JP3376838B2 - プレニル二リン酸合成酵素 - Google Patents
プレニル二リン酸合成酵素Info
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Description
キノン、メナキノン、ドリコール、カロテノイド、プレ
ニル化蛋白質、動物ホルモン、植物ホルモンなどの生体
にとって重要な化合物の前駆体である直鎖状プレニル二
リン酸を合成する新規変異型酵素とその遺伝子、ヌクレ
オチド配列に関する。
イソプレン(isoprene:2−メチル−1,3−
ブタジエン)を構成単位として生合成される物質は数多
い。これらの化合物はイソプレノイド(isopren
oid)、テルペノイド(terpenoid)、テル
ペン(terpene)とも呼ばれ、炭素数によりヘミ
テルペン(hemiterpene,C5)、モノテル
ペン(monoterpene,C10)、セスキテル
ペン(sesquiterpene,C15)、ジテル
ペン(diterpene,C20)、セスタテルペン
(sesterterpene,C25)、トリテルペ
ン(triterpene,C30)、テトラテルペン
(tetraterpene,C40)などに分類され
る。実際の生合成は、メバロン酸合成経路(meval
onate pathway)を経て、メバロン酸−5
−二リン酸が合成され、活性型イソプレン単位であるイ
ソペンテニル二リン酸(IPP:isopenteny
l diphosphate)が合成されるところから
始まる。
レン単位の真の姿は、結局、活性型イソプレン単位とい
われるイソペンテニル二リン酸であった。イソペンテニ
ル二リン酸の異性体であるジメチルアリル二リン酸(D
MAPP:dimethylallyl diphos
phate)は植物ホルモンのサイトカイニンとして知
られるイソペンテニルアデニンの反応基質に用いられも
するが、イソペンテニル二リン酸との縮合反応によって
ゲラニル二リン酸(GPP:geranyldipho
sphate)、ネリル二リン酸(neryl dip
hosphate)、ファルネシル二リン酸(EPP:
farnesyl diphosphate)、ゲラニ
ルゲラニル二リン酸(GGPP:geranyl ge
ranyl diphosphate)、ゲラニルファ
ルネシル二リン酸(GFPP:geranyl far
nesyl diphosphate)、ヘキサプレニ
ル二リン酸(HexPP:hexaprenyl di
phosphate)、ヘプタプレニル二リン酸(He
pPP:heptaprenyl diphospha
te)などの鎖状活性型イソプレノイドが合成されるこ
とが知られている。縮合反応にはZ型とE型がありゲラ
ニル二リン酸はE型ネリル二リン酸はZ型縮合産物であ
る。
二リン酸などでは全−E型が活性型と考えられるが、Z
型縮合反応することによって天然ゴムやドリコール・バ
クトプレノール(ウンデカプレノール)や植物で見出だ
される各種ポリプレノールが合成される。これらは分子
内に持つピロリン酸と炭素骨格のリン酸エステル結合エ
ネルギーを用いて縮合反応していくと考えられ、反応副
産物としてはピロリン酸が生成すると考えられている。
酸が反応基質となり、細胞内シグナル伝達機構に重要な
G蛋白質に代表されるプレニル化蛋白質(ファルネシル
二リン酸・ゲラニルゲラニル二リン酸から)、アーキア
(archaea)の細胞膜脂質(ゲラニルゲラニル二
リン酸から)、ステロイド前駆体のスクアレン(ファル
ネシル二リン酸から)、カロテノイド前駆体のフィトエ
ン(ゲラニルゲラニル二リン酸から)が合成される。
6,7イソプレン単位のヘキサプレニル二リン酸、ヘプ
タプレニル二リン酸から10イソプレン単位までのプレ
ニル二リン酸は電子伝達系で機能するユビキノンやメナ
キノン(ビタミンK2)の合成前駆体となる。
成を経由して次のような生命にとって重要且つ膨大な種
類の化合物が合成されている。一部分の化合物を列記し
ても、ヘミテルペンを合成前駆体とするものとしては植
物ホルモンのサイトカイニンやイソペンテニルアデノシ
ン修飾tRNAがあり、モノテルペンのゲラニオールと
その異性体ネロールは薔薇油主成分の香料であり、楠抽
出物の樟脳は防虫剤である。セスキテルペンとしては昆
虫の幼若ホルモン(juvenile hormon
e)、ジテルペンとしては植物ホルモンのジベレリンや
昆虫道しるべフェロモン(trail pheromo
ne)、視色素前駆体や高度好塩古細菌の紫膜蛋白質結
合成分やビタミンAとして機能するレチノール・レチノ
ールがある。
前駆体として膨大な種類のステロイド系化合物が合成さ
れ、例えば動物の性ホルモンやビタミンD、昆虫の脱皮
ホルモンのエクダイソン、植物ホルモンのブラシノライ
ド、原形質膜成分などになる。種々の生物の色素・ビタ
ミンA前駆体であるテトラテルペンの各種カロテノイド
もまた、活性型イソプレノイド由来の重要な化合物であ
り、クロロフィル・フィオフェチン・トコフェロール
(ビタミンE・フィロキノン(ビタミンK1)もテトラ
テルペン由来の化合物である。
メチルアリル二リン酸、ゲラニル二リン酸、ファルネシ
ル二リン酸、ゲラニルゲラニル二リン酸、ゲラニルファ
ルネシル二リン酸などにイソペンテニル二リン酸を順次
縮合していく活性型イソプレノイド合成酵素はプレニル
二リン酸合成酵素と呼ばれ主要反応産物の最大鎖長の化
合物名に従って、例えば、ファルネシル二リン酸合成酵
素(FPP synthase)やゲラニルゲラニル二
リン酸合成酵素(GGPP synthase)などと
呼ばれる。
haea)、真菌、植物、動物からファルネシル二リン
酸合成酵素、ゲラニルゲラニル二リン酸合成酵素、ヘキ
サプレニル二リン酸合成酵素、ヘプタプレニル二リン酸
合成酵素、オクタプレニル二リン酸合成酵素、ノナプレ
ニル二リン酸合成酵素(ソラネシル二リン酸合成酵
素)、ウンデカプレニル二リン酸合成酵素などの酵素の
精製、活性測定、遺伝子クローニング・塩基配列決定が
報告されている。
わたる化合物合成の根本をなすこれら活性型イソプレノ
イド合成酵素は、一般的に不安定で取り扱いが困難であ
り、かつ比活性も低く工業的な利用価値が望めなかっ
た。ところが、ここ数年、好熱性のバクテリアやアーキ
アから耐熱性のプレニル二リン酸合成酵素が単離された
り、その遺伝子が取得され、酵素として利用可能な条件
が整ってきた。
好熱菌であるバシラス・ステアロサーモフィラス(Ba
cillus stearothermophilu
s)から遺伝子が単離され中等度の耐熱性を有する酵素
が大腸菌を宿主細胞として製造された〔T.Koyam
a et al.(1993)J.Biochem.1
13,355−363、平成3年特許出願公開第219
961号〕。ゲラニルゲラニル二リン酸合成酵素におい
ては高度好熱性のスルホロバス・アシドカルダリウス
(Sulfolobus acidocaldariu
s)及びサーマス・サーモフィラス(Thermus
thermophilus)の遺伝子が単離され〔S.
