JP3392392B2 - コンクリート型枠の剥離工具および剥離方法 - Google Patents

コンクリート型枠の剥離工具および剥離方法

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JP3392392B2 JP2000121922A JP2000121922A JP3392392B2 JP 3392392 B2 JP3392392 B2 JP 3392392B2 JP 2000121922 A JP2000121922 A JP 2000121922A JP 2000121922 A JP2000121922 A JP 2000121922A JP 3392392 B2 JP3392392 B2 JP 3392392B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】請求項に係る発明は、コンク
リートの打設時に使用される型枠をのちにコンクリート
面から引き剥がす場合に使用される剥離工具、およびそ
の剥離工具を使用する型枠の剥離方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】コンクリート型枠を使用したコンクリー
トの施工は、一般的にはつぎのようにして行われてい
る。まず、図5(b)のように、堰板F1と桟木F2と
からなる型枠Fを、棒状のセパレータ50等を用い、コ
ンクリートCの打設スペースを形成するように組み立て
る。すなわち、セパレータ50の両端にそれぞれコーン
部材51を取り付け、各コーン部材51に一体的に設け
たボルト52を各堰板F1の穴を貫通させて外方に突出
させ、その突出部分にフォームタイ(登録商標)53を
螺合し、また、桟木F2に棒材55を沿わせた状態でフ
ォームタイ53に挿入した締結金具56を締め付ける
(図4を参照)。棒材55および桟木F2を介して型枠
Fを外方から内方に押圧する一方で、コーン部材51に
て内方の位置を定めることにより、左右の型枠Fを所定
の間隔に保持するのである。コーン部材51に代えて図
5(a)のように他の形状のカップ51’がセパレータ
50’とともに使用されることもある。そしてコンクリ
ートの打設作業は、図5のように保持した左右の型枠F
の間にコンクリートCを流し込むことによって行われ
る。
【0003】そのコンクリートCが硬化すると、型枠F
の解体作業、すなわちコンクリートCから型枠Fを引き
剥がす作業が行われる。最初に、締結金具56や棒材5
5、フォームタイ53、コーン部材51などをセパレー
タ50から取り外し、あるいは、コーン部材51やカッ
プ51’から突出しているセパレータ50・50’の両
端部を折って取り除く。次いで、型枠Fの周囲において
堰板F1とコンクリート面C1との間にバールなどを差
し込み、てこのようにそのバール等を使用して型枠Fを
コンクリート面C1から引き剥がす。
【0004】型枠をコンクリート面から引き剥がすため
の他の手段として、図6の例、すなわち実開昭57−5
6940号公報に記載されたものもある。この例は、コ
ンクリートDに窪みを形成するボックス状の型枠Gにつ
いてのもので、型枠Gの一部に穴G3をあけ、コンクリ
ートD寄りの側からその穴G3をキャップ25で塞ぐと
ともに、穴G3に中心線を合わせてコンクリートDと反
対の側から型枠Gにナット24を固着しておく。コンク
リートDを打設してそれが硬化すると、図のようにナッ
ト24にボルト22を挿し通し、ヘッド22bを回すこ
とによってボルト22の先をナット24から突出させて
コンクリート面に押し付ける。ボルト22がコンクリー
ト面に押し付けられるときの反力がナット24に作用
し、その力が型枠Gに伝達されるために、型枠Gはコン
クリートDから引き剥がされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】バールを用いて型枠を
コンクリートから引き剥がす場合は、型枠およびコンク
リートの双方に損傷を生じやすい。その結果、型枠を繰
り返し使用できる回数が少なくなるので、コンクリート
の施工コストが上昇しがちである。そのような引き剥が
し作業には多大な労力がかかり、作業者に過剰な負担を
かけるという不都合もある。
【0006】一方、図6のような型枠をボルトを使用し
