JP3382014B2 - 絞り加工用アルミニウム積層体 - Google Patents
絞り加工用アルミニウム積層体Info
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Description
等の二次加工時において、層間剥離や樹脂層のクラック
等の不良が起こりにくい、層間の密着性に優れたアルミ
ニウム板と特定のポリアミド樹脂層からなる絞り加工用
積層体に係り、特にアルミ電解コンデンサを構成するコ
ンデンサ素子を収納するための外装用容器等に好適に使
用できる絞り加工用アルミニウム積層体に関する。
等を目的として、アルミニウム板に接着剤等を介在させ
て、各種の合成樹脂フイルムを設けたアルミニウム積層
体が種々の分野で使用され、合成樹脂フイルムとしては
耐熱性や成形性に優れたナイロン6やナイロン66等の
ポリアミド系樹脂フイルムの使用が知られている。
応じて所望の形状、例えば有底の円筒容器形状に冷間絞
り加工したり、絞り加工後さらに、かしめ機によりかし
め加工(カーリング)を施すことがなされている。この
ようなアルミニウム積層体の二次加工においては、たと
え絞り加工前の層間の接着強度が良好であっても、深絞
りの程度が大きい冷間加工の場合、樹脂層が破断した
り、クラックが発生する等のトラブルが起こりやすいと
いう問題があった。
と特定のポリアミド系樹脂からなる積層体を使用するこ
とにより、上記課題を解消できることを見出したもので
ある。請求項1の発明は、アルミニウム板の少なくとも
片面に球晶の最大径が10μm以下であるポリアミド系
樹脂層を積層したことを特徴とする絞り加工用アルミニ
ウム積層体にある。
ミニウム板に特定のポリアミド系樹脂層を積層するとこ
ろに特徴を有するものであり、アルミニウム板として
は、純度95%以上のアルミニウム単体やアルミニウム
とマグネシウム等との合金系のもので厚みが0.3〜
0.4mm程度のものが好適に使用でき、さらに表面を
リン酸−クロム酸塩等による化成処理や電解エッチング
等のエッチング処理を施したものも使用できる。
10μm以下であるポリアミド系樹脂層を被覆する必要
がある。ポリアミド系樹脂層で使用するポリアミド系樹
脂としては、通常のナイロン6、ナイロン66や共重合
樹脂が使用できる。球晶の最大径が10μmを超えるも
のでは、深絞り加工により樹脂層が剥離しやすいという
問題がある。球晶の大きさは、偏光顕微鏡,走査型電子
顕微鏡やX線回析等により測定すればよい。
リアミド系樹脂を溶融圧着する際に、冷却速度が遅く徐
冷になると発生し、冷却速度が遅くなる程、その最大径
が大きくなる傾向にある。そこで、球晶の最大径を小さ
くする技術として冷却条件を急冷にする方法がなされ、
急冷の方法とし水冷法があるが、設備が複雑になるとい
う問題やコストがかかるなどの問題がある。また、ポリ
アミド樹脂は吸湿性あるために、水冷は好ましくなかっ
た。
アミド系樹脂層に使用するポリアミド系樹脂に特定量の
酸化防止剤を添加することにより、結晶化速度が速くな
り、球晶の成長が抑制されることを見出したものであ
り、上記の水冷用の設備は不必要になる。酸化防止剤と
しては、ハロゲン化銅、芳香族アミン等のアミン系酸化
防止剤、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−
ブチル−5メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート]等のフェノール系酸化防止剤等が挙げられる
が、球晶の成長抑制効果の点からフェノール系酸化防止
剤の使用が好ましい。酸化防止剤の添加量としては、
0.5重量%〜2.5重量%の範囲とする必要があり、
0.5重量%未満では球晶の成長抑制効果が少なく、
2.5重量%を越えると製膜加工性に劣るという問題が
ある。
は、単層でも樹脂の種類を変えて2層以上の多層でもよ
く、球晶の最大径が10μm以下としたポリアミド系樹
脂層を全層としてもよいが、最外層のみとしてもよく、
最外層のみに酸化防止剤を添加すればよい。
少なくとも片面に、ポリアミド系樹脂層を介してポリア
ミド系ポリマーアロイ層を積層したことを特徴とする絞
り加工用アルミニウム積層体にある。使用するアルミニ
ウム板や、ポリアミド系樹脂層は上述した請求項1の内
容と同一であり、ポリアミド系ポリマーアロイとして
は、ナイロン66を主体に変成ポリオレフィン等を溶融
ブレンドしたポリマーアロイが挙げられる。ここで変成
ポリオレフィンとしては、エチレン−プロピレン−ジエ
ン共重合体に無水マレイン酸をグラフトした、変成エチ
レン−プロピレン−ジエン共重合体や、エチレン−メタ
アクリル酸共重合体をNa、Zn、Mg等でイオン化し
たアイオノマー樹脂等が挙げられる。
とポリアミド系ポリマーアロイ層を被覆する方法として
