JP2010508334A - アミノベンゾシクロヘプテン誘導体、その調製方法及び治療におけるその使用 - Google Patents

アミノベンゾシクロヘプテン誘導体、その調製方法及び治療におけるその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、式(I):

[式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11は更に(C−C)アルコキシ、(C−C)アラルキルオキシ、(C−C)アルキルチオ、(Q−C)アラルキルチオラジカルを表し、R及びR11は一緒になって、炭素環若しくは複素環を形成することもできる又はヘプテン環に隣接した2つの炭素原子で二重結合を形成することができ;R及びRは一緒になって、炭素環又は複素環を形成することができ、又はRを二重結合によりヘプテン環に結合することができ、その場合、Rは不在であり、R、R、R及びRは更に、ポリフルオロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシラジカル、アリール又はヘテロアリール基を表し、R及びR、R及びR、R及びRは更に、隣接する炭素原子を結合したメチレンジオキシラジカル又は芳香族炭素環又は芳香族複素環を一緒になって形成することができ;Rは、水素原子、(C−C)アルキルラジカルであり、Xは、酸素原子、硫黄原子、N−R12、N−O−R13であり、R12及びR13は、水素原子、(C−C)アルキル、(C−C)(シクロアルキル)アルキル、(C−C)(ヘテロシクロアルキル)アルキル、(C−C)アラルキル、(C−C)ヘテロアラルキルラジカルを表し、Yは炭素原子、窒素原子(その場合、R又はRは不在)である]の化合物に関する。本発明は、酸との付加塩にも関し、ただしR、R及びRがメトキシラジカルを表し、R、R、R、R〜R11が水素原子を表し、Xが酸素原子を表し、Yが炭素原子を表す化合物は除く。

Description

本発明は、アミノベンゾシクロヘプテン誘導体、その調製方法及び治療におけるその使用に関する。
より詳細には、本発明は、治療、腫瘍学に関連した現象、より詳細には血管新生の過程において使用するための新規なアミノベンゾシクロヘプテン誘導体化合物に関する。
血管新生は、ガン研究の分野において現在広く調査が行われている過程である。腫瘍の発現には血管新生の過程が不可欠であることを、研究結果(R.T. Poon et al, J. Cli. Oncol., 2001, 19, 1207−1225)はより詳細に示している。従って、ガンの場合、この過程を抑えることが、腫瘍の発達を制御でき、かつ今まで用いられてきた治療よりも毒性が低い新しい抗ガン治療法を開発するにあたっての有望なアプローチとなる。
近年、アミノペプチダーゼN(以下、AP−N又はCD13と称する)が、細胞運動性現象に関与していることが判明した。このため、アミノペプチダーゼNは、血管新生過程における、内皮形態形成の重要な制御因子とみなされる(H. Hashida et at, Gastroenterology, 2002, 122, 376−386; S.W. Bhagwat et al, Blood, 2001, 97, 652−659)。研究結果は(R. Pasqualini et al, Cancer Res., 2000, 60, 722−727)、AP−N及びその触媒活性に対する抗体又はベスタチン若しくはアクチノニン等の低分子阻害剤が、マウスモデルにおいて腫瘍の増殖に負の効果を及ぼすことを示している。しかし、ベスタチン、アクチノニン又はアマスタチンは、選択性の低い阻害分子である。実際、構造的に非常に似通い、かつ極めてよく似た触媒メカニズムで作用するアミノペプチダーゼは無数にあることを考えると、選択的な阻害剤を設計するのは極めて困難である。
より強力でより選択性の高い新しいAP−N阻害分子が発見されている。3−アミノ−2−テトラロン及びその誘導体である(C. Schalk et al, Arch. Biochem. Biophys., 1994, 311(1), 42−46)。この分子は選択性が極めて高いが、水溶液中ではあまり安定性がないという欠点を有している。
従って、より強力で、より選択性の高い、化学的に安定した新規のAP−N阻害分子を提供することが必要とされている。
R.T. Poon et al, J. Cli. Oncol., 2001, 19, 1207−1225 H. Hashida et at, Gastroenterology, 2002, 122, 376−386 S.W. Bhagwat et al, Blood, 2001, 97, 652−659 R. Pasqualini et al, Cancer Res., 2000, 60, 722−727 C. Schalk et al, Arch. Biochem. Biophys., 1994, 311(1), 42−46
これを目的として、本発明は、一般式(I):
[式中、Rは、水素、フッ素、塩素、臭素原子、(C−C)アルキルラジカル、(C−C)(シクロアルキル)アルキルラジカル、(C−C)(ヘテロシクロアルキル)アルキルラジカル、(C−C)アラルキルラジカル、(C−C)ヘテロアラルキルラジカル、(C−C)アルコキシラジカル、(C−C)アラルキルオキシラジカル、(C−C)アルキルチオラジカル、(C−C)アラルキルチオラジカルを表し、
は、水素、フッ素、塩素、臭素原子、(C−C)アルキルラジカル、(C−C)(シクロアルキル)アルキルラジカル、(C−C)(ヘテロシクロアルキル)アルキルラジカル、(C−C)アラルキルラジカル、(C−C)ヘテロアラルキルラジカルを表し、R及びRは一緒になって、非置換若しくは置換炭素環又は非置換若しくは置換複素環を形成することができる。又はRは、二重結合を介してヘプテン環に結合することができ、その場合、Rは不在であり、
、R、R及びRは同一又は異なり、互いに独立して水素、フッ素、塩素、臭素原子、(C−C)アルキルラジカル、(C−C)(シクロアルキル)アルキルラジカル、(C−C)(ヘテロシクロアルキル)アルキルラジカル、ポリフルオロ(C−C)アルキルラジカル、(C−C)アラルキルラジカル、(C−C)ヘテロアラルキルラジカル、(C−C)アルコキシラジカル、アリール又はヘテロアリール基を表し;R及びR、R及びR、R及びRは、互いに独立して、隣接する炭素原子を結合したメチレンジオキシラジカル又は非置換若しくは置換芳香族炭素環又は非置換若しくは置換芳香族複素環を一緒になって形成することができ、
は、水素原子、(C−C)アルキルラジカルを表し、
Xは、酸素原子、硫黄原子、イミンラジカルN−R12、オキシムラジカルN−O−R13であり、R12及びR13は、水素原子、(C−C)アルキルラジカル(C−C)、(シクロアルキル)アルキルラジカル、(C−C)(ヘテロシクロアルキル)アルキルラジカル、(C−C)アラルキルラジカル、(C−C)ヘテロアラルキルラジカルを表し;
Yは炭素原子、窒素原子(その場合、R又はRは不在)、酸素原子、硫黄原子(その場合、R及びRは不在)であり、
及びR10は同一又は異なり、互いに独立して水素、フッ素、塩素、臭素原子、(C−C)アルキルラジカル、(C−C)(シクロアルキル)アルキルラジカル、(C−C)(ヘテロシクロアルキル)アルキルラジカル、(C−C)アラルキルラジカル、(C−C)ヘテロアラルキルラジカル、(C−C)アルコキシラジカル、(C−C)アラルキルオキシラジカル、(C−C)アルキルチオラジカル、(C−C)アラルキルチオラジカルを表し、
及びR11は同一又は異なり、互いに独立して水素、フッ素、塩素、臭素原子、(C−C)アルキルラジカル、(C−C)(シクロアルキル)アルキルラジカル、(C−C)(ヘテロシクロアルキル)アルキルラジカル、(C−C)アラルキルラジカル、(C−C)ヘテロアラルキルラジカル、(C−C)アルコキシラジカル、(C−C)アラルキルオキシラジカル、(C−C)アルキルチオラジカル、(C−C)アラルキルチオラジカルを表し、R及びR11は一緒になって、非置換若しくは置換炭素環又は非置換若しくは置換複素環を形成することができる又はヘプテン環の2つの隣接する炭素原子と二重結合を形成することができる]を有する新規のアミノベンゾシクロヘプテン誘導体化合物、その光学及び幾何異性体、特に鏡像異性体、ジアストマー形態並びにこれらの混合物、特にラセミ混合物並びに無機及び有機酸付加塩を提供するが、R、R及びRがメトキシラジカルを表し、R、R、R、R、R、R、R10、R11が水素原子を表し、Xが酸素原子を表し、Yが炭素原子を表す化合物は除く。
上記の酸とは、その他の酸も使用できるが、有利には薬学的に許容可能な酸である。これらの酸は、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、モノ−若しくはジ−若しくはトリ−ハロ酢酸、ギ酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、グリオキシル酸、アスパラギン酸、アルカンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸又はトルエンスルホン酸である。
本明細書中において、アルキル、(シクロアルキル)アルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシ、アラルキルオキシ、アルキルチオ、アラルキルチオラジカルは、直鎖又は分岐鎖である。
(C−C)(シクロアルキル)アルキル又は(C−C)アラルキルについて、(C−C)は、アルキル部分における炭素原子の数を示す。
本発明による好ましい化合物の群は、Rが水素原子、フッ素原子、(CHPhラジカル、S(CHPhラジカルを表し、nが1〜6、好ましくは1〜5である化合物に対応する。
本発明による好ましい化合物の別の群は、Rが水素原子である化合物に対応する。
本発明による好ましい化合物の別の群は、Xが酸素原子である化合物に対応する。
本発明による好ましい化合物の別の群は、Yが炭素原子である化合物に対応する。
本発明による好ましい化合物の別の群は、R、R、R及びRが同一若しくは異なり、互いに独立して水素原子、臭素原子、フェニルラジカルを表す又はR及びR、R及びR、R及びRが、互いに独立して非置換若しくは置換芳香族炭素環を一緒になって形成する化合物に対応する。
