JP3378064B2 - 防音壁 - Google Patents

防音壁

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JP3378064B2
JP3378064B2 JP30035293A JP30035293A JP3378064B2 JP 3378064 B2 JP3378064 B2 JP 3378064B2 JP 30035293 A JP30035293 A JP 30035293A JP 30035293 A JP30035293 A JP 30035293A JP 3378064 B2 JP3378064 B2 JP 3378064B2
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義人 平石
賢一 下村
文人 渡辺
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筒中プラスチック工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、道路、鉄道等の路側
部に沿って立設される防音壁、とくに路側部に沿って所
定間隔おきに支柱が立てられ、隣接支柱間に硬質合成樹
脂板からなる防音板を取付けて構成される透光性の合成
樹脂製防音壁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の合成樹脂防音壁において
は、その主体をなす防音板に平面状の硬質合成樹脂板が
用いられていた。かかる平面状の樹脂板は、それ自体の
曲げ強度が弱いため、施工に際しては、その周縁部に金
属製の周枠材を額縁状に取付けて補強し、該周枠材の部
分をもって支柱にボルト・ナットで固定することにより
防音壁を構成していた。
【0003】例えば図6に示すように、平面状の硬質合
成樹脂板からなる防音板(31)の周縁部に予め周枠材
(32)を取付けて枠付きの防音パネル(30)を形成
し、これをH型鋼からなる隣接支柱(33)間に落し込
んだのち、適宜固定金具(図示略)を用いて該支柱に固
定するものとしていた。あるいはまた図7に示すよう
に、合成樹脂防音板(40)と、その補強用周枠材を兼
ねた取付用枠材(41)(42)とを用意し、施工現場
で支柱(43)との位置合わせを行って、それらに所要
の取付孔(44)を穿設したのち、支柱(43)にボル
ト・ナット(45)で上記枠材(41)(42)と共に
防音板(40)を取付け固定するものとしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の防音壁においては、防音板(31)(4
0)の上下両側縁にも周枠材(32)(40)(41)
が配置されるため、殊に例えば高さ1mの防音パネルを
上下に複数段積重ね状に配設して所要の高さの防音壁と
するような場合、各パネルの上下に幅50mm程度の周
枠材が位置することになり、該周枠材の存在のために防
音壁の透光性が損われ、特に透明防音壁の場合には透視
性が阻害されると共に、外観的にもスマートさに欠ける
ものとなる難点があった。
【0005】かつ、防音板(31)と周枠材(32)と
の組合わせによる枠付き防音パネル(30)において
は、その重量が例えば1m×2mの大きさのもので70
〜80kgと相当に重いものとなり、支柱(33)への
取付けに際して作業が厄介であり、施工に多くの時間と
労力を要する難点もあった。
【0006】この発明は、上記のような問題点に鑑み、
透光性合成樹脂製防音壁について、透光性ないし透視性
を向上すること、防音パネルの軽量化をはかり、その取
付施工作業の労務負担を軽減すること、体裁の向上をは
かること、強度及び防音性を良好に確保しうるものとな
すことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、防音板とし
て透光性硬質合成樹脂製のV字形あるいはU字形等の折
板を用いるものとし、該折板からなる防音板の両側縁部
のみにサイドフレームを特定の態様で取付け、支柱に対
して上記サイドフレーム部分を固定して取付けるように
したものである。
【0008】即ち、この発明は、防音板として上下方向
の断面が連続した山部を形成するように折曲された透光
性硬質合成樹脂折板が用いられ、該防音板の左右両側縁
部のみの背面に、金属製のサイドフレームが添接配置さ
れ、該サイドフレームが、その片面に所定間隔おきに立
設固定されたスタッドボルトを防音板の山部の下底部に
設けられた取付孔に外側から挿通し、内側からナットで
締結することにより、前記防音板に一体的に取付けられ
て防音パネルが構成され、該防音パネルが、H型鋼から
なる支柱の対向フランジ部間に側縁部を落し込み状態に
嵌め込まれかつそのサイドフレームを該支柱に固定して
取付けられてなることを特徴とする防音壁を要旨とす
る。
【0009】防音板は、防音壁を透視性のものに構成す
る場合、透明な合成樹脂折板が用いられる。
【0010】また、防音壁の防音性を向上するため、サ
イドフレームの片面に複数個の面戸片が所定間隔おきに
取付けられ、該面戸片が防音板の山部内にシーリング材
を介して密に嵌合されることにより、上記山部の両端が
閉塞されたものとすることが望ましい。
【0011】更に、防音パネルの支柱に対する取付けの
簡易性のため、サイドフレームに複数個のコ字状の取付
け金具がその一側片部を溶接して所定間隔おきに取付け
られると共に、サイドフレームの外面方向に突出した該
取付金具の他側片部に固定用ボルトが押進可能に取付け
られ、該固定ボルトの締付けにより支柱の外側フランジ
部を押圧して防音パネルを支柱に固定したものとするこ
とが望ましい。
【0012】防音板は、例えばポリカーボネート樹脂、
ポリメチルメタクリレート樹脂等の硬質かつ透光性、好
ましくは透明な樹脂からなり、厚さ2〜10mm程度の
ものが好適に用いられる。2mm未満では防音性能に不
十分であり、10mmより厚いと折板にするための折曲
げ加工が困難であり、かつ重量も大きくなり過ぎる。
【0013】また、折板形状は、V字状に折曲げた折板
を好適とするが、U字状に折曲げた所謂波板も包含され
る。
【0014】
【作用】防音板として、上下方向の断面が連続した山部
を形成するように折曲された折板を用いることにより、
左右の長さ方向において高い剛性を示し、所要の強度が
保証される。このため、防音板の上下に枠材を取付ける
必要性を排除し、防音壁の透光性、透視性が良好に保た
れる。
【0015】また、サイドプレートの背面側において防
音板の取付用ボルト等が突出することがなく、支柱への
防音パネルの取付けに際して支障を生じない。
【0016】
【実施例】この発明の実施例を示す図1ないし図5の参
照において、(1)は防音パネル、(2)は路側部に所
定間隔おきに立設された支柱である。図2及び図3にお
いては、隣接する1対の支柱(2)(2)間に、1つの
防音パネル(1)を取付けた状態が示されているが、防
音壁は上記パネル(1)を左右に連続して取付施工し、
更に要すれば上下にも複数個の防音パネル(1)を積重
ね状態に取付施工して、所要長さ及び所要高さに構成さ
れるものである。
【0017】防音パネル(1)は、例えば高さ1m、長
さ2mの長方形の合成樹脂防音板(3)と、その両側縁
部に取付けられる1対のサイドフレーム(4)とよりな
る。
【0018】防音板(3)は、透光性ないし透明な硬質
合成樹脂板を連続V字状に折曲げた折板からなり、上
方向の断面が連続した山部を形成するように折曲された
方向にして用いるものとなされると共に、上下端には、
道路等の外面方向に向く山の下底部(3a)からく字状
に折曲された細幅の水平凸縁部(3b)(3b)を有す
るものとなされている。
【0019】サイドフレーム(4)は、鉄板等の金属製
のもので、帯状のフラットバーからなり、上下両端部に
同方向に折曲げられた水平折曲部(4a)(4a)を有
し、これらの両折曲部(4a)(4a)間に防音板
(3)が適合して納まるような長さに設定されている。
【0020】サイドフレーム(4)の片面には、その一
側縁部に防音板(1)の山部に適合する複数個の面戸片
(5)が所定間隔置きに溶接固着されると共に、この隣
接する各面戸片(5)(5)間の位置と両端部近傍の位
置の幅中央部に剣先ボルトからなるスタッドボルト
(6)が溶接により立設固定されている。
【0021】更に、サイドフレーム(4)の長さ方向の
