JP3388429B2 - 成形品内における部材の導電パターンへの金属板接続方法 - Google Patents
成形品内における部材の導電パターンへの金属板接続方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形品内における
部材の導電パターンへの金属板接続方法に関するもので
ある。 【0002】 【従来の技術】従来、基板や各種電子部品等の各種部材
に設けた導電パターンに金属板を接続し、その周囲にモ
ールド樹脂を成形することによって、前記導電パターン
と金属板とを接続固定する方法が利用されている。この
種の接続方法としては、例えば予め導電パターンと金属
板とを導電性接着剤や半田や補強フイルムなどによって
固定しておき、次に前記固定部分を金型内に収納して固
定部分の周囲にモールド樹脂を成形する方法が一般に行
われていた。 【0003】しかしながら上記従来例によれば、導電パ
ターンと金属板を予め固定する工程と、その周囲にモー
ルド樹脂を成形する工程の2つの工程が必要になり、そ
の製造工程が煩雑であった。 【0004】上記不都合を解消するためには、導電パタ
ーン上に金属板を当接させただけの状態でこの金属板と
基板の当接部分を金型内に収納し、当接部分の周囲にモ
ールド樹脂を成形し、該モールド樹脂によって導電パタ
ーンと金属板間を当接させたままの状態で固定する方法
も考えられる。このようにすれば1回の工程でその製造
が行えるので好適である。 【0005】しかしながらこの方法の場合、成形後の導
電パターンと金属板はモールド樹脂による機械的挟持力
のみによって固定されているだけなので、この成形品の
周囲の温度や湿度が変化してモールド樹脂が膨張と収縮
を繰り返したような場合などは、経時的にモールド樹脂
による導電パターンと金属板の固定力が弱くなり、最悪
の場合は両者間に接続不良を生じる恐れがある。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の点に鑑
みてなされたものでありその目的は、製造が容易に行
え、且つ導電パターンと金属板間に接続不良を生じる恐
れのない成形品内における部材の導電パターンへの金属
板接続方法を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め本発明は、部材の導電パターン上に金属板が接触する
ように部材と金属板を金型内に収容し、金型の前記金属
板と導電パターンを接触した部分の周囲に設けたキャビ
ティー内に溶融したモールド樹脂を注入し、モールド樹
脂の冷却固化後に金型を取り外してなる成形品内におけ
る部材の導電パターンへの金属板接続方法において、前
記金属板の表面に、予め前記溶融したモールド樹脂の温
度よりも低い温度で溶融する低融点金属材料層をメッキ
しておき、前記キャビティー内へ溶融モールド樹脂を注
入した際の溶融モールド樹脂の熱によって低融点金属材
料層を溶かして金属板と導電パターン間を接続するよう
に構成した。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。図1は本発明を適用した回転
式可変抵抗器用の基板内蔵型のモールド樹脂ケース1を
示す図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は同図
(a)のA‐A断面図、同図(c)は裏面図、同図
(d)は同図(a)のB‐B断面図である。 【0009】同図に示すようにこのモールド樹脂ケース
1は、フレキシブル基板10に3本の金属板(金属部
材)20の一端を当接した状態で、フレキシブル基板1
0の上下面にわたって成形品30を成形して構成されて
いる。以下各構成部品及びその製造方法について説明す
る。 【0010】図2はフレキシブル基板10を示す平面図
である。同図に示すようにフレキシブル基板10はポリ
エチレンテレフタレート(PET)〔ポリフェニレンス
ルフイド(PPS)、ポリイミド(PI)、ポリエーテ
ルイミド(PEI)等でも良い〕製のフイルム11の中
央に円形孔13を設け、該円形孔13の外側表面に同心
円状に集電パターン15と抵抗体パターン16とを形成
し、さらに抵抗体パターン16の両端と集電パターン1
5の一端にフイルム11の端部に至る3本の導電パター
ン(導電部)17を設けて構成されている。ここで導電
パターン17は、フェノール系の熱硬化性樹脂に銀粉
(銅粉や半田粉等の他の各種金属粉でも良い)を混練し
た導電ペーストを印刷すること等によって形成される。
