JP2002201320A - 熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法

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JP2002201320A
JP2002201320A JP2000403062A JP2000403062A JP2002201320A JP 2002201320 A JP2002201320 A JP 2002201320A JP 2000403062 A JP2000403062 A JP 2000403062A JP 2000403062 A JP2000403062 A JP 2000403062A JP 2002201320 A JP2002201320 A JP 2002201320A
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明彦 森川
Minoru Maeda
稔 前田
Hideo Nakanishi
英雄 中西
Kentarou Kanae
健太郎 鼎
Takahiro Okamoto
隆浩 岡本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期摺動性、耐久摺動性、熱融着性及び成形
加工性に優れ、成形体の成形外観及び触感が良好な熱可
塑性エラストマー組成物及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム
と、鉱物油系軟化剤と、α−オレフィン系結晶性熱可塑
性樹脂及び/又はα−オレフィン系非晶質熱可塑性樹脂
で構成されるα−オレフィン系熱可塑性樹脂と、からな
るベースポリマーに対し、JIS K2283で規定さ
れる25℃における粘度が10000cSt未満である
未変性オルガノポリシロキサンと、粘度が10000c
St以上である未変性オルガノポリシロキサンと、変性
オルガノポリシロキサンと、を含有する樹脂・ゴム組成
物を架橋剤の存在下で動的に熱処理してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の所属する技術分野】本発明は、熱可塑性エラス
トマー組成物及びその製造方法に関し、更に詳しくは、
初期摺動性、耐久摺動性、耐磨耗性、熱融着性及び成形
加工性に優れ、成形品の成形外観及び触感が良好な熱可
塑性エラストマー組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン系共重合ゴムとオレフィン系樹
脂を架橋剤の存在下で動的に架橋することによって得ら
れる熱可塑性エラストマーは、柔軟性があり、ゴム的性
質に優れているうえ、加硫工程が不要であるため、通常
の熱可塑性樹脂の成形方法である射出成形、異形押出成
形、カレンダー加工、ブロー成形等により成形品を得る
ことができる。そのため、近年、省エネルギー、省資
源、リサイクルといった観点から自動車部品、工業用
品、電気電子部品、建材等に加硫ゴムや塩化ビニル樹脂
の代替材用途として需要が拡大している。しかし、グラ
スランチャンネル、ウィンドモール等の自動車用部品で
は窓ガラスに対する摺動性が悪く耐久性に劣る等問題点
は多い。
【0003】この摺動性改善のために、特開2000−
26668号公報では、オレフィン系熱可塑性エラスト
マーにオルガノポリシロキサンと脂肪族アミドを添加し
たオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物が開示さ
れ、特開2000−143884号公報では、オレフィ
ン系熱可塑性エラストマーにアクリル変性オルガノポリ
シリキサンと、高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸アミド
を併用したオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物が
開示されているが、いずれも摺動性は不十分であり、ま
た、脂肪酸アミドがブリードアウトするため外観不良を
起こす問題点がある。更に、特開2000−95900
0号公報では、オレフィン系熱可塑性エラストマーに、
粘度10〜106cSt未満のオルガノポリシロキサ
ン、粘度106〜108cStのオルガノポリシロキサン
及びフッ素ポリマーを併用添加したオレフィン系熱可塑
性エラストマー組成物が開示されているが、オリガノポ
リシロキサンを多量配合するため摺動性は良好だが、オ
ルガノポリシロキサンは、オレフィン系熱可塑性エラス
トマーとの相溶性が悪いためブリードアウトし、表面を
触った時にぬめり感があり好ましくないという問題点が
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みてなされたものであり、初期摺動性、耐久摺動性、
耐磨耗性、熱融着性及び成形加工性に優れ、成形品の成
形外観及び触感が良好な熱可塑性エラストマー組成物及
びその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の熱可塑性
エラストマー組成物は、エチレン・α−オレフィン系共
重合ゴム(A)20〜69質量部と、鉱物油系軟化剤
(B1)20〜79質量部と、α−オレフィン系結晶性
熱可塑性樹脂(c1)及び/又はα−オレフィン系非晶
質熱可塑性樹脂(c2)で構成されるα−オレフィン系
熱可塑性樹脂(C)1〜50質量部と、からなるベース
ポリマー(D1)を100質量部とした場合、JIS
K2283で規定される25℃における粘度が1000
0cSt未満である未変性オルガノポリシロキサン(E
1)1〜10質量部と、粘度が10000cSt以上で
ある未変性オルガノポリシロキサン(F1)1〜10質
量部と、変性オルガノポリシロキサン(G)0.2〜2
0質量部と、を含有する樹脂・ゴム組成物(H1)を架
橋剤の存在下で動的に熱処理してなることを特徴とす
る。
【0006】上記「エチレン・α−オレフィン系共重合
ゴム(A)」(以下、単に「共重合ゴム(A)」ともい
う)は、エチレンと、エチレンを除くα−オレフィンと
を主構成単位とする共重合ゴムである。この共重合ゴム
全体を100モル%とした場合に、エチレン及びα−オ
レフィンを90モル%以上含有することが好ましい。
【0007】この共重合ゴム(A)を構成するα−オレ
フィンとしては、プロペン(以下「プロピレン」とい
う。)、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−
ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4
−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、
1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン等の炭素数
3〜12のα−オレフィンが挙げられ、1種単独である
いは2種以上を混合して用いることができる。これらの
うち、プロピレン及び/又は1−ブテンが好ましく用い
られる。
【0008】更に、その他の構成単位として、非共役ジ
エンを用いることができる。この非共役ジエンとして
は、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、
1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9
−デカジエン、3,6−ジメチル−1,7−オクタジエ
ン、4,5−ジメチル−1,7−オクタジエン、5−メ
チル−1,8−ノナジエン、ジシクロペンタジエン、5
−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノ
ルボルネン、2,5−ノルボルナジエン等が挙げられ、
特にジシクロペンタジエン及び/又は5−エチリデン−
2−ノルボルネンが好ましく用いられる。
【0009】即ち、共重合ゴム(A)としては、エチレ
ン/α−オレフィン二元共重合体、エチレン/α−オレ
フィン/非共役ジエン三元共重合体等が好ましく用いら
れる。上記エチレン/α−オレフィン二元共重合体とし
ては、エチレン/プロピレン二元共重合体(以下、単に
「EPM」という)及びエチレン/1−ブテン二元共重
合体(以下、単に「EBM」という)が特に好ましく用
いられる。更に、EPM及びEBMのエチレン含量は、
二元共重合体全体を100モル%とした場合に50〜9
5モル%(より好ましくは60〜90モル%)であるこ
とが好ましい。
【0010】また、上記エチレン/α−オレフィン/非
共役ジエン三元共重合体としては、エチレン/プロピレ
ン/ジシクロペンタジエン三元共重合体、エチレン/プ
ロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン三元共重
