JP3381237B2 - 熱可塑性エラストマー組成物及び該熱可塑性エラストマー組成物を用いた配管用継ぎ手 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物及び該熱可塑性エラストマー組成物を用いた配管用継ぎ手

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JP3381237B2
JP3381237B2 JP30021198A JP30021198A JP3381237B2 JP 3381237 B2 JP3381237 B2 JP 3381237B2 JP 30021198 A JP30021198 A JP 30021198A JP 30021198 A JP30021198 A JP 30021198A JP 3381237 B2 JP3381237 B2 JP 3381237B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゴムをハロゲン化樹
脂架橋剤で動的架橋して熱可塑性ポリマーからなるマト
リクスに分散せしめた熱可塑性エラストマー組成物及び
該熱可塑性エラストマー組成物を用いた配管用継ぎ手に
関し、特に、良好な機械的特性を有すると共に、接触す
る金属面に腐食を生じさせない熱可塑性エラストマー組
成物を得るものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、電気部品、電線被覆、パッキ
ン、シール用ガスケット、防水シート、ホース、配管用
継ぎ手、画像形成装置の紙送り用ゴムローラ等の産業用
及び生活用の各種ゴム製品では所望の機械的物性が得ら
れるように、ゴムを架橋したり、架橋ゴムとゴム以外の
各種熱可塑性ポリマーとをブレンドしたりしている。ま
た、上記産業用及び生活用の各種ゴム製品は日光や高濃
度のオゾンに晒されることがあるため、ゴムとしては耐
オゾン性に優れたEPDMゴム(エチレン−プロピレン
−ジエンゴム)を用いる場合が多い。
【0003】架橋ゴムとゴム以外の各種熱可塑性ポリマ
ーのブレンド品とする場合、比較的効率良く且つ比較的
均一にゴムが架橋し、かつ、架橋ゴムを熱可塑性ポリマ
ー中に比較的良好に分散できることから、架橋剤の存在
下にゴムと熱可塑性ポリマーに剪断力を与えながら加熱
してゴムを架橋する所謂動的架橋を行う場合が多く、か
かるゴムの動的架橋剤としてはフェノール系架橋剤(フ
ェノール樹脂)等の樹脂架橋剤が一般に用いられてい
る。
【0004】また架橋反応をより効率良く進行させるた
めに、樹脂架橋剤と共に酸化亜鉛等の金属酸化物を架橋
反応活性剤として添加することが行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特公昭58−4613
8号公報には、ゴムと熱可塑性ポリオレフィン樹脂をブ
レンドしたエラストマー組成物を得る場合に、フェノー
ル系架橋剤としてハロゲン化フェノール樹脂を用い、更
に、酸化亜鉛を添加してゴムを動的架橋すると、架橋ゴ
ムが熱可塑性ポリオレフィン樹脂に微粒子状に分散して
成形性に優れ且つ圧縮永久歪みも小さいエラストマー組
成物が得られるとされている。ここで、ハロゲン化フェ
ノール樹脂は臭素化フェノール樹脂やフェノール樹脂と
金属ハライドの混合物を用いている。
【0006】しかしながら、上記ハロゲン化フェノール
樹脂と酸化亜鉛を併用する場合、酸化亜鉛の量を比較的
少なくすることで架橋ゴムを微粒子状態に分散させるこ
とはできるが、ハロゲン化フェノール樹脂から遊離した
ハロゲンが組成物(エラストマー組成物)中に遊離状態
のまま残留し、この残留ハロゲンにより、組成物を成形
する際の組成物に接触する金型表面を腐食させてしまう
という問題点がある。また、各種ゴム製品は被取付部材
が金属であったり、また、金属部品と接触した状態で使
用される場合があり、エラストマー組成物にハロゲンが
遊離状態で残留すると、ゴム製品を取り付ける金属製の
被取付部材やゴム製品と接触する金属部品が腐食するこ
とがある。酸化亜鉛は受酸作用(ハロゲンを捕獲する作
用)も示す。よって、酸化亜鉛の量を多くしてハロゲン
