JP3376656B2 - ヘテロ接合ホール素子 - Google Patents

ヘテロ接合ホール素子

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JP3376656B2 JP30200093A JP30200093A JP3376656B2 JP 3376656 B2 JP3376656 B2 JP 3376656B2 JP 30200093 A JP30200093 A JP 30200093A JP 30200093 A JP30200093 A JP 30200093A JP 3376656 B2 JP3376656 B2 JP 3376656B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は III−V族化合物半導体
層のヘテロ接合からなるホール素子に関する。
【0002】
【従来の技術】磁電変換素子の一つとしてホール素子が
知られている。ホール素子は一種の磁気センサーであ
り、回転検出センサーや電流センサー等として利用され
ている。最近では、ホール素子の高性能化の要望に対応
してGaInAsとInPとのヘテロ接合からなるホー
ル素子も開発されるている(奥山 忍他、1992年秋
季第53回応用物理学会学術講演会予稿集No.3(応
用物理学会発行)、講演番号16a−SZC−16、1
078頁)。このヘテロ接合ホール素子は温度特性、感
度特性に優れている。
【0003】ヘテロ接合ホール素子としては他にAlG
aAs/GaAsヘテロ接合を利用したものがある。ま
た、AlInAs/GaInAsヘテロ接合ホール素子
も報告されている(例えばY.Sugiyama、Te
chnical Digest of the 11t
h.Sensor Symposium(1992)、
79頁)。いずれのヘテロ接合ホール素子もヘテロ接合
によってもたらされる界面物性をホール素子の特性に反
映させている。優れた界面物性の一つに高電子移動度の
顕現がある。これによりホール素子の高感度化が果たさ
れている。
【0004】従来からヘテロ接合は化合物半導体単結晶
基板上に形成される。GaAsやInP結晶が基板とし
て使用される。格子の整合性を勘案してどちらかが選択
されている。例えばGaInAs/InPヘテロ接合に
はInPが基板として使用される。いずれにしても、基
板の表面は平滑に加工される。特に、ヘテロ接合を形成
する基板の表面側は機械的にも化学的にも研磨され、鏡
面に仕上げられる。裏面側は鏡面とはいかない迄も平滑
な面にラッピング、エッチング等の加工を施されるのが
通例である。ヘテロ接合の形成後でも、裏面側を薄層化
することはあっても、段差を設ける様な加工は従来から
施されていない。
【0005】最近のヘテロ接合ホール素子でも、従来の
素子と同じくフレーム上にマウントされる。次に、エポ
キシ樹脂等の半導体素子封止用樹脂で外囲する。これに
よってモールド品となす。しかし、封止用樹脂で外囲す
るとホール素子の特性が変化する。素子特性がヘテロ接
合の界面物性に依存するヘテロ接合ホール素子にあって
は、特性変化は顕著である。特性の劣化は不平衡率の増
大、積感度の悪化となって現れる。本来の優れたヘテロ
接合ホール素子の特性が損なわれる欠点があった。不平
衡率(η)とはホール出力電圧(V)に対する不平衡電
圧(V0 )の比率で式(1)で表される。 η = V0 / ( V− V0 ) ・・・・・・(1) 積感度とは、単位電流、単位磁界強度下でのホール出力
電圧である。mV/mA・kG或いはV/A・Tの単位
で表示される。不平衡率は小さく、積感度は大きい程、
ホール素子は高性能であると言える。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】外囲工程で不平衡率、
積感度が劣化するのは、外囲用樹脂の熱伸縮に因る。樹
脂を成形するための加熱、冷却工程に伴う樹脂の伸縮が
ホール素子に掛かる。結果として、ヘテロ界面に歪を誘
引し、ヘテロ界面を乱す。これがヘテロ界面の物性を損
なう。これが従来からヘテロ接合特性が充分にホール素
子特性へ反映できない理由であった。従来技術では、樹
脂の成形工程での素子特性の劣化を防止する有効な方法
はなかった。素子化のための加熱工程での特性の劣化を
防止できるホール素子の母体材料の加工法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】裏面側に溝を形成したI
nP基板上にヘテロ接合からなるホール素子を構成す
る。裏面の溝の深さ(d)は基板の厚さ(D)の3%以
上で88%以下とする。ヘテロ接合はGaInAsとI
nP若しくはGaInAsとAlInAsとから構成す
る。
【0008】GaInAs/InP若しくはGaInA
s/AlInAsヘテロ接合は、InP結晶基板上に形
成する。基板の厚み(D)は350〜400μmであ
