JP3384456B2 - インクジェット式記録ヘッド及びその製造方法並びにインクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録ヘッド及びその製造方法並びにインクジェット式記録装置

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JP3384456B2
JP3384456B2 JP2000234405A JP2000234405A JP3384456B2 JP 3384456 B2 JP3384456 B2 JP 3384456B2 JP 2000234405 A JP2000234405 A JP 2000234405A JP 2000234405 A JP2000234405 A JP 2000234405A JP 3384456 B2 JP3384456 B2 JP 3384456B2
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク滴を吐出す
るノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構
成し、この振動板を介して圧電素子を設けて、圧電素子
の変位によりインク滴を吐出させるインクジェット式記
録ヘッド及びその製造方法並びにインクジェット式記録
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インク滴を吐出するノズル開口と連通す
る圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧
電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧して
ノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式
記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦
振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、た
わみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの
2種類が実用化されている。
【0003】前者は圧電素子の端面を振動板に当接させ
ることにより圧力発生室の容積を変化させることができ
て、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反
面、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛
歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた
圧電素子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必
要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
【0004】これに対して後者は、圧電材料のグリーン
シートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼
成するという比較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作
り付けることができるものの、たわみ振動を利用する関
係上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困難
であるという問題がある。
【0005】一方、後者の記録ヘッドの不都合を解消す
べく、特開平5−286131号公報に見られるよう
に、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧
電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法に
より圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生
室毎に独立するように圧電素子を形成したものが提案さ
れている。
【0006】これによれば圧電素子を振動板に貼付ける
作業が不要となって、リソグラフィ法という精密で、か
つ簡便な手法で圧電素子を作り付けることができるばか
りでなく、圧電素子の厚みを薄くできて高速駆動が可能
になるという利点がある。
【0007】また、このようなインクジェット式記録ヘ
ッドでは、基板の圧電素子とは反対側の面からエッチン
グすることなどにより厚さ方向に貫通して圧力発生室を
形成しているため、寸法精度の高い圧力発生室を比較的
容易且つ高密度に配設することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなインクジェット式記録ヘッドでは、圧力発生室を形
成する基板として、例えば、直径が6〜12インチ程度
の比較的大きなものを用いようとする場合、ハンドリン
グ等の問題により基板の厚さを厚くせざるを得ず、それ
に伴い圧力発生室の深さも深くなってしまう。そのた
め、各圧力発生室を区画する隔壁の厚さを厚くしない
と、十分な剛性が得られず、クロストークが発生し、所
望の吐出特性が得られない等の問題がある。また、隔壁
の厚さを厚くすると、高い配列密度でノズルを並べられ
ないため、高解像度の印字品質を達成できないという問
題がある。
【0009】本発明は、このような事情に鑑み、隔壁の
剛性を向上すると共に圧力発生室を高密度に配設するこ
