JP3382595B2 - 具材及びその製造方法並びに肉まんの製造方法 - Google Patents

具材及びその製造方法並びに肉まんの製造方法

Info

Publication number
JP3382595B2
JP3382595B2 JP2000207684A JP2000207684A JP3382595B2 JP 3382595 B2 JP3382595 B2 JP 3382595B2 JP 2000207684 A JP2000207684 A JP 2000207684A JP 2000207684 A JP2000207684 A JP 2000207684A JP 3382595 B2 JP3382595 B2 JP 3382595B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ingredient
sol
parts
weight
gelling agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000207684A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001128650A (ja
Inventor
秀昭 谷内田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Prima Meat Packers Ltd
Original Assignee
Prima Meat Packers Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Prima Meat Packers Ltd filed Critical Prima Meat Packers Ltd
Priority to JP2000207684A priority Critical patent/JP3382595B2/ja
Publication of JP2001128650A publication Critical patent/JP2001128650A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3382595B2 publication Critical patent/JP3382595B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Freezing, Cooling And Drying Of Foods (AREA)
  • Grain Derivatives (AREA)
  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Seeds, Soups, And Other Foods (AREA)
  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特別の製造装置を
要せずに、生産性よく、肉まん等の中華まん、ピロシ
キ、加工調理パン等の加工食品を得ることができる、各
種加工食品において外包材であるシート生地の各辺を内
側に折り込んで内包される具材及びその製造方法並びに
肉まんの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】具材を
外包材内に内包してなる、中華まん等の食品は種々知ら
れている。このような食品の製造に際して、具材は、常
温で保形性のないものであるため、予め所定形状に成形
された外包材形成用の生地中に注射器様の注入器を用い
て封入されていた。
【0003】しかし、注入器を用いる方法では、生産性
が悪く、大量生産に向かないという問題があった。
【0004】このため、シート状の生地に油皮膜を形成
してから具材をシート状生地上に載置し、シート状生地
を巻き込み、中華まんを製造する方法が提案されている
(特開平6−233648号公報)。
【0005】しかし、この方法によっても、未だ、十分
な生産性をもって肉まん等の中華まんを生産することは
できなかった。すなわち、この方法で用いられる具材
は、常温で保形性のないものであったため、具材を、各
中華まんの形状に合わせて、キューブ状や球状、円盤状
等の所定の形状にすることができず、種々の形状の食品
に対応できなかった。
【0006】また、このような従来の具材では、常温で