化フェノール樹脂から遊離したハロゲンを捕獲すること
が考えられるが、この場合は、酸化亜鉛による架橋反応
活性作用が強くなり過ぎてゴムを熱可塑性ポリオレフィ
ン樹脂に微分散する前にゴムの架橋反応が終了し、架橋
ゴムの粒子径が大きくなって、可塑化した組成物を押出
し若しくは射出成形した場合、流動抵抗が大きく、粒子
が成型物表面に出てきて、細かな凹凸を生じてしまう。
【0007】すなわち、ハロゲン化フェノール樹脂に酸
化亜鉛を併用して動的架橋する場合、酸化亜鉛が有する
架橋反応活性化作用と受酸作用のバランスが悪く組成物
の物性と腐食防止効果を両立化できない。
【0008】本発明は上記のような事情に鑑みてなされ
たものであり、耐オゾン性及び成形性に優れ、且つ、圧
縮永久歪みが小さく、しかも、接触する金属表面を腐食
させることのない熱可塑性エラストマー組成物を得るこ
とを課題としている。
【0009】また、特に、圧縮永久歪みが小さく、配管
から取り外した時にクラックやへたりが生じない配管用
継ぎ手を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、EPDMゴムを50重量%以上含むゴム
をハロゲン化樹脂架橋剤で動的架橋して熱可塑性ポリマ
ーからなるマトリクスに分散せしめた熱可塑性エラスト
マー組成物であって、上記ハロゲン化樹脂架橋剤と共に
ゴム100重量部当たり0.5〜10重量部の炭酸亜鉛
を添加して上記ゴムを動的架橋したことを特徴する熱可
塑性エラストマー組成物を提供している。
【0011】上記ハロゲン化樹脂架橋剤は、具体的に
は、ハロゲン化付加縮合型樹脂、或いは、付加縮合型樹
脂及びハロゲン供与性物質からなるものである。
【0012】付加縮合型樹脂としては、フェノール樹
脂、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物、トリアジン・
ホルムアルデヒド縮合物、硫化−p−第三ブチルフェノ
ール樹脂、アルキルフェノール・スルフィド樹脂、ヘキ
サメトキシメチル・メラミン樹脂等を挙げることがで
き、上記ハロゲン化付加縮合型樹脂はこれらの付加縮合
型樹脂をハロゲン化したものである。また、ハロゲン化
は塩素化、臭素化のいずれでもよい。
【0013】上記ハロゲン供与性物質としては、塩化ス
ズ(塩化第2スズ)、塩化鉄(塩化第2鉄),塩化銅
(塩化第2銅)等のハロゲン化金属、或いは/及び、塩
素化ポリエチレン等のハロゲン化樹脂が用いられる。
【0014】上記本発明の熱可塑性エラストマー組成物
では、ハロゲン化樹脂架橋剤と炭酸亜鉛を併用してゴム
を動的架橋していることにより、架橋ゴムが10μm以
下、好ましくは、5μm以下の微粒子状となって熱可塑
性ポリマーからなるマトリクスに均一に分散し、しか
も、炭酸亜鉛がハロゲン化樹脂架橋剤より遊離した架橋
に寄与しない余剰のハロゲンを捕獲してこれを不活性な
状態とする。よって、組成物は可塑化しやすく良好な成
形性を示すと共に成形時の金型の腐食も防止でき、しか
も、成形して得られるゴム製品は圧縮永久歪みが小さく
引張強度等の機械的強度にも優れたものとなる。また、
ゴムがEPDMゴムを50重量%以上含んでいるので耐
オゾン性にも優れた熱可塑性エラストマー組成物とな
る。
【0015】上記炭酸亜鉛の配合量をゴム100重量部
当たり0.5〜10重量部としているのは、0.5重量
部より少なくすると遊離ハロゲンをキャッチしきれず、
金型面を腐食し、また、10重量部より多くなると、架
橋反応の活性化作用が強くなり過ぎて、剪断力でゴムを
微分散する前に架橋反応が終了し、組成物中の架橋ゴム
の粒子径が30μmよりも大きくなって、可塑化した組
成物を成形すると、30μm以上の架橋ゴム粒子が流動
抵抗が大きいために成形物表面に出てきて、製品表面に
細かな凹凸が生じてしまうためである。
【0016】また、ハロゲン化樹脂架橋剤はゴム100
重量部当たり5〜20重量部程度配合するのが好まし
い。
【0017】耐オゾン性の点からはゴム全体をEPDM
ゴムとするのが好ましいが、耐オゾン性を損なわない範
囲で熱可塑性エラストマー組成物の機械的特性を良化す
るために、EPDMゴム以外の他のゴムを用いることが
