JP4797371B2 - 電力変換装置の制御方法 - Google Patents

電力変換装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、交流モータを駆動する電力変換装置の制御方法である。
従来、交流モータ駆動システムにおいて、インバータに加える直流電圧を、DC/DCコンバータによって可変にする構成が知られており、例えば、図1に示したような特開2003-116280(特許文献1を参照されたい。)の構成などで開示されている。DC/DCコンバータを備える駆動システムでは、電源とモータ間を移動する電力は、全てDC/DCコンバータを通過するため、半導体スイッチやコイルにおける損失が生じる。DC/DCコンバータを備える駆動システムでは、電源とモータ間を移動する電力は、全てDC/DCコンバータを通過するため、半導体スイッチやコイルにおける損失が発生するとともに、コイルの容積によって、駆動システム全体の大きさが大きくなる。
特開2003-116280号公報(段落0005-0006、図1)
そこで、本発明は、DC/DCコンバータによる電圧可変と同様に高回転域における出力トルクの向上を目的とし、電源とモータの間の電力の移動には、DC/DCコンバータのような損失を伴わず、コイルのように大きな容積を必要としない、小型・低損失な電力変換器の制御方法を提供する。
上述した諸課題を解決すべく、第1の発明による電力変換装置の制御方法は、
複数の直流電源に接続され、これら直流電源のそれぞれの出力電圧からパルスを生成・合成することで駆動電圧を生成し交流モータを駆動する電力変換装置の制御方法であって、
モータ電流と同位相のモータ電圧成分である有効電圧指令値を生成する有効電圧指令値生成ステップと、
それ以外のモータ電圧成分である無効電圧指令値を生成する無効電圧指令値生成ステップと、
前記有効電圧指令値と前記無効電圧指令値とを複数の直流電源に各々対応した各電圧指令値に配分する電圧配分ステップと、
前記各電圧指令値に基づいて、前記電力変換装置が各出力電圧パルスを生成するよう制御するステップと、
さらに、dq座標におけるdq軸電流指令値とdq軸電流から、dq軸電流を制御するdq軸電圧指令値を演算するステップを含み、
前記有効電圧指令値生成ステップが、
前記dq軸電流指令値と前記dq軸電圧指令値とから、前記有効電圧指令値を抽出し、
前記無効電圧指令値生成ステップが、
前記dq軸電流指令値と前記dq軸電圧指令値とから、前記無効電圧指令を抽出する、
ことを特徴とする。
さらにまた、第の発明による電力変換装置の制御方法は、
さらに、前記モータ電流の位相を前記モータ電流の指令値の位相から求めるステップ、
を含むことを特徴とする。
さらにまた、第の発明による電力変換装置の制御方法は、
前記無効電圧指令値生成ステップが、
前記モータ電圧指令値から前記有効電圧指令値を減算することで前記無効電圧指令値を求める、
ことを特徴とする。
また、第の発明による電力変換装置の制御方法は、
複数の直流電源に接続され、これら直流電源のそれぞれの出力電圧からパルスを生成・合成することで駆動電圧を生成し交流モータを駆動する電力変換装置の制御方法であって、
モータ電流と同位相のモータ電圧成分である有効電圧指令値を生成する有効電圧指令値生成ステップと、
それ以外のモータ電圧成分である無効電圧指令値を生成する無効電圧指令値生成ステップと、
前記有効電圧指令値と前記無効電圧指令値とを複数の直流電源に各々対応した各電圧指令値に配分する電圧配分ステップと、
前記各電圧指令値に基づいて、前記電力変換装置が各出力電圧パルスを生成するよう制御するステップと、
を含み、
前記電圧配分ステップが、
前記複数の直流電源に各々対応した有効電力配分指令値を前記有効電圧指令値に乗じて配分後有効電圧指令を求めるステップと、
前記複数の直流電源に各々対応した無効電力配分指令値を前記無効電圧指令値に乗じて配分後無効電圧指令を求めるステップと、
前記複数の直流電源に各々対応した前記各電圧指令値を、前記配分後有効電圧指令値と前記配分後無効電圧指令値との和から、それぞれ求めるステップとを含む、
ことを特徴とする。
さらにまた、第の発明による電力変換装置の制御方法は、