保形性がないため、その形状を種々の食品形状に合わせ
ようとすると、冷凍設備等の特別な設備を要するという
問題もある。
【0007】この他、保形性を持たせる方法として、特
開平11−28073号公報のように、水中油型エマル
ジョンの常温で固化する性質を利用して、具入り固形ソ
ースを成形するもの、また、特開平11−276100
号公報に開示されたような特定蛋白粉末と所定範囲のp
H調整剤の相互作用により、液状食品に混合された際、
その水分を吸収して膨潤させることにより保形性を持た
せるものがある。
【0008】しかしながら、前者を肉まん等の外包材に
内包する具材に適用すると、エマルジョン成分が具材内
に残ってしまうため、食感が変わり従来と同等の味を楽
しむことはできない。
【0009】また、後者では、液状食品に特定蛋白粉末
とpH調整剤からなる組成物を混合して、加熱冷却させ
ることにより、pH調整剤との相互作用により特定蛋白
粉末が液状食品の水分を吸収して急速に膨潤ゲル化させ
ることにより、液状食品に保形性を持たせるようにして
おり、特定組成及びpHを有する組成物を加熱冷却して
水膨潤化させて具材に保形性を与えるというような複雑
な工程が必要となり、通常の調理に近い単純な工程のみ
で常温で充分な保形性を有する具材を提供することは困
難である。
【0010】従って、本発明の目的は、16〜24℃ま
での常温、即ち製造時の温度において保形性がよく、作
業者の人手によるハンドリングが可能で、最終製品であ
る各種加工食品の生産性に優れ、特別な製造設備を必要
とせずに該加工食品の製造に際して用いることができる
具材を提供するものである。
【0011】さらに、本発明は、従来と同等の味を提供
することができる具材を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、生地により形
成された外包材内であるシート生地の各辺を内側に折り
込んで内包される具材であって、予めスライス、カット
された肉類、野菜類を含む所定の食材と、所定のゾル・
ゲル化剤と、固化剤とを所定の配合で含有してなる具材
を提供することにより上記目的を達成したものである。
これにより、常温での良好な保形性を発現する。
【0013】ここで、ゾル・ゲル化剤とは、所定の温度
を分岐点として、ゾル化又はゲル化する性質を有するも
のを言う。予めスライス、カットされた肉類、野菜類を
含む具材を生地に内包する際の常温でハンドリング可能
な保形性を保持するようにしたものであり、常温を超え
ると、ゾル化し、流動性を回復し液状化するようにした
ものである。このように、常温を超えると、流動性を回
復するようにしているので、加熱時にゾル・ゲル化剤が
外包材にしみ込んで一体となり、均一化することができ
る。このように、常温を超えると、流動性を回復するよ
うにしているので、加熱時にゾル・ゲル化剤が外包材に
しみ込んで、一体化し、且つ均一化することができる。
すなわち、ハンドリング時のみ保形性のためにゾル・ゲ
ル化剤は具材中にあればよいのであり、ゾル・ゲル化材
剤は常温を超えると液状化するため、生地である外包材
にゾル・ゲル化剤の液体がしみ込んで吸収されてしまう
ので、具材中に混合されたゾル・ゲル化剤がほとんど残
らず、従来と同等の味を楽しむことができる。従来と同
等の味とは、ゾル・ゲル化剤をいれない具材と同等の味
という意味である。
【0014】ここで、本発明において、常温とは、通常
の製造調理時の室温であり、約16〜24℃程度であ
り、好ましくは、23〜24℃を超えない範囲である。
なお、ハンドリングは、作業者の手によるハンドリング
をいう。
【0015】また、本発明は、上記食材と、ゾル・ゲル
化剤と、固化剤とは、外包材に内包する前に、一緒に混
合されるようにしたものである。
【0016】なお、食材は、予め調理済みのものであ
る。調理済みとは、カット、スライス、加熱、調理等さ
れていることをいい、必ずしも、加熱されている必要は
ない。
【0017】さらに、肉まん等の場合には、上記食材
は、牛肉、豚肉等の肉が30〜50%、たれが20〜3
0%、タマネギ等の野菜が20〜35%、ゾル・ゲル化
剤が0.5〜2.0%であるようにしたものである。
【0018】また、本発明において、上記ゾル・ゲル化
剤の配合割合は、上記食材100重量部に対して2〜1
5重量部であり、上記固化剤の配合割合は、上記食材1
00重量部に対して0.1〜5重量部であるのが好まし
