JP2000102257A - インバータのpwmパルス発生方法および発生装置 - Google Patents
インバータのpwmパルス発生方法および発生装置Info
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Abstract
おいて、回生制動時等の低変調率で大電流が流れる場合
に、特定のスイッチ素子(IGBT)に大電流が集中し
てスイッチ素子の熱破壊が起きるのを防止できるように
する。 【解決手段】 キャリアと指令電圧を比較してPWMパ
ルス波を生成する3相2レベルインバータのPWMパル
ス発生方法において、変調率が低い時に線間出力電圧が
零になる2つのスイッチパターン0n及び0pの発生時
間比率を指令電圧のシフト等の方法で変化させて、3相
2レベルインバータのスイッチ素子に発生する損失を調
節できるようにした。
Description
動をおこなうインバータ・サーボドライブ等の電力変換
装置に関する。
法としては、指令電圧と三角波キャリアとを比較してP
WMパルスを作り出す方式や、空間ベクトルのベクトル
演算によってPWMを作り出す方式が一般的である。す
なわち、直流電源の直流電力をインバータ主回路のスイ
ッチング素子の制御によって周波数・電圧(電流)を制
御した交流電力に変換して負荷に供給するPWMインバ
ータでは、インバータ主回路の各相スイッチ素子をPW
M波形にしたがって制御する。こうした従来のPWMイ
ンバータのうち、中性点クランプ型PWMインバータの
波形生成回路の代表例としては、例えば、特開平8−9
8540号に開示されたものがある。図12にそのPW
Mインバータの回路図を示す、図の回路は中性点クラン
プ型PWMインバータの波形生成回路であって、2つの
搬送波発生器104A、104Bから発生するキャリヤ
と、正弦波発生器105から発生する正弦波とをそれぞ
れコンパレータ106A、106Bでレベル比較し、両
コンパレータの出力を加算器106Cで加算して、符号
反転回路106Dによって位相を戻すことによって、ハ
イレベルH、ローレベルL、及び零レベル0とを持つP
WM波形を生成する。この信号によってIGBT等のス
イッチング素子で構成するスイッチング・アーム(図示
していない)を選択的にオン・オフして所望の出力電圧
が得られる。
来例における、2レベルあるいは3レベルのインバータ
で、回生制動時などのインバータの指令電圧が低変調率
で、かつ、スイッチ素子に大電流が流れるような動作の
場合には、インバータのある特定のスイッチ素子に電流
が集中し、スイッチ素子の損失による熱でそのスイッチ
素子自身が熱破壊してしまうといった問題があった。そ
こで、本発明は、線間電圧に影響ないように零電圧ベク
トルの発生時間を調整することで、スイッチング素子に
流れる電流による損失をコントロールしてスイッチング
素子の熱破壊を防止できるインバータのPWMパルス発
生方法および発生装置を提供することを目的としてい
る。
め、請求項1記載の発明は、3相2レベルインバータの
PWMパルス発生方法において、変調率が低い時に線間
出力電圧が零となる2つのスイッチパターンの発生時間
比率を変化させ前記3相2レベルインバータのスイッチ
素子に発生する損失を調節して前記スイッチ素子の熱破
壊を防止することを特徴としている。また、請求項2記
載の発明は、3相3レベルインバータのPWMパルス発
生方法において、変調率が低い時に線間出力電圧が零と
なる3つのスイッチパターンの発生時間比率を変化させ
前記3相3レベルインバータのスイッチ素子に発生する
損失を調節して前記スイッチ素子の熱破壊を防止するこ
とを特徴としている。そして、請求項3記載の発明は、
請求項1又は2記載のPWMパルス発生方法において、
線間出力電圧が零となるスイッチパターンの発生時間比
率を、3相分の指令電圧全体に同じオフセット値を加え
ることにより変化させることを特徴としている。さら
に、請求項4記載の発明は、3相2レベル又は3レベル
インバータのPWMパルス発生装置において、さらに、
変調率検出手段と、変調率比較手段と、零電圧ベクトル
の発生時間比率調整手段と、を備えたことを特徴として
いる。
ータの指令電圧が低変調率でかつ、スイッチ素子に大電
流が流れるような動作の場合にインバータのスイッチ素
子に集中する電流を線間電圧が零となるスイッチパター
ンの時間比率を変化させることで防ぐことが可能とな
り、スイッチ素子の損失による熱破壊を防止しインバー
タの安全性を向上させることができる。
について図面を参照して説明する。図1〜図6は本発明
の第1の実施の形態に係る一例の図である。図1は本発
明の第1の実施の形態に係る3相2レベルインバータの
指令電圧をシフトした場合のPWMパルスを示す図であ
る。図2は図1に示す指令電圧を逆方向にシフトした場
合のPWMパルスを示す図である。図3は図1に示すP
WMパルスの生成装置の一相分の基本回路図である。図
4は図3の回路において生成されるPWMパルスの一例
を示す図である。図5は図4に示すPWMパルスが印加
される3相2レベルインバータの主回路図である。図6
は図5に示す3相2レベルインバータの零電圧出力時の
状態図である。図3において、1は三角波キャリア発生
器で、2は出力電圧や出力周波数等の情報を含む指令電
圧の発生器であり、発生キャリアと指令電圧を比較器3
により比較してPWMパルスを作り出すもので、図3に
は一般的な回路構成を示している。又、3相2レベルイ
ンバータの主回路は図5に示すような回路構成であっ
て、4は直流電源で、5は平滑コンデンサであり、6〜
11は上下ペアーで各相U、V、Wのスイッチングアー
ムを形成するスイッチ素子としてのIGBTで、12〜
17は各スイッチ素子IGBT6〜11の帰還ダイオー
ドである。図3に示したように、三角波キャリアと指令
電圧を比較器3により比較してPWMパルスを生成する
が、例えば、指令電圧が高ければ上段のIGBT(6、
8、又は10)をONさせ、低い場合は下段のIGBT
(7、9、又は11)をONさせることにより、三相の
正弦波状の相電圧が得られる。この場合の線間電圧は相
電圧U、V、Wの差電圧である。また、電動機の回生制
動の場合は、発電機動作となってブレーキが掛かり、そ
の回生エネルギーはインバータへ戻され平滑コンデンサ
5を充電して直流電圧が上昇するので、放電抵抗回路に
より放電するか、又は、コンバータ部による回生制御等
により処理される。図3の回路におけるPWMパルス生
成の様子を、図4により更に詳しく説明する。ここでは
一つの三角波キャリアと3相(U相、V相、W相)の指
令電圧3つを比較して各相のPWMパルスを作り出して
いる。図4において、0n、0p、a、bは3相2レベ
ルインバータの出力するベクトル(例えば、中点を零電
圧ベクトルとする回転ベクトル)の名前とし、0n、0
pは図6のようにU, V, W 相が短絡された線間電圧が零
の電圧ベクトル(零電圧ベクトル)を出力した状態であ
る。0nは、負母線側の3つのスイッチ7、9、11が
オンになった状態図6(b)。0pは正母線側の3つの
スイッチ6、8、10がオンになった状態図6(a)で
ある。
出力状態を利用してスイッチ素子の損失を低減するもの
である。0n、0pの零電圧ベクトルを出力している状
態は線間電圧からみると全く同じ状態であるので、0
n、0pベクトルの発生順序を入れ替えたとしても線間
出力電圧には影響はなく、また零電圧ベクトルの総出力
時間が同じであれば、0n、0pベクトルの発生時間の
比率をかえても線間出力電圧には影響はない。例えば、
図4の状態から図1のように3つの指令電圧を同じ量だ
け上方向にシフトした場合には、0nベクトルの発生時
間が短くなり、0pベクトルの発生時間が長くなる。こ
こでa、b、ベクトルの発生時間に変化はないので、線
間で出力している平均の電圧はシフト前と変化しない。
だが0pベクトルの発生時間が長くなるということは、
時間平均的に図6(a)の状態が長くなって正母線側の
スイッチ素子に電流が流れる比率が大きくなる。つまり
正母線側のスイッチ素子の損失が増加して、負母線側の
スイッチ素子の損失が減少する。3相分の指令電圧を同
じ量だけシフトするには、指令電圧全体に同じオフセッ
ト値を加えることで実施できる。逆に図4の状態から図
2のように3つの指令電圧を同じ量だけ下方向にシフト
した場合、0nベクトルの発生時間が長くなり、0pベ
クトルの発生時間が短くなる。更に、この場合でもa、
bベクトルの発生時間に変化はなく、線間出力として出
している平均の電圧はシフト前と変化しないが、0nベ
クトルの発生時間が長くなるということは、時間平均的
に図6(b)の状態が長くなって負母線側のスイッチ素
子に電流が流れる比率が大きくなって、負母線側のスイ
ッチ素子の損失が増加して、正母線側のスイッチ素子の
損失が減少する。以上のことから、3相の指令電圧をシ
フトすることによって正母線側のスイッチ素子と負母線
側のスイッチ素子の損失分担を変化させることができ、
ある特定のスイッチ素子に電流が集中してしまうような
場合にはスイッチ素子の損失をコントロールしてスイッ
チ素子の熱破壊を防止することができる。例えば、電動
機の回生制動時などの低変調率で大電流がインバータに
流れる場合に、制御部(図示していない)の制御によっ
てスイッチ素子の損失分担を分散させることによって、
機器の安全が確保できる。
図を参照して説明する。図7は本発明の第2の実施の形
態に係る3相3レベルインバータのPWMパルスを示す
一例の図である。図8は図7に示すPWMパルスが印加
される3相3レベルインバータの主回路図である。図9
は図8に示す3相3レベルインバータの零電圧出力時の
状態図である。図10は図9に示す零電圧出力時の下段
スイッチングアーム・オフの状態を示す図である。図1
1は図9に示す零電圧出力時の上段スイッチングアーム
・オフの状態を示す図である。第2の実施の形態の3相
3レベルインバータは、図8のような回路構成をしてい
る。Ep19、En20は直流電源Ed18をEd/2
に分圧して3レベルの電圧レベルを作成する分圧コンデ
ンサであり、45及び46はコンデンサ19、20の中
性点電圧を導出する整流素子(ダイオード)で、21〜
24は還流用の整流素子(ダイオード)33〜36を夫
々備えたU相一相分のスイッチングアームを構成するI
GBTである。同様にそれぞれ中性点用ダイオード4
7、48および49、50と、還流ダイオード37〜4
0、41〜44を夫々備えたスイッチングアーム用IG
BT25〜28および29〜32によって、V相および
W相用のスイッチングアームを構成している。この場合
のPWMパルスの発生方法の一例としては、図7のよう
に一つの三角波キャリアと一相あたり二つの指令電圧で
計6つの指令電圧とを比較して各相のPWMパルスを作
り出す方法がある。図7は低変調率時の状態である。図
7において0n、an、bn、0o、ap、bp、0p
は3相3レベルインバータの出力する電圧ベクトルの名
前とし、そのうち0o、0n、0pはそれぞれ図9、1
0、11に示すようにU相、V相、W相が短絡された零
電圧ベクトルを出力した状態である。
同様に、この零電圧ベクトルを利用してスイッチ素子の
損失を低減する。0n、0o、0pの零電圧ベクトルを
出力している状態は相間電圧からみると同じ状態である
ので、線間出力電圧には0n、0o、0pベクトルの発
生順序を入れ替えたとしても影響はない。また、前実施
の形態と同様に、指令電圧P1〜P3を同じ量シフトし
た場合には、各零電圧ベクトルの発生時間比率が変化す
るが線間で出力している平均の電圧はシフト前と変化し
ない。よって3相3レベルインバータの場合も零電圧ベ
クトルの発生時間比率を調整することで、3相2レベル
インバータと同様に回生制動時等の低変調率時に各スイ
ッチの損失を調整することができ、スイッチ素子の熱破
壊を防止することができる。
時間比率調整のフローチャートの一例であり、図14は
本発明のブロック図の一例である。図13において、フ
ローがスタートすると、131において変調率を検出
し、、132においてその検出値が所定の変調率値より
低いかどうかを比較する。所定の変調率とはこの場合、
0.5程度が考えられる。 その結果、 検出値が所定の変調率値より低くなけれ
ば、通常のPWM制御を続行する(133)。 検出値が所定の変調率値より低ければ、零電圧ベク
トル発生時間比率調整を行なう(134)。
体的な回路ブロックの一例である。図14において、直
流電源4の直流電力をPWMインバータ主回路90(図
5、図8参照)のスイッチングモードの制御によって周
波数・電圧(電流)を制御した交流電力に変換し、負荷
である電動機Mに供給する。PWMインバータでは、主
回路90の各相スイッチ素子をPWM波形にしたがって
制御する。このためのPWM波形は図3に記載の三角波
キャリア発生器1からのキャリア信号と、指令電圧発生
器2の信号とのレベル比較を比較器3により比較してP
WMパルスを生成する。このPWMパルスは、ゲート回
路93によって、PWMインバータ主回路90のスイッ
チング素子のターンオンに必要なゲート信号として分配
される。91は、インバータ出力から高調波成分を除去
するためのフィルタである。このような回路において、
本発明により、変調率検出手段Aを設け比較器3の出力
であるPWM波形をこの変調率検出手段Aに入力する。
変調率検出手段Aは例えばオン−オフ比対変調率の変換
テーブルを備えたメモリとCPUで実現でき、入力され
たPWM波形のオン−オフ比から変調率を求める。求め
られた変調率は、本発明により設けられた変調率比較手
段Bのマイナス端子に入力され、一方、変調率比較手段
Bのプラス端子には変調率基準値が入力される。これに
より、変調率が基準値より高いときは変調率比較手段B
からは出力が出されず、変調率が基準値を下回ると変調
率比較手段Bから出力が出される。Cは本発明により設
けられた零電圧ベクトルの発生時間比率調整手段であ
る。時間比率調整手段Cは指令電圧発生器2の指令電圧
をシフトさせる機能をする。したがって、先の変調率比
較手段Bから出力が出されるとこの時間比率調整手段C
が作動し、指令電圧発生器2の指令電圧をシフトさせる
ことによって正母線側のスイッチ素子と負母線側のスイ
ッチ素子の損失分担を変化させることができ、ある特定
のスイッチ素子に電流が集中してしまうような場合には
スイッチ素子の損失をコントロールしてスイッチ素子の
熱破壊を防止することができる。
3相2レベルや3相3レベルのインバータにおいて、低
変調率時の線間出力電圧が零となるスイッチパターンの
発生時間比率を変化させることで、電流が多く流れてい
る場合のスイッチ素子に発生する損失を調整することが
可能になり、スイッチ素子の熱破壊を防止しインバータ
の安全性を向上させる効果がある。なお、以上の説明は
一例であって、本発明はこれに限定されるものではな
い。
インバータの指令電圧をシフトした場合のPWMパルス
を示す図である
のPWMパルスを示す図である。
基本回路図である
スの一例を示す図である。
ベルインバータの主回路図である。
力時の状態図である。
インバータのPWMパルスを示す図である。
ベルインバータの主回路図である。
力時の状態図である。
ム・オフの状態を示す図である。
ム・オフの状態を示す図である。
波形生成回路図である。
整のフローチャートである。
Claims (4)
- 【請求項1】3相2レベルインバータのPWMパルス発
生方法において、 変調率が低い時に線間出力電圧が零となる2つのスイッ
チパターンの発生時間比率を変化させ前記3相2レベル
インバータのスイッチ素子に発生する損失を調節して前
記スイッチ素子の熱破壊を防止することを特徴としたイ
ンバータのPWMパルス発生方法。 - 【請求項2】3相3レベルインバータのPWMパルス発
生方法において、 変調率が低い時に線間出力電圧が零となる3つのスイッ
チパターンの発生時間比率を変化させ前記3相3レベル
インバータのスイッチ素子に発生する損失を調節して前
記スイッチ素子の熱破壊を防止することを特徴としたイ
ンバータのPWMパルス発生方法。 - 【請求項3】請求項1又は2記載のPWMパルス発生方
法において、 線間出力電圧が零となるスイッチパターンの発生時間比
率を、3相分の指令電圧全体に同じオフセット値を加え
ることにより変化させるものであるインバータのPWM
パルス発生方法。 - 【請求項4】3相2レベル又は3レベルインバータのP
WMパルス発生装置において、 さらに、変調率検出手段と、変調率比較手段と、零電圧
ベクトルの発生時間比率調整手段と、を備えたことを特
徴とするインバータのPWMパルス発生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP26659298A JP3994243B2 (ja) | 1998-09-21 | 1998-09-21 | 電力変換装置とそのpwmパルス発生方法 |
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- 1998-09-21 JP JP26659298A patent/JP3994243B2/ja not_active Expired - Fee Related
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