合体、エチレン/1−ブテン/ジシクロペンタジエン三
元共重合体、及びエチレン/1−ブテン/5−エチリデ
ン−2−ノルボルネン三元共重合体が特に好ましく用い
られる。この三元共重合体におけるエチレン含量は、エ
チレン単位と、プロピレン又は1−ブテン単位の合計を
100モル%とした場合に50〜95モル%(より好ま
しくは60〜90モル%)であることが好ましい。更
に、ジシクロペンタジエン又は5−エチリデン−2−ノ
ルボルネン含量は、エチレン単位と、プロピレン又は1
−ブテン単位の合計を100モル%とした場合に、3〜
10モル%(より好ましくは3〜8モル%)であること
が好ましい。
【0011】上記二元共重合体及び上記三元共重合体の
エチレン含量が50モル%未満であると架橋効率が低下
する傾向(特に、架橋剤として有機過酸化物を使用した
場合)にあり、十分な目的の物性が得られにくくなる。
一方、エチレン含量が95モル%を超える場合は、共重
合ゴム(A)の柔軟性が低下する傾向があり好ましくな
い。
【0012】本発明においては、共重合ゴム(A)とし
て、上記二元共重合体及び上記三元共重合体等のほか、
これらの重合体の有する水素原子の一部が塩素原子、臭
素原子等のハロゲン原子に置換されているハロゲン化共
重合体や、塩化ビニル、酢酸ビニル、(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリル酸の誘導体〔(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アク
リルアミド等〕、マレイン酸、マレイン酸の誘導体(無
水マレイン酸、マレイミド、マレイン酸ジメチル等)、
共役ジエン(ブタジエン、イソプレン、クロロプレン
等)等の不飽和モノマーを上記二元共重合体、上記三元
共重合体及びハロゲン化共重合体等に対してグラフト重
合したグラフト共重合体等を用いることもできる。これ
らの共重合体は1種単独であるいは2種以上を併用する
ことができる。
【0013】また、上記共重合ゴム(A)は、請求項3
に示すように、デカリン溶媒中135℃で測定した場合
の極限粘度〔η〕が3.5〜6.8dl/g(より好ま
しくは4.3〜6.0dl/g)である。この極限粘度
が3.5dl/g未満であると弾性回復性が低下する傾
向にあり、一方、6.8dl/gを超えると成形時の加
工性が低下する傾向にあり好ましくない。更に、上記共
重合ゴム(A)のX線回折測定による結晶化度は20%
以下(より好ましくは15%以下)であることが好まし
い。結晶化度が20%を超える場合は共重合ゴムの柔軟
性が低下する傾向があり好ましくない。また、上記共重
合ゴム(A)がエチレン/α−オレフィン/非共役ジエ
ン三元共重合体である場合、よう素価は5〜30(より
好ましくは7〜20)であることが好ましい。
【0014】上記共重合ゴム(A)は、例えば、チーグ
ラー・ナッタ触媒と、可溶性バナジウム化合物と、有機
アルミニウム化合物とを含む溶媒からなる触媒の存在下
で、エチレン、α−オレフィン及び非共役ジエンを、必
要に応じて分子量調節剤として水素を供給しつつ重合す
る方法等の、中・低圧法による重合方法により得ること
ができる。また、その重合は気相法(流動床又は攪拌
床)、液相法(スラリー法又は溶液法)によって行うこ
とができる。
【0015】上記可溶性バナジウム化合物としては、例
えば、VOCl3及びVCl4の少なくとも一方とアルコ
ールとの反応生成物を用いることが好ましい。アルコー
ルとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタ
ノール、t−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オク
タノール、2−エチルヘキサノール、n−デカノール及
びn−ドデカノール等を用いることができるが、これら
のうち、炭素数3〜8のアルコールが好ましく用いられ
る。
【0016】また、上記有機アルミニウム化合物として
は、例えば、トリエチルアルミニウム、トリイソブチル
アルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、ジエ
チルアルミニウムモノクロリド、ジイソブチルアルミニ
ウムモノクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリ
ド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミ
ニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジクロリド、ト
リメチルアルミニウムと水との反応生成物であるメチル
アルミノキサン等が挙げられる。これらのうち、特にエ
チルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウム
セスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリドと
トリイソブチルアルミニウムとの混合物、トリイソブチ
ルアルミニウムとブチルアルミニウムセスキクロリドと
の混合物が好ましく用いられる。更に、上記溶媒として
は、炭化水素が好ましく用いられ、これらのうち、特に
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オク
タン、イソオクタン、シクロヘキサンが好ましく用いら
れる。これらは1種単独であるいは2種以上を併用する
ことができる。
【0017】尚、この共重合ゴム(A)には、植物油
(やし油等)、脂肪酸と高級アルコールとのエステル類
(フタル酸ジエステル類等)、リン酸トリエステル類、
鉱物油(パラフィン系鉱物油、ナフテン系鉱物油、芳香
族系鉱物油)等が含有されていてもよい。
【0018】上記「鉱物油系軟化剤(B1)」は、特に
限定されないが、ナフテン油、パラフィン油、芳香族系
鉱物油等が挙げられ、特に、ナフテン油及び/又はパラ
フィン油が好ましく用いられる。
【0019】上記α−オレフィン系熱可塑性樹脂(C)
のうち、上記「α−オレフィン系結晶性熱可塑性樹脂
(c1)」(以下、単に「結晶質重合体(c1)」とも
いう)は、α−オレフィンを主成分とする。即ち、上記
結晶質重合体(c1)全体を100質量%とした場合
に、α−オレフィンを80質量%以上(より好ましくは
90質量%以上)含有することが好ましい。上記結晶質
重合体(c1)はα−オレフィンの単独重合体であって
も、2種以上のα−オレフィンの共重合体であっても、
α−オレフィンではない単量体との共重合体であっても
よい。また、これらの異なる2種以上の重合体及び/又
は共重合体の混合物であってもよい。
【0020】上記結晶質重合体(c1)を構成するα−
オレフィンとしては、炭素数3以上のα−オレフィンを
用いることが好ましく、上記共重合ゴムにおけると同様
な炭素数3〜12のα−オレフィンを用いることがより
好ましい。尚、エチレンとの共重合体である場合は、こ
の共重合体全体を100モル%とした場合に、エチレン
含量は40モル%以下(より好ましくは20モル%以
下)であることが好ましい。
【0021】上記結晶質重合体(c1)を構成する重合
体が、共重合体である場合、この共重合体はランダム共
重合体及びブロック共重合体のいずれであってもよい。
但し、下記の結晶化度を得るためにランダム共重合体で
はα−オレフィンを除く構成単位の合計含量を、ランダ
ム共重合体全体を100モル%とした場合に15モル%
以下(より好ましくは10モル%以下)とすることが好
ましい。また、ブロック共重合体ではα−オレフィンを
除く構成単位の合計含量を、ブロック共重合体全体を1
00モル%とした場合に40モル%以下(より好ましく
は20モル%以下)とすることが好ましい。尚、このよ
うなランダム共重合体は、例えば上記共重合ゴム(A)
と同様な方法により得ることができる。また、このよう
なブロック共重合体は、チーグラー・ナッタ触媒を用い
るリビング重合により得ることができる。
【0022】また、上記結晶質重合体(c1)は結晶性
を有する。この結晶性は、X線回折測定による結晶化度
で50%以上(より好ましくは53%以上、更に好まし
くは55%以上)であることが好ましい。また、この結
晶化度は密度と密接に関係している。例えば、ポリプロ
ピレンの場合、α型結晶(単斜晶形)の密度は0.93
6g/cm3、スメチカ型微結晶(擬六方晶形)の密度
は0.886g/cm3、非晶質(アタクチック)成分
の密度は0.850g/cm3である。更に、ポリ−1
−ブテンの場合、アイソタクチック結晶の密度は0.9
1g/cm3、非晶質(アタクチック)成分の密度は
0.87g/cm3である。従って、結晶化度が50%
以上の結晶質重合体(c1)を得ようとすると、密度は
0.89g/cm3以上(より好ましくは0.90〜
0.94g/cm3)とすることが好ましい。この結晶