い。ゾル・ゲル化剤の量により硬度を調整することがで
きる。このため、製造を行う場所の温度、季節等の温度
条件に適合させて、ゾル・ゲル化剤の量を調整すると良
い。ハンドリングは、具材が粘土状の硬さとなるように
調整するのが好適である。
【0019】また、本発明において、上記ゾル・ゲル化
剤は、ゼラチン又はコラーゲンパウダーであるのが好ま
しく、これにより、特にハンドリング性に優れ、加工食
品の生産性を向上させることができる。ゼラチン又はコ
ラーゲンパウダーは、何れか一種類でも良いが、混合さ
せた組み合わせとしても良い。
【0020】上記食材の肉類が牛肉の場合には、上記ゼ
ラチンは、牛皮豚皮から製造するものであると好まし
い。これにより、風味、こくがでるため、食味が増す。
【0021】また、本発明において、上記固化剤は、で
んぷんであるのが好ましく、これにより、硬さの調整を
行うようにするので、特にハンドリング性に優れ、加工
食品の生産性を向上させることができる。但し、でんぷ
んの量があまり多すぎると食味に影響するため、所定範
囲とするのが良い。
【0022】また、本発明において、上記食材は、肉
類、野菜類及び調味料類であるのが好ましく、これによ
り、生産性と味の面とのバランスをもとることができ
る。
【0023】また、本発明において、上記生地は、肉ま
ん等の饅頭用の生地であるのが好ましく、これにより、
特に本発明の所望の効果を良好に発現させることができ
る。
【0024】また、本発明においては、更に、pH調整
剤を含有するのが好ましく、これにより、保存性を向上
させることができる。
【0025】また、本発明においては、保管温度24℃
以下の保管条件で、良好な保形性を有するのが好まし
い。これにより、工場内の通常の製造設備で生産が可能
なため、特別な設備が不要であり、生産性を向上させる
ことができる。また、本発明においては、混合した上記
具材を、チューブ状のケースに充填して凍結して所定幅
でスライスして外包材に内包されるようにするのが好ま
しい。
【0026】また、本発明においては、予めスライス、
カットされた肉類、野菜類を含む所定の食材と、所定の
温度を分岐点として、ゾル化又はゲル化する性質を有す
るゾル・ゲル化剤であるゼラチン又はコラーゲンパウダ
ーとでんぷん等の固化剤とを、上記ゾル・ゲル化剤の配
合割合は、上記食材100重量部に対して2〜15重量
部であり、上記固化剤の配合割合は、上記食材100重
量部に対して0.1〜5重量部として混合加熱し、具材
を作る工程と、該具材をチューブ状のケーシングに充填
し結紮する工程と、充填された該具材を凍結する工程
と、該ケーシングを剥ぎ、該具材をキューブ状に定量に
切断する工程と、キューブ状の該具材を16℃〜24℃
までの常温で解凍する工程と、該具材をシート状の肉ま
んの外包材の上にハンドリングにより載置する工程と、
該具材を該外包材であるシート生地の各辺を内側に折り
込んで内包して加熱する工程とから肉まんを製造するの
が好ましい。この際、55℃以上で充填することによ
り、以降加熱までの工程において細菌の混入を防ぐため
の処置を施すのが好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施形態に基
づいて更に詳述する。
【0028】本発明の具材は、生地により形成された外
包材内に内包される具材であって、予めスライス、カッ
トされた肉類、野菜類を含む所定の食材と、所定の温度
を分岐点として、ゾル化又はゲル化する性質を有するゾ
ル・ゲル化剤であるゼラチン又はコラーゲンパウダー
と、でんぷん等の固化剤とを混合し、上記ゾル・ゲル化
剤の配合割合は、上記食材100重量部に対して2〜1
5重量部であり、上記固化剤の配合割合は、上記食材1
00重量部に対して0.1〜5重量部であり、上記食
材、ゾル・ゲル化剤及び固化剤を混合した具材が、外包
材のシート生地の各辺を内側に折り込んで具材を内包さ
せる工程において、16℃〜24℃までの常温で、最大
荷重が10(g)以上で、且つ距離2(mm)以上のハ
ンドリング可能な保形性を有し、且つ上記ゾル・ゲル化
剤が加熱時に外包材と均一化することを特徴とする。
【0029】本発明の具材において用いられる上記の所
定の食材としては、肉類、野菜類及び調味料類等が好ま
しく挙げられる。
【0030】上記肉類としては、牛肉、豚肉、鶏肉等が
挙げられ、使用に際しては単独又は混合物として用いる