本発明による好ましい化合物の別の群は、Rが水素原子である化合物に対応する。
本発明による好ましい化合物の別の群は、同時にYが炭素原子であり、R、R、R10及びR11が水素原子である化合物に対応する。
特に好ましい化合物は、R及びRが同時に水素原子であり、Xが酸素原子であり、Yが炭素原子である化合物である
これらの特に好ましい化合物の中でも、最も特に好ましい化合物の群は、Rが水素原子、フッ素原子、ベンジルチオラジカル、(CHPhラジカルであり、n=1〜5である化合物に対応する。
これらの特に好ましい化合物の中でも、最も特に好ましい化合物の別の群は、R、R、R、Rが同時に水素原子である化合物に対応する。
これらの特に好ましい化合物の中でも、最も特に好ましい化合物の別の群は、R及びRが水素原子であり、R及びRが互いに独立して水素原子、臭素原子、フェニルラジカルを表すが、ただしR及びRが同時に水素原子ではない化合物に対応する。
これらの特に好ましい化合物の中でも、最も特に好ましい化合物の別の群は、R及びRが水素原子であり、R及びRが互いに独立して水素原子、臭素原子、フェニルラジカルを表すが、ただしR及びRが同時に水素原子ではない化合物に対応する。
これらの特に好ましい化合物の中でも、最も特に好ましい化合物の別の群は、R及びR、R及びRが、互いに独立して、隣接する炭素原子を結合した非置換又は置換芳香族炭素環を一緒になって形成する化合物に対応する。
本発明による特に好ましい化合物は、以下の式(Ia)〜(Ie):
[式中、Rは、水素原子、フッ素原子、CHPhラジカル、(CHPhラジカル、(CHPhラジカル、(CHPhラジカル、(CHPhラジカル、S−CHPhラジカル、=CH−Phラジカルを表す]、
[式中、置換基R及びRは、下表I及びIIで定義されているとおりである]。
表1

表2
を有する。
当然のことながら、上記の化合物の全ての光学及び幾何異性体、特にその鏡像異性体又はジアストマー形態並びにこれらの混合物、特にラセミ混合物並びに無機及び有機酸付加塩は、本発明に属する。
本発明は、式(I)[式中、Rは、水素原子、フッ素原子、(CHPhラジカル、=CH−Phラジカルを表し、Rは、水素原子である又は不在であり、R、R、R、R10及びR11は水素原子であり;Xは酸素原子、NOHラジカルであり、Yは炭素原子であり、R、R、R、Rは、既に設定した意味を有する]の化合物及びその塩を調製するための方法にも関し、この方法においては、
(1)−NHPG保護アミン官能基を、ケトン官能基を反応させることにより、一般式(II):
の化合物に7位で導入し、ここでPGは保護基であり、6位には、Xが酸素原子であるならケトン官能基が導入されて又はXがNOHラジカルならケトンオキシム官能基が導入されて、一般式(III):
の誘導体が生成され、
(2)Rが水素原子ではない場合、Rに対応する官能基を5位で導入して一般式(IV):
の誘導体を生成し、
(3)アミンNH−PG官能基を、PG基の開裂により脱保護する。
ケトン官能基からの7位のアミノ官能基は、ケトン官能基と1級アミンとの縮合反応とそれに続く、例えばNaBHとの還元により得ることができる。
本発明の範囲において、保護基PGは、化合物の合成中にアミン反応性官能基を保護する一方で、合成終了時に、この反応性官能基を完全なままで再生できる基を意味している。このような保護基は、例えば、N−tert−ブトキシカルボニル(Boc)であり、脱保護は、例えば塩酸の存在下での酸加水分解によって行われる。
Xが酸素原子の場合の6位のケトン官能基は、6位でのヒドロキシル基の導入とそれに続く、例えばデス・マーチン・ペルヨージナン(Dess−Martin periodinane)での酸化によって得ることができる。
本発明は、式(I)[式中、RはS(CHPhラジカルを表し、Rは水素原子であり、R、R、R、R10及びR11は水素原子であり;Xは酸素原子であり、Yは炭素原子であり、R、R、R、Rは、既に設定した意味を有する]の化合物及びその塩を調製するための方法にも関し、この方法においては、
(1)一般式(II):
の化合物の5位と6位との間に二重結合を形成し、
(2)ケトン官能基を反応させることにより−NHPG保護アミン官能基(PGは、保護基である)を7位に導入して一般式(V):
の誘導体を生成し、
(3)二重結合を酸化させて、5位及び6位の炭素原子を結合するエポキシド官能基を形成し、
(4)S(CHPhラジカルを5位で導入して一般式(VI):
の誘導体を生成し、
(5)得られた誘導体のアルコール官能基を酸化し、
(6)NH−PGアミン官能基を、PG基の開裂により脱保護する。
上記の異なる工程において用いる操作条件は、当業者にとって慣用のものである。
一般式(II)の化合物は過去の文献に記載されており、
、R、Rは水素原子を表し、Rは、CF、CH、C(CH又はOCHラジカルを表し、
及びRは水素原子を表し、R及びRはOCHラジカルを表し、
及びRは水素原子を表し、R及びRはCHラジカルを表し、
及びRは臭素原子を表し、R及びRはOCHラジカルを表し、
及びRは水素原子を表し、R及びRはOCHラジカルを表す。
以下の実施例からわかるように、本発明の化合物は、現在まで知られている阻害剤よりも選択性の高いAP−N阻害剤であり、アミノペプチダーゼNに対しては10−5Mより低く、その他のアミノペプチダーゼに対しては10−3Mより高い阻害定数Kiを備えている。
本発明は、有効成分として、上記で説明したような式(I)の化合物又は薬学的に許容可能なその無機及び有機酸付加塩を含有する医薬組成物にも関し、ただしR、R及びRがメトキシラジカルを表し、R、R、R、R、R、R、R10、R11が水素原子を表し、Xが酸素原子を表し、Yが炭素原子を表す化合物は除外されない。これらの組成物は、これらの化合物の1つ又はその薬学的に許容可能な塩を有効量にて含んでおり、有効成分は任意で、少なくとも、薬学的に許容可能な賦形剤と混合することができる。これらの賦形剤は当業者に既知であり、医薬品の形態に適しており、所望の投与方式に適合させられる。
本発明による医薬組成物は、当業者に既知の全ての形態を有しており、特に、経口、舌下、筋肉内、静脈内、局所、局部、鼻腔内、経皮又は直腸内投与に適している。このため、本発明の医薬組成物は、一般的な方法で調製されたゼラチンカプセル、錠剤、顆粒、坐薬、注射剤、クリームの形態を有することができる。
本発明は、ガン、腫瘍を治療するため、特にはメタロプロテアーゼ、より詳細にはアミノペプチダーゼNの阻害に関連した疾患を治療する及び防止するための薬剤を調製するための、本発明による式(I)の化合物にも関するが、ただしR、R及びRがメトキシラジカルを表し、R、R、R、R、R、R、R10及びR11が水素原子を表し、Xが酸素原子を表し、Yが炭素原子を表す化合物は除外されない。
以下の実施例により本発明を説明するが、実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
調製例
調製例1:1−ブロモ−2,3−ビス−ブロモメチル−ベンゼン
3−ブロモ−o−キシレン(2g、10.8ミリモル)とN−ブロモスクシンイミド(4.04g、22.7ミリモル)との溶液に、HPK125水銀灯を用いて、四塩化炭素中(70mL)で2時間の照射を行う。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、次に含水塩化アンモニウム(2M)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させる。溶媒を気化させると、3.7gの無色の油が得られる。
HNMR(CDCl):7.56(d、J=8.1Hz、1Har);7.31(d、J=7.5Hz、1Har);7.15(t、J=7.8Hz、1Har);4.84(s、CHBr);4.64(s、CHBr)
この化合物は、置換基R又はRとして臭素原子を有する化合物を合成したい場合に、調製例2で使用するα−α´−ジブロモ−o−キシレンの代わりに用いる。
調製例2:ジメチル7−オキソ−5,6,8,9−テトラヒドロベンゾシクロヘプテン−6,8−ジカルボキシレート
α−α´−ジブロモ−o−キシレン(51g、189ミリモル)、ジメチル1,3−アセトンジカルボキシレート(49.3g、283ミリモル)、テトラブチルアンモニウムブロミド(38.3g、118.8mL)の混合物を、1Nの炭酸水素ナトリウム水溶液(1L)及びジクロロメタン(400mL)中で40℃にて、アルゴン下で激しく攪拌しながら一晩にわたって加熱する。有機相を分離し、蒸発乾固させる。残留物を酢酸エチルで希釈し、塩性溶液(4x100mL)で洗浄し、次に硫酸マグネシウム上で乾燥させる。黄色い樹脂(80g)が得られ、それ以上精製することなく使用される。
融点=100〜110℃
メジャーなトランス異性体、HNMR(CDCl):7.23(m、4Har);3.93(dd、H−C(6)、H−C(8));3.70(s、COOMe);3.23(dd、Ha−C(5)、Ha−C(9)):3.14(m、Hb−C(5)、Hb−C(9));J(5a、5b)=15.0Hz、J(5a、6)=9.0Hz、J(5b、6)=3.5Hz
マイナーなシス異性体、HNMR(CDCl):7.26(m、4Har);3.79(s、COOMe);3.56(dd、H−C(6)、H−C(8));3.22(m、Ha−C(5)、Ha−C(9));3.15(m、Hb−C(5)、Hb−C(9));J(5a、5b)=14.8Hz、J(5a、6)=11.3Hz、J(5b、6)=3.3Hz
調製例3:5,6,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−7−オン(式IIを有する化合物)
調製例2に従って得られるジメチル7−オキソ−5,6,8,9−テトラヒドロベンゾシクロヘプテン−6,8−ジカルボキシレート(80g)の異性体混合物を、3Mの硫酸(300mL)とアセトニトリル(50mL)との水溶液中で、アルゴン下で一晩にわたって還流させる。混合物をジエチルエーテルで希釈し、2Mの水酸化ナトリウム水溶液(3x300mL)で中和し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、蒸発乾固させる。残留物を、97℃、0.4〜0.5Torrで留去すると無色の結晶が得られる(26.1g、α,α´−ジブロモ−o−キシレンから84%)。
