JP2005187461A - 一級アミン化合物の製造方法 - Google Patents

一級アミン化合物の製造方法 Download PDF

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JP2005187461A
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Akihiko Nakamura
明彦 中村
Masahiko Tanaka
昌彦 田中
Tatsuro Yokoyama
達郎 横山
Takushi Umezome
卓志 梅染
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】二級アミン化合物や三級アミン化合物を副生することなく、より工業的に有利に式(3)
Figure 2005187461

(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基またはハロゲン原子を表わす。)
で示される一級アミン化合物を製造する方法を提供すること。
【解決手段】式(1)
Figure 2005187461

(式中、R1、R2およびR3は上記と同一の意味を表わし、R4は置換されていてもよいアリール基を1位の炭素原子上に有する低級アルキル基を表わし、R5は置換されていてもよいアリール基を1位の炭素原子上に有する低級アルキル基または水素原子を表わす。)
で示されるアミド化合物と還元剤を反応させて、式(2)
Figure 2005187461

(式中、R1、R2、R3、R4およびR5は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるアミノアルコール化合物を得、該アミノアルコール化合物を水素化分解することを特徴とする式(3)で示される一級アミン化合物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、一級アミン化合物の製造方法に関する。
式(3)
Figure 2005187461
(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基またはハロゲン原子を表わす。)
で示される一級アミン化合物は、例えば医薬中間体等として有用な化合物である(例えば特許文献1参照。)。かかる式(3)で示される一級アミン化合物の製造方法としては、下記スキーム1
Figure 2005187461
で示される合成ルートにより製造する方法が知られている(例えば非特許文献1参照。)が、アミノ化工程において、式(10)
Figure 2005187461
で示される二級アミン化合物や式(11)
Figure 2005187461
で示される三級アミン化合物が副生するという問題点があり、しかもクロロ化合物に対して大過剰量のアンモニアを使用しており、反応後の過剰のアンモニアの処理の面からも必ずしも工業的に有利な方法とは言えなかった。
国際公開第99/32475号パンフレット Organic Process Research&Development,2003,7,285
このような状況のもと、本発明者らは、前記式(10)で示される二級アミン化合物や前記式(11)で示される三級アミン化合物を副生することなく、より工業的に有利に式(3)で示される一級アミン化合物を製造する方法について鋭意検討したところ、式(1)
Figure 2005187461
(式中、R1、R2およびR3は上記と同一の意味を表わし、R4は置換されていてもよいアリール基を1位の炭素原子上に有する低級アルキル基を表わし、R5は置換されていてもよいアリール基を1位の炭素原子上に有する低級アルキル基または水素原子を表わす。)
で示されるアミド化合物と還元剤を反応させて、式(2)
Figure 2005187461
(式中、R1、R2、R3、R4およびR5は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるアミノアルコール化合物を得、得られたアミノアルコール化合物を水素化分解することにより、式(10)で示される二級アミン化合物や式(11)で示される三級アミン化合物を副生することなく、目的とする式(3)で示される一級アミン化合物を製造することができることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、式(1)
Figure 2005187461
(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基またはハロゲン原子を表わす。R4は置換されていてもよいアリール基を1位の炭素原子上に有する低級アルキル基を表わし、R5は置換されていてもよいアリール基を1位の炭素原子上に有する低級アルキル基または水素原子を表わす。)
で示されるアミド化合物と還元剤を反応させて、式(2)
Figure 2005187461
(式中、R1、R2、R3、R4およびR5は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるアミノアルコール化合物を得、該アミノアルコール化合物を水素化分解することを特徴とする式(3)
Figure 2005187461
(式中、R1、R2およびR3は上記と同一の意味を表わす。)
で示される一級アミン化合物の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、医薬中間体等として有用な一級アミン化合物を、さらに工業的に有利に製造することができる。
式(1)
Figure 2005187461
で示されるアミド化合物(以下、アミド化合物(1)と略記する。)の式中、R1、R2およびR3はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基またはハロゲン原子を表わす。
置換されていてもよい低級アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基および前記アルキル基の一つの水素原子が、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基等の低級アルコキシ基、置換されていてもよいアリール基等の置換基で置換されたものが挙げられる。ここで、置換されていてもよいアリール基としては、例えばフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等およびこれらフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等を構成する芳香環の水素原子が、例えば前記低級アルキル基、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基等の低級アルコキシ基で置換されたもの、例えば2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、3−メトキシフェニル基、2−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、4−クロロ−2−メトキシフェニル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
また、上記式(1)の式中、R4は置換されていてもよいアリール基を1位の炭素原子上に有する低級アルキル基を表わし、R5は置換されていてもよいアリール基を1位の炭素原子上に有する低級アルキル基または水素原子を表わす。置換されていてもよいアリール基を1位の炭素原子上に有する低級アルキル基とは、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4の低級アルキル基であって、該低級アルキル基の1位の炭素原子上に前記置換されていてもよいアリール基を有するものであり、例えばベンジル基、4−メトキシベンジル基、(1−ナフチル)メチル基、(2−ナフチル)メチル基、1−フェニルエチル基、1−(1−ナフチル)エチル基、1−(2−ナフチル)エチル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基等が挙げられる。
