JP3379629B2 - 缶詰の加熱殺菌装置 - Google Patents

缶詰の加熱殺菌装置

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JP3379629B2 JP13435597A JP13435597A JP3379629B2 JP 3379629 B2 JP3379629 B2 JP 3379629B2 JP 13435597 A JP13435597 A JP 13435597A JP 13435597 A JP13435597 A JP 13435597A JP 3379629 B2 JP3379629 B2 JP 3379629B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飲料缶詰を搬送し
ながら低温殺菌処理により連続的に加熱殺菌するための
缶詰の加熱殺菌装置に関する。
【0002】
【従来の技術】果汁飲料や乳酸飲料のような高酸性の飲
料を缶詰とする場合には、飲料自体の高酸性により高温
菌の発育が抑えられるため、低温菌(黴,酵母等)の殺
菌を行うだけで充分であることから、殺菌処理時に内容
物を高温に曝すことによる味や香りや色の劣化をできる
だけ避けるためにも、充填し密封した直後の缶詰に対し
て、通常、130℃程度の高温により殺菌するレトルト
処理のような高温殺菌処理を施さずに、65〜95℃程
度の低温により殺菌する低温殺菌処理(パストリゼーシ
ョン)を施している。
【0003】そのような低温殺菌処理においては、飲料
を充填し密封した直後の缶詰を65〜95℃の殺菌温度
にまで上げるために、従来は、図9に示すように、缶詰
製造のライン上を縦置きの状態(正立状態)で連続的に
搬送されてくる缶詰に対して、その上方から熱湯や蒸気
のシャワーを浴びせて加熱するということが行われてお
り、また、そのように加熱殺菌された缶詰を室温近くま
で急冷するために、加熱の場合と同様に、その上方から
冷水のシャワーを浴びせて冷却するということが行われ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な従来の加熱殺菌装置によって低温殺菌処理される缶詰
自体については、缶詰の上側から加熱されることになる
ため、上部側ほどその温度が高くなるような温度差を生
じ、内容物の自己対流が働き難く、全体が所定の温度と
なるまでに長時間を要することとなって、内容物の上部
が高温下に長時間曝されることによる味や香りや色の劣
化を招く可能性がある。
【0005】一方、上記のような従来の低温殺菌処理で
は、加熱殺菌装置による熱湯や蒸気等の散布によって、
低温殺菌処理用の設備の周囲に蒸気が立ちこめて見通し
が悪くなったり、高温・高湿度となって、作業環境が不
快なものとなり、更には、作業者が火傷をしたりする危
険性をも伴うと共に、加熱殺菌装置に続いて缶詰を急冷
するための冷却装置が横並び状態で配置されているた
め、低温殺菌処理用の設備全体に対する設置スペースが
大きなものとなっている。
【0006】本発明は、上記のような問題の解消を課題
とするもので、低温殺菌処理のための加熱殺菌装置を改
善することで、短時間で缶詰全体を所定の殺菌温度に到
達させると共に、作業環境を安全で快適なものとし、且
つ、低温殺菌処理用の設備全体をコンパクトなものとし
て小さなスペースで設置できるようにすることを課題と
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
課題を解決するために、上記の請求項1に記載したよう
に、缶詰の搬送方向に沿って延びる高周波誘導加熱コイ
ルと、非磁性で非導電性の材料からなる上面が平滑な支
持プレートと、缶詰を横倒し状態で載置する載置用ベル
トと、缶詰を押し進めるための押圧部材を外方に突設さ
せた搬送用コンベアーを備えた缶詰の加熱殺菌装置であ
って、高周波誘導加熱コイルの少なくとも上面側を覆う
ように支持プレートが設置され、支持プレートの上面を
滑って缶詰の搬送方向とは逆方向に移動するように載置
用ベルトが設置され、載置用ベルトの上面と対向して缶
詰を搬送方向に移動させるように搬送用コンベアーが設
置されていることで、載置用ベルト上に載置され、支持
プレートにより支えられ、搬送用コンベアーの押圧部材
により押圧されることによって連続的に搬送される各飲
料缶詰が、回転しながら搬送されつつ、高周波誘導加熱
コイルにより加熱されるように構成されていることを特
徴とするものである。
【0008】また、上記の請求項2に記載したように、
缶詰の搬送方向に沿って延びる高周波誘導加熱コイル
と、非磁性で非導電性の材料からなる上面が平滑な支持
プレートと、缶詰を押し進めるための押圧部材を外方に
突設させた搬送用コンベアーと、高周波誘導加熱コイル
と支持プレートおよび搬送用コンベアーの各回転軸を一
体的に連結するための連結フレームと、連結フレームを
上下方向に揺動するための揺動手段を備えた缶詰の加熱
殺菌装置であって、高周波誘導加熱コイルの少なくとも
上面側を覆うように支持プレートが設置され、支持プレ
ートの上面と対向して缶詰を搬送方向に移動させるよう
に搬送用コンベアーが設置され、連結フレームが搬送方
向上流側で固定部材に対して取付部を支点として上下方
向で揺動可能に取り付けられ、連結フレームの取付部よ
りも搬送方向下流側に揺動手段が設置されていて、高周
波誘導加熱コイルと支持プレートと搬送用コンベアー
が、揺動手段により連結フレームを介して、缶詰の搬送
方向上流側を支点として共に上下方向に揺動されるよう
に設置されていることで、支持プレートと搬送用コンベ
アーの間に挟持され、支持プレートにより支えられ、搬
送用コンベアーの押圧部材により押圧されることによっ
て連続的に搬送される各飲料缶詰が、揺動しながら搬送
されつつ、高周波誘導加熱コイルにより加熱されるよう