てコンクリート面から引き剥がす場合には、バールを使
用する場合に比べると型枠の引き剥がしに要する労力が
軽減されるものの、つぎのような点ではまだ改善の余地
がある。すなわち、イ ) ボルトがコンクリート面を押すことによる反力が、
型枠のうちナットを固着された狭い範囲の部分に集中す
る。したがって、型枠が頑丈な構造のものでなければ、
コンクリートからの引き剥がしの際にナットの周辺で型
枠が破損しやすい。平板状のものなど面積の大きな型枠
においては、とくにその可能性が高くなるため、特別な
配慮が必要である。
【0007】ロ) 上記の反力を型枠に伝えるためには、
ナットと型枠との固着強度が十分に高くなければならな
い。したがって、型枠を金属製にしてナットを溶接で取
り付けるか、または、型枠が一般的な木製のものであれ
ば型枠・ナット間に特殊な固着方法を採用するかしなけ
ればならない。
【0008】ハ) 未硬化のコンクリートが型枠の穴から
ナットの雌ねじ部分に浸入することがないよう、コンク
リートの打設前に上述のようにキャップ(図6中の符号
25)を取り付けておく必要がある。すなわち、穴ごと
に逐一このキャップを取り付けるという、面倒な準備作
業が必要になる。
【0009】請求項の発明は、かかる点に鑑みてなした
ものであり、コンクリートから型枠を引き剥がす際に型
枠とコンクリートを共に損傷せず、かつ、引き剥がし作
業を少ない労力で簡単に行うことができる剥離工具およ
び剥離方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載したコン
クリート型枠の剥離工具は、 ・コンクリート型枠に取り付けられ、その型枠を硬化後
のコンクリート面から引き剥がすための剥離工具であっ
て、 ・コンクリート面上に押し付けられる円盤形状の頭部
(2a)が一端側に形成され、他端側には回転工具
(6)が係合される工具係合部(工具を掛けまたは連結
する部分)(2b)が設けられ、それらの間に雄ねじ部
(2c)が形成された突出部材(2)を備えるととも
に、 ・突出部材(2)の頭部(2a)がコンクリート面上に
押し付けられるときの反力を型枠に伝えるために、上記
突出部材(2)の雄ねじ部(2c)と螺合する雌ねじ
(4c)が内側に形成され、この雌ねじ(4c)を除く
残りの箇所には雌ねじ(4c)よりも口径の大きい回転
工具挿入口(4d)が形成されていて上記型枠内に挿入
され得る筒状の胴部(4a)と、この胴部(4a)の一
端からその径方向外方に張り出し使用時にはコンクリー
ト面と型枠との間に位置する張出し部(4b)とを有す
る反力伝達部材(4)を備え、 ・反力伝達部材(4)の張出し部(4b)は全体が略円
板形で、断面円弧状に中央が盛り上がるように形成され
て中央部より外周側に向かうに従って薄肉になってお
り、この張出し部(4b)の中央には上記突出部材
(2)の頭部(2a)が密に収容される収容凹部(4
e)が形成され、 ・上記突出部材(2)の頭部(2a)が雄ねじ部(2
c)の外径(ねじの径)を超える径方向寸法を有してい
て、突出部材(2)が反力伝達部材(4)から突出しな
い状態(つまりコンクリート面に頭部を押し付ける前の
状態)にあるとき、その頭部(2a)が反力伝達部材
(4)の雌ねじ(4c)の端部を密に塞ぐとともに、回
転工具挿入口(4d)の深さは、突出部材(2)の頭部
(2a)を反力伝達部材(4)から突出させないように
したとき、突出部材(2)の雄ねじ部(2c)を回転工
具挿入口(4d)が完全に覆い得るようにし、 ・反力伝達部材(4)のうち張出し部(4b)の側に突
出部材(2)の頭部(2a)が位置するように、上記雌
ねじ(4c)と上記雄ねじ部(2c)との結合によって
両部材が組み付けられていることを特徴とする。
【0011】反力伝達部材と突出部材とが組み付けられ
てなるこの剥離工具を、張出し部および頭部がコンクリ
ート側に位置するようにして胴部を型枠に挿入すること
により型枠に取り付けておけば、コンクリートが硬化し
たのち、突出部材を回転させることのみによって型枠を
容易にコンクリート面から引き剥がすことができる。す
なわち、コンクリートの硬化後、工具係合部を利用して
突出部材を回転させると、結合している雌ねじおよび雄
ねじ部の作用によりその突出部材が反力伝達部材から次
第に突出し、その頭部をコンクリート面上に押し付け
る。反力伝達部材は、この押し付けの際に受ける反力に