−i.Ohnuma et al.(1994)J.B
iol.Chem.269,14792−14797、
平成6年特許出願公開第308193号、平成7年特許
出願公開第294956号〕、耐熱性の高い酵素が製造
された。
ラニルゲラニル二リン酸合成酵素の機能をあわせもった
プレニル二リン酸合成酵素も高度好熱性のメタノバクテ
リウム・サーモオートトロピカム(Methanoba
cterium thermoautotrophic
um)より酵素及びそれをコードする遺伝子が単離され
〔A.Chen and D.Poulter(199
3)J.Biol.Chem.268,11002−1
1007,A.Chen and D.Poulter
(1994)ARCHIVES OF BIOCHEM
ISTRY AND BIOPHYSICS 31
4〕、酵素の耐熱性が明らかにされている。
する酵素はホモダイマーであり、in vitroで反
応させるのは比較的容易で報告例も多いが、それを越え
る鎖長を持つプレニル二リン酸を合成する酵素はヘテロ
ダイマーあるいは脂質などの別の因子を必要とすると考
えられており、工業利用するには2種類のサブユニット
あるいは別の因子をうまく再構成する条件を見つけてい
かなければならないむずかしい面を持っていた。そこ
で、好熱性生物由来の安定で非活性の高いホモダイマー
型のプレニル二リン酸合成酵素のアミノ酸配列を人工的
に改変し、より鎖長の長いプレニル二リン酸を合成でき
るホモダイマー型耐熱性プレニル二リン酸合成酵素を作
り出す技術が要求されていた。
素としては、これまでに、バシラス・ステアロサーモフ
ィラス(Bacillus stearothermo
philus)由来のFPP合成酵素とスルホロバス・
アシドカルダリウス(Sulfolobus acid
ocaldarius)のGGPP合成酵素で改変され
た例がある。
cillus stearothermophilu
s)FPP合成酵素の変異型酵素とその遺伝子は、大腸
菌内でのエルウイニア・ウレドボラ(Erwinia
uredovora)由来のcrtB(フィトエン合成
酵素遺伝子)とCrtI(フィトエン不飽和化、ci
s:trans異性化酵素遺伝子)と変異型バシラス・
ステアロサーモフィラス(Bacillus stea
rothermophilus)FPP合成酵素遺伝子
との共存によって生成されるリコペンによる菌体色変化
を指標にして選択された〔平成7年特許願第25253
号〕。
(Sulfolobus acidocaldariu
s)のGGPP合成酵素の変異型酵素とその遺伝子は、
HexPP合成酵素活性欠損の出芽酵母サッカロミセス
・セレビシエ(Saccharomyces cere
visiae)のグリセロール代謝能を相補することを
指標にして選択された〔平成7年特許願247043
号〕。
(Sulfolobus acidocaldariu
s)のGGPP合成酵素遺伝子の塩基配列の情報から、
プレニル二リン酸合成酵素のアミノ酸配列解析から提唱
されている2つのアスパラギン酸リッチドメインのう
ち、アミノ末端側のアスパラギン酸リッチドメイン保存
配列I(D1D2X1(X2X3)X4D3)の5アミノ酸残基
上流に位置するアミノ酸残基が反応産物の鎖長制御に関
与することがわかり、反応産物鎖長を長くする目的をも
って反応生成物を制御する方法は発明されている〔平成
8年7月3日出願の「変異型プレニル二燐酸合成酵素」
と題する特許出願〕。その方法により製造した酵素では
変異前のプレニル二リン酸合成酵素より長鎖長の数種の
反応生成物を生じさせる。しかしながら、これら変異型
プレニル二リン酸合成酵素においても反応生成物の鎖長
の変化は、ヘキサプレニル二リン酸程度であり、さらに
長鎖長のプレニル二リン酸を生成させる方法は知られて
いない。
ニル二リン酸合成酵素のアミノ酸残基を改変し、長鎖プ
レニル二リン酸合成酵素の製造方法を確立することにあ
る。より安定性の高い、あるいは比活性の高い等の工業
的に利用しやすい特性を有する新規酵素が得られれば、
ただちに、この方法に従いアミノ酸残基を改変すること
より、変異前のプレニル二リン酸合成酵素が有していた
特性を付与した長鎖プレニル二リン酸を生成する変異型
プレニル二リン酸合成酵素およびその遺伝子を得ること
が可能となる。
シドカルダリウス(S. acidocaldariu
s)のゲラニルゲラニル二リン酸合成酵素遺伝子の塩基
配列情報から、プレニル二リン酸合成酵素のアミノ酸配
列解析から提唱されている2つのアスパラギン酸リッチ
ドメインのうち、アミノ末端側のアスパラギン酸リッチ
ドメイン保存配列I(D1D2X1(X2X3)X4D3)のD1
から5残基アミノ末端側のアミノ酸及び8残基アミノ末
端側のアミノ残基が反応産物の鎖長制御に関与すること
がわかった。
素のアミノ酸配列において、第二領域に存在するアスパ
ラギン酸リッチドメインD1D2X1(X2X3)X4D3(配
列中、D1、D2及びD3はアスパラギン酸を示し、X1、
X2、X3及びX4は任意のアミノ酸を示し、そしてX2及
び/又はX3は存在しない場合がある)のD1から5残基
N−末端側に存在するアミノ酸がAla、Ser又はGlyによ
り置換されており、且つD1から8残基N−末端側に存
在するアミノ酸がGlyにより置換されているアミノ酸配
列を有する変異型プレニル二リン酸合成酵素を提供す
る。
素が有していた特性を付与したゲラニルゲラニル二リン
酸、ゲラニルファルネシル二リン酸、ヘキサプレニル二
リン酸、ヘプタプレニル二リン酸、オクタプレニル二リ
ン酸、ノナプレニル二リン酸、デカプレニル二リン酸、
ウンデカプレニル二リン酸、ドデカプレニル二リン酸、
トリデカプレニル二リン酸、テトラデカプレニル二リン
酸、ペンタデカプレニル二リン酸、ヘキサデカプレニル
二リン酸等の炭素数20以上のプレニル二リン酸を生成
する変異型プレニル二リン酸合成酵素を提供する。本発
明はさらに、上記DNAを含んで成る組換えベクター、
特に発現ベクターを提供する。
A又はRNAを提供する。本発明はさらに、上記ベクタ
ーにより形質転換された宿主を提供する。本発明はま
た、前記の酵素を、イソペンテニル二リン酸、ジメチル
アリル二リン酸、ゲラニル二リン酸、ファルネシル二リ
ン酸、ゲラニルゲラニル二リン酸から成る群から選択さ
れる基質に作用せしめることを特徴とする炭素数20以
上のプレニル二リン酸の製造方法を提供する。本発明は
さらに、前記の宿主を培養し、培養物から発現生成物を
採取することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか
1項に記載の酵素の製造方法を提供する。
ロダイマーの場合は一方のサブユニット)のアミノ酸配
列には5つの保存領域があることが提唱されている
〔A.Chenet al.,Protein Sci
ence Vol.3,pp.600−607,199
4〕。また、これら5個の保存領域の内、第II領域中に
アスパラギン酸リッチドメイン保存配列I「D1D2X
1(X2X3)X4D3」(この配列中、X2X3は存在しない
場合がある)ことが知られている。なお、第V領域にも
「DDXXD」で示されるアスパラギン酸リッチドメイ
ンが存在するが、本発明においてアミノ酸配列の改変部
位を特定するために用いるアスパラギン酸リッチドメイ
ンは第II領域に存在するものであり、第V領域に存在す
るアスパラギン酸リッチドメインIIに対して、アスパラ
ギン酸リッチドメインIとして区別する。
ンを有するプレニル二リン酸合成酵素としては、ファル
ネシル二リン酸合成酵素、ゲラニルゲラニル二リン酸合
成酵素、ヘキサプレニル二リン酸合成酵素、ヘプタプレ
ニル二リン酸合成酵素、オクタプレニル二リン酸合成酵
素、ノナプレニル二リン酸合成酵素、ウンデカプレニル
二リン酸合成酵素等が挙げられる。
アロサーモフィラス(Bacillus stearo
thermophilus)のファルネシル二リン酸合
成酵素、エセリシア・コーライ(Eschrichia
coli)のファルネシル二リン酸合成酵素、サッカ
ロミセス・セレビシエ(Saccharomycesc
erevisiae)のファルネシル二リン酸合成酵
素、ラットのファルネシル二リン酸合成酵素、ヒトのフ
