JP2003514913A - 多糖、天然生成物及びコンビナトリアル・ライブラリの合成に有用な保護基 - Google Patents

多糖、天然生成物及びコンビナトリアル・ライブラリの合成に有用な保護基

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JP2003514913A JP2001540100A JP2001540100A JP2003514913A JP 2003514913 A JP2003514913 A JP 2003514913A JP 2001540100 A JP2001540100 A JP 2001540100A JP 2001540100 A JP2001540100 A JP 2001540100A JP 2003514913 A JP2003514913 A JP 2003514913A
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Abstract

(57)【要約】 本発明のある態様は、任意に置換したハロゲン化ベンジルハロゲン化物に関連する。このような化合物は、各種官能基のためのハロゲン化ベンジルエーテルを用いた保護基として有用である。本発明の別の態様は、多くの適切な官能基を含む複雑な化合物の合成のためのオルトゴナル保護基戦略に、前記保護基を使用する方法に関連する。本発明の別の態様は、本発明の各種保護基を有する糖質に関連する。本発明の別の態様は、本発明の保護基を少なくとも1つ有する糖質を用いて、2つめの分子をグリコシル化し、前記糖質を含む生成物を生成するステップと、前記生成物から本発明の保護基を除去するステップからなる、オリゴ糖または糖質複合体の合成方法に関連する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 関連出願 本出願は、1999年11月24日に出願された米国暫定特許出願60/16
7,302号の優先日の利益を主張するものである。
【0002】 政府による援助 本発明は、国立予防衛生研究所の支援(助成金番号GM 58160)を受けてなさ
れた。よって、政府は、本発明におけるいくつかの権利を所有する。
【0003】 発明の背景 同じような反応性を持つ官能基を示差的に保護することは、複合天然生成物を
合成する上で大きな課題である。高度に枝分かれした構造に対し、選択的に外す
ことのできるマスキング基をいくつか設けねばならない場合、特定の水酸官能基
及びアミノ官能基を区別するという作業が、糖質化学において特に困難な問題と
なる。過去数年、数多くの保護基が紹介されてきたが、それらはすべて、特定の
マスキング部分の固有の反応性を利用するものである Greene, T. W. ; Wuts, P
. G. M. Protective Groups in Organic Synthesis ; John Wiley & Sons ; New
York, 1999。伝統的には、ベンジルエーテルを「永久的な」保護に用い、合成
の後半の段階で外す一方、エステル部分及びシリルエーテルは水酸基を「一時的
に」マスクするのに用いられ、これは合成中に外される。保護基のオルトゴナル
性や、ある特定のマスキング部分を別の部分に影響を与えずに外せるかどうか、
は、合成のプランニングや実験の実施にとって重要なカギである。
【0004】 ベンジルエーテルの反応性は、未置換ベンジルエーテルの存在下で選択的に外
すことのできる置換ベンジルエーテル保護基を用いることで調整されてきた。こ
れらの置換ベンジルエーテルは、未置換ベンジルよりも、反応条件に対してより
不安定であることが多い。 Greene, T. W. ; Wuts, P. G. M. Protective Group
s in Organic Synthesis ; John Wiley & Sons ; New York, 1999, p 86-113。4
-O-メトキシベンジル基(PMB)は、酸化的に開裂させることができ、従って大半
の他の保護基に影響を与えずに済むために、天然生成物の合成には頻繁に用いら
れてきた Greene, T. W. ; Wuts, P. G. M. Protective Groups in Organic Syn
thesis ; John Wiley & Sons ; New York, 1999, p 86-91。しかしこの基の酸感
受性が原因で、合成におけるその実用性にはいくつかの制限がある。より最近で
は、酢酸置換基及びシリル置換基を含有する他の4-O置換ベンジルエーテルが報
告されている。Jobron, L. ; Hindsgaul, O. l. Am. Chem. Soc. 1999, 121, 58
35-5836。これらのベンジルエーテル基を取り外すには、パラジウムを触媒とす
る水素添加作用は必要ではないが、それぞれ塩基又はフッ化物による処理が必要
であり、その後で酸化的開裂を行わねばならない。これらの脱保護プロトコルが
あるために、これら4-置換ベンジルエーテルには、エステル、シリル、又はPMB
保護基への適合性はない。
【0005】 発明の概要 本発明の一態様は、選択的に置換されるハロゲン化ベンジルといったハロゲン
化物等々に関するものである。これらの化合物は、例えばアルコール、チオール
、アミン、カルボン酸、及びリン酸などの多様な官能基のための、ハロゲン化ベ
ンジルエーテルを基にした保護基として、有用である。これにより保護を受ける
官能基は、幅広い反応条件に対して安定であり、と同時に本発明の方法を用いて
容易に外すことができる。
【0006】 本発明のいくつかの方法は、本発明によるベンジルエーテルを基にした保護基
を選択的に外すことに関するものである。これらの方法は、保護基のハロゲン化
物部分を、遷移金属触媒を介して、例えばアルコール、チオール、又はアミンな
どのヘテロ原子の基に置換することで、第二のベンジルエーテルを基にした(前
記のヘテロ原子の基を含有する)保護基を生成するステップと、ルイス酸又は酸
化剤で処理することで、前記第二のベンジルエーテルを基にした保護基を外すス
テップとを含む。
【0007】 本発明の別の態様は、前記保護基及び方法を協働させて用いて、例えば天然生
成物、オリゴ糖、又はその一方又は両方のコンビナトリアル・ライブラリなど、
アルコール、チオール、アミン、カルボン酸、及びリン酸からなる群より選択さ
れる多数の官能基を含んで成る複合分子の合成に利用できる、オルトゴナルな保
護基ストラテジを開発かつ利用することに関するものである。
【0008】 本発明の別の態様は、本発明の幅広い保護基を含有する単糖及びオリゴ糖に関
するものである。これらの化合物は、オリゴ糖及び多糖並びに複合糖質の合成に
携わる合成化学者、医薬品化学者、及びプロセス化学者にとって有用なものとな
ろう。さらに、本発明の別の態様は、少なくとも一つの本発明の保護基を含有す
る単糖又はオリゴ糖を用いて、一分子を糖付加することで、前記単糖又はオリゴ
糖を含んで成る生成物を生成するステップと、前記生成物から少なくとも一つの
本発明の保護基を外すステップと、を含む、オリゴ糖又は複合糖質を合成する方
法に関するものである。
【0009】 発明の詳細な説明 別の置換ベンジルエーテルの存在下で選択的かつ穏和に外すことのできる置換
ベンジルエーテル保護基が得られれば、合成に利用できる対象が著しく広がるで
あろう。特に、高度に分岐した糖質や、オリゴ糖のコンビナトリアル・ライブラ
リの合成は、このような開発から資するところ大きいであろう。糖質化学では、
4-メトキシベンジル基(PMB)が、酸化的に外すことができるために頻繁に用い
られてきた。しかしながら、この基の酸感受性が原因で、合成におけるその実用
性に限界があった。より最近では、酢酸置換基及びシリル置換基を含有する別の
4-O-置換ベンジルエーテルが報告されているが、これらでは、それぞれ塩基又は
フッ化物による処理をした後で、酸化的開裂を行わせねばならない。従って、こ
れらのプロトコルはエステル、シリル又はPMB保護基への適合性はない。
【0010】 理想的には、未置換ベンジルエーテルと等しいか又はそれ以上に安定であり、
かつ、シリルエーテル及びエステル保護基に影響を与えずに穏和条件下で選択的
に外すことのできる、一組の置換ベンジルエーテルが想到される。このようなベ
ンジルエーテルを基にした保護基があれば、完全に保護を受けた糖付加剤の反応
性にはごく僅かな影響を与えるだけで済み、従って、用いる保護基の組合せに関
係なく、糖付加反応の再現性を確実なものにできる。我々は、このような新規な
保護基という構想を練る上で、パラジウムを触媒とするアミノ化によりアリール
アミンに容易に転化させられる安定なハロゲン化ベンジルエーテルを考えた。そ
の結果得られるアリールアミンは、多様な条件で開裂を起こすと予測できた。
【0011】 触媒を用いたハロゲン化アリールのアミノ化という方法は、伝統的なC-N結合
形成法に替わる穏和な方法である。アミンのハロゲン化アリールへのクロスカッ
プリングに影響する触媒が開発されており、従来では得られなかった幅広い化合
物が今や得られるようになった。Yang, B. H. ; Buchwald, S. L. J. Organomet
. Chem. 1999, 576, 125-146 ; 及びHartwig, J. F. Angew. Chem. Int. Ed. 19
98, 37, 2046-2067。ここで我々は、パラジウムを触媒にしたアミノ化を用いて
、安定なハロゲン化ベンジルエーテルを、ルイス酸又は酸化的条件下で開裂させ
ることのできる置換アリールアミンに転化させる方法を解説する。シリルエーテ
ル、ピバロイルエステル、及びPMBエーテル基の存在下で、様々な置換エーテル
を選択的に外すことが容易にできた。これらの新規な保護基には、糖質、天然生
成物、及びコンビナトリアル・ライブラリの合成で幅広い用途があるに違いない
【0012】 ハロゲン化ベンジルエーテルは、ある範囲の反応条件に対して安定な保護基で
ある。ハロゲン化ベンジルエーテルのハロゲン化アリール部分を対応するアミノ
ベンジルエーテルに転化させると、このベンジルエーテル部分の反応性が劇的に
変化する。その結果得られるアミノベンジルエーテルは、ルイス酸による開裂を
起こしやすいが、他方、ベンジルエーテルはこれらの条件下では非反応性である
。ハロゲン化ベンジルエーテルを、穏和な条件下で開裂させることのできる化合
物に選択的に転化させる方法があれば、数多くの用途に向けた膨大な可能性があ
るであろう。ここで我々は、パラジウムを触媒とするアミノ化ステップと、その
後のルイス酸又は酸化による処置といったステップを含む、二つのステップから
成る方法により選択的に外すことのできる、ヒドロキシル、アミン、カルボン酸
及びリン酸官能基を保護するための一組のハロゲン化ベンジルエーテル保護基を
解説する。
【0013】 ここに開示するベンジルエーテルを基にした保護基は、他のマスキング基の存
在下で選択的に外すことのできる新規な保護基群全体を表すものである。伝統的
には、ベンジルエーテル基は永久的なブロック基として用いられ、合成の最終段
階でのみ、取り外されてきた。今や、ハロゲン化ベンジルエーテルは一時的な保
護基として用いることができ、選択的に脱保護することができる。これらの基は
、分岐した構造を集合させる際に、多数のヒドロキシル官能基及びアミン官能基
を区別しなければならないような糖質化学で特に重要である。現在入手可能な保
護基では、オルトゴナル性の程度に限界があるが、ここに解説した基では選択の
余地がいくつかある。他の領域では、複合天然生成物の作製や、コンビナトリア
ル・ライブラリ、特に糖質ライブラリの作製に、用途が見いだされるであろう。
【0014】 保護基は通常、薬学的に重要な分子を多数作製する際に用いられている。当該
の新規な保護基を利用すれば、多機能分子、特に複合糖質の合成が、大きく簡便
になるであろう。本開示は、コンビナトリアル糖質ライブラリの合成に衝撃を与
え、この合成されたライブラリも、生物医学的に重要な数多くの受容体に対する
リガンドを同定するのに利用されることとなるであろう。
【0015】 ヒドロキシル基の保護 ヒドロキシル官能基を様々な置換ベンジルエーテル保護基で保護するには、ハ
ロゲン化ベンジルや水素化ナトリウムなどの標準的条件を用いたり、又は、TMSO
Tfによる活性化によるベンジルトリクロロアセトイミデートを用いて行うとよい
【0016】
【化1】 スキーム1.ヒドロキシル部分をハロゲン化ベンジルエーテルとして保護する
方法
【0017】 パラジウム触媒による、第1級及び第2級アミンへのカップリングに対する4-
ブロモベンジル基、4-クロロベンジル基、2-ブロモベンジル基、及び2-クロロベ
ンジル基の反応性は大きく異なる。よって、N-アリールアミンを選択的に形成さ
せ、これらをベンジルエーテルの存在下で開裂させれば、オルトゴナルな一組の
ベンジルエーテル保護基を生じさせることができる。これらのベンジルエーテル
の開裂は二つのステップで行う。一番目に、臭化アリール又は塩化アリールと、
第1級又は第2級アミンとを、パラジウム、配位子(例えばBINAP)及び塩基(
ナトリウムt-ブトキシド、リン酸カリウム)の存在下でカップリングさせると、
様々なアリールアミンができあがる。ベンジルアミン、アニリン、N-メチルアニ
リン、及びヘキシルアミンを含め様々なアミンがこの働きで用いられ、カップリ
ング効率や、次の開裂ステップの容易さについて調べられた。用いるアミンに応
じて、生じたアリールアミンの開裂は、ZnCl2、MgBr2、TMSOTf、SnCl4 及びTiC1 4 を含むルイス酸との反応や、又は、酸化的条件(CAN、DDQ)下で、行わせる。
【0018】
【化2】 スキーム2. ハロゲン化ベンジルエーテルを除去する、二つのステップによ
る方法
【0019】 臭化アリールと塩化アリールとの間(臭化物は塩化物よりも反応性が高い)、
そしてパラ位とオルト位で置換した異性体ハロゲン化アリール間(パラ位体はオ
ルト位体よりも反応性が高い)の反応性の違いを利用して、スキーム3で示す順
序で、ハロゲン化ベンジルエーテル保護基を選択的に外すことができる。もちろ
ん、示差的な保護という方法は糖質化学以外でも利用できる。これらのベンジル
エーテル保護基は固体の担体上だけでなく、溶液中でも利用できる。
【0020】
【化3】 スキーム3. 糖質合成に向けて示差的に保護された単糖
【0021】 アミノ基の保護 同様の組のハロゲン化ベンジルを基にした保護基を用いて、一組のオルトゴナ
ルなアミン保護基が開発された。カルビルオキシベンゾイル(Cbz)保護基がア
ミン官能基の保護によく用いられてきたが、それはなぜなら、利用が簡単であり
、幅広い反応条件で安定であり、強酸又は水素添加作用のいずれでも外すことが
できるからである。ハロゲン化ベンジルエーテルカルバメート保護基はCbz基よ
りもさらに酸に対して安定である。新規なアミン保護基の結合は大変直截的な方
法で行われる。ハロゲン化ベンジルアルコールをトリホスゲンと反応させると、
対応するクロロギ酸エステルが形成される。これらのクロロギ酸エステルはアミ
ン官能基と簡単に反応してカルバメートを生ずるが、このカルバメートは、幅広
い条件に対して安定であるが上述したPd触媒アミノ化条件を用いて選択的に外す
ことができる。
【0022】
【化4】
【0023】 スキーム4. アミンをハロゲン化カルバミン酸ベンジルとして保護する方法
【0024】 ハロゲンカルバミン酸ベンジル保護基を、上でベンジルエーテル保護基につい
て解説したように、パラジウムを触媒としてアミノ化を行った後、ルイス酸によ
る処理又は酸化的条件によって開裂させた。特定のカルバミン酸ベンジルの選択
的な開裂は、上記の相対的な反応性を利用しても、行わせることができる。
【0025】 代わりに、モノ-及びジ-ハロベンジルアミンを、保護される形のアミン官能基
として役立ててもよい。これらの基の除去は、カルバメート及びベンジルエーテ
ル保護基について上述したように行うことができる。
【0026】
【化5】
【0027】 スキーム5. アミンをハロゲン化ベンジルアミンとして保護する方法
【0028】 カルボン酸基及びリン酸基の保護 さらにハロゲン化ベンジルエーテルは、カルボン酸エステル及びリン酸エステ
ルをマスキングする保護基として役立てることもできる。これらの新規な基は、
オリゴヌクレオチド及びそれらの類似体の合成にとって特に可能性を持つ。従来
より、クロロベンジルリン酸エステルがリン酸基保護基として用いられてきたが
、それらの除去には水素添加作用が必要である。パラジウムを触媒とするアミノ
化を行った後、ルイス酸で処理するという方法が、今や、カルボン酸エステル及
びリン酸エステル保護基を開裂させるのに選ばれる方法である。
【0029】
【化6】 スキーム6. ハロゲン化リン酸ベンジルを脱保護する方法
【0030】 実験結果の概観 ハロゲン化ベンジルエーテル保護基の導入は、水酸基を、対応する塩化ベンジ
ル又は臭化ベンジルに水素化ナトリウムの存在下で反応させて、行わせる(図1
)。予測通り、この保護反応は簡単であり、また収率も高かった。4-ブロモベン
ジルエーテル保護基を6-TIPSグルカール6のC3位へ、スタニルエーテルを介して
選択的に導入し、グルカール7を生成させた。単糖7は、PMB-クロリドとの反応に
より、簡単に変換して保護されたグルカール8となった(図2)。さらに、様々
な組合せのハロゲン化ベンジルエーテル保護基をC2及びC6位に含有する一連のメ
チルグルコシド12-15を、3,4-ジベンジルグルカール9から調製した(図3)。
【0031】 一連の保護された単糖基質を手に入れたところで、パラジウムを触媒とするア
ミノ化反応を、様々なアミンを用いて行った(図6)。Buchwald らが開発した
、臭化アリールを効率的にアミノ化させるプロトコルに従い、PBBで保護された
ガラクトース2をベンジルアミン、N-メチルアニリン及びn-ヘキシルアミンにカ
ップリングした。1モルパーセントのPd2(dba)3と、最近開発された配位子(o-
ビフェニル)P(t-Bu)2(2モルパーセント)を、ナトリウムtert-ブトキシド
(1.4等量)の存在下で触媒系として用いた。反応は80℃で3時間か、又は、
その代わりに室温で16時間、行わせた。ベンジルアミン及びN-メチルアニリン
の両者とも、優れた収率を見せたが、n-ヘキシルアミンとカップリングさせた結
果、大量のビスアリール化生成物が形成された。ガラクトース3の4-クロロベン
ジル部分は、N-メチルアニリン又はモルホリンを用いた同じカップリング条件で
効率的にN-アリール化させることができた。2-ブロモベンジルで保護された4は
、良好な収率でベンジルアミンと反応して20を生成した。
【0032】 安定なハロゲン化ベンジルエーテルを多様なアリールアミンに容易に転化させ
るプロトコルを確立した次は、これらのアミンの開裂を促進する条件を調べた(
図7)。第2級アリール-ベンジルアミン16は驚くほど安定であったが、強力な
ルイス酸(TiCl4、SnCl4)に簡単に屈し、僅かに5分で定量的に開裂させること
ができた。塩化亜鉛、TMSトリフレート、及びナトリウムメトキシドは16を開裂
させることができなかった。酸化的条件でも開裂が観察され、硝酸セリウム(IV
)アンモニウムで処理すると、30分後には75%の遊離アルコールが認められた。
第3級アリールアミン17は、30分で塩化亜鉛で定量的に転化させられたように
、ルイス酸でより開裂し易かった。第2級及び第3級アリールアルキルアミン18
及び19の開裂を起こすには四塩化チタンが必要であったが、他のルイス酸は、水
酸官能基の露出を促すことが全くできなかった。オルト置換アリールベンジルア
ミン20は、TiCl4による処理で急速に開裂させることができたように、同様な反
応性を呈したが、他のルイス酸はこの反応を促進しなかった。
【0033】 ベンジルエーテル保護基のオルトゴナル性が、我々の調査の大きな動機であっ
た。臭化アリールと塩化アリールの間、そしてオルト置換とパラ置換したアリー
ルエーテルの間に、パラジウム触媒アミノ化反応において大きな反応性の違いが
あることから、我々は、選択的なアミノ化、ひいては他のハロゲン化ベンジルエ
ーテルの存在下で特定の保護基を外すことが可能なのではないかと、予測した。
4-クロロベンジル(PBC)及び4-ブロモベンジル(PBB)保護基のオルトゴナル性
を、三糖の構築に利用した(図5)。示差的に保護してある単糖12から始めて、
PBB基を89%の収率で選択的に外して、C2に付いたPCB基に影響を与えずに、C6の
水酸官能基を露出させた。リン酸グルコシル22を用いた糖付加を行うと、所望の
二糖23が81%生じた。パラジウムを触媒としたアミノ化によるPCB基の除去は、ピ
バロイルエステルの存在下で円滑に進行して、二糖グリコシル受容体24を生じた
。トリクロロアセトイミデート供与体25を用いたマンノシル化により、94%の収
率で三糖26が生成した。さらに我々は、PBB保護基を、2-ブロモベンジル(OBB)
マスキング基の存在下で外すことができることも実証できた。メチルグリコシド
14をベンジルアミンでパラジウム触媒アミノ化すると、PBB基の大半が外れたが
、OBB保護基を無くした物質の約30%も分離した。さらに至適化を行えば、OBB基
の存在下でPBBを選択的に外すことができるような条件ができると予測される。
【0034】 当該の新規なベンジルエーテル保護基が、他の通常用いられている形態のマス
キングに適合するものであることを実証するために、示差的に保護したグルカー
ル8のPBB基を選択的に外した。シリルエーテル(TIPS)及びPMB基のいずれも、
解説した二つのステップによる脱保護プロトコルの影響を受けず、C3水酸基を96
%の収率で露出させることができた。
【0035】 ここに解説したハロゲン化ベンジルエーテル保護基という構想は、現在では、
より高度に置換されたベンジルエーテルにまで発展させた形で、幅広い、選択的
に外すことのできる保護基となっている。カルバメートという形のハロゲン化ベ
ンジル部分は、アミン保護基として有用であるだけでなく、さらに、リン酸及び
カルボン酸のマスキングにも役立つであろう。
【0036】 発明の化合物及び方法 本発明の一態様は、選択的に置換されるハロゲン化されたハロゲン化ベンジル
等々に関するものである。これらの化合物は、例えばアルコール、チオール、ア
ミン、カルボン酸、及びリン酸など、多種の官能基のための、ハロゲン化ベンジ
ルエーテルを基にした保護基であり、またそのような保護基として用いられよう
。保護を受ける対応する官能基は幅広い反応条件に対して安定であり、と同時に
本発明の方法を用いて容易に外すことができる。
【0037】 本発明によるいくつかの方法は、本発明のベンジルエーテルを基にした保護基
の選択的な除去に関するものである。これらの方法は、保護基のハロゲン化物部
分を、例えばアルコール、チオール、又はアミンなどのヘテロ原子の基に、遷移
金属触媒を介して置換することで、(前記ヘテロ原子の基を含有する)第二のベ
ンジルエーテルを基にした保護基を生成するステップと、ルイス酸又は酸化剤に
よる処理により、前記第二のベンジルエーテルを基にした保護基を外すステップ
と、を含む。
【0038】 本発明の別の態様は、当該保護基及び方法を協働させて用いて、例えば天然生
成物、オリゴ糖、又はその一方又は両方のコンビナトリアル・ライブラリなど、
アルコール、チオール、アミン、カルボン酸、及びリン酸からなる群より選択さ
れる多数の官能基を含んで成る複合分子を合成するのに利用できる、オルトゴナ
ルな保護基ストラテジを開発かつ利用することに関するものである。
【0039】 本発明の別の態様は、本発明の幅広い保護基を含有する単糖及びオリゴ糖に関
するものである。これらの化合物は、オリゴ糖及び多糖並びに複合糖質の合成に
携わる合成化学者、医薬品化学者、及びプロセス化学者にとって有用なものとな
ろう。さらに、本発明の別の態様は、少なくとも一つの本発明の保護基を含有す
る単糖又はオリゴ糖を用いて、一分子を糖付加することで、前記単糖又はオリゴ
糖を含んで成る生成物を生成するステップと、前記生成物から少なくとも一つの
本発明の保護基を外すステップと、を含む、オリゴ糖又は複合糖質を合成する方
法に関するものである。
【0040】 いくつかの実施例では、本発明は一般構造50:
【0041】
【化7】
【0042】 で表される化合物に関し、 但し式中、XはCl、Br、I、OTf、OTs、ONf、OMs を表し; ZはCl、Br、又はIを表し ; そして Arは選択的に置換される一個の単環式もしくは多環式のアリール又はヘテロア
リール基を表す(但しこの場合CH2X及びZはArの同じ芳香族環に結合している)
【0043】 いくつかの実施例では、本発明の化合物は50及び付属の定義で表されるが、但
しこの場合、Arは選択的に置換されるフェニルを表す。
【0044】 いくつかの実施例では、本発明の化合物は50及び付属の定義で表されるが、但
しこの場合、X はCl 又はBrを表す。
【0045】 いくつかの実施例では、本発明の化合物は50及び付属の定義で表されるが、但
しこの場合、Zは Cl 又はBrを表す。
【0046】 いくつかの実施例では、本発明の化合物は50及び付属の定義で表されるが、但
しこの場合、Arは選択的に置換されるフェニルを表し;そしてX はCl 又はBrを
表す。
【0047】 いくつかの実施例では、本発明の化合物は50及び付属の定義で表されるが、但
しこの場合、Arは選択的に置換されるフェニルを表し;そしてZは Cl又は Brを
表す。
【0048】 いくつかの実施例では、本発明の化合物は50及び付属の定義で表されるが、但
しこの場合、Ar は選択的に置換されるフェニルを表し ; XはCl 又はBrを表し;
そしてZはCl 又はBrを表す。
【0049】 スキーム51:
【化8】
【0050】 で表されるように官能基を保護する方法であって、 但し式中、XはCl、Br、I、OTf、OTs、ONf、OMs を表し; ZはCl、Br、又は Iを表し ; Ar は選択的に置換される一個の単環式もしくは多環式のアリール又はヘテロ
アリールの基を表し(但しこの場合、CH2X 及びZ はArの同じ芳香族環に結合し
ている) ; M はO、S、又はNRを表し ; Rはそれぞれの位置で独立にH、アルキル、アリール又はヘテロアリールを表し ; D はアルキル、アリール、ヘテロアリール、ピラノシル、フラノシル、アシル
、又は(RO)2P (O)- を表し; そして 塩基は存在しないか、又は、炭酸塩、重炭酸塩又は水素化物を表す。
【0051】 いくつかの実施例では、本発明の方法はスキーム51及び付属の定義で表される
が、但しこの場合MはOを表す。
【0052】 いくつかの実施例では、本発明の方法はスキーム51及び付属の定義で表される
が、但しこの場合 D はピラノシル、フラノシル、アシル、又は(RO) 2P (O)- を
表す。
【0053】 いくつかの実施例では、本発明の方法はスキーム51及び付属の定義で表される
が、但しこの場合M はOを表し;そしてDはピラノシル、フラノシル、アシル、又
は(RO)2P (O)-を表す。
【0054】 いくつかの実施例では、本発明の方法はスキーム51及び付属の定義で表される
が、但しこの場合塩基は水素化物を表す。
【0055】 いくつかの実施例では、本発明の方法はスキーム51及び付属の定義で表される
が、但しこの場合Arは選択的に置換されるフェニルを表す。
【0056】 いくつかの実施例では、本発明の方法はスキーム51及び付属の定義で表される
が、但しこの場合XはCl又はBrを表す。
【0057】 いくつかの実施例では、本発明の方法はスキーム51及び付属の定義で表される
が、但しこの場合Z はCl又はBrを表す。
【0058】 いくつかの実施例では、本発明の方法はスキーム51及び付属の定義で表される
が、但しこの場合Arは選択的に置換されるフェニルを表し、そしてX はCl又はBr
を表す。
【0059】 いくつかの実施例では、本発明の方法はスキーム51及び付属の定義で表される
が、但しこの場合Arは選択的に置換されるフェニルを表し;そしてZ はCl又はBr
を表す。
【0060】 いくつかの実施例では、本発明の方法はスキーム51及び付属の定義で表される
が、但しこの場合Arは選択的に置換されるフェニルを表し;XはCl又はBr を表し
;そしてZはCl又はBrを表す。
【0061】 いくつかの実施例では、本発明の方法はスキーム51及び付属の定義で表される
が、但しこの場合Arは選択的に置換されるフェニルを表し;X は Cl又はBrを表
し ; Z はCl又はBrを表し ; MはOを表し ; そしてD はピラノシル、フラノシル
、アシル、又は(RO) 2P (O)-を表す。
【0062】 スキーム52:
【化9】
【0063】 で表されるように官能基を脱保護する方法であって、 但し式中、ZはCl、Br、又はIを表し ; Ar は 選択的に置換される一個の単環式もしくは多環式のアリール又はヘテロ
アリール基を表し(但しこの場合CH2X 及び Z はArの同じ芳香族環に結合してい
る); M は O、S、又はNRを表し; G は O、S、又はNRを表し; R は それぞれの位置で独立にH、アルキル、アリール又はヘテロアリールを表
し ; D はアルキル、アリール、ヘテロアリール、ピラノシル、フラノシル、アシル
、又は(RO) 2P (O)- を表し;そして 塩基は アルコキシド、 アミド、炭酸塩、又は水素化物を表す。
【0064】 いくつかの実施例では、本発明の方法はスキーム52及び付属の定義で表される
が、但しこの場合G は NRを表す。
【0065】 いくつかの実施例では、本発明の方法はスキーム52及び付属の定義で表される
が、但しこの場合M は Oを表す。
【0066】 いくつかの実施例では、本発明の方法はスキーム52及び付属の定義で表される
が、但しこの場合D は ピラノシル、フラノシル、アシル、又は(RO) 2P (O)- を
表す。
【0067】 いくつかの実施例では、本発明の方法はスキーム52及び付属の定義で表される
が、但しこの場合ルイス酸はシリルトリフレート、ハロゲン化亜鉛(II)、ハロ
ゲン化すず(IV)、又はハロゲン化チタン(IV) を表し;そして酸化剤は存在しな
い。
【0068】 いくつかの実施例では、本発明の方法はスキーム52及び付属の定義で表される
が、但しこの場合ルイス酸はトリメチルシリルトリフレート、塩化亜鉛(II)、塩
化すず(IV)、又は塩化チタン (IV)を表し;そして酸化剤は存在しない。
【0069】 いくつかの実施例では、本発明の方法はスキーム52及び付属の定義で表される
が、但しこの場合酸化剤は DDQ又はCANを表し;そしてルイス酸は存在しない。
【0070】 いくつかの実施例では、本発明の方法はスキーム52及び付属の定義で表される
が、但しこの場合G は NRを表し ; そしてM は Oを表す。
【0071】 いくつかの実施例では、本発明の方法はスキーム52及び付属の定義で表される
が、但しこの場合 G は NRを表し ; M は O を表し; そして D は ピラノシル、
フラノシル、アシル、又は(RO) 2P (O)-を表す。
【0072】 いくつかの実施例では、本発明の方法はスキーム52及び付属の定義で表される
が、但しこの場合G は NRを表し ; M は O を表し; D は ピラノシル、フラノシ
ル、アシル、又は(RO) 2P (O)- を表し;ルイス酸はシリルトリフレート、ハロゲ
ン化亜鉛(II)、ハロゲン化すず (IV)、又はハロゲン化チタン(IV)を表し;そし
て酸化剤は存在しない。
【0073】 いくつかの実施例では、本発明の方法はスキーム52及び付属の定義で表される
が、但しこの場合 G は NRを表し ; M は Oを表し ; D は ピラノシル、フラノ
シル、アシル、又は(RO) 2P (O)- を表し; ルイス酸はトリメチルシリルトリフ
レート、塩化亜鉛(II)、塩化すず (IV) 、又は塩化チタン(IV) を表し;そして
酸化剤は存在しない。
【0074】 いくつかの実施例では、本発明の方法はスキーム52及び付属の定義で表される
が、但しこの場合G は NR を表し; M は Oを表し ; D は ピラノシル、フラノシ
ル、アシル、又は(RO) 2P (O)-を表し ; 酸化剤はDDQ又はCANを表し ; そしてル
イス酸は存在しない。
【0075】 いくつかの実施例では、本発明は構造53:
【化10】
【0076】 で表される化合物に関し、 但し式中、D は アルキル、アリール、ヘテロアリール、ピラノシル、フラノ