ことができる。これらの肉類を、所定の大きさのカット
及びスライスして用いることにより、ゾル・ゲル化剤に
よりハンドリング性が向上する。
【0031】上記野菜類としては、タマネギ、ニラ、ネ
ギ、白菜、キャベツ等が挙げられ、使用に際しては、単
独又は混合物として用いることができる。例えば、肉ま
ん等の場合には、タマネギのソテー等が好適に用いられ
る。
【0032】上記調味料としては、醤油、砂糖、みり
ん、ニンニク、リンゴ等を混合したタレ;清酒等の酒;
ビーフエキス、鰹エキス等の動物性エキス;グルタミン
酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、グリシン等の化学調味
料等が挙げられ、使用に際しては、単独又は混合物とし
て用いることができる。
【0033】上記食材における上記肉類、上記野菜類及
び上記調味料の配合割合は、本発明の具材を如何なる食
品に用いるかによって任意である。
【0034】本発明の具材において用いられる上記ゾル
・ゲル化剤は、本発明の具材をゾル化又はゲル化させる
成分であり、具体的には、牛皮又は豚皮等のゼラチン又
はコラーゲンパウダー等が挙げられる。肉類が牛肉の場
合には、牛皮のゼラチンが、風味上、好ましい。
【0035】上記ゼラチン及び上記コラーゲンパウダー
としては、通常市販されている市販品等を特に制限なく
用いることができる。コラーゲン等のゾル・ゲル化剤に
よってタンパク質の螺旋構造が水分を保持して具材に保
形性を与えるものである。
【0036】本発明の具材において用いられる上記固化
剤は、本発明の具材を所望の固さにまで固化させる成分
であり、具体的には、でんぷん等が挙げられる。
【0037】上記でんぷんとしては、通常市販されてい
る市販品等を特に制限なく用いることができる。
【0038】また、上記固化剤の配合割合は、上記食材
100重量部に対して0.1〜5重量部であるのが好ま
しく、1.0〜3.0重量部であるのがさらに好まし
い。より好ましくは、1.5〜2.5重量部である。
【0039】上記固化剤の配合割合が0.1重量部未満
であると、加熱時に外包材より具材が流出し、5重量部
を超えると、食味の劣化がある。
【0040】上記ゾル・ゲル化剤の配合割合は、上記食
材100重量部に対して2〜15重量部であるのが好ま
しく、3.0〜5.0重量部であるのがさらに好まし
い。より好ましくは、3.5〜4.5重量部である。
【0041】上記ゾル・ゲル化剤の配合割合が2重量部
未満であると、常温ハンドリング時の保形が保てず、1
5重量部を超えると、加熱時の外包材との均一化ができ
ない。 外包材との均一化とは、生地である外包材にゾ
ル・ゲル化剤の液体がしみ込んで吸収されてしまい生地
と一体化されることをいい、外包材の均一化により、具
材中に混合されたゾル・ゲル化剤がほとんど残らず、従
来と同等の味を楽しむことができるものである。
【0042】また、本発明の具材には、前述の各成分に
加えて、更に通常この種の具材に添加されるカラメル色
素等の色素やその他の添加剤を通常用いられる範囲で添
加することができる。
【0043】更に、本発明においては、保存性の向上の
ために、pH調整剤を添加することができる。
【0044】上記pH調整剤としては、クエン酸、酸性
ピロリン酸ナトリウム等が挙げられ、使用に際しては、
単独又は混合物として用いることができる。
【0045】また、上記pH調整剤の配合量は、具材の
pHを所望の範囲内(5〜7)にできれば任意である。
【0046】pH調整剤として、例えば、適量の食酢を
加えることにより、保存性を高めることができる。
【0047】上記外包材を形成するために用いられる生
地としては、饅頭用の生地、パン用の生地、パイ用の生
地等が挙げられるが、本発明においては、特に饅頭用の
生地が有用である。従って、本発明の具材と上記外包材
とを具備してなる食品としては、肉まん等の中華まん、
カレーまん、ピザまん等の饅頭類;ピロシキ、カレーパ
ン等のパン類;ミートパイ等のパイ類等が挙げられる。
【0048】そして、本発明においては、上記生地とし
て、特に、肉まん等を製造する場合、饅頭用の生地が、
所望の効果を発現させる上で好ましく用いられる。
【0049】前述の各成分を具備する本発明の具材は、
その水分値が、40〜70%であるのが好ましく、50
〜60%であるのが更に好ましい。より好ましくは、水
