JP3386361B2 - ヘテロ接合バイポーラトランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

ヘテロ接合バイポーラトランジスタ及びその製造方法

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JP3386361B2 JP03780198A JP3780198A JP3386361B2 JP 3386361 B2 JP3386361 B2 JP 3386361B2 JP 03780198 A JP03780198 A JP 03780198A JP 3780198 A JP3780198 A JP 3780198A JP 3386361 B2 JP3386361 B2 JP 3386361B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、III−V族化合物
半導体の中のGaAs系のヘテロ接合バイポーラトラン
ジスタ及びその製造方法に関し、より詳しくは、ベース
メサ段差のバラツキが少なく、歩留まりを向上できるヘ
テロ接合バイポーラトランジスタ及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ヘテロ接合バイポーラトランジスタは、
最近では、高速スイッチング素子や高周波アナログ素子
として注目されている。
【0003】図10及び図11は、そのようなヘテロ接
合バイポーラトランジスタの断面構造を示す。まず、図
10に基づきこのヘテロ接合バイポーラトランジスタの
構造を製造プロセスとともに説明する。
【0004】このヘテロ接合バイポーラトランジスタ
は、半絶縁性GaAs基板201上に、膜厚500nm
のn+−GaAsサブコレクタ層(Siドーピング濃
度:5×1018cm-3)202、膜厚700nmのn−
GaAsコレクタ層(Siドーピング濃度:2×1016
cm-3)203、カーボンがドーピングされた膜厚80
nmのp+−GaAsベース層(Cドーピング濃度:2
×1019cm-3)204、膜厚120nmのn−AlG
aAsからなるエミッタ層(Siドーピング濃度:5×
1017cm-3)205及びキャップ層206を積層して
構成されている。
【0005】ここで、キャップ層206は、膜厚100
nmのn+−GaAs層(Siドーピング濃度:5×1
18cm-3)、Inの混晶比xを0から0.5まで変化
させた膜厚50nmのn+−InxGa1-xAsグレーデ
ィッド層206b及び膜厚50nmのn+−In0.5Ga
0.5As層の3層構造になっている。
【0006】その後、適当なフォトリソグラフィー技術
を組み合わせてパターニングを行い、エミッタメサエッ
チング、べースメサエッチングを行い、続いて、エミッ
タ電極207、べース電極208及びコレクタ電極20
9の各電極を形成する。以上のプロセスを経て、図10
に示す構造のヘテロ接合バイポーラトランジスタが作製
される。
【0007】図11に示すように、エミッタ層205及
びべース電極208は、トランジスタ外部へ電極を引き
出す際に、メサ段差部分で配線金属が段切れしないよう
に、感光性ポリイミド等からなる絶縁性樹脂材料212
をスピンコートし、続いて、この絶縁性樹脂材料212
をフォトリソグラフィー技術によってパターニングする
ことによって、段差部分をカバーするように絶縁性樹脂
材料212の平坦化形成を行う。続いて、平坦化された
絶縁性樹脂材料212上に配線金属211を形成する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記構造の
従来のGaAs系のヘテロ接合バイポーラトランジスタ
を製造する場合は、コレクタ層203とその下方にある
サブコレクタ層202との間にエッチング選択性が無い
ため、ウェハ間やウェハ面内での各半導体層厚のバラツ
キを考慮すると、サブコレクタ層202の表面を確実に
露出させるためには、べースメサエッチング時にある程
度のオーバーエッチングが必要であった。
【0009】一方、メサ型のヘテロ接合バイポーラトラ
ンジスタを歩留まりよく微細化していく際には、サブコ
レクタ層を露出させるためのべースメサのオーバーエッ
チングによる段差バラツキを解消することが重要であ
る。
【0010】これは、第1に、オーバーエッチングによ
りサブコレクタ層が薄くなると、コレクタ抵抗の増大を
招き、トランジスタのRF動作時の特性を悪化させるか
らである。また、サブコレクタ層のバラツキは、コレク
タ抵抗のバラツキを招き、ひいては、RF動作時におけ
る特性のバラツキとなってしまうからである。
【0011】第2に、べースメサの段差バラツキがウェ
ハ面内やウェハ間で大きくなると、絶縁性樹脂材料21
1を用いた平坦化工程において、所定の形成条件では平
坦化できない部分やウェハが生じ、その部分やウェハで
配線の段切れが生じて素子歩留まりの低下を招くからで
ある。
【0012】本発明はこのような現状に鑑みてなされた
ものであり、ベースメサ段差のバラツキが少なく、歩留
まりを向上することができるヘテロ接合型バイポーラト
ランジスタ及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタは、半絶縁性GaAs基板上に、該
半絶縁性GaAs基板側より少なくとも第1のサブコレ
クタ層、コレクタ層、べース層及びエミッタ層がこの順
に積層形成された構造を有するヘテロ接合バイポーラト
ランジスタにおいて、該コレクタ層の該第1のサブコレ
クタ層側の表面又は表面近傍に、n型のInGaP層か
らなるエッチングストッパ層が形成されており、該In
GaP層のn型のドーピング材がSiであり、n型のド
ーピング濃度は、2×10 18 cm -3 以下であり、そのこ
とにより上記目的が達成される。
【0014】好ましくは、第2のサブコレクタ層をさら
に有し前記第1のサブコレクタ層と該第2のサブコレ
クタ層との間に前記エッチングストッパ層が形成されて
いる構成とする。
【0015】また、好ましくは、前記ベース層に接続さ
れるベース電極と、前記第1のサブコレクタ層上に設け
られ、表面が平坦化されるように形成された絶縁性樹脂
材料と、該ベース電極と接続し、該絶縁性樹脂材料によ
って平坦化された表面上に設けられた配線金属とをさら
に有する構成とする。
【0016】また、好ましくは、前記InGaP層のI
nの混晶比は、0.470〜0.500である構成とす
る。
【0017】
【0018】また、好ましくは、前記InGaP層の厚
みは、5nm〜20nmである構成とする。
【0019】
【0020】また、本発明のヘテロ接合バイポーラトラ
ンジスタの製造方法は、半絶縁性GaAs基板上に、該
半絶縁性GaAs基板側より少なくともサブコレクタ
層、コレクタ層、べース層及びエミッタ層がこの順に積
層形成され、該サブコレクタ層と該コレクタ層との間に
InGaP層からなるエッチングストッパ層が形成され
たヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法であっ
て、n型のドーピング材としてのSiを、2×10 18
-3 以下のドーピング濃度でドーピングした該InGa
P層に対して、該コレクタ層を選択的に除去し、続い
て、該サブコレクタ層に対して該InGaP層を選択的
に除去して該サブコレクタ層の表面を露出させる工程
と、該サブコレクタ層の表面が露出された部分にコレク
タ電極を形成する工程とを包含しており、そのことによ
り上記目的が達成される。
【0021】好ましくは、前記InGaP層に対して、
前記コレクタ層を選択的に除去する工程を、くえん酸、
過酸化水素水及び水からなる混合溶液を用いて行う。
【0022】また、好ましくは、前記サブコレクタ層に
対して、前記InGaP層を選択的に除去する工程を、
塩酸又は塩酸とりん酸の混合溶液を用いて行う。
【0023】以下に、本発明の作用を説明する。
【0024】一例として、上記のように、サブコレクタ
層とコレクタ層との間にInGaP層からなるエッチン
グストッパ層を形成する構成によれば、InGaP層
は、サブコレクタ層及びコレクタ層とエッチング選択性
を有するので、べースメサ段差のバラツキは、本質的に
ヘテロ接合バイポーラトランジスタの基板のエピタキシ
ャル成長時の膜厚バラツキの範囲に抑えることができ
る。このため、本発明によれば、エッチング選択性の化
合物層を設けない場合のエッチングプロセスのバラツキ
に対して、バラツキを大幅に低減できる結果、素子の歩
留まりを大幅に向上できる。
【0025】加えて、上述の従来例では、図6に示すよ
うに、ウェハ3枚(ウェハA,B,C)のサブコレクタ
層のエッチングをInGaP層なしに、時間だけで制御
しているので、エッチング深さが異なり、バラツキの中
心値がウェハ間で異なっている。
【0026】このようなバラツキは、素子の特性バラツ
キに大きな影響を与え、値がバラツイたため、ヘテロ接
合バイポーラトランジスタを集積したMMIC(マイク
ロ波モノリシックIC)では、高周波回路の整合が取れ
なくなったりして、ICの特性も劣化するという問題が
ある。
【0027】これに対して、本発明によれば、図7に示
すように、ウェハ面内でのコレクタ抵抗RCの分布が小
さくなるだけでなく、ウェハ間A,B,Cにおいてもコ
レクタ抵抗RCのバラツキは小さくなっている。
【0028】よって、本発明によれば、整合回路におけ
る素子バラツキを考慮したマージンを小さくできるの
で、素子の特性を最大限に生かしたMMIC回路を構成
することが可能となり、MMIC回路の特性を大幅に向
上できる。
【0029】また、本発明において、InGaP層のI
nの混晶比を、0.470〜0.500の範囲に設定す
ると、図2に示すように、ヘテロ接合バイポーラトラン
ジスタの電流増幅率hFE(相対的なhFE)は最大条件時
の95%以上の値を示す。よって、InGaP層のIn
の混晶比xは、0.470〜0.500が好ましい。
【0030】また、本発明において、InGaP層のn
型のドーピング濃度を、2×1018cm-3以下に設定す
ると(但し、Inの混晶比x=0.484)、図3に示
すように、相対的なhFEが最大条件時の95%以上の値
を示すことがわかる。よって、n型ドーパントとしてS
iを用いる場合は、Siドーピング濃度は2×1018
-3以下が好ましい。
【0031】また、本発明において、InGaP層の厚
みを、5nm〜20nmの範囲内に設定すると(但し、
Inの混晶比x=0.48、Siドーピング濃度:1×
1018cm-3)、図4に示すように、InGaP層がな
い場合と同程度の相対的なhFEを得ることができること
がわかる。但し、InGaP層の厚みは、選択エッチン
グを確実に行うためには5nm以上必要であり、厚みが
20nmを越える場合は、その上側に堆積する化合物半
導体層の結晶性が劣化する。よって、InGaP層の厚
みは、5nm〜20nmが好ましい。
【0032】なお、図2〜図4では、それぞれ他方のパ
ラメータは変化させていないが、h FEが極大を示す傾向
は、Inの混晶比xが0.470〜0.500の範囲内
でドーピング濃度が2×1018cm-3以下である時に見
られた。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づき具体的に説明する。
【0034】図1は本実施形態に係るヘテロ接合バイポ
ーラトランジスタの構造を示す。以下にその構造を製造
プロセスと共に説明する。
【0035】半絶縁性GaAs基板101上には、膜厚
500nmのn+−GaAsサブコレクタ層(Siドー
ピング濃度:5×1018cm-3)102、膜厚700n
mのn−GaAsコレクタ層(Siドーピング濃度:2
×1016cm-3)103、カーボンドープの膜厚80n
mのp+−GaAsベース層(Cドーピング濃度:2×
1019cm-3)104、膜厚120nmのn−InGa
Pからなるエミッタ層(Siドーピング濃度:5×10
17cm-3)105及びキャップ層106が積層形成され
ている。
【0036】ここで、キャップ層106は、膜厚100
nmのn+−GaAs層(Siドーピング濃度:5×1
18cm-3)106a、Inの混晶比xを0から0.5
まで変化させた膜厚50nmのn+−InxGa1-xAs
グレーディッド層(Siドーピング濃度>1×1019
-3)106b及び膜厚50nmのn+−In0.5Ga
0.5As層(Siドーピング濃度>1×1019cm-3
106cからなる3層構造になっている(図5A参
照)。
【0037】上記構造に加えて、本実施形態のヘテロ接
合バイポーラトランジスタは、サブコレクタ102とコ
レクタ層との間に、エッチングストッパ層となる膜厚1
0nmのSiドープのn−InxGa1-xP層(Inの混
晶比x=0.474,Siドーピング濃度:1×1018
cm-3)110を挿入した構造になっている。
【0038】以上の薄膜は、MOCVD法により、原料
ガスを切り替えることで順次形成した。
【0039】なお、上記の構造以外に、エッチングスト
ッパ層となる膜厚10nmのSiドープのn−Inx
1-xP層110のInの混晶比xを0.450〜0.
510の範囲内で変化させたサンプル(Si不純物濃
度:1×1018cm-3)も作製し、このサンプルと本実
施形態のヘテロ接合バイポーラトランジスタの電流増幅
率hFEを相対的に比較した。図2はその比較結果を示
す。
【0040】また、図3はヘテロ接合バイポーラトラン
ジスタの電流増幅率hFEの相対値とInGaP層110
のSiドーピング濃度との関係を示し、図4は電流増幅
率hFEの相対値とInGaP層110の膜厚との関係を
示す。
【0041】図2より、InGaP層110のInの混
晶比xが0.470〜0.500の時に相対的なhFE
最大条件時の95%以上の値を示すことがわかる。よっ
て、InGaP層110のInの混晶比xは、0.47
0〜0.500が好ましい。
【0042】また、図3より、n型ドーパントとしてS
iを用いたときのSiドーピング濃度が2×1018cm
-3以下であるときに(但し、Inの混晶比x=0.48
4)、相対的なhFEが最大条件時の95%以上の値を示
すことがわかる。よって、n型ドーパントとしてSiを
用いる場合は、Siドーピング濃度は2×1018cm-3
以下が好ましい。
【0043】また、図4より、InGaP層110の厚
みが、20nm以下の時に(但し、Inの混晶比x=
0.48、Siドーピング濃度:1×1018cm-3)、
InGaP層110がない場合と同程度の相対的なhFE
を得ることができることがわかる。但し、InGaP層
110の厚みは、選択エッチングを確実に行うためには
5nm以上必要であり、厚みが20nmを越える場合
は、その上側に堆積する化合物半導体層の結晶性が劣化
する。よって、InGaP層110の厚みは、5nm〜
20nmが好ましい。
【0044】なお、図2〜図4では、それぞれ他方のパ
ラメータは変化させていないが、hFEが極大を示す傾向
は、Inの混晶比xが0.470〜0.500の範囲内
でドーピング濃度が2×1018cm-3以下である時に見
られた。
【0045】以上の薄膜形成工程が終了すると、その
後、適当なフォトリソグラフィー技術を組み合わせて、
パターニングを行い、エミッタメサエッチング、べース
メサエッチングを行い、続いて、図1に示すように、エ
ミッタ電極107、べース電極108及びコレクタ電極
109の各電極を形成する。
【0046】次に、図5A〜図5Dに基づき上記のべー
スメサエッチング工程について説明する。まず、図5A
に示すように、フォトレジスト120を堆積し、フォト
リソグラフィー技術によりパターニングを行う。
【0047】次に、図5Bに示すように、まず、くえん
酸、過酸化水素水及び水を10:1:10の割合で混合
したエッチャントを用いて、p+−GaAsベース層1
04及びn−GaAsコレクタ層103層の除去を行
う。その後、塩酸若しくは塩酸とりん酸の混合溶液を用
いて、エミッタ層105を除去し、図5Cに示すよう
に、サブコレクタ層102の露出を行う。
【0048】続いて、露出されたサブコレクタ層102
上に、図5Dに示すように、AuGe/Ni/Au(1
00nm/15nm/150nm)層を蒸着形成し、3
80℃、1分の合金化処理を行ってコレクタ電極109
を形成する。
【0049】次に、図1に示すように、エミッタ層10
5及びべース電極108は、トランジスタ外部へ電極を
引き出す際にメサ段差部分で配線金属が段切れしないよ
うに、感光性ポリイミドからなる絶縁性樹脂材料をスピ
ンコートし、続いて、フォトリソグラフィー技術によっ
てパターニングを行い、その後、段差部分をカバーする
ように絶縁性樹脂材料112を形成することにより平坦
化し、平坦面上に配線金属111を形成した。以上の工
程を経て、図1に示す構造のヘテロ接合バイポーラトラ
ンジスタを作製できた。
【0050】ここで、べースメサ段差のウェハ面内のバ
ラツキは、べース層104、コレクタ層103及びその
下のInGaP層110のエピタキシャル成長時のウェ
ハ面内の膜厚バラツキに対応し、その値は、べース層1
04、コレクタ層103及びInGaP層110の3層
のトータルの厚み800nmの3%以内と十分小さく、
所定のポリイミド形成条件を用いてウェハ全面において
均一にメサ段差部分の平坦化ができた。
【0051】また、ウェハ間のべースメサ段差のバラツ
キについても、本質的に、ウェハのエピタキシャル成長
時の膜厚再現性のみに依存し、そのバラツキは素子形成
上問題にならない程度に小さいため、歩留まりの大幅な
向上が見られた。
【0052】次に、図6〜図8に基づき本発明のヘテロ
接合バイポーラトランジスタの効果を従来例と比較して
具体的に説明する。但し、図6は上述の従来方法でヘテ
ロ接合バイポーラトランジスタを作製した場合の素子の
コレクタ抵抗RCのバラツキを示し、図7は本発明方法
によってヘテロ接合バイポーラトランジスタを作製した
場合の素子のコレクタ抵抗RCのバラツキを示す。ま
た、図8は本発明方法によって作製したヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタと従来方法で作製したヘテロ接合バ
イポーラトランジスタとの歩留まりの比較結果を示す。
【0053】まず、図6は、ウェハ3枚(ウェハA,
B,C)についての、素子のコレクタ抵抗の分布を示し
ているが、各ウェハA,B,Cのサブコレクタ層のエッ
チングをInGaP層なしに、時間だけで制御している
ので、エッチング深さが異なり、バラツキの中心値がウ
ェハ間で異なっている。
【0054】このようなバラツキは、素子の特性バラツ
キに大きな影響を与え、値がバラツイたため、ヘテロ接
合バイポーラトランジスタを集積したMMICでは、高
周波回路の整合が取れなくなったりして、ICの特性も
劣化するという問題がある。
【0055】これに対して、本発明によれば、図7に示
すように、ウェハ面内でのコレクタ抵抗RCの分布が小
さくなるだけでなく、ウェハ間A,B,Cにおいてもコ
レクタ抵抗RCのバラツキは小さくなっている。
【0056】よって、本発明によれば、整合回路におけ
る素子バラツキを考慮したマージンを小さくできるの
で、素子の特性を最大限に生かしたMMIC回路を構成
することが可能となり、MMIC回路の特性を大幅に向
上できる。
【0057】また、図8はウェハ7枚ずつの歩留まりの
変化を示し、この歩留まりは素子として動作するかどう
かを基準にしている。数%は、断線以外の理由(例え
ば、ウェハエッジのためパターン下に形成されていな
い)によって歩留まりを変化させているが、従来例の不
良原因のほとんどは、ベース電極配線の断線であって、
断線がない場合、96%程度の歩留まりが得られている
(ウェハ番号1,6)。
【0058】このように、従来例では、エッチング深さ
がウェハによってバラツキ、その結果、ベース電極配線
の断線を招き、歩留まりが大きく低下している。
【0059】これに対して、本発明では、図8に示すよ
うに、歩留まりは、各ウェハ1〜7で安定して、90%
〜96%を示しており、歩留まりを従来例よりも格段に
向上できることがわかる。
【0060】(その他の実施形態)上記の実施形態で
は、コレクタ層103とサブコレクタ層102との間に
InGaP層からなるエッチングストッパ層110を挿
入する構成、つまり、コレクタ層103の下面にInG
aP層からなるエッチングストッパ層110を形成して
いるが、図9に示すように、InGaP層110の下
面、つまり、InGaP層110とサブコレクタ層10
2との間に薄いコレクタ層103’を形成する構成をと
ることも可能である。この構成では、InGaP層11
0がコレクタ層中に存在することになる。
【0061】更には、サブコレクタ層を2層構造とし、
両サブコレクタ層間にInGaP層からなるエッチング
ストッパ層を挿入する構造とすることも可能である。
【0062】また、上記の実施形態では、エッチングス
トッパ層の材質として、InGaPを用いたが、GaA
sとの間でエッチング選択性があり、GaAsの上に積
層される半導体層の結晶性を劣化させない材料であれ
