明 細 書
複合部材及びその製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、複合部材及びその製造方法に関し、更に詳しくは、本複合部材を構成 する各成形部材どうしの接着性に優れた複合部材、及び、短時間で且つ安全に製 造することができる複合部材の製造方法に関する。本発明の複合部材は、車両用の ウエザーストリップ、ガスケット、シール材、パッキン等として用いられる。
背景技術
[0002] 車両用のウエザーストリップ、建材用のガスケット等は、通常、加硫ゴム力もなるゴム 製品であり、目的、用途等によっては、直線部分と曲線部分とを組み合わせた複雑な 構造を有する。上記加硫ゴムとしては、特許文献 1、 2、 3等に開示されているゴム組 成物等力 なるものが用いられている。上記のような複雑な構造を有するゴム製品は
、その形状に応じた金型に加硫用ゴム組成物を流し込んで熱処理することにより製 造する方法、直線部分及び曲線部分のいずれか一方を予め製造した後、他方の加 硫用ゴム組成物を金型に流し込んで熱処理し、加硫と同時に直線部分及び曲線部 分を接合することにより製造する方法等により得られる。後者の場合の具体的な製造 方法としては、予め押出成形等により作製した直線部分を金型内に設置し、この直 線部分の端部に接合することとなる曲線部分用の、加硫用ゴム組成物を金型キヤビ ティに導入し、 160〜180°C程度に加熱された金型内に設置し、 3〜5分程度加硫反 応させて曲線部分を成形することにより、直線部分と曲線部分とが接合された構造体 が得られる。
[0003] 特許文献 1 :特開平 10— 175440号公報
特許文献 2:特開 2000— 72935号公報
特許文献 3:特開 2002— 322328号公報
発明の開示
[0004] 上記のように、直線部分及び曲線部分を別々に作製する場合には、加硫を完結さ せるために、高温下で十分な反応時間をもって行われる。しかし、加硫後、ゴム製品
の温度が低下する前に金型より取り出すこと、あるいは、ゴム製品を取り出すまでの 冷却時間を要すること等により、安全に対する配慮、歩留まり向上等が求められてい る。また、上記方法により接合されたゴム製品は、両者の接着強度が十分でない場合 がある。更に、加硫用ゴム組成物には、加硫促進剤等の添加剤を含むため、金型の 使用回数の増加とともに、腐食等の金型汚染が進行することがある。本発明は、上記 実情に鑑みてなされたものであり、加硫ゴム等力 なる成形部材と他の成形部材との 接着性に優れた複合部材、及び、短時間で且つ安全に製造することができる複合部 材の製造方法を提供することを目的とする。
[0005] 本発明者らは、特定の重合体成分を含むゴム組成物を用いることにより、その優れ た射出融着性を利用し、加硫ゴム等力 なる成形部材との接着性がより高められ、複 合体としての強度に優れた複合部材が得られることを見出した。
[0006] 本発明は以下に示される。
[0007] 1. エチレン · α—ォレフィン系共重合ゴム(1)、 α—ォレフィン系結晶性熱可塑性 榭脂 (2)、 a—ォレフイン系非晶質熱可塑性榭脂 (3)及び軟化剤 (4)を含む混合物 を、架橋剤 (5)の存在下で動的に熱処理して得られたォレフィン系熱可塑性エラスト マー組成物 (6)、を射出成形することにより得られた第 1成形部と、この第 1成形部の 表面及び Z又は断面の少なくとも一部に接合され、押出成形又は射出成形により得 られ、且つ、架橋ゴム組成物(7)及び Z又はォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成 物 (8)を含む第 2成形部とを備えることを特徴とする複合部材。
[0008] 2. 上記第 1成形部及び上記第 2成形部をそれぞれ (A)及び (B)とした場合、下記
[1]〜 [4]力 選ばれる構造を備える上記 1に記載の複合部材。
[ 1 ] ( (A) - ( B)〕 m
[ 2 ] (A) - [ ( B ) - (A) ] m
[ 3 ] (B ) - 〔(A) ― )〕 m [ 4 ] 「〔(A) -_ ( B)〕^r^
(但し、 mは 1以上の整数であり、 nは 2以上の整数である。 )
[0009] 3. 前記 [4]の構造を備える上記 2に記載の複合部材。
[0010] 4. 前記第 1成形部は、曲線状である上記 1〜3のいずれかに記載の複合部材。
[0011] 5. 前記第 1成形部の、 JIS K6253に準ずるショァ A硬度は、 10〜99の範囲にあ る上記 1〜4のいずれかに記載の複合部材。
[0012] 6. 前記第 2成形部は、発泡体である上記 1〜5のいずれかに記載の複合部材。
[0013] 7. 前記第 2成形部の形成に用いられる上記架橋ゴム組成物は、 α—才レフイン系 非晶質熱可塑性榭脂を含む上記 1〜6のいずれかに記載の複合部材。
[0014] 8. 前記第 2成形部は、この第 2成形部の表面及び Ζ又は内部に補強用部材を備 える上記 1〜 7の 、ずれかに記載の複合部材。
[0015] 9. 架橋性ゴム及び Ζ又はォレフィン系熱可塑性エラストマ一を含む組成物(P1)を 、押出成形機又は射出成形機により成形部材とする工程 (工程 (1) )と、この成形部材 を、その表面及び Ζ又は断面の少なくとも一部が金型キヤビティに露出するように設 置する工程(工程 (Π) )と、エチレン' aーォレフイン系共重合ゴム、 aーォレフイン系 結晶性熱可塑性榭脂、 a一才レフイン系非晶質熱可塑性榭脂及び軟化剤を含む混 合物を、架橋剤の存在下で動的に熱処理して得られたォレフィン系熱可塑性エラスト マー組成物 (P2)を、射出成形機により上記金型キヤビティに導入する工程 (工程 (II 1) )と、を備えることを特徴とする複合部材の製造方法。
[0016] 10. 前記ォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物(P2)のメルトフローレートは、温 度 230°C、荷重 21Nの JIS K7210に準ずる条件において 0. lgZlO分以上である 上記 9に記載の複合部材の製造方法。
[0017] 11. 前記第 1成形部及び Z又は前記第 2成形部の形成に用いられる前記ォレフィ ン系熱可塑性エラストマ一組成物(6)及び Z又は(8)が、エチレン' aーォレフイン 系共重合ゴム(1)、 α—才レフイン系結晶性熱可塑性榭脂(2)、 α—才レフイン系非 晶質熱可塑性榭脂 (3)及び鉱物油系軟化剤 (4 ' )を含有し、さらに耐候剤 (9)及び カーボンブラック(10)を含有し、ィォゥ(S)含有量が 20ppm以下の黒色系熱可塑性 エラストマ一組成物(6 ' )である上記 1〜5のいずれかに記載の複合部材。
[0018] 12. 前記第 1成形部及び Z又は前記第 2成形部の形成に用いられる前記ォレフィ ン系熱可塑性エラストマ一組成物(6)及び Z又は(8)が、エチレン' aーォレフイン
系共重合ゴム(1)、 α—才レフイン系結晶性熱可塑性榭脂(2)、 α—才レフイン系非 晶質熱可塑性榭脂 (3)及び鉱物油系軟化剤 (4 ' )を含有し、さらに耐候剤 (9)及び カーボンブラック(10)を含有し、前記カーボンブラック(10)中のィォゥ(S)含有量が 0. 4質量%以下の黒色系熱可塑性エラストマ一糸且成物(6 ' )である上記 1〜5のいず れかに記載の複合部材。
[0019] 13. 前記黒色系熱可塑性エラストマ一組成物(6 ' )に含有される、前記エチレン- a—ォレフイン系共重合ゴム(1)が 20〜70質量0 /0、前記 α—ォレフィン系結晶性熱 可塑性榭脂 (2)が 1〜35質量%、前記 a—ォレフイン系非晶質熱可塑性榭脂 (3)が 1〜20質量%、前記鉱物油系軟化剤 (4' )が 25〜70質量%〔但し、前記(1)、 (2)、 (3)及び (4 ' )の各成分の合計が 100質量%〕である上記 11又は 12に記載の複合部 材。
[0020] 14. 前記黒色系熱可塑性エラストマ一組成物(6,)力 エチレン · α—ォレフィン系 共重合ゴム(1)の代わりに、鉱物油系軟化剤とエチレン' aーォレフイン系共重合ゴ ムとを含有する油展ゴム(1 ' )を含有する上記 11又は 12に記載の複合部材。
[0021] 15. 前記黒色系熱可塑性エラストマ一組成物(6 ' )に含有される、前記油展ゴム(1
' )が 30〜98質量0 /0、 a—ォレフイン系結晶性熱可塑性榭脂(2)力^〜 35質量0 /0、 a—ォレフイン系非晶質熱可塑性榭脂(3)力^〜 20質量%、後添加鉱物油系軟ィ匕 剤 (4,,)が 0〜50質量%〔但し、前記(1 ' )、 (2)、 (3)及び (4' ' )の各成分の合計が 100質量%〕である上記 14に記載の複合部材。
[0022] 16. 前記工程 (I)及び Z又は前記工程 (ΠΙ)力 エチレン ·《—ォレフィン系共重合 ゴム(11) 10〜93質量部、結晶性ポリエチレン系榭脂(12) 3〜30質量部、両末端 が 1, 2—ビュル結合含量 25%以下の共役ジェン重合体ブロックであり、中間ブロッ クが 1, 2—ビュル結合含量 25%を超える共役ジェン重合体ブロックであるブロック共 重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体(13) 3〜30質量部、炭素数 3以上 の α—ォレフィン系榭脂(14) 1〜30質量部〔但し、 (11)、 (12)、 (13)及び(14)の 合計量 100質量部〕、を含有し、温度 230°C、荷重 10kgにおけるメルトフローレート が 5gZlO分以上であり、且つ 210°C、引き取り速度 2mZ分における溶融張力が 3. Ogf未満であるォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物(P,)を、射出成形機により
気体又は超臨界流体で発泡成形して成形部材とする工程である上記 9に記載の複 合部材の製造方法。
[0023] 17. 前記エチレン' aーォレフイン系共重合ゴム(11)力 非油展エチレン' aーォ レフイン系共重合ゴム(11 1)または油展エチレン' α—ォレフイン系共重合ゴム(1 1 2)である上記 16記載の複合部材の製造方法。
[0024] 18. 前記油展エチレン' aーォレフイン系共重合ゴム(11 2)力 エチレン' a ォレフィン系共重合ゴム(11 3) 20〜80質量0 /0及び鉱物油系軟化剤(15) 80〜20 質量%〔但し、 (11 - 3) + (15) = 100質量%〕からなる上記 17記載の複合部材の製 造方法。
[0025] 19. 前記ォレフィン系熱可塑性エラストマ一糸且成物(Ρ' )が造核剤(16)を更に含有 する上記 16〜 18のいずれかに記載の複合部材の製造方法。
[0026] 20. 前記ォレフィン系熱可塑性エラストマ一糸且成物(Ρ' )に気体又は超臨界流体を 注入したものを金型内キヤビティ空間に射出し、その後、 0. 01〜: L OmmZ秒の型 開速度をもって金型を開くことにより前記キヤビティ空間を拡大して前記ォレフィン系 熱可塑性エラストマ一組成物(Ρ' )を発泡成形して成形部材を得る上記 16〜19の 、 ずれかに記載の複合部材の製造方法。
[0027] 本発明の複合部材は、エチレン' aーォレフイン系共重合ゴム、 aーォレフイン系 結晶性熱可塑性榭脂、 a一才レフイン系非晶質熱可塑性榭脂及び軟化剤を含む混 合物を、架橋剤の存在下で動的に熱処理して得られたォレフィン系熱可塑性エラスト マー組成物、を射出成形することにより得られた第 1成形部と、この第 1成形部の表 面及び Z又は断面の少なくとも一部に接合され、押出成形又は射出成形により得ら れ、且つ、架橋ゴム糸且成物及び Z又はォレフィン系熱可塑性エラストマ一糸且成物を 含む第 2成形部とを備えることから、各成形部どうしの接着性に優れ、複合部材として 十分な強度を有する。従って、部材の形状、構造等の選択性が高い。
[0028] 本発明の複合部材の製造方法は、架橋性ゴム及び Z又はォレフィン系熱可塑性 エラストマ一を含む組成物 (P1)を、押出成形機又は射出成形機により成形部材とす る工程と、この成形部材の表面及び Z又は断面の少なくとも一部が金型キヤビティに 露出するように設置する工程と、エチレン' aーォレフイン系共重合ゴム、 aーォレフ
イン系結晶性熱可塑性榭脂、 a一才レフイン系非晶質熱可塑性榭脂及び軟化剤を 含む混合物を、架橋剤の存在下で動的に熱処理して得られたォレフィン系熱可塑性 エラストマ一組成物 (P2)を、射出成形機により上記金型キヤビティに導入する工程と 、を備えることから、複合部材を短時間で且つ安全に製造することができる。上記ォレ フィン系熱可塑性エラストマ一組成物(P2)のメルトフローレートは、温度 230°C、荷 重 21Nの JIS K7210に準ずる条件において 0. lg/10分以上である場合には、よ り効率的な製造を行うことができる。
図面の簡単な説明
[0029] [図 1]複合部材の 1例を示す概略説明図である。
[図 2]複合部材の他の例を示す概略説明図である。
[図 3]環状構造の複合部材を自動車のドアのウエザーストリップとして用いる場合の配 置例を示す概略説明図である。
[図 4]実施例において、引張強度を測定する際の試験片の作製方法を示す概略説 明図である。
符号の説明
[0030] 1 ;複合部材、 11, 11a〜: L ie ;第 1成形部、 12, 12a〜12e ;第 2成形部、 2 ;ゥェザ 一ストリップ、 3 ;自動車のドア、 4 ;引張強度測定用試験片、 4a ;第 1成形部形成用組 成物からなる成形部、 4b;加硫ゴムシート(第 2成形部形成用組成物)からなる成形 部。
発明を実施するための最良の形態
[0031] 以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態 に限定されるものではない。
[0032] 1.複合部材
本発明の複合部材は、エチレン' a—ォレフイン系共重合ゴム、 a—ォレフイン系 結晶性熱可塑性榭脂、 a一才レフイン系非晶質熱可塑性榭脂及び軟化剤を含む混 合物を、架橋剤の存在下で動的に熱処理して得られたォレフィン系熱可塑性エラスト マー組成物、を射出成形することにより得られた第 1成形部 (以下、「成形部 (A)」とも いう。)と、この第 1成形部の表面及び Z又は断面の少なくとも一部に接合され、押出
成形又は射出成形により得られ、且つ、架橋ゴム組成物及び Z又はォレフィン系熱 可塑性エラストマ一組成物を含む第 2成形部 (以下、「成形部 (B)」ともいう。)とを備 える。
[0033] 1 1.第 1成形部
この第 1成形部 (成形部 (A) )は、エチレン' a—ォレフイン系共重合ゴム、 a—ォレ フィン系結晶性熱可塑性榭脂、 a一才レフイン系非晶質熱可塑性榭脂及び軟化剤 を含む混合物を、架橋剤の存在下で動的に熱処理して得られたォレフィン系熱可塑 性エラストマ一組成物を、射出成形することにより得られたものである。従って、上記 成形部 (A)は、エチレン' aーォレフイン系共重合ゴム、 aーォレフイン系結晶性熱 可塑性榭脂、 a一才レフイン系非晶質熱可塑性榭脂及び軟化剤を含む。
[0034] (エチレン' aーォレフイン系共重合ゴム(1) )
エチレン' aーォレフイン系共重合ゴム(1)は、エチレンからなるエチレン単位(al) と、炭素数が 3以上の (Xーォレフインカ なる単位 (a2)とを含む共重合ゴムであれば 特に限定されない。上記単位 (al)の含有量は、上記エチレン' aーォレフイン系共 重合ゴム(1)を構成する全構成単位の全量を 100モル0 /0とした場合、好ましくは 35 モル0 /0以上、より好ましくは 40〜90モル0 /0、更に好ましくは 45〜85モル0 /0である。 上記単位 (al)の含有量が多すぎると、得られる成形部 (A)の柔軟性が十分でなくな る傾向にあり、一方、少なすぎると、得られる成形部 (A)の機械的強度が十分でない 場合がある。
[0035] 上記単位 (a2)を形成することとなる炭素数が 3以上の aーォレフインとしては、プロ ピレン、 1ーブテン、 2—ブテン、イソブテン、 1 ペンテン、 2—メチルー 1ーブテン、 2 ーメチルー 2 ブテン、 3—メチルブテン、 1一へキセン、 4ーメチルー 1 ペンテン、 3—メチルー 1 ペンテン、 3 ェチルー 1 ペンテン、 1 ヘプテン、 1—オタテン、 1 ーデセン、 1 ゥンデセン等が挙げられる。これらの aーォレフインからなる単位(a2) は、 1種単独で構成されていてもよいし、 2種以上の組み合わせで構成されていても よい。また、上記単位 (a2)のうち、プロピレン力もなる単位、 1—ブテンカもなる単位 等が好ましい。上記単位 (a2)の含有量は、上記エチレン' aーォレフイン系共重合 ゴム(1)を構成する全構成単位の全量を 100モル0 /0とした場合、好ましくは 5〜65モ
ル%、より好ましくは 10〜45モル0 /0、特に好ましくは 15〜40モル%である。上記単 位 (a2)の含有量が少なすぎると、得られる成形部 (A)が、所望のゴム弾性を示さな い場合がある。一方、多すぎると、得られる成形部 (A)の耐久性が低下する場合があ る。
[0036] 上記エチレン' aーォレフイン系共重合ゴム(1)は、上記単位 (al)及び (a2)力 構 成される二元共重合体であってもよいし、これらの単位 (al)及び (a2)と、更に他の 単位とから構成される重合体 (三元共重合体、四元共重合体等)であってもよい。他 の単位としては、非共役ジェンィ匕合物カゝらなる単位等が挙げられる。
[0037] 上記エチレン' aーォレフイン二元共重合体としては、例えば、エチレン 'プロピレン 共重合体 (以下、単に「EPM^いう。)、エチレン · 1ーブテン共重合体 (以下、単に「 ΕΒΜ」という。)、エチレン · 1 ペンテン共重合体、エチレン · 3—メチルー 1ーブテン 共重合体、エチレン · 1一へキセン共重合体、エチレン · 3—メチルー 1 ペンテン共 重合体、エチレン ·4ーメチルー 1 ペンテン共重合体、エチレン · 3 ェチルー 1 ペンテン共重合体、エチレン · 1 オタテン共重合体、エチレン · 1ーデセン共重合体 及びエチレン · 1 ゥンデセン共重合体等が挙げられる。これらのうち、 ΕΡΜ及び ΕΒ Μが好ましい。また、これらは 1種単独であるいは 2種以上を組み合わせることができ る。
[0038] 上記エチレン' aーォレフイン二元共重合ゴムとして EPM及び Z又は EBMを用い る場合、エチレン含量は、共重合体全体を 100モル%とした場合に 50〜95モル0 /0 ( より好ましくは 60〜90モル0 /0)であることが好ましい。
[0039] 上記エチレン' aーォレフイン系共重合ゴム(1)が三元共重合体である場合、この 三元共重合体としては、エチレン' aーォレフイン'非共役ジェン三元共重合体等が 挙げられる。このエチレン' aーォレフイン'非共役ジェン三元共重合体を構成する 非共役ジェン単位 (以下、「単位 (a3)」という。)を形成することとなる非共役ジェンィ匕 合物としては、 1, 4一へキサジェン、 1, 5 へキサジェン、 1, 6 へキサジェン等の 直鎖の非環状ジェン化合物、 5—メチルー 1, 4一へキサジェン、 3, 7 ジメチルー 1 , 6—ォクタジェン、 5, 7 ジメチルォクタ 1, 6 ジェン、 3, 7 ジメチルー 1, 7— ォクタジェン、 7 メチルオタター 1, 6 ジェン、ジヒドロミルセン等の分岐連鎖の非
環状ジェンィ匕合物、テトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタ ジェン、ビシクロ [2. 2. 1]—ヘプター 2, 5 ジェン、 5—メチレン一 2 ノルボルネン 、 5 ェチリデン 2 ノルボルネン、 5—プロべ-ルー 2 ノルボルネン、 5 イソプ 口ピリデン一 2 ノルボルネン、 5 シクロへキシリデン一 2 ノルボルネン、 5 ビ- ルー 2—ノルボルネン等の脂環式ジェンィ匕合物等が挙げられる。これらの非共役ジ ェンィ匕合物カゝらなる単位 (a3)は、 1種単独で構成されていてもよいし、 2種以上の組 み合わせで構成されていてもよい。また、上記単位 (a3)のうち、 1, 4一へキサジェン 力 なる単位、ジシクロペンタジェンからなる単位、 5 ェチリデン一 2 ノルボルネン 力 なる単位等が好ましい。上記単位 (a3)の含有量は、上記エチレン' a—ォレフィ ン系共重合ゴム(1)を構成する全構成単位の全量を 100モル%とした場合、好ましく は 10モル%以下、より好ましくは 1〜8モル%である。上記単位 (a3)の含有量が多す ぎると、得られる組成物の耐久性が低下する場合がある。
[0040] 本発明においては、上記エチレン' aーォレフイン系共重合ゴム(1)として、前記二 元共重合体及び前記三元共重合体等のほか、これらの重合体の有する水素原子の 一部が塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子に置換されているハロゲン化共重合 体や、塩化ビュル、酢酸ビュル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸の誘導体〔メチル (メタ)アタリレート、グリシジル (メタ)アタリレート、(メタ)アクリルアミド等〕、マレイン酸 、マレイン酸の誘導体(無水マレイン酸、マレイミド、マレイン酸ジメチル等)、共役ジ ェン(ブタジエン、イソプレン、クロ口プレン等)等の不飽和モノマーを前記二元共重 合体、三元共重合体及びハロゲン化共重合体等に対してグラフト重合したグラフト共 重合体を用いることもできる。また、これらのエチレン' α—ォレフイン系共重合ゴムは 1種単独であるいは 2種以上を組み合わせることができる。
[0041] 上記エチレン' aーォレフイン系共重合ゴム(1)は、例えば、チーグラー'ナッタ触 媒と、可溶性バナジウム化合物と、有機アルミニウム化合物とを含む溶媒力 なる触 媒の存在下で、エチレン、 aーォレフイン及び非共役ジェンを、必要に応じて分子量 調節剤として水素を供給しつつ重合する方法等の、中'低圧法による重合方法により 得ることができる。また、その重合は気相法 (流動床又は攪拌床)、液相法 (スラリー法 又は溶液法)でも行うことができる。
[0042] 上記エチレン' aーォレフイン系共重合ゴム(1)の極限粘度(デカリン溶媒中、 135 °Cで測定)は、好ましくは 2. OdlZg以上であり、より好ましくは 2. 5〜7. Odl/g,更 に好ましくは 3. 0〜6. OdlZgである。この極限粘度が小さすぎると、得られる成形部 (A)の表面力も軟化剤がブリードアウトしたり、ゴム弾性が低下したりする場合がある 。一方、大きすぎると、成形加工性が低下する場合がある。また、上記エチレン' a - ォレフィン系共重合ゴムの X線回折による結晶化度は、好ましくは 20%以下、より好 ましくは 15%以下である。結晶化度が高すぎると、得られる成形部 (A)の柔軟性が 低下する場合がある。
[0043] 更に、上記エチレン' aーォレフイン系共重合ゴムのヨウ素価は、好ましくは 5〜30 、より好ましくは 7〜20である。このヨウ素価が小さすぎると、得られるォレフィン系熱 可塑性エラストマ一組成物の架橋密度が低下し、得られる成形部 (A)の機械的物性 が低下する場合がある。一方、大きすぎると、得られるォレフィン系熱可塑性エラスト マー組成物の架橋密度が過度になり、得られる成形部 (A)の機械的物性が低下す る場合がある。
[0044] 尚、上記ォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物(6)において、上記エチレン' a 一才レフイン系共重合ゴム(1)の代わりに、軟化剤 (4)、好ましくは鉱物油系軟化剤( 4,)とエチレン. a一才レフイン系共重合ゴムとを含有する油展ゴム(1,)を用いること もできる。油展ゴム(1,)とする場合のエチレン' aーォレフイン系共重合ゴム及び軟 ィ匕剤 (鉱物油系軟化剤 (4' ) )の配合割合は、好ましくは 20〜80質量%及び 80〜20 質量%、より好ましくは 25〜75質量%及び 75〜25質量%、更に好ましくは 30〜70 質量0 /0及び 70〜30質量0 /0である。このように、上記エチレン' aーォレフイン系共重 合ゴムの代わりに油展ゴムを用いた場合には、上記ォレフィン系熱可塑性エラストマ 一組成物を製造する上で取り扱いが容易となる。
[0045] ( a一才レフイン系結晶性熱可塑性榭脂(2) )
aーォレフイン系結晶性熱可塑性榭脂(2)は、 aーォレフインカ なる単位 (bl)を 含み、 X線回折による結晶化度が 50%以上の榭脂であれば特に限定されない。この 結晶化度は、好ましくは 53%以上、より好ましくは 55%以上である。尚、この結晶化 度は、榭脂の密度と密接に関係しており、例えば、ポリプロピレンの場合、 α型結晶(
単斜晶形)の密度は、 0.
