JP2003238513A - 光学活性2−アミノペンタンニトリル塩の製造方法 - Google Patents

光学活性2−アミノペンタンニトリル塩の製造方法

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JP2003238513A
JP2003238513A JP2002036636A JP2002036636A JP2003238513A JP 2003238513 A JP2003238513 A JP 2003238513A JP 2002036636 A JP2002036636 A JP 2002036636A JP 2002036636 A JP2002036636 A JP 2002036636A JP 2003238513 A JP2003238513 A JP 2003238513A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 光学活性2−アミノペンタンニトリルを収率
よく、工業的に有利に製造し得る方法を提供すること。 【解決手段】 (±)−2−アミノペンタンニトリルに
一般式(I)で示される光学活性カルボン酸を作用させ
て一般式(II)で示されるジアステレオマー塩を形成
させ、得られたジアステレオマー塩を光学分割して光学
活性ジアステレオマー塩を得、得られた光学活性ジアス
テレオマー塩を酸で処理することを特徴とする一般式
(III)で示される光学活性2−アミノペンタンニト
リル塩の製造方法。 (式中,Rは水素原子,アルキル基またはアシル基を
表し,Rはアルキル基またはハロゲン原子を表し,※
は不斉炭素原子を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学活性2−アミノ
ペンタンニトリル塩の製造方法に関する。本発明により
製造される光学活性2−アミノペンタンニトリル塩は、
例えば(−)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノペ
ンタンニトリルを経由して、チミジレートシンターゼ阻
害剤であるシクロペンタ[g]キナゾリン誘導体に誘導
される[ジャーナル オブ メディシナル ケミストリ
ー(Journal of Medicinal Ch
emistry)、第43巻、1910頁(2000
年)参照]。
【0002】
【従来の技術】従来、光学活性2−アミノペンタンニト
リルの製造方法として、(1)光学活性ノルバリン、例
えば、(−)−ノルバリンのアミノ基をベンジルオキシ
カルボニル基で保護し、カルボキシル基をアンモニアと
反応させて、該ノルバリンを2−ベンジルオキシカルボ
ニルアミノペンタンアミドとした後、アミド基を脱水反
応によりシアノ基に誘導する方法[ジャーナル オブ
メディシナル ケミストリー(Journal of
Medicinal Chemistry)、第43
巻、1910頁(2000年)参照]、(2)光学活性
2−ヒドロキシペンタンニトリルのヒドロキシル基をパ
ラトルエンスルホニルクロリドでトシル化し、ナトリウ
ムアジドでアジ化し、還元することにより(+)−2−
アミノペンタンニトリルとする方法[テトラヘドロン:
アシンメトリー (Tetrahedron:Asym
metry)、第7巻、606頁(1996年)参照]
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法(1)で用
いるノルバリンは、(+)−体および(−)−体ともに
工業的な製法がなく、非常に高価である。また、方法
(2)ではアミノ基導入のため、爆発性のあるナトリウ
ムアジドを用いるアジ化反応を要する。したがって、い
ずれの方法も、光学活性2−アミノペンタンニトリルの
工業的に有利な製造方法ではない。
【0004】本発明の目的は、光学活性2−アミノペン
タンニトリルを収率よく、工業的に有利に製造し得る方
法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(±)−2−
アミノペンタンニトリルに一般式(I)
【0006】
【化5】
【0007】(式中、Rは水素原子、アルキル基また
はアシル基を表し、Rはアルキル基またはハロゲン原
子を表し、※は不斉炭素原子を表す。)で示される光学
活性カルボン酸[以下、これを光学活性カルボン酸
(I)と略称する]を作用させることにより一般式(I
I)
【0008】
【化6】
【0009】(式中、R、Rおよび※は前記定義の
とおりである。)で示されるジアステレオマー塩[以
下、これをジアステレオマー塩(II)と略称する]を
形成させ、得られたジアステレオマー塩(II)を光学
分割することにより光学活性ジアステレオマー塩を得、
得られた光学活性ジアステレオマー塩を酸で処理するこ
とを特徴とする一般式(III)
【0010】
【化7】
【0011】(式中、Xはアニオンを表し、※は前記定
義のとおりである。)で示される光学活性2−アミノペ
ンタンニトリル塩[以下、これを光学活性2−アミノペ
ンタンニトリル塩(III)と略称する]の製造方法で
ある。
