JP3379344B2 - ファルネシル二リン酸合成酵素 - Google Patents

ファルネシル二リン酸合成酵素

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JP3379344B2 JP21321196A JP21321196A JP3379344B2 JP 3379344 B2 JP3379344 B2 JP 3379344B2 JP 21321196 A JP21321196 A JP 21321196A JP 21321196 A JP21321196 A JP 21321196A JP 3379344 B2 JP3379344 B2 JP 3379344B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステロイド、ユビ
キノン、ドリコール、カロテノイド、プレニル化蛋白
質、動物ホルモン、植物ホルモンなどの生体にとって重
要な化合物の前駆体である直鎖状プレニル二リン酸を合
成する新規変異型酵素、該酵素をコードする遺伝子系、
並びに該酵素の製造方法及び使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】生体内で重要な機能を持つ物質のうち、
イソプレン(isoprene:2−メチル−1,3−ブタジエ
ン)を構成単位として生合成される物質は数多い。これ
らの化合物はイソプレノイド(isoprenoid)、テルペノ
イド(terpenoid )、テルペン(terpene )とも呼ば
れ、炭素数によりヘミテルペン(hemiterpene,C5)、
モノテルペン(monoterpene,C10)、セスキテルペン
(sesquiterpene,C15)、ジテルペン(diterpene,C
20)、セスタテルペン(sesterterpene,C25)、ト
リテルペン(triterpene, C30)、テトラテルペン
(tetraterpene, C40)などに分類される。実際の生
合成は、メバロン酸合成経路(mevalonate pathway)を
経て、メバロン酸−5−二リン酸が合成され、活性型イ
ソプレン単位であるイソペンテニル二リン酸(IPP:isop
entenyl diphosphate )が合成されるところから始ま
る。
【0003】架空の前駆体物質として提唱されたイソプ
レン単位の真の姿は、結局、活性型イソプレン単位とい
われるイソペンテニル二リン酸であった。イソペンテニ
ル二リン酸の異性体であるジメチルアリル二リン酸(DMA
PP:dimethylallyl diphosphate )は植物ホルモンのサ
イトカイニンとして知られるイソペンテニルアデニンの
反応基質に用いられもするが、イソペンテニル二リン酸
との縮合反応によってゲラニル二リン酸(GPP:geranyl
diphosphate )、ネリル二リン酸(neryl diphosphate
)、ファルネシル二リン酸(FPP:farnesyl diphosphat
e)、ゲラニルゲラニル二リン(GGPP:geranyl geranyl
diphosphate )、ゲラニルファルネシル二リン酸(GEP
P:geranyl farnesyl diphosphate)、ヘキサプレニル
二リン酸(HexPP :hexaprenyl diphosphate)、ヘプタ
プレニル二リン酸(HepPP :heptaprenyl diphosphate
)などの鎖状活性型イソプレノイドが合成されること
が知られている。
【0004】縮合反応には型と型がありゲラニル二
リン酸は型、ネリル二リン酸は型縮合産物である。
ファルネシル二リン酸やゲラニルゲラニル二リン酸など
では全−型が活性型と考えられるが、型縮合反応す
ることによって天然ゴムやドリコール・バクトプレノー
ル(ウンデカプレノール)や植物で見出だされる各種ポ
リプレノールが合成される。これらは分子内に持つピロ
リン酸と炭素骨格のリン酸エステル結合エネルギーを用
いて縮合反応していくと考えられ、反応副産物としては
ピロリン酸が生成すると考えられている。
【0005】ファルネシル二リン酸やゲラニルゲラニル
二リン酸が反応基質となり、細胞内シグナル伝達機構に
重要なG蛋白質に代表されるプレニル化蛋白質(ファル
ネシル二リン酸・ゲラニルゲラニル二リン酸から)、ア
ーキア(archaea )の細胞膜脂質(ゲラニルゲラニル二
リン酸から)、ステロイド前駆体のスクアレン(ファル
ネシル二リン酸から)、カロテノイド前駆体のフィトエ
ン(ゲラニルゲラニル二リン酸から)が合成される。
6,7イソプレン単位のヘキサプレニル二リン酸、ヘプ
タプレニル二リン酸から10イソプレン単位までのプレ
ニル二リン酸は電子伝達系で機能するユビキノンやメナ
キノン(ビタミンK2)の合成前駆体となる。
【0006】さらに、これら活性型イソプレノイド生合
成を経由して次のような生命にとって重要且つ膨大な種
類の化合物が合成されている。一部分の化合物を列記し
ても、ヘミテルペンを合成前駆体とするものとしては植
物ホルモンのサイトカイニンやイソペンテニルアデノシ
ン修飾tRNAがあり、モノテルペンのゲラニオールと
その異性体ネロールは薔薇油主成分の香料であり、楠抽
出物の樟脳は防虫剤である。セスキテルペンとしては昆
虫の幼若ホルモン(juvenile hornome)、ジテルペンと
しては植物ホルモンのジベレリンや昆虫道しるべフェロ
モン(trail pheromone)、視色素前駆体や高度好塩古細
菌の紫膜蛋白質結合成分やビタミンAとして機能するレ
チノール・レチナールがある。
【0007】さらに、トリテルペンのスクアレンを合成
前駆体として膨大な種類のステロイド系化合物が合成さ
れ、例えば動物の性ホルモンやビタミンD、昆虫の脱皮
ホルモンのエクダイソン、植物ホルモンのプラシノライ
ド、原形質膜成分などになる。種々の生物の色素・ビタ
ミンA前駆体であるテトラテルペンの各種カロテノイド
もまた、活性型イソプレノイド由来の重要な化合物であ
り、クロロフィル、フェオフェチン、トコフェロール
(ビタミンE)、フィロキノン(ビタミンK1))もテ
トラテルペン由来の化合物である。
【0008】アリル性(allylic)基質であるジメチルア
リル二リン酸、ゲラニル二リン酸、ファルネシル二リン
酸、ゲラニルゲラニル二リン酸、ゲラニルファルネシル
二リン酸などにイソペンテニル二リン酸を順次縮合して
いく活性型イソプレノイド合成酵素はプレニル二リン酸
合成酵素と呼ばれ、主要反応産物の最大鎖長の化合物名
に従って、例えば、ファルネシル二リン酸合成酵素(FP
P synthase)やゲラニルゲラニル二リン酸合成酵素(GGP
P synthase)などと呼ばれる。現在までにバクテリア、
アーキア(archaea)、真菌、植物、動物からファルネシ
ル二リン酸合成酵素、ゲラニルゲラニル二リン酸合成酵
素、ヘキサプレニル二リン酸合成酵素、ヘプタプレニル
二リン酸合成酵素、オクタプレニル二リン酸合成酵素、
ノナプレニル二リン酸合成酵素(ソラネシル二リン酸合
成酵素)、ウンデカプレニル二リン酸合成酵素などの酵
素の精製、活性測定、遺伝子クローニング・塩基配列決
定が報告されている。
【0009】産業的にも生命化学的にも重要かつ多岐に
わたる化合物合成の根本をなすこれら活性型イソプレノ
イド合成酵素は、一般的に不安定で取り扱いが困難であ
り、かつ比活性も低く工業的な利用価値が望めなかっ
た。ところが、ここ数年、好熱性のバクテリアやアーキ
アから耐熱性のプレニル二リン酸合成酵素が単離された
り、その遺伝子が取得され、酵素として利用可能な条件
が整ってきた。