ァルネシル二リン酸合成酵素、ニューロスポラ・クラッ
サ(Neurospora crassa)のゲラニル
ゲラニル二リン酸合成酵素、サッカロミセス・セレビシ
エ(Saccharomyces cerevisia
e)のヘキサプレニル二リン酸合成酵素、等があげられ
る。
二リン酸合成酵素のアミノ酸配列における領域I〜V、
及び領域IIの中のアスパラギン酸リッチドメインI(わ
く内)を図1に示す。本発明は、これらアスパラギン酸
リッチドメインIを有するプレニル二リン酸合成酵素に
適用することができる。
酵素のアミノ酸配列において、第二領域に存在するアス
パラギン酸リッチドメインD1D2X1(X2X3)X4D
3(配列中、D1、D2及びD3はアスパラギン酸を示し、
X1、X2、X3及びX4は任意のアミノ酸を示し、そして
X2及び/又はX3は存在しない場合がある)のD1から
5残基N−末端側に存在するアミノ酸がAla、Ser又はGl
yにより置換されており、且つD1から8残基N−末端側
に存在するアミノ酸がGlyにより置換されているアミノ
酸配列を有する変異型プレニル二リン酸合成酵素を提供
する。
ている更に修飾されたアミノ酸配列を有する変異型プレ
ニル二リン酸合成酵素を提供する。本発明の変異型プレ
ニル二リン酸合成酵素は、変異前のプレニル二リン酸合
成酵素が合成するプレニル二リン酸の鎖長よりも長いプ
レニル二リン酸を合成することができる。
熱性アーキアのスルホロバス・アシドカルダリウス(S
ulfolobus acidocaldarius)
のゲラニルゲラニル二リン酸合成酵素遺伝子を出発材料
として用いる。スルホロバス・アシドカルダリウス(S
ulfolobus acidocaldarius)
はATCC No.33909として、ATCCより入
手することができる。この遺伝子のクローンニング方法
は特願平6−315572の明細書に詳細に記載されて
いる。また、GenBank等の遺伝情報データベース
でもアクセッション番号D28748で公開されてお
り、その配列をプローブに用いれば広く知られた方法に
よりクローニングできる。さらに、他のクローニング方
法の一例を本明細書に実施例1として記載すると共に、
その塩基配列を配列番号:2として示す。
号:1に示すスルホロバス・アシドカルダリウス由来の
プレニル二リン酸合成酵素のアミノ酸配列において下記
のごとくアミノ酸が置換されたアミノ酸配列を有する酵
素を挙げることができる。 変異酵素1:74位のロイシン→グリシン及び77位の
フェニルアラニン→アラニンの変化; 変異酵素2:74位のロイシン→グリシン及び77位の
フェニルアラニン→セリンの変化; 変異酵素3:74位のロイシン→グリシン及び77位の
フェニルアラニン→グリシンの変化。
好熱性細菌のバシラス・ステアロサーモフィラス(Ba
cillus stearothermophilu
s)のファルネシル二リン酸合成酵素遺伝子を出発材料
として用いる。バシラス・ステアロサーモフィラス(B
acillus stearothermophilu
s)はATCC No.10149として、ATCCよ
り入手することができる。この遺伝子のクローンニング
方法は特開平5−219961の明細書に詳細に記載さ
れている。また、GenBank等の遺伝情報データベ
ースでもアクセッション番号D13293で公開されて
おり、その配列をプローブに用いれば広く知られた方法
によりクローニングできる。さらに、他のクローニング
方法の一例を本明細書に実施例2として記載すると共
に、その塩基配列を配列番号:4として示す。
号:3に示すバシラス・ステアロサーモフィラス由来の
プレニル二リン酸合成酵素のアミノ酸配列において下記
のごとくアミノ酸が置換されたアミノ酸配列を有する酵
素を挙げることができる。 変異酵素4:78位のイソロイシン→グリシン及び81
位のチロシン→グリシンの変化; 変異酵素5:78位のイソロイシン→グリシン及び81
位のチロシン→グリシンの変化及び89位のプロリン、
90位のセリンの欠失;
シン及び81位のチロシン→アラニンの変化; 変異酵素7:78位のイソロイシン→グリシン及び81
位のチロシン→アラニンの変化、並びに89位のプロリ
ン及び90位のセリンの欠失; 変異酵素8:78位のイソロイシン→グリシン及び81
位のチロシン→セリンの変化; 変異酵素9:78位のイソロイシン→グリシン及び81
位のチロシン→セリンの変化、並びに89位のプロリン
及び90位のセリンの欠失。
又は少数個のアミノ酸の付加、除去、及び/又は置換に
よって修飾されている場合でもその本来の酵素活性を有
する場合があることが知られている。従って、本発明は
配列番号1又は3に示されるアミノ酸配列に対して1又
は少数個、例えば5個まで、又は10個までのアミノ酸
が置換、欠失及び/又は付加により変化しているアミノ
酸配列を有し、なお生来の機能を果たすことができる酵
素も包含する。本発明はまた、例えば配列番号:2又は
4に示すごときプレニル二リン酸合成酵素をコードする
塩基配列を有する核酸と常用の、例えば50℃〜65℃
にて6〜0.2×SSCのストリンジェンシー条件下で
ハイブリダイズする核酸にコードされており、プレニル
二リン酸合成酵素活性を有する蛋白質をも提供する。
コードする遺伝子及びそれを含むベクター、特に発現ベ
クター、及び該ベクターにより形質転換された宿主を提
供する。本発明の遺伝子(DNA)は、例えば配列番
号:1又は3に示す生来のアミノ酸配列をコードするD
NAに部位特定突然変異誘発やPCR法等の定法に従っ
て変異を導入することにより容易に得ることができる。
さらに、一旦目的とする酵素のアミノ酸配列が定まれ
ば、それをコードする適当な塩基配列を決定することが
でき、常用のDNA合成法によりDNAを化学合成する
こともできる。本発明はまた、前記のごときDNAを含
んで成る発現ベクター、該発現ベクターにより形質転換
された宿主、及びこれらの宿主を用いての本発明の酵素
又はペプチドの製造法を提供する。
配列等を含有するが、これらは宿主により異なる。宿主
としては、原核生物、例えば細菌、例えば大腸菌、バシ
ラス属細菌、例えばバシラス・ズブチリス(Bacil
lusu subtillis)、真核性微生物、例え
ば真菌、例えば酵母、例えばサッカロミセス(Sacc
haromyces)属に属するサッカロミセス・セレ
ビシエ(S. cerevisiae)やピキア(Pi
chia)属に属するピキア・パストリス(Pichi
a pastoris)、糸状菌、例えばアスペルギル
ス・ニガー(A. niger)、動物細胞、例えばカ
イコの培養細胞、高等動物の培養細胞例えばCHO細胞
等が挙げられる。また、植物を宿主とすることも可能で
ある。
発明のDNAにより形質転換した宿主を培養することに
より、培養物中に長鎖プレニル二リン酸を蓄積すること
ができ、これを採取することにより長鎖プレニル二リン
酸を製造することができる。本発明によればまた、本発
明の方法により製造した変異型プレニル二リン酸合成酵
素を基質イソペンテニル二リン酸及び各アリル性基質、
例えばジメチルアリル二リン酸、ゲラニル二リン酸に作
用させることによっても長鎖プレニル二リン酸を製造す
ることができる。
DNAからmRNAを転写する過程とmRNAからタン
パク質を翻訳する過程などの遺伝子発現調節機能がある
ことが知られている。mRNAの合成を調整するプロモ
ータ配列として、天然に存在する配列(例えばlac,
trp,bla,lpp,PL ,PR ,ter,T7,
T3など)以外にも、それらの変異体(例えばlacU
V5)や天然にあるプロモーター配列を人工的に融合し
た(例えばtac,trcなど)配列が知られており、
本発明にも使用できる。
節する配列として、リボソームバインディングサイト
(GGAGG及びその類似配列)配列と開始コドンであ
るATGまでの距離が重要であることは既知である。ま
た3′側に転写終了を指令するターミネーター(例え
ば、rrnPT1 T2 を含むベクターがファルマシア社
から市販されている)が組換え体でのタンパク質合成効
率に影響することはよく知られている。
用できるベクターとしては、市販のものをそのまま用い
るか、または目的に応じて誘導した各種ベクターを挙げ
ることができる。例えば、pMB1由来のrepuli