さらに、前記複数の直流電源に各々対応した前記各電圧指令値を前記直流電源の電圧値によって正規化した各変調率指令値を求めるとともに、この求めた各変調率指令値に、前記各電圧指令値の大きさに応じたオフセット量を加算もしくは減算して各補正変調率指令値を出力するステップ、
を含むことを特徴とする。
さらにまた、第の発明による電力変換装置の制御方法は、
さらに、前記複数の直流電源の一つがコンデンサであって、前記無効電圧指令値をこのコンデンサに蓄積されている電力に対応した電圧指令値とするステップ、
を含むことを特徴とする。
上述したように本発明の解決手段を方法として説明してきたが、本発明はこれらに実質的に相当する装置、プログラム、プログラムを記録した記憶媒体としても実現され得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
第1の発明によれば、モータ電圧の有効電圧と無効電圧を複数の電源に対応した電圧指令に配分し、電圧パルスを生成してモータを駆動することで、モータの有効電力の配分だけでなく、無効電力の配分を制御することができる。これによって、複数の電源を、無効電力のみを循環させる電源や有効電力のみを供給させる電源として制御することが可能になる。無効電力のみを循環させる電源は、有効電力を供給しないため、その容量は小さくてよい。その電圧を高い電圧に充電しておき、その電圧を利用することで、モータの誘起電圧を抑えるようにモータ電流を制御するととともに、他の電源から有効電力をモータへ供給して駆動することで、高回転域でのモータの出力トルクを向上させることが可能である。また、従来技術ではスイッチ群を通過して電源に戻っていた無効電力を利用して昇圧を行うことができるため、スイッチ群における損失を低減させることも可能となる。
また、の発明によれば、モータ電流位相とモータ電圧指令値とから有効電圧指令と無効電圧指令を抽出するため、一般的なモータ制御システムが持つ情報を用い、制御システム内の演算によって、それらを抽出することができる。また、第3の発明によれば、モータ電流位相をモータ電流指令値から求めるため、実モータ電流の検出値に含まれるノイズ等の影響を受けずに、モータ電流位相を求めることが可能である。請求項4の発明によれば、
無効電圧指令をモータ電圧指令値から有効電圧指令値を減算して求めるため、演算を簡素化することが可能である。また、第5の発明によれば、dq座標において有効電圧指令と無効電圧指令を演算するため、dq座標におけるベクトル制御を行うモータ制御システムにおいては、その演算量は3相交流での演算量に比べて少なくてすむ。
の発明によれば、有効電圧と無効電圧を電源に応じて配分することで、モータを駆動する有効電力と無効電力の供給源を電源に応じて配分することができるようになる。このことで、モータの電流制御と電源の電力制御を同時に行い、電源として二次電池を備える場合のその電圧制御などがDC/DCコンバータなどの他の変換装置を新たに備えずに実現できる。
また、第の発明によれば、電圧指令値を電圧で正規化した後に、電圧指令値に応じてオフセット量を求め、変調率指令値に加算もしくは減算する処理を行うことで、電力の配分比率を任意の値とすることができる。また、第6の発明によれば、電源としてコンデンサを用いるため、小型・低コスト化を図ることができる。無効電圧をコンデンサに蓄積された電力に対応した電圧指令値とすることで、コンデンサからの電力の放電が行われず、初期に充電された電圧を維持することが可能である。このコンデンサ電圧を利用して、モータの誘起電圧を抑えるようにモータ電流を制御するととともに、他の電源から有効電力をモータへ供給して駆動することで、高回転域でのモータの出力トルクを向上させることが可能である。
以降、諸図面を参照しつつ、本発明の実施態様を詳細に説明する。図3は、本発明による電力変換装置の制御方法の使用に適した電力変換装置の回路図を示している。電源10aの負極と、電源10bの負極が共通負極母線15に接続されている。共通負極母線15とモータ20の各相端子間には、一般的に知られているインバータの下アームと同様に、半導体スイッチ107a,108a,109aとダイオード107b,108b,109bの組が接続される。電源10aの正極母線14とモータ20の各相端子間とは、双方向の導通を制御可能な半導体スイッチ101a/101b,102a/102b,103a/103bでそれぞれ接続する。また、電源10bの正極母線16とモータ20の各相端子間にも、双方向の導通を制御可能な半導体スイッチ104a/104b,105a/105b,106a/106bをそれぞれ接続する。電源10aの正極母線14と共通負極母線15の間には平滑コンデンサ12を設け、電源10bの正極母線16と共通負極母線15の間にも平滑コンデンサ13を設ける。