なお導電パターン17は例えばスパッタリングなどの手
法による他の材料で構成してもよいし、また例えば導電
パターン17上に別途弾性導電塗料(例えば熱硬化性の
架橋型ウレタン樹脂に銀粉等の金属粉を混練したものな
どであって、印刷乾燥後であっても所定のゴム弾性を有
する性質のもの)等の他の被覆層を印刷しても良い。 【0011】次に図1に示す成形品30は、前記フレキ
シブル基板10をその上下から覆うように成形されてお
り、上側面には前記集電パターン15と抵抗体パターン
17とを露出する凹部31が形成され、その中央にはフ
レキシブル基板10の円形孔13を貫通する貫通孔33
が形成されている。 【0012】次に金属板20は、その表面に予め半田メ
ッキ層M(低融点金属材料層)(図3参照)が設けられ
ている。この半田メッキ層Mは、前記成形品30を構成
するモールド樹脂の溶融して射出成形する際の温度より
も低い温度で溶融する性質のものを用いており、例えば
この実施形態では190℃程度の溶融温度のものを用い
ている。 【0013】次にこの基板内蔵型のモールド樹脂ケース
1の製造方法を説明する。まずフレキシブル基板10と
金属板20を図4に示すように第1,第2金型60,7
0の間に挟持する。このとき金属板20の上端部21の
部分はフレキシブル基板10とともに第1,第2金型6
0,70によって挟持され、また金属板20の下部23
は単独で第1,第2金型60,70によって挟持され
る。つまり金属板20はその上下が第1,第2金型6
0,70によって確実に固定されている。 【0014】そして第2金型70側に設けたピンゲート
71から260℃程度の高温高圧の溶融モールド樹脂、
例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)やPET
やPPS等を圧入して、第2金型70側に設けた各キャ
ビティー73内をモールド樹脂で満たすとともに、第1
金型60側に設けた各キャビティー63内もモールド樹
脂で満たす。 【0015】このとき溶融モールド樹脂の射出圧力(1
00〜600kgf/cm2)によって、導電パターン
17と金属板20間は、その上下から押圧されると同時
に、溶融モールド樹脂の熱によって金属板20表面の半
田メッキ層Mが溶け、導電パターン17に半田付けされ
る(図3参照)。 【0016】そして前記溶融モールド樹脂が冷却固化し
た後に第1,第2金型60,70を取り外せば、前記図
1に示すモールド樹脂ケース1が完成する。 【0017】このように本実施形態によれば、導電パタ
ーン17と金属板20間を予め接続固定しておかなくて
も、モールド樹脂の成形工程のみによって接続固定で
き、製造工程が簡略化されるばかりかその接続が確実に
行える。 【0018】前記実施形態では基板としてフレキシブル
基板を用いたが、その代わりに硬質基板である積層基
板,ガラス基板,シリコン基板,セラミック基板などを
用いても良い。 【0019】図5は本発明を適用した磁気センサ110
を示す図であり、同図(a)は斜視図、同図(b)は縦
断面図、図6は磁気センサ110の製造方法を示す概略
断面図である。 【0020】図5に示すように磁気センサ110は、平
板状の磁気センサ素子115の下部に設けた4つの導電
パターン155のそれぞれに、4本の金属板120の一
端を接触しただけの状態で、その周囲に直接成形品(ケ
ース)130をモールド成形して構成されている。 【0021】そしてこの実施形態においても、各金属板
120には予め半田メッキ層が施されており、図6に示
すように第2金型E2のキャビティーC2内に4本の金
属板120(図では1本のみ示す)と磁気センサ素子1
15とを挿入し、このとき磁気センサ素子115の各導
電パターン155〔パーマロイ合金皮膜からなる各導電
パターンの最上層にフェノール系の熱硬化性樹脂に銀粉
(銅粉や半田粉等の他の各種金属粉でも良い)を混練し
た導電ペーストを印刷形成したものや、パーマロイ合金
皮膜からなる各導電パターンの最上層に弾性導電塗料
(例えば熱硬化性の架橋型ウレタン樹脂に銀粉等の金属
粉を混練したものなどであって、印刷乾燥後であっても
所定のゴム弾性を有する性質のもの)を印刷したもの等
によって構成する〕の上に各金属板120の一端を当接
し、その後第1金型E1側に設けたピンゲートP1から
前記実施形態と同様の高温高圧の溶融モールド樹脂を圧
入してキャビティーC1,C2内を満たし、そのときの
熱によって前記金属板120の半田メッキ層を溶かして
導電パターン155に半田付けする。そしてモールド樹