中間部には、複数個の取付金具(7)が取付けられてい
る。該取付金具(7)は、図1及び図5に示すようにコ
字状の金属片からなるもので、前記面戸片(5)の取付
位置において一側片部(7a)がサイドフレーム(4)
の内面側に溶接固着されている。そしてサイドフレーム
(4)の外面方向に突出された他側片部(7b)に、外
側から固定用ボルト(8)が進退作動可能にねじ通さ
れ、これに上記他側片部(7b)を挾んで1対のロック
用ナット(9)(9)がはめられている。
【0022】更にまた、サイドフレーム(4)の外面に
は、その全長に亘り、対応幅のシート状パッキン(1
3)が貼付けて取付けられている。
【0023】防音パネル(1)は、上記防音板(3)の
両側縁部背面に、1対のサイドフレーム(4)(4)を
添接配置し、両者を接結固定することによって構成され
たものである。この接結固定は、サイドフレーム(4)
に立設されたスタッドボルト(6)を、防音板(3)の
山部の下底部(3a)の対応位置に穿設された取付孔
(10)に、外側から挿通し、内側からワッシャ(1
2)及び要すればパッキン(図示略)を介してナット
(11)で締結することにより行われている。従って、
サイドフレーム(4)の背面側すなわち外面側には、防
音板取付用のボルトやナット類が一切突出しないものと
なされている。
【0024】上記接結固定状態において、サイドフレー
ム(4)が具備する面戸片(5)は、防音板(3)の内
方に突出する山部内にシーリング材(14)を介して密
に嵌合され、上記山部の端面を閉塞している。従って、
該山部の端部からの音洩れを防止し、防音壁の防音性能
を良好に保持しうるものとなされている。なお、シーリ
ング材(14)は、図1に示したように耐候性スポンジ
テープ類を用いて、面戸片(5)と防音板(3)との間
に挾み込むものとしても良いが、両者間の間隙部に爾後
充填しうる粘性タイプのものを用いても良い。
【0025】(15)は、サイドフレーム(4)のコー
ナー部に充填されたシーリング材である。
【0026】上記防音パネル(1)は工場で組立てられ
る。そして、防音壁の施工に際して現場に搬入される。
該現場において、防音パネル(1)は、隣接する1対の
H型鋼からなる支柱(2)(2)間にまたがる態様にお
いて、サイドフレーム(4)が付設された両側縁部を、
各支柱の対向フランジ部(2a)(2a)間に上方から
落し込んで嵌め込まれる。この際、取付金具(7)の外
側の側片部(7b)は支柱(2)の外方のフランジ部
(2a)の外側に出すように配置し、所定位置に防音パ
ネル(1)をセッティングしたのち、いったんロック用
ナット(9)(9)を緩めた状態のもとに固定ボルト
(8)を締め付けて内方に押し進め、その先端で上記フ
ランジ部(2a)の外面を強く押し付けるものとする。
これにより、防音パネル(1)は支柱(2)にしっかり
と固定される。この固定後、振動等によって固定ボルト
(8)が緩むのを防止するため、ロックナット(9)
(9)を締付けて固定ボルト(8)の移動を完全に防止
するものとなされる。
【0027】なお、図5に示すように、支柱(2)の外
側フランジ部(2a)の外面に予め窪み状の凹部(1
6)を形成し、該凹部に固定ボルト(8)の先端を適合
させるものとすれば、固定ボルト(8)を所定の取付位
置に一層しっかりと固定しうるものとなしうる点で望ま
しい。また、図示実施例においては、サイドフレーム
(4)として帯状のフラットバーからなるものを示した
が、防音板の波形断面形状に対応したタイトフレーム型
のものを用いても良い。この場合、必要に応じて面戸片
(5)はサイドフレームの背面側に取付けられる。さら
にまた、防音板(3)の下底部(3a)とサイドフレー
ム(4)との間にもシーリング材(14)を介在させる
ものとしても良い。
【0028】
【発明の効果】この発明は上述のように、防音板とし
下方向の断面が連続した山部を形成するように折曲さ
れた透光性硬質合成樹脂折板が用いられているから、そ
れ自体が長さ方向において所要の優れた剛性、耐撓曲強
度を有する。従って、該防音板の左右両側縁部のみに金
属製のサイドフレームを付設するだけで、防音パネルを
所要の剛性と強度を具備するものに構成できる。
【0029】従ってまた、該防音パネルを用いた防音壁
において、防音板の上下に補強用の枠材を有しないもの
とすることができ、ひいては透光性に一段と優れかつ外
観体裁の良好な防音壁を構成することができる。
【0030】また、防音板に対するサイドフレームの取
付構造において、サイドフレーム側に突設したスタッド
ボルトを防音板の山部の下底部に通してその内側からナ
ットで固定するものとしていることにより、サイドフレ
ームの外面及び防音板の上底部外面に取付用ボルト等に
よる突起物が存在しないものとすることができる。従っ
て、H型鋼からなる支柱への取付けに際し、防音パネル
の落し込み固定作業を支障なく円滑に行うことができ
る。かつ防音パネル自体、周枠材の削減によって軽量化
をはかることができる。例えば従来の枠付き防音パネル
に対し、半分以下に重量を軽減することが可能である。
従って、その取扱いが容易であることも相俟って、現場
での施工作業能率が良く、工期を短縮しうる。
【0031】また、請求項2に係る防音壁にあっては、
透視性の良好な防音壁を得ることができる。
【0032】また、請求項3に係る防音壁にあっては、
折板を用いた防音板の両端部からの音洩れを防止し、一
段と防音特性に優れたものとなしうる。
【0033】更にまた、請求項4に係る防音壁にあって
は、防音パネルの支柱に対する固定を簡単に行うことが
でき、愈々施工作業性を向上し得て、現場での工期の短
縮に貢献しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による防音壁の構成部材を分解状態に
して示した斜視図である。
【図2】この発明に係る防音壁を内側からみた正面図で
ある。
【図3】同上防音壁の平面図である。
【図4】図3のIV−IV線の断面図である。
【図5】図4のV−V線の断面図である。
【図6】従来の防音壁の一例を示す防音パネルの取付途
上の状態の斜視図である。
【図7】従来の防音壁の他の例を示す施工途上の状態の
斜視図である。
【符号の説明】
1…防音パネル 2…支柱 3…防音板 3a…下底部 4…サイドフレーム 5…面戸片 6…スタッドボルト 7…取付金具 8…固定ボルト 10…取付孔 11…ナット
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E01F 8/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防音板として上下方向の断面が連続した
    山部を形成するように折曲された透光性硬質合成樹脂折
    板が用いられ、 該防音板の左右両側縁部のみの背面に、金属製のサイド
    フレームが添接配置され、該サイドフレームが、その片
    面に所定間隔おきに立設固定されたスタッドボルトを防
    音板の山部の下底部に設けられた取付孔に外側から挿通
    し、内側からナットで締結することにより、前記防音板
    に一体的に取付けられて防音パネルが構成され、 該防音パネルが、H型鋼からなる支柱の対向フランジ部
    間に側縁部を落し込み状態に嵌め込まれかつそのサイド
    フレームを該支柱に固定して取付けられてなることを特
    徴とする防音壁。
  2. 【請求項2】 防音板が透明な合成樹脂折板からなる請
    求項1の防音壁。
  3. 【請求項3】 サイドフレームの片面に複数個の面戸片
    が所定間隔おきに取付けられ、該面戸片が防音板の山部
    内にシーリング材を介して密に嵌合されることにより、
    上記山部の両端が閉塞されてなる請求項1または2に記
    載の防音壁。
  4. 【請求項4】 サイドフレームに複数個のコ字状の取付
    け金具がその一側片部を溶接して所定間隔おきに取付け
    られると共に、サイドフレームの外面方向に突出した該
    取付金具の他側片部に固定用ボルトが押進可能に取付け
    られ、該固定ボルトの締付けにより支柱の外側フランジ
    部を押圧して防音パネルが支柱に固定されてなる請求項
    1ないし3のいずれか1に記載の防音壁。
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