かかるアミド化合物(1)としては、例えばN−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−(2−ピリジル)アセトアミド、N−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)アセトアミド、N−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−(4−ピリジル)アセトアミド、N−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−(6−クロロ−3−ピリジル)アセトアミド、N−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−(6−メチル−3−ピリジル)アセトアミド、N−(4−メトキシベンジル)−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)アセトアミド、N−(1−フェニルエチル)−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)アセトアミド、N−ジフェニルメチル−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)アセトアミド、N,N−ジベンジル−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)アセトアミド等が挙げられる。
かかるアミド化合物(1)は、不斉炭素原子を有するため、光学異性体が存在するが、本発明には、光学活性なアミド化合物を用いてもよいし、ラセミのアミド化合物を用いてもよい。
アミド化合物(1)と反応させる還元剤としては、例えばボラン・テトラヒドロフラン錯体、ボラン・ジメチルスルフィド錯体、水素化ホウ素ナトリウム等の水素化ホウ素化合物、例えば水素化アルミニウム、水素化アルミニウムリチウム等の水素化アルミニウム化合物等が挙げられ、水素化ホウ素化合物が好ましい。かかる還元剤の使用量は、アミド化合物(1)に対して、通常2モル倍以上であり、その上限は特にないが、あまり多すぎると経済的に不利になりやすいため、実用的には20モル倍以下、好ましくは10モル倍以下である。
還元剤として、水素化ホウ素ナトリウム等のアート錯体型の水素化ホウ素化合物を使用する場合には、添加剤の存在下で反応を行うことが好ましく、かかる添加剤としては、例えば三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体等のルイス酸、例えば硫酸等のブレンステッド酸、例えば塩化ニッケル、塩化コバルト等の金属化合物等が挙げられ、ルイス酸またはブレンステッド酸が好ましく、ルイス酸が特に好ましい。かかる添加剤を用いる場合のその使用量は、還元剤に対して、通常0.01〜5モル倍である。
アミド化合物(1)と還元剤の反応は、通常溶媒の存在下に実施される。溶媒としては、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、メチルtert−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒等の単独または混合溶媒が挙げられ、好ましくはエーテル系溶媒が挙げられ、その使用量は、アミド化合物(1)に対して、通常0.5重量倍以上、好ましくは2重量倍以上であり、その上限は特にないが、あまり多すぎると容積効率が悪くなるため、実用的には30重量倍以下である。
反応は、通常アミド化合物(1)、溶媒および還元剤を混合することにより実施され、その混合順序は特に制限されず、例えばアミド化合物(1)と溶媒の混合物に還元剤を加えてもよいし、還元剤と溶媒の混合物中にアミド化合物(1)を加えてもよい。
反応温度は、通常−30〜120℃、好ましくは−20〜80℃である。
反応終了後、得られた反応液をそのまま後述する水素化分解に用いてもよいが、通常は該反応液中に残存する還元剤を分解処理した後、式(2)
Figure 2005187461
(式中、R1、R2、R3、R4およびR5は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるアミノアルコール化合物(以下、アミノアルコール化合物(2)と略記する。)を取り出すか、もしくはアミノアルコール化合物(2)を含む有機層を得た後、取り出したアミノアルコール化合物(2)もしくは前記有機層が水素化分解に用いられる。
還元剤の分解処理は、用いる還元剤の種類により適宜選択すればよく、分解剤としては、酸、アルカリ、水等が挙げられる。酸としては、例えば塩化水素、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等が挙げられ、アルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。かかる酸やアルカリはそのまま使用してもよいし、水溶液や有機溶媒溶液として用いてもよい。アミノアルコール化合物(2)が光学活性体である場合には、分解剤として酸を用いることが好ましい。
還元剤の分解処理を酸で行った場合、分解処理液を、必要に応じて該分解処理液中の不溶分を濾過処理等により除去した後、例えばアルカリ処理し、必要に応じて水に不溶の有機溶媒を加えて抽出処理し、得られる有機層を濃縮処理することによりアミノアルコール化合物(2)を取り出すことができる。前記有機層をそのまま後述する水素化分解に用いてもよいし、アミノアルコール化合物(2)を取り出した後、水素化分解に用いてもよい。また、前記有機層をそのままもしくは濃縮処理した後、酸性化処理し、アミノアルコール化合物(2)を酸付加塩として取り出してもよい。なお、用いた還元剤の種類や溶媒等によっては目的とするアミノアルコール化合物(2)の酸付加塩が分解処理液中に結晶として析出するときがあり、該結晶を濾取することにより、アミノアルコール化合物(2)の酸付加塩を取り出してもよい。
還元剤の分解処理をアルカリで行った場合は、例えば分解処理液に、必要に応じて水に不溶の有機溶媒を加えて抽出処理し、得られる有機層を濃縮処理することにより、アミノアルコール化合物(2)を取り出すことができる。
水に不溶の有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、例えばジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、例えば酢酸エチル等のエステル系溶媒等が挙げられる。アルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
取り出したアミノアルコール化合物(2)は、例えば蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィ等の通常の精製手段により、さらに精製してもよい。光学活性なアミド化合物(1)を用いた場合には、光学活性なアミノアルコール化合物(2)が得られる。
かかるアミノアルコール化合物(2)としては、例えば2−ベンジルアミノ−1−(2−ピリジル)エタノール、2−ベンジルアミノ−1−(3−ピリジル)エタノール、2−ベンジルアミノ−1−(4−ピリジル)エタノール、2−ベンジルアミノ−1−(6−クロロ−3−ピリジル)エタノール、2−ベンジルアミノ−1−(6−メチル−3−ピリジル)エタノール、2−(4−メトキシベンジルアミノ)−1−(3−ピリジル)エタノール、2−(1−フェニルエチルアミノ)−1−(3−ピリジル)エタノール、2−ジフェニルメチルアミノ−1−(3−ピリジル)エタノール、2−ジベンジルアミノ−1−(3−ピリジル)エタノール等が挙げられる。
かくして得られたアミノアルコール化合物(2)を水素化分解することにより、式(3)
Figure 2005187461
(式中、R1、R2およびR3は上記と同一の意味を表わす。)