る。InP結晶を基板とするのは格子整合性の観点から
である。InP基板の裏面側には溝を形成する。溝の深
さ(d)は基板の厚さ(D)の3%以上で88%以下と
する。溝の深さ(d)がInP基板の厚さ(D)の3%
未満であると、外囲樹脂の熱伸縮に伴い素子に掛かる歪
を充分に吸収緩和できないからである。一方、溝の深さ
(d)が基板の厚さ(D)の88%を越えると、逆に基
板の表面側に形成されたヘテロ接合に直接、熱歪が及
ぶ。3%〜88%に相当する溝の深さが外囲器の伸縮に
伴う応力を緩和するに都合が良い。基板の厚み(D)は
350〜400μmである。
【0009】溝は複数設けると良い。周期的に溝を設け
ると効果的である。溝は凹凸を設ければ形成できる。凹
凸が存在すると応力が分散され、溝の凸部の部分にも応
力が掛かる。凹凸を設ければ表面積が拡大し応力の吸収
に寄与する。凹部の側壁も応力を吸収する。従って、基
板裏面の上方、即ちヘテロ接合界面側に抜ける応力は緩
和される。凹凸溝は直線でも格子状でも良い。また、同
心円状でも構わない。格子状に溝を設ける場合は基板側
に形成するダイシングラインの形成方向と位置とに対応
する様にすると良い(図3参照)。ダイシングすべき基
板厚が薄くなり、チップ化が容易となるからである。同
心円状の溝は基板裏面の中央を中心として一つでも良
い。図4にその平面模式図を、図5に断面模式図を示
す。また、図6に示す様に各素子に対応する領域内に個
別に同心円状溝を形成しても良い。直線状、格子状の溝
の数は各ホール素子の領域範囲内の基板裏面側に少なく
とも一本の溝が存在する様に決定すれば良い。一般的な
ホール素子のチップサイズは350μm×350μm或
いは300μm×300μmである。従って、溝幅
(w)は少なくとも300μm未満とすれば良い。ま
た、溝間の距離も300μm未満とすれば良い。但し、
実用上は50μm程度の溝を5〜6本程、基板結晶の裏
面側に形成すると効果的である。
【0010】溝を形成するのは外囲工程以前である。予
め裏面に溝を設けた結晶を基板として使用することがで
きる。しかし、一般的にはヘテロ接合の成長後、表面側
にダイシングラインの形成工程と併行して行うとプロセ
ス上都合が良い。同一のプロセス手法でダイシングライ
ンと裏面溝が同時に形成できるからである。
【0011】次に、上記のようにして得たホール素子チ
ップをフレームに固定する。フレームには溝がある基板
裏面側を固定する。フレームには接合材で固定する。固
定する側に溝があるとフレームへの固定も確実となる。
基板裏面に溝が有ればフレームへのマウントも容易にな
る利点がある。さらにフレームに固定したホール素子を
外囲する。外囲には従来の封止用エポキシ樹脂を使用す
れば良い。InPと同様の膨張率の低膨張率のエポキシ
樹脂を使用すればなおさら好都合である。
【0012】このように作成したGaInAs/InP
ヘテロ接合ホール素子を例として電気的な特性を評価し
た。InP基板の裏側に溝があるGaInAsホール素
子にあっては、同素子の外囲封止の前後で積感度、不平
衡率にさしたる変化を生じなかった。一方、従来のGa
InAsホ−ル素子にあっては、積感度が封止後に約2
0%の低下を示した。また、不平衡率も封止前の±5%
程度から、封止後では±13%と悪化した。
【0013】
【作用】基板に溝を設けることにより、加工に伴う応力
や熱応力を吸収し、外囲工程に伴う積感度及び不平衡率
の劣化を回避する作用を有する。
【0014】
【実施例】以下、本発明をGaInAs/InPヘテロ
接合ホール素子の実施例を基に説明する。図1にGaI
nAs/InPヘテロ接合ホール素子の平面模式図を示
す。図2は図1の破線A−A’に沿う断面模式図であ
る。(101)は基板として用いたFeドープ半絶縁性
InP単結晶である。基板厚さは約300μmであっ
た。基板の表裏面は{100}面である。
【0015】基板(101)上にはInP緩衝層(10
2)を成長させた。更に感磁層のGa0.47In0.53As
層(103)を積層した。成長温度は610℃とした。
InP層(102)及びn形Ga0.47In0.53As層
(103)のキャリア濃度は各々、2×1015cm-3
び2×1016cm-3であった。この積層構造の電子移動
度は室温で11,000cm2 /V・sであった。エピ
タキシャル成長層(102及び103)はMOVPE法
で成長させた。成長時には基板(101)の裏面側にま
だ溝を設けていない。
【0016】感磁層(103)の表面に加工を施し、電
極(104)を形成した。更に、基板の表、裏面をプラ
ズマCVD法によるSiO2 絶縁膜(105)で被覆し
た。表、裏面共にSiO2 膜(105)の厚さは約30
0nmとした。基板表面側(101−1)の絶縁膜(1
05)上にはフォトレジスト材を塗布した。公知のフォ
トリソグラフィー技術等を利用し直線状のダイシングラ
イン(106)を形成した。
【0017】ダイシングライン(106)の形成に併行