は、種々の方法が適用できるが、アルミニウム板に各種
接着剤を塗布し焼付けた後、ポリアミド樹脂の溶融温度
以上に加熱し、ポリアミド系樹脂フイルムとポリアミド
系ポリマーアロイフイルムを二層口金を有する押出機に
より溶融押出し積層する方法が生産性が良好で好まし
い。以下、本発明を実施例により説明する。
用し、表面をクロメート処理した。当該クロメート処理
層の表面にビスフェノール型エポキシ樹脂(分子量40
0、エポキシ当量200)を塗布した後、ナイロン66
(10μm、透明層)/ナイロン66(20μm、着色
層)/ナイロン66(10μm、透明層)からなる多層
のポリアミド樹脂層を溶融ラミネートした。
剤(フェノール系酸化防止剤、イルガノックスMD10
24 日本チバガイギー(株)製)を下記内容で添加し
て各積層体を得た。得られた各試料を用いて、絞り加工
機により直径4mm、深さが48mmの有底円筒形の容
器を樹脂層が外側になるように絞り加工した。その際の
樹脂層の状態を目視観察し絞り加工性を評価した。最外
層の球晶最大径は走査型電子顕微鏡により測定した。
0μmを越えている試料1については絞り加工性が劣る
ことが判る。これに対して酸化防止剤を添加し、球晶最
大径が10μm以下の試料2、3については絞り加工性
に優れていることが判る。
ーアロイ(10μm、ザイテルST−801 デュポン
・ジャパン(株)製)/ナイロン66(20μm)とし
た以外は実施例1と同一内容で、絞り加工性を評価した
が、クラックの発生等がなく良好であった。
ウム積層体によれば、絞り加工性等の二次加工性に優れ
ているため生産し易いという利点を有し、コンデンサ外
装容器類等の絞り加工品に好適に使用できる。
Claims (2)
- 【請求項1】アルミニウム板の少なくとも片面に、酸化
防止剤を0.5重量%〜2.5重量%の範囲で添加し、
球晶の最大径が10μm以下であるポリアミド系樹脂層
を積層したことを特徴とする絞り加工用アルミニウム積
層体。 - 【請求項2】アルミニウム板の少なくとも片面に、請求
項1に記載のポリアミド系樹脂層を介してポリアミド系
ポリマーアロイ層を積層したことを特徴とする絞り加工
用アルミニウム積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14496894A JP3382014B2 (ja) | 1994-06-27 | 1994-06-27 | 絞り加工用アルミニウム積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14496894A JP3382014B2 (ja) | 1994-06-27 | 1994-06-27 | 絞り加工用アルミニウム積層体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH081857A JPH081857A (ja) | 1996-01-09 |
JP3382014B2 true JP3382014B2 (ja) | 2003-03-04 |
Family
ID=15374388
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14496894A Expired - Lifetime JP3382014B2 (ja) | 1994-06-27 | 1994-06-27 | 絞り加工用アルミニウム積層体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3382014B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11245330A (ja) * | 1998-03-02 | 1999-09-14 | Toyo Kohan Co Ltd | 加工密着性に優れたポリアミド樹脂被覆金属板の製造方法、ポリアミド樹脂被覆金属板およびそれを用いた容器 |
JP3803954B2 (ja) * | 1999-11-09 | 2006-08-02 | 三菱樹脂株式会社 | ポリアミド系樹脂積層金属板、および電解コンデンサー用外装容器の製造方法 |
JP3845273B2 (ja) | 2000-10-13 | 2006-11-15 | 昭和電工パッケージング株式会社 | 電子部品ケース用包材 |
-
1994
- 1994-06-27 JP JP14496894A patent/JP3382014B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH081857A (ja) | 1996-01-09 |
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