JP3385177B2 - 星形ブロック重合体とその製造方法 - Google Patents
星形ブロック重合体とその製造方法Info
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Description
高い耐熱性を示す新規な星形ブロック重合体と、その製
造法に関する。
を中心にして放射状に延びている星形ブロック重合体が
知られている。この星形ブロック重合体は、単純な鎖状
重合体に比べて、一般に耐熱性に優れる。ここに、耐熱
性とは、高温における重合体の凝集力や強度を意味し、
例えば粘着剤の分野では高温の保持力を意味する。耐熱
性を向上させる方法としては、分子量を上げることが効
果的であるが、単純な鎖状重合体の場合、分子量を単純
に上げるだけでは、粘度の増加が激しくなり、作業性に
問題が生じる。その点、星形ブロック重合体は、その構
造に由来して粘度をさほど高めずに耐熱性を高めること
ができる。そこで、星形ブロック重合体はホットメルト
粘着剤など、耐熱性を要求される用途に好ましく用いら
れるのである。
して2〜6価の多価メルカプタンを用い、各段階で種類
の異なるモノマーを使用するラジカル重合を複数回行う
ことによって、合成されている(特開平7−17953
8号公報)。
合体に対してより高い耐熱性が要求される場合、星形ブ
ロック重合体でも、その分子量を高めることが考えられ
る。しかし、分子量を高めることで多少耐熱性が向上す
るものの、この場合も粘度の増加が激しくなるため、作
業性に問題が生じる。
しなくても高い耐熱性を有する星形ブロック重合体と、
その製造方法を提供することにある。
解決するために鋭意検討し、星形ブロック重合体の星形
構造のあり方について種々工夫した結果、星形構造を有
する重合体同士を結合させれば、分子量を大きくしなく
ても高い耐熱性を発揮させることが出来るのではないか
と着想し、実験によってこの構造を有する星形ブロック
重合体を得て、所望の結果が得られることを確認し、本
発明を完成した。
重合体は、ラジカル重合性モノマーの重合から作られた
少なくとも3本の鎖状重合体部分が多価メルカプタンの
硫黄残基を中心にして放射状に延びている星形構造を複
数個備え、これらの星形構造が、それぞれの鎖状重合体
部分を作るラジカル重合性モノマーとラジカル重合性の
多官能性モノマーとの間でのラジカル重合に由来する結
合を介して、互いの鎖状重合体部分で繋がっている星形
ブロック重合体である。本発明にかかる星形ブロック重
合体の製造方法は、多価メルカプタンの存在下で、各段
階で種類の異なるラジカル重合性モノマーを使用するラ
ジカル重合を複数段階行うことにより、星形ブロック重
合体を製造する方法において、前記複数段階のうちの少
なくとも一つの段階で前記ラジカル重合性モノマーとと
もに微量のラジカル重合性の多官能性モノマ−を使用す
ることを特徴とする。この場合において、特に限定する
訳ではないが、ラジカル重合性の多官能性モノマ−と多
価メルカプタンの重量比(ラジカル重合性の多官能性モ
ノマ−重量/多価メルカプタン重量)は2未満であるこ
とが好ましいし、ラジカル重合性モノマ−の合計量に対
するラジカル重合性の多官能性モノマ−の重量比(ラジ
カル重合性の多官能性モノマ−重量/ラジカル重合性モ
ノマ−合計重量)は0.05未満であることが好ましい
し、第1段階のラジカル重合においてのみラジカル重合
性の多官能性モノマ−を併用することが好ましい。これ
らの条件は星形ブロック重合体製造時のゲル化の発生を
防ぎ易いからである。
体は、ラジカル重合性モノマーの重合から作られた鎖状
重合体部分2が少なくとも3本、図1(この図では鎖状
重合体部分2が4本)に表すように、多価メルカプタン
の硫黄残基3を中心にして放射状に延びている星形構造
1を複数個(図1では星形構造1が2個)備え、これら
の星形構造1が、それぞれの鎖状重合体部分を作るラジ
カル重合性モノマーとラジカル重合性の多官能性モノマ
ーとの間でのラジカル重合に由来する結合を介して、互
いの鎖状重合体部分2で繋がっている星形ブロック重合
体である。図1において、二つの星形構造1、1の各鎖
状重合体部分2で繋がっている部分に黒丸が付されてい
るが、この部分は後述する結合材たるラジカル重合性の
多官能性モノマ−に由来する結合構造4である。
する際は、特に限定する訳ではないが、前記従来の方法
において、以下に述べるラジカル重合性の多官能性モノ
マ−(以下、単に「多官能性モノマー」ということがあ
る)を併用する方法によることが好ましい。この発明に
用いられる多官能性モノマ−とは、1分子当たり2個以
上の重合性不飽和基を有する化合物である。1分子当た