conを持つpBR322,pBR327,pKK22
3−3,pKK233−2,pTrc99等や、コピー
数が向上するように改変したpUC18,pUC19,
pUC118,pUC119,pTV118N,pTV
119N,pBluescript,pHSG298,
pHSG396等、またp15A由来のrepulic
onを持つpACYC117やpACYC184等、さ
らにはpSC101やColE1やR1やF因子などに
由来C Iラスミドが挙げられる。さらに、より精製の
容易な融合蛋白質発現ベクター例えばpGEX−2T,
pGEX−3XやpMal−c2のようなベクターも利
用でき本発明の出発材料として用いた遺伝子の例が特願
平6−315572に記載されている。
M13ファージのようなウイルスベクターやトランスポ
ゾンによっても遺伝子導入が可能である。大腸菌以外の
微生物への遺伝子導入では、pUB110(Sigma
社から販売)やpHY300PLK(宝酒造より販売)
などによるバシラス属への遺伝子導入が知られている。
これらベクターについてはMolecular Cloning (J. Sam
brook, E.F. Fritsch,T. Maniatis著Cold Spring Habor
Laboratory Press発行)やCloning Vector(P.H. Pouw
els, B.B. Bnger, Valk, W.J. Brammar著Elsevier発
行)や各社カタログに記載されている。
合成酵素をコードするDNA断片及び必要により前記酵
素の遺伝子を発現調節する機能を有するDNA断片の組
み込みは、適当な制限酵素とリガーゼを用いる既知の方
法で行うことができる。こうして作製される発明のプラ
スミドの具体的なものとしてはpBs−SacGGPS
が挙げられる。
きる微生物としてはエシェリシア・コリー(Esche
richia coli)、バシラス(Bacillu
s)属に属する微生物も利用することができる。この形
質転換も常法、例えばMolecular Cloning (J. Sambroo
k, E.F. Fritsch, T. Maniatis著Cold Spring HaborLab
oratory Press発行)やDNA Cloning Vol. I〜III (D.
M. Glover 編IRL PRESS 発行)などに記載された、Ca
Cl2 法やプロトプラスト法により行うことができる。
本発明の変異型酵素を製造するには、上記形質転換され
た宿主を培養し、その培養物から常法に従って、例えば
塩析、有機溶媒沈殿、ゲル濾過、アフィニティークロマ
トグラフィー、疎水クロマトグラフィー、イオン交換ク
ロマトグラフィー等により回収精製することができる。
ニルゲラニル二リン酸、ゲラニルファルネシル二リン
酸、ヘキサプレニル二リン酸、ヘプタプレニル二リン
酸、オクタプレニル二リン酸、ノナプレニル二リン酸、
デカプレニル二リン酸、ウンデカプレニル二リン酸、ド
デカプレニル二リン酸、トリデカプレニル二リン酸、テ
トラデカプレニル二リン酸、ペンタデカプレニル二リン
酸、ヘキサデカプレニル二リン酸等の炭素数20以上の
プレニル二リン酸を製造する方法を提供する。この方法
においては、媒体、特に水性媒体中で、本発明の酵素と
を反応せしめ、所望により反応媒体から目的とするプレ
ニル二リン酸を採取すればよい。
の段階まで半精製して得られる粗酵素、又は培養菌体も
しくは培養物等の酵素含有物でもよい。また、前記の酵
素、粗酵素又は酵素含有物を常法に従って固定した固定
化酵素であってもよい。基質としてはジメチルアリル二
リン酸または、ゲラニル二リン酸または、ファルネシル
二リン酸または、ゲラニルゲラニル二リン酸とイソペン
テニル二リン酸とが用いられる。反応媒体としては水又
は水性緩衝液例えばトリス緩衝液やリン酸緩衝液等が用
いられる。
合成酵素製造法を用いれば、例えばより安定性が高く扱
いやすいアーキア由来のゲラニルゲラニル二リン酸、ゲ
ラニルファルネシル二リン酸、ヘキサプレニル二リン
酸、ヘプタプレニル二リン酸、オクタプレニル二リン
酸、ノナプレニル二リン酸、デカプレニル二リン酸、ウ
ンデカプレニル二リン酸、ドデカプレニル二リン酸、ト
リデカプレニル二リン酸、テトラデカプレニル二リン
酸、ペンタデカプレニル二リン酸、ヘキサデカプレニル
二リン酸等の炭素数20以上プレニル二リン酸を生成す
る変異型プレニル二リン酸合成酵素を創出することが可
能となる。
基は以下の1文字表記または3文字表記の略号で示され
る。 A;Ala;アラニン C;Cys;システイン D;Asp;アスパラギン酸 E;Glu;グルタミン酸 F;Phe;フェニルアラニン G;Gly;グリシン H;His;ヒスチジン I;Ile;イソロイシン K;Lys;リジン L;Leu;ロイシン M;Met;メチオニン N;Asn;アスパラギン P;Pro;プロリン Q;Gln;グルタミン R;Arg;アルギニン S;Ser;セリン T;Thr;スレオニン V;Val;バリン W;Trp;トリプトファン Y;Tyr;チロシン
酸残基」「アミノ酸残基番号」「置換後のアミノ酸残
基」の順番で1文字表記のアミノ酸残基記号で表わし、
たとえば81位のチロシン残基がメチオニン残基に置き
換わった変異はY81Mと表す。また、アミノ酸残基の
欠失は、「欠失前のアミノ酸残基」「アミノ酸残基番
号」「−」で表し、例えば81位のチロシンが欠失した
変異はY81−と表す。
は以下の実施例に限定されるものではない。実施例1.ゲラニルゲラニル二リン酸合成酵素遺伝子を
含むプラスミドの作製 東洋紡績より市販されているプラ
スミドベクターpBluescriptII(KS+)の
HindIII 部位にスルホロバス・アシドカルダリウス
(Sulfolobus acidocaldariu
s)由来のゲラニルゲラニル二リン酸合成酵素(以下S
acGGPSと略す)遺伝子をサブクローニングした。
このプラスミドDNAをpBs−SacGGPSとす
る。SacGGPS遺伝子は、平成6年1月31日付け
で工業技術院生命工学工業技術研究所にFERM P−
14089として国際寄託されエシェリシアコーライ
(Escherichiacoli)pGGPS1/D
H5αより入手できる。
は平成6年特許願053804号やShin-ichi Ohnuma e
t al. (1994) The Journal of Biological Chemistry V
ol.269, pp. 14792-14797または、GenBankなど
の遺伝情報データベースでアクセッション番号D287
48として公開されており、スルホロバス・アシドカル
ダリウス(Sulfolobus acidocald
arius)もATCC No.33909としてAT
CCなどの各種微生物の寄託機関から入手可能なので、
通常の遺伝子クローニング法によってSacGGPS遺
伝子部分のDNAを得ることができる。
ゴヌクレオチドの合成 ゲラニルゲラニル二リン酸合成酵素遺伝子の変異導入は
まず、平成7年特許願第247043号の明細書中実施
例2に従って得られた変異型SacGGPSのうち、7
7位のフェニルアラニンがセリンに置換された変異型ゲ
ラニルゲラニル二リン酸合成酵素(F77S)遺伝子が
組み込まれたプラスミドをもとに実施例3に示す方法で
変異を導入した。この変異型ゲラニルゲラニル二リン酸
合成酵素(F77S)遺伝子は化学的な変異源処理によ
り作製されたが、この方法に以外にもKunkel法あ
るいはPCR法といった既知の方法でも作製することが
できる。目的とする変異の導入のため下記のようなオリ
ゴヌクレオチドをデザインし合成した。
S): 5′GGTGCAGCAATTGAAGTTGGTCATACT3′(配列番
号:5) さらに、プライマーDNA1により変異を導入された遺
伝子をもとに実施例3に示す方法で変異を導入するため
に下記のようなオリゴヌクレオチドをデザイン合成し
た。 プライマーDNA2(L74G,F77A): 5′CATA
CTGCTACGCTTGTTCATGATG3′(配列番号:6) プライマーDNA3(L74G,F77G): 5′CATA
CTGGTACGCTTGTTCATGATG3′(配列番号:7)
シン及び77位のフェニルアラニンをコードするコドン
