JP3382267B2 - 選択的光化学反応方法 - Google Patents

選択的光化学反応方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は光化学変換による合成反
応において、生成する立体異性体の一方を得るための選
択的光化学反応方法に関するものであり、医薬や農薬な
どファインケミストリーの分野で有用な化合物を収率良
く合成するために有利な選択的光化学反応方法に関する
ものである。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】式
(I) 【0003】 【化3】 【0004】(式中、R1、R2はアルキル基、アリール
基、水素原子又はハロゲン原子を示し、X は-CH 2 - 、-S
- 、-O- 又は-NH-を示し、n, mはそれぞれ0から3の数
を示す。またラクタム環上に置換基を有しても良い。) で表される化合物の光化学反応によるラクタムの製造法
は既に報告されているが、該方法では式(II) 【0005】 【化4】 【0006】 (式中、R1、R2、X 、n 及びm は前記と同じ意味を示
す。) で表される化合物を、(+)体および(−)体の混合物
として非立体選択的に製造するものである(Tetrahedro
n, 46, 7751-7762(1990) )。 【0007】また光学活性なラクタムの製造法には、下
記式(III)で表される化合物と光学活性なホスト化合物
との包接化合物を光照射することにより下記式 (IV) で
表される化合物を得る方法が知られているが(特開平1
−299267号)、この方法はβ−ラクタムの製造のみに関
するものである。そのため適用範囲が非常に限られた方
法であった。 【0008】 【化5】【0009】(式中、A 及びB は、同一又は異なって、
N 、CH又は C−R4(ここでR4は低級アルキル基、フェノ
キシ基、1〜3個の低級アルコキシ基で置換されたフェ
ノキシ基又は保護されたヒドロキシ基を示す)を示す。
R3は水素原子、低級アルキル基、フェニル基、1〜3個
の低級アルコキシ基で置換されたフェニル基、ベンジル
基又はフェニル環上に1〜3個の低級アルコキシ基を有
するベンジル基を示す。) 従って、選択的に光化学反応を行い目的とする光学活性
なラクタムのみを収率および光学純度良く製造すること
ができれば、本反応の利用価値ははるかに高いものとな
ることが期待される。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、上記式(I)で表さ
れる出発物質(以下、出発物質(I)と略記する)と光
学活性なホスト化合物との包接化合物に光照射を行えば
ラクタムの立体異性体のうち一方が選択的に合成できる
ことを見いだし、本発明に到った。 【0011】すなわち本発明は、出発物質(I)と光学
活性なホスト化合物との包接化合物に光照射することに
より、上記式(II)で表されるラクタム(以下、ラクタ
ム(II)と略記する)の立体異性体のうち一方を選択的
に合成することを特徴とする選択的光化学反応方法を提
供するものである。 【0012】本発明の方法において、出発物質(I)は
前記式(I)で表されるが、式(I)において、R1及び
R2で示されるアルキル基としてはメチル、エチル、プロ
ピル、ブチル等の基が挙げられ、アリール基としてはフ
ェニル、クロロフェニル、ブロモフェニル、トリル等の
基が挙げられ、ハロゲン原子としては塩素原子、臭素原
子等が挙げられる。また Xは-CH2- 、-S- 、-O- 又は-N
H-である。またラクタム環上に置換基を有する場合の置
換基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル等の
アルキル基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ヒ
ドロキシル基、ハロゲン原子等が挙げられる。 【0013】本発明の方法において、生成するラクタム
(II)が光学活性であるためには、光化学反応の進行が
出発物質(I)と光学活性なホスト化合物との相互作用
下に起こる事を要する。本発明に用いられる光学活性な
ホスト化合物としては、出発物質(I)と包接化合物を
形成し、光環化反応を阻害しないものである。ここでい
う包接化合物とは原子または分子が結合してできた三次
元構造の内部に適当な大きさの空孔があって、その中に
他の原子または分子が一定の組成比で入り込んで特定の
結晶構造を作っている物質をいう(竹本喜一著「包接化
合物」, 東京化学同人発行, 1989参照)。このような包
接化合物を形成するホスト化合物は、下記式(X)又は
(XI)で表される酒石酸誘導体から選ばれる。 【0014】 【化6】 【0015】本発明の方法における包接化合物の製造に
は、いかなる方法を用いても良い。最も一般的な方法は
出発物質(I)と、ホスト化合物の適当量を溶媒に溶解
し、温度変化、溶媒蒸発、貧溶媒の添加あるいは加圧等
によって包接化合物を析出させる。このようにして得ら
れた固体が出発物質とは異なった物理的性状(融点や結
晶形等)を示し、出発物質(I)と光学活性なホスト化
合物を含んでいるものであれば包接化合物を形成してい
る事がわかる。 【0016】本発明の光照射を実施する一般的な方法と
しては、得られた包接化合物の結晶を粉砕し、好ましく
は時々混ぜることにより均一で全体に光があたるように
光照射を行う。必要とする光の波長は、光反応を引き起
こすものであればいかなるものでもよく、光源もこれに
よって適切なものを選べば良い。生成物を分離するには
蒸留、抽出あるいはより親和性の高いゲスト化合物によ
る置換などいかなる方法を用いてもよいが、簡便な方法
はそのままクロマトグラフィーによる分離を行うことで
ある。 【0017】 【作用】本発明の方法により反応の選択性が高められる
理由は明らかではないが、光学活性なホスト化合物に包
接された状態の出発物質(I)は分子運動が著しい制約
を受けており、一定のコンフォーメションをとっている
ものと考えられる。 【0018】また本反応は下記反応式にも示すようなラ
ジカル中間体をへて進行すると推定されているが、この
