JP3390427B1 - ゼオライト製造方法およびゼオライト製造装置 - Google Patents

ゼオライト製造方法およびゼオライト製造装置

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JP3390427B1 JP2002119323A JP2002119323A JP3390427B1 JP 3390427 B1 JP3390427 B1 JP 3390427B1 JP 2002119323 A JP2002119323 A JP 2002119323A JP 2002119323 A JP2002119323 A JP 2002119323A JP 3390427 B1 JP3390427 B1 JP 3390427B1
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伸子 蓮山
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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】 従来より短時間でゼオライトを製造すること
ができ、設備の簡略化、エネルギコストの低減を図るこ
ともできるゼオライト製造技術を提供する。 【解決手段】 ゼオライト製造装置1は、回転軸5と共
に回転する撹拌部材6を内蔵した円筒形状の反応容器2
と、加温用の高圧水蒸気を間隙7に送給、排出するため
の複数の導入口8、ドレン9と、反応容器2内に向かっ
て電磁波を照射するための電磁波照射口13と、電磁波
照射口13に電磁波を供給するための発振装置15と、
発振装置15と電磁波照射口13と接続する導波管17
などで構成されている。焼却灰などを含む組成物にアル
カリ水溶液を添加して形成した混合物を反応容器2で加
温、撹拌してスラリー状の混練物を形成した後、この混
練物を撹拌部材6で撹拌しながら電磁波照射口13から
電磁波を照射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼却灰またはアル
ミノ珪酸塩を含む組成物などを原料とするゼオライト製
造技術に関する。
【0002】
【従来の技術】人工ゼオライトは、石炭燃焼に伴って生
じるフライアッシュやアルミノ珪酸塩を含む組成物を原
料とし、これらを熱アルカリ水溶液でゼオライト化する
という方法で製造されているが、従来の人工ゼオライト
製造工程においては、フライアッシュやアルミノ珪酸塩
を含む組成物とアルカリとの混合物を放射熱、伝導熱に
よって加熱するという方法が採用されている。
【0003】しかしながら、熱エネルギ密度を上げるこ
とに限界があるため加熱時間を長くする必要があり、熱
アルカリ水溶液によってゼオライト化する際の反応速度
が遅いため、人工ゼオライト製造には長時間を要してい
た。また、熱アルカリ反応によって生成したゼオライト
が、その粒子表面に殻を形成するため、粒子内部の反応
が遅延してゼオライト生成が阻害され、高いゼオライト
転化率が得られなかった。
【0004】そこで、本出願人は、焼却灰またはアルミ
ノ珪酸塩を含む組成物にアルカリ水溶液を添加して形成
された混練物を昇温させた後に電磁波を照射してゼオラ
イト化させる技術を開発し、特許第3090657号と
して登録を受けている。この技術により、従来のゼオラ
イト製造方法より短時間でゼオライトを製造することが
可能となり、エネルギ消費量も減少させることができ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特許第3090657
号の人工ゼオライト製造技術の場合、焼却灰やアルミノ
珪酸塩を含む組成物にアルカリ水溶液を添加して加熱す
る工程と、これらを混練してスラリー状の混練物を形成
する工程と、得られた混練物に電磁波を照射する工程と
が分かれているため、移送工程における熱損失によって
混練物の温度が低下して前記組成物とアルカリ水溶液と
が分離したり、混練物が凝固したりすることがある。ま
た、加熱工程、混練工程および電磁波照射工程が互いに
分かれていることで、反応工程も複雑となっているた
め、反応効率が低下しがちである。
【0006】さらに、人工ゼオライト製造工程において
は、製造時間の短縮化、設備の簡略化およびエネルギコ