してウエハの裏面側(101−2)に直線状の溝(10
7)を形成した。形成に当たっては、裏面全体にレジス
ト材を塗布した。公知のフォトリソグラフィー法により
溝(107)となる部分のみのレジストを剥離すべきパ
ターニングした。次に、無機酸でInP基板(101)
の裏面(101−2)をエッチングした。レジストが剥
離されている領域ではエッチングが進行し、溝(10
7)が形成される。その他のレジストが残存している領
域では、レジスト材がマスクとなりエッチングは進行し
ない。レジスト材が剥離された領域を交互に設けておけ
ば、周期的な溝(107)がエッチングで形成される。
本実施例でもこの方法により溝(107)を形成した。
溝(107)の開口幅は50μmとした。溝(107)
は<011>方向に平行にした。溝(107)の深さは
約100μmとした。これは基板厚さの約33%に相当
した。
【0018】予めダイシングライン用と溝形成用のパタ
ーニングを行いエッチングすれば、ダイシングライン
(106)と溝(107)は同時に形成される。本実施
例では、ダイシングライン(106)の凹部と裏面の凹
部とが一致する様にした。ダイシングする基板の厚さを
薄くし、チップ化を容易にするためである。ダイシング
ライン(106)に沿ってスクライブし、チップとし
た。チップサイズは350μm×350μmとした。
【0019】チップをフレームにマウントした。マウン
ト後、チップをエポキシ樹脂で封止した。エポキシ樹脂
は一般的な封止用のもので有るがシリカフィラーを混入
している。封止温度は約200℃とした。
【0020】GaInAsホール素子の電気的な特性を
評価した。積感度を本発明と従来例とで比較した。本発
明のGaInAsホール素子では、積感度はモールドの
前後で約760V・A/Tと殆ど変化が認められなかっ
た。従来例のそれは約20%、低下し、モールド後では
621V・A/Tに悪化した。また、不平衡率は本発明
に依る素子ではモールド前後に於いて±6%程度と一定
であった。従来例のそれは±12%と明らかに劣化し
た。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】高性能のGaInAsホール素子を安定
して提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるGaInAsホール素子の平面
模式図である。
【図2】図1の破線A−A’に沿う断面模式図である。
【図3】ダイシングラインと溝の好ましい配置の一例を
示す図である。
【図4】同心円状の溝の例の平面模式図である。
【図5】図4の断面模式図である。
【図6】同心円状の溝の例を示す図である。
【符号の説明】
(101) InP単結晶基板 (101−1) 基板表面 (101−2) 基板裏面 (101−3) オリエンテーションフラット (102) InPバッファ層 (103) Ga0.47In0.53As感磁層 (104) オーミック入・出力電極 (105) SiO2 絶縁膜 (106) ダイシングライン (107) 溝 (108) ホール素子チップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−103971(JP,A) 特開 昭63−17576(JP,A) 特開 平5−275767(JP,A) 特開 平6−77556(JP,A) 特開 昭63−17577(JP,A) 特開 昭60−198877(JP,A) 電総研ニュース,1992年 8月,511 号,pp.6−10 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 43/06 G01R 33/07

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 裏面側に溝を形成した基板上に III−V
    族化合物半導体ヘテロ接合からなる感磁部層を設けたこ
    とを特徴とするヘテロ接合ホール素子。
  2. 【請求項2】 裏面の溝の深さが基板の厚さの3%以上
    で88%以下である請求項1に記載のヘテロ接合ホール
    素子。
  3. 【請求項3】 基板がInPであることを特徴とする請
    求項1又は2に記載のヘテロ接合ホール素子。
  4. 【請求項4】 GaInAsとInPとのヘテロ接合か
    らなることを特徴とする請求項1に記載のヘテロ接合ホ
    ール素子。
  5. 【請求項5】 GaInAsとAlInAsとのヘテロ
    接合からなることを特徴とする請求項1記載のヘテロ接
    合ホール素子。
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電総研ニュース,1992年 8月,511号,pp.6−10

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