スメチカ型微結晶 (擬六方晶形)の密度は、 0 .
非晶質 (ァタクチック)成分の密度は、 0. 850gZcm
3である。また、ポ リ— 1—ブテンの場合、ァイソタクチック結晶成分の密度は、 0. 91g/cm
3、非晶質( ァタクチック)成分の密度は、 0. 87gZcm
3である。従って、上記 α—ォレフィン系結 晶性熱可塑性榭脂の好ましい密度は、 0. 89g/cm
3以上であり、より好ましくは 0. 9 0〜0. 94gZcm
3である。上記範囲とすることにより、結晶化度を 50%以上とすること ができる。上記 α—才レフイン系結晶性熱可塑性榭脂の結晶化度が 50%未満、密 度が 0. 89gZcm
3以下である場合には、得られる成形部 (A)の耐熱性、強度等が低 下する傾向にある。
[0046] 上記単位 (b l)を形成することとなる aーォレフインは、好ましくは炭素数が 3以上の ものであり、より好ましくは炭素数が 3〜12のものである。これらのうち、プロピレン及 び 1ーブテンが好ましい。上記単位 (b l)の含有量は、上記 α—ォレフィン系結晶性 熱可塑性榭脂 (2)を構成する全構成単位の全量を 100モル%とした場合、好ましく は 60モル%以上、より好ましくは 80モル%以上、更に好ましくは 90〜: L00モル%で ある。(b l)含有量が低くなると、上記 α—才レフイン系結晶性熱可塑性榭脂(2)の結 晶化度及び融点が低下する傾向にある。
[0047] 上記 oc一才レフイン系結晶性熱可塑性榭脂 (2)が共重合体である場合、この共重 合体は、ブロック共重合体及びランダム共重合体のいずれであってもよい。但し、上 記の結晶化度のブロック共重合体とするためには、 α—ォレフインカ なる単位 (b l) を除く構成単位の合計量は、ブロック共重合体を構成する全構成単位の全量を 100 モル%とした場合、好ましくは 40モル%以下であり、より好ましくは 20モル%以下、更 に好ましくは 10モル%以下である。 40モル%を超えると上記 α—ォレフィン系結晶 性熱可塑性榭脂 (2)の結晶化度及び融点が低下する傾向にある。上記 (b l)を除く 構成単位としては、エチレン由来の構成単位を挙げることができる。上記ブロック共 重合体は、チーグラー ·ナッタ触媒を用いるリビング重合により得ることができる。
[0048] また、上記の結晶化度のランダム共重合体とするためには、 α—ォレフインカ なる 単位 (b l)を除く構成単位の合計量は、ランダム共重合体を構成する全構成単位の 全量を 100モル%とした場合、好ましくは 15モル%以下であり、より好ましくは 10モ
ル%以下である。上記ランダム共重合体は、例えば、チーグラー ·ナッタ触媒と、可溶 性バナジウム化合物と、有機アルミニウム化合物と、溶媒とを含む触媒成分の存在下 で、 α—ォレフィン等を重合することにより得ることができる。重合方法としては、中 · 低圧法等が挙げられ、気相法 (流動床又は攪拌床)、液相法 (スラリー法又は溶液法 )等で行うことができる。尚、重合時には、必要に応じて、水素ガス等の分子量調節剤 を用いてもよい。
[0049] 上記可溶性バナジウム化合物としては、 VOC1及び Ζ又は VC1と、アルコールとの
3 4
反応生成物を用いることが好ましい。アルコールとしては、炭素数が 2 12のものが 好ましぐ例えば、メタノール、エタノール、 η—プロパノール、イソプロパノール、 η- ブタノール、 sec—ブタノール、 tーブタノール、 n キサノール、 n—ォクタノール、 2—ェチルへキサノール、 n—デカノール、 n—ドデカノール等が挙げられる。これら は、 1種単独であるいは 2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのう ち、炭素数 3 8のアルコールが特に好ましい。
[0050] また、上記有機アルミニウム化合物としては、トリェチルアルミニウム、トリイソブチル アルミニウム、トリー n キシルアルミニウム、ジェチルアルミニウムモノクロリド、ジィ ソブチルアルミニウムモノクロリド、ェチルアルミニウムセスキク口リド、ブチルアルミ- ゥムセスキク口リド、ェチルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジクロリド、トリメ チルアルミニウムと水との反応生成物であるメチルアルミノキサン等が挙げられる。こ れらのうち、ェチルアルミニウムセスキク口リド、ブチルアルミニウムセスキク口リド、ェチ ルアルミニウムセスキク口リドとトリイソブチルアルミニウムとの混合物、トリイソブチルァ ルミ-ゥムとブチルアルミニウムセスキクロリドとの混合物が好ましい。これらは、 1種単 独であるいは 2種以上を組み合わせて用いることができる。更に、上記溶媒としては、 炭化水素が好ましぐ特に、 n—ペンタン、 n—へキサン、 n—ヘプタン、 n—オクタン、 イソオクタン、シクロへキサンが好ましい。これらは、 1種単独であるいは 2種以上を組 み合わせて用いることができる。
[0051] 上記 oc一才レフイン系結晶性熱可塑性榭脂(2)の融点、即ち、示差走査熱量測定 法による最大ピーク温度は、好ましくは 100°C以上、より好ましくは 120°C以上である 。この融点が 100°C未満では、十分な耐熱性及び強度が発揮されない傾向にある。
また、上記 α—ォレフイン系結晶性熱可塑性榭脂のメルトフローレート(温度 230°C、 荷重 2. 16kg (21N) ) (以下、単に「MFR」と! /、う)は、好ましくは 0. 1〜1 , OOOg/1 0分、より好ましくは 0. 5〜500gZlO分、更に好ましくは 1〜: LOOgZlO分である。こ の MFRが 0. lgZlO分未満では、ォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物(6)の 混練加工性、押出加工性等が不十分となる傾向にある。一方、 1 , OOOgZlO分を超 えると、得られる成形部 (A)の機械的強度が低下する傾向にある。
[0052] 本発明において好ましい α—才レフイン系結晶性熱可塑性榭脂(2)は、結晶化度 力 0%以上、密度が 0. 89g/cm3以上、エチレン単位の含有量が 20モル%以下、 融点が 100°C以上、且つ、 MFRが 0. 1〜: LOOgZlO分の榭脂である。特に好ましい 榭脂は、融点が 140〜170°Cのポリプロピレン、プロピレン 'エチレン共重合体等であ る。上記 α—ォレフィン系結晶性熱可塑性榭脂は、 1種単独であるいは 2種以上を組 み合わせて用いることができる。
[0053] 上記 aーォレフイン系結晶'性熱可塑'性榭脂(2)としては、例えば、ポリプロピレン、 プロピレン 'エチレン共重合体、プロピレン · 1ーブテン共重合体、プロピレン · 1ーぺ ンテン共重合体、プロピレン · 3—メチルー 1ーブテン共重合体、プロピレン · 1一へキ セン共重合体、プロピレン · 3—メチルー 1 ペンテン共重合体、プロピレン · 4ーメチ ルー 1 ペンテン共重合体、プロピレン · 3 ェチルー 1 ペンテン共重合体、プロピ レン · 1—オタテン共重合体、プロピレン · 1ーデセン共重合体及びプロピレン · 1ーゥ ンデセン共重合体等が挙げられる。これらのうち、ポリプロピレン及びプロピレン.ェチ レン共重合体が好ましく用いられる。また、これらは 1種単独であるいは 2種以上を組 み合わせて用いることができる。
[0054] ( a一才レフイン系非晶質熱可塑性榭脂 (3) )
a—ォレフイン系非晶質熱可塑性榭脂(3)は、 oc—ォレフインカもなる単位 (c l)を 含み、 X線回折による結晶化度が 50%未満の榭脂であれば特に限定されない。この 結晶化度は、好ましくは 30%以下、より好ましくは 20%以下である。また、密度から 見た場合、好ましくは 0. 85〜0. 89gZcm3、より好ましくは 0. 85〜0. 88gZcm3で ある。
[0055] 上記単位 (cl)を形成することとなる aーォレフインは、好ましくは炭素数が 3以上の
ものであり、より好ましくは 3〜 12のものである。
[0056] 上記単位 (cl)の含有量は、上記 α—才レフイン系非晶質熱可塑性榭脂を構成す る全構成単位の全量を 100モル%とした場合、好ましくは 50モル%以上、更に好ま しくは 60モル%以上である。
[0057] 上記 aーォレフイン系非晶質熱可塑'性榭脂(3)としては、ァタクチックポリプロピレ ン、ァタクチックポリ 1—ブテン等の単独重合体、 50モル0 /0を超えるプロピレン単位と 、他の α ォレフィン(エチレン、 1—ブテン、 1—ペンテン、 1—へキセン、 4—メチル — 1—ペンテン、 1—オタテン、 1—デセン等)より形成される単位とからなる共重合体 、 50モル0 /0を超える 1—ブテン単位と、他の α—ォレフイン(エチレン、プロピレン、 1 —ペンテン、 1—へキセン、 4—メチル 1—ペンテン、 1—オタテン、 1—デセン等)よ り形成される単位とからなる共重合体等が挙げられる。ァタクチックポリプロピレン及 びァタクチックポリ一 1—ブテンは、ジルコノセンィ匕合物一メチルアルミノキサン触媒を 用いる重合によって得ることができる。また、上記ァタクチックポリプロピレンは、前記 α—ォレフィン系結晶性熱可塑性榭脂として例示したポリプロピレンの副生成物とし て得ることができる。
[0058] 上記 a一才レフイン系非晶質熱可塑性榭脂(3)が共重合体である場合、この共重 合体は、ブロック共重合体及びランダム共重合体のいずれであってもよい。但し、ブ ロック共重合体の場合、 50モル%を超えて構成される a—ォレフインカゝらなる単位 (c
1)は、ァタクチック構造で結合している必要がある。このブロック共重合体は、チーグ ラー 'ナッタ触媒を用いるリビング重合により得ることができる。また、ランダム共重合 体は、上記 α ォレフィン系結晶性熱可塑性榭脂と同様の方法により得ることができ る。尚、上記 α ォレフィン系非晶質熱可塑性榭脂が、上記単位 (cl)と、エチレンか らなるエチレン単位とを含む共重合体である場合、上記 α—才レフイン系非晶質熱 可塑性榭脂 (3)を構成する全構成単位の全量を 100モル%とした場合、上記単位 (c 1)の含有量は、好ましくは 50モル%以上、更に好ましくは 60〜: L00モル%である。 上記 α—ォレフィン系非晶質熱可塑'性榭脂(3)としては、ァタクチックポリプロピレン 、 50モル0 /0を超えるプロピレン単位とエチレン単位とからなる共重合体、 50モル0 /0を 超えるプロピレン単位と 1—ブテンよりなる単位とからなる共重合体が特に好ましい。
[0059] 上記 aーォレフイン系非晶質熱可塑性榭脂(3)の GPCによるポリスチレン換算の 数平均分子量 Μηは、好ましくは 1 , 000〜20, 000、より好ましくは 1 , 500〜15, 0 00である。 1 , 000未満ではォレフイン系熱可塑性エラストマ一組成物(6)を用いて 得られる第 1成形部の耐熱性が悪ィ匕する傾向にあり、一方、 20, 000を超えるとォレ フィン系熱可塑性エラストマ一組成物(6)の流動性及び熱融着性が悪化する傾向に ある。上記 α—ォレフィン系非晶質熱可塑性榭脂は、 1種単独であるいは 2種以上を 組み合わせて用いることができる。
[0060] 上記 oc一才レフイン系非晶質熱可塑性榭脂(3)の 190°Cにおける溶融粘度は、好 ましくは 50, OOOcPs以下、より好ましくは 100〜30, 000cPs、更に好ましくは 200 〜20, OOOcPsである。この粘度が 50, OOOcPsを超えると被着体との接着強度が低 下する傾向にある。しかし、 50, OOOcPsを超えなくても、結晶化度が 50%を超える 場合、密度が 0. 89gZcm3を超える場合は、各々被着体との接着強度が低下する 傾向にある。
[0061] (軟化剤 (4) )
軟化剤 (4)としては、ゴム製品に用いられている公知の軟化剤を用いることができる 。この軟化剤としては、鉱物油系軟化剤等のプロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流 動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系物質;コールタール、コールター ルビッチ等のコールタール類;ヒマシ油、アマ-油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂 肪油;トール油、蜜ロウ、カルナウパロウ、ラノリン等のロウ類;リシノール酸、パルミチ ン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸又はそ の金属塩;石油榭脂、クマロンインデン榭脂、ァタクチックポリプロピレン等の合成高 分子物質;ジォクチルフタレート、ジォクチルアジペート、ジォクチルセバケート等の エステルイ匕合物;マイクロクリスタリンワックス、サブ(ファタチス)、液状ポリブタジエン、 変性液状ポリブタジエン、液状チォコール等が挙げられる。これらのうち、プロセスォ ィルが好ましぐ特に、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系の鉱物油系軟化剤 (4 ' ) が好ましい。尚、上記鉱物油系軟化剤 (4 ' )は、一般に、芳香族環、ナフテン環、及 びパラフィン鎖の三者の混合物である。ノ ラフィン鎖の炭素数が全炭素数中の 50% 以上を占めるものがパラフィン系鉱物油、ナフテン環の炭素数が全炭素数中の 30〜
45%のものがナフテン系鉱物油、芳香族環の炭素数が全炭素数中の 30%以上のも のが芳香族系鉱物油と、それぞれ分類されている。上記パラフィン系、ナフテン系、 芳香族系の鉱物油系軟化剤は、これらを組み合わせて用いることができ、更には、そ れぞれを 1種単独であるいは 2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0062] 上記鉱物油系軟化剤 (4' )の GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量 Mw は、好ましくは 300〜2, 000、より好ましくは 500〜1, 500である。また、 40°Cにおけ る動粘度は、好ましくは 20〜800cSt、より好ましくは 50〜600cStである。更に、流 動点は、好ましくは 40〜0°C、より好ましくは— 30〜0°Cである。
[0063] (ォレフイン系熱可塑性エラストマ一組成物(6)の組成)
上記成形部 (A)の形成に用いられるォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物(6) は、エチレン. aーォレフイン系共重合ゴム(1)、 aーォレフイン系結晶性熱可塑性 榭脂 (2)、 a—ォレフイン系非晶質熱可塑性榭脂 (3)及び軟化剤 (4)を含有する。こ れら 4成分の合計を 100質量部とした場合、各成分の含有割合は、下記の通りである 。即ち、エチレン' aーォレフイン系共重合ゴム(1)の含有量は、好ましくは 20〜97 質量部、より好ましくは 23〜94質量部、更に好ましくは 25〜90質量部であり、 a - ォレフィン系結晶性熱可塑性榭脂(2)の含有量は、好ましくは 1〜49質量部、より好 ましくは 2〜45質量部、更に好ましくは 3〜40質量部であり、 α—ォレフィン系非晶 質熱可塑性榭脂の含有量は、好ましくは 1〜49質量部、より好ましくは 2〜45質量部 、更に好ましくは 3〜40質量部であり、軟化剤 (4)の含有量は、好ましくは 1〜70質 量部、より好ましくは 2〜67質量部、更に好ましくは 4〜65質量部である。
[0064] 上記エチレン' aーォレフイン系共重合ゴムの含有量が 20質量部未満では、得ら れる成形部 (A)の柔軟性が低下する傾向にある。一方、 90質量部を超えると、架橋 剤の存在下で熱処理して得られたォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物の流動 性が低下し、成形部 (A)とする際の成形加工性が著しく悪化する。上記 α—才レフィ ン系結晶性熱可塑性榭脂の含有量が 1質量部未満では、得られるォレフィン系熱可 塑性エラストマ一組成物の流動性が低下する傾向にある。一方、 49質量部を超える と、得られる成形部 (Α)の柔軟性とゴム弾性が低下する傾向にある。上記 α ォレフ イン系非晶質熱可塑性榭脂の含有量が 1質量部未満では、得られる成形部 (Α)と、
第 2成形部 (成形部 (B) )との接着性が低下する傾向にある。一方、 49質量部を超え ると、得られる成形部 (A)の柔軟性及びゴム弾性が低下する傾向にある。また、上記 軟化剤の含有量が 1質量部未満では、得られる成形部 (A)の柔軟性が低下する傾 向にある。一方、 70質量部を超えると、得られるォレフィン系熱可塑性エラストマ一組 成物の機械的物性が悪化する傾向にある。
(他の重合体成分)
上記成形部 (A)の形成に用いられるォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物(6) には、エチレン. aーォレフイン系共重合ゴム(1)、 aーォレフイン系結晶性熱可塑 性榭脂 (2)及び α—才レフイン系非晶質熱可塑性榭脂 (3)以外に、他の重合体成分 が含有されていてもよい。他の重合体成分としては、得られる熱可塑性エラストマ一 組成物の機械的強度、柔軟性等を阻害しないものであれば、特に限定されない。他 の重合体成分としては、アイオノマー榭脂、アミノアクリルアミド重合体、ポリエチレン 及びその無水マレイン酸グラフト重合体、ポリイソブチレン、エチレン '塩化ビュル共 重合体、エチレン 'ビュルアルコール共重合体、エチレン '酢酸ビュル共重合体、ポリ エチレンオキサイド、エチレン 'アクリル酸共重合体、ポリプロピレン及びその無水マレ イン酸グラフト重合体、ポリイソブチレン及びその無水マレイン酸グラフト重合体、塩 素化ポリプロピレン、 4—メチルペンテン一 1榭脂、ポリスチレン、 ABS榭脂、 ACS榭 脂、 AS榭脂、 AES榭脂、 ASA榭脂、 MBS榭脂、アクリル榭脂、メタタリル榭脂、塩 化ビニル榭脂、塩ィ匕ビニリデン榭脂、ポリアミド榭脂、ポリカーボネート、ビニルアルコ ール榭脂、ビュルァセタール榭脂、フッ素榭脂、ポリエーテル榭脂、ポリエチレンテレ フタレート、二トリルゴム及びその水素添加物、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴ ム、ブチルゴム、天然ゴム、塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマ一、シンジオタ クチック 1, 2—ポリブタジエン、単純ブレンド型ォレフイン系熱可塑性エラストマ一、ィ ンプラント型ォレフイン系熱可塑性エラストマ一、動的架橋型ォレフイン系熱可塑性 エラストマ一、ポリ塩ィ匕ビュル系熱可塑性エラストマ一、ポリウレタン系熱可塑性エラ ストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマ一、ポリアミド系熱可塑性エラストマ一、 フッ素系熱可塑性エラストマ一が挙げられる。これらの重合体成分は、 1種単独であ るいは 2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの重合体成分の含有割合
は、エチレン. a—ォレフイン系共重合ゴム、 a—ォレフイン系結晶性熱可塑性榭脂 及び α—才レフイン系非晶質熱可塑性榭脂の合計を 100質量部とした場合、好まし くは 0. 1〜: L00質量部、より好ましくは 0. 1〜80質量部である。
[0066] (添加剤)
また、上記成形部 (Α)の形成に用いられるォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成 物 (6)は、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤 、耐候剤、難燃剤、充填剤、防菌 '防かび剤、ブロッキング剤、シール性改良剤、滑 剤 (金属石鹼、ワックス等)、熱安定剤、光安定剤、銅害防止剤等の安定剤、金属不 活性剤、結晶核剤、粘着付与剤、発泡剤、発泡助剤、着色剤 (染料、顔料等)等の添 加剤を含有してもよい。
[0067] (充填剤)
充填剤としては、フェライト等の金属粉末、ガラス繊維、金属繊維等の無機繊維、炭 素繊維、ァラミド繊維等の有機繊維、複合繊維、チタン酸カリウムウイスカ一等の無機 ゥイスカー、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラスフレーク、アスベスト、マイ力、炭酸 カルシウム、タルク、湿式シリカ、乾式シリカ、アルミナ、アルミナシリカ、ケィ酸カルシ ゥム、ハイド口タルサイト、カオリン、けい藻土、グラフアイト、軽石、ェボ粉、コットンフロ ック、コルク粉、硫酸バリウム、フッ素榭脂、ポリマービーズ、カーボンブラック、セル口 ースパウダー、ゴム粉、木粉等が挙げられる。これらは、 1種単独であるいは 2種以上 を組み合わせて用いることができる。
[0068] (架橋剤(5) )
上記ォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物(6)は、エチレン' aーォレフイン系 共重合ゴム(1)、 α—才レフイン系結晶性熱可塑性榭脂(2)、 α—才レフイン系非晶 質熱可塑性榭脂 (3)及び軟化剤 (4)を含む混合物を、架橋剤 (5)の存在下で動的 に熱処理して得られたものである。
[0069] 上記架橋剤(5)としては特に限定されないが、 a一才レフイン系結晶性熱可塑性榭 脂(1)及び α—才レフイン系非晶質熱可塑性榭脂(2)の融点以上の温度における動 的熱処理により、少なくともエチレン' a一才レフイン系共重合ゴム(1)を架橋すること ができる化合物が好まし 、。
[0070] 上記架橋剤 (5)としては、有機過酸化物、フエノール榭脂架橋剤、硫黄、硫黄化合 物、 p キノン、 p キノンジォキシムの誘導体、ビスマレイミドィ匕合物、エポキシ化合 物、シランィ匕合物、アミノ榭脂、ポリオール架橋剤、ポリアミン、トリアジンィ匕合物、金属 石鹼等が挙げられる。これらは、 1種単独であるいは 2種以上を組み合わせて用いる ことができる。また、これらのうち、有機過酸化物及びフエノール榭脂架橋剤が好まし い。
[0071] 有機過酸化物としては、 1, 3 ビス(t ブチルパーォキシイソプロピル)ベンゼン、 2, 5 ジメチルー 2, 5 ビス(t—ブチルパーォキシ)へキシンー3、 2, 5 ジメチル - 2, 5 ビス(t—ブチルパーォキシ)へキセン— 3、 2, 5 ジメチルー 2, 5 ビス(t ブチルパーォキシ)へキサン、 2, 2,一ビス(t ブチルパーォキシ) p イソプロ ピルベンゼン、ジクミルパーォキシド、ジー t ブチルパーォキシド、 t ブチルパー ォキシド、 p—メンタンパーォキシド、 1, 1 ビス(t ブチルパーォキシ) 3, 3, 5— トリメチルシクロへキサン、ジラウロイルパーォキシド、ジァセチルバーォキシド、 tーブ チノレパーォキシベンゾエート、 2, 4ージクロ口べンゾィノレパーォキシド、 p クロ口べ ンゾィルパーォキシド、ベンゾィルパーォキシド、ジ(t ブチルパーォキシ)パーベン ゾエート、 n—ブチルー 4, 4 ビス(t—ブチルパーォキシ)バレレート、 tーブチルバ 一ォキシイソプロピルカーボネート等が挙げられる。これらは、 1種単独であるいは 2 種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのうち、 1, 3 ビス (t—ブチ ルパーォキシイソプロピル)ベンゼン、 2, 5 ジメチルー 2, 5 ジ(t—ブチルバーオ キシ)へキシンー3、 2, 5 ジメチルー 2, 5 ジ(t—ブチルパーォキシ)へキサン及 び α , a -ビス (t ブチルパーォキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーォキサ イド、ジー t ブチルパーオキサイドが好まし!/、。
[0072] また、フ ノール系架橋剤としては、例えば、下記一般式 (I)で示される p 置換フ ェノール系化合物、 o 置換フエノール'アルデヒド縮合物、 m 置換フエノール 'ァ ルデヒド縮合物、臭素化アルキルフエノール 'アルデヒド縮合物等が挙げられる。これ らは、 1種単独であるいは 2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これら のうち、 p 置換フエノール系化合物が好ましい。
(但し、上記一般式 (I)において、 Xはヒドロキシル基、ハロゲン化アルキル基又はハ ロゲン原子であり、 Rは炭素数 1〜15の飽和炭化水素基、 nは 0〜10の整数である。 )
[0074] 尚、上記 p—置換フエノール系化合物は、アルカリ触媒の存在下において p—置換 フエノールとアルデヒド (好ましくはホルムアルデヒド)との縮合反応により得ることがで きる。
[0075] 上記架橋剤 (5)の使用量は、エチレン' aーォレフイン系共重合ゴム(1)、 aーォレ フィン系結晶性熱可塑性榭脂 (2)、 a—ォレフイン系非晶質熱可塑性榭脂 (3)等を 含む重合体成分の合計量 100質量部に対して、好ましくは 0. 01〜20質量部、より 好ましくは 0. 1〜15質量部、更に好ましくは 1〜10質量部である。尚、上記架橋剤と して有機過酸化物を使用する場合には、好ましくは 0. 05〜10質量部、より好ましく は 0. 1〜5質量部である。この有機過酸化物の使用量が多すぎると、架橋度が過度 に高くなり、成形加工性が悪化したり、機械的物性が低下する傾向にある。一方、少 なすぎると、架橋度が不足し、得られる成形部 (A)のゴム弾性及び機械的強度が低 下する場合がある。また、上記架橋剤(5)としてフエノール系架橋剤を使用する場合 には、好ましくは 0. 2〜10質量部、より好ましくは 0. 5〜5質量部である。このフエノ ール系架橋剤の使用量が多すぎると、成形加工性が悪化する場合がある。一方、少 なすぎると、架橋度が不足し、得られる成形部 (A)のゴム弾性及び機械的強度が低 下する場合がある。
[0076] 尚、上記架橋剤(5)は、架橋助剤あるいは架橋促進剤と併用することにより架橋反 応を穏やかに行うことができ、特に均一な架橋を形成することができる。特に、上記架 橋剤(5)として有機過酸化物を用いる場合には、硫黄、硫黄化合物 (粉末硫黄、コロ イド硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄、表面処理硫黄、ジペンタメチレンチウラムテトラス
ルフイド等)、ォキシム化合物(p—キノンォキシム、 p, p,ージベンゾィルキノンォキシ ム等)、多官能性モノマー類 (エチレングリコールジ (メタ)アタリレート、ジエチレンダリ コールジ (メタ)アタリレート、トリエチレングリコールジ (メタ)アタリレート、テトラエチレ ングリコールジ (メタ)アタリレート、ポリエチレングリコールジ (メタ)アタリレート、トリメチ ロールプロパントリ(メタ)アタリレート、ジァリルフタレート、テトラァリルォキシェタン、ト リアリルシアヌレート、 N, N,一m—フエ-レンビスマレイミド、 N, N,一トルイレンビス マレイミド、無水マレイン酸、ジビュルベンゼン、ジ (メタ)アクリル酸亜鉛等)等の架橋 助剤を用いることが好ましい。これらは、 1種単独であるいは 2種以上を組み合わせて 用いることができる。また、これらのうち、 p, p'—ジベンゾィルキノンォキシム、 N, N, —m—フエ-レンビスマレイミド、ジビュルベンゼンが好ましい。尚、上記架橋助剤の うち、 N, N,—m—フエ-レンビスマレイミドは、架橋剤としての作用を有するため、架 橋剤として使用することもできる。
[0077] 上記架橋剤 (5)として有機過酸化物を使用する場合の架橋助剤の使用量は、原料 組成物に含まれる重合体成分の合計量 100質量部に対して、好ましくは 10質量部 以下、より好ましくは 0. 2〜5質量部である。この架橋助剤の使用量が多すぎると、架 橋度が過度に高くなり、成形加工性が悪化したり、機械的物性が低下する傾向にあ る。
[0078] また、上記架橋剤 (5)としてフエノール系架橋剤を用いる場合には、金属ハロゲン 化物 (塩化第一すず、塩ィ匕第二鉄等)、有機ハロゲンィ匕物 (塩素化ポリプロピレン、臭 化ブチルゴム、クロロプレンゴム等)等の架橋促進剤を併用し、架橋速度を調節する ことができる。また、架橋促進剤のほかに、更に、酸化亜鉛等の金属酸化物ゃステア リン酸等の分散剤を併用することがより望ましい。
[0079] (動的熱処理)
上記ォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物(6)は、エチレン' aーォレフイン系 共重合ゴム(1)、 α—才レフイン系結晶性熱可塑性榭脂(2)、 α—才レフイン系非晶 質熱可塑性榭脂 (3)及び軟化剤 (4)を含む混合物と、架橋剤 (5)とを含む原料組成 物が動的熱処理されたものである。尚、ここで、「動的に熱処理する」とは、剪断力を 加えること及び加熱することの両方を行うことをいう。上記原料組成物の調製の際に
は、エチレン. aーォレフイン系共重合ゴム(1)、 aーォレフイン系結晶性熱可塑性 榭脂(2)、 a—ォレフイン系非晶質熱可塑性榭脂(3)は、そのまま用いてもよいし、そ れぞれ、同一又は異なる添加剤を含む組成物として用いてもよい。尚、エチレン' a 一才レフイン系共重合ゴムを使用する際の形状としては、ベール、クラム、ペレット、 粉体 (ベール又はクラムの粉砕品を含む)の 、ずれであってもよく、形状の異なるェ チレン' α—ォレフイン系共重合体を組み合わせて用いてもよい。
[0080] 上記ォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物(6)を製造する際、「動的に熱処理 する」ために用いる装置としては、溶融混練装置等が挙げられる。この溶融混練装置 による処理は連続式でもよいし、ノ ツチ式でもよい。この溶融混練装置としては、例え ば、開放型のミキシングロール、非開放型のバンバリ一ミキサー、一軸押出機、二軸 押出機、連続式混練機、加圧ニーダ一等が挙げられる。これらのうち、経済性、処理 効率等の観点から、一軸押出機、二軸押出機、連続式混練機等の連続式の溶融混 練装置を用いることが好ましい。連続式の溶融混練装置は、同一又は異なる装置を 2 台以上組み合わせて用いてもよ!、。
[0081] 上記二軸押出機を用いる場合には、 LZD (スクリュー有効長さ Lと外径 Dとの比)が 30以上であることが好ましぐより好ましくは 36〜60である。また、この二軸押出機と しては、例えば、 2本のスクリューが嚙み合うもの、嚙み合わないもの等の任意の二軸 押出機を使用することができるが、 2本のスクリューの回転方向が同一方向でスクリュ 一が嚙み合うものがより好ましい。このような二軸押出機としては、池貝社製「PCM」 、神戸製鋼所社製「KTX」、 日本製鋼所社製「ΤΕΧ」、東芝機械社製「ΤΕΜ」、ヮー ナ一社製「ZSK」等が挙げられる。
[0082] また、上記連続式混練機を用いる場合には、 L/D (スクリュー有効長さ Lと外径 Dと の比)が 5以上であることが好ましぐより好ましくは LZD10である。このような連続式 混練機としては、神戸製鋼所社製「ミクストロンKTX·LCM ·NCM」、 日本製鋼所社 製「CIM · CMPJ等が挙げられる。
[0083] 動的熱処理の際の処理温度は、通常、 120〜350°C、好ましくは 150〜290°Cで ある。処理時間は、通常、 20秒間〜 320分間、好ましくは 30秒間〜 25分間である。 また、混合物に加える剪断力は、ずり速度で 10〜20, 000Z秒、好ましくは 100〜1
o, oooZ秒である。
[0084] (黒色系熱可塑性エラストマ一組成物(6 ' ) )
本発明の複合部材において、第 1成形部を黒色にする場合には、上述したォレフィ ン系熱可塑性エラストマ一糸且成物(6)は、上述したエチレン' ーォレフイン系共重 合ゴム(1)、 α—才レフイン系結晶性熱可塑性榭脂 (2)、 α—才レフイン系非晶質熱 可塑性榭脂 (3)及び鉱物油系軟化剤 (4 ' )を含有し、さらに耐候剤 (9)及びカーボン ブラック(10)を含有し、ィォゥ(S)含有量が 20ppm以下の黒色系熱可塑性エラスト マー組成物(6' )とすることが好ましい。また、ィォゥ(S)含有量としては、カーボンブ ラック(10)中のィォゥ(S)含有量が 0. 4質量%以下であってもよい。これにより、第 1 成形部を黒色とした場合でも、加硫ゴムに似た柔軟性及びゴムらしさを持ち、自動車 のボディシールであるウィンドシール、ドアシール、トランクシール等の自動車部品材 料として長期間使用しても、白化現象が生じず、耐候性に優れ、しかもリサイクルが 可能となる。
[0085] 従来、黒色系熱可塑性エラストマ一組成物を構成材料として使用した部材(自動車 部品)を長期間使用していると、部品表面が白化するという現象が生じることがあった 。その原因について本発明者らが検討したところ、熱可塑性エラストマ一組成物に着 色剤として含有されるカーボンブラックの種類によって白化現象の発生の有無が左 右されることが判明した。すなわち、カーボンブラックに含まれるィォゥ(S)量、換言 すると、熱可塑性エラストマ一組成物に含まれるィォゥ(S)量が所定以下の場合には 白化現象が発生せず、一方、ィォゥ (S)含有量が所定量を超える場合には白化現象 が発生したのである。
[0086] そこで、上記の白化現象の発生機構をさらに仔細に検討したところ、部品表面に表 れる白化物は熱可塑性エラストマ一組成物に含有されている ーォレフイン系非晶 質重合体の分解物であった。通常、黒色系熱可塑性エラストマ一組成物を構成材料 とする自動車部品には、ヒンダードアミン系光安定剤を代表とする耐候剤が混合され ており、長期間使用しても部品表面の白化現象が生じないようにしているが、黒色着 色剤であるカーボンブラック中に混入しているィォゥ(S)が所定以上に多いと、耐候 剤の効力が低下して、白化現象が生じることが分力つた。
[0087] そこで、本実施の形態においては、黒色系熱可塑性エラストマ一組成物(6 ' )中の ィォゥ(S)含有量としては 20ppm以下、カーボンブラック中のィォゥ(S)含有量として は 0. 4質量%以下に限定した。このように、熱可塑性エラストマ一組成物中、あるい はカーボンブラック中のィォゥ(S)含有量を限定することにより、熱可塑性エラストマ 一組成物から構成された部品表面の白化現象発生を防止することが可能となったの である。熱可塑性エラストマ一組成物中のィォゥ(S)含有量は好ましくは 15ppm以下 であり、より好ましくは lOppm以下である。カーボンブラック中のィォゥ(S)含有量で いえば、好ましくは 0. 3質量%以下あり、より好ましくは 0. 2質量%以下である。
[0088] 黒色系熱可塑性エラストマ一組成物(6,)は、エチレン' aーォレフイン系共重合ゴ ム(1)、 α—才レフイン系結晶性熱可塑性榭脂(2)、 α—才レフイン系非晶質熱可塑 性榭脂 (3)、鉱物油系軟化剤 (4' )を含有する。これらの合計を 100質量%とした場 合、 a一才レフイン系非晶質熱可塑性榭脂 (3)を 1〜20質量%含有することが好まし ぐ 2〜15質量%含有することが更に好ましぐ 3〜10質量%含有することが特に好 ましい。
[0089] 上記 a一才レフイン系非晶質熱可塑性榭脂(3)の配合量が 1質量%未満であると、 加硫ゴムとの射出融着時の接着性が低下する傾向にある。一方、 20質量%を超える と、黒色系熱可塑性エラストマ一組成物(6 ' )の耐熱性や強度が低下する傾向にあり 、また、得られる黒色系熱可塑性エラストマ一組成物(6 ' )の粘着性が過度に大きくな り、上記エチレン' a一才レフイン系共重合ゴム(1)と上記鉱物油系軟化剤 (4' )との 混練を行う場合に分散不良を生じる傾向にある。
[0090] また、エチレン' aーォレフイン系共重合ゴム(1)は 20〜70質量0 /0が好ましぐ更に 好ましくは 25〜66質量%、特に好ましくは 30〜64質量%であり、鉱物油系軟化剤( 4' )は25〜70質量%が好ましぐ更に好ましくは 30〜66質量%、特に好ましくは 35 〜64質量%であり、 a一才レフイン系結晶性熱可塑性榭脂(2)は 1〜35質量%が好 ましぐ更に好ましくは 2〜30質量%、特に好ましくは 3〜25質量%の範囲で各々含 有する。更に、エチレン' a—ォレフイン系共重合ゴム(1)と鉱物油系軟化剤 (4,)と を合計で 80〜95質量%含有することが好ましぐ更に好ましくは 83〜95質量%であ る。
[0091] 上記エチレン' aーォレフイン系共重合ゴム(1)が 20質量0 /0未満であると、得られ る黒色系熱可塑性エラストマ一組成物(6 ' )の柔軟性が低下する傾向にある。一方、 上記エチレン' aーォレフイン系共重合ゴム(1)の配合量が 70質量%を超えると、射 出融着による成形体では耐熱性及び強度が低下する傾向、熱可塑的性質が損なわ れる傾向にあり好ましくない。上記鉱物油系軟化剤 (4' )が 25質量%未満であると、 得られる黒色系熱可塑性エラストマ一組成物(6 ' )の流動性が低下する傾向にある。 一方、上記鉱物油系軟化剤 (4' )が 70質量%を超えると、上記 α—ォレフィン系結 晶性熱可塑性榭脂 (2)及び上記 a—ォレフイン系非晶質熱可塑性榭脂 (3)との混 練時に分散不良を生じる傾向にあり好ましくない。また、上記 α—才レフイン系結晶 性熱可塑性榭脂 (2)が 1質量%未満であると、得られる黒色系熱可塑性エラストマ一 組成物(6 ' )の強度及び耐熱性が低下する傾向にある。一方、上記 α—才レフイン系 結晶性熱可塑性榭脂 (2)が 35質量%を超えると、得られる黒色系熱可塑性エラスト マー組成物(6 ' )の柔軟性が低下し好ましくな!/、。
[0092] 黒色系熱可塑性エラストマ一糸且成物(6,)においては、エチレン' aーォレフイン系 共重合ゴム(1)、 α—才レフイン系結晶性熱可塑性榭脂(2)、 α—才レフイン系非晶 質熱可塑性榭脂 (3)、鉱物油系軟化剤 (4' )の 4成分以外に、上記したように、耐候 剤(9)及び黒色着色剤であるカーボンブラック(10)を含有する。耐候剤 (9)の含有 量は、上記 4成分の合計 100質量部に対し、 5質量部以下が好ましぐ 0. 2質量部以 下がより好ましい。耐候剤(9)の含有量が 5質量部を超える場合には、ゴム弾性が低 下する傾向にあるほか、耐候剤(9)は一般に高価であり含有量は多くすると経済的 でない。
[0093] カーボンブラック(10)の含有量は、上記 4成分の合計 100質量部に対し、 0. 2〜1 0. 0質量部が好ましぐ 0. 3〜1. 5質量部がより好ましい。カーボンブラック(10)の 含有量が 0. 2質量部未満の場合には、耐候性に劣る傾向にあり、一方、 10. 0質量 部を超えると、熱可塑性エラストマ一組成物のゴム弾性や流動性が低下する傾向に ある。
[0094] 耐候剤 (9)としては、ヒンダードアミン系光安定剤 (HALS)が好ましく用いられるが 、そのほか、酸化亜鉛、酸化チタン、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフエ
ノン系紫外線吸収剤、サリチル酸誘導体、安息香酸誘導体等を HALSと併用しても よい。
[0095] また、本実施形態で用いるカーボンブラック(10)は、上記したようにその中に含ま れるィォゥ(S)含有量が 0. 4質量%以下のものである。このような低ィォゥ含有量の カーボンブラック(10)は、例えば、特開平 10— 195331号公報に記載されるように、 カーボンブラック(10)の原料として用いる芳香族炭化水素、燃料として用いる液体 炭化水素や気体炭化水素として低ィォゥ含有量の物を用い、有機酸を 0. 01N以上 含有する水の存在下で原料カーボンブラックをオゾンにより酸ィ匕するという製造方法 を用いて得ることができる。
[0096] 好ましいカーボンブラック(10)としては、アセチレンブラック、コンダクティブファー ネスブラック、スーパーコンダクティブファーネスブラック、エタストラコンダクティブファ 一ネスブラック、コンダクティブチャンネルブラック、 1500°C程度の高温で熱処理され たファーネスブラック又はチャンネルブラック等を挙げることができる。
[0097] なお、黒色系熱可塑性エラストマ一組成物(6,)において、エチレン' aーォレフィ ン系共重合ゴム(1)の代わりに、鉱物油系軟化剤 (4,)とエチレン' aーォレフイン系 共重合ゴムとを含有する油展ゴム(1, )を用いた場合は、鉱物油系軟化剤 (4,)は、 油展ゴム(1,)中に 30質量0 /0以上、好ましくは 35〜80質量0 /0、より好ましくは 35〜7 0質量%含有される。上記鉱物油系軟化剤 (4' )の含有量が 30質量%未満であると 、黒色系熱可塑性エラストマ一組成物(6' )の製造時に油展ゴム(1 ' )の加工性及び 柔軟性が十分に得られ難い。なお、鉱物油系軟化剤 (4,)は、油展ゴム(1,)としてあ らカじめ含有されている以外に、別個に後添加する後添加鉱物油系軟化剤 (4' ' )と することができる。
[0098] 上記油展ゴム(1, )、上記後添加鉱物油系軟化剤 (4" ) , a一才レフイン系結晶性 熱可塑性榭脂 (2)及び a—ォレフイン系非晶質熱可塑性榭脂 (3)の合計を 100質 量%とした場合に、好ましくは、(1 ' )は 30〜98質量% (より好ましくは 50〜95質量 %、更に好ましくは 60〜95質量%)、(4' ' )は 0〜50質量% (より好ましくは 0〜40質 量%、より好ましくは 10〜35質量%)、(2)は 1〜35質量% (より好ましくは 2〜30質 量%、更に好ましくは 3〜25質量%)、(3)は 1〜20質量% (より好ましくは 2〜15質
量%、更に好ましくは 3〜10質量%)、各々含有される。
[0099] 上記油展ゴム(1 ' )が 30質量%未満であると、得られる黒色系熱可塑性エラストマ 一組成物(6 ' )の柔軟性が低下する傾向にある。一方、上記油展ゴム(1 ' )の含有量 力^ 8質量%を超えると、射出融着による成形体では耐熱性及び強度が低下する傾 向、熱可塑的性質が損なわれる傾向にあり好ましくない。上記後添加鉱物油系軟ィ匕 剤 (4 ' ' )が 50質量%を超えると、 a—ォレフイン系結晶性熱可塑性榭脂(2)及び α 一才レフイン系非晶質熱可塑性榭脂(3)との混練時に分散不良を生じる傾向にあり 好ましくない。
[0100] 上記 oc一才レフイン系結晶性熱可塑性榭脂(2)が 1質量%未満であると、得られる 熱可塑性エラストマ一組成物の強度及び耐熱性が低下する傾向にある。一方、上記 a一才レフイン系結晶性熱可塑性榭脂(2)が 35質量%を超えると、得られる黒色系 熱可塑性エラストマ一組成物(6 ' )の柔軟性が損なわれ好ましくない。上記 α—ォレ フィン系非晶質熱可塑性榭脂 (3)の含有量が 1質量%未満であると、射出融着時の 接着性が低下する傾向にある。一方、 20質量%を超えると、射出融着による成形体 では強度が低下する傾向にあり、また、得られる黒色系熱可塑性エラストマ一組成物 (6 ' )の粘着性が過度に大きくなり、上記油展ゴム(1 ' )と上記後添加鉱物油系軟ィ匕 剤 (4 ' ' )との混練を行う場合に分散不良を生じる傾向にある。
[0101] 上記成形部 (Α)は、射出成形によって形成されるものであり、中実体であってよい し、発泡体であってもよい。上記成形部 (Α)の硬度は、 JIS Κ6253に準じ、上記ォ レフイン系熱可塑性エラストマ一組成物力もなる試験片を用いて測定した場合に、シ ョァ Α硬度が 10〜99の範囲にあることが好ましい。この範囲にあれば、柔軟性に優 れた複合部材として使用することができる。尚、より好ましいショァ A硬度は 12〜97で あり、更に好ましくは 15〜95である。
[0102] 上記成形部 (A)の形状は特に限定されず、線状、板状、筒状等とすることができ、 これらを組み合わせてなる不定形状、あるいは、これらが曲がる等変形したものであ つてもよい。また、貫通孔、凹部、凸部等を有してもよい。本発明においては、特定の 構成材料を用いることから、この成形部 (A)の形状は、曲線状等変形した場合であつ ても好ましい強度を備えることができる。また、この成形部 (A)の大きさも特に限定さ
れず、各部分の長さ、厚さ、間隔等も目的、用途等に応じて選択することができる。
[0103] 1 2.第 2成形部
この第 2成形部 (成形部 (B) )は、押出成形又は射出成形により得られ、且つ、架橋 ゴム組成物(7)及び Z又はォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物(8)を含むもの である。尚、本発明において、「架橋ゴム組成物(7)」は、加硫剤を含む架橋剤により 架橋 (又は加硫)されたゴムあるいは架橋構造を有するゴムを含む組成物を意味する
[0104] 上記「架橋 (又は加硫)されたゴムあるいは架橋構造を有するゴム」としては、ェチレ ン 'プロピレン重合体、エチレン 'プロピレン '非共役ジェン重合体、エチレン · 1ーブ テン重合体、エチレン · 1—ブテン'非共役ジェン重合体等のォレフィン系ゴム、ェチ レン 'アタリレートゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、スチレンブタジエンゴム、 -トリルゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム等のゴム成 分の 1種以上が架橋又は加硫された架橋ゴム又は加硫ゴム等が挙げられる。尚、上 記ゴム成分に対して用いられる架橋剤又は加硫剤の種類、使用量、方法等は特に 限定されない。
[0105] 上記架橋ゴム組成物(7)は、 oc一才レフイン系非晶質熱可塑性榭脂を含んでもよ い。この α—才レフイン系非晶質熱可塑性榭脂を含むことにより、第 1成形部及び第 2成形部の接着性が更に向上する。この α—ォレフイン系非晶質熱可塑性榭脂とし ては、上記第 1成形部の形成に用いる組成物に含まれる a—ォレフイン系非晶質熱 可塑性榭脂(3)を適用することができる。尚、上記 α ォレフィン系非晶質熱可塑性 榭脂は、成形部(Β)において、架橋物でも非架橋物でもよい。上記 α ォレフィン系 非晶質熱可塑性榭脂を用いる場合のその含有割合は、上記架橋ゴム組成物に含ま れる重合体成分の全量を 100質量%とした場合、好ましくは 0. 1〜50質量%、より好 ましくは 0. 1〜30質量%である。
[0106] また、上記ォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物(8)としては、単純ブレンド型 ォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物、インプラント型ォレフイン系熱可塑性エラ ストマー組成物、動的架橋型ォレフイン系熱可塑性エラストマ一組成物等が挙げられ る。これらは、 1種単独であるいは 2種以上を組み合わせて用いることができる。尚、
上記ォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物(8)としては、上記成形部 (A)の形成 に用いられる、ォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物(6)や黒色系熱可塑性エラ ストマー組成物(6, )を使用することができる。
[0107] 上記成形部(B)は、架橋ゴム組成物及びォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物 を組み合わせて含むものであってもよい。上記成形部(B)は、押出成形又は射出成 形によって形成されればよぐ中実体であってよいし、発泡体 (スポンジ等)であっても よい。また、共押出によって、架橋 (加硫)ゴム組成物と架橋 (加硫)ゴム発泡体の共 押出物、ォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物とォレフィン系熱可塑性エラストマ 一組成物発泡体の共押出物等としてもよい。尚、上記成形部 (B)が発泡体を含む場 合は、使用される発泡剤の種類及び使用量、発泡倍率、発泡方法等は特に限定さ れない。
[0108] 上記成形部(B)を発泡体とする場合には、通常、上記成形部(B)を形成するため の原料組成物に発泡剤を配合する。この発泡剤としては、熱分解型発泡剤、揮発型 発泡剤、中空粒子型発泡剤、気体、超臨界流体等が挙げられる。これらは、 1種単独 であるいは 2種以上を組み合わせて用いることができる。尚、上記発泡剤は、通常、 上記原料組成物に含まれる重合体成分の種類、成形部 (B)の製造方法等により選 択することができる。
[0109] 熱分解型発泡剤としては、 N, N,一ジニトロソペンタメチレンテトラミン、 N, N,一ジ メチル N, N,一ジニトロソテレフタルアミド等の-トロソ系発泡剤;ァゾジカルボンァ ミド、ァゾジカルボン酸バリウム等、ノリウムァゾジカルボキシレートのァゾ系発泡剤; p , p ォキシビスベンゼンスルホ-ルヒドラジド、 4, 4' ォキシビス(ベンゼンスルホ- ルヒドラジド)、 p トルエンスルホユリルセミカルバジド等のスルホヒドラジド系発泡剤; トリヒドラジノトリアジン等のトリアジン系発泡剤; 5—フエ-ルテトラゾール、ァゾビステト ラゾールジグァ-ジン、ァゾビステトラゾールァミノグァ-ジン等のテトラゾール系発泡 剤等の無機系発泡剤、炭酸水素ナトリウム等の無機系発泡剤が挙げられる。これら は、 1種単独であるいは 2種以上を組み合わせて用いることができる。上記熱分解型 発泡剤の使用量は、その種類、所望の発泡倍率等に応じて選択すればよいが、上 記成形部(B)を形成するための原料組成物に含まれる重合体成分を 100質量部とし
た場合、好ましくは 0. 1〜: LOO質量部である。
[0110] 揮発型発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素類;シクロ ブタン、シクロペンタン、シクロへキサン等の脂環式炭化水素類;クロロジフルォロメタ ン、ジフルォロメタン、トリフルォロメタン、トリクロ口フルォロメタン、ジクロロメタン、ジク ロロフノレ才ロメタン、ジクロロジフノレ才ロメタン、トリクロロフノレ才ロメタン、クロロメタン、ク ロロェタン、ジクロロトリフノレオロェタン、ジクロロフノレォロェタン、クロロジフノレォロエタ ン、ジクロロペンタフノレォロェタン、ペンタフノレォロェタン、トリフノレォロェタン、ジクロロ テトラフ口ォロェタン、トリクロ口トリフルォロェタン、テトラクロロジフルォロェタン、クロ 口ペンタフルォロェタン、パーフルォロシクロブタン等のハロゲン化炭化水素類;二酸 化炭素、窒素、空気等の無機ガス;水等が挙げられる。これらは、 1種単独であるいは 2種以上を組み合わせて用いることができる。上記揮発型発泡剤の使用量は、その 種類、所望の発泡倍率等に応じて選択すればよいが、上記成形部 (B)を形成するた めの原料組成物に含まれる重合体成分を 100質量部とした場合、好ましくは 0. 1〜1 00質量部である。
[0111] 中空粒子型発泡剤とは、熱可塑性榭脂からなる外殻に、膨張剤を内包した熱可塑 性榭脂熱膨張性微小球である。この熱可塑性榭脂としては、(メタ)アクリロニトリル、( メタ)アクリル酸エステル、ハロゲン化ビュル、ハロゲン化ビ-リデン、スチレン等の芳 香族ビニル化合物、酢酸ビュル、ブタジエン、クロ口プレン、ビュルピリジン等から選 ばれる少なくとも 1種力もなる単独重合体又は共重合体とすることができる。尚、この 熱可塑性榭脂は、ジビュルベンゼン、エチレングリコール (メタ)アタリレート、トリェチ レングリコールジ(メタ)アタリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アタリレート、 1, 3 —ブチレングリコールジ (メタ)アタリレート、ァリル (メタ)アタリレート、トリアクリルホル マール、トリアリルイソシァヌレート等の架橋剤により架橋又は架橋可能にされてもよ い。また、上記中空粒子型発泡剤に含まれる膨張剤としては、上記揮発型発泡剤と して例示した化合物を適用することができる。尚、熱膨張性微小球に占める膨張剤の 割合は、外殻用の熱可塑性榭脂を 100質量%とした場合、好ましくは 5〜30質量% である。
[0112] 上記中空粒子型発泡剤 (未膨張の微小球状態)の重量平均粒子径は、通常、 1〜
100 /z mである。また、中空粒子型発泡剤の使用量は、その種類、所望の発泡倍率 等に応じて選択すればよ!、が、上記成形部(B)を形成するための原料組成物に含ま れる重合体成分を 100質量部とした場合、好ましくは 0. 1〜: L00質量部である。
[0113] また、超臨界流体を用いて発泡体を形成する場合には、窒素、二酸化炭素等の超 臨界流体を用いることができる。これらの超臨界流体は、 1種単独であるいは 2種以 上を組み合わせて用いることができる。これらの超臨界流体の使用量は、その種類、 所望の発泡倍率等に応じて選択すればょ 、。
[0114] これらの発泡剤 (熱分解型発泡剤、揮発型発泡剤、中空粒子型発泡剤及び超臨界 流体)においては、生成される気泡径を調整するために、必要に応じて重炭酸ソーダ 、クェン酸、タルク等の発泡核剤を併用してもよい。この発泡核剤の使用量は、上記 成形部(B)を形成するための原料組成物に含まれる重合体成分を 100質量部とした 場合、通常、 0. 01〜: L0質量部である。
[0115] 上記成形部(B)は、目的、用途等に応じて、上記成形部 (A)の説明において例示 した添加剤等を含んでもょ ヽ。
[0116] 上記成形部 (B)の形状は特に限定されず、上記成形部 (A)と同様に、任意の形状 、各部分の長さ、厚さ、間隔等とすることができる。また、上記成形部 (B)は、所定の 断面形状を有する押出成形品を切断するか、又は所定形状の射出成形品を成形す ることで得ることがでさる。
[0117] 尚、上記成形部 (B)は、その表面及び Z又は内部に補強用部材を備えてもよい。
この補強用部材としては、成形部(B)の構造をより安定ィ匕させられるものであれば、 その構成材料、形状等は特に限定されない。
[0118] 上記補強用部材の構成材料は、上記成形部 (B)の本体を構成する重合体と反応 しない材料、あるいは、水によって反応 (分解、腐食等)を起こさない材料であれば、 有機材料及び無機材料のいずれであってもよい。また、これらを組み合わせて用い てもよい。有機材料としては、高分子材料が好ましい。無機材料としては、金属、合金 、セラミックス等が好ましい。
[0119] 上記補強用部材の形状は、塊状、線状、板状等とすることができ、これらを組み合 わせてなる不定形状、あるいは、これらが曲がる等変形したものであってもよい。また
、上記成形部 (B)の本体との一体ィヒをより確実なものとする等のために貫通孔、凹部 、凸部等を有してもよい。
[0120] 1 3.複合部材
本発明の複合部材は、成形部 (A)と、この成形部 (A)の表面及び Z又は断面の少 なくとも一部に接合された成形部 (B)とを備える。上記成形部 (A)及び (B)は、通常 、平面、曲面、凹凸面等の形状を有する部位において接合されており、その接触部 全体が、完全に接合されていてもよいし、部分的に接合されていてもよい。また、成 形部 (A)及び (B)の 、ずれかが発泡体の場合には、発泡体でな!、側の部材を構成 する材料が、発泡体である側の部材の空隙部に侵入することにより接合される。例え ば、成形部 (B)が発泡体の場合には、成形部 (A)の形成材料であるォレフィン系熱 可塑性エラストマ一組成物(6)が、成形部 (B)の被接合部における孔部に侵入する こと〖こより接合される。
[0121] 尚、上記成形部 (A)は、 α—ォレフイン系非晶質熱可塑性榭脂(3)を含むため、上 記成形部 (Β)に対する接着性に優れる。
[0122] 本発明の複合部材は、上記の優れた接着性を利用し、目的、用途等に応じた形状 とすることができ、下記 [ 1 ]〜 [4]等に示される構造を備えることができる。
[ 1 ] 〔(Α) - (B )〕 m
[ 2 ] (A) - [(B) - (A)〕 m
[ 3 ] (B ) - [(A) 一 (B)〕 m [ 4 ] 「〔(A) — _ (Β )〕"^
(但し、 mは 1以上の整数であり、 nは 2以上の整数である。 )
[0123] 上記構造 [1]、 [2]、 [3]及び [4]は、いずれも、成形部 (A)及び (B)が交互に接合 されている。図 1に、上記構造 [1]において、 m= lである場合の複合部材の例を示 す。即ち、図 1は、直線状の第 1成形部 11が、直線状の第 2成形部 12と接合した複 合部材 1を示している。図 2に、上記構造 [2]において、 m= lである場合の複合部材 の例を示す。即ち、図 2の複合部材 1は、曲線状の第 1成形部 11が、 2つの直線状の
第 2成形部 12の間に位置した態様を示している。また、上記構造 [4]は、成形部 (A) 及び (B)が交互に接合され且つ主鎖が環状(円形、角形、扇形、星形等)構造である ことを意味する。この構造 [4]を備える複合部材としては、上記成形部 (A)及び (B) の各端部が接合された環状構造の複合部材が好ましい。
[0124] 尚、本発明においては、上記 [1]〜[4]に限定されない。即ち、本発明の複合部材 は、上記 [1]〜[4]の組み合わせによるものであってもよぐ例えば、一方の部材の表 面に他方の部材が複数接合された複合部材等とすることができる。上記成形部 (A) を特定の材料力 なるものとすることから、図 2のように、複合部材における直線部分 として成形部(B)を、曲線部分として成形部 (A)を用いることが好ましい。これにより、 複合部材が複雑な形状であっても、成形部 (A)及び (B)のぁ 、だの優れた接着性を 利用した強度を高くすることができる。
[0125] 2.複合部材の製造方法
本発明の複合部材は、上記成形部 (B)を押出成形又は射出成形にて作製し、その 後、射出成形にて成形部 (A)を形成し、その際に両者が接着することによって製造さ れる。
[0126] 本発明の複合部材の製造方法は、架橋性ゴム及び Z又はォレフィン系熱可塑性 エラストマ一を含む組成物 (P1)を、押出成形機又は射出成形機により成形部材 (以 下、「成形部材 (b)」という。)とする工程 (以下、「工程 (1)」という。)と、この成形部材( b)を、その表面及び Z又は断面の少なくとも一部が金型キヤビティに露出するように 設置する工程 (以下、「工程 (11)」という。)と、エチレン' a—ォレフイン系共重合ゴム 、 a一才レフイン系結晶性熱可塑性榭脂、 a一才レフイン系非晶質熱可塑性榭脂及 び軟化剤を含む混合物を、架橋剤の存在下で動的に熱処理して得られたォレフィン 系熱可塑性エラストマ一組成物 (P2)を、射出成形機により上記金型キヤビティに導 入する工程 (以下、「工程 (III)」という。)と、を備える。
[0127] (工程 (1) )
まず、工程 (I)において、架橋性ゴム及び Z又はォレフィン系熱可塑性エラストマ一 を含む組成物(P1)を、スクリュー式、非スクリュー式等の押出成形機、又は射出成形 機を使用して成形し、所定形状の成形部材 (b)を得る。この架橋性ゴムは、架橋剤の
存在下で架橋可能なゴムであり、上記本発明の複合部材の説明において、第 2成形 部の形成材料として例示した重合体成分を用いることができる。ォレフィン系熱可塑 性エラストマ一も同様である。尚、押出成形及び射出成形は、通常、組成物(P1)の 溶融状態にて行う。
[0128] 尚、成形部材 (b)を発泡体とする場合には、押出成形機を使用する場合は、押出 成形機の内部で発泡状態として押し出してもよいし、押出成形機を出て直ちに発泡 させてもよいし、発泡させずに押し出した後、再加熱して発泡させてもよい。また、射 出成形機を使用する場合は、射出成形機内で発泡させることが好ましい。
[0129] 射出成形機を使用して、得られる成形部材を発泡体とする場合には、ォレフィン系 熱可塑性エラストマ一組成物を射出成形機を使用して気体又は超臨界流体により発 泡成形することが好ましい。そして、ォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物を、ェ チレン' a—ォレフイン系共重合ゴム(11) 10〜93質量部、結晶性ポリエチレン系榭 脂(12) 3〜30質量部、両末端が 1, 2—ビュル結合含量 25%以下の共役ジェン重 合体ブロックであり、中間ブロックが 1, 2—ビュル結合含量 25%を超える共役ジェン 重合体ブロックであるブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体( 1 3) 3〜30質量部、炭素数 3以上の oc—ォレフイン系榭脂(14) 1〜30質量部、〔但し 、(11)、 (12)、 (13)及び(14)の合計量 100質量部〕を含有し、温度 230°C、荷重 1 Okgにおけるメルトフローレートが 5gZlO分以上であり、且つ 210°C、引き取り速度 2 mZ分における溶融張力が 3. Ogf未満であるォレフィン系熱可塑性エラストマ一組 成物(P ' )とすることが好ま 、。
[0130] これにより、独泡性が高ぐセルの形状が均一であり、且つセル径が小さぐ弾性回 復性、柔軟性及び表面外観に優れ、臭気がなぐリサイクルに適し、クッション感に優 れた成形部材 (b)を得ることができる。
[0131] 以下、上記ォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物 (Ρ' )を射出成形機を使用し て気体又は超臨界流体で発泡成形して成形部材を形成する方法について説明する
[0132] (エチレン' ーォレフイン系共重合ゴム(11) )
上記「エチレン' aーォレフイン系共重合ゴム(11)」 [以下、「EAO系共重合ゴム(1
1)」と!、うこともある。 ]は、エチレンと、エチレンを除く炭素数が 3〜10の a—ォレフィ ンを主成分とする共重合体である。
[0133] ここで、炭素数が 3〜10の α ォレフィンとしては、プロピレン、 1—ブテン、 1—ぺ ンテン、 4—メチル一ペンテン一 1、 1—へキセン、 1—ヘプテン、 1—オタテン、 1—デ センなどを挙げることができる。中でも、プロピレン、 1—ブテン、 1—へキセン、 1—ォ クテンが好ましぐプロピレン、 1ーブテンがさらに好ましい。これらの化合物は、 1種 単独で又は 2種以上を組合わせて用いることができる。炭素数が 10以下の a—ォレ フィンを用いると、この aーォレフインとそれ以外の単量体との共重合性が良好となる 。 oc一才レフイン由来の構成単位が EAO系共重合ゴム(11)中に占める構成割合は 、 5〜50モル%であることが好ましぐより好ましくは 10〜45モル0 /0、特に好ましくは 1 5〜40モル0 /0である。 aーォレフイン由来の構成単位の構成割合が 5モル0 /0未満で ある場合には、熱可塑性エラストマ一として必要なゴム弾性を得ることが困難となるこ と力 Sある。一方、 a—ォレフイン由来の構成単位の構成割合が 50モル0 /0を超える場 合には、得られるエラストマ一は耐久性が低いものとなることがある。
[0134] さらには、非共役ジェンが必要に応じて EAO系共重合ゴム(11)中に、 0〜10モル %含有されてもよい。この非共役ジェンの構成割合が 10モル%を超える場合には、 得られるエラストマ一は耐久性が低いものとなることがある。非共役ジェンの具体例と しては、 1, 4一へキサジェン、 1, 6 へキサジェン、 1, 5 へキサジェンなどの直鎖 の非環状ジェン、 5—メチルー 1, 4 へキサジェン、 3, 7 ジメチルー 1, 6—ォクタ ジェン、 5, 7 ジメチルォクタ 1, 6 ジェン、 3, 7 ジメチルー 1 , 7—ォクタジェ ン、 7 メチルオタター 1, 6 ジェン、ジヒドロミルセンなどの分岐連鎖の非環状ジェ ン、テトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジェン、ビシクロ [ 2. 2. 1]—ヘプター 2, 5 ジェン、 5—メチレン一 2 ノルボルネン、 5 ェチリデン —2 ノルボルネン、 5 プロべ-ルー 2 ノルボルネン、 5—イソプロピリデン— 2— ノルボルネン、 5 シクロへキシリデン— 2 ノルボルネン、 5 ビュル— 2 ノルボル ネンなどの脂環式ジェンなどを挙げることができる。これらの化合物は、 1種単独で又 は 2種以上を組み合わせて用いることができる。また、上記の非共役ジェンのうち好 ましいものとしては、 1, 4一へキサジェン、ジシクロペンタジェン、 5 ェチリデンー2
-ノルボルネンなどを挙げることができる。
[0135] これらの EAO系共重合ゴム(11)のデカリン溶媒中 135°Cで測定した場合の極限 粘度 [ 7? ]が 3. 5dlZg以上 (好ましくは 4. OdlZg以上、より好ましくは 4. 3dlZg以上 )である。この極限粘度が 3. 5dlZg未満であると熱可塑性エラストマ一組成物のゴム 弾性が低下する傾向にあり、一方、 6. 8dlZgを超えると成形加工性が低下する傾向 にあり好ましくない。
[0136] 本発明においては、 EAO系共重合ゴム(11)として、上記二元共重合体及び上記 三元共重合体等のほか、これらの重合体の有する水素原子の一部が塩素原子、臭 素原子等のハロゲン原子に置換されているハロゲン化共重合体や、塩化ビニル、酢 酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸の誘導体〔(メタ)アクリル酸メチル、(メタ )アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリルアミド等〕、マレイン酸、マレイン酸の誘導体 (無 水マレイン酸、マレイミド、マレイン酸ジメチル等)、共役ジェン(ブタジエン、イソプレ ン、クロ口プレン等)等の不飽和モノマーを上記二元共重合体、上記三元共重合体 及びハロゲンィ匕共重合体等に対してグラフト重合したグラフト共重合体等を用いるこ ともできる。これらの共重合ゴムは 1種単独であるいは 2種以上を併用することができ る。
[0137] なお、 EAO系共重合ゴム(11)は、非油展エチレン' aーォレフイン系共重合ゴム( 11— 1)であってもよいし、油展エチレン' a—ォレフイン系共重合ゴム(11— 2)であ つてもよい。、非油展エチレン · α—ォレフィン系共重合ゴム(11 1)は、鉱物油系 軟化剤(15)が添加されてなる油展エチレン' a—ォレフイン系共重合体(11— 2)中 のエチレン · α—ォレフィン系共重合ゴム(11— 3)としても用いられる。このように、 Ε AO系共重合ゴム(11)として油展エチレン' a ォレフィン系共重合ゴム( 11 2)を 用いた場合には、ォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物(Ρ' )を製造する上で取 り扱いが容易となる。また、油展エチレン' aーォレフイン系共重合体(11 2)にお いて、エチレン · α—ォレフィン系共重合ゴム(11— 3)と鉱物油系軟化剤 ( 15)の配 合割合は、エチレン' a—ォレフイン系共重合ゴム(11— 3)が 20〜80質量0 /0、好ま しくは 25〜75質量0 /0、より好ましくは 30〜70質量0 /0である。但し、油展エチレン' a ーォレフイン系共重合体(11 2)において、エチレン' aーォレフイン系共重合ゴム(
11 - 3)と鉱物油系軟化剤(15)の合計は 100質量%である。
[0138] 上記 EAO系共重合ゴム(11)は、例えば、チーグラー ·ナッタ触媒と、可溶性バナ ジゥム化合物と、有機アルミニウム化合物とを含む溶媒からなる触媒の存在下で、ェ チレン、 a—ォレフイン及び非共役ジェンを、必要に応じて分子量調節剤として水素 を供給しつつ重合する方法等の、中 ·低圧法による重合方法により得ることができる。 また、その重合は気相法 (流動床又は攪拌床)、液相法 (スラリー法又は溶液法)によ つて行うことができる。
[0139] 上記可溶性バナジウム化合物としては、例えば、 VOC1及び VC1の少なくとも一方
3 4
とアルコールとの反応生成物を用いることが好ましい。アルコールとしては、メタノー ル、エタノール、 n—プロパノール、イソプロパノール、 n—ブタノール、 sec ブタノ一 ル、 tーブタノール、 n—へキサノール、 n—ォクタノール、 2—ェチルへキサノール、 n ーデカノール及び n ドデカノール等を用いることができる力 これらのうち、炭素数 3 〜8のアルコールが好ましく用いられる。
[0140] また、上記有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリェチルアルミニウム、トリイ ソブチルアルミニウム、トリー n—へキシルアルミニウム、ジェチルアルミニウムモノクロ リド、ジイソブチルアルミニウムモノクロリド、ェチルアルミニウムセスキク口リド、ブチル アルミニウムセスキク口リド、ェチルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジクロリ ド、トリメチルアルミニウムと水との反応生成物であるメチルアルミノキサン等が挙げら れる。これらのうち、特にェチルアルミニウムセスキク口リド、ブチルアルミニウムセスキ クロリド、ェチルアルミニウムセスキク口リドとトリイソブチルアルミニウムとの混合物、トリ イソブチルアルミニウムとブチルアルミニウムセスキクロリドとの混合物が好ましく用い られる。更に、上記溶媒としては、炭化水素が好ましく用いられ、これらのうち、特に n ペンタン、 n—へキサン、 n—ヘプタン、 n—オクタン、イソオクタン、シクロへキサン が好ましく用いられる。これらは 1種単独であるいは 2種以上を併用することができる。
[0141] なお、非油展エチレン' aーォレフイン系共重合ゴム(11 1)および油展エチレン' aーォレフイン系共重合ゴム(11 2)の形態としては、ベール、クラム、ペレット、粉 体 (ベール粉砕品を含む)のいずれの形態であってもよい。また、非油展エチレン' a ォレフィン系共重合体(11— 1)と油展エチレン' a ォレフィン系共重合ゴム( 11
—2)とを併用してもよい。
[0142] (結晶性ポリエチレン系榭脂(12) )
上記「結晶性ポリエチレン系榭脂(12)」は、エチレンを主たる単量体としてなり、ェ チレン単位の含有量は 90〜 100モル0 /0である。また、この結晶性ポリエチレン系榭 脂(12)を沸騰 n—へキサンに溶解させた場合に、不溶分が好ましくは 10質量%以 上、特に好ましくは 20質量%以上 (通常、 95質量%以下)である。不溶分が 10質量 %未満であると、得られる熱可塑性エラストマ一組成物の加工性及び発泡成形品の 機械的強度等が低下することがある。尚、結晶性ポリエチレン系榭脂(12)の、差動 走査熱量計による融解ピークは 100°C以上であることが好ましい。
[0143] この結晶性ポリエチレン系榭脂(12)としては、ポリエチレンの他、エチレンと、プロ ピレン、ブテン 1、 4ーメチルーペンテン 1、へキセン 1、オタテン 1等の炭素 数 3〜8の α—才レフインとを共重合させてなり、エチレン単位の含有量が 90モル0 /0 以上である共重合体等が挙げられる。尚、ポリエチレンとしては、高圧法で製造され た低密度ポリエチレン、及び中低圧法で製造された高密度ポリエチレン、線状低密 度ポリエチレンのいずれも使用することができ、異なる方法により製造された 2種以上 を併用することちできる。
[0144] (水添ブロック共重合体(13) )
水添ブロック共重合体(13)は、両末端が 1, 2 ビュル結合含量 25%以下の共役 ジェン重合体ブロック(以下、 Αブロックともいう)であり、中間ブロックが 1, 2—ビュル 結合含量 25%を超える共役ジェン重合体ブロック(以下、 Bブロックとも 、う)であるブ ロック共重合体を水素添カ卩してなるものである力 Aブロックと Bブロックの合計を 100 質量部とした場合に、 Aブロックが 5〜90質量部、 Bブロックが 10〜95質量部であり 、水素添加前に含まれる共役ジェン部分の二重結合の少なくとも 80%が飽和され、 数平均分子量が 5万〜 70万のものであることが好ましい。
[0145] 上記の好ましい水添ブロック共重合体(13)は、両末端に Aブロックを備え、 2つの Aブロックの間に Bブロックを備える共重合体 (A—B— A型ブロック共重合体)を水素 添加することにより得られるブロック共重合体である。すなわち、 Aブロックおよび ブ ロックの各ブロックは水素添加前のブロックである。水添ブロック共重合体(13)中の
Aブロックおよび Bブロックの合計を 100質量%とした場合の各ブロックの含有量は、 Aブロックが 5〜90質量% (より好ましくは 10〜80質量%)であることが好ましい。 Aブ ロックが 5質量%未満(Bブロックが 95質量%を超える)であると、マトリックスとなる EA O系共重合ゴム(11)に対して相対的に十分な結晶性を呈し難ぐ 3次元網目構造を 形成し難くなる。一方、 90質量%(Bブロックが 10質量%未満)を超えると、過度に硬 度が上昇し好ましくない。
[0146] 上記 Aブロックは、ブタジエンを主成分 (Aブロック全体の 90質量%以上、好ましく は 95質量%以上)とする 1, 3 ブタジエン重合体ブロックである。また、 Aブロックの 1, 2 ビュル結合含有量は 25%未満 (より好ましくは 20%以下、さらに好ましくは 15 %以下)であることが好ましい。 Aブロックの 1, 2 ビュル結合含有量が 25%以上で あると、水素添加後の結晶の融点の降下が著しぐ機械的強度が低下し易い。この A ブロックの数平均分子量は、 25, 000〜630, 000 (より好ましくは 100, 000〜480 , 000)であることが好ましい。共役ジェン系ブロック共重合体(C)中においては、 A ブロックは水素添加されて、低密度ポリエチレンに類似の構造を示す。
[0147] 上記 Bブロックは、共役ジェンィ匕合物を主成分 (Bブロック全体の 50質量%以上、 好ましくは 60質量%以上)とする共役ジェン重合体ブロックである。この共役ジェン 化合物としては、 1, 3 ブタジエン、イソプレン、 2, 3 ジメチルー 1, 3 ブタジエン 、 1, 3 ペンタジェン、 2—メチルー 1, 3 ペンタジェン、 1, 3 へキサジェン、 4, 5 ジェチルー 1, 3—ォクタジェン、 3 ブチルー 1, 3—ォクタジェン、クロ口プレンな どが挙げられる。中でも、 1, 3 ブタジエン、イソプレン、 1, 3 ペンタジェンを使用 することが好ましぐ 1, 3 ブタジエンを使用することが特に好ましい。 Bブロックは、 これらの 2種以上から構成されて 、てもよ 、。
[0148] また、 Bブロックの 1, 2 ビュル結合含有量は、 25%を超え(より好ましくは 30〜95 %、さらに好ましくは 35〜90%)であることが好ましい。 25%以下では榭脂状の性状 となり柔軟性が低下し易い。さらに、 Bブロックに含有される 1, 2—ビニル結合含有量 は、 Aブロックの 1, 2—ビュル結合含有量を超える。 1, 2—ビュル結合含有量が Aブ ロックを下回ると、本発明に用いられる熱可塑性エラストマ一組成物の柔軟性が低下 し易い。この Bブロックの GPCによるポリスチレン換算の数平均分子量は、 5, 000〜
650, 000であること力 S好ましく、より好ましくは 20, 000〜540, 000である。
[0149] さらに、 Bブロック中にビニル芳香族重合体ブロックを含有する場合、ビニル芳香族 重合体ブロックの含有量は、 Bブロック全体を 100質量%とした場合に、 35質量%以 下 (より好ましくは 30質量%以下、さらに好ましくは 25質量%以下)であることが好ま L 、。ビニル芳香族重合体ブロックを含有させることによりガラス転移温度が上昇し、 低温特性および柔軟性が低下し易い。この Bブロックは、水素添カ卩によりゴム状のェ チレン ·ブテン 1共重合体ブロックあるいはビュル芳香族化合物 ·エチレン ·ブテン 1共重合体と類似の構造を示す重合体ブロックとなる。
[0150] ビュル芳香族化合物としては、スチレン、 tert ブチルスチレン、 α—メチルスチレ ン、 ρ—メチルスチレン、 ρ ェチルスチレン、ジビニルベンゼン、 1, 1—ジフエニルス チレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、 Ν, Ν ジェチルー ρ—アミノエチルス チレン、ビュルピリジン等が挙げられる。この中で、スチレンが好ましい。
[0151] また、水素添加後に得られる水添ブロック共重合体(13)に含まれる二重結合は、 水素添加前の全ての二重結合の少なくとも 80% (より好ましくは 90%、さらに好ましく は 95〜100%)が飽和されていることが好ましい。 80%未満では熱安定性および耐 久性が低下し易 、。水添ブロック共重合体( 13)の GPCによるポリスチレン換算の数 平均分子量は、 50, 000〜700, 000 (より好まし <は 100, 000〜600, 000)である ことが好ましい。 50, 000未満では耐熱性、強度、流動性およびカ卩ェ性が低下し易く 、一方、 700, 000を超えると流動性、加工性および柔軟性が低下し易い。
[0152] 水添ブロック共重合体(13)は、例えば、ペンタン、へキサン、ヘプタン、オクタン等 の脂肪族炭化水素溶媒、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロへキサン、メチ ルシクロへキサン等の脂環族炭化水素溶媒、又はベンゼン、キシレン、トルエン、ェ チルベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒等の不活性有機溶媒中、ビニル芳香族化合 物と共役ジェンィ匕合物、又はビュル芳香族化合物と共役ジェンィ匕合物とこれらと共 重合可能な他の単量体を、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としてリビングァ 二オン重合することにより得ることができ、このブロック共重合体 (以下「水添前重合体
」ともいう)を水素添加することにより、本発明の発泡成形品の成形方法に使用する水 添ジェン系共重合体を容易に得ることができる。
[0153] 重合開始剤である有機アルカリ金属化合物としては、有機リチウム化合物、有機ナ トリウム化合物等が挙げられ、特に n—ブチルリチウム、 sec—ブチルリチウム、 tert- ブチルリチウム等の有機リチウム化合物が好ま 、。有機アルカリ金属化合物の使用 量については特に限定はなぐ必要に応じて種々の量を使用できる力 通常はモノ マー 100質量%当たり 0. 02〜15質量%の量で、好ましくは 0. 03〜5質量%の量で 用いられる。
[0154] また、重合温度は、一般に— 10〜150°C、好ましくは 0〜120°Cである。更に、重 合系の雰囲気は窒素等の不活性ガスをもって置換することが望ましい。重合圧力は 、上記重合範囲でモノマー及び溶媒を液相に維持するに十分な圧力の範囲で行え ばよぐ特に限定されるものではない。
[0155] また、ビニル芳香族化合物及び共役ジェン化合物を含有する共重合ブロックを重 合する過程にぉ 、て、それら化合物の単量体を重合系に投入する方法としては特に 限定されず、一括、連続的、間欠的、又はこれらを組み合わせた方法が挙げられる。 更には、ビュル芳香族化合物及び共役ジェンィ匕合物を含有する共重合ブロックを重 合させるときの、その他の共重合成分の添加量、極性物質の添加量、重合容器の個 数と種類等、及び上記単量体の投入方法は、得られる水添ジェン系共重合体、その 組成物、該組成物の成形体等の物性が好ましくなるよう選べばょ 、。
[0156] 本実施形態における水添前重合体は、上記の方法でブロック共重合体を得た後、 カップリング剤を使用して共重合体分子鎖力カップリング残基を介した共重合体であ つてもよい。
[0157] 使用されるカップリング剤として、例えばジビュルベンゼン、 1, 2, 4—トリビュルべ ンゼン、エポキシィ匕 1, 2—ポリブタジエン、エポキシィ匕大豆油、エポキシィ匕アマ二油、 ベンゼン— 1, 2, 4—トリイソシアナート、シユウ酸ジェチル、マロン酸ジェチル、アジ ピン酸ジェチル、アジピン酸ジォクチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジェチル、テレ フタル酸ジェチル、炭酸ジェチル、 1, 1, 2, 2—テトラクロ口エタン、 1, 4—ビス(トリク 口ロメチル)ベンゼン、トリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、 テトラクロロシラン、(ジクロロメチノレ)トリクロロシラン、へキサクロロジシラン、テトラエト キシシラン、テトラクロロスズ、 1, 3—ジクロロー 2—プロパノンなどが挙げられる。この
中で、ジビニルベンゼン、エポキシ化 1, 2—ポリブタジエン、トリクロロシラン、メチルト リクロロシラン、テトラクロロシランが好ましい。
[0158] 水添ブロック共重合体(13)は、上記のようにして得られたブロック共重合体を部分 的又は選択的に水添して得られるものである。この水添の方法、反応条件について は特に限定はなぐ通常は、 20〜150°C、 0. 1〜: LOMPaの水素加圧下、水添触媒 の存在下で行われる。
[0159] この場合、水添率は、水添触媒の量、水添反応時の水素圧力、又は反応時間等を 変えることにより任意に選定することができる。水添触媒として通常は、元素周期表 lb 、 IVb、 Vb、 VIb、 VIIb、 VIII族金属のいずれかを含む化合物、例えば、 Ti、 V、 Co 、 Ni、 Zr、 Ru、 Rh、 Pd、 Hf、 Re、 Pt原子を含む化合物を用いることができる。具体 的には、例えば、 Ti、 Zr、 Hf、 Co、 Ni、 Pd、 Pt、 Ru、 Rh、 Re等のメタ口セン系化合 物、 Pd、 Ni、 Pt、 Rh、 Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソゥ土等の担体 に担持させた担持型不均一系触媒、 Ni、 Co等の金属元素の有機塩又はァセチルァ セトン塩と有機アルミニウム等の還元剤とを組み合わせた均一系チーグラー型触媒、 Ru、 Rh等の有機金属化合物又は錯体、及び水素を吸蔵させたフラーレンやカーボ ンナノチューブ等が挙げられる。この中で、 Ti、 Zr、 Hf、 Co、 Niのいずれかを含むメ タロセン化合物は、不活性有機溶媒中、均一系で水添反応できる点で好ましい。更 に、 Ti、 Zr、 Hfのいずれかを含むメタ口センィ匕合物が好ましい。特にチタノセンィ匕合 物とアルキルリチウムとを反応させた水添触媒は安価で工業的に特に有用な触媒で あるので好ましい。なお、上記水添触媒は 1種のみ用いてもよぐ又は 2種以上を併 用することもできる。水添後は、必要に応じて触媒の残渣を除去し、又はフエノール 系又はアミン系の老化防止剤を添加し、その後、水添ジェン系共重合体溶液から本 発明の水添ジェン系共重合体を単離する。水添ジェン系共重合体の単離は、例え ば、水添ジェン系共重合体溶液にアセトン又はアルコール等を加えて沈殿させる方 法、水添ジェン系共重合体溶液を熱湯中に撹拌下投入し、溶媒を蒸留除去する方 法等により行うことができる。
[0160] なお、水添ブロック共重合体(13)の水素添加前の共役ジェン系ブロック共重合体 は、複数の A— B— A型のブロック共重合体がカップリング剤残基を介して連結され
て含有されてもよい。すなわち、 [A— B— A— X] n— (A- B -A)〔ただし、 nは 2〜4 の整数、 Xはカップリング剤残基を示す〕であってもよい。さらに、水素添加前のブロッ ク共重合体は、カップリング剤残基が、 Aブロックおよび Bブロックに対して分子量が 十分に小さぐ共役ジェン系ブロック共重合体 (3)の結晶性に影響しない範囲であれ ば [A— B— X] n— (B-A)〔ただし、 nは 2〜4の整数、 Xはカップリング剤残基を示 す〕であってもよい。すなわち、相対的に小さなカップリング剤残基を略して記載した 場合に、 [A— B] n— Aであってもよい。
[0161] また、水添ブロック共重合体(13)は、官能基で変性された変性ブロック重合体であ つてもよい。この官能基としては、カルボキシル基、酸無水物基、ヒドロキシル基、ェポ キシ基、ハロゲン原子、アミノ基、イソシァネート基、スルホ-ル基およびスルホネート 基の群力 選ばれる少なくとも 1種を使用することができる。変性方法は、公知の方法 を使用することができる。この変性ブロック重合体中の官能基の含有量は、ブロック重 合体を構成する構成単位全体を 100モル%とした場合に、 0. 01〜: LOモル% (より好 ましくは 0. 1〜8モル0 /0、さらに好ましくは 0. 15〜5モル0 /0)であることが好ましい。
[0162] 官能基を導入するために使用できる好ま 、単量体としては、アクリル酸、メタクリル 酸、ィタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸ダリ シジル、ァリルグリシジルエーテル、ヒドロキシェチルメタタリレート、ヒドロキシプロピル メタタリレート、ヒドロキシェチルアタリレート、ヒドロキシプロピルアタリレート、メタクリル 酸ジメチルアミノエチルなどを挙げることができる。
[0163] (炭素数 3以上の α—才レフイン系榭脂(14) )
本発明で用いられる炭素数 3以上の α ォレフィン系榭脂(14) (以下、「ォレフイン 系榭脂(14)」ともいう)としては、炭素原子数 3〜20の α ォレフィンの単独重合体 または共重合体が挙げられる。上記ォレフィン系榭脂(14)の具体的な例としては、 以下のような(共)重合体が挙げられる。即ち、プロピレン単独重合体、プロピレンと 2 0モル0 /0以下の他の atーォレフインとのランダム共重合体、プロピレンと 30モル%以 下の他の α—ォレフィンとのブロック共重合体、 1ーブテン単独重合体、 1ーブテンと 10モル0 /0以下の他の α—ォレフインとのランダム共重合体、 4ーメチルー 1 ペンテ ン単独重合体、 4—メチル 1—ペンテンと 20モル0 /0以下の他の α—ォレフインとの
ランダム共重合体等である。上記のひ ォレフィンとしては、具体的には、プロピレン
、 1ーブテン、 4ーメチルー 1 ペンテン、 1一へキセン、 1—オタテンなどが挙げられ る。上記のォレフィン榭脂の中でも、プロピレン単独重合体、プロピレンと 20モル%以 下の他の α—ォレフインとのランダム共重合体が特に好ましい。上記のようなォレフィ ン榭脂は、単独で、あるいは組合わせて用いることができる。
[0164] 本発明で用いられる炭素数 3以上の oc一才レフイン系榭脂(14)は、結晶性ォレフ イン榭脂であることが好ましぐ X線法により求めた結晶化度が通常 50%以上、好まし くは 55%以上のものである。また、密度は 0. 89gZcm3以上、特に 0. 90-0. 94g Zcm3とすることが好ま 、。上記結晶性ォレフイン樹脂の示差走査熱量測定法によ る最大ピーク温度、即ち融点(以下、単に「Tm」という)は 100°C以上 (特に 120°C以 上、更には 140〜170°C)であることが好ましい。 Tmが 100°C未満では十分な耐熱 性及び強度が発揮されない傾向にある。この結晶性ォレフイン榭脂としては、ポリプロ ピレン、ポリブテン一 1、ポリ 4ーメチルーペンテン 1、ポリへキセン一 1、プロピレン' エチレン共重合体、プロピレン 'ブテン 1共重合体等が挙げられる。これらは 1種の みを用いてもよいし、 2種以上を併用することもできる。
[0165] ォレフィン系榭脂(14)の分子量は、デカリン溶媒中 135°Cで測定した場合の極限 粘度 [ ]で 0. 3〜: L0dlZg、好ましくは 0. 5〜6dl/gである。また、温度 230°C、荷 重 2. 16kgにおけるメルトフローレート(以下、単に「MFR」という)は好ましくは 0. 1 〜100gZl0分、より好ましくは 0. 5〜80gZl0分である。 MFR (温度 230。C、荷重 2. 16kg)が 0. lg/10分未満ではエラストマ一組成物の混練カ卩ェ性、押出加工性 等が不十分となる傾向にある。一方、 lOOgZlO分を超えると強度が低下する傾向に ある。
[0166] 従って、本発明で用いられるォレフィン系榭脂(14)は、結晶化度が 50%以上、密 度が 0. 89g/cm3以上であり、エチレン単位の含有量が 20モル%以下であり、 Tm 力 S 100°C以上であり、 MFR (温度 230°C、荷重 2. 16kg)が 0. 1〜: LOOgZlO分であ り、融点が 140〜170°Cであるポリプロピレン及び/又はプロピレンと、エチレンとの 共重合体を用いることが特に好まし 、。
[0167] ォレフィン系榭脂(14)として、上記結晶性ォレフイン榭脂以外に、非晶質ォレフィ
ン榭脂を使用することもできる。
[0168] 非晶質ォレフィン榭脂としては、ァタクチックポリプロピレン、ァタクチックポリ 1— ブテン等の単独重合体や、プロピレン(50モル0 /0以上含有)と他の (Xーォレフイン( エチレン、 1—ブテン、 1—ペンテン、 1—へキセン、 4—メチル 1—ペンテン、 1—ォ クテン、 1—デセン等)との共重合体、 1—ブテン(50モル%以上含有)と他の α—ォ レフイン(エチレン、プロピレン、 1—ペンテン、 1—へキセン、 4—メチル 1—ペンテ ン、 1—オタテン、 1—デセン等)との共重合体等が挙げられる。
[0169] 非晶質ォレフィン樹脂の 190°Cにおける溶融粘度は 50000cSt以下、好ましくは 1 00〜30000cSt、更【こ好ましく ίま 200〜20000cStである。更【こ、 X線回折¾定【こよ る結晶化度は、 50%未満、好ましくは 30%以下、より好ましくは 20%以下である。密 度は 0. 85〜0. 89g/cm3、より好ましくは 0. 85〜0. 88g/cm3であること力 S好まし い。更に、非晶質ォレフィン榭脂の数平均分子量 Mnは 1000〜20000 (特に 1500 〜 15000)であることが好まし!/、。
[0170] 通常、非晶質ォレフィン榭脂は、結晶性ォレフイン樹脂と併用して用いられる力 い ずれか一方のみを用いてもよ!、。
[0171] ( (11)〜(14)の配合割合)
上記(11)、 (12)、 (13)及び(14)の配合割合は、(11)、 (12)、 (13)及び(14)の 合計量 100質量部に対し、エチレン' αォレフイン系共重合体(11)の配合量は、 10 〜93質量部で、好ましくは 15〜90質量部、より好ましくは 20〜87質量部である。同 様に、結晶性ポリエチレン系榭脂(12)の配合量は 3〜30質量部で、好ましくは 4〜2 8質量部、より好ましくは 5〜25質量部である。水添ブロック共重合体(13)の配合量 は 3〜30質量部で、好ましくは 4〜28質量部、より好ましくは 5〜25質量部である。ォ レフイン系榭脂(14)の配合量は 1〜30質量部で、好ましくは 2〜28質量部、より好ま しくは 3〜25質量部である。各成分の配合割合が上記の範囲外になると、ゴム弾性、 柔軟性、成形加工性、鉱物油系軟化剤添加時にはオイルブリード性が悪化する傾向 にある。
[0172] (鉱物油系軟化剤)
ォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物(Ρ' )には鉱物油系軟化剤を添加しても
よい。鉱物油系軟化剤としては、上述したように、一般に、芳香族環、ナフテン環、及 びパラフィン鎖の三者の混合物であって、ノラフィン鎖の炭素数が全炭素数中の 50 %以上を占めるものがパラフィン系オイル、ナフテン環の炭素数が全炭素数中の 30 〜45%のものがナフテン系オイル、芳香族環の炭素数が全炭素数中の 30%以上の ものが芳香族系オイル、とそれぞれ分類されているが、本発明においては、ノ ラフィ ン系のものが好ましぐ特に水添パラフィン系のものが好ましい。また、重量平均分子 量 ίま 300〜2, 000、特に ίま 500〜1, 500の分子量を有するもの、 40。Cの動粘度力 20〜800cSt、特に ίま 50〜600cStであるちの、流動/^、力 40〜0oC、特に ίま 30 〜o°cであるものが好ましい。また、鉱物油系軟化剤としては、好ましくは粘度比重恒 数 (または粘度比重定数という。以下、 V. G. C.と略す。)で 0. 790-0. 999、さら に好ましく ίま V. G. C.力 0. 790〜0. 949、特に好ましく ίま V. G. C.力 0. 790〜0 . 912のものである。
[0173] このような、鉱物油系軟化剤の市販品としては、芳香族系としては、出光興産社製 の、ダイアナプロセスオイル AC— 12、 AC460、 AH— 16、 AH— 58、ェクソンモー ビル社製の、モービルゾール K、同 22、同 130、 日鉱共石社製の、共石プロセス Χ5 0、 Χ100、 Χ140、シェル化学社製の、レゾックス No. 3、デュートレックス 729UK、 新日本石油社製の、コゥモレックス 200、 300、 500、 700、ェクソンモービル社製の 、エツソプロセスオイル 110、同 120、新日本石油社製の、三菱 34ヘビープロセス油 、三菱 44ヘビープロセス油、三菱 38ヘビープロセス油、三菱 39ヘビープロセス油、 富士興産社製フッコール AROMA # 1、 # 3、 # 5などが挙げられる。
[0174] また、ナフテン系としては、出光興産社製の、ダイアナプロセスオイル NS 24、 NS
100、 NM— 26、 NM— 280、 NP— 24、ェクソンモービル社製のナプレックス 38 、富士興産社製の、フッコール FLEX# 1060N、 # 1150N、 # 1400N、 # 2040N 、 # 2050N、 日鉱共石社製の、共石プロセス R25、 R50、 R200、 R1000、シェルィ匕 学社製の、シェルフレックス 371JY、同 371N、同 451、同 N— 40、同 22、同 22R、 同 32R、同 100R、同 100S、同 100SA、同 220RS、同 220S、同 260、同 320R、 同 680、新日本石油社製のコゥモレックス 2号プロセスオイル、ェクソンモービル社製 の、エツソプロセスオイル L 2、同 765、新日本石油社製の三菱 20ライトプロセス油
などが挙げられる。
[0175] さらに、パラフィン系としては、出光興産社製の、ダイアナプロセスオイル PW— 90、 PW100、 PW— 380、 PS— 32、 PS— 90、 PS— 430、富士興産社製の、フッコール プロセス P— 100、 P— 200、 P— 300、 P400、 P— 500、 日鉱共石社製の、共石プロ セス P— 200、 P— 300、 P— 500、共石 EPT750、同 1000、共石プロセス S90、シェ ル化学社製の、ルブレックス 26、同 100、同 460、ェクソンモービル社製の、エツソプ ロセスオイル 815、同 845、同 B— 1、ェクソンモービル社製のナプレックス 32、新日 本石油社製の三菱 10ライトプロセス油などが挙げられる。このうち、パラフィン系は出 光興産社製ダイアナプロセスオイル PW90、 PW100、 PW380が好ましく用いられる
[0176] この鉱物油系軟化剤の配合量は、熱可塑性エラストマ一の混合物〔(11— 1)及び Z又は(11 3)、(12)、(13)と(14)の合計量〕 100質量部に対しては、 0〜400質 量部、好ましくは 0〜350質量部、より好ましくは 0〜300質量部である。熱可塑性ェ ラストマーの混合物〔(11 2)、(12)、(13)と(14)の合計量〕 100質量部に対して は、 0〜300質量部、好ましくは 0〜250質量部、より好ましくは 0〜200質量部である
[0177] 鉱物油系軟化剤は、油展エチレン' a一才レフイン系共重合体(11 2)に含有さ れてもよいし、また、(11)、(12)、(13)及び(14)の動的溶融混練り時に添加しても よく、また、(11)、(12)、(13)及び(14)を動的溶融混練りした後に別途溶融混練り して添加してもよ 後添加)、添加方法は特に限定されない。また、油展エチレン' a —ォレフイン系共重合体(11— 2)に、更に鉱物油系軟化剤を後添加してもよい。
[0178] 本発明に用いるォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物(Ρ' )は、温度 230°C、荷 重 10kgの条件で測定したメルトフローレートが、 5gZlO分以上であり、好ましくは 10 gZlO分以上、特に好ましくは 15gZl0分以上 (通常、 500gZl0分以下)である。メ ルトフローレートが 5gZl0分未満であると、得られる熱可塑性エラストマ一組成物を 射出、充填する際の流動性が不十分となり、特に、流動距離が長い製品では充填不 良が発生する。更に、この熱可塑性エラストマ一は、 210°C、引き取り速度 2mZ分で 測定した溶融張力が 3. Ogf未満であり、好ましくは 0. 1〜2. 9gfであり、更に好ましく
は 0. 3〜2. 8gfであり、特に好ましくは 0. 5〜2. 6gfである。溶融張力が 3. Ogf以上 であると、気体又は超臨界流体を使用して発泡させる際に発泡し難くなる。
[0179] また、ォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物(Ρ' )は、その中実成形品の JIS— Α硬度が好ましくは 50〜90、特に好ましくは 55〜80である。この硬度が 50未満であ ると、発泡成形品の表面が過度に柔らかくなり、傷が付き易い。一方、 90を超えると、 柔軟性及び弾性回復性が低下する傾向にある。
[0180] ォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物(Ρ' )は、上記(11)、(12)、(13)、(14) 及び(15)の各成分以外に、造核剤(16)を有してもょ 、。
[0181] 上記「造核剤(16)」としては、炭酸カルシウム、タルク、マイ力、シリカ、チタ-ァ等 の無機化合物の粉末を使用することができる。これらの造核剤を含有させることにより 、セル径を容易に調整することができ、適度な柔軟性等を有する発泡成形品とするこ とができる。造核剤の粒径は特に限定されないが、好ましくは 2〜50 /ζ πι、特に好ま しくは 5〜20 μ mである。この粒径が 2 μ m未満であると、造核剤としての効果が得ら れ難くなり、セル径が大きくなつてしまうため好ましくない。一方、粒径が 50 μ mを超 えると、セルが粗大、且つ少数となり、発泡成形品が柔軟になり過ぎ、クッション性に 劣るものとなるため好ましくない。造核剤の含有量は、本発明に用いるォレフィン系熱 可塑性エラストマ一組成物(Ρ' )に含まれる重合体成分の全量を 100質量部とした場 合に、通常 0〜20質量部、好ましくは 0. 01〜15質量部、更に好ましくは 0. 1〜: L0 質量部である。造核剤(6)は、例えば、ポリプロピレン系榭脂等を用いてマスターバッ チとして成形機に添加することも好ましい。
[0182] 本発明に用いるォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物(Ρ' )は、 ΕΑΟ系共重合 体(11)、結晶性ポリエチレン系榭脂(12)、水添ブロック共重合体(13)、ォレフィン 系榭脂(14)、必要に応じ後添加される鉱物油系軟化剤(15)を所定の温度に調温さ れたバンバリ一ミキサ、加圧-一ダ一等の密閉型混練機、ロールミル、一軸押出機、 二軸押出機、或いは混練押出機等に供給し、混練して、好ましくはペレット形状で熱 可塑性エラストマ一組成物として調製した後、この熱可塑性エラストマ一組成物と造 核剤(16)とを射出成形機に供給し、混練することにより製造することができる。熱可 塑性エラストマ一組成物を調製するための混練温度は、 (12)又は(14)が溶融する
温度であることが好ましぐ通常、 120〜280°Cとすることができる。混練時間は、用 いる装置及び混練温度にもよる力 好ましくは 10秒〜 60分、特に好ましくは 30秒〜 30分である。
[0183] 造核剤(16)は、予め(12)及び Zまたは(14)のォレフイン系榭脂に練り込み、造 核剤含有榭脂とした後、 EAO系共重合体 (11)、結晶性ポリエチレン系榭脂(12)、 水添ブロック共重合体(13)、炭素数 3以上の oc一才レフイン系榭脂(14)に配合する ことが好ましい。このようにすれば、造核剤(16)を、得られるォレフィン系熱可塑性ェ ラストマー組成物(Ρ' )中でより均一に分散させることができる。
[0184] ォレフィン系榭脂としては、主としてエチレン単位からなる榭脂、主としてプロピレン 単位からなる榭脂、エチレン 'プロピレン共重合体等を使用することができる。これら は結晶性であっても、非晶性であってもよぐ結晶性ポリエチレン系榭脂(12)ゃォレ フィン系榭脂(14)として用いる榭脂と同じものであってもよい。更に、ォレフィン系榭 脂は少量であるため、熱可塑性エラストマ一組成物の特定の構造が損なわれること はない。
[0185] 造核剤含有榭脂原料を 100質量%とした場合に、造核剤(16)の含有量は、好まし くは 2〜20質量%、特に好ましくは 5〜15質量%である。このような高濃度の榭脂原 料、所謂、マスターバッチを調製し、これらのマスターバッチを、造核剤が所定量とな るように配合することにより、特に、造核剤の含有量が少量である場合でも、それらを 均一に分散させることができる。
[0186] 本発明に用いるォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物(Ρ' )には、必要に応じて 、各種添加剤(17)、例えば、発泡剤、滑剤、老化防止剤、熱安定剤、 HALS等の耐 光剤、耐候剤、金属不活性剤、紫外線吸収剤、光安定剤、銅害防止剤等の安定剤、 防菌剤、防黴剤、分散剤、可塑剤、難燃剤、粘着付与剤、酸化チタン、カーボンブラ ック及び有機顔料等の着色剤、フェライト等の金属粉末、ガラス繊維、金属繊維等の 無機繊維、炭素繊維、ァラミド繊維等の有機繊維、複合繊維、チタン酸カリウムゥイス カー等の無機ウイスカー、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラスフレーク、アスベスト、 マイ力、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、ケィ酸カルシウム、ハイド口タルサイト、力オリ ン、けい藻土、グラフアイト、軽石、ェボ粉、コットンフロック、コルク粉、硫酸バリウム、
フッ素榭脂、ポリマービーズ、ポリオレフインワックス、セルロースパウダー、ゴム粉、木 粉等の充填剤又はこれらの混合物、イソブチレン'イソプレン共重合体、シリコーンゴ ム等のゴム、エチレン.酢酸ビュル共重合体、 ABS榭脂等の熱可塑性榭脂等を含有 させることがでさる。
[0187] (成形方法)
次に、上記ォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物(Ρ' )を、気体又は超臨界流 体を使用して射出成形機で発泡成形する方法について説明する。
[0188] 超臨界流体としては、不活性ガスである二酸ィ匕炭素や窒素を超臨界状態としたも のを使用することが好ましい。例えば、二酸ィ匕炭素であれば、温度 31°C以上、圧力 7 . 3MPa以上とすることにより、超臨界状態とすることができる。二酸ィ匕炭素は、比較 的低い温度、圧力で超臨界状態となり、また溶融榭脂中への溶解量が多いことにより 、射出成形等を使用した発泡成形に適している。また、気体としては、二酸化炭素、 窒素、空気等を使用することが好ましい。
[0189] 射出発泡成形方法では、上記熱可塑性エラストマ一糸且成物に気体又は超臨界流 体を注入したものを、射出成形機の金型内に形成されたキヤビティ空間に射出し、直 ちに、或いは所定時間が経過した後、可動型、或いは可動型に内設された可動コア を所定の速度で所定位置まて後退させ、キヤビティ空間を拡大することにより発泡さ せる、所謂、コアバック方式の射出成形法によって成形部材を得ることもできる。金型 の温度は、通常、射出される際の熱可塑性エラストマ一組成物の温度より相当に低 いため、キヤビティの表面に接して形成される発泡成形品の表面には、ほとんど発泡 して ヽな 、緻密なスキン層が形成され、その内部が発泡層となる。
[0190] 気体又は超臨界流体をォレフイン系熱可塑性エラストマ一組成物(Ρ' )に注入して 均一に混合すると、見掛け粘度が低下するため、流動性が向上する。更に、気体ま たは超臨界流体は、発泡倍率が高いため、平均セル径をコントロールし易ぐクッショ ン感のコントロール性がよい。また、気体又は超臨界流体を使用することにより、平均 セル径を小さくすることが可能となる。超臨界流体としては、二酸化炭素や窒素を超 臨界状態としたものを使用することが好ましい。
[0191] 通常の気体は、発泡倍率が超臨界流体ほど高くはないが、その分、安価な設備に
より発泡成形品を製造することが可能である。気体としては、二酸化炭素や窒素を使 用することができる。
[0192] 本発明の射出発泡成形方法では、可動型の後退速度、或いは可動型に内設して 設けられた可動コアの後退速度、即ち、「型開速度」は 0. 01〜: L OmmZ秒である。 この型開速度は、好ましくは 0. 05-0. 9mmZ秒、更に好ましくは 0. 1〜0. 5mm Z秒である。このような型開速度とすることにより、平均セル径が1〜200 111、特に 3 〜 150 mと微糸田となる。
[0193] 型開速度が 0. OlmmZ秒未満であると、冷却が進んで発泡不足が発生し、表面 に凹凸が生じる。一方、型開速度が 1. OmmZ秒を超えると、セル径が大きくなり、過 度に柔軟になって、クッション性等に優れた成形部材が得られない。また、セル径が 不均一になり、特に、ゲート近傍と末端部のセル径が大きく異なった成形部材となる。
[0194] 更に、射出される熱可塑性エラストマ一組成物の温度は、好ましくは 180〜250°C 、特に好ましくは 190〜220°Cである。この温度が 180°C未満であると、熱可塑性ェ ラストマー組成物の流動性が不十分となり、特に、末端部では充填不良が発生するこ と力 Sある。一方、 250°Cを超えると、熱可塑性エラストマ一組成物の組成によっては熱 劣化等が懸念される。また、金型温度は、好ましくは 20〜70°C、特に好ましくは 30〜 60°Cである。この温度が 20°C未満であると、金型内表面と接触した熱可塑性エラスト マー組成物が急激に冷却され、均質な発泡状態の成形部材とすることができず、末 端部で充填不良が発生することもある。一方、 70°Cを超えると、成形部材のキヤビテ ィの表面に接して形成された部分に均質なスキン層が形成されないことがあり、好ま しくない。
[0195] また、熱可塑性エラストマ一糸且成物を射出してから可動型、或いは可動型に内設さ れた可動コアの後退を開始するまでの時間(金型後退遅延時間)は、型開速度にも よるが、 60秒以下とすることが好ましぐ射出完了後、直ちに後退を開始してもよい。 この金型後退遅延時間は、好ましくは 0. 3〜50秒、特に好ましくは 0. 5〜40秒であ る。金型後退遅延時間が 60秒を超えると、冷却が進んで均質な発泡成形品とするこ とができない場合がある。
[0196] 金型の後退量は所定の発泡倍率により設定すればよぐ限定されないが、特に、車
両用内装材等では、金型内キヤビティ空間に充填された素材の初期肉厚に対して成 形部材の最終肉厚が 1. 1〜10倍となるように金型を後退させる、即ち、型開きするこ とが好ましい。この肉厚の比を発泡倍率とすれば、発泡倍率は、好ましくは 1. 3〜12 倍、更に好ましくは 1. 5〜 15倍である。
[0197] 尚、冷却時間は成形部材の寸法、或いは冷却方法にもよるが、脱型時の成形部材 の温度力 0〜80°C程度にまで低下しておればよぐ一般に 30秒以上であればよぐ 大型の製品であっても 100秒で十分である。
[0198] (工程 (Π) )
上述した工程 (I)の後、工程 (Π)において、上記成形部材 (b)を、その表面及び Z 又は断面の少なくとも一部が金型キヤビティに露出するように、例えば、上記成形部 材 (b)の端部 (被接着部)が金型キヤビティに露出するように設置する。即ち、工程 (II I)において用いられるォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物(P2)との接触面を 金型の内側に露出させる。
[0199] (工程 (III) )
次いで、工程 (III)において、組成物(P2)を、射出成形機により金型キヤビティに 導入する。この工程 (III)によって、組成物(P2)が成形部材 (b)の被接着部の方へ 流れ込み、この組成物 (P2)による成形部材 (以下、「成形部材 (a)」と 、う。)が形成 される。上記組成物(P2)は、エチレン' aーォレフイン系共重合ゴム、 aーォレフイン 系結晶性熱可塑性榭脂、 a一才レフイン系非晶質熱可塑性榭脂及び軟化剤を含む 混合物を、架橋剤の存在下で動的に熱処理して得られたものであり、上記本発明の 複合部材を構成する第 1成形部において説明したォレフィン系熱可塑性エラストマ一 組成物をそのまま適用することができる。
[0200] この組成物(P2)のメルトフローレート(以下、「MFR」≥\、う。)は、温度 230°C、荷 重 21Nの JIS K7210に準ずる条件において、好ましくは 0. lgZlO分以上、より好 ましくは 1. OgZlO分以上、更に好ましくは 2. OgZlO分、特に好ましくは 3. Og/1 0分以上である。この MFRが小さすぎると、加工性等が不十分となる場合がある。一 方、大きすぎると、得られる成形部材 (a)の機械的強度が低下する傾向にある。
[0201] 上記組成物(P2)は、特定の重合体を含有し、上記のように流動性に優れるため、
成形部材 (a)の形成後における金型汚染を発生させず、金型を長寿命で用いること ができる。また、上記組成物 (P2)は、再利用が可能であるため、材料をむだなく用い ることがでさる。
[0202] 上記組成物 (P2)を金型キヤビティに導入する方法は特に限定されな!ヽ。導入装置 としては、通常、スクリュー式、プランジャー式等の射出装置が用いられる。また、導 入速度は、通常、射出率で l〜2000cm3Z秒、好ましくは 10〜: LOOOcm3Z秒である 。上記組成物(P2)を金型キヤビティへ導入する際の温度は、好ましくは 150〜300 °Cである。このとき、金型は加熱して用いてもよいし、加熱せずに室温のままで用いて もよい。金型の好ましい温度は、 30〜80°Cの範囲である。尚、金型キヤビティは、得 ようとする複合部材の使用目的、用途等に応じて、その内壁面を平滑性の高いものと したり、文字、模様等が得られるようにしたりすることができる。平滑性の高い内壁面を 有する金型キヤビティを用いた場合には、上記組成物(P2)の流動性が優れるため、 金型転写性も良好であり、高い光沢性を有する成形部材を備えた複合部材を得るこ とがでさる。
[0203] また、上記組成物(P2)を金型キヤビティへ導入する際には、工程 (II)にお ヽて既 に設置されている成形部材 (b)が、予め加熱されていてもよいし、例えば、室温(25 °C)付近の温度であってもよい。好ましくは、上記金型及び上記成形部材 (b)が、い ずれも、低温状態にあることであり、 20〜60°Cの範囲にあることが特に好ましい。尚、 連続して製造する場合には、金型等の温度が下がり切る前に次の重合体組成物を 導入することがあるため、 60°C程度であってもよい。
[0204] 上記組成物(P2)が金型キヤビティへ導入された後、好ましくは 1〜120秒間、より 好ましくは 5〜60秒間冷却することにより、成形部材 (a)及び (b)が接着する。その後 、一体化した複合部材が、金型より取り出される。従って、本発明の複合部材の製造 方法によると、成形部材 (b)の設置、組成物(P2)の金型キヤビティへ導入、及び、組 成物(P2)の冷却をそれぞれ短時間で行うことができる。即ち、 1つの複合部材の製 造時間を好ましくは 7〜180秒間、より好ましくは 10〜120秒間とすることができ、極 めて短時間である。更に、金型を低温状態で用いることができるため、作業時に火傷 等をするおそれがなぐ安全に製造することができる。
[0205] 本発明の複合部材の製造方法においては、図 2に示した複合部材を容易に製造 することができる。即ち、予め、 2つの成形部材 (b)を製造しておき、所定の空間部を 有する金型を用い、 2つの成形部材 (b)の各端部が金型キヤビティに露出するように 設置し、所定の組成物 (P2)を導入することにより、一体化した複合部材を得ることが できる。尚、同様の方法によって、上記本発明の複合部材において説明した構造 [1 ]〜 [4]等を備える複合部材を得ることができる。
[0206] 本発明の複合部材の製造方法において、成形部材 (a)を発泡体とする場合には、 ォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物を気体又は超臨界流体を使用して発泡成 形してもよい。発泡成形する方法としては、上述した、工程 (I)において成形部材 (b) を射出成形機を使用して気体又は超臨界流体により発泡成形する場合と同様の方 法とすることが好ましい。
[0207] 本発明の複合部材は、車両用のウエザーストリップ、シール材、ガスケット、パッキン 等として好適である。ウエザーストリップとしては、ドアウエザーストリップ、トランクゥェ ザ一ストリップ、ラゲージウエザーストリップ、ルーフサイドレールウエザーストリップ、ス ライドドアウエザーストリップ、ベンチレータウヱザ一ストリップ、スライディングループパ ネルウエザーストリップ、フロントウィンドウエザーストリップ、リャウィンドウエザーストリ ップ、クォーターウィンドウエザーストリップ、ロックピラーウエザーストリップ、ドアガラス アウターウエザーストリップ、ドアガラスインナーウェザ一ストリップ等が挙げられる。シ ール材としては、建材用、家電用、産業機械用等に用いることができる。
[0208] 上記ウエザーストリップを、自動車のドアに用いる場合には、図 3のような形態で用 いることができる。即ち、図 3のウエザーストリップ 2は、第 1成形部 l la〜l leと、第 2 成形部 12a〜 12eとをそれぞれ交互に接合した環状構造であり、ドア 3の周縁部の所 定の位置に配設される。
実施例
[0209] 以下、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。尚、本発明は、これら の実施例に何ら制約されるものではない。また、実施例中の「%」及び「部」は、特に 断らない限り質量基準である。
[0210] 1.第 1成形部形成用組成物 (A)の調製及びその評価
1 - 1.ォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物(A— 1)〜(A—4)の調製 まず、以下に示す、エチレン' aーォレフイン系共重合ゴム 50部、 aーォレフイン系 結晶性熱可塑性榭脂 1を 25部、 a—ォレフイン系非晶質熱可塑性榭脂 3部及び軟 ィ匕剤 22部並びに老化防止剤 0. 1部を混合した。この混合物を、予め 150°Cに加熱 した加圧型-一ダー (容量 10リットル、モリヤマ社製)に投入し、 a—ォレフイン系結 晶性熱可塑性榭脂を溶融させ、更に各成分が均一に分散するまで、 40rpmで 15分 間混練した。その後、溶融状態の組成物を、フィーダ一ルーダー(モリヤマ社製)によ りペレツトイ匕した。次いで、得られたペレットと、下記に示す架橋剤 0. 75部及び架橋 助剤 1を 0. 5部とを、ヘンシェルミキサー (三井鉱山社製)に投入し、 30秒間混合した 後、二軸押出機(同方向完全嚙み合い型スクリュー、スクリューフライト部の長さ Lとス クリュー直径 Dとの比(LZD) = 33. 5、型式「PCM—45」、池貝社製)を用ぃ、シリ ンダー温度 200°C、スクリュー回転数 300rpm、滞留時間 2分の処理条件で動的熱 処理を施しながら押出して、ペレット状のォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物( A— 1)を得た。
[0211] 以下に示す各原料をそれぞれ表 1に示す割合で混合し、それ以外は上記 (A— 1) の場合と同様にして、ペレット状のォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物 (A—2)
〜(A— 4)を得た。
[0212] (1)エチレン' ーォレフイン系共重合ゴム
エチレン'プロピレン' 5 ェチリデン 2 ノルボルネン三元共重合体(エチレン単 位量 66%、プロピレン単位量 29. 5%、 5 ェチリデン— 2 ノルボルネン単位量 4.
5%、極限粘度 1. 5dlZg)を用いた。
[0213] (2)油展ゴム
エチレン'プロピレン' 5 ェチリデン 2 ノルボルネン三元共重合体(エチレン単 位量 66%、プロピレン単位量 29. 5%、 5 ェチリデン— 2 ノルボルネン単位量 4.
5%、極限粘度 4. 7dlZg)と、軟化剤 (パラフィン系鉱物油系軟化剤、商品名「ダイァ ナプロセスオイル PW— 380」、出光興産社製)との混合物 (含有割合; 50%/50%
)を用いた。
[0214] (3) a一才レフイン系結晶性熱可塑性榭脂 1
プロピレン 'エチレンランダム共重合体(商品名「ノバテック PP MA2」、 日本ポリケ ム社製)を用いた。密度は 0. 90gZcm3、 MFR (温度 230°C、荷重 21N)は 16gZl 0分である。
[0215] (4) a一才レフイン系結晶性熱可塑性榭脂 2
プロピレン 'エチレンランダム共重合体(商品名「ノバテック PP FL25R」、 日本ポリ ケム社製)を用いた。密度は 0. 90g/cm3、 MFR (温度 230°C、荷重 21N)は 23g/ 10分である。
[0216] (5) a一才レフイン系非晶質熱可塑性榭脂
プロピレン · 1ーブテン非晶質共重合体(商品名「UBETAC APAO UT2780J
、宇部興産社製)を用いた。プロピレン単位量は 71モル%、溶融粘度は 8, 000cPs (
190。C)、密度は 0. 87gZcm3、 Μηは 6, 500である。
[0217] (6)軟化剤
ノラフィン系鉱物油系軟化剤(商品名「ダイアナプロセスオイル PW— 380」、出光 興産社製)を用いた。
[0218] (7)架橋剤及び架橋助剤
架橋剤として、 2, 5 ジメチルー 2, 5 ジ (t—ブチルパーォキシ)へキサン(商品 名「パーへキサ 25B— 40」、 日本油脂社製)を用いた。また、架橋助剤 1として、ジビ -ルベンゼン (三共ィ匕成社製、純度 56%)を、架橋助剤 2として、 N, N,— m—フエ- レンビスマレイミド (商品名「バルノック PM」、大内新興ィ匕学工業社製)を用いた。
[0219] (8)老化防止剤
テトラキス [メチレン 3— (3, 5—ジ一 tert—ブチル 4—ヒドロキシフエ-ル)プロピ ォネート]メタン(商品名「ィルガノックス 1010」、チバスペシャルティケミカルズ社製) を用いた。
[0220] 1 - 2.未加硫ゴム組成物 (A— 5)の調製
まず、エチレン.プロピレン · 5 ェチリデン 2 ノルボルネン三元共重合体(商品 名「EP96」、 JSR社製) 60部と、エチレン 'プロピレン · 5 ェチリデン— 2 ノルボル ネン三元共重合体 (商品名「EP57C」、 JSR社製) 40部と、カーボンブラック(商品名 「旭 50H— G」、旭カーボン社製) 80部と、パラフィン系鉱物油系軟化剤(商品名「ダ
ィアナプロセスオイル PW— 380」、出光興産社製) 52部と、重質炭酸カルシウム(商 品名「スーパー S」、丸尾カルシウム社製) 56部と、活性亜鉛華 (堺ィ匕学工業社製) 5 部と、ステアリン酸 (商品名「ルナック S」、花王社製) 1部と、加工助剤(商品名「ヒタノ ール 1501」、日立化成工業社製) 1部と、離型剤(商品名「ストラタトール WB212」、 シル'アンド'ザイラハー社製) 2部と、可塑剤(ポリエチレングリコール) 1部とからなる 混合物を得た。その後、この混合物を容積 3リットルのバンノリーミキサー (神戸製鋼 所社製)に投入し、 50°C、 70rpm、混練時間 2. 5分の条件で混練した。次いで、こ の混練物に、脱水剤(商品名「ベスタ PP」、井上石灰工業社製) 10部、加硫促進剤 1 (商品名「ノクセラー DM」、大内新興ィ匕学工業社製) 1. 2部、加硫促進剤 2 (商品名「 ノクセラー TT」、大内新興ィ匕学工業社製) 0. 6部、加硫促進剤 3 (商品名「ノクセラー ΕΖ」、大内新興ィ匕学工業社製) 0. 5部、加硫促進剤 4 (商品名「ノクセラー ΡΧ」、大内 新興ィ匕学工業社製) 0. 8部、及び、硫黄 2部を添加し、 6インチオープンロール(関西 ロール社製)を用い、 50°Cで 5分間混練することにより未加硫状態のゴム組成物 (A - 5)力もなるコンパウンドを得た。
[0221] 1 - 3.物性評価
上記で得た第 1成形部形成用のォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物 (A— 1) 〜(A— 4)につ!/、て、下記方法により、メルトフローレート(MFR)、硬度(ショァ A)、 引張破断強度及び引張破断伸度の評価を行った。尚、硬度、引張破断強度及び引 張破断伸度の評価に際しては、各組成物力もなるペレットを、射出成形機 (型式「N — 100」、日本製鋼所製)により、 220°Cで射出成形してシート状 (厚さ 2mm、長さ 12 Omm、幅 120mm)とし、これを評価用試験片とした。また、上記ゴム組成物(A— 5) について、硬度 (ショァ A)、引張破断強度及び引張破断伸度の評価を行った。尚、 硬度、引張破断強度及び引張破断伸度の評価に際しては、未加硫ゴム組成物 (A— 5)からなるコンパゥンドを、加熱プレス機(関西ロール社製)〖こより、 180°Cで 5分間熱 処理してシート状(厚さ 2mm、長さ 120mm、幅 120mm)とし、これを評価用試験片 とした。以上の結果を表 1に示す。
[0222] (a)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210に準じ、 230°C、荷重 21Nとして測定した。
(b)硬度 (柔軟性)
JIS K6253に準じて測定した。
(c)引張破断強度及び引張破断伸度
JIS K6251に準じて測定した。
[表 1]
2.第 2成形部形成用組成物 (B)の調製及びその評価
2- 1.未加硫ゴム組成物(B— 1)の調製
エチレン'プロピレン' 5 ェチリデン 2 ノルボルネン三元共重合体(商品名「EP 103A」、 JSR社製) 100部と、カーボンブラック(商品名「シースト 116」、東海カー ボン社製) 145部と、パラフィン系鉱物油系軟化剤(商品名「ダイアナプロセスオイル PW— 380」、出光興産社製) 85部と、活性亜鉛華 (堺ィ匕学工業社製) 5部と、ステア リン酸 (商品名「ルナック S」、花王社製) 1部と、加工助剤(商品名「ヒタノール 1501」 、 日立化成工業社製) 1部と、離型剤(商品名「ストラタトール WB212」、シル 'アンド' ザイラハー社製) 2部と、可塑剤(ポリエチレングリコール) 1部とからなる混合物を得た 。その後、この混合物を容積 3リットルのバンノリーミキサー (神戸製鋼所社製)に投 入し、 50°C、 70rpm、混練時間 2. 5分の条件で混練した。次いで、この混練物に、 脱水剤 (商品名「ベスタ PP」、井上石灰工業社製) 10質量部、上記加硫促進剤 2 (商 品名「ノクセラー TT」)0. 5部、上記加硫促進剤 4 (商品名「ノクセラー ΡΧ」) 1部、カロ
硫促進剤 5 (商品名「ノクセラー M」、大内新興化学工業社製) 1部、加硫促進剤 6 (商 品名「ノクセラー D」、大内新興ィ匕学工業社製) 1部、及び、硫黄 2. 2部を添加し、 6ィ ンチオープンロール(関西ロール社製)を用い、 50°Cで 5分間混練することにより未 加硫状態のゴム組成物(B— 1)力もなるコンパゥンドを得た。
[0225] 2- 2.未加硫ゴム組成物(B— 2)の調製
エチレン'プロピレン' 5 ェチリデン 2 ノルボルネン三元共重合体(商品名「EP 103A」、 JSR社製、 ) 100部と、カーボンブラック(商品名「シースト 116」、東海カー ボン社製) 145部と、パラフィン系鉱物油系軟化剤(商品名「ダイアナプロセスオイル PW— 380」、出光興産社製) 85部と、プロピレン · 1ーブテン非晶質共重合体 (商品 名「UBETAC APAOUT 2780」、宇部興産社製) 10部と、活性亜鉛華 (堺ィ匕学 工業社製) 5部と、ステアリン酸 (商品名「ルナック S」、花王社製) 1部と、加工助剤(商 品名「ヒタノール 1501」、日立化成工業社製) 1部と、離型剤(商品名「ストラタトール WB212」、シル'アンド'ザイラハー社製) 2部と、可塑剤(ポリエチレングリコール) 1 部とからなる混合物を得た。その後、この混合物を容積 3リットルのバンバリ一ミキサ 一 (神戸製鋼所社製)に投入し、 50°C、 70rpm、混練時間 2. 5分の条件で混練した 。次いで、この混練物に、脱水剤(商品名「ベスタ PP」、井上石灰工業社製) 10部、 上記加硫促進剤 2 (商品名「ノクセラー TT」)0. 5部、上記加硫促進剤 4 (商品名「ノク セラー ΡΧ」) 1部、上記加硫促進剤 5 (商品名「ノクセラー Μ」) 1部、上記加硫促進剤 6 (商品名「ノクセラー D」) 1部、及び、硫黄 2. 2部を添カ卩し、 6インチオープンロール (関西ロール社製)を用い、 50°Cで 5分間混練することにより未加硫状態のゴム組成 物(B— 2)力もなるコンパゥンドを得た。
[0226] 2- 3.未加硫ゴム組成物(B— 3)の調製
エチレン'プロピレン' 5 ェチリデン 2 ノルボルネン三元共重合体(商品名「EP 804F」、 JSR社製) 100部と、カーボンブラック(商品名「旭 50H— G」、旭カーボン社 製) 100部と、ノ ラフィン系鉱物油系軟化剤(商品名「ダイアナプロセスオイル PW— 3 80」、出光興産社製) 100部と、重質炭酸カルシウム(商品名「スーパー S」、丸尾力 ルシゥム社製) 50部と、活性亜鉛華 (堺ィ匕学工業社製) 5部と、ステアリン酸 (商品名「 ルナック S」、花王社製) 1部と、加工助剤(商品名「ヒタノール 1501」、 日立化成工業
社製) 1部と、離型剤(商品名「ストラタトール WB212」、シル 'アンド'ザイラハー社製 ) 2部と、可塑剤(ポリエチレングリコール) 1部とからなる混合物を得た。その後、この 混合物を容積 3リットルのバンバリ一ミキサー (神戸製鋼所社製)に投入し、 50°C、 70 rpm、混練時間 2. 5分の条件で混練した。次いで、この混練物に、脱水剤(商品名「 べスタ PP」、井上石灰工業社製) 5部、上記加硫促進剤 5 (商品名「ノクセラー M」) 1. 5部、加硫促進剤 7 (商品名「ノクセラー PZ」、大内新興ィ匕学工業社製) 1. 5部、加硫 促進剤 8 (商品名「バルノック R」、大内新興ィ匕学工業社製) 1部、硫黄 1部、並びに、 発泡剤 1 (商品名「ネオセルボン N # 1000SW」、永和化成工業社製) 2部、及び、発 泡剤 2 (商品名「ビニホール AC # LQ」、永和化成工業社製) 4部を添加して、 6イン チオープンロール(関西ロール社製)を用い、 50°Cで 5分間混練することにより、未カロ 硫状態のゴム組成物(B— 3)力もなるコンパゥンドを得た。
2-4.ォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物(B— 4)の調製
ポリプロピレン (商品名「ノバテック MA4」、 日本ポリケム社製) 25部と、油展ェチレ ン ·プロピレン' 5 ェチリデン 2 ノルボルネン三元共重合体(商品名「T7501EF 」、 JSR社製) 75部と、テトラキス [メチレン 3— (3, 5—ジ一 tert—ブチル 4—ヒドロ キシフエ-ル)プロピオネート]メタン(商品名「ィルガノックス 1010」、チバスペシャル ティケミカルズ社製) 0. 2部とからなる混合物を、予め 150°Cに加熱した加圧型-一 ダー (モリヤマ社製)に投入し、各成分が均一に分散するまで、 40rpmで 15分間混 練した。その後、溶融状態の組成物を、 180°C、 40rpmに設定したフィーダ一ルーダ 一(モリヤマ社製)によりペレツトイ匕した。次いで、得られたペレットと、有機過酸化物( 商品名「パーへキサ 25B— 40」、 日本油脂社製) 1部と、共架橋剤 (ジビュルべンゼ ン、三共化学社製) 1部とを、ヘンシェルミキサーに投入し、 30秒間混合した。その後 、重量式フィーダ一 (型式「KF— C88」、クボタ社製)を用いて、二軸押出機(同方向 非嚙み合い型スクリュー、 LZD (外径 45mm、スクリュー有効長 Lと外径 Dとの比) = 38. 5、型式「PCM— 45」、池貝社製)に吐出量 40kgZhで供給した。この二軸押出 機のシリンダー温度を 200°C、スクリュー回転数を 300rpm、滞留時間を 1分として動 的熱処理を施しながら押出して、ォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物(B—4) を得た。
[0228] 2- 5.ォレフィン系熱可塑性エラストマ一組成物(B— 5)の調製
ポリエチレン (商品名「ノバテック HJ490」、 日本ポリケム社製) 10部と、上記ォレフィ ン系熱可塑性エラストマ一組成物 (A— 2)等の形成に用いた油展ゴム 75部と、パラ フィン系鉱物油系軟化剤(商品名「ダイアナプロセスオイル PW— 380」、出光興産社 製) 15部と、テトラキス [メチレン 3— (3, 5 ジ一 tert—ブチル 4 ヒドロキシフエ- ル)プロピオネート]メタン(商品名「ィルガノックス 1010」、チバスペシャルティケミカ ルズ社製) 0. 2部とからなる混合物を、予め 150°Cに加熱した加圧型-一ダー(モリ ャマ社製)に投入し、各成分が均一に分散するまで、 40rpmで 15分間混練した。そ の後、溶融状態の組成物を、 180°C、 40rpmに設定したフィーダ一ルーダー(モリャ マ社製)によりペレツトイ匕して、単純ブレンド系の非架橋ォレフィン系熱可塑性エラスト マー組成物(B— 5)を得た。
[0229] 2-6.物性評価
上記で得た第 2成形部用の組成物(B— 1)、(B— 2)、(B— 4)及び (B— 5)につい て、上記方法により、メルトフローレート(MFR)、硬度 (ショァ A)、引張破断強度及び 引張破断伸度の評価を行った。また、組成物(B— 3)については、硬度 (ショァ A)の 代わりに、 JIS K6253に準じ、硬度 (ァスカー C)を測定した。尚、組成物(B— 1)及 び (B— 2)の評価に際しては、各未加硫状態のゴム組成物力 なるコンパウンドを、 台付き平板ダイス (幅 30mm、肉厚 2mm)を装着した 40mm押出機 (今中機械工業 社製)を用い、シリンダー温度 70°C、ヘッド温度 80°Cの条件で押出して平板状成形 体(幅 40mm、厚さ 2mm)とした。その後、この成形体を 230°Cに設定した熱風加硫 槽中で 6分間静置して加硫した。この加硫ゴムシートを評価用試験片とした。組成物( B- 3)については、以下の方法で発泡体とした後に評価を行った。即ち、得られたコ ンパウンドを、台付き平板ダイス(幅 30mm、肉厚 2mm)を装着した 40mm押出機( 今中機械工業社製)を用い、ホッパー温度 60°C、シリンダー温度 70°C、ヘッド温度 8 0°Cの条件で押出して平板状成形体 (幅 40mm、厚さ 2mm)とした。その後、この成 形体を 230°Cに設定した熱風加硫槽中で 6分間静置して加硫した。更に、この加硫 ゴムシートを 220°Cに設定した熱風加硫槽中で 5分間加硫発泡させ、比重 0. 5の加 硫ゴムスポンジとし、この加硫ゴムスポンジを評価用試験片とした。また、組成物(B—
4)及び (B— 5)については、得られた各熱可塑性エラストマ一組成物を、台付き平板 ダイス(幅 30mm、肉厚 2mm)を装着した 40mm押出機 (型式「FS— 40」、池貝社製 )を用い、シリンダー温度 210°Cの条件で押出して平板状成形体 (幅 40mm、厚さ 2 mm)とした。この平板状成形体を評価用試験片とした。
以上の結果を表 2に示す。
[0230] [表 2]
[0231] 3.複合部材の製造及び評価
(実施例 1)
上記で得た第 2成形部形成用組成物(B— 1)カゝらなる平板状シート(幅 30mm、長 さ 50mm、厚さ 2mm)を金型キヤビティに設置した後、第 1成形部形成用組成物 (ォ レフイン系熱可塑性エラストマ一組成物 (A— 1) )を、射出成形機 (型式「N— 100」、 日本製鋼所製)により、金型温度 50°C、導入時間 10秒、射出時間 1秒、冷却時間 30 秒、サンプル取り出し時間 10秒の条件で導入することで、上記平板状シートの端面 に接着させ、厚さ 2mm、長さ 120mm、幅 120mmの複合部材を製造した。ォレフィ ン系熱可塑性エラストマ一組成物 (A— 1)を導入してから、完成した複合部材を取り 出すまでの成形時間を測定し、表 3に示した。
[0232] 上記で得た複合部材について、下記評価を行った。その結果を表 3に示す。
(a)接着強度試験
図 4のように接着部が中心になるようにダンベル 1号で打ち抜き、引張速度 500mm Z分の速度で複合部材の接着強度を評価した。
(b)接着部屈曲折り曲げ試験
得られた複合部材における、第 1成形部材及び第 2成形部材の継ぎ目部を起点と
して、角度 180° に折り曲げ、 10回往復屈曲させた。このときの接着界面の剥離状 態を目視にて観察し、下記基準で評価した。
〇;剥離なし。
X;剥離して破断に到った。
[0233] (実施例 2〜6並びに比較例 1〜2及び 4)
上記で得た第 1成形部形成用組成物及び第 2成形部形成用組成物を、表 3の組み 合わせに従って用い、実施例 1と同様にして複合部材を製造した。得られた各複合 部材の評価を行い、表 3に併記した。
[0234] (比較例 3)
第 2成形部形成用組成物(B— 1)力もなるシート(幅 30mm、長さ 50mm、厚さ 2m m)を、射出成形機の金型キヤビティに設置した後、第 1成形部形成用組成物 (A— 5 )を、射出成形機 (型式「N— 100」、 日本製鋼所製)により、金型温度 180°C、第 2成 形部材導入時間 10秒、射出時間 3秒、加硫時間 3分間、サンプル取り出し時間 10秒 の条件で導入することで、厚さ 2mm、長さ 120mm、幅 120mmの複合部材を製造し た。評価は上記と同様にして行い、表 3に併記した。
[0235] [表 3]
4.実施例の効果
比較例 1及び 2は、第 1成形部が a—才レフイン系非晶質熱可塑性榭脂を含まない 例であり、屈曲折り曲げにより接着部において剥離した。比較例 3は、第 1及び第 2成
形部が 、ずれも加硫ゴム組成物力 なるものであり、得られた複合部材の接着強度 は十分高ぐ接着部における剥離がな力つたものの、成形時間が 203秒も力かった。 比較例 4は、第 1成形部が加硫ゴム組成物力 なり、第 2成形部がォレフィン系熱可 塑性エラストマ一組成物力 なるものであり、金型内で第 2成形部のォレフィン系熱可 塑性エラストマ一が軟ィ匕変形して複合部材の形状を保持できな力つた。一方、実施 例 1〜6は、いずれも 51秒という短い時間で複合部材を得ることができた。特に実施 例 1〜4は、第 1及び第 2成形部のあいだの接着強度が十分であった。
産業上の利用可能性
本発明の複合部材は、各成形部どうしの接着性に優れるため、車両用のウエザー ストリップ、シール材、ガスケット、パッキン等として好適である。ウエザーストリップとし ては、ドアウエザーストリップ、トランクウエザーストリップ、ラゲージウエザーストリップ、 ノレーフサイドレールウエザーストリップ、スライドドアウエザーストリップ、ベンチレータウ ェザーストリップ、スライディングループパネルウエザーストリップ、フロントウィンドゥエ ザ一ストリップ、リャウィンドウエザーストリップ、クォーターウィンドウエザーストリップ、 ロックピラーウエザーストリップ、ドアガラスアウターウエザーストリップ、ドアガラスイン ナーウェザ一ストリップ等が挙げられる。シール材としては、建材用、家電用、産業機 械用等に用いることができる。