JP3393436B2 - 配線の形成方法 - Google Patents

配線の形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願の発明は、半導体装置の
製造に際して絶縁膜に凹部を形成しこの凹部を導電膜で
埋め込んで配線を形成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の高集積化のために、微細な
接続孔を導電膜で埋め込んで配線のプラグを形成する技
術が重要になっている。また、微細な配線及び平坦な層
間絶縁膜を簡便に形成するために、微細な溝を導電膜で
埋め込んで、この溝内の導電膜で配線自体を形成する技
術も考えられている。
【0003】これらの微細な接続孔や溝等の凹部を導電
膜で埋め込む技術の一つとして、Al−Cu膜やCu膜
等の導電膜をスパッタ堆積させた後、加熱処理でこれら
の膜をリフロー(流動化)させて凹部内に埋め込むリフ
ロー法がある。このリフロー法による埋め込み技術は、
従来から用いられているスパッタ成膜装置を利用できる
ことによる経済性や技術の安定性及び工程の簡便性等の
点で、CVD法による埋め込み技術よりも優れている。
【0004】図3は、リフロー法で溝に導電膜を埋め込
む場合の原理を示している。このリフロー法では、図3
(a)に示す様に、下地の層間絶縁膜11に溝12を形
成した後、TiN/Ti膜13をスパッタ法で形成し、
更に、比較的低温、例えば200℃程度に半導体基板を
加熱した状態でAl−Cu膜14をスパッタ法で形成す
る。
【0005】但し、TiN/Ti膜13の代わりにTi
膜またはTiN膜のみを形成する場合もある。その後、
図3(b)(c)に示す様に、Alの融点以下の高温、
例えば500℃程度に半導体基板を真空中で加熱しAl
−Cu膜14をリフローさせて、このAl−Cu膜14
で溝12を埋め込む。
【0006】このとき、図3(b)中の矢印で示す様
に、Al−Cu膜14の主に表面近傍のAl−Cuが溝
12の内部に向かって流動することによって、溝12が
次第に埋め込まれる。即ち、リフロー現象は表面拡散が
支配的であり、良好な埋め込みを行うためには、リフロ
ー前に、溝12等の内側面から底面の全面に亘ってある
程度以上の厚さでAl−Cu膜14が連続的に形成され
ている必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、スパッタ法
で形成した膜は段差被覆性が乏しいので、溝12等の開
口部でAl−Cu膜14が迫り出す所謂オーバハング現
象が生じる。このため、アスペクト比の高い溝12内に
も十分な厚さのAl−Cu膜14を形成しようとしてス
パッタを続けると、オーバハングが次第に大きくなり、
図4に示す様に、遂にはオーバハング部分同士が接触し
て繋がり、溝12等の内部にボイド15が残る。
【0008】この現象は、スパッタ時から既に生じてい
る場合もあれば、リフロー時にAl−Cuが移動して生
じる場合もある。しかし、上述の様にリフロー現象は表
面拡散が主体であるので、何れの場合でも、一旦ボイド
15が形成されてしまうと、その後に半導体基板を加熱
してもこのボイド15を消滅させることは困難である。
【0009】このため、スパッタ法とリフロー法との組
み合わせでは、溝12の場合は、従来は2程度のアスペ
クト比の溝12までしか安定的に埋め込むことができな
くて、信頼性の高い配線を形成することが困難であっ
た。なお、リフロー時にAl−Cuの全体が移動してボ
イド15が消滅する場合があるという報告もあるが、こ
の現象を再現性良く安定的に生じさせることは困難であ
る。
【0010】一方、オーバハング部分同士が繋がること
を防止するために、テーパ部つまり外方に向かって広が
る傾斜部を溝12等の開口部に設ける方法も考えられて
いる。しかし、テーパ部を設けると、テーパ部同士の間
隔に合わせて溝12等を形成する必要があるので、半導
体装置の集積度が低下するという別の問題が生じてい
た。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願の発明による配線の
形成方法は、外方に向かって広がる傾斜部を開口部に有
する凹部を絶縁膜に形成する工程と、導電膜を前記絶縁
膜上に堆積させて前記凹部内に埋め込む工程と、前記傾
斜部の下端部まで前記導電膜及び前記絶縁膜を除去する
工程とを具備することを特徴としている。
【0012】本願の発明による配線の形成方法は、化学
的機械的研磨によって前記除去を行ってもよい
【0013】願の発明による配線の形成方法では、外
方に向かって広がる傾斜部を凹部の開口部に設けている
ので、凹部のアスペクト比が高くても、凹部を導電膜で
埋め込む際に凹部上における導電膜のオーバハングを抑
制することができて、凹部内にボイドを発生させること
なくこの凹部を導電膜で良好に埋め込むことができる。
【0014】しかも、導電膜を凹部内に埋め込んだ後、
傾斜部の下端部まで導電膜及び絶縁膜を除去しているの
で、傾斜部の下端部よりも下方の凹部同士の間隔が導電
膜同士の間隔になり、傾斜部の上端部同士の間隔に合わ
せて凹部を形成する必要がない
【0015】
【発明の実施の形態】下、溝を導電膜で埋め込んで配
線を形成する場合に適用した本願の発明の実施形態
び一参考形態を、図1、2を参照しながら説明する。図
1が、実施形態を示している。この実施形態では、図1
(a)に示す様に、半導体基板(図示せず)に素子を形
成した後、厚さ1μmの層間絶縁膜11を半導体基板上
に形成する。
【0016】そして、後に溝のテーパ部を形成する際の
プラズマエッチングの加工安定性を向上させるために、
下記の条件で層間絶縁膜11の表面にイオン注入を行っ
た後、配線の反転パターンのレジスト16をフォトリソ
グラフィで層間絶縁膜11上に形成する。但し、下記の
条件のイオン注入は必ずしも必要ではない。
【0017】イオン注入の条件 イオン種:P+ 加速エネルギー:25keV ドーズ量:1×1014/cm2
【0018】次に、図1(b)に示す様に、レジスト1
6をマスクにした下記の条件の等方性プラズマエッチン
グによって、形成すべき溝の開口部におけるテーパ部1
2aを層間絶縁膜11に形成する。そして、図1(c)
に示す様に、レジスト16をマスクにした異方性エッチ
ングによって、幅が0.4μmでありテーパ部12aを
除いた深さが0.6μmである溝12を形成した後、レ
ジスト16を除去する。
【0019】等方性プラズマエッチングの条件 ガス:CF4/O2/Ar=50/5/45sccm 圧力:100Pa 電力:300W 半導体基板温度:60℃ 時間:100秒
【0020】次に、図1(d)に示す様に、下記の条件
の直流マグネトロンスパッタ法で、厚さが夫々20nm
及び50nmであるTi膜及びTiN膜から成るTiN
/Ti膜13と、厚さが1.5μmであるAl−Cu膜
14とを順次に形成する。
【0021】Ti膜の形成条件 直流電力:6kW 使用ガス:Ar=100sccm 圧力:0.4Pa 温度:200℃
【0022】TiN膜の形成条件 直流電力:12kW 使用ガス:Ar/N2=20/70sccm 圧力:0.4Pa 温度:200℃
【0023】Al−Cu膜の形成条件 直流電力:15kW 使用ガス:Ar=100sccm 圧力:0.4Pa 温度:200℃
【0024】なお、TiN/Ti膜13の代わりに、T
i膜、TiN膜等の単層膜やTi/TiN/Ti膜等の
積層膜を形成してもよい。また、TiN/Ti膜13中
のTiN膜の代わりに、TiW膜、W膜またはこれらの
積層膜を形成してもよい。更に、Al−Cu膜14の代
わりに、Al−Si膜、Al−Si−Cu膜、Al−G
e膜等のAl合金膜や純粋なAl膜を形成してもよく、
また、Al系膜以外にAg膜、Cu膜、Cu−Zr膜等
を形成してもよい。
【0025】次に、図1(e)に示す様に、下記の条件
で半導体基板を裏面からガスで加熱してAl−Cu膜1
4をリフローさせて、このAl−Cu膜14を溝12内
に埋め込む。なお、一連のリフロー処理は、途中の半導
体基板の搬送も含めて、高真空中で行う。
【0026】リフローの条件 温度:500℃ 時間:1分 ガス:Ar 半導体基板の裏面に対するガスの圧力:1000Pa
【0027】次に、図1(f)に示す様に、下記の条件
の化学的機械的研磨によって、テーパ部12aの下端部
までAl−Cu膜14、TiN/Ti膜13及び層間絶
縁膜11を除去する。
【0028】化学的機械的研磨の条件 研磨圧力:100g/cm2 回転数:定盤30rpm、研磨ヘッド30rpm 研磨パッド:SUBAIV(ロデール社の商品名) スラリー:NH4OHベース(フュームドシリカ含有) 流量:100cc/分 温度:25〜30℃
【0029】以上の様な実施形態では、溝12にテーパ
部12aを設けているので、図1(d)からも明らかな
様に、溝12のアスペクト比が高くても、Al−Cu膜
14の堆積に際して溝12上におけるAl−Cu膜14
のオーバハングを抑制することができ、この結果、図1
(e)からも明らかな様に、溝12内にボイドを発生さ
せることなく溝12をAl−Cu膜14で良好に埋め込
むことができる。
【0030】しかも、図1(f)に示した様に、Al−
Cu膜14を溝12内に埋め込んだ後、テーパ部12a
の下端部までAl−Cu膜14、TiN/Ti膜13及
び層間絶縁膜11を除去しているので、テーパ部12a
の下端部よりも下方の溝12同士の間隔がAl−Cu膜
14同士の間隔になり、テーパ部12aの上端部同士の
間隔に合わせて溝12を形成する必要がない。
【0031】図2が、参考形態を示している。この参考
形態では、図2(a)に示す様に、半導体基板(図示せ
ず)に素子を形成した後、層間絶縁膜11を半導体基板
上に形成し、フォトリソグラフィ及びRIEによって、
配線のパターンで幅が0.4μmであり深さが0.6μ
mである溝12を形成する。
【0032】次に、図2(b)に示す様に、上述の実
形態と同様の条件の直流マグネトロンスパッタ法で、厚
さが夫々20nm及び50nmであるTi膜及びTiN
膜から成るTiN/Ti膜13と、厚さが800nmで
あるAl−Cu膜14とを順次に形成する。
【0033】この参考形態では、Al−Cu膜14が実
施形態の場合よりも薄いので、Al−Cu膜14のオー
バハング部分同士が繋がってはいないが、条件によって
はAl−Cu膜14のオーバハング部分同士が繋がって
溝12内にボイドが形成される場合もある。
【0034】次に、図2(c)に示す様に、下記の条件
のスパッタエッチングで、Al−Cu膜14をその厚さ
の途中までエッチングする。この場合、Al−Cu膜1
4のうちでオーバハング部分が溝12内の部分よりも優
先的にエッチングされるので、結果的に、Al−Cu膜
14のオーバハングが抑制される。なお、このエッチン
グは、高真空中で行う。
【0035】スパッタエッチングの条件 プラズマ方式:誘導結合プラズマ ガス:Ar=50sccm 圧力:0.4Pa コイル高周波電力:500W 半導体基板高周波電力:300W 半導体基板バイアス:250V 時間:1分
【0036】次に、図2(d)に示す様に、厚さが20
0nmのAl−Cu膜14を再び形成する。なお、この
Al−Cu膜14は必ずしも形成する必要はない。その
後、図2(e)に示す様に、上述の実施形態の場合と同
様の条件で、Al−Cu膜14をリフローさせて溝12
内に埋め込み、更に、層間絶縁膜11の表面上のAl−
Cu膜14及びTiN/Ti膜13を化学的機械的研磨
で除去する。
【0037】なお、以上の実施形態及び参考形態は溝を
導電膜で埋め込んで配線を形成する場合に本願の発明を
適用したものであるが、溝を導電膜で埋め込んで配線用
のプラグを形成する場合にも本願の発明を適用すること
ができる。その場合、図2に示した参考形態では、リフ
ローさせたAl−Cu膜14及びその下層のTiN/T
i膜13を、化学的機械的研磨で除去せずに、配線用の
通常の導電膜として使用することもできる。
【0038】
【発明の効果】本願の発明による配線の形成方法では、
凹部のアスペクト比が高くても、凹部内にボイドを発生
させることなくこの凹部を導電膜で良好に埋め込むこと
ができ、しかも、外方に向かって広がる傾斜部を凹部の
開口部に設けているが、傾斜部の上端部同士の間隔に合
わせて凹部を形成する必要がないので、半導体装置の集
積度を低下させることなく、信頼性の高い配線を形成す
ることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】願の発明の実施形態を工程順に示す側断面
図である。
【図2】本願の発明の一参考形態を工程順に示す側断面
図である。
【図3】リフロー法で溝に導電膜を埋め込む場合の原理
を工程順に示す側断面図である。
【図4】本願の発明の従来例における課題を説明するた
めの側断面図である。
【符号の説明】
11 層間絶縁膜(絶縁膜) 12 溝(凹部) 12a テーパ部(傾斜部) 13 TiN/Ti
膜(導電膜) 14 Al−Cu膜(導電膜)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外方に向かって広がる傾斜部を開口部に
    有する凹部を絶縁膜に形成する工程と、 導電膜を前記絶縁膜上に堆積させて前記凹部内に埋め込
    む工程と、 前記傾斜部の下端部まで前記導電膜及び前記絶縁膜を除
    去する工程とを具備することを特徴とする配線の形成方
    法。
  2. 【請求項2】 化学的機械的研磨によって前記除去を行
    うことを特徴とする請求項1記載の配線の形成方法。
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