融点:43〜44℃
HNMR(CDCl):7.23(m、4Har);2.91(m、2H−C(6)、2H−C(8));2.62(m、2H−C(5)、2H−C(9))
調製例4:7−(tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−6−オール)
Boc=tert−ブトキシカルボニル
無水トルエン(15mL)中の5,6,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−7−オン(1.07g、6.68ミリモル)(調製例3)、トリエチルアミン(1.3mL、9.35ミリモル)の溶液に、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(1.45mL、8.01ミリモル)を、室温にてアルゴン下で滴下添加する。反応混合物を、90℃で2時間にわたって加熱し、シクロヘキサンで希釈し、2Mの塩化アンモニウム水溶液と塩性溶液とで洗浄する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、蒸発させると、シリルエノールエーテルが得られる。シリルエノールエーテルは、これ以上精製されることなく使用される。
無水ジクロロメタン(20mL)中のシリルエノールエーテル(6.68ミリモル)の混合物に、3−クロロペルオキシ安息香酸(1.4g、8.01ミリモル)を、0℃にてアルゴン下で少しずつ添加する。反応混合物を0℃で2時間にわたって攪拌し、3−クロロ安息香酸沈殿物を濾過し、濾液を蒸発させるとヒドロキシ・ケトンが得られる。ヒドロキシ・ケトンは、これ以上精製されることなく使用される。
ヒドロキシ・ケトン(6.68ミリモル)、チタン(IV)イソプロポキシド(4mL、13.3ミリモル)及びアンモニア(エタノール中で飽和、20mL)の混合物を、アルゴン下、室温にて一晩にわたって攪拌する。次に、水素化ホウ素ナトリウム(380mg、10ミリモル)を添加し、得られた混合物を、室温で2時間にわたって攪拌する。溶媒を蒸発させ、残留物を酢酸エチルで希釈し、1Nの含水水酸化アンモニウム(20mL)を添加する。得られた無機沈殿物を濾過し、1/1の酢酸エチル/1N含水水酸化アンモニウム混合物で洗浄する(3x20mL)。有機相を分離し、残っている水相を酢酸エチルで抽出する(3x20mL)。有機抽出物を合わせたものを硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮乾燥させると、粗アミノアルコールが得られる。
このアミノアルコール(6.68ミリモル)、ジ−tert−ブチルジカーボネート(3.2g、14.6ミリモル)及び炭酸ナトリウム(780mg、7.34ミリモル)のメタノール(10mL)中の混合物を、アルゴン下で一晩にわたって攪拌する。溶媒を蒸発させ、得られた固形物を水(3x20mL)と冷イソプロピルエーテル(3回)とで洗浄すると、7−(tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−6−オールが、無色の結晶(985mg、5,6,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−7−オンから53%)として得られる。
融点:178〜180℃
調製例5:7−(ベンジルオキシカルボニル−アミノ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−6−オール)
調製例4で説明した合成を、3g(18.7ミリモル)の5,6,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−7−オン(調製例3)を用いて繰り返す。
アミノアルコールが得られたら、このアミノアルコール(18.7ミリモル)とクロロギ酸ベンジル(3.8mL、26.2ミリモル)とのTHF(40mL)中の混合物を、炭酸ナトリウム(5.6g、52.4ミリモル)を用いて、アルゴン下で一晩にわたって室温で攪拌する。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、2Mの含水塩化アンモニウムと塩性溶液とで洗浄し、次に硫酸マグネシウム上で乾燥させる。溶媒を蒸発させ、得られた固形物をイソプロピルエーテルで洗浄すると、7−(ベンジルオキシカルボニル−アミノ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−6−オールが、無色の結晶(3g、5,6,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−7−オンから52%)として得られる。
融点:148−150℃
調製例6:7−(tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オン
この化合物は、式(III)の誘導体に対応する。
ジクロロメタン(20mL)中の7−(tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−6−オール(調製例4)(1g、3.6ミリモル)の溶液に、DMP(デス・マーチン・ペルヨージナン)(2.3g、5.4ミリモル)を添加し、混合物を室温にてアルゴン下で3時間にわたって攪拌する。反応混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、チオ硫酸ナトリウム五水和物(6.7g、27ミリモル、5当量)と1Nの炭酸水素ナトリウム水溶液とを添加し、室温で1時間にわたって攪拌する。有機相を、1Nの炭酸水素ナトリウム水溶液と塩性溶液とで数回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させる。溶媒を蒸発させ、得られた固形物を、イソプロピルエーテルで洗浄すると(3回)、7−(tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オン(765mg、77%)の無色の結晶が得られる。
融点:150〜152℃
HNMR(CDCl):7.18(m、4Har);5.43(d、NH);4.55(dt、H−C(7));3.95(d、Ha−C(5));3.60(d、Hb−C(5));3.03(ddd、Ha−C(9));2.89(ddd、Hb−C(9));2.63(dddd、Ha−C(8));1.46(m、Hb−C(8));1.43(s、tBu);J(5a、5b)=14.6Hz、J(7、NH)=約7.0Hz、J(7、8a)=7.0Hz、J(7、8b)=11.3Hz、J(8a、8b)=12.8Hz、J(8a、9a)=9.0Hz、J(8a、9b)=3.4Hz、J(8b、9a)=3.4Hz、J(8b、9b)=9.0Hz、J(9a、9b)=14.6Hz
調製例7:7−(ベンジルオキシカルボニル−アミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オン
調製例6で説明した合成を、調製例5で合成した7−(ベンジルオキシカルボニル−アミノ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−6−オール(2.71g、8.7ミリモル)とDMP(5.2g、12.2ミリモル)とを用いて繰り返すと、7−(ベンジルオキシカルボニル−アミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オンの無色の結晶(2.48g、92%)が得られる。
融点:119〜121℃
HNMR(CDCl):7.35−7.30(m、5Har);7.22−7.15(m、4Har);5.71(d、NH);5.08(s、OBn);4.61(m、H−C(7));3.97(d、Ha−C(5));3.61(d、Hb−C(5));3.06(ddd、Ha−C(9));2.90(ddd、Hb−C(9));2.68(m、Ha−(C8));1.50(m、Hb−C(8))。J(5a、5b)=14.2Hz、J(7、NH=約6.0Hz、J(7、8a)=7.6Hz、J(7、8b)=11.6Hz、J(8a、9a)=9.2Hz、J(8a、9b)=3.2Hz、J(8a、8b)=11.4Hz、J(8b、9a)=3.0Hz、J(8b、9b)=8.8Hz、J(9a、9b)=14.6Hz
7−アミノ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オン オキシムヒドロクロリド
メタノール(13mL)中の2Nの乾燥塩酸中の5,6,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−7−オン(調製例3、1.0g、6.24ミリモル)の溶液に、n−亜硝酸ブチル(1.1mL、9.3ミリモル)をアルゴン下で0℃にて添加する。反応混合物を、0℃で45分間にわたって攪拌し、1Nの炭酸水素ナトリウム水溶液で加水分解する。エチルエーテルで抽出を行った後、有機相を1Nの炭酸水素ナトリウム水溶液、次に水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させる。溶媒を蒸発させた後、得られた固形物をイソプロパノールで洗浄すると、7,7−ジメトキシ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オンオキシム(903mg、62%)が得られる。
7,7−ジメトキシ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オンオキシム(1.0g、4.26ミリモル)、6Nの塩酸水溶液(18mL)及びエチルエーテル(18mL)の溶液を、アルゴン下で0℃にて15分間にわたって攪拌する。反応混合物をエチルエーテルで抽出し、有機溶液を1Nの炭酸水素ナトリウム、次に水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させる。溶媒を蒸発させ、残留物をクロマトグラフィ(7/3〜5/5のシクロヘキサン/酢酸エチル)で精製すると、8,9−ジヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−6,7−ジオン6−オキシム(694mg、86%)が得られる。
8,9−ジヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−6,7−ジオン6−オキシム(2.32g、12.3ミリモル)とベンジルアミン(1.35mL、12.4ミリモル)とのピリジン(7mL)中の溶液を、アルゴン下で室温にて6時間にわたって攪拌する。溶液をメタノール(7mL)で希釈し、水素化ホウ素ナトリウム(0.55g、14.5ミリモル)を添加し、反応混合物を室温で1時間にわたって攪拌する。エチルエーテルで希釈した後、有機相を、1Nの炭酸水素ナトリウム水溶液、次に水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させる。溶媒を蒸発させた後、得られた固形物をジイソプロピルエーテルで洗浄すると、7−ベンジルアミノ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オンオキシムのオフホワイト色の結晶(3.18g、93%)が得られ、これは式IIIの化合物に対応し、XはNOHラジカルである。
融点:144−146℃(iPrO)
HNMR(CDCl):7.32(m、6Har);7.14(m、3Har);3.95(d、Ha−C(5));3.81(d、Ha−C(NBn));3.72(d、HbC(5));3.67(d、Hb−C(NBn));3.50(dd、H−C(7));3.14(m、Ha−C(9));2.65(m、Hb−C(9));2.07(m、Ha−C(8));1.85(m、Hb−C(8));J(NCHPh)=12.9Hz、J(5a、5b)=14.3Hz、J(7、8a)=4.8Hz、J(7、8b)=6.4Hz、J(8a、8b)=13.6Hz、J(8a、9a)=10.8Hz、J(8a、9b)=2.9Hz、J(8b、9a)=2.6Hz、J(8b、9b)=7.2Hz、J(9a、9b)=14.4Hz
対応する塩酸塩は、以下の方法に従ってアミン官能基を脱保護することにより得られる。
得られた7−ベンジルアミノ−5,7,8,9−テトラヒドロベンゾシクロヘプテン−6−オンオキシム(100mg、0356ミリモル)を、エタノール(3mL)と1Nの塩酸水溶液(357μL、0.357ミリモル)との中で、炭素(7mg)に担持させた5%パラジウムの存在下で、水素(1atm)下、室温にて13時間にわたって水素添加する。遠心分離により触媒を除去し、溶媒を蒸発させる。得られた化合物を、2−プロパノール/ジエチルエーテル中で結晶化させると、7−アミノ−5,7,8,9−テトラヒドロベンゾシクロヘプテン−6−オンオキシムヒドロクロリドのベージュ色の結晶(60mg、75%)が得られる。
融点:270〜280℃
HNMR(CDOD):7.26−7.18(m、4Har);4.23(d、Ha−C(5));4.01(dd、H−C(7));3.42(d、Hb−C(5));3.04(ddd、Ha−C(9));2.93(ddd、Hb−C(9));2.41(m、Ha−C(8));1.66(m、Hb−C(8));J(5a、5b)=15.2Hz、J(7、8a)=5.4Hz;J(7、8b)=11.6Hz、J(8a、8b)=12.6Hz、J(8a、9a)=3.4Hz、J(8a、9b)=8.6Hz、J(8b、9a)=9.0Hz、J(8b、9b)=3.4Hz、J(9a、9b)=14.6Hz
7−アミノ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オンヒドロクロリド
この工程は、式(III)又は式(IV)の誘導体のアミン官能基の脱保護に対応する。
7−(tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オン(式(III)の化合物、調製例6)(765mg、2.78ミリモル)と2.2Mの塩化水素とのエチルエーテル(5mL)中の混合物を、ジオキサン(5mL)中で室温にてアルゴン下で72時間にわたって攪拌する。得られた固形物を濾過し、2−プロパノール/ジエチルエーテル混合物中で再結晶化させると、7−アミノ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オンヒドロクロリド(500mg、85%)の無色の結晶が得られる。
融点:230〜240℃(公表値)
HNMR(CDCl):7.25(m、4Har);4.38(dd、H−C(7));4.22(d、Ha−C(5));3.63(d、Hb−C(5));3.26(ddd、Ha−C(9));3.04(ddd、Hb−C(9));2.54(m、Ha−C(8));1.69(m、Hb−C(8);J(5a、5b)=13.8Hz、J(7、8a)=6.8Hz、J(7、8b)=12.1Hz、J(8a、8b)=12.8Hz、J(8a、9a)=2.8Hz、J(8a、9b)=8.2Hz、J(8b、9a)=10.0Hz、J(8b、9b)=3.0Hz、J(9a、9b)=14.8Hz
7−アミノ−5−フルオロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オンヒドロクロリド
リチウムヘキサメチルジシラザン溶液(1.6ミリモル)を、ヘキサン中の1.6Mのn−ブチルリチウム(1mL、1.6ミリモル)とヘキサメチルジシラザン(340μL、1.6ミリモル)とから、アルゴン下で−78℃にて15分間にわたって攪拌して調製する。
この溶液に、7−(tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オン(調製例6)(200mg、0.73ミリモル)とヘキサメチルホスホラミド(380μL、2.18ミリモル)との無水テトラヒドロフラン(4mL)中の溶液を−78℃で滴下添加する。反応混合物をアルゴン下で、−78℃にて0.5時間にわたって攪拌し、次にtert−ブチルジメチルシリルクロリド(263mg、1.74ミリモル)を添加し、得られた反応混合物を、−78℃で更に15分間にわたって攪拌し、ジエチルエーテルで希釈し、2Mの含水塩化アンモニウムで加水分解し、塩性溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させる。溶媒を蒸発させ、シリル化エノールエーテルは、そのままでその以上精製することなく使用される。
アセトニトリル(8mL)と1Mの炭酸水素ナトリウム水溶液(2mL)との混合物中のシリル化エノールエーテル溶液に、Selectfluor(登録商標)(309mg、0.87モル)をアルゴン下で0℃にて添加する。反応混合物を0℃で0.5時間にわたって攪拌し、酢酸エチルで希釈し、2Mの含水塩化アンモニウムで加水分解し、塩性溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させる。蒸発乾固させた後、残留物をテトラヒドロフラン(10mL)中に溶解させ、フッ化テトラブチルアンモニウム(76mg、0.29ミリモル)を添加する。反応混合物を、アルゴン下で0℃にて10分間にわたって攪拌し、酢酸エチルで希釈し、2Mの含水塩化アンモニウムで加水分解し、塩性溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウム上で乾燥させる。溶媒を蒸発させ、残留物をクロマトグラフィ(8/2のシクロヘキサン/酢酸エチル)により精製すると、7−(tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−5−フルオロ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オン(110mg、52%)の無色の結晶が得られる。
融点:127〜129℃
HNMR(CDCl):7.30(m、4Har);5.57(d、H−C(5));5.50(d、NH);5.27(m、H−C(7));3.50(t、Ha−C(9));2.77(m、Hb−C(9));2.67(m、Ha−C(8));1.55(m、Hb−C(8));1.46(s、tBu);J(5、F)=50.0Hz、J(7、NH)=6.0Hz、J(7、8a)=12.0Hz、J(7、8b)=6.0Hz、J(8a、8b)=13.1Hz、J(8a、9b)=J(8b、9a)=6.0Hz、J(9a、9b)=14.0Hz
対応する塩酸塩は、実施例2に従ってアミン官能基を脱保護することによって得られる。
7−アミノ−5−ベンジリデン−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オンヒドロクロリド
リチウムヘキサメチルジシラザン(0.8ミリモル)(ヘキサン中の1.6Mのn−ブチルリチウム(0.5mL、0.8ミリモル、2.2当量)とヘキサメチルジシラザン(170μL、0.8ミリモル、2.2当量)とから、アルゴン下で−78℃にて15分間にわたって攪拌して調製)の溶液に、7−(tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オン(調製例6)(100mg、0.36ミリモル)とヘキサメチルホスホラミド(190μL、1.1ミリモル、3当量)との溶液を、無水テトラヒドロフラン(3mL)中で−78℃にて滴下添加する。反応混合物を、アルゴン下で−78℃にて20分間にわたって攪拌し、次にベンズアルデヒド溶液(74μL、0.73ミリモル、2当量)をテトラヒドロフラン(2mL)中で添加し、得られた反応混合物を、−78℃で更に1時間、次に室温で2.5時間にわたって攪拌する。反応混合物を、酢酸エチルで希釈し、2Mの含水塩化アンモニウムで加水分解し、塩性溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウム上で乾燥させる。溶媒を蒸発させ、残留物をクロマトグラフィ(7/3のシクロヘキサン/酢酸エチル)で精製すると、5−ベンジリデン−7−(tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オン(70mg、53%)の無色の結晶が得られる。
融点:156〜158℃
HNMR(CDCl):7.95(s、H−C(1´));7.29−7.09(m、9Har);5.49(dl、NH);4.45(ddd、H−C(7));2.99(ddd、Ha−C(9));2.76(ddd、Hb−C(9));2.56(dddd、Ha−C(8));1.74(m、Hb−C(8));1.41(s、tBu);J(7、NH)=約7.0Hz、J(7、8a)=8.6Hz、J(7、8b)=10.4Hz、J(8a、8b)=12.6Hz、J(8a、9a)=13.0Hz、J(8a、9b)=7.4Hz、J(8b、9a)=7.6Hz、J(8b、9b)=1.2Hz、J(9a、9b)=13.8Hz
対応する塩酸塩は、実施例2に従って、ジオキサン(0.5mL)中で、20mg(55μモル)の5−ベンジリデン−7−(tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロベンゾシクロヘプテン−6−オンとジエチルエーテル(0.5mL)中の2.2Mの塩化水素とを用いてアミン官能基を脱保護することによって得られる。13mg(79%)の7−アミノ−5−ベンジリデン−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オンヒドロクロリドが得られる。
HNMR(CDOD):8.05(s、H−C(1´));7.46−7.39(m、2Har);7.32−7.13(m、7Har);4.00(dd、H−C(7));3.09(ddd、Ha−C(9));2.96(ddd、Hb−C(9)):2.45(dddd、Ha−C(8));2.08(dddd、Hb−C(8));J(7、8a)=8.2Hz、J(7、8b)=11.0Hz、J(8a、8b)=13.0Hz、J(8a、9a)=12.6Hz、J(8a、9b)=7.4Hz、J(8b、9a)=7.6Hz、J(8b、9b)=1.2Hz;J(9a、9b)=14.2Hz
7−アミノ−5−ベンジル−5,7,8,9−テトラヒドロベンゾシクロヘプテン−6−オンヒドロクロリド
実施例4で調製した5−ベンジリデン−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オンを用い、炭素に担持させた5%パラジウムの存在下で水素添加すると、5−ベンジル−7−(tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オンが得られる。
対応する塩酸塩は、実施例2に従って、ジオキサン(0.5mL)中で、25mg(68μモル)の5−ベンジル−7−(tert)−ブトキシカルボニル−アミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オンとジエチルエーテル(0.5mL)中の2.2Mの塩化水素とを用いてアミン官能基を脱保護することにより得られる。18mg(86%)の7−アミノ−5−ベンジル−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オンヒドロクロリドの無色の結晶が得られる。
融点:220〜222℃
HNMR(CDOD):7.25−7.16(m、9Har);4.56(dd、H−C(5));4.24(dd、H−C(7));3.62(dd、Ha−C(1´));3.26(ddd、Ha−C(9));3.22(dd、Hb−C(1´));2.85(ddd、Hb−C(9));2.55(dddd、Ha−C(8));1.65(dddd、Hb−C(8));J(1´a、1´b)=13.8Hz、J(1´a、5)=8.6Hz、J(1´b、5)=5.8Hz、J(7、8a)=7.4Hz、J(7、8b)=11.4Hz、J(8a、8b)=12.8Hz、J(8a、9a)=2.8Hz、J(8a、9b)=8.6Hz、J(8b、9a)=9.8Hz、J(8b、9b)=3.0Hz、J(9a、9b)=14.6Hz
5−フェニルプロピル−7−アミノ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オンヒドロクロリド
7−(ベンジルオキシカルボニル−アミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オン(調製例7)(300mg、0.97ミリモル)、36%ホルムアルデヒド水溶液(225μL、2.91ミリモル)及びピロリドン(50μL)の混合物を、酢酸(10mL)中で110℃にて、アルゴン下で5時間にわたって加熱する。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1Mの炭酸水素ナトリウム水溶液、次に塩性溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させる。溶媒を蒸発させると、5−メチレン−7−(ベンジルオキシカルボニル−アミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オンの黄色の樹脂が得られる。
次に、無水テトラヒドロフラン(20mL)中の臭化銅(I)−硫化ジメチル錯体懸濁液(440mg、2.13ミリモル)に、フェニルエチルマグネシウムブロミド(3.1mL、ジエチルエーテル中で1.3M、4.27ミリモル)の溶液を、アルゴン下で−50℃にて滴下添加する。反応混合物を、−50℃で45分間にわたって攪拌し、次に5−メチレン−7−(ベンジルオキシカルボニル−アミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オン(0.97ミリモル)の溶液を、含水テトラヒドロフラン(10mL)中で滴下添加する。反応混合物を、−40℃で2時間にわたって混合し、2Mの含水塩化アンモニウムで加水分解し、酢酸エチルで抽出し、塩性溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウム上で乾燥させる。溶媒を蒸発させ、残留物を、クロマトグラフィ(9/1、次に8/2のシクロヘキサン/酢酸エチル)により精製すると、5−フェニルプロピル−7−(ベンジルオキシカルボニル−アミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オン(182mg、43%)の無色の結晶が得られる。
融点:106〜108℃
HNMR(CDCl):7.34−7.11(m、14Har);5.67(d、NH);5.08(s、OCHPh);4.58(m、H−C(7));3.91(m、H−C(5));3.06(m、Ha−C(9));2.83(m、Hb−C(9));2.70−2.60(m、Ha−C(8)、2H−C(3´));2.37(m、Ha−C(1´))、1.82(m、Hb−C(1´));1.63(m、2H−C(2´));1.43(m、Hb−C(8))
対応する塩酸塩は、以下の方法に従って、アミン官能基を脱保護することにより得られる。
得られた5−フェニルプロピル−7−(ベンジルオキシカルボニル−アミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オン(139mg、0.325ミリモル)に、ジオキサン(20mL)及び1Nの塩酸水溶液(0.36mL、0.36ミリモル)中で、炭素(7mg)に担持させた5%パラジウムの存在下で、水素(1atm)下、40℃にて24時間にわたって水素添加分解する。触媒を遠心分離で除去し、溶媒を蒸発させる。得られた化合物を、2−プロパノール/ジエチルエーテル中で再結晶化させると、5−フェニルプロピル−7−アミノ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オンヒドロクロリド(80mg、75%)の無色の結晶が得られる。
融点:156〜158℃
HNMR(CDOD):7.27−7.15(m、9Har);4.32(dd、H−C(7));4.19(dd、H−C(5));3.28(m、Ha−C(9));2.95(ddd、Hb−C(9));2.70(m、2H−C(3´));2.55(m、Ha−C(8));2.34(m、Ha−C(1´));1.88(m、Hb−C(1´));1.67(tt、2H−C(2´));1.61(m、Hb−C(8));J(1a´、1b´)=13.2Hz、J(1a´、2´)=8.0Hz、J(1a´、5)=8.2Hz、J(1b´、2´)=8.0Hz、J(1b´、5)=6.0Hz、J(2´、3´)=7.2Hz、J(7、8a)=7.2Hz、J(7、8b)=11.8Hz、J(8a、8b)=12.6Hz、J(8a、9a)=2.6Hz、J(8a、9b)=7.8Hz、J(8b、9b)=2.6Hz、J(9a、9b)=14.6Hz
ベンジルマグネシウムブロミドを、フェニルエチルマグネシウムブロミドに置き換えることにより、5−フェニルチル−7−アミノ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オンヒドロクロリドが、同様のやり方で得られる。
7−アミノ−4−フェニル−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オンヒドロクロリド
7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−ブロモ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オン(90mg、0.25ミリモル)、フェニルボロン酸(35mg、0.28ミリモル)、フッ化セシウム(86mg、0.56ミリモル)及びテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(30mg、0.025ミリモル)の混合物を、無水1,2−ジメトキシルエタン(3mL)中でアルゴン下、85℃にて5時間にわたって加熱する。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、塩性溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させる。溶媒を蒸発させ、残留物をクロマトグラフィ(8/2のシクロヘキサン/酢酸エチル)により精製すると、7−(tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−4−フェニル−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オン(70mg、78%)の無色の結晶が得られる。
