JP3390804B2 - カバー水栓 - Google Patents

カバー水栓

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JP3390804B2
JP3390804B2 JP10707798A JP10707798A JP3390804B2 JP 3390804 B2 JP3390804 B2 JP 3390804B2 JP 10707798 A JP10707798 A JP 10707798A JP 10707798 A JP10707798 A JP 10707798A JP 3390804 B2 JP3390804 B2 JP 3390804B2
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隆一 石井
充夫 坪田
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株式会社ケーブイケー
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数のカバー体
を用いて構成されるカバーを備えたカバー水栓に関す
る。
【0002】
【従来の技術】カバー水栓の中には、カバーの内壁面に
設けられた板バネを水栓本体に係合してカバーの固定を
行うものや、ソケット、吐水管等の外付け部品を水栓本
体に取着するための袋ナット等と、水栓本体とで挟持し
てカバーの固定を行うものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、何れのタイプ
のカバー水栓でも、水栓本体の露出面(例えば、デッキ
タイプの場合には、底面以外の面)を、一方向に着脱さ
れる単体のカバーを用いて被覆するのが一般的なため、
水栓本体の外形等に応じて、カバーの形状、構造を複雑
にする必要があったり、カバーの着脱が困難になること
がある。特に、水栓本体がカバーの着脱方向と異なる方
向に、ハンドルの取付部分等の突出部を突出させる場合
には、この傾向が強くなる。
【0004】また、前者のカバー水栓では、カバーをワ
ンタッチで固定できるため、カバーの固定作業を効率的
に行うことができる反面、カバーの水栓本体への固定の
信頼性が低いという問題を有している。
【0005】更に、後者のカバー水栓のように、前述の
「挟持」のみに依存してカバーの固定を行おうとすれ
ば、カバーを水栓本体に正確に位置決めした後に、袋ナ
ットの締付作業等をカバーがずれないように細心の注意
を払いながら行うことが必要なため、カバーの着脱作業
を効率的に行うことができないことになる。
【0006】このような事情より、着脱が容易で、形状
や構造等が複雑とならず、しかも、水栓本体にしっかり
と固定できるカバーや、このようなカバーを備えたカバ
ー水栓の出現が望まれている。
【0007】本発明は前記観点に鑑みてなされたもので
あり、着脱が容易で、形状や構造等の簡略化が可能で、
しかも、水栓本体にしっかりと固定できるカバーを備え
たカバー水栓を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1のカバー水栓
は、水栓本体を、主カバー体と、副カバー体とを備えた
カバーを用いて被覆したカバー水栓であって、前記副カ
バー体を前記水栓本体にネジ止め固定し、前記主カバー
体を該副カバー体に取着したカバー水栓であり、主カバ
ー体の副カバー体への取着を、一方のカバー体に設けら
れたスライド突条と、他方のカバー体に設けられたスラ
イド溝とをスライド嵌合させて行うと共に、主カバー体
は、副カバー体の上方側からこの副カバー体に外嵌され
て一体となり、水栓本体の前面、上面及び背面を被覆す
るものであり、更に、主カバー体は、両側面及び底面に
開放部を形成し、この両側面及び底面の開放部を広げる
方向に拡開可能な構造であり、主カバー体の底面側四隅
の被係合部が、副カバー体の対応する係合部に対して係
合されることを特徴とする。請求項2記載のカバー水栓
は、請求項1に記載のカバー水栓において、前記係合部
をスライド突条に設け、前記被係合部をスライド溝に設
けていることを特徴とする。請求項3記載のカバー水栓
は、水栓本体を、主カバー体と、副カバー体とを備えた
カバーを用いて被覆したカバー水栓であって、前記副カ
バー体を前記水栓本体にネジ止め固定し、前記主カバー
体を該副カバー体に取着したカバー水栓であり、主カバ
ー体の副カバー体への取着を、一方のカバー体に設けら
れたスライド突条と、他方のカバー体に設けられたスラ
イド溝とをスライド嵌合させて行うと共に、該スライド
突条は、挿入始端部から挿入末端部に向かって横幅が徐
々に広がるテーパ形状とされ、該スライド溝は、挿入奥
端部から挿入口部に向かって溝幅が徐々に広がるテーパ
状の溝とされていることを特徴とする。尚、本発明の
「カバー」は、主カバー体及び副カバー体のみで構成さ
れても、これらを含む3つ以上のカバー体で構成されて
もよい。
【0009】本カバー水栓は、カバーを複数のカバー体
で構成し、これらを用いて水栓本体を被覆するものであ
るため、各カバー体の形状、構造の選択の自由度が高く
なり、各カバー体の形状、構造の簡略化を図ることがで
きる。また、このように、分割タイプのカバーとするこ
とで、各カバー体を、その着脱の容易な所望の方向から
水栓本体に着脱することが可能となり、カバー全体の着
脱作業が容易になる。但し、本発明では、各カバー体の
着脱方向が異なる場合に限らず、全カバー体の着脱方向
が同一となる場合も含まれる。
【0010】また、ネジ止めという簡単、確実な手法に
よって、確実に固定された副カバー体に、主カバー体等
の他のカバー体を取着するため、カバー全体が水栓本体
にしっかりと固定される。更に、本発明では、前述の
「袋ナット等を用いた挟持」を併用するにしても、各カ
バー体の固定を、この「挟持」に依存して行う必要がな
いため、袋ナット等の締め付けを気軽に行うことができ
る。
【0011】尚、本発明では、主カバー体の副カバー体
への取着方法は、一方のカバー体に設けられたスライド
突条と、他方のカバー体に設けられたスライド溝とをス
ライド嵌合させて取着する方法である。この「スライド
嵌合」を用いると、カバー水栓の外観として露呈するネ
ジの数を少なくしたり、無くすることができる。
【0012】請求項の発明は、請求項1乃至請求項3
の何れかに記載のカバー水栓において、前記副カバー体
をその両端側を除く一点で前記水栓本体にネジ止め固定
したことを特徴とする。即ち、本発明によると、副カバ
ー体が水栓本体に対して傾いた状態で取着され、カバー
全体が傾いた状態となっても、その修正を手軽に行い、
カバーの下面(壁付きタイプでは背面)と、水栓本体の
下面(壁付きタイプでは背面)とを面一の状態とでき
る。
【0013】仮に、副カバー体を複数のネジを用いて固
定すると、カバー水栓の出荷時や施工時等に、カバー全
体が傾いていることを発見しても、その修正には大きな
手間を必要とする。この修正を行うためには、吐水管等
の外付け部品及び主カバー体等を取り外し、複数のネジ
を取り外してから、副カバー体の姿勢を直しながら再び
ネジ止め行い、更に、主カバー体の取着や、各ネジの螺
合、吐水管の取着等を改めて行うことが必要となるから
である。
【0014】一方、本発明によると、副カバー体がネジ
を回転中心として回転可能なため、カバー全体の傾きを
瞬時に修正できる。しかも、外付け部品を取り外さなく
てもよい(但し、袋ナット等を必要に応じて緩める)た
め、カバーの傾きの事後的な修正が容易である。従っ
て、カバーの取着を気軽に行うことができ、カバー水栓
の生産、施工、メンテナンス等の作業性が向上する。
【0015】請求項の発明は、請求項1乃至請求項4
の何れかに記載のカバー水栓において、前記副カバー体
のネジ止め固定の箇所を前記主カバー体で被覆したこと
を特徴とする。即ち、本発明によれば、副カバー体の固
定に用いられるネジが露呈しないため、カバー水栓の外
観が向上する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を説
明する。本実施の形態では、デッキタイプのカバー水栓
を用いて請求項1〜請求項の発明の一具体例を説明す
る。
【0017】このカバー水栓は、図1及び図2に示すよ
うに、水栓本体10と、カバーを構成する副カバー体と
しての下側カバー体20と、カバーを構成する主カバー
体としての上側カバー体30と、左右一対のサイドキャ
ップ50、50とを備えている。
【0018】水栓本体10は、図2に示すように、湯水
の混合調節を行うための温調装置11と、流量調節及び
吐水方向の切換を行うための切換装置12とを内蔵して
いる。また、図1に示すように、水栓本体10の左端か
らは温調装置11を操作するためのスピンドルとこれを
進退可能に挿通する筒状の部分とからなる取付部分13
が突出し、右端からは切換装置12を操作するためのス
ピンドルとこれを進退可能に挿通する筒状の部分とから
なる取付部分14が突出している。
【0019】更に、図2に示すように、水栓本体10の
底面の両脇には、給水用の管用ネジAを接続するための
水側接続部15と、給湯用の管用ネジBを接続するため
の湯側接続部16とが略筒形状に設けられている。ま
た、上面の略中央には、吐水管Tを接続するためのカラ
ン側接続部17が略筒形状に設けられている。更に、図
3に示すように、背面の略中央からはシャワーエルボー
Eを接続するためのシャワー側接続部18が略筒形状に
突出している。
【0020】また、図3に示すように、水栓本体10の
前面の略中央には凹所19が設けられ、その奥端に設け
られた雌ネジ部Mに、略蓋状の固定キャップKが螺着さ
れている。この固定キャップKには、その軸線方向に沿
って雌ネジ部mが設けられている。
【0021】下側カバー体20は、水栓本体10にその
前面側から取着され、この水栓本体10の前面下方側
と、両側面下方側を覆うものである。また、図1に示す
ように、略コの字状の外形を備え、その前面の略中央に
は略U字状の凹部21が設けられている。更に、この凹
部21には、図3に示すようなネジ挿通孔22が設けら
れている。そして、下側カバー体20は、この挿通孔2
2を通じて、小ネジRを雌ネジ部mに螺合することによ
り、水栓本体10に確実に固定される。
【0022】下側カバー体20の左右一対の側板24の
全高は、このカバー体20の取着の際に、取付部分1
3、14に抵触しない程度とされている。しかも、この
カバー体20の固定が、作業の容易なネジ止めにより行
われるため、このカバー体20の取着、固定の作業は円
滑に行われる。
【0023】また、図1に示すように、下側カバー体2
0の前面の左右両端側と、両側板24の後端面には、上
側カバー体30との接続に用いられるスライド突条25
が形成されている。このスライド突条25は、図4及び
図5に示すように、両側面2a、2aを傾斜面とし、上
端の挿入始端部2cから下端の挿入末端部2dに向かっ
て横幅が徐々に広がるテーパ形状とされている。更に、
挿入末端部2dからは、右方若しくは左方に隣接する他
のスライド突条25の側に向かって、略薄板片状の係合
部28を略片持梁状に突出させている。
【0024】上側カバー体30は、下側カバー体20の
上方側からこのカバー体20に外嵌されて一体となり、
水栓本体10の前面、上面及び背面を被覆するものであ
る。この上側カバー体30は、図1に示すように、両側
面及び底面の開放部31〜33を広げる方向に拡開可能
な略トンネル形状のものである。
【0025】即ち、上側カバー体30は、上面部分を構
成する上面カバー片3Aの両側縁で、前面部分を構成す
る前面カバー片3Bと、背面部分を構成する背面カバー
片3Cとを略片持ち梁状に支持しながら、両側面及び底
面に開放部31〜33を形成している。そして、両側面
の開放部31、32に取付部分13、14を挿通させ、
底面の開放部33に水栓本体10のその他の部分を挿通
させながら着脱されるものである。
【0026】また、上面の略中央には、前述のカラン側
接続部17が納められる収納部34が略筒状に立ち上げ
られている。更に、図3に示すように、背面の略中央に
は、シャワーエルボーEを挿通するための切り欠きSが
設けられている。
【0027】また、各側面では、図1に示すように、各
上半部が略半長円状の切り欠き部Pとされ、各下半部が
各一対の厚肉部Wとされている。そして、各厚肉部Wに
は、前述のスライド突条25に対応するスライド溝35
が設けられている。
【0028】このスライド溝35は、図4及び図5に示
すように、スライド突条25と略凹凸の反転した溝形状
とされている。即ち、左右の両側壁面3a、3aを傾斜
面とし、上端の挿入奥端部3cから下端の挿入口部3d
に向かって溝幅が徐々に広がるテーパ状の溝とされてい
る。また、挿入口部3dには、右方若しくは左方に隣接
する他のスライド溝35の側に向けて、略矩形状の切り
欠きが設けられ、前述の係合部28に対応する被係合部
38とされている。
【0029】この上側カバー体30の下側カバー体20
への取着(外嵌)は、図5(a)に示すように、前者の
各スライド溝35と、後者の各スライド突条25とをス
ライド嵌合させながら行われる。かかるスライド嵌合に
より、図5(b)に示すように、スライド突条25の両
側面2a、2aと、スライド溝35の両側壁面3a、3
aとが面接触し、両カバー体20、30は、その接続方
向及び左右方向に沿って位置決めされた状態になる。
【0030】尚、本実施品では、スライド突条25の挿
入始端部(上端面)2cと、スライド溝35の挿入奥端
部(奥端面)3cとが当接しているが、これらの間に
「すき間」が存在してもよい。
【0031】このように、上側カバー体30の下側カバ
ー体20への取着作業(外嵌作業)は、作業の容易なス
ライド嵌合により行われ、しかも、この作業の際に、開
放部31〜33の働きで、上側カバー体30と、取付部
分13、14とが干渉し合わないため、この作業は円滑
に行われる。また、この作業により、小ネジRや凹部2
1等が上側カバー体30で隠蔽されるため、この小ネジ
Rや凹部21等がカバー水栓の外観を損なうことはな
い。
【0032】また、このスライド嵌合を行うと、図6に
示すように、上側カバー体30の底面側四隅の被係合部
38が、下側カバー体20の対応する係合部28に対し
て、前後方向、即ち、上側カバー体30の「反」拡開方
向に係合される。しかも、前述の面接触により、上側カ
バー体30は、下側カバー体20に対して左右方向に固
定される。このため、被係合部38及び係合部28の係
合状態は堅固なものとなり、上側カバー体30の拡開が
確実に禁止される。
【0033】即ち、上側カバー体30は、両側面及び底
面の解放部31〜33を広げる方向に拡開可能な構造で
あるため、このカバー体30のみを水栓本体10に単独
で取着すると、不用意に拡開して抜脱する恐れがある。
本実施品では、この取着を下側カバー体20に接続しな
がら行い、前述の「面接触」及び「係合」を用いて、こ
の拡開を確実に禁止して、上側カバー体30の不用意な
拡開に伴う抜脱や、この拡開に伴う上側カバー体30の
がたつき、位置ずれ等の防止を図っている。
【0034】尚、本実施品では係合部28をスライド突
条25に設け、被係合部38をスライド溝35に設けて
いるため、各カバー体20、30の構造が複雑化しな
い。更に、係合部28及び被係合部38が隠蔽され、外
観として現れないため、この被係合部38等がカバー水
栓の外観を損なわない。
【0035】また、本実施品では、水栓本体10が、そ
の両側面より取付部分13、14を突出させた複雑な外
形とされているが、カバーを異なる方向より取着される
分割タイプのものとすることで、カバー(即ち、下側カ
バー体30及び上側カバー体30)の形状、構造の簡略
化と、着脱の容易化とが図られている。
【0036】サイドキャップ50は、図1に示すよう
に、上側カバー体30の切り欠き部Pに嵌め込まれるも
のであり、平面略半長円形状とされている。また、この
キャップ50には、前述の取付部分13、14を、その
軸線方向に沿って挿通させる挿通孔51が穿設されてい
る。更に、このキャップ50は、その裏面より弾性係合
片52を突出させ、この係合片52を用いて上側カバー
体30の両端側内壁面に係合固定されている。
【0037】このサイドキャップ50を取着した段階
で、上側カバー体30を抜脱しようとしても、水栓本体
の取付部分13、14がこのキャップ50に引っかかる
ため、抜脱することができない。しかも、前述のよう
に、下側カバー体20が水栓本体10に正確に固定さ
れ、更に上側カバー体30の拡開が禁止されているた
め、この段階で、カバー全体が水栓本体10に、しっか
りと固定される。
【0038】従って、本実施品では、このサイドキャッ
プ50の取着後に行われる「固定用金具(袋ナット)7
0と、カラン側接続部17とを用いた上側カバー体30
の挟持固定(図2参照)」の際に、固定用金具(袋ナッ
ト)70の締付作業等を気軽に行うことができる。ま
た、本実施品では、この固定用金具(袋ナット)70を
用いた挟持固定を省略することもできる。
【0039】また、本実施品では、下側カバー体20が
水栓本体10の両端側を除く1点で固定されているた
め、このカバー体20と、上側カバー体30とからなる
カバーが、水栓本体10に正しく取着されていない場合
でも、その修正を手軽に行うことができる。しかも、こ
の修正作業をカバー自体に直接、施す必要はない。
【0040】即ち、図7(a)に示すように、カバーが
傾いている場合には、管用ネジA、Bに螺合される固定
用ナットG、Hを締付ければ、カバーの下面の一部Nが
デッキ面Jに当接する。この状態から、固定用ナット
G、Hを更に締付けると、カバーは小ネジRを回転中心
とし、カバーの下面の一部Nを回転力の作用点として回
転し、図7(b)に示すように、その傾きを自己修正す
るからである。
【0041】尚、本実施品では、図2に示すように、左
側の取付部分13に、温調装置11を操作するための温
調ハンドル81が配置され、右側の取付部分14に、切
換装置12を操作するための切換ハンドル82が配置さ
れている。
【0042】次に、本実施品のその他の特徴を述べる。
従来のカバー水栓では、袋ナット等を用いたカバーの最
終的な固定を、この水栓の製造の最終段階(出荷前等)
に行うのが一般的である。即ち、この水栓が製造ライン
にある場合等には、この最終的な固定を行わないのが一
般的と考えられる。
【0043】本カバー水栓においても、固定用金具(袋
ナット)70を用いた上側カバー体30の挟持固定は最
終段階に行われる。このため、本カバー水栓が、サイド
キャップ50を備えないとすると、製造ライン等におい
て、図8(a)に示すように、上側カバー体30が抜脱
する可能性が残ることになる。
【0044】従って、製造ラインの作業者等は、この抜
脱を避けるために、自己の作業を必要以上に慎重に行う
ことが必要となり、このカバー水栓の生産性が低下する
ことがある。また、吐水管Tの取り換え等を行う際に
も、上側カバー体30が不用意に外れて床等に落下し、
破損する可能性もある。一方、図8(b)に示すよう
に、このサイドキャップ50を用いると、前述のよう
に、上側カバー体30の抜脱が確実に防止されるため、
このような不具合を生ずることはない。
【0045】尚、前記各発明の範囲は前記具体的に示し
た実施の形態に示すものに限定されず、前記各発明の範
囲で種々の変形例を例示できる。
【0046】即ち、前述の水栓本体10では、「上側カ
バー体30の着脱方向と異なる方向に突出し、しかも、
このカバー体30の取着後に、外部へと露出する突出
部」として取付部分13、14を有している。仮に、こ
の水栓本体10が、この取付部分13、14の代わり
に、若しくは、この取付部分13、14と共に「他の突
出部」を有し、上側カバー体30がこの「他の突出部」
を挿通させる「他の開放部」を有する場合には、この
「他の開放部」に対して、「他のサイドキャップ」を配
置してもよい。
【0047】例えば、カラン側接続部17が水栓本体1
0の側方に突出し、上側カバー体30に、これを挿通さ
せる開放部が設けられる場合には、カラン側接続部17
を挿通可能な挿通孔を備えたサイドキャップを用いても
よい。また、サイドキャップ50に代表される抜脱防止
体は挿通孔51を備えるものに限定されない。例えば、
上面や側面等に開口する切り欠き状の挿通部を備えたも
のであってもよい。
【0048】また、本実施品と異なり、係合部28及び
被係合部38をカバー水栓の外観として露呈させること
もできる。例えば、各スライド突条25の挿入末端部2
dや下側カバー体20の下面より、縦断面L字状の係合
部28を突出させ、この係合部28を上側カバー体30
の前面及び背面(これらの面が被係合部38を構成す
る。)に係合することができる。
【0049】更に、上側カバー体30の前面カバー片3
B及び背面カバー片3Cのうちの一方のみが片持ち梁状
とされ、この一方のみが開放部31〜33を広げる方向
に拡開可能とされても、前述の「被係合部38及び係合
部28」を用いた係合は大きな意味を有することにな
る。
【0050】また、スライド突条25及びスライド溝3
5は、本実施品の略テーパ状のものに限定されない。例
えば、図9に示すように、ストレートタイプ(横断面積
が一定のタイプ)のスライド突条25と、ストレートタ
イプ(溝の幅、溝の深さが一定のタイプ)のスライド溝
35とを用いた変形例を例示できる。
【0051】但し、本実施品は、この変形例よりも以下
の点で優れている。変形例では、両カバー体20、30
の接続の際に、対応関係にあるスライド突条25とスラ
イド溝35との位置合わせを、両者の間の僅かなクリア
ランスを許容誤差として正確に行うことが必要である。
【0052】一方、本実施品では、この位置合わせを、
図5(a)に示すように、スライド突条25のサイズの
小さな挿入始端部2cが、スライド溝35のサイズの大
きな挿入口部3dに挿入可能となるように行えばよい。
即ち、この位置合わせを「大まか」に行えば足りるた
め、両カバー体20、30の接続作業をより円滑に行う
ことができる。
【0053】また、変形例では、両カバー体20、30
の接続方向に沿った位置決めを、図9(b)に示すよう
に、スライド突条25の先端面(挿入始端部)2cと、
スライド溝35の奥端面(挿入奥端部)3cとを当接さ
せて行うことが必要である。従って、十分な位置決め精
度を得るためには、スライド突条25と、スライド溝3
5の寸法精度を高くすることが必要となる。
【0054】一方、本実施品では、この位置決めを、前
述のように、スライド突条25の両側面2a、2aと、
スライド溝35の両側壁面3a、3aとの面接触で行う
ため、スライド突条25及びスライド溝35の寸法精度
をある程度ラフにしても、十分な位置決め精度が得られ
る。
【0055】更に、変形例では、両カバー体20、30
を接続した後に、図9(b)に示すように、両側面2
a、2aと、両側壁面3a、3aとの間等に、スライド
突条25と、スライド溝35との間のクリアランスに起
因した「すき間2g」が存在するため、両カバー体2
0、30の間に相対的な「がたつき」を生ずる恐れがあ
る。一方、本実施品では、スライド突条25と、スライ
ド溝35とが互いに面接触するため、この「がたつき」
を生じ難い。
【0056】また、変形例のカバー体20、30を、樹
脂等を用いて一体成形することを考えると、この変形例
のように、ストレートタイプのスライド突条25やスラ
イド溝35を備える成形品(カバー体20、30)をそ
の成形用金型から取り出すことは困難である。従って、
成形用金型の構造を複雑にすること等が必要となり、カ
バー体20、30の製造コストが高くなり易い。
【0057】一方、本実施品では、スライド突条25及
びスライド溝35が略テーパ状となり、「抜き勾配」を
備えた形状とされるため、成形用金型に特別な工夫を施
さなくても、成形品としての各カバー体20、30をこ
の金型から取り外すことが容易である。
【0058】尚、本実施の形態では、両側面2a、2a
を傾斜させた純粋なテーパ状のスライド突条25と、両
側壁面3a、3aを傾斜させた純粋なテーパ状のスライ
ド溝35を例示したが、これらが一方の側面2a(一方
の側壁面3a)のみを傾斜させた略テーパ状のもの(例
えば、勾配を備えたキー形状のスライド突条25)であ
ってもよい。
【0059】また、本実施の形態では、スライド突条2
5(スライド溝35)の横幅(溝幅)を変化させて「略
テーパ状」としたものを例示したが、厚み(深さ)を変
化させたり、横幅(溝幅)及び厚み(深さ)の双方を変
化させて「略テーパ状」としたものであってもよい。
【0060】更に、スライド突条25及びスライド溝3
5を蟻溝状にスライド嵌合させ、この蟻溝状の部分を係
合部28及び被係合部38としてもよい。この場合に
は、主カバー体20が横方向のみならず、前後方向にも
堅固に固定され、係合部28及び被係合部38の係合状
態がより一層、堅固なものとなる。また、係合部28及
び被係合部38を、スライド突条25及びスライド溝3
5と別個に設ける必要がないため、各カバー体20、3
0の構造が簡便なものとなると共に係合部28及び被係
合部38をカバー水栓の外観として現れないようにする
ことができる。
【0061】
【発明の効果】以上のように、請求項1〜請求項3の発
明によると、着脱が容易で、形状や構造の簡略化が可能
で、しかも、水栓本体にしっかりと固定できるカバーを
備えたカバー水栓が得られる。また、請求項の発明に
よると、カバーの取着状態の修正を簡単に行うことがで
きる。更に、請求項の発明によると、カバー水栓の外
観の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態で説明したカバー水栓の分解
斜視図である。
【図2】発明の実施の形態で説明したカバー水栓の縦断
面図である。
【図3】図2の1−1縦断面図である。
【図4】スライド突条及びスライド溝を説明するための
斜視図である。
【図5】(a)はスライド嵌合の途上にあるスライド突
条及びスライド溝の概略的な縦断面図、(b)はスライ
ド嵌合したスライド突条及びスライド溝の概略的な縦断
面図である。
【図6】係合部及び被係合部の関係を説明するために、
