JP3386445B2 - 記録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は、記録装置、特に装
置エラーが生じた場合、そのエラー個所によって直接作
業遂行に支障のない部分の動作を続行できるようにした
記録装置に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】近年、レーザービームプリンタをはじめ
とする種々のタイプの記録装置では、マルチカセットを
備えて各種サイズの記録紙を収容し、高速度で大量の記
録を行なうものが広く使用されてきている。このような
記録装置において、従来では装置作動中に、装置の或る
個所でエラーが発生すると、エラーを検出した時点で直
ちにエラー表示が行なわれ、記録装置全体の動作を停止
するようになっている。このような停止動作の例とし
て、例えば記録装置動作中に、複数の記録紙カセットの
うちいずれか一つの記録紙カセットを引き出すとカセッ
ト引き出しエラーとして装置全体の動作が停止される。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の記録装置では、装置内の何処か一個所でエラー
が発生しただけで、装置全体が作動停止してしまうた
め、処理中の記録紙の以降の処理が可能であるにも拘ら
ずこれが無効となってしまう。例えば、前記のように、
複数の記録紙カセットのうちいずれか一つの記録紙カセ
ットを引き出した場合について考える。この場合、記録
紙カセットの引き出しが行なわれても、そのとき記録手
段によって記録中であった記録紙、或いは記録紙カセッ
トから完全に送り出されて記録手段へ向かっていた記録
紙についてはそのまま搬送および記録動作を続行し且つ
終了させてもなんら支障はない。また、複数の記録紙カ
セット間についてみても、引き出された記録紙カセット
が仮に搬送路から最も遠い位置にセットされた記録紙カ
セットであるとした場合、記録装置全体からみればその
他には故障個所はないから、前記最遠位置カセット以外
の記録紙カセットからは次々と記録紙を送り出して記録
動作を行なってもなんら不都合はない。それにも拘ら
ず、前記の場合はカセット引き出しエラーとして装置全
体の動作が停止されてしまい、ユーザは不便を感じてい
た。 【０００４】本発明は前記問題点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、装置エラーが生じた場合、そのエラー
によって、以降の処理の実行に直接支障のない部分の動
作を続行できるようにした記録装置を提供することであ
る。 【０００５】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明にかかる記録装置は、記録紙を格納する複数
の記録紙カセットと、前記記録紙への記録を行う記録手
段と、前記記録紙を前記記録手段へ搬送する搬送手段
と、前記記録紙カセットのオープン状態を紙搬送エラー
として検出する検出手段と、前記記録手段で記録中の前
記記録紙があるか否かを示す第１情報を記憶する第１記
憶手段と、前記記録紙の位置情報及び給紙に係る記録紙
カセット情報等の第２情報を搬送された前記記録紙毎に
対応させて記憶する第２記憶手段と、前記記録手段によ
る記録動作中に前記検出手段により前記記録紙カセット
のオープン状態による紙搬送エラーを検出した場合で
も、前記第１情報及び前記第２情報を参照して、記録動
作への支障がないと判断した全ての前記記録紙に対し
て、紙搬送エラー処理を直ちに行うことなく記録動作を
続行させる制御手段とを具備したものである。 【０００６】 【０００７】そして、前記構成により、記録動作中に記
録紙カセットのオープン状態による紙搬送エラーを検出
した場合でも、記録動作への支障がないと判断した全て
の前記記録紙への記録動作を続行させることができる。 【０００８】 【発明の実施の形態】以下、本発明による記録装置を実
施例に基づいて説明する。図１は本発明の一実施例に係
る記録装置の全体構成を示す概略構成図、図２はこの実
施例におけるコントロール系の構成を示すブロック図で
ある。図１において、符号１は所定サイズの記録紙を収
容する第１の記録紙カセット、符号２は前記とは別のサ
イズの記録紙を収容する第２の記録紙カセット、符号３
はさらに別のサイズの記録紙を収容する第３の記録紙カ
セットである。符号４はプロセスカートリッジ構造を有
し記録用の各種部材を組み込んだ記録ユニット、５はレ
ーザービームを発生および出射する光源ユニット、６は
記録紙搬送のための各駆動部を作動させるメインモー
タ、７は記録及び現像された画像を記録紙に定着させる
定着ローラ、８は定着を終了した記録紙を装置外へ排出
する排紙ローラである。 【０００９】記録ユニット４には記録紙上に現像処理を
行なうドラム９が組み込まれている。光源ユニット５は
レーザービームを発生する半導体レーザ１０と、レーザ
ービームをドラム９の上で主走査方向に走査させるポリ
ゴンモータ１１とを有している。 【００１０】この記録装置においては、装置下部に記録
ユニット４側に近い方から第１乃至第３の記録紙カセッ
ト１、２、３がこの順にセットされ、これらの記録紙カ
セット１、２、３の位置から上方へ記録ユニット４、定
着ローラ７および排紙ローラ８を通って記録紙の搬送路
が形成されている。そして、第１の記録紙カセット１の
出口部分には第１の給紙ローラ１２が設けられるととも
に、この出口近辺の搬送路には第１の中間ローラに相当
するレジストローラ１３と、記録ユニット４への記録紙
の挿入を検出するレジストセンサー１４が設けられてい
る。また、第２の記録紙カセット２の出口部分には第２
の給紙ローラ１５が設けられるとともに、この出口近辺
の搬送路には第２の中間ローラ１６が設けられている。
さらに、第３の記録紙カセット３の出口部分には第３の
給紙ローラ１７が設けられるとともに、この出口近辺の
搬送路には第３の中間ローラ１８が設けられている。ま
た、記録紙の搬送路中の排紙ローラ８の近辺間には記録
紙の排出を検出する排紙センサー１９が設けられてい
る。 【００１１】図２にはこの記録装置の制御系の構成を示
す。この図において、符号２１は余熱を行なうヒータ、
２２はヒータ２１の温度を検出するサーミスタ、２３は
ヒータ１に電力を供給する電源、２４はこの記録装置全
体の動作をコントロールするシステム制御部、２５はサ
ーミスタ２２の出力をＡ／Ｄ変換してシステム制御部２
４へ伝達するＡ／Ｄ変換器、２６はシステム制御部２４
の制御動作に必要なプログラム等の固定情報を格納する
読み出し専用のメモリ（ＲＯＭ）、２７はシステム制御
部２４の制御動作に際して作成されたり或いは取り込ま
れたりした各種データが絶えず書き込み、読み出しされ
る、本発明の記憶手段である書き換え可能なメモリ（Ｒ
ＡＭ）、２８はシステム制御部２４とＲＯＭ２６および
ＲＡＭ２７の間に接続されたアドレスバス、２９は同じ
くシステム制御部２４とＲＯＭ２６およびＲＡＭ２７の
間に接続されたデータバスである。また、符号３０は記
録ユニット４を構成するプロセスカートリッジ、３１は
記録紙を記録紙カセット１、２、３から記録ユニット４
へと搬送するのに必要なメインモータ９や各種ローラに
よって構成された紙搬送手段としての紙搬送機構部、３
２はシステム制御部２４からのコントロール信号をヒー
タ２１やプロセスカートリッジ３０などへ振り分けて送
付するポート、３３はヒータ２１、プロセスカートリッ
ジ３０、紙搬送機構部３１を駆動するドライバ、３４は
記録紙の搬送状況を検出する各種センサ、３５はサーミ
スタ２２に一定の電位を与えるための抵抗器である。 【００１２】この実施例において、システム制御部２４
にはＣＰＵが用いられ、このシステム制御部２４は装置
全体を制御するとともにエラー検出手段としての機能も
有する。さらにシステム制御部２４は、紙搬送機構部３
１による記録紙の搬送距離を計数する計数手段としての
機能も有する。また、この実施例においては記憶手段と
してＲＡＭ２７が設けられているが、このＲＡＭ２７の
内部は必要に応じて複数の記憶領域に分割してデータを
格納することができるようになっており、この意味で複
数の記憶部を有しているのと同等の態様を為している。
そしてこのＲＡＭ２７には搬送中の記録紙に関する管理
情報が格納される。 【００１３】かかる構成を有する記録装置の動作を以下
説明する。先ずこの記録装置において、記録動作が開始
されると、通常の動作状態ではシステム制御部２４のコ
ントロールの下で、操作者の指定内容にしたがって、記
録紙が第１乃至第３の記録紙カセット１、２、３のいず
れかから送り出され、紙搬送機構部３１によって先ず記
録ユニット４まで搬送される。そして、記録ユニット４
においてドラム９により焼付けが行なわれ、その後定着
ローラ７に搬送されて定着が行なわれ、最終径路におい
て排紙ローラ８によって装置外へ排出される。 【００１４】この記録、印刷動作中に、システム制御部
２４は第１乃至第３の記録紙カセット１、２、３から搬
送される記録紙のそれぞれについて管理情報を作成し、
この管理情報は記憶手段であるＲＡＭ２７に格納され
る。この管理情報の一例およびそのＲＡＭ２７への格納
状態を図３に示す。ＲＡＭ２７には図３（ａ）に示すよ
うに少なくとも記憶領域Ａと、記憶領域Ｂとが設けられ
ている。記憶領域Ａには記録動作中の記録紙の枚数が格
納されている。また、記憶領域Ｂには記録動作中の記録
紙それぞれについての管理情報４１が、搬送路を移動す
る記録紙の順に格納される。各管理情報４１は、記録紙
の移動に伴って時間の経過とともに情報が変化するた
め、記憶領域Ｂはリングバッファ構造になっている。そ
して、一つの管理情報４１は、例えば図３（ｂ）に示す
ように、記録紙の先端が記録ユニット４の部分に到達し
たか否かを示す情報が書き込まれる先端位置情報セクシ
ョン４１ａと、記録紙の後端の位置を示す情報が書き込
まれる後端位置情報セクション４１ｂと、記録紙のサイ
ズおよびこの記録紙が取り出された記録紙カセットを示
す情報が書き込まれる紙サイズ情報セクション４１ｃと
から構成されている。また、システム制御部２４は、前
記記録、印刷動作中に、紙搬送機構部３１による記録紙
の搬送距離を計数する。そして、この計数結果もまた前
記ＲＡＭ２７の所定の領域に格納される。 【００１５】このような記録動作中において、第１乃至
第３の記録紙カセット１、２、３のいずれかが引き出さ
れた場合におけるシステム制御部２４による紙パスエラ
ー処理の処理手順を図４に示す。このエラー処理動作が
スタートすると、システム制御部２４は、処理ステップ
（以下単にステップという）ＳＴ１において、記録紙カ
セット１、２、３のうちいずれかの記録紙カセットがオ
ープンされたか否かをチェックし、オープンされていな
い限りこのチェック動作を繰り返し行なう。いずれかの
記録紙カセットがオープンされると、ステップＳＴ２に
おいて記録紙カセットオープンエラー処理のためのプロ
グラムがシステム制御部２４にセットされる。そして、
ステップＳＴ３において、現在記録中の記録紙はオープ
ンした記録紙カセットよりも下段の記録紙カセットから
給紙されているか否かを、ＲＡＭ２７に格納された管理
情報４１の紙サイズ情報セクション４１ｃを参照してチ
ェックする。このチェック動作において、オープンカセ
ットより下段の記録紙カセットから給紙されている場合
は、ステップＳＴ４において給紙中の記録紙は先端が記
録ユニット４の部分に到達しているか否かを、ＲＡＭ２
７に格納された管理情報４１の先端位置情報セクション
４１ａを参照してチェックする。そして、給紙中の記録
紙が記録ユニット４に到達している場合は、ステップＳ
Ｔ５において記録紙の給紙と、記録動作を実行し、全動
作を停止するとともに、ステップＳＴ６において記録部
にジャムセットを行ない、その後紙パスエラー処理動作
を終了する。 【００１６】一方ステップＳＴ４において給紙中の記録
紙が記録ユニット４に到達していないと判断された場合
は、ステップＳＴ７において給紙中の記録紙の後端はオ
ープンされた記録紙カセット部分を通過済みか否かをチ
ェックし、未だ通過していなければステップＳＴ８にお
いて紙搬送機構部３１による給紙動作を停止する。そし
て、ステップＳＴ９において給紙部にジャムセットを行
なうとともに、次のステップＳＴ１０において現在記録
印刷中のその他の記録紙があるか否かを、ＲＡＭ２７の
記憶領域Ａの情報を参照してチェックする。ここで、前
記ステップＳＴ７において、給紙中の記録紙の後端がオ
ープンされた記録紙カセット部分を通過済みであると判
断された場合は、ステップＳＴ１０の処理に直接移行す
る。また、前記ステップＳＴ３において、現在記録中の
記録紙はオープンした記録紙カセットよりも下段の記録
紙カセットから給紙されていないと判断された場合もま
た、前記ステップＳＴ３の処理からステップＳＴ１０の
処理に直接移行する。 【００１７】ステップＳＴ１０において、現在記録印刷
中のその他の記録紙があると判断された場合は、ステッ
プＳＴ１１において記録印刷を続行し、その後ステップ
ＳＴ１２において記録印刷中の記録紙は総て印刷完了か
否かを、ＲＡＭ２７に格納された管理情報４１の後端位
置情報セクション４１ｂを参照してチェックし、印刷完
了であれば、一連の紙パスエラー処理動作を終了する。
一方、ステップＳＴ１２において記録印刷中の記録紙は
未だ全てが印刷終了していないと判断されたときはステ
ップＳＴ１１に戻って印刷を続行する。また、前記ステ
ップＳＴ１０において現在記録印刷中のその他の記録紙
がないと判断された場合は、その後の処理を実行しない
で直ちに紙パスエラー処理動作を終了する。 【００１８】以上により、記録動作中に紙パスエラーが
発生しても、このエラーにより、以降の処理に支障がな
い記録紙の処理を継続することができる。 【００１９】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
記録紙を格納する複数の記録紙カセットと、前記記録紙
への記録を行う記録手段と、前記記録紙を前記記録手段
へ搬送する搬送手段と、前記記録紙カセットのオープン
状態を紙搬送エラーとして検出する検出手段と、前記記
録手段で記録中の前記記録紙があるか否かを示す第１情
報を記憶する第１記憶手段と、前記記録紙の位置情報及
び給紙に係る記録紙カセット情報等の第２情報を搬送さ
れた前記記録紙毎に対応させて記憶する第２記憶手段
と、前記記録手段による記録動作中に前記検出手段によ
り前記記録紙カセットのオープン状態による紙搬送エラ
ーを検出した場合でも、前記第１情報及び前記第２情報
を参照して、記録動作への支障がないと判断した全ての
前記記録紙に対して、紙搬送エラー処理を直ちに行うこ
となく記録動作を続行させる制御手段とを備えたため、
紙搬送エラーが発生した場合でも、このエラーにより、
以降の処理に支障がない記録紙についてはその処理を継
続することができる。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明が適用される記録装置の一実施例を示す
概略構成図 【図２】前記実施例の制御系の構成を示すブロック図 【図３】（ａ）前記実施例におけるＲＡＭ内部の構成例
を示す模式図 （ｂ）前記実施例においてＲＡＭに格納される記録紙の
管理情報の構成例を示す図 【図４】前記実施例における紙パスエラー処理動作を説
明するフローチャート 【符号の説明】 １、２、３ 記録紙カセット ４ 記録ユニット（記録手段） ５ 光源ユニット ６ メインモータ １２、１５、１７ 給紙ローラ １４ レジストセンサー（第１のセンサ） １６、１８ 中間ローラ １９ 排紙センサー（第２のセンサ） ２４ システム制御部（制御手段） ２７ ＲＡＭ（記憶手段） ３０ プロセスカートリッジ ３１ 紙搬送機構部

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ Ｇ０３Ｇ 15/00 ５２６ Ｇ０３Ｇ 15/00 ５２６ 21/00 ５００ 21/00 ５００ (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G05B 9/02 B41J 11/00 B65H 1/26 312 B65H 3/44 340 B65H 7/00 G03G 15/00 526 G03G 21/00 500

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 記録紙を格納する複数の記録紙カセット
   と、前記記録紙への記録を行う記録手段と、前記記録紙
   を前記記録手段へ搬送する搬送手段と、前記記録紙カセ
   ットのオープン状態を紙搬送エラーとして検出する検出
   手段と、前記記録手段で記録中の前記記録紙があるか否
   かを示す第１情報を記憶する第１記憶手段と、前記記録
   紙の位置情報及び給紙に係る記録紙カセット情報等の第
   ２情報を搬送された前記記録紙毎に対応させて記憶する
   第２記憶手段と、前記記録手段による記録動作中に前記
   検出手段により前記記録紙カセットのオープン状態によ
   る紙搬送エラーを検出した場合でも、前記第１情報及び
   前記第２情報を参照して、記録動作への支障がないと判
   断した全ての前記記録紙に対して、紙搬送エラー処理を
   直ちに行うことなく記録動作を続行させる制御手段とを
   備えたことを特徴とする記録装置。