脂冷却後に第1,第2金型E1,E2を取り外せば、図
5に示す磁気センサ110が完成する。 【0022】上記各実施形態では、単体の金属板を基板
や電子部品の導電パターンに接続する場合を説明した
が、電子部品に取り付けられた金属板を他の部材に設け
た導電パターンに接続する場合にも適用できることは言
うまでもない。 【0023】図7は本発明を適用して構成した受発光セ
ンサ210を示す概略断面図である。同図に示すように
この受発光センサ210は、受発光素子215の内部か
ら突出する金属板220をフレキシブル基板250上面
に設けた導電パターン255に接触したものの周囲に成
形品230を成形して構成されている。 【0024】そしてこの実施形態においても、各金属板
220の表面には予め半田メッキ層が施されており、各
金属板220の一端を導電パターン255に当接した状
態となるように金型内に収納してその周囲のキャビティ
ーに前記実施形態と同様の高温高圧の溶融モールド樹脂
を圧入してキャビティー内を満たし、そのときの熱によ
って前記金属板220にメッキしていた半田メッキ層を
溶かして導電パターン255に半田付けするのである。 【0025】以上本発明の実施形態を詳細に説明したが
本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、特
許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種
々の変形が可能である。 【0026】即ち本発明は、導電パターン上に金属板を
載置して該接続部分を覆うように成形品を成形すること
で導電パターンと金属板間を接続する部分であればどの
ような部分にも適用できる。また本発明は上記実施形態
に用いた基板や電子部品以外の各種部材の導電パターン
に金属板を接続する部分にも適用できる。 【0027】また上記実施形態では金属部材に半田メッ
キしたが、メッキする材料は半田以外の各種低融点金属
材料でも良い。また本発明による低融点金属材料層の形
成方法はメッキに限定されるものではなく、金属溶射等
の他の手段によって金属部材表面に低融点金属材料層を
形成するようにしても良い〔例えば合成樹脂(例えばフ
ェノール樹脂)中に低融点金属材料紛(例えば半田粉)
を分散した導電ペーストを塗布しても良い〕。要は、成
形品を構成するモールド樹脂の溶融温度よりも低い温度
(又は成形する際の溶融したモールド樹脂の温度よりも
低い温度)で溶融する低融点金属材料層を金属部材表面
に形成するものであれば良い。 【0028】また場合によっては部材の導電部側にも、
溶融したモールド樹脂の温度よりも低い温度で溶融する
低融点金属材料層を設けてもよい。この低融点金属材料
層は、前記金属部材に形成する低融点金属材料層と同様
のものであり、半田メッキや、合成樹脂(例えばフェノ
ール樹脂)中に低融点金属材料紛(例えば半田粉)を分
散したものを含むものである。このように部材の導電部
と金属部材の両者に低融点金属材料層を設けた場合は、
さらに両者間の接続固定が強固・確実になる。 【0029】なお上記各実施形態では溶融モールド樹脂
を金型のキャビティー内に圧入した例を示したが、キャ
ビティー内に溶融モールド樹脂を圧力をかけないで流し
込む場合にも適用できる。要はキャビティー内に溶融し
たモールド樹脂を注入して固化するものであれば良い。 【0030】 【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば以下のような優れた効果を有する。導電パターンと
金属板の間を予め固定しておく必要がないので、製造工
程が簡略化され、製造が容易に行える。 【0031】導電パターンと金属板間の固定は低融点
金属材料と、モールド樹脂による機械的挟持力の両者に
よって行われるので、導電パターンと金属板間の接続は
確実で接続不良が生じる恐れはない。
部材の導電パターンへの金属板接続方法に関するもので
ある。 【0002】 【従来の技術】従来、基板や各種電子部品等の各種部材
に設けた導電パターンに金属板を接続し、その周囲にモ
ールド樹脂を成形することによって、前記導電パターン
と金属板とを接続固定する方法が利用されている。この
種の接続方法としては、例えば予め導電パターンと金属
板とを導電性接着剤や半田や補強フイルムなどによって
固定しておき、次に前記固定部分を金型内に収納して固
定部分の周囲にモールド樹脂を成形する方法が一般に行
われていた。 【0003】しかしながら上記従来例によれば、導電パ
ターンと金属板を予め固定する工程と、その周囲にモー