できる。EPDMゴム以外のゴムしては例えば、天然ゴ
ム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレン
ゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(N
BR)等のジエン系ゴムを用いるのが好ましい。また、
ジエン系ゴム以外のゴムを用いることができ、例えば、
エチレン−プロピレンゴム(EPM)、アクリルゴム、
クロロプレンゴム(CR)、クロロスルフォン化ポリエ
チレンゴム等を挙げることができる。これらのゴムは1
種または2種以上を用いることができる。
【0018】熱可塑性ポリマーとしては、例えば、ポリ
オレフィン系樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー、
水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー等を挙げるこ
とができる。これらのうち、ポリオレフィン系樹脂或い
は/及び水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーを用
いるのが好ましい。特に、水素添加スチレン系熱可塑性
エラストマーは水素添加によって二重結合を無くしたス
チレン系熱可塑性エラストマーであり、ゴムの動的架橋
時にゴムの架橋を阻害しないため、より好適である。な
お、ナイロン樹脂のような可塑化温度が200℃以上の
熱可塑性ポリマーは、動的架橋温度を高く設定しなけれ
ばならず、ゴムの劣化を生じさせる虞れがある。このた
め、できるだけ使用はさけるべきである。
【0019】ポリオレフィン系樹脂は、例えば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−エチルアクリレー
ト樹脂、エチレン−ビニルアセテート樹脂、エチレン−
メタクリル酸樹脂、アイオノマー樹脂、メタロセン触媒
重合ポリエチレン、及びメタロセン触媒重合ポリプロピ
レンから選ばれる1種または2種以上を用いることがで
きる。
【0020】上記スチレン系熱可塑性エラストマー(水
素添加スチレン系熱可塑性エラストマーにおけるスチレ
ン系熱可塑性エラストマー)としては、ポリスチレン相
(S)末端ブロックとゴム(エラストマー)中間ブロッ
クとからなるブロック共重合物であり、例えば、ゴム
(エラストマー)中間ブロックがポリエチレンからなる
SES系、ゴム(エラストマー)中間ブロックがエチレ
ン/プロピレン(E/P)からなるSEPS系、ゴム
(エラストマー)中間ブロックがエチレン/ブチレン
(E/B)からなるSEBS系等を用いることができ
る。
【0021】ゴムと熱可塑性ポリマーとの重量比(ゴ
ム:熱可塑性ポリマー)は20:80〜90:10の範
囲とするのが好ましい。ゴムと熱可塑性ポリマーの重量
比がこの範囲にあると、概ね組成物の可塑化に困難を伴
うことなく圧縮永久歪みの小さいゴム製品を成形するこ
とができる。
【0022】更に、ゴムと熱可塑性ポリマーとの重量比
(ゴム:熱可塑性ポリマー)は40:60〜90:10
の範囲とするのがより好ましい。これは、例えば、配管
同士のジョイントに使用する配管用継ぎ手のような長期
に亘って強く圧縮した状態で使用されるゴム製品を成形
する場合、圧縮永久歪みが30を超えると、ゴム製品が
所望の機能を維持することが困難になる。よって、配下
用継ぎ手を成形する場合、架橋したゴムの熱可塑性ポリ
マー中での分散状態のみならず、ゴムを熱可塑性ポリマ
ーに対して比較的多めに配合して圧縮永久歪みを30以
下まで小さくする必要があるためである。
【0023】本発明の熱可塑性エラストマー組成物に
は、組成物の硬度を低下させるために、オイルや可塑剤
の軟化剤を添加してもよい。オイルとしては、パラフィ
ン系、ナフテン系、芳香族系等の鉱物油や炭化水素系オ
リゴマーからなるそれ自体公知の合成油、またはプロセ
スオイルを用いることができる。合成油としては、例え
ば、α−オレフィンのオリゴマー、ブテンのオリゴマ
ー、エチレンとα−オレフィンのオリゴマー等を挙げる
ことができ、特にエチレンとα−オレフィンとの非晶質