ば、InGaP以外のものを用いることも可能である。
【0063】
【発明の効果】以上の本発明によれば、一例として、サ
ブコレクタ層とコレクタ層との間にInGaP層からな
るエッチングストッパ層を形成する構成をとり、InG
aP層は、サブコレクタ層及びコレクタ層とエッチング
選択性を有するので、べースメサ段差のバラツキは、本
質的にヘテロ接合バイポーラトランジスタの基板のエピ
タキシャル成長時の膜厚バラツキの範囲に抑えることが
できる。このため、本発明によれば、エッチング選択性
の化合物層を設けない場合のエッチングプロセスのバラ
ツキに対して、バラツキを大幅に低減できる結果、素子
の歩留まりを大幅に向上できる。
【0064】加えて、本発明によれば、上述のように、
ウェハ面内でのコレクタ抵抗RCの分布が小さくなるだ
けでなく、ウェハ間おいてもコレクタ抵抗RCのバラツ
キを小さくでき、整合回路における素子バラツキを考慮
したマージンを小さくできる結果、素子の特性を最大限
に生かしたMMIC回路を構成することが可能となり、
MMIC回路の特性を大幅に向上できる。
【0065】また、特に請求項4記載のヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタによれば、InGaP層のInの混
晶比を、0.470〜0.500の範囲に設定する構成
をとるので、電流増幅率hFEを最大条件時の95%以上
の値にできる。
【0066】また、特に請求項5記載のヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタによれば、InGaP層のn型のド
ーピング濃度を、2×1018cm-3以下に設定する構成
をとるので、hFEを最大条件時の95%以上の値にでき
る。
【0067】また、特に請求項6記載のヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタによれば、InGaP層の厚みを、
5nm〜20nmの範囲内に設定する構成をとるので、
InGaP層がない場合と同程度のhFEを得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ヘテロ接合バイポーラトランジスタの構
造を示す断面図。
【図2】InGaP層のInの混晶比xとヘテロ接合バ
イポーラトランジスタの相対的な電流増幅率hFEとの関
係を示すグラフ。
【図3】InGaP層のSiドーピング濃度とヘテロ接
合バイポーラトランジスタの相対的な電流増幅率hFE
の関係を示すグラフ。
【図4】InGaP層の膜厚とヘテロ接合バイポーラト
ランジスタの相対的な電流増幅率hFEとの関係を示すグ
ラフ。
【図5A】べースメサエッチング工程を示す工程図。
【図5B】べースメサエッチング工程を示す工程図。
【図5C】べースメサエッチング工程を示す工程図。
【図5D】べースメサエッチング工程を示す工程図。
【図6】従来方法でヘテロ接合バイポーラトランジスタ
を作製した場合の素子のコレクタ抵抗RCのバラツキを
示すグラフ。
【図7】本発明方法でヘテロ接合バイポーラトランジス
タを作製した場合の素子のコレクタ抵抗RCのバラツキ
を示すグラフ。
【図8】本発明方法によって作製したヘテロ接合バイポ
ーラトランジスタと従来方法で作製したヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタとの歩留まりの比較結果を示すグラ
フ。
【図9】本発明ヘテロ接合バイポーラトランジスタの他
の実施形態を示す部分断面図。
【図10】ヘテロ接合バイポーラトランジスタの従来例
を示す断面図。
【図11】図10のヘテロ接合バイポーラトランジスタ
の後工程を示す断面図。
【符号の説明】
101 半絶縁性GaAs基板 102 サブコレクタ層 103,103’ コレクタ層 104 べース層 105 エミッタ層 106 キャップ層 107 エミッタ電極 108 べース電極 109 コレクタ電極 110 InGaP層からなるエッチングストッパ層 111 べース電極引き出しのための配線金属層 112 絶縁性樹脂材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/33 - 21/331 H01L 29/00 - 29/267 H01L 29/30 - 29/38 H01L 29/68 - 29/737

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半絶縁性GaAs基板上に、該半絶縁性
    GaAs基板側より少なくとも第1のサブコレクタ層、
    コレクタ層、べース層及びエミッタ層がこの順に積層形
    成された構造を有するヘテロ接合バイポーラトランジス
    タにおいて、 該コレクタ層の該第1のサブコレクタ層側の表面又は表
    面近傍に、n型のInGaP層からなるエッチングスト
    ッパ層が形成されており、該InGaP層のn型のドー
    ピング材がSiであり、n型のドーピング濃度は、2×
    10 18 cm -3 以下である、ヘテロ接合バイポーラトラン
    ジスタ。
  2. 【請求項2】 第2のサブコレクタ層をさらに有し
    記第1のサブコレクタ層と該第2のサブコレクタ層との
    間に前記エッチングストッパ層が形成されている、請求
    項1記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ
  3. 【請求項3】 前記ベース層に接続されるベース電極
    と、前記第1のサブコレクタ層上に設けられ、表面が平
    坦化されるように形成された絶縁性樹脂材料と、該ベー
    ス電極と接続し、該絶縁性樹脂材料によって平坦化され
    た表面上に設けられた配線金属とをさらに有する、請求
    項1又は請求項2記載のヘテロ接合バイポーラトランジ
    スタ
  4. 【請求項4】 前記InGaP層のInの混晶比は、
    0.470〜0.500である請求項1又は2記載のヘ
    テロ接合バイポーラトランジスタ。
  5. 【請求項5】 前記InGaP層の厚みは、5nm〜2
    0nmである請求項1又は請求項2記載のヘテロ接合バ
    イポーラトランジスタ。
  6. 【請求項6】 半絶縁性GaAs基板上に、該半絶縁性
    GaAs基板側より少なくともサブコレクタ層、コレク
    タ層、べース層及びエミッタ層がこの順に積層形成さ
    れ、該サブコレクタ層と該コレクタ層との間にInGa
    P層からなるエッチングストッパ層が形成されたヘテロ
    接合バイポーラトランジスタの製造方法であって、n型のドーピング材としてのSiを、2×10 18 cm -3
    以下のドーピング濃度でドーピングした 該InGaP層
    に対して、該コレクタ層を選択的に除去し、続いて、該
    サブコレクタ層に対して該InGaP層を選択的に除去
    して該サブコレクタ層の表面を露出させる工程と、 該サブコレクタ層の表面が露出された部分にコレクタ電
    極を形成する工程とを包含するヘテロ接合バイポーラト
    ランジスタの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記InGaP層に対して、前記コレク
    タ層を選択的に除去する工程を、くえん酸、過酸化水素
    水及び水からなる混合溶液を用いて行う請求項6記載の
    ヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記サブコレクタ層に対して、前記In
    GaP層を選択的に除去する工程を、塩酸又は塩酸とり
    ん酸の混合溶液を用いて行う請求項6又は請求項7記載
    のヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法。
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