【0012】本発明の好適な形態においては、光学活性
カルボン酸として(+)−マンデル酸または(−)−マ
ンデル酸が使用される。
【0013】また、本発明はジアステレオマー塩(I
I)を含む。
【0014】
【発明の実施の形態】上記の一般式においてR およ
びR がそれぞれ表すアルキル基としては、例えばメ
チル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基など
が挙げられる。R が表すアシル基としては、例えば
アセチル基、クロロアセチル基、プロピオニル基、ブチ
リル基、ピバロイル基、ベンゾイル基などが挙げられ、
が表すハロゲン原子としては、例えばフッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0015】本発明の光学分割法においては、まず
(±)−2−アミノペンタンニトリルに光学分割剤とし
て光学活性カルボン酸(I)を作用させ、(+)−2−
アミノペンタンニトリルおよび(−)−2−アミノペン
タンニトリルに対応する2種類のジアステレオマー塩
(II)を形成させる。この2種類のジアステレオマー
塩(II)の形成は、(±)−2−アミノペンタンニト
リルおよび光学活性カルボン酸(I)を溶媒に加え、必
要に応じて加熱して、溶解させることにより行う。
【0016】光学活性カルボン酸(I)としては、例え
ば(+)−マンデル酸、(−)−マンデル酸、(+)−
α−メトキシフェニル酢酸、(−)−α−メトキシフェ
ニル酢酸、(+)−3−クロロマンデル酸、(−)−3
−クロロマンデル酸などが使用される。光学活性カルボ
ン酸(I)の使用量は、特に限定されないが、通常
(±) 2−アミノペンタンニトリルの1モルに対して
0.1〜5モルの範囲であるのが好ましく、光学活性2
−アミノペンタンニトリル塩(III)を高純度で、か
つ効率よく得るには、0.5〜2モルの範囲であるのが
より好ましい。
【0017】溶媒としては、(±)−2−アミノペンタン
ニトリルおよび光学活性カルボン酸(I)のそれぞれを
溶解し得るものであれば特に制限はなく、例えば、酢酸
エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどの酢酸エス
テル;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テト
ラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、t−ブチ
ルメチルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテ
ル;水;メタノール、エタノール、イソプロパノールな
どのアルコール;アセトニトリル、プロピオニトリルな
どのニトリル;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2
−ジクロロエタンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水素;ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素など
が使用される。これらは単独で用いてもよく、また2種
以上を混合して用いてもよい。溶媒の使用量は、溶媒の
種類、混合溶媒の場合はその混合比率により異なるが、
(±)−2−アミノペンタンニトリルに対して1〜50
倍重量の範囲であるのが好ましく、5〜20倍重量の範
囲であるのがより好ましい。
【0018】生成した2種類のジアステレオマー塩(I
I)を含む反応混合液をそのまま濃縮し、得られる粗生
成物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、2種類
のジアステレオマー塩(II)を分離することもできる
し、後述するように、2種類のジアステレオマー塩(I
I)の溶媒に対する溶解度の差を利用した分別結晶法に
より分離することもできる。
【0019】分別結晶法に用いられる溶媒としては、例
えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなど
の酢酸エステル;ジエチルエーテル、イソプロピルエー
テル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタ
ン、t−ブチルメチルエーテル、1,4−ジオキサンな
どのエーテル;水;メタノール、エタノール、イソプロ
パノールなどのアルコール;アセトニトリル、プロピオ
ニトリルなどのニトリル;またはそれらの混合物が挙げ
られる。これらの中でも、水;メタノール、エタノー
ル、イソプロパノールなどのアルコールがより好まし
い。分別結晶法は、例えば、(±)−2−アミノペンタン
ニトリルおよび光学活性カルボン酸(I)を上記の溶媒
に加え、溶媒の沸点を超えない範囲の温度で加熱して溶
解させた後、得られた溶液を冷却し、2種類のジアステ
レオマー塩(II)のうち、溶媒に対して難溶性の光学
活性ジアステレオマー塩を析出させることにより行う。
また、必要に応じて、溶媒に対して難溶性の光学活性ジ
アステレオマー塩を種結晶として上記の溶液に少量添加
し、該光学活性ジアステレオマー塩を析出させることも
できる。析出した光学活性ジアステレオマー塩の分離
は、例えば、濾過、遠心分離、デカンテーションなどの
通常の分離方法により行われる。
【0020】ジアステレオマー塩(II)を形成させる
に際し、光学活性カルボン酸(I)として(+)−マン
デル酸を用い、かつ溶媒としてメタノールを用いる場
合、溶媒に難溶性の光学活性ジアステレオマー塩として
(+)−マンデル酸・(−)−2−アミノペンタンニト
リル塩が析出し、光学活性カルボン酸(I)として
(−)−マンデル酸を用い、かつ溶媒としてメタノール
を用いる場合、(−)−マンデル酸・(+)−2−アミ
ノペンタンニトリル塩が析出し、光学活性カルボン酸
(I)として(+)−α−メトキシフェニル酢酸を用
い、かつ溶媒としてメタノールを用いる場合、(+)−
α−メトキシフェニル酢酸・(−)−2−アミノペンタ
ンニトリル塩が析出し、また光学活性カルボン酸(I)
として(−)−α−メトキシフェニル酢酸を用い、かつ
溶媒としてメタノールを用いる場合、(−)−α−メト
キシフェニル酢酸・(+)−2−アミノペンタンニトリ
ル塩が析出する。
【0021】このようにして得られた光学活性ジアステ
レオマー塩は、前記の溶媒を用いて再結晶するなどの精
製操作を行うことにより、その光学純度を高めることが
できる。光学純度のより高い光学活性2−アミノペンタ
ンニトリル塩を得るには、該精製操作を行うことが望ま
しい。
【0022】光学活性ジアステレオマー塩に酸、例えば
フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫
酸、硝酸、リン酸、ヘキサフルオロリン酸などの鉱酸;
過塩素酸、過ヨウ素酸などのオキソ酸;メタンスルホン
酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエン
スルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などの有機
スルホン酸などを加えて光学活性カルボン酸(I)を遊
離させ、同時に光学活性2−アミノペンタンニトリル塩
を形成させる。酸の使用量は特に限定されないが、ジア
ステレオマー塩(II)1モルに対して0.1〜10モ
ルの範囲であるのが好ましく、1〜5モルの範囲である
のがより好ましい。光学活性カルボン酸(I)の回収操
作の容易性および経済的な観点から、酸として塩酸、硫
酸などの鉱酸またはメタンスルホン酸、パラトルエンス
ルホン酸などの有機スルホン酸を光学活性カルボン酸
(I)に対して1当量用いれば十分である。
【0023】光学活性ジアステレオマー塩に酸を作用さ
せる反応は溶媒の存在下に行うのが好ましい。溶媒とし
ては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に制限
はなく、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプ
ロピルなどの酢酸エステル;ジエチルエーテル、イソプ
ロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメト
キシエタン、t−ブチルメチルエーテル、1,4−ジオ
キサンなどのエーテル;水;メタノール、エタノール、
イソプロパノールなどのアルコール;アセトニトリル、
プロピオニトリルなどのニトリル;ジクロロメタン、ク
ロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどの脂肪族ハロ
ゲン化炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの
脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの
芳香族炭化水素またはそれらの混合物などが挙げられ
る。溶媒の使用量は、溶媒の種類、混合溶媒の場合はそ
の混合比率により異なるが、光学活性ジアステレオマー
塩に対して1〜50倍重量の範囲であるのが好ましく、
5〜20倍重量の範囲であるのがより好ましい。
【0024】このようにして得られた光学活性2−アミ
ノペンタンニトリル塩は、上記の溶媒を用いて再結晶す
るなどの精製操作を行うことによりその純度をさらに高
めることができる。純度のより高い光学活性2−アミノ
ペンタンニトリル塩を得るためには、該精製操作を行う
ことが望ましい。
【0025】なお、本発明において用いる(±)−2−
アミノペンタンニトリルは、例えばブチルアルデヒドを
ストレッカー反応させることにより製造することができ
る[カナディアン ジャーナル オブ ケミストリー
(Canadian Journal of Chem
istry)、第65巻、282頁(1987年)参
照]。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるも
のではない。なお、光学活性2−アミノペンタンニトリ
ルの光学純度は、参考例1に記載した方法により、該光
学活性2−アミノペンタンニトリルを対応するベンゾイ
