JP3380761B2 - X線露光用マスクの製造方法 - Google Patents

X線露光用マスクの製造方法

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JP3380761B2
JP3380761B2 JP01409999A JP1409999A JP3380761B2 JP 3380761 B2 JP3380761 B2 JP 3380761B2 JP 01409999 A JP01409999 A JP 01409999A JP 1409999 A JP1409999 A JP 1409999A JP 3380761 B2 JP3380761 B2 JP 3380761B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線露光用マスク
の製造方法に関し、特に半導体製造プロセスにおけるX
線露光工程で使用されるX線露光用マスクの製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、X線露光用マスクにおいて
は、パタン位置やパタン線幅に関して高い精度や再現性
が要求されるため、吸収体パタンを支持するためのマス
クメンブレンには様々な条件が課されている。
【0003】すなわち、膜厚がウエハ内で均一であるこ
と、応力がウエハ内で均一であること、ピンホールや突
起等の欠陥が無いことが必要である。また、露光装置に
おけるアライメントが高精度に実施できるようにするた
め、メンブレン化した際に光透過率の高い透明な膜であ
ること、衝撃等に強い機械的な強度を有することが必要
である。さらに、長時間の露光にも耐え得るようにする
ため、大量のX線が照射されても膜の応力、光透過率お
よび機械的強度が変化しないような膜であることが必要
である。
【0004】ここで、従来のX線露光用マスクについて
図を参照して説明する。図4は、従来のX線露光用マス
クを示す断面図である。同図に示すように、3インチあ
るいは4インチ程度の大きさのSiウエハ1は、露光す
る領域に対応した部分が除去されて枠体状に加工されて
いる。そして、このSiウエハ1の上には、マスクメン
ブレンとなる吸収体パタン支持用膜2が形成されてい
る。
【0005】吸収体パタン支持用膜2は、Siウエハ1
上にCVD法(化学的気相成長法)やプラズマCVD法
等により形成され、厚さが1〜3μm程度の薄膜であ
る。そして、枠体状のSiウエハ1の中心部一帯ではメ
ンブレン状となっており、X線を透過させることができ
る。このようなメンブレン状に張られた膜となるには、
引っ張り応力が50〜400MPaの膜であることが必
要である。
【0006】また、吸収体パタン支持用膜2は、X線を
透過し易いSiN,SiCやダイヤモンド等の材料で形
成されている。その中でも特にSiCは、電気伝導性を
有するとともに、ヤング率もSiNに比べて2倍以上大
きくて剛性が高く、X線露光用マスクの高精度化に向い
ている。したがって、SiCは、X線露光用マスクにお
けるマスクメンブレンの今後の有望な材料として着目さ
れている。
【0007】一方、吸収体パタン支持用膜2の上には、
吸収体膜3が形成されている。この吸収体膜3は、金、
タングステンまたはタンタル等の重金属あるいはそれら
の化合物等のX線吸収率の大きい材料によって形成さ
れ、その厚さは0.2〜1μmである。そして、このよ
うに形成された吸収体膜3に電子線リソグラフィおよび
エッチング等を施すことにより、Siウエハ1の中心部
一帯には所望形状の吸収体パタン4が設けられている。
【0008】ここで、SiCからなる吸収体パタン支持
用膜2の製造工程について図を参照して説明する。従来
よりSiC膜は、メンブレンの支持体となるSiウエハ
にCVD法を用いて形成されている。
【0009】図5は、ホットウォールタイプのCVD装
置を示す構成図である。同図に示すように、加熱用ヒー
タ5によって1000℃程度に加熱された反応管6の中
には、反応管6の長さに応じて10〜50枚程度のSi
ウエハ7が、反応管6の中心軸とほぼ垂直になるように
してウエハボート8に載置されている。この反応管6の
前後には、ガス流量調整器9と排気装置10とが設けら
れ、これらの装置によって反応管6内に反応ガス11が
供給・排気されるとともに、反応管6内の圧力調整が行
われている。なお、同図のCVD装置は、反応管6を横
向きに設置した構成であるが、反応管6を縦向き設置し
た構成も従来より用いられている。
【0010】さて、このようなCVD装置を使った従来
のSiCの成膜方法では、Siの原料ガスと、Cの原料
ガスと、これらの原料ガスを希釈するためのキャリアガ
スと、の混合ガスを反応ガス11として用いている。
【0011】反応ガス11の具体的な成分を述べると以
下のようになる。Siの原料ガスとしては、Si,C
l,H等の元素を含有するガスを用いている。例えば、
SiH2Cl2(ジクロルシラン)、SiHCl3 (トリ
クロルシラン)、CH3SiCl3(メチルトリクロルシ
ラン)またはSiCl4 (テトラクロライド)等の何れ
かを用いている。
【0012】また、Cの原料ガスとしては、C,Hの元
素で構成されるガスを用いている。例えば、CH4 (メ
タン)、C22(アセチレン)、C24(エチレン)ま
たはC38(プロパン)等の何れかを用いている。ま
た、キャリアガスとしては、H2 (水素)やAr(アル
ゴン)等を用い、上記の原料ガスの希釈に使用されてい
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなガス種を用いてSiC膜を成膜した場合、種々の問
題点が生じているのが実状である。上述のガス種を用い
た場合、高温になっている反応管6中のSiウエハ7の
表面では、膜形成を抑制するような反応が生じにくい。
すなわち、900℃程度の高温領域に入ると反応ガス1
1は分解され、反応管6の中ではSi原料ガスとC原料
ガスとが急激に反応し、SiC膜が高速に形成される。
また、その際に反応管6内には、膜形成反応を抑制する
成分を含んだガスが何ら含まれていないため、膜が形成
される反応の割合が圧倒的に高くなり、反応速度は極め
て大きくなる。その結果、Siウエハ7の表面に異物等
があると、それを核として局所的にSiCが急激に成長
することになり、そのような局所的に形成された結晶状
態が、周辺膜とは異なる膜となって膜欠陥となる。した
がって、Siウエハ7の表面には、膜欠陥の多いSiC
膜が形成されてしまう。
【0014】また、このように反応速度が高いと、Si
C膜中にSi−C結合していないSiやCを含んだり、
また十分に分解していないガスを膜内に取り込んでSi
−HやC−H結合を有することになる。このため、この
ような膜をメンブレン化しても、光透過率が悪く、アラ
イメント光がSi−Si結合等で吸収される割合が大き
くなってしまう。したがって、アライナによる高精度の
位置合わせが困難となる。
【0015】また、マスクメンブレン内にSi−C結合
以外の弱い結合を含んでいる場合、このような部分はX
線の照射によって容易に切断されてしまう。このため、
膜の応力、光透過率および機械的強度が変化し、露光に
十分なX線照射耐性が得られない。したがって、長時間
のX線露光に際して、歪みのない高精度で安定して使用
できるX線露光用マスクを得ることは困難となる。
【0016】また、上述のSiH2Cl2,SiHC
3 ,CH3SiCl3またはSiCl4等のSi原料ガ
スは、900℃程度の高温領域に入ると急激に分解され
るという性質がある。そのため、反応管6内では、ガス
流の上流位置で分解されたSi,Cl,Hを含むガスと
CH4 等のC,Hを含むC原料ガスとが反応する速度は
極めて大きくなり、SiC膜が高速で形成される。した
がって、反応管6内では反応ガス流の上流ほど反応管6
の内壁やSiウエハ7上に高速にSiC膜が形成され、
下流に行くほどSiC膜を形成するためのガスが急激に
少なくなる。ところが、膜の形成速度は表面近傍の反応
ガス量に一元的に依存するため、下流に行くほどSiC
膜の形成される速度は大幅に減少してしまう。
【0017】したがって、反応ガス11の流れの上流と
下流とでは、形成されるSiC膜の膜厚がSiウエハ7
の載置された反応管6内の位置によって大幅に異なるこ
とになる。このため、SiC膜中のSiおよびCの組成
やSiC膜の結晶性等の膜の基本特性が反応管6中のS
iウエハ7の位置によって大幅に異なってしまい、膜厚
および膜質の一定したSiC膜を大量生産するのは困難
となる。
【0018】ここで、上述の従来方法を使ってSiC膜
を成膜した実験結果について説明する。使用する装置と
しては、図5に示したようなヒータで反応管内壁を加熱
(1000℃)する方式のCVD装置を用いる。反応ガ
ス11としては、Si原料ガスとしてSiH2Cl2(ジ
クロルシラン)を、C原料ガスとしてC38(プロパ
ン)を、キャリアガスとしてH2 (水素)を用いる。な
お、反応管6中のガス圧力を0.2Torrとし、C3
8ガスの流量を8cc/minとし、SiH2Cl2
スの流量を24cc/minとし、H2 ガスの流量を2
00cc/minとし、Siウエハ7の表面にSiC膜
を形成している。
【0019】図6は、SiC膜の表面を1nm(RM
S)以下の表面粗さに研磨し、メンブレン化して光透過
率を測定した結果を示すグラフである。同図に示すよう
に、光の波長が600nm以下の短波長になるにつれ
て、透過率が大幅に減少しており、波長が400nmで
は10%以下の透過率に激減していることがわかる。
【0020】図7は、上述の従来方法によるSiC膜の
形成速度を示したグラフであり、図中の横軸はウエハボ
ート8におけるウエハを載置するための溝番号を示す。
溝番号が小さいほど(すなわち、図5においては排気装
置10に近い位置)反応ガス11の流れの下流に位置
し、また溝番号の大きいほど(すなわち、図5において
はガス流量調整器9に近い位置)反応ガス11の流れの
上流に位置している。なお、縦軸は単位時間当たりの膜
形成厚を示す。
【0021】さて、図7から明らかなように、反応ガス
11の流れの最も下流の位置にある溝番号14番のウエ
ハと、最も上流にある溝番号52番の位置にあるウエハ
と、を比較したところ、表面に形成されたSiC膜の膜
厚は溝番号52番の方が約3倍厚い。このように、ウエ
ハの載置される位置によって、SiCの膜厚に極めて大
きな差が生じている。また、図7の場合において、2μ
m厚のSiC膜を形成しようとすると、各ウエハに形成
されるSiC膜の厚さのばらつきは2〜6μmと非常に
幅広いものとなる。これでは、X線露光用マスクのマス
クメンブレンとして使用できるウエハは2〜3枚だけで
ある。
【0022】以上のとおり本発明は、このような課題を
解決するためのものであり、均一な膜厚および膜質を容
易に得ることができ、かつ、光透過率および機械的強度
を従来よりも向上させることができるX線露光用マスク
の製造方法を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明に係るX線露光用マスクの製造方法の
一態様は、Siの原料ガスとCの原料ガスと上記原料ガ
スを希釈するためのキャリアガスとの混合ガスを反応ガ
スとして用いた、ホットウォールタイプのCVD装置を
使用したCVD法により、上記CVD装置の反応管内に
載置された複数のシリコン基板上にSiCの薄膜を形成
する工程と、上記シリコン基板をエッチングすることに
より、上記シリコン基板からなる枠体とこの枠体に張設
された上記薄膜からなる吸収体パタン支持用膜とを同時
に形成する工程とを有するX線露光用マスクの製造方法
において、上記反応ガスに、HCl(塩化水素)をさら
に添加する。
【0024】また、本発明に係るX線露光用マスクの製
造方法のその他の態様おいては、上記キャリアガスとし
て、H2 (水素)またはAr(アルゴン)の何れかを用
いる。また、上記Siの原料ガスとして、SiH2Cl2
(ジクロルシラン),SiHCl3 (トリクロルシラ
ン)またはSiCl4 (テトラクロライド)の何れかを
用いていもよい。また、上記Cの原料ガスとして、CH
4 (メタン),C22(アセチレン),C24(エチレ
ン)またはC38(プロパン)の何れかを用いてもよ
い。また、上記Siの原料ガスおよび上記Cの原料ガス
として、CH3SiCl3(メチルトリクロルシラン)を
用いてもよい。
【0025】このように構成することにより本発明は、
SiC膜中のSi−C結合以外の余分なSi,Cおよび
Hと結合したSi,Cを除去することができ、光透過率
が高くなる。また、X線照射耐性の向上および高精度で
安定したパタン転写を可能とする。
【0026】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一つの実施の形態
について説明する。本実施の形態では、上述の従来例同
様に、図5に示したようなヒータで反応管内壁を加熱す
る方式のCVD装置を用いる。反応ガス11としては、
Siの原料ガスと、Cの原料ガスと、これらの原料ガス
を希釈するためのキャリアガスと、の混合ガスを用い
る。そして、この混合ガスに本実施の形態の特徴とする
ところのHClをさらに添加する。
【0027】なお、具体的な反応ガス11の成分を述べ
ると、従来例同様に以下のようになる。Siの原料ガス
としては、Si,Cl,H等の元素を含有するガスを用
いている。例えば、SiH2Cl2(ジクロルシラン)、
SiHCl3 (トリクロルシラン)、CH3SiCl
3(メチルトリクロルシラン)またはSiCl4 (テト
ラクロライド)等の何れかを用いている。
【0028】また、Cの原料ガスとしては、C,Hの元
素で構成されるガスを用いている。例えば、CH4 (メ
タン)、C22(アセチレン)、C24(エチレン)ま
たはC38(プロパン)等の何れかを用いている。ま
た、キャリアガスとしては、H2 (水素)やAr(アル
ゴン)等を用い、上記の原料ガスの希釈に使用されてい
る。
【0029】
【実施例】ここで、以上の実施の形態に基づく本発明の
実施例について、図を参照して説明する。本実施例で
は、従来例同様に図5に示したようなヒータで反応管内
壁を加熱する方式のCVD装置を用いる。また、反応ガ
ス11としては、Si原料ガスとしてSiH2Cl2(ジ
クロルシラン)を用い、C原料ガスとしてC38(プロ
パン)用い、キャリアガスとしてH2 (水素)を用い
る。
【0030】したがって、各ガスをガス流量調整器9を
通して、1000℃に加熱された反応管6に供給すると
ともに、反応管6の内部圧力はガス流量調整器9と排気
装置10によって調整し、ウエハボート8に並べたSi
ウエハ7の表面にSiC膜を堆積させた。
【0031】なお、本実施例では、反応管中のガス圧力
を0.2Torrとし、C38ガスの流量を8cc/m
in、SiH2Cl2ガスの流量を24cc/min、H
2 ガスの流量を200cc/minとし、Siウエハ7
の表面にSiC膜を形成している。
【0032】図1は、流量が12cc/minのHCl
を反応ガスに添加して形成したSiC膜の表面を、1n
m(RMS)以下の表面粗さに研磨して作製したメンブ
レンにおける光透過率を示すグラフである。同図に示す
ように、600nm以下の波長になっても、光透過率は
減少しておらず、400nmの短波長光でも40%以上
の光透過率となっている。これはHClを添加してSi
C膜を形成することにより、成長しているSiC表面に
おけるSi−C結合以外の余分なSiやCがHClによ
って除去され、形成された膜における短波長の光透過率
が増加することによるものである。
【0033】また、Si−C結合以外のX線照射で壊れ
やすい結合、例えばSi−H,C−H結合等はHClに
より除去されて膜中には少なくなっているので、大量の
X線が照射されてもSiC膜の応力等は変化しない。し
たがって、長時間にわたって安定にX線露光用マスクを
使用できるようになり、大量のウエハを高精度に露光す
ることができるようになる。
【0034】以上から明らかなように、HClを添加し
てSiC膜を形成することにより、X線露光用マスクの
マスクメンブレンに適用可能な良質なSiC膜が得られ
る。さらに、SiCの形成速度が抑制されるので、Si
表面にある異物を核として急激に異常成長するSiCも
なくなり、欠陥の少ないX線マスクメンブレン用SiC
膜が得られる効果がある。
【0035】図2は、流量が12cc/minのHCl
を反応ガス11に添加した場合のSiC膜形成速度を示
すグラフである。同図に示すように、溝番号14番にあ
るウエハに形成されたSiCの膜厚と、溝番号52番に
あるウエハに形成されたSiCの膜厚と、の比は1.2
程度と小さな値である。したがって、厚さが2μmのS
iC膜を形成しようとした場合、ウエハ間における膜厚
のばらつきは2〜2.4μmと小さく、全数の20枚を
X線露光用マスクとして使用できる。なお、このように
して形成されたSiC膜の応力は、150〜300MP
aであり、X線露光用マスクのメンブレンに適用できる
応力値である。
【0036】以上の結果から明らかなように、HClを
添加してSiC膜を形成することにより、X線露光用マ
スクのマスクメンブレンとして使用できるSiC膜が得
られる割合が極めて高くなる。また、ウエハ面内での膜
厚の均一性も向上する。さらに、図6で示したようにH
Clを添加しないでSiC膜を形成した場合、ウエハ面
内における最大膜厚と最小膜厚との差は3%以上であっ
たが、図1に示すHClを添加して形成したSiC膜で
は、1%以下と極めて小さくなった。
【0037】なお、上述の実施例では、H2 をキャリア
ガス、Si原料として SiH2Cl2 を用い、C原料と
してC38を用いたが、この組み合わせに限られるもの
ではない。
【0038】キャリアガスとしてのH2 と、Si原料と
してのSiH2Cl2と、C原料としてのCH4 ,C22
またはC24の何れかと、HClと、を混合したガスを
用いても図1,2と同様の結果が得られる。
【0039】また、キャリアガスとしてのH2 と、Si
原料としてのSiHCl3 またはSiCl4 の何れか
と、C原料としてのCH4 ,C22,C24またはC3
8の何れかと、HClと、を混合したガスを用いても
図1,2と同様の効果が得られる。
【0040】また、キャリアガスとしてのH2 と、Si
原料およびC原料としてのCH3SiCl3と、HCl
と、さらにC原料の調整用としてCH4 等と、を混合し
たガスを用いても図1,2と同様の効果が得られる。
【0041】さらに、図2に示した結果は、図5のよう
なホットウォールタイプのCVD装置を使用した場合の
ものだが、本発明はこれに限られるものではない。基板
部分のみを加熱するコールドウォールタイプのCVD装
置を用いても、HClを添加した反応ガスを使用するこ
とにより、X線露光用マスクに最適な良質のSiC膜が
得られる。
【0042】次に、従来方法および本発明による方法で
形成されたSiC膜の特性について、実験結果に基づい
て説明する。本願発明者等は、従来方法および本発明に
よる方法でSiC膜を形成してから、昇温脱離分析法
(TDS)により、SiC膜を高温にしたときに脱離さ
れるガス種およびその量を調べた。その結果、マスクの
膜質低下の原因となるSi−Si,C−C,C−Hの結
合が、本発明によるものでは大幅に減少することを確認
することができた。以下、その詳細について説明する。
【0043】図3は、従来法および本発明による方法で
形成したSiC膜を高温にし、その際に脱離されるガス
(H2,CH3)について、その量を調べた結果である。
縦軸はガス濃度を測定した質量分析装置で検出された各
分子のイオン電流であり、横軸は温度を示している。実
線は本発明による方法で作製したSiC膜からのガス脱
離を示し、波線は従来法で作製したSiC膜からのガス
脱離を示している。
【0044】同図に示すように、400℃以上の温度で
は、波線で示された従来法で作製したSiC膜からのH
2,CH3のガス脱離が、本発明で作製したSiC膜に比
べて多くなり、特に700〜800℃付近では、1桁以
上脱離量が多く、顕著なピークを示している。また、図
3ではH2,CH3のみを示しているが、従来法で作製し
たSiCからはCH,N,O等のガスも同様に700〜
800℃付近で脱離するのが確認された。
【0045】以上の結果から、本発明による方法で作製
したSiC膜には不純物が少なく、その結果、X線露光
用マスクのメンブレンに用いた場合、光透過率が向上
し、またSR(Synchrotron Radiation )を照射しても
膜応力等が変化することなく、安定に使用できる利点が
ある。
【0046】
【発明の効果】以上説明したとおり本発明は、SiC膜
の成膜時において、反応ガスにHClを添加することを
特徴とする。そのため、形成されたSiC膜中における
Si−C結合以外の余分なSiおよびCは、HClによ
って除去される。同様に、Hと結合したSiやCもHC
lで除去されて光透過率が高くなるとともに、X線照射
耐性も高くなる。したがって、これらの効果が示すよう
に本願発明によるSiC膜を、X線露光用マスクメンブ
レンとして使用すると、高精度で安定なパタン転写の露
光が可能になる。また、本発明を用いることにより、膜
厚と膜質の揃ったSiC膜の形成されたシリコン基板を
CVD法で大量生産することができる。基板内の膜厚や
応力の均一性が高くなることにより、パタンの位置精度
が高いX線露光用マスクを作製することできる。基板表
面の異物を核として成長し発生するような欠陥が少なく
なり、欠陥の少ないX線マスクを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によって得られた結果(波長と透過率
との関係)を示すグラフである。
【図2】 本発明によって得られた結果(溝番号とデポ
レートとの関係)を示すグラフである。
【図3】 従来例および本発明による昇温脱離分析の結
果を比較したグラフである。
【図4】 一般的なX線露光用マスクを示す断面図であ
る。
【図5】 ホットウォールタイプのCVD装置を示す構
成図である。
【図6】 従来例によって得られた結果(波長と透過率
との関係)を示すグラフである。
【図7】 従来例によって得られた結果(溝番号とデポ
レートとの関係)を示すグラフである。
【符号の説明】
1…Siウエハ、2…吸収体パタン支持用膜、3…吸収
体膜、4…吸収体パタン、5…加熱用ヒータ、6…反応
管、7…Siウエハ、8…ウエハボート、9…ガス流量
調整器、10…排気装置、11…反応ガス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小田 政利 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 本吉 彰 東京都武蔵野市御殿山一丁目1番3号 エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロ ジ株式会社内 (72)発明者 吉原 秀雄 東京都武蔵野市御殿山一丁目1番3号 エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロ ジ株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−61124(JP,A) 特開 平9−80202(JP,A) 特開 平9−20575(JP,A) 特開 平2−172895(JP,A) 特開 平4−214099(JP,A) 特開 昭58−25226(JP,A) 特開 平2−267197(JP,A) 特開 平2−172894(JP,A) 特開 平4−210476(JP,A) 特開 平5−121339(JP,A) 特開 平5−1380(JP,A) 特表 平10−509689(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 H01L 21/205;21/31;21/365 H01L 21/469;21/86 C23C 16/00 - 16/56

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Siの原料ガスとCの原料ガスと前記原
    料ガスを希釈するためのキャリアガスとの混合ガスを反
    応ガスとして用いた、ホットウォールタイプのCVD装
    置を使用したCVD法により、前記CVD装置の反応管
    内に載置された複数のシリコン基板上にSiCの薄膜を
    形成する工程と、 前記シリコン基板をエッチングすることにより、前記シ
    リコン基板からなる枠体とこの枠体に張設された前記薄
    膜からなる吸収体パタン支持用膜とを同時に形成する工
    程とを有するX線露光用マスクの製造方法において、 前記反応ガスに、HCl(塩化水素)をさらに添加する
    ことを特徴とするX線露光用マスクの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記キャリアガスとして、H2 (水素)またはAr(ア
    ルゴン)の何れかを用いることを特徴とするX線露光用
    マスクの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記Siの原料ガスとして、SiH2Cl2(ジクロルシ
    ラン),SiHCl3(トリクロルシラン)またはSi
    Cl4 (テトラクロライド)の何れかを用いることを特
    徴とするX線露光用マスクの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 前記Cの原料ガスとして、CH4 (メタン),C2
    2(アセチレン),C24(エチレン)またはC3
    8(プロパン)の何れかを用いることを特徴とするX線
    露光用マスクの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 前記Siの原料ガスおよび前記Cの原料ガスとして、C
    3SiCl3(メチルトリクロルシラン)を用いること
    を特徴とするX線露光用マスクの製造方法。
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