化度が50%未満、密度が0.89g/cm3未満であ
ると、耐熱性、強度等が低下する傾向にある。
【0023】更に、上記結晶質重合体(c1)の示差走
査熱量測定法による最大ピーク温度、即ち融点(以下、
単に「Tm」という)は100℃以上(より好ましくは
120℃以上)であることが好ましい。Tmが100℃
未満では十分な耐熱性及び強度が発揮されない傾向にあ
る。また、Tmは構成される単量体により異なるが12
0℃以上であることが好ましい。また、メルトフローレ
ート(温度230℃、荷重2.16kgにおける)(以
下、単に「MFR」という)は0.1〜100g/10
分(より好ましくは0.5〜80g/10分)であるこ
とが好ましい。MFRが0.1g/10分未満ではエラ
ストマー組成物の混練加工性、押出加工性等が不十分と
なる傾向にある。一方、100g/10分を超えると強
度が低下する傾向にある。
【0024】従って、上記結晶質重合体(c1)として
は、結晶化度が50%以上、密度が0.89g/cm3
以上であり、エチレン単位の含有量が20モル%以下で
あり、Tmが100℃以上であり、MFRが0.1〜1
00g/10分であり、融点が140〜170℃である
ポリプロピレン及び/又はプロピレンと、エチレンとの
共重合体を用いることが特に好ましい。
【0025】上記α−オレフィン系熱可塑性樹脂(C)
のうち、上記「α−オレフィン系非晶質熱可塑性樹脂」
(以下、単に「非晶質重合体(c2)」ともいう。)
は、α−オレフィンを主成分とする。即ち、上記非晶質
重合体(c2)全体を100モル%とした場合に、α−
オレフィンを50モル%以上(より好ましくは60モル
%以上)含有することが好ましい。上記非晶質重合体
(c2)はα−オレフィンの単独重合体であっても、2
種以上のα−オレフィンの共重合体であっても、α−オ
レフィンではない単量体との共重合体であってもよい。
また、これらの異なる2種以上の重合体及び/又は共重
合体の混合物であってもよい。上記非晶質重合体(c
2)を構成するα−オレフィンとしては、炭素数3以上
のα−オレフィンを用いることが好ましく、上記共重合
ゴム(A)における例示と同様な炭素数3〜12のα−
オレフィンを用いることがより好ましい。
【0026】上記非晶質重合体(c2)としては、アタ
クチックポリプロピレン、アタクチックポリ−1−ブテ
ン等の単独重合体や、プロピレン(50モル%以上含
有)と他のα−オレフィン(エチレン、1−ブテン、1
−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−オクテン、1−デセン等)との共重合体、1−
ブテン(50モル%以上含有)と他のα−オレフィン
(エチレン、プロピレン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デ
セン等)との共重合体等が挙げられる。
【0027】上記非晶質重合体(c2)を構成する重合
体が、共重合体である場合、この共重合体はランダム共
重合体及びブロック共重合体のいずれであってもよい。
但し、ブロック共重合体の場合、主成分となる(上記共
重合体ではプロピレン、1−ブテン)α−オレフィン単
位はアタクチック構造で結合している必要がある。ま
た、上記非晶質共重合体(c2)が炭素数3以上のα−
オレフィンとエチレンとの共重合体である場合、共重合
体全体を100モル%とするとα−オレフィン含量は好
ましくは50モル%以上(より好ましくは60〜100
モル%)である。
【0028】上記非晶質重合体(c2)としては、アタ
クチックポリプロピレン(プロピレン含量50モル%以
上)、プロピレン(50モル%以上含有)とエチレンと
の共重合体、プロピレンと1−ブテンとの共重合体を用
いることが特に好ましい。尚、このアタクチックポリプ
ロピレンは、上記結晶質重合体(c1)として用いるこ
とができるポリプロピレンの副生成物として得ることが
できる。また、アタクチックポリプロピレン及びアタク
チックポリ−1−ブテンは、ジルコノセン化合物−メチ
ルアルミノキサン触媒を用いる重合によっても得ること
ができる。更に、上記ランダム共重合体は、上記共重合
ゴム(A)と同様な方法により得ることができる。ま
た、上記ブロック共重合体は、チーグラー・ナッタ触媒
を用いるリビング重合により得ることができる。
【0029】また、上記非晶質重合体(c2)は190
℃における溶融粘度が50000cps以下(より好ま
しくは100〜30000cps、更に好ましくは20
0〜20000cps)である。この粘度が50000
cpsを超えると被着体との接着強度が低下する傾向に
ある。更に、X線回折測定による結晶化度は、好ましく
は50%未満(より好ましくは30%以下、更に好まし
くは20%以下)である。この結晶化度は前記と同様に
密度と密接に関係しており、0.85〜0.89g/c
3(より好ましくは0.85〜0.88g/cm3)で
あることが好ましい。更に、この非晶質重合体(c2)
の数平均分子量Mnは1000〜20000(より好ま
しくは1500〜15000)であることが好ましい。
溶融粘度が50000cpsを超える場合、結晶化度が
50%を超える場合、密度が0.89g/cm3を超え
る場合は、最終的に得られる熱可塑性エラストマー組成
物を加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーと射出融着する
場合に、被着体との接着強度が低下する傾向にある。
【0030】上記α−オレフィン系熱可塑性樹脂(C)
は、α−オレフィン系結晶性熱可塑性樹脂(c1)とα
−オレフィン系非晶質熱可塑性樹脂(c2)の両方を用
いてもよいし、いずれか一方のみを用いてもよい。
【0031】請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成
物に係わる上記べースポリマー(D1)は、上記共重合
ゴム(A)、上記鉱物油系軟化剤(B1)、上記α−オ
レフィン系熱可塑性樹脂(C)を含有する。これらの合
計を100質量部とした場合、上記共重合ゴム(A)を
20〜69質量部(好ましくは23〜65質量部、より
好ましくは25〜60質量部)、上記鉱物油系軟化剤
(B1)を20〜79質量部(好ましくは25〜75質
量部、より好ましくは25〜70質量部)、上記α−オ
レフィン系熱可塑性樹脂(C)を1〜50質量部(好ま
しくは2〜45質量部、より好ましくは5〜40質量
部)を含有する。
【0032】上記共重合ゴム(A)の配合量が20質量
部未満であると、得られる熱可塑性エラストマーの柔軟
性が低下する傾向にある。一方、上記共重合ゴム(A)
の配合量が69質量部を超えると、架橋剤の存在下で熱
処理して得られた熱可塑性エラストマー組成物の流動性
が低下し、成形加工性が著しく悪化する。鉱物油系軟化
剤(B1)の配合量が20質量部未満では、得られる熱
可塑性エラストマーの流動性が低下する傾向にある。一
方、鉱物油系軟化剤(B1)の配合量が79質量部を超
えると、混練機内でエチレン・α−オレフィン系共重合
ゴムとα−オレフィン系熱可塑性樹脂(C)との分散不
良を起こす傾向にあるうえ、最終的に得られる本発明の
熱可塑性エラストマー組成物のゴム弾性が悪化する。
【0033】α−オレフィン系熱可塑性樹脂(C)の配
合量が1質量部未満であると、架橋剤の存在下で熱処理
した場合、最終的に得られる熱可塑性エラストマー組成
物の相構造(モルフォロジー)が良好な海島構造〔α−
オレフィン系熱可塑性樹脂が海(マトリックス)、架橋
ゴムが島(ドメイン)〕にならず、成形加工性及び機械
的特性が悪化する。一方、α−オレフィン系熱可塑性樹
脂(C)の配合量が50質量部を超えると得られる熱可
塑性エラストマーの柔軟性とゴム弾性が低下し好ましく
ない。α−オレフィン系結晶性熱可塑性樹脂(c1)と
α−オレフィン系非晶質熱可塑性樹脂(c2)は、どち
らか一方をあるいは両方を混合して使用してもよい。
【0034】請求項1において、上記(E1)及び(F
1)で表される上記未変性オルガノポリシロキサンとし
ては、特に限定されない。上記未変性オルガノポリシロ
キサンの例としては、ジメチルポリシロキサン、メチル
フェニルポリシロキサン、フルオロポリシロキサン、テ
トラメチルテトラフェニルポリシロキサン、メチルハイ
ドロジエンポリシロキサン等が挙げられ、これらのう
ち、ジメチルポリシロキサンが好ましく用いられる。ま
た、上記未変性オルガノポリシロキサン(E1)及び上
記未変性オルガノポリシロキサン(F1)は同じ化合物
でもよいし、異なったものの組み合わせでもよい。
【0035】上記未変性オルガノポリシロキサン(E
1)は、JIS K2283で規定される25℃におけ
る粘度が10000cSt未満であり、好ましくは70
00cSt未満、より好ましくは5000cSt未満で
ある。また、上記未変性オルガノポリシロキサン(E
1)の配合量は、熱可塑性エラストマー組成物のべース