オリゴマーが好ましい。可塑剤としては、例えば、ジオ
クチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(D
BP)、ジオクチルセパケート(DOS)、ジオクチル
アジペート(DOA)等を用いることができる
【0024】オイルを添加する場合、通常、ゴム100
重量部当たり1〜200重量部程度使用し、可塑剤を添
加する場合、通常ゴム100重量部当たり1〜20重量
部程度使用する。
【0025】なお、ゴムに油展ゴムを用いる場合、油展
ゴム中のオイルが軟化剤として作用する。よって、油展
ゴムを用いる場合は、ゴムとは別にオイルや可塑剤を添
加しなくても、組成物の硬度をある程度低下させること
ができる。もちろん、油展ゴムを用いると共に、別途オ
イルや可塑剤を添加してもよい。
【0026】本発明の熱可塑性エラストマー組成物の機
械的強度を向上させるために、必要に応じて、充填剤を
添加することもできる。充填剤としては、例えば、シリ
カ、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウ
ム、二塩基性亜リン酸塩(DLP)、塩基性炭酸マグネ
シウム、アルミナ等の粉体を挙げることができる。充填
剤を添加する場合、充填剤はゴム組成物全体当たり10
重量%以下とするのが好ましい。これは充填剤はゴムの
引っ張り強度及び引き裂き強度の改善には有効であるも
のの、余り多く配合するとゴム組成物の柔軟性を大きく
低下させてしまうためである。
【0027】また、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物には、必要に応じて、老化防止剤、ワックス等を添加
することができる。老化防止剤としては、例えば、2−
メルカプトベンゾイミダゾールなどのイミダゾール類、
フェニル−α−ナフチルアミン、N,N−ジ−β−ナフ
チル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−
イソプロピル−p−フェニレンジアミンなどのアミン
類、ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、スチレン
化フェノールなどのフェノール類などが挙げられる。
【0028】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
通常、ゴム、熱可塑性ポリマー、ハロゲン化樹脂架橋
剤、炭酸亜鉛、及びこれら以外の必要に応じて添加する
添加剤を、オープンロール、バンバリミキサー、単軸押
出機、二軸押出機等の公知のゴム混練装置で加熱混練す
ることで製造する。混練は通常150℃〜250℃の温
度で行う。
【0029】ゴム製品は上記混練により得られた混練物
を押出成形、射出成形、プレス成形等の所要の成形方法
を用いて所望の形状に成形して作製する。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例と比較例に
より更に詳しく説明する。
【0031】(実験1)下記の原料を用いて表1、表2
の処方で実施例及び比較例の熱可塑性エラストマー組成
物を作製し、更に、該作製した熱可塑性エラストマー組
成物を成形して成形性及び成型品の機械的物性について
評価した。
【0032】EPDMゴム:出光DSM製,ケルタン5
09×100(油展EPDMゴムでEPDMゴム50重
量%とパラフィンオイル50重量%からなる。) SBR:日本ゼオン製、NS210 酸化亜鉛:三井金属鉱業製酸化亜鉛 炭酸亜鉛:堺化学工業製炭酸亜鉛 ハイドロタルサイト類化合物:協和化学工業製、DHT
4A−2 酸化マグネシウム:協和化学工業製、キョウワマグ15
0 一酸化鉛:三井金属鉱業製リサージ オイル:出光興産社製、ダイアナプロセスオイルPW−
380 ハロゲン化樹脂架橋剤(ブロミネーティッド・アルキル
フェノール・ホルムアルデヒド樹脂):田岡化学社製、
タッキロール250−3 ポリプロピレン:日本ポリケム製ノバテックPP MG