ストの低減は、従来と同様、今後も引続いて要請される
大きなテーマとなっている。
【0007】本発明が解決しようとする課題は、従来よ
りもさらに短時間でゼオライトを製造することができ、
設備の簡略化、エネルギコストの低減も図ることができ
るゼオライト製造技術を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】従来の人工ゼオライト製
造工程において、焼却灰またはアルミノ珪酸塩を含む組
成物にアルカリ水溶液を添加して加熱、混練する工程
と、得られた混練物に電磁波を照射する工程とが分離し
て配置されていた理由の一つは、加熱装置と電磁波照射
装置とを組み合わせた装置を作り、その装置の内部に前
記混練物を収容して電磁波を照射してもゼオライト化反
応が促進されない、ということである。
【0009】このような現象が生じる理由は、一般に鋼
材などの金属素材で形成されている加熱装置内に収容さ
れた混練物に向かって電磁波を照射しても、装置の内壁
面などによって電磁波の大部分が乱反射されてしまい、
装置内の混練物に十分な電磁波が当らないからである。
【0010】そこで、電磁波を反射しない物質、例え
ば、FRPなどで加熱装置の内壁面などをコーティング
したり、加熱装置自体をFRPなどで形成したりして、
混練物を収容する部分の金属露出面をなくせば、収容し
た混練物に向かって照射した電磁波が乱反射することが
なくなるので、電磁波照射によるゼオライト化反応を促
進させることができる。しかしながら、FRPなどの非
金属物質は金属に比べ柔らかい材質であるため、FRP
などで内壁面がコーティングされた加熱装置内において
焼却灰などの組成物にアルカリ水溶液を添加した混合物
を混練すると、硬質粒子を含む混練物との接触、摩擦に
よってFRPコーティング壁面などが急速に摩耗してし
まい、実用性がない。
【0011】このような状況の下、本発明者は様々な角
度から研究を行い、反応容器内に収容されたスラリー状
あるいは泥状の混練物を撹拌しているときは、反応容器
の内壁面および撹拌部材の表面などが撹拌中の混練物に
よって被覆された状態に保たれるので、この状態を維持
しながら電磁波を照射すれば、反応容器や撹拌部材など
が金属素材で形成されていても、照射された電磁波が反
応容器の内壁面あるいは撹拌部材の表面などで乱反射さ
れることはない、という知見に到達し、本発明のゼオラ
イト製造方法を完成するに至ったものである。
【0012】本発明のゼオライト製造方法は、焼却灰ま
たはアルミノ珪酸塩を含む組成物にアルカリ水溶液を添
加した混合物を反応容器内に収容し、前記混合物を加温
および撹拌してスラリー状あるいは泥状の混練物を形成
し、前記反応容器内で前記混練物を撹拌および加温しな
がら、前記混練物に電磁波を照射してゼオライト化させ
ることを特徴とする。
【0013】このような工程をとることにより、反応容
器内で加温されながら撹拌される混練物は、組成物とア
ルカリ水溶液とが均一に混合され、焼却灰などの粒子固
体相内に反応に必要な最小限のアルカリが浸透した状態
となるため、電磁波照射による粒子内部からの発熱で瞬
時にゼオライト化が進行し、短時間でゼオライトを製造
することができる。また、従来は分離されていた加熱工
程、混練工程および電磁波照射工程が一体化され、これ
らの工程間に存在していた移送工程も不要となるため設
備を大幅に簡略化することができ、移送工程で発生して
いた熱損失もなくなるためエネルギコストの低減も図る
ことができる。
【0014】電磁波照射によって焼却灰などの組成物と
アルカリ水溶液との混練物のみが発熱し、周辺装置など
は殆ど昇温しないので、熱効率が高く、エネルギ消費量
を低減することができる。また、混練物を加温および撹
拌しながら電磁波を照射するので、混練物全体にムラな
く電磁波が照射されることとなって、熱転換効率を高め
ることができる。
【0015】この場合、生成されるゼオライトの種類
は、混練物の加温温度の高低によって変化するので、製
造すべきゼオライトの種類に従って加温温度を設定する
必要がある。例えば、フィリップサイトを主成分とする
ゼオライトを製造する場合、混練物の加温温度は80〜
120℃の範囲が好適であり、特に、100℃程度に加
温することが望ましく、この程度の温度に加温した混練
物を撹拌しながら電磁波を照射すればフィリップサイト