ポリマー(D1)100質量部に対して1〜10質量
部、好ましくは1〜8質量部、より好ましくは1〜5質
量部である。尚、JISK2283で規定される25℃
における粘度が10000cSt未満の未変性オルガノ
ポリシロキサン(E1)を単独で使用すると、この未変
性オルガノポリシロキサンがブリードアウトする原因と
なる。
【0036】上記未変性オルガノポリシロキサン(F
1)は、JIS K2283で規定される25℃におけ
る粘度が10000cSt以上であり、好ましくは10
000〜1000000cSt、より好ましくは100
00〜100000cStである。上記未変性オルガノ
ポリシリキサン(F1)の配合量は、上記べースポリマ
ー(D1)100質量部に対して1〜10質量部、好ま
しくは1〜8質量部である。尚、JIS K2283で
規定される25℃における粘度が10000cSt以上
の未変性オルガノポリシロキサン(F1)を単独で使用
すると、摺動性が不足する傾向を示し、好ましくない。
【0037】JIS K2283で規定される25℃に
おける粘度が10000cSt未満の上記未変性オルガ
ノポリシロキサン(E1)と10000cSt以上の上
記未変性オルガノポリシロキサン(F1)を併用するこ
とで摺動性が著しく向上する。これらの配合量の組み合
わせとしては、好ましくは上記(E1)が1〜10質量
部、上記(F1)が1〜10質量部、より好ましくは上
記(E1)が1〜5質量部、上記(F1)が1〜5質量
部である。
【0038】請求項1において、上記変性オルガノポリ
シロキサン(G)としては、オルガノポリシロキサンに
官能基で化学修飾してあるものであれば特に限定され
ず、例えば、アクリル変性、エポキシ変性、アルキル変
性、アミノ変性、カルボキシル変性、アルコール変性、
フッ素変性、アルキルアラルポリエーテル変性、エポキ
シポリエーテル変性等が挙げられる。これらのうち、ア
クリル変性のオルガノポリシロキサンが好ましく用いら
れ、オルガノポリシロキサンにアクリル酸エステル又は
アクリル酸と共重合可能な単量体との混合物をグラフト
重合させたものであることが好ましい。
【0039】オルガノポリシロキサンにグラフト重合が
可能なアクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ペンチル、
アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、
アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル等のアクリ
ル酸アルキル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸
ブトキシエチル等のアクリル酸アルコキシアルキル、ア
クリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリ
ル酸ベンジル等が挙げられ、これらは1種単独であるい
は2種以上を混合して使用することができる。また、ア
クリル酸エステルと共重合可能な単量体としては、例え
ば(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)
アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等のヒドロキシル基
含有不飽和単量体等が挙げられる。これらは1種単独で
あるいは2種以上を混合して使用することができる。
【0040】グラフト重合に際し、オルガノポリシロキ
サンとアクリル酸エステル又はアクリル酸エステルと共
重合可能な単量体との重合割合は、質量比で好ましくは
〔オルガノポリシロキサン/アクリル酸エステル又はア
クリル酸エステルと共重合可能な単量体〕=9/1〜1
/9、より好ましくは8/2〜2/8である。アクリル
変性オルガノポリシロキサンとしては、信越化学工業社
製の商品名「X−22−8171」や日信化学工業社製
「シャリーヌR−2」等がある。
【0041】上記変性オルガノポリシロキサン(G)の
含有量は、上記べースポリマー(D1)を100質量部
とした場合、0.2〜20質量部であり、好ましくは
0.5〜15質量部、より好ましくは1〜10質量部で
ある。この変性オルガノポリシロキサンは、摺動性を付
与する効果よりも、熱可塑性エラストマー組成物のべー
スポリマー(D1)と未変性オルガノポリシロキサン
(E1)及び(F1)との相溶化剤として機能する。そ
のため、上記変性オルガノポリシロキサン(G)の配合
量が0.2質量部未満では、相溶化が上手くいかず、混
練機中で上記未変性オルガノポリシロキサン(E1)及
び(F1)と、べースポリマー(D1)との分散不良が
起こったり、押出成形や射出成形等の成形加工性が悪化
する傾向にある。一方、20質量部を超えると柔軟性や
物性が低下する傾向にある。
【0042】請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成
物は、上記(A)〜(G)を含有する樹脂・ゴム組成物
(H1)を架橋剤の存在下で動的に熱処理することによ
り得られる。ここで用いられる架橋剤としては特に限定
されないが、動的熱処理により、上記共重合ゴム(A)
を架橋できるものであれば特に限定されない。この架橋
剤としては、例えば、有機過酸化物、フェノール系架橋
剤、硫黄、硫黄化合物、p−キノン、p−キノンジオキ
シムの誘導体、ビスマレイミド化合物、エポキシ化合
物、シラン化合物及びアミノ樹脂等を挙げることがで
き、特に有機過酸化物及びフェノール系架橋剤が好まし
く用いられる。
【0043】上記有機過酸化物としては、1,3−ビス
(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,
5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)
ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−
ブチルパーオキシ)ヘキセン−3、2,5−ジメチル−
2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,
2’−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−イソプロピ
ルベンゼン、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパ
ーオキシド、t−ブチルパーオキシド、p−メンタンパ
ーオキシド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジラウロイル
パーオキシド、ジアセチルパーオキシド、t−ブチルパ
ーオキシベンゾエート、2,4−ジクロロベンゾイルパ
ーオキシド、p−クロロベンゾイルパーオキシド、ベン
ゾイルパーオキシド、ジ(t−ブチルパーオキシ)パー
ベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチル
パーオキシ)バレレート、t−ブチルパーオキシイソプ
ロピルカーボネート等が挙げられる。これらのうち、
1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベ
ンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等の分解温度が比
較的高いものが好ましく用いられる。尚、これらの有機
過酸化物は1種単独であるいは2種以上を混合して用い
ることができる。
【0044】更に、架橋剤として有機過酸化物を用いる
場合は、架橋助剤と併用することにより架橋反応を穏や
かに行うことができ、特に均一な架橋を形成することが
できる。この架橋助剤としては、硫黄又は硫黄化合物
(粉末硫黄、コロイド硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄、表
面処理硫黄、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィ
ド等)、オキシム化合物(p−キノンオキシム、p,
p’−ジベンゾイルキノンオキシム等)、多官能性モノ
マー類(エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレー
ト、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレー
ト、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,
N’−トルイレンビスマレイミド、無水マレイン酸、ジ
ビニルベンゼン、ジ(メタ)アクリル酸亜鉛等)等が挙
げられる。これらのうち、特に、p,p’−ジベンゾイ
ルキノンオキシム、N,N’−m−フェニレンビスマレ
