JP5088330B2 - 熱可塑性エラストマー組成物、並びにこれを用いた発泡体及びその製造方法 - Google Patents
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(2):重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)の値が、3以下である。
(i)ブロック:1,2−ビニル結合含量が25%未満のブタジエン重合体ブロック。
(ii)ブロック:1,2−ビニル結合含量が25%以上の共役ジエン重合体ブロック及びビニル芳香族−共役ジエンランダム共重合体ブロックの少なくとも一方。
まず、本発明の熱可塑性エラストマー組成物の一の実施形態について説明する。本実施形態の熱可塑性エラストマー組成物は、エチレン系共重合体及び第一の鉱物油系軟化材を含む油展エチレン系共重合体(A)と、結晶性ポリエチレン系樹脂(B)と、水添ブロック共重合体(C)とを含有し、油展エチレン系共重合体(A)からなるマトリックス中において、結晶性ポリエチレン系樹脂(B)及び水添ブロック共重合体(C)が3次元網目構造を形成している熱可塑性エラストマー組成物である。
(2):重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)の値が、3以下である。
(ii)ブロック:1,2−ビニル結合含量が25モル%以上の共役ジエン重合体ブロック及びビニル芳香族−共役ジエンランダム共重合体ブロックの少なくとも一方。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物に含有される油展エチレン系共重合体(A)は、上述した(1)及び(2)の条件(以下、「条件(1)」及び「条件(2)」ということがある)を満たすエチレン系共重合体、及び、このエチレン系共重合体100質量部に対して、50〜150質量部の第一の鉱物油系軟化材を含むものである。
油展エチレン系共重合体(A)に含まれるエチレン系共重合体は、上記条件(1)及び条件(2)を満たすものである。このようなエチレン系共重合体を含むことによって、得られる油展エチレン系共重合体(A)は、変形回復性に乏しい分子鎖末端の個数が少なく、且つ溶融粘度が高い超高分子量成分の含有量が少ないという利点がある。
油展エチレン系共重合体(A)に含まれる第一の鉱物油系軟化材は、成形加工性や柔軟性を付与するとともに、成形品の製品外観を向上させるために用いられるものである。本発明に用いられる第一の鉱物油系軟化材としては、例えば、アロマティック系、ナフテン系、パラフィン系等の軟化材を挙げることができる。これらの中でも、エチレン系共重合体との相容性が高いため軟化材保持性が優れ、耐候性も優れる、パラフィン系又はナフテン系の鉱物油系軟化材が好ましい。
上記「結晶性ポリエチレン系樹脂(B)」は、エチレンを主たる単量体としてなり、エチレン単位の含有割合は90〜100モル%である。また、この結晶性ポリエチレン系樹脂(B)を沸騰n−ヘキサンに溶解させた場合に、不溶分が10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることが更に好ましい。なお、この不溶分は、通常、95質量%以下である。不溶分が10質量%未満であると、熱可塑性エラストマー組成物の加工性及び発泡体の機械的強度等が低下することがある。なお、結晶性ポリエチレン系樹脂(B)の、差動走査熱量計による融解ピークは100℃以上であることが好ましい。
上記「水添ブロック共重合体(C)」は、両末端が1,2−ビニル結合含量が25%未満のブタジエン重合体ブロック((i)ブロック)であり、中間ブロックが1,2−ビニル結合含量が25%以上の共役ジエン重合体ブロック及びビニル芳香族−共役ジエンランダム共重合体ブロックの少なくとも一方((ii)ブロック)であるブロック共重合体を水素添加してなるものである。即ち、(i)ブロック及びブロック(ii)の各ブロックは水素添加前のブロックである。なお、本発明ではブタジエンの3,4−結合を1,2−ビニル結合と同一と見なし、1,2−ビニル結合含量には3,4−結合含量を含めるものとする。
また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、結晶性α−オレフィン系重合体(D)を更に含有するものであってもよい。このように構成することによって、熱可塑性エラストマー組成物の表面をより平滑にすることができる。この結晶性α−オレフィン共重合体としては、炭素数3以上のα−オレフィンを主成分とするものが好ましく、例えば、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ4−メチル−ペンテン−1、ポリヘキセン−1、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体等を挙げることができる。これらは2種以上を混合して用いることができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、第二の鉱物油系軟化材(E)を更に含有するものであることが好ましい。この第二の鉱物油系軟化材(E)を含有させることによって、熱可塑性エラストマー組成物に優れた成形加工性や柔軟性を付与することができるとともに、熱可塑性エラストマー組成物を用いて得られる発泡体の外観を向上させることができる。
この熱可塑性エラストマー組成物には、用途に応じて機械的強度、柔軟性及び成形性を阻害しない程度の量の添加剤(F)を更に含有していてもよい。このような添加剤(F)としては、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、耐候剤、紫外線吸収剤、滑剤、ブロッキング防止剤、シール性改良剤、結晶核剤、難燃化剤、防菌剤、防かび剤、粘着付与剤、軟化剤、可塑剤、酸化チタン、カーボンブラック、乾式シリカ、湿式シリカ、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、ガラスビーズ、アスベスト、マイカ、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウイスカー、タルク、硫酸バリウム、ガラスフレーク、フッ素樹脂等の充填剤或いはイソブチレン−イソプレン共重合体等のゴム質重合体、熱可塑性樹脂等を挙げることができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、造核剤を更に含有させることができる。含有させることのできる造核剤としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、シリカ、チタニア、酸化亜鉛、ゼオライト、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、カーボンブラック、カーボンナノチューブ等の無機化合物の粉末を挙げることができる。これらの造核剤を含有させることにより、セル径を容易に調整することができ、適度な柔軟性等を有する発泡体を得ることができる。造核剤の粒径は特に限定されないが、0.1〜50μmであることが好ましく、0.3〜50μmであることが更に好ましい。造核剤の粒径が0.1μm未満であると、造核剤としての効果が得られ難くなり、セル径が大きくなる傾向にある。一方、造核剤の粒径が50μm超であると、セルが粗大、且つ少数となり、発泡体が柔軟になり過ぎ、クッション性に劣る傾向にある。なお、造核剤の平均粒子径は、レーザー回折式の粒度分布測定法により測定することができる。一方、造核剤の種類を選択することで、発泡体に機能付与をすることができる。例えば、造核剤を金属水和物とすることで発泡体に難燃性を、また、カーボン材料とすることで導電性を付与することができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法は、油展エチレン系共重合体(A)、結晶性ポリエチレン系樹脂(B)、及び水添ブロック共重合体(C)を良好に分散することができれば特に限定されない。例えば、密閉型混練り機(ロールミル、バンバリーミキサー、加圧ニーダー等)、一軸押出機、二軸押出機及び連続式混練り機等により、適宜の温度に加熱し、その後、適宜のせん断応力を与えながら混練りし、十分に且つ均一に混合することによって熱可塑性エラストマー組成物を製造することができる。
次に、本発明の発泡体の一の実施形態について説明する。本発明の発泡体は、これまでに説明した本発明の熱可塑性エラストマー組成物を発泡させることにより得られる発泡体である。即ち、エチレン系共重合体及び第一の鉱物油系軟化材を含む油展エチレン系共重合体(A)と、結晶性ポリエチレン系樹脂(B)と、水添ブロック共重合体(C)とを含有し、油展エチレン系共重合体(A)からなるマトリックス中において、結晶性ポリエチレン系樹脂(B)及び水添ブロック共重合体(C)が3次元網目構造を形成している熱可塑性エラストマー組成物を発泡させてなる発泡体である。なお、本発明の発泡体を得るための熱可塑性エラストマー組成物には、結晶性α−オレフィン系重合体(D)、第二の鉱物油系軟化材(E)、添加剤(F)、造核剤等が更に含有されたものであってもよい。
(2):重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)の値が、3以下である。
(i)ブロック:1,2−ビニル結合含量が25モル%未満のブタジエン重合体ブロック。
(ii)ブロック:1,2−ビニル結合含量が25モル%以上の共役ジエン重合体ブロック及びビニル芳香族−共役ジエンランダム共重合体ブロックの少なくとも一方。
次に、本発明の発泡体の製造方法(以下、「第一の発泡体の製造方法」ということがある)の一実施形態について説明する。本発明の第一の発泡体の製造方法は、これまでに説明した本発明の熱可塑性エラストマー組成物を溶融させ、溶融させた熱可塑性エラストマー組成物に不活性ガスを注入した後、発泡することを含む製造方法である。
次に、本発明の発泡体の製造方法(以下、「第二の発泡体の製造方法」ということがある)の一の実施形態について説明する。本発明の第二の発泡体の製造方法は、これまでに説明した本発明の熱可塑性エラストマー組成物100質量部に対して、発泡剤0.01〜100質量部を配合して発泡剤混合原料を得、得られた発泡剤混合原料を発泡させることを含む発泡体の製造方法である。即ち、エチレン系共重合体及び第一の鉱物油系軟化材を含む油展エチレン系共重合体(A)と、結晶性ポリエチレン系樹脂(B)と、水添ブロック共重合体(C)とを含有し、油展エチレン系共重合体(A)からなるマトリックス中において、結晶性ポリエチレン系樹脂(B)及び水添ブロック共重合体(C)が3次元網目構造を形成している熱可塑性エラストマー組成物に、熱可塑性エラストマー組成物100質量部に対して発泡剤0.01〜20質量部を配合し、その後、発泡させて発泡体を得る工程を備えたものである。
(2):重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)の値が、3以下である。
(i)ブロック:1,2−ビニル結合含量が25モル%未満のブタジエン重合体ブロック。
(ii)ブロック:1,2−ビニル結合含量が25モル%以上の共役ジエン重合体ブロック及びビニル芳香族−共役ジエンランダム共重合体ブロックの少なくとも一方。
○:鉱物油系軟化材のブリードが観察されず、軟化材保持性が良好。
×:鉱物油系軟化材のブリードが観察され、軟化材保持性が劣る。
発泡倍率=発泡前比重/発泡後比重 ・・・ (1)
○:発泡倍率1.5以上で発泡性が優れる。
×:発泡倍率1.5倍未満で発泡性が劣る。
○:発泡体表面が平滑で、発泡性が良好。
×:発泡体表面が荒れており、発泡性が劣る。
○:発泡セルが均一な独立気泡であり、発泡性が良好。
×:発泡セルが不均一または連続気泡であり、発泡性が劣る。
(合成例1)
窒素置換した内容積10リットルのステンレス鋼製のオートクレーブを使用し、重合温度を22℃に保持し、1MPaの圧力下で連続的に共重合反応を行った。なお、共重合反応に際しては、オートクレーブの下部の供給口から、毎時65Lの速度でヘキサンを連続的に供給するとともに、エチレン、プロピレン、及び5−エチリデン−2−ノルボルネンを、それぞれ毎時0.80Nm3、2.0L、及び0.11Lの速度で連続的に供給した。同時に、エチルアルミニウムセスキクロライドと三塩化バナジウムを、それぞれ毎時13.585g、及び0.384gの速度で連続的に供給するとともに、分子量調節剤としての水素を、毎時0.4NLの速度で連続的に供給した。共重合反応によって得られた共重合ポリマーを貯蔵機内に移し、この共重合ポリマー100部に対して、鉱物油系軟化材(商品名「ダイアナプロセスPW90」、出光興産社製)120部を添加し、撹拌した後、スチームストリッピングすることにより、目的とする油展エチレン系共重合体(a−1)を析出させた。
表1に示す含有割合となるように、エチレン、プロピレン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、エチルアルミニウムセスキクロライド、及び三塩化バナジウムの使用量、水素の供給量、並びに重合温度を調整するとともに、表1に示す量の鉱物油系軟化材を配合したこと以外は、前述の合成例1と同様にして油展エチレン系共重合体(a−2)、(a−4)、及び(a−5)を製造した。製造した油展エチレン系共重合体(a−2)、(a−4)、及び(a−5)の評価結果を表1に示す。
エチレン、プロピレン、及び5−エチリデン−2−ノルボルネンを、それぞれ毎時0.75Nm3、1.4L、及び0.10Lの速度で連続的に供給すること、三塩化バナジウムを毎時1.216gの速度で連続的に供給すること、水素を毎時0.06NLの速度で連続的に供給すること、重合温度を30℃に保持して共重合すること、及び鉱物油系軟化材の配合量を100部としたこと以外は、前述の合成例1と同様にして油展エチレン系共重合体(a−3)を製造した。製造した油展エチレン系共重合体の極限粘度[η]は4.7であり、Mw/Mnは3.7であり、ポリスチレンに換算した分子量10万以下の領域の面積割合は3.2%であった。
窒素置換された内容積50リットルの反応容器に、シクロヘキサン24kg、テトラヒドロフラン1g、1,3−ブタジエン1200g、及びn−ブチルリチウム3.3gを加え、70℃からの断熱重合を行った。反応完結後、温度を5℃としてテトラヒドロフラン340g、及び1,3−ブタジエン2800gを添加して断熱重合を行った。30分後、メチルジクロロシラン2.3gを添加し、15分反応を行った。反応完結後、水素ガスを0.4MPaの圧力で供給し、20分間撹拌し、リビングアニオンとして生きているポリマー末端リチウムと反応させ、水素化リチウムとした。反応溶液を90℃とし、テトラクロロシラン7.2gを添加し、約20分間撹拌した後、チタノセン化合物を主体とした水添触媒を加え、水素圧0.8MPaで2時間水添反応を行った。水素の吸収が終了した時点で、反応溶液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出し、次いで、反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒を水蒸気蒸留により除去することによって、水添ジエン系重合体である(i)−(ii)−(i)構造の水添ブロック共重合体を得た。
(実施例1)
油展エチレン系共重合体(a−1)65部、結晶性ポリエチレン系樹脂(b)15部、水添ジエン系重合体(c)20部、老化防止剤(f)0.1部を、予め160℃に加熱した加圧型ニーダー(容量10リットル、モリヤマ社製)に投入した。結晶性ポリエチレン系樹脂(b)が溶融して各成分が均一に分散するまで、40rpm(ずり速度200/sec)で15分間混練することにより、溶融状態の混練物を得た。得られた溶融状態の混練物を、フィーダールーダー(モリヤマ社製)を使用してペレット化して、ペレット状の熱可塑性エラストマー組成物(I)を得た。
表2に示す配合処方としたこと以外は、前述の実施例1と同様にして熱可塑性エラストマー組成物((II)〜(IX))を得た。得られた熱可塑性エラストマー組成物について測定した各種物性値、及びこれらを用いて作製した試験片について測定した各種物性値を表2に示す。
(1)化学発泡:化学発泡による発泡体の製造方法[方法A〜C]を以下に示す。
[方法A]:熱可塑性エラストマー組成物100質量部に対して、化学発泡剤1質量部を添加して撹拌混合し、マスターバッチを得た。得られたマスターバッチを、直径40mmの単軸押出機(田辺プラスチック社製、L/D=28、幅20mm、高さ1.5mmの口金T−ダイ、発泡温度220℃、回転数20rpm、フルフライトスクリュー)に入れ、押出発泡させることにより発泡体を得た。
[方法A]:熱可塑性エラストマー組成物を、下記の条件で作動する超臨界流体供給装置付きタンデム型押出発泡成形装置のホッパから投入し、押出発泡させることにより発泡体を得た。
超臨界流体:二酸化炭素、超臨界流体供給量(超臨界流体濃度):3質量%。
第2成形機:回転数10rpm、ヒータ温度(シリンダ内温度)最上流側180℃、最下流側152℃、シリンダ内圧力8MPa。
ダイ:ダイ温度152℃、圧力差8MPa。
熱可塑性エラストマー組成物(I)を使用し、化学発泡[方法A]に従って発泡させることにより、発泡体(実施例5)を得た。得られた発泡体の発泡倍率は「1.8倍」、発泡性は「○」、発泡体表面は「平滑」、発泡セル状態は「○」、オイルブリード性は「○」であった。
表2に示すそれぞれの熱可塑性エラストマー組成物を使用するとともに、表3に示す発泡方法に従って発泡させることにより、発泡体(実施例6〜11、比較例6〜10)を得た。得られた発泡体の発泡性、発泡体表面、発泡セル状態、及びオイルブリード性の評価結果を表3に示す。
熱可塑性エラストマー組成物(I)60質量部に対して、結晶性α−オレフィン系重合体(日本ポリプロ社製、商品名「ニューストレン SH9000」)40質量部、造核剤(水酸化マグネシウム、堺化学工業社製、商品名「MGZ−1」)10質量部を二軸混練機にて、200℃の温度で混練した後、ストランド状に押出し、水冷後、ペレット状に切断して成形して、熱可塑性エラストマー組成物(X)を得た。このペレットを使用して超臨界発泡[方法A]に従って発泡させることにより、発泡体(実施例12)を得た。得られた発泡体の発泡倍率は「16倍」、発泡性は「○」、発泡体表面は「平滑」、発泡セル状態は「○」、オイルブリード性は「○」であった。
化学発泡剤(g−2):熱分解型発泡剤、商品名「ポリスレンEE206」(永和化成工業社製、熱分解温度:200℃)。
化学発泡剤(g−3):中空粒子型発泡剤、商品名「EXPANCEL−092(DU)−120」(エクスパンセル社製、最大熱膨張温度:180℃)。
Claims (9)
- エチレン系共重合体及び第一の鉱物油系軟化材を含む油展エチレン系共重合体(A)と、結晶性ポリエチレン系樹脂(B)と、水添ブロック共重合体(C)とを含有し、
前記油展エチレン系共重合体(A)が、下記(1)及び(2)の条件を満たす前記エチレン系共重合体100質量部に対して、前記第一の鉱物油系軟化材を50〜150質量部含むものであり、
前記水添ブロック共重合体(C)が、両末端が下記(i)ブロックであるとともに、中間ブロックが下記(ii)ブロックであるブロック共重合体を水素添加して得られ、前記(i)ブロック及び前記(ii)ブロックの合計を100質量%とした場合に、前記(i)ブロックが5〜90質量%、前記(ii)ブロックが10〜95質量%であるとともに、前記水添ブロック共重合体(C)に水素添加前に含まれる全ての二重結合の少なくとも80%が飽和され、且つ数平均分子量が5万〜70万のものであり、
前記油展エチレン系共重合体(A)からなるマトリックス中において、前記結晶性ポリエチレン系樹脂(B)及び前記水添ブロック共重合体(C)が3次元網目構造を形成し、
前記エチレン系共重合体が、エチレン/α−オレフィン二元共重合体及びエチレン/α−オレフィン/非共役ポリエン三元共重合体の少なくともいずれかである熱可塑性エラストマー組成物。
(1):デカリン溶媒中135℃で測定した極限粘度[η]が、5.5〜9.0dl/gである。
(2):重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)の値が、3以下である。
(i)ブロック:1,2−ビニル結合含量が25%未満のブタジエン重合体ブロック。
(ii)ブロック:1,2−ビニル結合含量が25%以上の共役ジエン重合体ブロック及びビニル芳香族−共役ジエンランダム共重合体ブロックの少なくとも一方。 - 前記油展エチレン系共重合体(A)に含まれる前記エチレン系共重合体が、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体である請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 前記油展エチレン系共重合体(A)が、前記エチレン系共重合体、前記第一の鉱物油系軟化材、及び溶媒を含む混合液から脱溶媒して得られるものである請求項1又は2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 前記結晶性ポリエチレン系樹脂(B)を沸騰n−ヘキサンに溶解させた場合の不溶分が10質量%以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 前記油展エチレン系共重合体(A)、前記結晶性ポリエチレン系樹脂(B)及び前記水添ブロック共重合体(C)の合計を100質量%とした場合に、前記油展エチレン系共重合体(A)は10〜94質量%であり、前記結晶性ポリエチレン系樹脂(B)は5〜80質量%であり、前記水添ブロック共重合体(C)は1〜80質量%である請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 第二の鉱物油系軟化材(E)を更に含有し、
第二の鉱物油系軟化材(E)の含有割合は、前記油展エチレン系共重合体(A)、前記結晶性ポリエチレン系樹脂(B)及び前記水添ブロック共重合体(C)の合計100質量部に対して、200質量部以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物を発泡させることにより得られる発泡体。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物を溶融させ、溶融させた前記熱可塑性エラストマー組成物に不活性ガスを注入した後、発泡させることを含む発泡体の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物100質量部に対して、発泡剤0.01〜100質量部を配合して発泡剤混合原料を得、得られた前記発泡剤混合原料を発泡させることを含む発泡体の製造方法。
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