の含有率の高い人工ゼオライトが最も短い時間で効率良
く生成される。
【0016】また、前記混練物をスラリー状あるいは泥
状とすることにより、前述したように、反応容器内で撹
拌される混練物が反応容器の内壁面および撹拌部材の表
面などを被覆し続けるので、照射された電磁波は、反応
容器の内壁面や撹拌部材の表面などが金属素材であって
も乱反射されることがなくなり、照射された電磁波の殆
ど全てが混練物に吸収されることとなるため、混練物は
効率的に発熱し、ゼオライト化反応が大幅に促進され
る。
【0017】さらに、前記反応容器内で前記混練物を連
続的に撹拌すれば照射される電磁波の吸収効率が高まり
混練物のゼオライト化反応が急速に進行するので、人工
ゼオライトを短時間で製造することができる。一方、前
記混練物を間欠的に撹拌すればゼオライト化反応速度が
遅くなるので、ゼオライト製造に係る他の工程との時間
的整合を図る必要があるときなどは、間欠的に撹拌する
ことにより時間調整を行うことができる。なお、間欠的
に撹拌する場合、撹拌時間・休止時間の長さ、撹拌・休
止の繰り返し回数などは、要求される製造条件に応じて
任意に設定することができる。
【0018】また、本発明のゼオライト製造方法では、
焼却灰などの組成物とアルカリ水溶液とが均一混合さ
れ、焼却灰などの粒子固体相内に反応に必要な最小限の
アルカリが浸透した状態でゼオライト化反応が進行する
ので、ゼオライト化反応に最低限必要なアルカリ量を調
整することができるだけでなく、ゼオライト化反応後に
残るアルカリ量を大幅に低減することができので、ゼオ
ライト製造工程から排出されるアルカリ量を削減するこ
とができる。
【0019】また、前記混練物に電磁波を照射してゼオ
ライト化反応が終わった後に残るアルカリ成分を回収
し、焼却灰またはアルミノ珪酸塩を含む組成物に添加す
るアルカリ水溶液として再利用することも可能である。
このようにして回収されたアルカリ成分を再利用すれば
アルカリ排出量を著しく削減あるいは全くなくすことも
できるので、排液処理の負担が軽減され、環境汚染も防
止することができる。
【0020】さらに、ゼオライト反応後に回収されたア
ルカリ成分中にはゼオライト核が多数存在しているの
で、焼却灰またはアルミノ珪酸塩を含む組成物に添加す
るアルカリ水溶液として再利用すれば、混練物に電磁波
を照射したとき、これらのゼオライト核を中心にしてゼ
オライト化反応が急速に進行するので、ゼオライト化反
応が大幅に促進され製造効率を高めることができる。
【0021】ここで、焼却灰またはアルミノ珪酸塩を含
む組成物とアルカリ水溶液との混練物に照射する電磁波
の周波数は300MHz〜30GHzが好適であり、こ
の範囲の電磁波を照射することにより、混練物に含まれ
る水分子が数億〜数十億回/秒程度の振動数で激しく振
動し、焼却灰などの粒子内部が高温に発熱して熱アルカ
リ反応が瞬時に進行するため、従来工程では、数時間〜
数十時間を要していたゼオライト化反応を数分間で完結
させることができるようになる。
【0022】前述したように、本発明の人工ゼオライト
製造方法によって生成される人工ゼオライトの主成分は
フィリップサイトであるが、ホージャサイト、ゼオライ
トA、ヒドロキシソーダライトなどを含むことがあり、
ゼオライト以外の成分として未燃カーボン、鉄分などを
含むことがある。
【0023】ここで、人工ゼオライトの原料となる焼却
灰として、石炭焼却灰、廃棄物固形化燃料焼却灰、ゴミ
焼却灰のいずれか1以上を含むものを用いることによ
り、産業廃棄物を有効資源として再利用することができ
る。これらのほかに、アルミ珪酸塩を含む組成の鉱物の
焼却灰、製紙スラッジ焼却灰、排水処理に伴って発生す
る活性汚泥焼却灰、都市ゴミ焼却灰なども好適に使用で
きる。なお、アルミノ珪酸塩を含む組成物とは、珪酸塩
または二酸化珪素において、その一部がアルミニウムで
置換されて生じた塩を含む鉱物をいい、例えば、生長
石、灰長石、方沸石、菱沸石、雲母などの鉱物をいう。
【0024】焼却灰として、石炭燃焼やゴミ燃焼に伴っ
て発生したフライアッシュなどを用いることによって産
業廃棄物の有効資源化が可能となる。なお、石炭燃焼に
伴って発生したフライアッシュとは、JIS規格上、微
粉炭燃焼ボイラで石炭を燃焼させた際に集塵器で回収さ
れる微細な灰粒子をいい、強熱減量5%以下、比重1.