電力変換器30は、共通負極母線と電源10aの正極母線と電源10bの正極母線、以上の3つの電位の電圧をもとに、モータに印加する電圧を生成する直流-交流電力変換器である。U相(30U)、V相(30V)、W相(30W)の各相に設けられた半導体スイッチが、交流モータの各相に出力する電圧を生成するスイッチ手段であり、これらの電位のなかから択一的に接続し、その接続する時間の割合を変化させることで、モータに必要な電圧を供給する。
図2を用いて、制御装置40の構成を説明する。41は、外部より与えられるトルク指令とモータの回転速度とから交流モータのd軸電流の指令値id*とq軸電流の指令値iq*とを演算するトルク制御手段である。42では、dq軸電流指令値id*、iq*とdq軸電流値id、iqとから、これらを一致させるための電流制御を行うとともに、電源10aとbから供給される有効電力の分配目標値(rto_pa_a、rto_pa_b)と、電源10aと10bが接続された母線を経て循環する無効電力の分配目標値(rto_pr_a、rto_pr_b)から電力制御を行う電流・電力制御手段である。
この電流・電力制御手段42の詳細について、図11を用いて詳細に説明する。電流制御手段42aでは、id*、iq*にid、iqが追従するように、それぞれPI制御によるフィードバック制御を行って、dq軸電圧指令値vd*、vq*を出力する。id、iqは3相/dq変換手段48により3相電流iu、ivから求められる。β角演算手段42bでは、id*、iq*を入力とし、次の式に基づいて電流指令値の位相角度β*を演算する(第3の発明では指令値から 、第5の発明ではdq軸から求める)。
β* = tan-1(-id/iq)
(ただし、iq=0の場合は β* =π/2)
vd*、vq*とβ*を用いて、有効電圧成分vd_1*、vq_1*と無効電圧成分vd_2*、vq_2*を演算する。図12の電流・電圧ベクトル図に示したように、まず、電圧指令値vd*、vq*を電流指令値のベクトルI*の方向と、これと直交する方向の成分に分解する。得られた合成電圧ベクトルv_a0,v_r0を再度、dq軸成分に分解すると、v_a0から有効電圧成分vd_1*、vq_1*が求まり、v_r0から無効電圧成分vd_2*、vq_2*が求まる。有効・無効dq電圧演算手段42cは、この過程を演算する手段であり、次の式に基づいて行う(第2の発明では電流位相βと電圧指令値から求める)。
Figure 0004797371

なお、ベクトルの分解・合成によってdq軸の電圧成分を演算しているため、無効電圧成分については、次の式から演算することも可能である。
Figure 0004797371

上の式を用いれば、v_r0を演算せずにvd_2*,vq_2*を求めることができるため、演算量を低減することが可能である(これは第4の発明に相当)。
求められたvd_1*、vq_1*は有効電力の分配目標値(rto_pa_a、rto_pa_b)を用いて、電源10aから供給される電力と電源10bから供給される電力を配分するために、電圧の配分を行う。ここで、
rto_pa_a + rto_pa_b = 1
であり、この配分比の関係が満足される範囲で、分配目標値を変更できる(第6の発明に相当)。
vd1_a*=rto_pa_a・vd_1*
vq1_a*=rto_pa_a・vq_1*
vd1_b*=rto_pa_b・vd_1*
vq1_b*=rto_pa_b・vq_1*
また、無効電力の分配目標値(rto_pr_a、rto_pr_b)を用いて、電源10aが接続された極を経て循環する無効電力と、電源10bの極を経て循環する無効電力を配分する。
ここで、
rto_pr_a + rto_pr_b = 1
vd2_a*=rto_pr_a・vd_2*
vq2_a*=rto_pr_a・vq_2*