基づき、突出部材の突出向きとは逆の向きに型枠を押す
ので、コンクリート面から強制的に型枠を引き剥がす。
以上の作用により、従来のようにバールを使用する場合
に比べると型枠の引き剥がしに要する労力を大幅に軽減
でき、また型枠とコンクリート面とのいずれをも傷付け
ることがなくなる。
【0012】しかも、このような引き剥がしに関して、 a) 突出部材がコンクリート面に押し付けられるとき、
型枠に対してコンクリート側の面からその反対側へと作
用する反力は、反力伝達部材の張出し部により型枠の広
い面積に分散されて作用するため、型枠の損傷が極めて
容易に防止される。
【0013】b) 反力伝達部材は、コンクリートを打設
される側から筒状の胴部を挿入することにより、型枠に
対して簡単に取り付けられる。そうして取り付けられた
状態では、型枠のうちコンクリート側の面の外側で反力
伝達部材の張出し部が広がっていることになるため、溶
接等によって反力伝達部材を強く型枠に固着しておかな
くとも、反力の作用時に反力伝達部材が型枠から外れて
しまう恐れがない。そのため、型枠の材質が何であって
も、また型枠・ナット間に特殊な固着方法を採用しなく
ても、コンクリート面からの型枠の引き剥がしを円滑に
行える。
【0014】c) 型枠のうちコンクリート側の面上には
上記のとおり張出し部が広がっていることになるが、そ
れによってコンクリート面にできる窪みは浅く、したが
ってその補修は容易である。張出し部は、内側に雌ねじ
を有する筒状の胴部のうちコンクリート面寄りの端部に
のみ一体化されているものであり、コンクリート面の窪
みの深さとなるその張出し部の厚みは、胴部の全長に比
べて十分に薄いからである。
【0015】d) コンクリート面に生じる凹みをできる
だけ浅くするとともに反力伝達部材の張出し部に十分な
強度をもたせることが可能である。張出し部の形状に関
し、反力に基づく応力が周方向には偏在しにくい円盤状
のものにしたこと、応力の集中が少ない外周に近い部分
を薄くすることによって無駄な厚みを省くようにしたこ
と、および、応力が集中しやすい中央付近を厚くするこ
とによって反力に抗する強度を与えやすくしたこと
がその理由である。
【0016】e) コンクリートの打設前に図6のように
キャップ(符号25)等を取り付けておかなくとも、突
出部材の雄ねじ部や反力伝達部材の雌ねじの部分に未硬
化のコンクリートが浸入・付着することがない。コンク
リートの打設時に、突出部材が反力伝達部材から突出し
ない状態にしておけば、雄ねじ部よりも径方向寸法の大
きい頭部が蓋の役目を果たし、雌ねじの端部を密に塞ぐ
からである。ねじの部分にコンクリートが侵入しないな
ら、突出部材の動きがつねに円滑に保たれ、剥離工具の
長期間の使用が可能である。
【0017】請求項2に記載したコンクリート型枠の剥
離工具は、さらに、 ・上記の張出し部(4b)は、最外周部の厚さを2mm
とし中央部の厚さが5mmとしたことを特徴とする。
【0018】この剥離工具によれば、上述の作用に加え
て、f) このような厚さ分布にすることにより、堰板を押圧
しても破損・変形することがないよう張出し部(4b)
の強度を十分に保つことができ、また、コンクリート打
設時に張出し部(4b)がコンクリート面と型枠との間
に位置するがためにコンクリート面に生じる凹みを極力
浅くすることができ、都合がよい。
【0019】請求項4に記載したコンクリート型枠の剥
離方法は、 ・上記したいずれかの剥離工具を、突出部材が反力伝達
部材から突出しない状態にし、反力伝達部材の張出し部
が上記型枠のうちコンクリート側の面に接するようにし
てコンクリート打設前の上記型枠に装着し、 ・打設されたコンクリートが硬化したのち、当該剥離工
具における突出部材の雄ねじ部を回転させて突出部材の
頭部をコンクリート面上に押し付けることによりコンク
リート面から型枠を引き剥すことを特徴とする。なお、
突出部材の雄ねじ部を回転させるためには、たとえば自
動回転工具(電動機やエア等によって回転駆動されるも
の)の先にスパナを付け、そのスパナを突出部材の工具
係合部に掛けて回せばよい。
【0020】請求項4の方法にしたがえば、上に述べた
剥離工具の作用を適切に発揮させ、コンクリート面から
の型枠の引き剥がしを少ない労力により円滑に行うこと