05BS ポリエチレン:住友化学製、スミカセンα GZ802 ナイロン樹脂:東洋紡社製、T−802 SEPS系水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー:
クラレ社製、セプトン4055 SEPS系水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー組
成物:クラレ社製、セプトンCJ001
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】表1,2において、EPDMゴムの重量部
はオイルを含む重量部であり、実質的なゴム重量は記載
の数値の半分の数値である。また、SEPS系水素添加
スチレン系熱可塑性エラストマー組成物はSEPS系水
素添加スチレン系熱可塑性エラストマーを主成分にオイ
ル、ポリプロピレンが配合されているものである。
【0036】熱可塑性エラストマー組成物の作製は次の
ようにして行った。ゴムを二軸一軸押出機(モリヤマ製
2TR−75)を用いてφ4mm×4mmLの大きさに
ペレット化し、このペレットを表中のハロゲン化樹脂架
橋剤以外の他の添加剤と共にタンブラーで混合し、混合
物を二軸押出機(アイペック製HTM38)に投入する
一方、別の投入口よりハロゲン化樹脂架橋剤を投入し
て、混練を行い、リボン状(3mm厚×30mm幅)の
成形物を得、冷却後、2mmになるように両面をスライ
スして試験片を作製した。混練は180℃で200rpm
で行った。
【0037】上記作製した試験片にて、JIS K63
01に基づく特性試験と接触金属のサビ発生試験と耐オ
ゾン性試験を行った。 [JIS K6301の基づく特性試験]硬度(H
s)、引張破断時の伸び(Eb)、引張強度(Tb)、
圧縮永久歪み(CS)について行った。 Hs:スプリング式硬さ試験(A型)[deg] Eb:試験片ダンベルNO.3 [%] Tb:試験片ダンベルNO.3 [kg/cm2 ] CS:熱処理70℃×22hr×25%圧縮後、残留圧
縮歪を測定[%]
【0038】[接触金属のサビ発生試験]スラブ状ゴム
部品(試験片)に接触する金属面をショットブラストし
た後、該金属面をスラブ状ゴム部品に接触させ、ギアー
オーブンに2週間熱老化させた。その後、スラブ状ゴム
部品のみを取り出し、サンプルのみを7日間常温放置し
てサビの発生の有無を目視で確認した。
【0039】[耐オゾン性試験]スラブ状ゴム部品(試
験片)を10%伸張させた後、温度40℃、オゾン濃度
50pphmの条件下に試験片ダンベルNO.1を30
0時間放置して、クラックの発生の有無を目視で判断し
た。
【0040】以上の試験結果を表1、表2の下段に示し
た。
【0041】比較例1〜3は架橋反応活性剤として酸化
亜鉛を配合して、酸化亜鉛の配合量をそれぞれ変更して
いる。酸化亜鉛を少量使用した比較例1では架橋ゴムが
10μm以下の微粒子に分散し、組成物の物性、加工性
は問題ないが、ハロゲン化樹脂架橋剤から遊離するハロ
ゲンが組成物中に残留し、組成物を金属に接触させた場
合にその表面が腐食した。
【0042】酸化亜鉛を比較例1よりも増量した比較例
2、3は酸化亜鉛による架橋反応活性作用が強くなり過
ぎてゴムをポリプロピレン樹脂に微分散する前にゴムの
架橋反応が終了し、架橋ゴムの粒子径が大きくなって、
リボン状生成物表面に細かな凹凸を生じた。
【0043】比較例4は比較例1と同量の酸化亜鉛と共
に従来より受酸剤として知られているハイドロタルサイ
ト化合物を配合している。該比較例4では金属表面の腐
食を防止できたが、受酸剤であるハイドロタルサイト化
合物の強い受酸作用により、架橋反応が阻害されて、架
橋が十分に進行せず、ゴム粒子の粒子径が大きくなると
ともに、ゴムの未架橋成分が残留して、圧縮永久歪みが
大きくなった。
【0044】比較例5〜比較例7はハロゲン化樹脂架橋
剤と共に架橋反応活性剤として酸化マグネシウム、水酸
化カルシウム、一酸化鉛(リサージ)をそれぞれ配合し
ている。これらは酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ム、一酸化鉛(リサージ)が強い受酸作用を示すためか
比較例4と同様の結果であった。
【0045】実施例1〜実施例3は架橋反応活性剤とし
