JP3394777B2 - 位相学的に分離された、コードされた固相ライブラリー - Google Patents

位相学的に分離された、コードされた固相ライブラリー

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Description

【発明の詳細な説明】 本出願は、本明細書に全体が参考として内含されてい
る1993年5月27日に出願された同時係属出願第08/068,3
27号の一部継続出願である。
1.発明の分野 本発明は、個別相合成支持体に付着された合成試験化
合物のライブラリーに関する。特に、本発明は、合成試
験化合物の構造をコードするコーディングポリマー配列
をも含む個別相合成支持体にとりつけられた合成試験化
合物のライブラリーに関する。固相合成支持体ビーズの
各々には、単一のタイプの合成試験化合物及び該合成試
験化合物の構造をコードする単一かつ唯一でしかも容易
に決定できるコーディングポリマー配列が含まれてい
る。合成試験化合物は、アミド、尿素、カルバメート
(すなわちウレタン)、エステル、アミノ、スルフィ
ド、ジスルフィドといったリンケージ又はアルカン及び
アルケンといった炭素−炭素のリンケージ又はそれらの
あらゆる組合せを伴うバックボーン構造をもつことがで
きる。合成試験化合物は同様に、単環又は二環式炭水化
物の誘導体、ステロイド、糖、複素環式構造、多価芳香
族構造又は足場として作用することのできるその他の構
造といった分子足場でもありうる。本発明は同様に、か
かるライブラリーを合成する方法、及び合成試験化合物
ライブラリーの中から問題の分子を同定し特徴づけする
ための、かかるライブラリーの使用にも関する。
2.発明の背景 リガンドの認識及び結合が、免疫認識、細胞シグナリ
ング及び交信、転写及び翻訳、細胞内シグナリング及び
酵素触媒作用を含むほぼ全ての生物学的プロセスを調節
している。その結果、ホルモン、成長因子又は神経伝達
物質といったリガンドのアンタゴニスト又はアゴニスト
として役立つため;B細胞(抗体媒介)又はT細胞(細胞
性)免疫を誘発するため;化学反応の触媒作用を誘発す
るため;そして転写又は翻訳のレベルで遺伝子発現を調
節するためといったような目的で使用できる分子を同定
することに対する長年にわたる関心が当該技術分野には
存在している。この関心の主たる理由は、薬物としてこ
れらの生物学的に活性な分子を直接使用し、又必要な場
合にはこれらの分子を薬物として機能しうる誘導体へと
変換したいという願望にある。
多くの生物学的リガンドはタンパク質又はペプチドで
ある。このリストには、大部分のホルモン、成長因子、
神経活性分子及び免疫エピトープが含まれている。この
ような理由から、レセプター又は酵素を媒介とする生物
学的活性のアゴニスト又はアンタゴニストを開発する初
期の研究努力には、ペプチド設計及び合成が関与してい
た。しかしながら、望ましい生物学的活性を有すること
がわかったペプチドは、往々にして薬物としては適して
いない。薬物となるためには、ペプチドは往々にして、
誘導体又は構造的類似体すなわち大部分のペプチドとは
異なり満足のいく薬物動態及び安定性特性を有するペプ
チド擬似体へと変換される必要がある。医薬品として有
用であるか又は見込みのあるペプチド擬似体の開発につ
いて記述する数多くの刊行物が出現している;いつかの
最近の例としては、Rudy Baum,Chemical & Engineerin
g News内、1月18日、1993年、33ページ;Hirschmann,R.
et al.J.Am.Chem.Soc.,1992年,114,9699−9701;Hirschm
ann,R.et al.J.Am.Chem.Soc.,1992,114,9217−9218があ
る。
生物学的に活性な化合物の発見は、困難で時間がかか
り、しかも極度に費用のかかるプロセスでありうる。こ
の分野における主要な問題は、望ましい特性を有する単
一の化学構造を多数の可能性ある関連構造の中から同定
することにある。この発見プロセスが、構造設計、合成
及び生物学的試験という連続した戦略を利用する場合、
望まれる化学構造の同定は、きわめて面倒なものとな
る。このきわめて要求度の高い仕事を避けるために、さ
まざまな構造をもつ数多くの分子のライブラリーを調製
することができる。理想的には、このようなライブラリ
ーは迅速にスクリーニング及び評価できるものである。
ライブラリー合成及びスクリーニングのこの分野にお
ける作業の多くは、例えばGeysen(Geysen et al.,分子
免疫学,1986,23,709−715;Geysen et al.,J.Immunologi
c Methods,1987,102,259−274),Foder(Foder et al,S
cience,1991,251,767−773)及びHoughten(Houghten e
t al.,Nature,1991,354,84−86)のアプローチのよう
に、ペプチドを用いて行なわれてきた。しかしながら、
かかるライブラリーは、一定の与えられた実験において
調製、試験及び同定されうる可能性ある構造的変異体の
数の点で制限されている。
サブユニットの組合せから生じた単一のポリマー種が
単一の固体支持体に付着されているポリマー合成試験化
合物の真に無作為のライブラリーの発明は、ペプチド又
は非常に重要なことにペプチド擬似体である生物学的に
活性な化合物の発見における1つの突破口となった。
(「ランダムバイオオリゴマーライブラリー、その合成
方法及びその使用方法」という題で1991年6月19日付け
で提出された米国特許出願題07/717.454号及び「ランダ
ムペプチドライブラリー、その合成方法及びその使用方
法」という題の1990年7月2日付けで出願された米国特
許出願第07/456,845号を参照のこと)。
ペプチド擬似体といったような非ペプチド有機化合物
は往々にして、或る種のレセプター又は酵素に対する親
和力という面でペプチドリガンドにまさっている。これ
までの記録を上回る最も緊密なビオチンとアビジンの結
合にはタンパク質(アビジン)と非ペプチド有機構造
(ビオチン)の結びつきが関与している。親和力の高い
生物学的リガンドとして究極的には新しくかつ重要な薬
物を迅速に同定するための有効な戦略には、水素結合、
塩橋、π−錯化、疎水効果などといった生物学的受容体
(アクセプター)(例えばレセプター又は酵素)との単
数又は複数のタイプの相互作用を樹立することのできる
さまざまな構造単位を含む非ペプチド構造のさまざまな
ライブラリーの迅速な構築及びスクリーニングが必要と
される。しかしながら、非ペプチド分子を含む合成試験
化合物ライブラリーの生成及びスクリーニングに関する
研究は、現在その揺籃期にある。この分野からの一例を
挙げると、それは固体支持体上でのベンゾジアゼピンの
組合せ合成についてのEllman及びBuninの研究である
(J.Am.Chem.Soc.114,10997,(1992);Chemical and En
gineering News,1993年1月18日、33ページを参照のこ
と)。
非ペプチドライブラリーの生成及び使用の分野におけ
る未解決の1つの主要な問題は、将来性ある生物学的活
性を示すライブラリーから選択された分子構造の解明で
ある。
ペプチドライブラリーと連繋して合成される唯一のヌ
クレオチド配列コードを用いて1つのライブラリーから
選択されたペプチドの構造を発見しようとする試みが、
最近Brenner及びLernerによって記述されてきた(Brenn
er,S.及びLerner,R.A.Proc.Nat'l.Acad.Sci.USA,1992,8
9,5381−5383)。各ペプチドに付着されたコードのヌク
レオチド配列は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を介し
て増幅可能でなくてはならない。しかしながら、ヌクレ
オチド合成技術は、多くのタイプの分子ライブラリーの
合成に必要とされる合成技術の全てと相容れないもので
ある。その上、生物検定中の標的レセプター又は酵素と
リガンドとの結合に干渉するこれらの分子間の相互作用
を結果としてもたらしうるライブラリー内のヌクレオチ
ド及び合成試験化合物の近接性も又、このアプローチを
制限している。ライブラリーのヌクレオチド構成要素も
又、さまざまな形で生物検定中に干渉してくる可能性が
ある。
Kerr et al(J.Am.Chem.Soc.,1993,115,2520−2531)
は、ペプチドコーディング鎖と平行して非天然アミノ酸
残基を含むペプチドの溶液相ライブラリーを合成するこ
とを報告した。このライブラリー中のペプチドリガンド
とそのコーディング鎖は、一緒に共有結合されており、
このため、合成試験化合物と対応するコードの対の分離
及び配列決定が可能となっている。しかしながら、前出
のBrenner及びLernerにより記述されている核酸コード
化されたライブラリーの場合がそうであるように、コー
ディングペプチドは、スクリーニング検定を干渉する可
能性がある。その上、コーディングペプチドの配列を得
るために親和力選択方法でライブラリーからの充分な量
の材料を精製することに対する必要条件が、数千種以上
のライブラリーの合成をはばんでいる。
かくして、さまざまな化学的クラスに属する化合物の
ライブラリーを生成しスクリーニングするための新しく
一般的でかつ用途の広い方法に対するニーズが、当該技
術分野において存在している。さらに、例えばEdmanの
分解又は質量分析法単独といった従来の技術によっては
決定できない構造をもつ、スクリーニングの結果として
ライブラリーから選択された化合物の構造を解明するた
めの有効な方法に対するさらなるニーズも存在してい
る。当該技術分野でのさらにもう1つのニーズは、近接
性効果を通して合成試験化合物の結合に影響を与えるか
又はスクリーニング検定内で相互作用することのない分
子コーディングシステムである。
本明細書中の参考文献の引用又は識別は、かかる参考
文献が本発明に対する先行技術として利用可能であると
いう容認としてみなされるべきものではない。
3.発明の概要 本発明は、各々の支持体に対して単一の化合物種が付
着されている、個別相支持体に付着された合成試験化合
物のライブラリーに向けられている。この化合物は、ア
ミド、尿素、エステル、エーテル、カルバメート、アミ
ン、スルフィド、ジスルフィド、炭素−炭素、例えばア
ルカン、アルケン及びアルキンなどのリンケージを有す
るが、これらに制限されるわけではない。特に、化合物
はポリアミド、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリエステ
ル、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリアミン、ポ
リアルカン、ポリスルフィド、ポリジスルフィド又はか
かる結合のいずれかの組合せを含むポリマーであると考
えられる。この化合物は同様に、さまざまな置換基を明
確な位置に有する分子足場であってもよく、この場合、
足場は単環式又は二環式炭化水素、ステロイド、糖、複
素環式構造又は多環式芳香族分子でありうる。
本発明はさらに、個別相支持体上のコーディング分子
の配列が、支持体に付着された合成試験化合物に正確に
対応する、すなわちこの化合物をコードしている、合成
試験化合物のコードされたライブラリーに関する。好ま
しい一実施形態においては、コーディング分子はペプチ
ドである。1つの変形実施形態はいくつかのサブユニッ
トが従来の配列決定技術によって区別できないものであ
るような配列決定可能な試験化合物のライブラリーのコ
ーディングを包含している。コーディングは、カップリ
ング混合物に第3の識別可能なコーディングサブユニッ
トの小さい分画を付加することによって達成される。こ
の分画コーディングと呼ばれるコーディング技術におい
ては、独立したコーディング分子は全く存在しない。
本発明は同様に、各々の個別相支持体上でコーディン
グ分子から合成試験化合物が位相学的に分離されてい
る、コードされたライブラリーをも提供する。個別相支
持体が樹脂ビーズである好ましい一実施形態において
は、合成試験化合物は樹脂ビーズの表面上に位置設定さ
れ、一方コーディング分子はビーズの内部に大量に位置
設定されている。もう1つの実施形態においては、合成
試験化合物は、開裂可能なリンカーにより個別相支持体
に付着され、コーディング分子は開裂不可能なリンカー
又は別途開裂可能なリンカーと共に支持体に付着されて
いる。この実施形態においては、スクリーニング検定
中、合成試験化合物は、コーディング分子が支持体に付
着された状態にとどまっている一方で、例えば溶液中へ
といったように個別相支持体から放出されうる。
本発明は同様に、合成試験化合物のライブラリー及び
合成試験化合物のコードされたライブラリーの合成方法
にも向けられている。合成試験化合物の合成には、個別
相支持体の各部分の分離、及び、付加したサブユニット
が合成試験化合物上の官能基と反応できるような条件下
での各部分と合成試験化合物の単一のサブユニットとの
反応が関与している。コードされたライブラリーを調製
しなくてはならない場合には、化合物のサブユニットに
対応するコーディング分子のサブユニットは、コーディ
ングサブユニットが個別相支持体のコーディング成分と
のみ反応することになる別々の組の反応条件を用いて、
組換えされる前に分離した各部分に対して付加される。
コーディングサブユニットが後に続く合成試験化合物サ
ブユニットの結合として記述される反応の順序は、重要
ではない。この順序は、コーディングサブユニット反応
とそれに続く合成試験化合物サブユニットであるのがよ
いかもしれない。重要なのは、両方の反応が固相支持体
の同じ部分上で実施されることである。
個別のカップリング段階の後、各部分は、徹底的に混
合されて無作為化される。希望する数の化合物サブユニ
ットが付加されるまで、個別のカップリング及び徹底的
な混合のプロセスが反復される。その後、個別相支持体
からコーディング分子又は化合物のいずれかを開裂する
ことなく、化合物(そして該当する場合にはコーディン
グ配列)上に残るあらゆる官能基保護基が除去される。
本発明は同様に、ライブラリーをスクリーニングする
ための方法にも向けられている。ライブラリーを個別相
支持体上の受容体分子の結合活性又は放出された化合物
の結合活性についてスクリーニングすることができる。
本発明はさらに、放出された化合物の生物学的スクリー
ニング検定をも提供している。
酵素活性、電子輸送活性及び光活性などがあるがこれ
らに制限されるわけではない、化合物についてのその他
のスクリーニング検定も同様に、本発明の考慮対象とな
っている。
スクリーニング検定において問題の活性を示す化合物
を含む固体支持体が選択される。化合物の構造は、例え
ば、質量分析法、核磁気共鳴分光法又はその他の分光方
法によって決定される。好ましくは、ライブラリーはコ
ードされたライブラリーであり、この場合、化合物の構
造は、容易に決定することのできるコーディング分子の
配列によってコードされる。
本発明の化合物は、治療薬又は診断薬のための糸口を
提供するものである。より好ましくは、化合物自体が治
療薬又は診断薬として有用でありうる。個別相支持体上
の化合物は同様に、例えばトランジスタ又は半導体とし
て、電子輸送のためにも有用でありうる。
4.図面の簡単な説明 図1.合成試験化合物のコードされたライブラリーを付着
させるための戦略。合成試験化合物のサブユニットは
[NONSEQ]として表わされている。コーディング分子は
A−B−Cで表わされている。(A)試験化合物及びコ
ーディング分子は、質量作用及び固有の反応性に基づい
て変更されうる統計的分布の形で、直接的に又はリンカ
ーを介して支持体に個別に付着され得る。(B)合成試
験化合物及びコーディング分子は、明確なモル比で、個
別相支持体上で同じリンカーに付着されうる。(C)合
成試験化合物は表面上に付着され、コーディング分子
は、樹脂ビーズといった個別相支持体の内部に付着させ
られる。代替的には、(C)において、コーディング分
子は表面上にあり、試験化合物は内部にあってもよい。
図2.「試験」化合物(Ala−Phe−Val)及びコーディン
グ分子(Gly−Tyr−Leu)が両方共ペプチドであるコー
ドされたライブラリーモデルの3つの形態。(A)「試
験」化合物は、Fmoc保護基を用いて合成され、コーディ
ング分子はBoc保護基を用いて合成された。Fmoc及びBoc
は直交する保護基である。(B)コーディングペプチド
のみがEdman分解により配列決定されることになるよう
に、Fmoc保護解除された「試験」化合物は、アセチル化
された。(C)コーディングペプチドは、トリフルオロ
アセチル(TFA)でブロックされ、「試験」化合物のEdm
an配列決定とそれに続くTFAの除去及びコーディングペ
プチドの配列決定を可能にした。ペプチドは、リシン分
枝をもつ安全捕獲アミドリンカー(SCAL;Patek及びLeb
l,1991,Tetrahedron Lett,32;3891−3894)を介してテ
ンタゲル(TentaGel TG)樹脂に付着された。
図3.1つのアミドを形成するためのカルボン酸とアミン
の反応、1つのアミドを形成するためのアミンとカルボ
ン酸の反応;1つのスルフィドを形成するためのアルキル
ハロゲニドとチオールの反応を含む、さまざまな可能性
ある結合化学を示す分枝足場ライブラリーモデル。
図4.受容体分子と足場合成試験化合物の相互作用のモデ
ル。(A)足場に付着された官能基は自由に適切な結合
コンホーメーションをとることができる。(B)足場上
の官能基は適切な結合コンホーメーション内に束縛され
ている。
図5.合成試験化合物のライブラリーを形成するよるラン
ダム構造で化学的に結合され得るサブユニットのいくつ
かの構造。
図6.Boc及びFmocでブロックされたサブユニットとの反
復的な縮合反応から形成された環式ライブラリーのモデ
ル。
図7.足場がシクロペンタンであるテンタゲル樹脂上の足
場ライブラリーの調製のためのスキーマ。
図8.本発明の足場ライブラリーを調製するのに使用され
るサブユニットの構造。サブユニットの各々に対する2
文字のアミノ酸ジペプチドコードは、各々のものの下に
示されている。このライブラリーの調製及び使用につい
ては、以下の第9節で記述されている。
5.発明の詳細な説明 本発明は、各々の個別相支持体が合成試験化合物の単
一の種を含んでいる、個別相支持体に付着された合成試
験化合物のライブラリー及び、かかるライブラリーの合
成及び使用方法に関する。「個別相支持体」という語
は、合成試験化合物を付着させることができ、かつ液体
中で不溶であるか又は液体と2相系を形成するマトリッ
クスのことを指す。好ましくは、個別の相は、固相であ
るが、ヒドロゲル及びエアロゲルといった個別の相を考
慮することもできる。
本明細書中で使用されている「合成試験化合物ライブ
ラリー」という語は、各々の個別相支持体の粒子が合成
試験化合物の単一の構造的種を含んでいる、個別相支持
体の粒子上の合成試験化合物のコレクションのことを意
味する。各々の支持体は、単一の構造的種の数多くのコ
ピーを含んでいる。例えば、固相ペプチド合成のための
標準的な樹脂支持体は、約50〜250pmolのペプチドを含
んでいる。合成試験化合物の構造は、「サブユニット」
の実質的に無作為の化学的組合せから誘導される。
本明細書で使用されているように、「合成試験化合
物」という語は、足場をもつか又はもたない2〜100、
より好ましくは2〜20のサブユニットから成る小さな分
子のことを言う。1つの実施形態においては、合成試験
化合物は、アミド、尿素、エステル、エーテル、カルバ
メート、アミン、スルフィド、ジスルフィド、炭素−炭
素、例えばアルカン、アルケン及びアルキンなどといっ
たようなリンケージを介して結合されたサブユニットで
形成されているポリマーである。特に、化合物には、以
下で詳述する通り、ポリカルバメート、ポリ尿素、ポリ
アミド、ポリエステル、ポリエーテルなど、又はそれら
のあらゆる組合せが含まれ得る。もう1つの実施形態に
おいては、合成試験化合物は、以下に詳述する通り、ス
テロイド、複素環式構造、多価芳香族環又は炭水化物構
造などといった無作為に機能化された分子足場であって
よい。
本明細書で使用されている「サブユニット」という語
は、規定の化学によって化学的サブ成分のリンケージに
より合成試験化合物を形成することになる、化学的サブ
成分のことを言う。例えば、「ペプチドライブラリー」
は、ペプチド(合成試験化合物)のコレクション、すな
わち、その他のいずれかのアミノ酸残基に先行するか又
は後続するいずれかのアミノ酸残基を含む配列をもつ2
−100個のα−アミノ酸残基(サブユニット)から成る
鎖のコレクションである。「ステロイド誘導体ライブラ
リー」の一例は、ステロイド核の特定の位置における一
組の官能基つまりサブユニットのいずれか1つを含むス
テロイド誘導体のコレクションである。
より好ましくは、本発明は、合成試験化合物のコード
されたライブラリーに関する。ここで「コードされたラ
イブラリー」というのは、各々の全く異なる化合物種が
各々の個別相支持体の上で、容易に決定できる構造をも
つコーディング分子と対を成し、そのライブラリー内の
その対パートナーに対する唯一の構造をコードしてい
る、1つのライブラリーのことである。コードされた分
子ライブラリーの好ましい一実施形態においては、コー
ディングポリマー分子は1つのペプチドである。もう1
つの実施形態においては、コーディングポリマー分子は
1つのオリゴヌクレオチドである。
ライブラリーの実施形態の例としては、以下のものが
含まれるが、これらに制限されるわけではない; 合成試験化合物がポリアミドである、すなわち合成試
験化合物がアミド結合を介して結合された2−100個の
アミノ酸の鎖であるライブラリー; 合成試験化合物がポリエステルすなわちエステル結合
により結合された2−100個のヒドロキシ酸の鎖である
ライブラリー; 合成試験化合物がポリエステルすなわちエーテル結合
により結合された2−100のヒドロキシアルコールの鎖
であるライブラリー; 合成試験化合物がポリ尿素であるライブラリー; 合成試験化合物がポリウレタンであるライブラリー; 合成試験化合物がポリカーボネートであるライブラリ
ー; 合成試験化合物がポリアミンであるライブラリー; 合成試験化合物が、ハロ誘導体を含むポリアルカン、
ポリアルケン又は多価アルコールであるライブラリー; 合成試験化合物がポリスルフィドであるライブラリ
ー; 合成試験化合物がポリジスルフィドであるライブラリ
ー; 合成試験化合物が、上述の実施形態に記述されている
ポリマー構造のうちの2つ以上のものからの無作為に配
置されたセグメントを含む構造をもつポリマーである、
ライブラリー; 合成試験化合物がステロイド構造の誘導体であるライ
ブラリー; 合成試験化合物が、β−D−グルコースといった糖の
誘導体であるライブラリー; 合成試験化合物が、ベンゾジアゼピンといった複素環
式構造の誘導体である、ライブラリー; 合成試験化合物が、カルボン酸、アミン及びハロゲン
誘導体(これらに限らない)といった多数の構造を規定
の方法で付着させることのできる足場として役立つこと
のできる1つの構造の誘導体であるライブラリー; 分子が、アミド、エステル、エーテル、カーボネー
ト、スルフィド、ジスルフィド、アルケン及びアミン及
び足場として作用できる1以上の構造、例えばステロイ
ド、糖、芳香族又は多価芳香族構造のうちの1以上から
選択された化学的により結合された可変的長さの1以上
の配列を含むキメラ構造である、ライブラリー。
異なるクラスの合成試験化合物のための数多くの異な
るサブユニットが、Sigma,Aldrich,ICI Chemicalsなど
といった供給業者から市販されている。代替的には、標
準的な化学合成技術を用いて、サブユニットを合成的に
調製することができる。
好ましい一実施形態においては、上で列挙したライブ
ラリーは、各々の個別相支持体が1つの合成試験化合物
及び合成試験化合物の構造をコードするポリマー配列を
含んでいる。コードされたライブラリーである。好まし
くは、コーディングポリマー配列はペプチドである。
5.1.コーディング戦略 上述のとおり、1つの好ましい態様においては、本発
明のライブラリーは、各支持体上のコーディング分子の
配列が各支持体上の合成試験化合物の構造に対応してい
る、コードされたライブラリーである。従って、各々の
唯一の合成試験化合物構造は、唯一のコーディング分子
配列によってコードされる。上述の通り、好ましくは、
コーディング分子はペプチドであるが、本発明は、コー
ディング配列としての核酸又はあらゆる配列決定可能な
ポリマーの使用をも包含している。
コーディング配列の典型は、1つの遺伝子の中のトリ
プレットヌクレオチド配列がその遺伝子によりコードさ
れた1つのタンパク質内の特定の一アミノ酸に対応して
いる遺伝子コードである。1つの遺伝子内のコドンの配
置は、1つのタンパク質内のアミノ酸の配列に対応す
る。かくして遺伝子はタンパク質をコードする。
この類推に従うと、従来の方法(例えばEdmanの分
解)によっては配列を立証することのできないポリアミ
ドといった合成試験化合物ライブラリーの配列のコーデ
ィング分子によるコード化は、類似のコードを利用して
容易に達成できる。このコードの選択は、コーディング
分子のサブユニットの1重、2重又は3重(又はそれ以
上)のいずれの組合せが、合成試験化合物の各サブユニ
ットに対応するかを含めて、純粋に任意である。
例えば、コーディング分子はペプチドであってよい。
この場合、Edmanの分解によって容易に検出可能であり
かつ側鎖保護を必要とすることなく固相ペプチド合成に
おいて効果的にカップリングするものとして知られてい
る1以上のアミノ酸残基から成るコードが、特に有用で
あるとみなされる。例えば、アミノ酸、ロイシン(Le
u)、グリシン(Gly)、アラニン(Ala)及びフェニル
アラニン(Phe)(これらは全て、側鎖保護を必要とせ
ずペプチド合成中効果的にカップリングし、さらにEdma
n分解によって容易に検出可能である)に基づくトリプ
レットコードが用いられる場合、Leu、Gly、Ala又はPhe
のトリプレット(各トリプレットはポリアミド中の唯1
つのサブユニットに対応する)を含む唯一のペプチドと
各々対を成した最高64個の構造的に異なるサブユニット
を含む合成試験化合物のライブラリーを、適当な化学反
応を用いて合成することができる。その他の好ましいア
ミノ酸すなわち、側鎖保護を必要としないアミノ酸とし
ては、イソロイシン、バリン、シクロヘキシル−L−ア
ラニン、ノルロイシン、ノルバリン、プロリンなどが含
まれるがこれらに限らない。これらほど好ましいもので
はないが、アスパラギン及びグルタミンもある。もう1
つの実施形態においては、20の天然アミノ酸の各々は、
特定のサブユニットについてコードすることができる。
単一のコーディング配列サブユニット又はコドンは、合
成試験化合物の2つ以上のサブユニットについてコード
することができ、結果として1つの縮重したコードをも
たらすが、これは必要なことではない。
本発明は、スクリーニング検定が、以下の第5.3節で
論述されている、一定の与えられた支持体上のコーディ
ング分子の代りに活性な合成試験化合物を認識する確率
を増大するためのさまざまな戦略を提供している。
5.2.合成試験化合物のライブラリーを生成するための方
法 上述の通り、本発明は個別相支持体上で、合成試験化
合物のライブラリーを生成する方法に関する。好ましく
は、このライブラリーは、例えば、同じ支持体に付着さ
れた合成試験化合物の構造をコードしかつEdman分解と
いった従来の分析技術を用いて容易に決定することので
きる配列をもつ1つのペプチドといったような唯一のコ
ーディング分子と各々の合成試験化合物が対になってい
るようなライブラリーである。
合成試験化合物が、機能化された分子足場である場
合、足場又はその前駆物質は、合成開始に先立って固相
支持体に付着されることになる。
合成試験化合物のライブラリーの合成には、以下の段
階の反復が含まれる: (i)選択された支持体を、結合すべき異なるサブユニ
ットの数に少なくとも等しいものである数の部分へと分
割する段階; (ii)段階(i)からの固体支持体の部分のうちのただ
1つのものと合成試験化合物のサブユニットのうちのた
だ1つのものを化学的に結合させ、好ましくは、化学的
結合形成反応が可能なかぎり最大限まで完成するべく推
進されていることを確認する段階; (iii)成長しつつある合成試験化合物を含む固体支持
体部分を徹底的に混合する段階; (iv)望まれるライブラリーの合成試験化合物の各々に
おけるサブユニットの数に等しい回数だけ、段階(i)
から(iii)までを反復し、かくして合成試験化合物を
成長させる段階; (v)固体支持体上での合成試験化合物の組立て中に用
いられたあらゆる保護基を除去する段階。
好ましくは、コーディング分子が、合成試験化合物と
平行して合成される。この例においては、段階(ii)に
おいて支持体に対して合成試験化合物のサブユニットを
結合させる前又は後で、合成試験化合物の付加されたサ
ブユニットに対応するコーディング分子の1以上のサブ
ユニットが、成長しつつある合成試験化合物の構造に対
応する唯一の構造的コード(前出の5.1節参照)が各支
持体上で作り出されるような形で、成長しつつあるコー
ディング分子に結合される。コードされたライブラリー
が調製される場合、1以上のサブユニットの合成が混合
段階(iii)に先行しなくてはならないということは、
容易に認識できる。
段階(i)〜(iii)の反復(段階(iv)を参照)は
当然のことながら結果として合成試験化合物を成長させ
ることになり、このプロセスがコーディング分子の合成
を包含するべく修正される場合にはこの試験化合物と平
行してコーディング分子を成長させることになる。ここ
では、支持体上で合成された合成試験化合物そしてもし
存在するならば支持体上で合成されたコーディング分子
をそれぞれ意味するのに、試験アームとコーディングア
ームが用いられている。
本発明は、上述の手順の段階のいずれかの修正をも包
含している。例えば、固体支持体の部分の全てに対する
同じポリマーサブユニットの結合が関与するように段階
(ii)を変更した場合、異なる、そして場合によっては
望ましいライブラリーが結果として得られることにな
る。この場合、コーディングポリマーの伸長も、類似の
要領で修正される必要がある。
もう1つの実施形態においては、コーディングアーム
上と同じポリマーが試験アーム上で伸長されている場
合、コーディングアームは、合成の履歴例えばサブユニ
ットの数がわかっているかぎり、合成試験化合物の配列
決定不可能なサブユニットをコードするのに必要とされ
る点を超えて、伸長させられる必要はない。
本発明のもう1つの実施形態においては、短いポリマ
ーである合成試験化合物の合成を実施するのに使用され
る固体支持体は、ライブラリーの合成に使用する前にポ
リマーの1以上のサブユニットで誘導体化される。
1つの実施形態においては、合成試験化合物の考えら
れる全ての構造がライブラリー内に存在する確率が非常
に高くなるように、充分な支持体粒子が用いられる。か
かるライブラリーは「完全」ライブラリーと呼ばれる。
すべての構造を代表する高い確率を確保するためには、
化合物の考えられる種の数のポワソン統計といった統計
に従って例えば5倍、20倍などの余剰の数の支持体を使
用することが必要である。もう1つの実施形態、特に考
えられる構造の数が支持体数を上回っている実施形態に
おいては、考えられる構造の全てがライブラリー内に代
表されているわけではない。このような「不完全」ライ
ブラリーも同様に非常に有用である。
さらにもう1つの実施形態においては、1つのライブ
ラリーが、ライブラリーの生成に先立って又はライブラ
リーの生成の終了時点で付加されるもう1つのライブラ
リーをスクリーニングした結果として見い出される望ま
しいポリマー配列を含んだ構造をもつ合成試験化合物を
有する可能性がある。このようなライブラリーは、望ま
しいポリマー配列を含む固体支持体を合成し、新しいラ
イブラリーの合成のための固体支持体としてこの誘導体
化された支持体を用いることによって調製される。代替
的には、ライブラリーの合成試験化合物の一部分を合成
し、それに続いて、個別相支持体の全ての上での試験化
合物の延張部分として望ましいポリマー配列を合成する
ことが可能である。代替的には、望ましい配列は不連続
で、ランダムライブラリーの中に含まれていてもよい。
5.3.コードされた分子ライブラリー合成における個別相
合成支持体及びリンカーの開発と使用 5.3.1.コードされた分子ライブラリー合成において有用
な支持体及びリンカー 本発明で使用するのに適した個別相支持体は、以下の
特性によって特徴づけられる;すなわち(1)合成又は
スクリーニングのために使用される液相内での不溶性;
(2)その他全ての支持体と独立して三次元で移動でき
る;(3)合成試験化合物そして存在する場合には支持
体に付着したコーディング配列の各々の数多くのコピー
を含んでいる;(4)スクリーニング検定条件と両立す
る;(5)試験化合物の合成及びコーディング分子の合
成のための反応条件に対して不活性である。好ましい支
持体は、同様に、合成試験化合物及びコーディング分子
の各々に対して前駆物質であるサブユニットを付着させ
るため、又はモノマーもしくはその他のサブユニット前
駆物質の付着のための単数又は複数の反応基を含むリン
カーを付着させるため、ヒドロキシル、カルボキシル、
アミノ、チオールなどといった反応性官能基を有してい
る。
ここで用いられている個別相支持体は、特定のタイプ
の支持体に限られているわけではない。むしろ、数多く
の支持体が利用可能であり、当業者にとっては既知のも
のである。好ましい態様においては、個別相支持体は、
固相支持体であるが、本発明はエアロゲル及びヒドロゲ
ルといったような半固体の使用をも包含する。固相支持
体としては、シリカゲル、樹脂、誘導体化されたプラス
チックフィルム、ガラスビーズ、コットン、プラスチッ
クビーズ、アルミナゲル、セファロースといった多糖類
などが含まれる。適当な固相支持体を、望ましい最終用
途及びさまざまな合成プロトコルに対する適合性に基づ
いて選択することができる。
例えば、ポリアミド合成においては、有用な固相支持
体は、ポリスチレン(例えばBachem Inc.,Peninsula La
boratoriesから得られるPAM樹脂など)、POLYHIPE(登
録商標)樹脂(Aminotech,カナダから得られる)、ポリ
アミド樹脂(Peninsula Laboratoriesから得られる)、
ポリエチレングリコールとグラフト重合させたポリスチ
レン樹脂(TentaGel(登録商標),Rapp Polymere,Tubin
gen,ドイツ)又はポリジメチル−アクリルアミド樹脂
(Milligen/Biosearch,カリフォルニアから得られる)
といった樹脂であってよい。ペプチド及びポリアミド合
成にとっての好ましい一実施形態においては、好ましい
固相支持体はポリジメチル−アクリルアミド樹脂であ
る。特定の合成のための好ましい固相合成支持体につい
て以下で記述する。例えば、以下の特定の実施形態モデ
ルにおいては、Merrifieldペプチド合成において使用さ
れるような支持体を、その後の合成サイクルから伸長し
てポリアミド「合成試験化合物」をもたらすFmoc保護さ
れたアミノ酸、及びコーディングペプチドを伸長しても
たらすDdz−又はBoc−保護されたアミノ酸によって、逐
次的に誘導体化させることができる。その他の逐次誘導
体化について、以下で記述する。かくして、各々の樹脂
ビーズは、合成試験化合物及び対応するコーディング構
造の両方を含むように機能化され、それらの相対的な量
は最初のFmoc−及びDdz−(又はBoc−)保護されたアミ
ノ酸を付着させるための反応条件によって左右される。
このアプローチの1つの変形形態においては、合成試験
化合物及びコーディング分子は、以下で記述するものの
ようなリンカーを通して、固体支持体に付着する。
本発明の支持体は、同様にリンカー又はリンカーの配
置を含んでいてもよい。ここで使用するリンカーという
のは、支持体上で合成されるべき分子と支持体を結合さ
せるのに役立つ例えば炭素、窒素、酸素などの原子鎖を
含むあらゆる分子のことである。リンカーは、通常、支
持体上の合成が始まる前に、共有結合を通して支持体に
付着され、支持体上で合成するべき分子の前駆物質の付
着のための単数又は複数の部位を提供する。固相支持体
に対して合成すべき分子の前駆物質を付着させるために
は、さまざまなリンカーを用いることができる。リンカ
ーの例としては、アミノブチル酸、アミノカプロン酸、
7−アミノヘプタン酸、8−アミノカプリル酸、リシ
ン、イミノジ酢酸、ポリオキシエチレン、グルタミン酸
などがある。さらにもう1つの実施形態においては、リ
ンカーにはさらに、スペーサーとしての単数又は複数の
β−アラニン又はその他のアミノ酸が含まれていてよ
い。
もう1つの実施形態では、「安全捕獲アミドリンカ
ー」(SCAL)(Patek,M及びLebl,M.1991,Tetrahedron L
etters 32:3891−3894参照:国際特許公報WO92/18144、
1992年10月29日公開)が支持体に対して導入される。
上述のリンカーに加えて、好ましくは合成試験化合物
分子の付着のために、選択的に開裂可能なリンカーを利
用することができる。その1例は、Barany及びAlberici
oによって記述されている紫外線感光リンカーONbである
(1985,J.Am.Chem.Soc.107;4936−4942)、光開裂可能
なリンカーのその他の例は、Wang(1976,J.Org.Chem.4
1;32−58),Hammer et al.(1990,Int.J.Pept.Protein
Res.36;31−45),及びKreib−Cordonier et al(1990,
“Peptides−Chemistry,Structure and Biology"中、Ri
vier及びMarshall,eds,p895−897)。Landen(1977,Met
hods Enzym,47;145−149)は、Asp−Pro結合を開裂する
ために水性蟻酸を用いた;このアプローチは、Geysenピ
ン合成方法(Van der Zee et al.,1989,Eur.J.Immunol,
191;43−47)と合わせて、T細胞決定因子を特徴づけす
るために使用された。塩基性条件下で開裂可能な潜在的
なその他のリンカーとしては、p−(ヒドロキシメチ
ル)安息香酸(Aterton et al.,1981,J.Chem.Soc.Perki
n I;538−546)及びヒドロキシ酢酸(Baleaux et al.,1
986,Int.J.Pept.Protein Res.28;22−28)に基づくもの
がある。Geysen et al,(1990,J.Immunol Methods 134;
23−33;国際公報WO90/09395号、1990年8月23日公開)
は、ジケトピペラジンメカニズムによるペプチド開裂を
報告した。好ましいジケトピペラジンリンケージは、本
明細書にその全体が参考として内含されている1992年7
月24日に提出された米国特許出願第07/919.454号の中で
開示されている。酵素開裂可能なリンカーも又有用であ
る。酵素によって認識される配列を含むリンカーを、1
つの酵素が特異的に開裂することができる。かくして、
適切なペプチド配列を含むリンカーを1つのプロテアー
ゼによって開裂させることができ、適切なヌクレオチド
配列を含むリンカーを1つのエンドヌクレアーゼによっ
て開裂されることができる。或る種の例では、いくつか
の反応条件を用いて開裂可能なリンカーで、利用可能な
樹脂官能基の一部分(例えば10〜90%)を誘導体化する
ことができ、さらなる研究のために開裂後の樹脂上に充
分な材料が確実に残るようにするべく開裂条件に対して
安定しているリンカーを用いて、樹脂官能基の残りの部
分を誘導体化することができる。コーディング分子が全
くない場合に、この措置が特に好まれる。異なる反応条
件下で開裂可能なリンカーの組合せも同様に、単一の固
体支持体ビーズから分子の選択的開裂を可能にするため
に使用することができる。
好ましくは、合成試験化合物を放出するために開裂可
能なリンカーを使用することができ、又その一部分をス
クリーニング検定内での試験のために使用することもで
きる。この例では、コーディング配列が存在する場合、
これは、開裂不能なリンカーを介して固相支持体に付着
される。
コードされたライブラリーの合成のための1つのアプ
ローチには、固体支持体に対し両方の前駆物質を結合す
るのにも役立つ有枝リンカーを介してライブラリーのコ
ーディング分子と合成試験化合物の前駆物質を結合させ
ることも関与している。リンカーの構造に応じて、いず
れかの分子又はその両方を、さらなる研究のために固体
支持体から離脱させることができる。合成試験化合物と
コーディング分子を固着するこのアプローチの一例は、
Lys(SCAL)で誘導体化されたTentaGelを用いることで
ある。
本発明の中で使用するための固相支持体リンカーには
さらに、分子ライブラリーを提供するためにさらに誘導
体化させることのできる所望の分子が含まれていてよ
い。予め付着された分子は本明細書で記述する方法に従
って選択されてもよいし、又は望ましい特性を具現する
ものとして知られている1つの構造を含んでいる可能性
もある。
本発明は、数多くの配置のうちの1つで固体支持体に
付着されたリンカーアレイの使用を包含する。例えば、
リシンカルボキシル基を、固体支持体に結合されるSCAL
リンカーに結合させ、かくしてリシン−SCALリンカーで
機能化された支持体を産生することができる。もう1つ
の実施形態では、ポリエチレングリコールリンカーを介
して固相支持体にリシンを結合させることができる。固
体支持体上のSCALリンカーは又、他のアミノ基が直接さ
らなるカップリングのために使用され得るのに対し、ジ
アミンリンカーの1つのアミノ基に対して結合させるこ
ともできる。さらにもう1つの実施形態においては、他
のアミノ基はさらなる修正なしに使用されるのに対し
て、開裂可能なリンカーを、支持体に結合されたリシン
のアミノ基のうちの1つに付着させることができる。リ
シンリンカーの各々のアミノ基に対する特異的カップリ
ングは、直交保護基を用いることによって達成できる。
以下の特定の実施形態においては、TentaGelに結合さ
れたSCALは、Fmoc及びBocによってアミノ基が保護され
ているリシンでアシル化され得る:結果として得られた
支持体は、例えば2つの異なるアミノ酸の組によるアシ
ル化において2つのポリアミドのためのアンカーとなり
うる2つの特定のアミノ基を提供するべく逐次的に脱保
護され得るリンカーBoc−Lys(Fmoc)−SCALをもつTent
aGelである。Boc−Lys(Fmoc)を用いたリンカーのリシ
ン部分のアミノ基の1つのアシル化は、合計3つの潜在
的アミノアンカー(逐次的脱保護において)をもつ新し
いリンカーを提供し、Boc−Lys(Fmoc)によるリンカー
リシンの両方のアミノ基のアシル化は、合計4つの潜在
的アミノアンカーをもつ新しいリンカーを提供する。
5.3.2.固体支持体の表面上の合成試験化合物及びコーデ
ィング分子の固着の位相学 ライブラリーを生成するために固体支持体上の合成試
験化合物とコーディング分子を位相学的に分離するため
のさまざまなアプローチが考慮されている。
合成試験化合物とコーディング分子を位相学的に分離
するというのは、1つの支持体に対する空間的分離のこ
とである。例えば、支持体が樹脂ビーズである場合、有
意数のコーディング分子からの有意数のリガンド候補分
子の分離が、樹脂ビーズの内部と表面の間で行なわれう
る。好ましくは、支持体の表面は主として合成試験化合
物分子を含み、コーディング分子をきわめてわずかしか
含まない。より好ましくは、支持体の表面は90%以上の
合成試験化合物を含んでいる。さらに一層好ましくは、
支持体の表面は99%以上の合成試験化合物分子を含んで
いる;最も好ましくは、この表面は99.9%以上の合成試
験化合物を含んでいる。このような措置がもつ利点は、
結合スクリーニング検定におけるコーディング分子の干
渉が制限されるという点にある(以下第5.6節を参照の
こと)。コーディング配列を含む位相学的部域すなわち
樹脂ビーズの内部が合成試験化合物を含んでいないとい
うことが必要はわけではない。
前出の例では、コーディング分子は、支持体粒子の内
部で分離されている。同様に、コーディング分子を支持
体粒子の表面へ又は支持体粒子の片側へと分離させるこ
ともできると考えられている。
コーディング分子からの合成試験化合物の位相学的分
離のための一般的なアプローチには、試薬及び溶剤に対
するカップリング部位のアクセス可能性の差に基づいた
支持体上の反応性部位の選択的な誘導体化が関与してい
る。例えば、樹脂ビーズ内の低いアクセス可能性をもつ
領域は、ビーズの内部、例えばさまざまな溝路及びその
他のキャビティである。ビーズが懸濁している溶液の分
子と接触状態にある樹脂ビーズの表面は、比較的高いア
クセス可能性をもつ領域である。適切な固相支持体に対
するコーディング及び合成試験化合物の前駆物質の選択
的なリンケージを行なうための方法には、以下のものが
含まれるが、これらに制限されるわけではない: (i)制御された光分解を介しての固体支持体表面の選
択的誘導体化;2つのアプローチを用いることができる。
1つのアプローチでは、機能化された固体支持体は、光
開裂可能な保護基、例えばニトロベラトリルオキシカル
ボニル(Nvoc)で保護されている(Patchornik et al.,
1970,J.Am.Chem.Soc.92;6333)。Nvocで誘導化された支
持体粒子は、適当な表面上で単層形成の中で配置され
る。この単層は、光によって脱保護される可能性の最も
高いビーズの部域が光と最も直接的に接触しているビー
ズの部域すなわちビーズの外表面となるように、制御さ
れた強度の光を用いて光分解される。結果として得られ
た部分的に脱保護されたビーズは徹底的に洗浄され、光
安定保護基を含む合成試験化合物の前駆物質と反応させ
られる。例えば、ポリアミドのコードされたライブラリ
ーの合成の場合、この前駆物質は、さらなる合成サイク
ルを通してポリアミド合成試験化合物へと変換されるBo
c保護されたアミノ酸であるかもしれない。合成試験化
合物前駆物質との反応に続いて、ビーズは、残りの感光
性保護基を除去するべく定量性光分析に付され、かくし
て、例えば樹脂ビーズの内部といった光アクセス可能性
が比較的低い環境の中に官能基がさらされることにな
る。この定量性光分析の後、支持体粒子はさらに、例え
ばFmocで保護されたアミノ酸といったコーディング分子
の直交保護された前駆物質で誘導体化される。結果とし
て得られた固体支持体ビーズは究極的に、主として外部
表面上に分離された合成試験化合物と、固体支持体ビー
ズの内部に位置設定されたコーディング分子を含む。
支持体上のコーディング分子と合成試験化合物分子を
分離するための択一的光分解技術には、光開裂可能な分
枝を1つ有する有枝リンカーで支持体を誘導体化するこ
とそしてコーディング分子の前駆物質をリンカーの感光
性分枝に付着することが関与している。合成の完了後、
支持体ビーズは、上述のとおり単層形成内で配置され光
分解する。この光分解は、コーディング分子からの最小
限の干渉しか受けずに選択的にスクリーニングするため
の合成試験化合物分子のパッチを含むビーズを提供す
る。
(ii)化学的又は生化学的アプローチを用いた固体支持
体の選択的誘導体化。これらの化学的及び生化学的誘導
体化の効力は、露呈されていない内部のその他の基より
も速く反応するという、露呈された外表面の官能基の能
力によって左右される。例えば、抗体は、樹脂固相支持
体内部のペプチドリガンドに対して結合できない、とい
うことが観察されてきた。従って、支持体の構造により
課せられる立体障害の差を使用して又は反応溶剤の選択
を通してのビーズの膨潤を変調することにより、巨大分
子又は或る種の試薬にアクセスできるビーズの外部上の
反応性基を、ビーズの内部の反応性基との関係において
選択的に反応させることができる。従って、ビーズの外
部にある反応性基は、合成試験化合物の合成のために修
正することができ、一方内部反応性基はコーディング分
子又はコーディング分子と合成試験化合物の両方の拡張
のために修正され得る。樹脂ビーズ内部の反応性基の数
は、外部表面上の基の数よりもはるかに多いことから、
コーディング分子の実際の数は非常に大きいものとな
り、精確な配列分析ひいては合成試験化合物の構造の解
読(デューディング)のために充分なコーディング分子
を提供している。以下のものを含め、さまざまな化学的
及び生化学的アプローチが考慮されている。
(a)保護された官能基を支持する固体支持体ビーズの
外部の部分を選択的に保護解除するためのポリマー脱保
護作用物質の使用。合成試験化合物のためのアンカーと
して、脱保護された官能基が使用される。保護された状
態にとどまっている官能基はその後、非ポリマー脱保護
作用物質を用いて脱保護され、コーディング分子の付着
のためのアンカーとして使用される。特定の一実施態様
においては、この方法には、適切な酵素基質で誘導体化
されたビーズの外部にある基を選択的に活性化するため
の酵素の使用が関与している。酵素は、そのサイズのた
め、ビーズの内部からは排除される。以下の例では、酵
素は、ビーズすなわちビーズ内部に付着された基質の合
計量に大きな影響を及ぼすことなく、樹脂ビーズの表面
から基質を完全に除去する。基質の除去は、ビーズ上の
反応性部位を露呈し、かくして活性化させる。合成試験
化合物を固着させるために固体支持体の酵素修正された
基が用いられ、コーディング分子の大部分を固着させる
ためには、修正を逃れた基が使用される。
(b)支持体ビーズの外部上の露呈された非保護官能基
を選択的に遮断するための、ポリマー保護基の使用。コ
ーディング分子を固着させるために、支持体内部の非保
護官能基が使用される。その後、残りの保護された官能
基は脱保護され、ライブラリーの合成試験化合物のため
のアンカーとして使用される。以下の特定の例において
は、30kdMWのポリマーポリグルタミン酸は、ビーズに対
し付着されたペプチドの合計量に影響を与えることな
く、表面のアクセス可能な官能基を完全にブロックす
る。ブロックのために使用されるポリマーがそのα−カ
ルボキシル基を介して付着されている場合、ポリマーの
Xアミノ基の脱保護の後に行なわれる単一段階のEdman
分解が、表面アミノ基を再生できる。
(c)例えばビーズの内側の水を凍結させ次に水を凍結
した状態に保つため低温で有機溶剤中でビーズを反応さ
せることによって、ビーズの内部に、異なる状態を作り
出す。かくしてビーズの内側ではなく、表面を特異的に
反応させることができる。
5.4.コードされたライブラリーの生成中のコーディング
分子及び合成試験化合物分子の交互の合成を実施するた
めの戦略 コードされたライブラリーの合成中の重要な合成操作
には、直交する保護基の使用が関与している。同じ固体
支持体粒子上のライブラリーの合成試験化合物の合成と
並行してのコーディング分子の効果的な合成のために
は、各々の合成のために使用される保護基は直交してい
なくてはならない。すなわち1分子についての全ての合
成操作中、もう1つの分子上の保護基はそのままの状態
にとどまらなくてはならない。
分子ライブラリーの合成試験化合物とコーディング分
子の組立てのための保護基のいくつかの直交した組合せ
を使用することが可能である。Gerger及びKonig,1981
“The Peptides"(Gross及びMeinhofer,eds.)p3.p101,
Academic Press:New York)の中で、有用な保護基につ
いて記述されている。非常に有用な組合せとしては、塩
基及び酸で開裂できる保護基がある。例えば、ポリアミ
ドのコードされたライブラリーの合成のためには、合成
試験化合物分子を組立てるために、塩基感応性Nα
[(9−フルオレニルメチル)オキシ]カルボニル(Fm
oc−)保護基を使用することができ、コーディングペプ
チド分子を組立てるためには酸に不安定なNα−[[2
−3,5−ジメトキシフェニル)プロピ−2−イル]オキ
シ]カルボニル(Ddz)保護基を用いることができる。F
moc保護基及びペプチド合成内でのその使用は、Carpino
及びHan(1972,J.Org.Chem.37:3403−3409)によって記
述されており、Ddz保護基については、Voss及びBirr(H
opp−Seyler's Z.Physiol.Chem.1981,362,717−725)に
より記述されている。両タイプの保護基共、従来、ペプ
チド合成中にα−アミノ酸のα−アミノ基をブロックす
るのに使用されてきた。しかしながら、その他の適当な
アミノ酸も、ポリアミドの合成中これらの基によって保
護され得る。所定のポリアミドが反応性官能基を伴う側
鎖を含む場合、t−ブトキシカルボニル(Boc)及びt
−ブチル(t−Bu)誘導体といった又は好ましくはより
酸に安定な誘導体としてのベンジル及びベンジルオキシ
カルボニルといった反応性基の保護も有用でありうる。
t−ブチルタイプの基を用いて反応性側鎖基が保護され
る場合、コーディングペプチドは、Nps(Zervas et a
l.,1963,J.Am.Chem.Soc.85;3660)又はTrt(Zervas et
al.,1956,J.Am.Chem.Soc.78:1359)といった、Ddzより
もさらに酸に不安定な保護基を用いて合成されうる。
ポリアミドのコードされたライブラリーの合成におけ
る直交保護基の交互の組合せには、コーディングペプチ
ドを組立てるためのFmoc又はその他の塩基不安定基又は
リガンド結合候補を組立てるためのDdz又はその他の酸
不安定基の使用が関与している。
コーディング分子と合成試験化合物の交互の及び並行
した合成のための保護基の交互の直交組合せには、例え
ばポリエステルのコードされたライブラリー内のポリエ
ステルの合成のための、酢酸中の亜鉛といった還元剤を
使用して除去することのできるアミン保護基としてのト
リクロロエトキシカルボニル及びヒドロキシル保護基と
してのトリクロロエチル、及びコーディングペプチドの
合成のためのBoc及びt−Bu又はその他の酸で開裂可能
な基、が関与している。前述のとおり、直交する保護基
の2つのセットには互換性があってよい。すなわち、コ
ーディングペプチドを調製するためのNα−トリクロロ
エトキシカルボニルで保護されたアミノ酸が使用され、
合成試験化合物ポリアミドを調製するためにNα−Boc
−保護されたモノマーが使用される。
直交する保護基のもう1つの有用な組合せには、フッ
化物イオンにより除去されうるトリメチルシリルエトキ
シカルボニル基、及びDdz又はBpoc(2−ビフェニル−
2−プロポキシカルボニル)といった酸感応性の高い保
護基が関与する。コードされたポリアミドライブラリー
合成におけるポリアミド又はコーディングペプチドのい
ずれかの組立ての間のN保護のためには、いずれのタイ
プの保護基でも使用できる。
好ましいコードされたライブラリー内のペプチドコー
ディング分子の合成のためには、適切な保護基戦略を含
む固相ペプチド合成の周知の技術が使用されることにな
る。
ペプチド合成の関連する公開済みの技術はきわめて費
用の高くつくものであり、なかでも、Stewart及びYoun
g,1984,“Solid Phase Synthesis"、第2版は,Pierce C
hemical Co.,Rockford II.;Bodanszky,Y.Klausner及び
M.Ordetti,“Peptides Synthesis"、第2版,Wiley,New
York,1976;E.Gross及びJ.Meienhofer(編集)、“The P
eptides"、第1巻、シリーズ続行中,Academic Press,Ne
w York,1979,がある。
5.5.試験化合物の特異的ライブラリー及びその合成方法 第5節に列挙されているライブラリーのための特定の
タイプのリンケージ、ならびにこれらのライブラリーを
生成するのに使用できる合成反応、すなわちライブラリ
ーを生成するための一般的手順の段階(ii)を実施する
ために使用される反応(第5.2節参照)について、以下
に記述する。以上の論述及び以下の例示的材料から当業
者ならば容易に認識できるように、適当な保護基を用い
て段階的に進行できる合成化学における既知の数多くの
縮合反応のいずれでも、本発明のライブラリーを調製す
るために使用することができる。このようなライブラリ
ーを調製するために使用できるサブユニットのリスト
は、広範なものである。適切な数多くの試薬が市販され
ており、又、周知のプロトコルを用いてこれを合成する
ことも可能である。適当なサブユニットの構造の部分的
リストが図5に示されている。合成反応の例は、以下の
小節及び図式において記述されている。
本明細書中の図式の中で、Zは、制限的な意味なく
H、−NH2、−OH、CO2H、−CO2R、−CONHRなどを含む単
数又は複数の基を内含する、あらゆるアルキル、アリ
ル、ヘテロアルキル又はヘテロアリル基である。アルキ
ルというのは、C1〜C20の飽和又は不飽和炭化水素であ
る。アリルというのは、C5〜C20の芳香族炭化水素であ
る。丸のついたPは、例えば樹脂ビーズといった個別相
支持体のことを言う。(丸のつかない)Pは保護基であ
る。残りの記号は、その標準的意味を有する。
これらの戦略は、上述のとおり適切な直交保護基を使
用することによって、コードされたライブラリーを調製
するのに利用できる。
5.5.1.α−アミノ酸以外のサブユニットをもつアミド結
合を含むライブラリー α−アミノ酸以外のアミノ酸を含む構造をもつポリア
ミドライブラリーを含め、単数又は複数のアミド結合を
内含するさまざまなライブラリーが考慮されている。図
式Iは、ポリアミドのための合成戦略を示す。
第5.2節に記述されている支持体の1つのような適切
な固体支持体を適切な溶剤中で無水カルボン酸とカップ
リングさせ、カルボン酸アミド支持体を得る。支持され
た酸−アミドは、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOB
t)の存在下でジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)
といった化合物を用いてカルボキシル基を活性化しその
後保護されたアミノ基を含むジアミンと縮合させること
によってさらに伸長される;縮合生成物の脱保護によ
り、固体支持体上にジアミドアミンが得られる。この合
成サイクルの反復、すなわち無水物との逐次的反応、単
一の保護されたジアミンとの縮合及び脱保護は、固体支
持体上に、成長しつつあるポリアミドを生成する。完成
したポリアミド配列が保護基を内含している場合、これ
は固体支持体からの離脱なく脱保護される。
ポリアミドに対する交互の合成アプローチには、部分
的に保護されたジカルボン酸、例えば適当なジカルボン
酸半エステルで無水物を置換することによる上述の合成
の修正が関与する。結果として得られるエステルアミド
樹脂は脱保護され、ジアミンとの縮合に先立って例えば
DCC/HOBtで活性化される。
ペプチド及びペプチド擬似体といったα−アミノ酸を
含む構造をもつ合成試験化合物ポリアミドの合成のため
には、前述のペプチド合成技術を使用することができ
る。
1つの実施形態においては、ライブラリーの合成試験
ポリアミドのN末端残基としてピログルタミン酸を内含
させることができる。
さらにもう1つの実施形態においては、合成試験ポリ
アミド配列の中への取込みのため、有用な化学的及び構
造的特性を付与するサブユニットが選択されることにな
る。特に、本発明は、未変性ペプチドに比べてはるかに
明確な構造的特性をもつポリアミドのライブラリーを調
製することを構想している。もう1つの実施形態では、
還元されたペプチド結合すなわちR1−CH2−NH−R2(R1
及びR2はアミノ酸残基又は配列)を取り込むポリアミド
ライブラリーを生成することができる。還元されたペプ
チド結合を、ジペプチドサブユニットとして導入するこ
とが可能である。このような分子は、ペプチド結合加水
分解例えばプロテアーゼ活性に対する耐性をもつことに
なる。このようなライブラリーは、代謝破壊又はプロテ
アーゼ活性に対する耐性のため、インビボでの半減期の
延長をいったような、対応する未変性ペプチドのものと
比べて独特の機能及び活性をもつリガンドを提供するこ
とができる。
全ての合成試験化合物の配列の中で少なくとも2つの
位置において、架橋を形成するべく処理後のポリアミド
を束縛し還化し又は剛性化するため架橋することのでき
る化学的官能基を提供するサブユニット例えばアミノ酸
が挿入されることを条件として、前述の方法に従って、
束縛された環化又は剛性ポリアミドを調製することがで
きる。ペプチドを架橋することのできるアミノ酸の例と
しては、ジスルフィドを形成するシステイン、ラクトン
又はラクタムを形成するアスパラギン酸及び遷移金属を
キレート化し架橋を形成するγ−カルボキシル−グルタ
ミン酸(Gla)(例えばBachemから市販されているも
の)といったキレート化剤、がある。保護されたγ−カ
ルボキシルグルタミン酸は、Zee−Cheng及びOlson(198
0,Biophys,Biochem,Res.Commun,94:1128−1132)により
記述されている合成を修正することによって、調製する
ことができる。架橋することのできる少なくとも2つの
サブユニットがポリアミド配列に含まれているライブラ
リーは、例えばジスルフィドを形成するシステイン残基
の酸化又はキレートを形成する金属イオンの付加によっ
て処理され、かくしてペプチドを架橋し、束縛された環
状又は剛性のペプチドを形成することができる。環式モ
チーフについては、1991年6月19日に提出された米国出
願第07/717,454号の中で詳細に開示されている。
ライブラリー内に取込むためのサブユニットとし使用
できるいくつかの単一のアミノ酸としては、以下のよう
なものがある。
ポリアミド合成の間に、非古典的アミノ酸を使用する
ことが可能である。特定のコンホーメーションモチーフ
を導入するために、ポリアミドライブラリー内に以下の
非古典的アミノ酸を取り込むことが可能である:1,2,3,4
−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボキシレート
(Kazmierski et al.,1991,J.Am.Chem.Soc.113;2275−2
283);(2S,3S)−メチル−フェニルアラニン、(2S,3
R)−メチル−フェニルアラニン、(2R,3S)−メチル−
フェニルアラニン及び(2R,3R)−メチル−フェニルア
ラニン(Kazmierski及びHruby,1991,Tetrahedron Let
t.);2−アミノテトラヒドロナフタレン−2−カルボン
酸(Landis,1989,アリゾナ大学博士論文);ヒドロキシ
−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボキ
シレート(Miyake et al.,1984,J.Takeda Res.Labs.43;
53−76);β−カルボリン(D及びL)(Kazmierski,1
988,アリゾナ大学博士論文);HIC(ヒスチジンイソキノ
リンカルボキシル酸)(Zechel et al.,1991,Int.J.Pe
p.Protein Res.38:131−138)。
以下のアミノ酸類似体及びペプチド擬似体を、特異的
二次構造を誘発するか又は有利な作用を及ぼすべく、合
成試験化合物のライブラリー内に取込むことが可能であ
る;LL−Acp(LL−3−アミノ−2−プロペニドン−6−
カルボキシル酸)、β−旋回誘発ジペプチド類似体(Ke
mp et al.,1985,J.Org.Chem.50;5834−5838);β−シ
ート誘発類似体(Kemp et al.,1988,Tetrahedron Lett.
29:5081−5082);β−旋回誘発類似体(Kemps et al.,
1988,Tetrahedoron Lett.29:5057−5060);α−らせん
誘発類似体(Kemp et al.,1988,Tetrahedron Lett,29;4
935−4938);γ−旋回誘発類似体(Kemp et al.,1989,
J.Org.Chem.54:109:115);及び以下の参考文献により
提供されている類似体;Nagai及びSato,1985,Tetrahedro
n Lett.26,647−650;DiMaio et al.,1989,J.Chem.Soc.P
erkin Trans,p1687;同じく、Gly−Ala旋回類似体(Kahn
et al.,1989,Tetrahedron Lett.30:2317);アミノ結
合等量式(Jones et al.,1988,Tetrahedron Lett.29;38
53−3856);トレトラゾール(Zabrocki et al.,1988,
J.Am.Chem.Soc.110;5875−5880);DTC(Samanen et a
l.,1990,Int.J.Protein Pep.Res.35;501−509);及びO
lson et al.,1990,J.Am.Chem.Soc.112;323−333及びGar
vey et al.,1990,J.Org.Chem.56:436の中で教示されて
いる類似体。
本発明はさらに、1991年6月19日に提出された米国特
許出願第07/717.454に記述されているようなライブラリ
ーの中の合成試験化合物ポリアミドの修飾又は誘導体化
をも提供している。ペプチドの修飾は、当業者にとって
周知のものであり、リン酸化、硫酸化、カルボキシメチ
ル化及びアシル化を含んでいる。修飾は、化学的又は酵
素的手段によって実施できる。このような修飾は、配列
決定不可能なペプチドを結果としてもたらし得ることか
ら、このようなライブラリー内でのコーディング分子の
使用が好まれる。
もう1つの態様においては、グリコシル化又は脂肪ア
シル化されたペプチド誘導体を調製することができる。
グリコシル化又は脂肪アシル化されたペプチドの調製
は、当該技術分野において周知のことである(例えば、
米国出願第07/717,454号を参照のこと)。
脂肪酸ポリアミド誘導体も同じく調製することができ
る。例えば、制限的な意味なく、遊離アミノ基をアシル
化、例えばミリストイル化することが可能である。本発
明で使用するのに適したこの及びその他のペプチド脂肪
酸結合体は、英国特許GB−8809162.4号、国際特許出願P
CT/AU89/100166号の中で開示されている。
5.5.2.カルバメート結合を含むライブラリー 本発明は、ポリカルバメートを含む単数又は複数のカ
ルバメート(すなわちポリウレタン)結合を含む合成試
験化合物を包含する。カルバメートを形成するための2
つの戦略が図式IIに示されている。
2つの異なるタイプのカルバメートの合成のために
は、イソシアネートとジオール又はアミノアルコールの
カップリングを使用することができる。例えば、上述の
ポリアミド合成のために使用される機能化された樹脂と
いった適当な樹脂が、ホスゲンとの反応によってイソシ
アナートに変換され、その後イソシアナートはアミノ保
護されたアミノアルコールとカップリングされて、保護
されたカルバメートを生成する。樹脂ウレタンの脱保護
は、ポリウレタンを生成する同じ合成サイクルを反復す
るのに用いられるアミノウレタン樹脂をもたらす。すな
わち、ホスゲンとの反応とそれに続くN保護されたアミ
ノアルコールとのカップリング及び脱保護は、アミノジ
ウレタン樹脂などを生成する。
第2のタイプの支持されたカルバメートは、以下の通
り上述の合成手順を修正することによって生成される。
出発アミノ樹脂はイソシアナートに変換され、イソシア
ナートは、部分的に保護されたジオールとの反応により
保護されたカルバメートに変換され、保護されたカルバ
メート樹脂は脱保護されたヒドロキシカルバメートを提
供し、ヒドロキシカルバメートは、アミノ保護されたア
ミノアルキルイソシアナートとの反応とそれに続く脱保
護により、アミノジカルバメートに変換される。
5.5.3.尿素結合を含むライブラリー さまざまな尿素結合含有構造の合成のための戦略が、
図式IIIに示されている。
上述のカルバメートの合成の中で使用される樹脂のよ
うな、イソシアナート基で機能化された適当な樹脂が、
部分的に保護されたジアミンとの反応とそれに続く脱保
護によりアミノ尿素に変換され、アミノ尿素樹脂は、ホ
スゲンを用いてイソシアナートに変換される。イソシア
ナート尿素樹脂は、上述の3段階合成サイクルに所望の
回数だけ付されてポリ尿素を生成する。
5.5.4.エステル結合を含むライブラリー エステル結合を含むライブラリーの合成のための戦略
が図式IV内に示されている。
塩化メチレンといった膨潤溶剤中の、Merrifield固相
ペプチド合成において使用されたヒドロキシルアルキル
樹脂といったような適当な樹脂を、好ましくはDCCとい
った縮合剤の存在下で、適切に保護されたヒドロキシカ
ルボン酸を用いて縮合させて、脱保護の後に、支持され
たヒドロキシエステルを得、このヒドロキシエステル
を、同じくアシル化−脱保護サイクルを用いてさらに伸
長させる。
5.5.5.アミン結合を含むライブラリー アミン合成のための戦略が、図式Vに示されている。
上述のアミド合成の中で使用された樹脂といったよう
な適切な樹脂を、ニトロアルデヒドを用いた還元性アミ
ノ化を介してニトロアルキルアミン樹脂に変換させ、一
次アミンへとニトロアルカミンを還元するものとして知
られている数多くの反応の1つ(例えば水素化アルミニ
ウムリチウムによる還元)を用いて、さらに一次アミン
へと還元させる。樹脂上の一次アミンを、還元−アルキ
ル化−還元シークエンスを反復することによって伸長さ
せ、望ましいポリアミンを生成する。
上述の手順中のニトロアルキルアミン樹脂の還元は、
N保護されたアミノアルデヒドでの還元性アミノ化のニ
トロアルデヒドを置換し、個別の合成段階において、結
果として得た生成物の保護基を除去することによって避
けることができる。
5.5.6.スルフィド及びジスルフィド結合を含むライブラ
リー さまざまなポリスルフィド及びポリジスルフィド構造
の合成のための戦略が図式VIに示されている。
例えばMerrifield固相ペプチド合成において使用され
たもののような適切な樹脂を、遊離チオール基を有する
ように機能化させる。チオール樹脂を、保護されたハロ
ゲン化チオールアルキルでアルキル化し、生成物を脱保
護してチオアルキル樹脂スルフィドを得る。アルキル化
−脱保護サイクルを反復することによって、支持された
チオアルキルスルフィド鎖をさらに伸長させて、支持さ
れたポリスルフィドを得る。
上述の合成は、保護されたハロゲン化チオアルキルを
保護されたチオアルキルクロロスルフェネート又はチオ
アルキルメトキシカルボニルスルフェネートによって置
換させた場合に、支持されたジスルフィドを生成するこ
とができる。
5.5.7.炭素−炭素結合を含むライブラリー さまざまなポリアルカン、ポリカルケン、ポリハロア
ルケン及び多価アルコールが考慮されている。このよう
なライブラリーの合成のための戦略が、図式VIIに示さ
れている。
適切な樹脂を、カルボニル基で(例えば支持体ヒドロ
キシアルキル基の制御された酸化により)機能化させ、
トリフェニルホスフィン及びハロアルキルジアルキルア
セタルから調製されたWittig試薬で縮合させ、脱保護し
て、不飽和アルデヒド鎖を含む樹脂を得る。この鎖は、
同じWittig縮合−脱保護シークエンスを用いてポリエン
アルデヒドまで伸長させることができる。塩素又は臭素
といった分子ハロゲンで支持されたポリエンの処理は、
樹脂上のハロアルカンを生成する。これらのハロアルカ
ンを、弱酸の存在下で亜鉛といった電気的に陽性な金属
又は水素化すずトリブチルと反応させることによってそ
の完全に脱ハロゲン化された還元誘導体に変換すること
も、同様に考慮されている。例えば過マンガン酸塩又は
過ヨウ素酸塩といった酸化剤で、支持されたポリエンを
入念に処理すると、多価アルコールが生成される。ヒド
ロ硼酸化−酸化シークエンス、エポキシ化(m−クロロ
過安息香酸などの過酸による)−加水分解シークエン
ス、又は、酢酸第2水銀−アルカリ性硼水素酸シークエ
ンスにポリエンを付すことによって、その他のポリオー
ルを生成することが可能である。
5.5.8.多環式化合物及び機能化された多環式化合物のラ
イブラリー さまざまな多環式化合物及び機能化された多環式化合
物が考慮されている。多環式構造と関連する構造の合成
のための戦略が図式VIIIに示されており、ここでR1、R2
及びR3は、上述のとおりのさまざまな置換されたアルキ
ル又はアリル基を表わしている。
図式VIIIは、飽和した炭化水素の調製を示している。
代替的には、不飽和構造も同様に調製可能である。上述
のカルボニル樹脂といったような適切な樹脂を、Wittig
縮合などによってアルケン樹脂に変換させ、この樹脂
を、適切に活性化された例えば求電子性のジエンジメチ
ルアセタールとのディールス・アルダー反応タイプの環
周(pericyclic)囲反応の中で使用して、アセタール基
の加水分解の後に、支持された機能化されたシクロヘキ
セニルアルデヒドを生成する。この支持された構造を、
Wittig縮合・付加環化−脱保護シークエンスの反復によ
ってさらに伸長させ、支持されたポリ−シクロヘキセン
アルデヒドを生成することができ、このポリシクロヘキ
センアルデヒドは以下の要領でさらに機能化することが
できる:(i)ハロゲン化例えば臭素化又は塩素化によ
り、ポリ−ハロシクロヘクサニルアルデヒドを得るこ
と、(ii)ポリシクロヘキサンアルデヒド又はアルコー
ルを生成するべく、水素化すずトリブチル又は電気的に
陽性の金属(例えばZn)及び弱酸を用いてポリハロシク
ロヘキサニルアルデヒドを還元させることそして(ii
i)過マンガン酸塩を用いたポリシクロヘキサンアルデ
ヒドの制御された酸化、ヒドロ硼酸化−酸化シークエン
ス、エポキシ化−加水分解シークエンス又はエポキシ化
−還元シークエンス(例えば、m−クロロ過安息香酸に
よるエポキシ化とそれに続く水素化アルミニウムリチウ
ムによる還元)を行なって機能化された多価アルコール
を生成すること。
環状ライブラリーのもう1つの例は、図6に示されて
いる。このライブラリーは、ブロム−プロピオン酸を支
持体に付着させ、臭素を硫黄側鎖で置換して支持体にBo
c保護されたシステインメチルエステルを付着させ、か
くしてスルフィドリンケージを形成することによって調
製される。ジアミノブチル酸又はリシンといったBoc/Fm
oc保護されたジアミノ酸を付加することが可能である。
1つの保護基の脱保護は、あらゆるカルボン酸との置換
を可能にする。その他のアミノ基の脱保護は、もう1つ
のジアミノ酸の付加を可能にする。この一連の段階を、
所望の回数だけ反復する。最終的に、メチルエステル基
は、システインから加水分解され、構造を環化するべく
脱保護されたアミノ基との反応を可能にする。
5.5.9.足場として役立つことのできる多置換された環構
造のライブラリー 足場として役立つことのできるさまざまな多置換され
た構造が考慮されている。かかる構造の合成のための一
般的戦略が、図式IXに示されている。
特定のタイプの足場ライブラリーの調製についての一
般的戦略が、図式Xに示されている。
適切な足場としては、シクロペンタン、Kempの三酸
(Kemp及びPetrakis,1981,J.Org.Chem.46;5140−514
3)、ジアミノカルボン酸の連続的カップリングによっ
て調製された有枝構造体、Mutter et al.(1992,J.Am.C
hem.Soc.114−1463−1470)によって記述されているよ
うな環状鋳型、ステロイド、ベンゾジアゼピンなどがあ
るが、これらに制限されるわけではない。
Merrifieldタイプの樹脂に対するシス−1,3,5−シク
ロヘキサントリカルボン酸の誘導体の付着とそれに続
く、三酸の3つのカルボキシル基の各々の誘導体化のた
めのアプローチが、足場として役立つことのできる支持
された多置換環構造の合成の一例として、以下の第9節
に記述されている(以下の図式XIV参照)。
足場として役立つこのとできる多置換環構造の合成の
第2の例として、Ellman及びBunin(Chemical & Engin
eering News,Jan.18,1993,p33)の公開された研究に基
づく1,4−ベンゾジアゼピンの組立て及び誘導体化が、
以下に示されている。特定の一実施形態においては、4
−ヒドロキシメチルフェノキシ酢酸リンカーで機能化さ
れたMerrifieldタイプの樹脂といった適切な樹脂が、さ
らに、フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基で保
護されたアミノ基をもつ2−アミノ−4′−ヒドロキシ
ベンゾフェノンで機能化される。Fmocの除去、結果とし
て得られたアニリンとFmoc保護されたアミノ酸とのアニ
リド生成を目的としたカップリング、アニリドからのFm
ocの除去、及び環化の後、さらなる研究のためのさまざ
まなベンゾジアゼピン誘導体を生成するべくさまざまな
求電子体を用いて、アニリド窒素上でさらにアルキル化
されうる支持された1,4−ベンゾジアゼピンが生成され
る。
足場として使用するための考えられる最も小さい環構
造は、シクロペンタン環である(図7)。
上述の多置換環構造ライブラリーのコードされた形態
が、好ましい実施形態である。コーディング分子がペプ
チドであるコードされたライブラリーが最も好ましい。
ペプチドでコードされたライブラリーの合成のために
は、第5.1節の一般的手順及び第5.2節及び第5.3節中に
概略的に示されている合成戦略が使用される。
5.5.10.アミノ酸から構築された足場に基づくライブラ
リー 枝分かれした単純な付着物でありより大きなコンホメ
ーション空間をマッピングする足場が、ジアミノカルボ
ン酸(図3参照)の連続的カップリングにより構築され
る(図3参照)。広範な空間をマッピングするさまざま
なタイプの足場が、融通性のある環状又は有枝足場であ
る。これらのライブラリーの原理は、図3に示されてい
る。足場ライブラリー構造の一例として、我々はここに
有枝ライブラリーの合成を示す(以下の図式XV、第9
節)。
5.6.試験化合物のライブラリー内のリガンドの検出及び
識別の方法 合成試験化合物としてのさまざまな化学構造のライブ
ラリー及びその合成方法を提供することに加えて、本発
明はさらに、結合、刺激、阻害、毒性、味などといった
問題の生物学的活性を示すライブラリー内でリガンドを
同定するための1つのライブラリーの試験化合物のスク
リーニング方法をも含んで成る。その他のライブラリー
は、問題となっている酵素活性、酵素阻害活性並びに化
学及び物理特性について以下に記す方法に従ってスクリ
ーニングすることができる。当該技術分野において数多
くのスクリーニング検定が周知である。数多くのスクリ
ーニング検定が、1991年6月19日に提出された米国特許
出願第07/717,454号の中でも記述されている。
初期スクリーニング中に発見されたリガンドは、最適
なリガンドでない可能性がある。実際には、第1のスク
リーニングの間に選択されたリガンドの構造に基づいて
第2のライブラリーを合成することが往々にして好まし
い。このようにして、より高い活性をもつリガンドを同
定することができる。
5.6.1.結合検定 本発明は、アクセプター分子に結合する合成試験化合
物の同定を可能にする。ここで使用する「アクセプター
分子」という語は、リガンドに結合するあらゆる分子の
ことである。受容体分子は、抗体、レセプター、酵素、
核酸といった生体巨大分子又は或る種の炭水化物、脂
質、薬物として役立つ有機化合物、金属などのさらに小
さい分子であってもよい。
本発明のライブラリー内の合成試験化合物は潜在的に
数多くの異なる受容体分子と相互反応することができ
る。特異的受容体分子が結合する特定のリガンド種を同
定することによって、問題のリガンド種を物理的に分離
することが可能となる。
各々のスクリーニング/検出/分離段階中、少数の固
体支持体ビーズのみが除去されるため、ビーズの大部分
はビーズプール内に残ることになる。従って、ライブラ
リーを何回も再使用することができる。異なる色又は同
定スキームが異なる受容体分子について使用される場合
(例えば、フルオレセイン(緑)、テキサスレッド
(赤)、DAPI(青)及びBODIPIといった螢光リポータ基
が受容体上に標識付けされている状態で)、そして螢光
顕微鏡又は螢光検出器内の適切な励起フィルタを用いる
と、異なる受容体(レセプター)をライブラリーに付加
し、特異的標識についての迅速なスクリーニングを容易
にするため同時に評価することができる。これらの戦略
は、コストを削減するだけでなく、スクリーニングされ
うる受容体分子の数をも増大させる。
本発明の方法においては、問題の受容体分子は、ライ
ブラリーの中に導入されてそこでそのライブラリー内の
1以上のリガンド種を認識しこれに結合することにな
る。受容体分子が結合する各々のリガンド種は、支持体
ひいてはリガンドが直ちに同定され分離されうるよう
に、単一の固相支持体上に見い出されることになる。
所望のリガンドが当業者にとっては既知のあらゆる従
来の手段によって分離され得、本発明は、分離方法によ
って制限されるものではない。例えば、制限的な意味な
く、特異的受容体分子と最も強い物理化学的相互作用を
示す固体−支持体−ビーズリガンドの組合せを物理的に
分離することが可能である。1つの実施形態において
は、105〜107の固相支持体ビーズを含むライブラリーに
対して特異的受容体分子の溶液が添加される。受容体分
子は、結合が起こるのを可能にするのに充分な時間、ビ
ーズとインキュベートされる。その後、支持体に結合し
たリガンドと受容体分子の複合体は、分離される。ペプ
チドであるリガンドを結合するため可溶性受容体分子と
してのモノクローナル抗体の使用について記述している
さらに特定的な実施形態が、以下の方法の中で記されて
いる。これらの方法が、どんな受容体分子の結合を検出
するためにでも容易に適合できるものである、というの
は明確であろう。
可溶性受容体分子を使用することに加えて、もう1つ
の実施形態においては、無傷の細胞を用いて細胞表面レ
セプターに結合するリガンドを検出することが可能であ
る。無傷の細胞の使用は、多重サブユニットもしくは不
安定なものであるレセプター又は細胞膜の脂質ドメイン
が機能的であることを必要とするレセプターと共に使用
するために好ましいことである。この技術において使用
される細胞は、生きた細胞あるいは固定された細胞のい
ずれかであってよい。細胞はライブラリーと共にインキ
ュベートされ、標的細胞及び関連するビーズ−ペプチド
の間で「ロゼット」を形成するべくライブラリー内の或
る種のペプチドに結合することになる。その後、ロゼッ
トを分画遠心分離によって分離し、解剖顕微鏡の下で物
理的に除去することができる。
代替的には、(i)問題のレセプターがその細胞表面
上に存在しない「親」細胞系統及び(ii)レセプター陽
性細胞系統、例えば問題のレセプターをコードする遺伝
子で親細胞系統をトランスフェクションすることによっ
て誘導される細胞系統、といったような細胞系統でのパ
ンニング法を用いて、ライブラリーをスクリーニングす
ることができる。そのとき、以下の戦略によってライブ
ラリーをスクリーニングすることが可能である:すなわ
ち、(i)まず第1に、レセプター特異的な非結合ビー
ズ又は無関連の非結合ビーズを残すための標準的な「パ
ンニング技術」により親細胞系統の単層を導入すること
によって、レセプターが欠如している細胞に結合するこ
とになるその非特異的ビーズのライブラリーを枯渇させ
る;(ii)レセプター特異的ビーズ又は無関連ビーズの
両方を含むことになる非結合ビーズを除去し、レセプタ
ー特異的ビーズがレセプター陽性細胞系統に結合するこ
とになるレセプター陽性細胞系統の単層上にそれらを投
入する;(iii)穏やかに洗浄しデカントすることによ
って残っている無関連の非結合ビーズを除去する;そし
て(iv)微量ピペットといったマイクロマニピュレータ
を用いてレセプター特異的ビーズを除去する。
細胞膜の脂質ドメインが機能的になることを必要とす
るレセプター又は膜結合したレセプターのための全細胞
検定の代わりとして、レセプター分子を、リポーター基
又は酵素が付着されうるリポソームへと再構築すること
ができる。
上述の例は、合成試験化合物に関するものであり、本
発明の実践においては、前出の各項に記述されている化
合物のいずれでも使用することができる。従って、1つ
の受容体分子は、足場として作用することのできるさま
ざまなポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、多官
能化された構造のうちの1つに結合することができる。
1つの実施形態においては、受容体分子は直接標識付
けされ得る。もう1つの実施形態においては、問題のリ
ガンドを含む固相支持体粒子に対する受容体分子の結合
を検出するのに、標識づけされた二次試薬を使用するこ
とができる。結合は、酵素標識による発色団のin situ
形成によって検出できる。適切な酵素としては、アルカ
リ性ホスファターゼ及びホースラディッシュペルオキシ
ダーゼが含まれるが、これらに制限されるわけではな
い。さらなる実施形態においては、問題の異なる受容体
分子上の2つの酵素標識をもつ2つの色素産生基質を用
いた2色検定を使用することができる。2色検定を用い
て、交差反応性及び単独反応性のリガンドを同定するこ
とができる。
本発明で使用するためのその他の標識としては、カラ
ーラテックスビーズ、磁気ビーズ、螢光標識(例えばい
くつかの螢光団を挙げるだけでも、フルオレセインイオ
チオシアナート(FITC)、フェコエリスリン(PE)、テ
キサスレッド(TR)、ローダミン、遊離又はキレート化
されたランタニド系列の塩、特にEu3+)、化学発光分
子、放射性同位元素又は磁気共鳴画像標識がある。2色
検定は、異なる波長で発光する螢光団又は2つ以上のカ
ラーラテックスビーズを用いて行なうことができる。標
識づけされたビーズは手で又は機械的手段によって分離
されうる。機械的手段としては、螢光活性化選別、すな
わちFACSと類似のもの、そしてマイクロマニピュレータ
ー除去手段がある。
下記の特定の例では、酵素−色原体標識及び螢光(FI
TC)標識が使用される。
反応性ビーズは、いくつかの基準を挙げるだけでも、
標識強度例えばカラー強度、螢光強度、磁気強度又は放
射能に基づいて分離することができる。該当する場合に
は例えばEdman配列決定又は質量スペクトル分析によっ
て直接的に又は問題のリガンドに対応するコーディング
ペプチドを配列決定することによって間接的に、最も高
い強度で標識づけされたビーズを選択し、ビーズに付着
したリガンドを構造的に特徴づけすることができる。も
う1つの態様においては、任意のカットオフよりも上の
標識強度をもつビーズの無作為選択物を選択してこれを
構造分析に付すことができる。潜在的には、カラー強度
を定量しひいてはビーズリガンドの構造分析に先立って
受容体分子に対するリガンドの相対的親和力を正確に規
定するため、最新の画像解析顕微鏡検査法を用いること
もできる。同様にして、受容体が螢光標識で標識づけさ
れている場合、定量免疫螢光顕微鏡検査法を応用するこ
とができる。さらにもう1つの実施形態においては、一
定の標識強度を示すビーズが、組成分析例えばペプチド
リガンドの場合のアミノ酸組成分析のために選択され
る。アミノ酸分析から重要なものとして同定されたアミ
ノ酸サブユニットの制限されたセットを含む精製ライブ
ラリーを、このとき調製しスクリーニングすることがで
きる。
もう1つの実施形態においては、最大の結合親和力を
もつリガンドは、ライブラリーのわずかな固相支持体ビ
ーズのみに対する結合が検出されるまで、問題の受容体
分子を漸進的に希釈することによって、同定されうる、
代替的には、受容体分子との結合の緊縮性を増大させる
ことができる。当業者であれば、結合の緊縮性が、
(i)溶液のイオン強度を増大させること、(ii)尿素
といったような変性作用のある化合物の濃度を増加させ
ること;(iii)検定溶液のpHを増減させること;(ii
i)一価の受容体分子を使用すること;(iv)規定の濃
度の既知の競合物質を反応混合物の中に内含させること
及び(v)受容体濃度を低下させることによって増大さ
れうるものであることが理解できることだろう。結合相
互作用を変更するため溶液成分を変更するその他の手段
は、当該技術分野において周知のものである。
もう1つの実施形態では、低い親和力結合を示すリガ
ンドが問題にされ得る。これらは、まずすべての高親和
力リガンドを除去し、次に低緊縮性又は比較的希釈度の
低い条件下で結合を検出することにより、選択すること
ができる。
好ましい一実施形態においては、2重標識検定を使用
することができる。可溶性リガンドの存在下でビーズに
対する問題の受容体分子の非特異的結合を検出するため
に、第1の標識を使用することができる。その後、標識
されたビーズをライブラリーから除去し、可溶性リガン
ドを除去する。それから、残りのビーズに対する特異的
に結合する受容体分子が検出される。かかるビーズ上の
リガンドは、問題のリガンドと同じ結合部位で受容体分
子を結合し、かくして問題のリガンドを擬似するものと
予想することができる。2重標識検定は、その第1段階
が非特異的陽性反応ビーズの除去を可能にすることか
ら、問題の受容体分子を精製する必要がないという利点
を提供する。好ましい一実施形態においては、例えばFA
CSを用いて、合成試験ライブラリーをスクリーニングす
るためのプローブとして、螢光標識した受容体分子を使
用することができる。
5.6.2.生物活性検定 本発明はさらに、例えば中和並びに溶剤、無菌水及び
培地による大規模洗浄により合成から残った有毒分子を
全て除去するように処理されたライブラリーからのリガ
ンド候補の生物活性についての検定をも提供している。
検定されうる生物活性には、毒性及び死滅、刺激及び成
長促進、シグナル形質導入、生化学及び生物物理学的変
化並びに生理学的変化がある。
好ましい実施形態においては、ここで「ビーズ」とも
呼ばれている固相支持体から、ライブラリーの合成試験
化合物を選択的に開裂することができる。好ましくは、
合成試験化合物は、1以上の放出及びスクリーニング検
定を可能にするため多数の開裂可能なリンカーを介して
個々の相支持体に付着される。1つの実施形態において
は、合成試験化合物の1つの分画のみが選択的に開裂可
能であるように、ビーズが調製される。選択的に開裂可
能なリガンド候補、リンカー及びビーズについては、前
出の第5.3.2項で論述されている。合成試験化合物の分
画の開裂が起こるように、ライブラリーが開裂試薬で処
理される。開裂試薬の例としては、紫外線、酸、塩基、
酵素又は触媒があるが、これらに制限されるわけではな
い。1つの実施形態においては、10〜90%の合成試験化
合物が放出されるようにライブラリーが処理される。さ
らに好ましい1実施形態においては、合成試験化合物の
25〜50%が放出される。全ての合成試験化合物が開裂可
能である場合、開裂試薬を制限することにより、非定量
的開裂を行なうことができる。1つの態様では、紫外線
の照射時間及び強度が制限される。もう1つの実施形態
においては、試薬の濃度が制限される。開裂を行なうた
めの処理の後、ライブラリーを例えば中和によってさら
に処理してそれを所望の検定と生物学的に適合させるこ
とができる。実際には、当業者であれば、開裂可能なリ
ンカー又は結合によってライブラリーの全ての合成試験
化合物が固相に付着されている場合、部分的開裂のため
の適当な開裂条件を容易に決定することができるだろ
う。さらに当業者は、放出された合成試験化合物の相対
的濃度が、開裂条件を変動させることによって影響を受
けうるということを理解することだろう。
ライブラリーのビーズは固定化されることから、特定
のリガンド候補の濃度勾配が形成される。合成試験化合
物の高い濃度は、それを放出したビーズの近くで見られ
ることになる。従って、ビーズの近くでの問題の生物学
的活性の証拠により、ビーズを同定し分離し、さらに合
成試験化合物に対応するコーディング分子の配列決定又
はその他の技術により構造的に特徴づけすることが可能
となる。合成試験化合物の同定は、部分的開裂後、ビー
ズ上に配列決定又はその他の特徴づけのために充分なも
のが残されるので可能となっている。もう1つの実施形
態においては、ビーズはマイクロタイターウエルの中で
区分化され得(例えば10ビーズ/ウエル)、リガンド候
補の一分画が放出され、生物活性についてテストされ、
かくして潜在的な拡散の問題はなくなる。配列検定のた
め、異なる開裂可能なリンカーを介して固相支持体又は
ビーズに合成試験化合物の異なる部分を付着させること
が可能である。これらの例の中で「ビーズ」という語
は、個々の相支持体粒子のことを意味している。
未切断合成試験化合物での生物検定も同様に構想され
ている。このとき全合成試験化合物で被覆されたビーズ
の生物活性をスクリーニングすることができる。1つの
態様においては、1匹の動物の体内に1つのライブラリ
ーを導入することができる。問題のビーズを特異的組織
から分離することができる。経口、経鼻又は経皮的投与
の後特異的に吸収されたビーズを分離することができ
る。好ましい一実施形態においては、かかるビーズは磁
気ビーズであるか又は、その他の何らかの同定特性をも
ち、従って組織から容易に分離される。もう1つの実施
形態においては、固定化されたリガンド自体が、適切な
表面レセプターを用いて生化学的変化を惹起することが
できる。
さらに当業者であれば、短期間又は長期間のいずれか
について組織培養の中で維持することのできるあらゆる
細胞を生物検定の中で使用できるということを、さらに
理解できるだろう。ここで使用する「細胞」という語に
は、原核(例えば細菌)及び真核細胞、酵母、糸状菌及
び真菌を含むものとする。培地内に維持された一次細胞
又は系統を使用することができる。さらに、出願人は、
ウイルスについての生物検定を、ウイルスで細胞を感染
又は形質転換させることによって行なうことができる、
ということを構想している。例えば、制限的な意味な
く、ラムダバクテリオファージの溶原性活性を阻害する
リガンドの能力は、感染を受けたとき明確なプラークを
形成しないトランスフェクションされたE.coliコロニー
を同定することによって検定することができる。
ライブラリーの合成試験化合物分子の活性を検定する
ための本発明の方法は前述の例に制限されるものではな
い。出願人は、ここで開示される発明を取り込むためど
んな系でも修正することができる、ということを構想し
ている。出願人は、このようなことが本発明の範囲内に
入るものと考えている。
5.6.3.酵素擬似体/酵素阻害剤 本発明はさらに、反応の触媒として作用することので
きるライブラリーすなわち酵素ライブラリー;補酵素と
して役立つ分子ライブラリー;及び酵素反応を阻害する
ことのできる分子ライブラリーを含んでいる。従って、
本発明は同様に、酵素もしくは補酵素活性又は酵素活性
の阻害について検定するのに使用すべき方法をも提供し
ている。
酵素活性は、検出可能な反応生成物の形成によって観
察できる。特定の一実施形態において、酵素ライブラリ
ーからの酵素は、アルカリ性ホスファターゼを触媒とす
る反応、例えばリン酸5−ブロモ−4−クロロ−3−イ
ンドイル(BCIP)の加水分解などで触媒として作用し、
固相支持体上に青色の不溶性反応生成物を形成する(以
下の例13参照)。
もう1つの実施形態においては、例えば色又は螢光と
いった観察可能な生成物のゾーンを半固体マトリックス
の中に形成させることができる。例えばアガロースゲル
といった半固体マトリックスの中に1つのライブラリー
が層状化され、色素産生性又はその他の指標基質が付加
される。酵素ライブラリーからの酵素−ビーズ複合体が
所望の酵素活性を示す場合、生成物ゾーンが形成され
る。例えば、制限的な意味なく、ホースラディッシュペ
ルオキシダーゼの類似体であるライブラリーからの分子
は、pH7.0の0.1Mのリン酸緩衝液の中のアミノアンチピ
レン(0.25mg/ml:Kodak)、フェノール(8mg/ml)及びH
2O2(0.005%)の溶液を加えることによって同定でき
る。酵素活性をもつビーズは色が紫色であるゾーンを形
成することになる。もう1つの実施形態においては、プ
ロテアーゼ活性をもつビーズを、周知の比色プロテアー
ゼ基質の付加によって同定することが可能である。
補酵素活性は、天然の又は一般の補酵素が存在しない
場合、補酵素によって媒介された酵素活性について検定
することにより、観察することができる。
酵素阻害活性は、部分的に放出された合成試験化合物
を用いて検出できる。一例においては、制限的な意味な
く、1つのライブラリーが、1つの酵素を含む半固体マ
トリックスの中で層状化されている。ライブラリーは、
リガンド候補分子を部分的に放出するように処理され
る。分子が酵素活性を阻害する場合、生成物が欠如した
ゾーンが同定できる。一実施形態においては、酵素基質
は色素産生性基質であり、着色生成物が形成される。か
くして、酵素阻害剤の存在は、無色のゾーンを生み出す
ことになる。もう1つの実施形態においては、ヘモグロ
ビン又はアルカリ性ホスファターゼといった指標酵素の
タンパク質分解の阻害は、半固体マトリックス内の不透
明ゾーンの存在によって検出できる。これは、タンパク
質分解阻害剤の存在によってヘモグロビン又は指標酵素
の分解が妨げられることになるからである。
当業者にとっては、酵素活性、補酵素活性を示すか又
は酵素活性を阻害する合成試験化合物分子が、ペプチ
ド、ペプチド擬似体、第5項に記述されている化合物の
いずれか又はさまざまなポリマーのうちの1つ、のいず
れであってもよい、ということは周知のことである。特
に有利なのは、唯一の触媒結合ポケット又は表面を作り
出すことのできる、或る種の足場をもつ束縛された構
造、一環式、二環式又は三環式構造を含む束縛されたポ
リマーであるが、これらに制限されるわけではない。
5.6.4.位相学的分離 本発明はさらに、問題の高分子受容体分子にアクセス
可能な、固体支持体の外部の試験化合物と内部のコーデ
ィング分子を分離する方法を包含している。この方法
は、好ましい実施形態においてはペプチドであるリンカ
ーを合成する段階を含む。リンカーは、キモトリプシン
又はその他のエンドペプチダーゼといった便利に入手で
きる酵素によって加水分解されうる1つの配列を含んで
いる。一つの実施形態においては、酵素はキモトリプシ
ンであり、リンカーはフェニルアラニンを含む。リンカ
ーが合成された後、Nαアミノ官能基は保護された状態
に残され、支持体はエンドペプチダーゼに露呈される。
エンドペプチダーゼは、受容体といったその他の巨大分
子にアクセス可能なものとなるリンカーに対してのみ作
用する。
ペプチドリンカーの酵素的加水分解の後、試験化合物
及びコーディング化合物は、あらゆる直交保護基を用い
て合成されうる。
5.7.1つのライブラリーから合成試験化合物を特徴づけ
する方法 問題のリガンドを含む支持体がひとたび前出の第5.6
項の方法のうちのいずれかに従って選択されたならば、
本発明は、リガンドの構造を決定する手段を提供する。
試験化合物の構造を決定する一般的アプローチとして
は2つある:すなわち重合体の構造は、従来の技術例え
ばEdmanの分解又は質量分析法などによって直接分析す
ることができる:代替的には、第2の分子種の構造が、
同じ支持体に付着された試験化合物の構造を明確に指示
(コード)するように、ライブラリーの構築中に、第2
の分子又は分子群を合成することができる。この2番目
の技術により、それ自体配列決定に導かれ得ないポリマ
ーの構造を容易に決定することができる。
本発明のさらにもう1つの実施形態は、試験化合物と
は全く異なるコーディング分子が1つもないという点に
おいて前述の実施形態とは異なっている「分画コーディ
ング」と呼ばれる第3のコーディング技法を包含する。
例えば1つのアミノ酸のD及びL立体異性体といったよ
うに、試験化合物の特異的サブユニットが従来の分析中
で分解不可能である場合には、機能的コーディングが使
用される。分画コーディングは、ライブラリーが合成さ
れる時点でライブラリーの構築においてその他の形で利
用されない異なるサブユニット1を少量混合することに
よって複数のサブユニットを区別することのできる方法
を提供している。かくして、分画コーディングは、2つ
の区別できないサブユニットのうちの1つが用いられる
とき、支持体の試験化合物のわずかな検出可能な不均質
度を生み出す。本発明では、標準的に約5%というこの
ような不均質度は、各支持体上にはわずか1つの試験化
合物種しかないという本出願の教示と相容れるものであ
る。
5.7.1.単一の及び多数の配列コードを用いた特徴づけ コードされた分子ライブラリーの好ましい実施形態に
おいて、問題の合成試験化合物を含む個々の相支持体は
同様に、リガンドの構造をコードする配列をもつ、例え
ばコーディングペプチドの配列の決定がリガンドの同一
性を明らかにする、1つの分子好ましくはペプチドをも
含んでいる。ペプチド配列を決定する好ましい方法は、
Edmanの分解である。特に好ましい方法では、Applied B
iosystems社の477Aタンパク質シーケンサーが利用され
る。ペプチドのアミノ酸配列は、高速原子ボンバードメ
ント質量分析法(FAB−MS)又はその他の分析技術のい
ずれかを用いても決定できる。
コーディングペプチドは固体支持体に付着されるか又
は固体支持体から開裂した状態で配列決定され得る。ペ
プチドを開裂させるためには、分離されたビーズは、固
相支持体からペプチドを分離するべく当業者にとっては
既知のものである従来の開裂試薬で処理される。選定さ
れる開裂試薬の選択は、利用される固相支持体に依存す
る。
代替的には、本発明の範囲内のもう1つの実施形態に
おいては、ビーズといった単一の固相支持体粒子を、そ
のコーディングペプチド配列が付着された状態で分離
し、予めコーディングペプチドをビーズから開裂させる
ことなくペプチドの配列決定のためビーズをシーケンサ
ーに導入することが可能である。官能化可能な部位を0.
5mEq/グラム伴う直径100μmの単一の樹脂ビーズは、部
位の2分の1がコーディングペプチドを結合するのに用
いられる場合、約100pmoleのペプチドを含むものと見積
もられる。コーディングペプチドでの同様の置換度につ
いては、官能化可能部位を樹脂1グラムにつき0.5mEq伴
う単一の直径250μmのPAM樹脂ビーズは、約1,500pmole
のコーディングペプチドを含む。最新のペプチドシーケ
ンサを用いると、適切な配列決定のためには、わずか5
〜10pmoleしか必要とされない。従って、標準的なPAM樹
脂については、配列決定のための適切な量以上の量のコ
ーディングペプチドを含むように、直径100μm‖の単
一ビーズを投入することができる。
Edmanの配列決定に加えて、高速イオンボンバードメ
ント質量分析法も非常に強力な分析手段であり、ペプチ
ド及びさまざまなその他の分子の構造を分析するために
往々にして有効に利用できる。構造分析においては、電
子スプレー式高性能質量分析法も非常に有用である。好
ましくは、1992年9月3日に提出された米国特許出願第
07/939,811号の中に記述されている通りに、コーディン
グ分子の構造を決定するための質量分析法が行なわれ
る。
当業者であれば、試験化合物の任意の位置におけるサ
ブユニット種の数は、時としてコーディングポリマーを
構築するのに使用されるモノマーの数よりも大きい、と
いうことがわかるだろう。例えば、コーディングペプチ
ドは、Edman分解の後容易に区別されるアミノ酸の制限
されたセットを用いて構築することができる。これらの
状況下で、コーディング分子は、所与の位置でアミノ酸
混合物を導入することによって構築されうる。例えば、
一重項/二重項コード、すなわち試験化合物の1つの位
置につき1つ又は2つのコーディング成分をもち、コー
ディングポリペプチドがわずか8個のアミノ酸しか含ま
ないコードは、最高36個のサブユニットをコードでき
る。同じ数の成分をもつ三重項/二重項/一重項コード
は、1つの位置につき84個のサブユニットをコードす
る。
このようなコーディングペプチドのEdman分解生成物
の分析は、コーディング配列の各位置において1つか2
つ又は1つ、2つ又は3つのいずれかのアミノ酸を明ら
かにすることになる。
5.7.2.非配列コードを用いた特徴づけ 非配列コーディングと呼ばれる代替的な1つの好まし
い実施形態は、そのサブユニットの配列の決定無しにコ
ーディング分子の「読取り」を可能にする。配列コード
は、本来解読に苦労する。分子の配列決定には、反復す
る分解段階が必要とされる。これとは対照的に、ポリマ
ー分子の組成分析は、一回の分解及び、結果として得ら
れたサブユニット又はその誘導体の一回の分析によって
行なうことができる。
その上、ペプチドコーディング分子を配列決定するの
に必要とされる最も時間のかかる段階は、開裂したフェ
ニルチオヒダントインの各々のクロマトグラフィ分析で
ある。全ての情報が、単一の溶出されたピークの唯一の
保持時間にあるにせよ、個別のクロマトグラフィ段階
は、各々の段階的分解の生成物について行なわれなけれ
ばならない。かくして勾配分析時間の大部分は、その位
置における残基に対応する単一のピークの出現を待って
「無駄にされる」。このプロセスが可能な限り効率の良
いものでないことは明らかである。配列のEdman分解と
それに続くHPLC分析の代りに、全てのコーディングサブ
ユニットを同時に開裂させ、単一のHPLCラン内でそれら
を区別し、次に結果を解読して試験化合物の同一性を見
極めることが可能であるとすれば、プロセスは大幅に加
速できることだろう。
非配列コードの読取りには、所与のシグナルが存在す
るか否かを見極めることしか必要とされない。保持時間
が約0.3分だけ異なる2つのピークのベースライン分解
能は、勾配溶出を伴う標準的な逆相HPLC分析を用いて達
成できる。従って、45分の勾配は、150個の化合物の中
から弁別することができる。150の異なるコーディング
成分のグループの中から選択されたサブユニットから成
るコーディング分子は、150ケタの2進数と同等であ
る。従って2150又は約1045の異なる試験化合物種をこの
ようにしてコードすることができる。かくして、非配列
コードは、最大の実践的ライブラリーでさえ、その試験
化合物のサブユニットの配列及び同一性の両方をコード
するのに容易に適合している。
非配列コードは以下の通りに構築することができる。
ここでS00−S31と呼ぶ最高32の異なるサブユニットから
選択された最高20の残基をもつ試験化合物の構造をコー
ドするために使用されるべき100個のコーディング成分
のセットの要素をC000〜C099とする。このスキームにお
いて、第1の位置にある残基の同一性はコーディング要
素C000〜C004の存在又は不在によって決定される;何も
存在しない場合、試験化合物の最初の位置にはS00が存
在し、全てが存在する場合には、位置1にはS31が存在
する。成分C005−C009、C010−C014、…C095−C099によ
り連続した位置がコードされる。当業者であれば、100
ケタコードの最大コーディング能力よりもはるかに小さ
いライブラリーが必要とされている頻繁に発生するケー
スにおいて、コードの忠実性は、コーディング分子のセ
ットのサイズを減少させるすなわち、クロマトグラフィ
分析において成分間の間隔を増大させることによって
か、又は冗長なコーディングの使用によって増大され得
ること、例えば、コードされた各位置についてのコード
内に「パリティ(奇遇性)」成分を導入することができ
る、ということがわかるだろう。
最も頻繁には、16のサブユニットと128のサブユニッ
トの間に対応する4〜8のコーディング成分とそれに加
えて1つのパリティ成分が、試験化合物内の各位置をコ
ードするのに必要とされるだろう。
コーディング成分は、それらを同時に開裂及び分析で
きるようにするため、コーディング構造の中で配置され
る必要がある。明らかな1つの可能性は、全体的加水分
解とそれに続く混合物の選択的修飾及び分析である。こ
の場合、コーディング化合物の構造は重要ではない。コ
ーディング成分を互いに連結することも又は分枝構造の
個別の分枝に付着させることもでき、又各成分に対する
結合が加水分解可能であるかぎりいかなる組合せでも可
能である。しかしながら、このアプローチは、試験化合
物からの加水分解生成物の存在によって危うくなる。従
って、Edman,1950,ACTA CHEM,SCAND,4;283−293;Edman,
et al.,1967,EURO J.BIOCHEM,1;80−91により設計され
た非常に選択的な分解方法の使用が最適な選択であると
思われた。
Edman分解は、ペプチド鎖からN末端アミノ酸を選択
的に開裂する。上で規定したクロマトグラフィー必要条
件を満たす適正な数のアミノ酸及びアミノ酸誘導体を同
定することができ、それらの同時開裂を可能にする配置
の中の1つのコーディング構造としそれらが合成された
場合、ただ1つのEdman分解及びHPLC分析のサイクルの
中で、非ペプチド構造の組成を分析することが可能であ
ろう。
逆相上でのアミノ酸フェニルチオハイダントインの保
持時間は、アミノ酸の側鎖の脂質親和性に追従する。か
くして適切な保持時間で一組のアミノ酸誘導体を設計す
るためには、親油性が適当に異なっている状態で各々の
側鎖を設計することだけ必要である。この適当な差異を
達成するための1つの単純な方法は、適切な置換基によ
り三機能アミノ酸の側鎖の官能基を置換することであ
る。その結果、我々は、ジアミノカルボン酸−ジアミノ
プロピオン酸、ジアミノブチル酸、オルニチン及びリシ
ンの側鎖アミノ基をアシル化する効果を探究した。誘導
体ジカルボキシアミノ酸及びSH含有アミノ酸といったコ
ーディング成分の代替的セットが、当業者にとって容易
に明らかとなることだろう。上述の成分は、それが固相
ペプチド合成に対する容易なアクセスを有するものによ
って便利に合成されうるという点でのみ、好まれるもの
である。
コーディング成分の同時開裂を達成するための1つの
態様は、全てのコーディング成分が、そのアミノ基が遊
離した状態でN−末端アミノ酸として付着された1つの
α−アミノ酸であることを提供している。このようなコ
ーディング構造のバックボーンは、ジアミノカルボン酸
(Daa)ジカルボキシアミノ酸又はその他の3機能サブ
ユニットから構築できる。これらのアミノ酸のアミノ基
は、コーディングのために使用されるN−保護されたア
ミノ酸によってアシル化される。アシル化は、一定の与
えられたサブユニット及び試験化合物内のその位置につ
いてのコードとして定義される成分の混合物を用いて行
なわれる。以下の図式XI Cで示すとおり、ジアミノカル
ボン酸の反応の位置的化学を特定する必要はない。ポリ
マー及びコーディング成分は、コーディング分子ポリマ
ーを形成するジアミノ酸のアミノ基のいずれかにカップ
リングされ得る。
以下の実施例13で記述され例示されている置換ジアミ
ノカルボン酸の場合、カップリング反応性は、側鎖置換
とは無関係であった。しかしながら、その他のコーディ
ングサブユニットが使用される場合には、例えばアラニ
ンとイソロイシンといったように、たとえ著しく異なる
反応性を有するかもしれなくとも、コーディング成分の
等モル取込みを達成することのできる方法が2つ存在す
る。第1の方法は、より緩慢に反応するアミノ酸のより
高い濃度を用いることにより反応性の差異を補償するこ
とに基づいている(例えばEichler J.& Houghten,R.,1
993,Biochemistry(生化学)32;11035;Rutter 米国特
許第5,010,175号)。代替的には成分がより速く反応し
たとしても、遅く反応するアミノ酸がカップリングでき
るのに充分なカップリング部位が残るような形で、充分
なカップリング反復の後に全ての反応性部位が消費され
てしまうまで、等モル以下の量の混合物を反復的に使用
することができる。Andrews et al.,1994,タンパク質化
学の技法,5;485−492。
上述のとおりのコーディング分子の構築のための基本
的戦略は、いくつか存在する。そのうちの2つは、図式
XI Aに例示されている。第1のものは、コーディング構
造を構築するためのAlloc保護基の使用(Loffet A.& Z
hang H.,1993,Int.Pep.& Prot.Res.42;346);(Steve
ns & Watanabe,1950 J.Am.Chem.Soc.72;725);(Guib
e,F.& Saint M'Leux Y.,1981,Tet.Lett.21;3591)及び
試験化合物上の官能基の保護のためのFmoc又はFmoc様の
基(Carpino & Han,1972 J.Org.Chem.37;3404)の使用
に基づくものである。この場合、試験化合物合成及びコ
ーディング合成の両方のための永久的保護基として、Bo
c基を使用することができる。図式XIGAに描かれている
「ブロックA」の一般的形状をもつ予め形成されたコー
ディングサブユニットを使用することが有利である。代
替的には、予備形成されたコーディングサブユニットが
使用されない場合、もう1つのレベルの直交性が合成中
に必要とされる。これは、ジクロロメタン中の2%のト
イフルオロ酢酸によってDdz基を選択的に開裂すること
ができることから、コーディングバックボーンを構築す
るためにAlloc/Ddzで保護されたジアミノカルボン酸を
使用することによって達成可能である(Birr C.,et a
l.,1972,Liebig's Ann.Chem.763;162−73)。しかしな
がら、このアプローチは、1つの混合物として付着され
たコーディングアミノ酸の異なるカップリング反応性を
補償する必要性のために複雑なものとなっている。第2
の戦略は、試験化合物中の官能基の一時的直交保護のた
めのFmoc及びBoc基の組合せの使用及び永久的保護のた
めのベンゾキシカルボニル(Z)又はZ様基の使用に基
づいている。コーディングサブユニットは、Dde基がジ
メチルホルムアミド中のヒドラジンの溶液によって開裂
され、Boc又はFmoc基の除去のために使用された条件下
で安定していることから、Fmoc/Dde(又はFmoc/Alloc又
はFmoc/Ddz)で保護されたジアミノカルボン酸を用い
て、合成中に構築することができる。(Hone,N.D.et a
l.,Poster p63,於2nd Eur.Pept.Symp.,Interlaken,スイ
ス、1982年9月)。
コーディングのための1つの代替的アプローチは、図
式XIBに示されている。この場合、コーディングのため
に利用できるアミノ基の1分画がコーディング混合物に
よってアシル化され、残りのアミオ基は、次のランダム
化段階が行なわれる前に、直交開裂可能な基(例えばAl
loc)によって再度保護される。このスキーマにおいて
は、Allocの脱保護を組換えされた段階にて行なうこと
ができることから、試験化合物サブユニットに先立って
コーディング混合物をカップリングするのが有利であ
る。
第3の代替態様が、図式XICによって提供されてい
る。このスキームでは、コーディング要素は、図式XIA
にあるようにバックボーンジアミノカルボン酸で予備形
成される必要はなく、又図式XIBにあるように反復的遮
断及び脱遮断もなくてよい。このスキームはコーディン
グ及び試験化合物反応性基の両方が合成中に常時Bocで
保護されている状態で、Fmoc保護された試験化合物及び
Alloc保護されたコーディング分子を提供する。コーデ
ィング分子は、リシンのNα及びNε官能基の両方のAl
loc保護を除去する連続的段階、すなわち、各々0.5当量
の量でのBoc−Caa11及びBoc−Caa12というコーディング
要素の混合物の付加及びカップリング、Alloc−Lys(Al
loc)の1.0当量の付加及びカップリングによって合成さ
れる。この態様においては、コーディング要素すなわち
Boc−Caaが、コーディング分子バックボーン内のあらゆ
る特定のリシンのNα及び/又はNαのいずれかにカッ
プリングできるということに留意されたい。それでも、
本発明においてリシンのNα及びNε官能性が同等であ
ることから、カップリングの立体化学も化学量論もこの
態様の実施可能性を成し遂げてくれていない。
本発明のさらにもう1つの代替態様は質量分析法によ
る非配列コードの読取りを包含している。コーディング
分子は、リンカーの特異的開裂によって固相支持体から
放出される。分子は、さらに、電子スプレー又はイオン
衝撃(ボンバードメント)によって断片化され、個々の
コーディング成分はその分子量により同定される。
当業者であれば、非配列コードを読取るための質量分
析法の使用は、ペプチド結合といったような特異的分解
を受ける可能性のあるもの以外のさまざまな化学的結合
によってコーディング成分がコーディング分子に結合さ
れ得るということを暗に意味しているということがわか
るだろう。
以下に図式XIA、XIB及びXCCを示す: 5.7.3.コードされていないライブラリー コーディング分子を含んでいないライブラリーから選
択されたリガンドの構造の分析のためには、該当する場
合、コーディングペプチドの構造を分析するために使用
される技術(上述)を使用することができる。代替的に
は、本発明に従って選択された合成試験化合物の構造を
決定するために、1992年9月3日に提出された米国出願
第07/939,811号に記されている技術又はその他の分析技
術(薄層クロマトグラフィ、HPLC、NMR、IR、元素分析
など)を特に用いる質量分析法を使用することができ
る。
5.8.合成試験化合物からの治療及び診断用作用物質 選択されたリガンドの構造がひとたび決定されると、
構造実験及びスクリーニング実験及びその他の研究の結
果を確認するため、大量の化合物を化学的又は生物学的
に合成することができる。活性リガンドの構造分析及び
ライブラリースクリーニングを通してひとたび問題の分
子構造が同定されたならば、本発明は、疾病の治療又は
診断に使用するための分子構造を含む分子を提供する。
スクリーニングのみを通して同定された分子は、診断又
は治療用作用物質を提供するか、又はより大きい分子の
中に取り込まれうる。生物学的活性又は結合活性を伴う
構造を含む分子は、「エフェクター分子」と呼ぶことが
できる。本発明はさらに、さまざまな利用分野で使用す
るためのライブラリーも提供する。前記エフェクター分
子の「エフェクター」機能は、本明細書で記述した又は
当該技術分野において既知の機能のいずれであってもよ
い。
本明細書で記述している方法は、潜在的に診断又は治
療上の価値をもつ特異的リガンドを追求する新たな手段
を提供するばかりでなく、なおも同じ受容体分子と相互
作用することのできる潜在的に大きく異なる構造をもつ
一連のリガンドについての重要な情報も提供する。分子
モデリング及び近代的な計算技術とこのような情報を統
合することにより、リガンド−レセプター相互作用の新
たな根本的理解が得られる可能性が高い。
本発明の治療用作用物質は、サイトカイン、成長因子
又はホルモン剤の生物学的に活性な部位に結合し、その
結果、それらの活性を高めたり、無効化したりし、ある
いは、転写及び/又は翻訳を遮断もしくは促進するエフ
ェクター分子を含んでいる。
本発明の治療用作用物質は、例えば、成長因子レセプ
ター、神経伝達物質レセプター又はホルモンレセプター
といった薬学的に有利なレセプターに結合するエフェク
タ分子を内含している。これらのエフェクタ分子は、天
然レセプターリガンドの作用のアゴニスト又はアンタゴ
ニストのいずれかとして使用できる。
レセプターに結合するエフェクタ分子のもう1つの利
用分野は、正常な細胞レセプターに付着し内在化されう
ることによって細胞へのアクセスを獲得するウイルス又
は微生物の付着を遮断するために結合を使用することに
ある。この現象の例としては、CD4レセプターに対する
ヒト免疫不全ウイルスの結合及び線維芽細胞成長因子レ
セプターに対する単純ヘルペスウイルスの結合がある。
レセプターを占有するエフェクタ分子は、標的細胞のウ
イルス感染を遮断するための薬理学的作用物質として使
用できる。細胞の寄生体侵入も同様に、本発明に従って
適切なエフェクタ分子が同定された後、阻害できる。
もう1つの実施形態においては、薬物又は毒素をター
ゲティングするために、問題の受容体分子に結合する構
造を含むエフェクタ分子を使用することができる。好ま
しい一実施形態においては、問題の受容体分子は、腫瘍
細胞、動物寄生虫もしくは微生物例えば細菌、ウイル
ス、単細胞寄生虫、単細胞病原体、真菌又は糸状菌の表
面上に見られるレセプター又は抗原である。もう1つの
実施形態では、ターゲティングされた実態は、細胞内レ
セプターである。
さらに、プール内の合成試験化合物分子数百万個が、
生物学的活性をもつ構造を提供しうるということも可能
である。抗腫瘍、抗動物寄生虫もしくは抗微生物、例え
ば抗雑草、抗植物寄生虫、抗真菌、抗細菌、抗単細胞寄
生虫、抗単細胞病原体、又は抗ウイルス活性を有する分
子を分離することが可能である。その上、これらのリガ
ンドのいくつかは、ほんの少しだけ挙げるだけでもエリ
スロポイエチン、表皮成長因子、線維芽細胞成長因子、
腫瘍成長因子などの成長因子、ならびにホルモン、神経
伝達物質、レセプタに対するアンタゴニスト、免疫調節
物質又はその他の調節分子に対するアゴニスト又はアン
タゴニストとして作用することができる。
本発明の治療用作用物質は同様に、薬物例えば、ジゴ
キシン、ベンゾジアゼパム、ヘロイン、コカイン又はテ
オフィリンに対する高い親和性をもつ構造を含むエフェ
クタ分子をも内含している。かかる分子は、このような
薬物の過量に対する解毒剤として使用できる。同様に、
治療用作用物質には、重金属を含む金属イオン又は小さ
い分子に結合するエフェクタ分子が含まれている。高ビ
リルビン血症を伴う新生児の治療には、ビリルビンに対
する高い親和力をもつ分子が有用である。
一般に、本発明は、医師デスクリファレンスの製品カ
テゴリー索引(PDR,1993,第47版,Medical Economics Da
ta;Oradell,NJ,p201−202)にリストアップされている
ような疾病又は疾患の治療のための分子を同定する方法
を提供することを構想している。例えば、抗ガン剤、抗
寄生虫薬、抗凝血剤、抗凝血剤アンタゴニスト、糖尿病
薬、抗けいれん薬、抗うつ薬、止瀉薬、解毒剤、抗性腺
刺激ホルモン剤、抗ヒスタミン剤、抗高血圧症薬、抗炎
症薬、制吐薬、抗片頭痛薬、抗パーキンソン薬、抗血小
板物質、かゆみ止め、抗精神病薬、解熱薬、アンチトキ
シン(例えば抗蛇毒素)、気管支拡張薬、血管拡張薬、
キレート化剤、避妊薬、筋肉弛緩剤、抗緑内障剤又は鎮
静剤の活性をもつエフェクタ分子を同定することができ
る。
本発明の治療用作用物質は同様に、適切な薬学的に受
容可能な担体、希釈剤及びアジュバントを含んでいても
よい。このような薬学的担体は、石油、動物、植物由来
の又は合成のもの、例えば落花生油、大豆油、鉱油、ゴ
マ油などを含む油及び水といった無菌液体であってよ
い。薬学組成物が静脈投与される場合の好ましい担体は
水である。特に注入可能な溶液のためには、液体担体と
して食塩水及び水性デキストロース及びグリセロール溶
液も使用することができる。適切な薬学的賦形剤として
は、でんぷん、グルコース、ラクトース、スクロース、
ゼラチン、麦芽、米、小麦、チョーク、シリカゲル、炭
酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリ
ン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タル
ク、塩化ナトリウム、ドライスキムミルク、グリセロー
ル、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどが含
まれる。これらの組成物は、溶液、懸濁液、錠剤、丸
薬、カプセル、粉末、持続放出製剤などの形をとりう
る。適切な薬学的担体については、E.W.Martinによる
「Remingtonの薬学」の中で記述されている。このよう
な組成物は、患者に対する適切な投与のための形状を提
供するべく適切な量の担体と合わせて治療上有効な量の
活性化合物を含むことになる。静脈注射が非常に効果的
な投与形態であるものの、注射、経口、経鼻又は非経口
投与といったその他の様式も利用できる。
本発明に従って決定された構造を含む分子は、診断用
作用物質を形成するためにも使用できる。この診断用作
用物質は、例えば複数のポリアミド配列又はポリアルカ
ン配列といった、ライブラリースクリーニングの結果と
して同定された単数又は複数の構造を含む分子であって
もよい。さらに、診断用作用物質は、治療用作用物質と
して上述した担体のうちのいずれを含んでいてもよい。
ここで「診断用作用物質」というのは、T又はB細胞
リンパ腫といったガン及び上述のような感染性疾患など
の条件の検出のために使用できる作用物質であるが、こ
れらの条件に制限されているわけではない。検出という
語は、条件の存在の表示、条件に関与する体の部分の場
所設定、又は条件の重症度の表示を包含するよう、その
最も広い意味で使用される。例えば、組織、血清又は体
液の中の特異的レセプター又は抗体分子を検出し測定す
るためには、ペプチド−ホースラディッシュペルオキシ
ダーゼ複合体又は関連する免疫組織化学的作用物質を用
いることができる。診断用作用物質は、インビトロでの
使用又はインビボでの使用に適しているものであってよ
い。特に本発明は、免疫検出法、サザン又はノーザンハ
イブリダイゼーション及びインシトゥ検定での使用のた
めに有用な診断用試薬を提供することになる。
さらに、診断用作用物質には、放射性同位元素、螢光
標識、常磁性物質又はその他の画像増強作用物質といっ
た単数又は複数の標識を含んでいてよい。当業者であれ
ば、一連の標識及びそれらを作用物質中に取込んで診断
用作用物質を形成する方法については熟知していること
だろう。
本発明の治療用作用物質及び診断用作用物質は、動
物、さらに好ましくはヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、
ブタ、モルモット、マウス及びラットを含む哺乳動物の
治療及び/又は診断のために使用可能である。又、治療
用及び診断用作用物質は、植物の病気を治療及び/又は
診断するためにも使用可能である。
本発明に従って発見された分子での治療又は診断に導
くことのできる疾病及び条件は、ライブラリー内の構造
の入れ換えと同程度に多様でかつ広範なものである。
もう1つの実施形態においては、低親和力結合ビーズ
を選択し、ビーズ上のリガンドの構造に基づいて、制限
あるライブラリーを調製することができる。もう1つの
実施形態では、本発明によって提供された何百万もの合
成試験化合物から同定された1つの又はいくつかのリガ
ンドを含む別調製の低親和力又は高親和力支持体を、ク
ロマトグラフィによる分離において使用することができ
る。
本発明は、純粋にその一例であることを意図されてい
る以下の例によって、さらに明らかになることだろう。
6.例:コードされたライブラリーのモデル この例は、2つの分子すなわち「合成試験化合物」と
「コーディング分子」を単一の樹脂ビーズ上で同時に調
製できることを立証している。その上、内含される各々
の樹脂ビーズが「合成試験化合物」を単一種と「コーデ
ィング分子」を単一種含んでいるようなこのような化合
物のライブラリーを調製することが可能である。この例
においては、これらはそれぞれ2:1のモル比で存在して
いる。「コーディング分子」の配列は、「合成試験化合
物」の配列に対応する。
このモデル系については、「合成試験化合物」及び
「コーディング分子」の両方共がペプチドであった。直
交診断基Boc及びFmocを使用して、試験ペプチドとコー
ディングペプチドの並行した合成も進められた。
6.1.材料と方法 Krchnak及びVagner(1990,Peptide Res.3;102−193)
によって記述されている通り、ポリプロピレン製注射器
の中で、固相合成を行なった。合成は、SCALハンドル
(Patek及びLebl,1991,Tetrahedron Lett.32;3891−389
4)(安全捕獲アミドリンカー)又は、適切なリンカー
で修正されたTentagel(TG)(Rapp Polymere,チュービ
ンゲン、ドイツ、130又は80μm、0.23mmol/g)上で行
なわれた。1×10分間50%のピペリジン/DMFを用いて、
Fmoc保護基の分割を行なった。Boc保護基は、20分間3
%のアニソールを含む30%のTFA/DCMを用いて分割させ
た。Boc分割後の中和のためには、DIEA/DCM(10%)溶
液を用いた。Nα−Fmoc及びBocアミノ酸の活性化のた
めには、DMA中のBOP/HOBt/DIEA混合物(1:1:2当量)を
用いた。各々の縮合反応(1.5〜40時間)の完全性は、
二次アミノ基に対するカップリングの場合ニンヒドリン
試験又はクロラニル試験によってチェックした。カップ
リングプロトコルには、カップリングと保護解除の間そ
して保護解除とカップリングの間に、DMFでの洗浄(6
〜8回)(Bocで保護されたアミノ酸の場合にはそれに
続くDCMでの洗浄)が含まれていた。2時間DMPU中の20
%の(Eto)2P(S)SHによりSCALリンカーの還元を行
なった。最終的分割は、95%のTFA−5%の水の混合物
によって行なわれた。
商業グレードの溶剤を、さらなる精製無しで使用し
た。保護されたアミノ酸は、Bachem(Tarrance,CA),Ad
vanced Chem Tech(Louisville,KY),またはPropeptid
e(Vert−le−Petit,フランス)から入手した。
6.2.結果 6.2.1.モデルライブラリーの合成と両方の保護基の保護
解除 第1のアミノ酸としてSCAL−TGに対してBoc−Lys(Fm
oc)−OHをカップリングさせ、Nε−Fmoc基を保護解除
し、第1のリシンの側鎖に対してFmoc−Lys(Fmoc)−O
Hをカップリングさせた。リシンのNα−及びNε−Fmo
c基を分割させ、樹脂を3つの部分に分けた。それぞれF
moc−Ala−OH、Fmoc−Phe−OH及びFmoc−Val−OHを樹脂
の各部分にカップリングさせた。次の段階で、対応する
Bocアミノ酸(無保護ヒドロキシル基と共にGly、Tyr及
びLeu−Boc−Tyr−OHを用いた)を、Boc保護解除の後、
リシンのα−アミノ基にカップリングさせ、一方「Fmoc
分枝」は保護されたままにしておいた。Bocアミノ酸縮
合が完了した後、樹脂の3つの部分をすべて組合わせ、
「Fmoc分枝」を保護解除した。樹脂を3つの等しい部分
に分けた後、最初のものと全く同じ要領で以下のランダ
ム化を行なった。3つの位置のランダム化の後(各々の
位置での3つの異なるアミノ酸のカップリング)、その
後の分析のため、樹脂を個別部分に分けた。
無作為に選択した2つの完全に保護解除されたビーズ
を、個別に配列分析のため提出した。予想通りの2:1と
いう比率で、3つのサイクルすべてにおいて正しい「相
補性」アミノ酸が発見された。結果(pmoles単位の
値):第1のビーズ:第1サイクル:V251、L146、第2
サイクル:V244、L147、第3サイクル:V245、L119;第2
ビーズ:第1サイクル:A102、G39、第2サイクル:V12
1、L59、第3サイクル:F125、Y50。
SCALハンドルを還元させるためDMPU中の20%のジエチ
ルジチオフォスフェートで樹脂の1部分(約100mg)を
処理した(1時間の振とう×2)。ペプチドの混合物
を、1時間TFA/H2O(95:5)で還元されたSCALから分割
させた。分割混合物を真空中で縮合させ、Et2Oで沈降さ
せた。遠心分離により沈降物を収集し、乾燥させた。ペ
プチド混合物を、0.1%のTFA/H2O中に溶解させて、HPLC
により分析した。200分にわたる0〜50%のアセトニト
リルと0.1%のTFAの緩勾配が、予想した27のピークを溶
出した。さらに複数の小さいピークが同定されたが、そ
の形成は、合成中に側鎖無保護チロシンを使用したため
であるとされた。エーテル沈降によりいくつかの配列が
除去される(又は少なくとも含有量が減少する)危険性
が存在していたため、混合物の第2の分割ではこの段階
が回避された。TFAと水の分割混合物を、付加的な水で
希釈させ、排出した遠心分離機(evacuated centrifug
e)上で濃縮し、凍結乾燥した。混合物のHPLC評価は、
全ての予想されたピークのほぼ等モルの表示を立証し
た。
6.2.2.N末端FMOC基の保護解除と「FMOC分枝」のアセチ
ル化 Fmoc基の保護解除の後に、遊離したN末端アミノ基の
アセチル化を行なった。アセチル化は、20分間DMF中の
N−アセチルイミダゾールの0.3M溶液を用いて行なっ
た。(ニンヒドリン試験陰性)。その他の分枝上のN末
端Boc基を、アセチル化の後で保護解除した。3つの無
作為に選んだビーズを配列決定し、以下の読取り値を得
た(pmoles単位):第1サイクル:Y213(ビーズ1)、G
161(ビーズ2)、Y201(ビーズ3)、第2サイクル:L1
65(1)、Y166(2)、Y205(3)、第3サイクル:Y18
8(1)、L128(2)、G162(3)。読取り値は、アセ
チル化されたアーム内に存在するアミノ酸によって汚染
されていなかった。
アセチル化されたビーズの一部分(約100mg)を上述
の通りに処理し(エチルエーテルによる混合物の沈降及
び/又は分割混合物の蒸発及び凍結乾燥)、ハンドルを
還元し、アセチル化されたペプチドを分割した。同じ条
件下でのHPLC分析は、エーテル沈降中に、ライブラリー
のかなりの割合がそのエーテル可溶性によって失われ
た、ということを示した。蒸発及び凍結乾燥を受けた試
料は、保護解除されたライブラリーの場合とほぼ同じパ
ターンの同数のピークを提供したが、保持時間は、Fmoc
[分枝」のアセチル化のためさらに高い値へと移行して
いた。
6.2.3.TFA基でのBOC保護基の置換 段階的配列決定実験を可能にするため、N末端におい
て、トリフルオロアセチル基がBoc基に置換した。まず
最初に、「Fmoc分枝」を保護された状態に残したまま、
樹脂試料(50mg)からN末端Boc基を分割させた。DIEA
(0.16mmol、28μl)の存在下でジクロロメタン(0.5m
l)中の無水トリフルオロ酢酸10当量(0.14mmol、21μ
l)で処理することにより遊離アミノ基をトリフルオロ
アセチルで保護した。反応は1時間後に完了した(ニン
ヒドリン試験陰性)。トリフルオロアセチル化の後、そ
の他の分枝上のFmoc基を除去し、3つのビーズを配列決
定のために提出した。Fmoc分枝の配列を決定した。Fmoc
分枝の配列決定の後、配列決定されたビーズをシーケン
サから取出し、ビーズを0.2MのNaOH溶液で処理し(3時
間、20℃)、乾燥させ、さらに3サイクルの配列決定の
ため提出した。Fmoc分枝の配列から予測されたBoc分枝
の適切な配列が得られた。第1のビーズ(pmoles単位の
値:1.F(735)、2.V(643)、3.A(837);TFAの除去後:
1.Y(207)、2.L(187)、3.G(76)、配列FVA/YLG;第
2のビーズ:1.A(215)、2.A(230)、3.F(193);TFA
除去後:1.G(88)、2.G(86)、3.Y(80)、配列AAF/GG
Y;第3のビーズ:1.F(63)、2.F(67)、3.V(41);TFA
の除去後:1.Y(15)、2.Y(12)、3.L(4)、配列FFV/
YYL。
6.2.4.1つのビーズからのペプチドの分割 還元されたSCALハンドル上の完全に保護解除された配
列を含むいくつかの樹脂ビーズを小さなガラスバイアル
の中の個別に入れ、一晩ストレートのTFA30μlで処理
した。アリコート(3μl)を抜き出し、合計20μlの
体積となるまでH2Oで希釈し、microbore HPLC(Michrom
の器具)上でのHPLCによって分析した(20分にわたり0.
1%のTFA水溶液中の5〜60%のアセトニトリル勾配)。
215のランでのペプチドの平均吸光率に基づく計算によ
って、約100〜200pmolesのペプチドが1つのポリマービ
ーズから放出されたことがわかった。
6.3.考察 コードされたライブラリーのモデルは、図2に示され
ている。分枝用リンカーが合成試験化合物ペプチドとコ
ーディングペプチドを固相支持体に付着させている。一
般に、合成試験化合物は、Edmanの分解を受けない化合
物であってよく、従って、コーディング配列からの配列
情報は、試験化合物の構造決定を提供する。合成試験化
合物のサブユニットの各々は、コーディングアーム内の
1つのアミノ酸と位置特異的に明確に結びつけられ、か
くして構造分析を可能にする。
コーディング配列を構築するためのアプローチは、い
くつか存在する。1つの手順(図1A)はポリマービーズ
上での両方の構造の統計的分布を使用する。この場合、
可能ないかなる比率でも達成でき、両方の配列の共同効
果を生み出す可能性は最小限におさえることができる。
第2の手順(図1B)においては、スクリーニング構造及
びコーディング構造は両方共、例えばジアミノカルボン
酸(リシン)によって実施される固体支持体への有枝付
着の上に構築される。両方の「配列」は共に規定のモル
比でかつスクリーニングされつつある受容体分子にアク
セス可能な規定の特殊な配置で存在する。スクリーニン
グされたペプチドの溶液中への放出が用いられる利用分
野においては、ビーズ上のスクリーニング及びコーディ
ング化合物の位置設定は重要ではない。これは、異なる
リンカーの使用のため、コーディング配列が溶液中に放
出されることは決してないからである。
合成試験化合物及びコーディング配列の化学的合成を
決定的に立証するための単純な計画が追求されてきた。
A、F及びVから1つの「合成試験化合物」が構築され
た。これらのアミノ酸は、「コーディング」配列中でそ
れぞれG、Y及びLでコードされた。合成試験化合物
は、「試験」分枝すなわちFmoc化学を用いてもう1つの
リシン側鎖上に付着されたリシンの両方のアミノ基の上
に構築された(図2参照)。樹脂は3つの部分に分けら
れ、Nα−Fmocで保護されたアミノ酸は、試験分枝上で
カップリングされ、保護された状態におかれた。対応す
るNα−Boc(コーディング)アミノ酸は、コードする
分枝上でカップリングされた。全ての樹脂支持体は混合
され、さらに3つの部分に分けられた。その他の分枝上
のBoc保護の存在下で、Nα−Fmoc基の保護解除及びそ
の後に続くNα−Fmocアミノ酸のカップリングが行なわ
れた。これらの条件下で、Boc保護基は安定している。
次の段階で、Nα−Boc基は分割され、試験分枝にカッ
プリングされたFmocアミノ酸に対応するNα−Bocアミ
ノ酸は、各々の反応の中でコーディング分枝上でカップ
リングされた。さらにもう1度、Fmoc及びBocアミノ酸
の混合、分裂及び個別カップリングの手順がくり返され
た。Boc及びFmocの両方の戦略の条件下で安定しているS
CALハンドル上で合成が行なわれた。しかしながらこの
ハンドルは、そのスルフォキシド半分の還元の後比較的
穏やかな酸分解条件下で分割され得る。(Patek及びLeb
l,1991,Tetrahedron,Lett.32;3891−3894)。
この要領で調製されたビーズの配列決定はスクリーニ
ング配列対コーディング配列の2:1のモル比と、特定の
アミノ酸の適当な対応(図2A)を立証した。ビーズの1
アリコートを用いて、「スクリーニング」配列はアセチ
ル化され、「コーディング」配列から清浄(clean)な
配列の読取り値が得られた(図2B)。異なるビーズアリ
コートを用いて、「コーディング」配列はトリフルオロ
アセチル基により遮断され、「スクリーニング」分枝の
配列決定が行なわれ、配列決定されたビーズからトリフ
ルオロアセチル基が分割され、「コーディング」ペプチ
ドの配列が決定されて、「シーケンス」ペプチドの配列
決定からの結果を確認した(図2C)。
合成戦略が、規定数の構造の予測された等モル比を生
み出すことを確認するため、アリコート中に代表された
「ミニライブラリー」を支持体から分割させた。逆相HP
LCは、27個の異なるペプチドの存在を確認した。トレー
ス内で同定されたピークを収集し配列分析のために提出
したところ、各ペプチドの純度及びその組成が確認でき
た。単一のビーズからのペプチドの分割も行なわれ、わ
ずか1つのビーズから放出されたペプチドの分析の実現
可能性が確認された。
7.実施例:ペプチド構造によりコードされる非ペプチド
ライブラリー 本実施例では、それぞれを単一のビーズ(bead)に平
行して同じ方法により合成した場合、ペプチドをコーデ
ィングする分子は非ペプチド試験化合物(non−peptidy
l test compound)を明確にコードすることができる
ことを示す。本実施例では各々の試験化合物が特有の分
子量を有するようにサブユニットを選択した。観察され
た試験化合物の分子量を、コーディングペプチドの配列
と比較すると、コーディングペプチドは1つの試験化合
物をコードすることが明らかになる。
7.1.材料及び方法 アミノ酸のカップリングを室温での標準的なプロトコ
ルを用いた手法に従って実施した。DMF中の保護された
アミノ酸(3当量)をDIC(3当量)と混合し、又はDIC
及びHOBT(各3当量)を樹脂と混合し、カップリング後
に分析試験を行った。特に指定されている場合は、対称
な無水物を用いた。
非ペプチドライブラリーを調製するために用いたサブ
ユニットを、図式XIIに示す。
Fmoc−SCALリンカーおよびBoc−Lyc(Fmoc)を、DIC
及びHOBTを用いて先ず樹脂(TentaGel S NH2,1g)と
カップリングした。Fmoc基を切断した後にFmoc−Trpを
カップリングし、新しいFmoc基を脱保護した。ペプチド
−樹脂を等量になるように3つに分け、3種類の異なる
ブロモ酸類(bromoacids)(各反応器につき1種類、各
3当量)をDMF中のDIC(3当量)を用いてカップリング
した。3種類の酸としてはα−ブロモ酢酸、α−ブロモ
バレリン酸及びブロモトルイル酸を用いた。最後の酸と
のカップリングは、反応性が低いために酸及びDICをい
ずれも6倍過剰にして再度行った。Lysのα−アミノ基
のBoc保護をTFAにより除去し、第1コーデイング配列で
あるBoc−保護アミノ酸(Gly,Ala,Leu)をDICによりカ
ップリングした。コーディングアミノ酸は、非ペプチド
構成単位の分子量に基づいて選択した。即ち、最も軽い
単位(この場合はブロモ酢酸)はGlyにコードされ、最
も重い単位(ブロモトルイル酸)はLeuによりコードさ
れ、中間の重さの単位(α−ブロモバレリン酸)はAla
によりコードされた。
次のコーディングアミノ酸のカップリングのための準
備として、3つに分けた樹脂を一緒にプールしてDCMで
徹底的に洗浄し、TFA/DCMで脱保護した。脱保護後に樹
脂を再び3つに分けた。Boc保護アミノ酸(この場合もG
ly,Ala及びLeu)のカップリングをDICを用いて常法によ
り実施した。コーディングペプチドアミノ酸のカップリ
ング後に、非ペプチドサブユニットを加えた。分けた樹
脂のうち2つをDMF中の2Mアミン溶液(ベンジルアミン
及び1−アミノ−4−メチルピペラジン)で一晩処理し
た。第3の樹脂をフルオレニルメチロキシカルボニルア
ミノエチルチオールの2M溶液で処理し、反応終了後にFm
oc基を除去した。この場合もアミンのコーディングは、
分子量を基準にした。
樹脂を再び一緒にプールして混合し、最後のカップリ
ングのために3つに分けた。カルボン酸(シクロヘキシ
ル酢酸、フェニルオキシ酢酸及び4−ピリジルチオ酢
酸)をDICにより得られたアミン(第一級及び第二級ア
ミン)にカップリングし、3−5倍過剰の予め生成した
対称な無水物によりカップリング反応を2回繰り返し
た。クロラニルテスト(chloranil test)がネガティ
ブになった後に、3バッチの樹脂をTFAで別々に処理
し、中和し、最終コーディングBoc−保護アミノ酸をDIC
及びHOBTを用いてカップリングした。最後のカルボン酸
のコーディングは前と同じ図式によった。最終的に全て
の樹脂を一緒にプールした。
高速原子衝撃(fast atom bombardment:FAB)質量
分析による測定をZAB EQ分析計(VG Analytical Lt
d,Manchester,UK)により実施した。1H NMRスペクトル
をGeneral Electric QE 300装置により測定した。Ed
man分解による配列決定をABI 4778タンパクシークエン
サー(Applied Biosystems,Foster City,CA)およびP
orton PI 3010装置(Porton Instruments,Tarzana,C
A)により実施した。分析及び分離HPLCともWaters 490
E Programmable Multiwavelength Detectorを備えた
Waters 625 LCシステムで行い、それぞれVydac Pept
ide and Protein C18分析カラム(0.46x250mm,5μm,
1ml/分)及び分離カラム(10x250mm,10μm,3ml/分)を
用いた。1つのビーズから放出される混合物の分析を、
Reliasil C18カラム(5μm,300A,1x150mm)を用いてU
ltrafast Microprotein Analyzer(Michrom BioReso
urces,Pleasanton,CA)により行った。CDCl3又はCD3SOC
D3のいずれかを溶剤として用いて、全てのスペクトルを
テトラメチルシラン(δ)と比較してppmで表した。1cm
石英キュベットを用いてHewlett Packard HP 8452A
Diode−Array分光光度計により、紫外線/可視光線
(UV/VIS)吸収スペクトルを記録した。アミノ酸分析を
D−500 system(Durrum Corp.,Palo Alto,CA)系に
より行った。
7.2.結果 7.2.1.コード化されたライブラリーの二形態の合成 係る一般的な方法により、ライブラリーの二形態(tw
o formats)を完成した。これら二形態の唯一の相違は
図式XIIIに示すように、SCALリンカーの位置である。
第1のライブラリー(A)ではSCALリンカーは樹脂に
直接結合しているLysのN−εに含まれ、従ってTrp−ア
ミドはこのライブラリーの全化合物の中の最後のアミノ
酸であった。このライブラリーでは、コーディングペプ
チドは切断後に樹脂のビーズに残っていた。第2のライ
ブラリー(B)ではSCALリンカーは樹脂に結合してお
り、全化合物の中の最後のアミノ酸はLysであった。こ
のライブラリーから放出された各化合物は、合成化合物
及びコーデイング配列ペプチドを含んでいた。
合成試験化合物を構築するのに用いた非アミノ酸構成
単位を、上記の図式XIIに示す。これらの構成単位は、
特有の分子量をもつ試験化合物を生成するように選択し
た。試験化合物、分子量及びコーディング配列を表1に
示す。
第1のライブラリーのビーズ(上の図式XIII上段を参
照)を還元剤で処理して、個々のビーズをとって分離切
断及び配列分析を行った。5つのビーズを調べた。非ペ
プチド部分の切断後にビーズを連続的に配列決定して
(表2参照)、非ペプチド化合物の構造を推定した。切
断した化合物を含む溶液をミクロHPLCシステムにより分
析した。
第2ライブラリー(図式XIII、下段)のサンプル(80
0mg)を、SCALリンカー還元後に95%TFAにより処理し、
凍結乾燥し、水に溶かし、水中の0.1%TFAの0−60%ア
セトニトリルのグラジエントにより200分にわたって、
半分離HPLCカラムで44ピークに分離した。分画を凍結乾
燥し、アミノ酸コーディング配列及び構築物の分子量か
ら予想した構造が一致することを明らかにするために、
いくつかのピークをFAB MS及び配列決定により分析し
た。さらに分析するために無作為に選択したピーク例は
以下の通りである:ピーク4:操作時間 25.31分、配列
決定:1.Leu(364pmol)、2.Gly(139)、3.Gly(422);
FAB MS−827.0(構成単位組合せ(building block c
ombination)169);ピーク8:操作時間 28.69分、配列
決定:1.Gly(261)、2.Leu(176)、3.Ala(225);FAB
MS−770.2(構成単位組合せ257 w/oブロック7);
ピーク13:操作時間 31.47分、配列決定:1.Leu(792),
2.Leu(551),3.Gly(128);FAB MS−921.0(構成単位
組合せ159);ピーク14:操作時間 32.27分、配列決定:
1.Leu(7930)、2.Gly(1810)、3.Ala(1763);FAB M
S−883.0(構成単位組合せ269);ピーク15:操作時間
32.77分、配列決定:1.Leu(784)、2.Ala(447)、3.Al
a(360);FAB MS−776.2(構成単位組合せ249 w/oブ
ロック9);ピーク16:操作時間 33.16分、配列決定:
1.Leu(1286)、2.Ala(918)、3.Ala(688);FAB MS
−776.2(構成単位組合せ249 w/oブロック9);ピー
ク17:操作時間 33.51分、配列決定:1.Leu(298)、2.L
eu(280)、3.Ala(202);FAB MS−826.2(構成単位組
合せ259 w/oブロック9):ピーク19:操作時間 34.80
分、配列決定:1.Leu(641)、2.Gly(412)、3.Ala(46
0);FAB MS−883.1(構成単位組合せ269);ピーク20:
操作時間 36.66分、配列決定:1.Leu(150)、2.Leu(1
19)、3.Leu(80);FAB MS−902.2(構成単位組合せ35
9 w/oブロック9);ピーク26:操作時間 41.77分、配
列決定:1.Gly(39)、2.Gly(38)、3.Gly(23);FAB
MS−744.1(構成単位組合せ167);ピーク31:操作時間
48.86分、配列決定:1.Ala(180)、2.Gly(98)、3.A
la(106);FAB MS−824.0(構成単位組合せ268);ピ
ーク32:操作時間 49.46分、配列決定:1.Leu(234)、
2.Leu(320)、3.Ala(277);FAB MS−826.1(構成単
位組合せ259 w/oブロック9);ピーク33:操作時間 5
0.70分、配列決定:1.Gly(152)、2.Gly(120)、3.Ala
(94);FAB MS−800.1(構成単位組合せ267)。
7.2.2.非ペプチドライブラリーの典型的化合物の合成 第1ライブラリー(A)の一成分である下記化合物I: を0.23gのKnorr樹脂(0.5m当量/g)上で合成した。Fmoc
−Trpを最初に一般的プロトコルに従って、DIC及びHOBT
を用いてカップリングした。アミノ基を脱保護した後
に、α−ブロモ酢酸(50mg)をDMF(0.5ml)中のDIC(5
0μl)によりカップリングした。ベンジルアミン(100
μl)を0.5mlのDMSOに溶かし、ブロモ樹脂をこの溶液
で一晩処理した。最終カルボン酸である4−ピリジルチ
オ酢酸(80mg)を0.85mlのDMPTに溶かし、DIC(80μ
l)及びHOBT(80mg)により予め活性化してアミノ樹脂
に10時間カップリングした。活性化のためにPyBrop及び
DIEAによりカップリングを再度行った。化合物Iの切断
は95%TFAで行った。切断後にTFAを真空下で蒸発させ、
残渣を30%アセトニトリル水溶液に溶かし、凍結乾燥し
た。乾燥後に得られた生成物を純粋なアセトニトリルに
再び溶かし、エーテルで析出した。この操作を2回繰り
返し、ほぼ白色の沈殿物を得た。生成物は逆相(RP)HP
LCで2つのピークを示した。第2のピークは化合物Iに
予測される質量スペクトルを示した。半分離RP HPLCに
よる精製後の成分Iの産生量は18mgであった。化学式:C
27H27N5O3S、MS理論値 501.6、MS実測値−502.2(M+
H)1H NMRデータ(DMSO−d6):10.804d(1H,Nω
H);B.49d(2H、ピリジルC2H及びC6H);8.35d(1H、N
H);7.62d(2H、ピリジルC3H及びC5H);6.9−7.7mm(Bz
l及びTrp芳香族プロトン);4.59m(1H、Trp CαH);
3.75−4.65m(脂肪族プロトン);3.19dd及び2.91dd(2
H、Trp CβH)。
第1ライブラリー(図式XII、A)の第2の成分であ
る下記の化合物II: を化合物Iと同じ図式により、α−ブロモバレリン酸
(40μl)、4−メチル−アミノピペラジン(100μ
l)及びシクロヘキシル酢酸(80mg)をサブユニットと
して用いて合成した。化学式:C29H44N6O3、MS理論値 5
24.7、MS実測値−525.3(M+H)、558.2(M+Na)
及び573.2(M+K)
第1ライブラリー(A)の第3の成分である下記の化
合物III: を化合物Iと類似の図式により、α−ブロモトルイル酸
(120mg)、フルオレニルメチルオキシカルボニルアミ
ノエチルメルカプタン(280mg)(ピペリジン/DMFによ
るカップリング後に脱保護)及びフェノキシ酢酸(80m
g)を構成単位として用いて合成した。化学式:C29H30N4
O4S、MS理論値 530.6、MS実測値−553.0(M+N
a)
7.3 考察 本実施例は、コーディング配列と平行する非ペプチド
構造を構築することができることを示すものである。ラ
イブラリー間の相違はSCALリンカーの位置であり、これ
により生成物の選択的な切断が可能である。第1のケー
ス(図式XIII上段)ではリンカーの切断により、リシン
部分を介してコーディングペプチド構造に結合している
非ペプチド化合物X3−X2−X1−Trp(Trpは分光法による
モニターのために結合した)が放出される。第2のケー
ス(図式XIII下段)ではリンカーの切断により、コーデ
ィングペプチド構造が結合していない非ペプチド化合物
X3−X2−X1−Trpが放出される。非ペプチド化合物の構
築には(i)α−ブロモ置換カルボン酸又はブロモメチ
ル安息香酸の固体支持体にある利用可能なアミノ基への
結合、(ii)アミン又はN−保護アミノメルカプタンの
アミノ基(Zuckerman et al.,1992,J.Am.Chem.Soc.11
4:10646−10647)又はチオール基のアルキル化、及び
(iii)カルボン酸誘導体による生成アミノ基のアシル
化が含まれる。構築したスクリーニング分子構造の割り
当て(assignment)が構築物の分子量のみに基づくよう
に、この実験のための構成単位を選択した(表1参
照)。スクリーニング構造への未変成構成単位の導入後
(又は前)には、必ず分子のもう一方のアームへのコー
ディングアミノ酸のカップリングを行った。コーディン
グにはグリシン、アラニン及びロイシンのみを用いた
(従ってこれらのアミノ酸はランダム化の全工程で異な
る構造成分をコーディングした)。係るアミノ酸の特定
の構造成分の割り当てを図式IXに示す。ポリマーマトリ
ックスに結合した2−ブロモペンタン酸による本実験に
用いたアミン又はチオールのアルキル化により、キラル
中心をもつ化合物が生成し、従って構造組合せ数は27で
はなく36である。しかしながら27の異なるビーズ型が
(異なる分子量の配列でスクリーニングして)生成する
のみであり、そのうちの9ビーズはジアステレオマー化
合物の混合物を含んでいる。混合物の分析を容易にし、
ポリマー支持体でこの型の合成を行うことができること
を証明するために、モデルライブラリーの合成と同じ化
学的方法及びポリマー支持体により、可能な構造の3つ
を個々の化合物として再合成した。
SCALリンカー還元後に生成した混合物を支持体から切
断し、逆相HPLCによって分析した。得られたピーク数は
予測した数36にほぼ一致していた。第1型のライブラリ
ーのそれぞれのピークを回収した。回収した各分画の一
部にEdman分解を行い、また別のものには質量分析を行
った。得られた結果により、ペプチド配列によるコーデ
ィングの原理を実行することは可能であることが確認さ
れ、配列決定及び質量分析による分子量測定値に相関が
認められることが確認される(表2)。
第2ライブラリーより無作為に選択したビーズで別の
分析を行った。SCALリンカーを不安定にするために還元
剤によりそれぞれのビーズを処理し、非ペプチド構造を
TFA/水の混合液で切断した。この処理の後にビーズを連
続的に配列決定し(表II参照)、非ペプチド化合物の構
造を推定した。切断した化合物をミクロHPLC系で分析し
た。
8.実施例:ライブラリー:XXXX−Lys(XXXX)−Lys(Z
Z)−βAla−Gly−βAla−Gly−TG 本実施例では、試験化合物ペプチドの配列決定可能な
部分と同時にペプチドの配列決定不可能な部分のコーデ
ィングために、コーディングペプチドを用いることがで
きることを示す。
8.1.材料及び方法 8.1.1.ライブラリーの合成 以下のプロトコルに従い、ライブラリーを合成した。
1.Fmoc Lys(Boc)のH−βAla−Gly−βAla−Gly−TG
へのカップリング;2.Fmoc切断;3.Fmoc−Lys(Fmoc)カ
ップリング;4.Boc切断;5.樹脂を9つに分けた後に以下
のDdz保護アミノ酸を別々の反応でカップリングした:A,
D,I,K,M,N,S,T,V;6.Fmoc切断;7.9つのFmoc保護アミノ酸
を別々の反応でカップリングした:Y,G,F,L,H,P,Q,R,E
(Yは既にAなどを結合している樹脂の部分にカップリ
ングした。);8.樹脂を一緒にしてDdzを切断した;9.5−
7の工程を繰り返す;10.Fmoc切断;11.9つのFmoc保護ア
ミノ酸のカップリング:Y,G,F,L,H,P,Q,R,E;12.10−11の
工程を繰り返す;13.Fmoc切断;14.側鎖保護基及びDdzを
混合物K(King et al.,1990,Int.J.Pep.Protein Re
s.36:255−266)で取り除いた。
1つのビーズに4サイクルのEdman分解を行った:第
1サイクル:Arg(64),Ile(67);第2サイクル:Gly
(45),Thr(14);第3サイクル:Phe(42);第4サイ
クル:Arg(35)。IleはカップリングのためにDdzで保護
されており、第1サイクルで検知された。IleはPheをコ
ーディングし、PHeは第3サイクルで検知された。第2
サイクルで、ThrはDdzで保護されるようカップリングさ
れたアミノ酸として検知された。従ってThrにコーディ
ングされたArgは、配列決定の第4サイクルで検知され
た。
8.1.2.ライブラリーのスクリーニングプロトコル 発表されている方法(Lam and Lebl,1992,Immunome
thods 1:11−15)に従い、ペプチドライブラリーをス
クリーニングした。DMFを取り除くために、ペプチドビ
ーズをまず2回蒸留した水と混合した。PBS(137mM Na
Cl,2.7mM KCl,4.3mM Na2HPO4,1.4mM NH2PO4,pH7.2)
で徹底的に洗浄した後に、非特異的結合をブロックする
ために0.05%ゼラチン(w/v)でビーズをコーティング
した。次に、2xPBS/Tween/ゼラチン(2xPBS、0.1%Twee
n−20(v/v)及び0.05%ゼラチン(w/v))中の2mg/ml
のストレプトアビジン(streptavidin)−アルカリホス
ファターゼ(Pierce;Rockford,IL)の1:100,000希釈液
で、ビーズをインキュベーションした。次にビーズをTB
S(137mM NaCl、2.7mM Kc1、25mM Tris塩基、pH7.
4)で徹底的に洗浄し、標準基質5−ブロモ−4−クロ
ロ−3−インドイルリン酸を加えた。次にビードを基質
と共に、呈色反応のためにシャーレに移した。30分から
1時間後に呈色ビードをミクロピペットを用いて回収
し、6MグアニジンハイドロクロライドpH1.0で洗浄して
前記の方法により配列決定を行った。
次に、無色ビーズの残りのライブラリーを8Mグアニジ
ンハイドロクロライド、pH2.0でリサイクルし、PBSで徹
底的に洗浄し、2xPBS/Tween/ゼラチン中の60pMビオチニ
ル化抗−β−エンドルフィン(クローン3−E 7,Boeh
ringer Mannheim)で一晩培養した。徹底的に洗浄した
後に、ストレプトアビジン−アルカリ性ホスファターゼ
を加えた。1時間後にビーズを洗浄し、基質を加え、上
記方法に従い呈色反応を行った。次に呈色ビーズを物理
的に分離し、配列決定を行った。これら2つの実験で
は、最も呈色の強いビーズのみに配列決定を行った。
8.2 結果及び考察 上記のセクション6及び7は、「試験化合物」を「コ
ーディング」ペプチド配列によりコードできることを示
すものである。この原理はまた、ペプチド鎖内に配列決
定できない成分を含むペプチドの構造を決定するのにも
用いることができる。この場合は、配列決定できない部
分の後にあり、分子のカルボキシル末端に位置するアミ
ノ酸残基をコーディングすることのみが必要である。本
発明者らは、「試験化合物」は配列決定不可能な成分を
実際には含んでいないが、この状態を擬態するライブラ
リーを構成した。ライブラリーの構造を図式XIVに示
す。
「試験化合物」アームのアミノ酸残基X4及びX3は、
「コーディング」アームのアミノ酸残基のいずれによっ
てもコードされない。アミノ酸Z1及びZ2は残基X1及びX2
をコードし、「試験」配列中の2分の1の濃度のアミノ
酸中に存在する。2サイクルのEdman分解により、対象
ペプチドの構造が明らかになる。より多く検知されるア
ミノ酸は、「試験」配列の1位又は2位の残基である。
より少なく検知されるアミノ酸は配列の4位又は3位を
コーディングする残基である。コーディングアミノ酸は
コーディングしようとするアミノ酸と同じでも異なって
いてもよい。本実施例に用いたコーディング及びスクリ
ーニングアミノ酸セットを、図式XIVに示す。
ライブラリーの合成を、3つのアミノ保護基の組合せ
を用いて実施した。「スクリーニング」配列中のα−ア
ミノ基の一時的な保護を、ジメチルホルムアミド中のピ
ペリジンによる切断できるFmoc基により行った。「コー
ディング」配列の一時的な保護を、希釈したトリフルオ
ロ酢酸(2%)で切断可能なDdz基(Birr et al.,197
2,Liebig's Ann.Chem.763:162−173)を用いて行っ
た。より高濃度のトリフルオロ酢酸(50%)で切断可能
なtert−ブチル型保護基により、側鎖官能基を保護し
た。標識配列によるランダム化の1サイクルは、(i)
この工程でランダム化するアミノ酸数と対応する反応器
に樹脂を分け、(ii)Fmoc保護アミノ酸(Y,G,F,L,H,P,
Q,R,E)をカップリングし、(iii)洗浄、Ddz基切断お
よび中和を行い、(iv)対応するDdz保護アミノ酸(A,
D,I,K,M,N,S,T,V)をカップリングし、(v)固体支持
体を混合し、Fmoc基脱保護する、ことから成る。
このライブラリーを用いて、2つのモデル標的である
抗−β−エンドルフィンモノクローナル抗体及びストレ
プトアビジンについてスクリーニングした。ポジティブ
ビーズ(positive bead)を標準染色法(Lam and Le
bl,1992,Immunomethods.1:11−15;Lam et al.,1991,N
ature 354:82−85)により同定し、このスクリーニン
グで同定したビーズ(各標的につき5つ)に2サイクル
のEdman分解を行った。2サイクルのEdman分解の結果を
表3に示す。ここで明らかなように、ストレプトアビジ
ンポジティブビーズにより、全例において第1サイクル
ではH(X1)及びS(Z1)(Q、X3をコーディング)、
第2サイクルではP(X2)及びI(Z2)(F、X4をコー
ディング)が与えられた。従って、スクリーニングアー
ムHPQFの配列は容易に解読できた。抗−β−エンドルフ
ィンスクリーニングで同定したビーズでは、より多様な
結果が得られた。Y(X1)及びD(Z1)(G、X3をコー
ディング)以外に、N(Z1)(G、X3をコーディング)
も第1サイクルで検知され、G(X2)及びI(Z2
(F、X4をコーディング)及びK(Z2)(L、X4をコー
ディング)が第2サイクルで検知された。従って、これ
らのデータから配列YGGL(3x)、YGGF及びYGPFが構成で
きた。これらの配列は過去に得られたデータ(Lam and
Lebl,上記;Lam et al.,1991,上記;Lam et al.,19
93,Bioorg.Med.Chem.Lett.3:419−429)と一致してい
る。
これらの実験から、部分的又は完全に配列決定が不可
能であるその他の構造をコーディングするために、ペプ
チドを用いることができることを明らかに証明される。
リガンド受容体分子相互作用試験及び薬剤開発に広範に
応用することができるために、この技術は重要な意義を
もつ。コードされたライブラリーにより、これに類する
広範な試みを、薬剤合成及び非ペプチドライブラリース
クリーニングに応用することへの道が開かれる。
9.実施例:固相ペプチド合成化学に基づく非ペプチド構
造ライブラリー 本実施例はペプチド構造合成の簡潔さと、標準アミノ
酸以外の代わりのサブユニットを用いることによる多様
性を組み合わせるものである。ライブラリー構造の最も
単純なサブユニットはセクション5.5.9.で説明した。
本ライブラリーの合成では、構造を多様なものにする
ために、3官能性アミノ酸の使用及び側鎖の変性を行
う。ジアミノ酪酸、アスパラギン酸、シスチン及び/又
はイミノジ酢酸等のアミノ酸は、側鎖にカルボン酸、ア
ミン、イソシアネート又はハロゲン化物(脂肪族、芳香
族、複素環式化物)を結合させる最小のサブユニットで
ある。これらのアミノ酸はそれ自体、さらなる誘導のた
めの足場(scaffold)として作用することができる。
受容体(acceptor)たとえばレセプター、抗体、酵
素、核酸等)への適切な結合を達成するためには、相互
作用する構造の適切な立体配置が必要である。ペプチド
ライブラリーのアミノ酸側鎖を線で表したものは、最良
の結合構造を選択するための最適なフォーマットではな
い可能性がある。相互作用構造を表すための最適方法
は、適切なコンホメーションスペースをマッピングする
分子足場上に表すことであろう。異なる側鎖のみならず
異なる足場を用いて、足場配置に於ける同じ個々のビル
ディングブロック間の内部関係を変化させることができ
る。
9.1 材料及び方法 9.1.1 機器 高速原子衝撃(FAB)質量分析による測定を、ZAB EQ
分光計(VG Analytical Ltd,Manchester,UK)により
行った。1H NMRスペクトルを、General Electric(Fu
llerton,CA)QE300装置によって測定した。Edman分解に
よる配列決定を、ABI4778タンパクシークエンサー(App
lied Biosystems,Foster City,CA)によって行った。
分析及び分取的HPLCをいずれも、それぞれVydac Pepti
de及びProtein C18分析(4.6x250mm、5μm、1ml/
分)及び分取的(10x250mm、10μm、3ml/分)カラムを
用いて、Waters 490E Programmable Multiwavelengt
h Detectorを装備したWaters 625 LC系により行っ
た。1つのビードから遊離した混合物の分析を、Relias
il C18カラム(5μm、300A、1x150mm)を用いて、Ul
trafast Microprotein Analyzer(Michrom BioResou
rces,Pleasanton,CA)により行った。CDCl3又はCD3SOCD
3のいずれかを溶剤として用いてテトラメチルシラン
(δ)と比較して、全スペクトルをppmで表わす。紫外
線/可視光線吸収スペクトルを、1cmの石英キュベット
を用いて、Hewlett Packard HP 8452A Diode−Arra
y分光光度計により記録した。アミノ酸分析をD−500sy
stem(Durrum Corp.,Palo Alto,CA)系により実施し
た。
9.1.2 手順 固相合成をKrchnak及びVagner記述の方法(1990,Pept
ide Res.3:182−193)に従い、ポリプロピレン注射器
により手操作で行った。SCALハンドルで変性した(Pate
k及びLebl,1991,Tetrahedron Lett.32:3891−3894)
(safety−catchアミドリンカー)TentaGel S NH
2(TG)樹脂(Rapp Polymere,Tubingen,Germany,130又
は80μm,0.23mmol/g)、又は適切なリンカーによって分
析を実施した。Fmoc保護基を50%ピペリジン/DMFで1x10
分間切断し、Tfa基を10%ピペリジン/水により処理を
繰り返して(3x1分+90分)切断した。Npys基をジオキ
サン中0.3M HCl溶液で5+30分間除去し、Aloc基をDMF
/AcOH/N−Me−モルホリン(10:2:1)中の(Ph3P)4Pdに
より除去し、Boc基を3%アニソールを含む30%TFA/DCM
で20分間切断した。Boc切断後に、DIEA/DCM(10%)溶
液を中和のために用いた。DMF中のBOP/HOBt/DIEA(1:1:
2当量)混合液を、Nα−Fmoc及びBocアミノ酸の両者の
活性化のために用いた。各縮合反応(1.5−40時間)の
完了をニンヒドリン試験によって、又は第2級アミノ基
へのカップリングの場合はクロラニル試験によって確認
した。カップリングプロトコルは、カップリング及び脱
保護の間、及び脱保護及びカップリングの間にDMFによ
る洗浄(6−8回)(Boc保護アミノ酸の場合は次にDCM
による洗浄を行った)が含まれるものであった。SCALリ
ンカーをDMPU中の20%(EtO)2P(S)SHによって2時
間還元した。最終切断を95%TFA−5%水の混合液によ
って行った。
9.1.3 試薬 市販の溶剤をさらに精製することなく使用した。保護
アミノ酸は、Bachem(Torrance,CA)、Advanced ChemT
ech(Louisville,KY)又はPropeptide(Vert−le−Peti
t,France)より入手した。アミン及びカルボン酸をAldr
ich(Milwaukee,WI)より入手した。
9.1.4 非ペプチド足場上の非ペプチドライブラリー合
成 モノ tert.ブチルオキシカルボニルエチレンジアミン 本化合物を過去に記述された方法(Krapcho et a
l.,1990,Synthetic Commun.20:2559−2564)に従って
調製した。簡単に述べると、ジオキサン(50ml)中のte
rt.ブチルジカーボネート(5.0g,0.023mol)溶液を、ジ
オキサン(60ml)中のエチレンジアミン(11.0ml、0.16
5mol)にゆっくり加えた。24時間撹拌した後に溶剤を蒸
発して残渣を水(80ml)に溶かし、不溶性の副生成物を
ろ過除去してろ液をジクロロメタンで抽出した(3x100m
l)。溶剤を蒸発させた後に、ジエチルエーテル−石油
エーテル又は酢酸エチル−石油エーテルの溶剤混合液で
生成物を結晶化した。収量(収率)2.6g(71%)。NMR
(300 MHz,DMSO−d6,25℃)、d:1.39(s,9H,tBu),2.8
3(m,2H,CaH2),3.16(q,2H,CbH2),6.93(t,1H,NH),
7.77(br,2H,NH2)。融点75℃。
N−tert.ブチルオキシカルボニル−N'−フルオレニル
メチルオキシカルボニルエチレンジアミン アセトニトリル(300.0ml)中のフルオレニルメチル
サクシニミジルカーボネート(31.0g,0.092mol)溶液
を、10%Na2CO3水溶液(250ml)に溶解したモノ tert.
ブチルオキシカルボニルエチレンジアミン(10.0g,0.06
3mol)にゆっくりと加えた。アセトニトリルを蒸発して
生成物を酢酸エチルで抽出し、有機相をNa2CO3上で乾燥
し、濃縮し、石油エーテルを加えて生成物を結晶化し
た。生成物をフィルタに回収し、石油エーテルで洗浄し
た。収量(収率)20.0g(84%)。TLC石油エーテル−ジ
エチルエーテル88:12 Rf 0.64。NMR(300 MHz,DMSO
−d6,25℃)、d:1.37(s,9H,tBu),2.99(m,4H,CH2C
H2),4.20−4.29(m,3H,Fmoc OCH2CH−),6.76(t,1H,
NH),7.25(t,1H,NH),7.33−7.89(m,8H,Fmoc)。融点
146−148℃。
モノ N−フルオレニルメチルオキシカルボニルエチレ
ンジアミントリフルオロアセテート N−tert−ブチルオキシカルボニル−N'−フルオレニ
ルメチルオキシカルボニルエチレン−ジアミン(20.0g,
0.052mol)を、トリフルオロ酢酸、アニソール及びジク
ロロメタン(10:10:1)により室温で1時間処理した。
蒸発乾固後に、酢酸エチル−n−ヘキサンの混合溶剤か
ら粗生成物を結晶化した。収量(収率)15.0g(73
%)。NMR(300 MHz,DMSO−d6,25℃)、d:2.85(m,2H,
CaH2),3.22(m,2H,CbH2),4.23−4.36(m,3H,Fmoc OC
H2CH−)、7.37(m,1H,NH),7.34−7.89(m,8H,Fmoc),
7.77(br,2H,NH2)。融点128−129℃。
cis,cis−1,3,5−トリメチルシクロヘキサン−5−カル
ボサイクリックアシッド−1,3−ジカルボキシリックア
ンハイドライド(1) [(cis,cis−1,3,5−)Trimethylcyclohexane−5−ca
rbocylic acid−1,3−dicarboxylic anhydride)] 化合物(1)を過去に記述された方法(Askew et a
l.,1989,J.Am.Chem.Soc.111:1082−1090)に従って調製
した。簡単に述べると、Firestoneバルブ及びDean−Sta
rkトラップを用いて、cis,cis−1,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン−1,3,5−トリカルボン酸(1.0g,0.004mol)
をキシレン(50ml)中で19時間窒素雰囲気中で環流し
た。得られた溶液を真空下で濃縮し、生成物を結晶化し
た。ろ紙に回収した後に生成物を真空下で、70℃で1時
間乾燥した。収量(収率)0.78g(82%)。NMR(300 M
Hz,DMSO−d6,25℃)、d:1.10(s,3H,CH3),1.16(s,6H,
2CH3),1.33,2.39(d,d,4H,2CH2),1.33,2.15(d,d,2H,
CH2),12.60(s,1H,COOH)、融点252−253℃、lit.(3
2)、融点252−254℃。
5−(N−tert.ブチルオキシカルボニルアミノエチル
カルボキサミド)−cis,cis−1,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサン−1,3−ジカルボン酸(2) 酸無水物(1)(0.5g、0.002mol)をDMF(4ml)に溶
解し、DMF(4ml)に溶解したモノ tert.ブチルオキシ
カルボニルエチレンジアミン(0.33g、0.002mol)を窒
素雰囲気中で加えた。反応混合物を約5時間撹拌した後
(TLCでモニターしながら)、DMFを蒸発させた。酢酸エ
チル−石油エーテル混合溶剤で生成物を結晶化した。収
量(収率)0.38g(47%)。NMR(300 MHz,DMSO−d6,25
℃)、d:1.08(s,3H,CH3),1.13(s,6H,2CH3),1.34
(s,9H,tBu)1.07,2.51(d,d,4H,2CH2),2.43(d,2H,CH
2),2.96(m,4H,2CH2),6.70(t,1h,NH),7.71(t,1H,N
H),12.10(s,1H,COOH)。融点161−164℃。
5−(N−tert.ブチルオキシカルボニルアミノエチル
カルボキサミド)−cis,cis−1,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサン−1,3−ジカルボキシリックアンハイドライド
(3) DCM(70ml)中のジカルボン酸(2)(1.0g,0.0025mo
l)溶液に、ジクロロヘキシルカルボジイミド(0.55g、
0.002mol)を窒素雰囲気中で加えた。4時間撹拌した後
に反応混合液を濃縮し、ジシクロヘキシル尿素をろ過し
て取り除いた。ろ液を蒸発乾燥して残渣を酢酸エチル−
石油エーテルの混合溶剤で結晶化し、真空下でデシケー
ター(KOH、P2O5)内で乾燥した。収量(収率)0.9g(9
5%)。
5−(N−tert.ブチルオキシカルボニルアミノエチル
カルボキサミド)−3−(N−フルオレニルメチルオキ
シカルボニルアミノエチルカルボキサミド)−cis,cis
−1,3,5−トリメチルシクロヘキサン−1−カルボン酸
(4) アンハイドライド(3)(0.85g,0.002mol)をDMF(1
0ml)に溶解し、トリエチルアミン(pH8.5に調節)存在
下でDMF(15ml)中モノ N−フルオレニルメチルオキ
シカルボニルエチレン−ジアミントリフルオロアセテー
ト(0.88g、0.002mol)溶液を窒素雰囲気中で加えた。
反応混合物を4時間撹拌し(TLCでモニターしなが
ら)、蒸発乾固した。粗生成物を、溶媒系DCM−MeOH 2
5:1中でフラッシュクロマトグラフィー(Silica Gel
Merck 60 230−400メッシュ)にかけた。純粋な生成
物を含む分画を一緒にして蒸発乾固し、生成物を酢酸エ
チル−石油エーテルの混合溶剤で結晶化した。収量(収
率)0.32g(24%)。NMR(300 MHz,DMSO−d6,25℃)、
d:1.08(s,6H,2CH3),1.14(s,3H,CH3),1.35(s,9H,tB
u),4.25(m,3H,Fmoc OCH2CH−),6.86(t,1H,NH),7.
32−7.89(m,8H,Fmoc)。融点118−121℃。
非ペプチド足場上の非ペプチドライブラリー 化合物(4)を非ペプチドライブラリーの足場用に使
用した。TentaGel S NH2(0.4g,置換0.21m当量NH2/
g)を、以下のプロトコルに従って固相合成した。
9.1.5 TENTAGEL上のブランチドライブラリー TentaGel S NH2(5g,0.23mmol/g,ビーズの大きさ1
30μm)をDMF中で予め膨潤させ、以下のプロトコルに
従ってブランチドライブラリー(branched library)
を形成した。
(1)SCALリンカーのカップリング;(2)Fmocの脱
保護;(3)Fmoc−Lyc(Tfa)のカップリング;(4)
Fmocの脱保護;(5)Fmoc−β−Alaのカップリング;
(6)Fmocの脱保護;(7)Fmoc−Lys(Boc)のカップ
リング;(8)Fmocの脱保護;(9)Fmoc−β−Alaの
カップリング;(10)Bocの脱保護;(11)第1次ラン
ダム化;(12)Fmocの脱保護;(13)第2次ランダム
化;(14)Tfaの脱保護;(15)Fmoc−Lys(Tfa)のカ
ップリング;(16)Fmocの脱保護;(17)Fmoc−β−Al
aのカップリング;(18)Fmocの脱保護;(19)第3次
ランダム化;(20)Tfaの脱保護;(21)第4次ランダ
ム化;(22)側鎖の脱保護。それぞれのランダム化に於
いて以下の酸をカップリングした:酢酸、n−酪酸、ピ
バリン酸、n−カプロン酸、安息香酸、フェニル酢酸、
4−フェニル酪酸、ジフェニル酢酸、1−アダマンタン
酢酸、コハク酸、グルタル酸、グリシン、β−アラニ
ン、エプシロン−アミノ−n−カプロン酸、グアニド酢
酸、ガンマ−グアニジノ酪酸、サクシンアミド酸、p−
ヒドロキシ安息香酸、2−フランカルボン酸及びイソニ
コチン酸。これらのサブユニット、及び各サブユニット
に対応するアミノ酸コードを表4に示す。市販品を入手
できる場合(10当量の無水物、1.2当量のDIEA)はアミ
ノ酸を無水物としてカップリングし、又はこれらを20分
間予め活性化した(酸12当量、DIC10当量、HOBt10当
量)。グアニジノ酸はDMFに非常に難溶であるため、HOB
t及びLiClを含むDMF中にグアニジノ酸(12当量)を溶か
し、DICで活性化した。しかしながら、対照実験ではこ
れらの条件で約70乃至80%のカップリングが観察される
に留まった。合成終了後にライブラリーをTFA(3x)、D
CM(5x)、DMF(5x)、DMF/0.1%HCl(1:1)(3x)、及
び0.02%HClで洗浄した。
9.1.6 TENTAGEL上のブランチドコード化ライブラリー TentaGel S NH2(5g、0.23mmol/g、ビードの大き
さ130μm)をDMF中で予め膨潤させ、以下のプロトコル
に従ってコーデイング配列をもつブランチドライブラリ
ーを形成した。(1)Fmoc−Lys(Ddz−Gly)のカップ
リング;(2)Fmocの脱保護;(3)Fmoc−Lys(Tfa)
のカップリング;(4)Fmocの脱保護;(5)Fmoc−β
−Alaのカップリング;(6)Fmocの脱保護;(7)Fmo
c−Lys(Npys)のカップリング;(8)Fmocの脱保護;
(9)Fmoc−β−Alaのカップリング;(10)Fmocの脱
保護;(11)第1次ランダム化;(12)各反応器で個別
に行うDdzの脱保護;(13)Fmoc−保護コーディングア
ミノ酸のカップリング;(14)Npysの脱保護;(15)第
2次ランダム化;(16)各反応器で個別に行うFmocの脱
保護;(17)Fmoc−保護コーディングアミノ酸のカップ
リング;(18)コーディングアームからのFmocの脱保
護;(19)Ddz−Pheのカップリング;(20)Tfaの脱保
護;(21)Fmoc−Lys(Npys)のカップリング;(22)F
mocの脱保護;(23)Fmoc−β−Alaのカップリング;
(24)Fmocの脱保護;(25)第3次ランダム化;(26)
各反応器で個別に行なうDdzの脱保護;(27)Fmoc−保
護コーディングアミノ酸のカップリング;(28)Npysの
脱保護;(29)第4次ランダム化;(30)各反応器で個
別に行うFmocの脱保護;(31)Fmoc−保護コーディング
アミノ酸のカップリング;(32)Fmocの脱保護;(33)
側鎖の脱保護。ライブラリーをTFA(3x)、DCM(5x)、
DMF(5x)、DMF/0.1%HCl(1:1)(3x)、及び0.02%HC
lで洗浄した。
9.1.7 ファーストフローセファロース(FFS)上のコー
デイングを有するブランチドライブラリー FFS(Fast Flow Sepharose:ファーストフローセフ
ァロース)を、粒子大きさ分布幅を小さくする(ビード
の大きさ85−125um)ためにふるいにかけ、ペプチド合
成の反応器に入れてDMFで10回洗浄した。DMF中のFmoc−
Gly(2.97g)をDIC(1.57ml)及びHOBt(1.35g)で活性
化し、10mlのFFSに加えた。0.25gのジメチルアミノピリ
ジンを触媒として反応させ、懸濁液を一晩振とうした。
Fmoc−Gly−FFSをDMFで10回洗浄し、Fmocを切断して樹
脂をDMFで洗浄し、302nmでの脱保護溶液の吸光度によっ
て置換率を計算した。典型的な置換率は0.1mmol/mlであ
った。次に,Fmoc−β−Ala及びBoc−β−Alaの混合物
(モル比3:1)をDIC及びHOBtにより活性化し、3モル過
剰量でGly−FFSにカップリングした。FFSをDMFで10回洗
浄したFmoc基を除去し、遊離アミノ基をAc2O/Py(1:1)
で10分間アセチル化した。DMF及びDCMで10回洗浄した後
に、TFA/DCM/アニソール(45:45:10)で5+30分間Boc
を除去し、FFSをDCMで洗浄し(10回)、2%DIEA/DCMで
中和し(各1分、3回)、DMFで10回洗浄した。
コーデイング配列を有するブランチドライブラリーを
以下のプロトコルに従って調製した。(1)Fmoc−Lys
(Ddz−Gly)のカップリング;(2)Fmocの脱保護;
(3)Fmoc−Lys(Alloc)のカップリング;(4)Fmoc
の脱保護;(5)Fmoc−β−Alaのカップリング;
(6)Fmocの脱保護;(7)Fmoc−Lys(Npys)のカッ
プリング;(8)Fmocの脱保護;(9)Fmoc−β−Ala
のカップリング;(10)Fmocの脱保護;(11)第1次ラ
ンダム化;(12)各反応器で個別に行うDdzの脱保護;
(13)Fmoc−保護コーディングアミノ酸のカップリン
グ;(14)Npysの脱保護;(15)第2次ランダム化;
(16)各反応器で個別に行うFmocの脱保護;(17)Fmoc
−保護コーディングアミノ酸のカップリング;(18)コ
ーディングアームからのFmocの脱保護;(19)Ddz−Phe
のカップリング;(20)Allocの脱保護;(21)Fmoc−L
ys(Npys)のカップリング;(22)Fmocの脱保護;(2
3)Fmoc−β−Alaのカップリング;(24)Fmocの脱保
護;(25)第3次ランダム化;(26)各反応器で個別に
行うDdzの脱保護;(27)Fmoc−保護コーディングアミ
ノ酸のカップリング;(28)Npysの脱保護;(29)第4
次ランダム化;(30)各反応器で個別に行うFmocの脱保
護;(31)Fmoc−保護コーディングアミノ酸のカップリ
ング;(32)Fmocの脱保護;(33)側鎖の脱保護。ライ
ブラリーをTFA(3x)、DCM(5x)、DMF(5x)、DMF/0.1
%HCl(1:1)(3x)、及び0.02%HClで洗浄した。
9.1.8 混合ペプチド及び非ペプチドサブユニットのラ
イブラリー TentaGel S NH2、90μm、(Rapp Polymere,Germ
any)(2g、置換率0.25mmol/g、0.5mmol)上でライブラ
リーを合成した。まず全配列において同一の配列Gly−
βAla−Gly−βAla−Gly−Lys(Tfa)−TGを、5当量過
剰の活性化Fmoc−アミノ酸(DIC/HOBt活性化)により合
成した。N−末端Fmoc−脱保護後に、17:8:5:1:1:1:1:
1:1の比率(36部、1部当たり0.014mmol)で樹脂を9ポ
ーション(portion)に分けた。本ライブラリーで用い
るサブユニット構造を、各サブユニットのアミノ酸ジペ
プチドコードとともに図8に示す。各ポーションに加え
たサブユニットを括弧内に記載する。これらのポーショ
ンをさらに以下のように処理した。
17−部ポーション(X2=1−17):Fmoc−Dab(Boc)
−OHをカップリングして(5当量過剰)、Boc−側鎖保
護基をTFA/DCM/アニソール(50:50:2、15分)で除去
し、洗浄工程後にこのポーションを17部に分けた。標準
DIC/HOBt活性化により、対応する酸をフリー側鎖アミノ
基にカップリングした。
8−部ポーション(X2=18−25):Fmoc−Asp(OBut
−OHをカップリングして(5当量過剰)、But−側鎖保
護基をTFA/DCM/アニソール(50:50:2、15分)で除去
し、洗浄工程後にこのポーションを8部に分けた。下記
の方法により、対応するアミンを側鎖にカップリングし
た。
5−部ポーション(X2=30−34):Fmoc−IDA−アンハ
イドライド溶液(10当量、2mlのDMF中0.7mmol)を樹脂
に加えて30分間振り混ぜた。この操作を再度行って、樹
脂をDMFで洗浄して5部に分けた。アミンを以下の方法
に従ってカップリングした。
構造18−25及び構造30−34を結合させるために用いる
側鎖アミンの一般的なカップリング手段は以下の通りで
ある。樹脂結合カルボキシ基(1部当たり0.014mmol)
を、0.4mlのDMF中DIC/HOBt(10当量)混合液により30分
間活性化した。この混合液を洗浄せずに除去し、0.2ml
のDMF中の適切なアミン30当量を加えた。p−トルイジ
ンの場合は、塩酸化物を中和するために等モル量のDIEA
を加えた。樹脂を1時間振り混ぜてDMFで洗浄した。
1−部(単一の)ポーション(X2=26−29、35、3
6):イミノジ酢酸のN−Fmoc−保護モノアミド(構造2
6−29に対して)(10当量、1部当たり0.014mmol)及び
Fmoc−Cys(Bzl)−OH及びFmoc−D−Pen(Bzl)−OH
(5当量、0.07mmol)を、DIC/HOBt活性化によりそれぞ
れ単一のポーションにカップリングした。
全36ポーションにさらに実施する手順:N−末端Fmoc−
基をピペリジン/DMFにより切断した。サブユニット1−
25、35、36にBoc−Gly−OHをDIC/HOBt活性化(5当量、
1部当たり0.07mmol)によりカップリングした。サブユ
ニット26−34をDMF中ホBoc−Gly−OHの対称な無水物(1
0当量、1部当たり0.12mmol)と一晩反応させた。
コーデイングの手順:Lys(Tfa)−保護基(全36部に
於いて同一)の切断:樹脂を水で洗浄して20%ピペリジ
ン/H2O(2回、10+30分)で処理した。次に、樹脂を水
及びDMFで洗浄した。次に、標識のN−末端Fmoc−保護
基を切断せずに、Fmoc−法(DIC/HOBt活性化、10当量、
1部当たり0.14mmol)により全配列の標識を合成した。
標識のコーデイング配列を図8に示す。次に全36ポーシ
ョンを回収し、混合して2ポーションに分けた。主半分
のみ鎖のBoc−保護基脱保護後に、Boc−Glyをカップリ
ングした。両ポーションを混合し、Boc−保護基を除去
して樹脂を13ポーションに分けた。Fmoc−Tyr(But)−
OH、Fmoc−Trp−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Thr
(But)−OH、Fmoc−His(Trt)−OH、Fmoc−Pro−OH、
Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Arg(Pmc)−OH、Fmoc−Asn−O
H、Fmoc−Ser(But)−OH、Fmoc−Glu(OBut)−OH、Fm
oc−Asp(OBut)−OH及びFmoc−Gln−OH(10当量、0.38
mmol)を、DIC/HOBt活性化によりこれら13ポーションに
カップリングした。側鎖脱保護:Boc−及びBut−側鎖保
護基をTFA/DCM/アニソール(50:50:2)(15分間処理)
により切断し、1滴のiPr3SiHを加えた同じ混合液によ
り、Trt−基を15分間切断した。Pmc−基を混合物Kで1
時間切断した。洗浄及び中和工程(DCM、7%DIEA/DC
M、DMF)の後に、全13ポーションを回収してN−末端Fm
oc−基を切断した。次にライブラリーをDMFで洗浄し、
0.1%HCl水溶液に移した。
9.1.9 ライブラリーのスクリーニングプロトコル 発表されている方法(Lam及びLeb1,1992,Immunometho
ds 1:11−15)に従って、ペプチドライブラリーをスク
リーニングした。まずDMFを除去するために、ペプチド
ビーズを2回蒸留した水と混合した。PBS(137mM NaC
l、2.7mM KCl、4.3mM Na2HPO4、1.4mM KH2PO4、pH7.
2)で徹底的に洗浄した後に、非特異的結合を完全にブ
ロックするためにビーズを0.05%ゼラチン(w/v)でコ
ーティングした。次に、2xPBS/Tween/ゼラチン中の60pM
ビオチニル化抗−β−エンドルフィン抗体(クローン3
−E 7、Boehringer Mannheim)で、ビーズを一晩イ
ンキュベートした。徹底的に洗浄した後に、ストレプタ
ビジン−アルカリホスファターゼを加えた。1時間後に
ビーズを洗浄して基質を加え、上記の方法に従って呈色
反応を行った。次に呈色ビーズを物理的に分離し、配列
決定を行った。
9.2 結果及び考察 Kempトリアシッド(Kemp's triacid)(Kemp及びPet
rakis,1981,J.Org.Chem.46:5140−5143)を用いて(図
式XV)代りの非ペプチドスカホールディングを行う。
この構造では、三つのカルボキシル基は3軸コンホメ
ーションにより拘束される。Dean−Starkトラップを窒
素雰囲気中で用いて、脱水により(Askew et al.,198
9,J.Am.Chem.Soc.111:1082−1090)によりアンハイドラ
イド酸1を調製した。モノ tert−ブチルオキシカルボ
ニルエチレンジアミンによる求核反応により、この酸無
水物をアミドジアシッド(amide diacid)2にした。
これらの条件でBoc保護基が不安定であるために、同じ
脱水方法をこのアミドジアシッドに応用することはでき
なかった。ペプチド化学固有のアミドアンハイドライド
3調製の穏やかな代替方法として、塩化メチレン中で共
通のジシクロヘキシルカルボジイミド方法を用いた。そ
こでフルオレニルメチルオキシカルボニル−エチレンジ
アミンにより、アミドアンハイドライド3をこれに対応
するジアミド酸4にした。tert−ブチルジカーボネート
を用いてエチレンジアミンのボシレーション(bocylati
on)により調製したBoc−エチレンジアミンを出発原料
として、モノ保護エチレンジアミンが調製されている
(Krapcho et al.,1990,Synthesis Commun.20:2559
−2564)。モノ Boc−エチレンジアミンをそのまま用
いて、さらにN−Boc−N'−Fmoc−エチレンジアミンを
介したモノ フルオレニルメチルオキシカルボニル−エ
チレンジアミントリフルオロアセテート調製の出発原料
として用いた。
ジアミド酸4は、オーソゴナル(orthogonal)基(Dd
z、Alloc)及びカルボキシル官能基を含む第3鎖を有す
る足場の合成、又は第3次ランダム化が別々になされる
場合は足場そのものとして用いることができる。完全に
非ペプチドのライブラリーを合成するために、1を用い
ることを選択した。任意の3官能基アミノ酸をこの目的
に用いることができるが、リシン側鎖で第1次ランダム
化を行い、第2及び第3次ランダム化を足場で行った。
コンホメーションが拘束的であるこの足場を用いて、20
の異なるカルボン酸でランダム化された非ペプチドライ
ブラリーを構成した。
より大きいコンホメーション空間をマッピングする足
場は、ジアミノカルボン酸の連続的なカップリングによ
り構成される単純な分枝結合である。大きな空間を配置
する種々の足場は、フレキシブルな環状又は分枝足場で
ある。このようなライブラリーの原理の概要を図4に示
す。係るライブラリーの具体的な例を図式XVIに示す。
この足場の合成には、4個の独立(オーソゴナル)な
保護基を用いることを必要とした。本発明者らは1950年
代にペプチド化学に導入されたトリフルオロアセチル基
(Schallenbert及びCalvin,1995,J.Am.Chem.Soc.77:272
9)の使用を試みたが、α−アミノ基保護として用いた
ときのラセミ化に対する保護に於いてこの基が役にたた
ないのみならず、同基の脱保護に要求される厳しい条件
のために使用には至らなかった。このような基はジメチ
ルホルムアミド中のピペリジンを用いたFmoc脱保護中は
切断されないが、同様にFmoc基を切断するピペリジン水
溶液(20%)による1−2時間の処理によって、完全に
切断されることが明らかになった。このライブラリー構
成に用いた方法は、図式XVにより明かである。
非アミノ酸サブユニットを標準アミノ酸と結合するこ
とができる。本発明者らは936のミニライブラリーを構
成してこのアプローチにより妥当な結合を有する構造が
得られることを示した。このミニライブラリーでは、1
位にランダム化したアミノ酸から選択したアミノ酸、2
位及び3位に一つ又は二つのグリシンを有し、更に、ア
スパラギン酸のβ−カルボキシル基又は側鎖を変性した
イミノジカルボン酸とカップリングした芳香族アミンの
セット、又は4位のジアミノ酪酸側鎖にカップリングし
た芳香族酸、又はアミノ酸(システイン及びペニシラミ
ン)を含め硫黄側鎖にカップリングしたベンジルハライ
ドを有する。ライブラリーの構造を図式XVIIに示す。
非アミノ酸サブユニットを含む4位は、配列決定中に
問題を生じる可能性があることから、同位をコーディン
グした。20を上回るビルディングブロックをランダム化
に用いたために、ダブレットアミノ酸コーディング法を
採用した(図8)。構造決定に於ける面倒を避けるため
に、コーデイングに用いたアミノ酸を1位のランダム化
に用いたアミノ酸及び2位のアミノ酸のセットと重複さ
せなかった。6つのアミノ酸のダブレットコドンによ
り、36までの異なるビルディングブロックをコーディン
グし得る。
このミニライブラリーをモデル系である抗−β−エン
ドルフィンモノクローナル抗体に対してスクリーニング
した。正の反対を示したビーズに3サイクルのEdman分
解を行い、得られたデータより推測した相互反応構造を
図式XVIIに示す。また、抗−β−エンドルフィンモノク
ローナル抗体の未変性リガンド構造を図式XVIIIに示
す。
抗−β−エンドルフィンモノクローナル抗体との結合
に基づき選択した化合物を、ビーズ結合型及び遊離型
(free form)で合成し、その結合親和性を測定した。
ビーズ結合配列は特異的結合(ロイシンエンケファリン
に匹敵する)を示した。図式XVIIIに示すように、抗体
への結合は適切な距離をおいて配置される芳香族基が必
要である。しかしながら、係る2つの芳香族基を結合す
る構造は、結合親和性に於いて非常に重要である。
10.実施例:樹脂ビーズ上の表面官能基の選択的活性化 本実施例においては、担体粒子の「内側」から、物理
的に分離された「表面」を有する、固相支持体粒子の調
製方法、並びに表面上のスクリーニング構造及びビーズ
内のコーディング分子を合成する方法について述べる。
この意味における表面とは、ビーズ上の、高分子受容体
分子に接近可能な部分として理解すべきものである。ビ
ーズ上の利用可能表面は、非常に高分子量の受容体分子
については、ビーズの寸法に基づいて計算した表面積に
ほぼ対応している。また表面積は、低分子量受容体分子
については、(ポリマービーズ中の全細孔の内表面を含
む)材料の中への浸透を利用する種々の方法で測定でき
る。ポリマーの網目構造の中へ自由に浸透する受容体分
子は、ポリマー粒子の表面と内側を区別することはでき
ないものと考えられる。粒子の利用可能表面には、動的
成分も含まれている。
10.1.材料及び方法 10.1.1.固相ビーズからの表面成分ペプチドの除去 モデルペプチド(YGGFL,LHPQF,LHPQFYG)は、リンカ
ー(β−Ala−Gly−β−Ala−Gly)を結合したTentaGel
AM(Rapp Polymere,Tubingen,Germany,0.21mmol/g)
上で合成した。合成は、Fmoc保護アミノ酸及びジイソプ
ロピルカルボジイミドを用いて、カップリング試薬とし
てのN−ヒドロキシベンゾトリアゾールの存在下で、標
準固相法により行った。ペプチドの脱保護は、スカベン
ジャー(エタンジチオール、水、及びチオアニソール)
を加えたトリフルオロ酢酸及びピペリジンのジメチルホ
ルムアミド溶液(20%)により、2段階で行った。ビー
ズを丁寧に洗浄し、0.1M炭酸アンモニウム緩衝液(pH7.
7)に移した。キモトリプシン(1mg)を加え、懸濁液を
37℃で20時間振とうし、さらに同じ処理(4時間)を2
回繰り返した。各グループからランダムに選択採取した
ビーズの配列決定の結果、ビーズ上のペプチド内容物に
有意な変化は認められなかった。
10.1.2.ポリマービーズ表面及び内側における異種ペプ
チドの合成 TentaGel AM樹脂(0.21mmol/g,1g)を、Boc−Pheと
縮合して修飾した。樹脂を洗浄し、0.1M炭酸アンモニウ
ム緩衝液(pH7.7)の中へ移した。上記と同様にしてキ
モトリプシン処理を行った。樹脂を同じ緩衝液と水で丁
寧に洗った後、さらにジメチルホルムアミドで洗い、こ
れを用いて、Fmoc保護基、ジイソプロピルカルボジイミ
ド及びN−ヒドロキシベンゾトリアゾールをカップリン
グ試薬として、標準固相合成法により、YGGFL配列を合
成した。最終カップリング段階でFmoc−Tyr(But)をカ
ップリングした後、Fmoc基を除去せずに、樹脂を50%ト
リフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液で処理した。次の
合成段階では、Boc保護アミノ酸を使用した。カップリ
ングは、上記と同じ試薬を用いて行い、各段階の後で、
50%トリフルオロ酢酸によりBoc基を除き、ジイソプロ
ピルエチルアミンのジメチルホルムアミド溶液(5%)
で処理してカップリングを行うためのプロトン化アミノ
基を調製した。スカベンジャー(エタンジチオール、
水、及びチオアニソール)入りトリフルオロ酢酸及びピ
ペリジンのジメチルホルムアミド溶液(20%)を用い
て、2段階でペプチドを脱保護した。ビーズを丁寧に洗
い、前記のようにして抗−β−エンドルフィンで染色す
る準備を整えた。この方法で染色したビーズは、YGGFL
配列のみを含むビーズと識別できなかった。
10.2.結果及び考察 ビーズの表面からペプチドを選択的に切断するのに
は、酵素が使用されてきた。YGGFL及びLHPQFYGの試験配
列を調製し、キモトリプシンと共にインキュベートし、
ビーズの反応性を試験した。
処理ビーズを、抗−β−エンドルフィン及びストレプ
トアビジンに結合させる試験を行った。結果を表5に示
す。
YGGFL配列のビーズは、抗−β−エンドルフィン抗体
への結合活性を完全に失っていた(表5)。LHPQF−YG
を含むビーズも、ストレプトアビジンに対する活性を完
全に失っていた。しかし、LHPQF−YG或いはYGGFLの全量
の減少は極めて僅かであった。このことから、ビーズ内
側へは、影響が及ばないことが判った。この場合、LHFQ
Fはキモトリプシンの基質としての性能が低いので、YG
リンカーを使用した。Edman分解を行ったところ、ビー
ズ上のペプチド内容物に有意な変化は認められなかっ
た。
これらの予備的な結果に基づいて、キモトリプシンを
選択的脱保護試薬として使用した。キモトリプシン用の
単純基質であるBoc−Pheを、固相担体の、全ての利用可
能なアミノ基上で合成した。この修飾樹脂を種々の条件
下でインキュベートしたところ、ほぼ同量、即ち1.1%
のBoc−Pheが放出された。脱保護アミノ基を、Fmoc法に
より、YGGFLの合成に使用した。合成後、放出Fmoc量を
定量し、有効アミノ基の約1%が合成に使われたことが
確認された。各ビーズ上の残存アミノ基からのBoc保護
基は、TFAによって切断され、配列LHPQFをBoc合成によ
ってつくった。全ての保護基を除去し、試験によって抗
−β−エンドルフィンとも、またストレプトアビジンと
も、確実に反応することが明らかになった。
ランダムに選択したビーズについてEdman分解を行
い、下記の結果が得られた(数値はpmolで表示):第1
サイクル:L114,Y<1;第2サイクル:H86,G<1;第3サイ
クル:P94,G<1;第4サイクル:Q78,F4(予備観察);第
5サイクル:F73,L<1。Edman分解による分析では、1
サイクル当たり100−120pmolの水準でLHPQF配列の存在
が示され、又、YGGFL配列に対して期待されるアミノ酸
含有量は、無視できる程度であった。このことから、仮
にYGGFLがビーズ本体の中に存在しなくても、ビーズの
表面に存在し、適切な受容体と相互に作用し得ることを
示している。
LHPQFも、依然としてストレプトアビジンと作用し合
える状態にある。これはおそらく、ストレプトアビジン
の分子量が小さいために、ポリマービーズの内部へ浸透
し易いためであると考えられる。
10.3 考察 本実施例は、酵素は樹脂ビーズの表面を選択的に脱保
護することができるが、その効果は、内側には及ばない
ことを示している。この場合には、配列LHPQFYGのキモ
トリプシンの切断は効率良く進行したことになる。LHPQ
F配列に特異的なストレプトアビジンの結合は、完全に
阻害されている。
その後行った、Boc−Phe基質を結合させたビーズを用
いた実験では、1つのビーズ上で2つの異なるペプチド
を合成することができ、しかも1つのペプチドは主に表
面に、他のペプチドは主に内側に、それぞれ独立に分離
して合成できることが判った。
11.実施例:TentaGelビーズ表面の遊離アミノ基の選択的
ブロッキング 本実施例においては、ビーズ内側の官能基を、例えば
コーディング分子のような化合物の反応及び合成を行わ
せるために遊離のまま残しておく一方で、樹脂ビーズ表
面をブロッキングする可能性について示す。
11.1 材料及び方法 TentaGel amide AM樹脂(置換量0.3meq/g)をH2O中
で数時間水和させ、0.1Mの2−[N−モルフォリノ]エ
タンスルフォン酸(MES)緩衝液(pH5.7)で洗浄した。
各0.2mlの沈降ビーズに、ポリグルタミン酸(Sigma Ch
emical、Mr 30,000)を種々の量(0−10mg)加えた。
次に、各試験管に、1−エチル−3−(3−ジメチルア
ミノ−プロピル)カルボジイミド−HCl(EDC)60mgを加
えた。一晩、反応混合物を静かに揺すった。次にビーズ
を2回蒸留(dd)したH2Oの中で洗い、エタノールアミ
ン0.24mmolとEDC60mgを加えたMES緩衝溶液を各サンプル
に加えた。静かに4時間振とうした後、樹脂を、ddH2O
で充分に洗浄した。次に樹脂を凍結乾燥した。このよう
に処理した樹脂をジメチルホルムアミド(DMF)で膨潤
させた。Fmoc化学により、ペプチドYGGFLGGGを各処理樹
脂サンプル上で、標準法を用いて合成した。既報[Lam
等:Nature 354,82−84(1991)]のように、N−末端
のFmoc基及び側鎖の保護基をピペリジン及びトリフルオ
ロ酢酸で除去した。ジイソプロピルエチルアミン(DIE
A)で中和した後、樹脂ビーズを充分に洗浄し、第10節
に述べた抗−β−エンドルフィンによる染色用ビーズを
調製した。
11.2 結果及び考察 樹脂ビーズの表面の官能基を、ポリグルタミン酸でブ
ロックする能力は、使用するポリグルタミン酸量に直接
比例した(表6)。明らかに、ポリグルタミン酸でブロ
ックした樹脂はほんの少し染色されただけであり、この
ことから、大部分の表面アミノ基は、YGGFLGGGペプチド
の合成前にブロックされていたことがわかる。しかし、
さらに重要なのは、ブロックした樹脂もブロックしない
樹脂も、その中に含まれるペプチド量はほぼ同じ(表
7)であり、このことから、ポリグルタミン酸のブロッ
クは、ビーズ表面のみで起こり、ビーズ内側の遊離アミ
ノ基はそのまま残されており、これが後のペプチド合成
に使われることがわかった。
追加の実験は可逆的にカップリングするポリマーを含
んでいた。可逆的カップリングポリマー上に、そのα−
カルボキシル基を介してBoc−Gluを結合した。この修飾
ポリマーをビーズ表面にカップリングさせ、「内側」ア
ミノ基を適当に修飾した後で、グルタミン酸のBoc基を
切断した。次にビーズに1サイクルのEdman分解で処理
し、これによりグルタミン酸ポリマー試薬により保護さ
れていたアミノ基を再生させた。このようにして、ビー
ズの別々の部分、即ち表面と内側に、それぞれ異種のペ
プチドを合成した。
本発明は、ここに述べた特定の実施例によって、その
範囲が限定されるものではない。実際、ここに記載した
実施例に加えて、当該技術に精通した人々にとっては、
本発明の種々の変形があり得ることが、前述の記載及び
それに付随した図から明らかであろう。このような変形
は、本出願の請求の範囲に含まれるものである。
ここに各種の刊行物を引用したが、これらの引用に当
たってはその全体をそのままを参照として援用する。
12.実施例:非ペプチドライブラリーの構築に適したサ
ブユニット 非ペプチドライブラリーの構築には、固相合成に適し
たサブユニットを選択する必要がある。本実施例は、3
種類の異なる化学的方法に適したサブユニットの選択に
関するものである。
12.1 第一級アミノ基のアシル化 実験プロトコル:酸1mmolをDMF2mlに溶かし、DICを0.
5mmol(ジカルボン酸の場合は1mmol)添加し、Trp−RAM
−TG約100mgと一晩反応させた。反応の終点は、カイザ
ー試験によって判定した。次に樹脂をDMF、DCMで洗い、
乾燥した。生成物をTFA95%、水5%の混合物1mlと1時
間反応させて切断した。反応混合物を水5mlで希釈し、H
PLC及びMSで分析した。
受容のための要件は、生成物が期待した分子量を有
し、粗混合物中の主要生成物含有量が、HPLCクロマトグ
ラムの曲線下総面積の80%を越えていること、及び主要
生成物が期待した分子量を有することであった。表8
に、33種類の酸に関する試験結果を示す。33種類の中、
7種類は本用途に不適であるとの理由で外した。さらに
2種類の化合物、4−ヒドロキシ安息香酸及び4−ヒド
ロキシフェニル酢酸は、トリプトファンを用いた単一合
成には不向きではあっても、リシン(Fmoc)のNα−ア
ミノ基を用いた別のモデル実験では使用可能であること
が判明した。
12.2 アミンによるハロゲンの求核置換 実験プロトコル:ブロモ酢酸(5倍モル過剰)を対称
無水物経由で10分間反応させてTG130にカップリングさ
せ、さらに10分間、同じ方法で再度カップリングさせ
た。本試験アミンは、DMSOの1M溶液を用いて、一晩カッ
プリングさせた。洗浄後、Fmoc−Glyを1時間カップリ
ングさせ(HOBt,DIC)、このFmoc基を除去し、Fmocの放
出量を計算し、これを理論放出量である45μmol/mlと比
較した。第2組の実験では、生成物の純度を求め、同定
を行った。即ち、同じプロトコルによりモデル化合物R
−NH−CH2−CO−Gly−Trp−RAM−TGを合成し、95%TF
A、5%水の混合物1mlを用いて、1時間かけて樹脂から
切断し、水約5mlで希釈して、HPLC及びMSで分析した。
全部で33種類のアミンを試験したが、その中21種類
は、固相合成に組み入れてよいことがわかった。これら
の試験結果を下記に示す。
12.3 還元的アルキル化 12.3.1 一般的方法 実験プロトコル:試験アルデヒド20モル過剰を、MeOH
−DCM−AcOH 40:10:1の混合溶液約1mlで膨潤させたH
−Gly−RAM−TG(実験A)又はH−β−Ala−Gly−Trp
−RAM−TG(実験B)約100mgに添加し、一夜反応させ
た。この樹脂をAcOHの1%DMF溶液で洗浄し、次に試験
アルデヒド20モル過剰量とさらに一夜反応させた。その
後、樹脂MeOH−DCM−AcOH 40:10:1で洗浄し、この混合
物1mlに対し、NaBH3CN20モル過剰量を添加して一夜反応
させた。この樹脂をDMF/1%AcOHで洗浄し、2回目のNaB
H3CNの20モル過剰量を添加して一晩反応させた。洗浄
後、全てのサンプルをFmoc−Glyでアシル化した。実験
Aにおいて、Fmocを除去した後、生成物をFmoc−Trpで
アシル化した。この樹脂にFmoc除去処理を施し、DMF、D
CMで洗浄し、乾燥し、次にTFA95%、水5%の混合物1ml
と1時間反応させて生成物を開裂した。水約5mlで希釈
後、HPLC及びMSで分析した。
全部で31種類の試験アルデヒドを試験し、固相合成に
使用することの適否を判定した。表10に示した結果か
ら、これらの中19種類が使用できることが判った。
12.3.2 個別的方法 下記は、添加するサブユニットに特異的に適した手順
である。
配列β−Ala−Gly−Trpは、RAM−TG(置換量0.2mmol/
g)上で合成した。次に、1組の脂肪族、芳香族、及び
複素環式アルデヒドによる還元アミノ化法を用いて末端
アミノ基をアルキル化した。N−アルキル化ペプチド
を、TFA95%−H2O5%混合物を用いて樹脂から開裂し、H
PLC及びマススペクトル分析で、生成した化合物の純度
及び正確な分子量を確認した。
手順1 溶媒混合物1 ジクロロメタン−メタノール−酢酸 8
0:20:1 溶媒混合物2 ジメチルホルムアミド 酢酸−100:1 シッフ塩基の生成:溶媒混合物1で3回洗浄したH−
β−Ala−Gly−Trp−TentaGel S RAM50mgに、溶媒混
合物1を200μl及びアルデヒドを0.2mmol加えた。樹脂
を2時間振とうし、次に溶媒混合物2で3回洗浄した。
さらにアルデヒド0.2mmolを、溶媒混合物2 200μlと
共に加え、2時間振とうした後、樹脂を溶媒混合物2で
3回、及び溶媒混合物1で3回洗浄した。
シッフ塩基の還元:洗浄したペプチド 樹脂に、溶媒
混合物1を200μl及びNaBH3CNの1Mジメチルホルムアミ
ド溶液を200μl加えた。樹脂を2時間振とうし、次に
溶媒混合物2で洗った。この混合物中で、NaBH3CNの1M
DMF溶液200μlで、さらに2時間かけて還元を繰り返し
た。この後樹脂をDMF−DCMで洗浄し、乾燥し、TFA−5
%H2Oでペプチドを開裂した。
プロトコル1 溶媒混合物1で3回洗浄する。
溶媒混合物1を200μl添加する。
アルデヒドを0.2mmol添加する。
2時間振とうする。
溶媒混合物2で3回洗浄する。
溶媒混合物2を200μl添加する。
アルデヒドを0.2mmol添加する。
2時間振とうする。
溶媒混合物2で3回洗浄する。
溶媒混合物1で3回洗浄する。
溶媒混合物1を200μl添加する。
NaBH3CNの1M DMF溶液を200μl添加する。
2時間振とうする。
溶媒混合物2で3回洗浄する。
溶媒混合物2を200μl添加する。
NaBH3CNの1M DMF溶液を200μl添加する。
2時間振とうする。
手順2 シッフ塩基の生成は、手順Aによる。
シッフ塩基の還元は手順Aによるが、両還元段階の間、
還元試薬とともにアルデヒドを0.01mmol添加する点が異
なる。
プロトコル2 溶媒混合物1で3回洗浄する。
溶媒混合物1を200μl添加する。
アルデヒドを0.2mmol添加する。
2時間振とうする。
溶媒混合物2で3回洗浄する。
溶媒混合物2を200μl添加する。
アルデヒドを0.2mmol添加する。
2時間振とうする。
溶媒混合物2で3回洗浄する。
溶媒混合物1で3回洗浄する。
溶媒混合物1を200μl添加する。
NaBH3CNの1M DMF溶液を200μl添加する。
アルデヒドを0.01mmol添加する。
2時間振とうする。
溶媒混合物2で3回洗浄する。
溶媒混合物2を200μl添加する。
NaBH3CNの1M DMF溶液を200μl添加する。
アルデヒドを0.01mmol添加する。
2時間振とうする。
手順3(ワンポット反応) 溶媒混合物2で洗浄したペプチド−樹脂50mgに、この
混合物200μl及びアルデヒド0.05mmolを添加した。1
時間振とうした後、NaBH3の1M DMF溶液50μlを添加
し、樹脂を2時間振とうした。次に、還元試薬をさらに
50μl添加し、2時間振とうし、3回目のNaBH3の1M DM
F溶液(50μl)を添加した。樹脂を一夜振とうし、さ
らに上記の後処理を行った。
プロトコル3 溶媒混合物2で3回洗浄する。
溶媒混合物2を200μl添加する。
アルデヒドを0.05mmol添加する。
1時間振とうする。
NaBH3CNの1M DMF溶液を50μl添加する。
2時間振とうする。
NaBH3CNの1M DMF溶液を50μl添加する。
2時間振とうする。
NaBH3CNの1M溶液を50μl添加する。
1夜振とうする。
13.実施例:ライブラリーの非連続コーデイング モデル被験化合物を用い非ペプチドライブラリーを構
成することにより、非連続コーデイングの試験を実施し
た。
13.1 装置、材料、および方法 装置:モジュールHitachiシステムにより、分析HPLC
及び分取HPLCを実施した。カラムは各々Vydac(0.46x25
0mm、5μm、流速1ml/分)及びVydac(10x250mm、10μ
m、流速3ml/分)C−18を使用した。
材料:溶媒は特に指示がない限り市販のものをそのま
ま精製せずに使用した。TentaGel(TG)樹脂(0.21mmol
/g)はRapp−Polymere(Tubingen)より、保護アミノ酸
は、Bachem(Torrance、カリフォルニア州)、Advanced
ChemTech(Louisville、ケンタッキー州)、あるいは
Propeptide(Vert−le−Petit、フランス国)より購入
した。100以上のコーデイングサブユニットを、固相支
持体に合成した。基本的な構成単位としては、リシン、
オルニチン、ジアミノブチル酸、ジアミノプロピオン酸
を使用した。まず通常のDIC/HOBt法により、Fmoc−Lys
(Boc)、Fmoc−Orn(Boc)、Fmoc−Dab(Boc),Boc−D
ap(Fmoc)をアミノtentaGel(0.21mmol/g)に結合させ
た。側鎖保護を除去後、DIC/HOBt法により、対称無水物
やアシル塩化物を用いて非保護側鎖に修飾カルボン酸を
結合させた。合成された新しいコーデイングアミノ酸は
すべて脱保護を完全にし、Applied Biosystems ABI
477Aタンパク質シーケンサにかけてEdman分解を行っ
た。新規PTH−AAの保持時間は、Applied Biosystems
ABI 120Aアナライザにより、PTH−222Brownleeカラム
(PTH C−18 5ミクロン、220x2.1mm)を使用して決
定した。HPLCバッファ:A−0.01M NaOAc、B−アセトニ
トリル;グラジエント:0.0−0.4分−8%B、0.4−38.0
分−8−60%B、38.0−40.0分−60−90% B;流速 23
0μl/分。ピークは269nmで検出された。表14は個々のコ
ーデイングサブユニットおよび参照番号を示したもので
ある。
13.2 モデル配列の合成 被験化合物配列は、アミノ酸対のコーデイングによる
Tyr−Gly−Ala−PheおよびPhe−Gly−Ala−Phe(第XIC
図参照)と、Tyr−Gly−Gly−Phe−LeuおよびPhe(Cl)
−Gly−Gly−Phe−Leu(第XIB図参照)であった。Tyr−
Gly−Ala−Pheは抗βエンドルフィン抗体を受容体分子
として検出できるものであり、またPhe−GLy−Ala−Phe
は陰性コントロールであるため、選択した。また正確性
およびコーデイングは被験ペプチドを直接シーケンスす
ることにより確認した。
13.2.1 材料および手順 モデルペプチドの合成は、ライブラリー合成法を実証
するためではなく、コーデイングの正確性を実証するた
めに実施する。従って被験AAサブユニットの後に一対の
コーデイングサブユニットを連続結合させるのではな
く、以下に図示する都合の良い方法を用いて合成する。
ポリマー担体(TentaGel、100mg、0.21mmol/g、平均粒
径90μm)〔キャリア上には予め配列Boc−Ala−Gly−V
al−Phe−bAla−Gly−bAla−Glyを合成し、キモトリプ
シン処理(0.1MTrisバッファ、pH7.6、30mlおよび0.1MC
aCl2中7mgキモトリプシン,37℃14時間)を行ってPhe切
断により表面と内部を区別する)を行った)をジメチル
フォルムアミド(DMF)にて膨潤させ(膨潤量0.5ml)、
ポリプロピレン融解デイスク(Krchnak & Vagner、1
990、J.Pept.Res.3.182−193)の付いた2つのポリプロ
ピレンシリンジに分注した。次にFmoc−Phe(理論上合
成されているすべてのアミノ基に対して3等量)をDMF
中3等量のN−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)
存在下ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)により結
合した。青色消失後(Krchnakら、1988 Coll.Czech.Ch
em.Commun.53:2542)樹脂を洗浄し(5xDMF)、DMF中50
%ピペリジン(10分間)にてFmoc基を除去した。DMF(5
x)およびDMF(1x)2%HOBTにて洗浄後、次のアミノ酸
を結合させた。このようにして第1シリンジの樹脂に
は、アラニン、グリシン、チロシンを結合させ、第2シ
リンジの樹脂にはアラニン、グリシン、フェニルアラニ
ンを結合させた。上記のようにFmoc基除去後DMFにて洗
浄し、その後樹脂を2−クロロベンジルオキシカルボニ
ルスクシンイミド(0.4M)のDMF溶液で一晩処理した
(3時間後、ジイソプロピルエチルアミン1等量を添加
した)。Boc基をDCM中50%トリフロロ酢酸(TFA)によ
り切断した(21分)。DCM(3x)およびDMF(4x)にて洗
浄後、樹脂をDMF中10%ジイソプロピルエチルアミンに
て中和し、DMF(3x)にて洗浄し、Fmoc−Lys(Dde)
(3等量)をDICおよびHOBT(各々3等量)のDMF溶液に
て結合した(2時間)。樹脂をDMF(5x)にて洗浄し、F
moc基を50%ピペリジン(20分間)のDMF溶液にて切断
し、樹脂をDMF(3x)にて洗浄した。モル比1:1(すでに
実験で決定されている比較的等価の結合反応性を反映す
る)において被験化合物の構成〔Boc−SarおよびBoc−A
sp(OBzl)〕の4の位置のフェニルアラニンをコードす
るアミノ酸混合物の結合は、DICおよびHOBT(各々3等
量)を用いて行った。反応のモニターはブロモフェノー
ルブルー法で行った。樹脂をDMF(5x)にて洗浄し、Dde
基を2%ヒドラジン無水物のDMF溶液で10分間処理する
ことにより脱保護した。樹脂をDMF(5x)、2%HOBTのD
MF溶液にて洗浄し、Fmoc−Lys(Dde)を結合させ、Fmoc
基を除去した。Bocアミノ酸とFmoc−Lys(Dde)の混合
物の結合処理は2回繰り返し(IleおよびValの2:1コー
デイングサブユニット混合物とLys(ClZ)とGlu(OBz
l)の1:5:1コーデイングサブユニット混合物の結合)、
Dde基の脱保護の後、両シリンジの樹脂にBoc−Lys(Fmo
c)を結合させた。Fmoc基を上記のように脱保護し、DMF
(5x)にて洗浄後、第1のシリンジの遊離アミノ基のア
シル化には無水ブチル酸および無水プロピオン酸(トリ
エチルアミン1等量存在下1:1)を用い、第2シリンジ
の樹脂にはDICおよびHOBTの作用により4−フェニルブ
チル酸および3−フェニルプロピオン酸の混合物を結合
させた。次に樹脂をTFA(82.5%)、p−クレゾール
(5%)、チオアニソール(5%)、水(5%)、エタ
ンジチオール(2.5%)の混合物K(King、D.et.al.、1
990、Int.J.Pep.Prot.Res.36:255−266)で2時間処理
で脱保護し、DMF溶液(4x)および0.1%HClの水溶液(5
x)にて洗浄した。
13.2.2 コーデイングにより構成したモデル化合物YGAF
およびFGAF ポリオキシエチレンを落とした(“shaved")ポリオ
キシエチレン/ポリスチレン固相支持体(TentaGel)表
面に2種のモデルペプチドを合成した。TentaGel支持体
内部にはコーデイング部を合成したため、抗−βエンド
ルフィン抗体には結合しなかった。各被験化合物/ビー
ズ構成物のみあるいは両配列の混合物を用いれるか、あ
るいは少数の特定ビーズを化合物のライブラリーに添加
することにより、陽性コントロール被験化合物の弁別的
選択的結合が確認された。
非連続的コードはポリリシン骨格に構築された。
コードは以下のようである。
工程サブユニット コーディング部 4 Phe ブチリル−リシン、プロピオニル−リシン 4 Tyr φ−ブチリル−リシン、φ−プロピオニル−
リシン 3 Gly Glu、Lys 2 Ala Val、Ile 1 Phe Asp、Sar 抗−βエンドルフィン抗体に暴露後、陽性支持体を選
択した。Edman分解に1回かけ、φ−ブチリル−リシン
およびφ−プロピオニル−リシン誘導体の遊離により、
陽性ビーズをYGAFと同定した。被験化合物配列はこのビ
ーズの表面上のみに存在し、またビーズに結合した分子
の全体量の約2%に達したため、第1周期(コーデイン
グアミノ酸サブユニットはすべて切断された)で検出さ
れたチロシンの信号は極端に小さかった。30のプールさ
れたビーズについてシーケンスを実施して信号を増幅
し、検出されたビーズが適切であることを確認した。こ
の場合、4周期のシーケンスでYGAF被験化合物配列が直
接に示された。
13.3 デジタルコーデイングによるジアミノ安息香酸を
基剤としたライブラリーの合成 ジアミノ安息香酸を基剤としたライブラリーを合成
し、非連続コードによりコーデイングした。以下にこの
ライブラリーの合成を図示する。足場であるジアミノ安
息香酸のアミノ基への第1のカップリング工程で用いた
アミノ酸および第2、第3のカップリング工程で用いた
酸を、各々表12および13で示す。各表では被験化合物の
各種サブユニットに対応するコーデイング部も示す。表
13のコーデイング部は3/1のように2つの数字で表わさ
れ、その化学的意味は表14に定義されている。
このライブラリーの無作為に選択されたいくつかのビ
ーズについてシーケンスを行い、Edman分解によりある
解読工程が可能であることが確認される。
13.3.1 材料および方法 合成はTentaGel樹脂(90μm、0.2mmol/g)で行っ
た。Fmoc脱保護:10分間50%ピペリジンのDMF溶液、DMF
にて6回洗浄、洗浄物をすべて回収、302nmにて吸光度
を測定、Fmoc遊離を計算。
Alloc脱保護:3xDMF(各2分間)洗浄。DMF/AcOH/NMM
(5ml、1ml,0.5ml)混合物を添加し、アルゴンを15分間
泡立たせる。テトラキス(トリフェニルフォスピン)パ
ラジウム150mgを添加し、アルゴンを3時間泡立たせ
る。DMFにて3回洗浄。DCMにて5回洗浄。
Dde脱保護:洗浄ペプチド樹脂をDMF中3%ヒドラジン
溶液で5分間および30分間処理し、DMFにて洗浄。
Ddz脱保護:ペプチド樹脂をDMFにて洗浄し、次にDCM
にて洗浄する。3%TFAのDCM溶液にて5分間2回前処理
する。3%TFA/DCMによる3回目の処理は30分間行う。D
CMにて洗浄後、5%DIEAのDCM溶液にて中和し、DCMにて
洗浄、さらにDMFにて洗浄。
Npys脱保護:洗浄ペプチド樹脂をジオキサン中0.3M−
HClにて5分間処理し、次に30分間処理する。脱保護さ
れたペプチド樹脂をジオキサンで洗浄し、次にDCMで洗
浄し、5%DIEAのDCM溶液にて中和し、DCMおよびDMFに
て洗浄。
アミノ酸のカップリング:3モル過剰な保護アミノ酸を
BOP(モル比1:1)のDMF溶液により活性化する。ニンヒ
ドリンテストにより、あるいは二級アミノ基へのカップ
リングではクロラニルテストにより、各縮合工程(1.5
−40時間)が完全に行われたかどうかをチェックする。
側鎖脱保護:DCMにて3回洗浄し、混合物K(82.5%TF
A、5%p−クレゾール、5%チオアニソール、5%
水、2.5%エタンジチオール)にて5+120分間脱保護す
る。
最終洗浄:非希釈TFA(3x)、DCM(5x)、DMF(10
x)、DMF/0.1%HCl(5x)、0.1%HCl(3x)、0.01%HCl
(4x). 13.3.2 ライブラリーの合成 合成:TentaGel S NH2(10g)をDMF内で予め膨潤さ
せ、DMFにて5回洗浄した後、以下の表に示したプロト
コールに従って固相合成した。
保護ライブラリーはDMA/0.3%HOBtにて保存し、非保
護ライブラリーは0.01%水性HClにて保存した。
バーコード化ライブラリーのスクリーニング 公開されている方法(Lam&Lebl、1992、Immunometho
ds 1:11−15)により、ライブラリーをスクリーニング
した。まずライブラリービーズを二重蒸留水にて暫時増
大させながら混合した。0.1%Tween−20にてPBS(137mM
NcCl、2.7mM KCl、4.3 Na2HPO4、1.4mM KH2PO4、p
H7.2)により充分に洗浄後、ビーズを0.05%ゼラチン
(w/v)にてインキュベーションし、非特異的結合をブ
ロックした。次にビーズを2xPBS/Tween/ゼラチンで60pM
ビオチン化抗−βエンドルフィン(クローン3−E
7、Boehringer Mannheim)により一晩インキュベーシ
ョンした。洗浄後、ストレプトアビジン−アルカリフォ
スファターゼを添加した。1時間後、ビーズを洗浄し、
アルカリフォスファターゼに標準的な基質として5−ブ
ロモ−4−クロロ−3−インドリルフォスフェートを添
加した。次にビーズおよび基質をペトリ皿に移して発色
させた。30分ないし1時間後、マイクロピペットにて陽
性着色ビーズを集め、6Mグアニジンハイドロクロリド
(pH1.0)にて洗浄し、バーコードのシーケンスにかけ
た。
14. 実施例:分子スカホールド 第XIX図は被験化合物の構成に用いられる19の化合物
の化学的構造を示す。この図では被験化合物のサブユニ
ットの結合部位をRnで示す。
以下の表15はサブユニットの種類と分子スカホールド
に結合するカップリングの種類に関するガイダンスを示
す。
フロントページの続き (72)発明者 サルモン,シドニー イー. アメリカ合衆国 85718 アリゾナ州 チューソン,カミノ エル ガナド 2121番地 (72)発明者 クルシュナック,ヴィクター アメリカ合衆国 85737 アリゾナ州 オロ バレー,ノース ラ リザーブ ドライブ 10700番地,アパートメント 16,206 (72)発明者 セペトフ,ニコライ アメリカ合衆国 85737 アリゾナ州 オロ バレー,ノース ラ リザーブ ドライブ 10700番地,アパートメント 16,206 (72)発明者 コシス,ピーター アメリカ合衆国 85737 アリゾナ州 オロ バレー,ノース ラ リザーブ ドライブ 10700番地,アパートメント 11106 (56)参考文献 国際公開92/91(WO,A1) JOURNAL OF THE AM ERICAN CHEMICAL SO CIETY,米国,1993年 4月,115, 2529−2531 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/543 501 C07B 61/00 C07K 17/00 G01N 33/53 G01N 33/566

Claims (25)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対象となる受容体のリガンドを同定しかつ
    分析するためのライブラリーであって、複数の反応性官
    能基を有する多数の独立した固相支持体を含んでなり、
    該固相支持体のそれぞれに、 a)サブユニットの配列を含んでなる試験化合物の種、
    および b)コーディング分子の1以上の種、 が該官能基を介して結合されており、各固相支持体に結
    合されたコーティング分子は、 i)α−アミノ酸を含み、かつ、 ii)各固相支持体に結合された試験化合物から位相学的
    に分離されており、すなわちコーディング分子が各固相
    支持体の内部にあり、一方試験化合物は各固相支持体の
    外部にある反応性官能基の90%を超える該官能基と結合
    しており、各固相支持体上で、 コーディング分子のそれぞれの種が試験化合物の種とは
    異なっており、かつ、 試験化合物のサブユニットの配列がコーディング分子の
    種によってコード化されている、 上記のライブラリー。
  2. 【請求項2】試験化合物が配列決定不可能である、請求
    項1に記載のライブラリー。
  3. 【請求項3】試験化合物がポリマーである、請求項2に
    記載のライブラリー。
  4. 【請求項4】試験化合物がポリアミド、ポリエステル、
    ポリ尿素、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミ
    ン、ポリアルカン、ポリアルケン、ポリアルコール、ポ
    リスルフィドおよびポリジスルフィドより成る群から選
    ばれるポリマーである、請求項3に記載のライブラリ
    ー。
  5. 【請求項5】試験化合物のサブユニットがアミド、エス
    テル、尿素、ウレタン、カーボネート、アミン、アルカ
    ン、アルケン、スルフィドおよびジスルフィド結合より
    成る群から選ばれる化学結合によって結合されている、
    請求項2に記載のライブラリー。
  6. 【請求項6】試験化合物が分子足場である、請求項2に
    記載のライブラリー。
  7. 【請求項7】分子足場がステロイド構造、糖、複素環式
    構造およびポリ芳香族化合物より成る群から選ばれる、
    請求項6に記載のライブラリー。
  8. 【請求項8】分子足場がアミノ酸アルデヒド/有機金
    属、ジケトピペラジン、置換チオプロリン、置換トリア
    ジン、置換チオプロリンジオキシド、アシル化ポリエチ
    レンジアミン、ベンゼントリカルボン酸、2−S−アル
    キル(アリール)イソインドール、シクロペンタン、ジ
    アシルジアルキルジアミノ酸、延長ケンプス(Kemps)
    トリ酸、ケンプストリ酸、アルキルアシルアミノ酸、ジ
    アミノ安息香酸、ステロイド、ビス−イミノジ酢酸、N
    −アルキル化、イミノジ酢酸、α,β,γペプチド擬似
    物、またはN−置換グリシンペプチド擬似物である、請
    求項6に記載のライブラリー。
  9. 【請求項9】試験化合物がポリマーである、請求項1に
    記載のライブラリー。
  10. 【請求項10】コーディング分子が直鎖状のポリペプチ
    ドである、請求項1に記載のライブラリー。
  11. 【請求項11】コーディング分子が文枝鎖状のポリペプ
    チドである、請求項1に記載のライブラリー。
  12. 【請求項12】各支持体上で、試験化合物のサブユニッ
    トの配列がコーディング分子の単一の種によってコード
    化されている、請求項1に記載のライブラリー。
  13. 【請求項13】各支持体上で、試験化合物の構造がコー
    ディング分子の複数の種によってコード化されている、
    請求項1に記載のライブラリー。
  14. 【請求項14】各支持体上で、試験化合物の構造がコー
    ディング分子の1以上の種によってコード化されてお
    り、かつコーディング分子のサブユニットが配列コード
    で配置されている、請求項1に記載のライブラリー。
  15. 【請求項15】試験化合物のサブユニットの配列がコー
    ディング分子の単一の種によってコード化されている、
    請求項14に記載のライブラリー。
  16. 【請求項16】試験化合物のサブユニットの配列がコー
    ディング分子の複数の種によってコード化されている、
    請求項14に記載のライブラリー。
  17. 【請求項17】試験化合物のサブユニットの配列がコー
    ディング分子の1以上の種によってコード化されてお
    り、該コーディング分子のサブユニットが非配列コード
    で配置されている、請求項1に記載のライブラリー。
  18. 【請求項18】試験化合物のサブユニットの配列がコー
    ディング分子の単一の種によってコード化されている、
    請求項17に記載のライブラリー。
  19. 【請求項19】試験化合物のサブユニットの配列がコー
    ディング分子の複数の種によってコード化されている、
    請求項17に記載のライブラリー。
  20. 【請求項20】コーディング分子が、第1のアミノ基と
    第2のアミノ基を有するジアミノ酸のポリマーを含んで
    なり、 a)第1のアミノ基が該ジアミノ酸を互いに結合させる
    ペプチド結合を形成し、かつ、 b)第2のアミノ基がα−アミノ酸の多数の種のうちの
    1つに結合されている、請求項17に記載のライブラリ
    ー。
  21. 【請求項21】コーディング分子が、α,β−ジアミノ
    プロピオン酸、α,γ−ジアミノ酪酸、オルニチンおよ
    びリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン
    またはペニシラミンの誘導体を含み、該誘導体がNβ、
    NγまたはNεアミノ基とカルボン酸との反応により形
    成されたものである、請求項17に記載のライブラリー。
  22. 【請求項22】前記の誘導体がアセチル、プロピオニ
    ル、ブチリル、バレリル、カプロイル、ピバロイル、c
    −ヘキシル、トリクロロアセチル、フェニルアセチル、
    2,2−ジフェニルアセチル、フェニルブチリル、1−ナ
    フチルアセチル、2−ナフチルアセチル、1−アダマン
    チルカルボニル、1−アダマンチルアセチル、トシルグ
    リシル、ダンシルグリシル、ベンゾイル、スクシンアミ
    ル、スクシニル、グルタリル、イソブチリル、4−クロ
    ロベンゾイル、2,2−ジフェニルプロピオニル、N,N−ジ
    メチルグリシル、ヘプタノイル、オクタノイル、3,3−
    ジ−ph−プロピオニル、N,N−ジメチルアミノブチリ
    ル、3−ph−プロピオニル、4−ビ−ph−カルボニル、
    4−ビ−ph−アセチルおよびクロトニルより成る群から
    選ばれる、請求項21に記載のライブラリー。
  23. 【請求項23】試験化合物種のサブユニットが求核置換
    によって結合され、エチルアミン、i−プロピルアミ
    ン、ブチルアミン、i−ブチルアミン、シクロペンチル
    アミン、シクロヘキシルアミン、エタノールアミン、3
    −アミノプロパノール、1−アミノ−2−プロパノー
    ル、2−メトキシエチルアミン、β−Ala−OtBu、エチ
    レンジアミン(Boc)、2−(2−アミノエチル)1−
    メチルピロリジン、ベンジルアミン、ナフタレンメチル
    アミン、4−(トリフルオロメチル)−ベンジルアミ
    ン、2−アミノ−1−フェニル−エタノール、チラミ
    ン、4−メトキシ−ベンジルアミン、3,5−ジメトキシ
    −ベンジルアミンおよび4−(ジメチルアミノ)−ベン
    ジルアミンより成る群から選ばれる、請求項2に記載の
    ライブラリー。
  24. 【請求項24】試験化合物種のサブユニットが第一級ア
    ミンのアシル化により結合され、γ−グアニジノ酪酸、
    スクシンアミド酸、1−ナフチル酢酸、ジフェニル酢
    酸、ビフェニル酢酸、ペンタフルオロフェニル酢酸、4
    −トリフルオロメチル安息香酸、4−ヒドロキシ安息香
    酸、4−ヒドロキシフェニル酢酸、4−アミノフェニル
    酢酸、3−ニトロフェニル酢酸、2−ニトロ−4,5−ジ
    メトキシ安息香酸、3−(3,4,5−トリメトキシフェニ
    ル)プロピオン酸、4−グアニジノ安息香酸、4−ジメ
    チルアミノ安息香酸、4−(3−メチル−5−オキソ−
    2−ピラゾリン−1−イル)安息香酸、1,4−ジメチル
    −2,3−ピロールジカルボン酸、2−メチル−4−ニト
    ロ−1−イミダゾールプロピオン酸、2−アミノ−1−
    イミダゾール酢酸、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール
    −5−カルボン酸、4−イミダゾール酢酸、2,3−ピリ
    ジンジカルボン酸、2−ピラジンカルボン酸、2,3−ピ
    ラジンジカルボン酸、1−メチルインドール−2−カル
    ボン酸、2−メチル−3−インドール酢酸およびインド
    ール−4−カルボン酸より成る群から選ばれる、請求項
    2に記載のライブラリー。
  25. 【請求項25】試験化合物種のサブユニットが還元的ア
    ルキル化によって結合され、2−メチルブチルアルデヒ
    ド、2−エチルブチルアルデヒド、トリメチルアセトア
    ルデヒド、2−メチルバレルアルデヒド、シクロヘキサ
    ンカルボキサルデヒド、ベンズアルデヒド、4−ニトロ
    ベンズアルデヒド、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、
    バニリン、2−チオフェンカルボキサルデヒド、ピリジ
    ン−4−カルボキサルデヒド、α,α,α−トリフルオ
    ロ−o−トルアルデヒド、4−メトキシベンズアルデヒ
    ド、1−アセチルインドール−3−カルボキサルデヒ
    ド、4−カルボキシベンズアルデヒド、β−ナフトアル
    デヒド、4−フェニルベンズアルデヒド、3−フェノキ
    シベンズアルデヒドおよび2−ヒドロキシベンズアルデ
    ヒドより成る群から選ばれる、請求項2に記載のライブ
    ラリー。
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