JP3389072B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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Description
側に電力を供給する、また逆に直流側から交流系統に電
力を供給する電力変換装置に関する。
変換装置の主回路構成図である。図15では、多重数が
2となっているが、これは説明を理解し易くするためで
あり、一般的には多重数を限定しない。
1に変圧器2の一次巻線2Pが接続され、変圧器2の一
次巻線2Pに結合された変圧器2の二次巻線3A、3B
を介して自励式変換器4A、4Bが接続される。自励式
変換器4A、4Bの直流側には、平滑コンデンサ5と負
荷装置6が接続される。自励式変換器4A、4Bは、自
己消弧形スイッチング素子7〜12と各自己消弧形スイ
ッチング素子に逆並列接続されたダイオードからなる。
ここではスイッチング素子をGTOで示している。
する従来の制御装置の構成図である。図16において、
図15と同一要素については同一符号を付し説明を省略
する。
線間電圧を検出する電圧検出器13と、電力変換装置の
出力電流を検出する電流検出器14と、電圧検出器13
で検出される線間電圧を相電圧に変換する線間−相電圧
変換回路15と、線間−相電圧変換回路15からの相電
圧を直交座標系の二相信号に変換する三相−二相変換回
路16と、三相−二相変換回路16の出力である二相交
流信号を位相角に変換する系統位相角算出回路17と、
系統位相の0°〜360°に対応した三角波を発生する
三角波発生回路18と、系統電圧を二相−dq変換する
二相−dq変換回路19と、電力変換装置の出力電流を
三相−dq変換する三相−dq変換回路20と、電力変
換装置の出力電流を制御する電流制御回路21と、二相
−dq変換回路19の出力と電流制御回路21の出力を
加算する加算器22と、加算器22の出力をdq−三相
変換するdq−三相変換回路23と、出力電圧指令値
(三相量)と三角波の交点を検出して、自励式変換器4
Aおよび4Bの自己消弧形スイッチング素子のオンオフ
を決定するパルスパターンを発生するクロスポイント検
出回路24と、クロスポイント検出回路24の出力であ
るパルスパターンから自己消弧形スイッチング素子に与
えるゲートパルスを発生するゲートパルス発生回路であ
る。三角波に関しては,多重数だけ位相をずらしたもの
を発生する。
しながら説明をする。図16図のVLUV,VLVW,
VLWUは系統電圧検出器13で検出される系統の線間
電圧である。線間−相電圧変換回路15は下式の演算を
行い、線間電圧VLUV,VLVW,VLWUを相電圧
VLU,VLV,VLWに変換する。
LU,VLV,VLWを直交AB座標系の二相信号VL
A,VLBに変換する。ただし、A軸をU相方向にと
り、B軸をA軸より90°進んだ軸とする。
相変換回路16の出力VLA,VLBから系統位相角T
HLを算出する。
き THL=tan−1(VLB/VLA)+360° 三角波発生回路18は下式の演算を行い、系統位相角T
HLを三角波信号TRIAまたはTRIBに変換する。
9パルス、2多重の場合、それぞれの三角波の位相角信
号は下式となる。
式変換器で360°/nずつずらす。
(mは0以上の整数)}以上{3 60°×m+18
0°}未満のとき TRIA=−1+(THA−360°×m)/90° TRIB=−1+(THB−360°×m)/90° THAおよびTHBがそれぞれ{360°×m+180
°}以上{360°×(m+1)}未満のとき TRIA=3−(THA−360°×m)/90° TRIB=3−(THB−360°×m)/90° 二相−dq変換回路19は、系統位相角THLを用いて
系統電圧を下式により二相−dq変換する。ここで系統
電圧の二相信号VLA,VLBはdq軸信号VLD,V
LQに変換される。だだし、d軸を系統電圧ベクトルの
向きにとり、q軸をd軸より90°進んだ軸とする。