ルド樹脂を成形する工程の2つの工程が必要になり、そ
の製造工程が煩雑であった。 【0004】上記不都合を解消するためには、導電パタ
ーン上に金属板を当接させただけの状態でこの金属板と
基板の当接部分を金型内に収納し、当接部分の周囲にモ
ールド樹脂を成形し、該モールド樹脂によって導電パタ
ーンと金属板間を当接させたままの状態で固定する方法
も考えられる。このようにすれば1回の工程でその製造
が行えるので好適である。 【0005】しかしながらこの方法の場合、成形後の導
電パターンと金属板はモールド樹脂による機械的挟持力
のみによって固定されているだけなので、この成形品の
周囲の温度や湿度が変化してモールド樹脂が膨張と収縮
を繰り返したような場合などは、経時的にモールド樹脂
による導電パターンと金属板の固定力が弱くなり、最悪
の場合は両者間に接続不良を生じる恐れがある。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の点に鑑
みてなされたものでありその目的は、製造が容易に行
え、且つ導電パターンと金属板間に接続不良を生じる恐
れのない成形品内における部材の導電パターンへの金属
板接続方法を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め本発明は、部材の導電パターン上に金属板が接触する
ように部材と金属板を金型内に収容し、金型の前記金属
板と導電パターンを接触した部分の周囲に設けたキャビ
ティー内に溶融したモールド樹脂を注入し、モールド樹
脂の冷却固化後に金型を取り外してなる成形品内におけ
る部材の導電パターンへの金属板接続方法において、前
記金属板の表面に、予め前記溶融したモールド樹脂の温
度よりも低い温度で溶融する低融点金属材料層をメッキ
しておき、前記キャビティー内へ溶融モールド樹脂を注
入した際の溶融モールド樹脂の熱によって低融点金属材
料層を溶かして金属板と導電パターン間を接続するよう
に構成した。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。図1は本発明を適用した回転
式可変抵抗器用の基板内蔵型のモールド樹脂ケース1を
示す図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は同図
(a)のA‐A断面図、同図(c)は裏面図、同図
(d)は同図(a)のB‐B断面図である。 【0009】同図に示すようにこのモールド樹脂ケース
1は、フレキシブル基板10に3本の金属板(金属部
材)20の一端を当接した状態で、フレキシブル基板1
0の上下面にわたって成形品30を成形して構成されて
いる。以下各構成部品及びその製造方法について説明す
る。 【0010】図2はフレキシブル基板10を示す平面図
である。同図に示すようにフレキシブル基板10はポリ
エチレンテレフタレート(PET)〔ポリフェニレンス
ルフイド(PPS)、ポリイミド(PI)、ポリエーテ
ルイミド(PEI)等でも良い〕製のフイルム11の中
央に円形孔13を設け、該円形孔13の外側表面に同心
円状に集電パターン15と抵抗体パターン16とを形成
し、さらに抵抗体パターン16の両端と集電パターン1
5の一端にフイルム11の端部に至る3本の導電パター
ン(導電部)17を設けて構成されている。ここで導電
パターン17は、フェノール系の熱硬化性樹脂に銀粉
(銅粉や半田粉等の他の各種金属粉でも良い)を混練し
た導電ペーストを印刷すること等によって形成される。
なお導電パターン17は例えばスパッタリングなどの手
法による他の材料で構成してもよいし、また例えば導電
パターン17上に別途弾性導電塗料(例えば熱硬化性の
架橋型ウレタン樹脂に銀粉等の金属粉を混練したものな
どであって、印刷乾燥後であっても所定のゴム弾性を有
する性質のもの)等の他の被覆層を印刷しても良い。 【0011】次に図1に示す成形品30は、前記フレキ
シブル基板10をその上下から覆うように成形されてお
り、上側面には前記集電パターン15と抵抗体パターン
17とを露出する凹部31が形成され、その中央にはフ
レキシブル基板10の円形孔13を貫通する貫通孔33
が形成されている。 【0012】次に金属板20は、その表面に予め半田メ
ッキ層M(低融点金属材料層)(図3参照)が設けられ
ている。この半田メッキ層Mは、前記成形品30を構成
するモールド樹脂の溶融して射出成形する際の温度より
も低い温度で溶融する性質のものを用いており、例えば
この実施形態では190℃程度の溶融温度のものを用い