ルアミノ体へ誘導し、光学活性体分離カラムを装備した
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析により決
定した。
【0027】参考例1 2−アミノペンタンニトリルの光学純度の分析法 ジクロロメタン10mlに(±)−2−アミノペンタン
ニトリル196mg(2.0mmol)およびピリジン
158mg(2.0mmol)を溶解させ、得られた溶
液を氷浴で5℃以下に冷却した。該溶液に塩化ベンゾイ
ル281mg(2.0mmol)を5分間かけて滴下
し、滴下終了後、1時間反応させた。反応混合液に飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液10mlを加え、有機層を分
離し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー[展開溶媒:30%(v/v)酢酸エチ
ル−ヘキサン]で精製することにより、白色結晶として
下記の物性を有する(±)−2−ベンゾイルアミノペン
タンニトリル364mg(1.8mmol)を得た(収
率90%)。この生成物をHPLCで分析した結果、光
学純度は0%e.e.であった。
【0028】 (分析条件) 使用カラム:CHIRALCEL OJ(カラム径4.6mm、カラム長250 mm) 検出波長 :UV 254nm 移動相 :5%(v/v)イソプロパノール−ヘキサン溶液 流速 :0.5ml/分 温度 :25℃ 保持時間 :(+)−2−ベンゾイルアミノペンタンニトリル:57.7分 (−)−2−ベンゾイルアミノペンタンニトリル:55.2分
【0029】H−NMRスペクトル(270MHz、
CDCl 、TMS、ppm)δ:1.00(t,3
H,J=6.9Hz)、1.52−1.61(m,2
H)、1.85−2.03(m,2H)、5.10
(q,1H,J=7.9Hz)、6.70(d,1H,
J=7.9Hz)、7.42−7.57(m,3H)、
7.77−7.80(m,2H)
【0030】実施例1 (±)−2−アミノペンタンニトリル2.11g(2
1.5mmol)をメタノール5mlに溶解し、得られ
た溶液を(+)−マンデル酸3.27g(21.5mm
ol)をメタノール25mlに溶解して得られた溶液中
に加え、40℃で加熱して溶解させ、得られた溶液を放
冷後、さらに0℃で1時間保持した。析出した結晶を濾
別し、乾燥させることにより、下記の物性を有する
(−)−2−アミノペンタンニトリル・(+)−マンデ
ル酸塩2.43g(9.36mmol)を得た。収率8
2%[(±)−2−アミノペンタンニトリルに含まれる
(−)−2−アミノペンタンニトリル基準 ]。
【0031】融点:119℃〜121℃ 比旋光度:[α]=85.5°(c1.0、メタノー
ル) H−NMRスペクトル(270MHz、DMSO−d
、ppm)δ:0.88(t,3H,J=6.9H
z)、1.32−1.40(m,2H)、1.54−
1.61(m,2H)、3.68(t,1H,J=6.
9Hz)、4.97(s,1Hz)、5.20−5.9
0(br,3H)、7.23−7.42(m,5H)
【0032】上記の(−)−2−アミノペンタンニトリ
ル・(+)−マンデル酸塩2.43g(9.36mmo
l)を酢酸エチル40mlに懸濁させ、得られた懸濁液
にメタンスルホン酸0.90g(9.36mmol)を
加えて6時間攪拌した。析出した結晶を濾別し、乾燥さ
せることにより、下記の物性を有する(−)−2−アミ
ノペンタンニトリル・メタンスルホン酸塩1.65g
(8.52mmol)を得た。光学純度は97.0%
e.e.であった。
【0033】融点:160℃〜162℃ 比旋光度:[α]=−62.6°(c1.0、メタノ
ール) H−NMRスペクトル(270MHz、DMSO−d
、ppm)δ:0.91(t,3H,J=6.9H
z)、1.35−1.52(m,2H)、1.76−
1.89(m,3H)、2.35(s,3H)、4.5
2(t,1H,J=6.9Hz)、8.78(br,3
H)
【0034】実施例2 (±)−2−アミノペンタンニトリル1.96g(2
0.0mmol)をメタノール5mlに溶解し、得られ
た溶液を(+)−α−メトキシフェニル酢酸3.32g
(20.0mmol)をメタノール25mlに溶解して
得られた溶液中に加えて40℃で加熱して溶解させ、得
られた溶液を放冷後、さらに0℃で1時間保持した。析
出した結晶を濾別し、乾燥させることにより、下記の物
性を有する(−)−2−アミノペンタンニトリル・
(+)−α−メトキシフェニル酢酸塩2.90g(1
1.0mmol)を得た。収率110%[(±)−2−
アミノペンタンニトリル中に含まれる(−)−2−アミ
ノペンタンニトリル基準 ]。光学純度は73.6%e
eであった。
【0035】融点:125℃〜128℃ 比旋光度:[α]=90.3°(c1.0、メタノー
ル) H−NMRスペクトル(270MHz、DMSO−d
、ppm)δ:0.89(t,3H,J=6.9H
z)、1.32−1.42(m,2H)、1.56−
1.61(m,2H)、3.69(t,1H、J=6.
