JPH0931270A - 射出融着性に優れた熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

射出融着性に優れた熱可塑性エラストマー組成物

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JPH0931270A
JPH0931270A JP20409895A JP20409895A JPH0931270A JP H0931270 A JPH0931270 A JP H0931270A JP 20409895 A JP20409895 A JP 20409895A JP 20409895 A JP20409895 A JP 20409895A JP H0931270 A JPH0931270 A JP H0931270A
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英雄 中西
Tadashi Yasuda
直史 安田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 オレフィン系加硫ゴムおよびオレフィン系非
加硫ゴム双方の被着体に対して高い接着強度を有する、
射出融着性に優れた熱可塑性エラストマー組成物を提供
する。 【構成】 エラストマー組成物は、(1)オレフィン系
共重合ゴム、(2)炭素数3以上のα−オレフィンを主
成分とする結晶性重合体および/またはエチレンを主成
分とする重合体、(3)190℃における溶融粘度が5
0,000cps以下のα−オレフィン系非晶質重合
体、(4)水添共役ジエン系重合体並びに(5)鉱物油
系軟化剤のうち、成分(1)〜(3)と成分(5)とを
必須成分とし、場合により成分(4)をさらに含有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オレフィン系共重合ゴ
ム、α−オレフィン系結晶性重合体および/またはエチ
レン系重合体、α−オレフィン系非晶質重合体を必須成
分とし、あるいは更に水添ジエン系重合体を含有する、
射出融着性に優れた熱可塑性エラストマー組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】オレフィン系熱可塑性エラストマーは、
耐熱性、耐オゾン性、耐候性等の諸特性に優れるととも
に、加硫ゴムと同様のエラストマー性を有する一方、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系熱可塑性
樹脂とほぼ同等の成形性を有することを利用して、エラ
ストマー性が要求される成形物、例えば自動車のバンパ
ー、外装用モール、ウインドシール用ガスケット、ドア
シール用ガスケット、トランクシール用ガスケット、ル
ーフサイドレール、エンブレム、内装表皮材等として、
また建材用の各種ガスケット等に使用され始めている。
従来、これらのガスケット類は一般に加硫ゴムあるいは
架橋ゴム(以下、これらをまとめて「加硫ゴム」と略記
する。)を用いて得られるものであり、それらの成形工
程は下記するように複雑で作業時間も長く、省力化、生
産性の向上等の観点から改善が強く望まれている。例え
ば、加硫ゴムからガスケットを成形する場合、未加硫ゴ
ムを異形押出成形することによりガスケットの直線部分
を作製し、この異形押出成形物を加硫したのち、成形物
の端部同士の曲線的な接合部を、割型内で継ぎ足して加
硫・接合する方法がとられているが、この方法では、加
硫工程が2回必要である。このような成形工程を簡略化
し作業時間を短縮するために、加硫された異形押出成形
物の端部同士の接合部分を、加硫を必要としないオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーに置換する方法、さらには
直線部分の異形押出成形物もオレフィン系熱可塑性エラ
ストマーに置換する方法も考えられるが、実用上、前者
の方法が望ましいとされている。この異形押出成形物の
端部同士の接合部分をオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーに置換する方法の場合、異形押出成形物を割型内に置
き、接合部分にオレフィン系熱可塑性エラストマーを射
出注入して、端部同士を融着する方法がとられている
が、多くの場合、実用に供しうる接着強度に融着するこ
とが困難である。また特公昭61−53933号公報
に、オレフィン系熱可塑性エラストマーの押出成形物同
士を接合する際に、被着体を予熱することにより接着強
度を上げる方法が提案され、さらに特開昭59−221
347号公報に、オレフィン系熱可塑性エラストマーの
押出成形物同士を接合する際に、結晶性ポリ−1−ブテ
ンを配合したオレフィン系熱可塑性エラストマーを用い
ることにより、予熱を行わなくても接着強度を上げる方
法が提案されているが、これらの方法では、被着体が特
にオレフィン系加硫ゴムの場合には充分な効果が達成で
きないものである。そこで、被着体がオレフィン系加硫
ゴムおよびオレフィン系非加硫ゴムのいずれの場合に
も、優れた射出融着性を示すオレフィン系熱可塑性エラ
ストマー組成物の開発が強く望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、オレフィン
系加硫ゴムおよびオレフィン系非加硫ゴム双方の被着体
に対して高い接着強度を有する、射出融着性に優れた熱
可塑性エラストマー組成物を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、第一
に、(1)オレフィン系共重合ゴム5〜90重量%、
(2)炭素数3以上のα−オレフィンを主成分とする結
晶性重合体および/またはエチレンを主成分とする重合
体5〜90重量%、(3)190℃における溶融粘度が
50,000cps以下のα−オレフィン系非晶質重合
体1〜50重量%(但し、(1)+(2)+(3)=1
00重量%)、並びに(5)成分(1)100重量部当
り0〜300重量部の鉱物油系軟化剤からなることを特
徴とする射出融着性に優れた熱可塑性エラストマー組成
物(以下、「第1発明」という。)、からなる。
【0005】本発明の要旨は、第二に、(1)オレフィ
ン系共重合ゴム5〜85重量%、(2)炭素数3以上の
α−オレフィンを主成分とする結晶性重合体および/ま
たはエチレンを主成分とする重合体5〜80重量%、
(3)190℃における溶融粘度が50,000cps
以下のα−オレフィン系非晶質重合体1〜50重量%、
(4)水添共役ジエン系重合体1〜80重量%(但し、
(1)+(2)+(3)+(4)=100重量%)、並
びに(5)成分(1)100重量部当り0〜300重量
部の鉱物油系軟化剤からなることを特徴とする射出融着
性に優れた熱可塑性エラストマー組成物(以下、「第2
発明」という。)、からなる。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。(1)オレフィン系共重合ゴム 第1発明および第2発明において使用されるオレフィン
系共重合ゴムとしては、例えばエチレン/α−オレフィ
ン共重合ゴム、エチレン/α−オレフィン/非共役ジエ
ン共重合ゴム等を挙げることができる。前記α−オレフ
ィンとしては、例えば炭素数3〜12のα−オレフィ
ン、具体的にはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチ
ル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3−エ
チル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−
ウンデセン等を挙げることができ、特にプロピレン、1
−ブテンが好ましい。また、前記非共役ジエンとして
は、例えば1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエ
ン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、
1,9−デカジエン、3,6−ジメチル−1,7−オク
タジエン、4,5−ジメチル−1,7−オクタジエン、
5−メチル−1,8−ノナジエン、ジシクロペンタジエ
ン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−
2−ノルボルネン、2,5−ノルボルナジエン等を挙げ
ることができ、特に1,4−ヘキサジエン、ジシクロペ
ンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネンが好ま
しい。第1発明および第2発明における好ましいオレフ
ィン系共重合ゴムをより具体的に示すと、エチレン/プ
ロピレン共重合ゴム、エチレン/1−ブテン共重合ゴ
ム、エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジエン共重
合ゴム、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン
共重合ゴム、エチレン/プロピレン/5−エチリデン−
2−ノルボルネン共重合ゴム、エチレン/1−ブテン/
1,4−ヘキサジエン共重合ゴム、エチレン/1−ブテ
ン/ジシクロペンタジエン共重合ゴム、エチレン/1−
ブテン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合ゴム
等を挙げることができる。オレフィン系共重合ゴムにお
いて、エチレン単位とα−オレフィン単位との合計量当
り、エチレン単位の含有量は、通常、50〜90モル
%、好ましくは60〜90モル%である。この場合、エ
チレン単位の含有量が50モル%より少なく、α−オレ
フィンの含有量が50モル%以上であると、共重合ゴム
の機械的強度が低下する傾向があり、またエチレン単位
の含有量が90モル%を超え、α−オレフィンの含有量
が10モル%未満であると、共重合ゴムの柔軟性が低下
し、いずれも好ましくない。また、エチレン/α−オレ
フィン/非共役ジエン共重合ゴムの場合、非共役ジエン
の含有量は、ヨウ素価で好ましくは40以下、さらに好
ましくは5〜30、特に好ましくは7〜20である。オ
レフィン系共重合ゴムのムーニー粘度(ML1+4 100℃)
(以下、「ムーニー粘度」と略記する。)は、通常、1
0〜500、好ましくは30〜400である。この場
合、ムーニー粘度が10未満では、エラストマー組成物
の機械的強度が低下する傾向があり、また500を超え
ると、(2)炭素数3以上のα−オレフィンを主成分と
する結晶性重合体あるいはエチレンを主成分とする重合
体との分散不良を来すおそれがあり、好ましくない。オ
レフィン系共重合ゴムは、中・低圧法による通常の重合
方法、例えば、適当な溶媒中、遷移金属化合物と有機金
属化合物とからなるチーグラー・ナッタ触媒、例えば少
なくとも1種の溶媒可溶性バナジウム化合物と少なくと
も1種の有機アルミニウム化合物とからなる触媒の存在
下で、エチレンとαーオレフィンとを、場合により非共
役ジエンの存在下で、必要に応じて分子量調節剤として
水素を供給しつつ重合する方法により製造することがで
きる。その際の重合は、気相法(流動床あるいは攪拌
床)でも液相法(スラリー法あるいは溶液法)でも実施
することができる。前記溶媒可溶性バナジウム化合物と
しては、VOCl3 、VCl4、VOCl3 あるいはVCl4の少なくと
も1種とアルコールとの反応生成物が好ましい。この場
合、前記アルコールとしては、例えばメタノール、エタ
ノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブ
タノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−
ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノ
ール、n−デカノール、n−ドデカノール等を挙げるこ
とができ、これらのうち炭素数3〜8のアルコールが好
ましい。また、前記有機アルミニウム化合物としては、
例えばトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミ
ニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、ジエチルア
ルミニウムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウムモ
ノクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチ
ルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジ
クロリド、ブチルアルミニウムジクロリド、トリメチル
アルミニウムと水との反応生成物であるメチルアルミノ
キサン等を挙げることができ、特にエチルアルミニウム
セスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、
エチルアルミニウムセスキクロリドとトリイソブチルア
ルミニウムとの混合物、トリイソブチルアルミニウムと
ブチルアルミニウムセスキクロリドとの混合物が好まし
い。また、前記溶媒としては、通常、炭化水素溶媒が使
用される。好ましい炭化水素溶媒は、n−ペンタン、n
−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタ
ン、シクロヘキサン等である。これらの炭化水素溶媒
は、単独でまたは2種以上を混合して使用することがで
きる。第1発明および第2発明においては、オレフィン
系共重合ゴムとして、例えばエチレン/α−オレフィン
共重合ゴム、エチレン/α−オレフィン/非共役ジエン
共重合ゴム等の水素原子の一部が塩素原子、臭素原子等
のハロゲン原子で置換されたハロゲン化共重合ゴム:あ
るいは前記エチレン/α−オレフィン共重合ゴム、エチ
レン/α−オレフィン/非共役ジエン共重合ゴム、ハロ
ゲン化共重合ゴム等に対して、塩化ビニル、酢酸ビニ
ル、(メタ)アクリル酸もしくはその誘導体(例えばメ
チル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリ
レート、(メタ)アクリルアミド等)、マレイン酸もし
くはその誘導体(例えば無水マレイン酸、マレイミド、
マレイン酸ジメチル等)、共役ジエン(例えばブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレン等)等の不飽和モノマー
がグラフト重合したグラフト共重合体を使用することも
できる。第1発明および第2発明において、オレフィン
系共重合ゴムは、単独でまたは2種以上を混合して使用
することができる。
【0007】(2)オレフィン系結晶性重合体およびエ
チレン系重合体 第1発明および第2発明においては、炭素数3以上のα
−オレフィンを主成分とす重合体(以下、「オレフィン
系結晶性重合体」という。)およびエチレンを主成分と
する重合体(以下、「エチレン系重合体」という。)の
うち、少なくとも1種が使用される。そのうち、オレフ
ィン系結晶性重合体は、炭素数3以上のα−オレフィン
の単独重合体または該α−オレフィンを主体とする共重
合体からなり、n−デカリン不溶分が50重量%以上、
好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量
%の重合体である。この場合、n−デカリン不溶分が5
0重量%未満では、エラストマー組成物の機械的強度、
成形性等が損なわれる。オレフィン系結晶性重合体にお
ける炭素数3以上のα−オレフィンとしては、例えば前
記オレフィン系共重合ゴムについて例示した炭素数3〜
12のα−オレフィンを挙げることができる。また、前
記α−オレフィンを主体とする共重合体としては、例え
ば炭素数3以上のα−オレフィン同士の共重合体、炭素
数3以上のα−オレフィンを主体とするエチレンとの共
重合体等を挙げることができる。後者の共重合体の場
合、エチレン単位の含有量は、通常、40モル%以下、
好ましくは20モル%以下である。オレフィン系結晶性
重合体が炭素数3以上のα−オレフィンを主体とする共
重合体である場合、ランダム共重合体でもブロック共重
合体でもよいが、所要のn−デカリン不溶分を有する共
重合体を得るため、ランダム共重合体では、含有量の少
ない単量体単位の合計含有量を、通常、15モル%以
下、好ましくは10モル%以下に設定し、またブロック
共重合体では、含有量の少ない単量体単位の合計含有量
を、通常、40モル%以下、好ましくは20モル%以下
に設定するのが適当である。オレフィン系結晶性重合体
の具体例としては、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテ
ン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリ−1−ヘキ
セン、プロピレン/エチレンランダム共重合体、プロピ
レン/エチレンブロック共重合体、プロピレン/1−ブ
テンランダム共重合体、プロピレン/1−ブテンブロッ
ク共重合体等を挙げることができる。これらのオレフィ
ン系結晶性重合体のうち、ポリプロピレン、プロピレン
/エチレンランダム共重合体、プロピレン/エチレンブ
ロック共重合体が好ましい。オレフィン系結晶性重合体
のうち、α−オレフィンの単独重合体およびランダム共
重合体は、例えば前記オレフィン系共重合ゴムと同様に
して製造することができ、またブロック共重合体は、例
えばチーグラー・ナッタ触媒を用いるリビング重合によ
り製造することができる。第1発明および第2発明にお
いて、オレフィン系結晶性重合体は、単独でまたは2種
以上を混合して使用することができる。
【0008】また、エチレン系重合体は、エチレン単位
を90モル%以上含有する単独重合体または共重合体で
ある。エチレン系重合体が共重合体である場合、エチレ
ンと共重合させる共単量体としては、例えばプロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペン
テン、1−ヘキセン等の炭素数3〜6のα−オレフィ
ン;酢酸ビニル等を挙げることができる。 エチレン系
重合体は、例えば前記オレフィン系共重合ゴムと同様の
中・低圧法により、あるいはラジカル触媒を使用する高
圧法により製造することができる。 第1発明および第
2発明において、エチレン系重合体は、単独でまたは2
種以上を混合して使用することができる。
【0009】(3)オレフィン系非晶質重合体 次に、第1発明および第2発明において使用される
(3)190℃における溶融粘度が50,000cps
以下のα−オレフィン系非晶質重合体(以下、「オレフ
ィン系非晶質重合体」という。)は、炭素数3以上のα
−オレフィンの非晶質単独重合体または該α−オレフィ
ンを主成分とする非晶質共重合体からなり、X線回析に
より測定した結晶化度が50%未満である比較的低分子
量の重合体である。オレフィン系非晶質重合体の溶融粘
度は、好ましくは100〜30,000cps、特に好
ましくは200〜20,000cpsであり、また結晶
化度は、好ましくは30%以下、特に好ましくは20%
以下である。オレフィン系非晶質重合体の結晶化度はよ
り簡便に密度で代用することができ、その密度は、通
常、0.89g/cm3 未満、好ましくは0.85〜
0.88g/cm3 である。この場合、オレフィン系非
晶質重合体の溶融粘度が50,000cpsを超えるて
も、密度が0.89g/cm3 以上であっても、被着体
との接着強度が低下し、いずれも好ましくない。なお、
オレフィン系非晶質重合体の数平均分子量(以下、「M
n」という。)は、通常、1,000〜20,000、
好ましくは1,500〜15,000である。オレフィ
ン系非晶質重合体における炭素数3以上のα−オレフィ
ンとしては、例えば前記オレフィン系共重合ゴムについ
て例示した炭素数3〜12のα−オレフィンを挙げるこ
とができる。オレフィン系非晶質重合体の具体例として
は、アタクチックポリプロピレン、アタクチックポリ−
1−ブテン等の非晶質単独重合体;プロピレンを主体と
する他のオレフィン(例えばエチレン、1−ブテン、1
−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−オクテン、1−デセン等)との非晶質共重合
体、1−ブテンを主体とする他のオレフィン(例えばエ
チレン、プロピレン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4
−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン
等)との非晶質共重合体等を挙げることができる。これ
らのオレフィン系非晶質重合体のうち、アタクチックポ
リプロピレン、プロピレン/エチレン非晶質共重合体、
プロピレン/1−ブテン非晶質共重合体が好ましい。前
記オレフィン系非晶質共重合体は、ランダム共重合体で
もブロック共重合体でもよいが、ブロック共重合体の場
合、少なくともプロピレン、1−ブテン等の主成分とな
るα−オレフィン単位の結合様式はアタクチック構造で
ある必要がある。また、非晶質共重合体が炭素数3以上
のα−オレフィンとエチレンとの共重合体である場合、
該α−オレフィン単位の含有量は、50モル%以上が好
ましく、特に60〜100モル%が好ましい。オレフィ
ン系非晶質重合体のうち、アタクチックポリプロピレン
は、オレフィン系結晶性重合体としてのポリプロピレン
の製造過程で副生成物として得ることができる。またラ
ンダム共重合体は、例えば前記オレフィン系共重合ゴム
と同様にして製造することができ、ブロック共重合体
は、例えばチーグラー・ナッタ触媒を用いるリビング重
合により製造することができる。さらに、アタクチック
ポリプロピレンやアタクチックポリ−1−ブテンは、ジ
ルコノセン化合物−メチルアルミノキサン触媒を用いる
重合等によっても製造することができる。第1発明およ
び第2発明において、オレフィン系非晶質重合体は、単
独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0010】(4)水添共役ジエン系重合体 次に、第2発明において使用される水添共役ジエン系重
合体は、該重合体中の共役ジエン単位の二重結合の少な
くとも80%が水素添加された重合体である。このよう
な水添共役ジエン系重合体としては、例えばスチレン/
ブタジエンブロック共重合体、スチレン/イソプレンブ
ロック共重合体等のビニル芳香族化合物と共役ジエンと
のブロック共重合体の水素添加物;ポリブタジエン、ポ
リイソプレン等の共役ジエンの単独重合体の水素添加
物;ビニル芳香族化合物と共役ジエンとのランダム共重
合体の水素添加物等を挙げることができ、特に以下の(4
-1) 、(4-2) あるいは(4-3) に示す水添共役ジエン系重
合体が好ましい。 (4-1) 水添共役ジエン系重合体 (4-1) 水添共役ジエン系重合体は、ビニル芳香族化合物
を主成分とする重合体ブロックをA、共役ジエンの単独
重合体ブロックもしくはビニル芳香族化合物と共役ジエ
ンとのランダム共重合体ブロックをB、ビニル芳香族化
合物と共役ジエンとの共重合体ブロックからなり、ビニ
ル芳香族化合物の含有率が分子鎖末端に向かって漸増す
るテーパーブロックをCとすると、A−B、A−B−A
またはA−B−Cのブロック配列を含有するブロック共
重合体(以下、これらのブロック共重合体をまとめて
「(4-1) ブロック共重合体」という。)の水素添加物か
らなる。(4-1) ブロック共重合体に使用されるビニル芳
香族化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチ
レン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−
メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、ジビニルベ
ンゼン、ジイソプロペニルスチレン、o−クロロスチレ
ン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、1,1
−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−アミノ
スチレン、N,N−ジエチル−p−アミノスチレン、ビ
ニルピリジン等を挙げることができ、特にスチレン、α
−メチルスチレンが好ましい。また、(4-1) ブロック共
重合体に使用される共役ジエンとしては、例えばブタジ
エン、イソプレン、2,3−ジメチルブタジエン、1,
3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエ
ン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3
−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、
クロロプレン、2,3−ジクロロブタジエン等を挙げる
ことができるが、工業的に利用し易く、また物性面でも
優れた水添ジエン系重合体を得るためには、ブタジエ
ン、イソプレン、1,3−ペンタジエンが好ましく、特
にブタジエンが好ましい。(4-1) ブロック共重合体にお
いて、ブロックA中のビニル芳香族化合物の含有量は、
該ブロック中の全モノマーの好ましくは90重量%以
上、さらに好ましくは95〜100重量%である。この
場合、他に含有される共単量体の種類は特に限定されな
い。また、ブロックAおよびブロックC中のビニル芳香
族化合物の合計含有量は、好ましくは3〜50重量%、
さらに好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは5〜
30重量%である。この場合、ビニル芳香族化合物の合
計含有量が3重量%未満では、水添共役ジエン系重合体
の耐熱性、機械的強度等が低下する傾向があり、あるい
は水添共役ジエン系重合体をペレット化した場合、ブロ
ッキングを生じたり、エラストマー組成物の加工性が低
下する傾向がある。一方50重量%を超えると、エラス
トマー組成物の透明性、柔軟性、加工性、低温特性等が
低下する傾向がある。また、ブロックBにおける共役ジ
エン単位のビニル結合含量は、好ましくは20%以上、
さらに好ましくは40%以上、特に好ましくは60%以
上である。この場合、ビニル結合含量が20モル%未満
では、エラストマー組成物の柔軟性改善効果が低下する
傾向がある。(4-1) ブロック共重合体において、ビニル
芳香族化合物と共役ジエンとの重量比は、好ましくは5
〜60/95〜40、さらに好ましくは7〜50/93
〜50である。この場合、ビニル芳香族化合物の含有量
が5重量%未満で、共役ジエンの含有量が95重量%を
超えると、エラストマー組成物の強度、加工性、耐熱性
等が低下したり、水添ジエン系重合体をペレット化した
場合、ブロッキングを生じやすくなる傾向がある。一
方、ビニル芳香族化合物の含有量が60重量%を超え、
共役ジエンの含有量が40重量%未満では、水添ジエン
系重合体が樹脂状となり、耐衝撃性、低温特性等が低下
する傾向がある。(4-1) ブロック共重合体において、ブ
ロックA中のビニル芳香族化合物の含有量は、全モノマ
ーの3重量%以上であることが好ましく、さらに好まし
くは5〜30重量%である。この場合、ビニル芳香族化
合物の含有量が3重量%未満では、エラストマー組成物
の機械的強度、加工性、耐熱性等が低下する傾向があ
る。また、(4-1) ブロック共重合体における各ブロック
の含有量は、各ブロックの合計量を100重量%とし
て、ブロックAが、通常、3〜50重量%、好ましくは
4〜40重量%であり、ブロックBが、通常、30〜9
7重量%、好ましくは35〜94重量%であり、ブロッ
クCが、通常、0〜50重量%であるが、ブロック配列
がA−B−Cのブロック共重合体では、好ましくは2〜
40重量%である。(4-1) ブロック共重合体における各
ブロックのMnは、ブロックAが、通常、0.1万〜3
5万、好ましくは0.4万〜24万であり、ブロックB
が、通常、1.5万〜68万、好ましくは3.5万〜5
7万であり、ブロックCが、通常、0〜35万、好まし
くは0.2万〜24万である。(4-1) ブロック共重合体
は、各ブロックを構成するモノマーあるいはモノマー混
合物のアニオンリビング重合により製造することがで
き、また該重合により製造されたリビングブロック共重
合体を適当なカップリング剤によりカップリングするこ
とによって製造することもできる。前記カップリングに
より製造されるブロック共重合体は、例えば下記式〜
で表される、各ブロック共重合体鎖が延長ないし分岐
された構造を有する。 [A−B]n−X、 [A−B−A]n−X、 [A−B−C]n−X。 ここで、A、BおよびCは前記ブロックと同一であり、
nは2〜4の整数であり、Xはカップリング剤残基を示
す。前記カップリング剤としては、例えばアジピン酸ジ
エチル、ジビニルベンゼン、テトラクロロケイ素、ブチ
ルトリクロロケイ素、テトラクロロ錫、ブチルトリクロ
ロ錫、ジメチルジクロロケイ素、テトラクロロゲルマニ
ウム、1,2−ジブロムエタン、1,4−ジ(クロロメ
チル)ベンゼン、ビス(トリクロロシリル)エタン、エ
ポキシ化亜麻仁油、トリレンジイソシナネート、1,
2,4−ベンセントリイソシアネート等を挙げることが
できる。(4-1) ブロック共重合体のMnは、通常、5万
〜70万、好ましくは10万〜60万である。この場
合、Mnが5万未満では、水添共役ジエン系重合体の機
械的強度、流動性、加工性、耐熱性等が低下する傾向が
あり、一方70万を超えると、水添共役ジエン系重合体
の流動性、加工性、柔軟性等が低下する傾向がある。ま
た、(4-1) 水添共役ジエン系重合体における水素添加率
は、80%以上であるが、好ましくは90%以上、さら
に好ましくは95〜100%である。この場合、水素添
加率が80%未満では、エラストマー組成物の熱安定性
や耐久性が低下する。前記(4-1) 水添共役ジエン系重合
体の製造方法は、例えば特開平3−72512号公報に
記載されている。
【0011】(4-2) 水添共役ジエン系重合体 (4-2) 水添共役ジエン系重合体は、ビニル芳香族化合物
を主成分とする重合体ブロックをD、共役ジエンの単独
重合体ブロックをE、ポリブタジエンブロックをFとす
ると、D−E−Fのブロック配列を含有するブロック共
重合体(以下、「(4-2) ブロック共重合体」という。)
の水素添加物からなる。(4-2) ブロック共重合体に使用
されるビニル芳香族化合物および共役ジエンとしては、
例えば前記(4-1) ブロック共重合体について例示した化
合物を挙げることができる。(4-2) ブロック共重合体に
おいて、ブロックD中のビニル芳香族化合物の含有量
は、該ブロック中の全モノマーの好ましくは90重量%
以上、さらに好ましくは95〜100重量%である。こ
の場合、ビニル芳香族化合物の含有量90重量%未満で
は、水添共役ジエン系重合体の機械的強度、耐候性等が
低下する傾向がある。 また、ブロックEにおける共役
ジエン単位のビニル結合含量は、好ましくは25〜95
%、さらに好ましくは30〜90%である。この場合、
ビニル結合含量が25モル%未満では、例えば共役ジエ
ンがブタジエンである場合、水素添加によりポリエチレ
ン鎖が形成され、一方95%を超えると、ブロックDの
水素添加後のガラス転移温度が高くなって、いずれも水
添共役ジエン系重合体のゴム的性質が低下する傾向があ
る。また、ブロックFにおけるブタジエン単位のビニル
結合含量は、好ましくは25%未満、さらに好ましくは
20%未満である。この場合、ビニル結合含量が25モ
ル%以上では、ブロックFの水素添加後の樹脂的性質が
損なわれて、ブロック構造を有する水添共役ジエン系重
合体のエラストマーとしての性質が低下する傾向があ
る。また、(4-2) ブロック共重合体における各ブロック
の含有量は、各ブロックの合計量を100重量%とし
て、ブロックAが、通常、5〜60重量%、好ましくは
10〜55重量%であり、ブロックEが、通常、30〜
90重量%、好ましくは35〜80重量%であり、ブロ
ックFが、通常、5〜60重量%、好ましくは5〜50
重量%である。この場合、ブロックDが5重量%未満で
は、水添共役ジエン系重合体の耐熱性、機械的強度等が
低下する傾向があり、一方60重量%を超えると、水添
共役ジエン系重合体の加工性、機械的強度等が低下する
傾向があり、ブロックEが30重量%未満では、水添共
役ジエン系重合体の柔軟性が低下する傾向があり、一方
90重量%を超えると、水添共役ジエン系重合体の加工
性、機械的強度等が低下する傾向があり、ブロックFが
5重量%未満では、水添共役ジエン系重合体の力学的性
質が低下する傾向があり、一方60重量%を超えると、
水添共役ジエン系重合体のゴム的性質が低下する傾向が
ある。(4-2) ブロック共重合体における各ブロックのM
nは、ブロックDが、通常、0.2万〜42万であり、
ブロックEが、通常、1.5万〜63万、好ましくは
3.5万〜42万であり、ブロックFが、通常、0.2
万〜42万である。(4-2) ブロック共重合体は、各ブロ
ックを構成するモノマーあるいはモノマー混合物のアニ
オンリビング重合により製造することができ、また該重
合により製造されたリビングブロック共重合体を適当な
カップリング剤によりカップリングすることによって製
造することもできる。前記カップリングにより製造され
るブロック共重合体は、例えば下記式あるいはで表
される、各ブロック共重合体鎖が延長ないし分岐された
構造を有する。 [D−E−F]n−X、 [D−E−F]-X-[D−E] 。 ここで、D、EおよびFは前記ブロックと同一であり、
nは2〜4の整数であり、Xはカップリング剤残基を示
す。前記カップリング剤としては、例えば(4-1) ブロッ
ク共重合体について例示した化合物を挙げることができ
る。(4-2) ブロック共重合体のMnは、通常、5万〜7
0万、好ましくは10万〜60万である。この場合、M
nが5万未満では、水添共役ジエン系重合体の機械的強
度、流動性、加工性、耐熱性等が低下する傾向があり、
一方70万を超えると、水添共役ジエン系重合体の流動
性、加工性、柔軟性等が低下する傾向がある。また、(4
-2) 水添共役ジエン系重合体における水素添加率は、8
0%以上であるが、好ましくは90%以上、さらに好ま
しくは95〜100%である。この場合、水素添加率が
80%未満では、エラストマー組成物の熱安定性や耐久
性が低下する。前記(4-2) 水添共役ジエン系重合体の製
造方法は、例えば特開平2−133406号公報に記載
されている。
【0012】(4-3) 水添共役ジエン系重合体 (4-3) 水添共役ジエン系重合体は、ビニル結合含量が2
5%以下のポリブタジエン重合体ブロックをG、および
共役ジエンの単独重合体ブロックもしくはビニル芳香族
化合物と共役ジエンとのランダム共重合体ブロックであ
って、共役ジエン単位のビニル結合含量が25〜95%
であるブロックをHとすると、G−HあるいはG−H−
Gのブロック配列を含有するブロック共重合体(以下、
「(4-3)ブロック共重合体」という。)の水素添加物か
らなる。(4-3) ブロック共重合体に使用されるビニル芳
香族化合物および共役ジエンとしては、例えば前記(4-
1) ブロック共重合体について例示した化合物を挙げる
ことができる。(4-3) ブロック共重合体におけるブロッ
クGは、水素添加により、通常の低密度ポリエチレン鎖
に類似の構造を有する結晶性重合体鎖を形成するもので
ある。ブロックG中のブタジエン単位のビニル結合含量
は、25%以下であるが、好ましくは20%以下、さら
に好ましくは15%以下である。この場合、ビニル結合
含量が25モル%を超えると、ブロックGの水素添加に
よる結晶融点の降下が大きくなり、水添共役ジエン系重
合体の機械的強度が低下する傾向がある。また、(4-3)
ブロック共重合体におけるブロックHは、水素添加によ
り、ゴム状のエチレン/1−ブテン共重合体鎖あるいは
ビニル芳香族化合物/エチレン/1−ブテン共重合体鎖
と類似の構造を有する重合体鎖を形成するものである。
ブロックH中のビニル芳香族化合物の含有量は、通常、
該ブロック中の全モノマーの35重量%以下であり、好
ましくは30重量%以下、さらに好ましくは25重量%
以下である。この場合、ビニル芳香族化合物の含有量が
35重量%を超えると、ブロックHの水素添加後のガラ
ス転移点の上昇が大きくなり、水添共役ジエン系重合体
の低温特性、柔軟性等が低下する傾向がある。また、ブ
ロックH中の共役ジエン単位のビニル結合含量は、25
〜95%であるが、好ましくは25〜75%、さらに好
ましくは25〜55%である。この場合、ビニル結合含
量が25%未満あるいは95%を超えると、例えば共役
ジエンがブタジエンである場合、水素添加により、それ
ぞれポリエチレン鎖あるいはポリ−1−ブテン鎖と類似
の構造の結晶性重合体鎖が形成されて樹脂状となり、水
添共役ジエン系重合体の柔軟性が低下する傾向がある。
(4-2) ブロック共重合体における各ブロックの含有量
は、各ブロックの合計量を100重量%として、ブロッ
クGが、通常、5〜90重量%、好ましくは10〜80
重量%であり、ブロックHが、通常、95〜10重量
%、好ましくは90〜20重量%である。この場合、ブ
ロックGが5重量%未満でブロックHが95重量%を超
えると、水添共役ジエン系重合体中の結晶性重合体ブロ
ックが不足し、力学的性質が低下する傾向があり、一方
ブロックGが90重量%を超えブロックHが10重量%
未満では、水添共役ジエン系重合体の硬度が高くなる傾
向がある。(4-3) ブロック共重合体における各ブロック
のMnは、ブロックGが、通常、0.2万〜63万、好
ましくは1万〜48万であり、ブロックHが、通常、
0.5万〜67万、好ましくは2万〜54万である。(4
-3) ブロック共重合体は、各ブロックを構成するモノマ
ーあるいはモノマー混合物のアニオンリビング重合によ
り製造することができ、また該重合により製造されたリ
ビングブロック共重合体を適当なカップリング剤により
カップリングすることによって製造することもできる。
前記カップリングにより製造されるブロック共重合体
は、例えば下記式あるいはで表される、各ブロック
共重合体鎖が延長ないし分岐された構造を有する。 [G−H]n−X、 [G−H−G]n−X。 ここで、GおよびHは前記ブロックと同一であり、nは
2〜4の整数であり、Xはカップリング剤残基を示す。
前記カップリング剤としては、例えば(4-1) ブロック共
重合体について例示した化合物を挙げることができる。
(4-3) ブロック共重合体のMnは、通常、5万〜70
万、好ましくは10万〜60万である。この場合、Mn
が5万未満では、水添共役ジエン系重合体の機械的強
度、耐熱性、流動性、加工性等が低下する傾向があり、
一方70万を超えると、水添共役ジエン系重合体の流動
性、加工性、柔軟性等が低下する傾向がある。また、(4
-3) 水添共役ジエン系重合体における水素添加率は、8
0%以上であるが、好ましくは90%以上、さらに好ま
しくは95〜100%である。この場合、水素添加率が
80%未満では、エラストマー組成物の熱安定性や耐久
性が低下する。前記(4-3) 水添共役ジエン系重合体の製
造方法は、例えば特開平3−1289576号公報に記
載されている。
【0013】さらに、前記(4-1) 〜(4-3) の水添共役ジ
エン系重合体は、適宜の官能基を有することもできる。
このような官能基としては、例えばカルボキシル基、酸
無水物基、水酸基、エポキシ基、ハロゲン原子、アミノ
基、イソシアネート基、スルホニル基、スルホネート基
等を挙げることができる。水添共役ジエン系重合体に前
記官能基を導入する方法としては、例えば(i)水素添
加前の共役ジエン系重合体の製造時に、モノマーとして
前記官能基を有する少なくとも1種の共役ジエンあるい
はビニル芳香族化合物を用い、該官能基を保護して
(共)重合を行なって共役ジエン系重合体を得たのち、
保護基を脱離して、所定の官能基に変換する方法、(i
i) 水素添加前の共役ジエン系重合体または水添共役ジ
エン系重合体に、前記官能基を有する少なくとも1種の
不飽和モノマーをグラフト重合させ、その後必要に応じ
て水素添加する方法、(iii)水添共役ジエン系重合体と
前記官能基を有する少なくとも1種の不飽和モノマーと
を、有機過酸化物、アゾ化合物等のラジカル触媒の存在
下または非存在下で、ニーダー、ミキサー、押出機等に
より混練して、官能基を付加させる方法等を挙げること
ができる。これらの方法は、いずれも効率的に官能基を
導入することができるが、工業的には前記(iii) の方法
が簡便で、有利である。前記(iii) の方法に使用される
官能基含有不飽和モノマーとしては、例えば(メタ)ア
クリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、けい
皮酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、
アリルグリシジルエーテル、クロロエチル(メタ)アク
リレート、クロロプロピル(メタ)アクリレート、ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができ
る。官能基を含有する(4)水添共役ジエン系重合体中
の該官能基の含有量は、水添共役ジエン系重合体に対し
て、通常、0.01〜10モル%、好ましくは0.1〜
8モル%、さらに好ましくは0.15〜5モル%であ
る。第2発明において、水添共役ジエン系重合体は、単
独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0014】(5)鉱物油系軟化剤 さらに、第1発明および第2発明において使用される鉱
物油系軟化剤としては、例えばアロマティック油、ナフ
テニック油、パラフィン油等を挙げることができる。こ
れらの軟化剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用
することができる。第1発明および第2発明において
は、鉱物油系軟化剤を配合することにより、エラストマ
ー組成物の加工性、柔軟性等をさらに改善することがで
きる。第1発明および第2発明において、鉱物油系軟化
剤を配合する方法としては、予め(1)オレフィン系共
重合ゴムに配合しておく方法、エラストマー組成物の調
製段階で配合する方法のいずれでもよく、また両者の方
法を併用してもよい。
【0015】エラストマー組成物の配合組成 第1発明における前記各成分の配合量は、(1)オレフ
ィン系共重合ゴム、(2)オレフィン系結晶性重合体お
よび/またはエチレン系重合体、(3)オレフィン系非
晶質重合体の合計量を100重量%としたとき、(1)
オレフィン系共重合ゴムが5〜90重量%、好ましくは
15〜80重量%、さらに好ましくは25〜75重量%
である。また、(2)オレフィン系結晶性重合体および
/またはエチレン系重合体が5〜90重量%、好ましく
は10〜70重量%、さらに好ましくは15〜65重量
%である。また、(3)オレフィン系非晶質重合体が1
〜50重量%、好ましくは3〜40重量%である。第1
発明において、オレフィン系共重合ゴムの配合量が5重
量%未満では、エラストマー組成物のゴム弾性、柔軟性
等が低下し、一方90重量%を超えると、エラストマー
組成物の加工性、機械的強度等が低下する。また、オレ
フィン系結晶性重合体および/またはエチレン系重合体
の配合量が5重量%未満では、エラストマー組成物の耐
熱性、機械的強度等がが低下し、一方90重量%を超え
ると、エラストマー組成物の加工性、柔軟性等が低下す
る。また、オレフィン系非晶質重合体の配合量が1重量
%未満では、第1発明の特徴である射出融着性が損なわ
れ、一方50重量%を超えると、エラストマー組成物の
機械的強度が低下し、粘着性も過大となる。さらに、第
1発明における(5)鉱物油系軟化剤の配合量は、
(1)オレフィン系共重合ゴム100重量部当たり、0
〜300重量部、好ましくは50〜250重量部、さら
に好ましくは50〜100重量部である。この場合、鉱
物油系軟化剤の配合量が300重量部を超えると、オレ
フィン系結晶性重合体、エチレン系重合体あるいはオレ
フィン系非晶質重合体との混練時に分散不良を来すおそ
れがある。
【0016】また、第2発明における前記各成分の配合
量は、(1)オレフィン系共重合ゴム、(2)オレフィ
ン系結晶性重合体および/またはエチレン系重合体、
(3)オレフィン系非晶質重合体および(4)水添共役
ジエン系重合体の合計量を100重量%としたとき、
(1)オレフィン系共重合ゴムが5〜85重量%、好ま
しくは10〜75重量%、さらに好ましくは15〜75
重量%である。また、(2)オレフィン系結晶質重合体
および/またはエチレン系重合体が5〜80重量%、好
ましくは8〜70重量%である。また、(3)オレフィ
ン系非晶質重合体が1〜50重量%、好ましくは3〜4
0重量%である。また、(4)水添共役ジエン系重合体
が1〜80重量%、好ましくは5〜70重量%である。
第2発明において、オレフィン系共重合ゴムの配合量が
5重量%未満では、エラストマー組成物のゴム弾性、柔
軟性等が低下し、一方85重量%を超えると、エラスト
マー組成物の加工性、機械的強度等が低下する。また、
オレフィン系結晶性重合体および/またはエチレン系重
合体の配合量が5重量%未満では、エラストマー組成物
の耐熱性、機械的強度等が低下し、一方80重量%を超
えると、エラストマー組成物の加工性、柔軟性等が低下
する。また、オレフィン系非晶質重合体の配合量が1重
量%未満では、第1発明の特徴である射出融着性が損な
われ、一方50重量%を超えると、エラストマー組成物
の機械的強度が低下し、粘着性も過大となる。また、水
添共役ジエン系重合体の配合量が1重量%未満では、エ
ラストマー組成物の機械的強度、柔軟性等が損なわれ
る。さらに、第2発明における(5)鉱物油系軟化剤の
配合量は、(1)オレフィン系共重合ゴム100重量部
当たり、0〜300重量部、好ましくは50〜250重
量部、さらに好ましくは50〜100重量部である。こ
の場合、鉱物油系軟化剤の配合量が300重量部を超え
ると、オレフィン系結晶性重合体、エチレン系重合体あ
るいはオレフィン系非晶質重合体との混練時に分散不良
を来すおそれがある。
【0017】エラストマー組成物の調製 第1発明および第2発明のエラストマー組成物の調製
は、各成分が良好に分散される限り、如何なる方法によ
っても実施することができ、特に限定されるものではな
いが、通常、例えばロールミル、バンバリーミキサー、
加圧ニーダー等の密閉型混練機や、一軸押出機、二軸押
出機等を用いて実施される。エラストマー組成物の調製
時の混練温度は、配合されるオレフィン系結晶性重合
体、エチレン系重合体および水添共役ジエン系重合体が
いずれも溶融する温度であり、通常、120〜280℃
の範囲にある。さらに、第1発明および第2発明のエラ
ストマー組成物には、用途に応じて、射出融着性、機械
的強度、柔軟性、加工性等を阻害しない範囲の量で、ガ
ラス繊維、炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、ガラス
ビーズ、ガラスフレーク、マイカ、炭酸カルシウム、チ
タン酸カリウムウイスカー、タルク、硫酸バリウム、シ
リカ、フッ素樹脂等の補強材ないし充填材や、酸化チタ
ン、カーボンブラック等の着色剤のほか、酸化防止剤、
帯電防止剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、熱安定剤、滑
剤、離型剤ないしブロッキング防止剤、シール性改良
剤、結晶核剤、難燃剤、防菌・防かび剤、粘着付与剤、
鉱物油系軟化剤以外の軟化剤、可塑剤、発泡剤等の他の
添加剤を配合することができる。また、前記成分(1)
〜(5)以外の重合体、例えば天然ゴム、イソプレンゴ
ム、ブタジエンゴム、スチレン/ブタジエンゴム、アク
リロニトリル/ブタジエンゴム、イソブチレン/イソプ
レンゴム、アクリルゴム等のゴム質重合体や、各種熱可
塑性樹脂等を適量配合することもできる。これらの他の
添加剤は、エラストマー組成物を調製する任意の段階で
配合することができ、またエラストマー組成物からガス
ケット等の工業製品を成形する段階で配合してもよい。エラストマー組成物の用途 第1発明および第2発明のエラストマー組成物は、加硫
ゴムや、熱可塑性エラストマー、樹脂等の非加硫材料を
含む如何なる被着体に対しても、優れた射出融着性を示
すものである。被着体に使用される材料のうち、加硫ゴ
ムとしては、例えばエチレン/プロピレンゴム、エチレ
ン/プロピレン/非共役ジエンゴム、エチレン/1−ブ
テンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴ
ム、クロロプレンゴム、スチレン/ブタジエンゴム、ス
チレン/イソプレンゴム、アクリロニトリル/ブタジエ
ンゴム、イソブチレン/イソプレンゴム、ハロゲン化イ
ソブチレン/イソプレン共重合ゴム、アクリルゴム、シ
リコ−ンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、1,2−ポ
リブタジエン等を挙げることができる。これらの加硫ゴ
ムは、硫黄加硫、過酸化物架橋、キノイド架橋、樹脂架
橋、金属架橋等の適宜の方法により加硫・架橋されう
る。また、熱可塑性エラストマーとしては、例えばスチ
レン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体、スチレ
ン/エチレン・1−ブテン/スチレンブロック共重合
体、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合
体、スチレン/エチレン・プロピレン/スチレンブロッ
ク共重合体、水添ポリブタジエン等の(共)重合体や、
エチレン/プロピレン/非共役ジエンゴムとポリプロピ
レンとの動的架橋体に代表されるゴム/樹脂ブレンド物
等を挙げることができる。また、樹脂としては、例えば
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/ビニルアル
コール共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合
体、エチレン/メチル(メタ)アクリレート共重合体、
ポリ−1−ブテン、ポリスチレン、耐衝撃性スチレン系
樹脂、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン
/(メタ)アクリレート共重合体、ポリメチルメタクリ
レート、耐衝撃性メチルメタクリレート系樹脂等を挙げ
ることができる。さらに、前記被着体は、化学発泡、物
理発泡等による発泡体として用いることもできる。
【0018】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて、本発明
をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、その要旨
を越えない限り、これらの実施例に何ら限定されるもの
ではない。 〔配合成分〕実施例および比較例で用いた各成分は、下
記のとおりである。オレフィン系共重合ゴム EP-1:エチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノ
ルボルネン共重合ゴム(ゴム100重量部当り75重量
部のパラフィン系油を含有する(パラフィン系油含有率
=42.9重量%)。商品名EP98A 、日本合成ゴム
(株)製)。 EP-2:エチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノ
ルボルネン共重合ゴム(商品名EP181SP 、日本合成ゴム
(株)製)。 EP-3:エチレン/プロピレン共重合ゴム(商品名EP07P
、日本合成ゴム(株)製) EBM :エチレン/1−ブテン共重合ゴム(商品名EBM202
1 、日本合成ゴム(株)製)オレフィン系結晶性重合体 PP-1:プロピレン/エチレンブロック共重合体(商品名
BC03GS、三菱化学(株)製) PP-2:プロピレン/エチレンランダム共重合体(商品名
FL25R 、三菱化学(株)製) PP-3:ポリプロピレン(商品名MA4 、三菱化学(株)
製)エチレン系重合体 PE-1:低密度ポリエチレン(商品名YK30、三菱化学
(株)製) PE-2:線状低密度ポリエチレン(商品名UF423 、三菱化
学(株)製) PE-3:高密度ポリエチレン(商品名JX20、三菱化学
(株)製)水添共役ジエン系重合体 AB :ブロック配列A−B(Aはポリスチレンブロッ
ク、Bはブタジエン単位のビニル結合含量が80%のス
チレン/ブタジエンランダム共重合体ブロック)を有
し、スチレンの合計含有量が10重量%、ブロックAの
含有量が6重量%、Mnが300,000の水添共役ジ
エン系重合体。 DEF :ブロック配列D−E−F(Dはポリスチレンブロ
ック、Eはビニル結合含量が39%のポリブタジエンブ
ロック、Fはビニル結合含量が15%のポリブタジエン
ブロック)を有し、Mnが150,000の水添共役ジ
エン系重合体。 GHG :ブロック配列G−H−G(Gはビニル結合含量が
15%のポリブタジエンブロック、Hはビニル結合含量
が35%のポリブタジエンブロック)を有し、Mnが3
00,000の水添共役ジエン系重合体。 SEBS:スチレン/エチレン・1−ブテン/スチレンブロ
ック共重合体(商品名Krayton G 1671、シェル社製) SEPS:スチレン/エチレン・プロピレン/スチレンブロ
ック共重合体(商品名SEPTON、(株)クラレ製)オレフィン系非晶質重合体 AP-1:プロピレン/エチレン非晶質共重合体(溶融粘度
8,500cps、密度0.86g/cm3 ;商品名UB
ETAC APAO UT2385、宇部レキセン(株)製) AP-2:プロピレン/1−ブテン非晶質共重合体(溶融粘
度8,000cps、密度0.87g/cm3 ;商品名
UBETAC APAO UT2780、宇部レキセン(株)製) AP-3:アタクチックポリプロピレン(溶融粘度8,00
0cps、密度0.86g/cm3 ;商品名UBETAC APA
O UT2180、宇部レキセン(株)製) AP-4:プロピレン/エチレン非晶質共重合体(溶融粘度
400cps、密度0.86g/cm3 ;商品名UBETAC
APAO UT2304、宇部レキセン(株)製) AP-5:アタクチックポリプロピレン(溶融粘度10,0
00cps、密度0.88g/cm3 ;商品名E-4 、三
菱化学(株)製)他の重合体 PB-1 :プロピレン/1−ブテン共重合体(溶融粘度
6,000,000cps、密度0.89g/cm3
商品名タフマ−XR 110T 、三井石油化学工業(株)製) PB-2 :1−ブテン/α−オレフィン共重合体(溶融粘
度300,000cps、密度0.90g/cm3 ;商
品名ポリブテンM2481 、三井石油化学工業(株)製) IIR :イソブチレン/イソプレン共重合体(溶融粘度
5,000,000cps、密度0.92g/cm3
商品名Butyl 065 、日本合成ゴム(株)製) EVA-1 :エチレン/酢酸ビニル共重合体(溶融粘度2
3,000cps、密度0.94g/cm3 ;商品名EV
AFLEX410、三井・デュポンポリケミカル社製)鉱物油系軟化剤 パラフィン系油(商品名PW-90 、出光興産(株)製)
【0019】〔被着体〕加硫ゴム被着体 加硫ゴム被着体は、下記のようにして作製した。エチレ
ン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン三
元共重合体(エチレン含有量63重量%、プロピレン含
有量37重量%、ムーニー粘度(ML1+8,120 ℃) 92、
よう素価15;商品名EP 103A 、日本合成ゴム(株)
製)100重量部に対して、 カーボンブラック(商品名シースト116 、東海電極(株)製) ・・・145重量部、 パラフィン系オイル(商品名PW380 、出光興産(株)製) ・・・・85重量部、 活性亜鉛華(堺化学工業(株)製) ・・・・・5重量部、 ステアリン酸(旭電化工業(株)製) ・・・・・1重量部、 加工助剤(商品名ヒタノール1501、日立化成工業(株)製) ・・・・・1重量部、 離型剤(商品名ストラクトールWB212 、シル・アンド・ザイラハー社製) ・・・・・2重量部、 ポリエチレングリコール(可塑剤) ・・・・・1重量部 を添加し、バンバリーミキサーを用いて、50℃、70
rpm、混練時間2.5分の条件で混練した。次いで、 脱水剤(商品名ベスタPP、井上石灰工業(株)製) ・・・・10重量部、 加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製) ノクセラーM ・・・・・1重量部、 ノクセラーPX ・・・・・1重量部、 ノクセラーTT ・・・・・0.5重量部 ノクセラーD ・・・・・1重量部、 硫黄 ・・・・・2.2重量部 を添加して、オープンロールを用い、50℃で混練し
た。その後、170℃で10分間加硫して、厚さ2mm
の加硫ゴムシートを作製した。このシートを、ダンベル
カッターで60×50mm角に打ち抜いて、被着体とし
た。
【0020】非加硫被着体 非加硫被着体として、表31〜表35の (*1) 〜 (*15)
に示すエラストマー組成物または下記に示す材料を用い
て作製した被着体を使用した。 TPO-1 :動的架橋型熱可塑性エラストマー(商品名ミラ
ストマー7030N 、三井石油化学工業(株)製) TPO-2 :動的架橋型熱可塑性エラストマー(商品名サン
トプレン101-73、エー・イー・エス・ジャパン社製) SEBS :スチレン/エチレン・1−ブテン/スチレンブ
ロック共重合体(商品名Krayton G 1671、シェル社製) SEPS :スチレン/エチレン・プロピレン/スチレンブ
ロック共重合体(商品名SEPTON、(株)クラレ製) TR :スチレン/ブタジエンブロック共重合体(商品
名TR2825、日本合成ゴム(株)製) SIS :スチレン/イソプレンブロック共重合体(商品
名SIS5000P、日本合成ゴム(株)製) RB :1,2−ポリブタジエン(商品名RB810 、日本
合成ゴム(株)製) EVA-2 :エチレン/酢酸ビニル共重合体(商品名LV670
、三菱化学(株)製) PE-2 :線状低密度ポリエチレン(商品名UF423 、三菱
化学(株)製) PE-3 :高密度ポリエチレン(商品名JX20、三菱化学
(株)製) PP-4 :プロピレン/エチレンランダム共重合体(商品
名SPX9430 、三菱化学(株)製)
【0021】〔評価試験〕実施例および比較例における
評価試験は、下記の方法で行なった。JIS A硬度 エラストマー組成物の成形部分について、JIS K6
301に準拠し、A型スプリング式硬さ試験機を用いて
測定した。融着試験 引張試験 JIS2号ダンベルカッターを用い、各エラストマー組
成物と被着体との継ぎ目部が中央に位置するように打ち
抜いた試験片を、引張速度500mm/分で引張り、エ
ラストマー組成物と被着体との接着強度および破断伸び
を、JIS K6301に準拠して測定した。 折り曲げ試験 エラストマー組成物と被着体との継ぎ目部を起点とし
て、角度180°に折り曲げたときの剥離状態を、目視
にて観察し、次の評価基準で評価した。 ○ : 剥離せず. △ : 一部剥離する. × : 剥離して破断に到る.
【0022】実施例1〜193および比較例1〜139 表1〜表35に示す配合組成(部は重量に基づく。)の
エラストマー組成物を、下記の手順により調製した。予
め150℃に加熱した密閉型ニーダー(容量3リット
ル、(株)森山製作所製)に各成分を装荷し、溶融開始
後5分間混練した。得られた組成物を、フィーダールー
ダー((株)森山製作所製)によりペレット化した。こ
のペレットを用い、予め割型内に被着体(60×50×
2mm)を貼り付けておいた射出成形機(商品名N-100
、日本製鋼(株)製)により射出成形を行って、エラ
ストマー組成物と被着体とが融着した角板(120×1
00×2mm)を作製した。この角板について評価試験
を行った。評価結果を、表1〜表6(第1発明の実施例
1〜57、加硫ゴム被着体を使用。)、表7〜表10
(第1発明の比較例1〜35、加硫ゴム被着体を使
用。)、表11〜表21(第2発明の実施例58〜16
5、加硫ゴム被着体を使用。)、表22〜表30(第2
発明の比較例36〜124、加硫ゴム被着体を使
用。)、表31(第1発明の実施例166〜173、非
加硫被着体を使用。)、表32(第1発明の比較例12
5〜130、非加硫被着体を使用。)、表33〜表34
(第2発明の実施例174〜193、非加硫被着体を使
用。)、および表35(第2発明の比較例131〜13
9、非加硫被着体を使用。)に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
【表5】
【0028】
【表6】
【0029】
【表7】
【0030】
【表8】
【0031】
【表9】
【0032】
【表10】
【0033】表1〜表6に示す第1発明のエラストマー
組成物は、広い硬度範囲において、加硫ゴム被着体との
接着強度および破断伸びが優れ、かつ折曲げにより剥離
や破断を生じることがない。これに対して、表7〜表1
0の比較例うち、オレフィン系非晶質重合体を含有しな
い場合は、接着強度および破断伸びが劣り、かつ折曲げ
により剥離や破断を生じる。また、オレフィン系非晶質
重合体の配合量が第1発明の範囲外である場合は、材料
自体の機械的強度が低く、折曲げにより剥離や破断を生
じる。
【0034】
【表11】
【0035】
【表12】
【0036】
【表13】
【0037】
【表14】
【0038】
【表15】
【0039】
【表16】
【0040】
【表17】
【0041】
【表18】
【0042】
【表19】
【0043】
【表20】
【0044】
【表21】
【0045】
【表22】
【0046】
【表23】
【0047】
【表24】
【0048】
【表25】
【0049】
【表26】
【0050】
【表27】
【0051】
【表28】
【0052】
【表29】
【0053】
【表30】
【0054】表11〜表21に示す第2発明のエラスト
マー組成物は、広い硬度範囲において、加硫ゴム被着体
との接着強度および破断伸びが優れ、かつ折曲げにより
剥離や破断を生じることがない。これに対して、表22
〜表30の比較例のうち、オレフィン系非晶質重合体を
含有しない場合は、接着強度および破断伸びが劣り、か
つ折曲げにより剥離や破断を生じる。また、オレフィン
系非晶質重合体の配合量が第2発明の範囲外である場合
は、材料自体の機械的強度が低く、折曲げにより材料の
破断を生じる。
【0055】
【表31】 (*1) 比較例1のエラストマー組成物. (*2) 比較例11のエラストマー組成物. (*3) 実施例3のエラストマー組成物. (*4) 実施例20のエラストマー組成物.
【0056】
【表32】 (*5) 比較例3のエラストマー組成物. (*6) 比較例11のエラストマー組成物.
【0057】表31に示す第1発明のエラストマー組成
物は、各種の非加硫被着体に対しても優れた接着強度を
示し、破断伸びが高く、かつ折曲げにより剥離や破断を
生じることがない。これに対して、表32の比較例は、
オレフィン系非晶質重合体を含有しないため、接着強度
および破断伸びが劣り、かつ折曲げにより材料の破断を
生じる。
【0058】
【表33】 (*7) 比較例35のエラストマー組成物. (*8) 比較例51のエラストマー組成物. (*9) 比較例67のエラストマー組成物.
【0059】
【表34】 (*10)実施例55のエラストマー組成物. (*11)実施例65のエラストマー組成物. (*12)比較例73のエラストマー組成物.
【0060】
【表35】 (*13)比較例35のエラストマー組成物. (*14)比較例51のエラストマー組成物. (*15)比較例67のエラストマー組成物.
【0061】表33〜表34に示す第2発明のエラスト
マー組成物は、各種の非加硫被着体に対しても優れた接
着強度を示し、破断伸びが高く、かつ折曲げにより剥離
や破断を生じることがない。これに対して、表35の比
較例は、オレフィン系非晶質重合体を含有しないため、
接着強度および破断伸びが劣り、かつ折曲げにより材料
の破断を生じる。
【0062】
【発明の効果】本発明の熱可塑性エラストマー組成物
は、オレフィン系加硫ゴム、およびオレフィン系非加硫
ゴムを含む各種の非加硫被着体に対して、優れた射出融
着性を示す。しかも本組成物は、優れたエラストマー特
性と熱可塑性特性とを有し、熱可塑性樹脂の通常の成形
法、例えば射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成形、
真空成形、積層成形、カレンダー成形等により、有用な
成形品に容易に加工することができ、かつ発泡、延伸、
接着、印刷、塗装、メッキ等の二次加工も容易に実施す
ることができる。したがって、本発明の熱可塑性エラス
トマー組成物は、特に射出融着部を有する様々の複合加
工品のほか、一般の加工品にも幅広く利用することがで
き、例えば自動車のバンパー、外装用モール、ウインド
シール用ガスケット、ドアシール用ガスケット、トラン
クシール用ガスケット、ルーフサイドレール、エンブレ
ム、内外装表皮材等のほか、航空機・船舶用のシール材
あるいは内外装表皮材等、土木・建築用のシール材、内
外装表皮材あるいは防水シート材等、一般機械・装置用
のシール材等、弱電部品のパッキンあるいはハウジング
等、日用雑貨品、スポーツ用品等に極めて好適に使用す
ることができる。
フロントページの続き (72)発明者 鴨志田 洋一 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)オレフィン系共重合ゴム5〜90
    重量%、(2)炭素数3以上のα−オレフィンを主成分
    とする結晶性重合体および/またはエチレンを主成分と
    する重合体5〜90重量%、(3)190℃における溶
    融粘度が50,000cps以下のα−オレフィン系非
    晶質重合体1〜50重量%(但し、(1)+(2)+
    (3)=100重量%)、並びに(5)成分(1)10
    0重量部当り0〜300重量部の鉱物油系軟化剤からな
    ることを特徴とする射出融着性に優れた熱可塑性エラス
    トマー組成物。
  2. 【請求項2】 (1)オレフィン系共重合ゴム5〜85
    重量%、(2)炭素数3以上のα−オレフィンを主成分
    とする結晶性重合体および/またはエチレンを主成分と
    する重合体5〜80重量%、(3)190℃における溶
    融粘度が50,000cps以下のα−オレフィン系非
    晶質重合体1〜50重量%、(4)水添共役ジエン系重
    合体1〜80重量%(但し、(1)+(2)+(3)+
    (4)=100重量%)、並びに(5)成分(1)10
    0重量部当り0〜300重量部の鉱物油系軟化剤からな
    ることを特徴とする射出融着性に優れた熱可塑性エラス
    トマー組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6632541B2 (en) 1998-02-10 2003-10-14 Sumitomo Chemical Company, Limited Olefin-based copolymer composition
WO2006013902A1 (ja) * 2004-08-04 2006-02-09 Jsr Corporation 複合部材及びその製造方法
JP2010229380A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Toyo Adl Corp ポリオレフィン系樹脂組成物及びその成形体
WO2022064869A1 (ja) * 2020-09-23 2022-03-31 Mcppイノベーション合同会社 熱可塑性エラストマー組成物及び複合成形体

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WO2022064869A1 (ja) * 2020-09-23 2022-03-31 Mcppイノベーション合同会社 熱可塑性エラストマー組成物及び複合成形体

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