融点:173〜174℃
HNMR(CDCl):7.45−7.17(m、8Har);5.44(d、NH);4.55(ddd、H−C(7));3.79(d、Ha−C(5));3.72(d、Hb−C(5));3.07(m、Ha−C(9));2.96(m、Hb−C(9));2.67(m、Ha−C(8));1.54(m、Hb−C(8));1.42(s、tBu);J(7、NH)=約6.7Hz、J(5a、5b)=15.5Hz、J(7、8a)=7.8Hz、J(7、8b)=11.8Hz、J(8a、9a)=3.6Hz、J(8a、9b)=9.5Hz、J(8b、9a)=8.4Hz、J(8a、9b)=3.9Hz、J(9a、9b)=15.0Hz
対応する塩酸塩は、実施例2に従って、ジオキサン(0.5mL)中で、50mg(0.14ミリモル)の7−(tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−4−フェニル−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オンとジエチルエーテル(0.5mL)中の2.2Mの塩化水素とを用いてアミン官能基を脱保護することにより得られる。30mg(73%)の7−アミノ−4−フェニル−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オンヒドロクロリドの無色の結晶が得られる。
融点:222℃
HNMR(CDOD):7.41(m、5Har);7.28(m、2Har);7.20(m、1Har);4.39(dd、H−C(7));3.99(d、Ha−C(5));3.77(d、Hb−C(5));3.32(m、Ha−C(9));3.13(ddd、Hb−C(9));2.60(m、Ha−C(8));1.76(m、Hb−C(8));J(5a、5b)=14.4Hz、J(7、8a)=7.2Hz、J(7、8b)=12.4Hz、J(8a、8b)=13.2Hz、J(8a、9a)=2.7Hz、J(8a、9b)=8.5Hz、J(8b、9a)=10.6Hz、J(8b、9b)=3.0Hz、J(9a、9b)=15.3Hz
5−ベンジルスルファニル−7−アミノ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オンヒドロクロリド
5,6,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−7−オン(調製例3)(3.07g、19ミリモル)とトリエチルアミン(3.7mL、27ミリモル)との無水トルエン(20mL)中の溶液に、トリエチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(4.9mL、23ミリモル)を、室温にてアルゴン下で滴下添加する。反応混合物を、90℃で2時間にわたって加熱し、シクロヘキサンで希釈し、次に塩性溶液で洗浄する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、蒸発させると、シリル化エノールエーテルが得られる。シリル化エノールエーテルは、それ以上精製されることなく使用される。
無水ジメチルスルホキシド(25mL)中のこのシリル化エノールエーテル(19ミリモル)と酢酸パラジウム(II)(430mg、1.9ミリモル)とを、室温にて酸素下(1atm)で20時間にわたって攪拌する。反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、塩性溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウム上で乾燥させる。溶媒を蒸発させ、残留物を82℃、0.05Torrで留去すると、5,6−ジヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−7−オン(2.59g、85%)が得られる。
次に、5,6−ジヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−7−オン(0.5g、3.16ミリモル)、チタン(IV)イソプロポキシド(1.9mL、6.33ミリモル)及びエタノール中で飽和させたアンモニア(10mL)の溶液を、アルゴン下で一晩にわたって攪拌する。次に、水素化ホウ素ナトリウム(132mg、3.48ミリモル)を添加し、反応混合物を室温で更に1時間にわたって攪拌する。溶媒を蒸発させ、残留物を酢酸エチルで希釈し、1Nの含水水酸化アンモニウム(20mL)を添加する。得られた無機沈殿物を濾過し、1/1の酢酸エチルと1Nの含水水酸化アンモニウムとの混合物で洗浄する(3x20mL)。有機相を分離し、残った水相を酢酸エチルで抽出する(3x20mL)。有機抽出物を合わせたものを硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮乾燥させるとエチレンアミンが得られる。
このエチレンアミン、ジ−tert−ブチル−ジカーボネート(1.4g、6.33ミリモル)及び炭酸ナトリウム(370mg、3.48ミリモル)の混合物を、メタノール(6mL)中にてアルゴン下で3時間にわたって攪拌する。固形物を濾過し、溶媒を蒸発させ、該当の固形物を水(3x20mL)と冷イソプロピルエーテル(3x20mL)とで洗浄すると、7−(tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン(625mg、76%)の無色の結晶が得られ、これは式(V):
の誘導体に対応する。
融点:146〜148℃
HNMR(CDCl):7.18−7.11(m、4Har);6.44(dd、H−C(9));5.76(dd、H−C(8));4.69(d、NH);4.49(s、H−C(7));2.84(m、Ha−C(5));2.73(m、Hb−C(5));2.04(m、2H−C(6));1.46(s、tBu);J(7、8)=4.0Hz、J(7、9)=1.9Hz、J(8、9)=12.3Hz
無水ジクロロメタン(20mL)中の7−(tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン(400mg、1.54ミリモル)の溶液に、3−クロロペルオキシ安息香酸(610mg、2.46ミリモル)を、アルゴン下で0℃にて少しずつ添加する。反応混合物を、室温で一晩にわたって攪拌し、酢酸エチル(10mL)で希釈し、チオ硫酸ナトリウム五水和物(3.05g、12.3ミリモル)と1Nの炭酸水素ナトリウム水溶液とを添加し、全体を室温で1時間にわたって攪拌する。有機溶液を1Nの炭酸水素ナトリウム水溶液と塩性溶液とで連続的に洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させる。溶媒を蒸発させ、得られた固形物を、2−プロパノール中で再結晶化させると、7−(tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−5,6−エポキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン(390mg、90%)の無色の結晶が得られる。
融点:170〜172℃
HNMR(CDCl):7.50(m、1Har);7.23(m、2Har);7.08(m、1Har);4.98(d、NH);4.36(m、H−C(7));3.99(d、H−C(5));3.68(d、H−C(6));2.84(dd、Ha−C(9));2.63(dd、Hb−C(9));1.95(m、Ha−C(8));1.69(m、Hb−C(8));1.47(s、tBu);J(5、6)=4.2Hz、J(6、7)=2.4Hz、J(NH、7)=9.0Hz、J(7、8a)=4.4Hz、J(7、8b)=10.6Hz、J(8a、8b)=13.4Hz、J(8a、9a)=8.8Hz、J(8b、9b)=10.4Hz、J(9a、9b)=15.4Hz
7−(tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−5,6−エポキシ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン(52mg、0.19ミリモル)、トリエチルアミン(63μL、0.45ミリモル)及びベンゼンチオール(30μL、0.23ミリモル)の溶液を、エタノール(1mL)中でアルゴン下、室温にて一晩にわたって攪拌する。反応混合物を水で希釈し、得られた沈殿物を濾過し、イソプロピルエーテルで洗浄すると(3回)、式(VI)に対応する誘導体である5−ベンジルスルファニル−7−(tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−6−オール(60mg、80%)が得られる。
HNMR(CDCl):7.32−7.15(m、6Har);7.15(t、J=7.3Hz、2Har);6.98(d、J=7.3Hz、1Har);4.99(d、J=6.0Hz、NH);4.22(m、H−C(7));4.09(m、H−C(6));3.94(d、
J=6.0Hz、H−C(5));3.71(d、J=13.8Hz、Ha−(SBn));3.56(d、J=13.8Hz、Hb−(SBn));3.38(t、J=13.8Hz、Ha−C(9));2.66(m、Hb−C(9));2.00(m、Ha−C(8));1.46(m、Hb−C(8));1.45(s、tBu)
5−ベンジルスルファニル−7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロベンゾシクロヘプテン−6−オン(40mg)を得るために、調製例6に関して説明した合成を、5mLのCHCl中で、5−ベンジルスルファニル−7−(tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−6−オール(40mg、0.1ミリモル)とデス・マーチン・ペルヨージナン(47mg、0.11ミリモル)とを用いて繰り返す。