イミド、ジビニルベンゼンが好ましく用いられる。これ
らの架橋助剤は1種単独であるいは2種以上を混合して
用いることができる。尚、架橋助剤のうち、N,N’−
m−フェニレンビスマレイミドは、架橋剤としての作用
を有するため、架橋剤として使用することもできる。
【0045】架橋剤として有機過酸化物を使用する場合
は、その使用量は、上記べースポリマー(D1)100
質量部に対して好ましくは0.05〜10質量部、より
好ましくは0.1〜5質量部とすることができる。有機
過酸化物の使用量が0.05質量部未満であると、架橋
度が不足し最終的に得られる熱可塑性エラストマー組成
物のゴム弾性及び機械的強度が低下する恐れがある。一
方、10質量部を超えると、架橋度が過度に高くなり、
成形加工性が悪化したり、機械的物性が低下する傾向に
ある。また、架橋剤として有機過酸化物を使用する場合
の架橋助剤の使用量は、上記べースポリマー(D1)1
00質量部に対して好ましくは10質量部以下、より好
ましくは0.2〜5質量部とすることができる。架橋助
剤の使用量が10質量部を超えると、架橋度が過度に高
くなり、成形加工性が悪化したり、機械的物性が低下す
る傾向にある。
【0046】また、架橋剤のうちフェノール系架橋剤と
しては、例えば、下記一般式(I)で示されるp−置換
フェノール系化合物、o−置換フェノール−アルデヒド
縮合物、m−置換フェノール−アルデヒド縮合物、臭素
化アルキルフェノール−アルデヒド縮合物等が挙げられ
るが、特にp−置換フェノール系化合物が好ましく用い
られる。
【0047】
【化1】
【0048】尚、nは0〜10の整数であり、Xはヒド
ロキシル基、ハロゲン化アルキル基及びハロゲン原子の
少なくともいずれかであり、Rは炭素数1〜15の飽和
炭化水素基である。
【0049】尚、p−置換フェノール系化合物は、アル
カリ触媒の存在下においてp−置換フェノールとアルデ
ヒド(好ましくはホルムアルデヒド)との縮合反応によ
り得られる。架橋剤として、フェノール系架橋剤を用い
る場合は、上記べースポリマー(D1)100質量部に
対して好ましくは0.2〜10質量部、より好ましくは
0.5〜5質量部とすることができる。フェノール系架
橋剤の使用量が0.2質量部未満であると、射出融着時
の接着性及び射出融着により得られる成形体の弾性回復
性が低下する傾向にある。一方、10質量部を超える
と、熱可塑性エラストマー組成物の押出加工性及び射出
加工性等が低下する傾向にある。
【0050】これらのフェノール系架橋剤は単独でも使
用できるが、架橋速度を調節するため、架橋促進剤を併
用することができる。この架橋促進剤としては、金属ハ
ロゲン化物(塩化第一すず、塩化第二鉄等)、有機ハロ
ゲン化物(塩素化ポリプロピレン、臭化ブチルゴム、ク
ロロプレンゴム等)等が挙げられる。また、架橋促進剤
の他、更に、酸化亜鉛等の金属酸化物やステアリン酸等
の分散剤を併用することがより望ましい。
【0051】請求項2記載の熱可塑性エラストマー組成
物は、エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム(A)3
0〜70質量%及び鉱物油系軟化剤(B2)30〜70
質量%〔但し、(A)+(B2)=100質量%〕から
なる油展ゴム(X)30〜99質量部と、鉱物油系軟化
剤(B1)0〜50質量部と、α−オレフィン系結晶性
熱可塑性樹脂(c1)及び/又はα−オレフィン系非晶
質熱可塑性樹脂(c2)で構成されるα−オレフィン系
熱可塑性樹脂(C)1〜50質量部と、からなるベース
ポリマー(D2)を100質量部とした場合、JIS
K2283で規定される25℃における粘度が1000
0cSt未満である未変性オルガノポリシロキサン(E
1)1〜10質量部と、粘度が10000cSt以上で
ある未変性オルガノポリシロキサン(F1)1〜10質
量部と、変性オルガノポリシロキサン(G)0.2〜2
0質量部と、を混合して得られる樹脂・ゴム組成物(H
2)を架橋剤の存在下で動的に熱処理してなることを特
徴とする。
【0052】上記油展ゴム(X)は、上記共重合ゴム
(A)と上記鉱物油系軟化剤(B2)からなる。上記油
展ゴム(X)を構成する上記共重合ゴム(A)と上記鉱
物油系軟化剤(B2)の配合量の組み合わせは、好まし
くは上記成分(A)が35〜65質量%、上記成分(B
2)が35〜65質量%、より好ましくは上記成分
(A)が40〜60質量%、上記成分(B2)が40〜
60質量%である。上記成分(A)の配合量が30質量
%未満であるかあるいは上記成分(B2)の配合量が7
0質量%を超えると最終的に得られる熱可塑性エラスト
マー組成物から軟化剤がブリードアウトしたり、機械的
物性及びゴム弾性が低下する傾向にある。一方、上記成
分(A)の配合量が70質量%を超えるかあるいは上記
成分(B2)の配合量が30質量%未満では最終的に得
られる熱可塑性エラストマー組成物の成形加工性が低下
する傾向にある。尚、上記エチレン・α−オレフィン系
共重合ゴム(A)と上記鉱物油系軟化剤(B2)として
は前記に例示したものを用いることができる。
【0053】上記共重合ゴム(A)は、請求項3に示す
ように、デカリン溶媒中135℃で測定した場合の極限
粘度〔η〕が3.5〜6.8dl/g(より好ましくは
4.3〜6.0dl/g)である。この極限粘度が3.
5dl/g未満であると弾性回復性が低下する傾向にあ
り、一方、6.8dl/gを超えると成形時の加工性が
低下する傾向にあり好ましくない。更に、上記共重合ゴ
ム(A)のX線回折測定による結晶化度は20%以下
(より好ましくは15%以下)であることが好ましい。
結晶化度が20%を超える場合は共重合ゴムの柔軟性が
低下する傾向があり好ましくない。また、上記共重合ゴ
ム(A)がエチレン/α−オレフィン/非共役ジエン三
元共重合体である場合、よう素価は5〜30(より好ま
しくは7〜20)であることが好ましい。
【0054】請求項2記載の熱可塑性エラストマー組成
物に係わる上記ベースポリマー(D2)は、上記油展ゴ
ム(X)、必要に応じて鉱物油系軟化剤(B1)、上記
α−オレフィン系熱可塑性樹脂(C)を含有する。これ
らの合計を100質量部とした場合、上記油展ゴム
(X)を30〜99質量部(好ましくは35〜97質量
部、より好ましくは40〜95質量部)、鉱物油系軟化
剤(B1)を0〜50質量部(好ましくは0〜45質量
部、より好ましくは0〜40質量部)、α−オレフィン
系熱可塑性樹脂(C)を1〜50質量部(好ましくは2
〜45質量部、より好ましくは5〜40質量部)を含有
する。尚、上記鉱物油系軟化剤(B1)及び上記α−オ
レフィン系熱可塑性樹脂(C)としては、前記に例示し
たものを用いることができる。
【0055】上記油展ゴム(X)の配合量が30質量部
未満であると、得られる熱可塑性エラストマーの柔軟性
が低下する傾向にある。一方、上記油展ゴム(X)の配
合量が99質量部を超えると、架橋剤の存在下で熱処理
して得られた熱可塑性エラストマー組成物の流動性が低
下し、成形加工性が著しく悪化する。後に添加する上記
鉱物油系軟化剤(B1)の配合量が50質量部を超える
と、練り機内で上記油展ゴム(X)を構成する共重合ゴ
ム(A)とα−オレフィン系熱可塑性樹脂(C)との分
散不良を起こす傾向にあるうえ、最終的に得られる本発
明の熱可塑性エラストマー組成物のゴム弾性が悪化す
る。
【0056】上記α−オレフィン系熱可塑性樹脂(C)
の配合量が1質量部未満であると、架橋剤の存在下で熱
処理した場合、動的架橋型熱可塑性エラストマーの特徴
である良好な海島構造のモルフォロジーが形成されず熱
可塑性エラストマーにならない。一方、上記α−オレフ
ィン系熱可塑性樹脂(C)の配合量が50質量部を超え
ると得られる熱可塑性エラストマーの柔軟性とゴム弾性
が低下し好ましくない。上記α−オレフィン系結晶性熱
可塑性樹脂(c1)と上記α−オレフィン系非晶質熱可
塑性樹脂(c2)は、どちらか一方をあるいは両方を混
合して使用してもよい。
【0057】請求項2記載の熱可塑性エラストマー組成
物に係わる上記(E1)及び(F1)で表される未変性
オルガノポリシロキサンとしては、前記に例示したもの
を用いることができる。上記未変性オルガノポリシロキ
サン(E1)の配合量は、熱可塑性エラストマー組成物
のべースポリマー(D2)100質量部に対して1〜1
0質量部、好ましくは1〜8質量部、より好ましくは1
〜5質量部である。尚、JIS K2283で規定され
る25℃における粘度が10000cSt未満の未変性
オルガノポリシロキサン(E1)を単独で使用すると、
オルガノポリシロキサンがブリードアウトする原因とな
る。上記未変性オルガノポリシリキサン(F1)の配合
量は、上記べースポリマー(D2)100質量部に対し
て1〜10質量部、好ましくは1〜8質量部、より好ま
しくは1〜5質量部である。尚、JIS K2283で
規定される25℃における粘度が10000cSt以上