段階においても分子の回転は制約を受けており、このこ
とが反応の選択性を高めているものと推定される。 【0019】 【化7】 【0020】 【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらの実施例に限定されるものではない。 【0021】実施例1 下記式(XII) で表される化合物(以下化合物(XII) と略
記)の(−)体(2.87g、5.66mmol)と、下記式(XIII)
で表されるN−フェナシル−δ−バレロラクタム(以下
化合物(XIII)と略記)(1.23g、5.66mmol)をベンゼン
(40ml)に溶解させ、1週間放置すると、化合物(XII)
の(−)体と化合物(XIII)の1:1包接化合物(3.91
g)が得られた。この1:1包接化合物(3.84g、5.03
mmol)を乳鉢でよく粉砕し粉末状にしたのち、少量の界
面活性剤を含む水(120 ml) に懸濁させ 100W高圧水銀
ランプにより、12.5時間光照射を行った。その後、吸引
ろ過し、結晶を良く洗浄し、風乾させた。シリカゲルク
ロマトグラフィーにより生成物を分取し、酢酸エチルか
ら再結晶すると下記式(XIV)で表される化合物の(+)
体(0.48g)が得られた。その光学純度はHPLC(ダイセ
ル化学工業(株)製、Chiralcel OC)から99%ee以上で
あった。 【0022】 【化8】【0023】実施例2 上記化合物(XII) の(−)体(2.00g、3.95mmol)と、
下記式(XV)で表される化合物(以下化合物(XV)と略記)
(1.00g、3.97mmol)をベンゼン(10ml)、ヘキサン
(20ml)の混合溶媒に溶解し、室温で2日間放置すると
化合物(XII) の(−)体と化合物(XV)の1:1包接化
合物(2.92g)が得られた。この1:1包接化合物(2.
60g、2.06mmol)を乳鉢でよく粉砕し粉末状にしたの
ち、少量の界面活性剤を含む水(120 ml) に懸濁させ 1
00W高圧水銀ランプにより、12時間光照射を行った。そ
の後、吸引ろ過し、結晶を良く洗浄し、風乾させた。シ
リカゲルクロマトグラフィーにより生成物を分取し、酢
酸エチルから再結晶すると式(XVI) で表される化合物の
(−)体(0.35g)が得られた。その光学純度はHPLC
(ダイセル化学工業(株)製、Chiralcel OC)から99%
ee以上であった。 【0024】 【化9】 【0025】実施例3 上記化合物(XII) の(+)体(2.01g、3.97mmol)と、
上記化合物(XV)(1.00g、3.97mmol)をベンゼン(10m
l)に溶解しヘキサン(5ml)を加えて、室温で2日間
放置すると化合物(XII)の(+)体と化合物(XV)の1:
1包接化合物(2.95g)が得られた。この1:1包接化
合物(2.95g、3.89mmol)を乳鉢でよく粉砕し粉末状に
したのち、少量の界面活性剤を含む水(120 ml)に懸濁
させ 100W高圧水銀ランプにより、12時間光照射を行っ
た。その後、吸引ろ過し、結晶を良く洗浄し、風乾させ
た。シリカゲルクロマトグラフィーにより生成物を分取
し、酢酸エチルから再結晶すると上記式(XVI) で表され
る化合物の(+)体(0.38g)が得られた。その光学純
度はHPLC(ダイセル化学工業(株)製、Chiralcel OC)
から99%ee以上であった。 【0026】実施例4 上記化合物(XII) の(−)体(2.53g、5.00mmol)と、
下記式(XVII)で表される化合物(以下化合物(XVII)と略
記)(1.48g、5.00mmol)をベンゼン(15ml)に溶解
し、ヘキサン(10ml)を加えて、室温で2日間放置する
と化合物(XII) の(−)体と化合物(XVII)の1:1包接
化合物(3.70g)が得られた。この1:1包接化合物
(3.17g、3.95mmol)を乳鉢でよく粉砕し粉末状にした
のち、少量の界面活性剤を含む水(120 ml) に懸濁させ
攪拌させながら、 100W高圧水銀ランプにより15時間光
照射を行った。その後吸引ろ過し、結晶を良く洗浄し風
乾させた。シリカゲルクロマトグラフィーにより生成物
を分取し活性炭による脱色、次いで酢酸エチルから再結
晶すると下記式(XVIII) で表される化合物の(+)体
(0.38g)が得られた。その光学純度はHPLC(ダイセル
化学工業(株)製、Chiralcel OC) から98%eeであっ
た。 【0027】 【化10】【0028】 【発明の効果】本発明の方法によれば、選択的に光学活
性なラクタムを容易に得ることができ、また本発明に用
いられるホスト化合物は繰り返し使用することもでき
る。従って、本発明が医薬や農薬などファインケミスト
リーの分野における合成技術の向上に貢献するところは
大きいことが期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07D 507/04 C07D 498/04 112A 507/06 507/08 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 471/00 - 471/22 C07D 487/00 - 491/22 REGISTRY(STN) CAPLUS(STN)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 下記式(I)で表される出発物質と、下
    記式(X)又は(XI)で表される酒石酸誘導体から選ばれ
    る光学活性なホスト化合物との包接化合物に光照射する
    ことにより、下記式(II)で表されるラクタムの立体異
    性体のうち一方を選択的に合成することを特徴とする選
    択的光化学反応方法。 【化1】 (式中、R1、R2はアルキル基、アリール基、水素原子又
    はハロゲン原子を示し、X は-CH 2 - 、-S- 、-O- 又は-N
    H-を示し、n, mはそれぞれ0から3の数を示す。また
    (I)及び(II)中のラクタム環上に置換基を有しても良
    い。) 【化2】
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