て炭酸亜鉛を配合して、炭酸亜鉛の配合量をそれぞれ変
更している。ゴム100重量部当たり炭酸亜鉛を0.5
重量部配合した実施例1、1重量部配合した実施例2、
10重量部配合した実施例3のいずれにおいても、架橋
ゴムが10μm以下の微粒子に分散し、組成物の物性、
加工性に問題はなく、組成物が接触する金属表面に錆は
発生しなかった。これら実施例に対して、比較例8は炭
酸亜鉛の配合量を0.1重量部まで減量したものであ
る。該比較例8では架橋ゴムは10μm以下の微粒子状
に分散していたが、炭酸亜鉛の配合量が少なすぎるた
め、組成物が接触する金型表面に錆が発生していた。ま
た、比較例9は炭酸亜鉛の配合量をゴム100重量部あ
たり12.0重量部まで増量したものである。該比較例
9では、架橋反応の活性化作用が強くなりすぎて、剪断
力でゴムを微分散する前に架橋反応が終了し、組成物中
の架橋ゴムの粒子径が30μmよりも大きくなり、リボ
ン状生成物表面に細かな凹凸を生じた。
【0046】実施例4〜実施例8は炭酸亜鉛の配合量を
ゴム100重量部当に対して5重量部とし、熱可塑性ポ
リマーの種類を変更したものである。実施例4はポリプ
ロピレン、実施例5はポリエチレン、実施例6は水素添
加SEPS組成物、実施例7はポリプロピレンと水素添
加SEPS組成物、実施例8はポリプロピレンと水素添
加SEPSを用いた。これらは、いずれも架橋ゴムが1
0μm以下の微粒子に分散し、組成物は良好な成形性と
機械的物性を示し、組成物が接触する金属表面に錆は発
生しなかった。
【0047】実施例9、比較例10はゴムをEPDMゴ
ムからEPDMゴムとSBRの混合物に変更した以外は
実施例4と同じに処方にしたもので、EPDMゴムとS
BRの重量比を50:50にした実施例9に対して、E
PDMゴムとSBRの重量比を25:75にした比較例
10では耐オゾン性が低下し、オゾンクラックの発生が
認められた。
【0048】(実験2)本実験では長期に亘って強く圧
縮した状態で使用される配管用継ぎ手を実際に成形し
て、配管用継ぎ手に好適なゴムと熱可塑性ポリマーの配
合比を検討した。すなわち、表3に示すように、上記実
験1の結果に基づいて架橋反応活性剤として炭酸亜鉛を
用い、ゴムと熱可塑性ポリマーの配合比を種々変更し、
混練によりゴムを動的架橋して、熱可塑性エラストマー
組成物(混練成形物)を作製し、該熱可塑性エラストマ
ー組成物をペレット化し、ペレットを射出成形して配管
用継ぎ手1〜3を得た。配管用継ぎ手1は、熱可塑性エ
ラストマー組成物中のゴムと熱可塑性ポリマー(ポリプ
ロピレンとSEPS組成物)の重量比を40:60と
し、配下用継ぎ手2は熱可塑性エラストマー組成物中の
ゴムと熱可塑性ポリマー(ポリプロピレンとSEPS組
成物)の重量比を35:65とし、配管用継ぎ手3は熱
可塑性エラストマー組成物中のゴムと熱可塑性ポリマー
(ポリプロピレンとSEPS)の重量比を10:90と
した。また、熱可塑性エラストマー組成物には柔軟性を
高めるためパラフィンオイルを添加した。いずれの熱可
塑性エラストマー組成物も架橋したゴム微粒子が10μ
m以下の粒子径で分散していた。
【0049】
【表3】
【0050】なお、表3に示す 硬度(Hs)、引張破
断時の伸び(Eb)、引張強度(Tb)、圧縮永久歪み
(CS)は配管用継ぎ手とは別に上記実験1と同様に熱
可塑性エラストマー組成物を押出成形し、該押出成形物
をスライスして作製した試験片により行った。
【0051】上記配管用継ぎ手1〜3は、図1に示し形
状とした。即ち、枝配管1の端部1aが内挿される大径
の円筒部3Aと、塩ビ配管2の端部2aが内挿される小
径の円筒部3Bと、これら円筒部3Aと円筒部3Bとを
傾斜壁により連結している連結部3Cとを備えた継ぎ手
3とした。円筒部3A及び円筒部3Bの大きさは配管の
太さに応じて決定するが、ここでは、円筒部3Aの外径
を450mm、円筒部3Bの外径を320mmとした。
また、円筒部3A、円筒部3B、連結部3Cの筒壁の肉
厚は同一で8mmとした。また、連結部3Cの傾斜角度
(α)は65°とした。
【0052】円筒部3A及び円筒部3Bの外周面には、
それぞれ、外周面の円周方向に互いに平行に形成した2