vd2_b*=rto_pr_b・vd_2*
vq2_b*=rto_pr_b・vq_2*
であり、求められた電圧から、電源10a側の電圧指令値としてvd_a*,vq_a*と電源10b側の電圧指令値としてvd_b*,vq_b*を以下の式を用いて演算する。これは、図11における42fの加算器を表している。
vd_a*= vd1_a* +vd2_a*
vq_a*= vq1_a* +vq2_a*
vd_b*= vd1_b* +vd2_b*
vq_b*= vq1_b* +vq2_b*
42fと42gは、得られたdq軸電圧指令値を3相電圧指令に変換するdq/3相電圧変換手段であり、vu_a*、vv_a*、vw_a*、vu_b*、vv_b*、vw_b*を出力する。以下、電源10aから生成する電圧の指令を電源10a分電圧指令、電源10bから生成する電圧の指令を電源10b分電圧指令と記す。
45は、電源10aの電圧Vdc_a、電源10bの電圧Vdc_bを入力し、vu_a*、vu_b*、vv_a*、vv_b*、vw_a*、vw_b*を正規格化した電圧指令である瞬時変調率指令mu_a*、mu_b*、mv_a*、mv_b*、mw_a*、mw_b*を生成する変調率演算手段である。46は、瞬時変調率指令にPWMを行う前の処理を行い最終的な瞬時変調率指令mu_a_c*、mu_b_c *、mv_a_c *、mv_b_c *、mw_a_c *、mw_b_c *を生成する変調率補正手段である。47は、最終的な瞬時変調率指令に基づいて電力変換器30の各スイッチをオン/オフするPWMパルスを生成するPWMパルス生成手段である。
以下、変調率演算手段45、変調率補正手段46、PWMパルス生成手段47を図4〜10を用いて詳細に説明する。図5は、図4の各手段で行う演算をフローチャートで示したものである。なお以下の説明は、U相についてのみ行うがV相、W相についても全く同様の操作を行う。
変調率演算手段45
変調率演算手段45は、図5に示す演算2を行う。U相の電源10a分電圧指令vu_a*、電源10b分電圧指令vu_b*をそれぞれの直流電圧の半分の値で正規化することで電源10a分瞬時変調率指令mu_a*、電源10b分瞬時変調率指令mu_b*を求める。
mu_a*=vu_a*/(Vdc_a/2)
mu_b*=vu_b*/(Vdc_b/2)
変調率補正手段46(第7の発明に相当)
変調率補正手段46は、図5に示す演算3を行う。この演算では、まず、vd_a*,vq_a*,vd_b*,vq_b*から、a・bそれぞれの電圧ベクトルの大きさ|V_a|,|V_b|を求める。
Figure 0004797371

電源電圧Vdc_a、Vdc_bと、求められた|V_a|,|V_b|を用いて、次の式に基づいて電源10a分瞬時変調率指令mu_a*、電源10b分瞬時変調率指令mu*_bの補正を行う。
Figure 0004797371

このように、電源10a分瞬時変調率指令mu_a*、電源10b分瞬時変調率指令mu*_bに分配電力目標値の大きさに応じた値を乗じるとともにオフセット値を減算することで、分配電力目標値の大きさが大きい電源から生成する電圧を大きくできるようにしている。なお、ここでは減算式にて説明したが、最初に固定値を減算した上で補正値を加算する方法を用いても同様の効果となる。つまり加算もしくは減算を行うことで任意の電力分配比を達成できる。
PWMパルス生成手段47
図6において、電源10a用キャリアは、電源10aの電圧Vdc_aから電圧パルスを出力するために、各スイッチを駆動するPWMパルスを生成するための三角波キャリアであり、同様に、電源10b用キャリアとして三角波を設ける。これら二つの三角波キャリアは、上限+1、下限―1の値をとり、180度の位相差を持つ。ここでは、U相の各スイッチを駆動する信号を、図7をもとに次のようにおく。
A:電源10aから出力端子の方向へ導通するスイッチの駆動信号
B:出力端子から負極の方向へ導通するスイッチの駆動信号
C:出力端子から電源10aの方向へ導通するスイッチの駆動信号
D:電源10bから出力端子の方向へ導通するスイッチの駆動信号
E:出力端子から電源10bの方向へ導通するスイッチの駆動信号