分値が56%である。水分値が上記範囲内であることに
より、適度な固さとなり、十分なハンドリング性をもっ
て生地内に封入等することができる。ここで、水分値
は、この種の具材等の水分値を測定する際に通常用いら
れる方法により測定される。
【0050】特に、本発明においては、通常の工場内の
製造時の温度となる保管温度23℃以下の保管条件で、
良好な保形性及びハンドリング性を有するのが、通常の
製造設備における生産性を向上させる点で好ましい。特
に、常温、すなわち製造時の温度で保形性を有すること
により、工場内を特に冷却する必要がなくなるため、特
殊な製造設備が不要となる。
【0051】良好な保形性及びハンドリング性として
は、具体的には、サンプルを温度設定23℃のインキュ
ベーターで5時間保管したものを測定サンプルとして、
「レオメーターCR200D」((株)サン科学製)を
使用し、下記条件で測定した際の最大荷重が、10g以
上であり、降伏値(荷重が増加せず、歪みのみが増加し
始めた点)が、3g/mm2 以上であり、硬さ(試料の
永久変形に対する抵抗値)が20g/mm2 以上であ
り、最大荷重に達するまでの距離が、2mm以上である
のが好ましい。
【0052】〔測定条件〕 フルスケールレンジ 0〜2.000g テーブルスピード 10mm/sec. 測定モード 圧縮試験モード4 荷重偏差値(コレクション) 10 (荷重が検出されてから、設定値以上の変化が起きた場
合に機能し、自動的にピーク値を検出する。) アダプター No.1 径20mm
【0053】本発明の具材は、良好な保形性及びハンド
リング性を有するため、従来のように、注入器を使用し
たり、冷凍したりすることなく、餡入り饅頭の製造法と
同様の方法等の常法を特に制限なく用いて、生地内に具
材を封入して、加熱調理し、饅頭やパン等の食品とする
ことにより使用することができる。
【0054】そして、本発明の具材は、上記ゾル・ゲル
化剤及び上記固化剤を具備するので、通常は常温で保形
性のない食材の組成であっても、常温で十分な保形性が
あり、特別な冷凍設備等がなくても、ハンドリング性よ
く、肉まん等の食品の形状に合わせたキューブ状などの
所定の形状にして生地内に封入することができ、最終製
品である各種饅頭等の食品の生産性に優れるものであ
る。
【0055】特に、本発明の具材は、シート状生地上に
載置し、該シート状生地に巻き込み、肉まん等の中華ま
んを製造するのに用いられる具材として適している。
【0056】本発明の具材は、前述の各成分を、常法に
従って混合することにより得ることができる。常法に従
って混合とは、上記食材と、ゾル・ゲル化剤と、固化剤
とは、外包材に内包する前に、混合することをいう。上
記食材は、適宜、予め、スライス、カットされ、加熱、
調理又は冷却されているのが好ましい。
【0057】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
また、以下の例において特に説明しない場合には、部は
重量部を示す。
【0058】〔実施例1〕 下記の組成で混合して、本発明の肉まんの具材を得た。
【0059】<組成(具材)> (食材) 牛肉 45.49部 タマネギ 27.30部 タレ(醤油、砂糖、みりん、ニンニク、リンゴ) 14.76部 清酒 3.37部 動物性エキス(ビーフ、かつお) 1.46部 カラメル色素 0.66部 酢酸ナトリウム 0.46部 グルタミン酸ナトリウム 0.39部 グリシン 0.06部 (ゾル・ゲル化剤) ゼラチン 4.05部 (固化剤) でんぷん 1.93部 (pH調整剤) pH調整剤(クエン酸、酸性ピロリン酸Na) 0.07部 得られた具材を通常の肉まん用の生地で包み、常法に従
って蒸して肉まんを得た。
【0060】具体的には、図1に示すように製造を行
う。牛肉は、凍結原料を温度調整し、所定の大きさにカ
ット及びスライスを行い熱処理を加え冷却する。これと
並行して、タマネギは受入原料をダイス状にカットし熱
処理を加え冷却しておき、また、たれは、調味料を計量
し熱処理しながら混合しておく。牛肉、タマネギ、たれ
を、ゾル・ゲル化剤である牛皮のゼラチン、固化剤であ
るでんぷん、pH調整剤等の添加物の材料を加えて同時
にミキシングし、再加熱し、所定のケーシングに充填す
る。
【0061】充填は、図2(a)に示すように、所定長
さl(50cm程度)及び所定径t(3cm)の円筒チ
ューブ状のプラスチックケーシング1内に充填を行う。