に構成されていることを特徴とするものである。
【0009】また、上記の請求項3に記載したように、
缶詰の搬送方向に沿って延びる高周波誘導加熱コイル
と、非磁性で非導電性の材料からなる上面が平滑な支持
プレートと、缶詰を横倒し状態で載置する載置用ベルト
と、缶詰を押し進めるための押圧部材を外方に突設させ
た搬送用コンベアーと、高周波誘導加熱コイルと支持プ
レートおよび載置用ベルトと搬送用コンベアーのそれぞ
れの各回転軸を一体的に連結するための連結フレーム
と、連結フレームを上下方向に揺動するための揺動手段
を備えた缶詰の加熱殺菌装置であって、高周波誘導加熱
コイルの少なくとも上面側を覆うように支持プレートが
設置され、支持プレートの上面を滑って缶詰の搬送方向
とは逆方向に移動するように載置用ベルトが設置され、
載置用ベルトの上面と対向して缶詰を搬送方向に移動さ
せるように搬送用コンベアーが設置され、連結フレーム
が搬送方向上流側で固定部材に対して取付部を支点とし
て上下方向で揺動可能に取り付けられ、連結フレームの
取付部よりも搬送方向下流側に揺動手段が設置されてい
て、高周波誘導加熱コイルと支持プレートと載置用ベル
トと搬送用コンベアーが、揺動手段により連結フレーム
を介して、缶詰の搬送方向上流側を支点として共に上下
方向に揺動されるように設置されていることで、載置用
ベルトと搬送用コンベアーの間に挟持され、支持プレー
トにより支えられ、搬送用コンベアーの押圧部材により
押圧されることによって連続的に搬送される各飲料缶詰
が、回転および揺動しながら搬送されつつ、高周波誘導
加熱コイルにより加熱されるように構成されていること
を特徴とするものである。
【0010】さらに、上記の請求項1乃至3に記載した
缶詰の加熱殺菌装置において、上記の請求項4に記載し
たように、加熱殺菌された直後の缶詰を水槽内で冷却す
るための缶詰の冷却装置が、加熱殺菌装置の下方のスペ
ースに配置されるように、加熱殺菌装置が高い位置に配
置されていることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の缶詰の加熱殺菌装
置の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明す
る。
【0012】図1は、本発明の一実施形態に係る缶詰の
加熱殺菌装置を備えた設備全体を示すもので、本実施形
態の加熱殺菌装置1を中心とした低温殺菌処理用の設備
は、果汁飲料や乳酸飲料のようなPH4.6以下の高酸
性飲料を缶詰とする場合に、飲料を充填・密封した直後
の缶詰に対して低温殺菌処理(パストリゼーション)を
施すために、各缶体を連続的に搬送しながら各工程での
処理を連続的に行うような缶詰製造ラインの工程中に組
み込まれるものである。
【0013】すなわち、図示していないが、低温殺菌処
理が施される飲料缶詰の製造ラインでは、送給されてく
る飲料を分配して充填する飲料充填機により、連続的に
送り込まれてくる洗浄済みの空缶に、高酸性飲料を連続
的に各空缶毎に分配して充填してから、この飲料充填済
みの缶体を、搬送コンベアーを介して連続的に缶蓋巻締
機に送り込んで、缶蓋供給装置から連続的に缶蓋が供給
されている缶蓋巻締機により、飲料充填済みの各缶体に
缶蓋を巻き締めて、密封状態の飲料缶詰として連続的に
缶蓋巻締機から送り出す。
【0014】そして、缶蓋巻締機から連続的に送り出さ
れてきた飲料缶詰を、加熱殺菌装置を中心とした低温殺
菌処理用の設備により、搬送しながら所定の殺菌温度
(80〜95℃)となるまで加熱し、所定時間その温度
を維持して殺菌した後、室温近くまで冷却してから、箱
詰め工程に送り込み、最終的には、所定数毎に段ボール
ケースに箱詰めした状態で製造ラインから搬出する。
【0015】上記のような缶詰製造ラインの途中に配置
される低温殺菌処理用の設備全体について説明すると、
図1に示すように、缶蓋巻締機(図示せず)から排出さ
れた直後の缶詰2を正立状態で搬送しているコンベアー
3に沿って、連続的に搬送されてくる缶詰2を正立状態
から横倒し状態とするための缶詰横倒し装置4が配置さ
れており、該装置4の入口から正立状態で導入され、該
装置4の出口から横倒し状態で排出された缶詰2は、リ
フター5に乗せられて、上方に配置された加熱殺菌装置
1に送り込まれる。
【0016】リフター5は、図2に示すように、2本の
平行に張り渡された無端チェーン5a(図2では片側の
チェーンの近傍のみを図示している)の間に、該チェー
ン5aの方向に等間隔で横プレート5b(図2では一つ
の横プレートのみを図示している)を渡しかけ、それぞ
れの横プレート5bに対して、表面を平滑化処理したス
テンレススチール製のY字形の缶詰収容部(厚さ10m
m内外)5cを、缶詰2の1個当たりに2個ずつ所定の
間隔をあけて取り付けたものである。
【0017】リフター5には、缶詰収容部5cに収容さ
れている横置き状態の缶詰2が落下するのを防止するた
めに、各缶詰収容部5cの周囲を取り囲むようにほぼ上
下方向に延びる4枚のガイド板、すなわち、収容されて
いる缶詰2の天蓋および底蓋(缶底)とそれぞれ対面す
る天面ガイド5dおよび底面ガイド5e(缶詰の缶軸方
向のずれを防止する)と、2個の缶詰収容部5cの間の
位置に設けられ、収容されている缶詰の胴部と対面する
2枚の側面ガイド5f,5g(Y字形の開口部から缶詰
が落下するのを防止する)がそれぞれ設けられている。
【0018】これらのガイド板5d〜5gは、リフター
5を固定しているフレーム(図示せず)に対して固着さ
れているが、缶詰2が缶詰収容部5cに入る際と缶詰収
容部5cから出る際に、Y字形の開口部側の側面ガイド
板5f,5gが邪魔をしないようにするために、この側
面ガイド板5f,5gは、缶詰横倒し装置4からの入り
口付近と加熱殺菌装置1の缶詰搬送用コンベアー15へ
の出口付近には設けられていない。
【0019】缶詰横倒し装置4の出口付近には、図示し
ていないが、エアシリンダーの作動により前後動するス
トッパーが設けられており、リフター5の缶詰収容部5
cが近づくタイミングでエアシリンダーを動かしてスト
ッパーを後退させることにより、缶詰2は転がりながら
Y字形の缶詰収容部5c内に収容され、リフター5によ
り上方へ運ばれることとなる。
【0020】リフター5により上方へ運ばれた缶詰2
は、上端部のスプロケット5hの廻りを移動して、その
ときに、缶詰搬送用コンベアー15の押圧部材であるカ
ラー15cが、2個の缶詰収容部5cの間を通過して後
ろから缶詰2の胴部に接触し、缶詰2を缶詰搬送用コン
ベアー15の進行方向に押圧するので、缶詰収容部5c
のY字形の開口部が横向きに近い状態になった時点で缶
詰2は缶詰収容部5cから押し出されて、これ以後、缶
詰2はカラー15cにより押されて搬送方向へ搬送され
ることになる。
【0021】なお、一つの低温殺菌処理用設備には、図
1に示すような搬送処理経路が、並列的に複数(例え
ば、6列)一体的に設けられていて、コンベアー3によ
って搬送されてくる正立状態の缶詰2は、缶詰横倒し装
置4の複数(6箇所)の入口からそれぞれ導入され、該
装置4の別個の横倒し用通路を通って複数(6箇所)の
出口から同時的に排出される各缶詰2は、同一駆動源に
より駆動されている複数本(6本)のリフター5のそれ
ぞれの缶詰収容部5cに同時的に乗せられて、以後、各
列の搬送処理経路で同時的に処理されることとなる。
【0022】リフター5の上端位置に配置された加熱殺
菌処理装置1では、リフター5から横倒し状態で送り込
まれた缶詰2を缶詰搬送用コンベアー15で連続的に搬
送しながら、缶詰2の下側で搬送方向に沿って配置され
た高周波誘導加熱コイル11による高周波誘導加熱によ
り、缶詰2を所定の殺菌温度(80〜95℃)になるま
で加熱してから、加熱殺菌された缶詰2を、該装置1の
搬送路末端側に配置された星形ターレットからなる出口
ターレット6を介して、該装置1の下方に配置された缶
詰冷却装置7に向けて送り出す。
【0023】加熱殺菌装置1において高周波誘導加熱コ
イル11により行われる高周波誘導加熱については、そ
れ自体は従来から一般的に広く知られた加熱方法であっ
て、加熱殺菌装置1では、搬送路の下側に配置された高
周波誘導加熱コイル11に電流を流すことで、金属素材
の缶容器に生じる誘導電流(渦電流)に基づくジュール
熱によって缶詰2の容器を加熱し、該容器を介して中身
の飲料を加熱することにより、缶詰全体を短時間で所定
の殺菌温度にまで昇温させている。
【0024】リフター5の上端となる高い位置に配置さ
れた加熱殺菌装置1に対して、その下方に形成される空
間部には、該加熱殺菌装置1により加熱殺菌された直後
の缶詰2を室温近くにまで急冷するための缶詰冷却装置
7が配置されており、出口ターレット6から送り出され
た缶詰2は、それ自身の重力により転がって、直ちに下
方に位置する缶詰冷却装置7に導入される。
【0025】缶詰冷却装置7は、冷却水が貯留された水
槽8内に缶詰を連続的に蛇行させるように搬送コンベア
ー9を設置したものであり、水槽8内で缶詰2を蛇行さ
せることで、それ自体がコンパクトで省スペースなもの
となっている。
【0026】缶詰冷却装置7の搬送コンベアー9は、図
3に示すように、2本の平行なステンレススチール製の
無端チェーンコンベアー9a(図3では片側のチェーン
の近傍のみを図示している)の間に所定間隔を置いて多
数掛け渡された缶詰載置用プレート9b(図3では一つ
のプレートのみを図示している)に対し、横置き状態の
缶詰2を載せて搬送するようになっているものであっ
て、缶詰載置用プレート9bから缶詰2が落下するのを
防止するために、缶詰載置用プレート9bを通過させ得
る間隔で、しかも缶詰2の胴部径よりも少し広い間隔を
置いて対面する側面ガイド板9c,9dを、間隔を置い
て2対設けると共に、缶詰2の長さよりも少し間隔を置
き、しかも缶詰の天蓋および底蓋(缶底)とそれぞれ対
面する位置に、2対の天面ガイド板9eおよび底面ガイ
ド板9fを設けている。(各1対の天面ガイド板9eと
底面ガイド板9fのそれぞれは、何れも缶詰載置用プレ
ート9bを通過させ得る間隔で設けられている)
【0027】缶詰載置用プレート9bに対して一缶の缶
詰2を囲むように配置されている8枚のガイド板9c〜
9fは、缶詰載置用プレート9bの長手方向に沿って6
組(1組のみ図示している)設けられていて、各組の8
枚のガイド板9c〜9fは、何れも、図1に示されてい
る無端チェーンコンベアーの上端部の2個のスプロケッ
ト9h,9k間および出口側のスプロケット9kの周り
では、外側となる2枚の側面ガイド板9cだけ缶詰2の
出し入れのために取り除かれている。
【0028】加熱殺菌装置1で加熱殺菌された缶詰2
は、出口ターレット6を経て転がりながら、水平方向を
移動している無端チェーンコンベアー9の2個の缶詰載
置用プレート9bの間に落下して側面ガイド板9dに受
け止められてスプロケット9hの周囲を廻った後に下方
に下降して水槽8内に導入される。
【0029】缶詰冷却装置7の水槽8内に導入された缶
詰2は、初めは缶詰載置用プレート9bの上に載ってお
り、下方のスプロケット9mの周囲を廻って上昇を始め
る時には、缶詰2は一つ後ろ(搬送方向下流側)の缶詰
載置用プレート9bによって後ろから押されて運ばれる
形となり、その後の上昇過程では、一つ後ろの缶詰載置
用プレート9bの上に載って運ばれる。
【0030】水中の各スプロケット9m,9nの外周ま
たは内周には、前述したように、缶詰落下防止用の8枚
のガイド板が設けられており、缶詰冷却装置7内に導入
された加熱殺菌直後の缶詰2は、狭い水槽8内を2本の
無端チェーンコンベアーからなる搬送コンベアー9に案
内されて長く蛇行する間に、水槽8内の冷却水により室
温近くまで急速に冷却されてから、次工程に送り出され
る。
【0031】上記のような缶詰冷却装置7による冷却工
程によれば、缶詰2の搬送が水中で行われるために、缶
詰2の表面に傷が付きにくく、また水の抵抗および搬送
方向の変更により缶詰自身が缶詰載置用プレート9bと
天面ガイド板9eと底面ガイド9fと側面ガイド板9
c,9dで規制された空間を動くので缶詰2の動きにと
もなって缶内の飲料も動くこととなり、それによる攪拌
効果のために冷却効率が上がることとなる。
【0032】図4は、上記のような低温殺菌処理用の設
備に使用されている本発明の加熱殺菌装置の一実施形態
(第1実施形態)を示すもので、加熱殺菌装置1には、
高周波誘導加熱により各缶詰を加熱するための手段とな
る高周波誘導加熱コイル11が搬送方向に沿って延びる
ように配置されている。
【0033】この高周波誘導加熱コイル11について、
本実施形態では、図5に示すように、縦断面形状がU字
形のフェライトコア11aをU字形の開口部が上になる
ようにして缶詰2の搬送方向に沿って約lmの長さに隙
間なく2列に並べて(列と列との間には間隔を開け
る)、各列のフェライトコアの断面U字形の収納空間内
に、8mm角の中空導電パイプ11bを通して4ターン
巻にすることで高周波誘導加熱コイル11を形成してい
る。 なお、高周波誘導加熱コイル11に使用される8
mm角の銅製の中空導電パイプ11bは、その中空部に
冷却水を流すことができるようなものである。
【0034】高周波誘導加熱コイル11は、該コイルか
ら発生する磁界の磁束密度を高めて効率的な缶加熱を行
うために、間隔を置いて並列的に配置された縦断面がU
字形のフェライトコア11aに対して巻かれており、磁
束が狭いエリアに集中して缶に投入されるパワーが高効
率となる反面、缶壁が焼け付くのを防止するために、U
字形コイルを間隔を置いて配置することで加熱面が拡散
される(磁束が集中する場所同士の間に間隔を置く)よ
うにしている。
【0035】上記のように形成された高周波誘導加熱コ
イル11は、縦断面U字形のエポキシ樹脂製のケース1
1c内に収容されて、その上面は、エンジニアリングプ
ラスチックのような非磁性体で且つ非導電性の材料によ
り形成された上面が平滑な支持プレート12のカバーに
より覆われていて、この支持プレート12の厚さは、高
周波誘導加熱コイル11の上端と缶詰2との距離を短く
するために、2mm内外の厚さとするのが良い。
【0036】なお、この支持プレート12については、
フェライトコア11aと導電パイプ11bから構成され
ている高周波誘導加熱コイル11の全体、または、少な
くともその上面側をエポキシ樹脂等で被覆する(塗装、
溶融樹脂の押し出し等により)と共に、その上面を平滑
にしたものでも良い。
【0037】本実施形態(第1実施形態)の加熱殺菌装
置1では、上記のように高周波誘導加熱コイル11の上
面側を覆っている支持プレート12に対して、缶詰2を
横倒し状態で載置する載置用ベルト13が、上側(缶詰
載置側)に位置する該ベルト13の下面が支持プレート
12の平滑な表面上を滑りながら缶詰2の搬送方向と逆
方向に移動するように、ベルト駆動用モーター14の駆
動力によって高周波誘導加熱コイル11と支持プレート
12の周りを上下方向で循環するように設置されてい
る。
【0038】なお、図示していないが、載置用ベルト1
3の上方には、載置された缶詰2が横方向へずれないよ
うに、缶詰の天蓋および底蓋にそれぞれ対面し、且つ、
缶詰の長さよりも少し長い距離を置いて対峙するよう
に、1列の缶詰に対して1対のサイドガイドが設けられ
ており、すなわち、本実施形態の加熱殺菌装置1全体と
しては、載置用ベルト13が搬送方向に対して並列的に
6列並べられているのに対して、該サイドガイドもそれ
ぞれ6対設けられている。
【0039】一方、そのような載置用ベルト13の上側
(缶詰載置側)と対向するように、載置用ベルト13の
動き(搬送方向と反対方向への移動)に抗して缶詰2を
押圧して搬送方向に押し進めるための押圧部材(カラー
15c)を等間隔に取り付けた缶詰搬送用の無端コンベ
アー15が設けられており、この缶詰搬送用コンベアー
15の移動範囲は、リフター5の上方を通って出口ター
レット6の上方にまで延びている。
【0040】缶詰搬送用コンベアー15について、本実
施態様では、図6に示すように、平行に並べられた2本
の無端チェーンコンベアー15a(図6では片側のチェ
ーンの近傍のみを図示している)の間に等間隔でガイド
シャフト15b(図6では一つのガイドシャフトのみを
図示している)を掛け渡し、これらガイドシャフト15
bに対し、押圧部材として、摩擦係数が小さい合成樹脂
製のカラー(中空パイプ)15cを、回転可能に缶詰一
缶当たり2個ずつ取り付けたものとなっていて、1本の
ガイドシャフト15bには、搬送する缶詰列(6列)に
合わせて6列分(12個)のカラー15cが取り付けら
れている。
【0041】カラー15cは、その長さを缶胴の全長に
わたり線接触するほど長くせず、抵抗を少なくするため
に接触面を少なくし、しかも缶胴を押す力を安定させる
ために、1個の缶詰2に対して2個のカラー15cを間
隔を置いて取り付けていて、また、缶胴の軸心よりもや
や上方(具体的には、例えば、缶軸よりも5mm上方)
を押すようにカラー15cを配置することで、安定した
搬送になるようにしている。
【0042】なお、缶詰搬送用コンベアー15の押圧部
材については、缶詰2を押す役目をする押圧部材が缶詰
2を後ろから押しながら搬送する際に、缶詰2は回転し
ているので、缶詰2の表面に摩擦による擦り傷が付く可
能性があり、この押圧部材による缶詰表面の傷付きを防
止するためには、缶と接触するとともにフリー回転する
上記のようなカラー15cに、摩擦抵抗の小さい材料を
使用するのが望ましく、本実施形態では合成樹脂製のも
のを使ったが、缶胴表面に傷を付けない材質ものなら何
でも良い。
【0043】また、本実施形態では、押圧部材としてカ