ている。 【0013】次にこの基板内蔵型のモールド樹脂ケース
1の製造方法を説明する。まずフレキシブル基板10と
金属板20を図4に示すように第1,第2金型60,7
0の間に挟持する。このとき金属板20の上端部21の
部分はフレキシブル基板10とともに第1,第2金型6
0,70によって挟持され、また金属板20の下部23
は単独で第1,第2金型60,70によって挟持され
る。つまり金属板20はその上下が第1,第2金型6
0,70によって確実に固定されている。 【0014】そして第2金型70側に設けたピンゲート
71から260℃程度の高温高圧の溶融モールド樹脂、
例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)やPET
やPPS等を圧入して、第2金型70側に設けた各キャ
ビティー73内をモールド樹脂で満たすとともに、第1
金型60側に設けた各キャビティー63内もモールド樹
脂で満たす。 【0015】このとき溶融モールド樹脂の射出圧力(1
00〜600kgf/cm2)によって、導電パターン
17と金属板20間は、その上下から押圧されると同時
に、溶融モールド樹脂の熱によって金属板20表面の半
田メッキ層Mが溶け、導電パターン17に半田付けされ
る(図3参照)。 【0016】そして前記溶融モールド樹脂が冷却固化し
た後に第1,第2金型60,70を取り外せば、前記図
1に示すモールド樹脂ケース1が完成する。 【0017】このように本実施形態によれば、導電パタ
ーン17と金属板20間を予め接続固定しておかなくて
も、モールド樹脂の成形工程のみによって接続固定で
き、製造工程が簡略化されるばかりかその接続が確実に
行える。 【0018】前記実施形態では基板としてフレキシブル
基板を用いたが、その代わりに硬質基板である積層基
板,ガラス基板,シリコン基板,セラミック基板などを
用いても良い。 【0019】図5は本発明を適用した磁気センサ110
を示す図であり、同図(a)は斜視図、同図(b)は縦
断面図、図6は磁気センサ110の製造方法を示す概略
断面図である。 【0020】図5に示すように磁気センサ110は、平
板状の磁気センサ素子115の下部に設けた4つの導電
パターン155のそれぞれに、4本の金属板120の一
端を接触しただけの状態で、その周囲に直接成形品(ケ
ース)130をモールド成形して構成されている。 【0021】そしてこの実施形態においても、各金属板
120には予め半田メッキ層が施されており、図6に示
すように第2金型E2のキャビティーC2内に4本の金
属板120(図では1本のみ示す)と磁気センサ素子1
15とを挿入し、このとき磁気センサ素子115の各導
電パターン155〔パーマロイ合金皮膜からなる各導電
パターンの最上層にフェノール系の熱硬化性樹脂に銀粉
(銅粉や半田粉等の他の各種金属粉でも良い)を混練し
た導電ペーストを印刷形成したものや、パーマロイ合金
皮膜からなる各導電パターンの最上層に弾性導電塗料
(例えば熱硬化性の架橋型ウレタン樹脂に銀粉等の金属
粉を混練したものなどであって、印刷乾燥後であっても
所定のゴム弾性を有する性質のもの)を印刷したもの等
によって構成する〕の上に各金属板120の一端を当接
し、その後第1金型E1側に設けたピンゲートP1から
前記実施形態と同様の高温高圧の溶融モールド樹脂を圧
入してキャビティーC1,C2内を満たし、そのときの
熱によって前記金属板120の半田メッキ層を溶かして
導電パターン155に半田付けする。そしてモールド樹
脂冷却後に第1,第2金型E1,E2を取り外せば、図
5に示す磁気センサ110が完成する。 【0022】上記各実施形態では、単体の金属板を基板
や電子部品の導電パターンに接続する場合を説明した
が、電子部品に取り付けられた金属板を他の部材に設け
た導電パターンに接続する場合にも適用できることは言
うまでもない。 【0023】図7は本発明を適用して構成した受発光セ
ンサ210を示す概略断面図である。同図に示すように
この受発光センサ210は、受発光素子215の内部か
ら突出する金属板220をフレキシブル基板250上面
に設けた導電パターン255に接触したものの周囲に成
形品230を成形して構成されている。 【0024】そしてこの実施形態においても、各金属板
220の表面には予め半田メッキ層が施されており、各
金属板220の一端を導電パターン255に当接した状
態となるように金型内に収納してその周囲のキャビティ
ーに前記実施形態と同様の高温高圧の溶融モールド樹脂
を圧入してキャビティー内を満たし、そのときの熱によ
