JP2007231181A - 発泡性オレフィン系重合体組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】卓越した連続成形性と機械的強度を有する発泡性オレフィン系重合体組成物の提供。
【解決手段】ASTM D−1238に規定されるメルトフローレート(MFRと称する:条件:230℃/2.16kg)が50〜1000g/10分であるオレフィン系重合体(A)と、低沸点液体を含有する、平均粒子径が1〜1000μmのマイクロカプセル(B)とからなる発泡性重合体組成物において、(B)の発泡開始温度が100℃〜200℃であり、最大発泡温度が150〜250℃であることを特徴とする発泡性オレフィン系重合体組成物
【選択図】なし

Description

本発明は、発泡性オレフィン系重合体組成物に関するものである。更に詳しくは、機械的強度が優れており、かつ卓越した連続生産性を有する発泡性オレフィン系重合体組成物に関するものである。
従来より家電部品、自動車外装部品、住宅・建材部品等として、発泡体が広く使用されている。しかしながら、柔らかい発泡体は、触感は柔らかく良好であるが、機械的強度が低く、一方、硬い発泡体は、触感(柔軟性)が不充分であり、問題となっている。 このような発泡体のベースとなっているゴム系組成物として、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)により製造されたオレフィン系エラストマー(下記特許文献1,2を参照)を用いる動的架橋技術が知られているが、耐傷つき性に劣るために得られた発泡体は、必ずしも市場では満足されていない。
一方、低沸点液体を含有するマイクロカプセルの熱膨張性樹脂組成物(下記特許文献3、4を参照)が知られている。 上記組成物の発泡体の機械的強度、耐傷つき性も必ずしも充分でないために、実用的使用に耐える発泡性重合体組成物が求められている。
特開平8−120127号公報 特開平9−137001号公報 特許第1209011号公報 特許第1209016号公報
本発明は、このような現状に鑑み、上記のような問題点のない、即ち優れた連続生産性及び機械的強度を有する発泡性オレフィン系重合体組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者は、連続生産性に優れた発泡性オレフィン系重合体組成物を鋭意検討した結果、特定のオレフィン系重合体とマイクロカプセルを用いることにより、驚くべきことに、該組成物の連続生産性及び機械的強度を飛躍的に向上せしめる事を見出し、本発明を完成した。
即ち本発明は、ASTM D−1238に規定されるメルトフローレート(条件:230℃/2.16kg)が50〜1000g/10分であるオレフィン系重合体(A)と、低沸点液体を含有する、平均粒子径が1〜1000μmのマイクロカプセル(B)とからなる発泡性重合体組成物において、(B)の発泡開始温度が100℃〜200℃であり、最大発泡温度が150〜250℃であることを特徴とする発泡性オレフィン系重合体組成物を提供するものである。
本発明の発泡性オレフィン系重合体組成物は連続生産性と機械的強度に優れている。
以下、本発明に関して具体的に説明する。
本発明の成形体は、特定のMFRを有するオレフィン系重合体(A)と特定のマイクロカプセル(B)とからなる。
ここで、(A)は前記MFRが50〜1000g/10分であることが重要である。上記MFRの範囲では連続生産性が向上する。
そして、(B)の発泡開始温度が100℃〜200℃であり、最大発泡温度が150〜250℃である場合には機械的強度と連続生産性のバランスが著しく向上することを見出し、本発明を完成した。
以下に本発明の各成分について詳細に説明する。
(A)成分
本発明において、(A)のオレフィン系重合体は、オレフィン系ゴム状重合体(A−1)及び/またはオレフィン系樹脂(A−2)が主体の重合体であり、前者の(A−1)の例としては、エチレン−プロピレ共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−プロピレンン−ジエンモノマー三元共重合体(EPDM)等のエチレン・α―オレフィン共重合体等であり、後者の(A−2)の例としては、エチレン系またはプロピレン系樹脂等の炭素数2〜20であるエチレン及び/またはα−オレフィンの単独もしくは二種以上を含有する共重合樹脂が挙げられ、特にプロピレン系樹脂が更に好ましく、具体的にはホモのアイソタクチックポリプロピレン、プロピレンとエチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1等の他のα−オレフィンとのアイソタクチック共重合樹脂(ブロック、ランダムを含む。)等が挙げられる。