ラー15cを使い、このカラー15cと缶詰2の缶胴と
を摺動させているが、そのようなものに限らず、押圧部
材としては、例えば、ボールベアリングを介して缶と同
速で回転する回転ロールを使用しても良く、この方が表
面抵抗が多少大きくてもカラーを使うよりも缶胴表面の
傷付きの恐れが少ないものとなる。
【0044】さらには、押圧部材としては、カラーや回
転ロールに限らず、缶詰を傷つけることなく押すことが
出来るものなら使用でき、その形状も特に限定されず、
例えば、棒状体又は板状体若しくは短冊状体のようなも
ので良い。
【0045】缶詰搬送用コンベアー15の搬送方向に沿
った各押圧部材(カラー15c)の間隔(ポケット)に
ついては、缶詰2の径が202径〜211径に変わって
も型替えなしで対応できるものとなっている。(但し、
缶話2の高さの変更を伴う場合には、サイドガイドの型
替えが必要で、その場合には、各ポケット毎ではなく片
側一本のサイドガイドの変更で全てのポケットに対応で
きる。)
【0046】上記のような本実施形態(第1実施形態)
の加熱殺菌装置1によれば、リフター5から連続的に送
り込まれた缶詰2は、支持プレート12に支えられた状
態で支持プレート12上面を滑るように搬送方向と反対
側に移動している載置用ベルト13上に載置され、この
載置用ベルト13との摩擦力により搬送方向と反対方向
へ移動する力を与えられるが、缶詰2の上方に配置され
ている缶詰搬送用コンベアー15の搬送方向に移動して
いる部分(缶詰搬送用コンベアーの下側)に取り付けら
れている2個のカラー15cが、缶詰2の後ろから缶詰
2の中心よりもやや上方に当たって缶詰2を押圧するの
で、缶詰2はその上部と下部とで反対方向の力を加えら
れることになり、その結果、缶詰2は、(図1および図
4で見て)右回りに回転しながら搬送方向へ運ばれるこ
とになる。
【0047】そして、(図1および図4で見て)右回り
に回転しながら搬送方向へ運ばれている缶詰2は、この
搬送中に支持プレート12の下方に配置されている高周
波誘導加熱コイル11によって誘導加熱されることにな
る。
【0048】高周波誘導加熱コイル11による加熱方法
については、高周波誘導加熱コイル11に電流を流すこ
とによって発生する交番磁界中に導電性の物体(本発明
では缶)を置くとその物体に渦電流が流れ、その物体の
電気抵抗により渦電流が熱エネルギーに変えられるのを
利用した加熱方法であって、周知の方法であるので詳し
い説明を省くが、缶詰2の加熱時間については、缶詰搬
送用コンベアー15の速度と、高周波誘導加熱コイル1
1の長さと、高周波誘導加熱コイル11と缶詰2との距
離と、高周波誘導加熱コイル11に流す電流量とによっ
て、任意に設定可能である。
【0049】また、内容物を攪拌するために缶詰2を回
転させる回転速度(載置用ベルト13の移動速度を上げ
ると回転速度が上がる)については、例えば、30秒で
50℃から90℃に昇温させるように加熱する場合に
は、200rpm以上となるようにするのが効果的であ
る。
【0050】なお、載置用ベルト13については、接触
する缶詰2に回転力を与えるために、ベルト13の外表
面には摩擦抵抗の大きい材料を使用し、支持プレート1
2との摺接を抵抗なく行うために、ベルト13の裏面に
は摩擦抵抗の小さい材料を使用するのが良く、また、ベ
ルト13の外表面には、缶詰2の缶表面の傷付きを考慮
して弾性の高い材料を使用するのが良く、本実施形態で
は、硝子繊維製のベルトの外表面にシリコンを塗布した
ものが用いられている。
【0051】また、載置用ベルト13の表面に堆積した
金属粉や塗料カス等による缶表面の傷付きを防止するた
めには、該ベルト13の適所にブラシやエアーブローを
設置して、常時金属粉や塗料かす等の汚れや異物を除去
するのが望ましい。
【0052】図7は、上記のような低温殺菌処理用の設
備に使用可能な加熱殺菌装置1の他の実施形態(第2実
施形態)を示すもので、本実施形態では、高周波誘導加
熱コイル11(第1実施形態と同じ構造のもの)に対し
て、該誘導加熱コイル11の長手方向(搬送方向)両端
部よりも長く延びて該誘導加熱コイル11の上方を覆う
ように、エンジニアリングプラスチック製の支持プレー
ト12が設置され、該支持プレート12の上方で缶詰の
横方向の移動を制限するようにサイドガイド(図示せ
ず)が設置されていると共に、支持プレート12と対面
するようにその上方に、外面側に取り付けた押圧部材
(カラー15c)によって缶詰を搬送方向へ押し進める
ための缶詰搬送用コンベアー15(第1実施形態と同じ
構造のもの)が設置されている。
【0053】そして、この第2実施形態では、上記の高
周波誘導加熱コイル11と支持プレート12とサイドガ
イドと缶詰搬送用コンベアー15は、連結フレーム16
を介して、一体的に揺動可能なように連結されている。
【0054】すなわち、一体的に揺動する揺動ユニット
として、連結フレーム16に対し、高周波誘導加熱コイ
ル11や支持プレート12やサイドガイドが取り付けら
れ、また、缶詰搬送用コンベアー15のそれぞれスプロ
ケット15m,15nの回転軸の部分が取り付けられて
いると共に、該連結フレーム16の搬送方向上流側が、
固定部材として設置されているリフター上端部のスプロ
ケット5hの回転軸部分17に対して上下方向で揺動可
能に取り付けられている。
【0055】さらに、そのように搬送方向上流側で固定
部材(リフター上端部のスプロケットの回転軸部分1
7)に対して上下方向で揺動可能に取り付けられた連結
フレーム16に対して、その搬送方向下流側に、コンロ
ッド18と揺動駆動用モーター19を備えた揺動手段が
設置されており、連結フレーム16の搬送方向下流側の
下端部に、該揺動手段のコンロッド18の一端部が連結
されていて、該コンロッド18の他端部は、揺動駆動用
モーター19に連動して回転される回転体20の外周付
近に回転可能に取り付けられている。
【0056】そのような構造により、上記のように連結
フレーム16により一体的に連結された揺動ユニット
は、リフター5の上端部のスプロケット5hの回転軸部
分を回転軸(上下方向の揺動の支点)17とし、出口タ
ーレット6に近い側の連結フレーム16下端部に連結さ
れたコンロッド18を介して、揺動駆動用モーター19
の駆動力により一体的に揺動されるものとなっている。
【0057】上記のような第2実施形態の加熱殺菌装置
1によれば、リフター5から連続的に送り込まれた缶詰
2は、支持プレート12上に載置された状態で、缶詰搬
送用コンベアー15の押圧部材(カラー15c)に押さ
れることで支持プレート12上を転がりながら搬送方向
に押し進められるとともに、揺動駆動用モーター19の
駆動により、支持プレート12と缶詰搬送用コンベアー
15との間に緩く挟持された状態でほぼ上下に揺動しな
がら搬送されつつ、高周波誘導加熱コイル11により加
熱されることになる。
【0058】なお、この第2実施形態の場合、支持プレ
ート12上に缶詰2を載置して搬送するため、支持プレ
ート12としては、比較的摩擦抵抗の大きい材質のも
の、例えば、硬質ゴムのようなものを使用するのが好ま
しい。
【0059】上記のような第2実施形態によれば、搬送
中の缶詰2は転動するだけなのでその回転数が第1実施
形態よりもかなり少ないが、缶詰2は搬送中に揺動され
るので、缶詰内容液は良く攪拌され、缶の熱が内容液に
速く伝わると共に、リフター5側に揺動ユニットの上下
揺動の支点(揺動のための回転軸)17を置くことで、
缶詰2はリフター5に近い位置にいるときは揺動の程度
が小さいが、出口ターレット6に近くなるほど揺動の程
度が大きくなって、缶詰内容液の温度が低いときには攪
拌効果が小さいが、内容液の温度が高くなるほど攪拌効
果が上がるようになる。
【0060】すなわち、通常、缶詰内容液を外側から加
熱する場合、内容液の温度が高いほど、良く攪拌してや
らないと内容液の温度のバラツキが大きくなるが、この
第2実施形態では、上記のように内容液の温度が高くな
るほど良く攪拌されるように構成されているので、揺動
させるモーター19の負荷の割合に比較して攪拌効率が
高いものとなる。
【0061】なお、この第2実施形態の場合に、内容物
を攪拌するために缶詰2を揺動させる振動条件として
は、例えば、各缶詰2を支えている支持プレート12に
おいて、長さの約lmの高周波誘導加熱コイル11に対
応する部分の長手方向中央部のストロークを、10mm
以上、振動数を4往復/秒以上とするのが効果的であ
る。
【0062】図8は、上記のような低温殺菌処理用の設
備に使用可能な加熱殺菌装置1の更に他の実施形態(第
3実施形態)を示すもので、本実施形態では、上記の第
1実施形態と同様に、高周波誘導加熱コイル11と、該
高周波誘導加熱コイル11の上方を覆うエンジニアリン
グプラスチック製の支持プレート12と、缶詰2を横倒
し状態で載置して支持プレート12の上面を移動する載
置ベルト13と、該載置ベルト13の上方で缶詰2の横
方向の移動を制限するようにサイドガイド(図示せず)
と、外面側に取り付けた押圧部材(カラー15c)によ
って缶詰2を搬送方向へ押し進めるための缶詰搬送用コ
ンベアー15とがそれぞれ設置されている。
【0063】そして、この第3実施形態では、上記の高
周波誘導加熱コイル11と支持プレート12とサイドガ
イドと載置ベルト13と缶詰搬送用コンベアー15が、
連結フレーム16を介して、一体的に揺動可能なように
連結されている。
【0064】すなわち、連結フレーム16には、一体的
に揺動する揺動ユニットとして、高周波誘導加熱コイル
11や支持プレート12やサイドガイドが取り付けら
れ、また、缶詰搬送用コンベアー15の各スプロケット
15m,15nの回転軸の部分と、載置ベルト13の各
プーリー13m,13nの回転軸の部分がそれぞれ取り
付けられていると共に、該連結フレーム16の搬送方向
上流側は、固定部材として設置されているリフター上端
部のスプロケット5hの回転軸部分17に対して上下方
向で揺動可能に取り付けられている。
【0065】また、そのように搬送方向上流側で固定部
材(リフター上端部のスプロケットの回転軸部分17)
に対して上下方向で揺動可能に取り付けられた連結フレ
ーム16に対して、その搬送方向下流側に、コンロッド
18と揺動駆動用モーター19を備えた揺動手段が設置
されており、連結フレーム16に該揺動手段のコンロッ
ド18の一端部が連結されていて、該コンロッド18の
他端部は、揺動駆動用モーター19に連動して回転され
る回転体20の外周付近に回転可能に取り付けられてい
る。
【0066】そのような構造により、上記のように連結
フレームにより一体的に連結された揺動ユニットは、第
2実施形態と同様に、リフターの上端部のスプロケット
5hの回転軸部分を回転軸(上下方向の揺動の支点)1
7とし、出口ターレット6に近い側の連結フレーム16
の下端部に連結されたコンロッド18を介して、揺動駆
動用モーター19の駆動力により一体的に揺動すると共
に、該揺動ユニットにおいては、載置用ベルト13が、
ベルト駆動用モーター14の駆動力によって、支持プレ
ート12の平滑な表面上を滑りながら缶詰2の搬送方向
と逆方向に移動するように、高周波誘導加熱コイル11
と支持プレート12の周りを上下方向で循環するように
設置されており、また、缶詰搬送用コンベアー15が、
載置用ベルト13と対向して押圧部材(カラー15c)
により缶詰2を搬送方向に移動させるように設置されて
いる。
【0067】上記のような第3実施形態の加熱殺菌装置
1によれば、リフター5から連続的に送り込まれた缶詰
2は、支持プレート12に支えられているとともに缶詰
搬送方向とは逆方向に移動している載置用ベルト13上
に載置され、載置ベルト13の移動に伴って缶詰2の搬
送方向とは逆方向に移動しようとするが、缶詰搬送用コ
ンベアー15のカラー15cに後ろから押されることに
より、搬送方向に回転しながら(図8では右回り)、し
かも載置用ベルト13と缶詰搬送用コンベアー15との
間で緩く挟持された状態で揺動されつつ搬送され、搬送
中に高周波誘導加熱コイル11により加熱されることに
なる。
【0068】すなわち、この第3実施形態によれば、缶
詰2を強制的に回転させながら揺動させるので、缶内容
液の攪拌効果が高くなり、加熱された缶の熱が迅速に内
容液に伝わることとなる。そして、缶詰2を強制的に回
転させるので、缶詰2を揺動させるための揺動ユニット
の単位時間当たりの振動数は、第2実施形態よりも少な
くしても良く、また、缶詰2の回転速度を第1実施形態
よりもかなり遅くしても、缶詰2を回転させると同時に
揺動させるために、缶詰内容液を十分に攪拌することが
でき、缶詰2が高速回転することで缶詰搬送用コンベア
ー15の押圧部材15cや載置用ベルト13とスリップ
して擦れることにより缶詰表面に擦り傷が発生するよう
なことを防止することができる。
【0069】なお、上記の第3実施形態に示した加熱殺
菌装置1については、その揺動駆動用モーター19を停
止させてベルト駆動用モーター14を稼働させることに
より、第1実施形態に示した加熱殺菌装置1と同様に使
用することができると共に、その揺動駆動用モーター1
9を稼働させてベルト駆動用モーター14を停止させる
ことにより、第2実施形態に示した加熱殺菌装置1と同
様に使用することができる。
【0070】ところで、従来の加熱殺菌装置では、缶詰
が上側から一方的に加熱されるため、缶詰の内部で内容
物の飲料に上部側ほど温度が高くなるような温度差を生
じ、内容物の自己対流が働き難く、缶詰全体を所定の殺
菌温度(80〜95℃)とするまでに時間を要してい
た。
【0071】これに対して、以上に説明したような各実
施形態の缶詰の加熱殺菌装置1によれば、缶詰全体を短
時間で効率良く加熱することができる。すなわち、上記
の各実施形態による加熱殺菌装置1では、高周波誘導加
熱により金属の缶容器を通して缶詰全体が効率的に加熱
されると共に、更に、缶詰を回転させたり揺動させたり
して、内容物を攪拌しながら加熱することで、加熱され
た缶容器の熱を内容物全体に短時間でより効果的に伝達
させることができるため、短時間で効率よく缶詰全体を
所定の殺菌温度(80〜95℃)に到達させることがで
きる。
【0072】その結果、従来の加熱殺菌装置では、缶詰
全体が所定の殺菌温度に到達するまでに、内容物の上部
のみが長時間にわたって高温(熱湯や蒸気の温度)に曝
されることとなり、その結果、内容物の味や香りや色の
劣化を増大させていたのに対して、上記の各実施形態に
よる加熱殺菌装置1では、内容物を全体的に加熱して短
時間で所定の殺菌温度に到達させることができるため、
内容物を高温に曝す時間が短くなって、内容物の味や香
りや色の劣化を低減させることができる。
【0073】また、各実施形態の缶詰の加熱殺菌装置1
によれば、高周波誘導加熱コイルによる誘導加熱によっ
て缶詰を加熱殺菌するので、従来の熱湯や蒸気等のシャ
ワーによる缶詰の加熱殺菌装置と比べて、熱湯や蒸気等
を作業環境内に散布する必要がなく、従って、作業環境
を安全で快適なものとすることができる。
【0074】また、従来の加熱殺菌装置では、缶詰の上
側、すなわち、ヘッドスペース(缶詰内上部の内容物の
ない空間部分)の側から加熱されるため、缶内圧を決定
するヘッドスペースの圧力が加熱によって高くなるのに
対して、上記の各実施形態による加熱殺菌装置1では、
特にヘッドスペースの側から加熱するようなことなく、
加熱時にヘッドスペースの圧力を低く抑えることができ
るため、缶内圧の変化による缶体の変形を抑えるのに最
小限必要な厚さにまで缶壁厚を薄くすることができる。
【0075】また、缶詰の種類によって殺菌温度が(8
0〜95℃の範囲内で)異なったり、内容物の充填時の
温度が異なったりするため、缶詰の種類に応じて加熱程
度を適宜変更することが必要となるが、上記の各実施形
態による加熱殺菌装置1では、高周波誘導加熱コイルに
流す電流の大きさを変えるだけで、そのような加熱程度
の変更をきわめて容易に行うことができる。
【0076】さらに、上記の各実施形態による加熱殺菌
装置1では、従来のシャワー方式の加熱殺菌装置と違っ
て、高い位置に配置してその下方に他の装置を設置する
ことが可能となるため、加熱殺菌直後の缶詰の冷却装置
7を、加熱殺菌装置1の下方の空間部に配置すること
で、低温殺菌処理用の設備全体をコンパクトなものとし
て小さなスペースで設置することができる。
【0077】
【発明の効果】以上説明したような本発明の缶詰の加熱
殺菌装置によれば、高周波誘導加熱手段を採用すること
によって、缶詰全体を短時間で所定の殺菌温度に到達さ
せることができて、内容物を高温下に長時間曝すことに
起因する味や香りや色の劣化を低減することができ、ま
た、加熱殺菌時にヘッドスペースの圧力を低く抑えるこ
とができるので、加熱による缶内圧の変化によって発生
する缶体の変形を抑えるのに最小限必要な缶壁厚を薄く
することができる。また、本発明の缶詰の加熱殺菌装置
によれば、熱湯や蒸気を使わないので、作業環境を安全
で快適なものとすることができると共に、加熱殺菌装置
の下方に缶詰冷却装置を配置して、低温殺菌処理用の設
備全体をコンパクトなものとして小さなスペースで設置
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加熱殺菌装置を備えた缶詰の低温殺菌
処理用設備全体の概略を示す側面説明図。
【図2】図1に示した設備におけるリフターの要部を示
す斜視図。
【図3】図1に示した設備における缶詰冷却装置の搬送
コンベアーを部分的に示す斜視図。
【図4】本発明の加熱殺菌装置の第1実施形態を示す側
面説明図。
【図5】図4に示した加熱殺菌装置における高周波誘導
加熱コイルを部分的に示す一部断面斜視図。
【図6】図4に示した加熱殺菌装置における缶詰搬送用
コンベアーの押圧部材を部分的に示す斜視図。
【図7】本発明の加熱殺菌装置の第2実施形態を示す側
面説明図。
【図8】本発明の加熱殺菌装置の第3実施形態を示す側
面説明図。
【図9】従来の缶詰加熱殺菌装置を示す側面説明図。
【符号の説明】
1 缶詰の加熱殺菌装置 2 缶詰 7 缶詰冷却装置 8 水槽 11 高周波誘導加熱コイル 12 支持プレート 13 載置用ベルト 15 (缶詰)搬送用コンベアー 15c 押圧部材(カラー) 16 連結フレーム 17 連結フレームの支点 18 コンロッド(揺動手段) 19 揺動駆動用モーター(揺動手段) 20 回転体(揺動手段)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 缶詰の搬送方向に沿って延びる高周波誘
    導加熱コイルと、非磁性で非導電性の材料からなる上面
    が平滑な支持プレートと、缶詰を横倒し状態で載置する
    載置用ベルトと、缶詰を押し進めるための押圧部材を外
    方に突設させた搬送用コンベアーを備えた缶詰の加熱殺
    菌装置であって、 高周波誘導加熱コイルの少なくとも上面側を覆うように
    支持プレートが設置され、支持プレートの上面を滑って
    缶詰の搬送方向とは逆方向に移動するように載置用ベル
    トが設置され、載置用ベルトの上面と対向して缶詰を搬
    送方向に移動させるように搬送用コンベアーが設置され
    ていることで、 載置用ベルト上に載置され、支持プレートにより支えら
    れ、搬送用コンベアーの押圧部材により押圧されること
    によって連続的に搬送される各飲料缶詰が、回転しなが
    ら搬送されつつ、高周波誘導加熱コイルにより加熱され
    るように構成されていることを特徴とする缶詰の加熱殺
    菌装置。
  2. 【請求項2】 缶詰の搬送方向に沿って延びる高周波誘
    導加熱コイルと、非磁性で非導電性の材料からなる上面
    が平滑な支持プレートと、缶詰を押し進めるための押圧
    部材を外方に突設させた搬送用コンベアーと、高周波誘
    導加熱コイルと支持プレートおよび搬送用コンベアーの
    各回転軸を一体的に連結するための連結フレームと、連
    結フレームを上下方向に揺動するための揺動手段を備え
    た缶詰の加熱殺菌装置であって、 高周波誘導加熱コイルの少なくとも上面側を覆うように
    支持プレートが設置され、支持プレートの上面と対向し
    て缶詰を搬送方向に移動させるように搬送用コンベアー
    が設置され、連結フレームが搬送方向上流側で固定部材
    に対して取付部を支点として上下方向で揺動可能に取り
    付けられ、連結フレームの取付部よりも搬送方向下流側
    に揺動手段が設置されていて、高周波誘導加熱コイルと
    支持プレートと搬送用コンベアーが、揺動手段により連
    結フレームを介して、缶詰の搬送方向上流側を支点とし
    て共に上下方向に揺動されるように設置されていること
    で、 支持プレートと搬送用コンベアーの間に挟持され、支持
    プレートにより支えられ、搬送用コンベアーの押圧部材
    により押圧されることによって連続的に搬送される各飲
    料缶詰が、揺動しながら搬送されつつ、高周波誘導加熱
    コイルにより加熱されるように構成されていることを特
    徴とする缶詰の加熱殺菌装置。
  3. 【請求項3】 缶詰の搬送方向に沿って延びる高周波誘
    導加熱コイルと、非磁性で非導電性の材料からなる上面
    が平滑な支持プレートと、缶詰を横倒し状態で載置する
    載置用ベルトと、缶詰を押し進めるための押圧部材を外
    方に突設させた搬送用コンベアーと、高周波誘導加熱コ
    イルと支持プレートおよび載置用ベルトと搬送用コンベ
    アーのそれぞれの各回転軸を一体的に連結するための連
    結フレームと、連結フレームを上下方向に揺動するため
    の揺動手段を備えた缶詰の加熱殺菌装置であって、 高周波誘導加熱コイルの少なくとも上面側を覆うように
    支持プレートが設置され、支持プレートの上面を滑って
    缶詰の搬送方向とは逆方向に移動するように載置用ベル
    トが設置され、載置用ベルトの上面と対向して缶詰を搬
    送方向に移動させるように搬送用コンベアーが設置さ
    れ、連結フレームが搬送方向上流側で固定部材に対して
    取付部を支点として上下方向で揺動可能に取り付けら
    れ、連結フレームの取付部よりも搬送方向下流側に揺動
    手段が設置されていて、高周波誘導加熱コイルと支持プ
    レートと載置用ベルトと搬送用コンベアーが、揺動手段
    により連結フレームを介して、缶詰の搬送方向上流側を
    支点として共に上下方向に揺動されるように設置されて
    いることで、 載置用ベルトと搬送用コンベアーの間に挟持され、支持
    プレートにより支えられ、搬送用コンベアーの押圧部材
    により押圧されることによって連続的に搬送される各飲
    料缶詰が、回転および揺動しながら搬送されつつ、高周
    波誘導加熱コイルにより加熱されるように構成されてい
    ることを特徴とする缶詰の加熱殺菌装置。
  4. 【請求項4】 加熱殺菌された直後の缶詰を水槽内で冷
    却するための缶詰の冷却装置が、加熱殺菌装置の下方の
    スペースに配置されるように、加熱殺菌装置が高い位置
    に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3に記
    載の缶詰の加熱殺菌装置。
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