【0010】ファルネシル二リン酸合成酵素では中等度
好熱菌であるバシラス・ステアロサーモフィラス(Baci
llus stearothermophilus)から遺伝子が単離され中等
度の耐熱性を有する酵素が大腸菌を宿主細胞として製造
された[T.Koyama et al.(1993)J.Biochem. 113 ,355-3
63、平成年特許出願公開第219961号]。ゲラニ
ルゲラニル二リン酸合成酵素においては高度好熱性のス
ルホロバス・アシドカルダリウス(Sulfolobus acidoc
aldarius)及びサーマス・サーモフィラス(Thermus th
ermophilus)の遺伝子が単離され[S.-i. Ohnuma et a
l.(1994) j. Biol. Chem. 269, 14792-14797 、平成
年特許出願公開第308193号、平成7年特許願第2
94956号]、耐熱性の高い酵素が製造された。
【0011】さらにファルネシル二リン酸合成酵素とゲ
ラニルゲラニル二リン酸合成酵素の機能をあわせもった
プレニル二リン酸合成酵素も高度好熱性のメタノバクテ
リウム・サーモオートトロピカム(Methanobacterium
thermoautotrophicum )より酵素及びそれをコードする
遺伝子が単離され[A.Chen and D.Poulter(1993)J.Bio
l. Chem. 268 , 11002-11007, A.Chen and D. Poulter
(1994) ARCHIVES OF BIOCHEMISTRY AND BIOPHYSICS 31
4]、酵素の耐熱性が明らかにされている。
【0012】しかしながら、メタノバクテリウム・サー
モオートトロピカム(Methanobacterium thermoautotr
ophicum )由来のファルネシル二リン酸/ゲラニルゲラ
ニル二リン酸合成においては、酵素活性のアッセイに関
して反応産物の薄層クロマトグラフ解析データなどの鎖
長を特定する結果は報告されておらず、ゲラニル二リン
酸をアリル性基質として測定することにより類推してい
る。ゲラニル二リン酸はゲラニルゲラニル二リン酸合成
酵素の基質とも成りうることから、単純にファルネシル
二リン酸合成酵素活性のみが測定されているとは考え難
い。
【0013】さらに、ファルネシル二リン酸合成酵素に
おいては、より高い耐熱性あるいは耐塩性あるいは低pH
耐性の酵素を有すると考えられるアーキアにおいてはそ
の存在が確認されていない。上述のごとくバシラス・ス
テアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilu
s)由来のファルネシル二リン酸合成酵素を利用するこ
とにより不安定で取り扱いが困難であるという問題の一
部は解決された。しかし、より耐熱性の高い酵素の方が
安定で工業的に取り扱いやすい。
【0014】さらに、より長鎖長のプレニル二リン酸合
成酵素にはファルネシル二リン酸を基質として作用する
ものが存在し、このような長鎖長プレニル二リン酸合成
酵素とともにその基質を供給する目的でファルネシル二
リン酸合成酵素を同時に作用させる場合、長鎖長プレニ
ル二リン酸合成酵素と同等ないしはそれ以上の安定性を
持つ酵素であることが要求される。また、工業的にファ
ルネシル二リン酸を製造することを目的とした場合、酵
素を固定化ないしは回収し、再生利用する事が必要にな
る。酵素を再生する場合酵素自身がより耐熱性が高く安
定であるのみならず、より耐塩性が高いあるいはより広
範囲のpHで安定であることが望まれる。
【0015】
【関連技術】プレニル二リン酸合成酵素のアミノ酸配列
解析から提唱されている2つのアスパラギン酸リッチド
メインのうち、アミノ末端側のアスパラギン酸リッチド
メイン保存配列I(DDXX(XX)D)(配列中、X
は任意のアミノ酸を表し、カッコ内の2個のXは存在し
ない場合がある、以下同じ)の5アミノ酸残基上流に位
置するアミノ酸残基が反応産物の鎖長制御に関与するこ
とがわかり、反応産物鎖長を長くする目的をもって反応
生成物を制御する方法は発明されている[平成8年7月
3日出願の「変異型プレニル二燐酸合成酵素」と題する
特許出願(特願平8−191635)]。その方法によ
り製造した酵素では数種の鎖長の反応生成物を生じさせ
る。しかし、ゲラニルゲラニル二リン酸合成酵素を変異
させ反応生成物をより短鎖長側に制御し、ファルネシル
二リン酸を生成させる方法は知られていない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、プレ
ニル二リン酸合成酵素のアミノ酸配列を改変し、ファル
ネシル二リン酸合成酵素の製造方法を確立することにあ
る。より安定性の高い、あるいは比活性の高い等の工業
的に利用しやすい特性を有する新規酵素が得られれば、
ただちに、この方法に従いアミノ酸残基を改変すること
により、変異前のプレニル二リン酸合成酵素が有してい
た特性を保持したファルネシル二リン酸を生成する変異
型プレニル二リン酸合成酵素およびその遺伝子を得るこ
とが可能となる。
【0017】
【課題を解決するための手段】変異型スルホロバス・ア
シドカルダリウス(S. acidocaldarius) のゲラニルゲ
ラニル二リン酸合成酵素遺伝子の塩基配列情報から、プ
レニル二リン酸合成酵素のアミノ酸配列解析から提唱さ
れている2つのアスパラギン酸リッチドメインのうち、
アミノ末端側のアスパラギン酸リッチドメイン保存配列
I(DDXX(XX)D)の内部のアミノ酸残基、又は
該保存配列Iのアミノ末端側からN−末端側のアミノ酸
残基5個が反応産物の鎖長制御に関与することがわかっ
た。
【0018】従って本発明は、プレニル二リン酸合成酵
素のアミノ酸配列において、第二領域中に存在するアス
パラギン酸リッチドメインDDXX(XX)D(配列中
Xは任意のアミノ酸を表わし、カッコ内の2個のXは存
在しない場合がある)のN−末端のDから5残基N−末
端側に位置するアミノ酸残基〜N−末端のDから1残基
N−末端側に位置するアミノ酸残基及び前記アスパラギ
ン酸リッチドメインのC−末端のDから1残基N−末端
側に位置するアミノ酸残基の内の少なくとも1個が他の
アミノ酸残基により置換されており、そして/又は前記
アスパラギン酸リッチドメインのC−末端のDから1残
基N−末端側に位置するアミノ酸残基と該C−末端のD
との間に追加のアミノ酸が挿入されている修飾されたア
ミノ酸配列を有する変異型プレニル二リン酸合成酵素を
提供する。
【0019】本発明は変異前のプレニル二リン酸合成酵
素が有していた特性を保持した、ファルネシル二リン酸
を生成する変異型プレニル二リン酸合成酵素を提供す
る。本発明はまた、前記酵素をコードするDNA又はR
NAを提供する。本発明はさらに、上記DNAを含んで
成る組換えベクター、特に発現ベクターを提供する。本
発明はさらに、上記ベクターにより形質転換された宿主
を提供する。本発明はまた、前記の酵素を、イソペンテ
ニル二リン酸、ジメチルアリル二リン酸、ゲラニル二リ
ン酸から成る群から選択される基質に作用せしめること
を特徴とする炭素数15以下のプレニル二リン酸の製造
方法を提供する。本発明はさらに、前記の宿主を培養
し、培養物から発現生成物を採取することを特徴とす
る、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法を提
供する。
【0020】
【発明の実施の形態】プレニル二リン酸合成酵素(ヘテ
ロダイマーの場合は一方のサブユニット)のアミノ酸配
列には5つの保存領域があることが提唱されている[A.
