調器10の前段にマッピング装置16を配置
し、これらベクトルデルタシグマ変調器10とマッピン
グ装置16とで信号変換装置15を構成する。そして、
信号変換装置15のマッピング装置16が入力した送信
データを位相平面上の座標に変換し、ベクトルデルタシ
グマ変調器10への変調信号I,Qを生成する。ベクト
ルデルタシグマ変調器10は入力した変調信号I,Qを
選択器10への選択信号に変換する。ここで、信号変換
装置15を構成するベクトルデルタシグマ変調器10と
マッピング装置16は、どちらも離散時間の信号変換を
行う手段である。また、送信データも選択信号を構成す
る数ビットのディジタル信号列である。そこで、上述し
たようにベクトルデルタシグマ変調器10とマッピング
装置16とからなる信号変換装置15をメモリを用いた
信号変換手段に置き換えることが考えられる。
【0019】図20は図19に示した信号変換手段をメ
モリを用いて実現した例である。同図に示すように、信
号変換装置17は、図19に示した信号変換装置15に
相当するもので、アドレス生成装置18とメモリ19と
で構成される。そして、アドレス生成装置18は、入力
した送信データをメモリ19に対する所定のメモリアド
レスに変換する。メモリ19は、指定されたメモリアド
レスの出力データを出力する。その出力は、送信データ
に対応したベクトルデルタシグマ変調器10(図19参
照)の出力に相当する。
【0020】しかしながら、量子化雑音の影響が少ない
出力信号を得るためには、サンプリング周波数を高く設
定する必要がある。このため、上述したメモリを用いる
場合、記憶しておくべきシミレーション結果のデータ量
が大きくなり、大きなメモリ容量が必要であるという問
題を生じる。
【0021】例えば、変調器が、図3に示すように、信
号点が、、、であるQPSK信号を発生するも
のとする。a,b,c,dは、ベクトルデルタシグマ変
調器10が出力する信号列であり、a,b,c,dの座
標上の位置(r,θ)は、選択器11が出力するパルス
の振幅と位相を表している。
【0022】現在、位相平面上に該当する符号を出力
しているとする。次の符号は、、、のいずれか
なので、位相の変化は図4のように表すことができる。
【0023】ここで、例えばの次にを出力する場合
を考えると、図4のからに向かう矢印線に沿って、
位相が変化していく。ベクトルデルタシグマ変調器10
は、信号列a,b,c,dの数の割合でこれを表現す
る。信号列a,b,c,dの数の割合とは、例えば位相
平面上の点をこれにより表現するならば、aを80
個,bを50個,cを20個,dを50個といったもの
である。そして、この割合をからに向かう矢印線に
沿った形で変化させていき、例えばaを50個,bを8
0個,cを50個,dを20個となったときに、位相平
面上の点が表現されたことになる。上述したシミレー
ションした結果をメモリに保存しておくこととは、例え
ばからにいくまでにベクトルデルタシグマ変調器1
0が出力する一連の信号列をメモリに保存しておくこと
を意味する。
【0024】以上の例は、の次にを出力する場合を
考えていたが、実際には図4のようにの次に、の
次に、の次に、図5のようにの次に、の次
に、…、さらに図示をしないがの次に、…、の
次に、…、などがある。しかも、無線通信では、占有
>周波数帯域を狭くするために、変調信号に帯域制限を
かけることが多い。帯域制限をすると位相平面上の符号
間の軌跡は、その前後の符号の影響を受けることにな
る。従って、例えばからへの位相の変化(軌跡)に
ついても、の前の符号によってそれぞれ異なる。例え
ばの前の符号がととでは、からへの位相の変
化(軌跡)が異なる。
【0025】以上の説明よりデルタシグマ変調をシミレ
ーションした結果は極めて膨大なデータ量となることが
分かる。従って、シミレーションした結果をメモリに保
存し、変調入力に応じて呼び出すようにした場合、大き
なメモリ容量のメモリが必要とされる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】このように本発明者が
提唱したデルタシグマ変調による振幅位相変調器は、消
費電力を低減しかつ調整箇所を少なくすることができる
が、予めデルタシグマ変調をシミレーションした結果を
メモリに保存し、変調入力に応じて呼び出す構成とした
場合に、記憶しておくべきシミレーション結果のデータ
量が大きくなり、大きなメモリ容量のメモリが必要であ
るという問題を生じる。
【0027】本発明は、このような課題を解決するため
になされたもので、予めデルタシグマ変調をシミレーシ
ョンした結果をメモリに保存し、変調入力に応じて呼び
出す構成としたデルタシグマ変調による振幅位相変調器
にあって、記憶しておくべきシミレーション結果のデー
タ量を少なくし、小さなメモリ容量のメモリで実現可能
な振幅位相変調器を提供することを目的としている。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するため、振幅位相変調における位相平面上の所定
の信号点から次の信号点までのベクトルデルタシグマ変
換結果による第1の軌跡を表現する信号列を予め複数記
憶し、入力した変調信号に応じて前記複数の信号列のう
ち1つの信号列を選択して出力する信号再生手段と、所
定の位相制御信号に応じて、前記信号再生手段により出
力された信号列を、前記位相平面上の送信データに対応
するベクトルデルタシグマ変換結果による第2の軌跡を
表現する信号列に変換する位相変換手段と、この位相変
換手段により変換された信号列の各信号に応じて周波数
が等しく位相または振幅が異なる複数の信号のうち1つ
の信号を選択して出力する選択手段とを具備する。
【0029】また、本発明は、振幅位相変調における
相平面上の所定の信号点から次の信号点までのベクトル
デルタシグマ変換結果による第1の軌跡を表現する信号
列を予め複数記憶し、入力した変調信号に応じて前記複
数の信号列のうち1つの信号列を選択して出力する信号
再生手段と、現在出力されている変換信号列の位相平面
上の位相に対応する位相制御信号を生成する位相制御信
号生成手段と、この位相制御信号生成手段により生成さ
れた位相制御信号に応じて、前記信号再生手段により出
力された信号列を、前記位相平面上の送信データに対応
するベクトルデルタシグマ変換結果による第2の軌跡を
表現する変換信号列に変換する位相変換手段と、この位
相変換手段により変換された変換信号列の各信号に応じ
て周波数が等しく位相または振幅が異なる複数の信号の
うち1つの信号を選択して出力する選択手段とを具備す
る。
【0030】
【作用】本発明では、信号再生手段より出力される同一
の信号列に、位相変換手段より位相平面上の回転やある
軸に対して線対称な信号に変換するといった信号変換を
行うことによって必要な信号列を生成することができる
ので、記憶すべきデータ量を小さくすることができる。
そして、データが小さくなればメモリ容量の小さいすな
わちチップ面積が小さい集積回路で振幅位相変調器を実
現できる。また、位相変調方式では、差動符号化方式が
採用されることが多いが、位相変換装置に差動符号化処
理を担当させることができるので、差動符号化器を省略
することができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0032】図1は本発明の一実施例に係る振幅位相変
調器の構成を示すブロック図である。 同図において、
20はベクトルデルタシグマ変調器であり、信号再生装
置21と位相変換装置22とから構成される。このベク
トルデルタシグマ変調器20は、図15に示したベクト
ルデルタシグマ変調器10とは構成が異なるが、変調信
号I,Qに対して出力する選択信号が図15に示したベ
クトルデルタシグマ変調器10と同一である。また、2
3は選択器であり、図15に示した選択器11と同一構
成である。
【0033】次に、この実施例の振幅位相変調器を図1
9に示した振幅位相変調器と対応付けて説明する。図2
はこの実施例の振幅位相変調器の構成を示す図である。
【0034】同図に示す位相変換装置22と信号再生装
置24と位相信号生成装置27とからなる構成が、図2
0に示した信号変換装置17に相当する。信号再生装置
24は、アドレス生成装置25とメモリ26とで構成さ
れる。そして、送信データは、信号再生装置24のアド
レス生成装置25と位相信号生成装置27に入力され
る。アドレス生成装置25は、送信データをそのデータ
に応じたメモリアドレス信号に変換する。アドレス生成
装置25は、送信データをそのデータに応じた位相制御
信号に変換する。ここで、図19に示した振幅位相変調
器装置においては、メモリ19が各送信データごとにそ
れぞれ異なる出力データを予め保持し、アドレス生成装
置18が異なる送信データに対してそれぞれ異なるアド
レスを発生している。これに対して、図2に示す振幅位
相変調器においては、メモリ26が位相平面上で回転す
れば等しくなる出力データをすべて同一のデータとみな
し、これらの同一のデータを1つの出力データとして保
持している。アドレス生成装置25は、入力した送信デ
ータに応じたアドレスを生成するが、位相平面上で回転
すれば等しくなる出力データに対応するアドレスを同一
のアドレスとして生成する。位相信号生成装置27は、
現在選択器23に入力されている信号列の位相平面上の
位相に対応する位相制御信号を生成する。つまり、位相
平面上回転すれば等しくなる出力データの場合、同一の
出力データがメモリ26から位相変換装置22へ入力さ
れるが、位相平面上回転している出力データの場合、そ
れぞれ位相に応じた異なる位相制御信号が位相信号生成
装置27から位相変換装置22へ入力されるので、結果
としては選択器23には図20の信号変換装置17から
選択器11に入力される信号列と同じ信号列が入力され
る。
【0035】図2のように構成された振幅位相変調器
が、図3に示すように、信号点が、、、である
QPSK信号を発生するものとして、本実施例をより具
体的に説明する。ここで、a,b,c,dは、位相変換
装置22が出力する信号列であり、a,b,c,dの座
標上の位置(r,θ)は、選択器23が出力するパルス
の振幅と位相を表している。
【0036】現在、位相平面上に該当する符号を出力
しているとする。次の符号は、、、のいずれか
なので、位相の変化は図4のように表すことができる。
【0037】次に、位相平面上に該当する符号を出力
しているとする。次の符号は、、、のいずれか
なので、このときの位相の変化は図5に示すように表す
ことができる。ここで、図4と図5とを比較すると、図
4を反時計方向に90°回転させると図4と一致するこ
とが分かる。
【0038】メモリ26には、位相平面上の信号点か
ら始まり次の信号点、、、までのベクトルデル
タシグマ変換結果が予め記録されている。
【0039】位相変換装置22は、図6に示すように、
位相信号生成装置27から出力される位相制御信号に応
じてメモリ26から入力した入力信号a,b,c,dを
信号a,b,c,dのいずれかに変換するものである。
ここで、位相制御信号は、本実施例では、この振幅位相
変調器が現在位相平面上に該当する符号を出力してい
るときはP1 、現在位相平面上に該当する符号を出力
しているときはP2 、現在位相平面上に該当する符号
を出力しているときはP3 、現在位相平面上に該当す
る符号を出力しているときはP4 とされる。
【0040】ここで、信号再生装置24にからに移
るようにすなわち位相平面上反時計回り方向の隣の符号
に移るように送信データが入力されると、信号再生装置
24は、位相平面上のからへの軌跡に相当するa,
b,c,dの信号列を出力する。信号列の信号は、位相
変換装置22に入力される。
【0041】そして、現在の位相制御信号がP1 である
ので、位相変換装置22は、信号再生装置24から出力
された信号列をそのまま選択器23に出力する。
【0042】信号点から信号点までの符号列の再生
が終わると、位相制御信号はP2 に変更される。
【0043】次に、信号再生装置24にからに移る
ようにすなわち位相平面上反時計回り方向の隣の符号に
移るように送信データが入力されると、信号再生装置2
4は、上述した場合と同様の位相平面上のからへの
軌跡に相当するa,b,c,dの信号列を出力する。信
号列の信号は、位相変換装置22に入力される。
【0044】そして、位相信号生成装置27から位相変
換装置22に入力される位相制御信号がP2 であるの
で、位相変換装置22は、信号再生装置24から出力さ
れた信号列をaはbに、bはcに、cはdに、dはaに
変換する。その結果、選択器23の出力はからへの
軌跡をたどる。
【0045】このように本実施例の振幅位相変調器は、
信号点から始まり次の信号点、、、までのベ
クトルデルタシグマ変換結果だけを予め記録しておけば
よく、信号点、、から始まり次の信号点、、
、までのベクトルデルタシグマ変換結果を記録して
おく必要がないので、メモリ容量を大幅に低減すること
ができる。
【0046】また、本発明の振幅位相変調器は、差動符
号化方式の場合には特に有利である。つまり、差動符号
化方式QPSK変調方式では、位相平面上反時計回り方
向の隣の符号に移ること、位相平面上時計回り方向の隣
の符号に移ること、対角線方向の符号に移ること、また
は動かないこと、がそれぞれ符号に対応させてあるの
で、従来のアナログ変調器に使うには、差動符号化装置
が必要であった。これに対して、本発明の振幅位相変調
器は、上述したように差動符号化前の信号を信号再生装
置24に入力すれば、差動符号化の効果を位相変換装置
22に担わせることができる。
【0047】なお、位相変換装置22の入出力関係を図
7に示すように規定すれば、例えば位相制御信号をP5
にすることにより、信号再生装置24から出力される
からへの信号列の出力を、信号点からへの信号列
に変換できる。このように鏡像の関係にある軌跡も、共
通のデータから構成することができる。
【0048】図8は本発明の第2の実施例を説明するた
めの図である。
【0049】ここでは、8相PSK用変調器の信号点配
置を示している。振幅位相変調器の構成は、図2に示し
たものと同じになるが、信号再生装置24に8相QPS
K用の信号を記憶させる必要がある。位相変換装置22
は信号点から各信号点までの符号列と、信号点から
各信号点までの符号列を記憶している。始めの信号点の
番号が奇数のときは信号点のデータを用い、始めの信
号点の番号が偶数のときは信号点のデータを用いる。
【0050】従って、第1の実施例と同様にこの第2の
実施例でも、位相変換装置22の入出力関係を図7のよ
うにすれば、鏡像関係のデータ変換も可能である。例え
ば、信号点から信号点への信号列を位相制御信号P
5 により変換すれば、信号点から信号点への信号列
になり、信号点から信号点の信号列を位相制御信号
P8 により変換すれば信号点から信号点への信号列
になる。よって、信号再生装置24で記憶しておく必要
があるデータは、信号点から始まり信号点〜まで
のデータと、信号点から始まり信号点〜までのデ
ータである。
【0051】8相PSKの信号点配置はπ/4シフトQ
PSKと同じになるが、π/4シフトQPSKの場合、
図8の奇数の信号点から奇数の信号点へのデータと偶数
の信号点から偶数の信号点へのデータが不要になる。
【0052】図9は本発明の第3の実施例を説明するた
めの図である。
【0053】同図は16QAM用変調器の信号点配置を
示している。この実施例の振幅位相変調器は、この信号
点配置に適用されるものである。この実施例の振幅位相
変調器の構成は図2と同じくするが、信号再生装置24
に16QAM用の信号を記憶させる必要がある。この場
合、信号点、信号点、信号点から各信号点までの
データと図6に規定する変換により、変調信号を構成で
きる。
【0054】図10は本発明の第4の実施例を説明する
ための図である。
【0055】同図はQPSK用変調器の信号点配置を示
している。この実施例の振幅位相変調器は、この信号点
配置に適用されるものである。この場合の選択器23は
90°ずつ位相が異なる信号と振幅0の信号の5つより
1つを選んで出力する。位相変換装置22の入出力関係
は図11に示すようになる。
【0056】図12は本発明の第5の実施例を説明する
ための図である。
【0057】同図はπ/4シフトQPSK用変調器の信
号信号点配置を示している。この実施例の振幅位相変調
器は、この信号点配置に適用されるものである。この場
合の位相変換装置22の入出力関係は図13に示す通り
である。信号再生装置24は信号点から信号点まで
のデータと、信号点から信号点までのデータを記憶
している。各信号点から反時計回りの方向の符号列は、
位相制御信号P1 〜P8 によって得られる。各信号点か
ら時計回りの方向の符号列は、位相制御信号P9 〜P16
によって得られる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように本発明の振幅位相変
調器によれば、メモリによって構成されるベクトルデル
タシグマ変調器に必要なメモリ容量を小さくすることが
できるので、小さなチップ面積の集積回路でベクトルデ
ルタシグマ変調回路を実現でき、安価に振幅位相変調器
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る振幅位相変調器の構
成を示すブロック図である。
【図2】 図1の振幅位相変調器の構成をさらに具体的
に示すブロック図である。
【図3】 本発明の一実施例に係る振幅位相変調器の信
号点配置図である。
【図4】 位相遷移の説明図である。
【図5】 位相遷移の説明図である。
【図6】 本発明の一実施例に係る振幅位相変調器にお
ける位相変換装置の入出力関係を示す図である。
【図7】 本発明の一実施例に係る振幅位相変調器にお
ける位相変換装置の他の入出力関係を示す図である。
【図8】 本発明の第2の実施例に係る振幅位相変調器
の信号点配置図である。
【図9】 本発明の第3の実施例に係る振幅位相変調器
の信号点配置図である。
【図10】 本発明の第4の実施例に係る振幅位相変調
器の信号点配置図である。
【図11】 本発明の第4の実施例に係る振幅位相変調
器における位相変換装置の入出力関係を示す図である。
【図12】 本発明の第5の実施例に係る振幅位相変調
器の信号点配置図である。
【図13】 本発明の第5の実施例に係る振幅位相変調
器における位相変換装置の入出力関係を示す図である。
【図14】 従来のアナログ直交変調器の構成を示すブ
ロック図である。
【図15】 従来の振幅位相変調器の構成を示すブロッ
ク図である。
【図16】 図15に示したベクトルデルタシグマ変調
器の構成を示すブロック図である。
【図17】 図16に示した符号化器の出力を示す図で
ある。
【図18】 図16に示したベクトル再生器の入出力関
係を示す図である。
【図19】 図15に示した振幅位相変調器の構成をよ
り具体的に示すブロック図である。
【図20】 図19に示した振幅位相変調器の信号変換
装置をメモリにより構成した例を示す図である。
【符号の説明】
20…ベクトルデルタシグマ変調器、21、24…信号
再生装置、22…位相変換装置、23…選択器、25…
アドレス生成装置、26…メモリ、27…位相信号生成
装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 27/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振幅位相変調における位相平面上の所定
    の信号点から次の信号点までのベクトルデルタシグマ変
    換結果による第1の軌跡を表現する信号列を予め複数記
    憶し、入力した変調信号に応じて前記複数の信号列のう
    ち1つの信号列を選択して出力する信号再生手段と、 所定の位相制御信号に応じて、前記信号再生手段により
    出力された信号列を、前記位相平面上の送信データに対
    応するベクトルデルタシグマ変換結果による第2の軌跡
    を表現する信号列に変換する位相変換手段と、 この位相変換手段により変換された信号列の各信号に応
    じて周波数が等しく位相または振幅が異なる複数の信号
    のうち1つの信号を選択して出力する選択手段とを具備
    することを特徴とする振幅位相変調器。
  2. 【請求項2】 振幅位相変調における位相平面上の所定
    の信号点から次の信号点までのベクトルデルタシグマ変
    換結果による第1の軌跡を表現する信号列を予め複数記
    憶し、入力した変調信号に応じて前記複数の信号列のう
    ち1つの信号列を選択して出力する信号再生手段と、 現在出力されている変換信号列の位相平面上の位相に対
    応する位相制御信号を生成する位相制御信号生成手段
    と、 この位相制御信号生成手段により生成された位相制御信
    号に応じて、前記信号再生手段により出力された信号列
    を、前記位相平面上の送信データに対応するベクトルデ
    ルタシグマ変換結果による第2の軌跡を表現する変換信
    号列に変換する位相変換手段と、 この位相変換手段により変換された変換信号列の各信号
    に応じて周波数が等しく位相または振幅が異なる複数の
    信号のうち1つの信号を選択して出力する選択手段とを
    具備することを特徴とする振幅位相変調器。
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