JPH10287721A - 星形ブロック重合体とその製造方法 - Google Patents

星形ブロック重合体とその製造方法

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JPH10287721A
JPH10287721A JP9252697A JP9252697A JPH10287721A JP H10287721 A JPH10287721 A JP H10287721A JP 9252697 A JP9252697 A JP 9252697A JP 9252697 A JP9252697 A JP 9252697A JP H10287721 A JPH10287721 A JP H10287721A
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信弘 小林
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Abstract

(57)【要約】 【発明の課題】 分子量を大きくしなくても高い耐熱性
を有する星形ブロック重合体と、その製造方法を提供す
る。 【解決手段】 少なくとも3本の鎖状重合体部分2が
メルカプト基3を中心にして放射状に延びている星形構
造1を複数個備え、これらの星形構造が互いの鎖状重合
体部分で結合構造4を介して繋がっている星形ブロック
重合体が高い耐熱性を有していることを見出した。ま
た、多価メルカプタンの存在下で、各段階で種類の異な
る重合性モノマーを使用するラジカル重合を複数段階行
うことにより、星形ブロック重合体を製造する方法にお
いて、前記複数段階のうちの少なくとも一つの段階で前
記重合性モノマーとともに微量の多官能性モノマ−を使
用することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘度を高めずして
高い耐熱性を示す新規な星形ブロック重合体と、その製
造法に関する。
【0002】
【従来の技術】少なくとも3本の重合鎖がメルカプト基
を中心にして放射状に延びている星形ブロック重合体が
知られている。この星形ブロック重合体は、単純な鎖状
重合体に比べて、一般に耐熱性に優れる。ここに、耐熱
性とは、高温における重合体の凝集力や強度を意味し、
例えば粘着剤の分野では高温の保持力を意味する。耐熱
性を向上させる方法としては、分子量を上げることが効
果的であるが、単純な鎖状重合体の場合、分子量を単純
に上げるだけでは、粘度の増加が激しくなり、作業性に
問題が生じる。その点、星形ブロック重合体は、その構
造に由来して粘度をさほど高めずに耐熱性を高めること
ができる。そこで、星形ブロック重合体はホットメルト
粘着剤など、耐熱性を要求される用途に好ましく用いら
れるのである。
【0003】星形ブロック重合体は、一般に、開始剤と
して2〜6価の多価メルカプタンを用い、各段階で種類
の異なるモノマーを使用するラジカル重合を複数回行う
ことによって、合成されている(特開平7−17953
8号公報)。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】この星形ブロック重
合体に対してより高い耐熱性が要求される場合、星形ブ
ロック重合体でも、その分子量を高めることが考えられ
る。しかし、分子量を高めることで多少耐熱性が向上す
るものの、この場合も粘度の増加が激しくなるため、作
業性に問題が生じる。
【0005】そこで、本発明の課題は、分子量を大きく
しなくても高い耐熱性を有する星形ブロック重合体と、
その製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記課題を
解決するために鋭意検討し、星形ブロック重合体の星形
構造のあり方について種々工夫した結果、星形構造を有
する重合体同士を結合させれば、分子量を大きくしなく
ても高い耐熱性を発揮させることが出来るのではないか
と着想し、実験によってこの構造を有する星形ブロック
重合体を得て、所望の結果が得られることを確認し、本
発明を完成した。
【0007】したがって、本発明にかかる星形ブロック
重合体は、少なくとも3本の鎖状重合体部分がメルカプ
ト基を中心にして放射状に延びている星形構造を複数個
備え、これらの星形構造が互いの鎖状重合体部分で繋が
っている星形ブロック重合体である。本発明にかかる星
形ブロック重合体の製造方法は、多価メルカプタンの存
在下で、各段階で種類の異なる重合性モノマーを使用す
るラジカル重合を複数段階行うことにより、星形ブロッ
ク重合体を製造する方法において、前記複数段階のうち
の少なくとも一つの段階で前記重合性モノマーとともに
微量の多官能性モノマ−を使用することを特徴とする。
この場合において、特に限定する訳ではないが、多官能
性モノマ−と多価メルカプタンの重量比(多官能性モノ
マ−重量/多価メルカプタン重量)は2未満であること
が好ましいし、重合性モノマ−の合計量に対する多官能
性モノマ−の重量比(多官能性モノマ−重量/重合性モ
ノマ−合計重量)は0.05未満であることが好ましい
し、第1段階のラジカル重合においてのみ多官能性モノ
マ−を併用することが好ましい。これらの条件は星形ブ
ロック重合体製造時のゲル化の発生を防ぎ易いからであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明にかかる星形ブロック重合
体は、鎖状重合体部分2が少なくとも3本、図1(この
図では鎖状重合体部分2が4本)に表すように、メルカ
プト基3を中心にして放射状に延びている星形構造1を
複数個(図1では星形構造1が2個)備え、これらの星
形構造1が互いの鎖状重合体部分2で繋がっている星形
ブロック重合体である。図1において、二つの星形構造
1、1の各鎖状重合体部分2で繋がっている部分に黒丸
が付されているが、この部分は後述する結合材たる多官
能性モノマ−に由来する結合構造4である。
【0009】本発明にかかる星形ブロック重合体を製造
する際は、特に限定する訳ではないが、前記従来の方法
において、以下に述べる多官能性モノマ−を併用する方
法によることが好ましい。この発明に用いられる多官能
性モノマ−とは、1分子当たり2個以上の重合性不飽和
基を有する化合物である。1分子当たりの重合性不飽和
基の個数が2であるモノマ−を2官能性モノマ−と言
い、3であるモノマ−を3官能性モノマ−と言う。本発
明に用いられる多官能性モノマ−は、ブロック重合体同
士を結合するの結合構造の数を多くするという観点から
は、2個以上の重合性不飽和基を有する化合物(すなわ
ち、2官能性以上のモノマ−)であることが必要である
が、2官能性モノマ−か3官能性モノマ−を用いること
が好ましい。重合性不飽和基を4個以上有する化合物
は、得られるブロック重合体同士を結合する結合構造の
数を多くするという観点からはより好ましいと考えられ
ようが、重合性不飽和基数が4個以上であると重合体が
網目状の構造を形成して重合中にゲル化が起き易いから
である。
【0010】多官能性モノマ−を例示すれば、エチレン
グリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ポリエチレングリ
コ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、プロピレングリコ−ル
ジ(メタ)アクリレ−ト、ポリプロピレングリコ−ル
(メタ)アクリレ−ト、1,3−ブチレングリコ−ルジ
(メタ)アクリレ−ト、1,6−ヘキサンジオ−ルジ
(メタ)アクリレ−ト、ネオペンチルグリコ−ルジ(メ
タ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシ1,3ジ(メタ)ア
クリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキ
シエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−
(メタクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,
2−ビス〔4−(アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニ
ル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・
ポリエトキシ)フェニル〕プロパン、2−ヒドロキシ−
1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパンなどの
ジオ−ルと(メタ)アクリル酸のジエステル化合物;
トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレ−ト、テ
トラメチロ−ルメタントリ(メタ)アクリレ−ト、テト
ラメチロ−ルメタンテトラ(メタ)アクリレ−ト、ペン
タエリスリト−ルテトラキス(メタ)アクリレ−ト、ジ
ペンタエリスリト−ルヘキサキス(メタ)アクリレ−ト
などの1分子当たり3個以上の水酸基を有する化合物と
(メタ)アクリル酸のポリエステル化合物;アリル(メ
タ)アクリレ−ト、ジビニルベンゼンなどを挙げること
ができ、いずれかを単独で、または、2以上を合わせて
使用することができる。
【0011】その他の原材料は、特に限定する訳ではな
いが、星形ブロック重合体の従来の製造方法で使用され
ている材料がそのまま用いられて良いし、一般的製造条
件もそのまま踏襲することが出来る。以下にこれらを例
示する。本発明で用いられる多価メルカプタンとして
は、例えば、エチレングリコ−ルジチオグリコレ−ト、
エチレングリコ−ルジチオプロピオネ−ト、1,4−ブ
タンジオ−ルジチオグリコレ−ト、1,4−ブタンジオ
−ルジチオプロピオネ−トなどエチレングリコ−ルや
1,4−ブタンジオ−ルのようなジオ−ルとカルボキシ
ル基含有メルカプタン類のジエステル;トリメチロ−ル
プロパントリチオグリコレ−ト、トリメチロ−ルプロパ
ントリチオプロピオネ−トなどトリメチロ−ルプロパン
のようなトリオ−ルとカルボキシル基含有メルカプタン
類のトリエステル;ペンタエリスリト−ルテトラキスチ
オグリコレ−ト、ペンタエリスリト−ルテトラキスチオ
プロピオネ−トなどペンタエリスリト−ルのような水酸
基を4個有する化合物とカルボキシル基含有メルカプタ
ン類のポリエステル;ジペンタエリスリト−ルヘキサキ
スチオグリコレ−ト、ジペンタエリスリト−ルヘキサキ
スチオプロピオネ−トなどジペンタエリスリト−ルのよ
うな水酸基を6個有する化合物とカルボキシル基含有メ
ルカプタン類のポリエステル化合物;その他水酸基を3
個以上有する化合物とカルボキシル基含有メルカプタン
類のポリエステル化合物;トリチオグリセリンなどのメ
ルカプト基を3個以上有する化合物;2−ジ−n−ブチ
ルアミノ−4,6−ジメルカプト−S−トリアジン、
2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジンなどのト
リアジン多価チオ−ル類;多価エポキシ化合物の複数の
エポキシ基に硫化水素を付加させて複数のメルカプト基
を導入してなる化合物;多価カルボン酸の複数のカルボ
キシル基とメルカプトエタノ−ルをエステル化してなる
エステル化合物を挙げることができ、これらのいずれか
を単独で、または、2以上を合わせて使用することがで
きる。ここで、カルボキシル基含有メルカプタン類と
は、チオグリコ−ル酸、メルカプトプロピオン酸、チオ
サリチル酸など、1個のメルカプト基と1個のカルボキ
シル基を有する化合物を言う。
【0012】本発明の製造方法では、多官能性モノマ−
と多価メルカプタンの重量比(多官能性モノマ−重量/
多価メルカプタン重量)は2未満が好ましく、0.05
以上、1以下がより好ましい。この重量比が2以上にな
ると、ブロック重合体1分子当たりに含まれる多官能性
モノマ−の数が多過ぎるために、重合体が網目状の構造
を形成して重合中にゲル化を起こすおそれがあるからで
ある。
【0013】本発明で用いられる重合性モノマーとして
は、ラジカル重合により単独重合あるいは共重合体を生
成するものであればどのような重合性モノマーも使用可
能であり、例えば、(メタ)アクリル酸;炭素原子数1
〜30のアルキル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレ−ト、グリシジル(メタ)アクリレ−ト、
メトキシエチル(メタ)アクリレ−ト、エトキシエチル
(メタ)アクリレ−ト、エトキシエトキシエチル(メ
タ)アクリレ−ト、などに代表される(メタ)アクリレ
−ト類;α−メチルスチレン、ビニルトルエン、スチレ
ンなどに代表されるスチレン系単量体;フェニルマレイ
ミド、シクロヘキシルマレイミドなどに代表されるマレ
イミド系単量体;メチルビニルエ−テル、エチルビニル
エ−テル、イソブチルビニルエ−テルなどに代表される
ビニルエ−テル系単量体;フマル酸、フマル酸のモノア
ルキルエステル、フマル酸のジアルキルエステル;マレ
イン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル、マレイン
酸のジアルキルエステル;イタコン酸、イタコン酸のモ
ノアルキルエステル、イタコン酸のジアルキルエステ
ル;(メタ)アクリロニトリル、ブタジエン、イソプレ
ン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ビニル
ケトン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾ−ルなどを挙
げることができ、いずれかを単独で、または、2以上を
合わせて使用することができる。
【0014】本発明の製造方法では、多官能性モノマ−
と重合性モノマ−の重量比(多官能性モノマ−重量/重
合性モノマ−合計量)は0.05未満が好ましく、0.
001以上、0.01未満がより好ましい。この重量比
が0.05を超えると、まず製造時の粘度が高くなって
生産性の点で好ましくないからであり、この重量比がさ
らに多くなると、重合体が網目状の構造を形成して重合
中にゲル化を起こすおそれがあるからである。ここに、
重合性モノマ−合計量とは各段階のラジカル重合で用い
られる重合性モノマーの重量を合計したものである。
【0015】本発明の製造方法では、多官能性モノマ−
は複数段階で行われるラジカル重合の不特定の1段階、
または複数段階で併用されて良いが、第1段階でのみ併
用されるのが好ましい。第2段階以降で加える場合に
は、ゲル化せずにブロック重合体が得られる多官能性モ
ノマ−量の範囲が第1段階で加える場合よりも狭くな
り、また、添加量を増加していくと第1段階で加える場
合よりも分子量の増加が激しくなって分子量の制御が困
難となるからである。得られる重合体の物性も、第1段
階で加える場合の方が第2段階以降で加えるよりも優れ
ている。
【0016】本発明の製造方法のラジカル重合は、通常
のラジカル重合である塊状重合、溶液重合、懸濁重合、
乳化重合などで行うことができる。重合温度は30〜2
00℃が好ましく、50〜150℃がより好ましい。重
合には通常のラジカル重合開始剤、例えば、2,2’−
アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2
−メチルブチロニトリル)などのアゾ系開始剤;過酸化
ベンゾイルなどの過酸化物系重合開始剤などが使用でき
る。その使用量は、重量比で、多価メルカプタンの1/
3以下が好ましく、1/5以下がより好ましい。重合開
始剤を上記比率よりも多量に使用すると、メルカプト基
から伸びた重合体部分以外に、重合開始剤から伸びた重
合体も多量に生成してブロック重合体の生成効率が低下
し易く、また、得られたブロック重合体の物性も低下し
易いからである。
【0017】重合性モノマーの添加手順としては、特に
限定する訳ではないが、2工程方法の場合、多価メルカ
プタン存在下に、まず、第1重合性モノマーのラジカル
重合を行い、第1工程での重合率が50%以上、好まし
くは80%以上になってから、第2重合性モノマーを加
えて第2工程(最終工程)での重合を行うと言う手順に
よる。先に行うラジカル重合の重合率を50%以上とす
るのは、第1工程後に残存している重合性モノマーを除
去せずに次の重合を行ったとしても、ブロック重合体の
各鎖状重合体部分の性質を異ならせることが出来るた
め、重合性モノマーの揮発除去を最終工程後に行うこと
が可能となるからである。
【0018】ラジカル重合を多段に行えば、3種以上の
鎖状重合体部分を持つ星形ブロック重合体を得ることが
できる。本発明のブロック重合体の製造方法では、多価
メルカプタンの存在下で第1重合性モノマ−のラジカル
重合を行うと、多価メルカプタンのメルカプト基を発端
として第1モノマ−がラジカル重合し、星形ブロック重
合体の鎖状重合体部分を構成する。その際、多価メルカ
プタンの一部のメルカプト基はこのラジカル重合の発端
とならずに残る。そこで、次に第2重合性モノマ−を加
えて第2工程のラジカル重合を行うと、多価メルカプタ
ンの残ったメルカプト基を発端として第2モノマ−がラ
ジカル重合し、第1工程で得られた鎖状重合体部分と異
なる組成の鎖状重合体部分を星形ブロック状に形成す
る。その際、本発明では、微量の多官能性モノマ−を併
用するので、上のようにして得られる星形構造同士を多
官能性モノマ−を介して結合する。その際には、ラジカ
ル重合時に副成する重合性モノマーのホモポリマ−(メ
ルカプト基を発端として生成しない鎖状重合体)も多官
能性モノマ−を介して星形ブロック重合体の鎖状重合体
部分に結合する。
【0019】
【実施例】以下に、この発明の実施例と、この発明の範
囲を外れた比較例とを示すが、この発明は下記実施例に
限定されない。以下では、「%」は「重量%」、「部」
は「重量部」のことである。なお、数平均分子量(M
n)、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパ−ミエ−ショ
ンクロマトグラフィ−(GPC)によりポリスチレン換
算値で求めた。
【0020】ホットメルト粘着剤としての特性は、以下
の方法で測定を行った。 試料:ホットメルト粘着剤をGPDコ−タ−(由利ロ−
ル機械社製)で、塗布厚みが25μmとなるようにPE
Tフィルム上に溶融塗布し、試料とした。 プロ−ブタック:プロ−ブタックテスタ−(ニチバン社
製)を用い、測定温度23℃、接触時間1秒、引剥がし
速度1cm/秒の条件下で測定した。
【0021】180°ピ−ル強度:試料を、25mm幅
で被着体のステンレススチ−ル材に貼り付け、2kgロ
−ラ−で1往復圧着して20分後、300mm/分の引
っ張り速度でステンレススチ−ル材から180°剥離し
て、測定した。 保持力:ステンレススチ−ル板に25mmx25mmの
接着面積で試料を貼り付け、2kgロ−ラ−で1往復圧
着し、所定温度(60℃、80℃)でそれぞれ30分間
調温した後、1kgの荷重をかけて落下するまでの時
間、または24時間後のズレ(単位:mm)を測定し
た。
【0022】ホットメルト粘着剤としては、180℃粘
度が50,000cps以下で、80℃保持力の大きな
もの(耐熱性が良いもの)が求められている。 −実施例1− 攪拌装置、窒素導入管、滴下ロ−ト、温度計、冷却管を
備えた2リットルの4つ口フラスコに第1(重合性)モ
ノマーとしてメタクリル酸メチル177.3gとアクリ
ル酸1.8g、多官能性モノマーとしてテトラエチレン
グリコ−ルジアクリレ−ト(新中村化学社製)0.9
g、溶剤として酢酸エチル140gを加え、窒素雰囲気
下で85℃まで昇温した。内温が85℃に達した後、多
価メルカプタンとしてペンタエリスリト−ルテトラキス
チオグリコレ−ト3g、ラジカル重合開始剤として2,
2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(日本ヒ
ドラジン工業社製、商品名ABN−E、以下はABN−
Eと略す)0.6g、溶剤として酢酸エチル20gを加
えて重合を開始した。重合開始50分後、80分後にそ
れぞれ多価メルカプタンとしてペンタエリスリト−ルテ
トラキスチオグリコレ−ト1.5g、ラジカル重合開始
剤としてABN−E0.3g、溶剤として酢酸エチル1
0gを加えた。140分後にメタクリル酸メチルの重合
率は84.9%に達していた。続いて、この反応液に滴
下ロ−トから第2(重合性)モノマーとしてアクリル酸
ブチル415.8gとアクリル酸4.2g、溶剤として
酢酸エチル400gを2時間かけて滴下した。滴下終了
30分後、60分後にそれぞれラジカル重合開始剤とし
てABN−E0.2g、溶剤として酢酸エチル5g加え
た。さらに60分後にラジカル重合開始剤としてアゾビ
スイソブチロニトリル(日本ヒドラジン工業社製、商品
名ABN−R)0.6g、溶剤として酢酸エチル10g
を加えた。環流下でさらに2時間反応させた後、室温ま
で冷却して反応を終了した。
【0023】このようにして得られた反応液から溶剤の
酢酸エチルと残存モノマーなどの揮発成分を二軸押出機
を用いて揮発除去し、無色透明の星形ブロック重合体を
得た。生成した重合体の数平均分子量(Mn)は29,
500、重量平均分子量(Mw)は156,000であ
った。この星形ブロック重合体をそのままでホットメル
ト粘着剤とした。その粘着物性は表1に示す。
【0024】表1に見るように、得られたホットメルト
粘着剤は、従来のものに比べて80℃保持力が優れてい
ることが判る。 −実施例2〜実施例7− 第1モノマー・第2モノマーの種類、多価メルカプタン
量、多官能性モノマーの種類・量・併用相手を表1、2
のように変えたほかは実施例1と同様にして星形ブロッ
ク重合体を得て、同様に物性を測定し、表1、2に記載
した。
【0025】−比較例1、2− 多官能性モノマーの添加を省略したほかは実施例1と同
様にして星形ブロック重合体を得て、同様に物性を測定
し、表2に記載した。比較例2では比較例1の星形ブロ
ック重合体よりも大きな分子量の星形ブロック重合体を
得ている。多官能性モノマーの添加を省略したほかは実
施例1と同様にして星形ブロック重合体を得て、同様に
物性を測定し、表3に記載した。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】実施例1〜7と比較例1の星形ブロック重
合体の180℃粘度と保持力の測定結果から分かるよう
に、本発明の星形ブロック重合体は従来の星形ブロック
重合体と同程度の180℃粘度でありながら、保持力が
高い。比較例1と比較例2の星形ブロック重合体の分子
量、180℃粘度と保持力を比較すれば分かるように、
従来の星形ブロック重合体では分子量を上げると、多
少、保持力の向上が見られるが、180℃粘度の増加が
激しい。これに対して、実施例1の星型ブロック重合体
は、比較例2よりも低い180℃粘度を有しているにも
かかわらず、保持力が比較例2を大きく上回っている。
この測定結果および多官能性モノマーの重合性から、実
施例の星形ブロック重合体は、星形構造同士が結合され
た構造を有していることが分かる。
【0030】
【発明の効果】本発明にかかる新規な星形ブロック重合
体は、星形構造が互いの鎖状重合体部分で結合された構
造を有しているため、分子量を大きくしなくても、より
高い耐熱性を発揮できる。本発明のブロック重合体の製
造方法では、星形ブロック重合体の製造時にモノマーと
して微量の多官能性モノマ−を併用するので、得られる
星形構造同士を多官能性モノマ−を介して結合し、上記
本発明の新規な星形ブロック重合体を容易に得させる。
そして、その際に、副成する重合性モノマーのホモポリ
マ−多官能性モノマ−を介して星形ブロック重合体の鎖
状重合体部分に結合するため、ホモポリマ−の生成量を
減少させ、結果としてホモポリマ−が起因して起きる物
性低下をも防ぐことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる星形ブロック重合体のモデル
【符号の説明】
1 星形構造 2 鎖状重合体部分 3 メルカプト基 4 結合構造

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも3本の鎖状重合体部分がメルカ
    プト基を中心にして放射状に延びている星形構造を複数
    個備え、これらの星形構造が互いの鎖状重合体部分で繋
    がっている星形ブロック重合体。
  2. 【請求項2】多価メルカプタンの存在下で、各段階で種
    類の異なる重合性モノマーを使用するラジカル重合を複
    数段階行うことにより、星形ブロック重合体を製造する
    方法において、前記複数段階のうちの少なくとも一つの
    段階で前記重合性モノマーとともに微量の多官能性モノ
    マ−を使用することを特徴とする星形ブロック重合体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】多官能性モノマ−と多価メルカプタンの重
    量比(多官能性モノマ−重量/多価メルカプタン重量)
    が2未満である請求項2記載の星形ブロック重合体の製
    造方法。
  4. 【請求項4】重合性モノマ−の合計量に対する多官能性
    モノマ−の重量比(多官能性モノマ−重量/重合性モノ
    マ−合計重量)が0.05未満である請求項2または3
    記載の星形ブロック重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】第1段階のラジカル重合においてのみ多官
    能性モノマ−を併用する請求項2から4までのいずれか
    に記載の星形ブロック重合体の製造方法。
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