って前記金属板220にメッキしていた半田メッキ層を
溶かして導電パターン255に半田付けするのである。 【0025】以上本発明の実施形態を詳細に説明したが
本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、特
許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種
々の変形が可能である。 【0026】即ち本発明は、導電パターン上に金属板を
載置して該接続部分を覆うように成形品を成形すること
で導電パターンと金属板間を接続する部分であればどの
ような部分にも適用できる。また本発明は上記実施形態
に用いた基板や電子部品以外の各種部材の導電パターン
に金属板を接続する部分にも適用できる。 【0027】また上記実施形態では金属部材に半田メッ
キしたが、メッキする材料は半田以外の各種低融点金属
材料でも良い。また本発明による低融点金属材料層の形
成方法はメッキに限定されるものではなく、金属溶射等
の他の手段によって金属部材表面に低融点金属材料層を
形成するようにしても良い〔例えば合成樹脂(例えばフ
ェノール樹脂)中に低融点金属材料紛(例えば半田粉)
を分散した導電ペーストを塗布しても良い〕。要は、成
形品を構成するモールド樹脂の溶融温度よりも低い温度
(又は成形する際の溶融したモールド樹脂の温度よりも
低い温度)で溶融する低融点金属材料層を金属部材表面
に形成するものであれば良い。 【0028】また場合によっては部材の導電部側にも、
溶融したモールド樹脂の温度よりも低い温度で溶融する
低融点金属材料層を設けてもよい。この低融点金属材料
層は、前記金属部材に形成する低融点金属材料層と同様
のものであり、半田メッキや、合成樹脂(例えばフェノ
ール樹脂)中に低融点金属材料紛(例えば半田粉)を分
散したものを含むものである。このように部材の導電部
と金属部材の両者に低融点金属材料層を設けた場合は、
さらに両者間の接続固定が強固・確実になる。 【0029】なお上記各実施形態では溶融モールド樹脂
を金型のキャビティー内に圧入した例を示したが、キャ
ビティー内に溶融モールド樹脂を圧力をかけないで流し
込む場合にも適用できる。要はキャビティー内に溶融し
たモールド樹脂を注入して固化するものであれば良い。 【0030】 【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば以下のような優れた効果を有する。導電パターンと
金属板の間を予め固定しておく必要がないので、製造工
程が簡略化され、製造が容易に行える。 【0031】導電パターンと金属板間の固定は低融点
金属材料と、モールド樹脂による機械的挟持力の両者に
よって行われるので、導電パターンと金属板間の接続は
確実で接続不良が生じる恐れはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した回転式可変抵抗器用の基板内
蔵型のモールド樹脂ケース1を示す図であり、同図
(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のA‐A断面
図、同図(c)は裏面図、同図(d)は同図(a)のB
‐B断面図である。 【図2】フレキシブル基板10を示す平面図である。 【図3】図1(d)のC部分の拡大該略図である。 【図4】モールド樹脂ケース1の製造方法を説明するた
めの図である。 【図5】本発明を適用した磁気センサ110を示す図で
あり、図5(a)は斜視図、図5(b)は縦断面図であ
る。 【図6】磁気センサ110の製造方法を示す概略断面図
である。 【図7】本発明を適用して構成した受発光センサ210
を示す概略断面図である。 【符号の説明】 1 モールド樹脂ケース 10 フレキシブル基板(部材) 17 導電パターン(導電部) 20 金属板(金属部材) M 半田メッキ層(低融点金属材料層) 30 成形品 60 第1金型 63 キャビティー 70 第2金型 73 キャビティー 110 磁気センサ 115 磁気センサ素子(部材) 155 導電パターン(導電部) 120 金属板(金属部材) 130 成形品(ケース) E1 第1金型 C1 キャビティー E2 第2金型 C2 キャビティー 210 受発光センサ 215 受発光素子 220 金属板(金属部材) 230 成形品 250 フレキシブル基板(部材) 255 導電パターン(導電部)
蔵型のモールド樹脂ケース1を示す図であり、同図
(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のA‐A断面
図、同図(c)は裏面図、同図(d)は同図(a)のB
‐B断面図である。 【図2】フレキシブル基板10を示す平面図である。 【図3】図1(d)のC部分の拡大該略図である。 【図4】モールド樹脂ケース1の製造方法を説明するた
めの図である。 【図5】本発明を適用した磁気センサ110を示す図で
あり、図5(a)は斜視図、図5(b)は縦断面図であ
る。 【図6】磁気センサ110の製造方法を示す概略断面図
である。 【図7】本発明を適用して構成した受発光センサ210
を示す概略断面図である。 【符号の説明】 1 モールド樹脂ケース 10 フレキシブル基板(部材) 17 導電パターン(導電部) 20 金属板(金属部材) M 半田メッキ層(低融点金属材料層) 30 成形品 60 第1金型 63 キャビティー 70 第2金型 73 キャビティー 110 磁気センサ 115 磁気センサ素子(部材) 155 導電パターン(導電部) 120 金属板(金属部材) 130 成形品(ケース) E1 第1金型 C1 キャビティー E2 第2金型 C2 キャビティー 210 受発光センサ 215 受発光素子 220 金属板(金属部材) 230 成形品 250 フレキシブル基板(部材) 255 導電パターン(導電部)
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フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B29C 45/00 - 45/84
B29C 39/00 - 39/44
H01L 21/56
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 部材の導電パターン上に金属板が接触す
るように部材と金属板を金型内に収容し、金型の前記金
属板と導電パターンを接触した部分の周囲に設けたキャ
ビティー内に溶融したモールド樹脂を注入し、モールド
樹脂の冷却固化後に金型を取り外してなる成形品内にお
ける部材の導電パターンへの金属板接続方法において、 前記金属板の表面に、予め前記溶融したモールド樹脂の
温度よりも低い温度で溶融する低融点金属材料層をメッ
キしておき、前記キャビティー内へ溶融モールド樹脂を
注入した際の溶融モールド樹脂の熱によって低融点金属
材料層を溶かして金属板と導電パターン間を接続するこ
とを特徴とする成形品内における部材の導電パターンへ
の金属板接続方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17677999A JP3388429B2 (ja) | 1999-06-23 | 1999-06-23 | 成形品内における部材の導電パターンへの金属板接続方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17677999A JP3388429B2 (ja) | 1999-06-23 | 1999-06-23 | 成形品内における部材の導電パターンへの金属板接続方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001001367A JP2001001367A (ja) | 2001-01-09 |
JP3388429B2 true JP3388429B2 (ja) | 2003-03-24 |
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ID=16019701
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17677999A Expired - Fee Related JP3388429B2 (ja) | 1999-06-23 | 1999-06-23 | 成形品内における部材の導電パターンへの金属板接続方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3388429B2 (ja) |
-
1999
- 1999-06-23 JP JP17677999A patent/JP3388429B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JP2001001367A (ja) | 2001-01-09 |
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