に変異が導入されるような目的に加えて新たに制限酵素
BspHIの切断部位あるいは、MunI切断部位が導
入されるような設計になっている。この、BspHI切
断部位の導入ではコドンの縮重のためSacGGPS遺
伝子がコードするアミノ酸配列は変化しない。これは、
SacGGPS遺伝子の74位のアミノ酸残基及び77
位のアミノ酸残基に対するコドンに置換変異が導入され
ると同時にBspHI切断部位あるいはMunI切断部
位が新しく作られるので、BspHI消化後あるいはM
unI消化後のアガロースゲル電気泳動で置換変異導入
されたプラスミドを検出するためのものである。これら
プライマーDNAは以下の反応溶液中で37度Cで30
分間リン酸化をした後70度Cで10分間失活処理す
る。
1000mM Tris−Cl(pH8.0)、100mM
MgCl2、70mM DTT。
異の導入 実施例2で作製した各プライマーDNAを用いて、Ku
nkel法によって変異型SacGGPS遺伝子が組み
込まれたプラスミドに置換変異を導入した。Kunke
l法を行なうにあたっては、寶酒造から市販されている
Mutan−Kキットを用いた。実験手順もMutan
−Kキット添付の実験書にしたがった。プラスミドの置
換変異は必ずしもKunkel法である必要はなく、例
えば、ポリメラーゼ鎖反応法(PCR)を用いる方法で
もまったく同じ結果を得ることができる。
ーライ(Escherichiacoli)CJ236
をホストセルとしてプラスミドpBs−SacGGPS
中のチミン塩基がデオキシウラシル塩基に置き換わった
一本鎖DNAを調製する。得られた一本鎖DNAを鋳型
にして相補鎖合成用プライマーDNAを下記のような反
応溶液により65℃で15分処理し37℃で15分静置
することによってアニーリングさせる。 一本鎖DNA 0.6pmol Annealing buffer 1μl プライマーDNA溶液(実施例2) 1μl H2 O 最終容積10μlにする
rは、200mM Tris−Cl(pH8.0)、100
mM MgCl2、500mM NaCl、10mMDTT。
さらに、25μlのExtension buffe
r、60unitsのエシェリシアコーライ(Esch
erichia coli)DNA ligase、1
unitのT4 DNA polymeraseを加
え、25℃で2時間相補鎖合成反応させる。ただし、E
xtension bufferは、50mMTris−
Cl(pH8.0)、60mM酢酸アンモニウム、5mM M
gCl2、5mM DTT、1mM NAD、0.5mM d
NTP。反応後、3μlの0.2M EDTA(pH8.
0)を加え、65℃5分間処理することにより反応停止
させる。
遺伝子を含むプラスミドの作製 プラスミドベクターpUC119のKpnI,PstI
部位にバシラス・ステアロサーモフィラス(Bacil
lus stearothermophilus)由来
のファルネシル二リン酸合成酵素(以下BstFPSと
略す)遺伝子をサブクローニングした。このプラスミド
DNAをpEX1とする。BstFPS遺伝子は、平成
3年9月26日付けで工業技術生命工学工業技術研究所
にFERM BP−3581として国際寄託されたエシ
ェリシアコーライ(Escherichia col
i)JM109(pEX1)より入手できる。
は、特開平5−219961号または、GenBank
などの遺伝情報データベースでアクセッション番号D1
3293として公開されており、バシラス・ステアロサ
ーモフィラス(Bacillus stearothe
rmophilus)もATCC No.10149と
してATCCなどの各種微生物の寄託機関から入手可能
なので、通常の遺伝子クローニング法によってBstF
PS遺伝子部分のDNAを得ることができる。さらに、
バシラス・ステアロサーモフィラス(Bacillus
stearothermophilus)由来のファ
ルネシル二リン酸合成酵素を大量発現させる目的でファ
ルマシアから市販されている発現ベクターpTrc99
AのNcoI,HindIII 部位にBstFPS遺伝子
を組み込んだ〔T.Koyamaet al.(199
3)J.Biochem.113,355−363〕。
このプラスミドDNAをpEX11とする。
ヌクレオチドの合成と置換変異の導入 BstFPS遺伝子への変異の導入は実施例4で作製さ
れた発現ベクターpEX11を用いてポリメラーゼ鎖反
応(PCR)法で行った。変異を導入するために下記の
ようなオリゴヌクレオチドをデザインし合成した。 プライマーDNA4: 5′AAACAGACCATGGCGCTTTC 3′
(配列番号:8) プライマーDNA5: 5′CAGCCAAGCTTTTAATGGTC 3′
(配列番号:9) プライマーDNA6: 5′CTTTGATTCATGATGATTTG 3′
(配列番号:10)
AAGAAGACGTATGGCCCATTTC 3′(配列番号:11) プライマーDNA8: 5′ATCATCATGAATCAAAGAGGCCGTAT
GGCCCATTTC 3′(配列番号:12) プライマーDNA9: 5′ATCATCATGAATCAAAGAGCCCGTAT
GGCCCATTTC 3′(配列番号:13) プライマーDNA10: 5′ATGGACAACGATGATTTGCG 3′
(配列番号:14) プライマーDNA11: 5′CAAATCATCATGGATCAAAG 3′
(配列番号:15)
ているExTaqを用い、その取り扱い説明書に従い行
った。置換変異導入のために、プライマーDNA4とプ
ライマーDNA7、プライマーDNA4とプライマーD
NA8、プライマーDNA4とプライマーDNA9、及
びプライマーDNA5とプライマーDNA6のそれぞれ
の組み合わせでポリメラーゼ鎖反応をおこなった。反応
サイクルは94度30秒、50度30秒及び72度1分
のサイクルを35回繰り返した。この反応により生成し
たDNAフラグメントをアガロースゲル電気泳動し、目
的の長さを持つDNAフラグメントをゲルを切り出すこ
とにより精製した。
リメラーゼ鎖反応により、生成したDNAフラグメント
をそれぞれフラグメント1(プライマーDNA4とプラ
イマーDNA7)、フラグメント2(プライマーDNA
4とプライマーDNA8)、フラグメント3(プライマ
ーDNA4とプライマーDNA9)、及びフラグメント
4(プライマーDNA5とプライマーDNA6)とす
る。
素NcoI及び制限酵素BspHIで切断し、フラグメ
ント4は制限酵素HindIII 及び制限酵素BspHI
で切断することによって、フラグメントの末端を整え、
フラグメント1とフラグメント4、フラグメント2とフ
ラグメント4、フラグメント3とフラグメント4をライ
ゲーションした。ライゲーションには宝酒造から市販さ
れているライゲーションキットを用いた。ライゲーショ
ンされたそれぞれのフラグメントをファルマシアから市
販されているプラスミドベクターpTrc99AのNc
oI,HindIII 部位に組み込んだ。また、置換変異
したpEX11はBstFPSコード領域において制限
酵素BspHIで切断されるようになるが、遺伝暗号の
宿合によりこの部分のアミノ酸は置換されない。実施例
6に示す方法で形質導入を行った。
係を以下に示す。 フラグメント1とフラグメント4→178G,Y81S フラグメント2とフラグメント4→178G,Y81A フラグメント3とフラグメント4→178G,Y81G それぞれの置換変異pEX11に対しさらにプライマー
DNA10とプライマーDNA11をプライマーに用い
てポリメラーゼ鎖反応を行った。反応サイクルは、94
℃30秒、54℃15秒及び72℃4分間のサイクルを
30回繰り返した。その後アガロースゲル電気泳動によ
り目的の長さのDNAフラグメントを精製、Kleno
w FragmentによりDNAフラグメントの末端
を整え、さらにT4Polynucleotide K
inaseを用いることによりリン酸化した後、セルフ
ライゲーションさせた。Klenow Fragmen
t及びT4Polynucleotide Kinas
eは宝酒造から市販されているものをその説明書に従っ
て用いた。
イゲーションキットを用いた。それぞれの置換変異PE
X11とプライマーDNA10とプライマーDNA11
を用いポリメラーゼ鎖反応により作製した欠失変異の関
係を以下に示す。 178G,Y81S→178G,Y81S,P89−,
S90− 178G,Y81A→178G,Y81A,P89−,
S90− 178G,Y81G→178G,Y81G,P89−,
S90− ここで作製された欠失変異体pEX11はもとの置換変
異pEX11と選別できるように置換変異を導入した際
に生じさせた制限酵素BspHIの切断部位を除き、変
異前のpEX11と同じになるようにしてある。
S遺伝子の置換変異の導入された遺伝子を持つ形質転換
体の作製 実施例3及び実施例5により、作製したDNA溶液を用
いて下記のようにしてエシェリシアコーライ(Esch
erichia coli)XL1−BlueへCaC
l2 法により形質転換した。別の方法、例えば、エレク
トロポーレーション法によっても同様の結果が得られ
る。宿主細胞もエシェリシアコーライ(Escheri
chia coli)XL1−Blue以外の細胞例え
ばJM109等を用いても同様の結果が得られる。
は、形質転換体選択マーカーであるアンピシリン含有寒
天プレートにまき37℃で一晩培養する。上記の様にし
て得られた形質転換体のうちBspHI切断部位あるい
はMunI切断部位をSacGGPSコード領域あるい
はBstFPSコード領域に持つ置換変異型pBs−S
acGGPSプラスミドあるいは変異型pEX11プラ
スミドを選択した。欠失変異を導入した変異型pEX1
1プラスミドはBstFPSコード領域にBspHI切
断部位を持たなくなった変異型pEX11プラスミドを
選択した。選択した置換変異型pBs−SacGGPS
プラスミドのSacGGPS遺伝子あるいは変異型pE
X11プラスミドのBstFPS遺伝子の変異されるア
ミノ残基に対するコドン周辺の塩基配列をダイデオキシ
法によって決定し、目的の変異が導入されていることを
確認した。
素の活性測定 実施例6で得られた9種の変異型及び1種の野生型Sa
cGGPS遺伝子、1種の野生型BstFPS遺伝子を
含む、計11種の形質転換体から下記の様にして粗酵素
液を調製した。2xLB培地で一晩培養した形質転換体
を遠心により集菌し、菌体破砕用buffer(50mM
Tris−Cl(pH8.0)、10mM β−メルカプ
トエタノール、1mM EDTA)に懸濁する。これを超
音波破砕処理し4℃10,000r.p.m.、10分遠心処
理後の上清を55℃で1時間熱処理しエシェリシアコー
ライ(Escherichia coli)由来のプレ
ニル二リン酸合成酵素活性を失活させた。
清を粗酵素抽出液とした。反応は下記の反応溶液で55
℃1時間行なった。 〔1−14C〕−イソペンテニル二リン酸(1Ci/mol ) 25nmol アリル性二リン酸(ゲラニル二リン酸) 25nmol リン酸カリウム緩衝液(pH5.8) 10mM MgCl2 5mM 酵素液 100μg H2 Oで200μlにする。
μl添加し、さらに1mlの水飽和ブタノールを加え、撹
拌、遠心し、二相分離させる。得られたブタノール層8
00μlに液体シンチレーター3mlを加えて、液体シン
チレーションカウンターにより放射活性を測定する。残
りのブタノール層は加温しながら窒素ガスを吹き付け溶
媒を蒸発させて0.5ml程度まで濃縮する。これに、メ
タノール2mlとポテト酸性フォスファターゼ溶液(2mg
/mlポテト酸性フォスファターゼ、0.5M酢酸ナトリ
ウム(pH4.7))1mlを加え37℃で脱リン酸化反応
を行なう。
れた反応産物を抽出する。これを、窒素ガス吹き付けに
より溶媒を蒸発させて濃縮しこれをTLC(逆層TLC
プレート:LKC18(Whatman社製)、展開溶
媒:アセトン/水=9/1あるいはアセトン/水=19
/1)により解析する。展開された脱リン酸化された反
応産物はバイオイメージアナライザーBAS2000
(富士写真フィルム社製)によって放射活性の位置を決
定した。SacGGPS遺伝子に変異導入した変異型プ
レニル二リン酸合成酵素の結果を図2に、BstFPS
遺伝子に変異導入した変異型プレニル二リン酸合成酵素
2種類の結果を図3に示す。BstFPS遺伝子に変異
導入した他の変異型プレニル二リン酸合成酵素の結果も
図3と同様であった。
olobus acid ocaldarius) 株名:ATCC33909 配列の特徴: 特徴を表わす記号:アスパラギン酸リッチドメイン(A
sp−rich domain) 存在位置:82−86 Met Ser Tyr Phe Asp Asn Tyr Phe Asn Glu Ile Val Asn Ser Val Asn 5 10 15 Asp Ile Ile Lys Ser Tyr Ile Ser Gly Asp Val Pro Lys Leu Tyr Glu 20 25 30 Ala Ser Tyr His Leu Phe Thr Ser Gly Gly Lys Arg Leu Arg Pro Leu 35 40 45 Ile Leu Thr Ile Ser Ser Asp Leu Phe Gly Gly Gln Arg Glu Arg Ala 50 55 60 Tyr Tyr Ala Gly Ala Ala Ile Glu Val Leu His Thr Phe Thr Leu Val 65 70 75 80 His Asp Asp Ile Met Asp Gln Asp Asn Ile Arg Arg Gly Leu Pro Thr 85 90 95 Val His Val Lys Tyr Gly Leu Pro Leu Ala Ile Leu Ala Gly Asp Leu 100 105 110 Leu His Ala Lys Ala Phe Gln Leu Leu Thr Gln Ala Leu Arg Gly Leu 115 120 125 Pro Ser Glu Thr Ile Ile Lys Ala Phe Asp Ile Phe Thr Arg Ser Ile 130 135 140 Ile Ile Ile Ser Glu Gly Gln Ala Val Asp Met Glu Phe Glu Asp Arg 145 150 155 160 Ile Asp Ile Lys Glu Gln Glu Tyr Leu Asp Met Ile Ser Arg Lys Thr 165 170 175 Ala Ala Leu Phe Ser Ala Ser Ser Ser Ile Gly Ala Leu Ile Ala Gly 180 185 190 Ala Asn Asp Asn Asp Val Arg Leu Met Ser Asp Phe Gly Thr Asn Leu 195 200 205 Gly Ile Ala Phe Gln Ile Val Asp Asp Ile Leu Gly Leu Thr Ala Asp 210 215 220 Glu Lys Glu Leu Gly Lys Pro Val Phe Ser Asp Ile Arg Glu Gly Lys 225 230 235 240 Lys Thr Ile Leu Val Ile Lys Thr Leu Glu Leu Cys Lys Glu Asp Glu 245 250 255 Lys Lys Ile Val Leu Lys Ala Leu Gly Asn Lys Ser Ala Ser Lys Glu 260 265 270 Glu Leu Met Ser Ser Ala Asp Ile Ile Lys Lys Tyr Ser Leu Asp Tyr 275 280 285 Ala Tyr Asn Leu Ala Glu Lys Tyr Tyr Lys Asn Ala Ile Asp Ser Leu 290 295 300 Asn Gln Val Ser Ser Lys Ser Asp Ile Pro Gly Lys Ala Leu Lys Tyr 305 310 315 320 Leu Ala Glu Phe Thr Ile Arg Arg Arg Lys 325 330
olobus acid ocaldarius ) 株名:ATCC33909 配列の特徴:特徴を表わす記号:アスパラギン酸−ri
chドメインコード領域(Asp−rich doma
in coding) 存在位置:246−258 ATGAGTTACT TTGACAACTA TTTTAATGAG ATTGTTAATT CTGTAAACGA CATTATTAAG 60 AGCTATATAT CTGGAGATGT TCCTAAACTA TATGAAGCCT CATATCATTT GTTTACATCT 120 GGAGGTAAGA GGTTAAGACC ATTAATCTTA ACTATATCAT CAGATTTATT CGGAGGACAG 180 AGAGAAAGAG CTTATTATGC AGGTGCAGCT ATTGAAGTTC TTCATACTTT TACGCTTGTG 240 CATGATGATA TTATGGATCA AGATAATATC AGAAGAGGGT TACCCACAGT CCACGTGAAA 300 TACGGCTTAC CCTTAGCAAT ATTAGCTGGG GATTTACTAC ATGCAAAGGC TTTTCAGCTC 360 TTAACCCAGG CTCTTAGAGG TTTGCCAAGT GAAACCATAA TTAAGGCTTT CGATATTTTC 420 ACTCGTTCAA TAATAATTAT ATCCGAAGGA CAGGCAGTAG ATATGGAATT TGAGGACAGA 480 ATTGATATAA AGGAGCAGGA ATACCTTGAC ATGATCTCAC GTAAGACAGC TGCATTATTC 540 TCGGCATCCT CAAGTATAGG CGCACTTATT GCTGGTGCTA ATGATAATGA TGTAAGACTG 600 ATGTCTGATT TCGGTACGAA TCTAGGTATT GCATTTCAGA TTGTTGACGA TATCTTAGGT 660 CTAACAGCAG ACGAAAAGGA ACTTGGAAAG CCTGTTTTTA GTGATATTAG GGAGGGTAAA 720 AAGACTATAC TTGTAATAAA AACACTGGAG CTTTGTAAAG AGGACGAGAA GAAGATTGTC 780 CTAAAGGCGT TAGGTAATAA GTCAGCCTCA AAAGAAGAAT TAATGAGCTC AGCAGATATA 840 ATTAAGAAAT ACTCTTTAGA TTATGCATAC AATTTAGCAG AGAAATATTA TAAAAATGCT 900 ATAGACTCTT TAAATCAAGT CTCCTCTAAG AGTGATATAC CTGGAAAGGC TTTAAAATAT 960 CTAGCTGAAT TTACGATAAG AAGGAGAAAA TAA 993
llus stearo thermophilus) 配列の特徴: 特徴を表わす記号:アスパラギン酸リッチドメイン(A
sp−rich domain) 存在位置:86−92 配列: Met Ala Gln Leu Ser Val Glu Gln Phe Leu Asn Glu Gln Lys Gln Ala 5 10 15 Val Glu Thr Ala Leu Ser Arg Tyr Ile Glu Arg Leu Glu Gly Pro Ala 20 25 30 Lys Leu Lys Lys Ala Met Ala Tyr Ser Leu Glu Ala Gly Gly Lys Arg 35 40 45 Ile Arg Pro Leu Leu Leu Leu Ser Thr Val Arg Ala Leu Gly Lys Asp 50 55 60 Pro Ala Val Gly Leu Pro Val Ala Cys Ala Ile Glu Met Ile His Thr 65 70 75 80 Tyr Ser Leu Ile His Asp Asp Leu Pro Ser Met Asp Asn Asp Asp Leu 85 90 95 Arg Arg Gly Lys Pro Thr Asn His Lys Val Phe Gly Glu Ala Met Ala 100 105 110 Ile Leu Ala Gly Asp Gly Leu Leu Thr Tyr Ala Phe Gln Leu Ile Thr 115 120 125 Glu Ile Asp Asp Glu Arg Ile Pro Pro Ser Val Arg Leu Arg Leu Ile 130 135 140 Glu Arg Leu Ala Lys Ala Ala Gly Pro Glu Gly Met Val Ala Gly Gln 145 150 155 160 Ala Ala Asp Met Glu Gly Glu Gly Lys Thr Leu Thr Leu Ser Glu Leu 165 170 175 Glu Tyr Ile His Arg His Lys Thr Gly Lys Met Leu Gln Tyr Ser Val 180 185 190 His Ala Gly Ala Leu Ile Gly Gly Ala Asp Ala Arg Gln Thr Arg Glu 195 200 205 Leu Asp Glu Phe Ala Ala His Leu Gly Leu Ala Phe Gln Ile Arg Asp 210 215 220 Asp Ile Leu Asp Ile Glu Gly Ala Glu Glu Lys Ile Gly Lys Pro Val 225 230 235 240 Gly Ser Asp Gln Ser Asn Asn Lys Ala Thr Tyr Pro Ala Leu Leu Ser 245 250 255 Leu Ala Gly Ala Lys Glu Lys Leu Ala Phe His Ile Glu Ala Ala Gln 260 265 270 Arg His Leu Arg Asn Ala Asp Val Asp Gly Ala Ala Leu Ala Tyr Ile 275 280 285 Cys Glu Leu Val Ala Ala Arg Asp His *** 290 295
llus stearo thermophilus) 配列の特徴:特徴を表わす記号:アスパラギン酸−ri
chドメインコード領域(Asp−rich doma
in coding) 存在位置:256−276 配列: GTGGCGCAGC TTTCAGTTGA ACAGTTTCTC AACGAGCAAA AACAGGCGGT GGAAACAGCG 60 CTCTCCCGTT ATATAGAGCG CTTAGAAGGG CCGGCGAAGC TGAAAAAGGC GATGGCGTAC 120 TCATTGGAGG CCGGCGGCAA ACGAATCCGT CCGTTGCTGC TTCTGTCCAC CGTTCGGGCG 180 CTCGGCAAAG ACCCGGCGGT CGGATTGCCC GTCGCCTGCG CGATTGAAAT GATCCATACG 240 TACTCTTTGA TCCATGATGA TTTGCCGAGC ATGGACAACG ATGATTTGCG GCGCGGCAAG 300 CCGACGAACC ATAAAGTGTT CGGCGAGGCG ATGGCCATCT TGGCGGGGGA CGGGTTGTTG 360 ACGTACGCGT TTCAATTGAT CACCGAAATC GACGATGAGC GCATCCCTCC TTCCGTCCGG 420 CTTCGGCTCA TCGAACGGCT GGCGAAAGCG GCCGGTCCGG AAGGGATGGT CGCCGGTCAG 480 GCAGCCGATA TGGAAGGAGA GGGGAAAACG CTGACGCTTT CGGAGCTCGA ATACATTCAT 540 CGGCATAAAA CCGGGAAAAT GCTGCAATAC AGCGTGCACG CCGGCGCCTT GATCGGCGGC 600 GCTGATGCCC GGCAAACGCG GGAGCTTGAC GAATTCGCCG CCCATCTAGG CCTTGCCTTT 650 CAAATTCGCG ATGATATTCT CGATATTGAA GGGGCAGAAG AAAAAATCGG CAAGCCGGTC 720 GGCAGCGACC AAAGCAACAA CAAAGCGACG TATCCAGCGT TGCTGTCGCT TGCCGGCGCG 780 AAGGAAAAGT TGGCGTTCCA TATCGAGGCG GCGCAGCGCC ATTTACGGAA CGCCGACGTT 840 GACGGCGCCG CGCTCGCCTA TATTTGCGAA CTGGTCGCCG CCCGCGACCA TTAA 894