のオルガノポリシロキサン(F1)を単独で使用する
と、摺動性が不足する傾向を示し、好ましくない。
【0058】JIS K2283で規定される25℃に
おける粘度が10000cSt未満の未変性オルガノポ
リシロキサン(E1)と10000cSt以上の未変性
オルガノポリシロキサン(F1)を併用することで摺動
性が著しく向上する。これらの配合量の組み合わせとし
ては、好ましくは上記(E1)が1〜10質量部、上記
(F1)が1〜10質量部、より好ましくは上記(E
1)が1〜5質量部、上記(F1)が1〜5質量部であ
る。
【0059】請求項2記載の熱可塑性エラストマー組成
物に係わる上記(G)で表される変性オルガノポリシロ
キサンとしては、前記に例示したものを用いることがで
きる。上記変性オルガノポリシロキサン(G)の配合量
は、上記べースポリマー(D2)を100質量部とした
場合、0.2〜20質量部であり、好ましくは0.5〜
15質量部、より好ましくは1〜10質量部である。こ
の変性オルガノポリシロキサン(G)は、摺動性を付与
する効果よりも、熱可塑性エラストマー組成物のべース
ポリマー(D2)とオルガノポリシロキサンとの相溶化
剤として機能する。そのため、上記変性オルガノポリシ
ロキサン(G)の配合量が0.2質量部未満では、相溶
化が上手くいかず、混練機中で上記未変性オルガノポリ
シロキサン(E)及び(F)と、べースポリマー(D
2)との分散不良が起こったり、押出成形や射出成形等
の成形加工性が悪化する傾向にある。一方、20質量部
を超えると柔軟性や物性が低下する傾向にある。
【0060】請求項2記載の熱可塑性エラストマー組成
物は、上記(X)及び上記(C)〜(G)を混合して得
られる樹脂・ゴム組成物(H2)を架橋剤の存在下で動
的に熱処理される。ここで用いられる架橋剤としては特
に限定されないが、動的熱処理により、上記共重合ゴム
(A)を架橋できるものであれば特に限定されない。架
橋剤の例示及び使用量は、前記と同様である。
【0061】本発明の熱可塑性エラストマー組成物に
は、適宜、補強材(カーボンブラック、シリカ等)、充
填材(クレー、タルク、炭酸カルシウム等)、加工助
剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、
熱安定剤、滑剤、離型剤、難燃剤、発泡剤、帯電防止
剤、防かび剤等の添加剤等を配合することができる。更
に、上記共重合ゴム(A)、上記鉱物油系軟化剤(B1
及びB2)、上記α−オレフィン系熱可塑性樹脂(C)
の他にも、例えば、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポ
リブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリ
ロニトリル−ブタジエンゴム、ブチルゴム、アクリルゴ
ム等を添加してもよい。
【0062】請求項4記載の熱可塑性エラストマーの製
造方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の樹脂・ゴ
ム組成物に架橋剤を配合し、これを連続式押出機又は密
閉式混練機に供給し、動的に熱処理することを特徴とす
る。上記架橋剤としては、前記に例示したものを用いる
ことができる。
【0063】上記「動的に熱処理する」とは、剪断力を
加えること及び加熱することの両方を行うことをいう。
この動的熱処理は、例えば、溶融混練装置を用いて行う
ことができる。このうち混練を行うことのできる装置と
しては、例えば、開放型のミキシングロール、非開放型
のバンバリーミキサー、一軸押出機、二軸押出機、ニー
ダー等の装置を挙げることができる。これらのうち、経
済性、処理効率等の観点から一軸押出機及び/又は二軸
押出機を用いることが好ましい。この混練装置で行う処
理はバッチ式でも連続式であってもよい。
【0064】上記連続式押出機としては上記熱可塑性エ
ラストマー組成物を架橋剤の存在下で溶融混練すること
ができるならば特に限定されず、例えば、一軸押出機、
二軸押出機、二軸ローター型押出機等が挙げられる。こ
れらのうち、二軸押出機が好ましく用いられ、更にはL
/D(スクリュー有効長さLと外径Dとの比)が好まし
くは30以上、より好ましくは36〜60の二軸押出機
が好ましく用いられる。二軸押出機としては、例えば、
2本のスクリューが噛み合うもの、噛み合わないもの等
任意の二軸押出機を使用することができるが、2本のス
クリューの回転方向が同一方向でスクリューが噛み合う
ものがより好ましい。このような二軸押出機としては池
貝社製GT、神戸製鋼所社製KTX、日本製鋼所社製T
EX、東芝機械社製TEM、ワーナー社製ZSK(いず
れも商標)等が挙げられる。
【0065】上記連続式押出機で熱可塑性エラストマー
組成物を製造する場合、上記未変性及び変性オルガノポ
リシロキサンの供給方法としては、粉体の場合、ミキサ
ーを用いて架橋反応に供される樹脂・ゴム組成物と予め
混合して上記連続式押出機に供給する方法があるが、液
体の場合、ミキサーを用いて架橋反応に供される樹脂・
ゴム組成物と予め混合して上記連続式押出機に供給する
方法、又はフィードホッパーとダイとの間に設けられた
バレル開口部から供給する方法等がある。
【0066】上記連続式押出機で熱可塑性エラストマー
組成物を製造する場合、鉱物油系軟化剤(B1及びB
2)、架橋剤及び架橋助剤の供給方法としては、ミキサ
ーを用いて架橋反応に供される上記樹脂・ゴム組成物と
予め混合して上記連続式押出機に供給する方法、又はフ
ィードホッパーとダイとの間に設けられたバレル開口部
から供給する方法等がある。
【0067】上記密閉式混練機としては樹脂・ゴム組成
物を架橋剤の存在下で溶融混練することができるならば
特に限定されず、例えば、加圧型ニーダー、バンバリー
ミキサー、ブラベンダーミキサー等が挙げられる。
【0068】上記密閉式混練機で熱可塑性エラストマー
組成物を製造する場合、上記未変性及び変性オルガノポ
リシロキサン、上記鉱物油系軟化剤(B1及びB2)、
架橋剤及び架橋助剤は予め上記α−オレフィン系熱可塑
性樹脂(C)と混合してもよいし、予め混合することな
く上記密閉式混練機中に各々供給してもよく、特に限定
はされない。また、樹脂・ゴム組成物を溶融混練した後
で上記未変性及び変性、上記鉱物油系軟化剤(B1及び
B2)、架橋剤及び架橋助剤を投入してもよいし、最初
から樹脂・ゴム組成物と一緒に上記密閉式混練機に入れ
溶融混練してもよく、手順は特に限定されない。また、
無機充填材等の添加材等を、上記密閉式混練機又は上記
連続式押出機に供給することができる。
【0069】請求項5記載の熱可塑性エラストマー組成
物の製造方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の樹
脂・ゴム組成物を密閉式混練機を用いて溶融混練し、次
いでこの溶融混練物に架橋剤を配合して連続式押出機に
供給し、その後動的に熱処理することを特徴とする。
【0070】上記密閉式混練機及び上記連続式混練機は
上記例示したものを用いることができる。架橋剤を除い
て上記樹脂・ゴム組成物を上記密閉式混練機を用いて溶
融混練する場合、上記未変性及び変性オルガノポリシロ
キサン及び上記鉱物油系軟化剤(B1)は予め樹脂・ゴ
ム組成物と混合してもよいし、予め混合することなく上
記密閉式混練機中に各々供給してもよく、特に手順は限
定はされない。また、樹脂・ゴム組成物を溶融混練した
後で上記未変性オルガノポリシロキサン(E)及び
(F)、上記変性オルガノシロキサン(G)及び上記鉱
物油系軟化剤(B1)を投入してもよいし、最初から樹
脂・ゴム組成物と一緒に上記密閉式混練機に入れ溶融混
練してもよく、手順は特に限定されない。
【0071】上記密閉式混練機で得られた溶融混練物
は、フィーダールーダーを用いてペレット状に加工して
もよいし、一旦、ロールミルにてシート化したものをシ
ートペレタイザーでペレット加工してもよい。
【0072】上記連続式押出機を用いて樹脂・ゴム組成
物を動的架橋する場合、架橋剤、架橋助剤及び鉱物油系
軟化剤(B1)の供給方法としては、ミキサーを用いて
架橋反応に供される樹脂・ゴム組成物と予め混合して上
記連続式押出機に供給する方法や、フィードホッパーと
ダイとの間に設けられたバレル開口部から供給する方法
等とすることができる。
【0073】無機充填材等の添加剤等は、上記密閉式混
練機に供給することも、上記連続式押出機に供給するこ
ともでき、更には両方の押出機に供給することもでき
る。
【0074】請求項6記載の熱可塑性エラストマー組成
物の製造方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の樹
脂・ゴム組成物に架橋剤を配合し、連結した複数台の連
続式混練機に供給し、動的に熱処理することを特徴とす
る。
【0075】上記製造方法は、例えば、樹脂・ゴム組成
物を連結した2台の上記連続式混練機のうちの第1連続