9以上、粒度分布が標準篩44μmで75%以上通過す
るものであって、二酸化珪素、三酸化アルミニウム、酸
化カルシウムなどを含んでいる。ゴミ焼却に伴って発生
したフライアッシュは、石炭燃焼に伴って発生するフラ
イアッシュと同様、シリカ、アルミナ、石灰の組成を有
している。
【0025】次に、本発明のゼオライト製造装置は、焼
却灰またはアルミノ珪酸塩を含む組成物にアルカリ水溶
液を添加した混合物を収容する反応容器と、前記反応容
器内に収容された混合物を昇温させる加温手段と、当該
混合物を撹拌してスラリー状または泥状の混練物を形成
する撹拌手段と、前記混練物に電磁波を照射してゼオラ
イト化させる電磁波照射手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0026】このような構成とすることにより、反応容
器内に収容した焼却灰などを含む組成物とアルカリ水溶
液との混合物を加温、撹拌して形成された混練物を連続
的または間欠的に混練しながら電磁波を照射することが
できるようになるため、ゼオライト化反応を大幅に促進
することが可能となり、従来よりも短時間で人工ゼオラ
イトを製造することができ、設備の簡略化、エネルギコ
ストの低減も図ることができる。
【0027】ここで、前記電磁波照射手段を、前記反応
容器の複数箇所に配置することにより、反応容器内にあ
る混練物にムラなく電磁波を照射することができるよう
になるため、電磁波の吸収効率が高まり、ゼオライト化
反応をさらに促進させることができる。
【0028】また、前記撹拌手段として、湾曲形状の複
数の撹拌部材が外周面に配列された回転体を前記反応容
器内に配置すれば、前記回転体を回転させることによっ
てその外周面にある複数の撹拌部材が混練物を十分に撹
拌するので、電磁波の吸収効率が高まり、ゼオライト化
反応を促進させることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態である
ゼオライト製造装置を示す正面図、図2は図1に示すゼ
オライト製造装置の平面図、図3は図1に示すゼオライ
ト製造装置を一部省略した状態で示す側面図、図4は図
3におけるA−A線断面図である。
【0030】本実施形態のゼオライト製造装置1におい
ては、その中心軸が水平となるように配置された円筒形
状の反応容器2内に、モータ4で駆動された回転軸5が
中心軸と同軸上に配置され、回転軸5にはL字状に湾曲
した形状の複数の撹拌部材6が、正面視状態で逆卍形状
となるように配列されている。反応容器2の壁面は、加
温用水蒸気を循環させるための間隙7を有する二重構造
となっており、反応容器2の側部には、加温用の高圧水
蒸気を間隙7に送り込むための導入口8が複数個設けら
れ、反応容器2の底部には、間隙7に送り込まれた水蒸
気を排出するためのドレン9が複数設けられている。加
温用の高圧水蒸気を導入口8から間隙7に送り込んで間
隙7内を循環させることにより、反応容器2の内部を8
0〜120℃の範囲内の設定温度に加温することができ
る。
【0031】反応容器2の上部には、原料を反応容器2
内に投入するためのスライド式の開閉蓋10付きの投入
口11と、点検用のマンホール12とが設けられ、反応
容器2の壁面から内部に向かって、複数の電磁波照射口
13が取り付けられている。反応容器2の正面には、反
応容器2内で生成されたゼオライトを取り出すための排
出口14が設けられている。
【0032】反応容器2の側方に設けられたラック16
上には、電磁波照射口13に電磁波を供給するための発
振装置15が、各電磁波照射口13につき1台ずつ配置
されており、発振装置15と電磁波照射口13とはそれ
ぞれ導波管17によって接続されている。
【0033】ゼオライト製造装置1を用いてゼオライト
を製造する場合、焼却灰またはアルミノ珪酸塩を含む組
成物にアルカリ水溶液を添加して形成した混合物を、開
閉蓋10を開いて投入口11から反応容器2内に投入
し、反応容器2内に収容された混合物を導入口8から導
入した水蒸気で加温し、モータ4の駆動で回転軸5を中
心に回転する撹拌部材6によって混合物を撹拌してスラ
リー状あるいは泥状の混練物を形成した後、反応容器2
内で混練物を撹拌部材6で連続的に撹拌しながら複数の
電磁波照射口13から混練物に電磁波を直接照射する。
【0034】このような工程を経ることにより、反応容
器2内で加温されながら連続的に撹拌される混練物は、
組成物とアルカリ水溶液とが均一に混合され、焼却灰な
どの粒子固体相内に反応に必要な最小限のアルカリが浸
透した状態となり、複数の電磁波照射口13からの電磁
波照射による粒子内部からの発熱で瞬時にゼオライト化
反応が進行するため、短時間でゼオライトを製造するこ
とができる。反応容器2内で形成されたゼオライトは排
出口14から取り出され、この後は従来と同様の洗浄工
程および乾燥工程を経ることによって人工ゼオライト製
品が得られる。
【0035】ゼオライト製造装置1を用いることによ
り、従来、分離していた加熱工程、混練工程および電磁
波照射工程が一体化され、これらの工程間に存在してい
た移送工程も不要となるため、設備を大幅に簡略化する
ことができ、移送工程で発生していた熱損失もなくなる
ため、エネルギコストの低減も図ることができる。
【0036】また、反応容器2内で形成された焼却灰な
どとアルカリ水溶液との混練物に電磁波照射口13から
直接的に電磁波照射することによって混練物のみが発熱
し、周辺装置などが殆ど昇温しないので、熱効率が高
く、エネルギ消費量を低減することができる。また、混
練物を加温して連続的に撹拌しながら複数の電磁波照射
口13から電磁波を照射するので、混練物全体にムラな
く電磁波が照射されることとなって、熱転換効率を高め
ることができる。
【0037】さらに、反応容器2内において、焼却灰な
どとアルカリ水溶液との混合物を加温、撹拌してスラリ
ー状あるいは泥状の混合物を形成することにより、反応
容器2内で連続的に撹拌される混練物が反応容器2の内
面、回転軸5および撹拌部材6の表面などを常に被覆し
続けるので、電磁波照射口13から照射された電磁波
は、反応容器2や撹拌部材6などが金属素材で形成され
ていても乱反射されることがなく、殆ど全てが混練物に
吸収されることとなるため、混練物は効率的に発熱し、
ゼオライト化反応が大幅に促進される。
【0038】ゼオライト製造装置1を用いることによ
り、従来工程では、数時間〜数十時間を要していたゼオ
ライト化反応を数時間で完結させることができるように
なるため、製造時間を大幅に短縮化させることができ、
設備の簡略化、エネルギコストの低減も図ることができ
る。ゼオライト製造装置1を用いたゼオライト製造工程
において、混練物の加温温度については特に限定するも
のではないので、製造条件に応じて80〜120℃の範
囲内で任意に設定することができるが、本実施形態にお
いて混練物を100℃程度に加温して撹拌、電磁波照射
を行ったところフィリップサイトを主成分とするゼオラ
イトを最も短い時間で効率良く製造することができた。
【0039】なお、本実施形態では、反応容器2内にお
いて混練物を連続的に撹拌しながら電磁波を照射するこ
とによって短時間でゼオライトを製造することができる
が、撹拌方法はこれに限定するものではないので、撹拌
と休止とを任意の時間ずつ繰り返す間欠的な撹拌を行い
ながら電磁波を照射することも可能である。間欠的な撹
拌を行った場合、ゼオライト化反応の速度が遅くなるの
で、人工ゼオライト製造に係る他の工程との時間的整合
を図る必要があるときなどに有効である。
【0040】
【発明の効果】本発明により、以下の効果を奏する。
【0041】(1)焼却灰またはアルミノ珪酸塩を含む
組成物にアルカリ水溶液を添加した混合物を反応容器内
に収容し、反応容器内で前記混合物を加温、撹拌してス
ラリー状あるいは泥状の混練物を形成し、反応容器内で
混練物を撹拌しながら混練物に電磁波を直接照射してゼ
オライト化させることにより、短時間でゼオライトを製
造することができ、設備を大幅に簡略化することがで
き、エネルギコストの低減も図ることができるようにな
る。
【0042】(2)前記焼却灰として、石炭焼却灰、廃
棄物固形化燃料焼却灰、ごみ焼却灰のいずれか1以上を
含むものを用いることにより、これらの産業廃棄物を有
効資源として再利用することができる。
【0043】(3)前記反応容器内で前記混練物を連続
的に撹拌すれば電磁波吸収効率が高まり混練物のゼオラ
イト化反応が急速に進行するのでゼオライトを短時間で
製造することができ、前記混練物を間欠的に撹拌すれば
電磁波吸収効率が低下しゼオライト化反応速度も遅くな
るので、ゼオライト製造に係る他の工程との時間的整合
を図る必要があるときなどの有効な調整手段となる。
【0044】(4)前記反応容器内で前記混練物を80
〜120℃に加温することにより、フィリップサイトを
主成分とするゼオライトを短時間で効率良く製造するこ
とができる。
【0045】(5)前記混練物に電磁波を照射してゼオ
ライト化させた後に残るアルカリ成分を回収し、焼却灰
またはアルミノ珪酸塩を含む組成物に添加するアルカリ
水溶液として再利用することにより、アルカリ排出量を
著しく削減あるいは全くなくすことができるので排液処
理の負担を軽減し、環境汚染も防止することができ、回
収されたアルカリ成分中のゼオライト核でゼオライト化
反応が大幅に促進され、製造効率を高めることができ
る。
【0046】(6)焼却灰またはアルミノ珪酸塩を含む
組成物にアルカリ水溶液を添加した混合物を収容する反
応容器と、前記反応容器内に収容された混合物を昇温さ
せる加温手段と、当該混合物を撹拌してスラリー状また
は泥状の混練物を形成する撹拌手段と、前記混練物に電
磁波を照射してゼオライト化させる電磁波照射手段とを
備えたことにより、焼却灰などを含む組成物とアルカリ
水溶液との混合物を加温、撹拌して形成された混練物を
連続的に混練しながら電磁波を照射することができるよ
うになるため、ゼオライト化反応を大幅に促進し、従来
よりも短時間でゼオライトを製造することができ、設備
の簡略化、エネルギコストの低減も図ることができるよ
うになる。
【0047】(7)前記電磁波照射手段を、前記反応容
器の複数箇所に配置することにより、反応容器内にある
混練物にムラなく電磁波を照射することができるように
なるため、電磁波の吸収効率が高まり、ゼオライト化反
応を促進させることができる。
【0048】(8)前記撹拌手段として、湾曲形状の複
数の撹拌部材が外周面に配列された回転体を前記反応容
器内に配置すれば、前記回転体を回転させることによっ
てその外周面にある複数の撹拌部材が混練物を十分に撹
拌するので、電磁波の吸収効率が高まり、ゼオライト化
反応を促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態であるゼオライト製造装置を示す
正面図である。
【図2】 図1に示すゼオライト製造装置の平面図であ
る。
【図3】 図1に示すゼオライト製造装置を一部省略し
た状態で示す側面図である。
【図4】 図3におけるA−A線断面図である。
【符号の説明】
1 ゼオライト製造装置 2 反応容器 4 モータ 5 回転軸 6 撹拌部材 7 間隙 8 導入口 9 ドレン 10 開閉蓋 11 投入口 12 マンホール 13 電磁波照射口 14 排出口 15 発振機 16 ラック 17 導波管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開2000−335916(JP,A) 特開2001−48525(JP,A) 特開2001−220132(JP,A) 特開 平4−305007(JP,A) 特開 平6−107411(JP,A) 特開 平2−95435(JP,A) 特開2002−179423(JP,A) 特開 昭48−42976(JP,A) 特開 昭56−63819(JP,A) 特開 昭59−19540(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 39/00 - 39/54 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼却灰またはアルミノ珪酸塩を含む組成
    物にアルカリ水溶液を添加した混合物を金属製の撹拌手
    段を備えた金属製の反応容器内に収容し、前記混合物を
    加温および撹拌してスラリー状あるいは泥状の混練物を
    形成し、前記反応容器内で前記混練物を撹拌および加温
    、撹拌される前記混練物により前記反応容器の内壁面
    および前記撹拌手段の表面を被覆した状態を維持しなが
    前記混練物に周波数が300MHz〜30GHzの
    磁波を照射してゼオライト化させることを特徴とするゼ
    オライト製造方法。
  2. 【請求項2】 焼却灰またはアルミノ珪酸塩を含む組成
    物にアルカリ水溶液を添加した混合物を収容する金属製
    の反応容器と、前記反応容器内に収容された混合物を昇
    温させる加温手段と、当該混合物を撹拌してスラリー状
    または泥状の混練物を形成する金属製の撹拌手段であっ
    て前記混練物により前記反応容器の内壁面および当該撹
    拌手段の表面を被覆した状態を維持しながら前記混練物
    を撹拌する撹拌手段と、前記混練物に周波数が300M
    Hz〜30GHzの電磁波を照射してゼオライト化させ
    る電磁波照射手段とを備えたことを特徴とするゼオライ
    ト製造装置。
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