Chen et al., Protein Science Vol.3, pp.600-607, 1
994 ]。また、これら5個の保存領域の内、第II領域中
にアスパラギン酸リッチドメイン保存配列I「DDXX
(XX)D」(この配列中、Xは任意のアミノ酸を表わ
し、カッコ内のXXは存在しない場合がある)ことが知
られている。なお、第V領域にも「DDXXD」で示さ
れるアスパラギン酸リッチドメインが存在するが、本発
明においてアミノ酸配列の改変部位を特定するために用
いるアスパラギン酸リッチドメインは第II領域に存在す
るものであり、第V領域に存在するアスパラギン酸リッ
チドメインIIに対して、アスパラギン酸リッチドメイン
Iとして区別する。
【0021】上記のごときアスパラギン酸リッチドメイ
ンを有するプレニル二リン酸合成酵素としては、ファル
ネシル二リン酸合成酵素、ゲラニルゲラニル二リン酸合
成酵素、ヘキサプレニル二リン酸合成酵素、ヘプタプレ
ニル二リン酸合成酵素、オクタプレニル二リン酸合成酵
素、ノナプレニル二リン酸合成酵素、ウンデカプレニル
二リン酸合成酵素等が挙げられる。さらに具体的な例と
して、バシラス・ステアロサーモフィラス(Bacillus
stearothermophilus)のファルネシル二リン酸合成酵
素、エセリシア・コーライ(Eschrichia coli)のファ
ルネシル二リン酸合成酵素、サッカロミセス・セレビシ
エ(Saccharomyces cerevisiae)のファルネシル二リン
酸合成酵素、ラットのファルネシル二リン酸合成酵素、
ヒトのファルネシル二リン酸合成酵素、ニューロスポラ
・クラッサ(Neurospora crassa)のゲラニルゲラニル
二リン酸合成酵素、サッカロミセス・セレビシエ(Sacc
haromyces cerevisiae )のヘキサプレニル二リン酸合
成酵素、等があげられる。
【0022】これらの内の幾つかの例として、ゲラニル
ゲラニル二リン酸合成酵素のアミノ酸配列における領域
I〜V、及び領域IIの中のアスパラギン酸リッチドメイ
ンI(わく内)を図1に示す。本発明は、これらアスパ
ラギン酸リッチドメインIを有する任意のプレニル二リ
ン酸合成酵素に適用することができる。
【0023】本発明によれば、プレニル二リン酸合成酵
素のアミノ酸配列において、第二領域中に存在するアス
パラギン酸リッチドメインDDXX(XX)D(配列中
Xは任意のアミノ酸を表わし、カッコ内の2個のXは存
在しない場合がある)のN−末端のDから5残基N−末
端側に位置するアミノ酸残基〜N−末端のDから1残基
N−末端側に位置するアミノ酸残基及び前記アスパラギ
ン酸リッチドメインのC−末端のDから1残基N−末端
側に位置するアミノ酸残基の内の少なくとも1個が他の
アミノ酸残基により置換されており、そして/又は前記
アスパラギン酸リッチドメインのC−末端のDから1残
基N−末端側に位置するアミノ酸残基と該C−末端のD
との間に追加のアミノ酸が挿入されている。
【0024】本発明の変異型プレニル二リン酸合成酵素
は、変異前のプレニル二リン酸合成酵素が合成するプレ
ニル二リン酸の鎖長よりも短いファルネシル二リン酸を
合成することができる。本発明においては、具体例とし
て、高度好熱性アーキアのスルホロバス・アシドカルダ
リウス(Sulfolobus acidocaldarius)のゲラニルゲラ
ニル二リン酸合成酵素遺伝子を出発材料として用いる。
スルホロバス・アシドカルダリウス(Sulfolobus acid
ocaldarius)は ATCC No.33909として、ATCCより入手す
ることができる。この遺伝子のクローニング方法は特願
平6−315572(特開平7−308193号)の明
細書に詳細に記載されている。また、GenBank 等の遺伝
情報データベースでもアクセッション番号D28748
で公開されており、その配列をプロープに用いれば広く
知られた方法によりクローニングできる。さらに、他の
クローニング方法の一例を本明細書に実施例1として記
載すると共に、その塩基配列を配列番号:2として示
す。
【0025】本発明の変異型酵素は、さらに具体的に
は、配列番号:1に示すアミノ酸配列を有するゲラニル
ゲラニル二リン酸合成酵素において77位のフェニルア
ラニン、78位のスレオニン、80位のバリン、81位
のヒスチジン及び、84位のイソロイシンの内少なくと
も1個のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されており、そ
して/又は84位のイソロイシンと85位のメチオニン
の間にアミノ酸が挿入されている、請求項1又は2に記
載の変異型プレニル二リン酸合成酵素である。本発明に
おいては、具体例として、配列番号:1に示すアミノ酸
において下記のごとくアミノ酸配列が置換されたアミノ
酸配列を有する酵素を挙げることができる。
【0026】変異酵素1:78位のスレオニン→フェニ
ルアラニン及び81位のヒスチジン→アラニンの変化 変異酵素2:78位のスレオニン→フェニルアラニン及
び81位のヒスチジン→ロイシンの変化 変異酵素3:77位のフェニルアラニン→チロシン、7
8位のスレオニン→フェニルアラニン及び81位のヒス
チジン→ロイシンの変化 変異酵素4:77位のフェニルアラニン→チロシン、7
8位のスレオニン→フェニルアラニン及び81位のヒス
チジン→アラニンの変化 変異酵素5:77位のフェニルアラニン→チロシン、7
8位のスレオニン→セリン、80位のバリン→イソロイ
シン、84位のイソロイシン→ロイシンの変化及び84
位のイソロイシンと85位のメチオニンの間にプロリン
とセリンの挿入。
【0027】本発明においては、変異型プレニル二リン
酸合成酵素が変異前のプレニル二リン酸合成酵素の有し
ていた特性を保持することを示す。具体例として、上述
5つの変異型酵素が変異前のゲラニルゲラニル二リン酸
合成酵素と同等の耐熱性を示す。酵素はその生来のアミ
ノ酸配列に比べて1又は少数個のアミノ酸の付加、除
去、及び/又は置換によって修飾されている場合でもそ
の本来の酵素活性を有する場合があることが知られてい
る。従って、本発明は配列番号1に示されるアミノ酸配
列に対して1又は少数個、例えば5個まで、又は10個
までのアミノ酸が置換、欠失及び/又は付加により変化
しているアミノ酸配列を有し、なお生来の機能を果たす
ことができる酵素も包含する。
【0028】本発明はまた、上記の種々の変異型酵素を
コードする遺伝子及びそれを含むベクター、特に発現ベ
クター、及び該ベクターにより形質転換された宿主を提
供する。本発明の遺伝子(DNA)は、例えば配列番
号:1に示す生来のアミノ酸配列をコードするDNAに
部位特定突然変異誘発やPCR法等の定法に従って変異
を導入することにより容易に得ることができる。さら
に、一旦目的とする酵素のアミノ酸配列が定まれば、そ
れをコードする適当な塩基配列を決定することができ、
常用DNA合成法によりDNAを化学合成することもで
きる。
【0029】本発明はまた、前記のごときDNAを含ん
で成る発現ベクター、該発現ベクターにより形質転換さ
れた宿主、及びこれらの宿主を用いての本発明の酵素又
はペプチドの製造法を提供する。発現ベクターはその複
製開始点、発現制御配列等を含有するが、これらは宿主
により異なる。宿主としては、原核生物、例えば細菌、
例えば大腸菌、バシラス属細菌、例えばバシラス・ズブ
チリス(Bacillusu subtillis )、真核性微生物、例
えば真菌、例えば酵母、例えばサッカロミセス(Saccha
romyces )属に属するサッカロミセス・セレビシエ(S.
cerevisiae )やピキア(Pichia)属に属するピキア・
パストリス(Pichia pastoris )、糸状菌、例えばアス
ペルギルス・ニガー(A. niger )、動物細胞、例えば
カイコの培養細胞、高等動物の培養細胞例えばCHO細
胞等が挙げられる。また、植物を宿主とすることも可能
である。
【0030】本発明によれば、実施例に示すごとく、本
発明のDNAにより形質転換した宿主を培養することに
より、培養物中にファルネシル二リン酸を蓄積すること
ができ、これを採取することによりファルネシル二リン
酸を製造することができる。本発明によればまた、本発
明の方法により製造した変異型プレニル二リン酸合成酵
素を基質イソペンテニル二リン酸及び各アリル性基質、
例えばジメチルアリル二リン酸、ゲラニル二リン酸に作
用させることによってもファルネシル二リン酸を製造す
ることができる。
【0031】宿主に大腸菌を用いる場合を例に取れば、
DNAからmRNAを転写する過程とmRNAからタン
パク質を翻訳する過程などの遺伝子発現調節機能がある
ことが知られている。mRNAの合成を調整するプロモ
ータ配列として、天然に存在する配列(例えば lac, tr
p, bla, lpp, PL, PR, ter, T7, T3など)以外にも、そ
れらの変異体(例えばlac UV5)や天然にあるプロモ
ーター配列を人工的に融合した(例えばtac,trc
など)配列が知られており、本発明にも使用できる。m
RNAからタンパク質を合成する能力を調節する配列と
して、リボソームバインディングサイト(GGAGG及
びその類似配列)配列と開始コドンであるATGまでの
距離が重要であることは既知である。また3′側に転写
終了を指令するターミネーター(例えば、rrn PT1
2 を含むベクターがファルマシア社から市販されてい
る)が組換え体でのタンパク質合成効率に影響すること
はよく知られている。
【0032】本発明の組換えベクターを調製するのに使
用できるベクターとしては、市販のものをそのまま用い
るか、または目的に応じて誘導した各種ベクターを挙げ
ることができる。例えば、pMB由来のrepulicon を持
つpBR322,pBR327,pKK223−3,p
KK233−2,pTrc99等や、コピー数が向上す
るように改変したpUC18、pUC19、pUC11
8、pUC119、pTV118N、pTV119N、
pBluescript、pHSG298、pHSG3
96等、またp15A由来の repuliconを持つpACY
C117やpACYC184等、さらにはpSC101
やColElやR1やF因子などに由来するプラスミド
が挙げられる。
【0033】さらに、より精製の容易な融合蛋白質発現
ベクター例えばpGEX−2T,pGEX−3XやpM
al−c2のようなベクターも利用でき本発明の出発材
料として用いた遺伝子の例が特願平6−315572
(特開平7−308193号)に記載されている。ま
た、プラスミド以外にも、λファージやM13ファージ
のようなウイルスベクターやトランスポゾンによっても
遺伝子導入が可能である。大腸菌以外の微生物への遺伝
子導入では、pUB110(Sigma社から販売)や
pHY300PLK(宝酒造より販売)などによるバシ
ラス属への遺伝子導入が知られている。これらベクター
については Molecular Cloning(J.Sambrook, E.F.Frit
sch, T. Maniatis著 Cold Spring Habor Laboratory Pr
ess 発行)や Cloning Vector(P.H.Pouwels, B.B.Bnge
r, Valk, W.J.Brammar 著Elsevier発行)や各社カタロ
グに記載されている。
【0034】これらのベクターへの、プレニル二リン酸
合成酵素をコードするDNA断片及び必要により前記酵
素の遺伝子を発現調節する機能を有するDNA断片の組
み込みは、適当な制限酵素とリガーゼを用いる既知の方
法で行うことができる。こうして作製される発明のプラ
スミドの具体的なものとしてはpBs−SacGGPS
が挙げられる。このような組換えベクターで遺伝子導入
できる微生物としてはエシェリシアコリー(Escherichi
a coli)、バシラス属(Bacillus)属に属する微生物も
利用することができる。この形質転換も常法、例えば M
olecular Cloning(J.Sambrook, E.F.Fritsch, T. Mani
atis著 Cold Spring Habor Laboratory Press 発行やD
NA Cloning Vol.I- III (D.M.Glover 編 IRL PRESS発
行)などに記載された、CaCl2 法やプロトプラスト
法により行うことができる。
【0035】本発明の変異型酵素を製造するには、上記
形質転換された宿主を培養し、その培養物から常法に従
って、例えば塩析、有機溶媒沈殿、ゲル濾過、アフィニ
テイークロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、
イオン交換クロマトグラフィー等により回収精製するこ
とができる。本発明はまた、本発明の酵素を用いてファ
ルネシル二リン酸を製造する方法を提供する。この方法
においては、媒体、特に水性媒体中で、本発明の酵素と
を反応せしめ、所望により反応媒体から目的とするプレ
ニル二リン酸を採取すればよい。酵素としては、精製酵
素のみならず、種々の段階まで半精製して得られる粗酵
素、又は培養菌体もしくは培養物等の酵素含有物でもよ
い。また、前記の酵素、粗酵素又は酵素含有物を常法に
従って固定した固定化酵素であってもよい。
【0036】基質としてはジメチルアリル二リン酸また
は、ゲラニル二リン酸とイソペンテニル二リン酸とが用
いられる。反応媒体としては水又は水性緩衝液例えばト
リス緩衝液やリン酸緩衝液等が用いられる。本発明で得
られた変異型プレニル二リン酸製造法を用いれば、例え
ばより安定性が高く扱いやすいアーキア由来のファルネ
シル二リン酸を生成する変異型プレニル二リン酸合成酵
素を創出することが可能となる。また、変異前のプレニ
ル二リン酸合成酵素の特性を付与した例えば耐塩性ある
いは広範囲のpHで安定なファルネシル二リン酸を生成す
る変異型プレニル二リン酸合成酵素の創出も期待でき
る。特許請求の範囲と明細書中で、アミノ酸残基は以下
の1文字表記または3文字表記の略号で示される。
【0037】 A;Ala;アラニン C;Cys;システイン D;Asp;アスパラギン酸 E;Glu;グルタミン酸 F;Phe;フェニルアラニン G;Gly;グリシン H;His;ヒスチジン I;Ilc;イソロイシン K;Lys;リジン L;Leu;ロイシン M;Met;メチオニン N;Asn;アスパラギン P;Pro;プロリン Q;Gln;グルタミン R;Arg;アルギニン S;Ser;セリン T;Thr;スレオニン V;Val;バリン W;Trp;トリプトファン Y;Tyr;チロシン
【0038】アミノ酸残基の置換は、「置換前のアミノ
酸残基」、「アミノ酸残基番号」及び「置換後のアミノ
酸残基」の順番で1文字表記のアミノ酸残基記号で表わ
し、たとえば81位のチロシン残基がメチオニン残基に
置き換わった変異はY81Mと表す。また、アミノ酸残
基の挿入は、「挿入される部位のN末端側の挿入前のア
ミノ酸残基番号」、「挿入されたアミノ酸残基」及び
「挿入される部位のC末端側の挿入前のアミノ酸残基番
号」で表し、例えば84位のアミノ酸と85位のアミノ
酸の間にはアラニンが挿入された場合84A85と表
す。
【0039】
【実施例】本発明を実施例をあげて説明するが、本発明
は以下の実施例に限定されるものではない。実施例1.ゲラニルゲラニル二リン酸合成酵素遺伝子を
含むプラスミドの作製 東洋紡績より市販されているプラスミドベクターpBlues
cript II(KS+)のHindIII 部位にスルホロバス・アシ
ドカルダリウス(Sulfolobus acidocaldarius)由来の
ゲラニルゲラニル二リン酸合成酵素(以下SacGGP
Sと略す)遺伝子をサブクローニングした。このプラス
ミドDNAをpBs−SacGGPSとする。SacG
GPS遺伝子は、平成31日付けで工業技術院
生命工学工業技術研究所に国際寄託された微工研条寄第
号(FERM BP−4982)のエシェリシアコーラ
イ(Escherichia coli) DH5α(pGGPS1)より
入手できる。
【0040】また、SacGGPS遺伝子の塩全基配列
は平成6年特許願第053804号(特開平7−308
193号)やShin-ichi Ohnuma et al.(1994) The Jour
nalof Biological Chemistry Vol.269,pp.14792-14797
または、GenBank などの遺伝情報データベースでアクセ
ッション番号D28748として公開されており、スル
ホロバス・アシドカルダリウス(Sulfolobus acidocal
darius)もATCCNo.33909としてATCCな
どの各種微生物の寄託期間から入手可能なので、通常の
遺伝子クローニング法によってSacGGPS遺伝子部
分のDNAを得ることができる。
【0041】実施例2.変異導入用オリゴヌクレオチド
の合成 ゲラニルゲラニル二リン酸合成酵素遺伝子の変異導入の
ため下記のようなオリゴヌクレオチドをデザインし合成
した。 プライマーDNA(T78F,H81A):5′−CATA
CTTTTTTCCTTGTGGCTGATGATATCATGGATC −3′(配列番
号:3) プライマーDNA(T78F,H81L):5′−CATA
CTTTTTTCCTTGTGCTTGATGATATCATGGATC −3′(配列番
号:4) プライマーDNA(F77Y,T78F,H81L):
5′−CATACTTATTTCCTTGTGCTTGATGATATCATGGATC −3′
(配列番号:5) プライマーDNA(F77Y,T78F,H81A):
5′−CATACTTATTTCCTTGTGGCTGATGATATCATGGATC −3′
(配列番号:6) プライマーDNA(F77Y,T78S,V80I,I
84L,84PS85):5′−GTTCTTCATACTTATTCGCT
TATTCATGATAGTATT−3′(配列番号:7)及び5′−AT
TCATGATGATCTTCCATCGATGGATCAAGAT −3′(配列番号:
8)
【0042】尚、変異(F77Y,T78S,V80
I,I84L,84PS85)の導入には2つのオリゴ
ヌクレオチドを使用した。まず、5′−GTTCTTCATACTTA
TTCGCTTATTCATGATAGTATT−3′(配列番号:7)のオリ
ゴヌクレオチドを用い実施例3に従い変異を導入し、実
施例4に従い形質転換体を作製し、さらに得られたプラ
スミドに、5′−ATTCATGATGATCTTCCATCGATGGATCAAGAT
−3′(配列番号:8)のオリゴヌクレオチドを用い変
異を導入した。
【0043】これらのヌクレオチドは、SacGGPS
の77位のフェニルアラニン、78位のスレオニン、8
0位のバリン、81位のヒスチジン及び84位のイソロ
イシンの内の少なくとも1個のアミノ酸をコードするコ
ドンに変異が導入されており、そして又は84位のイソ
ロイシンと85位のメチオニンの間に挿入されたアミノ
酸をコードするコドンが導入されているのに加えて、新
たに制限酵素BspHIの切断部位(5′TCATGA
3′)、EcoRV切断部位(5′GATATC3′)又はC
laI切断部位(5′ATCGAT3′)が導入されるように
設計されている。この、BspHI切断部位の導入では
コドンの縮重のためSacGGPS遺伝子がコードする
アミノ酸配列は変化しないか、又は変異導入部位であ
る。これらは、SacGGPS遺伝子に置換変異が導入
されると同時に制限酵素切断部位が新しく作られるの
で、適当な制限酵素で消化後のアガロースゲル電気泳動
で置換変異導入されたプラスミドを検出するためのもの
である。
【0044】これらプライマーDNAは以下の反応溶液
中で37℃で30分間リン酸化をした後、70℃で10
分間失活処理する。 10pmol/μlプライマーDNA 2μl 10x Kination緩衝液 1μl 10mMATP 1μl H20 5μl T4ポリヌクレオチドキナーゼ 1μl ただし、10x Kination緩衝液は、1000mM Tris-Cl(pH8.
0)、100mM MgC12 、70mM DTT。
【0045】実施例3.SacGGPS遺伝子の置換変
異の導入 実施例2で作製した各プライマーDNAを用いてKun
kel法によって実施例1で作製したプラスミドに置換
変異を導入した。Kunkel法を行うにあたっては、
宝酒造から市販されているMutan−Kキットを用い
た。実験手順もMutan−Kキット添付の実験書にし
たがった。プラスミドの置換変異は必ずしもKunke
l法である必要はなく、例えば、ポリメラーゼ鎖反応法
(PCR)を用いる方法でもまったく同じ結果を得るこ
とができる。
【0046】Mutan−Kキット中の大腸菌CJ23
6をホストセルとしてプラスミドpBs−SacGGP
S中のチミン塩基がデオキシウラシル塩基に置き換わっ
た一本鎖DNAを調製する。得られた一本鎖DNAを鋳
型にして相補鎖合成用プライマーDNAを下記のような
反応溶液により65℃で15分処理し37℃で15分静
置することによってアニーリングさせる。 一本鎖DNA 0.6pmol アニーリング緩衝液 1μl プライマーDNA溶液(実施例2) 1μl H2 O 最終容積10μlにする
【0047】ただし、アニーリング緩衝液は、200mM Tr
is-Cl (pH8.0) 、100mM MgC12 、500mM NaCl、10mM DT
T。さらに、25μlの伸長緩衝液、60ユニットの大
腸菌DNAリガーゼ、ユニットのT4DNAポリメラー
ゼを加え、25℃で2時間相補鎖合成反応させる。ただ
し、延長緩衝液は、50mM Tris-Cl (pH8.0)、60mM酢酸ア
ンモニウム、5mM MgC12、5mM DTT、1mM NAD、0.5mM
dNTP。反応後、3μlの0.2M EDTA(pH8.0)を加え、65
℃5分間処理することにより反応停止させる。
【0048】実施例4.SacGGPS遺伝子の置換変
異の導入された遺伝子を持つ形質転換体の作製 実施例3により作製したDNA溶液を用いて、下記のよ
うにしてEscherichiacoli XLl-Blue へCaCl2 法に
より形質転換した。別の方法、例えば、エレクトロポー
レーション法によっても同様の結果が得られる。宿主細
胞もEscherichia coli XLl-Blue 以外の細胞例えばJ
M109等を用いても同様の結果が得られる。
【0049】CaCl2 法によって得られた形質転換体
は、形質転換体選択マーカーであるアンピシリン含有寒
天プレートにまき、37℃で一晩培養する。上記の様に
して得られた形質転換体のうちBspHI、EcoRV
又はClaIのいずれかの切断部位をSacGGPSコ
ード領域に持つ置換変異型pBs−SacGGPSプラ
スミドを選択した。選択した置換変異型pBs−Sac
GGPSプラスミドのSacGGPS遺伝子の変異され
るアミノ残基に対するコドン周辺の塩基配列をダイデオ
キシ法によって決定した。その結果、下記のような5の
変異型SacGGPS遺伝子を含むpBs−SacGG
PSプラスミドが得られた。77位のアミノ酸から85
位のアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
【0050】 変異 塩基配列 T78F,H81A:5′−TTTTTCCTTGTGGCTGATGATATCATG −3′ (配列番号:9) T78F,H81L:5′−TTTTTCCTTGTGCTTGATGATATCATG −3′ (配列番号:10) F77Y,T78F,H81L:5′−TATTTCCTTGTGCTTGATGATATCATG −3′ (配列番号:11) F77Y,T78F,H81A:5′−TATTTCCTTGTGGCTGATGATATCATG −3′ (配列番号:12) F77Y,T78S,V80I,I84L,84PS85:5′−TATTCGCTTA TTCATGATGATCTTCCATCGATG −3′ (配列番号:13) 野生型:5′−TTTACGCTTGTGCATGATGATATTATG −3′ (配列番号:14)
【0051】実施例5.変異型プレニル二リン酸合成酵
素の活性測定 実施例4で得られた5種の変異型および1種の野生型S
acGGPS遺伝子を含む、計6種の形質転換体から下
記の様にして粗酵素液を調製した。2xLB培地で一晩
培養した形質転換体を遠心により集菌し、菌体破砕用緩
衝液(50mM リン酸カルシウム緩衝液 (pH5.8)、10mM
β−メルカプトエタノール、1mM EDTA )に懸濁する。
これを超音波破砕処理し4℃ 10,000r.p.m. 、10分遠
心処理後の上清を55℃で12時間熱処理し大腸菌由来
のプレニル二リン酸合成酵素活性を失活させた。これを
さらに同条件で遠心処理し、その上清を粗酵素抽出液と
した。さらに耐熱性を検討するためには60℃,70℃
又は80℃で(バシラス・ステアロサーモフィラス由来
の酵素においては60℃,65℃,67℃又は70℃
で)粗酵素抽出液を反応前に1時間インキュベーション
した。反応は下記の反応溶液で55℃15分間行なっ
た。
【0052】 [1−14C]イソペンテニル二リン酸(1Ci/mol ) 25nmol アリル性二リン酸(ゲラニル二リン酸) 25nmol リン酸カリウム緩衝液(pH5.8) 10mM MgCl2 5mM 酵素液 100μg H2 Oで200μlにする。反応後、反応溶液に飽和N
aClを200μl添加し、さらに1mlの水飽和プタノ
ールを加え、攪拌、遠心し、二相分離させる。得られた
プタノール層800μlに液体シンチレーター3mlを加
えて、液体シンチレーションカウンターにより放射活性
を測定する。結果を図2に示す。
【0053】変異型プレニル二リン酸合成酵素において
も変異前のゲラニルゲラニル二リン酸合成酵素と同等の
熱安定性を示した。また、バシラス・ステアロサーモフ
ィラス由来のファルネシル二リン酸合成酵素より高い熱
安定性を示した。残りのブタノール層は加温しながら窒
素ガスを吹き付け溶媒を蒸発させて0.5ml程度まで濃
縮する。これに、メタノール2mlとポテト酸性フォスフ
ァターゼ溶液(2mg/mlポテト酸性フォスファターゼ、
0.5M酢酸ナトリウム(pH4.7)1mlを加え37℃
で脱リン酸化反応を行なう。つぎに、n−ペンタン3ml
で脱リン酸化された反応産物を抽出する。
【0054】これを、窒素ガス吹き付けにより溶媒を蒸
発させて濃縮しこれをTLC(逆層TLCプレート:L
KC18(Whatman 社製)、展開溶媒:アセトン/水=
9/1)により解析する。展開された脱リン酸化された
反応産物はバイオイメージアナライザーBAS2000
(富士写真フィルム社製)によって放射活性の位置を決
定した。ゲラニル二リン酸をアリル性基質として用いた
結果を図3に示す。変異型プレニル二リン酸合成酵素に
おいては反応生成物がファルネシル二リン酸であること
を示した。
【0055】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:330 配列の型:アミノ酸残基 トポロジー:直鎖状 配列の種類:蛋白質 起源: 生物名:スルホロバス・アシドカルダリウス(Sulfolob
us acidocaldarius) 株名:ATCC33909 配列の特徴: 特徴を表わす記号:アスパラギン酸リッチドメイン(As
p-rich domain) 存在位置:82−86 Met Ser Tyr Phe Asp Asn Tyr Phe Asn Glu Ile Val Asn Ser Val Asn 5 10 15 Asp Ile Ile Lys Ser Tyr Ile Ser Gly Asp Val Pro Lys Leu Tyr Glu 20 25 30 Ala Ser Tyr His Leu Phe Thr Ser Gly Gly Lys Arg Leu Arg Pro Leu 35 40 45 Ile Leu Thr Ile Ser Ser Asp Leu Phe Gly Gly Gln Arg Glu Arg Ala 50 55 60 Tyr Tyr Ala Gly Ala Ala Ile Glu Val Leu His Thr Phe Thr Leu Val 65 70 75 80 His Asp Asp Ile Met Asp Gln Asp Asn Ile Arg Arg Gly Leu Pro Thr 85 90 95 Val His Val Lys Tyr Gly Leu Pro Leu Ala Ile Leu Ala Gly Asp Leu 100 105 110 Leu His Ala Lys Ala Phe Gln Leu Leu Thr Gln Ala Leu Arg Gly Leu 115 120 125 Pro Ser Glu Thr Ile Ile Lys Ala Phe Asp Ile Phe Thr Arg Ser Ile 130 135 140 Ile Ile Ile Ser Glu Gly Gln Ala Val Asp Met Glu Phe Glu Asp Arg 145 150 155 160 Ile Asp Ile Lys Glu Gln Glu Tyr Leu Asp Met Ile Ser Arg Lys Thr 165 170 175 Ala Ala Leu Phe Ser Ala Ser Ser Ser Ile Gly Ala Leu Ile Ala Gly 180 185 190 Ala Asn Asp Asn Asp Val Arg Leu Met Ser Asp Phe Gly Thr Asn Leu 195 200 205 Gly Ile Ala Phe Gln Ile Val Asp Asp Ile Leu Gly Leu Thr Ala Asp 210 215 220 Glu Lys Glu Leu Gly Lys Pro Val Phe Ser Asp Ile Arg Glu Gly Lys 225 230 235 240 Lys Thr Ile Leu Val Ile Lys Thr Leu Glu Leu Cys Lys Glu Asp Glu 245 250 255 Lys Lys Ile Val Leu Lys Ala Leu Gly Asn Lys Ser Ala Ser Lys Glu 260 265 270 Glu Leu Met Ser Ser Ala Asp Ile Ile Lys Lys Tyr Ser Leu Asp Tyr 275 280 285 Ala Tyr Asn Leu Ala Glu Lys Tyr Tyr Lys Asn Ala Ile Asp Ser Leu 290 295 300 Asn Gln Val Ser Ser Lys Ser Asp Ile Pro Gly Lys Ala Leu Lys Tyr 305 310 315 320 Leu Ala Glu Phe Thr Ile Arg Arg Arg Lys 325 330
【0056】配列番号:2 配列の長さ:993 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 起源: 生物名:スルホロバス・アシドカルダリウス(Sulfolob
us acidocaldarius ) 株名:ATCC33909 配列の特徴:特徴を表わす記号:アスパラギン酸−ri
chドメインコード領域(Asp-rich domain coding) 存在位置:246−258 ATGAGTTACT TTGACAACTA TTTTAATGAG ATTGTTAATT CTGTAAACGA CATTATTAAG 60 AGCTATATAT CTGGAGATGT TCCTAAACTA TATGAAGCCT CATATCATTT GTTTACATCT 120 GGAGGTAAGA GGTTAAGACC ATTAATCTTA ACTATATCAT CAGATTTATT CGGAGGACAG 180 AGAGAAAGAG CTTATTATGC AGGTGCAGCT ATTGAAGTTC TTCATACTTT TACGCTTGTG 240 CATGATGATA TTATGGATCA AGATAATATC AGAAGAGGGT TACCCACAGT CCACGTGAAA 300 TACGGCTTAC CCTTAGCAAT ATTAGCTGGG GATTTACTAC ATGCAAAGGC TTTTCAGCTC 360 TTAACCCAGG CTCTTAGAGG TTTGCCAAGT GAAACCATAA TTAAGGCTTT CGATATTTTC 420 ACTCGTTCAA TAATAATTAT ATCCGAAGGA CAGGCAGTAG ATATGGAATT TGAGGACAGA 480 ATTGATATAA AGGAGCAGGA ATACCTTGAC ATGATCTCAC GTAAGACAGC TGCATTATTC 540 TCGGCATCCT CAAGTATAGG CGCACTTATT GCTGGTGCTA ATGATAATGA TGTAAGACTG 600 ATGTCTGATT TCGGTACGAA TCTAGGTATT GCATTTCAGA TTGTTGACGA TATCTTAGGT 660 CTAACAGCAG ACGAAAAGGA ACTTGGAAAG CCTGTTTTTA GTGATATTAG GGAGGGTAAA 720 AAGACTATAC TTGTAATAAA AACACTGGAG CTTTGTAAAG AGGACGAGAA GAAGATTGTC 780 CTAAAGGCGT TAGGTAATAA GTCAGCCTCA AAAGAAGAAT TAATGAGCTC AGCAGATATA 840 ATTAAGAAAT ACTCTTTAGA TTATGCATAC AATTTAGCAG AGAAATATTA TAAAAATGCT 900 ATAGACTCTT TAAATCAAGT CTCCTCTAAG AGTGATATAC CTGGAAAGGC TTTAAAATAT 960 CTAGCTGAAT TTACGATAAG AAGGAGAAAA TAA
【0057】配列番号:3 配列の長さ:37 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CATACTTTTT TCCTTGTGGC TGATGATATC ATGGATC 37
【0058】配列番号:4 配列の長さ:37 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CATACTTTTT TCCTTGTGCT TGATGATATC ATGGATC 37
【0059】配列番号:5 配列の長さ:37 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CATACTTATT TCCTTGTGCT TGATGATATC ATGGATC 37 配列番号:6 配列の長さ:37 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CATACTTATT TCCTTGTGGC TGATGATATC ATGGATC 37
【0060】配列番号:7 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GTTCTTCATA CTTATTCGCT TATTCATGAT AGTATT 36
【0061】配列番号:8 配列の長さ:33 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 ATTCATGATG ATCTTCCATC GATGGATCAA GAT 33
【0062】配列番号:9 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 TTTTTCCTTG TGGCTGATGA TATCATG 27
【0063】配列番号:10 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 TTTTTCCTTG TGCTTGATGA TATCATG 27
【0064】配列番号:11 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 TATTTCCTTG TGCTTGATGA TATCATG 27
【0065】配列番号:12 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 TATTTCCTTG TGGCTGATGA TATCATG 27
【0066】配列番号:13 配列の長さ:33 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 TATTCGCTTA TTCATGATGA TCTTCCATCG ATG 33
【0067】配列番号:14 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 TTTACGCTTG TGCATGATGA TATTATG 27
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、各種プレニル二リン酸合成酵素の領域
(I)〜(V)、並びにアスパラギン酸リッチドメイン
I、を示す図である。図中、配列はゲラニルゲラニル二
リン酸合成酵素のアミノ酸配列を示し、ATGERPY
RSはArabidopsis thaliana、LA15778.pはLu
pinas albus 、CAGERDIS.はCapsicum annuum
、ATGGPSRP.はArabidopsis thaliana、GG
PS−pepはSulfolobus acidocaldarius、SPCR
T.pepは Rhodobactor sphaeroides、RCPHSY
NG.はRhodobactor capsulatus、EHCRTS.pe
Erwinia herbicola 、MXCRTNODAはMyxococc
us thaliana、NCAL3.pepはNeurospora cras
sa由来のものを示す。それぞれのアミノ酸配列の左側に
記載されている数字は、それぞれのアミノ酸配列のN末
端の、それぞれのゲラニルゲラニル二リン酸合成酵素に
おけるN末端側からの部位である。
【図2】図2は、変異型プレニル二リン酸合成酵素の熱
安定性を示す図である。縦軸は60℃でインキュベーシ
ョン時の活性を100%とした相対活性を示す。横軸は
インキュベーション温度を示す。SacGGPSは変異
前のゲラニルゲラニル二リン酸合成酵素である。他はそ
れぞれの変異型酵素である。BstFPSはバシラス・
テアロサーモフィラス由来のファルネシル二リン酸合成
酵素である。
【図3】図3は、ゲラニル二リン酸をアリル性基質とし
たときの変異型プレニル二リン酸合成酵素反応産物の脱
リン酸化物の薄層クロマトグラフィーによる展開パター
ンを示す。図面代用写真である。図中ori.は展開の
オリジン、s.f.はソルベントフロントを示す。ま
た、GOHはゲラニオール、FOHはファルネソール、
GGOHはゲラニルゲラニルオール、GFOHはゲラニ
ルファルネソールであり、それぞれゲラニル二リン酸、
ファルネシルリン酸、ゲラニルゲラニル二リン酸、ゲラ
ニルファルネシル二リン酸の脱リン酸化により生成す
る。SacGGPSは変異前のゲラニルゲラニル二リン
酸合成酵素である。他はそれぞれの変異型酵素である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (C12N 9/10 C12R 1:19) (72)発明者 広岡 和丈 宮城県仙台市太白区桜木町1−30−310 (72)発明者 西野 徳三 宮城県仙台市青葉区南吉成2丁目15番地 3 (56)参考文献 J.Biol.Chem,Vol. 271,No.17(1996.Apr.)p. 10087−10095 生化学,Vol.67,No.7 (1995)p.894 J.Biol.Chem,Vol. 269,No.20(1994)p.14792− 14797 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) BIOSIS/WPI(DIALOG) PubMed

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プレニル二リン酸合成酵素のアミノ酸配
    列において、第二領域中に存在するアスパラギン酸リッ
    チドメインDDXX(XX)D(配列中Xは任意のアミ
    ノ酸を表わし、カッコ内の2個のXは存在しない場合が
    ある)の、(1) N−末端のDから4残基N−末端側に位置するアミ
    ノ酸残基及びN−末端のDから1残N−末端側に位置す
    るアミノ酸残基が他のアミノ酸残基により置換されてい
    るアミノ酸配列;又は (2) N−末端のDから5残基N−末端側に位置するアミ
    ノ酸残基、N−末端のDから4残基N−末端側に位置す
    るアミノ酸残基及びN−末端のDから1残基N−末端側
    に位置するアミノ酸残基が他のアミノ酸残基により置換
    されているアミノ酸配列; を有し、変 異前の酵素により合成されるプレニル二リン
    酸に比べて短い鎖長のプレニル二リン酸を合成できるよ
    うに変異した、変異型プレニル二リン酸合成酵素。
  2. 【請求項2】 前記プレニル二リン酸合成酵素の反応産
    物が、ファルネシル二リン酸である、請求項1に記載の
    変異型酵素。
  3. 【請求項3】 前記プレニル二リン酸合成酵素が、ホモ
    ダイマー型である請求項1又は2に記載の変異型酵素。
  4. 【請求項4】 前記プレニル二リン酸合成酵素が、アー
    キア由来である請求項1又は2に記載の酵素。
  5. 【請求項5】 前記プレニル二リン酸合成酵素が、スル
    ホロバス・アシドカルダリウス(Sulfolobus acidocal
    darius)由来である請求項1又は2に記載の変異型酵
    素。
  6. 【請求項6】 前記プレニル二リン酸合成酵素が、変異
    前のプレニル二リン酸合成酵素が有する特性を保持して
    いる請求項1又は2に記載の変異型酵素。
  7. 【請求項7】 前記プレニル二リン酸合成酵素が耐熱性
    酵素である、請求項1又は2に記載の変異型酵素。
  8. 【請求項8】 配列番号:1に示すアミノ酸配列を有す
    るゲラニルゲラニル二リン酸合成酵素において、(1) 78位のスレオニン及び81位のヒスチジンが他のアミ
    ノ酸により置換されており;又は (2) 77位のフェニルアラニン、78位のスレオニン及び81
    位のヒスチジンが他のアミノ酸により置換されており;
    又は (3) 77位のフェニルアラニン、78位のスレオニン、80位
    のバリン及び84位のイソロイシンが他のアミノ酸により
    置換されており、そして84位のアミノ酸と85位のメチオ
    ニンとの間に追加のアミノ酸が挿入されている; アミノ酸配列を有し、 変異前の酵素により合成されるプ
    レニル二リン酸に比べて短い鎖長のプレニル二リン酸を
    合成できるように変異した、変異型プレニル二リン酸合
    成酵素。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の酵
    素をコードするDNA。
  10. 【請求項10】 請求項9の記載のDNAから転写され
    るRNA。
  11. 【請求項11】 請求項9記載のDNAを含んで成る組
    換えベクター。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の組換えベクターに
    より形質転換された宿主生物。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の宿主を培養し、培
    養物から発現生成物を採取する事を特徴とする、請求項
    1〜8いずれか1項に記載の変異型酵素の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    酵素又は請求項13に記載の方法により製造される酵素
    を、イソペンテニル二リン酸、ジメチルアリル二リン
    酸、ゲラニル二リン酸から成る群から選択される基質に
    作用せしめることを特徴とする炭素数15以下のプレニ
    ル二リン酸の製造方法。
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