ができる。型枠およびコンクリート面のいずれをも傷付
ける恐れがないので、型枠を長く繰り返し使用できるな
ど、コンクリートの施工コストも低減される。自動回転
工具とスパナとを上記のように使用すれば、工事の進行
をさらに能率化することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】図面に基づき、発明の実施例を紹
介する。図1は発明による剥離工具1を示す図であっ
て、図1(a)は平面図、同(b)は同(a)のb−b
断面図である。図2は、剥離工具1の使用状態を示すも
ので、図4におけるII−II断面図である。図3は、同じ
く使用状態を示す断面図であり、剥離工具1によって型
枠FをコンクリートCから引き剥がす要領を示す。また
図4は、引き剥がされる前の型枠Fの配置状態を示す正
面図である。
【0022】図4および図2において、Fは木製の型枠
であり、平板状の堰板F1と、各堰板F1を連結して格
子状に設けられた桟木F2とからなる。図2中の符号C
は、型枠F内に打設されたコンクリート、C1は型枠F
の堰板F1等に接するコンクリート面である。コンクリ
ートCの打設スペースは、図4や、図5に示す従来どお
りの形態にしたがい、複数の型枠Fを対向配置するとと
もに、多数箇所に用いるセパレータ50等によってそれ
ら型枠Fを間隔をおいて保持することにより形成されて
いる。図4に表れる一枚の型枠Fの大きさは、幅600
mm×高さ1800mmで、上下に連なる複数の型枠F
はクギ等によって連結されている。そのように連結され
た複数の型枠Fのうち、最下段の型枠Fにおける堰板F
1の下部中央(最下部の土間から150mmの高さ)
に、発明の剥離工具1が取り付けられる。
【0023】剥離工具1は鋼製の組工具であり、図1
(a)・(b)に示すように、コンクリート面C1へ押
し付けられる突出部材2と、この突出部材2の押付力の
反力を受けて型枠Fをコンクリート面C1から引き剥が
す反力伝達部材4とを備えている。
【0024】上記の突出部材2は、その一端側にコンク
リート面C1に当接する円盤形状の頭部2aが形成さ
れ、他端側には、後述のスパナ6が係合される断面方形
の工具係合部2bが設けられ、それらの間に雄ねじ部2
cが形成されている。頭部2aは雄ねじ部2cよりも若
干(直径にして約2mm)太径になるように設定されて
いる。
【0025】一方、反力伝達部材4は、略円筒状の胴部
4aと、この胴部4aの一端からその径方向外方に張り
出して形成されていて使用時にはコンクリート面C1と
型枠Fとの間に位置する張出し部4bとを有する。胴部
4aのうち張出し部4bに近い側には、突出部材2の雄
ねじ部2cと螺合する雌ねじ4cが内側に形成され、こ
の雌ねじ4cを除く残りの箇所には、雌ねじ4cよりも
口径の大きい回転工具挿入孔4dが形成されている。こ
の挿入口4dの深さは、突出部材2を反力伝達部材4か
ら突出させないよう(つまり図2の状態)にしたとき、
突出部材2の雄ねじ部2cを挿入口4dが完全に覆い得
るように定められている。また張出し部4bは、全体が
略円板形のもので、型枠Fの堰板F1と当接する側は受
圧面となるので平面状に形成(ただし、突出部材2を回
転駆動するとき反力伝達部材4が連れ回りを起こすのを
防ぐべく凹凸のある面に仕上げるのがよい)される一
方、コンクリートCとの当接側の面は円弧状に中央が盛
り上がるように形成されている。これにより、張出し部
4bは、外周側に向かうに従って薄肉になる厚さ分布を
有するものとなっている。具体的には、最外周部の厚さ
が2mmで中央部の厚さは5mmである。このような厚
さ分布にすることにより、堰板F1を押圧しても破損・
変形することがないよう張出し部4bの強度を十分に保
つことができ、また、コンクリート打設時に張出し部4
bがコンクリート面C1と型枠Fとの間に位置するがた
めにコンクリート面C1に生じる凹みC3を極力浅くす
ることができ、都合がよい。さらに、この張出し部4b
の中央には、突出部材2の頭部2aが密に収容される収
容凹部4eが形成されている。なお、反力伝達部材4
は、鋼管と鋼板とを溶接によって一体化したのち機械加
工することにより仕上げた部品である。
【0026】図1の剥離工具1を用いてコンクリート面
C1から型枠Fを剥離する作業は、次の手順によって行
われる。すなわち、 1) コンクリートCを型枠F内に打設する前に、図4の