9Hz)、4.00(s、3H)、4.97(s,1H
z)、5.20−5.90(br,3H)、7.23−
7.42(m,5H)
【0036】実施例3 (±)−2−アミノペンタンニトリル2.11g(2
1.5mmol)をテトラヒドロフラン15mlに溶解
し、得られた溶液を(−)−マンデル酸3.27g(2
1.5mmol)を酢酸エチル50mlに溶解して得ら
れた溶液中に加えて40℃で加熱して溶解させ、得られ
た溶液を放冷後、さらに20℃で1時間保持した。析出
した結晶を濾別し、乾燥させることにより、下記の物性
を有する(+)−2−アミノペンタンニトリル・(−)
−マンデル酸塩2.15g(8.60mmol)を得
た。収率80%[(±)−2−アミノペンタンニトリル
中に含まれる(+)−2−アミノペンタンニトリル基準
]。
【0037】融点:118℃〜121℃ 比旋光度:[α]=−84.5°(c1.0、メタノ
ール)
【0038】上記の(+)−2−アミノペンタンニトリ
ル・(−)−マンデル酸塩2.15g(8.60mmo
l)を酢酸エチル40mlに懸濁させ、得られた懸濁液
を攪拌しながら塩化水素ガスを1000mlバブリング
した。析出した結晶を濾別し、乾燥させることにより、
下記の物性を有する(+)−2−アミノペンタンニトリ
ル・塩酸塩1.05g(7.83mmol)を得た。光
学純度は96.0%e.e.であった。
【0039】融点:148℃〜149℃ 比旋光度:[α]=11.1°(c1.0、メタノー
ル) H−NMRスペクトル(270MHz、DMSO−d
6、ppm)δ:0.97(t,3H,J=6.9H
z)、1.17−1.52(m,2H)、1.76−
2.10(m,3H)、4.58(t,1H,J=6.
9Hz)、9.42(br,3H)
【0040】実施例4 (±)−2−アミノペンタンニトリル2.11g(2
1.5mmol)をメタノール5mlに溶解し、得られ
た溶液を(−)−マンデル酸3.27g(21.5mm
ol)をメタノール5mlに溶解して得られた溶液中に
加えて40℃で加熱して溶解させ、得られた溶液を放冷
後、さらに0℃で1時間保持した。析出した結晶を濾別
し、乾燥させることにより、下記の物性を有する(+)
−2−アミノペンタンニトリル・(−)−マンデル酸塩
2.99g(11.9mmol)を得た。収率111%
[(±)−2−アミノペンタンニトリル中に含まれる
(+)−2−アミノペンタンニトリル基準 ]。光学純
度は79.2%eeであった。
【0041】融点:116℃〜120℃ 比旋光度:[α]=−82.0°(c1.0、メタノ
ール)
【0042】上記と同様の方法で得られた(+)−2−
アミノペンタンニトリル・(−)−マンデル酸塩3.1
7g(12.7mmol)にメタノール17mlを加
え、50℃に加熱して完全に溶解させた。得られた溶液
に45℃で種結晶(>99%de)0.01gを加え、
1時間かけて0℃まで冷却し、1時間保持した。析出し
た結晶を濾別し、乾燥させることにより、下記の物性を
有する(+)−2−アミノペンタンニトリル・(−)−
マンデル酸塩2.01g(8.06mmol)を得た。
収率75%[(±)−2−アミノペンタンニトリル中に
含まれる(+)−2−アミノペンタンニトリル基準
]。光学純度は99.8%eeであった。
【0043】融点:120℃〜122℃ 比旋光度:[α]=−86.5°(c1.0、メタノ
ール)
【発明の効果】本発明によれば、(±)−2−アミノペ
ンタンニトリルを効率よく光学分割し、光学活性2−ア
ミノペンタンニトリル塩を収率よく、工業的に有利に得
ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (±)−2−アミノペンタンニトリルに
    一般式(I) 【化1】 (式中、Rは水素原子、アルキル基またはアシル基を
    表し、Rはアルキル基またはハロゲン原子を表し、※
    は不斉炭素原子を表す。)で示される光学活性カルボン
    酸を作用させることにより一般式(II) 【化2】 (式中、R、Rおよび*は前記定義のとおりであ
    る。)で示されるジアステレオマー塩を形成させ、得ら
    れたジアステレオマー塩を光学分割することにより光学
    活性ジアステレオマー塩を得、得られた光学活性ジアス
    テレオマー塩を酸で処理することを特徴とする一般式
    (III) 【化3】 (式中、Xはアニオンを表し、※は前記定義のとおりで
    ある。)で示される光学活性2−アミノペンタンニトリ
    ル塩の製造方法。
  2. 【請求項2】 光学活性カルボン酸が(+)−マンデル
    酸または(−)−マンデル酸である請求項1に記載の光
    学活性−2−アミノペンタンニトリル塩の製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式(II) 【化4】 (式中、Rは、水素原子、アルキル基またはアシル基
    を表し、Rはアルキル基またはハロゲン原子を表し、
    ※は不斉炭素原子を表す。)で示されるジアステレオマ
    ー塩。
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