で示される一級アミン化合物(以下、一級アミン化合物(3)と略記する。)を製造することができる。アミノアルコール化合物(2)はフリー体であってもよいし、酸付加塩であってもよい。
アミノアルコール化合物(2)の水素化分解は、通常アミノアルコール化合物(2)と水素化剤を触媒の存在下に反応させることにより実施される。水素化剤としては、例えば水素、ギ酸、ギ酸アンモニウム、シクロヘキセン、シクロヘキサ−1,4−ジエン等が挙げられ、好ましくは水素が挙げられる。かかる水素化剤の使用量は、アミノアルコール化合物(2)に対して、通常0.8モル倍以上であり、その上限は特にないが、あまり多すぎると経済的に不利になりやすいため、実用的には50モル倍以下、好ましくは30モル倍以下である。
触媒としては、例えばパラジウム炭素、パラジウムブラック、ポリエチレンイミンに担持されたパラジウム等の金属触媒が挙げられ、パラジウム炭素が好ましい。かかる触媒の使用量は、アミノアルコール化合物(2)に対して、金属換算で、通常0.001〜1重量倍、好ましくは0.005〜0.5重量倍である。
アミノアルコール化合物(2)の水素化分解反応は、通常溶媒の存在下に実施される。溶媒としては、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等のアルコール系溶媒、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、メチルtert−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、例えば酢酸エチル等のエステル系溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、例えばアセトニトリル等のニトリル系溶媒、水等の単独または混合溶媒が挙げられ、好ましくは芳香族炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒およびこれらの混合溶媒が挙げられる。その使用量は、アミノアルコール化合物(2)に対して、通常0.5重量倍以上、好ましくは2重量倍以上であり、その上限は特にないが、あまり多すぎると容積効率が悪くなるため、実用的には30重量倍以下である。
水素化分解反応は、通常アミノアルコール化合物(2)、触媒、溶媒および水素化剤を混合することにより実施され、その混合順序は特に制限されず、例えばアミノアルコール化合物(2)、触媒および溶媒の混合物に水素化剤を加えてもよいし、水素化剤、触媒および溶媒の混合物中にアミノアルコール化合物(2)を加えてもよい。水素化剤として水素を用いる場合には、アミノアルコール化合物(2)、触媒および溶媒の混合物中に、水素を吹き込みながら反応を実施してもよい。
また、水素化分解速度や選択性を高めるため、例えば塩化水素、塩酸、硫酸等の無機酸、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基等の反応助剤の共存下に反応を実施してもよく、かかる反応助剤の使用量は、アミノアルコール化合物(2)に対して、通常0.005〜1重量倍、好ましくは0.01〜0.5重量倍である。
水素化分解温度は、通常−30〜120℃、好ましくは−20〜80℃である。また、常圧条件下で実施してもよいし、加圧条件下で実施してもよい。加圧条件下で実施する場合の水素化分解圧力は特に制限されないが、実用的には30気圧以下である。
水素化分解反応終了後、例えば必要に応じて反応液中の不溶分を濾別した後、濃縮処理することにより、一級アミン化合物(3)を取り出すことができる。また、例えば必要に応じて反応液中の不溶分を濾別した後、水および必要に応じて前記水に不溶の有機溶媒を加えて抽出処理し、得られる有機層を濃縮処理することにより、一級アミン化合物(3)を取り出すこともできる。取り出した一級アミン化合物(3)は、例えば蒸留、カラムクロマトグラフィ等の通常の精製手段により、さらに精製してもよい。また、前記有機層はそのままもしくは一部濃縮処理した後、次工程に用いてもよい。また、一級アミン化合物(3)を酸付加塩として取り出すこともできる。光学活性なアミノアルコール化合物(2)を用いた場合には、光学活性な一級アミン化合物(3)が得られる。
かくして得られる一級アミン化合物(3)としては、例えば2−アミノ−1−(2−ピリジル)エタノール、2−アミノ−1−(3−ピリジル)エタノール、2−アミノ−1−(4−ピリジル)エタノール、2−アミノ−1−(6−クロロ−3−ピリジル)エタノール、2−アミノ−1−(6−メチル−3−ピリジル)エタノール等が挙げられる。
また、アミノアルコール化合物(2)は、水酸基とアミノ基の2つの反応性を有する基を有するため、例えば次工程でアミノ基を選択的に反応させる場合等水酸基を予め保護しておいた方が好ましい場合があるが、前記アミノアルコール化合物(2)を水素化分解する前に、アミノアルコール化合物(2)と式(8)
Figure 2005187461
(式中、R6、R7およびR8はそれぞれ同一または相異なって、低級アルキル基またはフェニル基を表わし、Zは脱離基を表わす。)
で示されるシリル化剤(以下、シリル化剤(8)と略記する。)を反応させて、O−シリル化した後、水素化分解することにより、O−シリル化された一級アミン化合物である式(4)
Figure 2005187461
(式中、R1、R2、R3、R6、R7およびR8は上記と同一の意味を表わす。)
で示される一級アミン化合物(以下、一級アミン化合物(4)と略記する。)を製造することもできる。
シリル化剤(8)としては、例えばトリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、トリエチルブロモシラン、トリイソプロピルクロロシラン、トリイソブチルクロロシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、tert−ブチルジフェニルクロロシラン、(1,1,2−トリメチルプロピル)ジメチルクロロシラン等のハロシラン化合物、例えばヘキサメチルジシラザン等のジシラザン化合物、例えばN,N’−ビストリメチルシリル尿素等のシリル尿素化合物、例えばN,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド等のシリルアミド化合物、例えばトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル等のスルホン酸シリル化合物等が挙げられ、なかでもハロシラン化合物が好ましい。
シリル化剤(8)の使用量は、アミノアルコール化合物(2)に対して、通常0.8モル倍以上であり、その上限は特にないが、あまり多すぎると経済的に不利になりやすいため、実用的には20モル倍以下、好ましくは10モル倍以下である。
用いるシリル化剤(8)の種類によっては、反応の進行に伴い、酸が副生する場合があるが、かかる場合には、塩基を併用することが好ましい。かかる塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、イミダゾール等の有機塩基が挙げられ、その使用量は、アミノアルコール化合物(2)に対して、通常0.8〜20モル倍である。
アミノアルコール化合物(2)とシリル化剤(8)との反応は、無溶媒で行ってもよいし、溶媒の存在下に実施してもよい。溶媒としては、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、メチルtert−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、例えばアセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、例えば酢酸エチル等のエステル系溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のアミド系溶媒、例えばアセトニトリル等のニトリル系溶媒、水等の単独または混合溶媒が挙げられ、好ましくはエーテル系溶媒、アミド系溶媒およびこれらの混合溶媒が挙げられる。かかる溶媒を使用する場合のその使用量は、アミノアルコール化合物(2)に対して、通常0.5重量倍以上、好ましくは2重量倍以上であり、その上限は特にないが、あまり多すぎると容積効率が悪くなるため、実用的には30重量倍以下である。