ように、最下段の型枠Fにおける堰板F1の下部中央に
剥離工具1をそれぞれ取り付ける。この取り付けに際し
ては、図2に示したように、堰板F1に対して厚さ方向
に予め形成した貫通穴F3内に、反力伝達部材4の張出
し部4bがコンクリート側に位置するように、胴部4a
から反力伝達部材4を挿入する。その際、突出部材2の
雄ねじ部2cを反力伝達部材4の雌ねじ4cに螺合し
て、頭部2aが反力伝達部材4の収容凹部4eに収容さ
れるようにしておく。このようにしておけば、頭部2a
が張出し部4aの中央において蓋の役目を果たし、コン
クリート打設時に雌ねじ4cや雄ねじ部2cにモルタル
が侵入することがなく、その後も剥離作業が円滑に行え
る。
【0027】2) コンクリートの打設後、コンクリート
が十分に硬化した時点で、図5に示すフォームタイ53
・締結金具56・棒材55などを取り外し、さらに、図
3に示すように自動回転工具である電動ドリル8とそれ
に付けたスパナ6を用いて突出部材2を回転させ、ねじ
の作用で頭部2aを突出させてコンクリート面C1に押
し付ける。なお、スパナ6は、先細りの一端側にドリル
8への取付部6aが、他端側に四角形状の挿着凹部6b
がそれぞれ形成されている。このスパナ6のドリル取付
部6aに電動ドリル8を取り付け固定するとともに、他
方の挿着凹部6bを反力伝達部材4の回転工具挿入孔4
d内に挿入して突出部材2の工具係合部2bに係合させ
る。そして、電動ドリル8でスパナ6を回転駆動するこ
とにより突出部材2をコンクリート面C1に向けてねじ
込む。
【0028】3) 電動ドリル8の回転駆動を続けると、
突出部材2は反力伝達部材4からの突出量を増すが、頭
部2aをコンクリート面C1に押し付けていて前進がで
きないため、その反力を受けた反力伝達部材4が逆に型
枠Fの背後側(桟木F2の側)に向かって後退する。こ
のとき、反力伝達部材4の張出し部4bが型枠Fの堰板
F1を押圧して背後側へ押し動かすので、電動ドリル8
の回転とともに型枠Fが、図3のようにコンクリート面
C1から強制的に引き剥がされることになる。突出部材
2からの反力を受けて反力伝達部材4が堰板F1を押す
力は、張出し部4bによって堰板F1の広い面積に分散
されるため、型枠Fがこのときに損傷等する可能性は極
めて低い。
【0029】4) 上記のようにして最下部の型枠Fをコ
ンクリート面C1から剥がすとき、クギ等にて連結され
た上下に連なる複数の型枠F(図4参照)も同時に引き
剥がされる。剥離工具1の張出し部4bがコンクリート
面C1と型枠Fとの間にあったことによりコンクリート
面C1に形成される凹みC3は、型枠Fの取り外された
後、化粧モルタルで埋めて平坦面になるように仕上げる
とよい。前述のように凹みC3が浅いため、その仕上げ
作業も簡単である。
【0030】
【発明の効果】請求項1に記載したコンクリート型枠の
剥離工具によれば、バールを使用する場合に比べて型枠
の引き剥がしに要する労力を大幅に軽減でき、また型枠
・コンクリート面のいずれをも傷付けることがなくな
る。しかも、引き剥がしのための力が反力伝達部材の張
出し部を介し広い面積に分散されて型枠に伝わるため、
型枠の損傷が防止されるほか、溶接等によって反力伝達
部材を強く型枠に固着しておく必要がない。また、雌ね
じを有する胴部の長さに比べて張出し部の厚みが薄いた
め、コンクリート面にできる窪みが浅くて補修容易であ
る、といったメリットもある。
【0031】また、コンクリートの打設前に特殊なキャ
ップ類を取り付けておかなくとも、ねじ部にコンクリー
トが付着するのが防止され、剥離工具の長期間の円滑な
使用が可能である。
【0032】請求項2に記載の剥離工具によれば、さら
に、反力伝達部材の張出し部に十分な強度をもたせなが
ら、コンクリート面に生じる凹みをできるだけ浅くする
ことが可能である。
【0033】請求項4に記載の剥離方法によれば、上記
した剥離工具の作用を適切に発揮させ、コンクリート面
からの型枠の引き剥がしを少ない労力で円滑に行うこと
ができる。またその結果、型枠を長く繰り返し使用でき
てコンクリートの施工コストを低減できるといった利点
もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明による剥離工具1を示す図であって、図1
(a)は平面図、同(b)は同(a)におけるb−b断
面図である。
【図2】剥離工具1の使用状態を示す図で、図4におけ
るII−II断面図である。
【図3】剥離工具1の使用状態を示す断面図であって、
剥離工具1にて型枠FをコンクリートCから引き剥がす
要領を示す。
【図4】引き剥がされる前の複数の型枠Fの配置を示す
正面図である。
【図5】コンクリート打設時の型枠Fの一般的な組立て
状態を示す図であって、図4におけるV−V断面図であ
る。
【図6】バールを用いずに型枠を剥離するための従来の
手段を示す断面図である。
【符号の説明】
1 剥離工具 2 突出部材 2a 頭部 2b 工具係合部 2c 雄ねじ部 4 反力伝達部材 4a 胴部 4b 張出し部 4c 雌ねじ 4e 凹部(収容凹部) 6 スパナ 8 電動ドリル F 型枠(コンクリート型枠) C コンクリート C1 コンクリート面

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート型枠に取り付けられ、その
    型枠を硬化後のコンクリート面から引き剥がすための剥
    離工具であって、 コンクリート面上に押し付けられる円盤形状の頭部(2
    a)が一端側に形成され、他端側には回転工具(6)が
    係合される工具係合部(2b)が設けられ、それらの間
    に雄ねじ部(2c)が形成された突出部材(2)を備え
    るとともに、 突出部材(2)の頭部(2a)がコンクリート面上に押
    し付けられるときの反力を型枠に伝えるために、上記突
    出部材(2)の雄ねじ部(2c)と螺合する雌ねじ(4
    c)が内側に形成され、この雌ねじ(4c)を除く残り
    の箇所には雌ねじ(4c)よりも口径の大きい回転工具
    挿入口(4d)が形成されていて上記型枠内に挿入され
    得る筒状の胴部(4a)と、この胴部(4a)の一端か
    らその径方向外方に張り出し使用時にはコンクリート面
    と型枠との間に位置する張出し部(4b)とを有する反
    力伝達部材(4)を備え、反力伝達部材(4)の張出し部(4b)は全体が略円板
    形で、断面円弧状に中央が盛り上がるように形成されて
    中央部より外周側に向かうに従って薄肉になっており、
    この張出し部(4b)の中央には上記突出部材(2)の
    頭部(2a)が密に収容される収容凹部(4e)が形成
    され上記突出部材(2)の頭部(2a)が雄ねじ部(2c)
    の外径を超える径方向寸法を有していて、突出部材
    (2)が反力伝達部材(4)から突出しない状態にある
    とき、その頭部(2a)が反力伝達部材(4)の雌ねじ
    (4c)の端部を密に塞ぐとともに、回転工具挿入口
    (4d)の深さは、突出部材(2)の頭部(2a)を反
    力伝達部材(4)から突出させないようにしたとき、突
    出部材(2)の雄ねじ部(2c)を回転工具挿入口(4
    d)が完全に覆い得るようにし 、 反力伝達部材(4)のうち張出し部(4b)の側に突出
    部材(2)の頭部(2a)が位置するように、上記雌ね
    じ(4c)と上記雄ねじ部(2c)との結合によって両
    部材が組み付けられていることを特徴とするコンクリー
    ト型枠の剥離工具。
  2. 【請求項2】 上記の張出し部(4b)は、最外周部の
    厚さを2mmとし中央部の厚さが5mmとした請求項1
    記載のコンクリート型枠の剥離工具。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の剥離工具を、突
    出部材(2)が反力伝達部材(4)から突出しない状態
    にし、反力伝達部材(4)の張出し部(4b)が上記型
    枠のうちコンクリート側の面に接するようにしてコンク
    リート打設前の上記型枠に装着しておき、 打設されたコンクリートが硬化したのち、当該剥離工具
    における突出部材(2)の雄ねじ部(2c)を回転させ
    て突出部材(2)の頭部(2a)をコンクリート面上に
    押し付けることによりコンクリート面から型枠を引き剥
    ことを特徴とするコンクリート型枠の剥離方法。
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