まず、電源10aから電圧パルスを出力する際のパルス生成方法について述べる。電源10aからPWMパルスを出力する際に、Aをオンする必要がある。正極と正極の間に電位差があり、Vdc_a>Vdc_bである時、AとEがともにオンすると、正極間を短絡する電流が流れることになる。例えば、同時にAをオンからオフへ、Eをオフからオンへ信号を切り換えた場合に、Aが完全にオフするまでに時間を要するため、Eのオン時と重なり、ともにオンする時間が生じ、短絡電流が流れ、この経路に設置された半導体スイッチの発熱量が増加する。このような発熱の増加を予防するために、駆動信号AとEがともにオフする時間を経過した後に、A、Eをオフからオンへ切り換えるようにする。このように駆動信号に短絡防止時間(デッドタイム)付加したパルス生成を行う。このAとEの駆動信号にデッドタイムを付加するのと同様に、EとCにデッドタイムを付加し、さらに、正極と負極の短絡防止のためには、AとB、EとBにデッドタイムを付加する。
図8を用いて、AとEの駆動信号にデッドタイムを付加する方法を以下に説明する。
デッドタイムを付加した駆動信号生成を行うため、mu_a_c*からデッドタイム分オフセットしたmu_a_c_up*,mu_a_c_down*を次のように求める。
mu_a_c_up* = mu_a_c* + Hd
mu_a_c_down* = mu_a_c* − Hd
ここで、Hdは三角波の振幅(底辺から頂点まで)Htrと周期Ttr、デッドタイムTdから次のように求める。
Hd = 2Td・Htr/Ttr
キャリアとmu_a_c*,mu_a_c_up*,mu_a_c_down*の比較を行って、AとEのスイッチの駆動信号を次のルールに従って求める。
mu_a_c_down* ≧ 電源10a用キャリア ならば A = ON
mu_a_c* ≦ 電源10a用キャリア ならば A = OFF
mu_a_c*≧電源10a用キャリア ならば E = OFF
mu_a_c_up* ≦電源10a用キャリア ならば E = ON
このように、駆動信号を生成することで、AとEの間にはTdのデッドタイムを設けることができ、正極間の短絡を防止することができる。
また、電源10bから電圧パルスを出力する際のパルス生成方法は、電源10aの場合と同様であり、次のmu_b_c_up*,mu_b_c_down*を求め、電源10b用キャリアとの比較を行う(図9)。
mu_b_c_up* = mu_b_c* + Hd
mu_b_c_down* = mu_b_c* − Hd
DとCのスイッチの駆動信号を次のルールに従って求める。
mu_b_c_down* ≧ 電源10b用キャリア ならば D = ON
mu_b_c* ≦ 電源10b用キャリア ならば D = OFF
mu_b_c*≧電源10b用キャリア ならば C = OFF
mu_b_c_up* ≦電源10b用キャリア ならば C = ON
このようにして、DとCの間にもTdのデッドタイムを設けることができ、正極間の短絡を防止することができる。
駆動信号Bは、AND回路などを使って生成された駆動信号EとCのANDから生成する。
B=E・C
EはAとの間にデッドタイムが付加した駆動信号であり、CはDとの間にデッドタイムが付加した駆動信号である。このため、BをEとCのANDから生成することで、BとA、BとEにもデッドタイムを生成することができる。デッドタイムが付加されたパルス生成の例を図10に示す。
本発明によって、電源10a分とb分の電力配分を有効電力と無効電力に分けて制御することが可能になる。有効電力の配分目標値rto_pa_a=1とし、無効電力の配分目標値rto_pr_a=0とすると、モータを駆動する有効電力は電源10aからのみ供給され、無効電力は、電源10bが接続された極を経て各相を循環することとなり、電源10bの平均電力を考えると、放電しないことになる。このため、電源10bは小容量の電源、もしくは図14に示したように平滑コンデンサ13のみの構成で十分になる(第8の発明に相当)。