アミノアルコール化合物(2)とシリル化剤(8)との反応は、通常その両者をそのままもしくは溶媒中で、混合することにより実施され、その混合順序は特に制限されない。
反応温度は、通常−30〜120℃、好ましくは−20〜80℃である。
反応終了後、例えば反応液と無機塩基の水溶液を混合した後、必要に応じて前記水に不溶の有機溶媒を加えて抽出処理し、得られる有機層を濃縮処理することにより、式(9)
Figure 2005187461
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるシリル化合物(以下、シリル化合物(9)と略記する。)を取り出すことができる。取り出したシリル化合物(9)は、例えば蒸留、カラムクロマトグラフィ等の通常の精製手段により、さらに精製してもよい。また、シリル化合物(9)を取り出すことなく、前記反応液や前記有機層をそのままもしくは一部濃縮処理した後、後述する次工程の水素化分解を行ってもよい。また、シリル化合物(9)を酸付加塩として取り出すこともできるが、通常はフリー体として取り出される。光学活性なアミノアルコール化合物(2)を用いた場合には、光学活性なシリル化合物(9)が得られる。
かかるシリル化合物(9)としては、例えばN−ベンジル−2−トリメチルシリルオキシ−2−(2−ピリジル)エチルアミン、N−ベンジル−2−トリメチルシリルオキシ−2−(3−ピリジル)エチルアミン、N−ベンジル−2−トリエチルシリルオキシ−2−(3−ピリジル)エチルアミン、N−ベンジル−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−(3−ピリジル)エチルアミン、N−ベンジル−2−トリイソプロピルシリルオキシ−2−(4−ピリジル)エチルアミン、N−ベンジル−2−トリメチルシリルオキシ−2−(6−クロロ−3−ピリジル)エチルアミン、N−ベンジル−2−トリエチルシリルオキシ−2−(6−クロロ−3−ピリジル)エチルアミン、N−ベンジル−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−(6−クロロ−3−ピリジル)エチルアミン、N−ベンジル−2−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)−2−(6−メチル−3−ピリジル)エチルアミン、N−(4−メトキシベンジル)−2−トリエチルシリルオキシ−2−(3−ピリジル)エチルアミン、N−(1−フェニルエチル)−2−トリメチルシリルオキシ−2−(3−ピリジル)エチルアミン、N−(1−フェニルエチル)−2−トリエチルシリルオキシ−2−(3−ピリジル)エチルアミン、N−(1−フェニルエチル)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−(3−ピリジル)エチルアミン、N−ジフェニルメチル−2−トリメチルシリルオキシ−2−(3−ピリジル)エチルアミン、N−ジフェニルメチル−2−トリエチルシリルオキシ−2−(3−ピリジル)エチルアミン、N−ジフェニルメチル−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−(3−ピリジル)エチルアミン、N,N−ジベンジル−2−トリメチルシリルオキシ−2−(3−ピリジル)エチルアミン、N,N−ジベンジル−2−トリエチルシリルオキシ−2−(3−ピリジル)エチルアミン、N,N−ジベンジル−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−(3−ピリジル)エチルアミン等が挙げられる。
かかるシリル化合物(9)はフリー体であってもよいし、酸付加塩であってもよいが、通常はフリー体が用いられる。
かかるシリル化合物(9)の水素化分解は、通常シリル化合物(9)と水素化剤を触媒の存在下に反応させることにより実施される。水素化剤としては、例えば水素、ギ酸、ギ酸アンモニウム、シクロヘキセン、シクロヘキサ−1,4−ジエン等が挙げられ、好ましくは水素が挙げられる。かかる水素化剤の使用量は、シリル化合物(9)に対して、通常0.8モル倍以上であり、その上限は特にないが、あまり多すぎると経済的に不利になりやすいため、実用的には50モル倍以下、好ましくは30モル倍以下である。
触媒としては、例えばパラジウム炭素、パラジウムブラック、ポリエチレンイミンに担持されたパラジウム等の金属触媒が挙げられ、パラジウム炭素が好ましい。かかる触媒の使用量は、シリル化合物(9)に対して、金属換算で、通常0.001〜1重量倍、好ましくは0.005〜0.5重量倍である。
シリル化合物(9)の水素化分解反応は、通常溶媒の存在下に実施される。溶媒としては、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等のアルコール系溶媒、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、メチルtert−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、例えば酢酸エチル等のエステル系溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、例えばアセトニトリル等のニトリル系溶媒、水等の単独または混合溶媒が挙げられ、好ましくは芳香族炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒およびこれらの混合溶媒が挙げられる。その使用量は、シリル化合物(9)に対して、通常0.5重量倍以上、好ましくは2重量倍以上であり、その上限は特にないが、あまり多すぎると容積効率が悪くなるため、実用的には30重量倍以下である。
水素化分解反応は、通常シリル化合物(9)、触媒、溶媒および水素化剤を混合することにより実施され、その混合順序は特に制限されず、例えばシリル化合物(9)、触媒および溶媒の混合物に水素化剤を加えてもよいし、水素化剤、触媒および溶媒の混合物中にシリル化合物(9)を加えてもよい。水素化剤として水素を用いる場合には、シリル化合物(9)、触媒および溶媒の混合物中に、水素を吹き込みながら反応を実施してもよい。
また、水素化分解速度や選択性を高めるため、例えば塩化水素、塩酸、硫酸等の無機酸、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基等の反応助剤の共存下に反応を実施してもよく、かかる反応助剤の使用量は、シリル化合物(9)に対して、通常0.005〜1重量倍、好ましくは0.01〜0.5重量倍である。
水素化分解温度は、通常−30〜120℃、好ましくは−20〜80℃である。また、常圧条件下で実施してもよいし、加圧条件下で実施してもよい。加圧条件下で実施する場合の水素化分解圧力は特に制限されないが、実用的には30気圧以下である。
水素化分解反応終了後、例えば必要に応じて反応液中の不溶分を濾別した後、濃縮処理することにより、一級アミン化合物(4)を取り出すことができる。また、例えば必要に応じて反応液中の不溶分を濾別した後、水および必要に応じて前記水に不溶の有機溶媒を加えて抽出処理し、得られる有機層を濃縮処理することにより、一級アミン化合物(4)を取り出すこともできる。取り出した一級アミン化合物(4)は、例えば蒸留、カラムクロマトグラフィ等の通常の精製手段により、さらに精製してもよい。また、前記有機層はそのままもしくは一部濃縮処理した後、次工程に用いてもよい。また、一級アミン化合物(4)の酸付加塩として取り出すこともできるが、通常はフリー体として取り出される。光学活性なシリル化合物(9)を用いた場合には、光学活性な一級アミン化合物(4)が得られる。
かくして得られる一級アミン化合物(4)としては、例えば2−トリメチルシリルオキシ−2−(2−ピリジル)エチルアミン、2−トリメチルシリルオキシ−2−(3−ピリジル)エチルアミン、2−トリエチルシリルオキシ−2−(3−ピリジル)エチルアミン、2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−(3−ピリジル)エチルアミン、2−トリイソプロピルシリルオキシ−2−(4−ピリジル)エチルアミン、2−トリメチルシリルオキシ−2−(6−クロロ−3−ピリジル)エチルアミン、2−トリエチルシリルオキシ−2−(6−クロロ−3−ピリジル)エチルアミン、2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−(6−クロロ−3−ピリジル)エチルアミン、2−(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)−2−(6−メチル−3−ピリジル)エチルアミン等が挙げられる。
なお、アミド化合物(1)は、例えば式(5)
Figure 2005187461
(式中、R1、R2およびR3は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるカルボン酸化合物(以下、カルボン酸化合物(5)と略記する。)と式(6)
Figure 2005187461
(式中、R4およびR5は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるアミノ化合物(以下、アミノ化合物(6)と略記する。)を反応させることにより製造することができる。
カルボン酸化合物(5)としては、例えば2−ヒドロキシ−2−(2−ピリジル)酢酸、2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸、2−ヒドロキシ−2−(4−ピリジル)酢酸、2−ヒドロキシ−2−(6−クロロ−3−ピリジル)酢酸、2−ヒドロキシ−2−(6−メチル−3−ピリジル)酢酸等が挙げられる。かかるカルボン酸化合物(5)は、不斉炭素原子を有するため、光学異性体が存在するが、本発明には、光学活性なカルボン酸化合物を用いてもよいし、ラセミのカルボン酸化合物を用いてもよい。また、カルボン酸化合物(5)は、例えば硫酸、塩酸、リン酸等の無機酸との酸付加塩、例えばメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機酸との酸付加塩として用いてもよい。
また、カルボン酸化合物(5)の酸付加塩を使用する場合には、予め前記酸付加塩を中和処理した後用いるか、もしくは前記酸付加塩を中和するに足る塩基が併用される。かかる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン等の有機塩基等が使用され、好ましくは有機塩基が使用される。かかる塩基の使用量は、通常カルボン酸化合物(5)に対して0.8〜10モル倍、好ましくは0.9〜5モル倍である。
かかるカルボン酸化合物(5)は、例えば特開平8−205878号公報に記載の方法等公知の方法に準じて製造したものを用いてもよい。
アミノ化合物(6)としては、例えばベンジルアミン、4−メトキシベンジルアミン、(1−ナフチル)メチルアミン、(2−ナフチル)メチルアミン、1−フェニルエチルアミン、1−(1−ナフチル)エチルアミン、1−(2−ナフチル)エチルアミン、1,1−ジフェニルメチルアミン、1,1,1−トリフェニルメチルアミン、ジベンジルアミン等が挙げられ、好ましくはベンジルアミン、1−フェニルエチルアミンが用いられる。かかるアミノ化合物(6)の中には不斉炭素原子を有するものが存在するが、本発明には、光学活性なアミノ化合物を用いてもよいし、ラセミのアミノ化合物を用いてもよい。かかるアミノ化合物(6)としては、通常市販されているものが用いられる。なお、アミノ化合物(6)の酸付加塩も使用できるが、アミノ化合物(6)の酸付加塩を使用する場合には、予め酸付加塩を中和処理した後用いるか、もしくは前記酸付加塩を中和するに足る塩基が併用される。
アミノ化合物(6)の使用量は、カルボン酸化合物(5)に対して、通常0.8モル倍以上であり、その上限は特にないが、あまり多すぎると経済的に不利になりやすいため、実用的には10モル倍以下、好ましくは5モル倍以下である。
カルボン酸化合物(5)とアミノ化合物(6)との反応は、通常縮合剤の存在下に実施される。縮合剤としては、例えばN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート、O−(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート等の公知の縮合剤またはその酸付加塩(例えば丸善株式会社発行,第4版実験化学講座22有機合成IV,258〜262頁等参照。)が挙げられ、好ましくはN−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドが挙げられる。かかる縮合剤の中には、例えば塩酸塩等の酸付加塩が存在するものがあり、かかる酸付加塩を用いることもできる。かかる縮合剤の使用量は、カルボン酸化合物(5)に対して、通常0.5〜10モル倍、好ましくは0.8〜5モル倍である。
また、縮合助剤の共存下に反応を実施することにより、反応をよりスムーズに進行させることができる。かかる縮合助剤としては、例えばN−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール等の公知の縮合助剤(例えば丸善株式会社発行,第4版実験化学講座22有機合成IV,258〜262頁等参照。)が挙げられ、好ましくは1−ヒドロキシベンゾトリアゾールが挙げられる。光学活性なカルボン酸化合物を用いた場合には、かかる縮合助剤の共存下に反応を実施することが好ましい。なお、かかる縮合助剤の中には、水和物が存在するものがあるが、かかる水和物を用いることもできる。かかる縮合助剤の使用量は、カルボン酸化合物(5)に対して、通常0.5〜10モル倍、好ましくは0.8〜5モル倍である。
カルボン酸化合物(5)とアミノ化合物(6)の反応は、無溶媒で行ってもよいし、溶媒の存在下に実施してもよい。溶媒としては、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等のアルコール系溶媒、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、メチルtert−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、例えばアセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、例えば酢酸エチル等のエステル系溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、例えばアセトニトリル等のニトリル系溶媒、水等の単独または混合溶媒が挙げられ、好ましくはエーテル系溶媒が挙げられる。
かかる溶媒を使用する場合のその使用量は、カルボン酸化合物(5)に対して、通常0.5重量倍以上、好ましくは2重量倍以上であり、その上限は特にないが、あまり多すぎると容積効率が悪くなるため、実用的には30重量倍以下である。
反応は、通常カルボン酸化合物(5)、アミノ化合物(6)、縮合剤および必要に応じて縮合助剤を混合することにより実施され、その混合順序は特に制限されず、例えばカルボン酸化合物(5)、縮合剤および縮合助剤の混合物中にアミノ化合物(6)を加えてもよいし、カルボン酸化合物(5)、アミノ化合物(6)および縮合助剤の混合物中に縮合剤を加えてもよいし、カルボン酸化合物(5)、アミノ化合物(6)および縮合剤の混合物中に縮合助剤を加えてもよいし、アミノ化合物(6)、縮合剤および縮合助剤の混合物中にカルボン酸化合物(5)を加えてもよい。また、カルボン酸化合物(5)もしくはカルボン酸化合物(5)と溶媒の混合物に、縮合剤、縮合助剤およびアミノ化合物(6)を順次加えてもよいし、アミノ化合物(6)もしくはアミノ化合物(6)と溶媒の混合物に、カルボン酸化合物(5)、縮合剤および縮合助剤を順次加えてもよい。
反応温度は、通常−30〜120℃、好ましくは−20〜80℃である。
