JP2004513191A - ペプチドおよび小分子有機合成用の新しいリンカーに基づく固相支持体 - Google Patents

ペプチドおよび小分子有機合成用の新しいリンカーに基づく固相支持体 Download PDF

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Abstract

本発明は、新規なリンカーに基づく固相支持体、固相支持体上にリンカー部分を作り出す方法、ならびに支持体を用いてペプチドおよび小分子コンビナトリアル・ライブラリーを合成する方法に関し、本発明の新規な固相支持体はまた、ポリスチレンのような固相支持体に共有結合した官能化リンカーを含んでなる。

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、ペプチド合成およびコンビナトリアル・ライブラリー合成に用いられる新規なリンカーに基づく固相支持体、固相支持体上にリンカー部分を作り出す方法、ならびに支持体を用いてペプチドおよび小分子コンビナトリアル・ライブラリーを合成する方法に関する。本発明の新規な固相支持体はまた、ポリスチレンのような固相支持体に共有結合した官能化リンカーを含む。
【0002】
【従来の技術】
背景技術
固相合成の急速な発展は、より新しい合成課題を満たす新規かつ反応しやすい固相支持体の開発を要する。ペプチド合成用の固相支持体は非常によく確立されており、今般、環状ペプチド、ペプチドアミド、ペプチドアルデヒドなどの合成でさえ支持体上で直接可能となっている[(a) Barany, G. et. al., Int. J. Peptide protein Res. 30, 705−739, 1987.; (b) Fields, G. B. et al., Int. J. Peptide protein Res. 35, 161−214, 1990. (c) Lloyd−Williams, P. et al., Tetrahedron, 49, 11065−11133, 1993 (d) Wang, S. S., J. Amer. Chem. Soc. 95. 1328, 1973 (e) Barlos, K., et al., Tetrahedron Letters, 30, 3947, 1989 (f) Beebe, X., et al., J. Org. Chem., 60, 4204, 1995 (g) Rink, H., Tetrahedron Letters, 28, 3787, 1987 (h) Rapp. W., et al., ”Peptides 1988”. Proc. 20th European Peptide Symposium. Jung G. and Boyer E. (eds.), Walker de (Grnyter, Berlin, pp 199 1989]。さらに、有機小分子の合成はより反応しやすく広範囲の固相支持体を必要とする。シントンに結合する種々の官能基ならびに用いられる合成試薬および実験条件に対するそれらの安定性および感受性についての文献には、多数の支持体が報告されている[Oesapay, G., et al. ”Peptides Chemistry, Structure and Biology, Proc. 13th American Peptide Symposium”. Hodges, R. S. and Smith J. A. (Eds.), ESCOM, Leiden. pp 435. 1994. (b) Hermkens, P. H. H. et al, Tetrahedron, 52, 4527. 1996 (c) Hermkens. P. H. H. et al, Tetraheron, 53. 5643. 1997 (d) Brown, R. C., J. Chem. Soc. Perkin−l. 3293. 1998]。ほとんどの場合、利用できる支持体は、分子に有害である強酸を含む固相支持体から分子を開裂させるために激しい条件を必要とする。さらに、アミノ分解および還元的開裂法は、特にペプチドの場合には、副反応およびラセミ化を引き起こす。他方、比較的温和な条件を必要とする支持体では、特に有機小分子の場合には、有機合成に用いられる種々の試薬および実験条件に耐えられない。従って、オルト適合性の新規かつ反応しやすい支持体の開発が極めて有益である。本質的に固体マトリックスと成長中の分子との間に二官能性リンカーを組み込む戦略に基づいた種々の支持体の開発が活発に行われている。第1の工程は固体マトリックスにリンカー分子を結合させることを含み、次ぎにそのリンカーを担持する固相支持体上で所望の合成足場を構成する。これによって合成足場の結合に所望の官能基を利用して固相支持体上に所望の化学特性を達成することができる。この前提に基づいて、リンカーに基づく固相支持体がいくつか開発され、市販されている[Oesapay, G., et al, ”Peptides Chemistry, Structure and Biology, Proc. 13th American Peptide Symposium”, Hodges, R. S. and Smith J, A, (Eds.), ESCOM, Leiden, pp 435, 1994, (b) Hermkens, P. H. H. et al, Tetrahedron, 52, 4527, 1996 (c) Hermkens, P. H. H. et al, Tetrahedron, 53, 5643, 1997 (d) Brown, R. C., J. Chem. Soc. Perkin−1, 3293, 1998. およびa) Blackburn, C. Biopolymers, peptide sciences, 47, 311, 1998 (b) Patek, M. and Lebl, M. ibid. 353 (c) Barany, G., et al, United States Patent: 5,235,028 1993. (d) Barany, G., United States Patent: 5,306,562, 1994 (e) Jensen, K. J., et al., United States Patent 5,917,015, 1999]。同様の方針で研究を行い、出願人らもペプチド固相合成用のリンカーを以前に開発している[Katti, S. B. et al, J. Chem. Soc. Chem. Commmun., 843−844, 1992]。図2、式VIIに示したような基礎の不安定なリンカーを、容易に入手できる原料を用いて製造し、使用される各アミノ酸についてそれぞれC末端で合成した。それはPAM樹脂の合成に使用される方法に従って製造した[Mitchell, A. R. et al., J, Org. Chem. 43, 2845, 1978]。これによって、ペプチドのさらなる合成のため、固相支持体上に予めリンカーが付加されたアミノ酸が得られる。この合成をクロロ酢酸(I)を臭化フェナシル(II)で処理することで開始すると、対応するエステル(III)が得られた。エステルIIIメルカプトエタノール(IV)で処理すると、保護されたリンカー(V)が得られた。リンカーの水酸基をDCCおよびDMAPで適切に保護されたアミノ酸(BocまたはFmoc)でアシル化し、次いでZn/AcOHによってフェナシルエステルを脱ブロックすると、遊離の酸(VI)が得られた。次ぎに遊離の酸VIのスルフィド基を酸化してオキソンで処理することにより、対応するスルホン(VII)が得られた。適切に保護されたアミノ酸を有するリンカー酸をDIC/HOBT法によってアミノメチル樹脂上に付加すると、定量的な付加が得られた。固相支持体上に第1のアミノ酸を担持するリンカーを付加したところ、リンカーに基づく固相支持体ーの有用性は、公知の方法を使用するBocおよびFmoc化学を利用するペプチド合成によって実証された。固相支持体からのペプチドの開裂は、極めて温和な条件下、ジオキサン:メタノール:4N NaOH(30:9:1)で30分間処理することによって行われた。このこれによって保護されたペプチド断片を得る機会が与えられたが、これは大きいペプチドおよびタンパク質の合成のために極めて有用な中間体である[Kaiser, E. T., Acc. Chem. Res. 22, 47, 1989: Williams, P. et al. Tetrahedron. 49, 11065, 1993]。このように、リンカーがBocおよびFmoc双方の化学プロトコールに適合し、実験室で容易に合成できるということが実証された。このリンカーを用いて数種のペプチドおよび保護されたペプチド断片が合成された。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
技術上の課題
種々の利点にもかかわらず、上記のリンカーに基づく固相支持体にはある制限が存在する。ペプチドの合成でC末端にアミノ酸をもつリンカーは各合成で個々に合成すべきである[添付図面に示された図2]。従って、各配列の合成は付加的な工程を要し、時間がかかる。さらに、保護されたアミノ酸を有するリンカーは、固相支持体上に付加する前に強力な酸化剤であるオキソンを用いて酸化されることから、酸化しやすいアミノ酸を第1のアミノ酸として使用することができない。従ってC末端にシステイン、メチオニン、トリプトファンおよびチロシンを有するペプチド配列は、これらのアミノ酸がオキソン酸化の間に酸化されるという問題を持つ。次に、添付図面の図2に示されている式VIIのリンカーは、特により長いペプチドの合成に関してFmoc基の除去に用いられる開裂条件下では全く安定でないことが認められている。20%ピペリジン溶液に長時間曝される結果、固相支持体から成長鎖が開裂することが認められた。固相支持体からの生成物の開裂はβ脱離を経て起こるので、20%ピペリジン溶液の塩基性はリンカーのβ脱離を引き起こすには十分であり、各脱ブロック工程でペプチドの部分開裂が起こる結果となった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
発明の目的
本発明の主要な目的は、有機合成用のオルトゴナル適合性のリンカーに基づく固相支持体を提供することである。
【0005】
本発明のもう1つの目的は、BocおよびFmoc化学プロトコールを単独または組み合わせて使用してペプチド合成用の新規なリンカーに基づく固相支持体を提供することである。
【0006】
本発明のさらにもう1つの目的は、ポリスチレンのような固相支持体に共有結合した官能化リンカーを含む新規な固相支持体を提供することである。
【0007】
本発明のもう1つの目的は、ヒドロキシエチル−スルフェニル−アセトアミド樹脂の合成方法を提供することである。
【0008】
本発明のさらにもう1つの目的は、より長いペプチドの固相収斂合成に使用される保護されたペプチド断片の合成用の新規な固相支持体を提供することである。
【0009】
本発明のなおさらにもう1つの目的は、コンビナトリアル・ライブラリーを形成する有機小分子の合成用の新規なリンカーに基づく固相支持体の範囲を強化することである。
【0010】
発明の概要
上記目的を満たすために、本発明は、図1の式Iに示された新規なオルトゴナル適合性の固相支持体、ヒドロキシエチル−スルフェニル−アセトアミド樹脂(HESA樹脂)の開発を記載する。本明細書に記載される新規な固相支持体は、BocおよびFmoc双方の化学を単独または組み合わせて用いて生物学的に活性なペプチドを合成するのに使用できる。
【0011】
発明の具体的な説明
固相合成の分野とコンビナトリアル化学とが一緒になって、新しいリード物質を発見するための有用な手段として現れてきた。製薬産業およびより多くの化合物へのその探求によって大いにあおられ、固相合成は多くの有機変換に採用されてきた。これに関しての新たな興味は技術開発の1つの機会であり、すなわち有機合成の要求に対応するようにした新規なリンカーおよび/または固相支持体である。概念としては科学的精密さと簡潔さを備えているが、多様な化学特性をもつ有用な固相支持体は一方または他方のタイプの化学に適したものであって、複雑な化学を含む。本発明の支持体は市販されている安価な原料から容易に得られる。最終生成物は極めて温和な条件下で開裂させることができる。本発明は、コンビナトリアル・ライブラリーを形成するペプチドおよび小分子の合成用の新規なリンカーに基づく固相支持体の合成および適用を記載する。
【0012】
支持体からの生成物の開裂には極めて温和な塩基性条件しか必要とされないので、これにより大きいペプチドの収斂合成に有用である保護されたペプチド断片の迅速な合成もたらされる。合成されたペプチドは高収率で優れた純度である。さらにこれらの生成物はラセミ化していない。このことによって、酸化しやすいアミノ酸をC末端にもつ配列を合成が可能となる。本発明のもう1つの重要な特徴は、新規な固相支持体を、有機小分子の固相合成に、ならびにペプチドおよび有機小分子ならびに複素環式分子のコンビナトリアル・ライブラリーの形成に使用できることである。新規な固相支持体は実験室で大量に極めて便宜に合成することができ、保存中にも特別の注意を何ら必要とせず、次の合成に適用するまで周囲温度で数ヶ月間保存することができる。さらに、新規な方法もまた、その合成のために開発された。
【0013】
化学的に決められた反応性操作による新規な固相支持体の合成は2段階で達成された。第1の工程では、クロロ酢酸またはハロゲンの代わりに好適な脱離基を含むその等価物を、添付図面の図3に示された公知の方法[工程1]によってアミノメチル樹脂とカップリングする。この反応工程は、ネガティブ・カイザーテストによって示されるように定量的である。次の工程では、メルカプトエタノールと工程1で得られた固相支持体とを反応させて、添付図面の図3に示された所望の固相支持体1[工程2]を得た。添付図面に示された新規なリンカーに基づく固相支持体1は、新たに導入されたアセトアミド部分のカルボニルに相当する1666cm−1の強いピークおよび第一級水酸基に相当する3219cm−1のピークを基に同定された。
【0014】
水酸官能基の定量は、標準的なプロトコールを用いて適当なBocまたはFmocで保護されたアミノ酸を付加することにより、文献で報告されている標準法によって行った。Boc化学の場合、ピクリン酸法により固相支持体上のアミノ官能基を評価することによって定量を行った[方法A][Gisin, B. F., Anal. Chem. Acta., 58, 248, 1972]。一方、Fmoc化学の場合には、ピペリジン処理によってFmoc基を除去し、次いで301nmの吸光度を測定することによって9−フルオロエニルメチルピペリジンを定量した[方法B][Meienhofer, J. et al., Int. J. Peptide protein Res. 13, 35, 1979]。新規な樹脂1は、数ヶ月間、周囲温度で安定であることが分かっており、一度製造すれば特別な保存条件を何ら設けることなく長期間次の合成の適用に用いることができる。さらに、アミノ酸を担持する樹脂についても、BocまたはFmoc化学プロトコールの際にペプチド合成に通常用いられる試薬および実験条件に対する安定性を試験した。本発明者らは50%TFA:DCMならびにDMF中20%ピペリジン下でアミノ酸が結合した樹脂の開裂を全く認めなかった。
【0015】
ラセミ化の検討:
樹脂からペプチドを開裂させるアルカリ条件は極めて温和であるが、出願人らはラセミ化の危険についてのある明確な証拠を提供することが適当であると考えた。保護された一対のジペプチド、Boc−Gly−L−Phe−OHおよびBoc−Gly−D−Phe−OHをこの目的のために合成した。酵素カルボキシペプチダーゼ−AはC末端の芳香族アミノ酸の隣りのペプチド結合を優先的に加水分解するので、このジペプチドを選択した[Bradshaw, R. A., et al. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 63, 1389, 1969]。支持体からペプチドが開裂する際、ラセミ化が起こるとすれば、本発明者らはBoc−Gly−L−Phe−OHの場合に加水分解されていないジペプチドに相当するピークを予想しなければならなかったが、ラセミ化の程度にもよるがBoc−Gly−D−Phe−OHの場合にもいくらかの加水分解は起こるはずである。固相支持体から除去された後、保護されたジペプチドをさらに精製することなく、カルボキシペプチダーゼ−Aによる酵素加水分解を施した。30分後、アリコットをTLCによってモニタリングした。Boc−Gly−L−Phe−OHは完全に加水分解され、その代わりにBoc−GlyおよびL−フェニルアラニンに相当する2つのスポットが見られた。一方、Boc−Gly−D−Phe−OHは、加水分解生成物に相当するスポットが存在しないことから、加水分解に完全に耐性があり、ジペプチドはそのままであった。このモニタリングはHPLCによっても行い、同様の結果が得られた。Boc−Gly−L−Phe−OHの場合には完全な加水分解が認められたが、一方、Boc−Gly−D−Phe−OHの場合には、HPLCプロフィールにおいてBoc−Glyに相当するピークが存在しないことで明らかなように、加水分解的開裂は認められなかった。これらの結果は、固相支持体からペプチドを除去する際にC末端のアミノ酸のラセミ化は起こらないことを明白に実証するものである。
【0016】
リンカーに基づく固相支持体の合成適用:
このリンカーの有用性を実証するために、BocおよびFmoc化学を用いるいくつかのペプチドならびにいくつかのチアゾリジン誘導体の合成を行った。ロイエンケフェリンは、Boc化学とFmoc化学ぞれぞれによって合成された。次のアミノ酸残基を組み込むための段階的な脱保護/カップリングサイクルは、標準的なDIC/HOBtプロトコールによって達成した。Boc基の脱ブロックは、DCM中50%のTFAまたは5N HCl/ジオキサンによって、Fmoc基の脱ブロックは20%ピペリジン/DMFによって行った。よりよい収率を達成するために、各工程においてカップリング反応を繰り返し、必要であればカイザーテスト試験によって判断した。最終ペプチドはアルカリ条件下で固相支持体から分離し、5N HCl/ジオキサンで処理した。後処理および結晶化の後、全ペプチドは全体で60〜70%を超える収率で得られた。それらを分光光度法によって同定した。
【0017】
これらの化合物は総て、逆相HPLCで純度が90%より高いことが分かり、FAB−MSで正確な分子イオンピークを示した。本リンカーの範囲を拡大するには側鎖官能基を有するペプチドを合成することが望ましいと考えられた。I型プロコラーゲンの残基211〜216に相当するペンタペプチド、Lys−Thr−Thr−Lys−Serをこの目的のために選択した[Katayama K. et al, J. Biol. Chem., 268, 9941, 1993]。カップリング反応にDIC/HOBtを用いるBoc化学によって合成を行った。図4に示されたものと同様のプロトコールに従い、Boc−Ser(Bzl)をリンカーに結合させた。この後に適切に保護されたアミノ酸の一連の付加を行った。合成の終了時に、アミノおよび側鎖が保護されたペプチドを先に記載したように固相支持体から開裂させた。保護されたペプチド断片は、FAB−MSスペクトルにおける適当な[M+H]の分子イオンピークによって同定した。ペプチドをアミノおよび側鎖保護ペプチドをそのままにして固相支持体から選択的に開裂させることができるという事実は、このリンカーが断片縮合法によるより大きいペプチドの合成において有用である可能性があることを示唆している。最後に、保護基を定量的に除去すると、ペンタペプチドが78%の収率で得られた。
【0018】
有機小分子の合成における新規な固相支持体の適用を実証するために、いくつかのチアゾリジン誘導体[Patek, M., et al, Tetrahedron Letters 36, 2227, 1995]を合成した。この合成に適合させたプロトコールがスキームに示めされている(図6および7、ここでR=H、Cl、Br、I、F、NO2、OH、OMe、アルキル、アラルキル、アリールおよび置換体、X=CまたはN、R’=アシル、アルキル、Boc、Bz、Zまたはアミノ酸、ならびにR’’=アミノ保護基)。適切に保護されたシステイン誘導体すなわち、Fmoc−Cys(Trt)をDIC/DMAPまたはペプチドの合成に関して記載されたプロトコールを用いるその他の触媒によって固相支持体に結合させた。Fmoc基はDMF中20%ピペリジンで処理することによって開裂させ、次いでトリチル基はDCM中10% TFAで処理することによって除去した。室温または高温で、遊離アミノおよびスルフヒドリル基を有するシステインを結合した支持体を所望の市販のアルデヒド(2モル過剰を使用)と反応させた。環化は6〜8時間で完了した。あるいは、固相支持体に結合させる出発原料としてBoc−Cys(trt)を用いてチアゾリジンをも上手く合成された。この誘導体の利点は、アミノおよびスルフヒドリル基から保護基を一段階、すなわちTFA処理で除去することができるという点である。このようにして得られたチアゾリジン誘導体は、固相支持体それ自体から開裂させることもできるし、あるいは固相支持体上で誘導体化/アシル化することもができる。従って、チアゾリジンを担持する支持体をいくつかの部分に分割し、遊離アミノ基を並行合成プロトコールで種々の芳香族および脂肪族アシル化剤で個々にアシル化した。種々のアルデヒドおよびアシル化剤を用い、いくつかの新規な誘導体が高収率かつ高純度で生成された。
【0019】
添付図面に示された図1の式1に示されたリンカーに基づく固相支持体の範囲を拡大するために、チアゾリジン骨格を支持体に結合させた種々のアミノ酸/ペプチドまたはその他の分子上で合成した。このように、適切に保護されたBocまたはFmoc保護アミノ酸を標準的なプロトコールを用いて固相支持体に結合させた。アミノ保護基を除去し、遊離アミンをDIC/HOBt法によって適切に保護されたシステイン残基とカップリングさせた。カイザーテストによってモニタリングしたところ、カップリングが完了した後、システインの両保護基を先に記載したものと同様の方法で除去した。システインの遊離アミノおよびスルフヒドリル基をもつジペプチドを担持する樹脂を、室温において固相支持体上で所望の市販のアルデヒド(2モル過剰を使用)と反応させた。環化は6〜8時間で完了した。このようにして得られたチアゾリジニルジペプチド誘導体は固相支持体それ自体から開裂させることもできるし、あるいは固相支持体上で誘導/アシル化することもできる。チアゾリジニルジペプチド誘導体を担持する支持体をいくつかの部分に分割し、遊離アミノ基を並行合成プロトコールで種々の芳香族および脂肪族アシル化剤で個々にアシル化した。種々のC末端アミノ酸、種々のアルデヒドおよびアシル化剤を用いて、多様な新規な化合物が高収率かつ高純度で生成された。
【0020】
要するに、新規なリンカーは実験室で便宜に合成することができ、それはBocおよびFmoc化学プロトコールによるペプチド合成に理想的に適している。保護されたペプチドをセグメント縮合法に用いるために合成することができる。固相支持体からのペプチドの脱離に使用される条件ではラセミ化は生じない。本発明者らは、ここで報告された新規なリンカーが酸性および弱塩基性条件に対して安定であり、ゆえにそれはペプチド/オリゴヌクレオチド合成および多様な小分子ライブラリーの構築に用いられる著しい可能性を有していると考えている。
従って、本発明は、BocおよびFmoc化学を単独でまたは組み合わせて用いるペプチドおよび保護されたペプチド断片の固相合成のため、ならびに有機小分子コンビナトリアル・ライブラリーの合成のためのオルトゴナル適合性のヒドロキシエチル−スルフェニル−アセトアミド樹脂の開発に関する。本発明はまた、図1の式1に示された式を有するヒドロキシエチル−スルフェニル−アセトアミド樹脂の新規な合成方法を提供し、ここで固相支持体はアミノ官能膜、多孔質ガラス、ポリスチレン、綿および紙からなる群から選択され、ポリスチレンはアミノポリスチレンおよびアミノメチルポリスチレンからなる群から選択され、該方法は、
(a)既知の方法[添付図面の図3に示された一連の工程]を用い、ジイソプロピルカルボジイミドまたは通常用いられるその他のカップリング試薬の存在下、クロロ酢酸またはハロゲンの代わりに好適な脱離基を含むその等価物とアミノメチル樹脂とを反応させること、
(b)ヨウ化ナトリウムの存在下、脱離基を有する上記支持体とメルカプトエタノールとを反応させて図3の式1の所望の固相支持体を得ること、さらに所望により、
(c)このようにして得られた新規な固相支持体を、添付図面の図4〜7に示されたペプチド、保護ペプチド断片および有機小分子の合成に使用すること
を含んでなる。
【0021】
本発明のさらなる特徴によれば、リンカーに基づく固相支持体の合成は、容易に入手できる市販の安価な原料を用いて行われた。
【0022】
本発明のさらなる具体例は、このようにして得られたオルトゴナル適合性の固相支持体は最適の官能性(0.3〜0.5meq/g)を有していることが分かり、新規な樹脂1は数ヶ月周囲温度で安定であることが分かり、一度製造すれば特別な貯蔵条件を何ら設けることなく長期間、後の合成の適用に用いることができることを記載するものである。
【0023】
本発明のも1つの具体例は、アミノ酸を担持する樹脂について、BocおよびFmoc化学プロトコールによるペプチド合成に通常用いられる試薬および実験条件に対する安定性が試験され、固相ペプチド合成に過剰に用いられる50%TFA:DCMならびにDMF中20%ピペリジン下で安定であることが分かったことが含まれる。
【0024】
さらにもう1つの具体例では、固相支持体をペプチド、保護されたペプチド断片および有機小分子の固相合成に使用する。
【0025】
さらにもう1つの具体例では、オルトゴナル適合性のヒドロキシエチル−スルフェニル−アセトアミド(HESA)樹脂をBoc化学プロトコールによるペプチドの固相合成に使用する。
【0026】
さらにもう1つの具体例では、オルトゴナル適合性のヒドロキシエチル−スルフェニル−アセトアミド(HESA)樹脂をFmoc化学プロトコールによるペプチドの固相合成に使用する。
【0027】
さらにもう1つの具体例では、オルトゴナル適性のヒドロキシエチル−スルフェニル−アセトアミド(HESA)樹脂をBocおよびFmoc双方の化学プロトコール単独または組み合わせることによるペプチドの固相合成に使用する。
【0028】
さらにもう1つの具体例では、ヒドロキシエチル−スルフェニル−アセトアミド樹脂をチアゾリジン誘導体のような複素環式有機小分子の固相合成に使用する。
【0029】
さらにもう1つの具体例では、ヒドロキシエチル−スルフェニル−アセトアミド樹脂を有機小分子の組合せライブラリーの固相合成に使用する。
【0030】
さらにもう1つの具体例では、最終生成物は弱アルカリ条件下で開裂可能である。
【0031】
さらにもう1つの具体例では、0.1〜0.5Nアルカリ水溶液とジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノールおよびジメチルホルムアミドからなる群から選択される有機溶媒との混合物を用いて固相支持体から最終生成物を開裂させる。
【0032】
さらにもう1つの具体例では、固相支持体をまた、適宜変性させた後にスカベンジャー樹脂および固定化剤として使用し、ここで官能基はアルデヒド、カルボキシル、チオール、アミノおよびポリアミノ基からなる群から選択される。
【0033】
さらにもう1つの具体例では、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシスクシンイミドなどの存在下、15℃〜85℃の範囲の温度で、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、エーテル、石油エーテル、酢酸、メタノールなどからなる群から選択される有機溶媒の存在下で反応を行う。
【0034】
さらにもう1つの具体例では、ジシクロヘキシルカルボジイミド、混合無水物、活性エステル、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、ベンゾトリアゾール−1−イル テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)または7−アザベンゾトリアゾール−1−イル テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート酸(HATU)からなる群から選択されるカップリング試薬を用いて反応を行う。
【0035】
さらにもう1つの具体例では、保護基の酸分解開裂に使用される酸がHBr:AcOH、HCl:ジオキサン、ギ酸およびトリフルオロ酢酸からなる群から選択される。
【0036】
さらにもう1つの具体例では、本発明の特徴は、ラセミ化のない生成物が得られるという点にある。さらに、本発明はまた、BocおよびFmoc双方の化学プロトコールを単独でまたは組み合わせて用いるペプチドの合成法、ならびにチアゾリジン誘導体のような有機小分子の固相合成法を提供する[添付図面に示された図4〜7]。固相合成後の最終生成物は極めて温和な条件下で固相支持体から開裂させることができる。本発明はまた、新規な固相支持体を用いて高収率かつ高純度でコンビナトリアル・ライブラリーを生成するペプチドおよび小分子の合成を記載する。
【0037】
以下、本発明を詳細な実施例によりさらに説明する。これらの実施例は種々の具体的かつ例示的な具体例をさらに例示するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0038】
一般法
本研究で用いた総てのアミノ酸は特に断りのない限り、L−配置であった。用いた支持体は置換0.5〜0.9ミリ当量/gの2%架橋型アミノメチル化スチレン/ジビニルベンゼン共重合体であった。カップリング反応は総て無水反応物および乾燥溶媒を用いて行った。総ての中間体および最終化合物の均質性は次の溶媒系を用いたシリカゲルプレートでのTLCにより確認した。(a) CHCl−MeOH−AcOH (49:1:1), (b) CHCl−MeOH (19:1), (c) CHCl−MeOH−AcOH (48:1:1), (d) CHCl−MeOH−AcOH (18:1:1), (e) CHCl−MeOH−AcOH (17:2:1), (f) n−BuOH−AcOH−HO (4:1:5, 上層)。また最終化合物の純度はμ−Bondapak C18カラムおよび40分の直線的グラジェント0〜40%B(A=0.1%TFA水溶液、B=アセトニトリル)を用いたRP−HPLCにより調べ、225nm(UV)でモニタリングした。旋光性はPerkin Elmer 241偏光計で記録した。NMRスペクトルはBruker DRX 300MHz分光光度計で記録した。IRスペクトルはShimadzu 8201PC FTIRで記録した。
【0039】
実施例1
ヒドロキシエチル−スルフェニル−アセトアミド樹脂(化合物1)の合成
市販のアミノメチルポリスチレン樹脂2.0g(0.9ミリ当量/g)を固相反応器に入れ、これに乾燥ジクロロメタン(DCM)を加えた。この懸濁液を窒素下で攪拌しながら30分間膨潤させた。これをDCMで3回、DCM:DMF(1:1)混合物で1回洗浄した。それをDCM:DMF(1:1)中、触媒量のジメチルアミノピリジン(DMAP)の存在下、クロロ酢酸(0.45g、5mmol)およびDIC(0.8ml、5mmol)で処理した。反応混合物を窒素下で8時間またはカイザーテストで陰性になるまで攪拌した。この樹脂を濾過してDMF、DCM:DMF(1:1)、DMF、DCM:DMF(1:1)、最後にDCM各25mlで順次洗浄した。クロロアセチル手を有する樹脂を、触媒として第三級アミンおよびヨウ化ナトリウムの存在下、窒素下で攪拌しながら、DCM:DMF(1:1)20ml中のメルカプトエタノール(0.4ml、5mmol)の溶液と6〜8時間反応させた。樹脂を濾過し、DCM:DMF(1:1)で3回、最後にDCMで洗浄し、乾燥させて所望の樹脂1(2.1g)を得た。
【0040】
固相支持体の特性決定
新規なリンカーに基づく固相支持体1を、新たに導入されたアセトアミド部分のカルボニルに相当する1666cm−1の強いピークおよび第一級ヒドロキシ基に相当する3219cm−1のピークに基づいて決定した。
【0041】
置換度の決定
ヒドロキシ官能基の定量は、文献に報告された、標準的なプロトコールを使用する適当なBocおよびFmocで保護したアミノ酸の添加による標準法により行った。Boc化学の場合には、ピクリン酸法を用いて定量を行った[方法A]。一方、Fmoc化学の場合には、Fmoc基をピペリジン処理により除去し、次ぎに301nmにおける吸光度を測定することにより、9−フルオレニルメチルピペリジンを定量した[方法B]。新規なリンカーの置換度は0.35〜0.45mミリ当量/gの間であった。詳細を以下に示す。
【0042】
方法A:(Boc化学)
ヒドロキシエチル−スルフェニル−アセトアミド樹脂(1)(0.5g)を反応器に入れ、窒素下で攪拌しながらジクロロメタン(DCM)中で膨潤させた。30分後、樹脂を濾過してDCMで洗浄した。この樹脂にDCM:DMF(1:1)20ml中のBoc−Leu(0.42g、2.4mmol)、DIC(0.2ml、2.5mmol)およびジメチルアミノピリジン(DMAP)またはN−メチルイミダゾール(NMI)(0.4mmol)の溶液を加えた。この混合物を8〜10時間攪拌した。樹脂をDCMで3回洗浄して乾燥させた。乾燥樹脂のアリコート(〜30.0mg)を30分間酸分解(5N HCl/ジオキサン、5ml)してBoc基を除去した。この後、樹脂をDCMおよびDMFで洗浄した。DCM:DMF(1:1)(40ml)中のDIEA(2ml)を加えて振盪し、得られた塩酸塩を中和した。次いでこの樹脂をDMFおよびDCMで順次洗浄した。その後上記生成物をピクリン酸法により定量して固相支持体上にあるアミノ基量を導き出した。樹脂のアリコット(2.5mg)を取り、DCM(2ml)およびエタノール(8ml)中のピクリン酸(50mg)を加えて攪拌した。樹脂を十分洗浄した後、それをDIEA(1ml)を加えて攪拌すると、樹脂と結合したピクリン酸はそのDIEA塩として溶液中に解離した。この溶液を50mlとし、UV分光光度計を用いて350nmにおける吸光度を記録した。
【0043】
下式:
【数1】
Figure 2004513191
を計算に用いた。
【0044】
方法B:(Fmoc化学)
ヒドロキシエチル−スルフェニル−アセトアミド樹脂(1)(0.5g)を反応器に入れ、窒素下で攪拌しながらジクロロメタン(DCM)中で膨潤させた。30分後、樹脂を濾過してDCMで洗浄した。この樹脂にDCM:DMF(1:1)20ml中のFmoc−Leu(0.82g、2.4mmol)、DIC(0.2ml、2.5mmol)およびジメチルアミノピリジン(DMAP)またはN−メチルイミダゾール(NMI)(0.4mmol)の溶液を加えた。この混合物を8〜10時間攪拌した。樹脂をDCMで3回洗浄して乾燥させた。この乾燥Fmoc−Leu樹脂のアリコート(2.5mg)を試験管に取り、DMF中の20%ピペリジン0.5mlで時折攪拌しながら15〜20分間処理した。対照として別の試験管にDMF中の20%ピペリジン0.5mlを取った。20分後、両方の試験管にDMFを加え、容量を50mlとした。UV−VIS分光光度計により301nmにおいて両方の溶液の吸光度を記録した。置換度(mMol/g)を下式:
【数2】
Figure 2004513191
により計算する。
【0045】
安定性の検討:
試薬への長期暴露下におけるBocおよび/またはFmoc保護基の脱ブロックの際のリンカーの安定性を実証するために、以下の試験を行った。固相支持体と結合した小アリコートのFmoc保護アミノ酸(0.41ミリ当量/g、100mg)をDCM中の50%TFAおよび5N HCl/ジオキサン各1mlで攪拌しながら8時間個々に処理し、次いで樹脂を濾過し、洗浄して乾燥させた。個々のフラスコにおいて固相支持体と結合した Boc保護アミノ酸(0.38ミリ当量/g、120mg)を20%ピペリジン/DMF1.2mlで攪拌しながら10時間処理し、次いで樹脂を濾過し、洗浄して乾燥させた。乾燥した樹脂を方法AおよびBを用いて定量した結果、未処理の樹脂とほぼ同じであった。このことからリンカーがFmocおよびBoc基の脱保護に使用する条件に対して安定であることが示唆される。
【0046】
ラセミ化の検討:
実施例6および7に記載の新規な塩基に不安定な固相支持体上で合成したジペプチドを基質として用い、合成および固相支持体からの生成物の開裂の際に起こるラセミ化を検出した。
Boc−Gly−L−Phe−OH(6)およびBoc−Gly−D−Phe−OH(7)各0.0064g(20μM)を個々の反応バイアルに入った1M NaCl(50μl)に溶解し、それに1M tris HCl(50μl)を加えてpH7.5に維持した。異なるセットの試験の各バイアルにカルボキシペプチダーゼ−A 15〜50μlを加え、25℃で5分間振盪した。次いで酵素添加前後5分の反応混合物のアリコートを0.1%TFAを含有する水に0〜90%アセトニトリルの直線的グラジェントを用いた40分間にわたるRP−HPLCにより分析した。Boc−Gly−L−Phe−OHならびにBoc−Gly−D−Phe−OHは各々12.5および13分の保持時間を示した。一方、酵素加水分解後のBoc−Gly−L−Phe−OHにはジペプチドの保持時間においてピークは得られなかったが、その代わりに8分の保持時間においてBoc−Glyに相当する別のピークが得られた。しかしながら、酵素処理後のBoc−Gly−D−Phe−OHのHPLCプロフィールには加水分解前のジペプチド、すなわち13分のものとの保持時間における差はなかった。
【0047】
実施例2
Tyr−Gly−Gly−Phe−Leu−OH(化合物2)の合成
固相支持体、置換0.4ミリ当量/gのヒドロキシエチル−スルフェニル−アセトアミド樹脂(1)(1.25g、0.5mmol)を反応器に入れ、窒素下で攪拌しながらジクロロメタン(DCM)中で膨潤させた。30分後、樹脂を濾過してDCMで洗浄した。この樹脂にDCM:DMF(1:1)20ml中のBoc−Leu(0.25g、1.2mmol)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)またはN−メチルイミダゾール(NMI)(0.2mmol)の溶液を加えた。この混合物を8〜10時間攪拌した。樹脂をDCMで3回洗浄して乾燥させた。この乾燥樹脂のアリコート(2.5mg)への付加率について試験したところ、付加率は78%であることが分かった[方法B]。樹脂をDCM中50%TFAで30分間処理してBoc基を除去した。30分後、樹脂を濾過してDCM20ml×3、DCM中20%DIEA20ml×3、DCM20ml×3で洗浄した。DCM:DMF(1:1)20ml中のBoc−Phe(0.26g、1mmol)およびHOBt(0.153g、1mmol)の溶液を窒素下で攪拌しながら上記樹脂に加えた。この懸濁液にDIC(0.18ml、1.2mmol)を加え、混合物を3時間またはカイザーテストで陰性になるまで攪拌した。
【0048】
この樹脂をDCM中50%TFAで30分間処理してBoc基を除去した。樹脂を濾過してDCM20ml×3、DCM中20%DIEA20ml×3、DCM20ml×3で洗浄し、遊離アミノ基を有する樹脂とBoc−GlyとをDIC/HOBt法により結合した。完全なカップリング反応後、樹脂を濾過し、常法においてDCM中50%TFAで処理してBoc基を除去し、Boc−Glyを結合した。カイザーテストによってモニタリングして完全なカップリング反応後に常法においてBoc基を除去し、次いでDIC/HOBt法を用いてBoc−Tyrを結合した。ペンタペプチドを有する樹脂を窒素下で攪拌しながらジオキサン−MeOH−4N NaOHの混合物(30:9:1、20ml)で30分間処理し、樹脂を濾過して水2mlで洗浄した。合した濾液を真空蒸発させた。残渣を水に取り、エーテルで抽出した。水相を1N塩酸で酸性化してEtOAc(3×75ml)で抽出した。合したEtOAc相を水およびブラインで洗浄し、次いでNaSOで乾燥させ、真空蒸発させて非晶質固体を得た。このようにして得られた粗ペンタペプチド酸をMeOH−エーテルから再結晶化させて標題の化合物0.21gを得た。収率83%、R:0.8(d);融点134−136℃; [α]D25= −9.8° (c=4.1, MeOH); H NMR (DMSO−d) δ: 0.97 (d, 6H), 1.16 (s, 9H), 3.6−3.8(m, 4H), 4.10, 4.24および4.58 (Cα プロトン), 6.63−7.00 (ABq, 4H), 7.40(m, 5H), 7.8−8.1 (NHs)。上記のようにして得たペプチド酸(0.21g、0.3mmol)をチオアニソール(0.2ml)の存在下、5N HCl/ジオキサン(2ml)中で1時間撹拌した。TLCにより反応をモニタリングした後、溶媒を真空蒸発させた。乾燥エーテルを加え、粉砕して白色の吸湿性固体としてペンタペプチド塩酸塩HCl・Tyr−Gly−Gly−Phe−Leu−OH(2)を得た。これを濾過して真空デシケーターで乾燥させた。収率:0.15 g (85%); R:0.67(F); 融点141C (dec); [α]D25=−5.6° (c=0.54, MeOH);FAB−MS [M+H] 556; H NMR (DMSO−d) δ: 0.9(d, 6H). 3.8−3.9(m, 4H), 4.2, 4.3および4.68(Cα プロトン), 6.8−7.1(ABq, 4H), 7.3(m, 5H), 7.5−8.5(NHs), 9.0 (s, 1H, フェノール性OH)。
【0049】
実施例3
Tyr−D−Ala−Gly−Phe−Leu−OH(化合物3)の合成
固相支持体、置換0.4ミリ当量/gのヒドロキシエチル−スルフェニル−アセトアミド樹脂(1)(0.75g、0.3mmol)を反応器に入れ、窒素下で攪拌しながらジクロロメタン(DCM)中で膨潤させた。30分後、樹脂を濾過してDCMで洗浄した。この樹脂にBoc−Leuの溶液を3モル過剰にすることで常法において結合させた。この樹脂のアリコート(3.4mg)への付加率について試験したところ、付加率は81%であることが分かった[方法B]。次ぎにBoc−Tyr−D−Ala−Gly−Phe−Leu−OHの合成を、2位のBoc−GlyをBoc−D−Alaに置換し、Boc−Tyr−Gly−Gly−Phe−Leu−OHを得るために使用した方法と同様にして行った。固相支持体から開裂した後、白色の粉末としてBoc−Tyr−Gly−Gly−Phe−Leu−OH(0.13g、79%)を単離した。次いでこれをチオアニソール(0.1ml)の存在下、5N HCl−ジオキサン(2ml)で1時間処理した。TLCにより反応をモニタリングした後、溶媒を蒸発させ、残渣を乾燥エーテルでトリチュレートした。次いでこれを濾過し、真空デシケーターで乾燥させて白色の固体として最終ペプチドHCl・Tyr−D−Ala−Gly−Phe−Leu−OHの0.16g(82.8%)を得た。R:0.48 (F); 融点183℃ (dec); [α]D25=+14.3° (c=0.56, MeOH); 収率0.15g (85%); R:0.67(F); 融点141℃ (dec); [α]D25=−5.6° (c=0.54). H NMR (DMSO−d) δ: 0.85(d, 6H), 1.02(d, 3H), 3.6(d, 2H), 4.26, 4.38, 4.44および4.68(Cα プロトン), 6.8−7.0(ABq, 4H), 7.24(m, 5H), 7.5−8.5(NHs), 9.05(s, 1H, フェノールOH)。
【0050】
実施例4
Tyr−Gly−Gly−Phe−Leu−OH(Fmoc化学による化合物2)の合成
置換0.4ミリ当量/gのヒドロキシエチル−スルフェニル−アセトアミド樹脂(1)(0.1g、0.4mmol)を反応器に入れ、窒素下で攪拌しながらジクロロメタン(DCM)中で膨潤させた。30分後、樹脂を濾過してDCMで洗浄した。この樹脂にDCM:DMF(1:1)20ml中のFmoc−Leu(0.41g、1.2mmol)、DIC(0.2ml、1.5mmol)およびジメチルアミノピリジン(DMAP)またはN−メチルイミダゾール(NMI)(0.2mmol)の溶液を加えた。この混合物を8〜10時間攪拌した。樹脂をDCMで3回洗浄して乾燥させた。この乾燥樹脂のアリコート(2.5mg)への付加率について試験したところ、付加率は78%であることが分かった[方法A]。樹脂をDCM:DMF(1:1)12ml中の20%ピペリジンで20分間処理してFmoc基を除去した。樹脂をDCMで3回洗浄した。樹脂をDCMで3回洗浄した後、DCM:DMF(1:1)10ml中のFmoc−Phe(0.38g、1.0mmol)およびHOBt(0.15g、1.0mmol)の溶液を攪拌しながら加えた。この混合物にDIC(0.18ml、1.2mmol)を加え、3時間またはこれがカイザーテストで陰性になるまで攪拌を続けた。樹脂を濾過し、DCM20mlで3回洗浄した。常法においてDCM:DMF(1:1)12ml中の20%ピペリジンで20分間処理してFmoc基を脱ブロックした。次ぎに、Fmoc−Gly(図5の工程3)、Fmoc−Gly(図5の工程4)を上記のDIC/HOBt法により結合した。最後のカップリングにはFmoc−Tyrの代わりにBoc−Tyrを使用した。ペンタペプチドを有する樹脂を窒素下で攪拌しながらジオキサン−MeOH−4N NaOHの混合物(30:9:1、20ml)で30分間処理し、樹脂を濾過して水2mlで洗浄した。合した濾液を真空蒸発させた。残渣を水に取り、エーテルで抽出した。水性相を1N塩酸で酸性化してEtOAc(3×75ml)で抽出した。合したEtOAc相を水およびブラインで洗浄し、次いでNaSOで乾燥させ、真空蒸発させて非晶質固体を得た。このようにして得られた粗ペンタペプチド酸をMeOH−エーテルから再結晶化させて標題の化合物を得た。収率:0.16g, (77%) R:0.8(d); 融点140−141℃ (dec); [α]D25=−5.6° (c=0.54, MeOH); FAB−MS [M+H] 570; H NMR (DMSO−d) δ: 0.91(d, 6H). 3.8−3.9(m, 4H), 4.26, 4.37および4.60(Cα プロトン), 6.8−7.1(ABq, 4H), 7.30(m, 5H), 7.5−8.5(NHs), 9.05(s, 1H, フェノールOH)。
【0051】
実施例5
Lys−Thr−Thr−Lys−Ser−OH(化合物5)の合成
標準的な方法に従い、Boc−Ser(Bzl)とヒドロキシエチル−スルフェニル−アセトアミド樹脂とを結合した。置換0.34ミリ当量/gの固相支持体(0.73g、0.25mmol)を反応器に入れ、窒素下で攪拌しながらジクロロメタン(DCM)中で膨潤させた。30分後、樹脂を濾過してDCMで洗浄した。この樹脂にDCM:DMF(1:1)15ml中のBoc−Ser(Bzl)(0.30g、1.0mmol)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)またはN−メチルイミダゾール(NMI)(0.2mmol)の溶液を加えた。次ぎにDIC(0.16ml、1mmol)を反応混合物に加えた。この混合物を8〜10時間攪拌した。樹脂をDCMで3回洗浄して乾燥させた。この乾燥樹脂のアリコート(2.0mg)への付加率について試験したところ、付加率は81%であることが分かった[方法B]。樹脂をDCM中50%TFAで30分間処理してBoc基を除去した。30分後、樹脂を濾過してDCM20ml×3、DCM中20%DIEA20ml×3、DCM20ml×3で洗浄した。Boc−Lys(Cl−Z)の遊離アミノ基を有する樹脂と次のアミノ酸にある相手、すなわちBoc−Lys(2−Cl−Z)とを結合した。次いでBoc−Thr(Bzl)、Boc−Thr(Bzl)、最後にBoc−Lys(2−Cl−Z)を成長しているペプチド鎖に順次結合した。各工程におけるBoc基の脱ブロックはCHCl中50%TFAを用いて行った。次いで樹脂を0.1N NaOHで処理して最終保護ペプチドBoc−Lys(2−Cl−Z)−Thr(Bzl)−Thr(Bzl)−Lys(2−Cl−Z)−Ser(Bzl)−OHを得た。次いで保護ペプチドにPd/Cを用いる触媒的還元を施して、Boc−Lys−Thr−Thr−Lys−Ser−OHを得た。最終工程のBoc基をジオキサン中5N HClを用いて除去して最終ペプチドLys−Thr−Thr−Lys−Ser−OHを得た。収率:0.09g, (78.5%), R:0.33 (F); 融点158℃, FAB−MS [M+H]564; [α]D25=−20° (c=0.1, DMF), H NMR (DMSO−d) δ: 1.06(d, 3H), 1.10(d, 3H), 1.36(m, 2H), 1.53(m, 2H), 2.73(t, 4H), 4.15(m, 2H), 4.16−4.4(Cα Hs), 7.49(t, 3H), 7.59(t, 3H), 7.8−8.70(NHs)。
【0052】
実施例6
Boc−Gly−L−Phe−OH(化合物6)の合成
標題化合物を、2を得るために使用した方法と同様に固相支持体と結合した上記塩基不安定性リンカー上で合成した(0.5mmol規模)。収率0.10g, (76%), R 0.34 (a); 融点118℃: [α]D25=+40° (c=0.11, DMF); FAB−MS [M+H] 323; H NMR (DMSO−d) δ: 1.16(s, 9H), 2.3(m, 2H), 3.6(m, 2H), 4.58(bs, 1H), 7.4(m, 5H), 7.9−8.2(NHs)。
【0053】
実施例7
Boc−Gly−D−Phe−OH(化合物7)
同様に、化合物7もまた0.5mmol規模で合成した。収率:0.12g(80%);R 0.34 (a); 融点109℃; [α]D25=+50°(c=0.11). FAB−MS [M+H] 323;.  H NMR (DMSO−d) δ: 1.16(s, 9H), 2.3(m, 2H), 3.6(m, 2H), 4.58(bs, 1H), 7.4(m, 5H), 7.9−8.2(NHs)。
【0054】
実施例8
2−(4−メトキシフェニル)チアゾリジン−4−カルボン酸(化合物8)の合成
市販のFmoc−Cys(Trt)とリンカーに基づく固相支持体1とをDIC/DMAP法により結合した。置換0.4ミリ当量/gの固相支持体(1.0g)を反応器に入れ、窒素下で攪拌しながらジクロロメタン(DCM)中で膨潤させた。30分後、樹脂を濾過してDCMで洗浄した。この樹脂にDCM:DMF(1:1)20ml中のFmoc−Cys(Trt)(0.70g、1.2mmol)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)またはN−メチルイミダゾール(NMI)(0.4mmol)の溶液を加えた。この混合物を8〜10時間攪拌した。樹脂をDCMで3回洗浄して乾燥させた。この樹脂のアリコートを試験し、20%ピペリジン処理により付加率を調べ、次ぎにUV吸光度を記録した[方法A]。これは付加率90%であることが分かった。Fmoc−Cys(Trt)を有する樹脂をDCM:DMF(1:1)20ml中20%ピペリジンで20分間処理してFmoc基を除去した。樹脂をDCMで3回洗浄し、次いでDCM中10%トリフルオロ酢酸(TFA)/BuSiHで30分間(3回)処理してCysのトリチル基を除去した。樹脂をDCMで3回洗浄した後、DCM:DMF(1:1)15ml中のp−アニスアルデヒド(0.5ml)の溶液を攪拌しながら加え、攪拌を8〜10時間続けた。樹脂をDCMで3回洗浄して乾燥させた。これをジオキサン−MeOH−4N NaOHの混合物(30:9:1、20ml)で攪拌しながら30分間処理し、樹脂を濾過して水2mlで洗浄した。合した濾液を真空蒸発させた。残渣を水に取り、エーテルで抽出した。水性相を1N塩酸で酸性化してEtOAc(3×70ml)で抽出した。合したEtOAc相を水およびブラインで洗浄し、次いでNaSOで乾燥させ、真空蒸発させて白色の結晶質として2−(4−メトキシフェニル)チアゾリジン−4−カルボン酸を得た。収率:0.061g, 72%; 融点150−51℃; FAB−MS [M+H]239; H NMR (DMSO−d) δ:3.5(m, 2H), 3.7(s, 3H), 4.8(bs, 1H), 5.9(bs, 1H), 6.8−7.1(Abq, 4H)。
【0055】
実施例9
N−Boc−2−(4−メトキシフェニル)チアゾリジン−4−カルボン酸(化合物9)の合成
市販のFmoc−Cys(Trt)とリンカーに基づく固相支持体#とをDIC/DMAP法により結合した。置換0.34ミリ当量/gの固相支持体(0.50g)を反応器に入れ、窒素下で攪拌しながらジクロロメタン(DCM)中で膨潤させた。30分後、樹脂を濾過してDCMで洗浄した。この樹脂にDCM:DMF(1:1)20ml中のFmoc−Cys(Trt)(0.56g、1.0mmol)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)またはN−メチルイミダゾール(NMI)(0.25mmol)の溶液を加えた。この混合物を8〜10時間攪拌した。樹脂をDCMで3回洗浄して乾燥させた。この樹脂のアリコートを試験し、20%ピペリジン処理により付加率を調べ、次ぎに吸光度を記録したところ、付加率約88%であることが分かった[方法A]。Fmoc−Cys(Trt)を有する樹脂をDCM:DMF(1:1)12ml中20%ピペリジンで20分間処理してFmoc基を除去した。樹脂をDCMで3回洗浄し、次いでDCM中10%トリフルオロ酢酸(TFA)/BuSiHで30分間(3回)処理してCysのトリチル基を除去した。樹脂をDCMで3回洗浄した後、DCM:DMF(1:1)10ml中のp−アニスアルデヒド(0.5ml)の溶液を攪拌しながら加えた。攪拌を8〜10時間続けた。樹脂をDCMで3回洗浄した。この樹脂にDCM:DMF(1:1)10ml中のジ−t−ブチルジカルボネート(0.22g、1mmol)およびDIEA(0.2ml、1.0mmol)の溶液を加え、攪拌を3時間続けた。3時間後、樹脂はカイザーテストで陰性であった。樹脂をDCM:DMF(1:1)10ml×3、DMF10ml×3、DCM:DMF(1:1)10ml×2、最後にDCMで3回洗浄して乾燥させた。これをジオキサン−MeOH−4N NaOHの混合物(30:9:1、20ml)で攪拌しながら30分間処理し、樹脂を濾過して水2mlで洗浄した。合した濾液を真空蒸発させた。残渣を水に取り、エーテルで抽出した。水性相を1N塩酸で酸性化してEtOAc(3×70ml)で抽出した。合したEtOAc相を水およびブラインで洗浄し、次いでNaSOで乾燥させ、真空蒸発させて白色の結晶質としてN−Boc−2−(4−メトキシフェニル)チアゾリジン−4−カルボン酸を得た。収率:0.048 g, 82%; 融点160−162℃; FAB−MS [M+H] 340. H NMR (DMSO−d) δ:1.2(s, 9H), 3.4(m, 2H), 3.9(s, 3H), 4.7(bs, 1H), 5.9(bs, 1H), 6.8−7.1(Abq, 4H)。
【0056】
実施例10
N−ベンゾイル−2−(4−メトキシフェニル)チアゾリジン−4−カルボン酸(化合物10)の合成
市販のFmoc−Cys(Trt)とリンカーに基づく固相支持体#とをDIC/DMAP法により結合した。置換0.34ミリ当量/gの固相支持体(0.50g)を反応器に入れ、窒素下で攪拌しながらジクロロメタン(DCM)中で膨潤させた。30分後、樹脂を濾過してDCMで洗浄した。この樹脂にDCM:DMF(1:1)20ml中のFmoc−Cys(Trt)(0.56g、1.0mmol)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)またはN−メチルイミダゾール(NMI)(0.25mmol)の溶液を加えた。この混合物を8〜10時間攪拌した。樹脂のアリコートをDCMで3回洗浄して乾燥させた。この樹脂のアリコートを試験し、20%ピペリジン処理により付加率を調べ、次ぎに吸光度を記録したところ、付加率約88%であることが分かった[方法A]。Fmoc−Cys(Trt)を有する樹脂をDCM:DMF(1:1)12ml中20%ピペリジンで20分間処理してFmoc基を除去した。樹脂をDCMで3回洗浄し、次いでDCM中10%トリフルオロ酢酸(TFA)/BuSiHで30分間(3回)処理してCysのトリチル基を除去した。樹脂をDCMで3回洗浄した後、DCM:DMF(1:1)10ml中のp−アニスアルデヒド(0.5ml)の溶液を攪拌しながら加えた。攪拌を8〜10時間続けた。樹脂をDCMで3回洗浄した。この樹脂にDCM:DMF(1:1)10ml中の塩化ベンゾイル(0.2ml、2mmol)およびDIEA(0.4ml、2.0mmol)の溶液を加え、樹脂がカイザーテストで陰性になるまで3時間攪拌した。樹脂をDCM:DMF(1:1)10ml×3、DMF10ml×3、DCM:DMF(1:1)10ml×2、最後にDCMで3回洗浄して乾燥させた。これをジオキサン−MeOH−4N NaOHの混合物(30:9:1、20ml)で攪拌しながら30分間処理し、樹脂を濾過して水2mlで洗浄した。合した濾液を真空蒸発させた。残渣を水に取り、エーテルで抽出した。水性相を1N塩酸で酸性化してEtOAc(3×70ml)で抽出した。合したEtOAc相を水およびブラインで洗浄し、次いでNaSOで乾燥させ、真空蒸発させて白色の結晶質としてN−ベンゾイル−2−(4−メトキシフェニル)チアゾリジン−4−カルボン酸を得た。収率:0.043 g, 72%; 融点108−110℃; FAB−MS [M+H] 344. H NMR (DMSO−d) δ:3.3(m, 2H), 3.9(s, 3H), 4.7(bs, 1H), 5.7(bs, 1H), 6.6(m, 5H), 6.9−7.2(Abq, 4H)。
【0057】
実施例11
N−Boc−2−(4−メトキシフェニル)チアゾリジニル−ロイシン(化合物11)の合成
置換0.4ミリ当量/gの新規なリンカーに基づく固相支持体1(1.0g)を反応器に入れ、窒素下で攪拌しながらジクロロメタン(DCM)中で膨潤させた。30分後、樹脂を濾過してDCMで洗浄した。この樹脂にDCM:DMF(1:1)20ml中のBoc−Leu(0.45g、2mmol)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)またはN−メチルイミダゾール(NMI)(0.4mmol)の溶液を加えた。この反応混合物を8〜10時間攪拌した。樹脂をDCMで3回洗浄して乾燥させた。この乾燥樹脂のアリコート(2.5mg)への付加率について試験したことろ、付加率は82%であることが分かった[方法B]。樹脂をDCM中50%TFAで30分間処理してBoc基を除去した。30分後、樹脂を濾過してDCM20ml×3、DCM中20%DIEA20ml×3、DCM20ml×3で洗浄し、最後にDCM:DMF(1:1)20ml中の20%ピペリジン溶液に懸濁してDCM:DMF(1:1)20mlで処理した。Leuの遊離アミノ基を有する樹脂とDCM:DMF(1:1)20ml中のBoc−Cys−(Trt)(0.56g、1mmol)およびHOBt(0.153g、1mmol)の溶液とを窒素下で攪拌しながら反応させた。この懸濁液にDIC(0.18ml、1.2mmol)を加え、樹脂がカイザーテストで陰性になるまで3時間攪拌した。これを濾過してDCM:DMF(1:1)15ml×3、最後にDCMで洗浄した。樹脂をDCM中50%トリフルオロ酢酸(TFA)/BuSiHで30分間処理し、次いでDCM中10%トリフルオロ酢酸(TFA)/BuSiHで10分間(3回)洗浄してCysのBocおよびトリチル基をともに除去した。樹脂をDCMで3回洗浄した後、DCM:DMF(1:1)10ml中のp−アニスアルデヒド(0.5ml)の溶液を攪拌しながら加えた。攪拌を8〜10時間続けた。樹脂をDCMで3回洗浄した。この樹脂にDCM:DMF(1:1)10ml中の塩化ベンゾイル(0.2ml、2mmol)およびDIEA(0.4ml、2.0mmol)の溶液を加え、攪拌を3時間続けた。3時間後、樹脂はカイザーテストで陰性であった。樹脂をDCM:DMF(1:1)10ml×3、DMF10ml×3、DCM:DMF(1:1)10ml×2、最後にDCMで3回洗浄して乾燥させた。これをジオキサン−MeOH−4N NaOHの混合物(30:9:1、20ml)で攪拌しながら30分間処理し、樹脂を濾過して水2mlで洗浄した。合した濾液を真空蒸発させた。残渣を水に取り、エーテルで抽出した。水性相を1N塩酸でpH2.0まで酸性化してEtOAc(3×70ml)で抽出した。合したEtOAc相を水およびブラインで洗浄し、次いでNaSOで乾燥させ、真空蒸発させてガラス質としてN−Boc−2−(4−メトキシフェニル)チアゾリジニル−ロイシンを得た。収率:0.11g, 78%; FAB−MS [M+H] 453; H NMR (DMSO−d) δ:0.9(m, 6H), 1.2(bs, 9H), 1.7(m, 2H), 4.3(m, 1H), 3.5(m, 2H), 3.7(s, 3H), 4.86(bs, 1H), 5.9(bs, 1H), 6.8−7.1(Abq, 4H)。
【0058】
【発明の効果】
本発明の利点
図1の式1に示した新規なリンカーに基づく固相支持体、ヒドロキシエチル−スルフェニル−アセトアミド樹脂(HESA樹脂)はペプチド合成用のオルトゴナル適合性固相支持体である、すなわちこれはBocおよびFmoc化学双方を単独または組み合わせて使用することにより生物学的に有効なペプチドの合成に用いることができる。支持体からの生成物の開裂には極めて弱い塩基条件しか必要でないため、大ペプチドの収斂合成に有用な保護されたペプチド断片の迅速な合成が行われる。合成されたペプチドは高収率かつ高純度である。さらに生成物ではラセミ化は起こらない。またこれによりC末端に酸化しやすいアミノ酸を有する配列が合成できる。新規なリンカーに基づく固相支持体を有機小分子の固相合成およびペプチドおよび有機小分子ならびに複素環式分子のコンビナトリアル・ライブラリーの生成に用いることができる。新規な固相支持体は実験室で極めて便宜に大量合成することができ、保存時に特別な注意を何ら払う必要はなく、後の合成用に周囲温度で何ヶ月もの間保存できる。さらに、それを合成するための新規な方法も開発した。
【図面の簡単な説明】
【図1】
ヒドロキシエチル−スルフェニル−アセトアミド樹脂の構造を示す。
【図2】
従来のペプチド合成を示す。
【図3】
ヒドロキシエチル−スルフェニル−アセトアミド樹脂(HESA)の合成を示す。
【図4】
Boc化学プロトコールによるTyr−Gly−Gly−Phe−Leu−OHの合成を示す。
【図5】
Fmoc化学プロトコールによるTyr−Gly−Gly−Phe−Leu−OHの合成を示す。
【図6】
チアゾリジン誘導体の合成を示す。
【図7】
チアゾリジン誘導体の合成を示す。

Claims (20)

  1. 図1に示された式(式中、Pはアミノメチル樹脂を表す)を有し、ペプチド合成およびコンビナトリアル・ライブラリー合成に使用される、オルトゴナル適合性のヒドロキシエチル−スルフェニル−アセトアミド(HESA)樹脂。
  2. 樹脂がアミノ官能膜、多孔質ガラス、シリカ、ポリスチレン、ポリジメチルアクリルアミド、綿および紙からなる群から選択される固相支持体の形態である、請求項1に記載の樹脂。
  3. ポリスチレンがアミノポリスチレンおよびアミノメチルポリスチレンからなる群から選択される、請求項2に記載の樹脂。
  4. 樹脂が固相ペプチド/オリゴヌクレオチド合成に使用される、請求項1に記載の樹脂。
  5. 最終生成物が弱アルカリ条件下で開裂可能である、請求項1に記載の樹脂。
  6. 最終生成物が、0.1〜0.5Nアルカリ水溶液とジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノールおよびジメチルホルムアミドからなる群から選択される有機溶媒との混合物を用いて固相支持体から開裂される、請求項1に記載の樹脂。
  7. 固相支持体がまた、好適な修飾後にスカベンジャー樹脂および固定化試薬として使用され、官能基がアルデヒド、カルボキシル、チオール、アミノおよびポリアミノ基からなる群から選択される、請求項1に記載の樹脂。
  8. ペプチド合成およびコンビナトリアル・ライブラリー合成に使用される請求項1のヒドロキシエチル−スルフェニル−アセトアミド樹脂の合成方法であって、
    i)ジイソプロピルカルボジイミドまたは通常用いられるその他のカップリング試薬の存在下で、クロロ酢酸またはハロゲンの代わりに好適な脱離基を含むその等価物とアミノメチル樹脂とを反応させること、および
    ii)ヨウ化ナトリウムの存在下で、脱離基を有する上記支持体とメルカプトエタノールとを反応させて式1の所望の固相支持体を得ること、
    を含んでなる方法。
  9. 固相支持体が、ペプチド、保護されたペプチド断片および有機小分子の固相合成に使用される、請求項8に記載の方法。
  10. オルトゴナル適合性のヒドロキシエチル−スルフェニル−アセトアミド(HESA)樹脂が、Boc化学プロトコールによるペプチドの固相合成に使用される、請求項9に記載の方法。
  11. オルトゴナル適合性のヒドロキシエチル−スルフェニル−アセトアミド(HESA)樹脂が、Fmoc化学プロトコールによるペプチドの固相合成に使用される、請求項9に記載の方法。
  12. オルトゴナル適合性のヒドロキシエチル−スルフェニル−アセトアミド(HESA)樹脂が、BocおよびFmoc化学プロトコール双方の単独または組合せによるペプチドの固相合成に使用される、請求項9に記載の方法。
  13. ヒドロキシエチル−スルフェニル−アセトアミド樹脂が、チアゾリジン誘導体のような複素環式有機小分子の固相合成に使用される、請求項9に記載の方法。
  14. ヒドロキシエチル−スルフェニル−アセトアミド樹脂が、有機小分子コンビナトリアル・ライブラリーの固相合成に使用される、請求項9に記載の方法。
  15. 最終生成物が弱アルカリ条件下で開裂可能である、請求項9に記載の方法。
  16. 最終生成物が、0.1〜0.5Nアルカリ水溶液とジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノールおよびジメチルホルムアミドからなる群から選択される有機溶媒との混合物を用いて固相支持体から開裂される、請求項9に記載の方法。
  17. 固相支持体がまた、好適な修飾後にスカベンジャー樹脂および固定化試薬として使用され、官能基がアルデヒド、カルボキシル、チオール、アミノおよびポリアミノ基からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  18. N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシスクシンイミドなどの存在下、15℃〜85℃の範囲の温度で、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、エーテル、石油エーテル、酢酸、メタノールなどからなる群から選択される有機溶媒の存在下で反応が行われる、請求項8または9に記載の方法。
  19. ジシクロヘキシルカルボジイミド、混合無水物、活性エステル、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、ベンゾトリアゾール−1−イル テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)または7−アザベンゾトリアゾール−1−イル テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)からなる群から選択されるカップリング試薬を用いて反応が行われる、請求項8または9に記載の方法。
  20. 保護基の酸分解開裂に使用される酸がHBr:AcOH、HCl:ジオキサン、ギ酸およびトリフルオロ酢酸からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
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