図13のT1は、電源10aと同じ直流電圧の一般的なインバータによってSPM(表面磁石型)モータを駆動した場合の速度・トルク特性を示しており、低速度でのトルク一定となる領域は、主にモータ・インバータの電流の上限値によって制限される領域であり、回転とともにトルクが低下していく領域は、モータの誘起電圧によってモータ電流を流すための電圧が低下していく領域である。一方、T2は、T1と同じモータと本発明による電力変換装置の制御方法を用い、平滑コンデンサ13の電圧を電源10aの5倍に充電しておき、有効電力を電源10aからのみ供給し、無効電力を電源10bに相当する平滑コンデンサ13の接続された経路のみから供給した場合の速度・トルク特性を示している。低速度でのトルク上限値は電流の上限値がT1と等しいために差異はないが、回転の高い領域では、大幅に出力トルクを向上することが可能になる。これは、T1の高回転域では、モータに誘起電圧を抑えるための無効電流を多く流すため、トルクとして発生できる有効電流の比率が低く、力率は低い。一方で、T2では、無効電流を平滑コンデンサ13に循環させ、その平滑コンデンサ13の電圧を高くしておくことで、モータの誘起電圧を抑え、電源10aからは、モータのトルクとして発生できる有効電流を流すための電圧をより多く供給することが可能になるため、出力トルクを向上することができる。このように、本発明によって、従来のDCDCコンバータによる昇圧回路を用いずに、その速度・トルク特性と同等の効果を発揮しつつ、DCDCコンバータの昇圧回路の損失と、容積を低減することが可能になる。
第二の実施例を、図15を用いて説明する。電源202を接続したインバータ205は、一般的に知られている直流を三相交流へ変換するインバータである。このインバータと電源の間には平滑コンデンサ204が接続される。また、インバータ205とモータ20の間には、三相変圧器201が接続されており、この三相変圧器の一方は、インバータ206に接続されている。このインバータ206は、電源として機能する平滑コンデンサ相当のコンデンサ203が接続されている。これら二つのインバータの制御は、図16に示したように、第一の実施例における制御演算と同様な手順を経て、変調率演算手段45までを計算する。得られた変調率は、PWMパルス生成手段47aのPWM生成にて、通常のインバータで行われる三角波比較によるパルス生成を行って、mu_a*,mv_a*,mw_a*を用いてインバータ205のスイッチの駆動信号を生成し、同様に、mu_b*,mv_b*,mw_b*を用いてインバータ206の駆動信号を生成する。インバータ205と206によって発生する電圧は、三相変圧器を介して合成され、モータに供給される。第一の実施例と同様に、有効電力の配分目標値rto_pa_a=1、無効電力の配分目標値rto_pr_a=0とし、コンデンサ203の電圧を電源202の電圧よりも高く設定しておくことで、図13に示したような出力トルクの向上が可能になる。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。
従来のモータ制御システムの構成を示す図である。 本発明による電力変換装置の制御方法の使用に適したモータ制御システムの一例を示す構成図である。 本発明による電力変換装置の制御方法の使用に適した電力変換装置の回路図の一例である。 図2の一部を抜き出した図である。 図4の各ブロックの演算を示すフローチャートである。 第1の実施例のPWMパルス生成手段での演算を示す図である。 図3からU相のみを抜き出した構成を示す図である。 三角波比較によるAとEのパルス生成を示す図である。 三角波比較によるDとCのパルス生成を示す図である。 デッドタイムが付加されたパルス生成の例を示す図である。 図2の制御システムの一部の制御ブロック図である。 有効・無効電圧を説明するベクトル図である。 モータの速度・トルク特性図である。 第一の実施例における電力変換器の別構成を示す図である。 第二の実施例における電力変換器の構成を示す図である。 第二の実施例の制御システムの構成を示す図である。
符号の説明
10a,10b 電源
12,13 平滑コンデンサ
14 電源10aの正極母線
15 共通負極母線
16 電源10bの正極母線
20 モータ
101a/101b,102a/102b,103a/103b 半導体スイッチ
104a/104b,105a/105b,106a/106b 半導体スイッチ
107a,108a,109a 半導体スイッチ
107b,108b,109b ダイオード
30 電力変換器
30U U相のスイッチ群
30V V相のスイッチ群
30W W相のスイッチ群
40 制御装置
41 トルク制御手段
42 電流制御手段
43 dq/3相電圧変換手段
44 電圧分配手段
45 変調率演算手段
46 変調率補正手段
47,47a PWMパルス生成手段
48 3相/dq電圧変換手段
202 電源
201 三相変圧器
203 コンデンサ(電源として機能する)
204 コンデンサ
205,206 インバータ

Claims (6)

  1. 複数の直流電源に接続され、これら直流電源のそれぞれの出力電圧からパルスを生成・合成することで駆動電圧を生成し交流モータを駆動する電力変換装置の制御方法であって、
    モータ電流と同位相のモータ電圧成分である有効電圧指令値を生成する有効電圧指令値生成ステップと、
    それ以外のモータ電圧成分である無効電圧指令値を生成する無効電圧指令値生成ステップと、
    前記有効電圧指令値と前記無効電圧指令値とを複数の直流電源に各々対応した各電圧指令値に配分する電圧配分ステップと、
    前記各電圧指令値に基づいて、前記電力変換装置が各出力電圧パルスを生成するよう制御するステップと、
    さらに、dq座標におけるdq軸電流指令値とdq軸電流から、dq軸電流を制御するdq軸電圧指令値を演算するステップを含み、
    前記有効電圧指令値生成ステップが、
    前記dq軸電流指令値と前記dq軸電圧指令値とから、前記有効電圧指令値を抽出し、
    前記無効電圧指令値生成ステップが、
    前記dq軸電流指令値と前記dq軸電圧指令値とから、前記無効電圧指令を抽出する、
    ことを特徴とする電力変換装置の制御方法。
  2. 請求項に記載の電力変換装置の制御方法において、
    さらに、前記モータ電流の位相を前記モータ電流の指令値の位相から求めるステップ、
    を含むことを特徴とする電力変換装置の制御方法。
  3. 請求項に記載の電力変換装置の制御方法において、
    前記無効電圧指令値生成ステップが、
    前記モータ電圧指令値から前記有効電圧指令値を減算することで前記無効電圧指令値を求める、
    ことを特徴とする電力変換装置の制御方法。
  4. 複数の直流電源に接続され、これら直流電源のそれぞれの出力電圧からパルスを生成・合成することで駆動電圧を生成し交流モータを駆動する電力変換装置の制御方法であって、
    モータ電流と同位相のモータ電圧成分である有効電圧指令値を生成する有効電圧指令値生成ステップと、
    それ以外のモータ電圧成分である無効電圧指令値を生成する無効電圧指令値生成ステップと、
    前記有効電圧指令値と前記無効電圧指令値とを複数の直流電源に各々対応した各電圧指令値に配分する電圧配分ステップと、
    前記電圧配分ステップが、
    前記複数の直流電源に各々対応した有効電力配分指令値を前記有効電圧指令値に乗じて配分後有効電圧指令を求めるステップと、
    前記複数の直流電源に各々対応した無効電力配分指令値を前記無効電圧指令値に乗じて配分後無効電圧指令を求めるステップと、
    前記複数の直流電源に各々対応した前記各電圧指令値を、前記配分後有効電圧指令値と前記配分後無効電圧指令値との和から、それぞれ求めるステップとを含む、
    ことを特徴とする電力変換装置の制御方法。
  5. 請求項に記載の電力変換装置の制御方法において、
    さらに、前記複数の直流電源に各々対応した前記各電圧指令値を前記直流電源の電圧値によって正規化した各変調率指令値を求めるとともに、この求めた各変調率指令値に、前記各電圧指令値の大きさに応じたオフセット量を加算もしくは減算して各補正変調率指令値を出力するステップ、
    を含むことを特徴とする電力変換装置の制御方法。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の電力変換装置の制御方法において、
    さらに、前記複数の直流電源の一つがコンデンサであって、前記無効電圧指令値をこのコンデンサに蓄積されている電力に対応した電圧指令値とするステップ、
    を含むことを特徴とする電力変換装置の制御方法。
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