式混練機に供給し、第1連続式押出機内で架橋剤の存在
下で樹脂・ゴム組成物を混練し、実質的に動的架橋反応
が進行していない段階で第2連続式押出機に供給して動
的架橋を進行させ、架橋する方法である。
【0076】上記第1連続式押出機としては、例えば、
一軸押出機、二軸押出機、二軸ローター型連続式混練機
等が挙げられ、これらのうち、特に二軸ローター型連続
式押出機が好ましく用いられる。上記二軸ローター型連
続式押出機としては日本製鋼所社製CIM、神戸製鋼所
社製ミクストロンFCM,NCM,LCM,ACM(い
ずれも商標)がある。
【0077】上記第1連続式押出機における混練物は、
溶融状態で上記第2連続式押出機に供給されることが好
ましく、上記第2連続式押出機に供給される際の混練物
の温度は、α−オレフィン系熱可塑性樹脂の融点や架橋
剤種等により異なるが、好ましくは140℃〜250
℃、より好ましくは150℃〜240℃、更に好ましく
は150℃〜230℃とすることができる。
【0078】上記第2連続式押出機としては、例えば、
一軸押出機、二軸押出機、二軸ローター型押出機等が挙
げられるが、これらのうち、二軸押出機が好ましく用い
られ、更にはL/D(スクリュー有効長Lと外径Dとの
比)が好ましくは30以上、より好ましくは36〜60
の二軸押出機が好ましく用いられる。二軸押出機として
は、例えば、2本のスクリューが噛み合うもの、噛み合
わないもの等任意の二軸押出機を使用することができ
る。2本のスクリューの回転方向が同一方向でスクリュ
ーが噛み合うものがより好ましい。このような二軸押出
機としては池貝社製GT、神戸製鋼所社製KTX、日本
製鋼所社製TEX、東芝機械社製TEM、ワーナー社製
ZSK(いずれも商標)等が挙げられる。
【0079】例えば2台の連続式押出機を連結した装置
を用いて熱可塑性エラストマー組成部を製造する場合、
上記未変性及び変性オルガノポリシロキサンの供給方法
としては、ミキサーを用いて架橋反応に供される樹脂
・ゴム組成物と予め混合して第1連続式押出機に供給す
る方法、第1連続式押出機及び/又は第2連続式押出
機のフィードホッパーから供給する方法、第1連続式
押出機及び/又は第2連続式押出機のフィードホッパー
とダイとの間に設けられたバレル開口部から供給する方
法等が挙げられる。
【0080】上記鉱物油系軟化剤(B1)、無機充填材
等の添加剤等は、第1連続式押出機に供給することも、
第2連続式押出機に供給することもでき、更には両方の
押出機に供給することもできる。
【0081】請求項4乃至6に示される三種の動的熱処
理の条件は、特に限定されないが、α−オレフィン系熱
可塑性樹脂(C)の融点、架橋剤の種類、混練形態等に
よって異なるが、通常、処理温度は120℃〜350
℃、より好ましくは140℃〜320℃、更に好ましく
は160℃〜300℃とすることができる。
【0082】
【発明の実施の形態】以下に、実施例を挙げて本発明を
更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えな
い限り、以下の実施例に何ら制約されるものではない。
先ず、組成物原料として用いた油展ゴム(X)、共重合
ゴム、鉱物油系軟化剤(B1)、α−オレフィン系結晶
性熱可塑性樹脂(c1)、α−オレフィン系非晶質熱可
塑性樹脂(c2)、未変性オルガノポリシロキサン、変
性オルガノポリシロキサンを以下に示す。
【0083】〔1〕油展ゴム(X) 油展ゴム1:エチレン/プロピレン/5−エチリデン
−2−ノルボルネン三元共重合体 エチレン含量66質量%、5−エチリデン−2−ノルボ
ルネン含量4.5質量%、極限粘度4.7dl/g、鉱
物油系軟化剤(商品名「PW−380」、出光化学社
製)含有量50質量% 油展ゴム2:エチレン/プロピレン/5−エチリデン
−2−ノルボルネン三元共重合体 エチレン含量66質量%、5−エチリデン−2−ノルボ
ルネン含量4.5質量%、極限粘度3.8dl/g、鉱
物油系軟化剤(商品名「PW−380」、出光化学社
製)含有量40質量%
【0084】〔2〕鉱物油系軟化剤(B1):商品名
「PW−380」、出光化学社製 〔3〕α−オレフィン系結晶性熱可塑性樹脂(c1) (c11):プロピレン/エチレンランダム共重合体 密度0.90g/cm3、MFR(温度230℃、荷重
2.16kg)23g/10min.、商品名「ノバテ
ックPP FL25R」、日本ポリケム社製 (c12):ポリプロピレン重合体 密度0.90g/cm3、MFR(温度230℃、荷重
2.16kg)3g/10min.、商品名「ノバテッ
クPP MA4」、日本ポリケム社製 〔4〕α−オレフィン系非晶質熱可塑性樹脂(c2) プロピレン/1−ブテン非晶質共重合体 プロピレン含量71モル%、溶融粘度8000cps、
密度0.879g/cm3、Mn6500、商品名「A
PAO UT2780」、宇部興産社製
【0085】〔5〕未変性オルガノポリシロキサン ポリジメチルシロキサン 粘度100cSt、商品名「シリコーンオイルSH−2
00」、東レ・ダウコーニング社製 ポリジメチルシロキサン 粘度1000cSt、商品名「シリコーンオイルSH−
200」、東レ・ダウコーニング社製 ポリジメチルシロキサン 粘度5000cSt、商品名「シリコーンオイルSH−
200」、東レ・ダウコーニング社製
【0086】〔6〕未変性オルガノポリシロキサン ポリジメチルシロキサン 粘度12500cSt、商品名「シリコーンオイルSH
−200」、東レ・ダウコーニング社製 超高分子量シリコーンゴム 粘度1000000cSt以上、商品名「BY16−1
40」、東レ・ダウコーニング社製 〔7〕変性オルガノポリシロキサン(G) アクリル変性シリコーン樹脂、商品名「x−22−81
71」、信越化学工業社製
【0087】また、架橋剤1として、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(商品
名「パーヘキサ25B−40」、日本油脂社製)を、架
橋剤2として、N,N’−m−フェニレンビスマレイミ
ド(商品名「バルノックPM」、大内新興化学社製)、
架橋助剤として、ジビニルベンゼン(三共化成社製)を
用いた。更に、老化添加剤として、商品名「イルガノッ
クス1010」(日本チバガイギー社製)を用いた。
【0088】実施例1〜7、比較例1〜5(密閉式混練
機+連続式混練機による製造) 表1及び2に示す配合から架橋剤を除いたものを、15
0℃に加熱した加圧ニーダー(森山製作所社製)に投入
し、各成分が均一に分散するまで40rpmで15分問
混練した。その後、溶融状態の組成物をフィーダールー
ダー(森山製作所社製)にてペレット化した。得られた
ペレットに表1及び2に示す配合割合で架橋剤及び架橋
助剤を添加し、ヘンシェルミキサーにて30秒間混合し
た後、重量式フィーダーを用いて二軸押出機(同方向非
噛み合い型スクリュー、L/D=38.5、池貝社製、
品名「PCM−45」)に吐出量40kg/hで供給
し、200℃、スクリュー回転数300rpm、滞留時
間2分で動的熱処理を施しながら押出を行い、熱可塑性
エラストマー組成物を得た。
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】
【0091】熱可塑性エラストマー組成物の評価 上記のようにして得られた熱可塑性エラストマー組成物
を評価するために下記項目の測定を行った。 〔ア〕メルトフローレート(MFR) 230℃、荷重10kgで測定し、表1及び2に示し
た。 〔イ〕硬度、引張破断強度及び引張破断伸び JIS−K6301に準じて測定した。 〔ウ〕圧縮永久歪み JIS−K6301に準じ、70℃、22時間、25%
圧縮の条件で測定した。
【0092】〔エ〕初期摺動性及び耐久摺動性 往復摺動試験機(東測精密社製)を用いて、荷重233
g/3cm2(面圧78g/cm2)、ガラスリング試験
片摺動速度=100mm/min(1ストローク=50
mm)で、外径25.7mm、内径20mm、高さ1
6.5mm、重さ9.6gの円筒型ガラスリング試験片
に対する、熱可塑性エラストマー組成物より作製した試
験片(長さ110mm、幅61mm、厚さ2mm)の静
摩擦係数及び動摩擦係数を測定した。初期摺動性は、熱
可塑性エラストマー組成物の試験片を射出成形後、1日
経過したものを用い、室温にて測定した。また、耐久摺
動性は、100℃のギアオーブンに射出成形後から50
0時間経過したものを用い、室温にて測定した。 〔オ〕ブリード試験 ギアオーブン(東洋精機社製)の中に熱可塑性エラスト
マー組成物より作製した試験片を入れ、100℃、12
0時間放置し、試験片の表面状態を目視観察した。
【0093】〔カ〕押出加工性 ラボプラストミル押出機(東洋精機社製、外径=20m
m、L/D=25)を用いて、下記条件にて平板押出
(口金部幅25mm、厚み1.5mm)を行い、その外
観を目視で評価した。表面が平滑でエッジあるものは