(I)〜(V)、並びにアスパラギン酸リッチドメイン
I、を示す図である。図中、配列はプレニル二リン酸合
成酵素のアミノ酸配列を示し、ATGERPYRSはA
rabidopsisthaliana、LA1577
8.pはLupinas albus、CAGERDI
S.はCapsicum annuum、ATGGPS
RP.はArabidopsis thaliana、
GGPS.pepはSulfolobus acido
caldarius、SPCRT.pepはRhodo
bactor sphaeroides、RCPHSY
NG.はRhodobactorcapsulatu
s、EHCRTS.peはErwinia herbi
cola、MXCRTNODAはMyxococcus
thaliana、NCAL3.pepはNeuro
spora crassa由来のゲラニルゲラニル二リ
ン酸合成酵素を、BSFDPS.peはBacillu
s stearothermophilus由来のファ
ルネシル二リン酸合成酵素を示す。それぞれのアミノ酸
配列の左側に記載されている数字は、それぞれのアミノ
酸配列のN末端の、それぞれのゲラニルゲラニル二リン
酸合成酵素におけるN末端側からの部位である。
P)、ゲラニル二リン酸(GPP)、ファルネシル二リ
ン酸(FPP)、ゲラニルゲラニル二リン酸(GGP
P)をそれぞれアリル性基質としたときの変異型Sac
GGPS合成酵素反応物の脱リン酸化物の薄層クロマト
グラフィーによる展開パターンを示す図面代用写真であ
る。図中Oriは展開のオリジン、S.F.はソルベン
トフロントを示す。それぞれのレーンの番号は1が野生
型SacGGPS、2が変異型SacGGPS(L74
G,F77S)、3が変異型SacGGPS(L74
G,F77A)、4が変異型SacGGPS(L74
G,F77G)である。また、FOHはファルネソー
ル、GGOHはゲラニルゲラニオールであり、それぞれ
ファルネシル二リン酸、ゲラニルゲラニル二リン酸の脱
リン酸化より生成する。さらに長鎖長のプレニル二リン
酸の脱リン酸化により生成したプレニルアルコールも観
察される。
ン酸、ファルネシル二リン酸、ゲラニルゲラニル二リン
酸をそれぞれアリル性基質としたときの変異型BstF
PS合成酵素反応物の脱リン酸化物の薄層クロマトグラ
フィーによる展開パターンを示す図面代用写真である。
図中Oriは展開のオリジン、S.F.はソルベントフ
ロントを示す。それぞれの変異型BstFPS合成酵素
ごとに展開してある。図中BstFPSは野生型の酵素
を他はそれぞれの変異型酵素を示す。レーン番号は反応
に用いたアリル性プライマーを示し、1はジメチルアリ
ル二リン酸、2はゲラニル二リン酸、3はファルネシル
二リン酸、4はゲラニルゲラニル二リン酸を用い反応し
た。また、FOHはファルネソール、GGOHはゲラニ
ルゲラニオールであり、それぞれファルネシル二リン
酸、ゲラニルゲラニル二リン酸の脱リン酸化より生成す
る。さらに長鎖長のプレニル二リン酸の脱リン酸化によ
り生成したプレニルアルコールも観察される。
Claims (19)
- 【請求項1】 プレニル二リン酸合成酵素のアミノ酸配
列において、第二領域に存在するアスパラギン酸リッチ
ドメインD1D2X1(X2X3)X4D3(配列中、D1、D2
及びD3はアスパラギン酸を示し、X1、X2、X3及びX
4は任意のアミノ酸を示し、そしてX2及び/又はX3は
存在しない場合がある)のD1から5残基N−末端側に
存在するアミノ酸がAla、Ser又はGlyにより置換されて
おり、且つD 1 から8残基N−末端側に存在するアミノ
酸がGlyにより置換されているアミノ酸配列を有する変
異型プレニル二リン酸合成酵素。 - 【請求項2】 X2及び/又はX3が欠失している、さら
に修飾されたアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の
酵素。 - 【請求項3】 前記プレニル二リン酸合成酵素の反応産
物が、ヘプタプレニル二リン酸、オクタプレニル二リン
酸、ノナプレニル二リン酸、デカプレニル二リン酸、ウ
ンデカプレニル二リン酸、ドデカプレニル二リン酸、ト
リデカプレニル二リン酸、テトラデカプレニル二リン
酸、ペンタデカプレニル二リン酸、ヘキサデカプレニル
二リン酸である、請求項1又は2に記載の酵素。 - 【請求項4】 前記プレニル二リン酸合成酵素が、ホモ
ダイマー型である請求項1〜3のいずれか1項に記載の
酵素。 - 【請求項5】 前記プレニル二リン酸合成酵素が、アー
キア由来である請求項1〜4のいずれか1項に記載の酵
素。 - 【請求項6】 前記プレニル二リン酸合成酵素が、細菌
由来である請求項1〜4のいずれか1項に記載の酵素。 - 【請求項7】 前記プレニル二リン酸合成酵素が、スル
ホロバス・アシドカルダリウス(Sulfolobus acidocald
arius)由来の請求項1〜4のいずれか1項に記載の酵
素。 - 【請求項8】 前記プレニル二リン酸合成酵素が、バシ
ラス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearotherm
ophilus)由来の請求項1〜4のいずれか1項に記載の
酵素。 - 【請求項9】 前記プレニル二リン酸合成酵素が、変異
前のプレニル二リン酸合成酵素が有する特性を付与した
請求項1〜8のいずれか1項に記載の酵素。 - 【請求項10】 前記プレニル二リン酸合成酵素が耐熱
性酵素である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の酵
素。 - 【請求項11】 配列番号:1に示すアミノ酸配列を有
するゲラニルゲラニル二リン酸合成酵素の74位のロイシ
ンがグリシンにより置換されており、且つ77位のフェニ
ルアラニンがアラニン、セリン又はグリシンにより置換
されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の変異
型プレニル二リン酸合成酵素。 - 【請求項12】 配列番号3:に示すアミノ酸配列を有
するファルネシル二リン酸合成酵素の78位のイソロイシ
ンがグリシンにより置換されており、且つ81位のチロシ
ンがアラニン、セリン又はグリシンにより置換されてい
る、請求項1〜4のいずれか1項に記載の変異型プレニ
ル二リン酸合成酵素。 - 【請求項13】 配列番号3:に示すアミノ酸配列を有
するファルネシル二リン酸合成酵素の78位のイソロイシ
ンがグリシンにより置換されており、且つ81位のチロシ
ンがアラニン、セリン又はグリシンにより置換されてお
り、そして、89位のプロリン及び90位のセリンを欠失さ
せた、請求項1〜4のいずれか1項に記載の変異型プレ
ニル二リン酸合成酵素。 - 【請求項14】 請求項1〜13のいずれか1項に記載の
酵素をコードするDNA。 - 【請求項15】 請求項14記載のDNAから転写されるRN
A。 - 【請求項16】 請求項14記載のDNAを含んで成る組換
えベクター。 - 【請求項17】 請求項16記載の組換えベクターにより
形質転換された宿主生物。 - 【請求項18】 請求項17に記載の宿主を培養し、培養
物から発現生成物を採取する事を特徴とする、請求項1
〜13いずれか1項に記載の酵素製造方法。 - 【請求項19】 請求項1〜13のいずれか1項に記載の
酵素又は請求項18に記載の方法により製造される酵素
を、イソペンテニル二リン酸、ジメチルアリル二リン
酸、ゲラニル二リン酸、ファルネシル二リン酸、ゲラニ
ルゲラニル二リン酸からなる群から選択される基質に作
用せしめることを特徴とするプレニル二リン酸の製造方
法。
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