反応終了後、例えば得られたアミド化合物(1)を含む反応液と無機塩基の水溶液を混合した後、必要に応じて水に不溶の有機溶媒を加えて抽出処理し、得られる有機層を濃縮処理することにより、アミド化合物(1)を取り出すことができる。また、前記有機層をそのままもしくは一部濃縮処理した後、例えば冷却することにより、アミド化合物(1)を結晶化させ、結晶として取り出すこともできる。アミド化合物(1)を結晶として取り出す場合、前記有機層中の溶媒を、必要に応じてアミド化合物(1)の結晶化に適した溶媒に代えた後、アミド化合物(1)を結晶化させてもよい。また、アミド化合物(1)の結晶を取得後の濾液を濃縮処理して、該濾液中に含まれるアミド化合物(1)をさらに結晶化させることもできる。取り出したアミド化合物(1)は、例えば蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィ等の通常の精製手段により、さらに精製してもよい。
無機塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられ、水に不溶の有機溶媒としては、前記したものと同様のものが挙げられる。
取り出したアミド化合物(1)は、前記還元剤との反応に用いられるが、例えば前記抽出処理して得られるアミド化合物(1)を含む有機層をそのままもしくは濃縮処理した後、前記還元剤との反応に用いてもよい。光学活性なカルボン酸化合物(5)を用いた場合には、光学活性なアミド化合物(1)が得られる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
実施例1
参考例1で得られた(2R)−N−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)アセトアミド5gおよびテトラヒドロフラン50mLの混合物を内温1℃に冷却した。これに、ボラン・ジメチルスルフィド錯体のテトラヒドロフラン溶液(ボラン錯体濃度:2mol/L)62mLを35分かけて滴下し、内温64℃に昇温した後、同温度で3時間20分攪拌、反応させた。内温5℃まで冷却し、同温度で10重量%塩化水素/メタノール溶液70mLを50分かけて滴下した後、内温57℃まで昇温した。同温度で3時間30分攪拌、保持した後、内温0.6℃まで冷却した。同温度で2時間攪拌、保持した後、析出した結晶を濾取、洗浄、乾燥させ、(1R)−2−ベンジルアミノ−1−(3−ピリジル)エタノール・2塩酸塩3.1gを得た。さらに、濾洗液を濃縮処理し、テトラヒドロフラン30gを加え、内温20℃で保持した後、析出した結晶を濾取、洗浄、乾燥させ、(1R)−2−ベンジルアミノ−1−(3−ピリジル)エタノール・2塩酸塩をさらに1gを得た。
(1R)−2−ベンジルアミノ−1−(3−ピリジル)エタノール・2塩酸塩の合計の取得量:4.1g。合計収率(見掛/見掛):66%((2R)−N−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)アセトアミド基準)。
前記で得た(1R)−2−ベンジルアミノ−1−(3−ピリジル)エタノール・2塩酸塩1g、N,N−ジメチルホルムアミド5mLおよびイミダゾール1.4gの混合物に、トリエチルクロロシラン2gを5分かけて滴下し、室温で1時間20分攪拌、反応させた。これに、トルエン10mL、水10mLおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液2.5mLを加え、抽出処理し、有機層と水層を得た。水層をトルエンで再度抽出処理し、得られたトルエン層を、先に得た有機層と合一した。合一して得られた有機層を、5重量%食塩水と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の混合溶液で2回洗浄処理し、さらに5重量%食塩水で2回洗浄処理した後、無水硫酸ナトリウムを加え、乾燥処理した。硫酸ナトリウムを濾別した後、濃縮処理し、(2R)−N−ベンジル−2−トリエチルシリルオキシ−2−(3−ピリジル)エチルアミンを含む濃縮残渣5.7gを得た。
得られた濃縮残渣2.5gを反応容器に仕込み、メタノール2.5g、10重量%パラジウム炭素(50重量%含水品)0.15gおよび炭酸水素ナトリム0.025gを加え、反応容器内を水素で置換した後、内温50℃に昇温、同温度で4時間攪拌、反応させた。その後、室温まで冷却し、不溶分を濾別した後、濃縮処理し、濃縮残渣2.5gを得た。濃縮残渣にトルエンを加え、濃縮処理する操作を2回行った後、トルエンおよび10重量%食塩水を加え、抽出処理した。得られた有機層に無水硫酸ナトリウムを加え、乾燥させた後、硫酸ナトリウムを濾別した。得られた濾液を濃縮処理し、(2R)−2−トリエチルシリルオキシ−2−(3−ピリジル)エチルアミン0.3gを含む濃縮残渣0.44gを得た。
収率(純分/見掛):80%((1R)−2−ベンジルアミノ−1−(3−ピリジル)エタノール・2塩酸塩基準)。
実施例2
ベンジルアミン74.8gおよびテトラヒドロフラン1308gの混合物を内温8℃に冷却した。これに、(2R)−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸・硫酸塩167g、トリエチルアミン94.2g、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩191.5gおよび1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・水和物134.8gを加えて内温20℃に昇温した。同温度で2時間20分攪拌、反応させた後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液835mL、水835mLおよび酢酸エチル3340mLを加え、同温度で攪拌、静置後、分液処理し、有機層と水層を得た。水層を酢酸エチルで再度抽出処理し、得られた酢酸エチル層を、先に得た有機層と合一した。合一した有機層を、10重量%食塩水、次いで飽和食塩水で2回洗浄処理した後、メタノール425gを加え、無水硫酸ナトリウムで乾燥処理した。硫酸ナトリウムを濾別した後、濃縮処理し、(2R)−N−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)アセトアミドを含む濃縮残渣162.9gを得た。
前記と同様の操作をもう一度行い、(2R)−N−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)アセトアミドを含む濃縮残渣163.2gを調製した。
得られた(2R)−N−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)アセトアミドを含む濃縮残渣を合一した後、イソプロパノール966gを加え、内温84℃に昇温し、同温度で10分攪拌、保持した。内温51.5℃まで冷却し、種晶を加え、同温度で30分攪拌、保持した後、内温26℃まで冷却した。同温度で20分攪拌、保持し、n−ヘプタン3865gを滴下し、1時間攪拌、保持した。その後、内温5℃まで冷却し、同温度で1時間20分攪拌、保持した後、析出した結晶を濾取、洗浄、乾燥させ、(2R)−N−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)アセトアミド283gを得た。
収率(見掛/見掛):88%((2R)−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸・硫酸塩基準)。
前記で得た(2R)−N−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)アセトアミド213gおよびテトラヒドロフラン2130mLの混合物を内温3℃に冷却した後、ボラン・ジメチルスルフィド錯体のテトラヒドロフラン溶液(ボラン錯体濃度:2mol/L)2638mLを48分かけて滴下した。内温60℃に昇温し、同温度で53分攪拌、反応させた。内温50℃まで冷却し、同温度で10重量%塩化水素/メタノール溶液2982mLを1時間18分かけて滴下した後、内温56℃まで昇温、同温度で40分攪拌、保持した。その後、内温2.5℃まで冷却し、同温度で1時間20分攪拌、保持した後、析出した結晶を濾取、洗浄、乾燥させ、(1R)−2−ベンジルアミノ−1−(3−ピリジル)エタノール・2塩酸塩167gを得た。