混合加熱した具材は、熱いうちに充填機に投入し、吐き
出しの温度が55℃以上となるようにしてチューブ状の
ケーシングに充填する。吐き出しの温度が55℃以上と
することにより、細菌上の安全性を高めることができ、
二次殺菌することなく、具材を外包材に投入することが
できる。充填後は、通常の方法で解放側を絞り結紮す
る。結紮することにより、該具材をキューブ状で定量に
切断することが可能となる。そして、凍結後、所定幅に
カットし、金属チェック、重量チェック後、箱詰めして
凍結状態で出荷される。そして、肉まんの製造工場にお
いて、キューブ状にカットされた具材3は、図2(b)
のように、製造時に温度である20℃で、約10x10
cmの生地2上に載置されて、生地2の四辺を内側に折
り込むことにより、具材3を内包する。キューブ状とな
った具材をシート状の肉まんの外包材の上にハンドリン
グする際は、衛生的な手袋をはめて手で行う。この作業
は室温で行う。従って、キューブ状の具材の解凍は、通
常、作業場での室温による自然解凍を用いる。室温は2
0℃に設定されている。なお、手の体温等で具材の温度
は24℃までなることがある。具材はシート状の肉まん
の外包材の上にハンドリングするまでは保形性を有す
る。具材を外包材で包み、蒸し器で所定時間蒸して調理
加熱すると、外包材が膨張し具材を完全に密封すると同
時に、具材がゾル化し、流動性を回復する。流動化した
ゾル・ゲル化剤を含む液状物は、外包材に浸透し外包材
と均一化する。残った具材は、ゲル可能が弱まり、ゾル
・ゲル化剤を含まない具材と同様の食感となる。
【0062】以下に官能検査の結果を表1に示す。A〜
Jの10人の試験者により、官能検査が行われた。次の
、の条件下で、約70℃に加熱後、具材として肉ま
んを試食した結果を示す。 ゾル・ゲル化剤、固化剤
あり ゾル・ゲル化剤、固化剤なし
【0063】
【表1】 官能評価の結果、ゾル・ゲル化剤、固化剤入りの具材
と、ゾル・ゲル化剤、固化剤なしの具材の風味が変わら
ないとしたパネラーが7名であり、最も多い。このこと
から、得られた肉まんは、従来の具材を用いたもの、す
なわち、ゾル・ゲル化剤を入れない具材と同等の味を有
していた。
【0064】また、得られた具材について、20〜25
℃保管時における最大荷重、降伏値、硬さ及び最大荷重
に達するまでの距離を、前述の測定方法に従って測定し
た。その結果を下記〔表2〕に示す。
【0065】
【表2】 このように、20〜24℃保管時では、十分な保形性を
有しているが、25℃保管時では、軟弱なため、最大荷
重、降伏値、硬さ、最大荷重に達するまでの距離につい
て測定するのが困難であった。
【0066】ゾル・ゲル化剤の外包材(生地)へのしみ
込み量について、以下の条件で、測定を行った。この結
果、ゾル・ゲル化剤のしみ込み量は10〜15gであ
り、ゾル・ゲル化剤の大部分が生地に移行することが確
認された。
【0067】
【発明の効果】本発明の具材は、常温、即ち製造時の温
度での保形性及びハンドリング性がよく、最終製品であ
る食品の生産性に優れ、各種の特別な冷蔵又は冷凍製
造、又は注入器等の設備を必要とせずに該食品の製造に
際して用いることができるものである。
【0068】すなわち、本発明は、製造時の常温(好適
には、約24℃)を分岐点としてゾル・ゲルの状態が変
化することを利用して、ゾル・ゲル化剤によって具材
に、ハンドリング時のみ保形性を持たせるようにしたも
のであり、製造の際には、ハンドリングを容易にすると
共に、加熱調理によりゾル・ゲル化剤が生地にしみ込ん
で生地と均一化するため、従来と同等の味を楽しむこと
ができる。このため、保形性を与えるための、具材に保
形性を与えるために複雑な工程を必要とせず、通常の調
理に近い単純な工程のみで常温で充分な保形性を有する
具材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の肉まんの製造工程を説明する
図である。
【図2】(a)は、充填工程を説明する図、(b)は具
材を生地に内包する方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 プラスチックケーシング 2 生地 3 具材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/40 - 1/48 A23L 1/00