りの重合性不飽和基の個数が2であるモノマ−を2官能
性モノマ−と言い、3であるモノマ−を3官能性モノマ
−と言う。本発明に用いられる多官能性モノマ−は、ブ
ロック重合体同士を結合するの結合構造の数を多くする
という観点からは、2個以上の重合性不飽和基を有する
化合物(すなわち、2官能性以上のモノマ−)であるこ
とが必要であるが、2官能性モノマ−か3官能性モノマ
−を用いることが好ましい。重合性不飽和基を4個以上
有する化合物は、得られるブロック重合体同士を結合す
る結合構造の数を多くするという観点からはより好まし
いと考えられようが、重合性不飽和基数が4個以上であ
ると重合体が網目状の構造を形成して重合中にゲル化が
起き易いからである。
グリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ポリエチレングリ
コ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、プロピレングリコ−ル
ジ(メタ)アクリレ−ト、ポリプロピレングリコ−ル
(メタ)アクリレ−ト、1,3−ブチレングリコ−ルジ
(メタ)アクリレ−ト、1,6−ヘキサンジオ−ルジ
(メタ)アクリレ−ト、ネオペンチルグリコ−ルジ(メ
タ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシ1,3ジ(メタ)ア
クリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキ
シエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−
(メタクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,
2−ビス〔4−(アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニ
ル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・
ポリエトキシ)フェニル〕プロパン、2−ヒドロキシ−
1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパンなどの
ジオ−ルと(メタ)アクリル酸のジエステル化合物;
トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレ−ト、テ
トラメチロ−ルメタントリ(メタ)アクリレ−ト、テト
ラメチロ−ルメタンテトラ(メタ)アクリレ−ト、ペン
タエリスリト−ルテトラキス(メタ)アクリレ−ト、ジ
ペンタエリスリト−ルヘキサキス(メタ)アクリレ−ト
などの1分子当たり3個以上の水酸基を有する化合物と
(メタ)アクリル酸のポリエステル化合物;アリル(メ
タ)アクリレ−ト、ジビニルベンゼンなどを挙げること
ができ、いずれかを単独で、または、2以上を合わせて
使用することができる。
いが、星形ブロック重合体の従来の製造方法で使用され
ている材料がそのまま用いられて良いし、一般的製造条
件もそのまま踏襲することが出来る。以下にこれらを例
示する。本発明で用いられる多価メルカプタンとして
は、例えば、エチレングリコ−ルジチオグリコレ−ト、
エチレングリコ−ルジチオプロピオネ−ト、1,4−ブ
タンジオ−ルジチオグリコレ−ト、1,4−ブタンジオ
−ルジチオプロピオネ−トなどエチレングリコ−ルや
1,4−ブタンジオ−ルのようなジオ−ルとカルボキシ
ル基含有メルカプタン類のジエステル;トリメチロ−ル
プロパントリチオグリコレ−ト、トリメチロ−ルプロパ
ントリチオプロピオネ−トなどトリメチロ−ルプロパン
のようなトリオ−ルとカルボキシル基含有メルカプタン
類のトリエステル;ペンタエリスリト−ルテトラキスチ
オグリコレ−ト、ペンタエリスリト−ルテトラキスチオ
プロピオネ−トなどペンタエリスリト−ルのような水酸
基を4個有する化合物とカルボキシル基含有メルカプタ
ン類のポリエステル;ジペンタエリスリト−ルヘキサキ
スチオグリコレ−ト、ジペンタエリスリト−ルヘキサキ
スチオプロピオネ−トなどジペンタエリスリト−ルのよ
うな水酸基を6個有する化合物とカルボキシル基含有メ
ルカプタン類のポリエステル化合物;その他水酸基を3
個以上有する化合物とカルボキシル基含有メルカプタン
類のポリエステル化合物;トリチオグリセリンなどのメ
ルカプト基を3個以上有する化合物;2−ジ−n−ブチ
ルアミノ−4,6−ジメルカプト−S−トリアジン、
2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジンなどのト
リアジン多価チオ−ル類;多価エポキシ化合物の複数の
エポキシ基に硫化水素を付加させて複数のメルカプト基
を導入してなる化合物;多価カルボン酸の複数のカルボ
キシル基とメルカプトエタノ−ルをエステル化してなる
エステル化合物を挙げることができ、これらのいずれか
を単独で、または、2以上を合わせて使用することがで
きる。ここで、カルボキシル基含有メルカプタン類と
は、チオグリコ−ル酸、メルカプトプロピオン酸、チオ
サリチル酸など、1個のメルカプト基と1個のカルボキ
シル基を有する化合物を言う。
と多価メルカプタンの重量比(多官能性モノマ−重量/
多価メルカプタン重量)は2未満が好ましく、0.05
以上、1以下がより好ましい。この重量比が2以上にな
ると、ブロック重合体1分子当たりに含まれる多官能性
モノマ−の数が多過ぎるために、重合体が網目状の構造
を形成して重合中にゲル化を起こすおそれがあるからで
ある。
ー(以下、単に「重合性モノマー」ということがある)
としては、ラジカル重合により単独重合あるいは共重合
体を生成するものであればどのような重合性モノマーも
使用可能であり、例えば、(メタ)アクリル酸;炭素原
子数1〜30のアルキル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレ−ト、グリシジル(メタ)アクリレ−
ト、メトキシエチル(メタ)アクリレ−ト、エトキシエ
チル(メタ)アクリレ−ト、エトキシエトキシエチル
(メタ)アクリレ−ト、などに代表される(メタ)アク
リレ−ト類;α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ス
チレンなどに代表されるスチレン系単量体;フェニルマ
レイミド、シクロヘキシルマレイミドなどに代表される
マレイミド系単量体;メチルビニルエ−テル、エチルビ
ニルエ−テル、イソブチルビニルエ−テルなどに代表さ
れるビニルエ−テル系単量体;フマル酸、フマル酸のモ
ノアルキルエステル、フマル酸のジアルキルエステル;
マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル、マレ
イン酸のジアルキルエステル;イタコン酸、イタコン酸
のモノアルキルエステル、イタコン酸のジアルキルエス
テル;(メタ)アクリロニトリル、ブタジエン、イソプ
レン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ビニ
ルケトン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾ−ルなどを
挙げることができ、いずれかを単独で、または、2以上
を合わせて使用することができる。
と重合性モノマ−の重量比(多官能性モノマ−重量/重
合性モノマ−合計量)は0.05未満が好ましく、0.
001以上、0.01未満がより好ましい。この重量比
が0.05を超えると、まず製造時の粘度が高くなって
生産性の点で好ましくないからであり、この重量比がさ
らに多くなると、重合体が網目状の構造を形成して重合
中にゲル化を起こすおそれがあるからである。ここに、
重合性モノマ−合計量とは各段階のラジカル重合で用い
られる重合性モノマーの重量を合計したものである。
は複数段階で行われるラジカル重合の不特定の1段階、
または複数段階で併用されて良いが、第1段階でのみ併
用されるのが好ましい。第2段階以降で加える場合に
は、ゲル化せずにブロック重合体が得られる多官能性モ
ノマ−量の範囲が第1段階で加える場合よりも狭くな
り、また、添加量を増加していくと第1段階で加える場
合よりも分子量の増加が激しくなって分子量の制御が困
難となるからである。得られる重合体の物性も、第1段
階で加える場合の方が第2段階以降で加えるよりも優れ
ている。
のラジカル重合である塊状重合、溶液重合、懸濁重合、
乳化重合などで行うことができる。重合温度は30〜2
00℃が好ましく、50〜150℃がより好ましい。重
合には通常のラジカル重合開始剤、例えば、2,2’−
アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2
−メチルブチロニトリル)などのアゾ系開始剤;過酸化
ベンゾイルなどの過酸化物系重合開始剤などが使用でき
る。その使用量は、重量比で、多価メルカプタンの1/
3以下が好ましく、1/5以下がより好ましい。重合開
始剤を上記比率よりも多量に使用すると、多価メルカプ
タンの硫黄残基から伸びた重合体部分以外に、重合開始
剤から伸びた重合体も多量に生成してブロック重合体の
生成効率が低下し易く、また、得られたブロック重合体
の物性も低下し易いからである。
限定する訳ではないが、2工程方法の場合、多価メルカ