収率(見掛/見掛):63%((2R)−N−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)アセトアミド基準)。
前記で得た(1R)−2−ベンジルアミノ−1−(3−ピリジル)エタノール・2塩酸塩166g、N,N−ジメチルホルムアミド830mLおよびイミダゾール225gの混合物を内温20℃に調整した。これに、トリエチルクロロシラン332gを22分かけて滴下し、内温30℃に昇温し、同温度で1時間攪拌、反応させた。その後、トルエン1660mL、水1660mLおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液415mLを加え、攪拌、静置後、分液処理し、有機層と水層を得た。水層はトルエンで再度抽出処理し、得られたトルエン層を、先に得た有機層と合一した。合一した有機層を、5重量%食塩水と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の混合溶液で2回、さらに5重量%食塩水で2回洗浄処理した後、無水硫酸ナトリウムを加え、乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾別した後、濃縮処理し、(2R)−N−ベンジル−2−トリエチルシリルオキシ−2−(3−ピリジル)エチルアミンを含む濃縮残渣476gを得た。
濃縮残渣472gを反応容器に仕込み、メタノール1310mL、10重量%パラジウム炭素(50重量%含水品)56.1gおよび炭酸水素ナトリム9.4gを加え、反応容器内を水素で置換した後、内温50℃に昇温し、同温度で3時間攪拌、反応させた。その後、室温まで冷却し、不溶分を濾別した後、濃縮処理し、濃縮残渣388gを得た。これにトルエン1871mLを加え、濃縮処理した後、再度トルエン1871mLを加え、濃縮処理し、濃縮残渣519gを得た。これに、トルエンおよび10重量%食塩水を加え、抽出処理し、得られた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾別した後、濃縮処理し、(2R)−2−トリエチルシリルオキシ−2−(3−ピリジル)エチルアミン120gを含む濃縮残渣168gを得た。
収率(純分/見掛):87%((1R)−2−ベンジルアミノ−1−(3−ピリジル)エタノール・2塩酸塩基準)。
(2R)−2−トリエチルシリルオキシ−2−(3−ピリジル)エチルアミンの1H−NMRスペクトルデータ(δ/ppm,CDCl3
8.57(d,1H,J=2.2Hz),8.52(dd,1H,J=1.7,4.8Hz),7.67(ddd,1H,J=1.7,2.2,7.8Hz),7.27(dd,1H,J=4.8,7.8Hz),4.70(t,1H,J=5.4Hz),2.80−2.90(m,2H),0.90(t,9H,J=8.0Hz),0.50−0.63(m,6H)
(2R)−2−トリエチルシリルオキシ−2−(3−ピリジル)エチルアミンのLC−MSデータ:m/z 253.3(M−H)+
実施例3
参考例2と同様に実施して得られた(2R)−N−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)アセトアミド1g、テトラヒドロフラン22.5mLおよび水素化ホウ素ナトリウム0.75gの混合物に、内温22℃で三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体3.5gを滴下し、内温60℃に昇温、同温度で4時間10分攪拌、反応させた。その後、内温50℃まで冷却し、同温度で10重量%塩化水素/メタノール溶液14mLを23分かけて滴下した。その後、内温58℃に昇温、同温度で15分攪拌、保持した後、内温1℃まで冷却し、同温度で50分攪拌、保持した。不溶分を濾別した後、水45gおよび酢酸エチル35mLを加え、内温50℃に昇温し、20重量%水酸化ナトリウム水溶液9.5gを加え、pH9.5に調整後、分液処理し、有機層と水層を得た。水層は酢酸エチルで再度2回抽出処理し、得られた酢酸エチル層を先に得た有機層と合一した。合一した有機層を、内温50℃で飽和食塩水で洗浄処理した後、濃縮処理し、濃縮残渣0.89gを得た。濃縮残渣に、メタノール4gを加えた後、還流させた後、内温21℃まで冷却した。その後、塩化水素/ジエチルエーテル溶液(塩化水素濃度:1mol/L)1mLを加え、種晶を加えた後、さらに塩化水素/ジエチルエーテル溶液(塩化水素濃度:1mol/L)7mLを滴下した。同温度で5分攪拌、保持し、テトラヒドロフラン12mLを滴下した後、内温2℃まで冷却した。同温度で1時間攪拌、保持した後、析出した結晶を濾取、洗浄、乾燥させ、(1R)−2−ベンジルアミノ−1−(3−ピリジル)エタノール・2塩酸塩0.9gを得た。
収率(見掛/見掛):72%((2R)−N−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)アセトアミド基準)。
得られた(1R)−2−ベンジルアミノ−1−(3−ピリジル)エタノール・2塩酸塩を、前記実施例2と同様に、パラジウム触媒の存在下に水素と反応させることにより、(2R)−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)エチルアミンを得ることができる。
実施例4
実施例1で得た(1R)−2−ベンジルアミノ−1−(3−ピリジル)エタノール・2塩酸塩1g、N,N−ジメチルホルムアミド10mLおよびイミダゾール1.1gの混合物に、tert−ブチルジメチルクロロシラン1.8gを20分かけて滴下し、4時間55分攪拌、反応させた。その後、水10mLおよびトルエン10mLを加えて抽出処理し、有機層と水層を得た。水層をトルエンで再度抽出処理し、得られたトルエン層を、先に得た有機層に合一した。合一した有機層を、5重量%食塩水で3回、次いで5重量%食塩水と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の混合溶液で洗浄処理した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾別した後、濃縮処理し、(2R)−N−ベンジル−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−(3−ピリジル)エチルアミンを含む濃縮残渣1gを得た。
得られた濃縮残渣1gを反応容器に仕込み、トルエン5mL、メタノール5mLおよび10重量%パラジウム炭素(50重量%含水品)0.3gを加え、反応容器内を水素で置換した後、内温50℃で3時間45分攪拌、反応させた。その後、室温まで冷却し、不溶分を濾別し、濃縮処理し、濃縮残渣5gを得た。濃縮残渣にトルエン5mLを加え、濃縮し、同じ操作を再度行い、得られた濃縮残渣にトルエン5mLを加えた。5重量%食塩水と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の混合溶液で2回洗浄処理した後、得られた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾別した後、濃縮処理し、(2R)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−(3−ピリジル)エチルアミン0.48gを含む濃縮液0.58gを得た。収率(純分/見掛):58%((1R)−2−ベンジルアミノ−1−(3−ピリジル)エタノール・2塩酸塩基準)。
(2R)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−(3−ピリジル)エチルアミンの1H−NMRスペクトルデータ(δ/ppm,CDCl3
8.56(d,1H,J=2.1Hz),8.52(dd,1H,J=1.6,4.8Hz),7.66(ddd,1H,J=1.6,2.1,7.8Hz),7.28(dd,1H,J=4.8,7.8Hz),4.70(t,1H,J=5.6Hz),2.81−2.91(m,2H),0.91(s,9H),0.09(s,3H),−0.09(s,3H)
(2R)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−(3−ピリジル)エチルアミンのLC−MSデータ:m/z 253.3(M−H)+
参考例1
ベンジルアミン8.5gおよびテトラヒドロフラン155gの混合物を内温0℃に冷却した。これに、(2R)−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸・硫酸塩20.3g、トリエチルアミン11.2g、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩22.8gおよび1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・水和物16.1gを加えて内温22℃に昇温し、同温度で3時間攪拌、反応させた。その後、水106mL、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液106mLおよび酢酸エチル425mLを加え、抽出処理し、有機層と水層を得た。水層は酢酸エチルで再度抽出処理し、得られた酢酸エチル層を、先に得た有機層と合一した。合一した有機層を、10重量%食塩水、次いで飽和食塩水で2回洗浄処理した後、無水硫酸ナトリウムを加え、乾燥処理した。硫酸ナトリウムを濾別した後、濃縮処理し、濃縮残渣20.4gを得た。濃縮残渣7gに酢酸エチル105gを加え、内温70℃に昇温した後、内温65℃まで冷却し、種晶を加え、内温25.5℃まで35分かけて冷却した。これに、n−ヘプタン210gを65分かけて滴下した後、内温1℃まで20分かけて冷却し、同温度で攪拌、保持した後、析出した結晶を濾取、洗浄、乾燥させ、(2R)−N−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)アセトアミド6.5を得た。
収率(見掛/見掛):98%((2R)−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸・硫酸塩基準)。
参考例2
ベンジルアミン4.4gおよびテトラヒドロフラン78gの混合物を内温0℃に冷却した。これに、(2R)−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸・硫酸塩10g、トリエチルアミン5.6g、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩11.5gおよび1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・水和物8.1gを加えた後、内温22℃で1時間35分攪拌、反応させた。その後、水50mL、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50mLおよび酢酸エチル200mLを加え、抽出処理し、有機層と水層を得た。水層を酢酸エチルで再度抽出処理し、得られた酢酸エチル層を、先に得られた有機層と合一した。合一して得られた有機層を、10重量%食塩水、次いで飽和食塩水で2回洗浄処理した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥処理した。硫酸ナトリウムを濾別した後、濃縮処理し、濃縮残渣10.7gを得た。濃縮残渣にイソプロパノール29gを加え、内温80℃に昇温、同温度で30分攪拌、保持した後、内温50℃まで冷却した。同温度で種晶を加え1時間25分攪拌、保持した後、室温まで冷却、同温度でn−ヘプタン116gを滴下し、さらに内温0℃まで冷却した。析出した結晶を濾取、洗浄、乾燥させ、(2R)−N−ベンジル−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)アセトアミド9.3gを得た。
収率(見掛/見掛):96%((2R)−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸・硫酸塩基準)。
実施例5
前記実施例3と同様にして得られた(1R)−2−ベンジルアミノ−1−(3−ピリジル)エタノール・2塩酸塩25g、1−メチル−2−ピロリジノン250mLおよびイミダゾール25.4gを混合した後、tert−ブチルジメチルクロロシラン31.3gを加え、内温20〜25℃で14時間攪拌、反応させた。イミダゾール0.5gおよびtert−ブチルジメチルクロロシラン0.5gを追加して反応を完結させた。その後、内温0〜5℃で、水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、室温で、トルエン250mLで3回抽出処理した。得られた有機層を食塩水で4回洗浄処理した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾別した後、得られた濾液を濃縮処理した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製処理し、(2R)−N−ベンジル−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−(3−ピリジル)エチルアミン27.2gを得た。
収率(見掛/見掛):96%((1R)−2−ベンジルアミノ−1−(3−ピリジル)エタノール・2塩酸塩基準)。

Claims (5)

  1. 式(1)
    Figure 2005187461
    (式中、R1、R2およびR3はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基またはハロゲン原子を表わす。R4は置換されていてもよいアリール基を1位の炭素原子上に有する低級アルキル基を表わし、R5は置換されていてもよいアリール基を1位の炭素原子上に有する低級アルキル基または水素原子を表わす。)
    で示されるアミド化合物と還元剤を反応させて、式(2)
    Figure 2005187461
    (式中、R1、R2、R3、R4およびR5は上記と同一の意味を表わす。)
    で示されるアミノアルコール化合物を得、該アミノアルコール化合物を水素化分解することを特徴とする式(3)
    Figure 2005187461
    (式中、R1、R2およびR3は上記と同一の意味を表わす。)
    で示される一級アミン化合物の製造方法。
  2. 式(1)で示されるアミド化合物と還元剤を反応させて、式(2)で示されるアミノアルコール化合物を得、該アミノアルコール化合物と式(8)
    Figure 2005187461
    (式中、R6、R7およびR8はそれぞれ同一または相異なって、低級アルキル基またはフェニル基を表わし、Zは脱離基を表わす。)
    で示されるシリル化剤を反応させた後、水素化分解することを特徴とする式(4)
    Figure 2005187461
    (式中、R1、R2、R3、R6、R7およびR8は上記と同一の意味を表わす。)
    で示される一級アミン化合物の製造方法。
  3. 式(1)で示されるアミド化合物が、式(5)
    Figure 2005187461
    (式中、R1、R2およびR3は上記と同一の意味を表わす。)
    で示されるカルボン酸化合物と式(6)
    Figure 2005187461
    (式中、R4およびR5は上記と同一の意味を表わす。)
    で示されるアミノ化合物を反応させて得られるアミド化合物である請求項1または請求項2に記載の一級アミン化合物の製造方法。
  4. 縮合剤の共存下に式(5)で示されるカルボン酸化合物と式(6)で示されるアミノ化合物を反応させる請求項3に記載の一級アミン化合物の製造方法。
  5. 式(7)
    Figure 2005187461
    (式中、R6、R7およびR8は上記と同一の意味を表わす。)
    で示される一級アミン化合物。
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