上記(A−1)に関しては、ガラス転移温度(Tg)が−10℃以下であることが好ましく、100℃で測定したムーニー粘度(ML)(ISO 289−1985(E)準拠)は、20〜150が好ましく、更に好ましくは50〜120である。
本発明において(A−1)の中で好ましい重合体の一つはエチレン・α−オレフィン共重合体であり、エチレンおよび炭素数が3〜20のα−オレフィンとの共重合体が更に好ましい。α−オレフィンとして、例えばプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1等が挙げられる。中でもヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1が好ましく、特に好ましくは炭素数3〜12のα−オレフィンであり、とりわけプロピレン、ブテン−1、オクテン−1が最も好ましい。
また、(A−1)は必要に応じて、不飽和結合を有する単量体を含有することができ、例えば、ブタジエン、イソプレン等の共役ジオレフィン、1,4−ヘキサジエン等の非共役ジオレフィン、ジシクロペンタジエン、ノルボルネン誘導体等の環状ジエン化合物、及びアセチレン類が挙げられる。とりわけエチリデンノルボルネン(ENB)、ジシクロペンタジエン(DCP)が最も好ましい。
本発明において(A−1)の好ましい共重合体の一つであるエチレン・α−オレフィン共重合体(以下、エチレン・α−オレフィン共重合体という。)は、公知のメタロセン系触媒を用いて製造することが好ましい。
一般にはメタロセン系触媒は、チタン、ジルコニウム等のIV族金属のシクロペンタジエニル誘導体と助触媒からなり、重合触媒として高活性であるだけでなく、チーグラー系触媒と比較して、得られる重合体の分子量分布が狭く、共重合体中のコモノマーである炭素数3〜20のα−オレフィンの分布が均一である。
本発明において好ましく用いられる(A−1)のエチレン・α−オレフィン共重合体は、α−オレフィンの共重合比率が1〜60重量%であることが好ましく、更に好ましくは10〜50重量%、最も好ましくは20〜45重量%である。α−オレフィンの共重合比率は組成物の硬度、引張強度等の観点から60重量%以下が好ましく、一方、柔軟性、機械的強度の観点から1重量%以上が好ましい。
(A−1)のエチレン・α−オレフィン共重合体の密度は、0.8〜0.9g/cmの範囲にあることが好ましい。この範囲の密度を有するエチレン・α−オレフィン共重合体を用いることにより、柔軟性に優れ、硬度の低い本発明の熱可塑性エラストマー組成物を得ることができる。
本発明にて用いられる(A−1)のエチレン・α−オレフィン共重合体は、長鎖分岐を有していることが望ましい。長鎖分岐が存在することで、機械的強度を落とさずに、共重合されているα−オレフィンの比率(重量%)に比して、密度をより小さくすることが可能となり、低密度、低硬度、高強度のエチレン・α−オレフィン共重合体を得ることができる。長鎖分岐を有するエチレン・α−オレフィン共重合体としては、米国特許明細書第5278272号明細書等に記載されている。
また、(A−1)のエチレン・α−オレフィン共重合体は、室温以上に熱天秤(DSC)の融点ピークを有することが望ましい。融点ピークを有するとき、融点以下の温度範囲では形態が安定しており、取扱い性に優れ、ベタツキも少ない。
また、本発明にて用いられる(A−1)のエチレン・α−オレフィン共重合体のメルトインデックスは、0.01〜100g/10分(190℃、2.16kg荷重(0.212Pa))の範囲のものが好ましく用いられ、更に好ましくは0.2〜10g/10分である。本発明の熱可塑性エラストマー組成物の架橋性の観点から100g/10分以下が好ましく、また、流動性、加工性の観点から0.01g/10分以上が好ましい。
本発明において、(A−1)のもう一つの好ましい共重合体である上記水素添加共重合体は、少なくとも一種の共役ジエン系単量体の単独重合体ゴム、または共役ジエン系単量体と芳香族ビニル単量体とからなる共重合体ゴムであって、ランダム共重合体の全二重結合の水素添加率が50%以上である水素添加共重合体ゴムが好ましく、とりわけ主鎖および側鎖に二重結合を有する重合体及び/または共重合体からなる不飽和重合体ゴムの全オレフィン性二重結合の50%以上が水素添加された水素添加共重合体ゴムであることが好ましい。
上記水素添加共重合体ゴムにおいて、必要に応じて、例えば、オレフィン系、メタクリル酸エステル系、アクリル酸エステル系、不飽和ニトリル系、塩化ビニル系単量体等の共役ジエンと共重合可能な単量体(以下、共重合可能な単量体という。)を共重合することができる。
上記共役ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1、3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1、3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレン等を挙げることができ、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンが好ましく、1,3−ブタジエン、イソプレンが最も好ましい。
また、前記芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジン等を挙げることができ、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。上記芳香族単量体は一種または二種以上併用することができる。芳香族ビニル単量体含有量は、0〜80重量%が好ましく、更に好ましくは0〜50重量%、最も好ましくは0〜30重量%である。
(A−1)としての水素添加共重合体において、水素添加前の共役ジエン単量体部分のビニル結合は、分子内に均一に存在していても、分子鎖に沿って増減あるいは減少してもよいし、また、ビニル結合含有量の異なった、複数個のブロックを含んでいてもよい。そして、芳香族ビニル単量体および/または共重合可能な単量体を含む場合は、共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体および/または共重合可能な単量体とはランダムに結合することが好ましいが、ブロック状の芳香族ビニル単量体および/またはブロック状の共重合可能な単量体を含んでもよい。ブロック状の芳香族ビニル重合体の含有率は、全芳香族ビニル単量体中の20重量%以下が好ましく、更に好ましくは10重量%以下である。
上記水素添加共重合体ゴム中の全オレフィン性二重結合は、50%以上、好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上が水素添加され、そして主鎖の残存二重結合が5%以下、側鎖の残存二重結合が5%以下である。このような水素添加共重合体ゴムの具体例としては、ポリブタジエン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(アクリロニトリル−ブタジエン)、ポリイソプレン、ポリクロロプレン等のジエン系ゴムを部分的または完全に水素添加したゴム状重合体を挙げることができ、特に水素添加ブタジエン系または水素添加イソプレン系ゴムが好ましい。
このような水素添加共重合体ゴムは、上述のジエン系ゴムを公知の水素添加方法で部分水素添加することにより得られる。例えば、F.L.Ramp,etal,J.Amer.Chem.Soc.,83,4672(1961)記載のトリイソブチルボラン触媒を用いて水素添加する方法、HungYuChen,J.Polym.Sci.Polym.Letter
Ed.,15,271(1977)記載のトルエンスルフォニルヒドラジドを用いて水素添加する方法、あるいは特公昭42−8704号公報に記載の有機コバルトー有機アルミニュウム系触媒あるいは有機ニッケルー有機アルミニュウム系触媒を用いて水素添加する方法等を挙げることができる。
ここで、特に好ましい水素添加の方法は、低温、低圧の温和な条件下で水素添加が可能な触媒を用いる特開昭59−133203号、特開昭60−220147号の各公報あるいは不活性有機溶媒中にて、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウム化合物と、ナトリウム原子、カリウム原子、ルビジウム原子またはセシウム原子を有する炭化水素化合物とからなる触媒の存在下に水素と接触させる特開昭62−207303号公報に示される方法である。
また、水素添加共重合体ゴムの25℃における5重量%スチレン溶液粘度(5%SV)は、20〜300センチポイズ(cps)の範囲にあることが好ましい。特に好ましい範囲は25〜150cpsである。
そして、水素添加共重合体ゴムは結晶性を有することが好ましく、その結晶性の指標である吸熱ピーク熱量の制御は、テトラヒドロフラン等の極性化合物の添加または重合温度の制御により行う。吸熱ピーク熱量の低下は、ゴム状重合体製造時に(((この記載を追加しました。)))極性化合物を増量するか、または重合温度を低下させて、1,2−ビニル結合を増大させることにより達成される。
本発明にて用いられる(A−1)は、複数の種類のものを混合して用いても良い。そのような場合には、加工性のさらなる向上を図ることが可能となる。
本発明において、(A−1)中に占めるポリスチレン換算分子量が15万以下の該重合体の割合が30重量%以下であることが好ましく、より好ましくは25%以下、更に好ましくは20%以下、最も好ましくは15%以下、極めて好ましくは10%以下である。上記割合が30%以下の場合には機械的強度、外観、感触、耐磨耗性及び耐油性が向上する。
本発明において(A−1)中に占めるポリスチレン換算分子量が15万以下の該重合体の割合を制御する方法として、分子量が15万以下の部分が30%以下になるように全体の分子量を高める方法、または分子量15万以下の部分を抽出等の操作で除去する方法、あるいは重合触媒等により選択的に分子量15万以下が生成しない重合方法等が挙げられる。
本発明において、好ましい(A)の中の一つの(A−2)は、プロピレンを主体としたα−オレフィンとのランダム共重合樹脂であり、高圧法、スラリー法、気相法、塊状法、溶液法等で製造することができ、重合触媒としてZiegler-Natta触媒、シングルサイト、メタロセン触媒が好ましい。特に狭い組成分布、分子量分布が要求される場合には、メタロセン触媒を用いたランダム共重合法が好ましい。
ランダム共重合樹脂の具体的製造法は、欧州特許0969043A1または米国特許5198401に開示されており、液状プロピレンを攪拌機付き反応器に導入した後に、触媒をノズルから気相または液相に添加する。次いで、エチレンガスまたはα−オレフィンを反応器の気相または液相に導入し、反応温度、反応圧力をプロピレンが還流する条件に制御する。重合速度は触媒濃度、反応温度で制御し、共重合組成はエチレンまたはα−オレフィンの添加量により制御する。
また、本発明にて好適に用いられるオレフィン系樹脂のメルトインデックスは、0.1〜100g/10分(230℃、2.16kg荷重(0.212Pa))の範囲のものが好ましく用いられる。熱可塑性エラストマー組成物の耐熱性、機械的強度の観点から100g/10分以下であることが好ましく、また、流動性、成形加工性の観点から0.1g/10分以上が好ましい。
本発明における(A)として、(A−1)と(A−2)からなる組成物が好ましく、両者の合計100重量部中の各成分は、(A−1)が1〜99重量%が好ましく、更に好ましくは10〜80重量%、最も好ましくは20〜70重量%であり、(A−2)が1〜99重量%が好ましく、更に好ましくは90〜20重量%、最も好ましくは80〜30重量%である。上記範囲内では、連続成形性と機械的強度のバランスが向上する。
本発明において、(A−1)と(A−2)からなる(A)は、別個の(A−1)と(A−2)を押出機で溶融混合したものであっても良いし,また(A−1)と(A−2)を重合時に製造した重合型オレフィン系組成物であっても良い。このような重合型オレフィン系組成物は、オレフィン系ゴムの分散相とオレフィン系樹脂の連続相からなる重合法によって製造された熱可塑性エラストマーである。通常は多段重合法により製造される。
本発明において、多段重合法とは、重合が1回で終了するのではなく、2段階以上の多段重合を行うことにより、複数の種類のポリマーを連続して製造することができる重合法を意味し、機械的な手法を用いて異種類のポリマーからなる混合樹脂を得るところの通常のポリマーブレンド法とは異なる手法である。
多段重合法によって得られるオレフィン系架橋性ゴム組成物は、反応器中で(1)ハードセグメントと、(2)ソフトセグメントとが二段階以上で多段重合されてなる共重合体である。(1)ハードセグメントとしては、プロピレン単独重合体ブロックや、あるいはプロピレンとα−オレフィンとの共重合体ブロックが代表的であり、例えばプロピレン/エチレン、プロピレン/1−ブテン、プロピレン/エチレン/1−ブテン等の二元または三元共重合体ブロックが挙げられる。また(2)ソフトセグメントとしては、エチレン単独重合体ブロックおよびエチレンとα−オレフィンとの共重合体ブロックが代表的であり、例えばエチレン/プロピレン、エチレン/1−ブテン、エチレン/プロピレン/1−ブテン等の二元または三元共重合体ブロックが挙げられる。
本発明において、(A)成分にオレフィン系重合体以外のゴム状重合体及び/または熱可塑性樹脂を添加することができる。上記ゴム状重合体として、例えばポリブタジエン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(アクリロニトリル−ブタジエン)等のジエン系ゴム及び該ジエン系ゴムを水素添加した飽和重合体ゴム(水素添加共重合体ゴム)、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム等の架橋ゴムまたは非架橋ゴム、並びに上記ゴム成分を含有する熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
また、上記熱可塑性樹脂として、例えばポリスチレン系、ポリフェニレンエーテル系、ポリ塩化ビニル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリカーボネート系、ポリメタクリレート系等の単独もしくは二種以上を混合したものを使用することができる。
(B)成分
本発明において、(B)は低沸点液体を含有する、平均粒子径が1〜1000μm、好ましくは1〜100μm、最も好ましくは1〜50μmのマイクロカプセルであり、発泡開始温度が100℃〜200℃、好ましくは150℃〜200℃であり、最大発泡温度が150〜250℃、好ましくは200〜250℃であれば特に制限されない。このようなマイクロカプセルは外殻のベース材料が軟化して、内包された低沸点液体がガス化し、真球で内圧のない風船玉のごとく膨張する。
上記低沸点液体は、従来物理的発泡剤といわれるもので,例えばプロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン等の低分子量炭化水素及びメタン、エタンのハロゲン化物等である。
また前記マイクロカプセルは無機化合物及び/または有機重合体の中空体であり、そのベース材料はガラス、シリカ、シラス、カーボン、アルミナ、ジルコニア等の無機化合物またはフェノール系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、アクリロニトリル系樹脂等の有機重合体である。
本発明における(B)は有機重合体をベースにしたマイクロカプセルが好ましく、公知の乳化重合法または懸濁重合法により製造され、例えば特許第1209011号公報、特許第1209016号公報に開示されている。
(C)成分
本発明において、必要に応じて軟化剤、250℃で溶融しない粉末状化合物、ポリオルガノシロキサン、スチレン系熱可塑性エラストマー、樹脂系ワックスから選ばれる剤(C)を添加することができる。
上記軟化剤は、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系などの炭化水素からなるプロセスオイルが好ましい。とりわけ、パラフィン系炭化水素主体またはゴムとの相容性の観点からナフテン系炭化水素主体のプロセスオイルが好ましい。熱・光安定性の観点から、プロセスオイル中の芳香族系炭化水素の含有量については、ASTM D2140−97規定の炭素数比率で10%以下であることが好ましく、更に好ましくは5%以下、最も好ましくは1%以下である。
これらの軟化剤は、(A)100重量部に対して、5〜500重量部、好ましくは10〜150重量部用いる。上記範囲内では分散性、柔軟性と耐ブリード性のバランスが優れる。
本発明において、耐磨耗性が要求される場合には、必要に応じて、(D)ポリオルガノシロキサンを添加することができ、JIS−K2410規定の25℃における動粘度が5000センチストークス(5×10−3/sec)以上であるポリオルガノシロキサンが好ましい。
上記ポリオルガノシロキサンは、粘調な水飴状からガム状の様態であり、アルキル、ビニル及び/またはアリール基置換シロキサン単位を含むポリマーであれば特に制約されない。その中でもポリジメチルシロキサンが最も好ましい。
本発明に用いられるポリオルガノシロキサンの動粘度(25℃)は、5000CS(5×10−3/sec)以上であり、更に好ましくは、1万CS(1×10−2/sec)以上1000万(10m/sec)未満、最も好ましくは5万CS(0.05m/sec)以上200万(2m/sec)未満である。
本発明において、(D)の添加量は、(A)100重量部に対して、0.001〜20重量部であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜10重量部、最も好ましくは0.5〜5重量部である。
また、本発明において、その特徴を損ねない程度にその他の無機フィラー、可塑剤、有機・無機顔料、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、シリコンオイル、発泡剤、帯電防止剤、抗菌剤を含有することが可能である。
本発明の発泡性重合体組成物の製造には、通常の樹脂組成物、エラストマー組成物の製造に用いられるバンバリーミキサー、ニーダー、単軸押出機、2軸押出機等の一般的な方法を採用することが可能である。とりわけ効率的に動的架橋を達成するためには2軸押出機が好ましく用いられる。2軸押出機は、(A)と(B)とを均一かつ微細に分散させ、さらに他の成分を添加させて、本発明の組成物を連続的に製造するのに、より適している。
また本発明において用いられる製造装置の一つの二軸押出機は、二軸同方向回転押出機でも、二軸異方向回転押出機でもよい。また、スクリュ−の噛み合わせについては、非噛み合わせ型、部分噛み合わせ型、完全噛み合わせ型があり、いずれの型でもよい。低いせん断力をかけて低温で均一な樹脂を得る場合には、異方向回転・部分噛み合わせ型スクリュ−が好ましい。やや大きい混練を要する場合には、同方向回転・完全噛み合わせ型スクリュ−が好ましい。さらに大きい混練を要する場合には、同方向回転・完全噛み合わせ型スクリュ−が好ましい。
以下、本発明を実施例、比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、これら実施例および比較例において、各種物性の評価に用いた試験法は以下の通りである。
1.発泡開始温度、最大発泡温度
セイコー電子工業(株)製 TMA100、SSC5000を用い、昇温速度5℃/分で昇温した時の膨張率から求めた。
2.引張破断強度[MPa]
JIS K6251に準じ、23℃にて評価した。
3.連続生産性(品質の安定性)
二軸押出機を用い、組成物を10時間連続溶融押出しを行い、1時間毎に得られた組成物から射出成形体を作製する。次いで、その引張破断強度を測定し、その強度変化から連続生産性(品質の安定性)を評価する。10時間の最大と最小の引張破断強度の差を連続生産性の指標とした。その値が小さいほど連続生産性が良好であることを示す。

実施例、比較例で用いる各成分は以下のものを用いる。
(イ)オレフィン系ゴム状重合体(A−1)
1)エチレン・α−オレフィン共重合体
a)エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン(ENB)共重合体(TPE−1)
特開平3ー163088号公報に記載のメタロセン触媒を用いた方法により製造する。共重合体のエチレン/プロピレン/ENBの組成比は、72/24/4(重量比)であり、ムーニー粘度は100である。(TPE−1と称する)
b)エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン(ENB)共重合体(TPE−2)通常のチーグラー触媒を用いた方法により製造する。共重合体のエチレン/プロピレン/ENBの組成比は、72/24/4(重量比)であり、ムーニー粘度は105である。(TPE−2と称する)
c)エチレンとオクテン−1との共重合体(TPE−3)
特開平3−163088号公報に記載のメタロセン触媒を用いた方法により製造した。共重合体のエチレン/オクテン−1の組成比は、72/28(重量比)であり、ムーニー粘度は100である。(TPEー3と称する)
2)水素添加共役ジエン系ゴム
a)水素添加ブタジエン重合体
WO01/48079号公報に記載の方法に基づき、ブタジエン重合体を水素添加することにより製造する。ムーニー粘度は100である。(HーBRと称する)
b)水素添加スチレン・ブタジエン共重合体
WO01/48079号公報に記載の方法に基づき、スチレン・ブタジエン共重合体を水素添加することにより製造する。前駆体の共重合体のスチレン/ブタジエンの組成比は、70/30(重量比)であり、ムーニー粘度は100である。(H−SBRと称する)
(ロ)オレフィン系樹脂(A−2)
(1)ポリプロピレン
異なったMFRのアイソタクチックホモポリプロピレン(PPと称する)
(ハ)マイクロカプセル
低沸点液体、ベース材料として、それぞれヘプタン、ポリアクリロニトリルを用い、特許第1209011号公報、特許第1209016号公報に記載の方法で平均粒子径が20μmのマイクロカプセルを製造する。(MCと称する)
[実施例1〜7および比較例1〜5]
押出機として、2軸押出機(40mmφ、L/D=47)を用いる。スクリューとして2条スクリューを用いる。
表1に記載の組成の混合物を2軸押出機に導入し、160℃で10時間、溶融押出を行なう。
このようにして得られた組成物を200℃で射出成形機にて射出成形体を作製し、各種評価を行う。
その結果を表1に示した。
表1によると、本願の要件を満足する場合には、極めて優れた連続性成形性と機械的強度を有することが分かる。
Figure 2007231181
本発明の発泡性オレフィン系重合体組成物は、自動車用部品、自動車用内装材、エアバッグカバー、機械部品、電気部品、ケーブル、ホース、ベルト、玩具、雑貨、日用品、建材、シート、フィルム等を始めとする用途に幅広く使用可能であり、産業界に果たす役割は大きい。

Claims (7)

  1. ASTM D−1238に規定されるメルトフローレート(MFRと称する:条件:230℃/2.16kg)が50〜1000g/10分であるオレフィン系重合体(A)と、低沸点液体を含有する、平均粒子径が1〜1000μmのマイクロカプセル(B)とからなる発泡性重合体組成物において、(B)の発泡開始温度が100℃〜200℃であり、最大発泡温度が150〜250℃であることを特徴とする発泡性オレフィン系重合体組成物。
  2. (A)がオレフィン系ゴム状重合体(A−1)とオレフィン系樹脂(A−2)とからなるオレフィン系重合体であることを特徴とする請求項1に記載の発泡性オレフィン系重合体組成物。
  3. (A−1)がエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンを含有する、メタロセン触媒を用いて製造されたエチレン・αーオレフィン共重合体(A−1−1)、または主鎖および側鎖に二重結合を有する単独重合体及び/または共重合体からなる不飽和ゴムの全オレフィン性二重結合の50%以上が水素添加された水素添加ゴム(A−1−2)から選ばれる一種以上のゴム状重合体である請求項1または2に記載の発泡性オレフィン系重合体組成物。
  4. (A−2)がプロピレン系樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の発泡性オレフィン系重合体組成物。
  5. 更に軟化剤、250℃で溶融しない粉末状化合物、ポリオルガノシロキサン、スチレン系熱可塑性エラストマー、樹脂系ワックスから選ばれる剤(C)を含有した請求項1〜4のいずれかに記載の発泡性オレフィン系重合体組成物。
  6. 請求項1〜6のいずれかに記載の発泡性オレフィン系重合体組成物を使用して射出成形法、押出成形法、又はブロー成形法によって製造された発泡体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の発泡性オレフィン系重合体組成物を使用して製造された表皮材料。
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