プタン存在下に、まず、第1重合性モノマーのラジカル
重合を行い、第1工程での重合率が50%以上、好まし
くは80%以上になってから、第2重合性モノマーを加
えて第2工程(最終工程)での重合を行うと言う手順に
よる。先に行うラジカル重合の重合率を50%以上とす
るのは、第1工程後に残存している重合性モノマーを除
去せずに次の重合を行ったとしても、ブロック重合体の
各鎖状重合体部分の性質を異ならせることが出来るた
め、重合性モノマーの揮発除去を最終工程後に行うこと
が可能となるからである。
鎖状重合体部分を持つ星形ブロック重合体を得ることが
できる。本発明のブロック重合体の製造方法では、多価
メルカプタンの存在下で第1重合性モノマ−のラジカル
重合を行うと、多価メルカプタンの多価メルカプタンの
硫黄残基を発端として第1モノマ−がラジカル重合し、
星形ブロック重合体の鎖状重合体部分を構成する。その
際、多価メルカプタンの一部の多価メルカプタンの硫黄
残基はこのラジカル重合の発端とならずに残る。そこ
で、次に第2重合性モノマ−を加えて第2工程のラジカ
ル重合を行うと、多価メルカプタンの残った多価メルカ
プタンの硫黄残基を発端として第2モノマ−がラジカル
重合し、第1工程で得られた鎖状重合体部分と異なる組
成の鎖状重合体部分を星形ブロック状に形成する。その
際、本発明では、微量の多官能性モノマ−を併用するの
で、上のようにして得られる星形構造同士が、それぞれ
の鎖状重合体部分を作る重合性モノマーと多官能性モノ
マーとの間でのラジカル重合に由来する結合を介して結
合する。その際には、ラジカル重合時に副成する重合性
モノマーのホモポリマ−(多価メルカプタンの硫黄残基
を発端として生成しない鎖状重合体)も多官能性モノマ
−を介して星形ブロック重合体の鎖状重合体部分に結合
する。
囲を外れた比較例とを示すが、この発明は下記実施例に
限定されない。以下では、「%」は「重量%」、「部」
は「重量部」のことである。なお、数平均分子量(M
n)、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパ−ミエ−ショ
ンクロマトグラフィ−(GPC)によりポリスチレン換
算値で求めた。
の方法で測定を行った。 試料:ホットメルト粘着剤をGPDコ−タ−(由利ロ−
ル機械社製)で、塗布厚みが25μmとなるようにPE
Tフィルム上に溶融塗布し、試料とした。 プロ−ブタック:プロ−ブタックテスタ−(ニチバン社
製)を用い、測定温度23℃、接触時間1秒、引剥がし
速度1cm/秒の条件下で測定した。
で被着体のステンレススチ−ル材に貼り付け、2kgロ
−ラ−で1往復圧着して20分後、300mm/分の引
っ張り速度でステンレススチ−ル材から180°剥離し
て、測定した。 保持力:ステンレススチ−ル板に25mmx25mmの
接着面積で試料を貼り付け、2kgロ−ラ−で1往復圧
着し、所定温度(60℃、80℃)でそれぞれ30分間
調温した後、1kgの荷重をかけて落下するまでの時
間、または24時間後のズレ(単位:mm)を測定し
た。
度が50,000cps以下で、80℃保持力の大きな
もの(耐熱性が良いもの)が求められている。 −実施例1− 攪拌装置、窒素導入管、滴下ロ−ト、温度計、冷却管を
備えた2リットルの4つ口フラスコに第1(重合性)モ
ノマーとしてメタクリル酸メチル177.3gとアクリ
ル酸1.8g、多官能性モノマーとしてテトラエチレン
グリコ−ルジアクリレ−ト(新中村化学社製)0.9
g、溶剤として酢酸エチル140gを加え、窒素雰囲気
下で85℃まで昇温した。内温が85℃に達した後、多
価メルカプタンとしてペンタエリスリト−ルテトラキス
チオグリコレ−ト3g、ラジカル重合開始剤として2,
2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(日本ヒ
ドラジン工業社製、商品名ABN−E、以下はABN−
Eと略す)0.6g、溶剤として酢酸エチル20gを加
えて重合を開始した。重合開始50分後、80分後にそ
れぞれ多価メルカプタンとしてペンタエリスリト−ルテ
トラキスチオグリコレ−ト1.5g、ラジカル重合開始
剤としてABN−E0.3g、溶剤として酢酸エチル1
0gを加えた。140分後にメタクリル酸メチルの重合
率は84.9%に達していた。続いて、この反応液に滴
下ロ−トから第2(重合性)モノマーとしてアクリル酸
ブチル415.8gとアクリル酸4.2g、溶剤として
酢酸エチル400gを2時間かけて滴下した。滴下終了
30分後、60分後にそれぞれラジカル重合開始剤とし
てABN−E0.2g、溶剤として酢酸エチル5g加え
た。さらに60分後にラジカル重合開始剤としてアゾビ
スイソブチロニトリル(日本ヒドラジン工業社製、商品
名ABN−R)0.6g、溶剤として酢酸エチル10g
を加えた。環流下でさらに2時間反応させた後、室温ま
で冷却して反応を終了した。
酢酸エチルと残存モノマーなどの揮発成分を二軸押出機
を用いて揮発除去し、無色透明の星形ブロック重合体を
得た。生成した重合体の数平均分子量(Mn)は29,
500、重量平均分子量(Mw)は156,000であ
った。この星形ブロック重合体をそのままでホットメル
ト粘着剤とした。その粘着物性は表1に示す。
粘着剤は、従来のものに比べて80℃保持力が優れてい
ることが判る。 −実施例2〜実施例7− 第1モノマー・第2モノマーの種類、多価メルカプタン
量、多官能性モノマーの種類・量・併用相手を表1、2
のように変えたほかは実施例1と同様にして星形ブロッ
ク重合体を得て、同様に物性を測定し、表1、2に記載
した。
様にして星形ブロック重合体を得て、同様に物性を測定
し、表2に記載した。比較例2では比較例1の星形ブロ
ック重合体よりも大きな分子量の星形ブロック重合体を
得ている。多官能性モノマーの添加を省略したほかは実
施例1と同様にして星形ブロック重合体を得て、同様に
物性を測定し、表3に記載した。
合体の180℃粘度と保持力の測定結果から分かるよう
に、本発明の星形ブロック重合体は従来の星形ブロック
重合体と同程度の180℃粘度でありながら、保持力が
高い。比較例1と比較例2の星形ブロック重合体の分子
量、180℃粘度と保持力を比較すれば分かるように、
従来の星形ブロック重合体では分子量を上げると、多
少、保持力の向上が見られるが、180℃粘度の増加が
激しい。これに対して、実施例1の星型ブロック重合体
は、比較例2よりも低い180℃粘度を有しているにも
かかわらず、保持力が比較例2を大きく上回っている。
この測定結果および多官能性モノマーの重合性から、実
施例の星形ブロック重合体は、星形構造同士が結合され
た構造を有していることが分かる。
体は、星形構造が、それぞれの鎖状重合体部分を作るラ
ジカル重合性モノマーとラジカル重合性の多官能性モノ
マーとの間でのラジカル重合に由来する結合を介して、
互いの鎖状重合体部分で結合された構造を有しているた
め、分子量を大きくしなくても、より高い耐熱性を発揮
できる。本発明のブロック重合体の製造方法では、星形
ブロック重合体の製造時にモノマーとして微量の多官能
性モノマ−を併用するので、得られる星形構造同士が、
それぞれの鎖状重合体部分を作る重合性モノマーと多官
能性モノマーとの間でのラジカル重合に由来する結合を
介して結合し、上記本発明の新規な星形ブロック重合体
を容易に得させる。そして、その際に、副成する重合性
モノマーのホモポリマ−多官能性モノマ−を介して星形
ブロック重合体の鎖状重合体部分に結合するため、ホモ
ポリマ−の生成量を減少させ、結果としてホモポリマ−
が起因して起きる物性低下をも防ぐことが出来る。
図
Claims (5)
- 【請求項1】ラジカル重合性モノマーの重合から作られ
た少なくとも3本の鎖状重合体部分が多価メルカプタン
の硫黄残基を中心にして放射状に延びている星形構造を
複数個備え、これらの星形構造が、それぞれの鎖状重合
体部分を作るラジカル重合性モノマーとラジカル重合性
の多官能性モノマーとの間でのラジカル重合に由来する
結合を介して、互いの鎖状重合体部分で繋がっている星
形ブロック重合体。 - 【請求項2】多価メルカプタンの存在下で、各段階で種
類の異なるラジカル重合性モノマーを使用するラジカル
重合を複数段階行うことにより、星形ブロック重合体を
製造する方法において、前記複数段階のうちの少なくと
も一つの段階で前記ラジカル重合性モノマーとともに微
量のラジカル重合性の多官能性モノマ−を使用すること
を特徴とする星形ブロック重合体の製造方法。 - 【請求項3】ラジカル重合性の多官能性モノマ−と多価
メルカプタンの重量比(ラジカル重合性の多官能性モノ
マ−重量/多価メルカプタン重量)が2未満である請求
項2記載の星形ブロック重合体の製造方法。 - 【請求項4】ラジカル重合性モノマ−の合計量に対する
ラジカル重合性の多官能性モノマ−の重量比(ラジカル
重合性の多官能性モノマ−重量/ラジカル重合性モノマ
−合計重量)が0.05未満である請求項2または3記
載の星形ブロック重合体の製造方法。 - 【請求項5】第1段階のラジカル重合においてのみラジ
カル重合性の多官能性モノマ−を併用する請求項2から
4までのいずれかに記載の星形ブロック重合体の製造方
法。
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