IWは、三相−dq変換回路20で下式の演算が行わ
れ,ID,IQとなる。
s(THL−2×π/3)+IW×cos(THL−4
×π/3) IQ=−IU×sin(THL)−IV×sin(TH
L−2×π/3)−IW×sin(THL−4×π/
3) 有効電流指令値IRD,無効電流指令値IRQと三相−
dq変換回路20の出力ID,IQが電流制御回路21
に入力され、電流制御される。二相−dq変換回路19
の出力VLD,VLQと電流制御回路21の出力は加算
器22によって加算され、出力として自励式変換器の出
力電圧指令値VRD,VRQが得られる。電流制御回路
21および加算器22の詳細を図17に示す。
アクタンス、%IRは変圧器の巻線の抵抗分を表す。ま
た、図17に示されている量は単位法で表されており、
単位は[pu]である。加算器22の出力VRD,VRQは
dq−三相変換回路23に入力され、下式の演算によ
り、VRU,VRV,VRWに変換される。
−VRQ×sin(THL−π/6) VRV= VRD×cos(THL−π/6−2×π/
3)−VRQ×sin(THL−π/6−2×π/3) VRW= VRD×cos(THL−π/6−4×π/
3)−VRQ×sin(THL−π/6−4×π/3) これは自励式変換器4A,4Bの出力する電圧の三相量
指令値である。なお、位相角からπ/6が引かれている
のは、第15図の変圧器2がY−Δ結線であることに起
因する。TRIA,TRIBとVRU,VRV,VRW
をクロスポイント検出回路24で比較する。例えば,自
励式変換器4AのU相に関しては、VRUがTRIAよ
り大きいとき自己消弧形スイッチング素子7をオンし自
己消弧形スイッチング素子10をオフする。一方、VR
UがTRIAより小さいときは自己消弧形スイッチング
素子7をオフし自己消弧形スイッチング素子10をオン
する。同様に、変換器3Aに関してはTRV,TRWと
TRIAを比較し、変換器3Bに関してはTRU,TR
V,TRWをTRIBと比較して各自己消弧形スイッチ
ング素子のオンオフを決定する。
示す。VRU,TRIA,TRIBはすでに説明したの
で,ここでの説明は省略する。VUVAは自励式変換器
4AのUV線間出力電圧、VUVBは自励式変換器4B
のUV線間出力電圧である。VUは、VUVAとVUV
Bの合成波形であり、変圧器2の一次側ではVUがU相
の相電圧となる。
変換装置では、次のような問題点があった。すなわち、
パルス幅変調(PWM)制御自励式変換器は、その変調
周波数でスイッチング動作を行う必要があり、高周波で
スイッチング動作を行う場合、素子のスイッチング損失
やスナバ回路の損失が増大し、変換器の効率が低下する
ばかりでなく、素子を冷却する装置も大型化する欠点が
あった。
スタ等では不十分なゲート信号を与えると素子破壊をま
ねくため、最小のオン時間あるいは最小のオフ時間とい
うものを確保しなければならず、その部分はむだ時間と
なり、直流電圧の利用率を低下させてしまう。例えば、
パルス幅変調制御の周波数を500Hz 、上記最小オンおよ
びオフ時間を200 μsec とした場合、変調率は80%が上
限となってしまう。これは、変調周波数を高くするほ
ど、変調率の上限値を低下させる傾向にある。
化が難しく、経済性の面からも不利となる場合がある。
そこで本発明は、パルス幅変調(PWM)制御を行うこ
となく、交流系統の周波数にて自己消弧形スイッチング
素子のスイッチング動作をさせ、交直電力変換を行い、
しかも有効電流を指令値に高速に追従させる電力変換装
置を提供することを第1の目的とする。
イッチング素子のスイッチング動作をさせた場合、電力
変換装置の交流側出力電圧の振幅を制御するために、直
流側電圧を変化させる必要があり、このために直流側平
滑コンデンサの充放電を行うので、高速な制御が望めな
い。
常状態より小さい電圧を出力する必要が発生した場合
に、パルス幅変調(PWM)制御を行って、自己消弧形
スイッチング素子のスイッチング回数を増加させて、高
速な制御を行う電力変換装置を提案することを第2の目
的とする。この電力変換装置によれば、交流系統の事故
時等にも電力変換装置の交流側出力電流が過電流になる
ことなく、電力変換装置の運転継続を可能となる。
に、本発明の請求項1に係る電力変換装置では、自励式
変換器の交流側出力電圧の位相角指令信号を有効電流制
御手段で求め、この位相角指令信号に従って自励式変換
器を交流系統の周波数にてスイッチング動作させるパル
スパターンの位相を操作することにより、有効電力の制
御を行なう。これにより、自己消弧形スイッチング素子
が交流系統の周波数でスイッチング動作を行うのでスイ
ッチング損失を低減することができ、有効電流の制御も
高速に行うことができる。
は、出力電圧ベクトル指令の大きさと出力電圧ベクトル
指令の位相角を有効電流制御手段で求め、この出力電圧
ベクトル指令の位相角を基に三角波を発生させ、この三
角波と上記出力電圧ベクトル指令の大きさとを比較する
ことで出力電圧ベクトルを生成する。上記三角波と上記
出力電圧ベクトル指令の大きさを比較して、上記出力電
圧ベクトル指令の大きさが上記三角波より小さいときは
零ベクトルを出力し、上記出力電圧ベクトル指令の大き
さが上記三角波より大きいときは位相角に対応したベク
トルを出力する。これにより、1パルス運転と三角波比
較運転の切換えを自動的に行なうことができる。
は、有効電流制御手段は、電圧降下補償手段で有効電流
指令値と変圧器の漏れリアクタンスを乗算して漏れリア
クタンスによる電圧降下の補償量を求め、定常偏差補償
手段で有効電流指令値と有効電流検出値の偏差をPI制
御して有効電流の定常偏差の補償量を求め、微分手段で
有効電流検出値を微分して過渡時に発生する有効電流お
よび無効電流の基本波周波数の振動を抑制する補償量を
求め、系統位相角に上記各補償量を加算することで位相
角指令信号を得る。
は、有効電流制御手段は、電圧降下補償手段で有効電流
指令値と変圧器の漏れリアクタンスを乗算して漏れリア
クタンスによる電圧降下の補償量を求め、定常偏差補償
手段で有効電流指令値と有効電流検出値の偏差をPI制
御して有効電流の定常偏差の補償量を求め、比例手段で
無効電流検出値を定数倍して過渡時に発生する有効電流
および無効電流の基本波周波数の振動を抑制する補償量
を求め、系統位相角に上記各補償量を加算することで位
相角指令信号を得る。
は、有効電流制御手段は、電圧降下補償手段で有効電流
指令値と変圧器の漏れリアクタンスを乗算して漏れリア
クタンスによる電圧降下の補償量を求め、ベクトルの大
きさ算出手段で系統電圧のq軸成分と上記電圧降下補償
手段の出力を加算した値と系統電圧のd軸成分を基に出
力電圧ベクトル指令の大きさを求める。
圧のq軸成分と上記電圧降下補償手段の出力を加算した
値と系統電圧のd軸成分を基に電圧ベクトルの位相角を
求め、定常偏差補償手段で有効電流指令値と有効電流検
出値の偏差をPI制御して有効電流の定常偏差の補償量
を求め、微分手段で無効電流検出値を微分して過渡時に
発生する有効電流および無効電流の基本波周波数の振動
を抑制する補償量を求め、系統位相角に上記各補償量を
加算することで出力電圧ベクトル指令の位相角を得る。
は、有効電流制御手段は、電圧降下補償手段で有効電流
指令値と変圧器の漏れリアクタンスを乗算して漏れリア
クタンスによる電圧降下の補償量を求め、ベクトルの大
きさ算出手段で系統電圧のq軸成分と上記電圧降下補償
手段の出力を加算した値と系統電圧のd軸成分を基に出
力電圧ベクトル指令の大きさを求める。
圧のq軸成分と上記電圧降下補償手段の出力を加算した
値と系統電圧のd軸成分を基に電圧ベクトルの位相角を
求め、定常偏差補償手段で有効電流指令値と有効電流検
出値の偏差をPI制御して有効電流の定常偏差の補償量
を求め、比例手段で無効電流検出値を定数倍して過渡時
に発生する有効電流および無効電流の基本波周波数の振
動を抑制する補償量を求め、系統位相角に上記各補償量
を加算することで出力電圧ベクトル指令の位相角を得
る。
て図面を参照して説明する。図1は、本発明の電力変換
装置の主回路構成図である。図1において、図15に示
した従来の構成と同一要素については同一符号を付し説
明を省略する。
5に示した変圧器の二次巻線3A,3Bは両方ともΔ結
線なのに対し、図1の二次巻線27Aと27Bはそれぞ
れY結線とΔ結線である。これは、図1の場合は2多重
であり、高調波抑制のために自励式変換器4Bは自励式
変換器4Aに対して30°遅れた電圧を出力するので、
二次巻線27Aと27BをそれぞれY結線とΔ結線とす
ることで一次巻線に現れる電圧の位相を合わしている。
このようにすることで、出力電圧の高調波を小さくでき
ると共に直流電圧の利用率を大きくできる。例えば、多
重数をnとした場合には、各自励式変換器の出力電圧の
位相のずれは下式で表される。
結線を適用して、変圧器で上記角度の捻りを作ると、出
力電圧の高調波を小さくできると共に直流電圧の利用率
を大きくできる。
変換器4Bの自己消弧形スイッチング素子のスイッチン
グ動作を交流系統周波数にて行った場合(以後1パルス
運転と呼ぶ)の各部波形である。VUAは自励式変換器
4Aの仮想中性点からのU相電圧であり、VUBは自励
式変換器4BのUV線間電圧である。ただし、VUBは
変圧器26の巻数比を考慮して、実際の出力電圧を1/
√3倍した波形としている。VUはVUAとVUBを合
成した波形であり変圧器26の一次側のU相合成電圧で
ある。VUVはU相合成電圧VUからV相合成電圧VV
を差し引いた合成線間電圧である。この合成線間電圧V
UVの基本波成分振幅は、直流電圧をVD[V]とする
と下式で表される。
振幅は下式で表される。
電圧の振幅が交流系統1の線間電圧振幅に等しくなるよ
うに直流電圧VDが固定されていると仮定して議論を進
める。
出力電圧の位相を操作して行う。つまり図2に示した波
形の位相を操作する。図3は直流側から交流側へ電力が
供給されている場合のフェーザ図である。VL ,V,I
はそれぞれ系統電圧,電力変換装置の出力電圧,出力電
流のフェーザである。%IXは変圧器の漏れリアクタン
スである。なお、このフェーザ図では変圧器の巻線の抵
抗分は無視している。また、θは系統電圧VL と電力変
換装置の出力電圧Vの位相差であり、αは受電点におけ
る系統電圧VL と電力変換装置の出力電流Iの位相差で
ある。
て、自励式変換器の交流側出力電圧の振幅が一定で系統
電圧に等しいと仮定しているので、受電点の基本波力率
を1にはできないが、実用上問題の無い範囲で動作す
る。例えば、変圧器26の漏れリアクタンス%IXが
0.3puあった場合に、1puの有効電流を流すと、
受電点の基本波力率は0.988となる。ただし、無効
電力(無効電流)の制御系を本発明の制御装置に加えれ
ば、受電点において基本波力率を1にする運転も可能で
ある。
る制御装置の構成図である。図4において、図16と同
一要素については同一符号を付しその説明は省略する。
有効電流制御回路28は、有効電流指令値IRDと三相
−dq変換回路20の出力ID,IQおよび系統位相角
算出回路17の出力THLを入力して、自励式変換器の
出力電圧位相角指令値THを出力する。パルスパターン
発生回路29は、有効電流制御回路28の出力である出
力電圧位相角指令値THから、図2に示した波形に基づ
いてパルスパターンを発生する。
詳細な構成を示すブロック図である。まず図5について
説明する。この有効電流制御回路28は、フィードフォ
ワード制御の部分とフィードバック制御の部分に大きく
分けられる。フィードフォワード制御は、系統位相角T
HLと有効電流指令値IRDに変圧器の漏れリアクタン
ス%IXを掛け合わせた値の和が出力である。有効電流
指令値IRDと変圧器の漏れリアクタンス%IXを掛け
合わせた値を加えるのは、変圧器の漏れリアクタンス%
IXによる電圧降下を補償するためである。なお、ブロ
ック図において、角度の単位はラジアン[radian]、他の
量は単位法で表しており単位は[pu]である。フィードバ
ック制御は、有効電流IDの指令値IRDからの偏差を
補償器に入力し、補償器の出力を自励式変換器の出力電
圧位相角指令値に加える部分と、有効電流IDを直接微
分器に入力して、微分器の出力を自励式変換器の出力電
圧位相角指令値から差し引く部分とからなる。補償器
は、PI制御器からなり、主に有効電流の定常偏差の補
償を行い、微分器は、主に過渡時に発生する有効電流お
よび無効電流の基本波周波数の振動を抑制する。
は図5に示される有効電流制御回路28と同じである
が、フィードバック制御の有効電流IDを微分器を通し
て自励式変換器の電圧位相角指令値から差し引いていた
部分が変更されており、図6では無効電流IQを比例器
を通して定数倍してから自励式変換器の電圧位相角指令
値から差し引く。これも、過渡時に発生する有効電流お
よび無効電流の基本波周波数の振動を抑制する効果があ
る。
ほぼ同じ制御性能を持つ。図7は、本発明の電力変換装
置において、有効電流指令値IRDを0.5puから1
puにステップ的に変化させた場合の計算機シミュレー
ション波形である。実際の有効電流IDが5ms程度で
指令値IRDに追従している。なお、第7図のVUV,
VVW,VWUは自励式変換器4A,4Bの出力線間電
圧を合成した波形である。
明する。主回路構成は、すでに説明した図1と同じであ
る。第2の実施の形態の制御装置を図8に示す。ここで
は図4と同一要素については同一符号を付し説明を省略
する。
回路17の出力THL,二相−dq変換回路19の出力
VD,VQ,三相−dq変換回路20の出力ID,IQ
および有効電流指令値IRDを入力し、出力電圧ベクト
ル指令の大きさVと位相角THを出力する。有効電流制
御回路30の詳細を図9に示す。位相角THの操作は図
6に示した有効電流制御回路28と類似しており、フィ
ードバック制御の部分に関しては同じである。ただし、
フィードフォワード制御の部分に関しては、図9の有効
電流制御回路30の場合は、出力電圧ベクトル指令の大
きさVも同時に得る必要があるので、変圧器の漏れリア
クタンス%IXによる電圧降下の補償をdq座標上で行
っている。図9では、図6に示した有効電流制御回路2
8と類似た構成について示したが図5のように比較器を
微分器にしても同様の効果を得ることができる。
圧ベクトル指令の位相角THを三角波発生回路31入力
して、出力として三角波を得る。その三角波を図10に
示す。
圧ベクトル指令の大きさVと三角波発生回路31の出力
である三角波をクロスポイント検出回路32に入力し
て、出力としてゲートのパルスパターンを得る。
しながら説明する。出力電圧ベクトル指令の大きさV
が、三角波より小さいときは零ベクトル(V0またはV
7)を出力し、三角波より大きいときは位相角THに対
応したベクトル(V1〜V6)を出力する。図11は単
位自励式変換器1台が発生できる出力電圧をV0〜V7
の8通りのベクトルで表しており、図10の出力電圧ベ
クトルと対応している。V0〜V7の各ベクトルに対応
する自己消弧形スイッチング素子のスイッチング状態を
図12に示す。
の位相角THを60°/nずつずらす。ただし、nは多
重数である。2多重の場合、出力電圧ベクトル指令の大
きさVを0.8puとすると、自励式変換器の出力電圧
波形は図13となる。図13は、1パルス運転の波形を
示した図2と対応している。VUAは自励式変換器4A
の仮想中性点からのU相電圧であり、VUBは自励式変
換器4BのUV線間電圧である。ただし、VUBは変圧
器26の巻数比を考慮して、実際の出力電圧を1/√3
倍した波形としている。VUはVUAとVUBを合成し
た波形であり、VUVはU相合成電圧VUからV相合成
電圧VVを差し引いた合成線間電圧である。
定常状態では出力電圧ベクトル指令の大きさVが1pu
以上となるため、三角波とのクロスポイントがなくな
り、零ベクトルを出力しないで1パルス運転となる。そ
の時、出力電圧波形は図2に示した波形となる。
定常状態より小さい電圧を出力する必要が生じた場合
は、速やかに三角波比較が行われる。これにより、系統
事故時の過電流が抑制され,運転継続が可能となる。
において、1線地絡によりU相の電圧のみが0.5pu
になった場合のシミュレーション結果を第14図に示
す。20ms〜60msの期間で地絡を発生させてい
る。これから分かるように定常状態では1パルス運転を
し、地絡時はスイッチング回数が増加して過電流が抑制
されており、地絡時も運転継続が可能である。
ック制御の部分からの信号等の影響により、定常運転に
おいて、スイッチング回数が増加して1パルス運転をし
ない可能性がある。この場合は,系統に事故が発生して
いるかを判定する回路を付加して、事故が発生していな
い場合は、有効電流制御回路30の出力である出力電圧
ベクトル指令の大きさVを強制的に1pu以上にしてク
ロスポイント検出回路に入力し、1パルス運転を行う。
一方、事故を検出した場合は、電流制御回路30の出力
である出力電圧ベクトル指令の大きさVを直接クロスポ
イント検出回路に入力して、三角波比較運転を行う。
力変換装置は、1パルス運転と三角波比較運転の切換を
自動的に行うことが可能である。自動で行わない場合に
おいても、その切換を容易に行うことができる。
ば、定常状態においては、自励式変換器を構成する自己
消弧形スイッチング素子が交流系統の周波数でスイッチ
ング動作(1パルス運転)をするので、スイッチング損
失およびスナバ損失が小さくなる。また、受電点の基本
波力率を1付近で運転する場合、自励式変換器の出力電
流の零点付近のみでスイッチング動作が行われるので、
スイッチング損失が小さくなる。したがって、変換効率
を向上させるだけでなく、冷却装置の容量低減が図れ
る。
時に定常状態よりも小さい電圧を出力する必要が生じた
場合に、三角波比較パルス幅変調(PWM)制御に移行
して、電力変換装置の出力電圧が電圧指令値に高速に追
従するので、過電流を抑制して系統事故時も運転継続を
可能になる。
主回路構成図。
出力電圧波形図。
制御装置の構成図。
ロック図。
ロック図。
ン波形図。
制御装置の構成図。
ロック図。
回路の説明図。
ルを示す図。
図。
ミュレーション波形図。
シミュレーション波形図。
ック図。
Claims (6)
- 【請求項1】 自己消弧形スイッチング素子を有し、交
流系統に変圧器を介して接続された自励式変換器と、こ
の自励式変換器の直流側に接続された平滑コンデンサ
と、この平滑コンデンサを直流源とする負荷とを有した
電力変換装置において、前記自己消弧形スイッチング素
子を前記交流系統の周波数にてスイッチング動作させる
パルスパターン発生手段と、 前記交流系統へ出力する有効電流を制御する前記自励式
変換器の交流側出力電圧の位相角指令信号を求める有効
電流制御手段と、 前記有効電流制御手段の出力より前記パルスパターン発
生手段の出力の位相を変化させる位相制御手段とを具備
したことを特徴とする電力変換装置。 - 【請求項2】 交流系統に変圧器を介して接続された自
励式変換器と、この自励式変換器の直流側に接続された
平滑コンデンサと、この平滑コンデンサを直流源とする
負荷とを有した電力変換装置において、 前記交流系統へ出力する有効電流を制御すると出力電圧
ベクトル指令の大きさと出力電圧ベクトル指令の位相角
を求める有効電流制御手段と、 前記有効電流制御手段からの出力電圧ベクトル指令の位
相角を基に三角波を発生させる三角波発生手段と、 前記有効電流制御手段からの出力電圧ベクトル指令の大
きさと前記三角波発生手段からの三角波とを比較し、前
記出力電圧ベクトル指令の大きさが前記三角波より小さ
いときは零ベクトルを出力し、前記出力電圧ベクトル指
令の大きさが前記三角波より大きいときは位相角に対応
したベクトルを出力するクロスポイント検出手段とを具
備したことを特徴とする電力変換装置。 - 【請求項3】 前記有効電流制御手段は、有効電流指令
値と前記変圧器の漏れリアクタンスを乗算する電圧降下
補償手段と、系統位相角と前記電圧降下補償手段の出力
を加算する第1の加算手段と、前記有効電流指令値と有
効電流検出値の偏差をPI制御する定常偏差補償手段
と、前記有効電流検出値を微分する微分手段と、前記定
常偏差補償手段の出力から前記微分手段の出力を減算す
る第2の加算器と、前記第1の加算手段の出力と前記第
2の加算器の出力を加算する第3の加算器とからなるこ
とを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。 - 【請求項4】 前記有効電流制御手段は、有効電流指令
値と前記変圧器の漏れリアクタンスを乗算する電圧降下
補償手段と、系統位相角と前記電圧降下補償手段の出力
を加算する第1の加算手段と、前記有効電流指令値と有
効電流検出値の偏差をPI制御する定常偏差補償手段
と、無効電流検出値を定数倍する比例手段と、前記定常
偏差補償手段の出力から前記比例手段の出力を減算する
第2の加算器と、前記第1の加算手段の出力と前記第2
の加算器の出力を加算する第3の加算器とからなること
を特徴とする請求項1記載の電力変換装置。 - 【請求項5】 前記有効電流制御手段は、有効電流指令
値と前記変圧器の漏れリアクタンスを乗算する電圧降下
補償手段と、系統電圧のq軸成分と前記電圧降下補償手
段の出力を加算する第1の加算手段と、系統電圧のd軸
成分と前記第1の加算手段の出力とを基に出力電圧ベク
トル指令の大きさを求めるベクトルの大きさ算出手段
と、系統電圧のd軸成分と前記第1の加算手段の出力と
を基に電圧ベクトルの位相角を求めるベクトルの位相角
算出手段と、系統位相角と前記ベクトルの位相角算出手
段の出力を加算する第2の加算手段と、前記有効電流指
令値と有効電流検出値の偏差をPI制御する定常偏差補
償手段と、前記有効電流検出値を微分する微分手段と、
前記定常偏差補償手段の出力から前記微分手段の出力を
減算する第3の加算器と、前記第2の加算手段の出力と
前記第3の加算器の出力を加算する第4の加算器とから
なることを特徴とする請求項2記載の電力変換装置。 - 【請求項6】 前記有効電流制御手段は、有効電流指令
値と前記変圧器の漏れリアクタンスを乗算する電圧降下
補償手段と、系統電圧のq軸成分と前記電圧降下補償手
段の出力を加算する第1の加算手段と、系統電圧のd軸
成分と前記第1の加算手段の出力とを基に出力電圧ベク
トル指令の大きさを求めるベクトルの大きさ算出手段
と、系統電圧のd軸成分と前記第1の加算手段の出力と
を基に電圧ベクトルの位相角を求めるベクトルの位相角
算出手段と、系統位相角と前記ベクトルの位相角算出手
段の出力を加算する第2の加算手段と、前記有効電流指
令値と有効電流検出値の偏差をPI制御する定常偏差補
償手段と、前記有効電流検出値を定数倍する比例手段
と、前記定常偏差補償手段の出力から前記比例手段の出
力を減算する第3の加算器と、前記第2の加算手段の出
力と前記第3の加算器の出力を加算する第4の加算器と
からなることを特徴とする請求項2記載の電力変換装
置。
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---|---|---|---|
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JP24069597A JP3389072B2 (ja) | 1997-09-05 | 1997-09-05 | 電力変換装置 |
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JPH1189250A JPH1189250A (ja) | 1999-03-30 |
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- 1997-09-05 JP JP24069597A patent/JP3389072B2/ja not_active Expired - Fee Related
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