JPH11182760A - 配管用継手 - Google Patents

配管用継手

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JPH11182760A
JPH11182760A JP9350490A JP35049097A JPH11182760A JP H11182760 A JPH11182760 A JP H11182760A JP 9350490 A JP9350490 A JP 9350490A JP 35049097 A JP35049097 A JP 35049097A JP H11182760 A JPH11182760 A JP H11182760A
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JP
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rubber
thermoplastic resin
cylindrical portion
parts
cylinder
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JP9350490A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Tajima
啓 田島
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低い圧縮永久歪みと高い引張り強度及び引裂
強度を有し、地下埋設後も劣化することなく長期に亘っ
て配管に機密性良く止着する配管用継手を提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン系熱可塑性樹脂を50重
量%以上含む熱可塑性樹脂(A)とジエン系ゴムを50
重量%以上含むゴム(B)とを重量比(A:B)で2
0:80〜50:50の割合で含有し、かつ、上記熱可
塑性樹脂(A)中に上記ゴム(B)が動的架橋して分散
しているエラストマー組成物を成形して、大径の第1筒
部3Aと、小径の第2筒部3Bと、第1筒部3Aと第2
筒部3Bとを傾斜壁により連結する連結部3Cとを備
え、第1筒部及び第2筒部の外周面には筒部内周面を配
管端部の外周面に固定するための締結バンドの装着部4
形成する一方、第1筒部及び第2筒部の内周面の締結バ
ンドの装着部と対向する位置に少なくとも1個以上の凸
部5を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は地下に埋設させる配
管システムにおいて配管を連結するためのエラストマー
組成物からなる配管用継手に関し、詳しくは、弾性変形
して配管端部の外周に機密性良く固定され、しかも、該
良好な機密性を長期に亘って維持できる配管用継手に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】地下には種々の用途で配管システムが埋
設されている。例えば、光ケーブル等の通信ケーブルの
配管システムがある。かかる配管システムでは、コンク
リートの配管、金属製の配管、合成樹脂製の配管が継手
を介して直線状、または、枝状に連結される。配管の材
質は内部を通過させる物体や地下環境(温度、湿度、圧
力等)に応じて変形劣化しないものが適宜選択される。
また、配管は直線状または曲線状で両端に開口があるも
の、直線状または曲線状の線状管部の途中から短寸の管
部を分岐させた3個以上の開口端を有するもの、線状管
部の一端を閉塞したもの等、種々のタイプのものがあ
る。そして、これらは、上記通信ケーブルの等の配管シ
ステムを通して配索する物体の配索形態に応じて組み合
わされて使用される。
【0003】一方、配管システムの配管を連結する継手
には、従来から配管の端部に密着性良く固定できるよ
う、ゴムや軟質合成樹脂からなる筒状部材が用いられて
いる(例えば、特許第2673277号)。そして、該
ゴムや軟質合成樹脂からなる筒状部材は、通常、その両
端部を連結する配管の端部に外装し、端部外周面をバン
ド状締結材で締結して固定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、配管を
連結する継手の端部は、バンド状締結材で配管の端部に
締結するため、地下に埋設された後もバンド状締結材で
圧縮され続けることとなる。また、継手には施工の際に
発生する無理な応力や配管システムの地下埋設工事中の
振動により発生する無理な応力が、土砂を埋戻して配管
システムを埋設した後にも作用し続けることとなる。よ
って、配管と継手の連結部における機密性を保持して配
管システムを恒久的に使用するために、継手には、低い
圧縮永久歪みと高い引張り強度及び引裂強度が要求され
る。しかしながら、現状ではかかる要求を充分に満足す
る継手が得られていないのが実情である。
【0005】本発明は上記のような事情に鑑みてなされ
たものであり、低い圧縮永久歪みと高い引張り強度及び
引裂強度を有し、地下埋設後も劣化することなく長期に
亘って配管に機密性良く止着する配管用継手を提供する
ことを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、請求項1で、ポリオレフィン系熱可塑性
樹脂を50重量%以上含む熱可塑性樹脂(A)とジエン
系ゴムを50重量%以上含むゴム(B)とを重量比
(A:B)で20:80〜50:50の割合で含有し、
かつ、上記熱可塑性樹脂(A)中に上記ゴム(B)が動
的架橋して分散しているエラストマー組成物の成形体か
らなる配管用継手を提供している。
【0007】すなわち、上記構成とすると、比較的低硬
度で強度が高く、ジエン系ゴムと融点が近い特性を有す
るポリオレフィン系熱可塑性樹脂を主成分とする熱可塑
性樹脂(A)中に、ジエン系ゴムを主成分とするゴム
(B)が動的架橋して均一に分散して、エラストマー組
成物(成形体)が良好な伸縮性を有する一方、低い圧縮
永久歪みと高い引張り強度及び引裂強度を有するものと
なり、地下埋設後も劣化することなく配管との止着力を
維持することができる。また、ジエン系ゴムとの融点が
近いポリオレフィン系熱可塑性樹脂を用いていることに
より、比較的低い温度で動的架橋を行うことができ、ゴ
ムの物性低下を防止することができる。
【0008】上記熱可塑性樹脂(A)の主成分となるポ
リオレフィン系熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン
(低密度、高密度、直鎖状)、ポリプロピレン、エチレ
ンエチルアクリレート樹脂、エチレンビニルアセテート
樹脂、エチレン−メタクリル酸樹脂、及びアイオノマー
樹脂、メタロセン触媒重合ポリエチレン、メタロセン触
媒重合ポリプロピレン等から選ばれる1種または2種以
上を用いることができる。また、熱可塑性樹脂(A)を
構成するポリオレフィン系熱可塑性樹脂以外の熱可塑性
樹脂としては、SEPSやSEBS等のスチレン系熱可
塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマ
ー、ナイロン、エチレンビニルアセテート樹脂等から選
ばれる1種または2種以上を用いることができる。
【0009】本発明では、上記のように、熱可塑性樹脂
(A)がポリオレフィン系熱可塑性樹脂を50重量%以
上含むことが重要である。これは、熱可塑性樹脂(A)
中のポリオレフィン系熱可塑性樹脂が50重量%に満た
ない場合、熱可塑性樹脂(A)全体の配合量にもよる
が、ジエン系ゴムを主成分とするゴム(B)の動的架橋
時に、熱可塑性樹脂(A)へのゴム(B)の相溶性が低
下して、ゴム(B)を熱可塑性樹脂(A)中に均一に分
散することが困難になるためである。よって、好ましく
はポリオレフィン系熱可塑性樹脂を熱可塑性樹脂(A)
中に80重量%以上含有させるのがよく、より好ましく
は熱可塑性樹脂(A)全体をポリオレフィン系熱可塑性
樹脂とするのがよい。
【0010】上記ゴム(B)の主成分となるジエン系ゴ
ムとしては、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(S
BR)、イソプレンゴム(IR)、エチレン−プロピレ
ン−ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタ
ジエンゴム(NBR)等から選ばれる1種または2種以
上を用いることができる。また、ゴム(B)を構成する
ジエン系ゴム以外のゴムとしては、エチレン−プロピレ
ンゴム(EPM)、アクリルゴム、クロロプレンゴム
(CR)、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム等から
選ばれる1種または2種以上を用いることができる。上
記ジエン系ゴムのうち、エチレン−プロピレン−ジエン
ゴム(EPDM)はポリオレフィン系熱可塑性樹脂との
相溶性が特に優れる。よって、エチレン−プロピレン−
ジエンゴム(EPDM)を用いると、ゴム(B)の熱可
塑性樹脂(A)中への分散性がより向上し、エラストマ
ー組成物(成形体)の強度向上及び圧縮永久歪みの低減
により効果的に作用する。また、ゴム(B)は、油展ま
たは非油展、もしくは両者の混合物を使用できる。
【0011】本発明では、上記のように、ゴム(B)に
ジエン系ゴムを50重量%以上含むことが重要である。
これは、ゴム(B)中のジエン系ゴムが50重量%に満
たない場合、ゴム(B)全体の配合量にもよるが、ゴム
(B)の架橋が充分になされず、エラストマー組成物
(成形体)の圧縮永久歪みを低下させることが困難とな
るためである。よって、好ましくはジエン系ゴムをゴム
(B)中に80重量%以上含有させるのがよく、より好
ましくはゴム(B)全体をジエン系ゴムとするのがよ
い。
【0012】また、本発明では、上記のように、熱可塑
性樹脂(A)とゴム(B)を重量比(A:B)で20:
80〜50:50の割合で配合することが重要である。
この範囲を越えて、熱可塑性樹脂(A)の配合量が少な
くなると両者を混練りできなくなり、熱可塑性樹脂
(A)の配合量が多くなると両者の混練りは可能である
が、エラストマー組成物(成形体)の圧縮永久歪みや1
00%永久伸びも大きくなってしまう。
【0013】熱可塑性樹脂(A)とゴム(B)の動的架
橋は、硫黄架橋または樹脂架橋のいずれでもよいが、架
橋剤とジエン系ゴムとの反応性に優れ、しかも、ブルー
ミング等を発生しない点から樹脂架橋によって行うのが
好ましい。
【0014】樹脂架橋を行う場合に使用する樹脂架橋剤
としては、例えば、アルキルフェノール・ホルムアルデ
ヒド樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物、トリア
ジン・ホルムアルデヒド縮合物、硫化−p−第三ブチル
フェノール樹脂、アルキルフェノール・スルフィド樹
脂、ヘキサメトキシメチル・メラミン樹脂等を挙げるこ
とができる。これらのうち、アルキルフェノール・ホル
ムアルデヒド樹脂(反応性のフェノール樹脂)を使用す
るのが好ましい。アルキルフェノール・ホルムアルデヒ
ド樹脂を使用すると、他の樹脂架橋剤を使用した場合に
比して良好な架橋密度が得られ、エラストマー組成物の
圧縮永久歪みがより低下する。
【0015】樹脂架橋剤の配合量は、架橋剤の種類によ
っても異なるが、一般にゴム(B)100重量部当たり
3〜20重量部、好ましくは5〜15重量部用いる。
【0016】硫黄架橋を行う場合は、架橋剤(硫黄)と
ともに架橋促進剤を組み合せて使用することができる。
架橋促進剤としては、例えば、消石灰、マグネシア(M
gO)、リサージ(PbO)、酸化亜鉛(ZnO)等の
無機促進剤や、以下に記す有機促進剤を使用することが
できる。該有機促進剤としては、例えば、2−メルカプ
トベンゾチアゾール、N−シクロヘキシル−2−ベンゾ
チアゾールスルフェン等のチアゾール系架橋促進剤や、
n−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、プロピル
アミン等の脂肪族第1アミンと2−メルカプトベンゾチ
アゾールとの酸化縮合物、ジシクロヘキシルアミン、ピ
ロリジン、ピペリジン等の脂肪族第2アミンと2−メル
カプトベンゾチアゾールとの酸化縮合物、脂環式第1ア
ミンと2−メルカプトベンゾチアゾールとの酸化縮合
物、モリフォリン系化合物と2−メルカプトベンゾチア
ゾールとの酸化縮合物等のスルフェンアミド系架橋促進
剤や、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TMT
M)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMT
D)、テトラエチルチウラムジモノスルフィド(TET
D)、テトラブチルチウラムジモノスルフィド(TBT
D)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(D
PTT)等のチウラム系架橋促進剤や、ジメチルジチオ
カルバミン酸亜鉛(ZnMDC)、ジエチルジチオカル
バミン酸亜鉛(ZnEDC)、ジ−n−ブチルカルバミ
ン酸亜鉛(ZnBDC)等のジチオカルバミン酸塩系架
橋促進剤などを挙げることができる。これらの架橋促進
剤は1種または2種以上の物質を混合して使用すること
ができる。
【0017】架橋剤(硫黄)の配合量は、一般にゴム
(B)100重量部当たり0.5〜3重量部、好ましく
は1〜2重量部である。また、架橋促進剤の配合量はゴ
ム(B)100重量部当たり0.1〜3重量部、好まし
くは0.5〜1重量部用いるのがよい。
【0018】また、エラストマー組成物には、必要に応
じてプロセスオイル、老化防止剤、充填剤等を配合して
もよい。充填剤としては、例えば、シリカ、カーボンブ
ラック、クレー、タルク、炭酸カルシウム、二塩基性亜
リン酸塩(DLP)、塩基性炭酸マグネシウム、アルミ
ナ等の粉体を挙げることができる。充填剤を配合する場
合、充填剤はゴム(B)100重量部に対して50重量
部を越えない範囲で配合するのが好ましい。
【0019】本発明において、エラストマー組成物は、
熱可塑性樹脂(A)、ゴム(B)、架橋剤、及び必要に
応じて配合する各種添加剤をドライブレンドし、該ブレ
ンド物を熱可塑性樹脂(A)中の使用するポリオレフィ
ン系熱可塑性樹脂の融点以上の温度で溶融混練するが、
温度が低すぎるとジエン系ゴムの架橋不足を生じやすく
なり、また、温度が高すぎるとジエン系ゴムが物性低下
を起こしやすく、よって、130〜220℃、好ましく
は150〜200℃、より好ましくは170〜200℃
の温度で溶融混練するのがよい。混練り機としては、オ
ープンロール、バンバリーミキサー、ニーダ、二軸押出
機等の通常の混練装置や混合押出機を用いることができ
る。
【0020】成形は、混練装置の先に成形容金型を取り
付けて混練物をそのまま継手形状に成形する方法、また
は、混練物をペレット化し、射出成形により継手形状に
成形する方法等の種々の方法を用いることができる。
【0021】継手形状は連結する配管の形状によって適
宜決定するが、一般に大小異なる径の円筒状配管を連結
する用途が多い。例えば、図1に示す形状とするのが一
般的である。
【0022】すなわち、図1(A)(B)はコンクリー
ト配管Hの側面に突出した比較的大径の円筒状枝配管1
の端部1aと比較的小径の円筒状塩ビ配管2の端部2a
とを連結している継手3を示している。該継手3は枝配
管1の端部1aが内挿される大径の円筒部3Aと、塩ビ
配管2の端部2aが内挿される小径の円筒部3Bと、こ
れら円筒部3Aと円筒部3Bとを傾斜壁により連結して
いる連結部3Cを備えている。円筒部3A及び円筒部3
Bの大きさは配管の太さに応じて決定するが、円筒部3
Aの外径は100〜1000mm、円筒部3Bの外径は
40〜800mmとするのが一般的である。また、円筒
部3A、円筒部3B、連結部3Cの筒壁の肉厚は若干の
変動はあるものの、概ね同一の厚みにするのが一般的で
あり、通常、2〜20mmの範囲とする。
【0023】円筒部3A及び円筒部3Bの外周面には、
それぞれ、外周面の円周方向に互いに平行に形成した2
つの凸部4a、4bにより区画されて形成された締結バ
ンドの装着部4を設けており、ここに締結バンド(図示
せず)を巻き付ける。また、円筒部3A及び円筒部3B
の内周面には、それぞれ、上記締結バンドの装着部4と
対向する位置に円周方向に互いに平行に形成した複数の
凸部5を形成している。凸部5は、締結バンドで第1筒
部3A及び第2筒部3Bを締め付けた時、枝配管1の端
部1aの外周面及び塩ビ配管2の端部2aの外周面に変
形を起こしながら密着し、管内に機密性を付与する。
【0024】上記凸部5の高さは一般に0.5〜10m
m、好ましくは1〜5mmの範囲とするのがよい。凸部
5の高さが0.5mmより小さい場合は充分な機密性が
得難くなり、10mmより大きい場合は製造時、成形し
た継手を金型から取り外しにくく、製品に損傷を与える
危険性が生じるためである。また、凸部5の幅/高さは
一般に0.25〜10、好ましくは0.5〜5の範囲と
するのがよい。0.25より小さい場合はバンドによる
締結時に凸部5が横に倒れやすく、機密性を得ることが
困難になる傾向となり、10より大きい場合は、バンド
装着部4の大きさにもよるが、バンド装着部4の対向位
置に配置できる凸部の数が少なくなり、機密性が向上さ
せにくくなる。ここでは凸部5の数は円筒部3A及び円
筒部3Bともに5個であるが、凸部の高さと幅/高さの
最適化を図ることにより、2個以上であれば満足できる
機密性を得ることが可能である。
【0025】本形状の継手3は、上記本発明のエラスト
マー組成物よりなり、応力による劣化を起こしにくいた
め、凸部5による機密性が長期間維持される。また、円
筒部3Aと円筒部3Bは傾斜壁からなる連結部3Cで連
結されているので、該連結部3Cを介して円筒部3Aと
円筒部3Bの間隔を伸縮させることができる。よって、
配管同士を継手で連結する施工作業が行いやすく、ま
た、配管同士を継手で連結して地下に埋設した後、地盤
の変動が生じても、その変動を連結部3Cが吸収し、継
手に加わる応力を最小限に止どめることができる。な
お、連結部3Cの傾斜角度(α)は円筒部3Aと円筒部
3Bの径の大きさにもよるが、30〜80°の範囲にす
るのが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態(実施
例)を比較例と併せて説明する。
【0027】下記の各種原料を用意し、下記表1の上段
に示す処方にて、実施例1〜8及び比較例1〜7のエラ
ストマー組成物からなる試験片を作成した。すなわち、
表1の処方からなるドライブレンド物を2軸押出し機H
TM30(アイペック(株)製)に投入し、170℃〜
250℃に加熱しながら混練り(動的架橋)させてペレ
ットを作成し、該ペレットを射出成形して種々の形状の
成形品(試験片)を作成した。但し、比較例4について
はプレス金型内で160℃で10分間のプレス架橋を行
って成形品(試験片)を作成した。そして、得られた成
形品(試験片)についてJIS K6301の基づく特
性試験を行った。試験は、硬度(Hs)、引張破断時の
伸び(Eb)、引張強度(Tb)、引裂強度(TR−
A)、圧縮永久歪み(CS)、100%永久伸びについ
て行った。試験結果は下記表1の下段の通りであった。
【0028】(原料) ポリプロピレン樹脂(PP):ノバテック社製MG05
BS ポリエチレン樹脂(PE):住友化学工業社製GZ80
2 エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM):住友
化学工業社製エスプレン670F スチレン−ブタジエンゴム(SBR):JSR社製SL
552 パラフィン系オイル(OIL):出光興産社製PW−3
80 ブロミネーティッド・アルキルフェノール・ホルムアル
デヒド樹脂:田岡化学社製タッキロール250−3 ジクミルパーオキサイド(DCP):日本油脂社製パー
クミルD スチレン系熱可塑性エラストマー(SEPS):クラレ
社株製4055 ナイロン:東洋紡社製T−802 エチレンプロピレンゴム(EPM):三井石油化学工業
社製EPM0045
【0029】(JIS K6301の基づく試験) Hs:スプリング式硬さ試験(A型) [deg ] Eb:試験片ダンベルNO.3 [%] Tb:試験片ダンベルNO.3 [kg/cm2 ]」 TR−A:試験片A型 [kg/cm] CS(圧縮永久歪):熱処理70℃×22hr×25%
圧縮後、残留圧縮歪を測定 [%] 100%永久伸び:常温×10分×100%伸長後、残
留伸びを測定 [%]
【0030】
【表1】 表中、は田岡化学社製タッキロール250−3、は
日本油脂社製パークミルDである。また、表上段の数値
は重量部である。なお、比較例4の溶融混練温度(動的
架橋温度)の欄の数値はプレス架橋時の温度を記載して
いる。
【0031】比較例1は、熱可塑性樹脂(PP)の配合
量が少なすぎるため、ゴム(EPDM)との混練りを行
うことができなかった。
【0032】比較例2、3は、熱可塑性樹脂(PP)と
ゴム(EPDM)との混練りは可能であったが、成形品
(試験片)は熱可塑性樹脂(PP)の配合量が多すぎる
ため、硬度が高くなり、また、圧縮永久歪み及び100
%永久伸びが大きかった。よって、継手とした時に施工
性及び耐久性の点で良好な結果を得られるものではなか
った。
【0033】ポリマー成分として熱可塑性樹脂を用いず
EPDMのみを用いた比較例4は、成形品(試験片)は
柔らく伸びの大きいものであったが引裂強度が著しく小
さく、継手とした時に施工性及び耐久性の点で良好な結
果が得られるものではなかった。
【0034】ポリマー成分としてゴムを用いず熱可塑性
樹脂(PP+SEPS)のみとした比較例5は、成形品
(試験片)は比較的柔らかく伸びも比較的大きいもので
あったが、引裂強度が小さく、圧縮永久歪みや100%
永久伸びが大きいため、継手とした時に施工性及び耐久
性の点で良好な結果が得られるものではなかった。
【0035】熱可塑性樹脂にナイロン樹脂のみを用いた
比較例6は、硬度が高く、伸びが著しく小さく、圧縮永
久歪みや100%永久伸びも大きかった。よって、継手
とした時に施工性及び耐久性の点で良好な結果が得られ
るものではなかった。
【0036】ゴムにEPMのみを用いた比較例7は引裂
強度が小さく、圧縮永久歪みや100%永久伸びも大き
いかった。よって、継手とした時に施工性及び耐久性の
点で良好な結果が得られるものではなかった。
【0037】これらに対し、熱可塑性樹脂としてPPを
用い、ゴムとしてEPDM又はSBR又はEPMとEP
DMを用い、該ゴムを熱可塑性樹脂よりも多い割合で配
合した実施例1〜8は比較的低硬度(80deg 以下)
で、ある程度伸びが大きく(破断時伸び450%以
上)、引張強度及び引裂強度が高く(引張強度は90k
g/cm2 以上、引裂強度は30kg/cm以上)、継
手とした時に施工性及び耐久性の点で良好な結果が得ら
れるものであった。
【0038】以上の結果から、ポリオレフィン系熱可塑
性樹脂を50重量%以上含む熱可塑性樹脂とジエン系ゴ
ムを50重量%以上含むゴムを重量比で20:80〜5
0:50の割合で配合し、これらを溶融混練りしてなる
エラストマー組成物の成形体を用いることにより、施工
性及び耐久性に優れた継手を得ることができることを確
認できた。
【0039】
【発明の効果】以上の説明より明かなように、本発明の
配管用継手によれば、熱可塑性樹脂とゴムとを混練した
エラストマー組成物(成形体)が良好な伸縮性を有する
一方、低い圧縮永久歪みと高い引張り強度及び引裂強度
を有するものとなり、その結果、施工性良く配管に機密
性を保持して連結でき、しかも、地下埋設後も劣化する
ことなく長期に亘って配管との機密性を維持することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の継手の一具体例を示し、(A)は該
継手により大径の配管と端部と小径の配管の端部と連結
している状態の断面図、(B)は図(A)の継手の断面
拡大図である。
【符号の説明】
1 円筒状枝配管 2 円筒状塩ビ配管 3 継手 3A 大径の円筒部 3B 小径の円筒部 3C 連結部 4 締結バンドの装着部 5 凸部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系熱可塑性樹脂を50重
    量%以上含む熱可塑性樹脂(A)とジエン系ゴムを50
    重量%以上含むゴム(B)とを重量比(A:B)で2
    0:80〜50:50の割合で含有し、かつ、上記熱可
    塑性樹脂(A)中に上記ゴム(B)が動的架橋して分散
    しているエラストマー組成物の成形体からなることを特
    徴とする配管用継手。
  2. 【請求項2】 大径の配管端部が内挿される大径の第1
    筒部と、小径の配管端部が内挿される小径の第2筒部
    と、上記第1筒部と第2筒部とを傾斜壁により連結する
    連結部とを備え、上記第1筒部及び第2筒部の外周面に
    はそれぞれ筒部内周面を配管端部の外周面に固定るため
    の締結バンドの装着部を形成する一方、上記第1筒部及
    び第2筒部の内周面にはそれぞれ上記締結バンドの装着
    部と対向する位置に少なくとも1個以上の凸部を形成し
    ている請求項1に記載の配管用継手。
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