シル、アシル、又は(RO) 2P (O)を表し ; M は O、 S、又はNR を表し; Z は Cl、 Br、又はIを表し ; そして Ar は 選択的に置換される一個の単環式もしくは多環式のアリール又はヘテロ
アリール基を表す(但しこの場合CH2X及びZ はArの同じ芳香族環に結合している
)。
【0077】 いくつかの実施例では、本発明の化合物は53及び付属の定義で表されるが、但
しこの場合 Ar は選択的に置換されるフェニルを表す。
【0078】 いくつかの実施例では、本発明の化合物は53及び付属の定義で表されるが、但
しこの場合M は Oを表す。
【0079】 いくつかの実施例では、本発明の化合物は53及び付属の定義で表されるが、但
しこの場合D は ピラノシル、フラノシル、アシル、又は(RO) 2P (O)-を表す。
【0080】 いくつかの実施例では、本発明の化合物は53及び付属の定義で表されるが、但
しこの場合Z は Cl又はBrを表す。
【0081】 いくつかの実施例では、本発明の化合物は53及び付属の定義で表されるが、但
しこの場合Ar は選択的に置換されるフェニルを表し;そしてZ は Cl又はBrを表
す。
【0082】 いくつかの実施例では、本発明の化合物は53及び付属の定義で表されるが、但
しこの場合 Ar は選択的に置換されるフェニルを表し;そしてM は Oを表す。
【0083】 いくつかの実施例では、本発明の化合物は53及び付属の定義で表されるが、但
しこの場合Ar は選択的に置換されるフェニルを表し;そしてD は ピラノシル、
フラノシル、アシル、又は(RO)2 P (O)-を表す。
【0084】 いくつかの実施例では、本発明の化合物は53及び付属の定義で表されるが、但
しこの場合Ar は選択的に置換されるフェニルを表し; Z はCl又はBr を表し;
そしてM は Oを表す。
【0085】 いくつかの実施例では、本発明の化合物は53及び付属の定義で表されるが、但
しこの場合Ar は選択的に置換されるフェニルを表し; Z はCl又はBr を表し; M
は Oを表し ; そしてD は ピラノシル、フラノシル、アシル、又は(RO) 2P (O)
-を表す。
【0086】 定義 便宜上、本発明をさらに解説する前に、本明細書、実施例及び付属の請求項で
用いたいくつかの用語をここに収集する。
【0087】 用語「ジオキシラン」は当業で認識されており、二個の酸素原子と一個の炭素
原子から成り、この炭素原子が二個の置換基を持つことで四面体となった三員環
を言う。
【0088】 用語「ジメチルジオキシラン」及び「DMDO」とは、下の化合物を言う。
【0089】
【化11】
【0090】 略語「CAN」は硝酸アンモニウムセリウムを言う。
【0091】 略語「DDQ」は2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノンを言う。
【0092】 略語「OBB」及び「PBB」はそれぞれ、オルト-ブロモベンジル及びパラ-ブロモ
ベンジルを言う。
【0093】 略語「OCB」及び「PCB」はそれぞれ、オルト-クロロベンジル及びパラ-クロロ
ベンジルを言う。
【0094】 略語「TBAI」はヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウムを言う。
【0095】 略語「NR」は「反応なし」を意味する。
【0096】 用語「精製」とは、ある化合物、組成物、製剤又は溶液の均質性を、意図的な
作業を経て高めることを意味する。
【0097】 用語「精製された」とは、精製によりその均質性が高められた化合物、組成物
、製剤又は溶液を言う。典型的には、精製された化合物、組成物、製剤又は溶液
は、約10%未満の不純物、好ましくは約5%未満の不純物、そして最も好ましくは
約2%未満の不純物を有するものである。
【0098】 用語「ルイス酸」は当業で認識されており、別の原子、化合物又は錯体から一
対の電子を受け取ることのできる原子、化合物又は錯体を言う。
【0099】 用語「求核剤」は当業で認識されており、ここでは一対の反応性の電子を有す
る化学的部分を意味するときに用いている。
【0100】 用語「求電子剤」は当業で認識されており、上に定義した求核剤又はルイス塩
基から一対の電子を受け取ることのできる化学的部分を言う。本発明の方法にお
いて有用な求電子部分には、ハロゲン化物及びスルホネート部分がある。
【0101】 用語「電子吸引基」は当業で認識されており、ある置換基が、隣接する原子か
ら価電子を吸引する傾向にあること、即ち、その置換基が、隣接する原子に対し
て電気的陰性であることを意味する。電子吸引力の大きさの定量値はハメットの
シグマ(σ)定数で表される。このよく知られた定数は、数多くの文献、例えば
J. March, Advanced Organic Chemistry McGraw Hill Book Company, New York,
(1977版)の251から259ページに説明されている。このハメットの定数の
値は、σ[P]がパラ置換を示すものとしたとき、一般的には電子供与基の場合
はマイナスであり(NHの場合σ[P]=−0.66)、そして電子求引基の
場合にはプラスである(ニトロ基の場合σ[P]=0.78)。代表的な電子求
引基には、ニトロ、ケトン、アルデヒド、スルホニル、トリフルオロメチル、−
CN、クロリド、等々がある。代表的な電子供与基にはアミノ、メトキシ、等々
がある。
【0102】 「触媒量」という用語は当業で認識されており、反応物に対するある一つの試
薬の準化学量論的量を意味する。ここで用いられる場合、触媒量は、反応物に対
して0.0001から90モルパーセントの試薬、より好ましくは反応物に対し
て0.001から50モルパーセント、さらにより好ましくは0.01から10
モルパーセント、そしてさらにより好ましくは0.1から5モルパーセントの試
薬を意味する。
【0103】 「アルキル」という用語は、直鎖アルキル基、枝分かれ鎖アルキル基、シクロ
アルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基、及びシクロアルキル置
換アルキル基を含む、飽和脂肪族の基のラジカルを言う。好適な実施例では、直
鎖又は枝分かれ鎖アルキルは、その主鎖に30個以下の炭素原子(例えば直鎖の
場合はC−C30、枝分かれ鎖の場合はC−C30)、より好ましくは20
個以下の炭素原子、を有しているとよい。同様に、好適なシクロアルキルは、そ
の環構造内に3から10個の炭素原子、より好ましくはその環構造に5、6又は
7個の炭素を有するものである。
【0104】 さらに、本明細書及び請求の範囲を通じて用いられている「アルキル」(又は
「低級アルキル」)という用語は、「置換されていないアルキル」及び「置換さ
れたアルキル」の両者を包含するものとして意図されているが、この後者は、炭
化水素の主鎖の一つ又はそれ以上の炭素に付いた水素を置換した置換基を有する
アルキル部分を言う。このような置換基には、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル
、カルボニル(例えばカルボキシル、エステル、ホルミル、又はケトン)、チオ
カルボニル(例えばチオエステル、チオアセテート、又はチオホルメート)、ア
ルコキシル、ホスホリル、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、ア
ミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、ス
ルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘ
テロシクリル、アラルキル、又は、芳香族又はヘテロ芳香族の部分を含めること
ができる。当業者であれば、炭化水素の鎖上で置換される部分は、適当な場合に
それ自体、置換が可能であることは理解されよう。例えば、置換アルキルの置換
基には、置換された及び置換されていない形のアミノ基、アジド基、イミノ基、
アミド基、ホスホリル基(ホスホネート及びホスフィネートを含む)、スルホニ
ル基(スルフェート、スルホンアミド、スルファモイル及びスルホネートを含む
)、及びシリル基や、エーテル、アルキルチオ、カルボニル(ケトン、アルデヒ
ド、カルボキシレート、及びエステルを含む)、−CF、−CN、等々を含め
てもよい。代表的な置換アルキルは下に説明してある。シクロアルキルは、さら
に、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、アミノアルキル、カル
ボニル置換アルキル、−CF、−CN、等々で置換が可能である。
【0105】 ここで用いられる「アリールアルキル」という用語は、一個のアリール基(例
えば芳香族又はヘテロ芳香族の基)で置換されたアルキル基を言う。
【0106】 「アルケニル」及び「アルキニル」という用語は、長さが同様であり、上に説
明したアルキルに置換があってもよいが、それぞれ二重又は三重結合を含むよう
な不飽和脂肪族の基を言う。
【0107】 炭素数を他に特に明示していない場合、ここで用いられる「低級アルキル」は
、上に定義した通りの、しかし1個から10個の炭素、より好ましくは1個から
6個の炭素原子をその主鎖構造に有するようなアルキル基を意味する。同様に、
「低級アルケニル」及び「低級アルキニル」も同様な鎖の長さを有する。好適な
アルキル基は低級アルキルである。好適な実施例では、ここでアルキルとして指
定された置換基は低級アルキルである。
【0108】 ここで用いられる「アリール」という用語には、5−、6−及び7−員環の単
一環芳香族の基が含まれ、この基にはゼロから4個のヘテロ原子が含まれていて
もよく、例えばベンゼン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキ
サゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリ
ダジン及びピリミジン、等々である。環構造内にヘテロ原子を有するようなアリ
ール基はさらに「アリールヘテロ環」又は「ヘテロ芳香族」と言及される場合も
ある。芳香族の環は、一つ又はそれ以上の環位で、例えばハロゲン、アジド、ア
ルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル
、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホネート、ホスフィ
ネート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホ
ニル、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、芳香
族又はヘテロ芳香族の部分、−CF、−CN、等々など、上述したような置換
基で置換されていてもよい。「アリール」という用語には、さらに、二つ又はそ
れ以上の炭素が二つの隣り合った環に共通である(これらの環が「縮合している
」)ような二つ又はそれ以上の環を有すると共に、環のうちの少なくとも一つが
芳香族であり、例えばその他の環はシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロ
アルキニル、アリール、及び/又は、ヘテロシクリルであってもよいような、多
環式の系が含まれる。
【0109】 「ヘテロシクリル」又は「ヘテロ環式の基」という用語は、環構造が1個から
4個のヘテロ原子を含むような、3員環から10員環構造、より好ましくは3員
環から7員環を言う。ヘテロ環はまた多環式であってもよい。ヘテロシクリル基
には、例えば、チオフェン、チアントレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン
、クロメン、キサンテン、フェノキサチン、ピロール、イミダゾール、ピラゾー
ル、イソチアゾール、イソキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリ
ダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、インダゾール、プリン、
キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリ
ン、キナゾリン、チノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナン
トリジン、アクリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン、フェナル
サジン、フェノチアジン、フラザン、フェノキサジン、ピロリジン、オキソラン
、チオラン、オキサゾール、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ラクトン、
アゼチジノン及びピロリジノンなどのラクタム、スルタム、スルトン、等々が含
まれる。ヘテロ環式の環は、一つ又はそれ以上の位置で、上述したような置換基
、例えばハロゲン、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロア
ルキル、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホ
スホネート、ホスフィネート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、
アルキルチオ、スルホニル、ケトン、アルデヒド、エステル、一個のヘテロシク
リル、一個の芳香族もしくはヘテロ芳香族の部分、−CF、−CN、又は等々
、で置換が可能である。
【0110】 「ポリシクリル」又は「多環式の基」という用語は、複数の環が「縮合環であ
る」など、二つ又はそれ以上の炭素が二つの隣り合った環に共通であるような二
つ又はそれ以上の環(例えばシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキ
ニル、アリール及び/又はヘテロシクリル、など)を言う。隣り合っていない原
子を通じて繋がれた環は「架橋」環と呼ばれる。多環の環のそれぞれは、例えば
ハロゲン、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、
ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホネー
ト、ホスフィネート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキル
チオ、スルホニル、ケトン、アルデヒド、エステル、一個のヘテロシクリル、一
個の芳香族もしくはヘテロ芳香族の部分、−CF、−CN、等々といった上述
したような置換基で置換が可能である。
【0111】 ここで用いられる「炭素環」という用語は、環の各原子が炭素であるような芳
香族又は非芳香族の環を言う。
【0112】 ここで用いられる「ヘテロ原子」という用語は、炭素又は水素以外のあらゆる
元素の原子を意味する。好適なヘテロ原子は窒素、酸素、硫黄及びリンである。
【0113】 ここで用いられる場合の「ニトロ」という用語は−NOを意味し、「ハロゲ
ン」という用語は−F、−Cl、−Br又は−Iを指し、「スルフヒドリル」と
いう用語は−SHを意味し、「ヒドロキシル」という用語は−OHを意味し、そ
して「スルホニル」という用語は−SO−を意味する。
【0114】 「アミン」及び「アミノ」という用語は、当業で認識されており、置換されて
いない及び置換されたアミンの両方を言い、例えば、一般式:
【0115】
【化12】
【0116】 (但し式中、R、R10及びR’10はそれぞれ個別に一個の水素、一個のア
ルキル、一個のアルケニル、−(CH−Rを表すか、又はR及びR は、これらが結合したN原子と一緒に、環構造内に4個から8個の原子を有す
るヘテロ環を完成するものであり、Rは一個のアリール、一個のシクロアルキ
ル、一個のシクロアルケニル、一個のヘテロ環、又は一個の多環を表し、そして
mはゼロか、又は1から8までの間の一整数である)で表すことができる部分で
ある。好適な実施例では、R又はR10の一方のみが、一個のカルボニルであ
ってもよく、例えばR、R10及びこの窒素が一緒になって一個のイミドを形
成していなくともよい。さらにより好適な実施例では、R及びR10(及び選
択に応じてR’10)はそれぞれ個別に一個の水素、一個のアルキル、一個のア
ルケニル、又は−(CH−Rを表す。このように、ここで用いられる「
アルキルアミン」という用語は、置換された又は置換されていない一個のアルキ
ルをそれに結合させて有する、上に定義した通りの一個のアミン基を意味し、即
ちR及びR10の少なくとも一方は一個のアルキル基である。
【0117】 用語「アシルアミノ」は当業で公知であり、一般式:
【0118】
【化13】
【0119】 (但し式中、Rは上に定義した通りであり、そしてR’11は一個の水素、一
個のアルキル、一個のアルケニル、又は、−(CH−R(但し式中、m
及びRは上に定義した通りである)を表す)で表すことのできる部分を言う。
【0120】 「アミド」という用語はアミノ置換カルボニルとして当業で認識されており、
一般式:
【0121】
【化14】
【0122】 (但し式中、R、R10は上に定義した通りである)によって表すことのでき
る部分を含む。アミドの好適な実施例には不安定な可能性のあるイミドは含まれ
ないであろう。
【0123】 「アルキルチオ」という用語は、それに硫黄ラジカルを結合させて有した、上
に定義した通りのアルキル基を言う。
【0124】 好適な実施例では、「アルキルチオ」部分は、−S−アルキル、−S−アルケニ
ル、−S−アルキニル、及び−S−(CH−R(但し式中、、m及びR は上に定義したとおりである)のうちの一つで表される。代表的なアルキルチ
オ基には、メチルチオ、エチルチオ、等々がある。
【0125】 「カルボニル」という用語は当業において認識されており、一般式:
【0126】
【化15】
【0127】 (但し式中、Xは一個の結合であるか、あるいは一個の酸素又は一個の硫黄を表
し、そしてR11は一個の水素、一個のアルキル、一個のアルケニル、−(CH −R、又は薬学的に容認可能な塩を表し、R’11は一個の水素、一個
のアルキル、一個のアルケニル又は−(CH−R(但しこの式中、m及
びRは上に定義したとおりである)を表す)で表すことのできる部分を含むな
どを含む。Xが一個の酸素であり、そしてR11又はR’11が水素でない場合
、この式は一個の「エステル」を表すことになる。Xが一個の酸素であり、R が上に定義した通りである場合、この部分はここではカルボキシル基と言及さ
れており、特にR11が一個の水素である場合、この式は「カルボン酸」を表す
ものである。Xが一個の酸素であり、そしてR’11が水素である場合、この式
は「ギ酸」を表すことになる。一般的には、上の式の酸素原子が硫黄に置換され
た場合、この式は「チオールカルボニル」基を表すことになる。Xが一個の硫黄
であり、R11又はR’11が水素でない場合、この式は「チオールエステル」
を表すものである。Xが一個の硫黄であり、R11が水素であれば、この式は「
チオールカルボン酸」を表すことになる。Xが一個の硫黄であり、R’11が水
素であれば、この式は「チオールギ酸」を表すことになる。他方、Xが一個の結
合であり、そしてR11が水素でない場合、上の式は一個の「ケトン」基を表す
ものである。Xが一個の結合であり、そしてR11が水素である場合、上の式は
「アルデヒド」基を表す。
【0128】 ここで用いられる「アルコキシル」又は「アルコキシ」という用語は、一個の
酸素ラジカルを結合させて有する、上に定義した通りのアルキル基を言う。代表
的なアルコキシル基には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、t−ブトキシ
、等々がある。「エーテル」は一個の酸素によって共有結合した二つの炭化水素
である。従って、アルキルをエーテルにするようなアルキルの置換基は、例えば
、−O−アルキル、−O−アルケニル、−O−アルキニル、−O−(CH −R(但し式中、m及びRは上に説明した通りである)で表すことができる
ものなど、アルコキシルであるか、又はアルコキシルに似ている。
【0129】 「スルホネート」という用語は当業で認識されており、一般式:
【0130】
【化16】
【0131】 (但し式中、R41は一個の電子対、水素、アルキル、シクロアルキル、又はア
リールである)で表すことができる部分を含む。
【0132】 「スルフェート」という用語は当業で認識されており、一般式:
【0133】
【化17】
【0134】 (但し式中、R41は上に定義したとおりである)によって表すことができる部
分を含む。
【0135】 「スルホンアミド」という用語は当業で認識されており、一般式:
【0136】
【化18】
【0137】 (但し式中、R及びR’11は上に定義した通りである)で表すことのできる
部分を含む。
【0138】 「スルファモイル」という用語は当業で認識されており、一般式:
【0139】
【化19】
【0140】 (但し式中、R及びR10は上に定義した通りである)で表すことのできる部
分を含む。
【0141】 ここで用いられている「スルホキシド」又は「スルフィニル」という用語は、
一般式:
【0142】
【化20】
【0143】 (但し式中、R44は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキ
ル、ヘテロシクリル、アラルキル、又はアリールのうちのいずれかから選択され
る)で表すことができる部分を言う。
【0144】 「ホスホリル」は一般的には式:
【0145】
【化21】
【0146】 (但し式中、QはS又はOを表し、そしてR46は水素、一個の低級アルキル
又は一個のアリールを表す)で表すことができる。例えばアルキルなどを置換す
るのに用いる場合、ホスホリルアルキルのホスホリル基は一般式:
【0147】
【化22】
【0148】 (但し式中、QはS又はOを表し、そして各R46はそれぞれ個別に水素、一
個の低級アルキル又は一個のアリールを表し、QはO、S又はNを表す)で表
すことができる。Qが一個のSである場合、そのホスホリル部分は「ホスホロ
チオエート」である。
【0149】 「ホスホラジミト」は一般式:
【0150】
【化23】
【0151】 (但し式中、R及びR10は上に定義した通りであり、そしてQはO、S又
はNを表す)で表すことができる。
【0152】 「ホスホンアミジト」は一般式:
【0153】
【化24】
【0154】 (但し式中、R及びR10は上に定義した通りであり、QはO、S又はNを
表し、そしてR48は一個の低級アルキル又は一個のアリールを表し、QはO
、S又はNを表す)で表すことができる。
【0155】 「セレノアルキル」とは、置換セレノ基をそれに結合させて有したアルキル基
を言う。アルキル上で置換の可能な「セレノエーテル」の例は、−Se−アルキ
ル、−Se−アルケニル、−Se−アルキニル、及び、−Se−(CH
(但し式中、m及びRは上に定義されている)のうちの一つから選択され
る。
【0156】 アルケニル基及びアルキニル基には、同じような置換を行って、例えばアミノ
アルケニル、アミノアルキニル、アミドアルケニル、アミドアルキニル、イミノ
アルケニル、イミノアルキニル、チオアルケニル、チオアルキニル、カルボニル
置換アルケニル又はアルキニルなどを生成させることができる。
【0157】 Me、Et、Ph、Tf、Nf、Ts、Ms及びdbaという略語は、それぞ
れメチル、エチル、フェニル、トリフルオロメタンスルホニル、ノナフルオロブ
タンスルホニル、p−トルエンスルホニル、メタンスルホニル、及びジベンジリ
デンアセトンを表す。当業の有機化学者が用いる省略のより包括的なリストは、
ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリの各巻の第一版に見られるが、こ
のリストは典型的には、スタンダード・リスト・オブ・アブリビエーションズと
いう標題の表で表されている。前記リストに含まれた略語、及び当業の有機化学
者が用いるすべての略語を、言及によってここに編入することとする。
【0158】 オルト、メタ及びパラという用語はそれぞれ1,2-、1,3-、及び1,4-二置換ベン
ゼンに用いられている。例えば1,2-ジメチルベンゼン及びオルト-ジメチルベン
ゼンという名称は同義である。
【0159】 ここで用いられる「保護基」という文言は、望ましくない化学的変換からそれ
を保護するような、反応の可能性のある官能基の一時的な修飾を意味する。この
ような保護基の例には、カルボン酸のエステル、アルコールのシリルエーテル、
及び、それぞれアルデヒド及びケトンのアセタル及びケタルがある。この保護基
化学の分野はレビューがある(Greene, T.W.; Wuts, P.G.M. Protective Groups
in Organic Synthesis, 2nd ed.; Wiley: New York, 1991)。
【0160】 「置換」又は「で置換された」には、このような置換が、置換される原子及び
置換基にとって可能な原子価に従ったものであり、その置換の結果、例えば、転
位、環化、除去、等々といった変換を自発的には行わない化合物など、安定した
化合物ができるという、暗黙の前提が含まれるものと理解されよう。
【0161】 ここで用いられる「置換された」という用語は、有機化合物のあらゆる許容で
きる置換基を含むものとして考察されている。広い意味では、この許容可能な置
換基には、有機化合物の非環式及び環式、枝分かれ式及び非枝分かれ式、炭素環
式及びヘテロ環式、芳香族及び非芳香族の基が含まれる。置換基の例には、例え
ば、上に説明したものがある。許容可能な置換基は、適した有機化合物にとって
は、一つ又はそれ以上であってもよく、同じ又は異なるものであってもよい。本
発明の目的のためには、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基、及び/又は、そ
のヘテロ原子の原子価を満たす、ここに説明した有機化合物のいかなる許容可能
な置換基を有していてもよい。本発明は、いかなる態様でも、有機化合物の許容
可能な置換基によって限定されるとは意図していない。
【0162】 「極性溶媒」とは、例えばDMF、THF、エチレングリコールジメチルエー
テル(DME)、DMSO、アセトン、アセトニトリル、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、n-プロパノール、t-ブタノール又は2-メトキシエチルエ
ーテルなど、2.9以上の誘電率(ε)を有する溶媒を意味する。好適な溶媒は
DMF、DME、NMP、及びアセトニトリルである。
【0163】 「極性の中性溶媒」とは、例えばDMF、アセトニトリル、ジグライム、DM
SO、又はTHFなど、反応中に本発明の化合物と交換可能な水素を持たないよ
うな上に定義した通りの極性溶媒を意味する。
【0164】 「中性溶媒」とは、大気圧において、好ましくは約25℃から約190℃、よ
り好ましくは約80℃から約160℃、最も好ましくは約80℃から150℃、
といった、周囲温度よりも高い沸点範囲を有する非求核性溶媒を意味する。この
ような溶媒の例は、アセトニトリル、トルエン、DMF、ジグライム、THF又
はDMSOである。
【0165】 本発明の目的のためには、化学元素は、ハンドブック・オブ・ケミストリー・
アンド・フィジックス、第67版、1986−87、表紙内側のCASバージョ
ンの元素周期表に基づいて表されている。さらに本発明の目的のために、「炭化
水素」という用語は少なくとも一個の水素及び一個の炭素原子を有するあらゆる
許容可能な化合物を含むものとして考察されている。広い態様では、この許容可
能な炭化水素には、非環式及び環式、枝分かれ式及び非枝分かれ式、炭素環式及
びヘテロ環式、芳香族及び非芳香族の、置換された又は置換されていなくともよ
い有機化合物が含まれる。
【0166】 触媒 活性型の遷移金属触媒は完全に特徴付けられている訳ではない。従って、本発
明の「遷移金属触媒」には、この用語をここで用いる限りにおいて、触媒作用の
あるあらゆる遷移金属、及び/又は、反応容器に投入されたときに、必要に応じ
てインシトゥーで活性型に転化する触媒前駆物質や、反応に参与する活性型の触
媒が包含されると、考えられる。
【0167】 好適な実施例では、遷移金属触媒錯体は反応混合液に触媒量、提供される。い
くつかの実施例では、この量は、制限試薬に対して0.0001乃至20モル%
、そして好ましくは0.05乃至5モル%、そして最も好ましくは1乃至3モル
%の範囲である。触媒錯体の分子式に二つ以上の金属が含まれる場合、反応に用
いる触媒錯体量は、相応に調節してもよい。例としては、Pd2(dba)3は二つの
金属中心を有するため、反応に用いるPd2(dba)3のモル量を半分にしても、触
媒活性は損なわれない。
【0168】 パラジウム及びニッケルを含有する触媒が好ましい。これらの触媒は同様の反
応、即ち酸化的付加反応及び還元的脱離反応という、本発明の生成物形成に関与
すると思われる反応を行うことが判明しているため、同じような働きをするであ
ろうと予測できる。この新規な配位子は、例えば反応性を変化させ、望ましくな
い副反応を妨げるなどにより、触媒の働きを変化させると考えられる。
【0169】 適当な場合、本方法に用いる触媒には、ArXとアミンか、又は、ArXとボロン酸
とのクロスカップリングを媒介できる金属の利用も含まれる。一般的には、いか
なる(例えばd電子を有する)遷移禁則を用いて触媒を形成してもよく、例えば
、周期表の3乃至12族、又はランタニド族の中の一つから金属を選択してもよ
い。しかしながら、好適な実施例では、遷移金属の後半、例えば好ましくは5乃
至12族、そしてさらにより好ましくは7乃至11族から金属を選択することに
なるであろう。例えば適した金属には、プラチナ、パラジウム、鉄、ニッケル、
ルテニウム及びロジウムがある。反応に用いる金属の特定の形は、反応条件下で
金属中心が配位上不飽和となり、酸化状態が最高にならないよう、選択する。触
媒の金属の核は、例えばPd又はNiなど、Ar-X結合に酸化的付加を行う能力を持つ
ゼロ価の遷移金属であるのが好ましいであろう。ゼロ価の状態、M(0)には、例え
ばM(II)からインシトゥーで移行させてもよい。
【0170】 さらに実例を挙げると、適した遷移金属触媒には、可溶性又は不溶性の、プラ
チナ、パラジウム及びニッケルの錯体がある。ニッケル及びパラジウムが特に好
ましいが、パラジウムが最も好ましい。ゼロ価の金属中心が、触媒作用による炭
素対ヘテロ原子、又は、炭素対炭素の結合を形成する過程に参与すると予測でき
る。従って、金属中心は好ましくはゼロ価状態であるか、還元して金属(0)に
なることができるとよい。適した可溶性のパラジウム錯体には、トリス(ジベン
ジリデンアセトン)ジパラジウム[Pd2(dba)3]、ビス(ジベンジリデンアセトン
)パラジウム[Pd(dba)2]及び酢酸パラジウムがあるが、これらに限らない。代
替的には、特にニッケル触媒の場合、酸化的付加ステップのための活性種は金属
(+1)酸化状態にあるであろう。
【0171】 パラジウム及びニッケルを含有する触媒が好ましい。これらの触媒は同様の反
応、即ち、本発明の生成物形成に関与していると思われるクロスカップリング反
応、を行うことが当業で知られているため、同じような働きをすると予測できる
【0172】 カップリングはパラジウム触媒に触媒させることができるが、このパラジウム
は、例えば Pd/C、PdCl2、Pd(OAc)2、(CH3CN) 2PdCl2 、Pd[P(C6H5)3]4、及びポ
リマーに支持されたPd (0)の形で提供してもよい。他の実施例では、当該反応を
ニッケル触媒に触媒させてもよく、このニッケルは、例えば、Ni (acac)2、NiCl 2 [P(C6H5)」2、 Ni (1,5-シクロオクタジエン) 2、Ni (1,10-フェナントロリン
) 2、 Ni (dppf) 2、NiCl2 (dppf)、NiCl2 (1, 10-フェナントロリン)、ラネー
ニッケル、等々(前記の「acac」はアセチルアセトネートを表す)の形で提供し
てもよい。
【0173】 触媒は、好ましくは、支持配位子を結合させて有する金属-配位子錯体、即ち
金属と支持配位子の錯体として、反応混合液中に提供するとよいであろう。この
配位子の作用は、β-水素化物脱離などの副反応ではなく、生成物を精製する還
元的脱離経路等々を優先的に起こさせるのに重要であろう。好適な実施例では、
当該の反応は、ビスホスフィン又はアミノホスフィンなどの二座配位子を利用す
るものである。この配位子は、キラルであれば、ラセミ混合物として提供しても
、又は、精製された立体異性体として提供してもよい。例えばアリールアミン合
成のための改良された方法など、場合によっては、ラセミ体のキレート配位子が
好ましい。
【0174】 配位子は、以下にさらに詳述するように、キレート配位子であってよく、例え
ば、例としてのみ挙げれば、ホスフィンのアミンとのハイブリッドを含め、ホス
フィン及びビスホスフィンのアルキル誘導体及びアリール誘導体、アミン、ジア
ミン、イミン、アルシン及びこれらのハイブリッドであってもよい。対イオンの
関係する望ましくない副反応を避けるには、弱い、又は、非求核性の安定化イオ
ンが好ましい。当該触媒錯体には、安定な錯体を得るのに必要な場合には、更な
る配位子を含めてもよい。さらに、当該配位子を反応混合液に金属錯体の形で添
加しても、又は、金属付加とは別の試薬として添加してもよい。
【0175】 支持配位子は、反応溶液に別の化合物として加えても、あるいは、金属中心に
対する錯体として、金属支持配位子の錯体を形成させてから、反応溶液に加えて
もよい。支持配位子は、触媒作用のある金属中心に結合することのできる、反応
溶液に添加される化合物である。好適な実施例のいくつかでは、この支持配位子
はキレート配位子である。何ら理論に縛られる訳ではないが、この支持配位子は
、不要な副反応を抑えるだけでなく、所望のプロセスの速度及び効率を高めると
、想定されている。さらに、それらは多くの場合、触媒遷移金属の沈殿を防ぐ。
本発明では、金属対支持配位子の錯体の形成を必要とはしないが、このような錯
体は、これらの反応の中間体であるという仮説と矛盾しないことが示されており
、支持配位子に何を選ぶかが反応の経過を左右することも、観察されている。
【0176】 当該支持配位子は、制限試薬、即ちアミン、ボロン酸、ケトン等々や芳香族化
合物に対して0.0001乃至40モル%の範囲で存在する。支持配位子対触媒
錯体の比率は、典型的には、約1乃至20、そして好ましくは約1乃至4の範囲
、そして最も好ましくは2である。これらの比率は、一種類の金属を持つ錯体と
、単一の結合部位を持つ配位子とに基づいたものである。配位子が更に別の結合
部位を含有(即ちキレート配位子)したり、又は、触媒が二種以上の金属を含有
する場合は、この比率を相応に調整する。単に例として挙げるが、支持配位体BI
NAPは二つの配位リン原子を含有するため、BINAPの触媒に対する比率は下方調節
して約1乃至10、好ましくは1乃至2、そして最も好ましくは1にする。反対
に、Pd2 (dba) 3は二つのパラジウム金属中心を含有するため、 非キレート配位
子体Pd2 (dba)3の比率は上方調節して1乃至40、好ましくは1乃至8、そして
最も好ましくは4にする。
【0177】 本方法のいくつかの実施例では、当該の遷移金属触媒は一つ以上のホスフィン
又はアミノホスフィン配位子を、例えば、遷移金属触媒の安定性及び電子伝達性
をコントロールする、及び/又は、金属中間体を安定させるルイス塩基性配位子
として、含有する。ホスフィン配位子は市販のものを用いてもよいが、あるいは
、公知のプロセスと同様の方法で調製することもできる。このホスフィンは、例
えば、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン
、トリイソプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホ
スフィン、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリプロピルホ
スファイト、トリイソプロピル ホスファイト、トリブチル ホスファイト及びト
リシクロヘキシルホスファイト、特にトリフェニルホスフィン、トリ(o-トリル
)ホスフィン、トリイソプロピルホスフィン 又はトリシクロヘキシルホスフィ
ンなどの単座のホスフィン配位子であってもよく 、あるいは、例えば2,2'-ビス
(ジフェニルホスフィノ)-1、1'-ビナフチル (BINAP)、1,2-ビス(ジメチルホスフ
ィノ) エタン、1,2-ビス(ジエチルホスフィノ) エタン、1,2-ビス (ジプロピル
ホスフィノ) エタン、1,2-ビス(ジイソプロピルホスフィノ) エタン、1,2-ビス(
ジブチルホスフィノ) エタン、1,2-ビス (ジシクロヘキシルホスフィノ) エタン
、1,3-ビス (ジシクロヘキシルホスフィノ) プロパン、1,3-ビス (ジイソ-プロ
ピルホスフィノ) プロパン、1,4-ビス (ジイソプロピルホスフィノ)-ブタン及び
2,4-ビス (ジシクロヘキシルホスフィノ) ペンタンなどの二座のホスフィン配
位子であってもよい。アミノホスフィンは単座配位子であってもよく、例えばア
ミノホスフィンのそれぞれの分子が、触媒の金属原子に、ルイス塩基性窒素原子
又はルイス塩基性リン原子だけを供与するものであってもよい。反対に、アミノ
ホスフィンはキレート配位子であってもよく、例えば触媒の金属原子にルイス塩
基性窒素原子及びルイス塩基性リン原子の両方を供与できるものであってもよい
【0178】 場合によっては、更なる試薬を反応混合液に加えて、遷移金属触媒又は活性化
したアリール核のいずれかの反応性を促進する必要があるかも知れない。特に、
適切な塩基を含めると有利であろう。一般的には、多種の塩基を本発明の実施に
用いることができる。当該の変換のメカニズムのどの時点で塩基が参与するのか
は、まだ確認されていない。塩基の金属配位が可能である場合、即ちアルカリ金
属アルコキシドで、選択に応じて、塩基の金属配位を起こさせないよう、塩基に
立体障害を設けてもよい。塩基の例には、単に例示であるが、ナトリウム-tert-
ブトキシドなどのアルコキシド;ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルア
ミド、及びアルカリ金属ビス(トリアルキルシリル) アミドなどのアルカリ金属
アミド、例えばリチウムビス(トリメチルシリル)アミド (LiHMDS) 又はナトリウ
ムビス(トリメチルシリル) アミド (NaHMDS)、第3級アミン(例えばトリエチル
アミン、トリメチルアミン、4-(ジメチルアミノ) ピリジン (DMAP)、 1,5-ジア
ザビシクル [4. 3. 0] ノン-5-エン(DBN)、1,5-ジアザビシクロ [5. 4. 0]ウン
デカ-5-エン(DBU) ; アルカリもしくはアルカリ土類炭酸塩、重炭酸塩又は水素
化物(例えば炭酸、リン酸、水酸化及び重炭酸ナトリウム、マグネシウム、カル
シウム、バリウム、カリウム)がある。単なる例示であるが、適した塩基には、
NaH、LiH、KH、K2CO3、Na2CO3、Tl2CO3、Cs2CO3、K(OtBu)、Li (OtBu)、Na (OtB
u)、K(OAr)、Na (OAr)、及びトリエチルアミン、あるいはこれらの混合物がある
。好適な塩基には、CsF、K3PO4、DBU、NaOt-Bu、KOt-Bu、LiN (i-Pr) 2 (LDA)、
KN (SiMe3) 2、NaN (SiMe3)2、及びLiN (SiMe3) 2がある。
【0179】 塩基は、当該方法でほぼ化学量論的比率で用いる。本発明は、穏和な反応条件
下で所望の生成物を良好な収量得るには、大過剰の塩基は必要ではないことを実
証した。必要なのは、4等量を越えない、そして好ましくは2等量を越えない塩
基である。さらに、アミン、ボロン酸、ケトン等々の対応する塩を用いた反応で
は、更なる塩基は必要ではないであろう。
【0180】 反応条件 本発明の反応は、幅広い条件下で行わせてもよいが、ここに記載した溶媒及び
温度範囲は、限定的なものではなく、本発明のプロセスの好適な形態にしか過ぎ
ないことを理解されたい。
【0181】 一般的には、反応物、触媒、又は生成物に悪影響を与えないような穏和な条件
を用いて反応を行わせるのが好ましいであろう。例えば、反応温度は反応速度や
、反応物、生成物及び触媒の安定性を左右する。
【0182】 一般的には、当該の反応を液体の反応媒質中で行わせる。溶媒を添加せずに反
応を行わせてもよい場合もある。選択に応じ、不活性な溶媒、好ましくは、触媒
を含む反応成分が略可溶性であるような不活性な溶媒で、反応を行わせてもよい
こともある。適した溶媒には、例えばジエチルエーテル、 1,2-ジメトキシエタ
ン、ジグライム、t-ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、等々などのエ
ーテル;例えばクロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼ
ン、等々のハロゲン化溶媒;例えばベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、
ペンタン、等々の脂肪族もしくは芳香族炭化水素溶媒;例えば酢酸エチル、アセ
トン、及び2-ブタノンなどのエステル及びケトン;例えばアセトニトリル、ジメ
チルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、等々の極性の中性溶媒;又は、二つ
以上の溶媒の組合せ、などがある。
【0183】 さらに、乳濁液又は懸濁液中での二相の溶媒混合物中での反応や、又は、脂質
ベシクル又は二重層中での反応も、本発明の考察するところである。いくつかの
実施例では、反応物の一つを固体の支持体に繋げた状態で、触媒反応を固相で行
わせるのが好ましいかも知れない。
【0184】 いくつかの実施例では、窒素又はアルゴンなどの不活性の気体雰囲気中で反応
を行わせるのが好ましい。
【0185】 本発明の反応プロセスは、連続的、準連続的、又はバッチ方式で行うことがで
き、また、必要に応じて液体循環工程を含めてもよい。本発明のプロセスは、好
ましくはバッチ方式で行うとよい。同様に、反応成分、触媒及び溶媒を添加する
方法又は順序も、反応の成功には概して重要ではなく、従来の方法で行ってよい
【0186】 反応は、単一の反応域で行わせても、又は、直列もしくは又は並列に並んだ複
数の反応域で行わせてもよく、あるいは、一つもしくは複数が並んだ長寸の管状
の領域でバッチ式で行っても、又は連続式で行ってもよい。利用する構成物質は
、反応中に開始物質に対して不活性でなくてはならず、また、装置は反応温度及
び圧力に耐えるよう製造せねばならない。反応工程で、反応領域にバッチ式又は
連続式で開始材料又は成分を投入する手段、及び/又は、投入量を調節する手段
を、このプロセスで利用すると、特に開始物質の好適なモル比を維持するのに便
利である。ある一つの開始物質を別の開始物質に漸増させながら添加することで
反応ステップを進行させてもよい。さらに、開始物質を金属触媒にジョイント(
原語:joint)添加することにより、反応ステップを組み合わせることもできる
。完全な転化を希望しなかったり、又は、完全な転化が起きえない場合は、開始
物質を生成物から分離し、反応領域に循環させることもできる。
【0187】 当該プロセスは、ガラスで内張した反応装置や、ステンレス鋼製又は同様の種
類の反応装置で行ってよい。反応領域には、内部及び/又は外部に一つ以上の熱
交換器を設けて、望ましくない温度変化を抑えたり、反応温度の「暴走」を防い
でもよい。
【0188】 さらに、反応物のうちの一つ以上を、例えば当該アリール基の置換基の一つ以
上で誘導するなどして、ポリマー又は他の不溶性のマトリックスに固定したり、
又は、組み込んでもよい。
【0189】 その後の変換 本発明の方法で合成する生成物は、合成スキームによる最終生成物でも、中間
体でもよい。本発明の方法で合成する生成物が中間体である場合、この生成物に
一つ以上の更なる変換を行って、所望の最終生成物を生成させてもよい。更なる
変換の考え得るものには、異性化、加水分解、酸化、還元、付加、脱離、オレフ
ィン化、官能基の相互転化、遷移金属媒介反応、遷移金属触媒反応、結合形成反
応、開裂反応、断片化反応、熱反応、光化学反応、付加環化、シグマトロピー転
位、電子環開閉反応、官能基選択的反応、位置選択的反応、立体選択的反応、ジ
アステレオ選択的反応、エナンチオ選択的反応、及び運動学的分解、が含まれる
。本発明は、例えば抗菌剤、抗生物質、鎮痛薬など、公知の又は新規な医薬品の
合成において、最初のステップ、中間ステップ、又は、最終ステップとして本発
明の方法を利用することも、考察したものと、明示しておく。
【0190】 コンビナトリアル・ケミストリーの戦略及び方法の概観 当該の錯体や、それらが触媒する反応を利用することにより、医薬、農薬又は
他の生物学もしくは医学が関連する活性又は物質が関連する性質のスクリーニン
グも含め、数々の化合物のコンビナトリアル・ライブラリの作製が可能となる。
本発明の目的のために説明すると、コンビナトリアル・ライブラリとは化学的に
関連する化合物の混合体であり、この化合物混合物は、所望の性質を探して一度
にスクリーニングすることができる。このライブラリは溶液中にあっても、又は
、固体の支持体に共有結合させてもよい。数多くの関連化合物が一回の反応で調
製できることで、行う必要のあるスクリーニング・プロセスの回数が大きく減少
し、また簡便化する。適当な生物学的性質、医薬としての性質、農薬としての性
質、又は物理的な性質を探すためのスクリーニングは、従来の方法で行ってもよ
い。
【0191】 コンビナトリアル・ケミストリーの技術の本発明への応用は、数多くの意味で
行うことができ、その意味には、限定はしないが、上記のレドックス性について
スクリーニングをしてもよい金属含有錯体のふ入りのライブラリのコンビナトリ
アル合成や、有機分子のコンビナトリアル・ライブラリ上で行うレドックス反応
における試薬として、本発明の新規な金属含有錯体を利用することが含まれる。
【0192】 有機小分子のコンビナトリアル・ライブラリを作製するには多種の技術が当業
で利用できる。例えば、Bondelle et al. (1995) Trends Anal. Chem. 14 : 83
; アフィマックスの米国特許第5, 359, 115号及び第5, 362, 899号 :エルマンの
米国特許第5, 288, 514号 : スティルらのPCT公報WO 94/08051号 ; Chen et al.
(1994) JACS 116 : 2661 : Kerr et al. (1993)JACS 115 : 252 ; PCT 公報W09
2/10092号、 W093/09668 号及びW091/07087号 ; 並びにラーナーらのPCT公報W09
3/20242)号を参照されたい。よって、約16種から1,000,000. 種又はそれ以上の
ダイバーソマの様々なライブラリを合成し、特定の活性又は性質についてスクリ
ーニングすることができる。
【0193】 ある例示的な実施例では、例えば基質のある一つの位置に位置するなど、加水
分解可能な又は光分解可能な基によってポリマ・ビードに結合させるなど、ステ
ィル氏らのPCT公報WO 94/08051に説明された技術に適合させた当該反応を用
いて、置換ダイバーソマのライブラリを合成することができる。このスティル氏
の技術によれば、ライブラリは一組のビード上で合成されるが、各ビードは、そ
のビード上にある特定のダイバーソマを判別できるようにした一組のタグを含ん
でいる。酵素阻害剤を発見するのに特に適した実施例の一つとしては、透過可能
な膜の表面上にビードを分散させ、そのダイバーソマをこのビードから、ビード
・リンカの溶解によって解放することができる。各ビードからのダイバーソマは
、この膜を通ってアッセイ領域に拡散し、このアッセイ領域で酵素アッセイと相
互作用することになる。数多くのコンビナトリアル法の詳細な説明を下で行う。
【0194】 直接的な特徴付け コンビナトリアル化学の分野で成長中の傾向としては、質量分析法(MS)な
ど、フェムトモルより小さい量の化合物を特徴付けるのに用いることのできる技
術の感受性を利用したり、コンビナトリアル・ライブラリから選別された化合物
の化学的構成を直接調べるといった傾向がある。例えば、ライブラリを不溶性の
支持マトリックス上に作製した場合、化合物の個別の集団を最初にその支持体か
ら解放し、MSで特徴付けることができる。別の実施例では、MS試料調製技術
の一部として、MALDIなどのMS技術を用いて化合物をマトリックスから、
特に、化合物をマトリックスに繋ぎ止めるために最初に不安定な結合を用いた場
合に、解放することができる。例えば、マトリックスからダイバーソマを解放し
、そのダイバーソマをMS分析のために電離させるために、ある一つのライブラ
リから選別したビードを、MALDIステップで照射することができる。
【0195】 B)マルチピン合成 本方法のライブラリはマルチピン・ライブラリ形式とすることができる。簡単
に説明すると、ゲイセン氏及びその共同研究者は(Geysen et al. (1984) PNAS 8
1:3998-4002)、マイクロタイタ・フォーマットに並べた、ポリアクリル酸をグレ
ーティングしたポリエチレン製ピン上のパラレル合成によって化合物ライブラリ
を作製する方法を紹介した。このゲイセン氏の技術を用いて、このマルチピン法
を用い、一週間当たり数千の化合物を合成及びスクリーニングすることができ、
また繋ぎ止められた化合物を多くのアッセイで再利用してもよい。さらに、純度
評価及び更なる評価を行うために、合成後に支持体から化合物を切り離せるよう
、適したリンカ部分をこのピンに繋げることもできる(Bray et al. (1990) Tet
rahedron Lett 31:5811-5814; Valerio et al. (1991) Anal Biochem 197:168-1
77; Bray et al. (1991) Tetrahedron Lett 32:6163-6166参照)。
【0196】 (C)分割−カップリング−リコンバイン さらに別の実施例では、化合物のふ入りのライブラリを、分割−カップリング
−リコンバインというストラテジを用いて一組のビード上に作製することができ
る(例えばHoughten (1985) PNAS 82:5131-5135; 及び米国特許第4,631,211号;
第5,440,016号; 第5,480,971号を参照されたい)。簡単に説明すると、この名称
が暗に示すように、縮重をライブラリに導入する各合成ステップにおいて、当該
ライブラリの特定の位置に付加される異なる置換基の数に等しい別々のグループ
にビードを分割し、この異なる置換基を別々の反応でカップリングし、ビードを
リコンバインし、次回の反復のための一個のプールにするのである。
【0197】 ある一つの実施例では、分割−カップリング−リコンバイン・ストラテジを、
Houghten氏が開発したいわゆる「ティーバッグ法」に類似の方法を用いて実施す
ることができ、このとき化合物の合成は、樹脂で密封された、内側が多孔質のポ
リプロピレンバッグで起きる(Houghten et al. (1986) PNAS 82:5131-5135)。こ
うしてこのバッグを適した反応溶液中に配置することで、置換基を、化合物を保
持した樹脂に結合させ、樹脂洗浄及び脱保護といった全ての共通のステップは、
一個の反応容器中で同時に行われる。合成終了時、各バッグは一個の化合物を含
有することとなる。
【0198】 D)光指示、空間指定可能なパラレル化学合成によるコンビナトリアル・ライブ
ラリ 一個の化合物の同定が、合成基質上でのその位置によってなされるようなコン
ビナトリアル合成のスキームは、空間指定可能な合成法と呼ばれる。ある一つの
実施例では、このコンビナトリアル・プロセスは、固体支持体上の特定の位置上
への化学試薬の添加をコントロールすることによって行われる(Dower et al. (
1991) Annu Rep Med Chem 26:271-280; Fodor, S.P.A. (1991) Science 251:767
; Pirrung et al. (1992) U.S. Patent No. 5,143,854; Jacobs et al. (1994)
Trends Biotechnol 12:19-26)。写真平板印刷の空間分解能を利用することで、
小型化が可能である。この技術は、感光性の保護基を用いた保護/脱保護反応の
利用を通じて実施できる。
【0199】 この技術の主要な点はGallop et al. (1994) J Med Chem 37:1233-1251に説か
れている。感光性のニトロベラトリルオキシカルボニル(NVOC)で保護され
たアミノリンカ又はその他の感光性のリンカの共有結合を通じたカップリングの
ために合成基質が調製される。光を用いて、カップリングに向けて合成支持体の
特定の領域を選択的に活性化させる。感光性の保護基を光によって除去する(脱
保護)と、選択された区域が活性化する。活性化後、それぞれがアミノ末端に感
光性保護基を持つアミノ酸類似体の組の最初のものが表面全体に露出する。カッ
プリングは、前のステップで光によって指定された領域のみで起きる。この反応
を停止させ、プレートを洗浄し、第二のマスクを通じて基質をサイド照射し、第
二の保護されたビルディングブロックとの反応に向けて異なる領域を活性化させ
る。マスクのパターン及び反応物の順序が、生成物及びそれらの位置を決定する
こととなる。このプロセスは写真平板印刷技術を用いているため、合成できる化
合物の数は、適した分解能で指定することのできる合成部位の数の制限を受ける
だけである。各化合物の位置が精確に判明しているために、その他の分子とのそ
の相互作用を直接評価できる。
【0200】 光指示化学合成においては、生成物は、照射パターン及び反応物添加の順序に
依存する。刷板パターンを変えることで、数多くの様々な組のテスト化合物を同
時に合成することができるが、この特徴から、数多くの様々なマスキング・スト
ラテジを編み出すことができる。
【0201】 E)コードされたコンビナトリアル・ライブラリ さらに別の実施例では、当該方法は、コードされたタギング系を備えた化合物
ライブラリを利用する。コンビナトリアル・ライブラリ出身の活性化合物を同定
する最近の改良法では、一本のビードになされた反応ステップを固有にコードし
ているタグと、推測ではあるがそれが持つ構造と、を用いた化学的指標系を利用
する。構想上、この方法は、発現したペプチドから活性を得るが、この活性ペプ
チドの構造は、対応するゲノムDNA配列から推論されるような、ファージ展示
ライブラリを模倣したものである。合成コンビナトリアルライブラリの最初のコ
ーディングは、DNAをコードとして用いた。その他、多様な形のコーディング
が報告されており、その中には、配列決定可能なバイオ−オリゴマ(例えばオリ
ゴヌクレオチド及びペプチド)を用いたコーディング法や、配列決定不可能なタ
グを更に用いた二進法コーディング法がある。
【0202】 1)配列決定可能なバイオ−オリゴマを用いたタギング コンビナトリアル合成ライブラリをコードするのにオリゴヌクレオチドを用い
る原理は、1992年に説かれており (Brenner et al. (1992) PNAS 89:5381-5
383)、このようなライブラリの一例が、翌年に発表されている(Needles et al.
(1993) PNAS 90:10700-10704)。各々が特定のジヌクレオチド(それぞれTA, TC,
CT, AT, TT, CA及びAC)によってコードされたArg、Gln、Phe、Lys、Val、D-Va
l及びThr(三文字のアミノ酸の記号)の全ての組合せから成る公称7(=82
3,543)のペプチドのコンビナトリアル・ライブラリが、固体支持体上でペ
プチド及びオリゴヌクレオチド合成を、一連にして交互に行うことによって作製
された。この研究では、オリゴヌクレオチド合成の場合は保護されたOH基を、
そしてペプチド合成には保護されたNH基を生じる(ここでは1:20の比で
)試薬と一緒にビードを同時に予備インキュベートすることによって、ペプチド
又はオリゴヌクレオチド合成に向けて、ビード上のアミン結合官能基性を特異的
に差異化させた。終了時、タグはそれぞれ69量体から成ったが、そのうち14
単位はこの記号を持っていた。ビードに結合したライブラリを、蛍光標識した抗
体と一緒にインキュベートし、蛍光の強力な結合抗体を含有するビードを、蛍光
活性化細胞ソーティング(FACS)によって採集した。このDNAタグをPC
Rによって増幅し、配列決定し、予測されたペプチドを合成した。このような技
術に従えば、化合物ライブラリは、当該方法で用いるように得られるが、当該方
法でのタグのオリゴヌクレオチド配列は、特定のビードに対してなされた連続的
なコンビナトリアル反応を表すものであり、従って、そのビード上の化合物の正
体を明らかにするものである。
【0203】 オリゴヌクレオチドのタグを利用することにより、感受性の優れたタグ分析が
可能となる。しかしながら尚、当該方法では、タグ及びライブラリ・メンバの同
時合成を交互に行うために必要なオルトゴナルの組の保護基を注意深く選択せね
ばならない。さらに、タグ、特にリン酸及び糖アノメリック結合の化学的不安定
性が原因で、オリゴマー以外のライブラリの合成に利用できる試薬及び条件の選
択が限られてくる場合がある。好適な実施例では、本ライブラリは、アッセイに
向けてテスト化合物のライブラリ・メンバを選択的に切り離すことができるリン
カを利用する。
【0204】 さらにペプチドはコンビナトリアル・ライブラリのタギング分子としても利用
されてきた。当業においては二つの例示的な方法が説かれているが、その両方が
、固相に対して枝分かれしたリンカを用い、その上にコーディング鎖及び配位子
鎖が交互に生成される。最初の方法 (Kerr JM et al. (1993) J Am Chem Soc 11
5:2529-2531)では、合成におけるオルトゴナリティは、コーディング鎖には酸に
弱い保護を、そして化合物鎖には塩基に弱い保護を利用することによって、達成
している。
【0205】 もう一つの方法 (Nikolaiev et al. (1993) Pept Res 6:161-170)では、枝分
かれしたリンカを用いて、コーディング単位及びテスト化合物の両方が、樹脂上
の同じ官能基に結合できるようにしている。実施例の一つでは、切断可能なリン
カを、枝分かれの点とビードとの間に配置して、切断の結果、コード及び化合物
の両方を含有する分子が解放されるようにすることができる (Ptek et al. (199
1) Tetrahedron Lett 32:3891-3894)。別の実施例では、コードを残したまま、
テスト化合物をビードから選択的に分離できるような位置に、切断可能なリンカ
を配置することができる。この最後のコンストラクトは特に貴重であるが、それ
はなぜなら、それによって、コーディング基の潜在的な干渉を受けずに、テスト
化合物をスクリーニングすることができるからである。ペプチド・ライブラリ・
メンバ及びそれらの対応するタグの個別の切断及び配列決定を行った、当業にお
ける例では、このタグは、ペプチド構造を精確に予測するものであることが確認
された。
【0206】 2)配列決定の不可能なタギング:二進法コーディング法 テスト化合物ライブラリをコーディングするための、もう一つの代替的な形は
、二進法のコードとして用いられる、一組の配列決定不可能な電子含有タギング
分子を利用するものである(Ohlmeyer et al. (1993) PNAS 90:10922-10926)。タ
グの例は、電子捕捉ガスクロマトグラフィ(ECGC)によってフェムトモルレ
ベルよりも小さいレベルで、それらのトリメチルシリルエーテルとして検出可能
なハロ芳香族アルキルエーテルである。アルキル鎖の長さの変更や、芳香族ハリ
ド置換基の性質及び位置の変更により、原理的には240個(例えば1012
ら上)の異なる分子をコードすることのできる、少なくとも40個のこのような
タグの合成が可能である。最初の報告(上記Ohlmeyer et al.) では、このタグを
、光切断可能なo-ニトロベンジニルリンカを介してペプチドライブラリの利用で
きるアミン基のうちの約1%に結合させていた。ペプチド様又はその他のアミン
含有分子のコンビナトリアル・ライブラリを作製する場合、この方法は便利であ
る。しかしながら、基本的にあらゆるコンビナトリアル・ライブラリのコーディ
ングを可能とする、より多能な系が開発されている。そこでは、当該化合物を、
固体支持体に、光切断可能なリンカを介して結合させており、そのタグを、カテ
コールエーテルのリンカを通じ、カルベン挿入を介してビード・マトリックス中
に結合させる(Nestler et al. (1994) J Org Chem 59:4723-4724)。このオルト
ゴナル結合ストラテジにより、溶液中でのアッセイに向けてライブラリ・メンバ
を選択的に切り離すことができ、その後、このタグの組の酸化的解離を行わせた
後でECGCにより解読することができる。
【0207】 当業ではいくつかのアミド結合ライブラリは、アミン基に結合させた電子含有
タグを用いた二進法コーディングを利用しているが、これらのタグをビード・マ
トリックスに直接結合させることにより、コードされるコンビナトリアル・ライ
ブラリ中に作製できる構造を、より多様にすることができる。このように結合さ
せると、タグ及びそれらのリンカは、ビード・マトリックス自体とほぼ同じ程度
に非反応性となる。二進法でコードされるコンビナトリアル・ライブラリが二つ
、報告されているが、これらの方法では、電子含有タグは、固相に直接結合され
(Ohlmeyer et al. (1995) PNAS 92:6027-6031)ており、当該化合物ライブラリ
を作製する上での目印となっている。両ライブラリは、ライブラリ・メンバが固
体支持体に光不安定性のリンカによって結合され、タグは強力な酸化によっての
み切断可能なリンカを通じて結合されているといった、オルトゴナル結合ストラ
テジを用いて構成された。ライブラリのメンバは固体支持体から繰り返し、部分
的に光溶離させることができるため、ライブラリ・メンバを複数のアッセイに利
用することができる。さらに、連続的な光溶離により、大変高収量の反復的スク
リーニング・ストラテジが可能となる。一番目に、複数のビードを96ウェルの
マイクロタイタ・プレートに容れ、二番目に、化合物を部分的に切り離し、アッ
セイプレートに移し、三番目に、金属結合アッセイにより活性のあるウェルを識
別し、四番目に、対応するビードを一つずつ、新しいマイクロタイタ・プレート
に再度並べ、五番目に、単一の活性のある化合物を同定し、そして六番目に、構
造を解読する。
【0208】 実施例 ここで概説された本発明は、以下の実施例を参照することによりさらに容易に
理解されるであろうが、本発明のある態様及び実施態様を説明する目的のみで記
載されており、本発明を限定するものではない。
【0209】 例に用いられる一般方法 用いられた化学薬品はすべて試薬級であり、記載のない限りそのまま使用して
いる。ジクロロメタン(CH2Cl2)は水素化カルシウムから窒素下において蒸留した
。テトラヒドロフラン(THF)はNa/ベンゾフェノンから窒素下において蒸留した。
トルエンは溶融ナトリウムから窒素下において蒸留した。ベンジルアミン、n-ヘ
キシルアミン、モルホリン、及びN-メチルアミンは、アルドリッチ・ケミカル社
から入手し、使用前に塩基性アルミナに通した。酢酸パラジウム、トリス(ジベ
ンジルイデンアセトン)ジパラジウム(O)、ラセミ化BINAP、及び(o-ビフェニル
)P(t-Bu)2はストレム・ケミカル社から入手した。ナトリウムt-ブトキシドはア
ルドリッチ・ケミカル社から購入し、大半をバキューム・アトモスフェア社製グ
ローブボックスの中に窒素雰囲気下で保存した。少量(1-2g)をグローブボックス
から取り出してガラス製バイアルに入れ、空気の入ったデシケータに無水硫酸ナ
トリウムを満たしてそこに保存し、空気中で重量を測定した。分析用薄層クロマ
トグラフィはE.メルクシリカゲル60 F254プレート(0.25 mm)で行った。化合物を
可視化するために、プレートをモリブデン酸硫酸アンモニウムセリウム溶液に浸
し、それから加熱した。液体カラムクロマトグラフィは記載の溶媒をシグマH-タ
イプシリカ(10-40mm)に強制流動させて行った。1H NMRスペクトルはバリアン社
製VXR-500スペクトロメータ(500MHz)で測定したものを、CHCl3(7.27 ppm)に対す
るppm(d)で表す。結合定数(J)はヘルツで表す。13C NMRスペクトルは、バリア
ン社製VXR-500スペクトロメータ(125MHz)で測定したものを、内部標準CDCl3(77.
23 ppm)に対するdで表す。略号は、TMSOTf=トリメチルシリルトリフレート、DD
Q=2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノキノン、CAN=硝酸アンモニウムセリウム(IV)、DMA
P=4-N,N-ジメチルアミノピリジン、BINAP=2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-
1,1'-ビナプチルである。
【0210】 例1 アルコールのベンジル化に用いる一般手順 アルコール(1.0当量)を入れたフラスコを窒素パージし、N,N-ジメチルホルム
アミド(10 mL/mmol OH)を入れた。窒素パージ装置を取り付けてNaH(1.1当量)及
び置換臭化ベンジル(1.1当量)を加えた。この反応物を室温で30分間撹拌し、
次いで水を滴下して失活させ、EtOAcで希釈して水及び食塩水で洗浄した。有機
物をNaSO4で乾燥させ、濾過、濃縮してフラッシュシリカカラムクロマトグラフ
ィで精製した。
【0211】 例2 触媒を用いた臭化アリールのアミノ化に用いる一般手順 丸底フラスコに臭化アリール(1当量)を入れ、トルエン3 x 3 mLで共蒸発させ
た。このフラスコをアルゴンでパージして、アミン(1.2当量)を加え、残留物を
トルエン(2 mL/mmolハロゲン化物)に溶解した。オーブン乾燥させた開閉可能な
シュレンクフラスコを真空排気し、そこにアルゴンガスを再導入した。このフラ
スコにPd2(dba)3(1.0 mol% Pd)、(o-ビフェニル)P(t-Bu)2 (2 mol %)、NaOtBu (
1. 4 当量)を入れ、排気してアルゴンガスを再導入した。ゴム製の隔壁を取り付
けて、臭化アリール/アミン溶液をカニューレで加えた。テフロン(登録商標)
製のねじ蓋をしめ、この反応物を激しく撹拌しながら80℃まで加熱した。5時間
後、この反応溶液を室温まで冷却し、ジエチルエーテルで希釈して、シリカ栓で
濾過して濃縮した。粗生成物をフラッシュシリカカラムクロマトグラフィで精製
するか、または直接ルイス酸で処理した。
【0212】 例3 触媒を用いた塩化アリールのアミノ化に用いる一般手順 丸底フラスコに塩化アリール(1当量)を入れ、トルエン3 x 3 mLで共蒸発させ
た。このフラスコをアルゴンでパージして、アミン(1.2当量)を加え、残留物を
トルエン(2 mL/mmolハロゲン化物)に溶解した。オーブン乾燥させた開閉可能な
シュレンクフラスコを真空排気し、そこにアルゴンガスを再導入した。このフラ
スコにPd(OAc)2(2.0 mol% Pd)、(o-ビフェニル)P(t-Bu)2 (4.0 mol %)、NaOtBu
(1. 4 当量)を入れ、排気してアルゴンガスを再導入した。ゴム製の隔壁を取り
付けて、塩化アリール/アミン溶液をカニューレで加えた。テフロン(登録商標
)製のねじ蓋をしめ、この反応物を室温で撹拌した。16時間後、この反応物を
ジエチルエーテルで希釈し、シリカ栓で濾過して濃縮した。この粗生成物をフラ
ッシュシリカカラムクロマトグラフィで精製するか、またはルイス酸で直接解離
させた。
【0213】 例4 アミノ置換ベンジルエーテルの脱保護に用いる一般手順 アミノベンジルエーテル(1当量)のCH2Cl2溶液を適切なルイス酸(1当量)と反応
させた。室温で30分間撹拌後、その反応物をCH2Cl2で希釈し、H2O、NaHCO3
び食塩水で洗浄した。得られた有機物をNa2SO4で乾燥させ、セライトで濾過して
濃縮した。粗生成物をフラッシュシリカカラムクロマトグラフィで精製した。
【0214】 例5 各種アミノ置換ベンジルエーテルの解離(図7参照) 16(0.010 mmol)をCH2Cl2 0.5mLに溶解した溶液をそれぞれTiC14、SnCl4、ZnCl 2 、TMSOTf、及びNaOMe 0.010mmolずつと反応させた。DDQ及びCANとの反応には9:
1 CH3CN : H20溶液を使用した。すべての反応は、反応終了をTLCで確認しながら
、室温で16時間行った。16とTiC14及びSnCl4とを反応させたところ5分以内で
完全に転化したが、ZnCl2は効果がないことが明らかになった。TMSOTfとの反応
では生成物が分解してしまい、NaOMeなどの強塩基性の条件下では50℃の還流を
長時間行っても効果がなかった。酸化条件下ではDDQが30分後に25%の転化を生
じ、CANでは同時間後に75%の転化を生じ、有効であることを示した。
【0215】 同様に、17もTiC14、SnCl4、及びZnCl2と反応させた。TiCl4及びSnCl4との反
応では5分以内に完全に転化したが、ZnCl2では定量可能な量の脱保護生成物を
30分で生じた。
【0216】 同様に、18をTiC14及びZnCl4と反応させた。TiC14との反応では5分以内で完
全に転換したが、ZnCl2では効果はなかった。
【0217】 19をTiC14と反応させたところ、5分間で75%が脱保護生成物となった。
【0218】 オルトアニリン誘導体20をTiC14、SnCl4、及びZnCl2と反応させた。TiC14との
反応では5分以内に完全に転化したが、 SnCl4及びZnCl2は効果がなかった。
【0219】 つまり、TiC14は検証したすべてのp-アミノベンジルエーテルの脱保護に有効
であった。(p-N-メチル-N-フェニル)アミノベンジルエーテルは弱ルイス酸ZnCl2 で容易に解離させることができる。
【0220】 例6 6-O-(4-ブロモベンジル)-1,2:3,4-ジ-O-イソプロピルイデン-a-D-ガラクトピラ
ノシド (2) (図1参照) 例1に概説した一般手順を、1 (3.12 g, 12.0 mmol)及び臭化4-ブロモベンジ
ル(3.30 g, 13.2 mmol)を用いて行い、フラッシュシリカカラムクロマトグラフ
ィ(20% EtOAc/ヘキサン)で精製したところ、無色油状の2を4.96g (96%)得た。[a
]24 D :-49.6°(c 1.62, CH2Cl2); IR (薄層) 2987, 2933, 1478, 1070 cm-'; 1H
-NMR (CDC13) d 7.43 (d, J= 8.24Hz, 2H), 7.20 (d, J= 8.54 Hz, 2H), 5.53 (
d, J= 4.88 Hz, 1H), 4.58 (dd, J= 2.44, 7.93 Hz, 1H), 4.55 (d, J= 12.50 H
z, 1H), 4.47 (d, J = 12.20 Hz, 1H), 4.30 (dd, J= 2.24, 5.19 Hz, 1H), 4.2
4 (dd, J = 1.83, 7.93 Hz, 1H), 3.98 (dt, J= 1.83, 7.02 Hz, 1H), 3.68-3.5
8 (m, 2H), 1.52 (s, 3H), 1.42 (s, 3H), 1.32 (s, 3H), 1.31 (s, 3H) ; 13C-
NMR (CDC13) d 137.5, 131.5, 129.4, 121.5, 109.3, 108.6, 96.5, 72.6, 71
.3, 70.8, 70.6, 69.2, 67.1, 26.2, 25.1, 24.6 ; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算
値451.0732, 測定値 451.0722。
【0221】 例7 6-O-(4-クロロベンジル)-1,2:3,4-ジ-O-イソプロピルイデン-a-D-ガラクトピラ
ノシド (3) (図1参照) 例1に概説した一般手順を、1 (2.60 g, 10.0 mmol)及び塩化4-クロロベンジ
ル(1.93 g, 12.0 mmol)及びヨウ化テトラブチルアンモニウム(26 mg, 0.07 mmol
)を用いて行い、フラッシュシリカカラムクロマトグラフィ(20% EtOAc/ヘキサン
)で精製したところ、無色油状の3を3.65g (95%)得た。[a]24 D:-59.6°(c 1.73,
CH2Cl2) ; IR (薄層) 2987, 2934, 1382, 1070 cm-1; 1H-NMR (CDCl3) d 7.31-
7.26 (m, 4H), 5.54 (d, J= 4.88 Hz, 1H), 4.61- 4.56 (m, 2H), 4.50 (d, J =
12.20 Hz, 1H), 4.30 (dd, J = 2.44, 5.19 Hz, 1H), 4.25 (dd, J= 1.83, 7.9
3 Hz, 1H), 3.69-3.58 (m, 2H), 1.53 (s, 3H), 1.43 (s, 3H), 1.33 (s, 3H),
1.32 (s, 3H) ; 13C-NMR (CDC13) d 137.0, 133.3, 129.1, 128.6, 109.3, 108.
7, 96.5, 72.6, 71.3, 70.6 (2 本), 69.1, 67.0, 26.2, 26.1, 25.1, 24.6 ; F
AB MS m/z (M+Na)+ : 計算値 407.1237, 測定値 407.1232。
【0222】 例8 6-O-(2-ブロモベンジル)-1,2:3,4-ジ-O-イソプロピルイデン-a-D-ガラクトピラ
ノシド (4) (図1参照) 例1に概説した一般手順を、1 (3.12 g, 12.0 mmol)及び臭化4-ブロモベンジ
ル(3.30 g, 13.2 mmol)を用いて行い、フラッシュシリカカラムクロマトグラフ
ィ(20% EtOAc/ヘキサン)で精製したところ、無色油状の4を4.96 g (99%)得た。[
a]24 D:- 48.6°(c 1.39, CH2Cl2) ; IR (薄層) 2987, 2933, 1381, 1070 cm-1 ;
1H-NMR (CDCl3)d 7.51-7.49 (m, 2H), 7.29 (dt, J= 1.22, 7.02 Hz, 1H), 7.1
1 (dt, J= 1.83, 7.63 Hz, 1H), 5.55 (d, J = 5.19 Hz, 1H), 4.67-4.59 (m, 3
H), 4.32-4.29 (m, 2H), 4.06 (dt, J = 1.83, 6.41 Hz, 1 H), 3.78-3.68 (m,
2H), 1.55 (s, 3H), 1.44 (s, 3H), 1.33 (s, 3H), 1.32 (s, 3H) ; 13C-NMR (C
DCl3) d 137.7, 132.5, 129.1, 128.9, 127.4, 122.6, 109.3, 108.7, 96.5, 72
.6, 71.3, 70.8, 70.7, 69.5, 66.8, 26.3, 26.1, 25.1, 24.6 ; FAB MS m/z (M
+Na)+ : 計算値 451.0732, 測定値 451.0726。
【0223】 例9 6-O -(2-クロロベンジル)-1,2:3,4-ジ-O-イソプロピルイデン-a-D-ガラクトピラ
ノシド (5)(図1参照) 例1に概説した一般手順を、1 (3.12 g, 12.0 mmol)及び塩化4-クロロベンジ
ル(1.71 mL, 13.2 mmol)を用いて行い、フラッシュシリカカラムクロマトグラフ
ィ(20% EtOAc/ヘキサン)で精製したところ、無色油状の5を4.46 g (97%)得た。[
a]24 D :-57.2°(c 1.62, CH2Cl2) ; IR (薄層) 2987, 2934, 1382, 1070 cm-' ;
1H-NMR (CDC13) d 7.51 (dd, J = 1.83, 7.63 Hz, 1 H), 7.31 (dd, J = 1.52,
7.93 Hz, 1H), 7.24 (dt, J = 1.54, 7.63 Hz, 1H), 7.19 (dt, J= 1.86, 7.63
, 1 H), 5.55 (d, J= 4.88 Hz, 1 H), 4.79 (d, J = 13.10 Hz, 1H), 4.65 (d,
J= 13.10 Hz, 1H), 4.60 (dd, J= 2.44, 7.93 Hz, 1H), 4.32-4.27 (m, 2H), 4.
06 (dt, J= 1.52, 6.20 Hz, 1 H), 3.78-3.69 (m, 2H), 1.54 (s, 3H), 1.44 (s
, 3H), 1.33 (s, 3H), 1.32 (s,13 3H) ; 13C-NMR (CDCl3) d 136.2, 132.8, 12
9.3, 129.1, 128.6, 126.8, 109.3, 108.7, 96.5, 71.3, 70.8, 70.7, 70.3, 69
.5, 66.8, 26.2, 26.1, 25.1, 24.6 ; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算値 407.1237,
測定値 407.1228。
【0224】 例10 3-O-(4-ブロモベンジル)-6-O-トリイソプロピルシリル-D-アラビノ-hex-1-エニ
トール 7 (図2参照) 6-O-トリイソプロピルシリルグルカール 6 (3.01 g, 10.0 mmol) のトルエン
(250 mL)溶液にBu2SnO (2.49 g, 10.0 mmol)を加えた。還流濃縮装置を取り付け
たディーン-シュタルクトラップ(Dean-Stark trap)を装着し、反応物を熱還流
して20分間で固体をすべて溶解させた。 16時間還流した後、溶媒を蒸留し
てこの反応物を100mLに濃縮した。室温に冷却後、臭化4-ブロモベンジル(5.00 g
, 20.0 mmol)およびヨウ化テトラブチルアンモニウム(3.69 g, 10.0 mmol)を加
えた。この反応物を5時間熱還流し、室温に冷却して減圧濃縮し、赤色油状物を
得た。フラッシュシリカカラムクロマトグラフィ(2-5-10% EtOAc/ヘキサン)で
精製して、無色油状の7を4.14 g (88%)得た。[a]24 D :-27.3°(c 1.82, CH2Cl2)
; IR (薄層) 3464, 2941, 2865, 1645, 1463 cm-'; 1H- NMR (CDCl3) d 7.46 (
d, J = 8.54 Hz, 2H), 7.26 (d, J = 8.54 Hz, 2H), 6.34 (dd, J = 1.53, 6.10
Hz, 1H), 4.78 (dd, J= 2.14, 6.10 Hz, 1H), 4.62 (s, 2H), 4.13 - 3.96 (m,
5H), 3.85 - 3.82 (m, 1 H), 3.23 (d, J= 2.75 Hz, 1H), 1.13 - 1.06 (m, 21
H) ; 13C-NMR (CDC13) d 144.7, 137.8, 131.6, 129.5, 121.6, 100.4, 76.9,
76.6, 71.0, 70.5, 64.5, 18.1, 12.0 ; FAB MS m/z (M+Na)+ ; 計算値 493.138
6, 測定値 493.1394。
【0225】 4-O-アセチル-3-O-(4-ブロモベンジル)-6-O-トリイソプロピルシリル-D-アラビ
ノ-hex-1-エニトール 7a 7をアセチル化して、6のベンジル化の位置選択を確実にした。7(0.296 g, 0.6
23 mmol)のCH2Cl2(4 mL)溶液を無水酢酸(200 mL)、ピリジン(200 mL)、及びDMAP
触媒(5 mg)と反応させた。この反応物を室温で2時間撹拌して、CH2Cl2で希釈し
、飽和NaHCO3水溶液、H2O及び食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させて、濾過、濃
縮した。フラッシュシリカカラムクロマトグラフィで精製したところ、無色油状
の7aを0.287 g (94%)得た。[a]24 D :-19.0°(c 0.40, CH2Cl2) ; IR (薄層) 294
1, 2865, 1741, 1648, 1229 cm-1 ; 1H-NMR (CDCl3) d 7.44 (d, J = 8.23 Hz,
2H), 7.20 (d, J = 8.23 Hz, 2H), 6.46 (d, J = 6.10 Hz, 1H), 5.35 (dd, J =
4.27, 4.88 Hz, 1H), 4.86 - 4.84 (m, 1H), 4.58 (d, J= 11.90 Hz, 1H), 4.5
5 (d, J= 11.90 Hz, 1H), 4.17 (dd, J = 5.49, 10.70 Hz, 1H), 3.93 - 3.88 (
m, 3H), 2.07 (s, 3H), 1.11 - 0.99 (m, 21 H); 13C-NMR (CDC13) d 169.9, 14
5.1, 137.5, 131.6, 129.5, 121.6, 98.9, 77.0, 70.4, 69.0, 67.5, 61.6, 21.
2, 18.1, 12.1 ;FAB MS m/z (M+Na)+; 計算値 535.1491, 測定値 535.1502。
【0226】 例11 3-O-(4-ブロモベンジル)-4-O-(4-メトキシベンジル)-6-O-トリイソプロピルシリ
ル-D-アラビノ-hex-エニトール 8 (図2参照) 例1に概説した手順を、7 (0.48 g, 1.02 mmol)及び塩化4-メトキシベンジル(
0.17 mL, 1.22 mmol)を用いて行ったところ、無色油状の8を0.430 g (72%)得た
。 [a]24 D :-13.5°(c 1.80, CH2Cl2) ; IR (薄層) 2941, 2846, 1647, 1513, 1
247 cm-1; 1H-NMR (CDCl3) d 7.45 (d, J = 8.24 Hz, 2H), 7.25 (d, J = 8.24
Hz, 2H), 7.21 (d, J = 8.24 Hz, 2H), 6.86 (d, J= 8.54 Hz, 2H), 6.40 (dd,
J= 1.22, 6.10 Hz, 1H), 4.81 (dd, J= 2.75, 6.10 Hz, 1 H), 4.76 (d, J = 11
.00 Hz, 1 H), 4.71 (d, J = 11.00 Hz, 1 H), 4.58 (d, J = 11.90 Hz, 1H), 4
.53 - 4.48 (m, 2H), 4.17-4.15 (m, 1H), 4.02-3.98 (m, 2H), 3.92-3.90 (m,
2H), 3.81 (s, 3H), 1.13 - 1.06 (m, 21 H) ; 13C-NMR (CDC13) d 159.5, 145.
1, 137.8, 131.7 (2本), 130.7, 129.8, 129.6 (2 本), 129.5, 121.6, 114.0,
99.6, 78.3, 76.0, 73.8, 73.7, 72.1, 71.2, 70.0, 62.1, 55.5, 18.2 (2 本),
12.2 ; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算値 613.1961, 測定値 613.1946。
【0227】 例12 4-O-(4-メトキシベンジル)-3-O-(4-(N-メチル-N-フェニルアミノ)ベンジル)-6-O
-トリイソプロピルシリル-D-アラビノ-hex-1-エニトール 8a 例2に概説した一般手順を、 8 (0.15 g, 0.250 mmol)、Pd2(dba)3 (2.4 mg,
0.0026 mmol)、 (o-ビフェニル)P(t-Bu)2 (3.0 mg, 0.010 mmol)、NaOtBu (34.0
mg, 0.350 mmol) を用いて行い、黄色油状の8aを0.152 g (99%)得た。[a]24 D :
-11.8°(c 0.76, CH2Cl2); IR (薄層) 2938, 1595, 1513, 1065 cm-1 ; 1H-NMR
(CDCl3) d 7.30 - 7.25 (m, 6H), 7.03 (d, J = 7.61 Hz, 2H), 7.00 - 6.97 (m
, 3H), 6.87 (d, J = 8.54 Hz, 2H), 6.39 (dd, J = 1.22, 6.10 Hz, 1H), 4.84
(dd, J = 2.44, 6.10 Hz, 1H), 4.81 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 4.70 (d, J= 11.
0 Hz, 1H), 4.58 (d, J= 11.3 Hz, 1H), 4.53 (d, J= 11.3 Hz, 1H), 4.20 - 4.
18 (m, 1H), 4.05 - 3.98 (m, 2H), 3.93 - 3.91 (m, 2H), 3.80 (s, 3H), 3.32
(s, 3H), 1.13 - 1.06 (m, 21H) ; 13C-NMR (CDCl3) d 159.4, 149.1, 148.8,
144.9, 131.2, 130.9, 129.8, 129.4, 129.3, 121.6, 120.8, 120.3, 114.0, 10
0.0, 78.4, 75.7, 73.9, 73.7, 70.7, 62.2, 55.5, 40.5, 18.2 (2本), 12.2 ;
FAB MS m/z (M)+ : 計算値 617.3567, 測定値 617.3540。
【0228】 例13 4-O-(4-メトキシベンジル)-6-O-トリイソプロピルシリル-D-アラビノ-hex-1-エ
ニトール 27(図4参照) 例4に概説した一般手順を、8a (54.8 mg, 0.080 mmol) 及びZnCl2 (1.0 M Et 2 O溶液80 m L, 0.080 mmol)を用いて行い、無色油状の27を34.6 mg (97%)得た。
[a]24 D : +11.4°(c 0.59, CH2Cl2) ; IR (薄層) 3372, 2940, 2865, 1649, 151
4 cm-1 ; 1H-NMR (CDC13) d 7.31 (d, J = 8.54 Hz, 2H), 6.89 (d, J = 8.54 H
z, 2H), 6.36 (dd, J = 1.22, 6.10 Hz, 1H), 4.76 - 4.70 (m, 3H), 4.20 - 4.
27 (m, 1H), 4.05 (d, J= 2.44 Hz, 2H), 3.86 - 3.84 (m, 2H), 3.81 (s, 3H),
3.73 - 3.70 (m, 2H), 2.17 (d, J = 5.80 Hz, 1H), 1.13 - 1.06 (m, 21H) ; 13 C-NMR (CDCl3) d 159.6, 144.8, 130.8, 129.8, 114.2, 102.2, 77.9, 76.9,
73.6, 68.4, 62.7, 55.5, 18.2, 18.1, 12.2 ; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算値 4
45.2386, 測定値 445.2396。
【0229】 例14 3,4-ジ-O-ベンジル-6-O-(4-ブロモベンジル)-D-アラビノ-hex-1-エニトール10 (
図3参照) 例1に概説した一般手順を、9 (54.8 mg, 0.080 mmol) 及び臭化4-ブロモベン
ジル(2.98 g, 11.9 mmol)を用いて行い、無色油状の10を4.67 g (85%)得た。[a] 24 D : +8.6°(c 0.58, CH2Cl2) ; IR (薄層) 2862, 1647, 1453, 1238, 1069 cm -1 ; 1H-NMR (CDCl3) d 7.47 (d, J = 8.24 Hz, 2H), 7.37 - 7.26 (m, 10H), 7
.22 (d, J = 7.93 Hz, 2H), 6.46 (dd, J = 0.92, 6.10 Hz, 1 H), 4.92 (dd, J
= 2.75, 6.41 Hz, 1 H), 4.88 (d, J = 11.6 Hz, 1 H).4.68 (d, J = 11.60 Hz
, 1 H), 4.67 (d, J = 11.30 Hz, 1 H), 4.58 (d, J= 11.60Hz, 1H), 4.56 (d,
J = 12.20 Hz, 1H), 4.52 (d, J = 12.20 Hz, 1H), 4.26 - 4.23 (m, 1H), 4.11
-4.07 (m, 1H), 3.88 - 3.86 (m, 1H), 3.83 (dd, J= 5.19, 10.70 Hz, 1H), 3.
77 (dd, J =2.44, 10.70 Hz, 1H) ; 13C-NMR (CDCl3) d 144.8, 138.4, 138.3,
138.2, 131.6, 129.5, 128.6, 128.0 (2 本), 127.8, 121.7, 100.1, 76.8, 75.
8, 74.5, 73.9, 72.8, 70.6, 68.8 ;FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算値517.0990, 測
定値 517.0993。
【0230】 例15 メチル3,4-ジ-O-ベンジル-6-O-(4-ブロモベンジル)-b-D-グルコピラノシド 10a 10(4.67 g, 9.20 mmol)のCH2Cl2(5 mL)溶液を0℃まで冷却し、ジメチルジオキ
シラン(0.08 M のアセトン溶液115 mL、9.20 mmol)を加えた。10分後、その溶
媒を減圧除去し、10 mL MeOH/5 mL CH2Cl2を加えた。この反応物を室温まで4時
間かけて温めた。この溶媒を減圧除去して、白色固体状の10aを4.37 g (94%)得
た。[a]24 D : +9.7°(c 2.29, CH2Cl2) ; IR (薄層) 3444, 2865, 1452, 1357,
1061 cm-'; 1H-NMR (CDCl3) d 7.47 (d, J= 8.24 Hz, 2H), 7.41-7.31 (m, 8H),
7.24-7.19 (m, 4H), 4.96 (d, J = 11.30 Hz, 1H), 4.88 (d, J = 11.60 Hz, 2
H), 4.60 - 4.49 (m, 3H), 4.21 (d, J= 7.63 Hz, 1H), 3.77 - 3.69 (m, 2H),
3.64-3.50 (m, 7H), 2.55 (d, J= 1.83 Hz, 1H) ; 13C-NMR (CDC13) d 138.7, 1
38.1, 137.3, 131.6, 129.5, 128.7, 128.6, 128.1, 128.0 (2 本), 127.9, 121
.6, 103.8, 84.6, 77.7, 75.3, 75.2 (2 本), 74.8, 72.8, 69.0, 57.3 ; FAB M
S m/z (M+Na)+ : 計算値 565.1202, 測定値565.1210。
【0231】 例16 メチル 3,4-ジ-O-ベンジル-6-O-(4-ブロモベンジル)-2-O-(4-クロロベンジル)-b
-D-グルコピラノシド 12 (図3参照) 例1に概説した一般手順を、10a (0.795 g, 1.46 mmol)及び 臭化4-クロロベ
ンジル (0.331 g, 1.61 mmol)を用いて行い、白色固体状の12を0.825 g (85%)得
た。[a]24 D : +24.0°(c 0.94, CH2Cl2) ; IR (薄層) 2862, 1490, 1358, 1070
cm-1 ; 1H-NMR (CDCl3) d 7.45 (d, J = 8.54 Hz, 2H), 7.33-7.26 (m, 12H), 7
.22 (d, J = 8.24 Hz, 2H), 7.18-7.15 (m, 2H), 4.90-4.80 (m, 4H), 4.67 (d,
J= 11.30 Hz, 1H), 4.58-4.48 (m, 3H), 4.30 (d, J= 7.63 Hz, 1H), 3.73 (dd
, J= 2.14, 11.00 Hz, 1H), 3.70-3.59 (m, 3H), 3.58 (s, 3H), 3.48-3.45 (m,
1H), 3.41 (dd, J = 7.93, 8.85, 1H) ; 13C-NMR (CDC13) d 138.6, 138.2, 13
7.3, 137.2, 133.6, 131.7, 129.6 (2 本), 128.7 (2 本), 128.6, 128.1 (2 本
), 127.9 (2 本), 121.7, 104.8, 84.8, 82.3, 78.0, 75.9, 75.2, 75.0, 74.0,
72.9, 69.1, 57.3 ; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算値 689.1281, 測定値 689.126
7。
【0232】 例17 メチル 3,4-ジ-O-ベンジル-2-O-(2-ブロモベンジル)-6-O-(4-ブロモベンジル)-b
-D-グルコピラノシド 13 (図3参照) 例1に概説した一般手順を、10a (4.67 g, 9.20 mmol)及び 臭化4-ブロモベン
ジル(2.53 g, 10.1 mmol)を用いて行い、白色固体状の13を5.63 g (86%)得た。[
a]24 D : +8.0°(c 0.56, CH2Cl2) ; IR (薄層) 2861, 1453, 1358, 1070 cm-1 ;
1H-NMR (CDCl3) d 7.56-7.52 (m, 2H), 7.46 (d, J= 8.24 Hz, 2H), 7.32-7.14
(m, 14H), 5.04 (d, J = 12.50 Hz, 1H), 4.94 (d, J = 11.00 Hz, 1H), 4.87-
4.79 (m, 3H), 4.60-4.50 (m, 3H), 4.35 (d, J = 7.63 Hz, 1H), 3.77-3.68 (m
, 3H), 3.64-3.58 (m, 4H), 3.51-3.48 (m, 2H) ; 13C-NMR (CDCl3) d 138.6, 1
38.2, 137.4, 132.7, 131.6, 129.8, 129.5, 129.1, 128.6 (2 本), 128.1 (2
本), 128.0, 127.9, 127.8, 127.5, 122., 121.6.104.8, 84.7, 82.6, 78.0, 75
.9, 75.2, 75.0, 73.8, 72.8, 69.1, 57.4 ; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算値733.
0776, 測定値 733.0765。
【0233】 例18 3,4-ジ-O-ベンジル-6-O- (4-クロロベンジル)-D-アラビノ-hex-1-エニトール 11
.(図3参照) 例1に概説した一般手順を、9 (1.66 g, 5.09 mmol)及び 臭化4-クロロベンジ
ル(1.15 g, 5.60 mmol)を用いて行い、無色油状の11を2.34 g (98%)得た。[a]24 D : +3.6°(c 1.08, CH2Cl2) ; IR (薄層) 2865, 1648, 1492, 1238, 1090 cm-';
1H-NMR (CDCl3) d 7.36-7.30 (m, 10H), 7.28-7.26 (m, 4H), 6.45 (dd, J= 0
.92, 6.10 Hz, 1H), 4.91 (dd, J = 2.75, 6.10 Hz, 1H), 4.87 (d, J = 11.30
Hz, 1H), 4.67 (d,J = 11.90Hz, 1 H), 4.66 (d, J = 11.30 Hz, 1 H), 4.58 (d
, J= 11.60 Hz, 1 H), 4.56 (d, J = 12.20 Hz, 1H), 4.53 (d, J= 12.20 Hz, 1
H), 4.25-4.23 (m, 1H), 4.10-4.07 (m, 1H), 3.89-3.87 (m, 1H), 3.82 (dd, J
= 5.18, 10.70 Hz, 1H), 3.76 (dd, J = 2.75, 10.70 Hz, 1H) ; 13C-NMR (CDC
l3) d 144.8, 138.4, 138.3, 136.7, 133.5, 129.2, 128.7, 128.6, 128.0 (2
本), 127.9 (2本), 100.2, 76.8, 75.9, 74.5, 73.9, 72.8, 70.7, 68.8 ; FAB
MS m/z (M+Na)+ : 計算値 473.1496, 測定値 473.1485。
【0234】 例19 メチル3,4-ジ-O-ベンジル-6-O-(4-クロロベンジル)-b-D-グルコピラノシド 11a.
11 (1.95 g, 4.30 mmol) のCH2Cl2 (5 mL) 溶液を0℃まで冷却し、ジメチルジ
オキシラン (0.08 M アセトン溶液54.0 mL, 4.33 mmol)を加えた。10分後、溶
媒を減圧除去し、10 mL MeOH/5 mL CH2Cl2 を加えた。この反応物を室温まで4
時間かけて温めた。この溶媒を減圧除去して、白色固体状の11aを2.08 g (96%)
得た。: [a]24 D: +5.7°(c 0.79, CH2Cl2) ; IR (薄層) 3443, 2866, 1491, 145
3, 1060 cm-1; 1H-NMR (CDCl3) d 7.39-7.26 (m, 12H), 7.19-7.18 (m, 2H), 4.
93 (d, J= 11.00 Hz, 1H), 4.88-4.84 (m, 2H), 4.58 (d, J= 12.20 Hz, 1H), 4
.54 (d, J= 11.00 Hz, 1H), 4.51 (d, J= 12.50 Hz, 1H), 4.19 (d, J= 7.63 Hz
, 1H), 3.76-3.68 (m, 2H), 3.64-3.58 (m, 2H), 3.57 (s, 3H), 3.56-3.48 (m,
2H), 2.37 (d, J = 2.14 Hz, 1H) ; 13C-NMR (CDCl3) d 138.7, 138.1, 137.8,
133.6, 129.3 (2 本), 128.7 (2 本), 128.6, 128.1, 128.0 (2 本), 103.9, 8
4.6, 77.8, 75.4, 75.3, 75.2, 74.8, 72.9, 57.4 ; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計
算値 521.1707, 測定値 521.1696。
【0235】 例20 メチル3,4-ジ-O-ベンジル-2-O-(2-ブロモベンジル)-6-O-(4-クロロベンジル)-b-
D-グルコピラノシド14(図3参照) 例1に概説した一般手順を、11a (1.03 g, 2.06 mmol)及び 臭化2-ブロモベン
ジル(0.567 g, 2.27 mmol) を用いて行い、白色固体状の14を1.10 g (80%)得た
。[a]24 D : +7.2° (c 0.71, CH2Cl2) ; IR (薄層) 2904, 1491, 1453, 1353, 1
358, 1071 cm-1 ; 1H-NMR (CDCl3) 8 7.55-7.52 (m, 2H), 7.32-7.26 (m, 13H),
7.19-7.13 (m, 3H), 5.04 (d, J= 12.50 Hz, 1H), 4.93 (d, J= 11.00 Hz, 1H)
, 4.86-4.78 (m, 3H), 4.61-4.51 (m, 3H), 4.35 (d, J = 7.63 Hz, 1 H), 3.76
-3.60 (m, 4H), 3.58 (s, 3H), 3.51-3.47 (m, 2H) ; 13C-NMR (CDCl3) d 138.6
, 138.2, 136.9, 133.5, 132.7, 129.8, 129.2, 129.1, 128.7, 128.6, 128.5,
128.1 (2 本), 128.0, 127.8, 127.5, 122.9, 104.8, 84.8, 82.6, 78.0, 75.9,
75.2, 75.0, 73.9, 72.8, 69.1, 57.4 ; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算値 689.12
81, 測定値 689.1274。
【0236】 例21 メチル3,4-ジ-O-ベンジル-2-O-(2-クロロベンジル)-6-O-(4-クロロベンジル)-b-
D-グルコピラノシド 15 (図3参照) 例1に概説した一般手順を、11a (1.03 g, 2.06 mmol)及び 臭化2-クロロベン
ジル(0.295 mL, 2.27 mmol)を用いて行い、白色固体状の15を1.10 g (86%)得た
。[a]24 D : +10.4°(c 0.46, CH2Cl2) ; IR (薄層) 2861, 1453, 1071, 751 cm- 1 ; 1H-NMR (CDCl3) d 7.53-7.51 (m, 1H), 7.36-7.26 (m, 13H), 7.24-7.12 (m
, 2H), 5.06 (d, J= 12.20 Hz, 1H), 4.92 (d, J= 11.00 Hz, 1H), 4.84 (d, J=
11.60 Hz, 2H), 4.78 (d, J= 11.00 Hz, 1 H), 4.58 (d, J = 12.50 Hz, 1H),
4.53 (d, J = 11.00 Hz, 1H), 4.52 (d, J = 12.20 Hz, 1H), 4.33 (d, J = 7.6
2 Hz, 1H), 3.76-3.59 (m, 4H), 3.58 (s, 3H), 3.50-3.46 (m, 2H) ; 13C-NMR
(CDCl3) d 138.7, 138.2, 136.9, 136.5, 133.5, 133.2, 129.8, 129.5, 129.2,
128.9, 128.7, 128.6, 128.5, 128.1 (2 本), 128.0, 127.8, 126.9, 104.8, 8
4.7, 82.6, 78.0, 75.9, 75.2, 75.0, 72.9, 71.6, 69.2, 57.4 ; FAB MS m/z (
M+Na)+ : 計算値 645.1787, 測定値 645.1771。
【0237】 例22 6-O-(4-(N-ベンジルアミノ)ベンジル)-1,2:3,4-ジ-O-イソプロピルイデン-α-D-
ガラクトピラノシド 16 (図6参照) 例2に概説した一般手順を、2 (0.214 g, 0.50 mmol)、Pd2(dba)3 (2.4 mg, 0
.0026 mmol)、(o-ビフェニル)P(t-Bu)2 (3.0 mg, 0.010 mmol)、NaOtBu (68.0 m
g, 0.70 mmol)を用いて行い、黄色油状の16を0.206 g (91%)得た。[a]24 D:-24.3
°(c 1.35, CH2Cl2) ; IR (薄層) 3405, 2985, 2933, 1615, 1523 cm-1; 1H-NMR
(CDCl3) d 7.397.34 (m, 3H), 7.30-7.26 (m, 1H), 7.17 (d, J= 8.54 Hz, 2H)
, 6.61 (d, J= 8.54 Hz, 2H), 5.56 (d, J= 4.88 Hz, 1H), 4.60 (dd, J = 2.44
, 7.93, 1H), 4.50 (d, J= 11.30 Hz, 1H), 4.44 (d, J = 11.60 Hz, 1H), 4.34
(s, 2H), 4.31 (dd, J = 2.44, 5.19 Hz, 1H), 4.28 (dd, J= 2.14, 7.93 Hz,
1H), 4.10 (s, 3H), 3.99 (dt, J = 1.83, 6.41 Hz, 1H), 3.68-3.59 (m, 2H),
1.54 (s, 3H), 1.46 (s, 3H), 1.35 (s, 3H), 1.34 (s, 3H) ; 13C-NMR (CDC13)
8 147.9, 139.5, 128.7, 128.8, 127.6, 127.4, 127.3, 112.8, 109.3, 108.6,
96.5, 73.5, 71.3, 70.8, 68.4, 67.0, 48.4, 26.3, 26.2, 25.1, 24.6 ; FAB
MS m/z (M)+ : 計算値 455.2308, 測定値 455.2303。
【0238】 例23 6-O-(4-(N-メチル-N-フェニルアミノ) ベンジル)-1,2:3,4-ジ-O-イソプロピルイ
デン-a-D- ガラクトピラノシド 17 (図6参照) 例2に概説した一般手順を、2 (0.214 g, 0.50 mmol)、Pd2(dba)3 (2.4 mg, 0
.0026 mmol)、(o-ビフェニル)P(t-Bu)2 (3.0 mg, 0.010 mmol)、NaOtBu (68.0 m
g, 0.70 mmol)を用いて行い、黄色油状の17を0.219 g (96%)得た。[a]24 D :-52.
4°(c 2.04, CH2Cl2) ; IR(薄層) 2985, 2933, 1594, 1497, 1069 cm-1 ; 1H-NM
R (CDCl3) d 7.307.26 (m, 4H), 7.04-6.95 (m, 5H), 5.57 (d, J = 5.19 Hz, 1
H), 4.62 (dd, J = 2.44, 7.93 Hz, 1H), 4.58 (d, J = 11.60 Hz, 1 H), 4.52
(d, J= 11.90 Hz, 1H), 4.34-4.30 (m, 2H), 4.044.01 (m, 1 H), 3.73-3.63 (
m, 2H), 3.32 (s, 3H), 1.56 (s, 3H), 1.48 (s, 3H), 1.37 (s, 3H), 1.35 (s,
3H) ; 13C-NMR (CDCl3) d 149.1, 148.7, 131.1, 129.3, 129.2, 121.4, 120.5
, 120.4, 109.3, 108.7, 96.5, 73.2, 71.3, 70.8 (2 本), 68.7, 67.0, 40.4,
26.3, 26.2, 25.1, 24.6 ; FAB MS m/z (M)+ : 計算値 455.2308, 測定値 455.2
299。
【0239】 例24 6-O-(N-ヘキシルアミノ)ベンジル)-1,2:3,4-ジ-O-イソプロピルイデン-a-D-ガラ
クトピラノシド 18 (図6参照) 例2に概説した一般手順を、2 (0.214 g, 0.50 mmol)、Pd2(dba)3 (4.6 mg, 0
.005 mmol)、(o-ビフェニル)P(t-Bu)2 (3.0 mg, 0.010 mmol)、NaOtBu (68.0 mg
, 0.70 mmol)を用いて行い、モノアリール化ヘキシルアミン(18)及びジアリール
化ヘキシルアミン(18a)の2:1混合物として0.174 g (78%)を得た。[a]24 D:-50.6
°(c 1.17, CH2Cl2) ; IR (薄層) 3392, 2929, 1615, 1523, 1069 cm-1; 1H-NMR
(CDCl3) d 7.16 (d, J= 8.54 Hz, 2H), 6.56 (d, J= 8.54 Hz, 2H), 5.54 (d,
J = 4.88 Hz, 1 H), 4.59 (dd, J = 2.44, 7.93 Hz, 1 H), 4.48 (d, J = 11.30
Hz, 1 H), 4.43 (d, J = 11.30 Hz, 1 H), 4.30 (dd, J = 2.44, 4.88 Hz, 1 H
), 4.27 (dd, J = 1.83, 7.93 Hz, 1H), 3.99-3.95 (m, 1H), 3.67-3.57 (m, 3H
), 3.10 (t, J= 7.32 Hz, 2H), 1.64-1.54 (m, 2H), 1.53 (s, 3H), 1.45 (s, 3
H), 1.43-1.29 (m, 12H), 0.92-0.89 (m, 3H) ; 13C-NMR (CDCl3) d 148.4, 129
.7, 126.7, 112.6, 109.3, 108.6, 96.5, 73.5, 71.3, 70.8, 68.3, 67.0, 44.2
, 31.8, 29.7, 27.0, 26.3, 26.2 25.1, 24.6, 22.8, 14.2; FAB MS m/z (M+Na) + : 計算値 472.2675,測定値 472.2679. 18a: [a]24 D: - 49.9°(c 1.69, CH2Cl2 ); IR (薄層) 2930, 1606, 1510, 1371, 1070 cm-1; 1H-NMR (CDCl3) d 7.23 (d
, J= 8.54 Hz, 4H), 6.94 (d, J = 8.54 Hz, 4H), 5.55 (d, J= 5.19 Hz, 2H),
4.60 (dd, J= 2.44, 7.93 Hz, 2H), 4.55 (d, J = 11.90 Hz, 2H), 4.49 (d, J
= 11.60 Hz, 2H), 4.32-4.28 (m, 4H), 4.01 (dt, J= 1.53, 6.10 Hz, 2H), 3.7
1-3.61 (m, 6H), 1.65-1.62 (m, 2H), 1.55 (s, 6H), 1.46 (s, 6H), 1.35 (s,
6H), 1.34 (s, 6H), 1.34-1.25 (m, 8H), 0.88 (t, J = 6.67 Hz, 3H) ; 13C-NM
R (CDCl3) d 147.7, 130.9, 129.3, 120.8, 109.4, 108.7, 96.6, 73.3, 71.3,
70.8 (2 本), 68.7, 67.0, 52.6, 31.8, 27.5, 26.9, 26.3, 26.2, 25.1, 24.6,
22.9, 14.2 ; FAB MS m/z (M)+ : 計算値 797.4350, 測定値 797.4356。
【0240】 例25 6-O-(4-(N-モルホリノ)ベンジル)-1,2:3,4-ジ-O-イソプロピルイデン-a-D-ガラ
クトピラノシド 19 (図6参照) 例3に概説した一般手順を、3 (0.192 g, 0.50 mmol)、Pd(OAc)2 (2.2 mg, 0.
001 mmol)、(o-ビフェニル)P(t-Bu)2 (6.0 mg, 0.020 mmol)、NaOtBu (68.0 mg,
0.70 mmol) を用いて行い、黄色油状の19を0.206 g (95%)得た。[a]24 D :-44.
5°(c 1.31, CH2Cl2) ; IR (薄層) 2984, 1724, 1681, 1517, 1069 cm-1 ; 1H-N
MR (CDC13) d 7.26 (d, J= 8.55 Hz, 2H), 6.87 (d, J= 8.55 Hz, 2H), 5.44 (
d, J= 5.17 Hz, 1H), 4.58 (dd, J= 2.14, 7.93 Hz, 1H), 4.53 (d, J= 11.60 H
z, 1H), 4.47 (d, J= 11.60 Hz, 1H), 4.30 (dd, J = 1.83, 4.88 Hz, 1 H), 4.
26 (dd, J = 1.53, 7.93 Hz, 1H), 3.99-3.95 (m, 1 H), 3.85 (t, J = 4.88 Hz
, 4H), 3.67-3.57 (m, 2H), 3.14 (t, J = 4.88 Hz, 4H), 1.52 (s, 3H), 1.44
(s, 3H), 13 1.33 (s, 3H), 1.32 (s, 3H) ; 13C-NMR (CDCl3) d 151.1, 129.8,
129.3, 115.7, 109.3, 108.6, 96.5, 73.1, 71.3, 70.7 (2 本), 68.6, 67.0 (
2 本), 49.5, 26.2, 26.1, 25.1, 24.6 ; FAB MS m/z (M)+ : 計算値 435.2257,
測定値 435.2247。
【0241】 例26 6-O-(2-(N-ベンジルアミノ) ベンジル)-1,2:3,4-ジ-O-イソプロピルイデン-a-D-
ガラクトピラノシド 20 (図6参照) 例2に概説した一般手順を、4 (0.214 g, 0.50 mmol)、Pd2(dba)3 (4.6 mg,
0.005 mmol)、(o-ビフェニル)P(t-Bu)2 (6.0 mg, 0.020 mmol)、NaOtBu (68.0 m
g, 0.70 mmol)を用いて行い、黄色油状の20を0.162 g (76%)得た。[a]24 D: -45.
0°(c 0.18, CH2Cl2) ; IR (薄層) 3397, 2987, 2931, 1610, 1518 cm-1 ; 1H-N
MR (CDCl3) d 7.39 (d, J = 7.63 Hz, 2H), 7.33 (t, J = 7.32 Hz, 1 H), 7.27
-7.24 (m, 1 H), 7.15 (dt, J = 1.53, 7.93 Hz, 1 H), 7.11 (dd, J = 1.53, 7
.32 Hz, 1 H), 6.66 (dt, J = 0.92, 7.32 Hz, 1 H), 6.58 (d, J = 7.93 Hz, 1
H), 5.53-5.48 (m, 2H), 4.66 (d, J = 11.30 Hz, 1H), 4.62 (d, J = 11.00 Hz
, 1 H), 4.59 (dd, J = 2.44, 7.93 Hz, 1 H), 4.45 (d, J= 4.88 Hz, 2H), 4.3
2 (dd, J= 2.44, 5.19 Hz, 1H), 4.22 (dd, J= 1.83, 7.93 Hz, 1H), 4.03-3.99
(m, 1H), 3.73-3.65 (m, 2H), 1.47 (s, 3H), 1.46 (s, 3H), 1.32 (s, 3H), 1
.29 (s, 3H) ; 13C-NMR (CDCl3) d 147.8, 140.1, 130.1, 129.8, 128.6, 127.1
, 126.9, 121.7, 116.4, 111.0, 109.5, 108.7, 96.5, 73.2, 71.3, 70.8, 70.6
, 68.5, 66.8, 47.5, 26.2 (2 本), 25.1, 24.7 ; FAB MS m/z (M)+ : 計算値 4
55.2308, 測定値 455.2294。
【0242】 例27 ジブチル2-O-ピバロイル-3,4,6-トリ-O-ベンジル-b-D-グルコピラノシドホスフ
ェート 22 (図5、及び Plante, O.J.: Andrade.R.B.: Seeberger P.H.Organic L
ett.1999.211参照) 3,4,6-トリ-O-ベンジルグルカール (1.12 g, 2.70 mmol) を CH2Cl2 (5 mL)に
溶解し、0℃まで冷却した。0.08 M のジメチルジオキシランのアセトン溶液(51
mL, 4.06 mmol)を加え、その反応物を15分間撹拌した。N2を通気して溶媒を除
去し、残留物を0℃で15分間減圧乾燥させて、 CH2Cl2 20 mLを加えた。この溶
液を15分間-78℃に冷却した。リン酸ジブチル(0.563 mL, 1.06 mmol) を5分
間かけて滴下して加えた。加え終わった後、この反応物を0℃に温めて、DMAP(1.
32 g, 10.8 mmol) 及び塩化ピバロイル(0.665 mL, 5.40 mmol)を加えた。この溶
液を1時間かけて室温に温めた。溶媒を減圧除去して、残留物をフラッシュシリ
カカラムクロマトグラフィで精製したところ、無色油状の22を1.74 g (89%)得た
。[a]24 D :-1.9°(c 1.50, CH2Cl2) ; IR (薄層) 2946, 1740, 1454, 1282, 101
6 cm-' ; 1 H-NMR (CDC13) d 7.33-7.25 (m, 13H), 7.16-7.14 (m, 2H), 5.24 (
dd, J= 7.25, 7.25 Hz, 1H), 5.17 (dd, J= 8.50, 8.50 Hz, 1H), 4.80-4.75 (
m, 2H), 4.70 (d, J = 11.00 Hz, 1 H), 4.69-4.54 (m, 2H), 4.51 (d, J = 11.
00 Hz, 1 H), 4.08-4.00 (m, 4H), 3.82 (dd, J = 9.50, 9.50 Hz, 1H), 3.78-3
.70 (m, 3H), 3.64-3.61 (m, 1H), 1.64-1.59 (m, 4H), 1.401.34 (m, 4H), 1.2
0 (s, 9H), 0.96-0.88 (m, 6H) ; 13C-NMR (CDCl3) d 177.2, 138.2, 138.1, 12
8.7, 128.3, 128.2, 128.1, 128.0, 127.6, 97.0, 96.5, 83.1, 76.2, 75.9, 73
.9, 73.3, 68.4, 68.2, 68.1, 39.2, 32.7, 26.9, 19.1, 14.0 ; 31P-NMR (CDCl 3 ) d -2.2 ; FAB MS m/z (M+) 計算値 726.3532, 測定値 726.3537。
【0243】 例28 メチル3,4-ジ-O-ベンジル-6-O-(4-(N-ベンジルアミノ)ベンジル)-2-O-(4-クロロ
ベンジル)-b-D-グルコピラノシド 12a (図5参照) 例2に概説した一般手順を、12 (0.167 g, 0.25 mmol)、Pd2(dba)3 (1.2 mg,
0.0013 mmol)、(o-ビフェニル)P(t-Bu)2 (1.5 mg, 0.005 mmol)、NaOtBu (34.0
mg, 0.70 mmol)を用いて80℃で5時間行い、モノアミノ化物(12a)及びジアミノ
化物(12b)が16:1の混合物を得た。12a : [a]24 D: +16.8°(c 1.46, CH2Cl2) ;IR
(薄層) 2866, 1616, 1522, 1071 cm-1 ; 1H-NMR (CDCl3) d 7.37-7.26 (m, 17H
), 7.18-7.14 (m, 4H), 6.60 (d, J= 8.54 Hz, 2H), 4.89-4.78 (m, 2H), 4.67
(d, J= 11.30 Hz, 1 H), 4.59-4.49 (m, 3H), 4.43 (d, J = 11.60 Hz, 1 H), 4
.33-4.28 (m, 3H), 4.06 (br s, 1 H), 3.73-3.57 (m, 8H), 3.46-3.40 (m, 2H)
; 13C-NMR (CDCl3) d 148.1, 139.5, 138.8, 138.3, 137.3, 133.5, 129.9, 12
9.6, 129.0, 128.8 (2 本), 128.7, 128.6, 128.3, 128.2 (2 本), 127.9 (2 本
), 127.8, 127.6, 127.4, 127.0, 112.8, 104.8, 84.8, 82.3, 78.1, 75.8, 75.
2, 75.1, 74.0, 73.7, 68.2, 57.3, 48.5; FAB MS m/z (M)+: 計算値 693.2857,
測定値 693.2866. 12b: [a]24 D:+23.6°(c 1.4, CH2Cl2); IR (薄層) 3404, 2866, 1615, 1522, 10
66 cm-1; 1H-NMR (CDCl3) 8 7.40-7.27 (m, 18H), 7.21-7.16 (m, 6H), 6.62-6.
58 (m, 4H), 4.97 (d, J= 11.00 Hz, 1H), 4.82-4.77 (m, 2H), 4.61 (d, J= 10
.40 Hz, 1H), 4.56-4.43 (m, 3H), 4.34-4.30 (m, 4H), 4.08 (br s, 2H), 3.72
-3.58 (m, 7H), 3.46-3.44 (m, 2H) ; 13C-NMR (CDCl3) d 148.1 (2 本), 139.6
, 139.5, 139.0, 138.4, 130.2, 130.0, 129.0, 128.9, 128.8, 128.7, 128.6 (
2 本), 128.3, 128.2, 128.1, 127.9, 127.7 (3 本), 127.6, 127.5, 127.4, 11
2.9, 112.8, 105.0, 84.8, 82.1, 78.1, 75.8, 75.2, 75.0, 73.7, 68.4, 57.4,
48.5, 47.5 ; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算値 787.3223, 測定値787.3714。
【0244】 例29 メチル3,4-ジ-O-ベンジル-2-O-(4-クロロベンジル)-b-D-グルコピラノシド 21
(図 5参照) 例4に概説した一般手順を、12a (0.167 g, 0.25 mmol)及びSnCl4 (1.0 M ヘ
プタン溶液0.25 mL, 0.25 mmol)を用いて行い、白色固体状の21を0.112 g (89%)
得た。[a]24 D: + 13.9°(c 3.00, CH2Cl2); IR (薄層) 3355, 2909, 1492, 1452
, 1070 cm-1; 1H-NMR (CDCl3) d 7.38-7.29 (m, 14H), 4.94-4.86 (m, 4H), 4.7
1 (d, J = 11.60 Hz, 1H), 4.70 (d, J= 10.70 Hz, 1H), 4.39 (d, J= 7.63 Hz,
1H), 3.95-3.91 (m, 1H), 3.80-3.75 (m, 1H), 3.72-3.60 (m, 5H), 3.44-3.40
(m, 2H), 2.12 (dd, J= 5.80, 7.63Hz, 1H) ; 13C-NMR (CDCl3) d 138.6, 138.
1, 137.1, 133.5, 129.5, 128.7, 128.6 (2 本), 128.2, 128.1, 127.9, 127.8,
104.8, 84.5, 82.4, 77.6, 75.8, 75.2 (2 本), 74.0, 62.0, 57.4 ; FAB MS m
/z (M+Na)+ : 計算値 521.1707, 測定値 521.1713.
【0245】 例30 メチル 2-O-ピバロイル-3,4,6-トリ-O-ベンジル-b-D-グルコピラノシド-(1→6)-
3,4-ジ-O-ベンジル-2-O-(4-クロロベンジル)-b-D-グルコピラノシド 23 (図5参
照) グリコシル供与体22 (0.322 g, 0.429 mmol) 及び グリコシル受容体21 (0.17
9 g, 0.358 mmol) を混合して、トルエン(3 x 5 mL)で共沸乾燥させ、1時間減
圧下に置いた。この混合物をCH2Cl2に溶解し、15分間-78℃に冷却した。TMSOTf
(79 mL, 0.43 mmol) を滴下した。-78℃で10分間撹拌後、トリエチルアミン(1
0mL)を加えた。この溶液を室温まで温めて、N2を通気して溶媒を除去した。得ら
れた粗生成物をフラッシュシリカカラムクロマトグラフィ(20% EtOAc/ヘキサン)
で精製し、無色油状の23を0.296 g (82%)得た。[a]24 D: +° (c, CH2Cl2); IR (
薄層) 2909, 1740, 1452, 1070 cm-1 ; 1H-NMR (CDC13) d 7.33-7.23 (m, 27H),
7.16-7.13 (m, 2H), 5.10 (dd, J = 7.93, 9.46 Hz, 1 H), 4.88-4.74 (m, 7H)
, 4.69-4.49 (m, 9H), 4.26 (d, J = 7.93 Hz, 1H), 4.03 (dd, J= 1.53, 11.6
Hz, 1H), 3.77-3.50 (m, 14H), 3.37-3.33 (m, 2H), 1.12 (s, 9H) ; 13C-NMR (
CDC13) d ; FAB MS m/z (M++H) 計算値 1037.4219, 測定値 1037.4188.
【0246】 例31 メチル2-O-ピバロイル-3,4,6-トリ-O-ベンジル-b-D-グルコピラノシド-(1→6)-3
,4-ジ-O-ベンジル-2-O-(4-(N-メチル-N-フェニルアミノ) ベンジル)-b-D-グルコ
ピラノシド 23a 例2に概説した一般手順を、23 (0.202 g, 0.20 mmol)、 Pd(OAc)2 (0.9 mg,
0.004 mmol)、(o-ビフェニル)P(t-Bu)2 (2.4 mg, 0.008 mmol)、NaOtBu (27 mg,
0.280 mmol) を用いて行い、黄色油状の23aを0.193 g (89%)、及びその脱ピバ
レート化生成物23bを17 mg (9%)得た。23a : [a]24 D : +6.7°(c 0.70, CH2Cl2)
; IR (薄層) 2870, 1740, 1594, 1496, 1067 cm-'; 1H-NMR (CDC13) d 7.36-7.
25 (m, 27H), 7.18-7.16 (m, 2H), 7.05 (d, J = 7.63 Hz, 2H), 7.00-6.97 (m,
3H), 5.12 (dd, J = 8.24, 9.15 Hz, 1H), 4.97 (d, J= 11.00 Hz, 1H), 4.87-
4.52 (m, 13H), 4.31 (d, J= 7.63 Hz, 1H), 4.06 (d, J = 10.40 Hz, 1H), 3.8
0-3.64 (m, 7H), 3.61 (s, 3H), 3.55-3.52 (m, 2H), 3.43-3.33 (m, 3H), 3.32
(s, 3H), 1.22 (s, 9H) ; 13C-NMR (CDCl3) d 176.9, 149.1, 148.8, 138.8,
138.3 (2 本), 138.1 (2 本), 129.7, 129.4, 128.6 (2 本), 128.5, 128.3, 12
8.1, 128.0 (4 本), 127.8 (2 本), 127.5, 121.6, 120.9, 120.2, 104.5, 101.
1, 99.5, 84.7, 83.6, 82.2, 78.4, 78.0, 75.9, 75.7, 75.4, 75.2 (2 本), 75
.1, 74.8, 73.7, 73.1, 68.9, 67.6, 57.3, 40.4, 40.0, 27.4 ; FAB MS m/z (M
+Na)+ : 計算値 1108.5187, 測定値1108.5158。23b : [a]24 D : +9.3°(c 0.73,
CH2Cl2) ; IR (薄層) 3397, 2867, 1497, 1356, 1067 cm-1 ; 1H-NMR (CDCl3)
d 7.39-7.24 (m, 24H), 7.18-7.16 (m, 2H), 7.04-7.02 (m, 2H), 6.97-6.95 (m
, 3H), 4.96 (d, J = 11.00 Hz, 1 H), 4.95 (d, J = 11.00 Hz, 1 H), 4.884.7
8 (m, 5H), 4.66-4.61 (m, 3H), 4.55-4.51 (m, 2H), 4.36-4.33 (m, 2H), 4.20
(dd, J = 4.04, 11.60 Hz, 1H), 3.74-3.41 (m, 14H), 3.31 (s, 3H), 2.77 (b
r s, 1H) ; 13C-NMR (CDCl3) d 149.1, 148.8, 138.9, 138.7, 138.3, 138.1, 1
31.1, 129.7, 129.4, 128.7, 128.6 (2 本), 128.2 (2 本), 128.1, 128.0 (2
本), 127.9, 127.8, 121.6, 120.9, 120.2, 104.9, 103.6, 84.7, 84.5, 82.2,
78.5, 75.9, 75.4, 75.3, 74.9, 74.6, 74.5, 73.7, 69.0, 68.5, 57.6, 40.5 ;
FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算値 1024.4612, 測定値 1024.4582。
【0247】 例32 メチル2-O-ピバロイル-3,4,6-トリ-O-ベンジル-b-D-グルコピラノシド-(1→6)-3
,4-ジ-O-ベンジル-b- D-グルコピラノシド 24 (図5参照) 例4に概説した一般手順を、23a(0.138 g, 0.127 mmol) 及びSnCl4(1.0 M ヘ
プタン溶液0.13 mL, 0.13 mmol)を用いて行い、白色固体状の24を0.112 g (99%)
得た。[a]24 D: -3.5°(c 0.40, CH2Cl2); IR (薄層) 3454, 2870, 1739, 1453,
1061 cm-1; 1H-NMR (CDCl3) d 7.40-7.26 (m, 23H), 7.18-7.16 (m, 2H), 5.13
(dd, J = 8.23, 9.15 Hz, 1 H), 4.93 (d, J = 11.60 Hz, 1 H), 4.86 (d, J =
10.40 Hz, 2H), 4.78 (d, J = 11.00 Hz, 1H), 4.77 (d, J= 10.70 Hz, 1H), 4.
70 (d, J= 11.00 Hz, 1H), 4.63-4.61 (m, 3H), 4.55 (d, J= 10.70 Hz, 1H), 4
.52 (d, J= 11.90 Hz, 1H), 4.17 (d, J=7.63 Hz, 1H), 4.06 (dd, J= 1.53, 11
.60 Hz, 1H), 3.79-3.75 (m, 4H), 3.69 (dd, J= 9.16, 9.16 Hz, 1H), 3.613.5
0 (m, 7H), 3.43-3.39 (m, 1H), 2.40 (d, J = 2.14 Hz, 1H), 1.22 (s, 9H) ; 13 C-NMR (CDCl3) 8 176.8, 138.7, 138.3, 138.2, 138.1, 138.0, 128.7, 128.6
(2 本), 128.5 (2 本), 128.2, 128.1, 128.0 (2 本), 127.9, 127.8 (2 本),
127.5, 103.4, 101.1, 84.5, 83.5, 78.1, 77.9, 75.8, 75.4, 75.3, 75.2, 75.
1, 75.0, 74.7, 73.7, 73.0, 68.9, 67.5, 57.3, 39.0, 27.3 ; FAB MS m/z (M+
Na)+ : 計算値 913.4139, 測定値 913.4118。
【0248】 例33 メチル2-O-ピバロイル-3,4,6-トリ-O-ベンジル-b-D-グルコピラノシド-(1→6) [
2-O-アセチル-3,4,6-トリ-O-ベンジル-a-D-マンノピラノシド-(1→2)]-3,4-ジ-O
-ベンジル-b-D-グルコピラノシド 26 (図 5参照) グリコシル供与体25 (56.8 mg, 0.089 mmol) 及びグリコシル受容体24 (72.3
mg, 0.081 mmol) を混合して、トルエン(3 x 5 mL)で共沸乾燥させ、 1時間減
圧下に置いた。この混合物をCH2Cl2に溶解し、トリメチルシリルトリフレート(0
.7 mL, 0.004 mmol)を加えた。室温で10分間撹拌後、溶媒を減圧除去した。得
られた粗生成物をフラッシュシリカカラムクロマトグラフィ(30% EtOAc/ヘキサ
ン)で精製し、白色固体状の26を0.103 g (94%)得た。[a]24 D: +8.6°(c 1.17, C
H2Cl2); IR (薄層)2868, 1741, 1453, 1363, 1062 cm-' ; 1H-NMR (CDCl3) d 7
.37-7.25 (m, 37H), 7.20-7.16 (m, 3H), 7.13-7.11 (m, 2H), 7.09-7.06 (m, 2
H), 5.46-5.44 (m, 2H), 5.13 (dd, J= 8.24, 8.54 Hz, 1H), 4.87 (d, J= 11.0
0 Hz, 1H), 4.81-4.58 (m, 13H), 4.56 (d, J= 11.00 Hz, 1H), 4.51 (d, J= 12
.20 Hz, 1 H), 4.46 (d, J = 10.70 Hz, 1 H), 4.33 (d, J = 12.20 Hz, 1 H),
4.24 (d, J = 7.63 Hz, 1H), 4.04-4.00 (m, 4H), 3.80-3.62 (m, 7H), 3.55-3
.51 (m, 2H), 2.19 (s, 3H), 1.23 (s, 9H) ; 13C-NMR (CDC13) d 176.9, 170.7
, 139.0, 138.5, 138.3, 138.1, 137.9, 128.6 (2 本), 128.5, 128.4 (2 本),
128.3, 128.2 (2 本), 128.1 (2 本), 128.0 (3 本), 127.9 (3 本), 127.7 (2
本), 127.6, 127.5, 104.3, 101.1, 97.2, 83.5, 78.8, 77.9 (2 本), 76.4, 76
.2, 75.6, 75.4, 75.2, 75.1, 75.0, 74.3, 73.7, 73.4, 73.0, 71.7, 71.6, 68
.9, 68.8, 68.5, 67.3, 57.1, 39.0, 27.3, 21.4 ; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算
値 1387.6181, 測定値 1387.6136.
【0249】 例34 白金触媒による臭化アリールのアミノ化のオルト/パラ選択性 例2に概説した一般手順を、13 (図3, 0.178 g, 0.25 mmol)、モルホリン (24
mL, 0.275 mmol)、Pd2(dba)3 (2.3 mg, 0.0025 mmol Pd2(dba)3 )、BINAP (4.6
mg, 0.0075 mmol)、及び NaOtBu (33.6 mg, 0.35 mmol)を用いて3時間行い、オ
ルトモルホリノ生成物 13aを31.4 mg (18%)、パラモルホリノ生成物13bを88.3 m
g (50%)及びオルトパラ-ジモルホリノ生成物13cを67.6 mg (38%) 得た。ここに
記載したオルト/パラ置換比2.8 : 1を、室温、40℃、60℃において増加させよ
うとしたが、いずれも成功しなかった。特に、(o-ビフェニル)P(t-Bu)2 をリガ
ンドとして用いた場合、選択性は全く見られなかった (つまり、パラ:オルト〜
1 : 1)。
【0250】 メチル 3,4-ジ-O-ベンジル-6-O-(4-ブロモベンジル)-2-O-(2-(N-モルホリノ)ベ
ンジル)-b-Dグルコピラノシド 13a : [a]24 D : +17.7°(c 0.73, CH2Cl2) ; IR
(薄層) 2851, 1490, 1451, 1068 cm-1 ; 1H-NMR (CDC13) 8 7.52 (dd, J = 1.83
, 7.93 Hz, 1H), 7.47-7.46 (m, 2H), 7.33-7.26 (m, 8H), 7.23 (d, J = 8.54
Hz, 2H), 7.19-7.16 (m, 2H), 7.09-7.05 (m, 2H), 5.08 (d, J = 11.30 Hz, 1H
), 4.93 (d, J = 11.00 Hz, 1H), 4.87-4.82 (m, 3H), 4.60-4.49 (m, 3H), 4.3
2 (d, J = 7.63 Hz, 1 H), 3.83-3.62 (m, 8H), 3.57 (s, 3H), 3.52-3.47 (m,
2H), 3.01-2.96 (m, 2H), 2.87-2.82 (m, 2H) ; 13C-NMR (CDCl3) d 150.9, 138
.6, 138.2, 137.4, 131.6, 130.0, 129.5, 128.6 (2 本), 128.5, 128.1, 128.0
, 127.9, 127.8, 123.9, 121.6, 119.3, 104.7, 85.0, 82.7, 78.1, 75.8, 75.2
, 75.0, 72.9, 70.5, 69.1, 67.6, 57.2, 53.3 ; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算値
740.2199, 測定値 740.2210.
【0251】 メチル 3,4-ジ-O-ベンジル-6-O-(4-(N-モルホリノ) ベンジル)-2-O-(2-ブロモベ
ンジル)-b-D-グルコピラノシド 13b : [a]24 D : +6.4°(c 1.83, CH2Cl2) ; IR
(薄層) 2856, 1612, 1517, 1451, 1071 cm-1; 1H-NMR (CDCl3) d 7.57-7.55 (m,
2H), 7.35-7.28 (m, 11H), 7.21-7.14 (m, 3H), 6.90 (d, J = 8.54 Hz, 2H),
5.07 (d, J = 12.50 Hz, 1H), 4.96 (d, J = 11.00 Hz, 1 H), 4.88-4.82 (m, 3
H), 4.63 (d, J = 11.60 Hz, 1 H), 4.54 (d, J = 10.70 Hz, 1 H), 4.51 (d, J
= 11.90 Hz, 1 H), 4.37 (d, J = 7.63 Hz, 1 H), 3.89 (t, J = 4.88 Hz, 4H)
, 3.80-3.63 (m, 4H), 3.61 (s, 3H), 3.55-3.50 (m, 2H), 3.17-3.14 (m, 4H)
; 13C-NMR (CDC13) d 151.1, 138.7, 138.3, 138.2, 132.6, 129.7, 129.5, 129
.4, 129.0, 128.5, 128.4, 128.1, 12.80, 127.9, 127.7, 127.6, 127.4, 122.8
, 115.6, 104.7, 84.7, 82.5, 77.9, 75.8, 75.1, 75.0 (2 本), 73.7, 73.3, 6
8.4, 67.0, 57.3, 49.4 ; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算値 740.2199, 測定値 740
.2217.
【0252】 メチル 3,4-ジ-O-ベンジル-6-O-(4-(N-モルホリノ)ベンジル)-2-O-(2-(N-モルホ
リノ)ベンジル)-b-D-グルコピラノシド 13c: [a]24 D: + 15.8°(c 0.90, CH2Cl2 ); IR (薄層) 2853, 1752, 1612, 1451, 1068 cm-1 ; 1H-NMR (CDCl3) d 7.54-7
.52 (m, 1H), 7.32-7.26 (m, 11H), 7.18-7.15 (m, 2H), 7.09-7.06 (m, 2H), 6
.88 (d, J = 8.54 Hz, 2H), 5.08 (d, J = 11.30 Hz, 1 H), 4.92 (d, J = 11.0
0 Hz, 1 H), 4.85-4.80 (m, 3H), 4.61 (d, J = 11.60 Hz, 1 H), 4.53 (d, J =
10.70 Hz, 1 H), 4.49 (d, J = 11.60 Hz, 1 H), 4.32 (d, J = 7.93 Hz, 1 H)
, 3.87 (t, J = 4.88 Hz, 4H), 3.83-3.66 (m, 8H), 3.58 (s, 3H), 3.53-3.47
(m, 2H), 3.15-3.13 (m, 4H), 3.02-2.97 (m, 2H), 2.87-2.83 (m, 2H) ; 13C-N
MR (CDCl3) d 151.1, 151.0, 138.7, 138.3, 133.6, 130.1, 129.5, 128.6, 128
.5 (2 本), 128.2, 128.0, 127.9 (2 本), 127.8, 123.9, 119.3, 115.7, 104.7
, 85.0, 82.7, 78.2, 75.8, 75.2, 75.1, 73.4, 70.5, 68.5, 67.6, 67.1, 57.2
, 53.3, 49.5 ; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算値 747.3621, 測定値 747.3605.
【0253】 例35 有機合成における保護基としてのハロベンジルエーテル 複雑な自然産生物の合成において、同様の反応性を有する官能基の選択的保護
は主要な課題である。オリゴ糖集合体において、構造が大きく分枝化しているた
めに選択的に除去できるブロック基がいくつか必要な場合、特定の水酸基及びア
ミノ基を区別することは困難になる。長年にわたって、特定のマスキング部分に
固有の反応性を利用した、多数の保護基が導入されてきた1。従来、ベンジルエ
ーテルは永久保護用に用いられており、合成の最終段階で除去される。一方、エ
ステル及びシリルエーテルは、一時的に水酸基を保護するために用いられ、合成
途中に除去される。保護基のオルトゴナル性は、特定の合成を計画し実行するた
めの主要課題である。
【0254】 利用可能な水酸基保護基の種類を増やすために、非置換ベンジルエーテルの存
在下で選択的に除去できる置換ベンジルが開発されている。一般に、このような
置換ベンジルエーテルは非置換ベンジルエーテルよりも、異なる反応条件に対し
て安定性が低い1。4-O-メトキシベンジル基(PMB)は、酸化条件下で選択的に解離
させることができるため、自然産生物の合成において頻繁に利用される1。この
基は、酸感受性のために合成における用途が制限されるが、一方でその除去のし
やすさが活用されている2。さらに最近では、他のアセテート及びトリアルキル
シリル置換基含有4-O-メトキシベンジルエーテルが報告されている3。これらの
ベンジルエーテルの除去は触媒による水素化を必要としないが、塩基またはフッ
化物で処理してから酸化解離させる必要があるため、エステル、シリル、または
PMB保護基には適合しない。
【0255】 理想的な保護基は、非置換ベンジルエーテルと同等にまたはそれ以上に安定で
あり、一般的に利用される他の保護基に影響を与えずに、穏やかな条件下で選択
的に除去することができるものである。本願発明者らは、安定で入手が容易なハ
ロゲン化ベンジルエーテル4が前述の条件をすべて満たしており、Pdを触媒とし
たアミノ化により不安定アリールアミンに転換することができると考えた。
【0256】 触媒による塩化アリールのアミノ化は、従来の芳香族C-N結合の形成法5に代わ
る穏やかな方法である。ここで、Pd触媒アミン化を用いて安定ハロゲン化ベンジ
ルエーテルを置換アリールアミンに変換し、ルイス酸、プロトン酸、または酸化
剤に短時間暴露して解離することができる方法を説明する(化学式25)。シリ
ルエーテル、アルキル及びアリールエステル、PMB、エーテル、アセタール、ま
たはグリカール二重結合の存在下で、置換ベンジルを選択的に除去することが容
易にできた。
【0257】
【化25】
【0258】 ハロゲン化ベンジルエーテル保護基は、水酸基とそれに対応する塩化ベンジル
または臭化ベンジルを水素化ナトリウムの存在下で反応させて直接導入した1,6
。保護単糖類2乃至5を元に、いろいろなアミンを用いてPd触媒アミン化反応を
試みた(表1)。 最近開発されたプロトコルにより、Pd2(dba)3(1mol% Pd)及び
(o-ビフェニル)P(t-Bu)2(2mol%)を触媒として、ナトリウムt-ブトキシドの存在
下で、4-ブロモベンジル(PBB)に保護されたガラクトース2をベンジルアミン、
またはN-メチルアニリンと結合させた7,8。反応は80℃で5時間、または室温で1
6時間行った。ガラクトース3の4-クロロベンジル(PCB)部分をN-メチルアニリン
、またはモルホリンで、効率的にN-アリール化することも可能であった。2-ブロ
モベンジルエーテル(OBB)を用いて、2-ブロモベンジルエーテル5とベンジルアミ
ンを反応させて9をよい収率で得ることも可能であった。さらに、PIB(4-ヨード
ベンジル)で官能基化したガラクトシド4を、室温で高収率(96%)でアミノ化した
【0259】
【表1】
【0260】 安定ハロゲン化ベンジルエーテルをアリールアミンに容易に転換するプロトコ
ルを確立した後、このようなアミンを容易に解離する条件を探索した(表2)。
5分間で、ベンジルアミン6を強ルイス酸(TiCl4, SnCl4)で定量的に解離させた
。同様に、6を1%ジクロロ酢酸(DCA)で処理したところ、数分間で脱保護生成物
が生じた。硝酸アンモニウムセリウム(IV)と反応させたところ、30分後に中程
度の収率の遊離アルコールが生じた。第3級アリールアミン7はルイス酸には不
安定であり、ZnCl2により定量的に解離した可能性があった。アリールモルホリ
ノ基質8及びオルト置換アリールベンジルアミン9を効率的に解離させるためには
、TiCl4が必要であった。
【0261】
【表2】
【0262】 効率的な解離プロトコルを元に、本願発明者らは、Pd触媒アミン化反応におけ
る塩化アリール、臭化アリール、及びヨウ化アリールの反応速度の差7を利用し
た。ハロゲン化ベンジルエーテルを用いたオルトゴナル保護基戦略を、3糖モデ
ルの構築を例に説明する(化学式26)。選択的に保護された単糖109を開始物
質として、PIB基を選択的に除去しながらPBB及びPCB基の解離が起こらないよう
にした。トリクロロアセトイミド酸マンノシル12を用いたグリコシル化では、望
ましい2糖13を収率88%で得た10。C4 PCB基の存在下では、容易にPBB基を除去し
て脱保護生成物14を生成できた。ヨウ化プロピルをアルキル化し、PCB部分を解
離して、16を収率91%(2段階)で得た。リン酸グルコシル17でグリコシル化し
て、3糖18を収率85%で生成した11。10などの選択的に保護した単糖類を用いる
ことで、分枝化したオリゴ糖やコンビナトリアル糖質ライブラリの構築に容易に
取りかかることができると考えられる。
【0263】
【化26】
【0264】 新規ベンジルエーテル保護基とその他の一般的に用いられる保護方法との適合
性を、基質19乃至249を用いて明らかにした。表3参照。19からのPBB基の除去は
優れた収率(96%)であったが、シリルエーテル(TIPS)、PBM基、またはグリカール
二重結合はいずれも影響を受けなかった。PCBは、アミノ化段階にK3PO4を用いた
場合に、アセチル基及びベンゾイル基の存在下において解離した。第2級TBDMS
及び第1級TBDPSの官能性のオルトゴナル性を増したところ、よい収率で29及び3
0を合成することができた。
【0265】
【表3】
【0266】 統括すると、水酸基の保護に対する新規構想を報告するものである。非置換ベ
ンジルエーテルに匹敵する化学不活性を有するハロベンジルエーテルを、Pd触媒
アミノ化してルイス酸またはプロトン酸で処理することによる繰り返し脱保護ス
キームにより効率的に選択した。ここに開示した結果から、各種の置換パターン
を有する多種のハロベンジルエーテル保護基をデザインする基礎を提供する。こ
のようなハロベンジルエーテルは水酸基及びその他の官能基の保護に有用であろ
う。さらに、これらには、自然産生物や複合糖質の合成、及びコンビナトリアル
糖質ライブラリの調製に広い用途が必ずあると考えられる。
【0267】 例35における注釈及び参考文献 (1) Greene, T.W.; Wuts, P.G.M. Protective Groups in Organic Synthesis; J
ohn Wiley & Sons; New York, 1999. (2) Yan, L.; Kahne, D.E. Synlett 1995, 523-524. (3) Jobron, L.; Hindsgaul, O. J.Am.Chem.Soc. 1999, 121, 5835-5836. (4) Initial studies with PBB, PCB in peptide synthesis : Yamashiro, D. J
.Org.Chem. 1977, 42, 523-525; PCB in oligosaccharide synthesis : Pohl, N
.L.; Kiessling, L.L. Tetrahedron Lett. 1997, 38, 6985-6988. (5) (a) Yang, B.H.; Buchwald, S.L .J.Organomet.Chem. 1999, 576, 125-146;
(b) Wolfe, J.P.;Wagaw, S.; Marcoux, J.-F.; Buchwald, S.L. Acc.Chem.Res.
1998, 31, 805-818; (c) Hartwig, J.F.Angew. Chem.Int.Ed. 1998, 37, 2046-
2067. (6) 置換ハロゲン化ベンジルのコスト分析: 塩化4-クロロベンジル ($0.10/g),
臭化4-ブロモベンジル($0.70/g), 臭化4-ヨードベンジル ($10/g). (7) Wolfe, J.P.; Tomori, H.; Yin, J.; Sadighi, J.; Buchwald, S.L. J.Org.
Chem. 2000, 65, 1158-1174. (8) n-ヘキシルアミンとの結合により、相当量のビスアリール化物が形成された
。 (9) 10,19乃至24の調製の詳細は次例を参照のこと。 (10) Mayer, T.G.; Kratzer, B.; Schmidt, R.R.Angew. Chem.Int.Ed .1994, 33
, 2177-2180. (11) Plante, O.J.; Andrade, R.B.; Seeberger, P.H. Org.Lett. 1999, 1, 211
-214.
【0268】 例36 有機合成における保護基としてのハロベンジルエーテル−一般実験手順及びその
特定の応用法 一般方法 使用した化学薬品はすべて試薬級であり、記載のない限りそのまま使
用した。ジクロロメタン(CH2Cl2)は窒素下において水素化カルシウムから蒸留し
た。テトラヒドロフラン(THF)は窒素下においてNa/ベンゾフェノンから蒸留した
。トルエンは窒素下において融解ナトリウムから蒸留した。N,N-ジメチルホルム
アミド(DMF)は及びエチレングリコールジメチルエーテル(DME)は、アルドリッチ
ケミカル社(シュアシール(Sure-Seal)級)から入手し、さらに精製することな
く使用した。ベンジルアミン、モルホリン及びN-メチルアニリンはアルドリッチ
社から入手し、使用前に塩基性アルミナに通した。酢酸パラジウム、トリス(ジ
ベンジルイデンアセトン)ジパラジウム(0)及び(o-ビフェニル)P(t-Bu)2
ストレムケミカル社から入手した。1-(N,N-ジメチルアミノ)-1'-(ジシクロヘキ
シルホスフィノ)ビフェニルは前述の通り調製した。Old, D.W.; Wolfe, J.P.; B
uchwald, S.L. J.Am.Chem.Soc. 1998, 120, 9722参照。ナトリウムt-ブトキシド
はアルドリッチケミカル社から購入し、大半を窒素雰囲気のバキュームアトモス
フェア社製グローブボックスに保存した。少量(1-2g)をグローブボックスから取
り出してガラス製バイアルに入れ、空気を入れ無水硫酸ナトリウムを満たしたデ
シケータに保存し、空気中で重量を測定した。分析用薄層クロマトグラフィはE.
メルクシリカゲル60F254プレート(0.25mm)を用いて行った。化合物は、プレート
をモリブデン酸硫酸アンモニウムセリウム溶液に浸してから加熱して可視化した
。液体カラムクロマトグラフィは、前述の溶液をシリサイクル230-400メッシュ(
細孔径60オングストローム)シリカゲルで強制流動させて行った。1H NMRスペク
トルはバリアン社製VXR-500スペクトロメータ(500MHz)で測定し、CHCl3(7.27 pp
m)に対するppm(d)で表す。結合定数(J)はHzで表す。13C NMRスペクトルはバリア
ン社製VXR-500スペクトロメータ(125MHz)で測定し、内部標準CDCl3(77.23 ppm)
に対するdで表す。略号は、TMSOTf=トリメチルシリルトリフレート、DDQ=2,3-
ジクロロ-5,6-ジシアノキノン、CAN=硝酸アンモニウムセリウム(IV)、DMAP=4-N,
N-ジメチルアミノピリジン、TFA=トリフルオロ酢酸、DCA=ジクロロ酢酸、である
【0269】 一般手順A:アルコールのベンジル化 アルコール(1.0当量)を入れたフラスコ
を窒素パージして、DMF(10 mL/mmol OH)を入れた。窒素パージ装置を取り付けて
、NaH(1.1当量、60%ミネラル油溶液)及び置換臭化ベンジル(1.1当量)を加えた
。この反応物を室温で30分間撹拌してから、水を滴下して失活させ、EtOAcで
希釈して水及び食塩水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過、減圧濃縮
して、シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィで精製した。
【0270】 一般手順B:触媒による臭化アリールのアミノ化 臭化アリール(1当量)を丸底
フラスコに入れ、トルエン(3 X 3 mL)と共沸して乾燥させ、さらに1時間減圧乾
燥させた。このフラスコをアルゴンでパージし、アミン(1.2当量)を加えて、残
留物をトルエン(2 mL/mmol ハロゲン化物)に溶解した。オーブン乾燥させた開閉
可能なシュレンクフラスコを減圧排気し、そこにアルゴンガスを再導入した。こ
のフラスコにPd2(dba)3(1.0 mol% Pd)、(o-ビフェニル)P(t-Bu)2 (2 mol %)、Na
OtBu (1.4 当量)を入れ、排気してアルゴンガスを再導入した。ゴム製の隔壁を
取り付けて、臭化アリール/アミン溶液をカニューレで加えた。テフロン(登録
商標)製のねじ蓋でフラスコを密閉し、この反応物を激しく撹拌しながら80℃ま
で加熱した。5時間後、この反応溶液を室温まで冷却し、ジエチルエーテルで希
釈して、セライトパッドで濾過し、減圧濃縮した。粗生成物を、シリカゲルを用
いたフラッシュカラムクロマトグラフィで精製するか、または直接ルイス酸で処
理した。
【0271】 一般手順C:触媒による塩化アリールのアミノ化 塩化アリール(1当量)を丸底
フラスコに入れ、トルエン(3 X 3 mL)と共沸して乾燥させ、さらに1時間減圧乾
燥させた。フラスコをアルゴンでパージし、アミン(1.2当量)を加えて、残留物
をトルエン(2 mL/mmol ハロゲン化物)に溶解した。オーブン乾燥させた開閉可能
なシュレンクフラスコを減圧排気し、そこにアルゴンガスを再導入した。このフ
ラスコにPd(OAc)2(2.0 mol% Pd)、(o-ビフェニル)P(t-Bu)2 (4.0 mol %)、NaOtB
u (1.4 当量)を入れ、排気してアルゴンガスを再導入した。ゴム製の隔壁を取り
付けて、塩化アリール/アミン溶液をカニューレで加えた。テフロン(登録商標
)製のねじ蓋を取り付けて、この反応物を室温で撹拌した。16時間後、この反
応物をジエチルエーテルで希釈し、セライトパッドで濾過して減圧濃縮した。こ
の粗生成物をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィで精製する
か、またはルイス酸で直接処理した。
【0272】 一般手順D:アミノ置換ベンジルエーテルの脱保護 アミノベンジルエーテル(1
当量)のCH2Cl2溶液を適切なルイス酸(1当量)またはプロトン酸で処理した。室
温で30分間撹拌後、その反応混合物をCH2Cl2 で希釈し、H2O、NaHCO3及び食塩
水で希釈した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、セライトで濾過して、減圧濃縮した
。粗生成物を、シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィで精製し
た。
【0273】 アミノ置換ベンジルエーテルの解離 6(0.010 mmol)のCH2Cl2 (0.5mL)溶液とTiC 4 , SnCl4, ZnC12, TMSOTf, 及びNaOMeをそれぞれ0.01mmolずつ反応させた。9:1
CH3CN:H2O溶液を用いて、DDQ及びCANと反応させた。使用したプロトン酸は、10%
TFA/CH2Cl2, 1% TFA/CH2Cl2, 10% DCA/CH2Cl2, 1% DCA/CH2Cl2, 10% AcOH/CH2C
l2, 1% AcOH/CH2Cl2 を含む。すべての反応は、反応完了が確認されない限り、
室温で16時間行った。6とTiCl4, SnCl4, 10% TFA/CH2Cl2, 1% TFA/CH2Cl2, 10
% DCA/CH2Cl2 または 1% DCA/CH2Cl2 とのいずれかを反応させたところ、5分以
内に転換が完了した。CANによる酸化脱保護は、30分間でTLCによる収率が75%
であった。6をZnCl2, TMSOTf, NaOMe, DDQ, 10% AcOH/CH2Cl2 または 1% AcOH/C
H2Cl2 で処理しても、脱保護生成物を得られなかった。
【0274】 同様の条件下で、7をTiCl4, SnCl4, 10% TFA/CH2Cl2, 1% TFA/CH2Cl2, 10% DC
A/CH2Cl2 または1% DCA/CH2Cl2 と反応させたところ、5分間で転換を完了した
が、ZnCl2では30分間で定量的な収率の脱保護生成物を得た。7を10% AcOH/CH2 Cl2 または 1%AcOH/CH2Cl2 で処理しても、脱保護生成物を得られなかった。
【0275】 8とTiCl4, SnCl4, 10% TFA/CH2Cl2, または1% TFA/CH2Cl2とを反応させたとこ
ろ、5分間で収率95%の脱保護生成物を得た。8をZnCl2、10% DCA/CH2Cl2、1% DC
A/CH2Cl2、10% AcOH/CH2Cl2、または1% AcOH/CH2Cl2で処理したが、脱保護生成
物は得られなかった。
【0276】 9をTiCl4と反応させると、5分以内に転換を完了した。9をSnCl4, ZnCl2, 10%
TFA/CH2Cl2, 1% TFA/CH2Cl2, 10% DCA/CH2Cl2, 1%DCA/CH2Cl2, 10% AcOH/CH2Cl 2 または 1% AcOH/CH2Cl2 で処理しても、脱保護生成物を得られなかった。
【0277】 6-O-(4-ブロモベンジル)-1, 2 : 3, 4-ジ-O-イソプロピルイデン-a-D-ガラクト
ピラノシド 2 一般手順Aを、1,2:3,4-ジ-O-イソプロピルイデン-a-D-ガラクトピラノシド (3
.12 g, 12.0 mmol), NaH (0.66 g, 13.2 mmol, 60%ミネラル油溶液 ) 及び臭化4
-ブロモベンジル (3.30 g, 13.2 mmol) を用いて行い、シリカゲルを用いたフラ
ッシュカラムクロマトグラフィ(20% EtOAc/ヘキサン)を行ったところ、無色油状
の2を4.96 g (96%) 得た。 [a]24 D :-49.6°(c 1.62, CH2Cl2) ; IR (薄層) 2987, 2933, 1478, 1070 cm-1
; 1H-NMR (CDCl3) d 7.43 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.20 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 5
.53 (d, J = 4.9 Hz, 1 H), 4.58 (dd, J = 2.4, 7.9 Hz, 1H), 4.55 (d, J = 1
2.5 Hz, 1H), 4.47 (d, J = 12.2 Hz, 1H), 4.30 (dd, J = 2.4, 5.2 Hz, 1 H),
4.24 (dd, J = 1.8, 7.9 Hz, 1 H), 3.98 (dt, J = 1.8, 7.0 Hz, 1 H), 3.68-
3.58 (m, 2H), 1.52 (s, 3H), 1.42 (s, 3H), 1.32 (s, 3H), 1.31 (s, 3H) ; 1 3 C-NMR (CDCl3) d 137.5, 131.5, 129.4, 121.5, 109.3, 108.6, 96.5, 72.6, 7
1.3, 70.8, 70.6, 69.2, 67.1, 26.2, 26.1, 25.1, 24.6 ; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算値451.0732, 測定値 451.0722。
【0278】 6-O- (4-クロロベンジル)-1,2:3,4-ジ-O-イソプロピルイデン-a-D-ガラクトピラ
ノシド 3 一般手順A を1,2:3,4-ジ-O-イソプロピルイデン-a-D-ガラクトピラノシド (2.
60 g, 10.0 mmol), NaH (0.60 g, 12.0 mmol, 60% ミネラル油溶液), 塩化4-ク
ロロベンジル(1.93 g, 12.0 mmol)及びヨウ化テトラブチルアンモニウム (26 mg
, 0.07 mmol) を用いて行い、シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグ
ラフィ(20% EtOAc/ヘキサン )で精製したところ、無色油状の3を3.65 g (95%)
得た。[a]24 D:-59.6°(c 1.73, CH2Cl2) ;IR (薄層) 2987, 2934, 1382, 1070 c
m-1 ; 1H-NMR (CDCl3) d 7.31-7.26 (m, 4H), 5.54 (d, J = 4.9 Hz, 1 H), 4.6
1-4.56 (m, 2H), 4.50 (d, J = 12.2 Hz, 1 H), 4.30 (dd, J = 2.4, 5.2Hz, 1H
), 4.25 (dd, J = 1.8, 7.9 Hz, 1 H), 4.00-3.97 (m, 1H), 3.69-3.58 (m, 2H)
, 1.53 (s, 3H), 1.43 (s, 3H), 1.33 (s, 3H), 1.32 (s, 3H) ; 13C-NMR (CDCl 3 ) d 137.0, 133.3, 129.1, 128.6, 109.3, 108.7, 96.5, 72.6, 71.3, 70.6, 6
9.1, 67.0, 26.2, 26.1, 25.1, 24.6 ; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算値 407.123
7, 測定値407.1232。
【0279】 6-O- (4-ヨードベンジル)-1,2:3,4-ジ-O-イソプロピルイデン-a-D-ガラクトピラ
ノシド 4 一般手順A を、1,2:3,4-ジ-O-イソプロピルイデン-a-D-ガラクトピラノシド (
1.00 g, 3.84 mmol), NaH (0.212 g, 4.23 mmol, 60% ミネラル油溶液) 及び 臭
化4-ヨードベンジル (1.25 g, 4.23 mmol)を用いて行い、シリカゲルを用いたフ
ラッシュカラムクロマトグラフィ(20% EtOAc/ヘキサン)で精製したところ、 無
色油状の4を1.65 g (90%) 得た。 [a]24 D :-50.3°(c 2.92, CH2Cl2) ; IR (薄層) 2986, 2932, 1484, 1381, 1070
cm-1 ; 1H NMR (CDCl3) d 7.66 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.00 (d, J = 8.2 Hz,
2H), 5.55 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 4.60 (dd, J = 2.4, 7.9 Hz, 1H), 4.56 (d,
J = 12.5 Hz, 1H), 4.49 (d, J = 12.2 Hz, 1 H), 4.31 (dd, J = 2.4, 5.2 Hz,
1 H), 4.26 (dd, J = 1.8, 7.9 Hz, 1 H), 4.01-3.97 (m, 1 H), 3.68 (dd, J
= 5.8, 10.1 Hz, 1 H), 3.62 (dd, J = 7.0, 10.1 Hz, 1 H), 1.54 (s, 3H), 1.
44 (s, 3H), 1.34 (app s, 6H) ; 13C-NMR (CDCl3) d 137.6, 129.8, 109.4, 10
8.8, 96.5, 93.2, 72.8, 71.4, 70.8, 70.7, 69.2, 67.1, 26.3, 26.2, 25.1, 2
4.6 ; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算値 499.0594, 測定値 499.0584。
【0280】 6-O- (2-ブロモベンジル)-1,2:3,4-ジ-O-イソプロピルイデン-a-D-ガラクトピラ
ノシド 5 一般手順Aを、1,2:3,4-ジ-O-イソプロピルイデン-a-D-ガラクトピラノシド (3
.12 g, 12.0 mmol)、 NaH (0.66 g, 13.2 mmol, 60%ミネラル油溶液) 及び臭化2
-ブロモベンジル (3.30 g, 13.2 mmol)を用いて行い、シリカゲルを用いたフラ
ッシュカラムクロマトグラフィ(20% EtOAc/ヘキサン)で精製したところ、無色油
状の5を4.96 g (99%) 得た。 [a]24 D :-48.6°(c 1.39, CH2Cl2) ; IR (薄層) 2987, 2933, 1381, 1070 cm-1
; 1H-NMR (CDCl3) d 7.51-7.49 (m, 2H), 7.29 (dt, J = 1.2, 7.0 Hz, 1 H), 7
.11 (dt, J = 1.8, 7.6 Hz, 1H), 5.55 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 4.67-4.59 (m, 3
H), 4.32-4.29 (m, 2H), 4.06 (dt, J = 1.8, 6.4 Hz, 1H), 3.78-3.68 (m, 2H)
, 1.55 (s, 3H), 1.44 (s, 3H), 1.33 (s, 3H), 1.32 (s, 3H) ; 13C-NMR (CDCl 3 ) d 137.7, 132.5, 129.1, 128.9, 127.4, 122.6, 109.3, 108.7, 96.5, 72.6,
71.3, 70.8, 70.7, 69.5, 66.8, 26.3, 26.1, 25.1, 24.6 ; FAB MS m/z (M+Na
)+ : 計算値 451.0732, 測定値 451.0726。
【0281】 6-O- (4-(N-ベンジルアミノ) ベンジル)-1,2:3,4-ジ-O-イソプロピルイデン-a-D
- ガラクトピラノシド 6 一般手順B を、2 (0.214 g, 0.50 mmol)、 ベンジルアミン (66mL, 0.60 mmol
)、 Pd2(dba)3 (2.4 mg, 0.0026 mmol)、 (o-ビフェニル)P(t-Bu)2 (3.0 mg, 0.
010 mmol)、 NaOtBu (68.0 mg, 0.70 mmol) を用いて行い、シリカゲルを用いた
フラッシュカラムクロマトグラフィ (30%EtOAc/ヘキサン)で精製したところ、黄
色油状の6を0.206 g (91%) 得た。[a]24 D :-47.3°(c 1.35, CH2Cl2) ; IR (薄
層) 3405, 2985, 2933, 1615, 1523 cm-1 ; 1H-NMR (CDCl3) d 7.39-7.34 (m, 4
H), 7.30-7.26 (m, 1 H), 7.17 (d, J = 8.5Hz, 2H), 6.61 (d, J = 8.5 Hz, 2H
), 5.56 (d, J = 4.9 Hz, 1 H), 4.60 (dd, J = 2.4, 7.9 Hz, 1 H), 4.50 (d,
J = 11.3 Hz, 1 H), 4.44 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 4.34 (s, 2H), 4.31 (dd, J
= 2.4, 5.2 Hz, 1H), 4.28 (dd, J = 2.1, 7.9 Hz, 1H), 4.10 (br s, 1 H), 3.
99 (dt, J= 1.8, 6.413Hz, 1 H), 3.68-3.59 (m, 2H), 1.54 (s, 3H), 1.46 (s,
3H), 1.35 (s, 3H), 1.34 (s, 3H) ; 13C NMR (CDC13) d 147.9, 139.5, 129.7
, 128.8, 127.6, 127.4, 127.2, 112.8, 109.3, 108.6, 96.5, 73.5, 71.3, 70.
8, 68.4, 67.0, 48.4, 26.3, 26.2, 25.1, 24.6 ; FAB MS m/z (M)+ : 計算値 4
55.2308, 測定値 455.2303。
【0282】 6-O-(4-(N-メチル-N-フェニルアミノ)ベンジル)-1,2:3,4-ジ-O-イソプロピルイ
デン-a-D-ガラクトピラノシド 7 一般手順B を、2 (0.214 g, 0.50 mmol)、 N-メチルアニリン (65 mL, 0.60 m
mol), Pd2 (dba)3 (2.4 mg, 0.0026 mmol)、(o-ビフェニル)P(t-Bu)2 (3.0 mg,
0.010 mmol)、NaOtBu (68.0 mg, 0.70 mmol)を用いて行い、シリカゲルを用いた
フラッシュカラムクロマトグラフィ(20%EtOAc/ヘキサン)で精製したところ、黄
色油状の7を0.219 g (96%) 得た。[a]24 D :-52.4°(c 2.04, CH2Cl2) ; IR (薄
層) 2985, 2933, 1594, 1497, 1069 cm-1 ; 1H-NMR (CDC13) d 7.30-7.26 (m, 4
H), 7.04-6.95 (m, 5H), 5.57 (d, J = 5.2Hz, 1 H), 4.62 (dd, J = 2.4, 7.9
Hz, 1 H), 4.58 (d, J = 11.6 Hz, 1 H), 4.52 (d, J = 11.9 Hz, 1H), 4.34-4.
30 (m, 2H), 4.04-4.01 (m, 1H), 3.73-3.63 (m, 2H), 3.32 (s, 3H), 1.56 (s,
3H), 1.48 (s, 3H), 1.37 (s, 3H), 1.35 (s, 3H) ; 13C-NMR (CDCl3) d 149.1
, 148.7, 131.1, 129.3, 129.2, 121.4, 120.5, 120.4, 109.3, 108.7, 96.5, 7
3.2, 71.3, 70.8, 68.7, 67.0, 40.4, 26.3, 26.2, 25.1, 24.6 ; FAB MS m/z (
M)+ : 計算値 455.2308, 測定値 455.2299。
【0283】 6-O-(4-(N-モルホリノ) ベンジル)-1,2:3,4-ジ-O-イソプロピルイデン-a-D-ガラ
クトピラノシド 8 一般手順Cを、3 (0.192 g, 0.50 mmol)、モルホリン (52mL, 0.60 mmol)、Pd(
OAc)2 (2.2 mg, 0.001 mmol)、(o-ビフェニル)P(t-Bu)2 (6.0 mg, 0.020 mmol)
、NaOtBu (68.0 mg, 0.70 mmol) を用いて行い、シリカゲルを用いたフラッシュ
カラムクロマトグラフィ(30%EtOAc/ヘキサン)で精製したところ、黄色油状の8を
0.206 g (95%) 得た。[a]24 D: -44.5°(c 1.31, CH2Cl2) ; IR (薄層) 2984, 17
24, 1681, 1517, 1069 cm-1 ; 1H-NMR (CDCl3) d 7.26 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 6
.87 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 5.44 (d, J = 5.2 Hz, 1 H), 4.58 (dd, J = 2.1, 7
.9 Hz, 1 H), 4.53 (d, J = 11.6 Hz, 1 H), 4.47 (d, J = 11.6 Hz, 1 H), 4.3
0 (dd, J = 1.8, 4.9 Hz, 1 H), 4.26 (dd, J = 1.5, 7.9 Hz, 1 H), 3.99-3.95
(m, 1 H), 3.85 (t, J = 4.9 Hz, 4H), 3.67-3.57 (m, 2H), 3.14 (t, J = 4.9
Hz, 4H), 1.52 (s, 3H), 1.44 (s, 3H), 1.33 (s, 3H), 13 1.32 (s, 3H) ; 13 C-NMR (CDC13) d 151.0, 129.8, 129.3, 115.7, 109.3, 108.6, 96.5, 73.1, 71
.3, 70.7, 68.6, 67.0, 49.5, 26.2, 26.1, 25.1, 24.6 ; FAB MS m/z (M)+ :
計算値 435.2257, 測定値 435.2247。
【0284】 6-O-(2-(N-ベンジルアミノ) ベンジル)-1,2:3,4-ジ-O-イソプロピルイデン-α-D
-ガラクトピラノシド 9 一般手順B を、 5 (0.214 g, 0.50 mmol)、 ベンジルアミン (66mL, 0.60 mmo
l)、 Pd2(dba)3 (4.6 mg, 0.005 mmol)、 (o-ビフェニル)P(tBu)2 (6.0 mg, 0.0
20 mmol)、及び NaOtBu (68.0 mg, 0.70 mmol) を用いて36時間行い、シリカゲ
ルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィ(20%EtOAc/ヘキサン)で精製した
ところ、黄色油状の9を0.193 g (85%) 得た。[a]24 D :-45.01°(c 0.18, CH2Cl2 ) ; IR (薄層) 3397, 2987, 2931, 1608, 1518 cm1-1 ; 1H-NMR (CDC13) 57.39
(d, J= 7.6 Hz, 2H), 7.33 (t, J= 7.3 Hz, 2H), 7.27-7.24 (m, 1H), 7.15 (dt
, J= 1.5, 7.9 Hz, 1H), 7.11 (dd, J= 1.5, 7.3 Hz, 1H), 6.66 (dt, J = 0.9,
7.3 Hz, 1 H), 6.58 (d, J = 7.9 Hz, 1 H), 5.53-5.48 (m, 2H), 4.66 (d, J
= 11.3 Hz, 1 H), 4.62 (d, J = 11.0 Hz, 1 H), 4.59 (dd, J = 2.4, 7.9 Hz,
1 H), 4.45 (d, J = 4.9 Hz, 2H), 4.32 (dd, J = 2.4, 5.2 Hz, 1 H), 4.22 (d
d, J = 1.8, 7.9 Hz, 1 H), 4.03-3.99 (m, 1 H), 3.73-3.65 (m, 2H), 1.47 (s
, 3H), 1.46 (s, 3H), 1.32 (s, 3H), 1.29 (s, 3H) ; 13C-NMR (CDCl3) d 147.
8, 140.0, 130.1, 129.8, 128.6, 127.1, 126.9, 121.7, 116.4, 111.0, 109.5,
108.7, 96.5, 73.2, 71.3, 70.8, 70.6, 68.5, 66.8, 47.5, 26.2, 25.1, 24.7
; FAB MS m/z (M)+ : 計算値 455.2308, 測定値 455.2294。
【0285】 メチル6-O-ベンジル-3-O-(4-ブロモベンジル)-4-O-(4-クロロベンジル)-2-O-(4-
ヨードベンジル)-b-D-グルコピラノシド 10 [a]24 D : +9.8°(c 3.27, CH2Cl2) ; IR (薄層) 2865, 1488, 1452, 1074 cm- 1 ; 1H-NMR (CDCl3) d 7.62 (d, J= 8.2 Hz, 2H), 7.41 (d, J= 8.5 Hz, 2H), 7
.35-7.27 (m, 5H), 7.23 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.09-7.00 (m, 6H), 4.84 (d,
J = 11.6 Hz, 1 H), 4.79 (d, J = 11.6 Hz, 1 H), 4.70-4.64 (m, 3H), 4.60 (
d, J = 11.6 Hz, 1 H), 4.54 (d, J = 12.2 Hz, 1 H), 4.46 (d, J = 11.0 Hz,
1 H), 4.28 (d, J = 7.6 Hz, 1 H), 3.76-3.67 (m, 2H), 3.60-3.54 (m, 5H), 3
.44-3.41 (m, 1H), 3.40-3.37 (m, 1H) ; 13C-NMR (CDCl3) 6138.2, 138.1, 137
.7, 137.6, 136.7, 133.7, 131.7, 131.6, 130.1, 129.5, 129.3, 129.2, 128.7
, 128.6, 128.3, 128.1, 127.9, 121.7, 104.8, 84.6, 82.2, 77.9, 74.9, 74.8
, 74.2, 74.0, 73.7, 68.8, 57.3 ; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算値 815.0248,
測定値 815.0275。
【0286】 メチル6-O-ベンジル-3-O-(4-ブロモベンジル)-4-O-(4-クロロベンジル)-b-D-グ
ルコピラノシド 11 グリコシド 10 (0.138 g, 0.174 mmol) を丸底フラスコに入れ、トルエン(3 X
3 mL)と共沸して乾燥させ、さらに1時間減圧乾燥させた。フラスコをアルゴン
でパージし、N-メチルアニリン (20 mL, 0.182 mmol)を加えて残留物をTHF (0.6
0 mL)に溶解した。オーブン乾燥させた開閉可能なシュレンクフラスコを真空排
気し、そこにアルゴンガスを再導入した。このフラスコにPd2dba3(1.0 mol % Pd
, 0.7 mg, 0.0008 mmol)、1-(N,N-ジメチルアミノ)-1'-(ジシクロヘキシルホス
フィノ)ビフェニル (1.0 mol %, 0.7 mg, 0.0017 mmol),NaOtBu (23.4 mg, 0.24
4 mmol)を入れ、排気してアルゴンガスを再導入した。ゴム製の隔壁を取り付け
て、グリコシド/アミン溶液をカニューレで加えた。テフロン(登録商標)製の
ねじ蓋でフラスコを密閉し、この反応物を室温で撹拌した。4時間後、この反応
溶液をジエチルエーテルで希釈し、セライトパッドで濾過して、減圧濃縮した。
そのアミン化物をCH2Cl2(1mL)に入れ、2%ジクロロ酢酸/CH2Cl2(v/v)(1mL)で処
理した。室温で30分間撹拌後、反応混合物をCH2Cl2で希釈し、食塩水、飽和Na
HCO3(aq)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させてから濾過して減圧濃縮した。シリカゲル
を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィ(20% EtOAc/ヘキサン)で精製して、
白色固体状の11を84.0 mg(84%)得た。[a]24 D :-29.2°(c 2.19, CH2Cl2) ; IR (
薄層) 3450, 2866, 1490, 1452, 1061 cm-1 ; 1H-NMR (CDCl3) d 7.43 (d, J =
8.2 Hz, 2H), 7.34-7.23 (m, 7H), 7.20 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.02 (d, J = 8
.5 Hz, 2H), 4.89 (d, J = 11.6 Hz, 1 H), 4.72 (d, J = 11.6 Hz, 1 H), 4.71
(d, J = 11.0 Hz, 1 H), 4.65 (d, J= 12.2 Hz, 1H), 4.53 (d, J= 12.2 Hz, 1
H), 4.46 (d, J= 11.0 Hz, 1H), 4.17 (d, J = 7.6 Hz, 1 H), 3.75-3.67 (m, 2
H), 3.61-3.53 (m, 6H), 3.48-3.44 (m, 1 H), 2.41 (d, J = 1.5 Hz, 1H) ; 13 C-NMR (CDC13) d 138.1, 137.7, 136.7, 133.7, 131.7, 129.6, 129.2, 128.7,
128.6, 128.1, 127.9, 121.7, 103.9, 84.5, 77.5, 75.2, 75.0, 74.4, 74.3, 7
3.7, 68.7, 57.4 ; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算値 599.0812, 測定値 599.0795。
【0287】 メチル[2,3,4,6-テトラ-ベンジル-a-D-マンノピラノシド-(1→2)]-6-ベンジル-3
-O-(4-ブロモベンジル)-4-O-(4-クロロベンジル)-b-D-グルコピラノシド 13 2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-a-D-マンノピラノシル トリクロロアセトイミド
12 (0.754 g, 1.10 mmol ; Frick, W.; Bauer, A.; Bauer, J.; Wied, S.; Mull
er, G. Biochemistry 1998, 37, 13421参照) 及び グリコシル供与体 11 (0.578
g, 1.00 mmol) を混合し、トルエン(3 X 10 mL)と共沸して乾燥させ、さらに1
時間減圧乾燥させた。この混合物を CH2Cl2 に溶解し、 0.50 M TMSOTf/CH2Cl2
溶液 (0.10 mL, 0.05 mmol)を加えた。室温で30分間撹拌後、この反応混合物
をCH2Cl2に溶解し、飽和NaHCO3水溶液で洗浄して、Na2SO4で乾燥して濃縮した。
シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィ(25% EtOAc/ヘキサン)で
精製し、黄色油状の13を0.92 g (88%) 得た。[a]24 D : +14.9°(c 1.50, CH2Cl2 ) ; IR (薄層) 3029, 2864, 1494, 1453, 1361 cm-' ;1 H-NMR (CDCl3) d 7.46
(d, J= 7.0 Hz, 2H), 7.40-7.24 (m, 23H), 7.17-7.09 (m, 6H), 7.02 (d, J= 8
.2 Hz, 2H), 5.54 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 4.92 (d, J= 10.7 Hz, 1H), 4.84 (d,
J= 12.8 Hz, 1H), 4.78 (d, J= 12.8 Hz, 1H), 4.70-4.47 (m, 10H), 4.41 (d,
J= 12.2 Hz, 1H), 4.19 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 4.13 (dd, J = 9.5, 9.8 Hz, 1
H), 3.93-3.86 (m, 3H), 3.77-3.67 (m, 3H), 3.63-3.57 (m, 13 2H), 3.51-3.4
3 (m, 6H) ; 13C-NMR (CDC13) d 138.9, 138.6, 138.5, 138.0, 136.9, 136.5,
131.4, 129.7, 129.0, 128.7, 128.6, 128.5, 128.4, 128.3, 128.1, 128.0, 12
7.9, 127.8, 127.6, 127.5, 121.5, 104.6, 97.4, 83.7, 79.6, 78.3, 76.5, 75
.2, 75.1, 75.0, 74.8, 74.2, 73.9, 73.7, 73.3, 72.1, 72.0, 71.9, 68.8, 68
.6, 56.9 ; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算値 1121.3218, 測定値 1121.3189.
【0288】 メチル[2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-α-D-マンノピラノシド-(1→2)]-6-O-ベン
ジル-4-O-(4クロロベンジル)-b-D-グルコピラノシド 14 一般手順Bを、13 (0.263 g, 0.25 mmol)、 N-メチルアニリン (33 mL, 0.30 m
mol)、Pd2(dba)3 (2.4 mg, 0.0024 mmol)、 (o-ビフェニル)P(t-Bu)2 (2.8 mg,
0.010 mmol) 及び NaOtBu (34.0 mg, 0.70 mmol) を用いて80℃で16時間行い
、黄色油状物を得た。一般手順D を用いて1.0 M のSnCl4ヘプタン溶液 (0.25 mL
, 0.25 mmol) で解離し、シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフ
ィ(30% EtOAc/ヘキサン)で精製したところ、白色固体14を0.181 g (81%)得た。[
a]24 D : +26.6°(c 1.66, CH2Cl2) ; IR (薄層) 3386, 2916, 1494, 1453, 1089
cm-1 ; 1H-NMR (CDCl3) d 7.40-7.26 (m, 23H), 7.23-7.18 (m, 4H), 7.09 (d,
J = 8.2 Hz, 2H), 5.13 (d, J= 1.8 Hz, 1H), 4.86 (d, J= 11.0 Hz, 1H), 4.7
84.69 (m, 3H), 4.64-4.47 (m, 7H), 4.39 (d, J = 11.3 Hz, 1 H), 4.11 (d, J
= 7.9 Hz, 1 H), 4.10-4.06 (m, 1H), 3.86-3.60 (m, 8H), 3.43 (s, 3H), 3.4
1-3.32 (m, 4H) ; 13C-NMR (CDC13) d 138.6, 138.4, 138.3, 138.2, 137.1, 13
3.5, 129.5, 128.6, 128.5, 128.2, 128.1, 128.0, 127.9, 127.8, 127.7, 103.
4, 99.7, 82.8, 79.7, 78.0, 76.8, 75.4, 75.0, 74.8, 74.7, 74.0, 73.7, 72.
6, 72.4, 69.8, 69.1, 57.3 ; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算値 953.3644, 測定値
953.3666。
【0289】 メチル[2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-a-D-マンノピラノシド-(1→2)]-3-O-プロピ
ル-6-O-ベンジル-4-O-(4-クロロベンジル)-b-D-グルコピラノシド 15 グリコシド 14 (0.140 g, 0.158 mmol) 及び 1-ヨードプロパン (17 mL, 0.17
4 mmol)を混合し、DMF (2 mL)に溶解させた。NaH (9.0 mg, 0.174 mmol, 60% ミ
ネラル油溶液) を加え、反応混合物を3時間撹拌した。H2Oで失活させてから、
この溶液をジエチルエーテルで希釈し、H2Oで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過
、濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィ(25% EtOAc
/ヘキサン)で精製したところ、無色油状の15を0.144 g (99%)得た。[a]24 D : +
30.8°(c 1.69, CH2Cl2) ; IR (薄層) 3028, 2864, 1495, 1453, 1090 cm-1 ; 1 H-NMR (CDCl3) d 7.42 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 7.38 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 7.34
-7.20 (m, 23H), 7.09 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 5.47 (d, J = 1.5 Hz, 1 H), 4.9
4 (d, J = 11.3 Hz, 1 H), 4.79 (d, J = 11.3 Hz, 1 H), 4.76-4.72 (m, 3H),
4.64-4.51 (m, 6H), 4.44 (d, J= 11.0 Hz, 1H), 4.14-4.04 (m, 3H), 3.88-3.8
4 (m, 2H), 3.80-3.79 (m, 1 H), 3.76-3.73 (m, 1 H), 3.70-3.53 (m, 5H), 3.
49-3.42 (m, 4H), 3.383.35 (m, 1 H), 3.22 (t, J = 9.2 Hz, 1 H), 1.58-1.54
(m, 2H), 0.77 (t, J = 7.3 Hz, 3H) ; 13C-NMR (CDC13) d 139.4, 138.9, 138
.7, 138.2, 136.8, 133.7, 132.1, 129.3, 128.7, 128.6, 128.5, 128.4, 128.3
, 128.0, 127.9, 127.7, 127.6, 127.5, 127.3, 104.7, 97.2, 83.8, 79.9, 78.
3, 76.3, 75.9, 75.1, 74.9, 74.2, 73.7, 73.5, 72.2, 72.1, 69.4, 68.9, 56.
9, 23.6, 10.6 ; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算値 995.4113, 測定値 995.4095。
【0290】 メチル[2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-a-D-マンノピラノシド-(1→2)]-3-O-プロピ
ル-6-ベンジル-b-D-グルコピラノシド 16 一般手順C を、15 (0.062 g, 0.067 mmol)、 N-メチルアニリン (8.7mL, 0.08
1 mmol)、 Pd(OAc)2 (0.7 mg, 0.0033 mmol)、(o-ビフェニル)P(t-Bu)2(2.0 mg,
0.0066 mmol) 及び NaOtBu(9.0 mg, 0.090 mmol)を用いて36時間行ったとこ
ろ、黄色油状物を得た。一般手順D を用いて、1.0 M SnCl4 ヘプタン溶液 (67 m
L, 0.067 mmol)で解離し、シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフ
ィ(30% EtOAc/ヘキサン)で精製したところ、無色油状の16を 52 mg (91%) 得た
。[a]24 D: +10.9°(c 2.00, CH2Cl2) ; IR (薄層) 3458, 3029, 2869, 1496, 10
91 cm-1 ; 1H-NMR (CDCl3) d 7.41 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 7.37-7.24 (m, 21 H)
, 7.19 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 5.44 (s, 1H), 4.93 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 4.7
9-4.71 (m, 3H), 4.63-4.56 (m, 5H), 4.51 (d, J= 11.9 Hz, 1H), 4.15-4.09 (
m, 2H), 4.04-4.01 (m, 1H), 3.88-3.63 (m, 7H), 3.58-3.52 (m, 3H), 3.443.4
0 (m, 4H), 3.13 (dd, J = 0.9, 9.5 Hz, 1 H), 2.67 (s, 1 H), 1.60-1.52 (m,
2H), 0.80 (dt, J = 1.2, 7.3 Hz, 3H) ; 13C-NMR (CDCl3) d 139.3, 138.8, 1
38.7, 138.6, 138.0, 128.7, 128.5, 128.4, 128.3, 128.0, 127.9, 127.8, 127
.7, 127.6, 127.5, 127.4, 104.7, 97.4, 83.5, 79.9, 76.2, 75.5, 74.9, 74.8
, 74.2, 74.1, 73.9, 73.5, 72.4, 72.2, 72.1, 70.6, 69.3, 56.9, 23.5, 10.5
; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算値 871.4033, 測定値 871.4016。
【0291】 ジブチル-2-O-ピバロイル-3,4,6-トリ-O-ベンジル-b-D-グルコピラノシドホスフ
ェート 17(Plante, O.J.; Andrade, R.B.; Seeberger, P.H. Org.Lett. 1999, 1
, 211参照) 3,4,6-トリ-O-ベンジルグルカール (1.12 g, 2.70 mmol)をCH2Cl2 (5 mL) で
溶解し、 0℃に冷却した。0.08 M のジメチルジオキシランのアセトン溶液(51 m
L, 4.06 mmol) を加え、反応物を15分間撹拌した。窒素ガスを通気して溶媒を
除去し、残留物を15分間0℃で減圧乾燥させ、CH2Cl2を20 mL加えた。この溶液
を15分間-78℃に冷却した。リン酸ジブチル(0.563 mL, 1.06 mmol) を5分間
かけて滴下しながら加えた。加え終わった後、この反応物を0℃まで温め、DMAP(
1.32 g, 10.8 mmol)及び塩化ピバロイル(0.665 mL, 5.40 mmol)を加えた。この
溶液を1時間かけて室温まで温めた。溶媒を減圧除去し、残留物をシリカゲルを
用いたフラッシュカラムクロマトグラフィで精製して、無色油状の17を1.74 g (
89%) 得た。[a]24 D :-1.9°(c 1.50, CH2Cl2) ; IR (薄層) 2946, 1740, 1454,
1282, 1016 cm-1 ; 1H-NMR (CDCl3) d 7.33-7.25 (m, 13H), 7.16-7.14 (m, 2H)
, 5.24 (dd, J= 7.3, 7.3 Hz, 1H), 5.17 (dd, J= 8.5, 8.5 Hz, 1H), 4.80-4.7
5 (m, 2H), 4.70 (d, J= 11.0 Hz, 1H), 4.69-4.54 (m, 2H), 4.51 (d, J = 11.
0 Hz, 1 H), 4.08-4.00 (m, 4H), 3.82 (dd, J = 9.5, 9.5 Hz, 1 H), 3.78-3.7
0 (m, 3H), 3.64-3.61 (m, 1H), 1.64-1.59 (m, 4H), 1.40-1.34 (m, 4H), 1.20
(s, 9H), 0.96-0.88 (m, 6H) ; 13C-NMR (CDC13) d 177.2, 138.2, 138.1, 128
.7, 128.3, 128.2, 128.1, 128.0, 127.6, 97.0, 96.5, 83.1, 76.2, 75.9, 73.
9, 73.3, 68.4, 68.2, 68.1, 39.2, 32.7, 26.9, 19.1, 14.0 ; 31P-NMR (CDCl3
) d-2.2 ; FAB MS m/z (M+) 計算値 726.3532, 測定値 726.3537。
【0292】 メチル2-O-ピバロイル-3,4,6-トリ-O-ベンジル-b-D-グルコピラノシド-(1→4) [
2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-a-D-マンノピラノシド-(1→2)]-3-プロピル-6-O-ベ
ンジル-b-D-グルコピラノシド 18 グリコシル供与体17 (13.2 mg, 0.0183 mmol) 及び グリコシル受容体16 (13.
0 mg, 0.0153 mmol) を混合し、トルエン(3 X 3 mL)と共沸して乾燥させ、さら
に1時間減圧乾燥させた。この混合物をCH2Cl2 に溶解し、15分間-78℃に冷却
した。TMSOTf (3.4 mL, 0.0183 mmol) を滴下した。-78℃で10分間撹拌後、こ
の溶液を室温まで温めて、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラム
クロマトグラフィ(25% EtOAc/ヘキサン)で精製して、無色油状の18を17.7 mg (8
5%)得た。[a]24 D : +19.6°(c 1.68, CH2Cl2) ; IR (薄層) 3029, 2870, 1740,
1453, 1363 cm-1 ; 1H-NMR (CDCl3) d 7.42-7.40 (m, 2H), 7.36-7.16 (m, 38H)
, 5.44 (d, J= 1.5Hz, 1 H), 4.97-4.91 (m, 2H), 4.78-4.69 (m, 6H), 4.62-4.
54 (m, 6H), 4.51 (d, J= 11.9 Hz, 1H), 4.45 (d, J = 11.9 Hz, 1H), 4.42-4.
39 (m, 2H), 4.17-4.07 (m, 3H), 3.93-3.86 (m, 2H), 3.81-3.64 (m, 9H), 3.5
5 (dd, J = 7.9, 9.2 Hz, 1H), 3.48-3.40 (m, 5H), 3.35-3.32 (m, 1H), 3.23-
3.15 (m, 2H), 1.60-1.49 (m, 2H), 1.14 (s, 9H), 0.67 (t, J= 7.3 Hz, 3H) ;
13C-NMR (CDCl3) d 176.8, 139.5, 138.9, 138.8, 138.7, 138.4, 138.3, 138.
1, 128.8, 128.7, 128.6, 128.5, 128.4, 128.3, 128.2, 128.1, 128.0, 127.9,
127.8, 127.7, 127.4, 127.3, 127.2, 104.8, 99.5, 97.0, 83.3, 81.6, 80.0,
78.3, 75.9, 75.8, 75.4, 75.3, 75.2, 75.1, 75.0, 74.9, 74.8, 74.4, 73.9,
73.6, 73.4, 72.2, 72.1, 71.9, 69.1, 68.8, 68.2, 56.9, 39.0, 27.5, 23.3,
10.5 ; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算値 1387.6545, 測定値 1387.6583。
【0293】 3-O-(4-ブロモベンジル)-4-O-(4-メトキシベンジル)-6-O-トリイソプロピルシリ
ル-D-アラビノ-hex-1-エニトール 19 一般手順A を、3-O-(4-ブロモベンジル)-6-O-トリイソプロピルシリル-D-アラ
ビノ-hex-1-エニトール (0.48 g, 1.02 mmol), NaH (61 mg, 1.22 mmol, 60% in
mineral oil) 及び 塩化4-メトキシベンジル (0.17 mL, 1.22 mmol) を用いて
行い、シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィ(10%EtOAc/ヘキサ
ン)で精製したところ、無色油状の19を0.43 g (72%) 得た。[a]24 D :-13.5°(c
1.80, CH2Cl2) ; IR (薄層) 2941, 2846, 1647, 1513, 1247 cm-l ; 1H-NMR (CD
C13) d 7.45 (d, J= 8.2 Hz, 2H), 7.25 (d, J= 8.2 Hz, 2H), 7.21 (d, J = 8.
2 Hz, 2H), 6.86 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.40 (dd, J = 1.2, 6.1 Hz, 1H), 4.8
1 (dd, J = 2.8, 6.1 Hz, 1 H), 4.76 (d, J = 11.0 Hz, 1 H), 4.71 (d, J = 1
1.0 Hz, 1 H), 4.58 (d, J= 11.9 Hz, 1H), 4.53-4.48 (m, 2H), 4.17-4.15 (m,
1H), 4.02-3.98 (m, 1H), 3.92-3.90 (m, 2H), 3.81 (s, 3H), 1.13-1.06 (m,
21 H) ; 13C-NMR (CDCl3) d 159.5, 145.1, 137.8, 131.7 (2 本), 130.7, 129.
8, 129.6 (2 本), 129.5, 121.6, 114.0, 99.6, 78.3, 76.0, 73.8, 73.7, 72.1
, 71.2, 70.0, 62.1, 55.5, 18.2 (2 本), 12.2 ; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算
値 613.1961, 測定値 613.1946。
【0294】 メチル2-O-アセチル-3,4-ジ-O-ベンジル-6-O-(4-クロロベンジル)-b-D-グルコピ
ラノシド 20 メチル3,4-ジ-O-ベンジル-6-O-(4-クロロベンジル)-b-D-グルコピラノシド (0.
233 g, 0.467 mmol) をCH2Cl2 5 mL に溶解した。無水酢酸 (53 mL, 0.560 mmo
l) 及び DMAP (0.114 g, 0.934 mmol)を加え、この反応混合物を室温で1時間撹
拌した。この溶液をシリカで濾過し、EtOAcで溶出して濃縮した。シリカゲルを
用いたフラッシュカラムクロマトグラフィ(30%EtOAc/ヘキサン)で精製して、無
色油状の20を224 mg (89%)得た。[a]24 D :-0.5°(c 0.79,CH2Cl2) ; IR (薄層)
2867, 1747, 1233, 1087, 1060 cm-1 ; 1H-NMR (CDCl3) d 7.357.27 (m, 12H),
7.20-7.18 (m, 2H), 5.00 (dd, J= 7.9, 8.8 Hz, 1H), 4.81 (d, J= 10.7 Hz, 1
H), 4.80 (d, J= 11.6 Hz, 1H), 4.68 (d, J= 11.3 Hz, 1H), 4.59 (d, J= 12.5
Hz, 1H), 4.56 (d, J = 10.7 Hz, 1 H), 4.52 (d, J = 12.2 Hz, 1 H), 4.30 (
d, J = 7.9 Hz, 1 H), 3.74-3.67 (m, 4H), 3.51-3.37 (m, 4H), 1.99 (s, 3H)
; 13C-NMR (CDCl3) d 169.8, 138.2, 138.0, 136.8, 129.2, 128.7, 128.6, 12
8.2, 128.1, 128.0, 102.0, 83.2, 78.1, 75.3, 75.2, 73.2, 72.9, 68.9, 56.9
, 21.2 ; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算値 563.1813, 測定値 563.1817。
【0295】 メチル2-O-ベンゾイル-3,4-ジ-O-ベンジル-6-O-(4-クロロベンジル)-b-D-グルコ
ピラノシド 21 メチル3,4-ジ-O-ベンジル-6-O-(4-クロロベンジル)-b-D-グルコピラノシド (0
.244 g, 0.481 mmol)をCH2Cl2 5 mL に溶解した。塩化ベンジル(67 mL, 0.577 m
mol) 及びDMAP (0.118 g, 0.962 mmol)を加え、この反応混合物を室温で1時間
撹拌した。30% EtOAc/ヘキサン溶液を加え (白色沈殿が生じた) 、この溶液をシ
リカで濾過し、EtOAcで溶出して濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラ
ムクロマトグラフィ(25-30%EtOAc/ヘキサン)で精製し、白色固体状の21を243 mg
(84%)得た。[a]24 D : +33.4°(c 1.29, CH2Cl2) ; IR (薄層) 2865, 1726, 126
8, 1089 cm-1 ; 1H-NMR (CDC13) d 8.05 (d, J = 7.0 Hz, 2H), 7.59 (t, J = 7
.3 Hz, 1 H), 7.46 (t, J = 7.9 Hz, 2H), 7.36-7.29 (m, 8H), 7.26-7.21 (m,
2H), 7.15 (s, 4H), 5.30 (dd, J= 7.9, 9.2 Hz, 1H), 4.86 (d, J= 10.7 Hz, 1
H), 4.77 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 4.70 (d, J= 11.0 Hz, 1H), 4.62 (d, J= 12.
2 Hz, 1H), 4.59 (d, J= 11.0 Hz, 1 H), 4.56 (d, J = 12.5 Hz, 1 H), 4.48 (
d, J = 7.9 Hz, 1 H), 3.86 (dd, J = 9.2, 9.2 Hz, 1H), 3.80-3.74 (m, 3H),
3.61-3.58 (m, 1H), 3.50 (s, 3H) ; 13C-NMR (CDCl3) d 165.4, 138.0, 137.9,
136.8, 133.5, 133.3, 130.1, 130.0, 129.2, 128.7, 128.6, 128.5, 128.4, 1
28.2, 128.1, 128.0, 127.8, 102.1, 83.0, 78.1, 75.4, 75.3, 75.2, 73.9, 72
.9, 68.9, 57.0 ; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算値 625.1969, 測定値 625.1973。
【0296】 メチル3,4-ジ-O-ベンジル-2-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-6-O-(4-クロロベ
ンジル)-b-Dグルコピラノシド 22 メチル3,4-ジ-O-ベンジル-6-O-(4-クロロベンジル)-b-D-グルコピラノシド (0
.258 g, 0.517 mmol) をCH2Cl2 3mLに溶解した。2,6-ルチジン(240 mL, 2.06 mm
ol) 及び tert-ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホン酸塩 (0.284
mL, 1.24 mmol) を加え、この反応混合物を室温で30分間撹拌した。この溶液
をシリカで濾過し、EtOAcで溶出して濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュ
カラムクロマトグラフィ(10% EtOAc/ヘキサン)で精製して、無色油状の22を283
mg (89%)得た。[a]24 D: -9.2°(c 2.01, CH2Cl2); IR (薄層) 2928, 2855, 1492
, 1069 cm-1 ; 1H-NMR (CDC13) d 7.41-7.29 (m, 12H), 7.16-7.13 (m, 2H), 4.
97 (d, J = 11.3 Hz, 1 H), 4.90 (d, J = 11.3 Hz, 1 H), 4.82 (d, J = 11.0
Hz, 1 H), 4.61 (d, J= 12.5 Hz, 1H), 4.56-4.53 (m, 2H), 4.17 (d, J = 7.3
Hz, 1H), 3.78-3.76 (m, 1H), 3.71 (dd, J= 4.6, 10.7 Hz, 1H), 3.63-3.53 (m
, 6H), 0.95 (s, 9H), 0.17 (s, 3H), 0.13 (s, 3H) ; 13C-NMR (CDCl3) d 138.
8, 138.1, 136.8, 133.5, 129.2, 128.6, 128.5, 128.4, 128.3, 128.0, 127.9,
127.5, 104.9, 86.0, 78.3, 75.8, 75.4, 75.1, 74.9, 72.8, 69.1, 57.9, 26.
1, 18.4,-4.1,-4.2 ; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算値 635.2572, 測定値 635.257
4。
【0297】 メチル3,4-ジ-O-ベンジル-6-O-(tert-ブチルジフェニルシリル)-2-O-(4-クロロ
ベンジル)-b-D-グルコピラノシド 23 一般手順Aを、メチル3,4-ジ-O-ベンジル-6-O-(tert-ブチルジフェニルシリル)
-b-D-グルコピラノシド (0.124 g, 0.202 mmol)、 NaH (15 mg, 0.303 mmol, 60
%ミネラル油溶液) 及び 塩化4-クロロベンジル(34.2 mg, 0.212 mmol) を用いて
行い、シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィ(10% EtOAc/ヘキ
サン)で精製したところ、無色油状の23を72 mg (48%) を得た。[a]24 D : +6.9°
(c 1.16, CH2Cl2) ; IR (薄層) 2929, 1492, 1428, 1072 cm-1 ;1H-NMR (CDCl3)
d 7.82 (dd, J= 1.5, 7.9 Hz, 2H), 7.76 (dd, J = 1.2, 7.9 Hz, 2H), 7.49-7
.31 (m, 18H), 7.27-7.24 (m, 2H), 4.97-4.88 (m, 4H), 4.76 (d, J = 10.7 Hz
, 1 H), 4.75 (d, J = 11.3 Hz, 1 H), 4.37 (d, J = 7.6 Hz, 1 H), 3.99 (s,
2H), 3.83 (dd, J = 9.2, 9.5 Hz, 1 H), 3.71 (dd, J = 9.2, 9.2 Hz, 1 H), 3
.64 (s, 3H), 3.49 (dd, J = 7.9, 8.8 Hz, 1H), 3.41-3.39 (m, 1H), 1.12 (s,
9H) ; 13C-NMR (CDCl3) d 138.7, 138.4, 137.4, 136.1, 135.8, 135.0, 133.8
, 133.5, 133.3, 129.8, 129.5, 128.7, 128.6, 128.1, 128.0, 127.9, 127.8,
104.6, 84.8, 82.7, 77.9, 76.1, 75.8, 75.4, 74.1, 62.8, 56.9, 27.0, 26.8,
19.5 ; FAB MS m/z (M)+ : 計算値 759.2885, 測定値 759.2881。
【0298】 メチル2-O-ピバロイル-3,4,6-トリ-O-ベンジル-b-D-グルコピラノシド-(1→6)-3
,4-ジ-ベンジル-2-O-(4-クロロベンジル)-b-D-グルコピラノシド 24 グリコシル供与体17 (0.322 g, 0.429 mmol) 及び メチル 3,4-ジ-O-ベンジル
-2-O-(4-クロロベンジル)-b-D-グルコピラノシド (0.179 g, 0.358 mmol) を混
合して、トルエン(3 x 5 mL) と共沸して乾燥させ、減圧下で1時間おいた。こ
の混合物をCH2Cl2に溶解し、15分間-78℃ に冷却した。TMSOTf (79 mL, 0.43
mmol) を滴下して加えた。-78℃で10分間撹拌後、トリエチルアミン(100 mL)
を加えた。この溶液を室温まで温めて、窒素ガスを通気して溶媒を除去した。得
られた粗生成物をフラッシュシリカカラムクロマトグラフィ(20% EtOAc/ヘキサ
ン)で精製し、無色油状の24を0.296 g (82%) 得た。[a]24 D : +4.2°(c 0.36, C
H2Cl2) ; IR (薄層) 2909, 1740, 1452, 1070 cm-' ; 1H-NMR (CDC13) d 7.33-7
.23 (m, 27H), 7.16-7.13 (m, 2H), 5.10 (dd, J= 7.9, 9.5 Hz, 1H), 4.88-4.7
4 (m, 5H), 4.69-4.49 (m, 7H), 4.26 (d, J = 7.9 Hz, 1 H), 4.03 (dd, J = 1
.5, 11.6 Hz, 1 H), 3.77-3.50 (m, 12H), 3.37-3.33 (m, 2H), 1.12 (s, 9H) ;
13C-NMR (CDCl3) d 176.9, 138.7, 138.3, 138.1, 138.0, 137.1, 133.6, 129.
6, 128.7 (2 本), 128.6 (2 本), 128.3, 128.2, 128.1, 128.0, 127.9, 127.8
(2 本), 127.5, 104.4, 101.1, 84.7, 83.6, 82.3, 78.4, 78.0, 75.9, 75.6, 7
5.4, 75.2 (2 本), 74.0, 73.7, 73.1, 69.0, 67.6' 57.2, 29.9, 27.4 ; FAB M
S m/z (M++H) 計算値 1037.4219, 測定値 1037.4188。
【0299】 4-O-(4-メトキシベンジル)-6-O-トリイソプロピルシリル-D-アラビノ-hex-1-エ
ニトール 25 一般手順Bを、19 (0.15 g, 0.250 mmol)、 N-メチルアニリン (33 mL, 0.30 m
mol)、Pd2 (dba)3 (2.4 mg, 0.0026 mmol)、 (o-ビフェニル)P(t-Bu)2 (3.0 mg,
0.010 mmol) 及び NaOtBu (34.0 mg, 0.350 mmol)を用いて行い、シリカゲルを
用いたフラッシュカラムクロマトグラフィで精製したところ、黄色油状(15%EtOA
c/ヘキサン)のアミノ化生成物0.152 g (99%)を得た。アミノ化中間体(54.8 mg,
0.080 mmol)を一般手順Dを用いてZnCl2 (1.0 M Et2O溶液80 mL, 0.080 mmol)で
解離し、シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィ(20% EtOAc/ヘ
キサン)で精製したところ、無色油状の25を34.6 mg (97%)得た。[a]24 D: +11.4
°(c 0.59, CH2Cl2) ; IR (薄層) 3372, 2940, 2865, 1649, 1514 cm-1 ; 1H-NM
R (CDCl3) d 7.31 (d, J= 8.5 Hz, 2H), 6.89 (d, J= 8.5 Hz, 2H), 6.36 (dd,
J= 1.2, 6.1 Hz, 1H), 4.76-4.70 (m, 3H), 4.20-4.27 (m, 1H), 4.05 (d, J =
2.4 Hz, 2H), 3.86-3.84 (m, 1 H), 3.81 (s, 3H), 3.73-3.70 (m, 1 H), 2.17
(d, J = 5.8 Hz, 1H), 1.13-1.06 (m, 21H) ; 13C-NMR (CDCl3) d 159.6, 144.8
, 130.8, 129.8, 114.2, 102.2, 77.9, 76.9, 73.6, 68.4, 62.7, 55.5, 18.2,
18.1, 12.2 ; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算値 445.2386, 測定値 445.2396。
【0300】 メチル2-O-アセチル-3,4-ジ-ベンジル-b-D-グルコピラノシド 26 一般手順C を、20 (73.1 mg, 0.135 mmol)、モルホリン (14.1mL, 0.162 mmol
)、 Pd(OAc)2 (1.2 mg, 0.0054 mmol)、1-(N,N-ジメチルアミノ)-1'-(ジシクロ
ヘキシルホスフィノ)ビフェニル (5.4 mg, 0.0054 mmol) 及び K3PO4(40.0 mg,
0.189 mmol)を用いて12時間100℃で行ったところ、黄色油状物を得た。アミノ
化中間体を一般手順Dを用いてSnCl4 (1.0 M CH2Cl2溶液162mL, 0.162 mmol)で解
離し、シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィ(50% EtOAc/ヘキ
サン)で精製したところ、白色固体状の26を49.0 mg (87%) 得た。[a]24 D:-23.5
°(c 3.24, CH2Cl2) ; IR (薄層) 3474, 2879, 1747, 1234, 1082 cm-1 ; 1H-NM
R (CDCl3) d 7.37-7.26 (m, 10H), 5.00-4.92 (m, 1 H), 4.85 (d, J = 11.0 Hz
, 1 H), 4.83 (d, J = 11.9 Hz, 1 H), 4.69 (d, J = 11.0 Hz, 1 H), 4.67 (d,
J = 11.0 Hz, 1 H), 4.34 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 3.92-3.88 (m, 1H), 3.77-3.
69 (m, 3H), 3.49 (s, 3H), 3.42-3.40 (m, 1H), 1.98 (s, 3H) ; 13C-NMR (CDC
l3) d 169.8, 138.2, 137.9, 128.7, 128.6, 128.2, 128.1, 128.0, 127.9, 102
.1, 82.7, 77.7, 75.4, 75.3, 75.2, 73.2, 61.9, 57.1, 21.1 ; FAB MS m/z (M
+Na)+ : 計算値 439.1733, 測定値 439.1730.
【0301】 メチル2-O-ベンゾイル-3,4-ジ-O-ベンジル-b-D-グルコピラノシド 27 一般手順C を、21 (70.3 mg, 0.117 mmol)、モルホリン (12.2 mL, 0.140 mm
ol), Pd(OAc)2 (1.0 mg, 0.0046 mmol)、1-(N,N-ジメチルアミノ)-1'-(ジシクロヘキ
シルホスフィノ)ビフェニル(1.8 mg, 0.0046 mmol) 及び K3PO4(34.8 mg, 0.164
mmol)を用いて12時間100℃で行ったところ、黄色油状物を得た。アミノ化中
間体を一般手順D を用いてSnCl4 (1.0 M CH2Cl2溶液140 mL, 0.140 mmol) で解
離し、シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィ(50%EtOAc/ヘキサ
ン)で精製したところ、無色油状の27を44.0 mg (79%) 得た。[a]24 D :-28.1°(c
3.24, CH2Cl2) ; IR (薄層) 3454, 2878, 1726, 1269, 1086 cm-1 ; 1H-NMR (C
DCl3) d 8.04 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.59 (t, J = 8.5 Hz, 1 H), 7.387.32 (m
, 4H), 7.15 (s, 4H), 5.26 (dd, J = 8.2, 9.4 Hz, 1H), 4.88 (d, J = 11.0 H
z, 1H), 4.78 (d, J = 11.0 Hz, 1 H), 4.70 (d, J = 11.0 Hz, 1 H), 4.69 (d,
J =11.3 Hz, 1 H), 4.51 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 3.96-3.94 (m, 1 H), 3.88 (d
d, J = 9.2, 9.5 Hz, 1 H), 3.80-3.75 (m, 2H), 3.51-3.48 (m, 4H), 2.09-2.0
7 (m, 1H) ; 13C-NMR (CDCl3) d 165.4, 138.0, 137.9, 133.3, 130.0, 128.7,
128.6, 128.5, 128.3, 128.2, 127.9, 102.2, 82.7, 77.8, 75.5, 75.3, 73.9,
62.0, 57.2 ; FAB MS m/z (M+Na) + : 計算値 501.1890, 測定値 501.1888。
【0302】 メチル3, 4-ジ-O-ベンジル-2-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-b-D-グルコピラ
ノシド 28 一般手順C を、22 (0.123 g, 0.20 mmol)、N-メチルアニリン (26 mL, 0.24 m
mol)、Pd (OAc)2 (0.9 mg, 0.004 mmol)、 (o-ビフェニル)P(t-Bu)2 (2.4 mg, 0
.008 mmol) 及び NaOtBu (26.9 mg, 0.28 mmol) を用いて12時間室温で行い、
黄色油状物を得た。アミノ中間体を、一般手順Dを用いてZnCl2 (1.0 M Et2O溶液
240mL, 0.240 mmol)で解離し、シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグ
ラフィ(25% EtOAc/ヘキサン)で精製したところ、無色油状の28を78.2 mg (80%)
得た。[a]24 D :-28.8°(c 1.32, CH2Cl2); IR (薄層) 3475, 2954, 2855, 1071
cm-1 ; 1H-NMR (CDCl3) d 7.38-7.24 (m, 10H), 4.94 (d, J= 11.3 Hz, 1H), 4.
89 (d, J= 11.3 Hz, 1H), 4.82 (d, J= 11.0 Hz, 1H), 4.64 (d, J= 10.7 Hz, 1
H), 4.18 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 3.91-3.88 (m, 1H), 3.76-3.72 (m, 1H), 3.61
-3.49 (m, 6H), 3.42-3.38 (m, 1H), 2.04-2.02 (m, 1H), 0.92 (s, 9H), 0.13
(s, 3H), 0.09 (s, 3H) ; 13C-NMR (CDCl3) d 138.7, 138.1, 128.6, 128.4, 12
8.2, 128.1, 127.6, 127.5, 105.0, 85.7, 78.0, 75.7, 75.4, 75.2, 62.1, 57.
4, 26.1, 18.4, -4.1,-4.2 ; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算値 511.2492, 測定値
511.2492。
【0303】 メチル3,4-ジ-O-ベンジル-6-O-(tert-ブチルジフェニルシリル)-b-D-グルコピラ
ノシド 29 一般手順C を、23 (56.8 mg, 0.077 mmol)、 N-メチルアニリン (10 mL, 0.09
2 mmol)、 Pd (OAc)2 (0.7 mg, 0.003 mmol)、(o-ビフェニル)P(t-Bu)2(1.8 mg,
0.006 mmol) 及び NaOtBu (10.4 mg, 0.11 mmol)を用いて12時間室温で行っ
たところ、黄色油状物を得た。アミノ化中間体を 一般手順Dを用いてSnCl4 (1.0
MCH2Cl2溶液92 mL , 0.092 mmol)で解離し、シリカゲルを用いたフラッシュカ
ラムクロマトグラフィ(25% EtOAc/ヘキサン)で精製したところ、無色油状の29を
38.0 mg (81%) 得た。[a]24 D :-13.6°(c 6.02, CH2Cl2) ; IR (薄層) 3456, 30
70, 2930, 1113, 1055 cm-1 ;1H-NMR (CDC13) d 7.89 (dd, J = 0.6, 6.7 Hz, 2
H), 7.83 (dd, J = 0.9, 6.7 Hz, 2H), 7.547.33 (m, 16H), 5.07 (d, J= 11.3
Hz, 1H), 5.04 (d, J= 11.0 Hz, 1H), 5.01 (d, J= 11.0 Hz, 1H), 4.84 (d, J=
11.0 Hz, 1H), 4.32 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.10-4.04 (m, 2 H), 3.91 (dd, J
= 9.2, 9.2 Hz, 1 H), 3.76-3.67 (m, 5H), 3.51-3.46 (m, 1 H), 2.83 (br s,
1 H), 1.18 (s, 9H) ; 13C-NMR (CDCl3) d 138.9, 138.4, 136.2, 135.8, 133.
9, 133.3, 129.9, 128.8, 128.7, 128.3, 128.2, 128.0, 127.8, 103.8, 84.8,
77.7, 76.2, 75.6, 75.4, 75.0, 62.9, 56.9, 27.0, 19.6 ; FAB MS m/z (M+Na) + : 計算値 635.2805, 測定値 635.2804。
【0304】 メチル2-O-ピバロイル-3,4,6-トリ-O-ベンジル-b-D-グルコピラノシド-(1→6)-3
,4-ジ-O-ベンジル-b-D-グルコシド 30 一般手順Cを、メチル 2-O-ピバロイル- 3, 4, 6-トリ-O-ベンジル-b-D-グルコ
ピラノシド-(1→6)-3,4-ジ-O-ベンジル-2-O-(4-クロロベンジル)-b-D-グルコピ
ラノシド (0.202 g, 0.20 mmol), N-メチルアニリン (26 mL, 0.24 mmol)、Pd(O
Ac)2 (0.9 mg, 0.004 mmol)、(o-ビフェニル)P(t-Bu)2 (2.4 mg, 0.008 mmol)、
NaOtBu (27 mg, 0.280 mmol)を用いて16時間室温で行い、シリカゲルを用いた
フラッシュカラムクロマトグラフィ(10-20% EtOAc/ヘキサン)で精製したところ
、黄色油状のアミノ化生成物を0.193 g (89%)得た。アミノ化中間体(0.138 g, 0
.127 mmol)を、一般手順Dを用いてSnCl4 (0.13 mL 1.0 M ヘプタン溶液, 0.13 m
mol)で解離し、シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィ(35% EtO
Ac/ヘキサン)で精製したところ、白色固体状の30を0.112 g (99%)を得た。[a]24 D :-3.5°(c 0.40, CH2Cl2) ; IR (薄層) 3454, 2870, 1739, 1453, 1061 cm-1
; 1H-NMR (CDCl3) d 7.40-7.26 (m, 23H), 7.18-7.16 (m, 2H), 5.13 (dd, J =
8.2, 9.2 Hz, 1H), 4.93 (d, J= 11.6 Hz, 1H), 4.86 (d, J = 10.4 Hz, 2H), 4
.78 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 4.77 (d, J = 10.7 Hz, 1 H), 4.70 (d, J = 11.0
Hz, 1H), 4.63-4.61 (m, 3H), 4.55 (d, J= 10.7 Hz, 1H), 4.52 (d, J= 11.9 H
z, 1H), 4.17 (d, J = 7.6 Hz, 1 H), 4.06 (dd, J = 1.5, 11.6 Hz, 1H), 3.79
-3.75 (m, 4H), 3.69 (dd, J = 9.2, 9.2 Hz, 1 H), 3.61-3.50 (m, 7H), 3.43-
3.39 (m, 1 H), 2.40 (d, J = 2.1 Hz, 1 H), 1.22 (s, 9H) ; 13C-NMR (CDC13)
d 176.8, 138.7, 138.3, 138.2, 138.1, 138.0, 128.7, 128.6 (2 本), 128.5
(2 本), 128.2, 128.1, 128.0 (2 本), 127.9, 127.8 (2 本), 127.5, 103.4, 1
01.1, 84.5, 83.5, 78.1, 77.9, 75.8, 75.4, 75.3, 75.2, 75.1, 75.0, 74.7,
73.7, 73.0, 68.9, 67.5, 57.3, 39.0, 27.3 ; FAB MS m/z (M+Na)+ : 計算値 9
13.4139, 測定値 913.4118。
【0305】 引用による記載の編入 本出願に引用された特許及び出版物すべてを、ここに引用をもって本願明細書
の記載に代える。
【0306】 等価物 当業者であれば、ごく通常の実験を用いるのみで、ここに説明した本発明の特
定の実施態様の等価物を数多く認識し、又は確認できることであろう。このよう
な等価物は上述の特許請求の範囲の包含するところである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の保護基を1つ有する4種類のガラクトピラノシドの調製
方法を表す。
【図2】 本発明の保護基を1つ含む、オルトゴナルに保護されたD-グルカ
ールの調製方法を表す。
【図3】 本発明の保護基の、オルトゴナルに保護されたD-グルカールの調
製における使用方法と、グリコシル化剤としての使用方法を表す。
【図4】 本発明の保護基を、オルトゴナルに保護したD-グルカールから選
択的に除去する方法を表す。
【図5】 本発明の方法及び保護基を用いた3糖の合成方法を表す。
【図6】 ハロゲン化ベンジルエーテルをパラジウム触媒によりアミノ化し
た結果を表す。
【図7】 アミノ化ベンジルエーテルで保護した水酸基を脱保護した結果を
表す。
【図8】 例36に開示した各種化合物の合成方法を図式的に表す。
【図9】 例36に開示した各種化合物の合成方法を図式的に表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ブッシュワルド ステファン エル アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 02158 ニュートン ランカスター スト リート 25 (72)発明者 プラント オバディア ジェイ アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 01915 ビバリー キャボット ストリー ト 352 (72)発明者 シーバーガー ピーター エイチ アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 02142 ケンブリッジ #2−10エー メ モリアル ドライブ 100 Fターム(参考) 4C057 AA17 AA18 AA19 AA21 BB02 BB03 BB04 DD03 JJ20 JJ55 4H006 AA01 EA21

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般構造50 (但し式中、Xは Cl、Br、I、OTf、OTs、ONf、OMs を表し; Zは Cl、Br、又はIを表し ;そして Arは 選択的に置換される一個の単環式もしくは多環式のアリール又はヘテロ
    アリール基を表す(但しこの場合CH2X 及びZ はArの同じ芳香族環に結合してい
    る))で表される化合物。
  2. 【請求項2】 Arが選択的に置換されるフェニルを表す、請求項1に記載の化
    合物。
  3. 【請求項3】 Xが Cl又はBrを表す、請求項1に記載の化合物。
  4. 【請求項4】 Zが Cl又はBrを表す、請求項1に記載の化合物。
  5. 【請求項5】 Arが選択的に置換されるフェニルを表し ;そしてXがCl又はBr
    を表す、請求項1に記載の化合物。
  6. 【請求項6】 Arが選択的に置換されるフェニルを表し ; そしてZが Cl又はB
    rを表す、請求項1に記載の化合物。
  7. 【請求項7】 Arが選択的に置換されるフェニルを表し ; Xが Cl又はBrを表
    し ;そしてZが Cl又はBrを表す、請求項1に記載の化合物。
  8. 【請求項8】 スキーム51 (但し式中、XはCl、Br、I、OTf、OTs、ONf、OMsを表し ; Zは Cl、Br、又はI を表し; Arは選択的に置換される一個の単環式もしくは多環式のアリール又はヘテロア
    リール基を表し(但しこの場合、CH2X及びZ はArの同じ芳香族環に結合している
    ); Mは O、S、又はNRを表し ; Rはそれぞれの位置で独立にH、アルキル、アリール又はヘテロアリール を表
    し; Dはアルキル、アリール、ヘテロアリール、ピラノシル、フラノシル、アシル
    、又は(RO) 2P (O)-を表し ;そして 塩基は存在しないか、又は炭酸塩、重炭酸塩又は水素化物を表す) で示すように官能基を保護する方法。
  9. 【請求項9】 MがOを表す、請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 Dがピラノシル、フラノシル、アシル、又は(RO) 2P (O)-を
    表す、請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】 Mが Oを表し ;そしてDがピラノシル、フラノシル、アシル、
    又は (RO) 2P (O)-を表す、請求項8に記載の方法。
  12. 【請求項12】 塩基が水素化物を表す、請求項8に記載の方法。
  13. 【請求項13】 Arが選択的に置換されるフェニルを表す、請求項8に記載の
    方法。
  14. 【請求項14】 XがCl又はBrを表す、請求項8に記載の方法。
  15. 【請求項15】 ZがCl又はBrを表す、請求項8に記載の方法。
  16. 【請求項16】 Arが選択的に置換されるフェニルを表し ;そしてXがCl又はB
    rを表す、請求項8に記載の方法。
  17. 【請求項17】 Arが選択的に置換されるフェニルを表し ; そしてZがCl又は
    Brを表す、請求項8に記載の方法。
  18. 【請求項18】 Arが選択的に置換されるフェニルを表し ; Xが Cl又はBr を
    表し; そして Zが Cl又はBrを表す、請求項8に記載の方法。
  19. 【請求項19】 Arが選択的に置換されるフェニルを表し ; Xが Cl又はBrを
    表し ; Zが Cl又はBr を表し; Mが O を表し; そして Dがピラノシル、フラノシ
    ル、アシル、又は(RO) 2P (O)-を表す、請求項8に記載の方法。
  20. 【請求項20】 スキーム52 : (但し式中、Zは Cl、Br、又はI を表し; Arは選択的に置換される一個の単環式もしくは多環式のアリール又はヘテロア
    リール 基を表し(但しこの場合、CH2X 及び Z はArの同じ芳香族環に結合して
    いる); Mは O、S、又は NRを表し ; Gは O、S、又はNRを表し ; Rは それぞれの位置で独立に H、アルキル、アリール又はヘテロアリールを表
    し; Dはアルキル、アリール、ヘテロアリール、ピラノシル、フラノシル、アシル
    、又は (RO) 2P (O)-を表し; そして 塩基はアルコキシド、アミド、炭酸塩、又は水素化物を表す)で表されるよう
    に官能基を脱保護する方法。
  21. 【請求項21】 GがNRを表す、請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 Mが Oを表す、請求項20に記載の方法。
  23. 【請求項23】 Dがピラノシル、フラノシル、アシル、又は(RO) 2P (O)- を
    表す、請求項20に記載の方法。
  24. 【請求項24】 ルイス酸がシリルトリフレート、ハロゲン化亜鉛 (II)、ハ
    ロゲン化すず (IV)、又はハロゲン化チタン (IV)を表し;そして酸化剤が存在し
    ない、請求項20に記載の方法。
  25. 【請求項25】 ルイス酸がトリメチルシリルトリフレート、塩化亜鉛 (II)
    、塩化すず (IV) 、又は塩化チタン (IV)を表し;そして酸化剤が存在しない、
    請求項20に記載の方法。
  26. 【請求項26】 酸化剤がDDQ又はCANを表し ;そしてルイス酸が存在しない
    、請求項20に記載の方法。
  27. 【請求項27】 Gが NRを表し ; そして Mが Oを表す、請求項20に記載の
    方法。
  28. 【請求項28】 GがNRを表し ; Mが Oを表し ;そしてDが ピラノシル、フラ
    ノシル、アシル、又は(RO) 2P (O)-を表す、請求項20に記載の方法。
  29. 【請求項29】 GがNRを表し ; Mが O を表し; Dが ピラノシル、フラノシル
    、アシル、又は(RO) 2P (O)-を表し ; ルイス酸がシリルトリフレート、ハロゲ
    ン化亜鉛 (II)、ハロゲン化すず (IV)、又はハロゲン化チタン (IV)を表し;そ
    して酸化剤が存在しない、請求項20に記載の方法。
  30. 【請求項30】 GがNRを表し ; MがOを表し ; Dがピラノシル、フラノシル、
    アシル、又は(RO) 2P (O)-を表し ; ルイス酸がトリメチルシリルトリフレート
    、塩化亜鉛 (II)、塩化すず (IV)、又は塩化チタン (IV) を表し、そして酸化剤
    が存在しない、請求項20に記載の方法。
  31. 【請求項31】 Gが NRを表し ; MがOを表し ; Dが ピラノシル、フラノシル
    、アシル、又は(RO) 2P (O)-を表し; 酸化剤が DDQ又はCAN を表し; そしてルイ
    ス酸が存在しない、請求項20に記載の方法。
  32. 【請求項32】 一般構造53: (但し式中、Dはアルキル、アリール、ヘテロアリール、ピラノシル、フラノシ
    ル、アシル、又は(RO) 2P (O)を表し ; Mは O、S、又はNRを表し ; Zは Cl、Br、又はIを表し ;そして Arは 選択的に置換される一個の単環式もしくは多環式のアリール又はヘテロ
    アリール 基を表す(但しこの場合、CH2X 及びZ はArの同じ芳香族間に結合して
    いる))で表される化合物。
  33. 【請求項33】 Arが選択的に置換されるフェニルを表す、請求項32に記載
    の化合物。
  34. 【請求項34】 MがOを表す、請求項32に記載の化合物。
  35. 【請求項35】 Dがピラノシル、フラノシル、アシル、又は(RO)2 P (O)-を
    表す、請求項32に記載の化合物。
  36. 【請求項36】 ZがCl又はBrを表す、請求項32に記載の化合物。
  37. 【請求項37】 Arが選択的に置換されるフェニル を表し; そしてZがCl又は
    Brを表す、請求項32に記載の化合物。
  38. 【請求項38】 Arが選択的に置換されるフェニルを表し ; そしてMがOを表
    す、請求項32に記載の化合物。
  39. 【請求項39】 Arが選択的に置換されるフェニルを表し ; そしてDがピラノ
    シル、フラノシル、アシル、又は(RO) 2P (O)-を表す、請求項32に記載の化合
    物。
  40. 【請求項40】 Arが選択的に置換されるフェニルを表し ; ZがCl又はBrを表
    し ;そして MがOを表す、請求項32に記載の化合物。
  41. 【請求項41】 Arが選択的に置換されるフェニルを表し ; ZがCl又はBr を
    表し; MがOを表し ; そして Dがピラノシル、フラノシル、アシル、又は(RO)2 P
    (O)-を表す、請求項32に記載の化合物。
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