つの凸部4a、4bにより区画されて形成された締結バ
ンドの装着部4を設けた。また、円筒部3A及び円筒部
3Bの内周面には、それぞれ、上記締結バンドの装着部
4と対向する位置に円周方向に互いに平行に形成した複
数の凸部5を形成した。該凸部5は、締結バンドで第1
筒部3A及び第2筒部3Bを締め付けた時、枝配管1の
端部1aの外周面及び塩ビ配管2の端部2aの外周面に
変形を起こしながら密着し、管内に機密性を付与するた
めのものである。凸部5の高さは2mmとした。
【0053】成形した配管用継ぎ手は、締結バンドで配
管に取り付け、(常温度下で内圧0.5kg/cm2
24時間保った。)、その後、締結バンドを外して配管
から配管用継手を取り外し、配管への取り付け施工性、
配管から取り外した後の配管用継手の性状を観察した。
【0054】いずれの配管用継ぎ手も、熱可塑性エラス
トマー組成物の成形性に問題はなく、組成物が接触する
金型表面に錆は発生しなかった。配管用継ぎ手1、3と
も配管への取付施工性は良好で、しかも、取り外し後に
へたり(弾性及び伸縮性が劣化した状態)やクラックは認
められなかった。しかし、配管用継ぎ手2は組成物(試
験片)の圧縮永久歪みが35で大きかったため、配管用
継ぎ手の配管への取り付け施工性は問題なかったが、配
管から取り外した後に配管にへたりが生じ、長期間及び
繰り返しの使用において、良好な機密性を維持するには
満足できる性能ではなかった。よって、配管用継ぎ手を
成形する場合には、熱可塑性エラストマー組成物中にお
いてゴムの配合量を熱可塑性ポリマーとの重量比(ゴ
ム:熱可塑性ポリマー)で40:60以上にしてゴムを
比較的多めに配合しなければならないことが分かった。
【0055】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように、本発
明によれば、耐オゾン性に優れるとともに、可塑化しや
すく良好な成形性と機械的物性を示し、しかも、成形時
の金型の腐食も防止できるエラストマー組成物を得るこ
とができる。よって、該エラストマー組成物を成形し
て、例えば、配管への取付施工姓がよく、配管から取り
外した場合にへたりやクラックを発生しない配管用継ぎ
手を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の配管用継ぎ手の一具体例であり、
(A)は該継手により大径の配管と端部と小径の配管の
端部と連結している状態の断面図、(B)は図(A)の
継手の断面拡大図である。
【符号の説明】 1 円筒状枝配管 2 円筒状塩ビ配管 3 継手 3A 大径の円筒部 3B 小径の円筒部 3C 連結部 4 締結バンドの装着部 5 凸部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 EPDMゴムを50重量%以上含むゴム
    をハロゲン化樹脂架橋剤で動的架橋して熱可塑性ポリマ
    ーからなるマトリクスに分散せしめた熱可塑性エラスト
    マー組成物であって、 上記ハロゲン化樹脂架橋剤と共にゴム100重量部当た
    り0.5〜10重量部の炭酸亜鉛を添加して上記ゴムを
    動的架橋したことを特徴する熱可塑性エラストマー組成
    物。
  2. 【請求項2】 上記熱可塑性ポリマーがポリオレフィン
    系樹脂或いは/及び水素添加スチレン系熱可塑性エラス
    トマーからなる請求項1に記載の熱可塑性エラストマー
    組成物。
  3. 【請求項3】 上記ゴムと熱可塑性ポリマーとの重量比
    (ゴム:熱可塑性ポリマー)が20:80〜90:10
    の範囲にある請求項1又は請求項2に記載の熱可塑性エ
    ラストマー組成物。
  4. 【請求項4】 上記ゴムと熱可塑性ポリマーとの重量比
    (ゴム:熱可塑性ポリマー)が40:60〜90:10
    の範囲にある請求項1又は請求項2に記載の熱可塑性エ
    ラストマー組成物を形成してなる、熱可塑性エラストマ
    ー組成物を用いた配管用継ぎ手。
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