○、それ以外は全て×とした。 シリンダーC1=180℃ シリンダーC2=190℃ シリンダーC3=210℃ ダイ=205℃ スクリュー回転数:40rpm 〔キ〕射出融着性 熱可塑性エラストマー組成物を射出融着した試験片を用
いて、熱可塑性エラストマー組成物と被着体との継ぎ目
部を起点として、角度180°に折り曲げたときの剥離
状態を目視にて観察し、表1及び2に併記した。尚、表
1及び2における○、△、×は、各々以下の評価基準に
よる。 ○;剥離せず △;一部剥離 ×;剥離して破断に到る
【0094】尚、上記〔イ〕〜〔オ〕については、以下
の方法で試験片を作製した。即ち、上記のようにして得
られた熱可塑性エラストマー組成物を、射出成形機(型
式「N−100」、日本製鋼所社製)により120×1
20×2mmの大きさに射出成形した試験片を作製し
た。
【0095】また、上記〔キ〕については、以下のよう
にオレフィン系加硫ゴムからなる被着体を作製し、試験
に供した。エチレン/プロピレン/5−エチリデン−2
−ノルボルネン三元共重合体(エチレン含量72モル
%、プロピレン含量28モル%、ムーニー粘度92、よ
う素価15、商品名「EP 103A」、JSR社製)
100質量部に対して、カーボンブラック(商品名「シ
ースト116」、東海カーボン社製)145質量部、パ
ラフィン系プロセスオイル(商品名「PW380」、出
光興産社製)85質量部、活性亜鉛華(堺化学工業社
製)5質量部、ステアリン酸(旭電化工業社製)1質量
部、加工助剤(商品名「ヒタノール1501」、日立化
成工業社製)1質量部、離型剤(商品名「ストラクトー
ルWB212」、シル・アンド・ザイラハー社製)2質
量部、可塑剤(ポリエチレングリコール)1質量部を配
合した混合物を得た。この混合物をバンバリーミキサー
を用いて、50℃、70rpm、混練時間2.5分の条
件で混練した。次いで、脱水剤(商品名「ベスタP
P」、井上石灰工業社製)10質量部、加硫促進剤(商
品名「M」1質量部、商品名「PX」1質量部、商品名
「TT」0.5質量部、商品名「D」1質量部、すべて
大内新興化学工業社製)、硫黄2.2質量部を添加し
て、オープンロールを用いて50℃で混練した。その
後、170℃で10分間加硫して、120mm四方、厚
さ2mmの加硫ゴムシートを得た。このシートを、ダン
ベルカッターで長さ60mm、幅50mmに打ち抜いて
被着体を得た。
【0096】実施例の効果 比較例1乃至3は、低粘度の未変性オルガノポリシロキ
サンのみを用い、またアクリル変性オルガノポリシロキ
サンを含まない例であり、押出加工性及び射出融着性に
優れるが、初期及び耐久における摺動性に劣っており、
ブリードが確認された。比較例4は高粘度の未変性オル
ガノポリシロキサンのみを用い、またアクリル変性オル
ガノポリシロキサンを含まない例であり、押出加工性及
び射出融着性に優れるが、初期及び耐久における摺動性
に劣っていた。比較例5は低粘度及び高粘度の未変性オ
ルガノポリシロキサンを含むが、アクリル変性オルガノ
ポリシロキサンを含まない例であり、初期及び耐久にお
ける摺動性、押出加工性、射出融着性、に劣っており、
ブリードも確認された。一方、実施例1乃至7の熱可塑
性エラストマー組成物は、初期及び耐久における摺動性
と押出加工性に優れ、オルガノポリシロキサンのブリー
ドも見られない。また、射出融着性についても剥離、破
断等は見られず、優れた射出融着性を有することが分か
る。
【0097】
【発明の効果】本発明によれば、射出成形、押出成形、
中空成形、圧縮成形、真空成形、積層成形、カレンダー
成形等により加工が容易な熱可塑性エラストマー組成物
を得ることができる。また、押出性、摺動性、加硫ゴム
に対する射出融着性、更には成形外観及び触感に優れた
熱可塑性エラストマー組成物を得ることができる。特
に、摺動性については初期のみでなく長期にわたって優
れた性質を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中西 英雄 東京都中央区築地2丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 鼎 健太郎 東京都中央区築地2丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 岡本 隆浩 東京都中央区築地2丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 4F070 AA15 AA16 AA60 AA63 AB08 AB09 AB16 AB19 AB24 AC20 AC37 AC40 AC46 AC52 AC56 AC65 AC86 AC94 AE02 AE08 BA02 GA01 GA05 GA06 GB02 GB08 4J002 AE05W BB113 BB133 BB15X BB16X BB163 BN03X BN174 CC155 CP035 DA046 DG006 EE056 EK036 EK046 EK056 EK066 EK076 EK086 EL026 ER006 ES016 EX086 FD02W FD145 FD146 GL00 GM00 GN00 GQ00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム
    (A)20〜69質量部と、鉱物油系軟化剤(B1)2
    0〜79質量部と、α−オレフィン系結晶性熱可塑性樹
    脂(c1)及び/又はα−オレフィン系非晶質熱可塑性
    樹脂(c2)で構成されるα−オレフィン系熱可塑性樹
    脂(C)1〜50質量部と、からなるベースポリマー
    (D1)を100質量部とした場合、JIS K228
    3で規定される25℃における粘度が10000cSt
    未満である未変性オルガノポリシロキサン(E1)1〜
    10質量部と、粘度が10000cSt以上である未変
    性オルガノポリシロキサン(F1)1〜10質量部と、
    変性オルガノポリシロキサン(G)0.2〜20質量部
    と、を含有する樹脂・ゴム組成物(H1)を架橋剤の存
    在下で動的に熱処理してなることを特徴とする熱可塑性
    エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム
    (A)30〜70質量%及び鉱物油系軟化剤(B2)3
    0〜70質量%〔但し、(A)+(B2)=100質量
    %〕からなる油展ゴム(X)30〜99質量部と、鉱物
    油系軟化剤(B1)0〜50質量部と、α−オレフィン
    系結晶性熱可塑性樹脂(c1)及び/又はα−オレフィ
    ン系非晶質熱可塑性樹脂(c2)で構成されるα−オレ
    フィン系熱可塑性樹脂(C)1〜50質量部と、からな
    るベースポリマー(D2)を100質量部とした場合、
    JIS K2283で規定される25℃における粘度が
    10000cSt未満である未変性オルガノポリシロキ
    サン(E1)1〜10質量部と、粘度が10000cS
    t以上である未変性オルガノポリシロキサン(F1)1
    〜10質量部と、変性オルガノポリシロキサン(G)
    0.2〜20質量部と、を混合して得られる樹脂・ゴム
    組成物(H2)を架橋剤の存在下で動的に熱処理してな
    ることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】 上記エチレン・α−オレフィン系共重合
    ゴム(A)をデカリン溶媒中135℃で測定したときの
    極限粘度〔η〕が3.5〜6.8dl/gである請求項
    1又は2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の樹脂
    ・ゴム組成物に架橋剤を配合し、これを連続式押出機又
    は密閉式混練機に供給し、動的に熱処理することを特徴
    とする熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれかに記載の樹脂
    ・ゴム組成物を密閉式混練機を用いて溶融混練し、次い
    でこの溶融混練物に架橋剤を配合して連続式押出機に供
    給し、動的に熱処理することを特徴とする熱可塑性エラ
    ストマー組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至3のいずれかに記載の樹脂
    ・ゴム組成物に架橋剤を配合し、連結した複数台の連続
    式混練機に供給し、動的に熱処理することを特徴とする
    熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
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