とのできるインクジェット式記録ヘッド及びその製造方
法並びにインクジェット式記録装置を提供することを課
題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の第1の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室が
画成される流路形成基板と、前記圧力発生室の一部を構
成する振動板を介して前記圧力発生室に対向する領域に
設けられて前記圧力発生室内に圧力変化を生じさせる圧
電素子とを具備するインクジェット式記録ヘッドにおい
て、前記流路形成基板が、エッチングストップ層とその
両面に設けられて単結晶シリコンからなるシリコン層と
を有し、前記圧力発生室が前記流路形成基板を構成する
一方のシリコン層に形成されると共に当該圧力発生室の
底面が前記エッチングストップ層で封止され、且つ前記
圧電素子が前記圧力発生室に充填されて最終的に除去さ
れる犠牲層を介して前記一方のシリコン層上に設けられ
た前記振動板上に成膜及びリソグラフィ法により形成さ
れていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド
にある。
【0011】かかる第1の態様では、圧力発生室が流路
形成基板を貫通することなく形成されるため、圧力発生
室を区画する隔壁の剛性が向上すると共にクロストーク
が抑えられる。
【0012】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、前記流路形成基板が、絶縁体層からなるエッチング
ストップ層の両面に単結晶シリコンからなるシリコン層
を有するSOI基板からなることを特徴とするインクジ
ェット式記録ヘッドにある。
【0013】かかる第2の態様では、圧力発生室が流路
形成基板を貫通することなく、SOI基板の一方のシリ
コン層に形成される。
【0014】本発明の第3の態様は、第1又は2の態様
において、前記流路形成基板を構成する前記シリコン層
のそれぞれが異なる厚さを有し、前記圧力発生室が形成
される前記一方のシリコン層は、他方のシリコン層の厚
さよりも薄いことを特徴とするインクジェット式記録ヘ
ッドにある。
【0015】かかる第3の態様では、圧力発生室が比較
的浅く形成され、圧力発生室を区画する隔壁の剛性が向
上すると共にクロストークが抑えられる。
【0016】本発明の第4の態様は、第1〜3の何れか
の態様において、前記圧力発生室と前記ノズル開口とを
連通するインク連通路が、前記一方のシリコン層内に形
成されていることを特徴とするインクジェット式記録ヘ
ッドにある。
【0017】かかる第4の態様では、インク連通路が圧
力発生室と同一層に形成されるため、ヘッドを小型化す
ることができる。
【0018】本発明の第5の態様は、第4の態様におい
て、前記インク連通路が前記圧力発生室の長手方向端部
から延設され、前記ノズル開口が前記流路形成基板の端
面側に設けられていることを特徴とするインクジェット
式記録ヘッドにある。
【0019】かかる第5の態様では、流路形成基板の端
面側にノズル開口を有するタイプのインクジェット式記
録ヘッドが実現される。
【0020】本発明の第6の態様は、第5の態様におい
て、前記インク連通路が前記流路形成基板の端面まで延
設され、当該流路形成基板の端面には前記ノズル開口を
有するノズルプレートが接合されていることを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッドにある。
【0021】かかる第6の態様では、流路形成基板の端
面側に比較的容易にノズル開口を形成することができ
る。
【0022】本発明の第7の態様は、第5の態様におい
て、前記ノズル開口が前記インク連通路の端部に前記シ
リコン層の厚さ方向の一部を除去することにより形成さ
れていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド
にある。
【0023】かかる第7の態様では、ノズル開口を流路
形成基板に圧力発生室と共に比較的容易に形成できる。
【0024】本発明の第8の態様は、第1〜4の何れか
の態様において、前記振動板上に前記圧電素子を内部に
封止する空間を有する封止基板が接合され、該封止基板
に前記ノズル開口が形成されていることを特徴とするイ
ンクジェット式記録ヘッドにある。
【0025】かかる第8の態様では、流路形成基板の圧
電素子側にノズル開口を有するタイプのインクジェット
式記録ヘッドが実現される。また、一枚の基板で封止機
能とノズル機能とを兼ねることができる。
【0026】本発明の第9の態様は、第1〜3の何れか
の態様において、前記圧力発生室と前記ノズル開口とを
連通するインク連通路が、前記流路形成基板を構成する
前記エッチングストップ層を貫通して他方のシリコン層
に形成され、前記ノズル開口が前記他方のシリコン層の
表面側に設けられていることを特徴とするインクジェッ
ト式記録ヘッドにある。
【0027】かかる第9の態様では、流路形成基板の圧
電素子とは反対側の面にノズル開口を有するタイプのイ
ンクジェット式記録ヘッドが実現される。
【0028】本発明の第10の態様は、第1〜9の何れ
かの態様において、前記圧力発生室が形成されたシリコ
ン層の主面が(001)方位であり、前記圧力発生室の
長手方向が、<110>方向となっていることを特徴と
するインクジェット式記録ヘッドにある。
【0029】かかる第10の態様では、圧力発生室を高
精度且つ高密度に形成することができる。
【0030】本発明の第11の態様は、第1〜9の何れ
かの態様において、前記圧力発生室が形成されるシリコ
ン層の主面が(110)方位であり、前記圧力発生室の
長手方向が<1−12>方向となっていることを特徴と
するインクジェット式記録ヘッドにある。
【0031】かかる第11の態様では、圧力発生室を高
精度且つ高密度に形成することができる。
【0032】本発明の第12の態様は、第1〜11の何
れかの態様において、前記圧力発生室が異方性エッチン
グにより形成され、前記振動板及び前記圧電素子を構成
する各層が成膜及びリソグラフィ法により形成されたも
のであることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド
にある。
【0033】かかる第12の態様では、高密度のノズル
開口を有するインクジェット式記録ヘッドを大量に且つ
比較的容易に製造することができる。
【0034】本発明の第13の態様は、第1〜12の何
れかの態様のインクジェット式記録ヘッドを具備するこ
とを特徴とするインクジェット式記録装置にある。
【0035】かかる第13の態様では、ヘッドのインク
吐出性能を向上すると共に高密度化したインクジェット
式記録装置を実現することができる。
【0036】本発明の第14の態様は、エッチングスト
ップ層の両面に単結晶シリコンからなるシリコン層を有
する流路形成基板に圧力発生室を形成すると共に、振動
板を介して前記圧力発生室内に圧力変化を生じさせる圧
電素子を形成するインクジェット式記録ヘッドの製造方
法であって、前記流路形成基板の一方のシリコン層を前
記エッチングストップ層に達するまでエッチングするこ
とにより少なくとも前記圧力発生室を形成する工程と、
前記圧力発生室内に犠牲層を充填する工程と、前記犠牲
層側の前記流路形成基板の表面に前記振動板を形成する
と共に前記圧力発生室に対応して前記圧電素子を形成す
る工程と、前記圧力発生室に連通してインク流路の一部
となる連通孔を前記振動板に形成して前記犠牲層を露出
させると共に前記連通孔を介してエッチングすることに
より前記犠牲層を除去する工程とを有することを特徴と
するインクジェット式記録ヘッドの製造方法にある。
【0037】かかる第14の態様では、開口部を介して
エッチングすることにより、比較的容易且つ確実に犠牲
層を除去することができるため、圧力発生室を流路形成
基板を貫通することなく比較的容易に形成することがで
きる。
【0038】本発明の第15の態様は、第14の態様に
おいて、前記流路形成基板が、絶縁体層からなるエッチ
ングストップ層の両面に単結晶シリコンからなるシリコ
ン層を有するSOI基板であることを特徴とするインク
ジェット式記録ヘッドの製造方法にある。
【0039】かかる第15の態様では、圧力発生室を流
路形成基板を貫通することなく容易且つ確実に形成する
ことができる。
【0040】本発明の第16の態様は、第14又は15
の態様において、前記圧力発生室を形成する工程で、当
該圧力発生室の長手方向端部から前記ノズル開口に連通
するインク連通路を形成することを特徴とするインクジ
ェット式記録ヘッドの製造方法にある。
【0041】かかる第16の態様では、圧力発生室とイ
ンク連通路とを流路形成基板に同時に形成することがで
きる。
【0042】本発明の第17の態様は、第14〜16の
何れかの態様において、前記犠牲層を除去する工程は、
前記振動板を貫通して前記犠牲層を露出する開口部を介
してエッチングにより行うことを特徴とするインクジェ
ット式記録ヘッドの製造方法にある。
【0043】かかる第17の態様では、開口部を介して
エッチングすることにより、比較的容易且つ確実に犠牲
層を除去することができる。
【0044】本発明の第18の態様は、第14〜17の
何れかの態様において、前記犠牲層を充填する工程は、
前記流路形成基板の前記圧力発生室に対応する領域に少
なくとも前記圧力発生室の深さと略同一の厚さで前記犠
牲層を形成する工程と、前記圧力発生室以外の前記犠牲
層をポリッシングによって除去する工程とを含むことを
特徴とするインクジェット式記録ヘッドの製造方法にあ
る。
【0045】かかる第18の態様では、圧力発生室内に
犠牲層を容易且つ確実に充填することができる。
【0046】本発明の第19の態様は、第18の態様に
おいて、前記犠牲層をジェットモールディング法によっ
て形成することを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
ドの製造方法にある。
【0047】かかる第19の態様では、犠牲層を部分的
に形成することができ、比較的容易に犠牲層を充填する
ことができる。
【0048】本発明の第20の態様は、第14〜19の
何れかの態様において、前記振動板として絶縁層を形成
すると共に、該絶縁層上に下電極層、圧電体層及び上電
極層を順次積層形成し、パターニングすることにより前
記圧電素子を形成することを特徴とするインクジェット
式記録ヘッドの製造方法にある。
【0049】かかる第20の態様では、たわみ振動モー
ドの圧電素子を比較的容易に形成できる。
【0050】本発明の第21の態様は、第20の態様に
おいて、前記振動板が前記下電極層を兼ねていることを
特徴とするインクジェット式記録ヘッドの製造方法にあ
る。
【0051】かかる第21の態様では、ヘッドの構造を
簡略化できると共に、製造工程を減少することができ
る。
【0052】本発明の第22の態様は、第14〜21の
何れかの態様において、前記圧力発生室を異方性エッチ
ングによって形成することを特徴とするインクジェット
式記録ヘッドの製造方法にある。
【0053】かかる第22の態様では、圧力発生室を高
精度且つ高密度に形成することができる。
【0054】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施形態に基づい
て詳細に説明する。
【0055】(実施形態1)図1は、本発明の実施形態
1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図
であり、図2は、その断面図である。
【0056】図示するように、流路形成基板10は、エ
ッチングストップ層とその両面に設けられる単結晶シリ
コンからなるシリコン層とを有し、例えば、本実施形態
では、酸化シリコンからなる絶縁体層11の両面に単結
晶シリコンからなる一対の第1シリコン層12及び第2
シリコン層13を有するSOI基板からなる。
【0057】ここで、本実施形態のSOI基板からなる
流路形成基板10では、絶縁体層11がエッチングスト
ップ層となり、詳しくは後述するが、第1シリコン層1
2をエッチングして圧力発生室15を形成する際に、こ
の絶縁体層11によって容易且つ確実にエッチングが停
止するため、圧力発生室15を高精度に形成することが
できる。
【0058】また、流路形成基板10を構成する第1シ
リコン層12の膜厚は、第2シリコン層13の膜厚より
も薄く形成され、本実施形態では、この膜厚の薄い第1
シリコン層12に複数の隔壁14により区画された圧力
発生室15が幅方向に並設されている。また、圧力発生
室15の長手方向端部側には、それぞれインクの流路と
なるインク連通路16,17が、圧力発生室15の幅よ
りも狭い幅で延設されている。
【0059】また、このように圧力発生室15等が形成
された流路形成基板10の第1シリコン層12上には、
例えば、酸化ジルコニウム(ZrO2)等の絶縁層から
なる、厚さ1〜2μmの弾性膜50が設けられている。
この弾性膜50には、後述するノズルプレート20に設
けられたノズル開口21及びインク供給孔22に連通す
る第1及び第2連通孔51,52が、各インク連通路1
6,17に対向する位置にそれぞれ形成されている。
【0060】また、このような弾性膜50の圧力発生室
に対応する領域には、厚さが例えば、約0.5μmの下
電極膜60と、厚さが例えば、約1μmの圧電体膜70
と、厚さが例えば、約0.1μmの上電極膜80とが、
後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子300を
構成している。ここで、圧電素子300は、下電極膜6
0、圧電体膜70、及び上電極膜80を含む部分をい
う。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を
共通電極とし、他方の電極及び圧電体膜70を各圧力発
生室15毎にパターニングして構成する。そして、ここ
ではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体膜
70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪
みが生じる部分を圧電体能動部320という。本実施形
態では、下電極膜60は圧電素子300の共通電極と
し、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としてい
るが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障は
ない。何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体
能動部が形成されていることになる。また、ここでは、
圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位
が生じる振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称す
る。なお、上述した例では、弾性膜50及び下電極膜6
0が振動板として作用するが、下電極膜が弾性膜を兼ね
るようにしてもよい。
【0061】ここで、SOI基板からなる流路形成基板
10に圧力発生室15等を形成する工程及び、この圧力
発生室15に対応する領域に圧電素子300を形成する
プロセスを図3〜図5を参照しながら説明する。なお、
図3及び図4は、圧力発生室の幅方向の断面図であり、
図5は、圧力発生室の長手方向の断面図である。
【0062】まず、図3(a)に示すように、流路形成
基板10となるSOI基板のウェハの第1シリコン層1
2上に、例えば、酸化シリコンからなる所定形状のマス
クを用いて、水酸化カリウム等のアルカリ水溶液によっ
て異方性エッチングすることにより、圧力発生室15及
びその長手方向端部側にそれぞれインク連通路16,1
7を形成する。
【0063】ここで、本実施形態では、流路形成基板1
0の第1シリコン層12は、その主面が(001)方位
であり、且つ圧力発生室15をその長手方向が<110
>方向となるように形成している。そのため、圧力発生
室15及びインク連通路16,17は、所定角度の傾斜
面で構成されている。
【0064】このように第1シリコン層12を所定の面
方位として圧力発生室15を形成することにより、異方
性エッチングによって圧力発生室15を比較的高い寸法
精度で形成することができると共に、圧力発生室15を
高密度に配列することができる。
【0065】なお、第1シリコン層12の主面を(11
0)方位とし、圧力発生室15をその長手方向が<1−
12>方向となるように形成するようにしてもよい。こ
こで、(−1)は(バー1)を示す。
【0066】この場合には、圧力発生室15及びインク
連通路16,17は、流路形成基板10の表面に略垂直
な面で構成されるが、上述の場合と同様に、高精度及び
高密度に圧力発生室15を形成することができる。
【0067】また、この圧力発生室15及びインク連通
路16,17は、流路形成基板10の第1シリコン層1
2をほぼ貫通して絶縁体層11に達するまでエッチング
することにより形成されている。したがって、絶縁体層
11によってエッチングの停止が容易となり、圧力発生
室15等の深さを容易に制御でき、且つ高密度に形成す
ることができる。なお、絶縁体層11は、シリコン単結
晶基板からなる第1シリコン層12をエッチングするア
ルカリ溶液に侵される量がきわめて小さい。
【0068】次に、図3(b)に示すように、第1シリ
コン層12に形成された圧力発生室15及びインク連通
路16,17に犠牲層90を埋め込む。例えば、本実施
形態では、第1シリコン層12の表面に全面に亘って犠
牲層90を圧力発生室の深さと略同一厚さで形成した
後、圧力発生室15及びインク連通路16,17以外の
犠牲層90をポリッシングにより除去した。
【0069】この犠牲層90の材料は、特に限定されな
いが、例えば、ポリシリコン又はリンドープ酸化シリコ
ン(PSG)等を用いればよく、本実施形態では、エッ
チングレートが比較的速いPSGを用いた。
【0070】なお、この犠牲層90の形成方法は、特に
限定されず、例えば、1μm以下の超微粒子をヘリウム
(He)等のガスの圧力によって高速で基板に衝突させ
ることにより成膜するいわゆるガスデポジション法ある
いはジェットモールディング法と呼ばれる方法を用いて
もよい。この方法では、圧力発生室15及びインク連通
路16,17に対応する領域のみに犠牲層90を部分的
に形成することができる。
【0071】次に、図3(c)に示すように、第1シリ
コン層12及び犠牲層90上に弾性膜50を形成する。
例えば、本実施形態では、流路形成基板10上にジルコ
ニウム層を形成後、例えば、500〜1200℃の拡散
炉で熱酸化して酸化ジルコニウムからなる弾性膜50と
した。なお、弾性膜50の材料は、特に限定されず、例
えば、酸化シリコン(SiO2)等であってもよい。
【0072】次に、各圧力発生室15に対応して弾性膜
50上に圧電素子300を形成する。
【0073】圧電素子300を形成する工程としては、
まず、図4(a)に示すように、スパッタリングで下電
極膜60を形成する。この下電極膜60の材料として
は、白金等が好適である。これは、スパッタリング法や
ゾル−ゲル法で成膜する後述の圧電体膜70は、成膜後
に大気雰囲気下又は酸素雰囲気下で600〜1000℃
程度の温度で焼成して結晶化させる必要があるからであ
る。すなわち、下電極膜60の材料は、このような高
温、酸化雰囲気下で導電性を保持できなければならず、
殊に、圧電体膜70としてチタン酸ジルコン酸鉛(PZ
T)を用いた場合には、酸化鉛の拡散による導電性の変
化が少ないことが望ましく、これらの理由から白金が好
適である。
【0074】次に、図4(b)に示すように、圧電体膜
70を成膜する。この圧電体膜70は、結晶が配向して
いることが好ましい。例えば、本実施形態では、金属有
機物を触媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥し
てゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物か
らなる圧電体膜70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用
いて形成することにより、結晶が配向している圧電体膜
70とした。圧電体膜70の材料としては、チタン酸ジ
ルコン酸鉛系の材料がインクジェット式記録ヘッドに使
用する場合には好適である。なお、この圧電体膜70の
成膜方法は、特に限定されず、例えば、スパッタリング
法で形成してもよい。
【0075】さらに、ゾル−ゲル法又はスパッタリング
法等によりチタン酸ジルコン酸鉛の前駆体膜を形成後、
アルカリ水溶液中での高圧処理法にて低温で結晶成長さ
せる方法を用いてもよい。
【0076】何れにしても、このように成膜された圧電
体膜70は、バルクの圧電体とは異なり結晶が優先配向
しており、且つ本実施形態では、圧電体膜70は、結晶
が柱状に形成されている。なお、優先配向とは、結晶の
配向方向が無秩序ではなく、特定の結晶面がほぼ一定の
方向に向いている状態をいう。また、結晶が柱状の薄膜
とは、略円柱体の結晶が中心軸を厚さ方向に略一致させ
た状態で面方向に亘って集合して薄膜を形成している状
態をいう。勿論、優先配向した粒状の結晶で形成された
薄膜であってもよい。なお、このように薄膜工程で製造
された圧電体膜の厚さは、一般的に0.2〜5μmであ
る。
【0077】次に、図4(c)に示すように、上電極膜
80を成膜する。上電極膜80は、導電性の高い材料で
あればよく、アルミニウム、金、ニッケル、白金等の多
くの金属や、導電性酸化物等を使用できる。本実施形態
では、白金をスパッタリングにより成膜している。
【0078】次いで、下電極膜60、圧電体膜70及び
上電極膜80を一緒にエッチングして下電極膜60の全
体パターンをパターニングした後、図4(d)に示すよ
うに、圧電体膜70及び上電極膜80のみをエッチング
して圧電体能動部320のパターニングを行う。
【0079】その後、図5に示すように、弾性膜50の
犠牲層90に対向する領域に、犠牲層90を露出する貫
通孔、例えば、本実施形態では、インク連通路16,1
7にそれぞれ対応する領域の弾性膜50に第1及び第2
連通孔51,52を形成する。そして、これら第1及び
第2連通孔51,52から、例えば、ウェットエッチン
グによって犠牲層90を除去する。本実施形態では、犠
牲層90の材料として、PSGを用いているため、弗酸
水溶液によってエッチングした。なお、ポリシリコンを
用いた場合には、弗酸及び硝酸の混合水溶液、あるいは
水酸化カリウム水溶液によってエッチングすることがで
きる。また、犠牲層90の除去方法としては、ウェット
エッチングに限定されず、例えば、弗酸蒸気によるエッ
チングによっても可能である。
【0080】以上のような工程で、圧力発生室15及び
圧電素子300が形成される。
【0081】このように、本実施形態では、流路形成基
板10としてSOI基板を用い、膜厚の薄い第1シリコ
ン層12に圧力発生室15を形成するようにしたので、
各圧力発生室15を区画する隔壁14の剛性を高めるこ
とができ、且つ複数の圧力発生室15を高密度に配列す
ることができる。また、圧力発生室15の深さを浅くす
ることにより、隔壁14のコンプライアンスを小さくす
ることができ、インクの吐出特性が向上する。
【0082】また、圧力発生室15が形成される第1シ
リコン層12の膜厚は薄いものの、流路形成基板10全
体の厚さは厚いため、大きなサイズのウェハとしても取
り扱いが容易となる。したがって、ウェハ一枚当たりの
チップの取り数を増加することができ、製造コストを低
減することができる。また、チップサイズを大きくでき
るので、長尺のヘッドも製造することができる。
【0083】さらに、流路形成基板10が厚いため、反
りの発生が抑えられ、他の部材と接合する際に位置合わ
せが容易となり、接合後も、圧電素子300の特性変化
が抑えられてインク吐出特性が安定する。
【0084】なお、上述のように圧電素子300が形成
された弾性膜50上には、図1及び図2に示すように、
各圧力発生室15とインク連通路16を介して連通する
ノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接着
剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。このノ
ズルプレート20は、後述するように、本実施形態では
圧電素子300を内部に密封可能な圧電素子保持部を有
する封止基板を兼ねている。
【0085】ここで、インク滴吐出圧力をインクに与え
る圧力発生室15の大きさと、インク滴を吐出するノズ
ル開口21の大きさとは、吐出するインク滴の量、吐出
スピード、吐出周波数に応じて最適化される。例えば、
1インチ当たり360個のインク滴を記録する場合、ノ
ズル開口21は数十μmの直径で精度よく形成する必要
がある。
【0086】また、本実施形態では、弾性膜50の第2
連通孔52に対向する領域のノズルプレート20には、
後述するリザーバ31に連通して圧力発生室15にイン
クを供給するインク供給孔22が形成され、さらに外側
のノズルプレート20の端部近傍には、リザーバ31に
連通して、例えば、インクカートリッジ等の外部のイン
ク供給手段からリザーバ31にインクを供給するインク
導入口23が形成されている。
【0087】さらに、本実施形態では、圧電素子300
に対向する領域のノズルプレート20には、圧電素子3
00の運動を阻害しない程度の空間を確保した状態で、
その空間を密封可能な圧電素子保持部24が設けられ、
圧電素子300の少なくとも圧電体能動部320は、こ
の圧電素子保持部24内に密封されている。
【0088】また、このノズルプレート20上のインク
連通路17に対応する領域には、各圧力発生室15の共
通のインク室となるリザーバ31を画成するリザーバ形
成基板30が接合されている。このリザーバ31は、本
実施形態では、リザーバ形成基板30を厚さ方向に貫通
することにより形成され、このリザーバ形成基板30上
に接合された封止板40によって封止されている。
【0089】このような本実施形態のインクジェット式
記録ヘッドは、図示しない外部インク供給手段と接続し
たインク導入口23からインクを取り込み、リザーバ3
1からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たし
た後、図示しない外部の駆動回路からの記録信号に従
い、圧力発生室15に対応するそれぞれの下電極膜60
と上電極膜80との間に電圧を印加し、弾性膜50、下
電極膜60及び圧電体膜70をたわみ変形させることに
より、各圧力発生室15内の圧力が高まりノズル開口2
1からインク滴が吐出する。
【0090】(実施形態2)図6は、実施形態2に係る
インクジェット式記録ヘッドの要部断面図である。
【0091】本実施形態は、図6に示すように、ノズル
開口21Aを流路形成基板10の側面側に設けた例であ
る。
【0092】すなわち、本実施形態では、ノズル開口2
1Aに連通するインク連通路16が圧力発生室15の長
手方向一端部から流路形成基板10の端面まで延設さ
れ、流路形成基板10の端面にノズル開口21Aを有す
るノズルプレート20Aが接合されている。
【0093】また、弾性膜50上には圧電素子300の
運動を阻害しない程度の空間を確保した状態でその空間
を密封可能な圧電素子保持部24を有する封止基板25
が接合されており、この封止基板25にリザーバ31A
から圧力発生室15にインクを供給するインク供給孔2
2が形成されている。さらに、この封止基板25上に
は、リザーバ31Aを形成するリザーバ形成基板30A
及び封止板40Aが接合されており、封止基板25上の
略全面がリザーバ31Aとなっている。なお、外部のイ
ンク供給手段からリザーバ31Aにインクを供給するイ
ンク導入口23Aは、封止板40Aに設けるようにし
た。
【0094】このような構成によっても、実施形態1と
同様の効果を得ることができる。また、本実施形態で
は、ノズル開口21Aが流路形成基板10の側面に設け
られているため、ノズル開口21Aを比較的容易に2列
に配列することができ、ヘッドの小型化を図ることがで
きる。
【0095】なお、本実施形態では、流路形成基板10
の側面側にノズル開口21Aを有するノズルプレート2
0Aを接合するようにしたが、これに限定されず、例え
ば、図7に示すように、流路形成基板10の端部に一端
がインク連通路16に連通するノズル開口21Bを形成
するようにしてもよい。
【0096】なお、このようなノズル開口21Bは、圧
力発生室15及びインク連通路16,17と同時に異方
性エッチングによって形成されているため、例えば、第
1シリコン層12の主面が(001)方位である場合に
は、ノズル開口21Bは、図7(b)に点線で示すよう
に傾斜面で構成される。この場合、所定幅でノズル開口
21Bを異方性エッチングにより形成すると、傾斜面同
士が当接した時点でエッチングが停止して、断面略V字
状のノズル開口21Bが形成される。すなわち、ノズル
開口21Bの幅を調整することにより、ノズル開口21
Bの深さを容易に調整することができる。
【0097】また、第1シリコン層12の主面が(11
0)方位である場合には、ノズル開口21Bは、上述し
た圧力発生室15等と同様に、流路形成基板10の表面
に対して略垂直な面で構成されるため、第1シリコン層
12を途中までエッチング(ハーフエッチング)するこ
とにより形成すればよい。なお、ハーフエッチングは、
エッチング時間の調整により行われる。
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】(他の実施形態)以上、本発明の各実施形
態を説明したが、インクジェット式記録ヘッドの基本的
構成は上述したものに限定されるものではない。
【0104】例えば、上述の実施形態では、SOI基板
からなる流路形成基板10の第1シリコン層12を第2
シリコン層13の膜厚よりも薄く形成するようにした
が、これに限定されず、勿論、同じ厚さとしてもよい
し、第1シリコン層12が厚くてもよく、圧力発生室1
5の大きさ、及び配列等を考慮して、適宜決定されれば
よい。
【0105】また、例えば、上述の実施形態では、流路
形成基板としてSOI基板を用いており、エッチングス
トップ層が酸化シリコンからなるが、エッチングストッ
プ層の材料は、これに限定されず、シリコン層を異方性
エッチングすることにより圧力発生室等を形成する際
に、エッチングを容易且つ確実に停止させることができ
る材料であればよく、例えば、窒化シリコン、あるいは
ボロンドープポリシリコン等を用いるようにしてもよ
い。
【0106】なお、上述の各実施形態では、成膜及びリ
ソグラフィプロセスを応用して製造される薄膜型のイン
クジェット式記録ヘッドを例にしたが、勿論これに限定
されるものではなく、例えば、グリーンシートを貼付す
る等の方法により形成される厚膜型のインクジェット式
記録ヘッドにも本発明を採用することができる。
【0107】また、これら各実施形態のインクジェット
式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するイン
ク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成し
て、インクジェット式記録装置に搭載される。図8は
そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図であ
る。
【0108】図8に示すように、インクジェット式記録
ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、イ
ンク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着
脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1
Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けら
れたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられてい
る。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、
それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物
を吐出するものとしている。
【0109】そして、駆動モータ6の駆動力が図示しな
い複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリ
ッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及
び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿っ
て移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に
沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ロ
ーラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シ
ートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるように
なっている。
【0110】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
圧力発生室が流路形成基板を貫通することなく形成され
ているため、隔壁の剛性を高めることができ、圧力発生
室を高密度に配列することができる。また、隔壁のコン
プライアンスが小さくなるため、クロストークを防止で
き、インクの吐出特性が向上する。
【0111】さらに、比較的大きなサイズの基板を用い
ることができ、ウェハ一枚当たりのチップの取り数を増
加することができ、コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの分解斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドを示す図であり、図1の縦断面図及び横断面図
である。
【図3】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態2に係るインクジェット式記
録ヘッドの要部を示す断面図である。
【図7】本発明の実施形態2に係るインクジェット式記
録ヘッドの変形例を示す断面図である。
【図8】 本発明の一実施形態に係るインクジェット式記
録装置の概略図である。
【符号の説明】
10 流路形成基板 11 絶縁体層 12 第1シリコン層 13 第2シリコン層 14 隔壁 15 圧力発生室 16,17 インク連通路 20 ノズルプレート 21 ノズル開口 30 リザーバ形成基板 40 封止板 50 弾性膜 60 下電極膜 70 圧電体膜 80 上電極膜 300 圧電素子 320 圧電体能動部
フロントページの続き (72)発明者 宮田 佳直 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−206315(JP,A) 特開 平6−87217(JP,A) 特開 平9−246234(JP,A) 特開 平6−143566(JP,A) 特開 平11−207954(JP,A) 特開 平4−185348(JP,A) 特開 平11−84273(JP,A) 特開 平5−48235(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/16 B41J 2/045 B41J 2/055

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル開口に連通する圧力発生室が画成
    される流路形成基板と、前記圧力発生室の一部を構成す
    る振動板を介して前記圧力発生室に対向する領域に設け
    られて前記圧力発生室内に圧力変化を生じさせる圧電素
    子とを具備するインクジェット式記録ヘッドにおいて、 前記流路形成基板が、エッチングストップ層とその両面
    に設けられて単結晶シリコンからなるシリコン層とを有
    し、前記圧力発生室が前記流路形成基板を構成する一方
    のシリコン層に形成されると共に当該圧力発生室の底面
    が前記エッチングストップ層で封止され、且つ前記圧電
    素子が前記圧力発生室に充填されて最終的に除去される
    犠牲層を介して前記一方のシリコン層上に設けられた前
    記振動板上に成膜及びリソグラフィ法により形成されて
    いることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記圧力発生室と前
    記ノズル開口とを連通するインク連通路が、前記一方の
    シリコン層内に形成されていることを特徴とするインク
    ジェット式記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記振動板上
    に前記圧電素子を内部に封止する空間を有する封止基板
    が接合され、該封止基板に前記ノズル開口が形成されて
    いることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 エッチングストップ層の両面に単結晶シ
    リコンからなるシリコン層を有する流路形成基板に圧力
    発生室を形成すると共に、振動板を介して前記圧力発生
    室内に圧力変化を生じさせる圧電素子を形成するインク
    ジェット式記録ヘッドの製造方法であって、 前記流路形成基板の一方のシリコン層を前記エッチング
    ストップ層に達するまでエッチングすることにより少な
    くとも前記圧力発生室を形成する工程と、前記圧力発生
    室内に犠牲層を充填する工程と、前記犠牲層側の前記流
    路形成基板の表面に前記振動板を形成すると共に前記圧
    力発生室に対応して前記圧電素子を形成する工程と、
    記圧力発生室に連通してインク流路の一部となる連通孔
    を前記振動板に形成して前記犠牲層を露出させると共に
    前記連通孔を介してエッチングすることにより前記犠牲
    層を除去する工程とを有することを特徴とするインクジ
    ェット式記録ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記流路形成基板
    が、絶縁体層からなるエッチングストップ層の両面に単
    結晶シリコンからなるシリコン層を有するSOI基板で
    あることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5において、前記圧力発生
    室を異方性エッチングによって形成することを特徴とす
    るインクジェット式記録ヘッドの製造方法。
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