JP2001269946A - 光硬化樹脂板の製造法 - Google Patents

光硬化樹脂板の製造法

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JP2001269946A
JP2001269946A JP2000082388A JP2000082388A JP2001269946A JP 2001269946 A JP2001269946 A JP 2001269946A JP 2000082388 A JP2000082388 A JP 2000082388A JP 2000082388 A JP2000082388 A JP 2000082388A JP 2001269946 A JP2001269946 A JP 2001269946A
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resin
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Noboru Kawasaki
登 川崎
Katsuyoshi Sasagawa
勝好 笹川
Yoko Tajiri
洋子 田尻
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 光硬化樹脂組成物を、注型重合用セルに
注入、または型材の表面に流延し、活性エネルギー線を
照射してプレキュアーを行い、その後脱型し、得られた
樹脂板を加熱してポストキュアーを行う光硬化樹脂板の
製造法および該方法で得られる樹脂板。 【効果】 光学歪み及び反りのない樹脂板を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光硬化樹脂板の製
造法に関する。詳しくは、光学基板、特に軽量薄型化、
強靭性が求められているモーバイルコンピューターに搭
載される液晶表示セルや有機EL素子などの支持基板と
して有用な樹脂板の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話やPDA、パームトップパソコ
ンに代表されるモーバイルコンピューターには軽量薄型
化、強靭性の要求が強い。その為、これらツールに搭載
する液晶や有機ELなどの表示パネルの支持基板に樹脂
を用いた研究開発が急である。ここで、一般に樹脂がP
ES、PET、PAR、或いはPCなどの熱可塑の場合
には支持基板はロールツーロールのフィルムであり、ま
たアクリル系、エポキシ系、或いはマレイミド系などの
熱硬化の場合には枚葉のシートである。また、一般にフ
ィルムの製造は押出し法であり、シートの場合は熱キャ
ストである。紫外線で光キャストする技術も、例えば、
特公平7−29313号公報、特公平7−29314号
公報及び特開平9−277277号公報などに開示され
ている。
【0003】さらに、光学用途向けフィルムでは、光学
等方性、表面精度、厚みの均一性などのスペックが厳し
い。この為、押出し法では、押出し、延伸、アニーリン
グ及び冷却という一連の工程には極めて厳しい工程管理
が要求される。また、熱キャストでは、上記のスペック
をクリアーする樹脂板を得るには、重合反応を均一に行
うことが重要であり、加熱を制御し、かつ重合を緩慢に
行わせる必要がある。そのため、重合反応に数時間から
十数時間を要するなど、生産性の点でなお問題を有して
いる。さらに、光キャストにも課題があり、例えば、特
公平7−29313号公報及び特公平7−29314号
公報では、樹脂板の光学歪と反りを課題としている。
【0004】一般に、熱であれ、光であれ、キャストの
優位性は、樹脂板の表面粗度(狭義の面精度)に優れて
いることにある。すなわち、樹脂表面は重合硬化の過程
で型材の表面状態をコピーするので、表面粗度に優れた
型材を用いれば樹脂の表面粗度は良好となる。しかし、
広義の面精度である反りは、突き詰めれば、重合中の離
型のアンバランスによって生ずる離型歪によって引き起
こされる。上記の公告公報の方法では、樹脂板を型の中
で完全硬化させず、半硬化状態で脱型し、ポストキュア
ーを行うことにより、離型歪を除くという方法を解決手
段としている。この場合、半硬化樹脂の硬化の程度が問
題である。何故なら、半硬化状態によっては、型に束縛
されていないために、かえってポストキュアー中に反っ
てしまったり、面が乱れたりする。更に、離型歪も解消
するとは言い切れない。また、該方法では、光学歪も発
生しないとしているが、それについても半硬化樹脂の重
合状態が問題で、ポストキュアー後の光学歪の解消も半
硬化樹脂の重合状態に左右される。
【0005】また、特開平9−277277号公報は、
樹脂板の離型性の改良を目的とするものであり、型の内
面と樹脂組成物(引いては硬化樹脂)の間に離型層を設
ける方法である。この方法では、離型層は、離型層形成
体を型材内面に添着又は接着する、離型層形成材料を型
材内面に塗布後硬化する、離型層形成材料の溶融液又は
溶液に型材を浸漬その後硬化する、のいずれかの方法で
形成される。また、脱型又は/及び離型層剥離法は、型
を加熱し離型層を溶融又は軟化させて剥離させた後脱型
する、脱型後離型層形成の樹脂板を加熱し離型層を溶融
又は軟化させて離型層を剥離させる、脱型後離型層形成
の樹脂板を溶媒に浸漬又は溶媒を塗布し離型層を溶解又
は膨潤させて除去する、のいずれかの方法である。この
ように、該公報の方法は、脱型と剥離(又はその逆)と
いう2段階の操作を必要とし、しかも、その操作自体が
誠に繁雑で非合理的な方法である。その上、該方法で
は、樹脂板の表面粗度(狭義の面精度)は離型層の面状
態如何によるので、離型層の形成には厳密性が求められ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上述
の問題を解決する光硬化樹脂板の製造法を提供すること
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため鋭意検討した結果、本発明を完成する
に到った。すなわち、本発明は、 一対の型材が相対向し均一な空間距離を設けて形成さ
れる少なくとも一方が透光性であるセルの空間部に、光
硬化性樹脂組成物を注入し、該セルの透光性の面から活
性エネルギー線を照射してプレキュアーを行い、その後
脱型し、得られた樹脂板の両面を加熱してポストキュア
ーを行うことを特徴とする光硬化樹脂板の製造法、 透光性または非透光性の一つの型材の面上に、光硬化
性樹脂組成物を流延し、上面及び/又は下面から活性エ
ネルギーを照射してプレキュアーを行い、その後脱型
し、得られた樹脂板の両面を加熱してポストキュアーを
行うことを特徴とする光硬化樹脂板の製造法、 光硬化性樹脂組成物が、光重合性モノマーとして、1
分子中に下記一般式(1)(化3)で表される官能基
と、下記一般式(2)又は(3)(化1)で表される官
能基とを兼備するモノマー(A)、または、該モノマー
(A)と下記式(4)〜(6)(化4)で表される官能
基群から選ばれた少なくとも1種の官能基をm個(mは
1〜6の整数を表す)有するモノマー(B)の混合物で
ある前記またはに記載の光硬化樹脂板の製造法に関
するものである。
【0008】
【化3】 (上式中、Xは酸素原子または硫黄原子を表し、R1
水素原子またはメチル基を表す)
【0009】
【化4】
【0010】また、本発明は、プレキュアーの際の重
合が、バッチ、セミ連続、または連続のいずれかの方法
で行われることを特徴とする前記〜のいずれかに記
載の光硬化樹脂板の製造法、 プレキュアーの際に、得られる樹脂板のゲル分率が9
3〜98%になるように、活性エネルギー線量を調整す
ることを特徴とする前記〜のいずれかに記載の光硬
化樹脂板の製造法、 樹脂板の厚みが0.1〜2.0mmである前記〜
のいずれかに記載の光硬化樹脂板の製造法。 前記〜のいずれかに記載の製造法により製造され
る光硬化樹脂板、に関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、セルの空間部または型
材上の光硬化性樹脂組成物に、活性エネルギー線を照射
してプレキュアーを行い、その後脱型し、加熱してポス
トキュアーを行うことを特徴とする光硬化樹脂板の製造
法、および、該方法で得られる樹脂板に関する。本発明
で用いる光硬化性樹脂組成物は、光重合性モノマー、光
ラジカル剤、熱ラジカル剤、及び内部離型剤を含有して
なる組成物である。
【0012】本発明で用いる光重合性モノマーとして
は、紫外線などの活性エネルギー線の照射によって重合
硬化するものであれば、特に限定されるものではない
が、樹脂特性が優れる下記のモノマーが特に好ましい。
つまり、1分子中に下記一般式(1)(化5)で表され
る官能基と、下記一般式(2)又は(3)(化5)で表
される官能基とを兼備するモノマー(A)、または、上
記モノマー(A)と下記式(4)〜(6)(化6)で表
される官能基群から選ばれた少なくとも1種の官能基を
m個(mは1〜6の整数を表す)有するモノマー(B)
である。
【0013】
【化5】 (上式中、Xは酸素原子または硫黄原子を表し、R1
水素原子またはメチル基を表す)
【0014】
【化6】
【0015】以下、詳しく説明する。1分子中に、前記
一般式(1)で表される官能基と、前記一般式(2)、
又は(3)で表される官能基とを兼備するモノマー
(A)は、イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル
イソシアネートと、1分中に少なくとも水酸基又はメル
カプト基のいずれかの官能基と一般式 (2)又は
(3)で表される官能基とを兼備する化合物(化合物
P)との反応により得られるものである。
【0016】化合物Pとしては、エポキシ基又はチイ
ラン基をアクリル酸又はメタクリル酸で開環させて得ら
れる化合物類、例えば、ヒドロキシエチルアクリレー
ト、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロ
ピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、1,4−ブチレングリコールモノアクリレート、
1,4−ブチレングリコールモノメタクリレート、グリ
セロール−1,2−ジアクリレート、グリセロール−
1,2−ジメタクリレート、グリセロール−1,3−ジ
アクリレート、グリセロール−1,3−ジメタクリレー
ト、グリセロール−1−アクリレート−3−メタクリレ
ート、 フェニルグリシジルエーテル類のアクリル酸又はメタ
クリル酸の開環反応物、例えば、3−フェノキシ−2−
ヒドロキシプロピルアクリレート、3−フェノキシ−2
−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2,4−ジブロ
モフェノキシ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、
2,4−ジブロモフェノキシ−2−ヒドロキシプロピル
メタクリレート、 ビスフェノールA−ジグリシジルエーテルのアクリル
酸又はメタクリル酸の開環反応物、 ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリ
スリトールトリメタクリレート、 ビニルベンジルアルコール、ビニルチオベンジルアル
コール、 ビス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレー
ト、ビス(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレ
ート、などが挙げられる。
【0017】これらを用いてカルバミン酸エステル又は
チオカルバミン酸エステルを得るのであるが、それはイ
ソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネー
トのイソシアネート基と、化合物Pの水酸基又はメルカ
プト基との反応による。この際、合成反応が進み易いよ
うに、ジブチルスズジラウレートやジメチルスズジクロ
ライド等のスズ化合物、又はモルフォリン、ジメチルア
ミノベンゼン等のアミン類を加えて行っても良い。後の
ラジカル反応での着色を防ぐ為には、スズ化合物を選択
することが好ましい。又、反応の際に反応に不活性な任
意の溶媒を用いてもよく、その場合は、合成反応の後に
溶媒を留去し、精製あるいは精製せずにモノマー(A)
を得る。
【0018】モノマー(A)として具体的には、N−
(3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)−
2−アクリロイルオキシエチルカルバメート、N−(3
−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)−2−
メタクリロイルオキシエチルカルバメート、N−(4−
イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)−2−ア
クリロイルオキシエチルカルバメート、N−(4−イソ
プロペニル−α,α−ジメチルベンジル)−2−メタク
リロイルオキシエチルカルバメート、N−(3−イソプ
ロペニル−α,α−ジメチルベンジル)−1−アクリロ
イルオキシプロパン−2−イルカルバメート、N−(3
−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)−1−
メタクリロイルオキシプロパン−2−イルカルバメー
ト、N−(4−イソプロペニル−α,α−ジメチルベン
ジル)−1−アクリロイルオキシプロパン−2−イルカ
ルバメート、N−(3−イソプロペニル−α,α−ジメ
チルベンジル)−1,3−ジアクリロイルオキシプロパ
ン−2−イルカルバメート、N−(3−イソプロペニル
−α,α−ジメチルベンジル)−1,3−ジメタクリロ
イルオキシプロパン−2−イルカルバメート、N−(3
−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)−1−
アクリロイルオキシ−3−メタクリロイルオキシプロパ
ン−2−イルカルバメート、N−(4−イソプロペニル
−α,α−ジメチルベンジル)−1,3−ジアクリロイ
ルオキシプロパン−2−イルカルバメート、N−(3−
イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)−2,2
−ジアクリロイルオキシメチル−3−アクリロイルオキ
シプロピルカルバメート、N−(4−イソプロペニル−
α,α−ジメチルベンジル)−2,2−ジメタクリロイ
ルオキシメチル−3−メタクリロイルオキシプロピルカ
ルバメート等が挙げられる。イソシアネート化合物とメ
ルカプト基との反応によるものとしては、上記のカルバ
メートがチオカルバメートになった化合物が挙げられ
る。
【0019】前記の式(4)〜(6)で表される基群か
ら選ばれる少なくとも1種の官能基をm個(mは1〜6
の整数を表す)有するモノマー(B)とは、アクリル
酸、メタクリル酸のエステル及びスチレンの誘導体であ
る。m=1のものとしては、例えば、メチルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチ
ルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメ
タクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピ
ルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シク
ロヘキシルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベ
ンジルメタクリレート、メトキシエチルアクリレート、
メトキシエチルメタクリレート、エトキシエチルアクリ
レート、エトキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキ
シエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート、2−ヒドロキシフロピルアクリレート、2−ヒ
ドロキシフロピルメタクリレート、1,4−ブチレング
リコールモノアクリレート、1,4−ブチレングリコー
ルモノメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリ
シジルメタクリレート、スチスチレン、メチルスチレ
ン、クロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルス
チレン、メトキシスチレン等が挙げられる。
【0020】m≧2のものとしては、例えば、エチレン
グリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタ
クリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジ
エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリ
コールジアクリレート、プロピレングリコールジメタク
リレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ジ
プロピレングリコールジメタクリレート、2,2−ビス
(4−アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロイル
オキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−アクリロイルオキシプロピロ
イルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メ
タクリロイルオキシプロピロイルオキシフェニル)プロ
パン、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3
−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジ
オールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタ
クリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリ
コールジメタクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペ
ンチルグリコールエステルジアクリレート、スピログリ
コールジアクリレート、スピログリコールジメタクリレ
ート、エポキシアクリレート、エポキシメタクリレー
ト、2−プロペノイックアシッド[2−(1,1−ジメ
チル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)オキシ)
エチル]−5−エチル−1,3−ジオキサン−5−イ
ル]メチルエステル、トリメチロールプロパントリアク
リレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエ
リスリトールトリメタクリレート、ビス(アクリロイル
オキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビ
ス(メタクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイ
ソシアヌレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)
イソシアヌレート、トリス(メタクリロイルオキシエチ
ル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラア
クリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサメタクリレート、メチルトリ
(アクリロイルオキシエトキシ)シラン、グリセロール
ジアクリレート、グリセロールジメタクリレート、ジブ
ロムネオペンチルグリコールジアクリレート、ジブロム
ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジビニルベ
ンゼン、ウレタンアクリレート類、ウレタンメタクリレ
ート類、1,1,3,3,5,5−ヘキサ(アクリロイ
ルオキシ)シクロトリホスフォゼン、1,1,3,3,
5,5−ヘキサ(メタクリロイルオキシ)シクロトリホ
スフォゼン、1,1,3,3,5,5−ヘキサ(アクリ
ロイルエチレンジオキシ)シクロトリホスフォゼン、
1,1,3,3,5,5−ヘキサ(メタクリロイルエチ
レンジオキシ)シクロトリホスフォゼン等が挙げられ
る。
【0021】モノマー(A)は単独で重合可能な樹脂で
あり、また、モノマー(B)と共重合することもでき
る。共重合の際におけるモノマー(A)とモノマー
(B)との単量体の比率は、各単量体の有する官能基の
種類及び単量体の構造などにより一概には決められない
が、モノマー(A)中のイソプロペニルフェニル基1当
量に対して、各モノマー(A)中の前記式(2)、
(3)及びモノマー(B)中の前記式(4)〜(6)で
表される基群の総和が0.5〜10当量の範囲であるこ
とが好ましい。本発明の光重合性モノマーは、主とし
て、モノマー(A)単独、または、モノマー(A)とモ
ノマー(B)からなるものであるが、必要に応じて、他
の重合性モノマーを適宜加えてもよい。
【0022】本発明で用いる熱ラジカル剤は、特に限定
されず、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオ
キシ(2−エチルヘキサノエート)、t−ブチルパーオ
キシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−
トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバ
レート、ジクミルパーオキサイド、p−クロロベンゾイ
ルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネ
ート、ジー2−エチルヘキシルパーオキシカーボネー
ト、などの過酸化物、及びアゾビスイソブチロニトリル
などのアゾ化合物が使用できる。この場合、2種以上の
ラジカル剤を組み合わせて用いてもよい。その使用量は
モノマーに対し0.01〜5重量%の割合である。
【0023】光ラジカル剤についても特に限定されず、
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエ
チルエーテル、2−ヒドロキシ−2−ベンゾインプロパ
ン、アゾビスイソブチロニトリル、アセトフェノン類、
ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、チオキサントン類、
ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ジフェニルジス
ルフィドなどが使用でき、その使用量はモノマーに対し
0.01〜5重量%である。電子線やγ線などの放射線
を使用する場合は、ラジカル開始剤は必要としない。
【0024】内部離型剤は、シリコン系、フッ素系、ワ
ックス系、脂肪族金属石鹸系、酸性リン酸エステル系な
ど、通常用いられる離型剤から選択できる。使用量は、
離型剤の種類やモノマーの種類により一概には決められ
ないが、通常はモノマーに対して0.02〜0.3重量
%である。また、本発明の光重合性樹脂組成物において
は、樹脂板が加熱下経時的に着色したり、劣化すること
を防止する為に、また、帯電を防止する為に、予め酸化
防止剤や着色防止剤、また、帯電防止剤などを加えるこ
とができる。このようにして調合した樹脂液は、必要に
応じて、脱泡処理を施して重合に備える。
【0025】次に、光重合による本発明の光重合性樹脂
組成物のプレキュアーについて説明する。本発明におい
て、プレキュアーは、樹脂組成物をセルに注入しての注
型重合に止まらず、樹脂組成物を型材の面上に流延し上
部開放で行う重合(仮に開放重合と称す)も可能であ
る。また、それらの重合は、バッチ、セミ連続、あるい
は、連続のいずれの形態で行ってもよい。注型重合をバ
ッチ或いはセミ連続で行うには、シート状の型材2枚と
スペーサーを兼ねたガスケット及び固定具から成る鋳型
を用い、セミ連続の場合は、光照射装置はコンべアー機
構を有する装置を用いる。また、連続重合は、ロールを
介して連続稼働する一対のシートまたはフィルムである
支持体が一定の空間距離を保って光照射装置内に連続導
入され、同時に該一対の支持体がなす空間部に、モノマ
ーを連続して注入する形態の重合炉で行う。一方、開放
重合では、型材にシートを用いれば、バッチ、セミ連
続、あるいは、連続のいずれもが可能である。フィルム
の場合は、バッチ、セミ連続は好ましくない。
【0026】注型重合の場合の型材において、少なくと
も一方の材は透光性でなければならない。したがって、
型材がシートの場合には、ガラス板が最適である。ガラ
ス板は通常の青ガラスでよく、表面研磨は特に必要な
い。また、型材がフィルムの場合には、光学向けのPE
Tフィルムが最適である。なお、両面から光を照射する
場合には上記のシートとフィルムを組み合わせて用いて
もよい。型材の一方に非透光性の材を用いる場合には、
非透光性の材としては、真鍮やステンレスなどの金属
板、ガラス繊維や炭素繊維で強化したFRPなどが使用
できる。その際、必要に応じて、金属板の表面には研磨
処理やメッキ処理を施すのがよい。また、FRPの場合
には表面を研磨して用いるのが好ましい。また、ガスケ
ットは、軟質塩化ビニル樹脂、エラストマー、シリコン
ゴムなどから選ばれたシートやチューブ、或いはテフロ
ンチューブから選択すればよい。固定具はプラスチック
レンズ製造用のガスケット止めや文具用バインダークリ
ップ等が簡便に利用できる。
【0027】開放重合の場合の型材は、光を両面に照射
するならば上記の透光性の材を用いればよく、開放側か
らの片面照射ならば上記の非透光性の材も使用できる。
モノマーの流延は、ロールコーター、バーコーター、そ
の他、モノマー液の厚みを均一にかつ加減できる類のコ
ーターならば使用可能である。本発明の製造法では、樹
脂板の厚みは0.1〜2.0mmが好ましく、0.2〜
1.1mmがより好ましい。
【0028】本発明で用いる活性エネルギー線は、通常
用いられる紫外線、電子線、およびγ線などから選択で
きるが、取扱上、利便性のある紫外線が好ましい。光照
射装置は、これまでに述べた重合形式に応じて適宜選択
する。この際、開放重合にあっては、酸素酸化により樹
脂板の着色が懸念される場合には、装置内をN2 ガスな
どで置換できるような装置を選択する。光源は通常用い
る高圧水銀ランプやメタルハライドランプから選択すれ
ばよく、ランプ数、照射幅、照射距離、及び照射時間な
どの重合条件は必要に応じて適宜決める。
【0029】本発明の製造法では、プレキュアー後、脱
型して樹脂板を離型させる。脱型はバッチやセミ連続の
場合には型に楔を入れるか、または、楔と同時に空気や
窒素の圧縮ガスを吹き込んで行う。一方、連続の場合に
は光照射装置の出口側で支持体が樹脂板から剥離される
が、その際離型性を助ける為にエアーナイフを用いても
よい。エアーナイフは開放重合の場合の脱型の際にも利
用できる。
【0030】本発明の製造法では、脱型した後、加熱に
よるポストキュアーを行う。加熱は通常用いる熱風循環
乾燥器で行えばよいが、その他、イナートオーブンやそ
れに準じたオーブン、真空オーブン、或いは遠赤外線炉
を用いてもよい。加熱温度及び時間はプレキュアーでの
樹脂板のゲル化度にもよるし、また使用する加熱装置に
もよるので一概には決まらないが、通常は180〜21
0℃で、0.5〜3時間である。
【0031】以下、本発明の作用の点について説明す
る。本発明の方法では、プレキュアーでの樹脂板のゲル
の度合を重視する。何故なら、その度合が樹脂板の離型
性にも大きく関与するからである。本発明の方法では、
ゲルの度合をゲル分率で規定し、プレキュアーの際の樹
脂板のゲル分率が93〜98%となるように、活性エネ
ルギー線量を調整する。樹脂板のゲル分率が93〜98
%であれば、脱型の際の離型が均一、かつスムースに進
行する。ゲル分率が93%未満だと内部離型剤のブリー
ドが不安定で、かえって離型しにくくなり、また、樹脂
板の剛性が低いのでその後のポストキュアーのやり方次
第では樹脂板が変形する。一方、99%以上であるとほ
ぼ完全硬化状態となるので、プレキュアーを行う意図が
得られなくなる。
【0032】本発明のプレキュアーでは、光照射は片面
照射でもよく、また、片面が開放のままであってもよ
い。ところで、一般に片面照射であると樹脂板の表面と
その内部、また非照射面でそれぞれ活性エネルギー線量
が異なるので光学歪や反りが発生し、また、片面が開放
であるとその光学歪や反りの程度はより顕著になるもの
である。
【0033】本発明の方法で、片面照射や開放重合が可
能である根拠は以下のように推測される。本発明で用い
る樹脂は、本発明者らが既に開示している高硬度透明樹
脂である。該樹脂の重合において、イソプロペニルフェ
ニル基の重合速度は、同分子中又は/及び共重合分子中
の(メタ)アクリル基の重合速度より相対的に遅い。本
発明のモノマーでは、イソプロペニルフェニル基により
(メタ)アクリル基が希釈されているため、(メタ)ア
クリル基単独での重合が抑えられ、(メタ)アクリル基
とイソプロペニルフェニル基がランダムに重合するの
で、結果としてミクロ的には緩慢な重合が起きている。
それに加えて、活性エネルギー線の熱作用、及び重合の
蓄熱で熱ラジカル剤が活性化し、その熱重合の度合が樹
脂表面より樹脂内部で大きい。その結果、樹脂表面での
光及び熱重合と樹脂内部での光及び熱重合がバランス
し、マクロ的には均一な重合が起きているとする。よっ
て、片面照射や開放重合で樹脂板に光学歪や反りが生じ
たとしてもその程度は低く、その後のポストキュアーで
解消できる。
【0034】離型現象は、内部離型剤のブリードによっ
てなされるが、このブリードの善し悪しは先に述べた樹
脂板のゲルの度合だけでなく、樹脂液と内部離型剤の相
性にもよる。本発明で用いる内部離型剤はその点課題を
有していない。ポストキュアーでは、プレキュアーでの
樹脂板に問題がなければ、先に記載したいずれの手段で
あっても課題を生じない樹脂板に仕上げることができ
る。本発明の樹脂板は、本発明の製造方法で製造される
ものであり、光学歪みや反りのない樹脂板であり、光学
特性、熱特性、機械特性にも優れているので、液晶表示
セル基板や有機EL素子の基板等として極めて有用なも
のである。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例を示して更に詳しく説
明するが、本発明はこれらに何等限定されない。尚、実
施例中の部は重量部を表わす。また、樹脂板の評価及び
測定は以下の方法に従った。 (1)ゲル分率:JIS K 7114「プラスチック
の耐薬品性試験方法」に準じた方法で測定した。 (2)光学歪 :アッベ屈折計で屈折率を測定し複屈折
率を算出した。 (3)反り :400mm角の樹脂板を平滑な台上に
置き、樹脂板の中央部から台までの垂直距離を測定し
た。垂直距離が2mm以下の場合を ○ 、それ以上の
場合を × とした。 (4)耐熱性 :TMA(ペネト法)でTgを測定し
た。
【0036】(モノマーの調製法) 参考例1 3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシ
アネート150.0部に、反応触媒としてジブチルスズ
ジラウレート0.08部を添加し、内温を50℃に保ち
ながら、2−ヒドロキシエチルメタクリレート96.9
部を1時間で滴下し、引き続き同温度で5時間撹拌して
反応を行った。その結果、無色透明で粘綢な液体、N−
(3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)−
2−メタクリロイロキシエチルカルバメートを得た。
【0037】参考例2 3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシ
アネート100.0部とエチレングリコール10.3部
の溶液に、ジブチルスズジラウレート0.05部を添加
し、内温を40℃に保ちながら1時間撹拌して反応を行
った。次に、この反応液に、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート21.6部を30分で滴下し、引き続き同温
度で3時間撹拌して反応を行った。その後、この反応液
にペンタエリスリトールテトラアクリレート87.6部
を加え、同温度で1時間撹拌して微黄色で粘綢な液体を
得た。
【0038】参考例3 参考例1に示したと同じ処方で合成した化合物120.
0部に、トリス(2−アクリロイロキシエチル)イソシ
アヌレート(固形)102.2部を加え、50℃で1時
間撹拌して無色透明で粘綢な液体を得た。
【0039】参考例4 参考例1に示したと同じ処方で合成した化合物80.部
に、トリス(2−アクリロイロキシエチル)イソシアヌ
レート68.1部、トリエチレングリコールジアクリレ
ート31.2部、更にエチレングリコールジメタクリレ
ート47.9部を順次加え、50℃で1時間撹拌して微
黄色で粘稠な液体を得た。
【0040】参考例5 参考例1に示したと同じ処方で合成した化合物80.0
部に、水添ジシクロペンタジエニルジアクリレート7
3.5部、イソボルニルメタクリレート53.6部を順
次加え、50℃で20分撹拌して無色透明で粘稠な液体
を得た。
【0041】実施例1 *樹脂組成物の調合 参考例2に示した処方で調製したモノマー100部に、
熱ラジカル剤としてベンゾイルパーオキサイド0.2部
とt−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキ
サノエート0.2部、光ラジカル剤として2−ヒドロキ
シ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン0.
5部、更に内部離型剤としてジブチルホスフェート0.
1部を順次添加した。その後40℃で20分混合し、続
いて同温度で1分間脱気し重合に備えた。 *プレキュアー(バッチ重合) 上記樹脂液を、400mm×400mm角のガラス板2
枚を空間距離が0.4mmになるようにシリコンゴムシ
ート製のガスケットで調整した鋳型の空間部に注入し
た。その後、この鋳型を紫外線照射装置に設置し、紫外
線を鋳型の両面から照射して重合を行った。 ・照射条件: 光源 メタルハライドランプ(上下各1灯) 出力 120W/cm 有効照射幅 500mm ランプ距離 150mm 照射時間 30秒 *脱型 鋳型のガスケット部にスクラバーで楔を入れ樹脂板を離
型させた。離型性は良好で樹脂板にクラックや面の乱れ
は生じなかった。該樹脂板のゲル分率は96%であっ
た。 *ポストキュアー 上記の樹脂板を熱風循環乾燥器(N2 封入)に設置し、
180℃で2時間加熱して樹脂板を得た。評価の結果、
光学歪 1以下、 反り ○、 耐熱性 200℃であ
った。
【0042】実施例2 *樹脂組成物の調合 参考例5に示した処方で調製したモノマー100部に、
熱ラジカル剤としてベンゾイルパーオキサイド0.2部
とt−ブチルパーオキシラウレート0.1部、光ラジカ
ル剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル
プロパン−1−オン0.5部、更に内部離型剤としてジ
ブチルホスフェート0.1部を順次添加した。その後4
0℃で20分混合し、続いて同温度で1分脱気し重合に
備えた。 *プレキュアー(バッチ重合) 上記樹脂液を、400mm×400mm角のガラス板2
枚を空間距離が0.4mmになるようにシリコンゴムシ
ート製のガスケットで調整した鋳型の空間部に注入し
た。その後、この鋳型を紫外線照射装置に設置し、紫外
線を鋳型の両面から照射して重合を行った。 ・照射条件 光源 メタルハライドランプ(上下各1灯) 出力 120W/cm 有効照射幅 500mm ランプ距離 150mm 照射時間 30秒 *脱型 鋳型のガスケット部にスクラバーで楔を入れ樹脂板を離
型させた。離型性は良好で樹脂板にクラックや面の乱れ
は生じなかった。該樹脂板のゲル分率は97%であっ
た。 *ポストキュアー 上記の樹脂板をイナートオーブン(N2 )に設置し、2
00℃で1時間加熱して樹脂板を得た。評価の結果、光
学歪 1以下、 反り ○、 耐熱性 210℃であっ
た。
【0043】実施例3 *樹脂組成物の調合 参考例4に示した処方で調製したモノマー300部に、
熱ラジカル剤としてt−ブチルパーオキシ(2−エチル
ヘキサノエート)0.15部とt−ブチルパーオキシラ
ウレート0.15部、光ラジカル剤としてベンジルジメ
チルケタール2部、更に内部離型剤として酸性リン酸エ
ステル[商品名:ゼレックUN]0.1部を順次添加し
た。その後40℃で30分混合し、続いて同温度で1分
間脱気し重合に備えた。 *プレキュアー(セミ連続) 400mm角のガラス板2枚を空間距離が0.4mmに
なるように軟質塩ビシート製のガスケットで調整した鋳
型を3組用意した。そして、この各々の鋳型の空間部に
先に用意した樹脂液を順次注入した。その後、この鋳型
をチェーンベルトが稼働し、上方から紫外線が照射して
いる紫外線照射装置のチェーンベルト上に順次のせて重
合を行った。次に、これら鋳型を裏返し先と同じ条件で
重合を行った。この一連の操作を3回行った。 ・照射条件 光源 高圧水銀ランプ(上のみ3灯) 出力 80W/cm 有効照射幅 500mm ランプ距離 130mm コンベアー速度 8m/分 照射時間 15秒(照射1回当り) *脱型 各鋳型のガスケット部にスクラバーで楔を入れ樹脂板を
離型させた。離型性はいずれの場合も良好で樹脂板にク
ラックや面の乱れは生じなかった。該樹脂板のゲル分率
はいずれの樹脂板も97%であった。 *ポストキュアー 上記半硬化樹脂板を真空オーブン(真空下)内に設置
し、200℃で3時間加熱して完全硬化した樹脂板を得
た。評価の結果、光学歪 1以下、 反り ○、 耐熱
性 290℃であった。
【0044】実施例4 *樹脂組成物の調合 参考例3に示した処方で調製したモノマー100部に、
熱ラジカル剤としてt−ブチルパーオキシ(2−エチル
ヘキサノエート)0.05部とt−ブチルパーオキシラ
ウレート0.05部、光ラジカル剤としてベンジルジメ
チルケタール0.2部、更に内部離型剤として酸性リン
酸エステル[商品名:ゼレックUN]0.05部を順次
添加した。その後40℃で30分混合し、続いて同温度
で1分脱気し重合に備えた。 *プレキュアー(開放重合) 鏡面仕上げのSUS板(幅300mm×長さ600m
m)の長さ方向の2辺の縁に塩ビシート(厚さ0.4m
m×幅5mm)を各々配置した。このSUS板の上に先
に用意した樹脂液を流し込みSUSの丸棒でこの樹脂液
を均一に引き伸ばした。そして、板からはみ出した樹脂
液を拭き取り、これを実施例3に示したと同じ紫外線照
射装置を用いて重合を行った。但し、光照射は1回であ
る。 ・照射条件 光源 高圧水銀ランプ(上3灯) 出力 80W/cm 有効照射幅 500mm ランプ距離 130mm コンベアー速度 2m/分 照射時間 60秒 *脱型 ガスケットを外し、極薄の鋼板をSUS板と樹脂板の境
界に差し込んで樹脂板を離型させた。離型性は良好でク
ラックや面の乱れのない樹脂板を得た。該樹脂板のゲル
分率は98%であった。 *ポストキュアー 上記の樹脂板を真空オーブン(常圧、N2 封入)内に設
置し、200℃で2時間加熱して樹脂板を得た。評価の
結果、光学歪 1以下、 反り ○、 耐熱性 250
℃であった。
【0045】参考例6 実施例2に示したと同じ処方で製造した樹脂板を用いて
液晶表示セルの透明電極基板を作製した。該基板の構成
は、樹脂基板+アンカーコート層(両面)+ガスバリア
ー層(両面)+透明電極層(片面)であり、その作製は
以下の手順で行った。 1.アンカーコート層 ネガ型フォトレジスト[積水ファインケミカル(株)
製、フォトレックRW−301N]をスピンコート 風乾後、150℃で10分加熱 反対面を同様にコート後し、風乾後150℃で1時間
加熱(両面) 2.ガスバリアー層(SiO2 ) 下記条件で片面をコート(スパッタリング) ・真空度 2.0×10-3Torr ・基板温度 120℃ ・スパッタリングレート 10オングストローム もう片面を同様にコート 3.透明電極層(ITO) 下記条件で片面をコート(スパッタリング) ・真空度 2.0×10-3Torr ・基板温度 120℃ ・スパッタリングレート 80オングストローム この様にして作製したベタ電極基板を下記手順でパター
ン電極化した。 電極層にポジ型フォトレジストをスピンコート 130℃でプリベーク フォトマスクを通して露光 3%KOHで現像し、その後60%HBrでエッチン
グ 剥離液[東京応化(株)製、ST−10]でレジスト
を剥離 この結果、所定のパターンを有する樹脂基板からなる透
明電極基板を得た。
【0046】比較例1 実施例1において、内部離型剤を添加しない以外は、同
じ条件でプレキュアーを行った。そして、脱型の為に楔
を入れたところ、樹脂板の離型が不均一であり途中で樹
脂板が割れた。
【0047】比較例2 実施例2において、熱ラジカル剤を添加しない以外は、
同じ条件でプレキュアーを行った。その後脱型し、引き
続き実施例2に示した条件でポストキュアーを行った。
脱型で樹脂板は得られたが離型性はやや劣っていた。ま
た、樹脂板の剛性もやや低いように感じた。そして、そ
の後のポストキュアーでた樹脂板ははっきり分かる程に
反ってしまった。因みにこの樹脂板のプレキュアー後の
ゲル分率は92%であった。
【0048】比較例3 実施例3において、2組の鋳型で行う以外は、同じ条件
でプレキュアーを行った。次に、脱型せずに該鋳型を実
施例3に示したと同じ条件でポストキュアーを行った。
その後、冷却過程で50℃の時に1組の鋳型をオーブン
から取り出し脱型の為に楔を入れたところ、樹脂板は離
型起きるものの途中で割れた。もう1組については室温
まで鋳型が冷却してから楔を入れたところ、当初樹脂板
は全く離型しなかった。そこで、楔の力を相当程度加え
たら樹脂板が一気に割れた。
【0049】
【発明の効果】本発明の方法により、光学歪みや反りの
ない樹脂板を生産性よく製造できる。本発明製造法で得
られる光硬化樹脂板は、光学特性、熱特性、機械特性な
どに優れているので、液晶表示セル基板や有機EL基板
などの支持基板として提供される。また、本発明の樹脂
板はカラーフィルターやタッチパネル基板としても利用
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 105:26 B29K 105:26 B29L 7:00 B29L 7:00 Fターム(参考) 4F204 AA44 AH33 EA03 EA04 EB01 EF27 EK18 EK24 EK25 4J011 AA04 AA05 AC04 BA03 DA02 DB12 DB13 DB16 FB01 GB07 GB08 QA03 QA09 QA13 QA17 QA18 QA19 QA23 QA24 QA32 QA33 QA34 QA39 QA42 QB19 QB23 SA02 SA22 SA32 SA36 SA42 SA52 SA64 SA79 SA83 UA01 UA03 UA04 UA08 VA04 WA10 XA02 4J100 AB02Q AB03Q AB07Q AB08Q AB15Q AB16Q AL03Q AL08Q AL09Q AL10Q AL62Q AL63Q AL66Q AL67Q AL74P BA02Q BA03Q BA05Q BA06Q BA15Q BA34P BA38P BA51P BA63Q BA77Q BB03Q BC04Q BC15Q BC43P BC43Q BC45Q BC73Q CA01 CA04 GC29 JA32

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の型材が相対向し均一な空間距離を
    設けて形成される少なくとも一方が透光性であるセルの
    空間部に、光硬化性樹脂組成物を注入し、該セルの透光
    性の面から活性エネルギー線を照射してプレキュアーを
    行い、その後脱型し、得られた樹脂板の両面を加熱して
    ポストキュアーを行うことを特徴とする光硬化樹脂板の
    製造法。
  2. 【請求項2】 透光性または非透光性の一つの型材の面
    上に、光硬化性樹脂組成物を流延し、上面及び/又は下
    面から活性エネルギーを照射してプレキュアーを行い、
    その後脱型し、得られた樹脂板の両面を加熱してポスト
    キュアーを行うことを特徴とする光硬化樹脂板の製造
    法。
  3. 【請求項3】 光硬化性樹脂組成物が、光重合性モノマ
    ーとして、1分子中に下記一般式(1)(化1)で表さ
    れる官能基と、下記一般式(2)又は(3)(化1)で
    表される官能基とを兼備するモノマー(A)、 【化1】 (上式中、Xは酸素原子または硫黄原子を表し、R1
    水素原子またはメチル基を表す)または、該モノマー
    (A)と下記式(4)〜(6)(化2)で表される官能
    基群から選ばれた少なくとも1種の官能基をm個(mは
    1〜6の整数を表す)有するモノマー(B)の混合物で
    ある請求項1または2記載の光硬化樹脂板の製造法。 【化2】
  4. 【請求項4】 プレキュアーの際の重合が、バッチ、セ
    ミ連続、または連続のいずれかの方法で行われることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光硬化樹脂
    板の製造法。
  5. 【請求項5】 プレキュアーの際に、得られる樹脂板の
    ゲル分率が93〜98%になるように、活性エネルギー
    線量を調整することを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載の光硬化樹脂板の製造法。
  6. 【請求項6】 樹脂板の厚みが0.1〜2.0mmであ
    る請求項1〜5のいずれかに記載の光硬化樹脂板の製造
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の製造法
    により製造される光硬化樹脂板。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004513191A (ja) * 2001-01-04 2004-04-30 カウンシル・オブ・サイエンティフィック・アンド・インダストリアル・リサーチ ペプチドおよび小分子有機合成用の新しいリンカーに基づく固相支持体
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WO2016052038A1 (ja) * 2014-09-29 2016-04-07 富士フイルム株式会社 ポリマーフィルムの製造方法
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