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生地により形成された外包材内に内包さ
    れる具材であって、 予めスライス、カットされた肉類、野菜類を含む所定の
    食材と、 所定の温度を分岐点として、ゾル化又はゲル化する性質
    を有するゾル・ゲル化剤であるゼラチン又はコラーゲン
    パウダーと、 でんぷん等の固化剤とを混合し、 上記ゾル・ゲル化剤の配合割合は、上記食材100重量
    部に対して2〜15重量部であり、上記固化剤の配合割
    合は、上記食材100重量部に対して0.1〜5重量部
    であり、 上記食材、ゾル・ゲル化剤及び固化剤を混合した具材
    が、外包材のシート生地の各辺を内側に折り込んで具材
    を内包させる工程において、16℃〜24℃までの常温
    で、最大荷重が10(g)以上で、且つ距離2(mm)
    以上のハンドリング可能な保形性を有し、且つ上記ゾル
    ・ゲル化剤が加熱時に外包材と均一化する具材。
  2. 【請求項2】 生地により形成された外包材内に内包さ
    れる具材であって、 予めスライス、カットされた肉類、野菜類を含む所定の
    食材と、 所定の温度を分岐点として、ゾル化又はゲル化する性質
    を有するゾル・ゲル化剤であるゼラチン又はコラーゲン
    パウダーと、 でんぷん等の固化剤とを混合し、 上記食材、ゾル・ゲル化剤及び固化剤を混合した具材
    が、シート状の外包材に具材を内包させる工程におい
    て、16℃〜24℃までの常温で最大荷重が10(g)
    以上で、且つ距離2(mm)以上のハンドリング可能な
    保形性を有し、常温を超えるとゾル化し流動性を回復す
    る具材。
  3. 【請求項3】 上記食材と、上記ゾル・ゲル化剤と、上
    記固化剤とは、上記外包材に内包する前に、一緒に混合
    されるようにした請求項1又は2記載の具材。
  4. 【請求項4】 上記食材が、肉類、野菜類及び調味料類
    である請求項1〜3の何れかに記載の具材。
  5. 【請求項5】 上記生地が、肉まん等の饅頭用の生地で
    ある請求項1〜4の何れかに記載の具材。
  6. 【請求項6】 具材が肉まん等である場合には、上記食
    材は、牛肉、豚肉等の肉が30〜50%、たれが20〜
    30%、タマネギ等の野菜が20〜35%、ゾル・ゲル
    化剤が0.5〜2.0%である請求項1〜5の何れかに
    記載の具材。
  7. 【請求項7】 更に、pH調整剤を含有する請求項1〜
    6の何れかに記載の具材。
  8. 【請求項8】 保管温度24℃以下の保管条件で、良好
    な保形性を有する請求項1〜7の何れかに記載の具材。
  9. 【請求項9】 生地により形成された外包材内に具材を
    内包する具材の製造方法であって、 予めスライス、カットされた肉類、野菜類を含む所定の
    食材と、 所定の温度を分岐点として、ゾル化又はゲル化する性質
    を有するゾル・ゲル化剤であるゼラチン又はコラーゲン
    パウダーと、 でんぷん等の固化剤とを混合し、 上記ゾル・ゲル化剤の配合割合は、上記食材100重量
    部に対して2〜15重量部であり、上記固化剤の配合割
    合は、上記食材100重量部に対して0.1〜5重量部
    であり、 上記食材、ゾル・ゲル化剤及び固化剤を混合した具材
    が、シート状の外包材に具材を内包させる工程におい
    て、16℃〜24℃までの常温で最大荷重が10(g)
    以上で、且つ距離2(mm)以上のハンドリング可能な
    保形性を有し、生地により形成されたシート状の外包材
    内に内包され、16℃〜24℃までの常温を超えるとゾ
    ル化し流動性を回復する具材の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記常温は、21〜24℃である請求
    項9記載の具材の製造方法。
  11. 【請求項11】 混合した上記具材を、チューブ状のケ
    ースに充填して凍結して所定幅でスライスして外包材に
    内包されるようにした請求項9又は10記載の具材の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 予めスライス、カットされた肉類、野
    菜類を含む所定の食材と、所定の温度を分岐点として、
    ゾル化又はゲル化する性質を有するゾル・ゲル化剤であ
    るゼラチン又はコラーゲンパウダーとでんぷん等の固化
    剤とを、上記ゾル・ゲル化剤の配合割合は、上記食材1
    00重量部に対して2〜15重量部であり、上記固化剤
    の配合割合は、上記食材100重量部に対して0.1〜
    5重量部として混合加熱し、具材を作る工程と、 該具材をチューブ状のケーシングに充填し結紮する工程
    と、 充填された該具材を凍結する工程と、 該ケーシングを剥ぎ、該具材をキューブ状に定量に切断
    する工程と、 キューブ状の該具材を16℃〜24℃までの常温で解凍
    する工程と、 該具材をシート状の肉まんの外包材の上にハンドリング
    により載置する工程と、 該具材を該外包材であるシート生地の各辺を内側に折り
    込んで内包して加熱する工程とからなる肉まんの製造方
    法。
  13. 【請求項13】 55℃以上で充填することにより、以
    降加熱までの工程において細菌の混入を防ぐための処置
    を施すことを特徴とする請求項12記載の肉まんの製造
    方法。
JP2000207684A 1999-08-23 2000-07-10 具材及びその製造方法並びに肉まんの製造方法 Expired - Fee Related JP3382595B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000207684A JP3382595B2 (ja) 1999-08-23 2000-07-10 具材及びその製造方法並びに肉まんの製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23587399 1999-08-23
JP11-235873 1999-08-23
JP2000207684A JP3382595B2 (ja) 1999-08-23 2000-07-10 具材及びその製造方法並びに肉まんの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001128650A JP2001128650A (ja) 2001-05-15
JP3382595B2 true JP3382595B2 (ja) 2003-03-04

Family

ID=26532375

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000207684A Expired - Fee Related JP3382595B2 (ja) 1999-08-23 2000-07-10 具材及びその製造方法並びに肉まんの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3382595B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4549417B2 (ja) * 2008-11-04 2010-09-22 克昭 岩崎 具にバターと味噌とを含む饅頭
EP3459366A4 (en) 2016-05-16 2020-03-11 Nippon Paper Industries Co., Ltd. FOOD ADDITIVE
KR102104722B1 (ko) * 2018-09-13 2020-04-24 김동현 완자소를 포함하는 묵 만두의 제조방법 및 이로부터 제조된 묵 만두

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001128650A (ja) 2001-05-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4844918A (en) Food product with capsules containing meat soap or juice
JP3382595B2 (ja) 具材及びその製造方法並びに肉まんの製造方法
US8025914B2 (en) Method of preparing egg nuggets
JP2822001B2 (ja) ノンオイルタイプ液状調味料
JP3519637B2 (ja) 食感改良用乳化組成物
JP3279956B2 (ja) 冷凍スクランブルエッグの製造法
JP3797602B2 (ja) 中華まんの製造方法
CA2500125C (en) Egg nuggets and method of preparing egg nuggets
JP2004502439A (ja) ハードチーズをベースとするクリーム状食品調製物
US7713571B2 (en) Egg nuggets
JP2007189913A (ja) 冷凍クリームソース類の製造方法
JP2804552B2 (ja) 加工肉入りペーストシートおよび該シートを用いるパンの製造方法
JP5355368B2 (ja) 炒飯用調味液及びその製造方法
JPS6027503B2 (ja) 食品およびその製造法
JP2637592B2 (ja) ホースラディッシュ加工品
JP2524989B2 (ja) 日持ちタマゴサラダの製造方法
JPS58134964A (ja) 海藻を含有するス−プ類の製造方法
JP7389309B2 (ja) 大豆たん白加工食品及びその製造方法
JP2862383B2 (ja) オムレツ様食品
JP3548901B2 (ja) 水産または畜産練り製品の製造方法
JP3606085B2 (ja) 肉ないし肉様フィリング素材の製造法及びこれを使用した調理食品の製造法
JPH10117683A (ja) 常温流通可能なチーズソースの製造方法
JP2828850B2 (ja) 加圧加熱殺菌処理中華麺の製造方法
JP3597172B2 (ja) 新規な即席食品加工物及びその製造方法
JPH09163942A (ja) 穀粒外殻とその中に囲包された非穀粒充填物を有する食品を調製する方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20021203

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081220

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081220

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091220

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091220

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101220

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111220

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111220

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121220

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121220

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131220

Year of fee payment: 11

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees