JP5031174B2 - ゴム系重合体組成物 - Google Patents
ゴム系重合体組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5031174B2 JP5031174B2 JP2003276119A JP2003276119A JP5031174B2 JP 5031174 B2 JP5031174 B2 JP 5031174B2 JP 2003276119 A JP2003276119 A JP 2003276119A JP 2003276119 A JP2003276119 A JP 2003276119A JP 5031174 B2 JP5031174 B2 JP 5031174B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rubber
- copolymer
- polymer composition
- weight
- hydrogenated
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
このようなゴム系組成物として、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)により製造されたオレフィン系エラストマー(特許文献1、特許文献2 参照)を用いる動的架橋技術が知られているが、耐傷つき性に劣り、必ずしも市場では満足されていない。
本発明の組成物は、(A−1)および(A−2)の特定の架橋性ゴム系重合体二種と(B)熱可塑性樹脂とを架橋してなるゴム組成物である。
(1) (A)芳香族ビニル単量体含有量が50重量%以上、90重量%以下である、共役ジエン系単量体単位と芳香族ビニル単量体単位とを含む共重合体を水素添加してなり、かつ示差走査熱量測定法(DSC法)での結晶化ピーク熱量が2J/g以下である水素添加共重合体(A−1)と、エチレン単位と炭素数3〜20のα−オレフィン単位を含む共重合体(a1)、または少なくとも一種の共役ジエン系単量体の単独重合体ゴムの水素添加ゴム、または芳香族ビニル単量体が5重量%未満である共役ジエン系単量体単位と芳香族ビニル単量体単位を含む共重合体ゴムの水素添加ゴム(a2)から選ばれる一種以上の架橋性ゴム状重合体(A−2)と、(B)熱可塑性樹脂とからなるゴム系重合体組成物であって、(A−1)と(A−2)が同時に架橋されたゴム系重合体組成物。
(2) (a1)がメタロセン触媒を用いて製造された共重合体であることを特徴とする上記(1)に記載のゴム系重合体組成物。
(3) 水素添加共重合体(A−1)の全オレフィン性二重結合の50%以上が水素添加されているか、あるいは側鎖の残存二重結合が5%以下であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のゴム系重合体組成物。
(4) (A−1)が、芳香族ビニル単量体部分がランダム状に結合したものであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のゴム系重合体組成物。
(5) (B)が、プロピレン系樹脂である(1)〜(4)のいずれかに記載のゴム系重合体組成物。
(6) (B)が、JIS K6758規定の曲げ弾性率が10〜1000MPaであり、かつプロピレンを主体とした炭素数2及び/または4〜20のα−オレフィンとのランダム共重合プロピレン系樹脂を含有することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のゴム系重合体組成物。
(7) (B)がメタロセン触媒を用いて製造されたプロピレン系樹脂であることを特徴とする上記(5)または(6)に記載のゴム系重合体組成物。
(8)更に軟化剤(D)を添加した上記(1)〜(7)のいずれかに記載のゴム系重合体組成物。
(A−1)成分
本発明において、(A−1)の水素添加共重合体は、芳香族ビニル単量体が5重量%以上、90重量%以下である、共役ジエン系単量体と芳香族ビニル単量体からなる共重合体を水素添加してなる水素添加共重合体である。
上記水素添加共重合体において、必要に応じて、例えば、オレフィン系、メタクリル酸エステル系、アクリル酸エステル系、不飽和ニトリル系、塩化ビニル系単量体等の共役ジエン系単量体と共重合可能な単量体を共重合することができる。
また、水素添加共重合体の25℃における5重量%スチレン溶液粘度(5%SV)は、20〜300センチポイズ(cps)の範囲にあることが好ましい。特に好ましい範囲は25〜150cpsである。
そして、水素添加共重合体は非結晶性を有することが好ましく、その指標として、示差走査熱量測定法(DSC法)での結晶化ピーク熱量が2J/g以下である。
本発明において(A−1)中に占めるポリスチレン換算分子量が15万以下の水素添加共重合体の割合を制御する方法として、分子量が15万以下の部分が30%以下になるように全体の分子量を高める方法、または分子量15万以下の部分を抽出等の操作で除去する方法、あるいは重合触媒等により選択的に分子量15万以下が生成しない重合方法等が挙げられる。
本発明において、(A−2)の架橋性ゴム状重合体は、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンからなる共重合体(a1)、または少なくとも一種の共役ジエン系単量体の単独重合体の水素添加ゴム、または芳香族ビニル単量体が5重量%未満である、共役ジエン系単量体と芳香族ビニル単量体からなる共重合体ゴムの水素添加ゴム(a2)から選ばれる一種以上の架橋性ゴム状重合体である。
本発明において(a1)のエチレン・α−オレフィン共重合体は、公知のメタロセン系触媒を用いて製造することが好ましい。
一般にはメタロセン系触媒は、チタン、ジルコニウム等のIV族金属のシクロペンタジエニル誘導体と助触媒からなり、重合触媒として高活性であるだけでなく、チーグラー系触媒と比較して、得られる重合体の分子量分布が狭く、共重合体中のコモノマーである炭素数3〜20のα−オレフィンの分布が均一である。
(a1)の密度は、0.8〜0.9g/cm3の範囲にあることが好ましい。この範囲の密度を有するオレフィン系エラストマーを用いることにより、柔軟性に優れ、硬度の低いエラストマー組成物を得ることができる。
また、(a1)は、室温以上にDSCの融点ピークを有することが望ましい。融点ピークを有するとき、融点以下の温度範囲では形態が安定しており、取扱い性に優れ、ベタツキも少ない。
また、本発明にて用いられる(a1)のメルトインデックスは、0.01〜100g/10分(190℃、2.16kg荷重(0.212Pa))の範囲のものが好ましく用いられ、更に好ましくは0.2〜10g/10分である。上記範囲内では流動性と機械的強度のバランス特性に優れる。
(a2)中の全オレフィン性二重結合は、50%以上、好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上が水素添加され、そして主鎖の残存二重結合が5%以下、側鎖の残存二重結合が5%以下であることが好ましい。
(a1)における上述の共重合組成比と結晶性に関する要件以外は、(a2)に求められる要件は(a1)と同一である。
本発明において(B)熱可塑性樹脂は、(A)と分散し得るものであればとくに制限はない。たとえば、ポリスチレン系、ポリフェニレンエーテル系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリカーボネート系、ポリメタクリレート系等の単独もしくは二種以上を混合したものを使用することができる。特に熱可塑性樹脂としてオレフィン系樹脂(B−1)が最も好ましく、(B−1)以外の熱可塑性樹脂(B−2)も好適に用いられる。
本発明で最も好適に使用されるプロピレン系樹脂を具体的に示すと、ホモのアイソタクチックポリプロピレン、プロピレンとエチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1等の他のα−オレフィンとのアイソタクチック共重合樹脂(ブロック、ランダムを含む)等が挙げられる。
(B−1b)はα−オレフィンが主成分であり、ポリマー主鎖中にエチレン単位を含まないことが好ましい。但し、プロピレン系ブロック共重合樹脂のようにエチレン−αオレフィン共重合体が分散相として存在する場合は、分解型オレフィン系樹脂の特性を示す。
(B)は複数個の(B−1a)、(B−1b)成分の組み合わせでも良い。
(B−1a)の中で最も好ましいプロピレンを主体としたα−オレフィンとのランダム共重合樹脂は、高圧法、スラリー法、気相法、塊状法、溶液法等で製造することができ、重合触媒としてZiegler-Natta触媒、メタロセン触媒が好ましい。特に狭い組成分布、分子量分布が要求される場合には、メタロセン触媒を用いたランダム共重合法が好ましい。
本発明において、(B)成分の中でも好ましい成分としての前記(B−2)は、例えば、ポリフェニレンエーテル系、ポリ塩化ビニル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリカーボネート系、ポリメタクリレート系、ポリウレタン系、スチレン系共重合体等の単独もしくは二種以上を混合した熱可塑性樹脂である。
本発明において(B−2)成分の一つのポリフェニレンエーテルは、主鎖に芳香環を有し、それらがエーテル結合で結合された単独重合体及び/又は共重合体であり、具体的には、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体等が好ましく、中でもポリ(2,6−ジメチル−1、4−フェニレンエーテル)が好ましい。
本発明の組成物は、(C)架橋剤で架橋されることが好まい。(C)は、(C−1)架橋開始剤を必須成分とし、必要に応じて(C−2)多官能単量体、(C−3)単官能単量体を含有する。上記(C)は、(A)と(B)100重量部に対し0.001〜10重量部、好ましくは0.005〜3重量部の量で用いられる。0.001重量部未満では架橋が不十分であり、10重量部を越えると組成物の外観、機械的強度が低下する傾向にある。
これらの化合物の中では、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2、5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3が好ましい。
本発明において、(C)架橋剤の一つの(C−2)多官能単量体は、官能基としてラジカル重合性の官能基が好ましく、とりわけビニル基がこのましい。官能基の数は2以上であるが、(C−3)との組み合わせで特に3個以上の官能基を有する場合には有効である。
上記(C−2)は、(C)成分中で好ましくは1〜80重量%、更に好ましくは10〜50重量%の量が用いられ、上記範囲内では機械的強度が向上する。
上記(C−3)は、(C)成分中で好ましくは1〜80重量%、更に好ましくは10〜50重量%の量が用いられ、上記範囲内では機械的強度が向上する。
上記(D)は、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系などの炭化水素からなるプロセスオイルが好ましい。とりわけ、パラフィン系炭化水素主体またはゴムとの相容性の観点からナフテン系炭化水素主体のプロセスオイルが好ましい。熱・光安定性の観点から、プロセスオイル中の芳香族系炭化水素の含有量については、ASTM D2140−97規定の炭素数比率で10%以下であることが好ましく、更に好ましくは5%以下、最も好ましくは1%以下である。
本発明において、耐磨耗性が要求される場合は、必要に応じて、JIS−K2410規定の25℃における動粘度が5000センチストークス(5×10−3m2/sec)以上であるポリオルガノシロキサンを添加することができる。
上記ポリオルガノシロキサンは、粘調な水飴状からガム状の様態であり、アルキル、ビニル及び/またはアリール基置換シロキサン単位を含むポリマーであれば特に制約されない。その中でもポリジメチルシロキサンが最も好ましい。
本発明において、ポリオルガノシロキサンの添加量は、(A)と(B)との合計100重量部に対して、0.01〜20重量部であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜10重量部、最も好ましくは0.5〜5重量部である。
示差走査熱量測定法(DSC法)により測定した。具体的には、島津製作所(株)製、熱分析装置DSC50を用いて、5mg試料を窒素気流下、室温から30℃/分で昇温し、230℃に到達した後に、直ちに5℃/分で50℃まで降温し、この段階で検出された結晶化ピークから、本願では結晶化温度及び結晶化熱量を求めた。
ここで、結晶化温度はピークトップ温度(℃)であり、結晶化ピーク熱量(J/g)は、ベースラインに対して変化した熱量変化を示す曲線に囲まれたピーク面積から算出した。上記曲線はブロードな曲線または鋭利な曲線のいずれをも含む。また、ピークトップ温度とは、ベースラインと平行に直線を引き、熱量変化を示す曲線との接線との交点を言う。
上記結晶性向上剤は、リン酸エステル塩系、ソルビトール系、カルボン酸塩系で分類される結晶核剤、または無機フィラーが代表的である。
上記結晶核剤の具体例として、リン酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール等を挙げることができる。
また、本発明の組成物には、その特徴を損ねない程度にその他の無機フィラー、可塑剤、有機・無機顔料、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、シリコンオイル、アンチブロッキング剤、発泡剤、帯電防止剤、抗菌剤を含有することが可能である。
本発明の組成物の最も好ましい製造法は、(A)と(B)とを溶融混合後、(C)により架橋する方法である。
X=(W2/W0)×100 (%)
Y=W2/W1
M=(π2/2)(L/D)D3(N/Q)
10×106≦M≦1000×106
n但し、L:原料添加部を基点としてダイ方向の押出機長(mm)、D:押出機バレル内径(mm)、Q:吐出量(kg/h)、N:スクリュー回転数(rpm)
本発明のX、Yを達成するもう一つの具体的な製造方法として、例えば以下の関係式の溶融温度を満足することが好ましい。即ち、溶融温度T2(℃)で、まず溶融混練し、次いで溶融温度T3(℃)で溶融混練し、とりわけ原料添加口を基点としてダイ方向に長さLを有する溶融押出機において、原料添加口から0.1L〜0.5Lの長さの押出機ゾーンを溶融温度T2(℃)で、まず溶融混練し、次いでその後の押出機ゾーンを溶融温度T3(℃)で溶融混練する。
T1:(C)の1分間半減期温度(℃)
T1−100<T2<T1+40
T2+1<T3<T2+200
本発明のX、Yを達成するには(D)の添加方法が重要であり、具体的な製造方法として、先端部からの距離を異にする一箇所のメインフィ−ド部と複数箇所のサイドフィード可能な供給用部を有する押出機を用い、(A)、(B)、(C)、(D)を溶融混練して動的架橋する際に、(D)を複数箇所のフィード供給用部に分割してフィードすることが好ましい。
こうして得られたオレフィン系ゴム組成物は任意の成形方法で各種成型品の製造が可能である。射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、カレンダー成形、発泡成形等が好ましく用いられる。
1.(A)の水素添加率(%)
NMR法で通常の方法で測定する。
示差走査熱量測定法(DSC法)により測定した。具体的には、日本国(株)マックサイエンス(MAK SCIENCE)製、熱分析装置システムWS002を用いて、10mg試料を窒素気流下、室温から10℃/分で昇温し、100℃に到達した後に、直ちに10℃/分で−100℃まで降温し、この段階で検出された結晶化ピークから、本願では結晶化温度及び結晶化ピーク熱量を求めた。
ここで、結晶化温度はピークトップ温度(℃)であり、結晶化ピーク熱量(J/g)は、ベースラインに対して変化した熱量変化を示す曲線に囲まれたピーク面積から算出した。上記曲線はブロードな曲線または鋭利な曲線のいずれをも含む。また、ピークトップ温度とは、ベースラインと平行に直線を引き、熱量変化を示す曲線との接線との交点を言う。
JIS K6251に準じ、23℃にて評価した。
4.耐傷つき性
先端が長さ10mm、幅1mmの長方形で、重さが600gのくさびを高さ5cmからシートに落下させてできた、シートの傷を目視で以下の基準で評価を行なう。
◎ 極めて良好
○ 良好
△ 良好であるが、傷が目立つ
× 傷つきが著しい
また同時にシートの傷をレーザー光で走査して傷深さを測定する。
前もって2mm厚さの組成物シートの重量W0を測定した後に、組成物シートを80℃の流動パラフィン中で20時間静置した後に、組成物シートの重量(W1)を測定し、以下のように重量変化率を算出する。ここで、数値が小さいほど耐油性が優れていることを示す。
重量変化率=(W1−W0 )/W0×100 (%)
6.架橋度(X)、架橋密度(Y)
(A)のX、Yは、それぞれ架橋度、架橋密度の指標であり、前述のように定義される。
(イ)水素添加共重合体(A−1)、水素添加ゴム(a−2)
内容積10リッターの攪拌機付、ジャケット付きオートクレーブを反応器として用いて、ブタジエン/n−ヘキサン溶液(ブタジエン濃度20重量%)を20リッター/hrの速度で、n−ブチルリチウム/n−ヘキサン溶液(濃度5重量%)を70ミリッター/hrで導入し、重合温度110℃でブタジエンの連続重合を実施した。得られた活性重合体をメタノールで失活させ、別の内容積10リッターの攪拌機付、ジャッケット付きの反応器に重合体溶液8リッターを移し、温度60℃にて水素添加触媒としてジ−p−トリルビス(1−シクロペンタジエニル)チタニウム/シクロヘキサン溶液(濃度1ミリリッター/リッター)250ミリリッターと、n−ブチルリチウム溶液(濃度5ミリリッター/リッター)50ミリリッターとを、0℃、2kg/cm2の水素圧下で混合したものを添加し、水素分圧3kg/cm2にて30分間反応させた。得られた水素添加重合体溶液は、酸化防止剤として2、6−ジターシャルブチルヒドロキシトルエンを重合体当たり、0.5部添加して、溶剤を除去した。
ここで、HSBC−6〜HSBC−9は、ブタジエン重合部分の1、2−ビニル量が高いものであり、結晶性のないものとなっている。
1)エチレン・α−オレフィン共重合体(a−1)
a)エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン(ENB)共重合体(EOR−1)
特開平3−163088号公報に記載のメタロセン触媒を用いた方法により製造する。共重合体のエチレン/プロピレン/ENBの組成比は、72/24/4(重量比)であり、ムーニー粘度は100である。(EOR−1と称する)
通常のチーグラー触媒を用いた方法により製造する。共重合体のエチレン/プロピレン/ENBの組成比は、72/24/4(重量比)であり、ムーニー粘度は105である。(EOR−2と称する)
特開平3−163088号公報に記載のメタロセン触媒を用いた方法により製造した。共重合体のエチレン/オクテン−1の組成比は、72/28(重量比)であり、ムーニー粘度は100である。(EOR−3と称する)
(1)ホモポリプロピレン
サンアロマー(株)製、アイソタクチックホモポリプロピレン(PPと称する)
1)架橋開始剤(C−1)
日本油脂社製、2、5−ジメチル−2、5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン( 商品名パーヘキサ25B)(POXと称する)
2)多官能単量体(C−2)
日本化成(株)製、トリアリルイソシアヌレート(TAICと称する)
(ホ)パラフィン系オイル(D)
出光興産(株)製、ダイアナプロセスオイル PW−90(MOと称する)
(A−1)成分として、上記表1のHSBC−1〜−9、(A−2)成分として、前記EOR−1〜EOR−3、または上記表1のHBRまたはHSBRを用い、(A−1)及び/または(A−2)/(B)PP/(C−1)POX/(C−2)TAIC/(D)MO(=合計50/50/0.2/0.4/30 重量比)からなる組成物を、バレル中央部に注入口を有した2軸押出機(40mmφ、L/D=47)を用いて以下の条件で製造する。スクリューとしては注入口の前後に混練部を有した2条スクリューを用いた。
このようにして得られた組成物からTダイ押出機を用いて、200℃で2mm厚のシートを作製し、各種評価を行なう。
その結果を表2、3に示す。
1)溶融押出温度 220℃一定
2)吐出量Q=12kg/h
3)押出機 バレル内径D=25mm
4)押出機長さをL(mm)とした時のL/D=47
5)スクリュー回転数N=280rpm
表3には、表2に記載の実施例1、比較例4、5、7のデータに、ゴム構造の指標である架橋度と架橋密度を併記した。実施例1は二種の(A−1)、(A−2)を等量用い、同時に架橋反応を行なって、得られた組成物であり、比較例4、5はそれぞれ(A−1)単独、(A−2)単独を架橋反応して、得られた組成物であり、比較例7は比較例4、5の組成物を等量溶融ブレンドして、得られた組成物である。その結果を図1、2に示した。比較例4の(A−2)はラボプラストミルでの溶融試験において、架橋ピークはなく、得られた組成物の架橋度、架橋密度はきわめて低い。一方、上記ニ種を用い、同時に架橋反応を行う場合は、加成性を越える、高い架橋度、架橋密度が発現する。この高い架橋度、架橋密度により、優れた引張強度、耐傷性、耐油性が発現する。また、ここで上記ニ種を同時に架橋反応を行うことが重要であり、単独に架橋反応を行った組成物のブレンド(比較例7)では、優れた上記特性が発現しない。
比較例5:架橋性ゴム状重合体として(A−2)のみ使用。
実施例1:架橋性ゴム状重合体として(A−1)/(A−2)=50/50使用。
比較例7:実施例1(A−1)/(A−2)=50/50と同一組成になるように製造した架橋性ゴム状重合体を使用。
Claims (8)
- (A)芳香族ビニル単量体含有量が50重量%以上、90重量%以下である、共役ジエン系単量体単位と芳香族ビニル単量体単位とを含む共重合体を水素添加してなり、かつ示差走査熱量測定法(DSC法)での結晶化ピーク熱量が2J/g以下である水素添加共重合体(A−1)と、エチレン単位と炭素数3〜20のα−オレフィン単位を含む共重合体(a1)、または少なくとも一種の共役ジエン系単量体の単独重合体ゴムの水素添加ゴム、または芳香族ビニル単量体が5重量%未満である共役ジエン系単量体単位と芳香族ビニル単量体単位を含む共重合体ゴムの水素添加ゴム(a2)から選ばれる一種以上の架橋性ゴム状重合体(A−2)と、(B)熱可塑性樹脂とからなるゴム系重合体組成物であって、(A−1)と(A−2)が同時に架橋されたゴム系重合体組成物。
- (a1)がメタロセン触媒を用いて製造された共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のゴム系重合体組成物。
- 水素添加共重合体(A−1)の全オレフィン性二重結合の50%以上が水素添加されているか、あるいは側鎖の残存二重結合が5%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のゴム系重合体組成物。
- (A−1)が、芳香族ビニル単量体部分がランダム状に結合したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゴム系重合体組成物。
- (B)が、プロピレン系樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載のゴム系重合体組成物。
- (B)が、JIS K6758規定の曲げ弾性率が10〜1000MPaであり、かつプロピレンを主体とした炭素数2及び/または4〜20のα−オレフィンとのランダム共重合プロピレン系樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のゴム系重合体組成物。
- (B)がメタロセン触媒を用いて製造されたプロピレン系樹脂であることを特徴とする請求項5または6に記載のゴム系重合体組成物。
- 更に軟化剤(D)を添加した請求項1〜7のいずれかに記載のゴム系重合体組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003276119A JP5031174B2 (ja) | 2003-07-17 | 2003-07-17 | ゴム系重合体組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003276119A JP5031174B2 (ja) | 2003-07-17 | 2003-07-17 | ゴム系重合体組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005036140A JP2005036140A (ja) | 2005-02-10 |
JP5031174B2 true JP5031174B2 (ja) | 2012-09-19 |
Family
ID=34212543
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003276119A Expired - Lifetime JP5031174B2 (ja) | 2003-07-17 | 2003-07-17 | ゴム系重合体組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5031174B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007031544A (ja) * | 2005-07-26 | 2007-02-08 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 架橋熱可塑性重合体組成物 |
JP2007254514A (ja) * | 2006-03-22 | 2007-10-04 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 軟質重合体組成物 |
US7863378B2 (en) | 2006-08-31 | 2011-01-04 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | Thermoplastic elastomer composition and modifier composition using the same |
JP6746201B2 (ja) * | 2016-04-28 | 2020-08-26 | 株式会社イノアックコーポレーション | 樹脂組成物と成形体 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002167472A (ja) * | 2000-11-30 | 2002-06-11 | Asahi Kasei Corp | 水素添加ゴム組成物 |
JP4248185B2 (ja) * | 2002-03-25 | 2009-04-02 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 動架橋水添共重合体 |
JP4318436B2 (ja) * | 2002-08-05 | 2009-08-26 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 芳香族ビニル系水素添加ゴム組成物 |
-
2003
- 2003-07-17 JP JP2003276119A patent/JP5031174B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005036140A (ja) | 2005-02-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3571028B2 (ja) | 熱可塑性架橋ゴム組成物 | |
US6800693B2 (en) | Olefin polymer composition | |
JP4318436B2 (ja) | 芳香族ビニル系水素添加ゴム組成物 | |
JP2008291100A (ja) | 架橋型熱可塑性エラストマー組成物 | |
JP2006328307A (ja) | 射出成形体 | |
JP5546096B2 (ja) | 熱可塑性重合体ゴム組成物 | |
JP5031174B2 (ja) | ゴム系重合体組成物 | |
JP2006206673A (ja) | 射出成形体 | |
JP2007254514A (ja) | 軟質重合体組成物 | |
JP2007191544A (ja) | 発泡性重合体組成物 | |
JP2008120966A (ja) | シール材 | |
JP2006299147A (ja) | 架橋剤 | |
JP2006328306A (ja) | オレフィン系重合体組成物 | |
US7247678B2 (en) | Rubbery polymer composition | |
JP4213995B2 (ja) | 良外観熱可塑性重合体組成物 | |
JP2004067944A (ja) | 極性熱可塑性エラストマー組成物 | |
JP2006056962A (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物 | |
JP2008019345A (ja) | 熱可塑性ゴム系重合体組成物 | |
JP2004149709A (ja) | 良外観熱可塑性エラストマー組成物の製法 | |
JP2006143783A (ja) | 熱可塑性架橋ゴム組成物 | |
JP2004285199A (ja) | 熱可塑性架橋重合体組成物 | |
JP4948696B2 (ja) | 熱可塑性ゴム組成物 | |
JP2006089563A (ja) | 熱可塑性架橋ゴム組成物粉体 | |
JP2008001808A (ja) | 低硬度熱可塑性ゴム重合体組成物 | |
JP2004018818A (ja) | 耐熱性熱可塑性ゴム組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060329 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080626 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090331 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090601 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20090601 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090831 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091127 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20091209 |
|
A912 | Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20100430 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120627 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5031174 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150706 Year of fee payment: 3 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |