JP2000169644A - 熱可塑性エラストマー組成物並びにこれを用いた成形体及び配管用継ぎ手 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物並びにこれを用いた成形体及び配管用継ぎ手

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JP2000169644A
JP2000169644A JP34601998A JP34601998A JP2000169644A JP 2000169644 A JP2000169644 A JP 2000169644A JP 34601998 A JP34601998 A JP 34601998A JP 34601998 A JP34601998 A JP 34601998A JP 2000169644 A JP2000169644 A JP 2000169644A
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rubber
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JP34601998A
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Hiroshi Tajima
啓 田島
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形体の良好な耐候性と短い架橋時間とを維
持しつつ、しかも接触する金属を腐食させにくい熱可塑
性エラストマー組成物並びにこれを用いた成形体及び配
管用継ぎ手を提供する。 【解決手段】 EPDMが50重量%以上含まれるゴム
100重量部を、ハロゲン化されていない合成樹脂を主
成分とする樹脂架橋剤と、0.01重量部以上10重量
部以下のアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩とを用
いて動的架橋して、熱可塑性ポリマー中に分散させる。
熱可塑性ポリマーとして、オレフィン系樹脂、水素添加
スチレン系熱可塑性エラストマー及びこれらの混合物を
用いる。ゴムと熱可塑性ポリマーとの重量比(ゴム:熱
可塑性ポリマー)を、20:80〜90:10の範囲と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば配管用継ぎ
手、OA機器のゴム部品、電気・電子部品、電線被覆
材、パッキン、シール用ガスケット、防水シート、ホー
ス等の、金属と接触して使用される用途に用いられる熱
可塑性エラストマー組成物と、この熱可塑性エラストマ
ー組成物を用いた成形体及び配管用継ぎ手とに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】例えば配管用継ぎ手には、弾性、柔軟
性、耐圧縮性、漏水防止性等を良好とする目的で、動的
架橋されたゴムを熱可塑性ポリマーのマトリックス中に
分散させた熱可塑性エラストマー組成物が用いられるこ
とがある。そして、配管用継ぎ手には耐候性が要求され
ることから、分散ゴムとして、主鎖が化学的に安定な飽
和炭化水素からできており、分子主鎖切断による劣化が
生じにくいEPDMが好んで用いられている。
【0003】通常、ゴムを架橋する場合は硫黄が用いら
れることが多いが、EPDMは前述のように主鎖が飽和
炭化水素からできており、二重結合はジエン成分である
DCPD(ジシクロペンタジエン)、1,4−HD
(1,4−ヘキサジエン)、ENB(エチリデンノルボ
ルネン)等の第三成分にしか存在しないので、これを硫
黄で架橋しても架橋反応が進行しにくく、架橋時間が長
時間となってしまう。架橋時間を短縮するため、スルフ
ェンアミド系、チウラム系、チアゾール系、グアニジン
系等の加硫促進剤を併用して、加硫速度の向上が図られ
ている。しかしながら、これら加硫促進剤は一般的に極
性が大きく、一方EPDMは極性が小さいため、加硫後
の配管用継ぎ手中に存在する加硫促進剤の反応生成物や
未反応の残存加硫促進剤が表面にブルーミングしてしま
うという不都合がある。
【0004】ゴムを動的架橋する他の手段として、樹脂
架橋剤による架橋方法が提案されている。特に、ハロゲ
ン化された樹脂架橋剤を用いたり、金属ハライドを触媒
として用いることによって反応速度を高めた架橋方法
が、例えば特公昭58−46138号公報等に開示され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ハロゲ
ン化された樹脂架橋剤を用いたり、金属ハライドを触媒
として用いると、熱可塑性エラストマー組成物中にハロ
ゲンが存在することとなり、この熱可塑性エラストマー
組成物を用いた配管用継ぎ手等の成形体を金属と接触す
る用途に用いると、ハロゲンが金属を腐食させてしまう
という問題がある。硫酸鉛、酸化マグネシウム等の受酸
剤を配合して腐食を抑える手段も考えられるが、ハロゲ
ンを取り込んだ受酸剤は成形体が最終的に廃棄される際
にダイオキシン等の有害物の発生原因となる可能性があ
るので、環境保護上好ましいことではない。
【0006】本発明はこの問題に鑑みてなされたもので
あり、成形体の良好な耐候性と短い架橋時間とを維持し
つつ、しかも接触する金属を腐食させにくい熱可塑性エ
ラストマー組成物並びにこれを用いた成形体及び配管用
継ぎ手を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ため、本発明は、EPDMが50重量%以上含まれるゴ
ム100重量部を、ハロゲン化されていない合成樹脂を
主成分とする樹脂架橋剤と、0.01重量部以上10重
量部以下のアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩とを
用いて動的架橋して、熱可塑性ポリマー中に分散させた
熱可塑性エラストマー組成物を提供している。
【0008】本発明では、主要ゴムとしてEPDMを用
いている。EPDMは主鎖が飽和炭化水素からなり、主
鎖に二重結合を含まない。このため、高濃度オゾン雰囲
気、光線照射等の環境下に長時間曝されても、分子主鎖
切断が起こりにくい。従って、成形体の耐候性を高める
ことができる。EPDMには、ゴム成分のみからなる非
油展タイプのEPDMとゴム成分とともに伸展油を含む
油展タイプのEPDMとが存在するが、本熱可塑性エラ
ストマー組成物ではいずれのタイプのものでも用いるこ
とができる。
【0009】この熱可塑性エラストマー組成物では、E
PDMの持つ良好な耐候性を充分発現させるため、全ゴ
ム中EPDMの占める率を50重量%以上としている。
全ゴム中EPDMの占める率は、80重量%以上が好ま
しい。耐候性の観点からは全ゴム中EPDMの占める率
は高いほど好ましいので、本発明ではこの上限値は特に
は規定していない。なお、油展タイプのEPDMを用い
る場合、伸展油を除いたゴム成分が全ゴム中に占める率
を50重量%以上(好ましくは80重量%以上)とする
必要がある。
【0010】この熱可塑性エラストマー組成物では、加
工性向上、強度向上、コスト低減等の目的で、EPDM
に他のゴムがブレンドされてもよい。ブレンドされるゴ
ムとしては、例えば天然ゴム、ブタジエンゴム、ブチル
ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロ
ロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ア
クリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン等が挙げら
れ、これら2種以上とEPDMとがブレンドされてもよ
い。
【0011】本発明の熱可塑性エラストマー組成物で
は、ハロゲン化されていない合成樹脂を主成分とする樹
脂架橋剤にてゴムを動的架橋している。樹脂架橋剤と
は、加熱等することにより架橋反応を起こす合成樹脂の
ことである。また、樹脂架橋剤にてゴムを動的架橋して
いるため硫黄及び加硫促進剤を用いる必要がなく、成形
体のブルーミングが抑制される。
【0012】好適に用いられる樹脂架橋剤としては、フ
ェノール樹脂が挙げられる。フェノール樹脂はフェノー
ル類とアルデヒド類との付加反応及び縮合反応の2段階
反応で得られるものであり、この2成分が均一に共重合
した重合体である。このため、分子量、反応性等の均一
性に優れ、これを配合した熱可塑性エラストマー組成物
から得られる成形体の物性を一定化させることができ
る。フェノール樹脂の具体例としては、フェノール、ア
ルキルフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾル
シン等のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトア
ルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類との反応によ
り合成した各種フェノール樹脂を用いることができる。
特に、ベンゼンのオルト位又はパラ位にアルキル基が結
合したアルキルフェノールと、ホルムアルデヒドとの反
応によって得られるアルキルフェノール・ホルムアルデ
ヒド樹脂が、EPDMとの相溶性に優れるとともに反応
性に富んで架橋反応開始時間が比較的短いので好まし
い。アルキルフェノール・ホルムアルデヒドのアルキル
基は、通常、炭素数が1から10のアルキル基であり、
具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基を挙げることができる。
【0013】また、硫化−p−第三ブチルフェノールと
アルデヒド類とを付加縮合させた変性アルキルフェノー
ル樹脂や、アルキルフェノール・スルフィド樹脂も本発
明の樹脂架橋剤として使用可能である。さらに、メラミ
ン・ホルムアルデヒド縮合物、トリアジン・ホルムアル
デヒド縮合物、ヘキサメトキシメチル・メラミン樹脂等
のフェノール樹脂以外の樹脂架橋剤も用いることができ
る。
【0014】この熱可塑性エラストマー組成物では、ハ
ロゲン化された合成樹脂(例えばフェノール樹脂の末端
にハロゲン原子が結合したハロゲン化フェノール樹脂
等)は用いられないか、用いられるとしても少量とされ
る。これにより熱可塑性エラストマー組成物中に存在す
るハロゲンの量を抑えることができ、ハロゲンの作用に
よる金属腐食を防止することができる。従って、この熱
可塑性エラストマー組成物は、その成形体が金属と接触
する用途(例えば配管用継ぎ手等)に用いられる場合に
好適である。事情により樹脂架橋剤としてハロゲン化さ
れた合成樹脂を用いる場合でも、ハロゲン化されていな
い合成樹脂を主成分とする必要がある。具体的には、樹
脂架橋剤中に占めるハロゲン化されていない合成樹脂の
量を50重量%以上、特には80重量%以上とするのが
好ましい。なお、同様の理由により、この熱可塑性エラ
ストマー組成物では、動的架橋の際に触媒としての金属
ハライドをなるべく使用するべきではない。
【0015】樹脂架橋剤の配合量は、ゴム100重量部
に対して1重量部以上20重量部以下が好ましく、5重
量%以上15重量%以下が特に好ましい。樹脂架橋剤の
配合量が上記範囲未満であると、架橋不足が起こり、圧
縮永久歪、引張永久伸び等が悪くなってしまうことがあ
る。逆に、樹脂架橋剤の配合量が上記範囲を越えると、
過剰架橋となって硬度が上昇してしまうことがある。な
お、油展タイプのEPDMを用いる場合は、親展油を除
いたゴム成分100重量部に対し、上記範囲内の量の樹
脂架橋剤を配合すればよい。
【0016】本発明の熱可塑性エラストマー組成物で
は、アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩の存在下に
ゴムを動的架橋している。アルキルベンゼンスルホン酸
又はその塩を用いれば、スルホン酸基の架橋触媒作用に
より樹脂架橋剤による架橋反応が促進され、架橋時間を
短くすることができる。
【0017】アルキルベンゼンスルホン酸としては、例
えばメチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスル
ホン酸等が挙げられる。また、アルキルベンゼンスルホ
ン酸の塩としては、上記の各アルキルベンゼンスルホン
酸のナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。既知の
架橋触媒のなかで、アルキルベンゼンスルホン酸又はそ
の塩を用いるのは、架橋反応の活性化が良好という理由
からである。
【0018】アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩の
配合量は、ゴム100重量部に対して0.01重量部以
上10重量部以下とされる必要があり、特に0.1重量
%以上5重量%以下とされるのが好ましい。配合量が上
記範囲未満であると、架橋反応開始時間が遅くなり、加
工サイクルが長くなってしまうことがある。逆に、配合
量が上記範囲を越えると、架橋反応開始時間が早くなり
すぎ、微分散する前に架橋が終了し、架橋ゴムの熱可塑
性ポリマー中への分散不良を起こしてしまうことがあ
る。なお、油展タイプのEPDMを用いる場合は、伸展
油を除いたゴム成分100重量部に対し、上記範囲内の
量のアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩を配合すれ
ばよい。
【0019】この熱可塑性エラストマー組成物では、ゴ
ムを動的架橋して熱可塑性ポリマー中に分散させてい
る。動的架橋とは、熱可塑性ポリマーにゴム、架橋剤、
その他の各種添加剤を配合し、混練しつつ加熱して、ゴ
ムを架橋させる工程を意味する。動的架橋により架橋さ
れたゴムは微細粒子として熱可塑性ポリマー中に分散す
る。これにより、熱可塑性エラストマー組成物に、マト
リックスとなる熱可塑性ポリマーの特性に加えて架橋ゴ
ムの特性を付与することができ、熱可塑性エラストマー
組成物の弾性、耐圧縮性等を向上させることができる。
【0020】本発明において、マトリクスとなる熱可塑
性ポリマーとしては、オレフィン系樹脂又は水素添加ス
チレン系熱可塑性エラストマーが好ましく、これらが混
合されて用いられてもよい。オレフィン系樹脂と水素添
加スチレン系熱可塑性エラストマーとを混合する場合、
混合比を変えることによって得られる成形体の硬度等を
調整することができる。
【0021】オレフィン系樹脂は分子鎖が飽和状態であ
るので、動的架橋時に樹脂架橋剤によって架橋させてし
まうことがなく、動的架橋後の組成物に可塑性を付与す
ることができる。また、オレフィン系樹脂は可塑化温度
が比較的低温であるので、動的架橋時の温度を低温とす
ることができ、ゴムの熱劣化を最小限とすることができ
る。さらに、オレフィン系樹脂は一般的に安価で入手が
容易であるので、これを用いることにより熱可塑性エラ
ストマー組成物の製造コストを抑えることができる。
【0022】用いられるオレフィン系樹脂としては、例
えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンエチルア
クリレート樹脂、エチレンビニルアセテート樹脂、エチ
レン−メタクリル酸樹脂、アイオノマー樹脂等が挙げら
れ、これらの2種以上が混合されて用いられてもよい。
これらのなかでも、熱可塑性エラストマー組成物の加工
性をより向上させる観点から、「JIS K−676
0」に準拠して測定されるメルトフローレート(MF
R)の値が5.0以上、特には10.0以上のものが好
ましい。
【0023】この熱可塑性エラストマー組成物に用いら
れる水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーは、ポリ
スチレン末端ブロックとゴム中間ブロックとからなるブ
ロック共重合体を主成分としているもので、中間ブロッ
クが水素添加されているものである。水素添加により二
重結合をなくすことができ、動的架橋時に樹脂架橋剤に
よって架橋させてしまうのを防止することができる。従
って、動的架橋後の組成物に可塑性を付与することがで
きる。
【0024】用いられる水素添加スチレン系熱可塑性エ
ラストマーとしては、例えばスチレン−エチレン−スチ
レン共重合体、スチレン−エチレン/プロピレン−スチ
レン共重合体、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレ
ン共重合体等が挙げられる。また、これらの水素添加ス
チレン系熱可塑性エラストマーにあらかじめオレフィン
系樹脂、オイル等を配合してコンパウンドとして上市さ
れているものも、好適に用いることができる。
【0025】本発明において、分散されるゴムとマトリ
ックスである熱可塑性ポリマーとの重量比は、ゴム:熱
可塑性ポリマー=20:80〜90:10の範囲が好ま
しく、40:60〜90:10の範囲が特に好ましい。
重量比が上記範囲未満であると、得られる熱可塑性エラ
ストマー組成物にゴムの特性を充分付与することができ
ず、圧縮永久歪みが大きくなってしまうことがある。逆
に、重量比が上記範囲を超えると、動的架橋工程で混練
が困難となり、生成物に可塑性を持たせることができな
くなってしまうことがある。
【0026】本発明の熱可塑性エラストマー組成物を用
いて得られる成形体は、EPDMが用いられているので
耐候性に優れ、また動的架橋されたゴムが熱可塑性ポリ
マー中に分散されているので弾性、柔軟性、耐圧縮性等
に優れるものである。しかも、ハロゲン化されていない
合成樹脂を主成分とする樹脂架橋剤で架橋されているの
で、金属を腐食させにくいものである。従って、金属と
接触して用いられる用途に好適である。
【0027】本発明の熱可塑性エラストマー組成物から
得られる成形体の特に好適な例として、配管用継ぎ手が
挙げられる。配管用継ぎ手は金属製配管か塩化ビニル
管、コンクリート管等と接触して用いられるものであ
る。この配管用継ぎ手は内周に配管が挿入され、外周を
金属製結束バンド等で結束されて用いられるものである
が、本発明の熱可塑性エラストマー組成物で配管用継ぎ
手を成形すれば、金属製配管や金属製結束バンドの腐食
を抑えることができ、結束による圧縮応力がかかり続け
た場合でも永久歪みを起こしにくく、従って良好な漏水
防止性を維持し続けることができる。配管用継ぎ手では
この「圧縮永久歪みが小さいこと」という特性が特に重
要であるため、用いられる熱可塑性エラストマー組成物
中のゴムと熱可塑性ポリマーとの重量比を上記のよう
に、40:60〜90:10の範囲とするのが好まし
い。
【0028】本発明の熱可塑性エラストマー組成物に
は、オイル又は可塑剤からなる軟化剤が配合されるのが
好ましい。これにより、成形体を低硬度とすることがで
きる。配合されるオイルとしては、例えばパラフィン
系、ナフテン系、芳香族系等の鉱物油、炭化水素系オリ
ゴマーからなる合成油オイル等が挙げられる。また、配
合される可塑剤としては、ジオクチルフタレート、ジブ
チルフタレート、ジオクチルセパケート、ジオクチルア
ジペート等が挙げられる。なお、油展タイプのEPDM
を用いる場合は伸展油が軟化剤として作用するので、他
の軟化剤を配合する必要は特にはない。もちろん、油展
タイプのEPDMにさらに軟化剤を添加しても良い。
【0029】配合される軟化剤の量は、ゴム100重量
部に対して3重量部以上200重量部以下が好ましく、
10重量部以上150重量部以下が特に好ましい。軟化
剤の配合量が上記範囲未満であると、成形体の硬度を充
分低下させることができなくなってしまうことがある。
逆に、軟化剤の配合量が上記範囲を越えると、熱可塑性
エラストマー組成物の混練加工性が低下してしまうこと
がある。なお、油展タイプのEPDMを用いる場合、油
展された伸展油をも含めた軟化剤の量を、上記範囲内と
すればよい。この熱可塑性エラストマー組成物には、前
述の樹脂架橋剤、アルキルベンゼンスルホン酸又はその
塩、軟化剤等の他、補強剤、充填材、老化防止剤、着色
剤等の各種薬品が、必要に応じ適量配合されてもよい。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
を詳細に説明する。図1は、本発明の熱可塑性エラスト
マー組成物から成形された配管用継ぎ手が示された断面
図である。この配管用継ぎ手は、大径円筒部1、この大
径円筒部1よりも外径が大きな小径円筒部3及び大径円
筒部1と小径円筒部3とを連結する連結部5から構成さ
れている。この配管用継ぎ手は、例えば光ファイバーの
入った主配管を分岐させる箇所等に好適に用いられるも
のである。
【0031】大径円筒部1の外周面には環状の第一外側
凸部7が2つ形成されており、この2つの第一外側凸部
7の間は第一装着部9とされている。大径円筒部1の内
周面の、第一装着部9の裏側に相当する位置には、環状
の第一内側凸部11が5つ形成されている。大径円筒部
1には、主配管から分かれたコンクリート製のマンホー
ルの継手部分(図示されず)が挿入される。継手部分の
挿入後、金属製結束バンドが第一装着部9に巻き付けら
れる。この際、5つの第一内側凸部11が圧縮応力を受
けて変形しつつ、継手部分の外周面に押しつけられる。
この第一内側凸部11と継手部分の外周面との接触によ
り水密が達成され、この部分からの漏水が防止される。
【0032】小径円筒部3の外周面には環状の第二外側
凸部13が2つ形成されており、この2つの第二外側凸
部13の間は第二装着部15とされている。小径円筒部
3の内周面の、第二装着部15の裏側に相当する位置に
は、環状の第二内側凸部17が5つ形成されている。小
径円筒部3には、光ファイバーの入ったポリ塩化ビニル
製配管(図示されず)が挿入される。ポリ塩化ビニル製
配管の挿入後、金属製結束バンドが第二装着部15に巻
き付けられる。この際、5つの第二内側凸部17が圧縮
応力を受けて変形しつつ、ポリ塩化ビニル製配管の外周
面に押しつけられる。この第二内側凸部17とポリ塩化
ビニル製配管の外周面との接触により水密が達成され、
この部分からの漏水が防止される。
【0033】この配管用継ぎ手はハロゲン化されていな
い合成樹脂を主成分とする樹脂架橋剤で架橋された熱可
塑性エラストマー組成物から形成されているので、大径
円筒部1の内周面が長期間にわたり金属製の結束バンド
と接触しても、腐食させることがない。また、この配管
用継ぎ手は動的架橋されたゴムが熱可塑性ポリマー中に
分散された熱可塑性エラストマー組成物から形成されて
いるので、結束バンドによって第一内側凸部11及び第
二内側凸部17が圧縮応力を受け続けても永久歪みを起
こしにくく、長期に渡って水密が維持される。さらに、
この配管用継ぎ手は、EPDMが50重量%以上含まれ
るゴムが分散されているので耐候性に優れており、長期
間使用されても劣化することが少ない。
【0034】このような配管用継ぎ手を得るには、ま
ず、例えば2軸押出機等の混練機を用い、熱可塑性ポリ
マーにゴム、樹脂架橋剤、アルキルベンゼンスルホン酸
又はその塩、その他の各種添加剤等を配合して、溶融混
練する。混練によりゴムは架橋されるとともに、微細化
して熱可塑性ポリマー中に分散する。こうして得た熱可
塑性エラストマー組成物をペレット化し、これに例えば
射出成形、押出成形、圧縮成形等の既知の成形手段を施
し、配管用継ぎ手を成形する。
【0035】[実験1] (実施例1)50重量%のパラフィンオイルが油展され
たEPDM(出光ディエスエム社の商品名「ケルタン5
09×100」)を2軸1軸押出機(モリヤマ社の「2
TR−75」)を用いて押し出し、直径4mm、長さ4
mmの大きさにペレット化した。このペレット140重
量部(ゴム成分70重量部)と、p−メチルベンゼンス
ルホン酸(東京化成社)0.007重量部(ゴム100
重量部に対して0.01重量部)と、熱可塑性ポリマー
としてのポリプロピレン(日本ポリケム社の「ノバテッ
クPP MG05BS」)30重量部とをタンブラーに
て混合し、2軸押出機(アイベック社の「HTM3
8」)に投入した。別の投入口より樹脂架橋剤としての
アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(田岡化学
社の商品名「タッキロール201」)8.4重量部を投
入し、180℃で200rpmで混合して押し出し、実
施例1の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0036】(実施例2、3及び比較例3)p−メチル
ベンゼンスルホン酸の配合量を下記の表1に示されるよ
うに変量させた他は実施例1と同様にして、実施例2、
3及び比較例3の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0037】(比較例1、2)p−メチルベンゼンスル
ホン酸を全く配合せずに酸化亜鉛(三井金属鉱業社の酸
化亜鉛2種」)0.07重量部(ゴム100重量部に対
して0.1重量部)を配合し、アルキルフェノール・ホ
ルムアルデヒド樹脂に代えて約3重量%の臭素が付加さ
れたアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(田岡
化学社の商品名「タッキロール250−3」)8.4重
量部を樹脂架橋剤として用いた他は実施例1と同様にし
て、比較例1の熱可塑性エラストマー組成物を得た。ま
た、アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂に代え
て、約3重量%の臭素が付加されたアルキルフェノール
・ホルムアルデヒド樹脂(前述の「タッキロール250
−3」)8.4重量部を樹脂架橋剤として用いた他は実
施例1と同様にして、比較例2の熱可塑性エラストマー
組成物を得た。
【0038】(実施例4、5)p−メチルベンゼンスル
ホン酸に代えて、p−メチルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム(東京化成社)1.4重量部(ゴム100重量部に
対して2重量部)を配合した他は実施例1と同様にし
て、実施例4の熱可塑性エラストマー組成物を得た。ま
た、p−メチルベンゼンスルホン酸に代えて、ドデシル
ベンゼンスルホン酸(東京化成社)0.7重量部(ゴム
100重量部に対して1重量部)を配合した他は実施例
1と同様にして、実施例5の熱可塑性エラストマー組成
物を得た。
【0039】(実施例6)EPDM(前述の「ケルタン
509×100」)の配合量を120重量部(ゴム成分
60重量部)とし、p−メチルベンゼンスルホン酸の配
合量を0.6重量部(ゴム100重量部に対して1重量
部)とし、アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂
(前述の「タッキロール201」)の配合量を7.2重
量部とし、ポリプロピレン(前述の「ノバテックPP
MG05BS」)の配合量を40重量部とした他は実施
例1と同様にして、実施例6の熱可塑性エラストマー組
成物を得た。
【0040】(実施例7から実施例11)ポリプロピレ
ンに代えて、熱可塑性ポリマーとしてのポリエチレン
(住友化学社の「スミカセンα GZ802」)40重
量部を配合した他は実施例6と同様にして、実施例7の
熱可塑性エラストマー組成物を得た。また、ポリプロピ
レンに代えて、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマ
ーであるスチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共
重合体33重量%とポリプロピレン11重量%とパラフ
ィンオイル56重量%とが混合されたSEPS組成物
(クラレ社の「セプトンCJ001」)を熱可塑性ポリ
マーとして40重量部配合した他は実施例6と同様にし
て、実施例8の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0041】また、ポリプロピレンの配合量を10重量
部とし、さらにSEPS組成物(前述の「セプトンCJ
001」)を熱可塑性ポリマーとして30重量部配合し
た他は実施例6と同様にして、実施例9の熱可塑性エラ
ストマー組成物を得た。また、ポリプロピレンの配合量
を30重量部とし、さらにSEPS(水素添加スチレン
系熱可塑性エラストマーであるスチレン−エチレン/プ
ロピレン−スチレン共重合体、クラレ社の「セプトン4
055」)を熱可塑性ポリマーとして30重量部配合し
た他は実施例6と同様にして、実施例10の熱可塑性エ
ラストマー組成物を得た。さらに、ポリプロピレンに代
えて、熱可塑性ポリマーとしてのナイロン(東洋紡社の
「T−802」)40重量部を配合した他は実施例6と
同様にして、実施例11の熱可塑性エラストマー組成物
を得た。
【0042】(実施例12)EPDM(前述の「ケルタ
ン509×100」)の配合量を30重量部(ゴム成分
15重量部)とし、p−メチルベンゼンスルホン酸の配
合量を0.15重量部(ゴム100重量部に対して1重
量部)とし、アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹
脂(前述の「タッキロール201」)の配合量を1.8
重量部とし、ポリプロピレン(前述の「ノバテックPP
MG05BS」)の配合量を37重量部とし、さらに
軟化剤(出光興産社の「ダイアナプロセスオイルPW−
380」)110重量部とSEPS(前述の「セプトン
4055」)48重量部とを配合した他は実施例1と同
様にして、実施例12の熱可塑性エラストマー組成物を
得た。
【0043】(実施例13から実施例16)各配合剤の
配合量を下記の表3に示されるように変量させた他は実
施例12と同様にして、実施例13から16の熱可塑性
エラストマー組成物を得た。
【0044】(実施例17)EPDM(前述の「ケルタ
ン509×100」)の配合量を60重量部(ゴム成分
30重量部)とし、p−メチルベンゼンスルホン酸の配
合量を0.6重量部(ゴム100重量部に対して1重量
部)とし、アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂
(前述の「タッキロール201」)の配合量を7.2重
量部とし、ポリプロピレン(前述の「ノバテックPP
MG05BS」)の配合量を40重量部とし、さらにS
BR(スチレンブタジエンゴム、日本ゼオン社の「NS
210」)を30重量部配合した他は実施例1と同様に
して、実施例17の熱可塑性エラストマー組成物を得
た。
【0045】(比較例4)EPDM(前述の「ケルタン
509×100」)の配合量を30重量部(ゴム成分1
5重量部)とし、SBR(前述の「NS210」)の配
合量を45重量部とした他は実施例17と同様にして、
比較例4の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0046】(比較例5)EPDM(前述の「ケルタン
509×100」)の配合量を190重量部(ゴム成分
95重量部)とし、軟化剤(前述の「ダイアナプロセス
オイルPW−380」)の配合量を10重量部とし、p
−メチルベンゼンスルホン酸の配合量を0.95重量部
(ゴム100重量部に対して1重量部)とし、アルキル
フェノール・ホルムアルデヒド樹脂(前述の「タッキロ
ール201」)の配合量を11.4重量部とし、ポリプ
ロピレン(前述の「ノバテックPP MG05BS」)
の配合量を5重量部として混練を行ったが、可塑化でき
なかった。以降の評価を中止した。
【0047】[各熱可塑性エラストマー組成物の評価]
こうして得られた各実施例及び各比較例の熱可塑性エラ
ストマー組成物を、下記の各種評価に供した。
【0048】[硬度測定]各実施例及び各比較例の熱可
塑性エラストマー組成物を、幅30mm、厚み3mmの
リボン状に押し出した。冷却後、両面をスライスして、
厚み2mmの試験片を得た。この試験片を用いて、JI
Sスプリング式硬度計A型にて硬度(Hs)を測定し
た。この結果が、下記の表1から表3に示されている。
【0049】[引張試験]上記各試験片を「JIS K
−6301」に準拠した引張試験に供し、破断伸び(E
b)と破断強度(Tb)とを測定した。なお、試料はダ
ンベル3号形状とした。この結果が、下記の表1から表
3に示されている。
【0050】[圧縮永久歪みの測定]上記各試験片に7
0℃にて圧縮荷重をかけ、25%変形させた。この状態
で22時間放置し、荷重を取り除いて残留歪みを測定
し、圧縮永久歪み(CS)とした。この結果が、下記の
表1から表3に示されている。
【0051】[サビ試験]上記各試験片を表面がショッ
トブラスト処理された金属片鉄(SS41)に接触さ
せ、70℃のギアーオーブンに投入して2週間老化させ
た。その後、金属片のみを7日間常温で放置し、金属片
表面のサビの発生の有無を目視にて確認した。サビの発
生の見られないものを「○」とし、見られるものを
「×」とした。この結果が、下記の表1から表3に示さ
れている。
【0052】[耐オゾン性評価]各試験片を裁断機にて
JISダンベル1号状に打ち抜いた。このダンベルの両
端を引っ張って10%伸張させ、温度40℃、オゾン濃
度50pphmの環境下に300時間放置した。そし
て、クラック発生の有無を目視により確認した。クラッ
ク発生のないものを「○」、クラック発生のあるものを
「×」と評価した。この結果が、下記の表1から表3に
示されている。
【0053】[分散ゴム粒子径測定]上記各試験片をミ
クロトームで面出しした後、走査型プローブ顕微鏡で分
散したゴムの粒子径を測定した。この結果が、下記の表
1から表3に示されている。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】表1、2及び3において、各実施例の熱可
塑性エラストマー組成物は、いずれの評価項目において
も良好な特性を示した。これに対し、ハロゲン化された
樹脂架橋剤を用いた比較例1及び2の熱可塑性エラスト
マー組成物では、サビ試験の結果が×となった。これ
は、熱可塑性エラストマー組成物中のハロゲンが金属を
腐食させたためである。これら比較例1及び2と実施例
1等との対比より、ハロゲン化されていない合成樹脂を
樹脂架橋剤の主成分として用いる必要があることが確認
できた。
【0058】比較例3の熱可塑性エラストマー組成物で
は、分散ゴム粒子径が30μm以上と大きくなった。こ
れはアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩の配合量が
多すぎたため、架橋速度が速すぎ、ゴムが分散する前に
架橋反応が終了したためである。また、このように分散
ゴム粒子径が大きな熱可塑性エラストマー組成物で成形
体を成形すると、ゴム粒子の流動抵抗が大きいのでこれ
が表面に現れて成形体表面に微細な凹凸を生じ、見栄え
が悪いものとなる。この比較例3と実施例1、2及び3
との対比より、アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩
の配合量を0.01重量部以上10重量部以下とする必
要があることが確認できた。
【0059】実施例11の熱可塑性エラストマー組成物
では、サビ試験、耐オゾン試験とも結果が良好であり、
分散ゴム粒子径も充分小さくて可塑化ができているが、
硬度が高くなり、破断伸びが低くなり、圧縮永久歪みが
大きくなった。これは、マトリックスとなるナイロンの
可塑化温度が200℃以上と高いため、ゴムが劣化して
しまったことによる。この実施例11と実施例6から1
0との対比より、熱可塑性ポリマーとしてオレフィン系
樹脂、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー又はこ
れらの混合物が好ましいことが確認できた。
【0060】比較例4の熱可塑性エラストマー組成物で
は、耐オゾン性が×となった。これは、ゴム中に占める
EPDMの量が25重量%と少ないためである。この比
較例4と実施例17との対比より、ゴムに占めるEPD
Mの量を50重量%以上とする必要があることが確認で
きた。実施例12の熱可塑性エラストマー組成物では、
サビ試験、耐オゾン試験とも良好で、分散ゴム粒径も1
0μm以下であったが、ゴム/熱可塑性ポリマーの重量
比15/85とゴム分が少なすぎたため、圧縮永久歪が
大きくなった。また、比較例5では、前述の通り可塑化
が不可能であった。これは、ゴム/熱可塑性ポリマーの
重量比が95/5と大きすぎたためである。このことよ
り、ゴムと熱可塑性ポリマーとの重量比は20/80以
上90/10以下が好ましいことが確認できた。
【0061】[実験2]実験1で作製した実施例14、
実施例15及び実施例16の熱可塑性エラストマー組成
物を、2軸押出機からの押出時にペレット化した。この
ペレットを用いて射出成形を行い、図1に示された形状
の配管用継ぎ手を成形した。この配管用継ぎ手の肉厚は
8mm、大径円筒部1の外径は450mm、小径円筒部
3の外径は320mm、連結部5の傾斜角度(図1にお
いてαで示される)は65゜であった。また、この配管
用継ぎ手の第一内側凸部11及び第二内側凸部17の突
出高さは、2mmであった。
【0062】この配管用継ぎ手の大径円筒部1にコンク
リート製継手部材を挿入し、小径円筒部3にポリ塩化ビ
ニル製のパイプを挿入した。そして、第一装着部9及び
第二装着部15に金属製結束バンドを巻いて締め付け
た。常温、内圧0.5kg/cm2の条件下で24時間
保持した後、結束バンドを外して配管用継ぎ手を取り出
し、その性状を目視観察した。
【0063】いずれの配管用継ぎ手も、取り付け時及び
取り外し時の施工性に問題はなかった。また、実施例1
5及び実施例16の熱可塑性エラストマー組成物を用い
た配管用継ぎ手では取り外し後のへたりは見られなかっ
たが、実施例14の熱可塑性エラストマー組成物を用い
た配管用継ぎ手では第一内側凸部11及び第二内側凸部
17のへたりが見られた。これは、実施例14の熱可塑
性エラストマー組成物のゴムと熱可塑性ポリマーとの重
量比が小さいためである。このことより、特に配管用継
ぎ手においては、ゴムと熱可塑性ポリマーとの重量比を
40/60以上とする必要があることが確認できた。
【0064】以上の評価結果より、本発明の優位性が明
らかにされた。以上、配管用継ぎ手を例にとり本発明を
説明したが、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
配管用継ぎ手以外にも、OA機器のゴム部品、電気・電
子部品、電線被覆材、パッキン、シール用ガスケット、
防水シート、ホース等の、耐候性が要求され、しかも金
属と接触して用いられる全ての用途に適用することがで
きる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
成形体の良好な耐候性と短い架橋時間とを維持しつつ、
しかも接触する金属を腐食させにくい熱可塑性エラスト
マー組成物並びにこれを用いた成形体及び配管用継ぎ手
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態にかかる配管用継ぎ手が
示された断面図である。
【符号の説明】
1 大径円筒部 3 小径円筒部 5 連結部 7 第一外側凸部 9 第一装着部 11 第一内側凸部 13 第二外側凸部 15 第二装着部 17 第二内側凸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 61/06 C08L 61/06 //(C08L 23/16 23:00) Fターム(参考) 4F070 AA04 AA05 AA06 AA07 AA08 AA09 AA12 AA13 AA15 AA16 AA18 AC50 AC86 AE08 AE14 BA02 GB03 GB08 GC01 GC04 GC06 GC07 4J002 AC013 AC033 AC073 AC083 AC093 BB03X BB06X BB07X BB08X BB12X BB15W BB183 BB23X BB273 BG043 BP01X FD020 GM00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 EPDMが50重量%以上含まれるゴム
    100重量部を、ハロゲン化されていない合成樹脂を主
    成分とする樹脂架橋剤と、0.01重量部以上10重量
    部以下のアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩とを用
    いて動的架橋して、熱可塑性ポリマー中に分散させた熱
    可塑性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 上記熱可塑性ポリマーが、オレフィン系
    樹脂、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー及びこ
    れらの混合物から選択される請求項1に記載の熱可塑性
    エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】 上記ゴムと熱可塑性ポリマーとの重量比
    (ゴム:熱可塑性ポリマー)が、20:80〜90:1
    0の範囲である請求項1又は請求項2に記載の熱可塑性
    エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれか1項に
    記載の熱可塑性エラストマー組成物を用いて成形された
    成形体。
  5. 【請求項5】 請求項1又は請求項2に記載の熱可塑性
    エラストマー組成物を用いて成形された配管用継ぎ手。
  6. 【請求項6】 ゴムと熱可塑性ポリマーとの重量比(ゴ
    ム:熱可塑性ポリマー)が40:60〜90:10の範
    囲である熱可塑性エラストマー組成物が用いられた請求
    項5に記載の配管用継ぎ手。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003096203A (ja) * 2001-09-27 2003-04-03 Sumitomo Chem Co Ltd 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法および熱可塑性エラストマー組成物
CN103724836A (zh) * 2013-12-13 2014-04-16 芜湖佳诚电子科技有限公司 一种高塑化橡胶动力软管料
JP2014111691A (ja) * 2012-12-05 2014-06-19 Sumitomo Rubber Ind Ltd 熱可塑性エラストマ組成物

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JP2014111691A (ja) * 2012-12-05 2014-06-19 Sumitomo Rubber Ind Ltd 熱可塑性エラストマ組成物
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