HNMR(CDCl):7.30−7.03(m、9Har);5.34(m、NH、H−C(7));4.42(s、H−C(5));3.72(s、SCHPh);3.53(m、Ha−C(9));2.74(m、Hb−C(9));2.53(m、Ha−C(8));1.43(m、Hb−C(8));1.42(s、tBu)
アミンの脱保護を、実施例2と同じやり方で、ジオキサン(0.5mL)中で、40mg(0.1ミリモル)の5−ベンジルスルファニル−7−tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−5,7,8,9−テトラヒドロベンゾシクロヘプテン−6−オンと、ジエチルエーテル中の2.2Mの塩化水素(0.5mL)とを用いて行うと、5−ベンジルスルファニル−7−アミノ−5,7,8,9−テトラヒドロベンゾシクロヘプテン−6−オンヒドロクロリド(20mg、66%)の無色の結晶が得られる。
融点:176〜180℃
HNMR(CDCl):7.36−7.09(m、9Har);5.18(dd、H−C(7));4.60(s、H−C(5));3.86(d、Ha−C(SBn));3.79(d、Hb−C(SBn));3.64(dd、Ha−C(9));2.98(ddd、Hb−C(9));2.54(m、Ha−C(8));1.76(m、Hb−C(8));J(SBn)=13.7Hz、J(7、8a)=6.0Hz、J(7、8b)=12.5Hz、J(8a、8b)=13.5Hz、J(8a、9a)=2.0Hz、J(8a、9b)=8.0Hz、J(8b、9a)=12.0Hz、J(8b、9b)=2.0Hz、J(9a、9b)=15.6Hz
7−アミノ−1−ブロモ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オンヒドロクロリド
調製例2、3、4及び6に従った合成を繰り返すが、最初に化合物1−ブロモ−2,3−ビス−ブロモメチル−ベンゼン(調製例1)を、ジブロモ−o−キシレンの代わりに用いる。7−tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−1−ブロモ−5,7,8,9−テトラヒドロベンゾシクロヘプテン−6−オンが得られる。
アミンの脱保護を、実施例2と同じやり方で、ジオキサン(0.5mL)中で、25mg(71μモル)の7−tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−1−ブロモ−5,7,8,9−テトラヒドロベンゾシクロヘプテン−6−オンとジエチルエーテル(0.5mL)中の2.2Mの塩化水素(0.5mL)とを用いて行うと、7−アミノ−1−ブロモ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オンヒドロクロリド(15mg、74%)の無色の結晶が得られる。
融点:117〜118℃
HNMR(CDOD):7.57(d、J=8.2Hz、1Har);7.25(d、J=7.7Hz、1Har);7.14(t、J=8.0Hz、1Har);4.29(dd、H−4.20(d、Ha−C(5));3.79(d、Hb−C(5));3.46(m、Ha−C(9));3.35(m、Hb−C(9));2.54(m、Ha−C(8));1.71(m、Hb−J(5a、5b)=15.7Hz、J(7、8a)=7.6Hz、J(7、8b)=12.1Hz、J(8a、8b)=13.4Hz、J(8a、9a)=9.8Hz、J(8a、9b)=3.6Hz、J(8b、9a)=3.8Hz、J(8b、9b)=8.4Hz、J(9a、9b)=15.4Hz
AP−N阻害活性
本発明の化合物を、治療における活性物質としてのその重要性を示すために試験した。
特に、本発明の化合物を、AP−N阻害剤として試験した。
これを目的として、様々な既知のAP−N阻害分子と、本発明の分子との、AP−Nについてだけでなく、細胞質由来のロイシンアミノペプチダーゼ(LAPc)とヒト組み換えロイコトリエンAヒドロラーゼ(LTAH)についての阻害定数Kiを測定することにより、その選択性を調べた。LTAHは、AP−Nに似たアミノペプチダーゼ型の活性と、極めて近い基質特異性とを有している。LTAHも、LAPc等の助触媒単位を含むアミノペプチダーゼも阻害しないことが、AP−N阻害分子にとって重要である。
ウシの肝臓のLAPc酵素及びブタの肝臓のAP−Nは、Sigma Chemical社から販売されている。AP−Nを、Wacker, H., Lecky,P., Fischer E.H., Stein, E.A. Helv. Chim. Acta, 1971, 54, 473−484に記載の方法に従って、可溶性の形態で精製する。
試験は、L−ロイシン−パラ−ニトロアニリドをLAPc(K=2mM)、AP−N(K=0.2mM)用の基質として、又、アラニン−パラ−ニトロアニリドをLTAH(K=2mM)用の基質として用いて、分光測定により行った。動態研究を30℃で行い、反応は、酵素を1mLの試験媒体に加えることにより開始する。試験媒体とは:LAPc、10mMトリスHCl、0.1mMのZnCl、5mMのMnCl、1MのKCl中に5ユニット、pH=8.0;AP−N、10mMのトリスHCl中に25ミリユニット、pH=7.5;LTAH、10mMのトリスHCl、0.1mMのKCl中に5μg、pH=7.5である。
パラ−ニトロアニリンの放出(e=10800M−1cm)が405nmで観察され、初期値が求められる。阻害定数Kiは、ディクソン(Dixon)法によって測定される(Segel, H. in Enzyme Kinetics, 1975, pp. 109−144)。
結果を下表IIIにあげるが、表は、試験した3種類のアミノペプチダーゼについて評価した様々な阻害分子のKi(M)値を示している。
阻害分子は全て、塩酸塩及びラセミ混合物として評価する。
実施例2、3、6、7、8、9に従って合成した阻害分子を用いる。
比較のために、そのAP−N阻害活性が過去の文献において知られている分子:つまり、実施例10(比較例)に対応する2−アミノ−3−テトラロン:
及び実施例11(比較例)に対応するベスタチン:
を用いる。
表3
表IIIの結果は、本発明による分子だけが、高いAP−N選択性を有していることを示している。
水溶液中での安定性
この試験のために、本発明の実施例2の分子及び、比較例としての2−アミノ−3−テトラロン(実施例10)を、AP−N阻害剤として用いる。
酵素試験を、25℃で20mMのトリスHCl(pH=7.5)中において、0.2mMのL−ロイシン−パラ−ニトロアニリドを基質として用いて行う(反応物の総体積1mL)。パラ−ニトロアニリンの放出(e=10800M−1cm)が405nmで観察される。反応は、ブタの肝臓からの3ミリユニットのAP−Nを添加することにより開始する。これらの実験条件下で、線形動態を少なくとも10時間にわたって観察する。阻害剤を含まない試料A、1μMの2−アミノ−3−テトラロン(実施例10)を含む試料B及び200μMの7−アミノ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オンヒドロクロリド(実施例2)を含む試料Cの間でのパラ−ニトロアニリン濃度変化を比較する。試料Bについては、最初の1時間で2−アミノ−3−テトラロンでの40%の阻害が観察される。試験4時間後、酵素活性は、対照のものと再び同じになる。対照的に、試料Cについては、試験全体を通して、50%の阻害が観察され、これは7−アミノ−5,7,8,9−テトラヒドロ−ベンゾシクロヘプテン−6−オンヒドロクロリド分子の試験10時間後の安定性を示している。
同じ結果が、本発明の残りの試験化合物全てについて得られる。
従って、7個の炭素原子を有する環を含む本発明による化合物は、6個の炭素原子を有する環を含む、AP−N阻害剤として既知ではあるがあまり安定性がないという欠点を有する2−アミノ−3−テトラロン分子よりも、水溶液中ではるかに安定した分子である。

Claims (24)

  1. 一般式(I):
    [式中、Rは、水素、フッ素、塩素、臭素原子、(C−C)アルキルラジカル、(C−C)(シクロアルキル)アルキルラジカル、(C−C)(ヘテロシクロアルキル)アルキルラジカル、(C−C)アラルキルラジカル、(C−C)ヘテロアラルキルラジカル、(C−C)アルコキシラジカル、(C−C)アラルキルオキシラジカル、(C−C)アルキルチオラジカル、(C−C)アラルキルチオラジカルを表し、
    は、水素、フッ素、塩素、臭素原子、(C−C)アルキルラジカル、(C−C)(シクロアルキル)アルキルラジカル、(C−C)(ヘテロシクロアルキル)アルキルラジカル、(C−C)アラルキルラジカル、(C−C)ヘテロアラルキルラジカルを表し;R及びRは一緒になって、非置換若しくは置換炭素環又は非置換若しくは置換複素環を形成することができる。又はRは、二重結合を介してヘプテン環に結合することができ、その場合、Rは不在であり、
    、R、R及びRは同一又は異なり、互いに独立して水素、フッ素、塩素、臭素原子、(C−C)アルキルラジカル、(C−C)(シクロアルキル)アルキルラジカル、(C−C)(ヘテロシクロアルキル)アルキルラジカル、ポリフルオロ(C−C)アルキルラジカル、(C−C)アラルキルラジカル、(C−C)ヘテロアラルキルラジカル、(C−C)アルコキシラジカル、アリール又はヘテロアリール基を表し;R及びR、R及びR、R及びRは、互いに独立して、隣接する炭素原子を結合したメチレンジオキシラジカル又は非置換若しくは置換芳香族炭素環又は非置換若しくは置換芳香族複素環を一緒になって形成することができ、
    は、水素原子、(C−C)アルキルラジカルを表し、
    Xは、酸素原子、硫黄原子、イミンラジカルN−R12、オキシムラジカルN−O−R13であり、R12及びR13は、水素原子、(C−C)アルキルラジカル(C−C)、(シクロアルキル)アルキルラジカル、(C−C)(ヘテロシクロアルキル)アルキルラジカル、(C−C)アラルキルラジカル、(C−C)ヘテロアラルキルラジカルを表し;
    Yは炭素原子、窒素原子(その場合、R又はRは不在)、酸素原子、硫黄原子(その場合、R及びRは不在)であり、
    及びR10は同一又は異なり、互いに独立して水素、フッ素、塩素、臭素原子、(C−C)アルキルラジカル、(C−C)(シクロアルキル)アルキルラジカル、(C−C)(ヘテロシクロアルキル)アルキルラジカル、(C−C)アラルキルラジカル、(C−C)ヘテロアラルキルラジカル、(C−C)アルコキシラジカル、(C−C)アラルキルオキシラジカル、(C−C)アルキルチオラジカル、(C−C)アラルキルチオラジカルを表し、
    及びR11は同一又は異なり、互いに独立して水素、フッ素、塩素、臭素原子、(C−C)アルキルラジカル、(C−C)(シクロアルキル)アルキルラジカル、(C−C)(ヘテロシクロアルキル)アルキルラジカル、(C−C)アラルキルラジカル、(C−C)ヘテロアラルキルラジカル、(C−C)アルコキシラジカル、(C−C)アラルキルオキシラジカル、(C−C)アルキルチオラジカル、(C−C)アラルキルチオラジカルを表し、R及びR11は一緒になって、非置換若しくは置換炭素環又は非置換若しくは置換複素環を形成することができる又はヘプテン環の2つの隣接する炭素原子と二重結合を形成することができる]
    の化合物、その光学及び幾何異性体並びにその混合物並びにその無機及び有機酸付加塩、ただし、R、R及びRがメトキシラジカルを表し、R、R、R、R、R、R、R10、R11が水素原子を表し、Xが酸素原子を表し、Yが炭素原子を表す化合物は除く。
  2. が水素原子、フッ素原子、(CHPhラジカル、S(CHPhラジカルを表し、nが1〜6であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物、その光学及び幾何異性体並びにその混合物並びにその無機及び有機酸付加塩。
  3. が水素原子であることを特徴とする、請求項1〜2のいずれか一項に記載の化合物、その光学及び幾何異性体並びにその混合物並びにその無機及び有機酸付加塩。
  4. Xが酸素原子であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物、その光学及び幾何異性体並びにその混合物並びにその無機及び有機酸付加塩。
  5. Yが炭素原子であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物、その光学及び幾何異性体並びにその混合物並びにその無機及び有機酸付加塩。
  6. 、R、R及びRが同一若しくは異なり、互いに独立して水素原子、臭素原子、フェニルラジカルを表す又はR及びR、R及びR、R及びRが、互いに独立して非置換若しくは置換芳香族炭素環を一緒になって形成することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物、その光学及び幾何異性体並びにその混合物並びにその無機及び有機酸付加塩。
  7. が水素原子であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物、その光学及び幾何異性体並びにその混合物並びにその無機及び有機酸付加塩。
  8. 同時にYが炭素原子であり、R、R、R10及びR11が水素原子であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物、その光学及び幾何異性体並びにその混合物並びにその無機及び有機酸付加塩。
  9. 及びRが同時に水素原子であり、Xが酸素原子であり、Yが炭素原子であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
  10. が水素原子、フッ素原子、ベンジルチオラジカル、(CHPhラジカルであり、n=1〜5であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
  11. 、R、R、Rが同時に水素原子であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
  12. 及びRが水素原子であり、R及びRが互いに独立して水素原子、臭素原子、フェニルラジカルを表すが、ただしR及びRが同時に水素原子ではないことを特徴とする、請求項10に記載の化合物。
  13. 及びRが水素原子であり、R及びRが互いに独立して水素原子、臭素原子、フェニルラジカルを表すが、ただしR及びRが同時に水素原子ではないことを特徴とする、請求項10に記載の化合物。
  14. 及びR、R及びRが、互いに独立して、隣接する炭素原子を結合した非置換又は置換芳香族炭素環を一緒になって形成することを特徴とする、請求項10に記載の化合物。
  15. 式(Ia):
    [式中、Rは、水素原子、フッ素原子、CHPhラジカル、(CHPhラジカル、(CHPhラジカル、(CHPhラジカル、(CHPhラジカル、S−CHPhラジカル、=CH−Phラジカルを表す]
    であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物並びにその無機及び有機酸塩。
  16. 以下の式(Ib)及び(Ic):
    の化合物から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物並びにその無機及び有機酸付加塩。
  17. 式(Id):
    [式中、Rは水素原子であり、Rはフェニルラジカルである;Rは水素原子であり、Rは臭素原子である;Rはフェニルラジカルであり、Rは水素原子である;Rは臭素原子であり、Rは水素原子である;Rはフェニルラジカルであり、Rは臭素原子である;Rは臭素原子であり、Rはフェニルラジカルである;R及びRは、それぞれフェニルラジカルである;R及びRは、それぞれ臭素原子である]
    であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物並びにその無機及び有機酸付加塩。
  18. 式(Ie):
    [式中、Rは水素原子であり、Rはフェニルラジカルである;Rは水素原子であり、Rは臭素原子である;Rはフェニルラジカルであり、Rは水素原子である;Rは臭素原子であり、Rは水素原子である;R及びRは、それぞれフェニルラジカルである;R及びRは、それぞれ臭素原子である]
    であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物並びにその無機及び有機酸付加塩。
  19. 請求項1に記載の式(I)[式中、Rは、水素原子、フッ素原子、(CHPhラジカル、=CH−Phラジカルを表し、Rは、水素原子である又は不在であり、R、R、R、R10及びR11は水素原子であり;Xは酸素原子、NOHラジカルであり、Yは炭素原子であり、R、R、R、Rは、既に設定した意味を有する]の化合物及びその塩を調製するための方法であり、
    (1)−NHPG保護アミン官能基を、ケトン官能基を反応させることにより、一般式(II):
    の化合物に7位で導入し、PGは保護基であり、6位には、Xが酸素原子であるならケトン官能基が導入されて又はXがNOHラジカルならケトンオキシム官能基が導入されて、一般式(III):
    の誘導体が生成され、
    (2)Rが水素原子ではない場合、Rに対応する官能基を5位で導入して一般式(IV):
    の誘導体を生成し、
    (3)前記アミンNH−PG官能基を、前記PG基の開裂により脱保護することを特徴とする方法。
  20. 請求項1に記載の式(I)[式中、RはS(CHPhラジカルを表し、Rは水素原子であり、R、R、R、R10及びR11は水素原子であり;Xは酸素原子であり、Yは炭素原子であり、R、R、R、Rは、既に設定した意味を有する]
    の化合物及びその塩を調製するための方法であり、
    (1)一般式(II):
    の化合物の5位と6位との間に二重結合を形成し、
    (2)ケトン官能基を反応させることにより−NHPG保護アミン官能基(PGは、保護基である)を7位に導入して一般式(V):
    の誘導体を生成し、
    (3)二重結合を酸化させて、5位及び6位の炭素原子を結合するエポキシド官能基を形成し、
    (4)S(CHPhラジカルを5位で導入して一般式(VI):
    の誘導体を生成し、
    (5)得られた誘導体のアルコール官能基を酸化し、
    (6)前記NH−PGアミン官能基を、前記PG基の開裂により脱保護することを特徴とする方法。
  21. 有効成分として、請求項1〜18のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又は薬学的に許容可能なその無機及び有機酸付加塩を含有し、ただしR、R及びRがメトキシラジカルを表し、R、R、R、R、R、R、R10及びR11が水素原子を表し、Xが酸素原子を表し、Yが炭素原子を表す化合物は除外されないことを特徴とする医薬組成物。
  22. 前記有効成分を、少なくとも、薬学的に許容可能な賦形剤と混合することを特徴とする、請求項21に記載の医薬組成物。
  23. ガンを治療するための薬剤を調製するための、請求項1〜18のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用であり、ただしR、R及びRがメトキシラジカルを表し、R、R、R、R、R、R、R10及びR11が水素原子を表し、Xが酸素原子を表し、Yが炭素原子を表す化合物は除外されない使用。
  24. 腫瘍を治療するため、特にはメタロプロテアーゼ、より詳細にはアミノペプチダーゼNの阻害に関連した疾患を治療するための薬剤を調製するための、請求項1〜18のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用であり、ただしR、R及びRがメトキシラジカルを表し、R、R、R、R、R、R、R10及びR11が水素原子を表し、Xが酸素原子を表し、Yが炭素原子を表す化合物は除外されない使用。
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