係合部が係合される前の被係合部と、係合部が係合され
た後の被係合部とを、図2の2−2横断面で示した概略
的な説明図である。
【図7】(a)はカバーの傾きを自己修正する過程を示
す概略的な正面図、(b)はカバーの傾きを自己修正し
た後の状態を示す概略的な正面図である。
【図8】(a)は本カバー水栓よりサイドキャップを省
略した概略的な縦断面図、(b)は本カバー水栓の概略
的な縦断面図である。
【図9】(a)は変形例に係わるスライド突条及びスラ
イド溝の斜視図、(b)変形例に係わるスライド突条及
びスライド溝がスライド嵌合する途上を示す概略的な縦
断面図である。
【符号の説明】
10;水栓本体、11;温調装置、12;切換装置、1
3、14;取付部分、15;水側接続部、16;湯側接
続部、17;カラン側接続部、18;シャワー側接続
部、19;凹所、M;雌ネジ部、20;下側カバー体
(副カバー体)、21;凹部、22;ネジ挿通孔、2
4;側板、25;スライド突条、2a;側面、2c;挿
入始端部(先端面)、2d;挿入末端部、28;係合
部、2g;すき間、30;上側カバー体(主カバー
体)、3A;上面カバー片、3B;前面カバー片、3
C;背面カバー片、31〜33;開放部、34;収納
部、S;切り欠き、P;切り欠き部、W;厚肉部、3
5;スライド溝、38;被係合部、3a;側壁面、3
c;挿入奥端部(奥端面)、3d;挿入口部、50;サ
イドキャップ、51;挿通孔、52;弾性係合片、7
0;固定用金具(袋ナット)、81;温調ハンドル、8
2;切換ハンドル、A、B;管用ネジ、G、H;固定用
ナット、J;デッキ面、T;吐水管、E;シャワーエル
ボー、K;固定キャップ、m;雌ネジ部、R;小ネジ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E03C 1/042,1/044

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水栓本体を、主カバー体と、副カバー体
    とを備えたカバーを用いて被覆したカバー水栓であっ
    て、 前記副カバー体を前記水栓本体にネジ止め固定し、前記
    主カバー体を該副カバー体に取着したカバー水栓であ
    り、 主カバー体の副カバー体への取着を、一方のカバー体に
    設けられたスライド突条と、他方のカバー体に設けられ
    たスライド溝とをスライド嵌合させて行うと共に、 主カバー体は、副カバー体の上方側からこの副カバー体
    に外嵌されて一体となり、水栓本体の前面、上面及び背
    面を被覆するものであり、更に、主カバー体は、両側面
    及び底面に開放部を形成し、この両側面及び底面の開放
    部を広げる方向に拡開可能な構造であり、 主カバー体の底面側四隅の被係合部が、副カバー体の対
    応する係合部に対して係合されることを特徴とするカバ
    ー水栓。
  2. 【請求項2】 前記係合部をスライド突条に設け、前記
    被係合部をスライド溝に設けていることを特徴とする請
    求項1に記載のカバー水栓。
  3. 【請求項3】 水栓本体を、主カバー体と、副カバー体
    とを備えたカバーを用いて被覆したカバー水栓であっ
    て、 前記副カバー体を前記水栓本体にネジ止め固定し、前記
    主カバー体を該副カバー体に取着したカバー水栓であ
    り、 主カバー体の副カバー体への取着を、一方のカバー体に
    設けられたスライド突条と、他方のカバー体に設けられ
    たスライド溝とをスライド嵌合させて行うと共に、 該スライド突条は、挿入始端部から挿入末端部に向かっ
    て横幅が徐々に広がるテーパ形状とされ、該スライド溝
    は、挿入奥端部から挿入口部に向かって溝幅が徐々に広
    がるテーパ状の溝とされていることを特徴とするカバー
    水栓。
  4. 【請求項4】 前記副カバー体をその両端側を除く一点
    で前記水栓本体にネジ止め固定したことを特徴とする
    求項1乃至請求項3の何れかに記載のカバー水栓。
  5. 【請求項5】 前記副カバー体のネジ止め固定の箇所を
    前記主カバー体で被覆したことを特徴とする請求項1乃
    至請求項4の何れかに記載のカバー水栓。
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